説明

クマリン化合物及びその用途

【課題】3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを阻害することができ、よって男性ホルモン依存性疾患の処置または予防において有用な化合物を提供すること。
【解決手段】本発明は、式(A)等で示されるクマリン化合物と不活性担体とを含有することを特徴とする3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物;当該阻害組成物に3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを阻害するための有効成分として含有されるクマリン化合物の使用等を提供する。

式(A)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クマリン化合物及びその用途等に関する。
【背景技術】
【0002】
前立腺癌、良性前立腺肥大、アクネ、脂漏症、多毛症、男性ホルモン性脱毛症、性的早熟、副腎性肥大および多嚢胞性卵巣症候群等の男性ホルモン依存性の疾患は、その発症や進行が男性ホルモンの活性により促進される。
【0003】
3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼは、低活性男性ホルモンであるアンドロステンジオンから高活性男性ホルモンであるテストステロンへの変換を触媒する酵素である。例えば、癌化した前立腺組織においては、3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ遺伝子の発現レベルが、正常組織での発現レベルよりも高いことが観察されている(例えば、非特許文献1)。
【0004】
【非特許文献1】The Prostate,53,154−159,(2002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを阻害することができ、よって男性ホルモン依存性疾患の処置又は予防において有用な化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、かかる状況の下、鋭意検討した結果、下記の式(A)、(B)、(I)〜(XXIV)で示される化合物(以下、一括して本化合物と記すこともある)が3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを阻害する能力を有することを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1.式(A)

[式中、
は、C1-C4アルキルカルボニル基、ハロゲン原子、C1-C4アルキル基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、C1-C4アルキルチオ基、シクロプロピルメチルチオ基又はa−CHS−基(aは、単数のハロゲン原子で置換されてもよいフェニル基、同一又は相異なる複数のハロゲン原子で置換されたフェニル基又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を表す。)で示される置換基群から選ばれる、単数の基で置換されてもよい、又は、同一又は相異なる複数の基で置換された、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、チオフェン環、イミダゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、4,5−ジヒドロチアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、ベンゾキサゾール環又はベンゾチアゾール環を表し、
は、水素原子又はハロゲン原子を表し、
は、水素原子、ハロゲン原子又は水酸基を表し、
'は、水素原子又はハロゲン原子を表し、
は、−O−基、−S−基、−SO−基、−NH−基又はメチレン基を表し、
は、水素原子、−SiR基(R、R及びRは、同一又は相異なり、C1-C6アルキル基を表す。)、C1-C4アルキルカルボニル基又はC1-C4アルコキシカルボニル基を表す。]
で示されるクマリン化合物と不活性担体とを含有することを特徴とする3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物;
2.式(B)

[式中、
は、アセチル基、メチル基、トリフルオロメチル基又はニトロ基で置換されてもよい、2−ピリジル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、2−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロチアゾール−2−イル基又はチアゾール−2−イル基を表し、
は、水素原子又はハロゲン原子を表し、
及びZ'は、同一又は相異なり、水素原子又はハロゲン原子を表し、
は、−S−基又はメチレン基を表し、
は、水素原子、−SiR基(R、R及びRは、同一又は相異なり、C1-C6アルキル基を表す。)、C1-C4アルキルカルボニル基又はC1-C4アルコキシカルボニル基を表す。
ただし、Xが置換基を有さない2−ピリジル基であってWが−S−基のとき、Y、Z'及びRが同時に水素原子となることはない。]
で示されるクマリン化合物;
3.式(I)

[式中、
Xは、ハロゲン原子、C1-C4アルキル基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、C1-C4アルキルチオ基、シクロプロピルメチルチオ基又はa−CHS−基(aは、単数のハロゲン原子で置換されてもよいフェニル基、同一又は相異なる複数のハロゲン原子で置換されたフェニル基又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を表す。)で示される置換基群から選ばれる、単数の基で置換されてもよい、又は、同一又は相異なる複数の基で置換された、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、チオフェン環、イミダゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、4,5−ジヒドロチアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、ベンゾキサゾール環又はベンゾチアゾール環を表し、
は、水素原子又はハロゲン原子を表し、
は、水素原子又は水酸基を表し、
は、−S−基、−SO−基、−NH−基又はメチレン基を表し、
は、水素原子、C1-C4アルキルカルボニル基又はC1-C4アルコキシカルボニル基を表す。]
で示されるクマリン化合物と不活性担体とを含有することを特徴とする3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物;
4.式(II)

[式中、
XIIは、メチル基、トリフルオロメチル基又はニトロ基で置換されてもよい、2−ピリジル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、2−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロチアゾール−2−イル基又はチアゾール−2−イル基を表し、
IIは、水素原子又はハロゲン原子を表し、
IIは、水素原子、C1−C4アルキルカルボニル基又はC1-C4アルコキシカルボニル基を表す。
ただし、XIIが置換基を有さない2−ピリジル基であるとき、YII及びRIIが同時に水素原子となることはない。]
で示されるクマリン化合物;
5.式(III)で示されるクマリン化合物;

6.式(IV)で示されるクマリン化合物;

7.式(V)で示されるクマリン化合物;

8.式(VI)で示されるクマリン化合物;

9.式(VII)で示されるクマリン化合;

10.式(VIII)で示されるクマリン化合物;

11.式(IX)で示されるクマリン化合物;

12.式(X)で示されるクマリン化合物;

13.式(XI)で示されるクマリン化合物;

14.式(XII)で示されるクマリン化合物;

15.式(XIII)で示されるクマリン化合物;

16.式(XIV)で示されるクマリン化合物;

17.式(XV)で示されるクマリン化合物;

18.式(XVI)で示されるクマリン化合物;

19.式(XVII)で示されるクマリン化合物;

20.式(XVIII)で示されるクマリン化合物;

21.式(XIX)で示されるクマリン化合物;

22.式(XX)で示されるクマリン化合物;

23.式(XXI)で示されるクマリン化合物;

24.式(XXII)で示されるクマリン化合物;

25.前項2又は4に記載のクマリン化合物と不活性担体とを含有する3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物;
26.前項5〜24のいずれか一項に記載のクマリン化合物と不活性担体とを含有する3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物;
27.前項1又は3に記載の3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物に有効成分として含有されるクマリン化合物の3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを阻害するための使用;
28.3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを阻害するための前項2又は4に記載のクマリン化合物の使用;
29.3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを阻害するための前項5〜24のいずれか一項に記載のクマリン化合物の使用;
30.3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを阻害する方法であって、治療的に有効な量の前項1又は3に記載の3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物に有効成分として含有されるクマリン化合物を該阻害を必要とする患者に投与することを特徴とする方法;
31.男性ホルモン依存性疾患を処置又は予防する方法であって、治療的に有効な量の前項1又は3に記載の3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物に有効成分として含有されるクマリン化合物を該処置又は予防を必要とする患者に投与することを特徴とする方法;
32.男性ホルモン依存性疾患が、前立腺癌、良性前立腺肥大、前立腺上皮内新生物形成、多毛症、アクネ、脂漏症、男性ホルモン性脱毛症、性的早熟、副腎性肥大又は多嚢胞性卵巣症候群である、前項31に記載の方法;
等を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性を阻害し、組織における男性ホルモン活性の亢進を抑制することにより、男性ホルモン依存性疾患を処置又は予防するための組成物等の開発および提供が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子があげられる。
本発明において、C1-C4アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等があげられ、C5アルキル基としてはイソペンチル基等があげられ、C6アルキル基としてはテキシル基等があげられ、C1-C4アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等があげられ、C1-C4アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基等があげられ、C1-C4アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等があげられる。
【0009】
本化合物において、ピリジン環を有する場合は、そのN−オキシドも含む。
【0010】
本化合物は、それらの薬理学上許容されうる塩も、同時に表す。薬理学上許容されうる塩とは、本化合物の、無機酸との塩、有機酸との塩、無機塩基との塩又は有機塩基との塩を表す。無機酸との塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩等があげられ、有機酸との塩とは、例えば、酢酸塩、安息香酸塩等があげられ、無機塩基との塩とは、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等があげられ、有機塩基との塩とは、例えば、ピリジン塩、モルホリン塩等があげられる。
【0011】
以下に、本化合物の製造法(1)〜(4)について記す。
【0012】
製造法(1):
本化合物のうち、式(1)(式中、XB、Y、Z、Z'及びRは、前記と同一の意味を表す。)で示される化合物は、例えば、式(1’)(式中、Vは、塩素原子又は臭素原子を表し、Y、Z、Z'及びRは、前記と同一の意味を表す。)で示される化合物と、式(1’’)(式中、XBは、前記と同一の意味を表す。)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。

