説明

ゲルシートの製造方法

本発明は、連続方式でのゲルシート製造のためのさまざまな方法を提供するものである。
本発明の態様は、工業生産に適するゲルシートの製造時間を削減する一助となる。このようなゲルシートは、保湿性がよく防音及び断熱を含むさまざまな用途に用いられるエローゲル・ブランケット(blankets)製品を製造するのに使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、「ゲルシート製造のための方法」という名称で2003年6月24日に出願された現在係属中の米国仮特許出願第60/466,638号の優先権を主張するものであり、その全ては本明細書に取り込まれる。
【背景技術】
【0002】
(技術分野)
本発明は、連続方式での溶剤含有ゲルシートの製造に関連する。このようなゲルシートは、エーロゲル・ブランケット(blankets)、エーロゲル複合物、エーロゲル・モノリス(monoliths)及びその他のエーロゲル素材の製品の製造に使用される。
【0003】
(関連技術)
エーロゲルは、その構造、すなわち低密度、開放型セル構造、大表面積(しばしば900m2/g、又はそれ以上)及び準ナノメーター級の細孔、を基本とした物質であることを意味する。超臨界的及び臨界未満の液抽出技術が、一般に物質の脆弱なセルから液を抽出するのに使用される。種々の異なったエーロゲル組成物が、無機物又は有機物として知られている。無機エーロゲルは、金属アルコキシドをベースとして、シリカ、カーバイド及びアルミナのような物質を含有する。有機エーロゲルは、ウレタン・エーロゲル、レゾシノールホルムアルデヒド・エーロゲル及びポリイミド・エーロゲルを包含するがこれに限定はされない。
【0004】
低密度のエーロゲル物(aerogel materials)(0.01−0.3g/cc)は、常圧、100°F以下で熱伝導率が10−15mW/m・Kである最高品質の硬質発泡体よりも優れた、最良の固体断熱材として広く認識されている。エーロゲルは、主として伝導率の最小化(低密度で、蛇行性の熱伝達経路を有する固体ナノ構造)、伝達(convection)の最小化(微細孔が伝達を最小化する)及び放射の最小化(赤外線を吸収又は散乱させるドープ剤がエーロゲル基質中に容易に分散する)により、断熱材として機能する。エーロゲルは処方によって、極低温から550℃以上までよく機能する。エーロゲル物(aerogel materials)は、又、音響上、光学上、機械上及び化学上の多くの他の興味深い特性を示し、それ故にきわめて多様な有用性をもたらす。
【0005】
低密度絶縁物質は、経験的に中心部の遮断に於いてかなりの圧縮力をもたらすような用途において、熱遮断に関する多くの問題を解決するために開発されてきた。例えば、樹脂にガラス性の微小中空体を複合させたシンタクチックフォームは、一般的に非常に堅い、圧縮抵抗のある物質である。シンタクチック物質は、水中のオイル及びガスパイプライン及び支持設備の遮断材としてよく知られている。シンタクチック物質は、柔軟なエーロゲル複合物(繊維によって強化されたエーロゲル基質)と比べて、相対的に柔軟ではなく、高い熱伝導度を有する。エーロゲルは、柔軟なゲル先駆物質から作ることができる。柔軟な繊維強化エーロゲルを含む種々の柔軟な層は、容易に複合して、1つ又はそれ以上の軸に沿って機械的に圧縮されると、何れかの軸に沿った圧縮強度を有する本体を備えるプレフォームを形成することができる。この方法で圧縮されたエーロゲル本体は、シンタクチックフォームに比べて、格段の高断熱性を示す。これらの物質を高速製造法は、水中のオイル及びガスパイプランの外部遮断材として、これらの物質の大規模使用を容易にするものである。
【0006】
特許及び科学文献に記載されているゾル−ゲルの化学現象を経由して形成される、ゲルシート及び/又は繊維強化複合ゲルシートを製造する通常の方法は、常にバッチ式キャスティング方法を伴うものである。このバッチ式キャスティングは、本明細書において、ゾルの全量を触媒化すると同時にゲル化を誘導するものであると定義されている。ゲル形成の技術は、当業者には周知のことであり、例えば、希釈した金属オキサイドゾルをpH及び/又は温度を調整してゲル化させることである(P. K. Iler, Colloid Chemistry of Silica and Silicates, 1954, chapter 6; R. K. Iler, The Chemistry of Silica, 1979, chapter 5; C. J. Brinker & G. W. Scherer, Sol-Gel Science, 1990, chapter 2 and 3 )。
【0007】
米国特許第6,068,882号(Ryu)には、本発明の態様で実施可能な、繊維強化のエーロゲル複合物の例が開示されている。本発明で使用される好ましいエーロゲル複合先駆体物質は、Aspen Aerogels, Incorporatedにより市販されているCryogel(登録商標)、Pyrogel(登録商標)又はSpaceloft(登録商標)ような物質である。バルク状エーロゲル内に分散された繊維とバルク状エーロゲルのエーロゲル基質複合物及びエーロゲル基質複合物の製造方法が米国特許第5,306,555号(Ramamurthiら)に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
(発明の要約)
本発明は、ゲルシート、繊維強化柔軟ゲルシート及び複合ゲルロール(conposite gel materials)のための、通常のバッチ式ゾル−ゲル・キャスティング(成型)方法に比べて格段に改良された、連続及び半連続のゾル−ゲル・キャスティング方法を記載する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
特に、本発明は、ゾルの低粘度溶液とゲル形成を誘導する試剤(熱触媒又は化学触媒)を連続的に混合し、移動要素上で、ゲル化を有効に発現させる規定の速度で触媒化ゾルを分配することによって、形成されるゲルシート量を定めるエッジを有したコンベアベルトのような移動要素上で、ゲルシートを形成する方法を記載する。ゾルは、無機物、有機物及び無機物/有機物の混成物質の混合物を含有する。無機物は、ジルコニウム酸化物、イットリウム酸化物、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、セリウム酸化物及び、シリカ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びそれらの混合物を含有する。有機物は、ポリアクリレート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリフルフラールアルコール、フェノールフルフリルアルコール、メラミンホルムアルデヒド、レゾルシノールホルムアルデヒド、クレゾールホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、ポリビニルアルコールジアルデヒド、ポリシアヌレート、ポリアクリルアミド、種々のエポキシ、寒天、アガロース及びそれらの混合物を含有する。更に、本発明の方法は、モノリス・ゲルシート又は2つの成分からなる繊維強化ゲル複合物の形成について記載する。この2つの成分は、つまり強化繊維がロフティ(lofty)な繊維状構造(例えば、芯)、好ましくは熱可塑性ポリエステル又はシリカ繊維をベースにした、より好ましくは連続又は半連続方式で個別のランダムに分散した短繊維(マイクロ繊維)の組み合わせであるところの、強化繊維とゲル基質である。繊維状芯材又はマット材は、ゲル化前に触媒化ゾルと組み合わせるために移動要素上に導入される。
