説明

ゲージシステムの機械制御への完全統合による機械加工パラメータの自動制御のためのコントローラ

機械コントローラは、メモリと、ワークピースのパラメータに関するデータに応じて少なくとも部分的にワークピースに機械加工を実行する機器を自動的に制御する機械制御、および、ワークピースのパラメータに関するデータを収集し処理し、データをメモリに保存するゲージング機器を自動的に制御するゲージ制御を動作させるため構成されたプロセッサと、を含む。ワークピースのパラメータに関するデータが保存されるメモリの少なくとも一部分は、機械制御がワークピースのパラメータに関する保存されたデータを即時に取り出し使用することを可能にするように共有メモリとして構成されている。コントローラは、加工中または加工後でもよく、ボア寸法測定およびその他のパラメータのため使用され得る、ホーニング工程およびゲージング工程の制御で用いられる特別な有用性がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2006年9月5日に出願された米国仮出願第60/842,319号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般に、機械制御に関し、特に、ゲージシステムを機械制御に統合することにより機械加工パラメータを自動的に制御するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
2006年9月5日に出願された、名称がAutomatic Bore Size Control By Completely Integrating An Air Gage System Into The Machine ControlであるHothらによる米国仮出願第60/842,319号は、参照によって全体として本明細書に組み込まれている。
【0004】
機械制御工程は、マシンサイクルが終了した直後に機械加工後の特徴を測定するゲージングシステムからの情報をフィードバックすることを利用して改善されることがある。この考え方は、ワークピースのボアを研磨する工程のような機械加工工程に特に適用できる。
【0005】
情報は、ホーニングまたはその他の機械加工作業を制御する既存のパラメータを補償しまたはオフセットするため使用される。この補償またはオフセットは、加工中ゲージングまたは加工後ゲージングのどちらのためにも役立つ可能性がある。
【0006】
加工中ゲージングは、マシンサイクル中に機械加工パラメータを決定または測定することを必要とする。ホーニングにて、加工中ゲージングは典型的にホーニングマシンサイクル中にボアを測定することによって実施され、ホーニング工具に組み込まれたゲージ能力を利用することがある。この方法を使用して、機械はマシンサイクルを終了すべき時点を知るために実際のゲージ測定を監視する。このモードでホーニング中に、サイクルのすべての状況、特に、ホーニング工具のための送り系に関係している状況は、ゲージ読み取りによって制御される。現在、このような形でゲージを利用するとき、測定が行われる時点と、機械制御が測定値を読み取ることができる時点との間に時間間隔、すなわち、待ち時間が存在し、この待ち時間は、ホーニング工程を遅くするため、多くの場合に望ましくない。
【0007】
加工後ゲージングは、典型的に、マシンサイクルが完了した後にボアまたはその他の機械加工後特徴を測定することを必要とする。ゲージ制御システムは、ボア測定値を取得し、補償を行うべきであるかどうかを決定するためにデータを処理する。この情報は、次に、典型的には次のマシンサイクルの始めに必要な調整を行う機械制御システムへ渡される。
【0008】
既存機械へのゲージシステムのインターフェイス
典型的に、加工中ゲージングまたは加工後ゲージングのいずれかを利用する従来の機械は、既存機械に配線された別個のゲージングシステムを用いてゲージングを行うであろう。2台のコントローラ、すなわち、機械上の一方のコントローラおよびゲージングシステム上のもう一方のコントローラは、ある種の電気装置、たとえば、個別のI/Oラインまたはシリアルバスを介して通信するであろう。一部の例では、ゲージングシステムは、測定を行うための所定の位置にゲージを位置決めするために、たとえば、ボア内にエアプローブを位置決めするため種々のモーターまたはその他の位置決め装置を制御することさえある。
【0009】
機械と分離したユニットとしてゲージシステムがあることの利点は、機械が構築され、運転可能な状態になった後にゲージシステムを機械に組み込むことができることである。機械の初期設計においては、機械がゲージングシステムにインターフェイスで接続されるべきであることを必ずしも考慮しなくてもよい。
【0010】
このタイプの機械/ゲージシステムの不利点は、待ち時間、すなわち、ゲージング制御システムから機械制御システムへのデータフィードバックの所要時間および処理時間である。外部ゲージングシステムによって機械へ送信される情報は、典型的に、時間的に非常に遅れることがあり、加工中ゲージング動作を制御するため、または、データを動的に表示するために使用できないことがある。別の不利点は付加的なゲージングシステムを実施するためのコストおよび時間である。この別の不利点は、機械がゲージシステムとインターフェイスで接続する既存手段を持っていないときに特に当てはまる。2台の制御システムの間の通信方法が必要であることに加えて、物理的なハードウェア接続が安全上の理由から必要とされるであろう。一例は、現在あらゆるコンピュータ制御型機械で使用されている緊急停止回路である。緊急停止ボタンが押下されたとき、故障状態が存在し、すべての機械動作が即時に停止される。一部の状況では、種々の機械加工コンポーネントが一方または両方のシステムによって制御される可能性があるので、両方のシステムは、他方が故障状態にあるときに、すべての動作が停止されるように通信しなければならない。
【0011】
さらに、別々の機械制御およびゲージング制御を利用するとき、2台の異なる制御システムを一つに接続することに特有の冗長性が存在するであろう。両方のシステムは電力を必要とするので、それぞれのシステムが電源回路のための安全装置を含む固有の電源を有することは非常に実現可能性がある。両方のシステムは、固有のディスプレイおよびコントローラを有するであろう。その結果、作業者は2つの異なるシステムを操作するために学習しなければならないであろう。