該反応において、反応温度の範囲は、通常、室温〜溶媒還流温度であり、反応時間の範囲は、通常、瞬時〜約24時間である。該反応は、通常、塩基の存在下で行うが、用いられる塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン等の有機塩基、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の無機塩基等があげられる。該反応に供せられる試剤の量は、化合物(1’)1モルに対して、化合物(1’’)は通常1〜2モル、塩基は通常1〜7モルである。上記反応において、溶媒は必ずしも必要ではないが、通常は溶媒の存在下に行われる。該反応に使用しうる溶媒としては、ヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、炭酸ジエチル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトニトリル、イソブチルニトリル等のニトリル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類等又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、有機溶媒抽出、水洗後、有機層を減圧濃縮する等の通常の後処理を行い、必要に応じ、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によって精製することにより、化合物(1)を得ることができる。
化合物(1’)は、例えば、文献J.Medicinal Chem.(2004),47(27),6792に記載されている。
【0013】
製造法(2):
本化合物のうち、式(2)(式中、X、Z及びZ'は、前記と同一の意味を表す。)で示される化合物は、例えば、式(2’)(式中、Z及びZ'は、前記と同一の意味を表す。)で示される化合物と、式(2’’)(式中、Xは、前記と同一の意味を表し、R'は、C1-C4アルキル基を表す。)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。

該反応において、反応温度の範囲は、通常、溶媒還流温度を上限として0℃〜120℃であり、反応時間の範囲は、通常、瞬時〜約50時間である。該反応は、通常、酸性溶媒中で行われる。酸性溶媒としては、例えば、濃硫酸、70%硫酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、オキシ塩化リン、ポリリン酸等があげられる。該反応に供せられる試剤の量は、化合物(2’)1モルに対して、化合物(2’’)は通常0.8〜2モルである。反応終了後は、製造法(1)と同様にして、化合物(2)を得ることができる。
化合物(2’’)は、例えば、文献J.Medicinal Chem.(1998),41(17),3261に記載の方法で、製造することができる。
【0014】
製造法(3):
本化合物のうち、式(3)(式中、X、Y、Z、Z'及びWは、前記と同一の意味を表し、R'は、−SiR基(R、R及びRは、前記と同一の意味を表す。)、C1-C4アルキルカルボニル基又はC1-C4アルコキシカルボニル基を表す。)で示される化合物は、例えば、式(3’)(式中、X、Y、Z、Z'及びWは、前記と同一の意味を表す。)で示される化合物を、酸ハライド、酸無水物、炭酸ジエステル、クロロ炭酸エステル又はトリアルキルシリルハライドと反応させることにより、製造することができる。

該反応において、反応温度の範囲は、通常、室温〜溶媒還流温度であり、反応時間の範囲は、通常、瞬時〜約24時間である。該反応は、通常、塩基の存在下で行うが、用いられる塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、イミダゾール等の有機塩基、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の無機塩基等があげられる。該反応に供せられる試剤の量は、化合物(3’)1モルに対して、酸ハライド、酸無水物、炭酸ジエステル、クロロ炭酸エステル又はトリアルキルシリルハライドは通常1〜2モル、塩基は通常触媒量〜7モルである。上記反応において、溶媒は必ずしも必要ではないが、通常は溶媒の存在下に行われ、例えば、製造法(1)にあげられた溶媒が該反応に使用しうる。酸ハライドとしては、塩化アセチル、塩化プロピオニル等があげられ、酸無水物としては、無水酢酸等があげられ、炭酸ジエステルとしては、二炭酸ジ−t−ブチル等があげられ、クロロ炭酸エステルとしては、クロロ炭酸エチル等があげられ、トリアルキルシリルハライドとしては、ブロモトリメチルシラン、クロロ(ジメチル)テキシルシラン、トリイソプロピルシリルクロリド等があげられる。反応終了後は、製造法(1)と同様にして、化合物(3)を得ることができる。
【0015】
製造法(4):
本化合物のうち、式(4)(式中、X、Y、Z、Z'及びWは、前記と同一の意味を表す。)で示される化合物は、例えば、式(4)(式中、X、Y、Z、Z'及びWは、前記と同一の意味を表し、R'' は、C1-C4アルキルカルボニル基又はC1-C4アルコキシカルボニル基を表す。)で示される化合物を加水分解することにより製造することができる。

該反応において、反応温度の範囲は、通常、室温〜溶媒還流温度であり、反応時間の範囲は、通常、瞬時〜約24時間である。該反応は、通常、塩基の存在下で行うが、用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の無機塩基等があげられる。該反応に供せられる塩基の量は、化合物(4’)1モルに対して、塩基は通常1〜7モルである。上記反応において、通常は溶媒の存在下に行われ、使用しうる溶媒としては、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトニトリル、イソブチルニトリル等のニトリル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類、水又はそれらの混合物があげられる。反応終了後は、製造法(1)と同様にして、化合物(4)を得ることができる。
【0016】
本化合物のうち、化合物番号(1)〜(38)で表される化合物(a)を、表1〜表4に例示する。
【0017】