【0010】
更に、ゲル基質がロフティな芯材、特に非常に低デニール繊維からなる連続的な不織布の芯、で強化された場合、溶剤抽出により乾燥されてエーロゲル又はキセロゲル製品になる複合材は、より強力で、より耐久性の高い形態で、モノリスのエーロゲル又はキセロゲルと同様な熱特性を維持する。使用される繊維の直径は、0.1−10,000ミクロンの範囲である。場合によって、0.001−100ミクロンの範囲のナノ繊維がゲルの強化に使用される。繊維状芯に加えて、カールした繊維もゲル構造全体に分布させて使用可能である。
【0011】
更に、本発明は、移動コンベア装置にエネルギー放射ゾーンを導入することにより、連続的又は半連続的にゲル複合物を形成する方法を記載する。触媒化ゾルのゲル化は、化学的又はエネルギー放射工程で促進することができる。例えば、電磁的(紫外線、可視線、赤外線、マイクロ波)、音波的(超音波)又は粒子放射線の制御された流量が、ゾル中に含有されるポリマーの十分な架橋の誘導でゲル化点に到達するように、コンベアベルトによって包含される移動するゾル容量の幅を横断して導入される。放射線の流量、位置及び範囲は、最適のキャスティング速度を得るために、コンベア設備に沿って制御することができる、そして、コンベアの末端到達迄に望まれるゲル特性は、ゲルの所定の区分で達成される。この方式において、ゲル特性は、バッチ式キャスティング方法では不可能な程に、新規の方式で、制御することができる。加えて、第一移動要素の反対方向に回転するもう1つの移動要素が、ゲルシートの上端部の形状を規定するために使用することができる。
【0012】
更に、超臨界溶媒工程の方法を使用した溶媒抽出を促進する多孔性の流出層、を共に巻いた又はロールしたゲル複合材のロールは、本発明の方法を使用して非常に小さい設置面積で、成形することができる。これは、まず非浸透性のスペーサー層を共にロールした繊維ロールプレフォームに規定の量の触媒化ゾルを注入する、注入されたロールをゲル化する、ロールされたゲル複合物を広げる、非浸透性の層を取り除く、そして完全に硬化されいない本体の柔軟なゲル複合物を多孔性のスペーサー層と共に再度ロールする、ことによって完成される。本発明で記載の方法は、出来るだけ小さい面積でゲル複合材の製造速度を高めることに大きな利点を提供する。
【0013】
更に、ゲルシートが上述した何れかの方法で製造され、複数の層にロールされる、連続様式でゲルシートを製造する方法が記載されている。これは、乾燥操作が効率的なゲルシートを製造する新規で有効な方法である。更なる特徴として、任意のスペーサー材が、ゲルシートと共にロールされる。このようなスペーサー材は、実際、浸透性であっても、非浸透性であってもよい。スペーサー材の浸透性によって、後の乾燥工程で好ましいフローパターンが得られる。スペーサー材は又、次いでシリル化(熟成)液体が容易に通過するようにフロー経路を提供するものであり、更に乾燥工程に於いても、半径方向に(放射状に)抽出されるゲルシートの厚みを効率的に減少させるフロー経路を提供することによって役立つものである。
【0014】
本発明及び更なる態様を、以下により詳細に記載する。連続又は半連続方式でのモノリス及び繊維強化複合シートを製造する方法に対する本発明で記載の方法は、前に記載の方法に比べて利点が多数ある。例えば、ゲル粒子は連続的又は半連続的に提供されるように方式化され、全ての構成成分は適した速度で装置に提供される。このように大容量の物質が、伝統的なバッチ式キャスティング(エーロゲル又はキセロゲルを製造するために、溶剤の抽出の前に、溶剤を含有させて、熟成のセットを要する鋳型を必要とする)に比べて、より小さい製造面積内で工夫して方式化させることができる。繊維強化の柔軟なゲル物の、非常に長い連続したシートは、キャスティングとロールする工程が複合して、小面積内で連続的に再有効化できる単一の鋳型表面を可能にする、本発明の方法を使用して容易に方式化できる。ゲル・ロールがバッチ式でキャスティングされた後、ゲル物の層間に多孔性のフロー層を挟むロールからロール(roll-to-roll)の工程を有する時、平面シートのバッチ式キャスティングに比べて、製造設置面積は減少し、更に製造能力を上げ、より低い製造コストの可能性を持つ。
【0015】
(発明の詳細な説明)
本明細書に記載の当該発明は、溶剤含有のナノ構造のモノリス及び柔軟なブランケット(blankets)複合シート材を製造することに関する。これらの物質は、全ての流動相の溶剤が超臨界溶剤抽出(超臨界流体乾燥)によって抽出された後、ナノ多孔性のエーロゲル本体となる。例えば、この発明に記載の製造方法は、後工程の超臨界流体抽出方法で溶剤除去を促進する成形要素において、モノリス・ゲルシート又はロール状ゲル複合部品を成形するための、重要な、より有利な製造能力を提供する。
【0016】
第1番目の方法は、低粘度の触媒化ゾル混合物を一端に供給し、溶剤含有のゲル物の形成されたモノリス(ここでは、ポリマー又はセラミック固体基質のみであり、繊維物が添加されていない、と定義される)・シートをカットし、後工程の化学処理系へと導く系を使用した、コンベアベースのシステムが概要である。第2番目の方法は、低粘度の触媒化ゾル混合物を一端に供給し、溶剤含有の繊維強化ゲル複合シートをカットし、超臨界流体抽出の前に処理を実施するための成形要素を生成するための、ロールする系(多孔性の分離フロー層の有り及び無しで)へと導く系を使用した、コンベアベースのシステムを指す。第3番目の方法は、最初の缶が直接の「ロール中のゲル」反応を務めるところの、2つの缶の間のロールからロールへの移動の工程であり、超臨界抽出の前に処理を実施するための成形要素を準備するため、ロールを開き、多孔性のセパレータ層と再度ロールする工程が続く。この3つの方法は、ゲル化時間調節及び熟成していない成形本体の強度を高めるために、制御されたエネルギー分配方法と連結して使用されてもよい。超音波、熱及び種々の型の放射線の方式でのエネルギーは、伝統的な(安定なゾルのpHをゲル化を促進する点まで変化させるような)化学触媒の方法に加えて、準備されたゾル混合物からゲル化を誘導するのに使用される。
【0017】
本発明に記載の基質物質は、ゾル−ゲル工程から最良のもの、好ましくは、非常に小さい孔(ビリオンオーダー)を有した構造であるポリマー(無機物、有機物及び無機物と有機物の混成物)の複合物である。本発明では、繊維状物質が基質物質の強化のために、ポリマーのゲル化点の前に添加される。好ましい繊維状物質は、ロフティな繊維状構造(綿等の芯又は織布)であり、個別のランダムに配向した短マイクロ繊維及び織布又は不織布の繊維を含有してもよい。特に、好ましい繊維強化物は、有機物(例えば、熱可塑性ポリエステル、高強度炭素、アラミド、高強度配向ポリエチレン)、低温度無機物(E−ガラスのような種々の金属オキサイドガラス)又は耐火性(例えば、シリカ、アルミナ、アルミニウムホスフェート、アルミノシリケート等)繊維のいずれかを母体とする。本発明での態様で使用される繊維の厚さ又は直径は、0.1−10,000ミクロンの範囲であり、好ましくは0.1−100ミクロンの範囲である。他の好ましい態様では、0.001ミクロンほどの小さいナノ構造繊維がゲルの強化に使用される。典型的な例は、0.001ミクロンと同じ小ささの直径を有するカーボンナノ繊維及びカーボンナノチューブを含む。
【0018】