【0018】
【表1】











【0019】


【0020】
【表2】












【0021】


【0022】
【表3】









【0023】


【0024】
【表4】

























本化合物のうち、化合物番号(39)〜(44)で表される化合物(b)を、表5に例示する。
【0025】

【0026】
【表5】
















本化合物のうち、化合物番号(45)〜(48)で表される化合物(b)を、表6に例示する。
【0027】

【0028】
【表6】

【0029】
本化合物は、3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性を阻害する能力を有する。該能力は、高活性男性ホルモンであるテストステロンの産生を抑制して、組織における男性ホルモン活性の低下を導くことにより、男性ホルモン依存性疾患の発症や進行を妨げるために重要である。よって、本化合物は、3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ活性を阻害し、組織における男性ホルモン活性の亢進を抑制することにより、男性ホルモン依存性疾患を処置又は予防するための組成物(医薬品、化粧品、食品添加物等)の有効成分として利用することができる。
例えば、本化合物は、3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを阻害する方法であって、治療的に有効な量の少なくとも一つの本化合物を、そのような阻害を必要とする患者に投与する工程を包含する方法に利用することができる。
また例えば、本化合物は、男性ホルモン依存性疾患を処置又は予防する方法であって、治療的に有効な量の少なくとも一つの本化合物を、該処置又は予防を必要とする患者に投与する工程を包含する方法に利用することができる。
【0030】
本化合物は、その発症又は進行が男性ホルモンの活性により促進される男性ホルモン依存性疾患の予防又は治療に有用である。
本化合物の適用可能な男性ホルモン依存性疾患としては、例えば、前立腺癌および他の男性ホルモン依存性新生物、良性前立腺肥大、前立腺上皮内新生物形成、男性ホルモン性脱毛症(すなわち、男性患者および女性患者の両方におけるパターン禿頭症)、多毛症、多嚢胞性卵巣症候群、性的早熟、副腎性肥大、脂漏症およびアクネ等をあげることができる。例えば、前立腺癌、良性前立腺肥大、前立腺上皮内新生物形成、多毛症、アクネ、脂漏症、男性ホルモン性脱毛症、性的早熟、副腎性肥大又は多嚢胞性卵巣症候群を処置又は予防する方法であって、該処置又は予防を必要とする患者に、治療的に有効な量の少なくとも一つの本化合物を投与する工程を包含する方法に利用することができる。
【0031】
好ましい投与量(有効な量)は、1日あたり、体重1kgあたり約0.001〜500mgの本化合物である。より好ましい投与量は、1日あたり、体重1kgあたり約0.01〜25mgの本化合物、又は本化合物の薬学的に受容可能な塩又は本化合物の溶媒和物である。
【0032】
本化合物は通常、少なくとも一つの本化合物、又は本化合物の薬理学上許容されうる塩又は本化合物の溶媒和物と、少なくとも一つの不活性担体とを含む組成物の形で投与される。これらの組成物中に含有される本化合物は、通常、0.01重量%〜99.99重量%であり、不活性担体は、通常、99.99重量%〜0.01重量%である。該不活性担体は、薬学的に許容される担体や賦形剤である。本発明の組成物はさらに、医薬品添加剤、化粧品添加剤、食品添加剤等を含有してもよい。
【0033】
本化合物を含有する上記組成物を調製するために用いられる薬学的に許容される担体、賦形剤、医薬品添加剤、食品添加剤、化粧品添加剤等は、該組成物の具体的用途に応じて適宜選択することができる。また、該組成物の形態も、具体的用途に応じて、例えば、種々の固体、液体等の形態とすることができる。
【0034】
固体形態の製剤としては、散剤、錠剤、分散性顆粒、カプセル剤、カシェ剤および坐剤等が挙げられる。この散剤および錠剤は、約5〜約95パーセントの活性成分から構成され得る。固体担体としては、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖又はラクトース等があげられる。錠剤、散剤、カシェ剤およびカプセル剤は、経口投与のために適切な固体投薬形態として使用され得る。薬学的に受容可能な担体の例および様々な組成物のための製造の方法は、A.Gennaro(編),Remington's Pharmaceutical Sciences,第18版,(1990),Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania中に見出され得る。
【0035】
液体形態の製剤としては、液剤、懸濁剤および乳剤等が挙げられる。例えば、非経口注入のための水もしくは水−プロピレングリコール液剤が挙げられる。経口用の液剤、懸濁剤および乳剤には、甘味料や乳白剤が添加されてもよい。液体形態の製剤の例としては、鼻腔内投与のための液剤を挙げることもできる。
【0036】
また、吸入のために適切なエアゾール製剤とすることもでき、この場合、溶液および粉末形態の固体を挙げることができる。かかる溶液又は粉末形態の固体は、不活性な圧縮ガス(例えば、窒素)などの薬学的に受容可能な担体と組み合わされて製剤されてもよい。
【0037】
経口投与又は非経口投与のいずれかのために、使用の直前に、液体形態の製剤に変換することを意図される固体形態の製剤も挙げられる。そのような液体形態としては、液剤、懸濁剤および乳剤が挙げられる。
【0038】
本化合物は、経皮的に投与されてもよい。この経皮用組成物は、クリーム、ローション、エアゾールおよび/又は乳剤の形態とすることができ、この目的のために該分野で通常のように、マトリックス型の経皮用パッチ内又はレザバー型の経皮用パッチ内に含有されてもよい。
また、本化合物は皮下に送達されてもよい。さらに好ましくは、本化合物は経口により投与されてもよい。
【0039】
上記組成物は、単位用量形態(unit dosage form)にすることもできる。そのような形態においては、上記組成物は、適切な量の上記活性成分、例えば、所望の目的を達成するための有効量を含有する、適切な大きさの単位用量に細分される。
【0040】
組成物の単位用量中の活性化合物の量は、その特定の適用に従って、約1mg〜約100mg、好ましくは約1mg〜約50mg、より好ましくは約1mg〜約25mgとなるように調整されてもよい。
【0041】
用いられる実際の投薬量は、患者の体重および処置される疾患の重篤度に依存して変更され得る。便宜のために必要とされる場合には、一日の総投薬量をいくつかに分けて投与してもよい。
【0042】
本化合物および/又はこの化合物の薬理学上許容されうる塩の投与量および投与頻度は、患者の年齢、状態および体格、ならびに処置される疾患の重篤度などを考慮して、主治医の判断に従って調節される。経口投与のための代表的な一日の推奨投与量レジメンは、1日あたり約1mg〜約500mg、好ましくは、1日あたり約1mg〜約200mgの範囲とすることができ、またこれらは2〜4回に分けて投与され得る。
【0043】
本発明は、治療的に有効な量の少なくとも一つの本化合物、又は本化合物の薬理学上許容されうる塩又は本化合物の溶媒和物と、薬学的に受容可能な担体、賦形剤又は希釈剤とを含むキットも提供する。かかるキットは、該キット内の一つ以上の容器内に上記成分を含み得る。
【0044】
本化合物を化粧品に添加して用いる場合には、該化合物が添加された化粧品の具体的な形態としては、例えば、液状、乳状、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、エアゾール、ムース等をあげることができる。ローションは、例えば、懸濁剤、乳化剤、保存剤等の化粧品添加剤を用いて、通常の方法に従って製造することができる。
該化粧品の投与量は、投与される患者の年令、性別、体重、疾患の程度、本発明の組成物の種類、投与形態等によって異なるが、通常ヒト成人で有効成分量として約0.01mg〜約50mgを投与すればよい。また、これらの投与量を数回に分けて投与することができる。
【0045】
本化合物を食品添加物として用いる場合、該添加物が添加された食品の具体的な形態としては、例えば、粉末、錠剤、飲料、摂取可能なゲル若しくはシロップとの混合液状物、例えば、調味料、和菓子、洋菓子、氷菓、飲料、スプレッド、ペースト、漬物、ビン缶詰、畜肉加工品、魚肉・水産加工品、乳・卵加工品、野菜加工品、果実加工品、穀類加工品等の一般的な飲食物や嗜好物等をあげることができる。また、家畜、家禽、蜜蜂、蚕、魚等の飼育動物のための飼料や餌料への添加も可能である。
投与量は、投与される患者の年令、性別、体重、疾患の程度、本発明の組成物の種類、投与形態等によって異なるが、通常ヒト成人で有効成分量として約0.1mg〜約500mgを投与すればよい。また、前記の1日の投与量を1回又は数回に分けて投与することができる。
【実施例】
【0046】
以下に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明する。
【0047】
実施例1 実施例1−1〜1−26に、本化合物の合成を記す。
【0048】
実施例1‐1 本化合物[化合物番号(10)]の合成
4‐クロロメチル‐7‐ヒドロキシ‐2H‐クロメン‐2‐オン0.20g、4‐メルカプトピリジン0.13g及びトリエチルアミン0.12gのDMF5ml溶液を室温で4時間攪拌した。水を添加して析出した結晶を濾取し、水、ヘキサン、トルエン、ヘキサンで順次洗浄して乾燥することにより、化合物番号(10)のクマリン化合物の淡黄色結晶0.18gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):4.59(s,2H),6.31(s,1H),6.73(d,1H,J=1.1Hz),6.82(d,1H,J=8.6Hz),7.32(d,2H,J=4.9Hz),7.78(d,1H,J=8.6Hz),8.39(d,2H,J=4.9Hz),10.64(broad s,1H)
【0049】
実施例1‐2 本化合物[化合物番号(11)]の合成
4‐メルカプトピリジンの代わりに2‐メルカプト‐1,3,4‐チアジアゾール0.13gを用いた以外は実施例1‐1と同様にして、化合物番号(11)のクマリン化合物の白色粉体0.29gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):4.77(s,2H),6.29(s,1H),6.74(d,1H,J=2.4Hz),6.84(dd,1H,J=2.2Hz,8.6Hz),7.80(d,1H,J=8.6Hz),9.56(s,1H),10.64(broad s,1H)
【0050】
実施例1‐3 本化合物[化合物番号(12)]の合成
4‐メルカプトピリジンの代わりに2‐メルカプト‐4‐メチルチオ‐1,3,5−チアジアゾール0.19gを用いた以外は実施例1−1と同様にして、化合物番号(12)のクマリン化合物の白色粉体0.19gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):2.61(s,3H),4.77(s,2H),6.38(s,1H),6.74(d,1H,J=1.6Hz),6.83(d,1H,J=8.1Hz),7.79(d,1H,J=8.6Hz),10.65(broad,1H)
【0051】
実施例1‐4 本化合物[化合物番号(13)]の合成
4‐メルカプトピリジンの代わりに1‐メチル‐2‐メルカプトイミダゾール0.12gを用いた以外は実施例1−1と同様にして、化合物番号(13)のクマリン化合物の白色結晶0.21gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):3.45(s,3H),4.29(s,2H),5.88(s,1H),6.72(d,1H,J=2.4Hz),6.80(dd,1H,J=2.2Hz,8.4Hz),6.97(d,1H,J=1.4Hz),7.26(d,1H,J=1.1Hz),7.68(d,1H,J=8.6Hz),10.60(broad,1H)
【0052】
実施例1‐5 本化合物[化合物番号(14)]の合成
2‐メルカプトピリジン‐N−オキシド2.00gのエタノール93ml溶液に、水酸化カリウム0.88gのエタノール11ml溶液を、室温で滴下し、その後20分撹拌した。反応液を減圧濃縮し、2‐メルカプトピリジン‐N−オキシドのカリウム塩を得た。4‐クロロメチル‐7‐ヒドロキシ‐2H‐クロメン‐2‐オン0.30g、2‐メルカプトピリジン‐N−オキシドのカリウム塩0.24g及びヨウ化カリウム0.02gのDMF7ml溶液を室温で4時間攪拌した。水を添加して析出した結晶を濾取し、水、ヘキサン、エタノールで順次洗浄して乾燥することにより、化合物番号(14)のクマリン化合物0.27gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):4.49(s,2H),6.34(s,1H),6.75(d,1H,J=2.4Hz),6.85(dd,1H,J=2.4Hz,8.6Hz),7.26(t,1H,J=6.5Hz),7.38(t,1H,J=6.2Hz),7.50(d,1H,J=7.8Hz),7.82(dd,1H,J=2.4Hz,8.9Hz),8.33(d,1H,J=5.7Hz),10.65(broad,1H)
【0053】
実施例1‐6 本化合物[化合物番号(16)]の合成
4‐メルカプトピリジンの代わりに2‐メルカプトベンゾキサゾール0.15gを用いた以外は実施例1−1と同様にして、化合物番号(16)のクマリン化合物の白色結晶0.10gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):4.80(s,2H),6.42(s,1H),6.75(d,1H,J=2.2Hz),6.85(dd,1H,J=2.2Hz,8.9Hz),7.33〜7.37(m,2H),7.66〜7.69(m,2H),7.84(d,1H,J=8.6Hz),10.66(broad s,1H)
【0054】
実施例1‐7 本化合物[化合物番号(17)]の合成
4‐メルカプトピリジンの代わりに2‐メルカプトチアゾリン0.12gを用いた以外は実施例1−1と同様にして、化合物番号(17)のクマリン化合物の白色粉体0.08gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):3.49(t,1H,J=7.8Hz),4.17(t,1H,J=8.4Hz),4.54(s,2H),6.28(s,1H),6.74(d,1H,J=2.2Hz),6.81(dd,1H,J=2.7Hz,8.9Hz),7.68(d,1H,J=8.6Hz),10.62(s,1H)
【0055】
実施例1‐8 本化合物[化合物番号(18)]の合成
4‐メルカプトピリジンの代わりに2‐メルカプトベンゾチアゾール0.17gを用いた以外は実施例1−1と同様にして、化合物番号(18)のクマリン化合物の白色粉体0.23gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):4.84(s,2H),6.40(s,1H),6.75(d,1H,J=2.2Hz),6.84(d,1H,J=8.6Hz),7.39(t,1H,J=7.8Hz),7.49(t,1H,J=7.8Hz),7.83(d,1H,J=8.6Hz),7.89(d,1H,J=7.8Hz),8.03(d,1H,J=7.8Hz),10.65(broad,1H)
【0056】
実施例1‐9 本化合物[化合物番号(19)]の合成
4‐メルカプトピリジンの代わりに2‐メルカプト‐1‐メチルテトラゾール0.12gを用いた以外は実施例1−1と同様にして、化合物番号(19)のクマリン化合物の白色粉体0.20gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):3.91(s,3H),4.66(s,2H),6.23(s,1H),6.74(d,1H,J=2.4Hz),6.84(dd,1H,J=2.2Hz,8.6Hz),7.81(d,1H,J=9.2Hz),10.65(s,1H)
【0057】
実施例1‐10 本化合物[化合物番号(20)]の合成
4‐メルカプトピリジンの代わりに2‐メルカプト‐5‐ニトロピリジン0.16gを用いた以外は実施例1−1と同様にして、化合物番号(20)のクマリン化合物の黄色結晶0.18gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm): 4.73(s,2H),6.35(s,1H),6.74(d,1H,J=2.2Hz),6.83(dd,1H,J=2.4Hz,8.9Hz),7.66(dd,1H,J=0.5Hz,9.5Hz),7.78(d,1H,J=8.9Hz),8.41(dd,1H,J=2.7Hz,8.9Hz),9.27(dd,1H,J=0.5Hz,2.7Hz),10.64(broad,1H)
【0058】
実施例1‐11 本化合物[化合物番号(21)]の合成
4‐メルカプトピリジンの代わりに2‐メルカプト‐6‐メチルピリジン0.13gを用いた以外は実施例1−1と同様にして、化合物番号(21)のクマリン化合物の白色結晶0.04gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm): 2.44(s,3H),4.58(s,2H),6.31(s,1H),6.72(d,1H,J=1.9Hz),6.81(dd,1H,J=1.9Hz,8.6Hz),7.02(d,1H,J=7.0Hz),7.13(d,1H,J=7.8Hz),7.56(t,1H,J=7.8Hz),7.78(d,1H,J=8.9Hz),10.59(broad,1H)
【0059】
実施例1‐12 本化合物[化合物番号(22)]の合成
4‐メルカプトピリジンの代わりに2‐メルカプト‐5‐トリフルオロメチルピリジン0.18gを用いた以外は実施例1−1と同様にして、化合物番号(22)のクマリン化合物の淡黄色結晶0.28gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm): 4.68(s,2H),6.33(s,1H),6.74(d,1H,J=2.2Hz),6.83(dd,1H,J=2.2Hz,8.6Hz),7.62(d,1H,J=8.4Hz),7.78(d,1H,J=8.6Hz),8.05(d,1H,J=8.4Hz),8.86(s,1H),10.63(broad,1H)
【0060】
実施例1‐13 本化合物[化合物番号(23)]の合成
4‐クロロメチル‐7‐ヒドロキシ‐2H‐クロメン‐2‐オン0.20g、2‐メルカプトピリミジン0.13g及び炭酸カリウム0.16gのDMF5ml溶液を室温で1時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを添加し、有機層を飽和食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濃縮することにより、化合物番号(23)のクマリン化合物の淡赤色結晶0.22gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm): 4.59(s,2H),6.35(s,1H),6.74(d,1H,J=2.2Hz),6.83(dd,1H,J=2.2Hz,8.6Hz),7.28(t,1H,J=4.9Hz),7.77(d,1H,J=8.6Hz),8.68(d,2H,J=4.9Hz),10.62(broad,1H)
【0061】
実施例1‐14 本化合物[化合物番号(24)]の合成
4‐クロロメチル‐7‐ヒドロキシ‐2H‐クロメン‐2‐オンの代わりに4‐クロロメチル‐7,8‐ジヒドロキシ‐2H‐クロメン‐2‐オン0.19gを用いた以外は実施例1−1と同様にして、化合物番号(24)のクマリン化合物の白色結晶0.05gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm): 4.59(s,2H),6.27(s,1H),6.81(d,1H,J=9.2Hz),7.16(dd,1H,J=4.9Hz,7.3Hz),7.24(d,1H,J=8.9Hz),7.36(dd,1H,J=0.8Hz,8.1Hz),7.68(dt,1H,J=1.1Hz,7.3Hz),8.49(dd,1H,J=1.1Hz,4.9Hz)
【0062】
実施例1‐15 本化合物[化合物番号(25)]の合成
7‐ヒドロキシ‐4‐[(2‐ピリジルチオ)メチル]‐2H‐クロメン‐2‐オン1.00gをDMF及び塩化メチレンの混合物に溶解し、ここに炭酸ジ‐tert‐ブチル1.15g及びピリジン0.4mlを添加し、室温で4時間攪拌した。反応液をアルミナを用いたカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=3/2)、化合物番号(25)のクマリン化合物の橙色油状物0.98gを得た。
1H‐NMR(300MHz,DMSO‐d6)δ(ppm): 1.47(s,9H),4.69(s,2H),6.45(s,1H),7.19(ddd,1H,J=0.8Hz,4.3Hz,7.3Hz),7.28(dd,1H,J=2.2Hz,7.8Hz),7.38(dt,1H,J=1.1Hz,5.1Hz),7.39(d,1H,J=2.2Hz),7.69(dt,1H,J=1.6Hz,6.8Hz),8.01(d,1H,J=7.8Hz),8.49(dq,1H,J=0.8Hz,4.6Hz)
【0063】
実施例1‐16 本化合物[化合物番号(26)]の合成
7‐tert‐ブトキシカルボニルオキシ‐4‐[(2‐ピリジルチオ)メチル]‐2H‐クロメン‐2‐オン0.44gの塩化メチレン7ml溶液に、3‐クロロ過安息香酸0.25gを添加し、氷冷下撹拌した。反応液をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)、化合物番号(26)のクマリン化合物の黄色油状物0.33gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm): 1.51(s,9H),4.49(d,1H,J=13.0Hz),4.82(d,1H,J=12.7Hz),6.02(s,1H),7.15(dd,1H,J=2.2Hz,8.6Hz),7.32(d,1H,J=2.4Hz),7.50(ddd,1H,J=1.4Hz,4.9Hz,12.4Hz),7.68(d,1H,J=8.9Hz),7.72(d,1H,J=8.9Hz),7.99(dt,1H,J=1.9Hz,7.8Hz),8.69(dq,1H,J=0.8Hz,4.6Hz)
【0064】
実施例1‐17 本化合物[化合物番号(27)]の合成
7‐ヒドロキシ‐4‐[(2‐ピリジルチオ)メチル]‐2H‐クロメン‐2‐オン0.15g及び無水酢酸3mlの混合物を還流下で2時間50分加熱攪拌した。反応液をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)、化合物番号(27)のクマリン化合物の白色結晶0.14gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm): 2.31(s,3H),4.69(s,2H),6.52(s,1H),7.15〜7.25(2H),7.30(d,1H,J=2.2Hz),7.39(d,1H,J=8.1Hz),7.65〜7.85(1H),8.01(d,1H,J=8.6Hz),8.49(1H,J=5.1Hz)
【0065】
実施例1‐18 本化合物[化合物番号(28)]の合成
7‐tert‐ブトキシカルボニルオキシ‐4‐[(2‐ピリジルスルフィニル)メチル]‐2H‐クロメン‐2‐オン0.30g、水3ml、トリフルオロ酢酸3ml及びクロロホルム6mlの混合物を、室温で2時間20分攪拌し、更にトリフルオロ酢酸3mlを添加して室温で撹拌した。反応液を重曹水で洗い、有機層を飽和食塩水で洗った後濃縮することにより、化合物番号(28)のクマリン化合物の黄色結晶0.29gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm): 4.38(d,1H,J=13.0Hz),4.70(d,1H,J=13.0Hz),5.84(s,1H),6.66(d,1H,J=1.9Hz),6.69(dd,1H,J=2.7Hz,8.6Hz),7.48(d,1H,J=8.6Hz),7.50〜7.55(1H),7.70(d,1H,J=7.8Hz),8.00(dt,1H,J=1.6Hz,7.8Hz),8.69(d,1H,J=4.1Hz),10.61(broad,1H)
【0066】
実施例1‐19 本化合物[化合物番号(29)]の合成
4‐メルカプトピリジンの代わりに2‐メルカプトチアゾール0.12gを用いた以外は実施例1−1と同様にして、化合物番号(29)のクマリン化合物0.11gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm): 4.63(s,2H),6。17(s,1H),6.73(d,1H,J=1.9Hz),6.82(dd,1H,J=2.4Hz,8.6Hz),7.72(d,1H,J=3.5Hz),7.76(d,1H,J=8.6Hz),7.80(d,1H,J=3.2Hz),10.62(s,1H)
【0067】
実施例1‐20 本化合物[化合物番号(31)]の合成
4‐メルカプトピリジンの代わりに2‐メルカプトチオフェン0.06gを用いた以外は実施例1−1と同様にして、化合物番号(31)のクマリン化合物の白色結晶0.06gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm): 4.16(s,2H),5.70(s,1H),6.72(d,1H,J=2.4Hz),6.80(dd,1H,J=2.4Hz,8.9Hz),7.03(dd,1H,J=3.8Hz,5.7Hz),7.08〜7.13(1H),7.62〜7.68(1H),7.72(d,1H,J=8.6Hz)
【0068】
実施例1‐21 本化合物[化合物番号(32)]の合成
4‐クロロメチル‐7‐ヒドロキシ‐2H‐クロメン‐2‐オン2.70g及びアニリン0.90gのピリジン30ml溶液を、室温で一夜撹拌した。ヘキサンを添加して析出した結晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄して乾燥することにより、化合物番号(32)のクマリン化合物の白色結晶0.15gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):5.62(s,1H),6.22(s,2H),6.85(d,1H,J=2.4Hz),6.92(dd,1H,J=2.2Hz,8.6Hz),7.67(d,1H,J=8.6Hz),8.27(t,1H,J=7.6Hz),8.74(t,1H,J=7.8Hz),9.21(d,2H,J=5.4Hz),10.97(s,1H)
【0069】
実施例1‐22 本化合物[化合物番号(34)]の合成
(1)3‐フルオロ‐7‐ヒドロキシ‐4‐メチル‐2H‐クロメン‐2‐オン5.85gの無水酢酸97.74g溶液を、120℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、析出した結晶を濾取し、エタノール、水、ヘキサンで順次洗浄して乾燥することにより、7‐アセトキシ‐3‐フルオロ‐4‐メチル‐2H‐クロメン‐2‐オンの白色結晶5.28gを得た。