セラミック固体(例えば、シリカ)及び流動溶媒相からなる溶剤含有ゲルシートは、ゾル相に触媒相を連続的に注入し、移動コンベア上で触媒化混合物を分配させることによって、コンベア上で成形することができる。このような物質は、ビルの二重ガラス窓のような透明性の遮断に、使用が認められる。これらのゲル物が、セラミック又は繊維強化無しで、間隙にある溶剤(ゲル溶剤)を有する架橋ポリマー基質物質からなる場合、通常堅く柔軟性を欠く。このため、これらの物質は、それらが連続的にキャスティングされると、鋳造物として扱う必要がある。もし、コンベアが容量を保持する鋳型のエッジを有するならば、ゲルは直接コンベア表面上でキャスティングされる。もし、コンベアがその上に置いた鋳型を有するならば、鋳型容量は連続的に新たな触媒化ゾルを満たすことができる。
【0019】
無機エーロゲルの形成に適した物質は、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、イットリウム、バナジウム等のような、酸化物を形成できるほとんどの金属の、酸化物である。特に好ましいのは、容易に利用でき低コストである、水素化シリケートエステルのアルコール溶液(アルコゲル)から主に形成されるゲルである。有機エーロゲルは、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリフルフラールアルコール、フェノールフルフリルアルコール、メラミンホルムアルデヒド、レゾルシノールホルムアルデヒド、クレゾールホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、ポリビニルアルコールジアルデヒド、ポリシアヌレート、ポリアクリルアミド、種々のエポキシ、寒天、アガロース等から生成される(例として参照:C. S. Ashley, C. J. Brinker & D. M. Smith, Journal of Non-Crystalline Solids, volume 285, 2001)。
【0020】
本発明の方法の好ましい1つの態様では、ゾル容量の一部を通じてのエネルギー放射が、ゲルキャスティングに使用されるコンベア設備の特定の位置で活用される。熱又は特定量の放射線(例えば、超音波、X線、電子ビーム、紫外線、可視線、赤外線、マイクロ波、ガンマ線)に曝される触媒化ゾルの面積を制御することにより、ゲル化現象がコンベア設備の所定の場所に誘導される。コンベア設備の終端における機械的な操作の前に、その物質が熟成及び強化のための適切な時間を保持するように、コンベアのスピードでゲル化点のタイミングを制御することは有利である。ポリマー鎖の拡散及びその後の固体網状成長が、ゲル化点後の粘性なゲル構造内ではかなり緩慢であるにも関わらず、原ゲル溶液(母液)のゲル化後一定時間の保持が、最良の熱的及び機械的性質を得るためには必須である。外乱を受けないゲルが「熟成」する一定時間は、「シネレシス(syneresis)」と命名されている。シネレシス条件(時間、温度、pH、固体濃度)は、エーロゲル製品の品質に重要である。
【0021】
ゲルは、固体構造の細孔内に流動性の間隙溶媒相を混入させることにより形成される物質の一種である。その固体構造は、ゲル化方法、溶剤とポリマーの相互作用、ポリマー化と架橋の速度、固体成分、触媒成分、温度及びその他の要素に直接関係して、細孔構造を展開するところの、無機物、有機物又は無機/有機の混成ポリマー材を含有することができる。ゲル物は、間隙の溶剤相が超臨界液抽出によって容易に除去して、エーロゲル物(aerogel materials)を生成するようなシート又はロール状のシートを成形する、連続又は半連続方式で成形される複合体に、柔軟性を与える種々の繊維強化物質を含有する前駆物質から成形されることが好ましい。溶剤抽出工程の間又は最低でも最終段階では、臨界圧力及び温度以上で溶剤相を保持することによって、非常に小さい細孔からの液蒸発によって生成される強力な毛細管力(収縮及び細孔崩壊を引き起こす)は、現実に発生しない。エーロゲルは、典型的には低密度(約0.15g/cc以下、好ましくは約0.03−0.3g/cc)、非常に大きい表面積(一般的に約300−1,000m/g及びそれ以上、好ましくは約700−1,000m/g)、高細孔率(約90%及び以上、好ましくは約95%以上)、及び相対的に大きな細孔容積(約3mL/g、好ましくは約3.5mL/g以上)を有する。不定形構造におけるこれら性質の組合せは、どの凝集した固体物質に対しても、最も低い熱的伝導値(37℃、1気圧にて、9−17mW/m・K)を示す。
【0022】
本発明に記載のモノリス及び複合ゲル物の成型(キャスティング)方法は、3つの個別の段階を含む。第一段階は、全ての構成成分(固体前駆体、ドープ剤、添加物)を混合して、連続方式で分配可能な低粘度のゾルとする工程である。第二段階は、移動コンベアモールド(それはまた、鋳型化された上部表面を形成する同期化された対の回転ベルトを有していてもよい)上に混合されたゾルを分配する工程を伴う。第二の工程はまた、ゲル化を誘導するために、もしくはゲル率、引っ張り強度又は密度等のゲルの特性を変更するために、移動コンベア装置の規定部内に未ゲル化ゾルに熱又は放射線を導入する工程を含んでもよい。本発明の工程の第三段階は、ゲルの切断及びモノリスのゲルシートを次の工程、即ち、柔軟な繊維強化複合材を柔軟な多孔(細孔)性のフロー層と共にロールしてゲルシートを特に好ましい形状にする後工程へ移動させることを伴う。ゲル複合材とフロー層から成形されたロールは、超臨界プロセッシング法を用いる間隙溶剤の除去に特に好適である。
【0023】
対の回転で鋳型形成可能な移動コンベア装置を使用して、通常の化学的触媒化ゾル−ゲル法を用いる、好ましいゲル成型方法の例を、図1に示す。繊維強化のナノ細孔ゲル複合物は、図1に示されるように細孔性のフロー層の有無に関わらず、機械的にロールすることができる。図2は、単一の成形面(成形されたサイドを有する連続的に回転する底ベルト)を有する移動コンベア・ベルトを使用した、同様なプロセスを示す。図3は、ポリマーゾル(追加の繊維強化構造無しで)から成形されるモノリスのゲルシートが、触媒化ゾル溶液を移動コンベア上に沈積させることによって、いかに連続的に成形できるかを示す。そして、図4は、対の回転コンベアによる成形法を除いては同じプロセスを示す。本発明で使用されるゾル類は、図5のブロックフローで示されるように、移動コンベア上に沈積する前に、混合して調製されるが、しばしば化学触媒と混合して調製される。本発明の製造工程に関連する他の態様が図6に示されるが、繊維及び分離層から成るプレフォームロールにゾルを浸透させ、初期ゲル化を発現した後、非浸透層からゲル複合物を分離するように広げ、そして次の化学工程のために浸透性の層と共に再度ロールする、工程である。
【0024】
本発明における好ましい先駆体物質のゲル基質は、有機物、無機物又はそれらの混合物である。ゾルは当業者に公知の方法にてゲル化を誘発するために、触媒化することができる:例えば、希釈の金属酸化物ゾルをゲル化を発現する条件にpH及び/又は温度を調整する(参考として以下の文献が組み込まれている:R. K. Iler, Colloid Chemistry of Silica and Silicates, 1954, chapter 6; R. K. Iler, Chemistryof Silica, 1979, chapter 5; C. J. Brinker & G. W. Scherer, Sol-Gel Science,1990, chapter 2 & 3)。無機エーロゲルの成形に適した物質は、酸化物を形成する、シリコン、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、イットリウム等のような殆どの金属の酸化物である。特に好ましいのは、容易に利用でき低コストである、水素化シリケートエステルのアルコール溶液(アルコゲル)から主に形成されるゲルである。