1H‐NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):2.35(s,3H),2.41(d,3H,J=3.0Hz),7.13(s,1H),7.15(d,1H,J=1.9Hz),7.59(d,1H,J=9.2Hz)
(2)7‐アセトキシ‐3‐フルオロ‐4‐メチル‐2H‐クロメン‐2‐オン2.50gの四塩化炭素40ml溶液に、N‐ブロモスクシイミド1.90g及び過酸化ベンゾイル0.10gを添加し、還流下で5時間加熱攪拌した。更に過酸化ベンゾイル0.05gを添加して、還流下で8時間加熱攪拌した。室温に冷却後不溶物を濾取し、これをチオ硫酸ナトリウム0.5gの水150ml溶液、水、ヘキサンで順次洗浄して乾燥することにより、7‐アセトキシ‐4‐ブロモメチル‐3‐フルオロ‐2H‐クロメン‐2‐オンの微赤色粉体2.95gを得た。
(3)水素化ナトリウム(60%油性)0.15gをDMF25mlに懸濁し、ここに室温で2‐メルカプトピリジン0.44gを添加して室温で30分撹拌した。前項で得られた7‐アセトキシ‐4‐ブロモメチル‐3‐フルオロ‐2H‐クロメン‐2‐オン1.60gを氷冷下で添加し、室温で一夜撹拌した。反応液を氷水に注加し、析出物を濾取して水、ヘキサン、トルエン、ヘキサンで順次洗浄して乾燥することにより、化合物番号(34)のクマリン化合物の白色粉体0.99gを得た。
1H‐NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):2.33(s,3H),4.72(d,2H,J=2.4Hz),7.05〜7.15(2H),7.15(d,1H,J=2.2Hz),7.19(d,1H,J=8.1Hz),7.54(t,1H,J=7.3Hz),7.82(d,1H,J=8.9Hz),8.53(d,1H,J=4.1Hz)
【0070】
実施例1‐23 本化合物[化合物番号(35)]の合成
7‐アセトキシ‐3‐フルオロ‐4‐[(2‐ピリジルチオ)メチル]‐2H‐クロメン‐2‐オン0.69gのメタノール40ml溶液に、0℃で水酸化ナトリウム0.33gのメタノール50ml溶液を添加した。0℃で1時間撹拌した後、10%塩酸及び5%炭酸カリウム水溶液で反応液をpH7とし、析出物を濾取して水、ヘキサンで順次洗浄して乾燥することにより、化合物番号(35)のクマリン化合物の白色粉体0.43gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):4.68(S,2H),6.79(d,1H,J=2.2Hz),6.87(d,1H,J=8.9Hz),7.15〜7.25(1H),7.37(d,1H,J=7.8Hz),7.65〜7.80(2H),8.53(1H),10.58(s,1H)
【0071】
実施例1‐24 本化合物[化合物番号(36)]の合成
(1)7‐アセトキシ‐3‐クロロ‐4‐メチル‐2H‐クロメン‐2‐オン1.01gの四塩化炭素20ml溶液に、N‐ブロモスクシイミド0.73g及び過酸化ベンゾイル20mgを添加し、還流下で3時間30分加熱攪拌した。室温に冷却後不溶物を濾別し、濾液を濃縮してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:クロロホルム)、7‐アセトキシ‐4‐ブロモメチル‐3‐クロロ‐2H‐クロメン‐2‐オンの白色結晶0.83gを得た。
(2)水素化ナトリウム(60%油性)80mgをDMF15mlに懸濁し、ここに氷冷下に2‐メルカプトピリジン0.23gを添加して室温で30分撹拌した。前項で得られた7‐アセトキシ‐4‐ブロモメチル‐3‐クロロ‐2H‐クロメン‐2‐オン0.67gを室温で添加し、室温で2時間30分撹拌した。反応液を氷水に注加し、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗った後濃縮してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/アセトン=1/1)、エタノールとクロロホルムの混合溶媒で再結晶することにより、化合物番号(36)のクマリン化合物の白色固体0.20gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):2.31(s,3H),4.85(s,2H),7.20〜7.28(2H),7.35〜7.45(2H),7.68〜7.78(1H),8.00(d,1H,J=10.8Hz),8.55〜8.65(1H)
【0072】
実施例1‐25 本化合物[化合物番号(37)]の合成
7‐アセトキシ‐3‐クロロ‐4‐[(2‐ピリジルチオ)メチル]‐2H‐クロメン‐2‐オン0.14gのメタノール10ml溶液に、室温で水酸化ナトリウム0.05gのメタノール10ml溶液を添加した。室温で1時間撹拌した後、10%塩酸及び5%炭酸カリウム水溶液で反応液をpH7とし、析出物を濾取して水洗して乾燥することにより、化合物番号(37)のクマリン化合物の淡黄色固体0.11gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):4.79(S,2H),6.78(d,1H,J=1.9Hz),6.84(dd,1H,J=1.6Hz,8.6Hz),7.23(dd,1H,J=5.1Hz,7.3Hz),7.38(d,1H,J=7.3Hz),7.65〜7.75(1H),7.77(d,1H,J=8.9Hz),8.57(d,1H,J=4.1Hz),10.77(broad s,1H)
【0073】
実施例1‐26 本化合物[化合物番号(38)]の合成
7‐アセトキシ‐4‐ブロモメチル‐3‐フルオロ‐2H‐クロメン‐2‐オンの代わりに7‐アセトキシ‐4‐クロロメチル‐2H‐クロメン‐2‐オン0.50gを用いた以外は実施例1−22(3)と同様にして、化合物番号(38)のクマリン化合物の白色結晶0.48gを得た。
1H‐NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):2.43(s,3H),2.51(s,3H),4.57(s,2H),6.57(s,1H),6.89(d,1H,J=7.6Hz),6.98(d,1H,J=7.8Hz),7.08(dd,1H,J=2.4Hz,8.9Hz),7.12(d,1H,J=1.9Hz),7.40(t,1H,J=7.6Hz),7.80(d,1H,J=8.4Hz)
【0074】
実施例1‐27 本化合物[化合物番号(39)]の合成
(1)水素化ナトリウム(60%油性)2.20gをTHF25mlに懸濁し、ここに酢酸エチル6.50gのTHF25ml溶液を0℃で20分で滴下して0℃で10分攪拌し、次に、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6N)35mlを、−5〜―10℃で20分で滴下した。0℃で20分攪拌した後、更に、2−クロロメチル−6−メチルピリジン8.49gのTHF15ml溶液を0〜5℃で15分で滴下し、室温で1時間撹拌した。反応液に、氷冷下で10%塩酸を添加してpH7〜8とし、減圧下に濃縮した。残基を酢酸エチル300mlで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗った後濃縮してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)、5−(6−メチルピリジン−2−イル)−3−オキソペンタン酸エチルの褐色油状物4.20gを得た。
1H‐NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):1.28(t,3H,J=4.6Hz),2.50(s,3H),2.98〜3.10(m,4H),3.51(s,2H),4.18(q,2H,J=4.9Hz),6.90〜7.00(m,1H),7.15〜7.30(m,1H),7.46(t,1H,J=7.3Hz)
(2)レゾルシノール1.97g、5−(6−メチルピリジン−2−イル)−3−オキソペンタン酸エチル4.20g及びトリフルオロ酢酸44.8mlを混合し、還流下で5時間加熱攪拌した。室温に冷却後、減圧下に濃縮し、水40mlを加えて飽和重曹水でpH7〜8とし、酢酸エチルを加えて析出物を濾別した。これをヘキサン及びエタノールで洗浄して乾燥することにより、化合物番号(39)のクマリン化合物の淡黄色固体0.93gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):2.45(s,3H),3.03(t,2H,J=6.2Hz),3.15(t,2H,J=6.2Hz),6.08(s,1H),6.71(d,1H,J=2.4Hz),6.81(dd,1H,J=0.8Hz,8.6Hz),7.08(d,1H,J=8.1Hz),7.11(d,1H,J=8.1Hz),7.59(t,1H,J=7.6Hz),7.70(d,1H,J=9.1Hz)
【0075】
実施例1‐28 本化合物[化合物番号(40)]の合成
(1)2−アセチル-6-ブロモピリジン1.0g、2N塩酸10ml及びEtOH5mlを100℃に加温して、均一溶液とした後、冷却した。これにチオ尿素0.57gを加え4時間還流した。冷却後、反応液を飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和後、酢酸エチルで抽出、有機層を水洗、乾燥、濃縮してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)、6-アセチル-2-メルカプトピリジン0.13gを黄色粉末として得た。
1H‐NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):2.58(s,3H),7.20(dd,1H),7.35(dd,1H),7.64(dd,1H),11.06(brs,1H)
(2)6-アセチル-2-メルカプトピリジン78mg、トリエチルアミン52mgのDMF溶液4mlに、冷却下、4‐クロロメチル‐7‐ヒドロキシ‐2H‐クロメン‐2‐オン90mgのDMF溶液0.5mlを加え、2時間攪拌する。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出、有機層を水洗、乾燥、濃縮した。濃縮残留物0.12gにエタノール1mlを加え、リパブル洗浄して、化合物番号(40)のクマリン化合物の黄色固体0.13gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):2.52(s,3H), 4.70(s,2H),6.34(s,1H), 6.74(d,1H, J=2.4Hz), 6.83(dd,1H,J=2.4Hz,8.7Hz), 7.63−7.70(m,2H),7.81−7.90(m,2H),10.62(brs,1H)
【0076】
実施例1‐29 本化合物[化合物番号(41)]の合成
実施例1−27で得られた化合物番号(39)のクマリン化合物0.50gのDMF5ml溶液にイミダゾール254mgに添加し、室温で5分撹拌した。ここに、トリイソプロピルシリルクロリド411mgのDMF1ml溶液を加えて、室温で1時間撹拌し、更にトリイソプロピルシリルクロリド127mgを加えて、室温で2時間20分撹拌した。反応液に水50mlと酢酸エチル40mlを加えて分液し、有機層を飽和食塩水で洗った後濃縮してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)、化合物番号(41)のクマリン化合物の淡黄色油状物0.76gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):1.05(d,18H,J=7.3Hz),1.26(sept,3H,J=6.8Hz),2.42(s,3H),3.00〜3.20(m,4H),6.17(s,1H),6.79(d,1H,J=4.3Hz),6.87(dd,1H,J=2.4Hz,8.6Hz),7.05(d,1H,J=7.6Hz),7.09(d,1H,J=7.8Hz),7.56(t,1H,J=7.6Hz),7.74(d,1H,J=8.9Hz)
【0077】
実施例1‐30 本化合物[化合物番号(42)]の合成
実施例1−29で得られた化合物番号(41)のクマリン化合物0.69gを塩化水素エタノール溶液(0.2mol/l)に溶解し、室温で30分攪拌した。減圧濃縮した後残渣をテトラヒドロフラン5mlで洗浄して乾燥し、化合物番号(42)のクマリン化合物の白色結晶503mgを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):1.06(d,18H,J=7.3Hz),1.30(sept,3H,J=7.8Hz),2.73(s,3H),3.15〜3.25(m,4H),6.27(s,1H),6.82(d,1H,J=2.2Hz),6.86(dd,1H,J=2.4Hz,8.6Hz),7.69(d,1H,J=7.8Hz),7.76(d,1H,J=7.6Hz),7.88(d,1H,J=8.6Hz),8.31(t,1H,J=7.8Hz)
【0078】
実施例1‐31 本化合物[化合物番号(43)]の合成
実施例1−27で得られた化合物番号(39)のクマリン化合物0.50gのDMF5ml溶液にイミダゾール254mgに添加し、室温で10分撹拌した。ここに、クロロ(ジメチル)テキシルシラン381mgのDMF1ml溶液を加えて、室温で2時間10分撹拌し、更にクロロ(ジメチル)テキシルシラン130mgを加えて、室温で1時間10分撹拌した。反応液に水50mlと酢酸エチル40mlを加えて分液し、有機層を飽和食塩水で洗った後濃縮してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)、化合物番号(43)のクマリン化合物の淡黄色油状物0.87gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):0.28(s,6H),0.92(d,6H,J=6.8Hz),1.70(sept,1H,J=7.0Hz),2.44(s,3H),3.05(t,2H,J=6.2Hz),3.18(t,2H,J=5.9Hz),6.18(s,1H),6.82(d,1H,J=2.2Hz),6.87(dd,1H,J=2.4Hz,8.6Hz),7.08(d,1H,J=7.8Hz),7.12(d,1H,J=7.6Hz),7.59(t,1H,J=7.8Hz),7.76(d,1H,J=8.6Hz)
【0079】
実施例1‐32 本化合物[化合物番号(44)]の合成
化合物番号(41)のクマリン化合物の代わりに、実施例1−31で得られた化合物番号(43)のクマリン化合物0.75gを用いた以外は、実施例1−30と同様にして、化合物番号(44)のクマリン化合物の白色結晶578mgを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):0.28(s,6H),0.92(d,6H,J=7.0Hz),1.70(sept,1H,J=6.8Hz),2.74(s,3H),3.20〜3.40(m,4H),6.27(s,1H),6.85(s,1H),6.85〜6.95(1H),7.72(d,1H,J=7.8Hz),7.78(d,1H,J=7.6Hz),7.88(d,1H,J=8.6Hz),8.25〜8.45(1H)
【0080】
実施例1‐33 本化合物[化合物番号(45)]の合成
4−クロロレゾルシノール61.4mg、5−(6−メチルピリジン−2−イル)−3−オキソペンタン酸エチル100mg及びメタンスルホン酸5mlを混合し、室温で一夜攪拌した。反応液に氷水30mlを加え、2N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH7〜8とした。析出物を濾別し、これをエタノールに溶解して活性炭を加え、濾過して濾液を濃縮し、残渣をエタノールと水を用いて再結晶し、化合物番号(45)のクマリン化合物の白色結晶36mgを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):2.45(s,3H),3.03(t,2H,J=7.0Hz),3.16(t,2H,J=7.3Hz),6.15(s,1H),6.89(s,1H),7.08(d,1H,J=7.3Hz),7.10(d,1H,J=5.7Hz),7.57(t,1H,J=7.6Hz),7.82(s,1H),11.35(broad,1H)
【0081】
実施例1‐34 本化合物[化合物番号(46)]の合成
4−クロロレゾルシノールの代わりに2−クロロレゾルシノール430mgを用いた以外は実施例1−33と同様にして、化合物番号(46)のクマリン化合物の褐色結晶82mgを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):2.44(s,3H),3.04(t,2H,J=6.5Hz),3.17(t,2H,J=6.8Hz),6.17(s,1H),6.90(d,1H,J=8.9Hz),7.08(d,1H,J=7.8Hz),7.11(d,1H,J=7.8Hz),7.59(t,1H,J=7.8Hz),7.69(d,1H,J=8.9Hz)
【0082】
実施例1‐35 本化合物[化合物番号(47)]の合成
1) レソルシノール3.13gと5‐クロロ‐3‐オキソペンタン酸5.09gの混合物に氷冷下、濃硫酸20mLを滴下した。室温で6時間攪拌後、反応混合液を氷水200mLに注加した。酢酸エチルで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濃縮することにより、黄褐色固体として7-ヒドロキシ-4-(クロロエチル)クマリン3.4gを得た。これを無水酢酸20mLとピリジン1mLの混合物に加え、120℃付近で1時間加熱した。冷却後、反応液を希塩酸150mLに注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濃縮することにより得た褐色粘性物4.39gをシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)、7‐アセトキシ‐4‐(クロロエチル)クマリンを淡黄色結晶として0.71gを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):2.32(s,3H),3.30(t,2H),4.00(t,2H),6.46(s,1H),7.19(d,1H),7.30(m,1H),7.92(d,1H)
(2)窒素雰囲気下、水素化ナトリウム(60%油性)33mgをDMF10mLに溶解し、冷却下2-ヒドロキシピリジン78mgのDMF0.8mL溶液を滴下し、1時間攪拌した。7‐アセトキシ‐4‐(クロロエチル)クマリン200mgのDMF2mL溶液に加えて、50℃で1.5時間加熱した。冷却後、水20mLに注加した後、酢酸エチルで抽出、水洗、乾燥後に濃縮して淡黄色結晶0.21gを得た。これをエタノール1mLに加え、1NNaOH1.2mLを滴下し、室温で30分間攪拌したの後、1NHClで中和した。析出した結晶を濾取し、水洗後に乾燥した後に、エタノールでリパブル洗浄することにより、化合物番号(47)のクマリン化合物の淡黄色固体118mgを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):3.09(t,2H,J=
7.2Hz), 4.15(t,2H,J=7.2Hz),6.09(s,1H), 6.20(m,1H), 6.40(d,1H,J=8.7Hz), 6.72(d,1H,J=2.4Hz),6.80 (dd,1H,J=2.4Hz,8.7Hz), 7.42(m,1H),7.64(dd,1H,J=1.8Hz,6.6Hz), 7.84(d,1H,J=8.7Hz),10.59(brs,1H)
【0083】
実施例1‐36 本化合物[化合物番号(48)]の合成
2-ヒドロキシピリジンの代わりに2-ヒドロキシ‐6‐メチルピリジンを用いた以外は実施例1−35(2)と同様にして、化合物番号(48)のクマリン化合物の白色結晶17mgを得た。
1H‐NMR(270MHz,DMSO‐d6)δ(ppm):3.09(t,2H,J=
7.2Hz), 4.15(t,2H,J=7.2Hz),6.13(d,1H,J=6.3Hz), 6.20(s,1H), 6.30(d,1H,J=9.0Hz), 6.66−6.74(m,2H),6.82 (dd,1H,J=2.1Hz,8.7Hz), 7.31(t,1H,J=8.7Hz),7.96(d,1H,J=8.7Hz),10.59(brs,1H)
【0084】
実施例2 本化合物が有する3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害能力の測定
(2−1)ヒト3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ発現用プラスミドの作製
ヒト精巣cDNA(MTC Multiple Tissue cDNA Panels / Human II、クロンテック)からPCR法によりヒト3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ遺伝子のcDNAをクローニングした。配列番号1で示される塩基配列からなるプライマーおよび配列番号2で示される塩基配列からなるプライマーをそれぞれ終濃度0.4μMとなるよう添加し、耐熱性DNAポリメラーゼ(TaKaRa LA Taq、タカラバイオ)を使用して、PCR反応をサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System 9700、アプライドバイオシステム)にて行った。反応条件としては、95℃で5分間保温した後、95℃30秒間、次いで59℃1分間、さらに72℃45秒間の保温を1サイクルとしてこれを30サイクル行い、さらに72℃で7分間保温した。得られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動に供し、約1.1kbのDNAを回収した。
発現ベクターpcDNA3.1/Hyg(インビトロジェン)を制限酵素HindIII(タカラバイオ)で消化した後、T4 DNA Polymerase(DNA Blunting Kit、タカラバイオ)で処理してその末端を平滑化した。
上記で得られた約1.1kbのDNAと直鎖化された発現ベクターとを混合し、T4 DNA Ligase(DNA Ligation Kit Ver.2.1、タカラバイオ)を用いて連結した後、大腸菌DH5のコンピテントセル(タカラバイオ)に導入した。得られた形質転換体から、ヒト3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ発現用プラスミドを得た。該プラスミドにクローニングされたDNAの塩基配列は、公的データベースであるGenBankに登録番号U05659にて開示されているヒト3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ遺伝子の相当する塩基配列と一致した。
(2−2)ヒト3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの一過性発現細胞の調製
HeLa細胞1.6x106細胞を10%FCS含有D-MEM培地に浮遊させた10mLの細胞浮遊液を直径10cmの細胞培養用ディッシュにまき、20〜24時間CO2インキュベーターで静置した。(2−1)で得られたヒト3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ発現用プラスミド2μgをFCS不含D-MEM培地300μlに添加し、静かに2回ピペッティングし軽く混合させた。得られたDNA溶液にトランスフェクション試薬(PolyFect Transfection Reagent、キアゲン)を50μl添加し、ピペッティングを5回行って混ぜ、10分間室温で静置した。このDNA溶液に1mLの10%FCS含有D-MEM培地を加えピペッティングを2回行って該DNA溶液を混ぜた。20〜24時間静置後の上記の細胞の培地を新しい培地8mLに交換し、前記DNA溶液を添加した。20〜24時間CO2インキュベーターで静置した後、細胞をトリプシンで剥がして96ウェルプレートにまいて酵素活性測定に用いた。
(2−3)酵素活性の測定
ヒト3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを一過性に発現させたHeLa細胞にアンドロステンジオンを添加し、転化されて生じたテストステロンの濃度を測定する方法で評価した。(2−2)で調製されたヒト3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ発現プラスミドが導入されたHeLa細胞を10%FCS含有D-MEM培地に浮遊させた。得られた細胞浮遊液を96ウェルプレートにウェルあたり1x104細胞(100μL)添加し、20〜24時間CO2インキュベーターで静置した。静置後に培地を抜き取り、新たにFCS不含培地を80μL 添加した。1%DMSO含有FCS不含培地で希釈した化合物溶液を10μL添加して30分間CO2インキュベーターで静置した。そこに、FCS不含培地で500nMとなるように希釈したアンドロステンジオン溶液10μLを添加して20分間CO2インキュベーターで静置した。その後、時間分解蛍光法試薬(DELFIA Testosterone Reagents、パーキンエルマー)を用いて、該試薬付属の手順書に従って培地中のテストステロンの濃度を測定した。測定はマルチファンクショナル・プレートリーダー(テカン社製、ウルトラ)を使用した。測定波長は励起340nm、蛍光は612nm。Lag timeは400μsec。Integration timeは400μsec。0%阻害の対照値として、上記の20〜24時間静置した細胞に1%DMSO含有FCS不含培地および500nMのアンドロステンジオン溶液をそれぞれ10μL添加した後、同様にテストステロン濃度を測定した。また、100%阻害の対照値として、上記の20〜24時間静置した細胞に1%DMSO含有FCS不含培地およびFCS不含培地をそれぞれ10μL添加した後、同様にテストステロン濃度を測定した。このようにして得られた測定値から、各濃度の各化合物による17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ活性の阻害率を計算した。
化合物番号(1)〜(32)及び(34)〜(38)のいずれかで表される本化合物は、濃度10μMでヒト3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの酵素阻害率が80%以上であった。また、化合物番号(33)、(39)、(40)、(42)、(44)〜(46)で表される本化合物は、濃度1μMでヒト3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの酵素阻害率が70%以上であった。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明によって、3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの活性を阻害し、組織における男性ホルモン活性の亢進を抑制することにより、男性ホルモン依存性疾患を処置又は予防するための組成物等の開発および提供することができる。
【配列表フリーテキスト】
【0086】
配列番号1
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号2
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(A)