【0025】
当業者によく知られているように、有機エーロゲルは、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアミド、EPDM及び/又はポリブタジエン・ゴム溶液、ポリイミド、ポリフルフラールアルコール、フェノールフルフリルアルコール、メラミンホルムアルデヒド、レゾルシノールホルムアルデヒド、クレゾールホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、ポリビニルアルコールジアルデヒド、ポリシアヌレート、ポリアクリルアミド、種々のエポキシ、寒天、及びアガロース等を含有する有機ポリマー材から生成することができる(例として参照:C. S. Ashley, C. J. Brinker & D. M. Smith, Journal of Non-Crystalline Solids, Volume 285, 2001)。
【0026】
電磁的、音波的又は粒子放射線源の種々の方式は、移動コンベア設備にゾル先駆体物質のゲル化を誘導するために使用できる。ゲル化を誘導するためにゾル材を、熱、超音波エネルギー、紫外線、ガンマ線、及び電子ビーム線等に暴露することが可能な多くの例が文献に示されている。移動ゾル域が、ある一定の時間に対して制御されたエネルギー流量と相互作用すると言った、コンベア装置の固定域に対するエネルギー(熱、音波的、放射線)放射の活用は、乾燥エーロゲル又はキセロゲル物と同様にゲル特性を制御するのに有利である。このプロセスは図7に示す。
【0027】
無機エーロゲル形成の一般的な主たる合成経路は、適当な金属酸化物の加水分解と縮合である。最も適した金属アルコキサイドは、各アルキル基に約1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するものである。これらの化合物の例として、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラ−n−プロポキシシラン、イソプロポキシド アルミニウム、sec−ブトキシド アルミニウム、イソプロポキシド セリウム、tert−ブトキシド ハフニウム、イソプロポキシド マグレシウム アルミニウム、イソプロポキシド イットリウム、イソプロポキシド チタン、及びイソプロポキシド ジルコニウム等を含有する。シリカ先駆体の例としては、これらの物質は、ポリジエトキシ−シロキサンのようなポリシリカ酸のエステル化合物類のポリマーとして、部分的に加水分解して、低pHにて安定化されたものである。これら物質は、アルコール溶液として商業的に利用できる。予備重合されたシリカ先駆体は、本発明に記載のゲル物の工程には特に好まれる。アルコール溶液の金属酸化物ゾルのゲル化誘導は、本明細書ではアルコゲルプロセスとされている。
【0028】
ゾル−ゲル・プロセスを使用して成形されるゲル物が、広く多様な金属酸化物又は他のポリマー形成種から誘導されるのは、当業者には理解されるところである。又、ゾルが、ゲル製品の物理的及び機械的特性に影響する固体(赤外線不透明化剤、焼結抑制剤、マイクロファイバー)でドープできることも公知である。このようなドープ剤の適した量は、一般的に最終複合剤重量の約1〜40%範囲であり、本発明のキャスティング方法を使用した場合、好ましくは約2〜30%である。
【0029】
無機エーロゲル生成プロセスでの主な変動要因は、アルコキシドのタイプ、溶液pH及びアルコキシド/アルコール/水の比率である。変動要因の制御は、「ゾル」状態から「ゲル」状態への変化を通じて、基質種の成長と凝集(集合)の制御を可能にする。得られたエーロゲルの特性は、先駆体溶液のpH及び反応物のモル比率に強く影響されるが、ゲルを形成することができれば、本発明に於いては如何なるpH及びモル比率も使用可能である。
【0030】
他の溶剤が使用できることは当該技術分野では公知であるが、一般的に、溶剤は低級アルコール、例えば1〜6個の炭素原子を有するアルコール、好ましくは2〜4個の炭素原子のアルコールがよい。他の有用な溶剤の例としては、酢酸エチル、アセトアセテートエチル、アセトン、及びジクロロメタン等が含まれるがこれらに制限はされない。
【0031】
本発明で使用される先駆体の生成方法を以下に示すために、無機シリカゲル及びその複合物形成のアルコゲル経路が便宜上用いられるが、それは本発明を特別なタイプのゲルに限定するものではない。本発明は、他のゲル複合物にも適用できる。
【0032】
また、本発明の加工方法を使用して先駆体ゲル粒子を生成する際に、他のゾル生成及びゲル誘導方法が利用可能であるが、最も低密度及び/又は最も断熱効果の高い製品を得ることができる化学的アプローチが好ましい。例えば、水溶性の塩基性金属酸化物先駆体は、連続的な方式で水溶性酸で中和し、図1及び図2に示すように移動コンベア上に沈積し、そして移動コンベア上でヒドロゲルへと誘導することができる。珪酸ナトリウムは、ヒドロゲル先駆体として広く使用されている。副生の塩は、ゲルの形成及び機械的操作の後で、イオン交換及び/又は水で成形されたゲルの洗浄によって、珪酸先駆体から除去してもよい。
【0033】
本発明の方法を用いて調製されるゲル物を同定した後、適当な金属アルコキド−アルコール溶液が調製される。エーロゲル形成溶液の調製は当該技術分野では周知である。例えば、S. J. Teichnerら、Inorganic Oxide Aerogel, advances in Colloid and Interface Science, Vol. 5, 1976, pp. 245-273, 及びL. D. LeMayら、Low-Density Microcellular Materials, MRS Bulletin, Vol. 15, 1990, p 19 を参照のこと。シリカエーロゲル(aerogel materials)を製造するのに有用なシリカゲル・モノリス及び繊維強化シリカゲル複合物の生産には、一般に好ましい成分としてテトラエトキシシラン(TEOS)、水及びエタノール(EtOH)がある。TEOSと水との好ましい比率は、約0.2〜0.5:1であり、TEOSとEtOHの好ましい比率は、約0.02〜0.5:1であり、そして好ましいpHは約2〜9である。成分溶液の天然のままのpHは、約5である。より低いpHを得るためにどのような酸を使用してよいが、現在、好ましいのは、HCl、HSO又はHFである。より高いpHを生成するには、NHOHが好ましい塩基である。
【0034】
本願の目的のため、ロフティな芯とは、嵩高さと弾性(完全な嵩復元を有する又は有しない)の特性を示す繊維状物質として定義される。その好ましい材型は、柔らかい織布である。ロフティな芯をもつ強化材を使用することによって、エーロゲルの熱特性の本質的な劣化を避けつつ、非支持型のエーロゲルの容量を最小化できる。芯は好ましくは、一般に裏打ちのキルト用、パッキン用、又は包装用に使用される、もしくは熱遮断のブランケットとして使用される、繊維性材料の層又はシートを示す。
【0035】
伸張強度のある芯材が、必須ではないが、コンベアキャスティングシステムへ導入されるのに好都合である。繊細な芯材を、コンベア部に、調製したゾルフローを浸透させる前に、導入するプロセスに於いて負荷移動メカニズムを用いてもよい。
【0036】
ロフティな芯及びx−y配向の伸張強化した層の両方を成形するのに適当な繊維性材料は、どのような繊維形成材も含有してよい。特に適当な物質は、ガラス繊維、石英ガラス、ポリエステル(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリフェニレンベンゾ−ビソキサゾール(PBO)、ポリエチレンエーテルケトン(PEEK)、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリメタフニレンジアミン(Nomex)、ポリパラフェニレン−テレフタルアミド(Kevlar)、例えばSpectraTMのような超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ノボロイド樹脂(Kynol)、ポリアクリロニトリル(PAN)、PAN/炭素及び炭素繊維を含む。
【0037】
図1は、ゾル分配と触媒混合のシステム及び対の回転コンベアベルトモールド装置(counter-rotating conveyor belt mold apparatus)を使用した、連続又は半連続方式の繊維強化ゲルシートを製造する方法を示す。ゲル複合シートは、ベルトの端で機械的に巻くと、ロールされた形で製造することができる。図中の番号は次のように対応する:11は安定なゾル先駆体溶液で、12は制御された条件で適量加えられて、ゾルのゲル化を誘導する触媒であり、13は流量制御位置を示し、14はスタティックミキサーであり、15はゾルが触媒と完全に混合されている、流体混合システムでの位置を示し、16はスクレーパー/潤滑油装置(任意)であり、17は繊維状芯材(アセンブリ(組合せ部位)に送り込まれる個別のシート又はロール状のものであってもよい)であり、18は、19で示されるローリングアセンブリ(巻取り部位)に至る以前の、ゲル化を発現する全長方向に沿ったモールド面を形成する2本の対の回転ベルトアセンブリ(組合せ部位)を示す。
【0038】
図2は、ゾル分配と触媒混合のシステム及び単一のコンベアベルトモールド装置を使用した、連続又は半連続方式の繊維強化ゲルシートを製造する方法を示す。ゲル複合シートは、ベルトの端で機械的に巻くと、ロールされた形で製造することができる。図中の番号は次のように対応する:21は安定なゾル先駆体溶液で、22は制御された条件で適量加えられて、ゾルのゲル化を誘導する触媒であり、23は流量制御位置を示し、24はスタティックミキサーであり、25はゾルが触媒と完全に混合された、流体混合システムでの位置を示し、26はスクレーパー/潤滑油装置(任意)であり、27は繊維状芯材(アセンブリに送り込まれる個別のシート又はロール状のものであってもよい)であり、28は29で示されるローリングアセンブリに至る以前の、ゲル化を発現する全長方向に沿ったモールド面を形成するコンベアベルトアセンブリ(組合せ部位)を示す。
【0039】
図3は、ゾル分配と触媒混合のシステム及び対の回転コンベアベルトモールド装置を使用した、連続又は半連続方式の繊維強化ゲルシートを製造する方法を示す。図中の番号は次のように対応する:30は安定なゾル先駆体溶液で、31は制御された条件で適量加えられて、ゾルのゲル化を誘導する触媒であり、32は流量制御位置を示し、33はスタティックミキサーであり、34及び35は、36で示されるようなゲルシート切断アセンブリに至る以前の、ゲル化を発現する全長方向に沿ったモールド面を形成する2本の対の回転ベルトアセンブリを示す。個別のゲルシート(37)は、更に次の工程へ提供される。
【0040】
図4は、ゾル分配と触媒混合のシステム及び単一のコンベアベルトモールド装置を使用した、連続又は半連続方式の繊維強化ゲルシートを製造する方法を示す。図中の番号は次のように対応する:40は安定なゾル先駆体溶液で、41は制御された条件で適量加えられて、ゾルのゲル化を誘導する触媒であり、42は流量制御位置を示し、43はスタティックミキサーであり、44は、45で示されるようなゲルシート切断アセンブリに至る以前の、ゲル化を発現する全長方向に沿ったコンベアベルトモールドを示す。個別のゲルシート(46)は、更に次の工程へ提供される。
【0041】
図5は、連続方式のコンベア装置上に、制御された速度でキャスティング(沈積)する前に、混合域でゾルと触媒とを混合するための、一般的なブロックフローを示す。
【0042】
図6は、他の成型(キャスティング)方法、つまりコンテナ(61)中の繊維と分離層とのプレフォームロール(60)にゾル(62)を浸透させて、初期のゲル化を発現させ(63)、非浸透層(65)からゲル複合物を分離させるためにロールを解いた(64)後、浸透性の層(66)と再度ロールして、次の化学工程に付される、ゲル複合/フロー層のロール(67)を成形することを示す。他方、ゾル浸透のプレフォームロールは、分離層をそのまま有したまま乾燥して、その後広げても良い。
【0043】
図7は、ゾル分配システム及び単一のコンベアベルトモールド装置を使用した、連続又は半連続方式の繊維強化ゲルシートを製造する方法を示す。ゾルを熱又は放射線に暴露することによりコンベア設備の意図した区域で、ゲル化を誘導する。図中の番号は次のように対応する:70は安定なゾル先駆体溶液で、71は制御された条件で適量加えられて、ゾルのゲル化を誘導する触媒であり、72は流量制御位置を示し、73はスタティックミキサーであり、74はゾルが触媒と完全に混合された、流体混合システムでの位置を示し、75は繊維状芯材(アセンブリに送り込まれる個別のシート又はロール状のものであってもよい)であり、76はその特性を変更(例えば、架橋)するためにゾル又はゲルにエネルギーを放射する装置であり、77は、78で示されるローリングアセンブリに至る以前に、ゲル化を発現する全長に沿ったモールド面を形成するコンベアベルトアセンブリを示す。
【0044】
図8は、ゾルがコンベアベルト上に分配され、コンベアが特定の距離(特定の滞留時間に相当する)を動いてゲル化を可能にし、マンドレルにロールされるところの、本発明の他の態様を示す。ゲルシートがロールされる時、2層のゲルシートがスペーサー層によって隔てられるように、浸透性のスペーサー層がゲルシートと共にロールされる。このスペーサー層は非浸透性であってもよい。ロールされたゲルシートアセンブリは、更に超臨界乾燥装置で乾燥される。スペーサー層は超臨界抽出/乾燥工程で効果的なフロー経路を提供する。非浸透性のスペーサー層を使用すれば、抽出液の軸方向のフロー経路が形成される。浸透性のスペーサー層を使用すれば、追加の半径方向のフローパターンも又得られる。超臨界抽出/乾燥工程で必要なフローパターンを提供するために、ゲルシートの組成に応じて非浸透性又は浸透性スペーサー層が使用される。
【0045】
下記の特定の実施例により、本発明に従って機械的に緻密にしたエーロゲル複合物の製造及びそれらから得られたテスト結果を記載し、本発明の更なる詳細及び説明を示す。特に定めのない限り、部及び比率は重量部及び重量%により示す。
【実施例1】
【0046】