[式中、
は、C1-C4アルキルカルボニル基、ハロゲン原子、C1-C4アルキル基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、C1-C4アルキルチオ基、シクロプロピルメチルチオ基又はa−CHS−基(aは、単数のハロゲン原子で置換されてもよいフェニル基、同一又は相異なる複数のハロゲン原子で置換されたフェニル基又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を表す。)で示される置換基群から選ばれる、単数の基で置換されてもよい、又は、同一又は相異なる複数の基で置換された、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、チオフェン環、イミダゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、4,5−ジヒドロチアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、ベンゾキサゾール環又はベンゾチアゾール環を表し、
は、水素原子又はハロゲン原子を表し、
は、水素原子、ハロゲン原子又は水酸基を表し、
'は、水素原子又はハロゲン原子を表し、
は、−O−基、−S−基、−SO−基、−NH−基又はメチレン基を表し、
は、水素原子、−SiR基(R、R及びRは、同一又は相異なり、C1-C6アルキル基を表す。)、C1-C4アルキルカルボニル基又はC1-C4アルコキシカルボニル基を表す。]
で示されるクマリン化合物と不活性担体とを含有することを特徴とする3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物。
【請求項2】
式(B)

[式中、
は、アセチル基、メチル基、トリフルオロメチル基又はニトロ基で置換されてもよい、2−ピリジル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、2−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロチアゾール−2−イル基又はチアゾール−2−イル基を表し、
は、水素原子又はハロゲン原子を表し、
及びZ'は、同一又は相異なり、水素原子又はハロゲン原子を表し、
は、−S−基又はメチレン基を表し、
は、水素原子、−SiR基(R、R及びRは、同一又は相異なり、C1-C6アルキル基を表す。)、C1-C4アルキルカルボニル基又はC1-C4アルコキシカルボニル基を表す。
ただし、Xが置換基を有さない2−ピリジル基であってWが−S−基のとき、Y、Z'及びRが同時に水素原子となることはない。]
で示されるクマリン化合物。
【請求項3】
式(I)