20%TEOSのエタノール溶液(pH2で、24時間室温保持)の加水分解により生成したシリカゾル20ガロンを、流量ポンプ及び流量計を連結した底部排出管を備えたステンレス容器に導入する。底部排出管、ポンプ及び流量計を備えた別のコンテナに、過剰のアンモニア処理のエタノール(1%)を満たした。この2つの流体を、流量計の使用で規定の比にしてスタティックミキサー中で混合し、平面の移動コンベア表面上に分配ヘッドを通じて沈積させる。コンベアベルトは、分配のゾルが容量として入るような、表面に溶接された柔軟なエッジ(本実施例では38”間隔が使用されるが、どのような実用的な幅でもよい)を有する。移動コンベアベルトの前部表面に接触するピンチローラーは、低粘度の逆拡散を防止する。ベルト速度は、混合されたゾル内のゲル化先端(ゾルがもはや自由に流れず、ゴム質となる、コンベアテーブルに沿って固定された位置と定義される)がテーブル全長の半分で現れるように調整する。ゲル化時間とシネレシス時間の比は、1:1が好ましいが、問題なく、2:1から1:5の範囲で変更できる。ゲル化ゾルがテーブルの端に到達した時、シリカゲル板は幅を横切って切断し、負荷軸受板に移し、次の工程のアルコール浴に移動する。
【実施例2】
【0047】
20%TEOSのエタノール溶液(pH2で、24時間室温保持)の加水分解により生成したシリカゾル20ガロンを、流量ポンプ及び流量計を連結した底部排出管を備えたステンレス容器に導入する。底部排出管、ポンプ及び流量計を備えた別のコンテナに、過剰のアンモニア処理のエタノール(1%)を満たした。この2つの流体を、流量計の使用で規定の比にしてスタティックミキサー中で混合し、平面の移動コンベア表面(柔軟なエッジの間が38”幅)上に分配ヘッドを通じて沈積させる。約0.5厚さのポリエステル芯(38”幅)のロールを、ベルトと同じ直線速度でコンベアシステムに供給する。移動コンベアベルトの前部表面に接触するピンチローラーは、低粘度の逆拡散を防止し、ゾル沈積点の前面でのもう1つのピンチローラーは、ゾルの芯材への浸透を補助するように使用する。ベルト速度は、混合されたゾル内のゲル化先端(ゾルがもはや自由に流れず、ゴム質となる、コンベアテーブルに沿って固定された位置と定義される)がテーブル全長の半分で現れるように調整する。ゲル化時間とシネレシス時間の比は、1:1が好ましいが、問題なく、2:1から1:5の範囲で変更できる。ゲル化ゾルがテーブルの端に到達した時、柔軟なゲル複合体は円筒形のマンドレルにロールされる。多孔質ポリエチレンメッシュ(網)は、形成されるロールの張力を保持するのに使用される。ロールは次の化学的工程のために準備され、負荷軸受であるマンドレルを使用して移動できる。
【実施例3】
【0048】
20%TEOSのエタノール溶液(pH2で、24時間室温保持)の加水分解により生成したシリカゾル20ガロンを、流量ポンプ及び流量計を連結した底部排出管を備えたステンレス容器に導入する。平面の移動コンベア表面(柔軟なエッジの間が38”幅)上に分配ヘッドを通じて、固定速度にてシリカゾルをポンプにて供給する。約0.5厚さのポリエステル芯(38”幅)のロールを、ゾル沈積点の前に、ベルトと同じ直線速度でコンベアシステムに供給する。移動コンベアベルトの前部表面に接触するピンチローラーは、低粘度の逆拡散を防止し、ゾル沈積点の前面でのもう1つのピンチローラーは、ゾルの芯材への浸透を補助するように使用する。潤滑のゲルを通じてベルト底部に連結した超音波の変換器の列を、コンベア装置の中間点に配列した。ベルト速度及び超音波能力と振動数は、混合されたゾル内のゲル化先端がテーブル長さの半分で現れるように調整する。ゲル化ゾルがテーブルの端に到達した時、柔軟なゲル複合体は円筒形のマンドレルにロールされる。多孔質ポリエチレンメッシュは、形成されるロールの張力を保持するのに使用される。ロールは次の化学的工程のために準備され、負荷軸受であるマンドレルを使用して移動できる。
【実施例4】
【0049】
20%テトラメチルオルソシリケート(TMOS)のエタノール溶液(pH2で、4時間室温保持)の加水分解により生成したシリカゾル20ガロンを、流量ポンプ及び流量計を連結した底部排出管を備えたステンレス容器に導入する。底部排出管、ポンプ及び流量計を備えた別のコンテナに、過剰のアンモニア処理のエタノール(1%)を満たした。この2つの流体を、流量計の使用で規定の比にしてスタティックミキサー中で混合し、平面の移動コンベア表面上に分配ヘッドを通じて沈積させる。平面の移動コンベア表面(柔軟なエッジの間が38”幅)上に分配ヘッドを通じて、固定速度にてシリカゾルをポンプにて供給する。移動コンベアベルトの前部表面に接触するピンチローラーは、低粘度の逆拡散を防止する。コンベアベルト速度及びゾル沈積流速は、(モノリス)シリカゲルシートのゲル化先端がテーブル全長の半分で現れるように調整する。ベルト速度は、シネレシス時間とゲル化時間の比が約1:1に確保できるように、製造工程中一定に保持する。熟成したシリカゲルシートが、テーブルの端を越えて(微妙なゲル構造の崩壊を防止するように支持表面上で)好ましい長さに到達したを時、連続的に移動するゲルから個別の片を切り離すように、切断装置を組み込む。その新ゲルシートは負荷軸受板に載せて、次処理のために次の場所に移動する。この動作を全てのゾルがテーブル上に沈積されるまで繰り返す。このプロセスは適切に処方されたゾルが沈積装置に補給される限り、連続的に作動される。
【実施例5】
【0050】
20%TEOSのエタノール溶液(pH2で、24時間室温保持)の加水分解により生成したシリカゾル20ガロンを、流量ポンプ及び流量計を連結した底部排出管を備えたステンレス容器に導入する。ゾルのpHが4〜7の間の値になる迄、ほぼ一定の温度を保持する速度で攪拌しながら、アンモニア処理のエタノール(1%)を加える。pH調整された(触媒化)ゲルは、ポリエチレンセパレーター層とステンレスマントレル上に巻かれている、約0.5厚さのポリエステル芯(38”幅)のロールを通じて、コンテナに沈積される。この沈積は繊維塊の中に過度の空気泡を形成しないような方式で実施する、そして当業者に公知の樹脂転写成形技術又は真空浸透技術を使用して成果を享受することができる。ゲル化を発現した後、ゲルロールは過大に堅くする(ゲル化時間とシネレシス時間の比は1:1より大きいのが好ましい)前に広げて、非浸透性プラスチック層を除き、そして柔軟なゲルが分離缶に適度な張力を保持して、浸透性のフロー層と共に再度ロールされる(図6)。超臨界乾燥の前の、次の熟成及び化学的工程用にゲル化ロールが供給される。
【0051】
本発明の態様を明瞭に記載するにあたり、特定の用語を使用するものである。記載するために、特定の用語がそれぞれ同様の目的を果たすために同様に作用する、少なくとも全ての技術的及び機能的な均等物含むことが意図されている。加えて、本発明の特別な態様が複数のシステム要素又は方法工程を含有する場合、これらの要素又は工程は、単一の要素又は工程で置き換えられてもよい。同様に、単一の要素又は工程が、同じ目的であれば、複数の要素又は工程で置き換えられてもよい。更に、本発明が特定の態様に関して示され及び記載される場合、当業者であれば、その形態及び詳細に於いて、本発明の範囲から逸脱することなく様々な改変がなされてもよいことは、理解するところである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、対の回転コンベア・ベルトを使用した繊維強化ゲルの製造方法を示す。
【図2】図2は、単一の回転コンベア・ベルトを使用した繊維強化ゲルの製造方法を示す。
【図3】図3は、追加のカッティング装置を有する対の回転コンベア・ベルトを使用した繊維強化ゲルの製造方法を示す。
【図4】図4は、追加のカッティング装置を有する単一の回転コンベア・ベルトを使用した繊維強化ゲルの製造方法を示す。
【図5】図5は、キャスティングの前の触媒ゾル混合の一般的フローダイヤグラムを示す。
【図6】図6は、スペーサー層を有するプレフォームロールに触媒化ゾルを分配することでの追加的な態様を示す。
【図7】図7は、ゲル化域を導入することによりゲルシート製造のための追加的な態様を示す。
【図8】図8は、1つ又はそれ以上のスペーサー層を有するゲルシートを製造するための追加的な態様を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゾル及びゲル化誘導剤を連続的に混合して触媒化ゾルを形成する;及び
触媒化ゾルを移動要素上でゲル化させるのに効果的な規定速度で、移動要素上に触媒化ゾルを分配することによりゲルシートを形成する;
ことからなる、連続的に溶媒含有ゲルシート材を成型(キャスティング)する方法。
【請求項2】
ゾルが、無機物、有機物及び無機物と有機物との混合物からなる群から選択される物質を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
移動要素がエッジを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
無機物が、ジルコニウム酸化物、イットリウム酸化物、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、セリウム酸化物及びシリカ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
有機物が、ポリアクリレート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリフルフラールアルコール、フェノールフルフリルアルコール、メラミンホルムアルデヒド、レゾルシノールホルムアルデヒド、クレゾールホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、ポリビニルアルコールジアルデヒド、ポリシアヌレート、ポリアクリルアミド、種々のエポキシ、寒天、及びアガロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
ゲル化の前に、触媒化ゾルと複合させるために、移動要素上に繊維状芯材、又はマット材を導入する、更なる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
移動要素がエッジを含有する、請求項6に記載の方法。。
【請求項8】
ゾルが、無機物、有機物及び無機物と有機物との混合物からなる群から選択される物質を含有する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
無機物が、ジルコニウム酸化物、イットリウム酸化物、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、セリウム酸化物及び、シリカ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
有機物が、ポリアクリレート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリフルフラールアルコール、フェノールフルフリルアルコール、メラミンホルムアルデヒド、レゾルシノールホルムアルデヒド、クレゾールホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、ポリビニルアルコールジアルデヒド、ポリシアヌレート、ポリアクリルアミド、種々のエポキシ、寒天及びアガロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
繊維状芯材、又はマット材が、無機物、有機物及び無機物と有機物との混合物からなる群から選択される繊維を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
繊維状芯材又はマット材が、約0.1〜1000μm範囲の直径を有する繊維を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
繊維状芯材又はマット材が、約0.001〜10μm範囲の直径を有する繊維を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
ゲルシート全体にカールした繊維を分布させる工程を更に含む、請求項1又は請求項6に記載の方法。
【請求項15】
移動要素上に触媒化ゾルを規定速度で分配することにより、連続的にゲルシートを形成する;及び
(a)化学的工程、及び(b)エネルギー源からゾルの横断面に規定のエネルギー量を放射させること、からなる群から選ばれる工程によって、移動要素でゲル化を誘導する;ことからなる、連続的に溶剤含有ゲルシート材を成型(キャスティング)する方法。
【請求項16】
ゲル化の前に、触媒化ゾルと複合させるために、移動要素上に繊維状芯材、又はマット材を導入する、更なる工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
エネルギー源が、電磁気エネルギー源、赤外線エネルギー源、X線エネルギー源、マイクロ波エネルギー源、ガンマ線エネルギー源、音波エネルギー源、超音波エネルギー源、粒子ビームエネルギー源、電子ビームエネルギー源、ベータ粒子エネルギー源、アルファ粒子エネルギー源、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項15又は請求項16に記載の方法。
【請求項18】
移動要素がコンベアベルトである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
触媒化ゾルを形成する試薬を含有するゲル及びゾルを連続して混合する;
第二の移動要素が第一の移動要素と同じ方向に移動する、第一移動要素と第二移動要素を提供する;及び、
第一移動要素及び第二移動要素が、第一移動要素及び第二移動要素上で触媒化ゾルが効果的にゲル化する規定速度で移動して、触媒化ゾルの第一表面が第一移動要素と連動し、触媒化ゾルの第二表面が第二移動要素と連動するように、触媒化ゾルを分配させることにより第一表面と第二表面を保持するゲルシートを形成する;
ことからなる、連続的に溶媒含有ゲルシート材を成型(キャスティング)する方法。
【請求項20】
ゲル化の前に、触媒化ゾル上に繊維状芯材又はマット材を導入する、更なる工程を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ゾルが、無機物、有機物及び無機物と有機物との混合物からなる群から選択される物質を含有する、請求項19又は請求項20に記載の方法。
【請求項22】
移動要素がゾルを保持するためのエッジを含有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
無機物が、ジルコニウム酸化物、イットリウム酸化物、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、セリウム酸化物及び、シリカ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
有機物が、ポリアクリレート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリフルフラールアルコール、フェノールフルフリルアルコール、メラミンホルムアルデヒド、レゾルシノールホルムアルデヒド、クレゾールホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、ポリビニルアルコールジアルデヒド、ポリシアヌレート、ポリアクリルアミド、種々のエポキシ、寒天及びアガロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