[式中、
Xは、ハロゲン原子、C1-C4アルキル基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、C1-C4アルキルチオ基、シクロプロピルメチルチオ基又はa−CHS−基(aは、単数のハロゲン原子で置換されてもよいフェニル基、同一又は相異なる複数のハロゲン原子で置換されたフェニル基又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を表す。)で示される置換基群から選ばれる、単数の基で置換されてもよい、又は、同一又は相異なる複数の基で置換された、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、チオフェン環、イミダゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、4,5−ジヒドロチアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、ベンゾキサゾール環又はベンゾチアゾール環を表し、
は、水素原子又はハロゲン原子を表し、
は、水素原子又は水酸基を表し、
は、−S−基、−SO−基、−NH−基又はメチレン基を表し、
は、水素原子、C1-C4アルキルカルボニル基又はC1-C4アルコキシカルボニル基を表す。]
で示されるクマリン化合物と不活性担体とを含有することを特徴とする3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物。
【請求項4】
式(II)

[式中、
XIIは、メチル基、トリフルオロメチル基又はニトロ基で置換されてもよい、2−ピリジル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、2−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロチアゾール−2−イル基又はチアゾール−2−イル基を表し、
IIは、水素原子又はハロゲン原子を表し、
IIは、水素原子、C1−C4アルキルカルボニル基又はC1-C4アルコキシカルボニル基を表す。
ただし、XIIが置換基を有さない2−ピリジル基であるとき、YII及びRIIが同時に水素原子となることはない。]
で示されるクマリン化合物。
【請求項5】
式(III)で示されるクマリン化合物。

【請求項6】
式(IV)で示されるクマリン化合物。

【請求項7】
式(V)で示されるクマリン化合物。

【請求項8】
式(VI)で示されるクマリン化合物。

【請求項9】
式(VII)で示されるクマリン化合物。

【請求項10】
式(VIII)で示されるクマリン化合物。

【請求項11】
式(IX)で示されるクマリン化合物。

【請求項12】
式(X)で示されるクマリン化合物。

【請求項13】
式(XI)で示されるクマリン化合物。

【請求項14】
式(XII)で示されるクマリン化合物。

【請求項15】
式(XIII)で示されるクマリン化合物。

【請求項16】
式(XIV)で示されるクマリン化合物。


【請求項17】
式(XV)で示されるクマリン化合物。

【請求項18】
式(XVI)で示されるクマリン化合物。

【請求項19】
式(XVII)で示されるクマリン化合物。

【請求項20】
式(XVIII)で示されるクマリン化合物。

【請求項21】
式(XIX)で示されるクマリン化合物。

【請求項22】
式(XX)で示されるクマリン化合物。

【請求項23】
式(XXI)で示されるクマリン化合物。

【請求項24】
式(XXII)で示されるクマリン化合物。

【請求項25】
請求項2又は4に記載のクマリン化合物と不活性担体とを含有する3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物。
【請求項26】
請求項5〜24のいずれか一項に記載のクマリン化合物と不活性担体とを含有する3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物。
【請求項27】
請求項1又は3に記載の3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物に有効成分として含有されるクマリン化合物の3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを阻害するための使用。
【請求項28】
3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを阻害するための請求項2又は4に記載のクマリン化合物の使用。
【請求項29】
3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを阻害するための請求項5〜24のいずれか一項に記載のクマリン化合物の使用。
【請求項30】
3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを阻害する方法であって、
治療的に有効な量の請求項1又は3に記載の3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物に有効成分として含有されるクマリン化合物を該阻害を必要とする患者に投与することを特徴とする方法。
【請求項31】
男性ホルモン依存性疾患を処置又は予防する方法であって、
治療的に有効な量の請求項1又は3に記載の3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害組成物に有効成分として含有されるクマリン化合物を該処置又は予防を必要とする患者に投与することを特徴とする方法。
【請求項32】
男性ホルモン依存性疾患が、前立腺癌、良性前立腺肥大、前立腺上皮内新生物形成、多毛症、アクネ、脂漏症、男性ホルモン性脱毛症、性的早熟、副腎性肥大又は多嚢胞性卵巣症候群である、請求項31に記載の方法。

【公開番号】特開2009−79039(P2009−79039A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217826(P2008−217826)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】