第二の移動要素が第一の移動要素と同じ方向に移動する、第一移動要素と第二移動要素を提供する;
第一移動要素にゾルを分配させること;
ゾルの第一表面が第一移動要素と連動し、ゾルの第二表面が第二移動要素と連動するように、ゾルを分配することにより第一表面と第二表面を有するゾルシートを形成する;及び
(a)化学的工程、及び(b)エネルギー源からゾルの横断面に規定のエネルギー量を放射させること、からなる群から選ばれる工程によって、ゲル化を誘導する;
ことからなる、連続的に溶媒含有ゲルシート材を成型(キャスティング)する方法
【請求項26】
ゲル化の前に、ゾル上に繊維状芯材又はマット材を導入する、更なる工程を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
相当量の繊維状芯材を提供する;
当該相当量の繊維状芯材を分離させるために、相当量の非浸透性物質を、複数の繊維層を保持した繊維ロールプレフォームに導入する;
相当量の触媒化ゾルを、当該繊維ロールプレフォームに注入する;
当該繊維ロールプレフォーム中で、触媒化ゾルをゲル化する;
ゲル物を残したまま、非浸透性の物質を除去する;及び
ゲル物を複数の層に分離するために、相当量の浸透性の物質を導入する;
工程を含む、ゲルシートを成型する方法。
【請求項28】
触媒化ゾルが、無機物、有機物及び無機物と有機物との混合物からなる群から選択される物質を含有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
無機物が、ジルコニウム酸化物、イットリウム酸化物、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、セリウム酸化物及び、シリカ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
有機物質が、ポリアクリレート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリフルフラールアルコール、フェノールフルフリルアルコール、メラミンホルムアルデヒド、レゾルシノールホルムアルデヒド、クレゾールホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、ポリビニルアルコールジアルデヒド、ポリシアヌレート、ポリアクリルアミド、種々のエポキシ、寒天及びアガロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
繊維状芯材が、無機物、有機物及び無機物と有機物との混合物からなる群から選択される物質を含有する、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
無機物が、ジルコニウム酸化物、イットリウム酸化物、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、セリウム酸化物及び、シリカ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
有機物が、ポリアクリレート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリフルフラールアルコール、フェノールフルフリルアルコール、メラミンホルムアルデヒド、レゾルシノールホルムアルデヒド、クレゾールホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、ポリビニルアルコールジアルデヒド、ポリシアヌレート、ポリアクリルアミド、種々のエポキシ、寒天及びアガロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
繊維状芯材が、約0.1〜10,000μm範囲の直径を有する繊維を含有する、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
繊維状芯材が、約0.001〜10μm範囲の直径を有する繊維を含有する、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
ゲル物全体にカールした繊維物を分布させる工程を更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
触媒化ゾルのゲル化が、(a)化学的工程、及び(b)エネルギー源からゾルの横断面に既定のエネルギー量を放射させること、からなる群から選ばれる工程によって促進される、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
非浸透性材料が柔軟なシートを含有する、請求項27に記載の方法。
【請求項39】
ゲル物が、メッシュ(網)、シート、多孔質シート、ホイル及び多孔質ホイルからなる群から選択された形状を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項40】
相当量の繊維状芯材を提供する;
当該相当量の繊維状芯材を分離させるために、相当量の非浸透性物質を、複数の繊維層を保持した繊維ロールプレフォームに導入する;
相当量の触媒化ゾルを、当該繊維ロールプレフォームに注入する;
ゲルシートのロールを形成するために、当該繊維ロールプレフォーム中で、触媒化ゾルをゲル化する;及び
ゲルシートのロールを乾燥する;
工程を含む、エーロゲル・ブランケットを製造する方法。
【請求項41】
移動要素上に、触媒化ゾルを連続シート状に分配させる;
当該分配シートを複数の層にロールする;
工程を含む、ゲルシートの製造の方法。
【請求項42】
連続シートのあらかじめ決められた2層間の何れかに、スペーサー層を提供する工程を更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
スペーサー層が、浸透性である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
スペーサー層が、非浸透性である、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
浸透性スペーサー層が、乾燥工程に於いて半径方向のフローパターンを効果的に提供する、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
非浸透性スペーサー層が、乾燥工程に於いて軸方向のフローパターンを効果的に提供する、請求項44に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−524528(P2007−524528A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517663(P2006−517663)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/020424
【国際公開番号】WO2005/003476
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(505473293)アスペン・エアロジェルズ・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】