【0012】
これらの事項はすべて、設計および運用を開始するために時間と資金を必要とする。機械へのある種のエアゲージの統合は、多数のケーブルおよび接続を必要とし、非常に複雑になる可能性がある。システムが複雑になるほど、システムは信頼性がより低くなる。
【0013】
したがって、求められていることは、加工中/加工後ゲージングの1つ以上の利点を機械加工作業、特に、ホーニング作業にもたらし、上述された不利点および欠点の1つ以上を解決する、ゲージングシステムを機械制御に統合する能力である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
加工中および/または加工後ゲージングの1つ以上の利点を機械加工作業、特に、ホーニング作業に提供し、特に、待ち時間および複雑性に関する上記の不利点および欠点のうちの1つ以上を解決する、統合型ゲージングシステムおよび機械制御を開示する。
【0015】
ゲージ制御の機械制御への統合
本発明の好ましい態様によれば、既成のゲージシステムを既存の機械に追加する困難さおよび欠点が低減されるか、または、除去される。エアゲージシステムを既存の機械に物理的に接続するのではなく、ゲージングシステムはその代わりに機械設計に統合される。すなわち、機械制御とゲージ制御の両方が同じコントローラ内に存在し、単一のインターフェイスまたはディスプレイを介して操作される。機械制御とゲージ制御との間のすべての通信は、同じコントローラ上で通信プロトコルおよび共有メモリを利用するソフトウェアを経由している。そして、本発明による機械設計に統合されたゲージ制御システムは、既存のゲージ処理および品質制御ソフトウェアを利用することが可能である。
【0016】
このゲージ制御システムは、ゲージシステムを機械に追加し、正確に言えば、エアゲージシステムをホーニング機械に統合することを含めて、ゲージシステムを機械に統合することによりすべての不利点を取り除く。すべてのデータは、同じコントローラ上で共有されるメモリを介して、ゲージ制御から機械制御へ直接的にフィードバックされるので、待ち時間が削減され、それによって、ゲージデータの変化に対する即時応答を可能にさせ、ゲージ読み取りの動的な表示が可能となる。電源、安全回路、および、別個のゲージングシステムとの通信のための配線接続は、ゲージングシステムを実際の機械設計に統合する際殆ど取り除かれているため、統合のためのコストおよび時間は非常に削減される。複雑性が低下するので、全体的なシステムは、2台の別個の制御システムをもつ状態より信頼性が高くなる可能性がある。さらに、システムのコストおよび複雑性の低下はまた、作業者が機械を動かすために使用することになるコントローラおよびディスプレイが1台だけであることに起因する。据え付け面積も付加的なコンポーネントの削減によって縮小される可能性がある。
【0017】
機械機能とゲージ機能の制御を組み合わせることは、機械制御システムとゲージ制御システムとの間で通信を行うために特有の冗長なコンポーネントまたはハードウェアをもつ必要性を取り除く。本発明では、統合に関する重要な側面は機械制御パッケージとゲート制御パッケージとの間の通信である。プロトコルが2つのパッケージの間で確立され、データ転送と制御機能の同期とを可能にさせる。プロトコルは多数の方法で実施することが可能であり、共有メモリまたはソケットインターフェイスに限定されない。
【0018】
1台のコントローラに2台のシステムを持つ別の利点は、付加的な制御システムを機械に統合する機会を提供することである。ゲージシステムに加えて、統計プロセス制御(SPC)のような他の関連した制御システムが容易に追加され得る。機械制御のタイプに依存して、ワードプロセッシングおよびデータ解析ソフトウェアのようなその他の共通ソフトウェアパッケージが導入され、機械の動作を支援するために機械制御に統合されることもある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による統合型機械制御およびゲージ制御を利用するコントローラを含む機械工具を表す略図である。
【図2】本発明の統合型機械制御およびゲージ制御を含む図1の機械工具のハードウェアの側面の概略図である。
【図3】本発明による統合型機械制御およびゲージ制御の機能的な側面の関係を説明するブロック図である。
【図4】本発明による加工中ゲージングのための統合型機械制御およびゲージ制御の動作のステップを表す高水準フローチャートである。
【図5】本発明による加工後ゲージングのための統合型機械制御およびゲージ制御の動作のステップを表す別の高水準フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
今度は図面を参照すると、本発明によって構築され動作可能である統合型機械制御およびゲージ制御の好ましい実施形態の態様が示されている。
【0021】
図1には、機械制御およびゲージ制御が本発明によって統合され得る多種多様な機械を代表することが意図されている機械工具10が示されている。機械工具10は、ワークピース18内のボア16のようなワークピース内のボアを研磨するホーニング工具14を支持し動作させるための、特に、工具カラム12、周知の構造、および、動作を有するホーニング機械を表している。一般に、典型的なホーニング工程中に、研磨材の層を担持する放射外方に拡張可能な外側要素を格納している外側面を有する円筒型工具14がワークピースのボア内に位置決めされる。工具は、工具の軸周りに回転され、ボアに圧力を加えるためボアの内部で放射外方に拡大され、同時に、隣接した(図2に示す)垂直矢印によって示されているように、周知の方法で、ボア表面から材料またはストックを研磨するため、所望の寸法および表面特性までボアを研磨または仕上げるため、往復運動がそれらの間で行われている。ホーニング機械の代表的なホーニング工具カラムの適切な側面の構築および動作のより完全な説明は、名称がHoning Feed System Having Full Control of Feed Force, Rate and Positionであり、参照によって全体として本明細書に組み込まれている、同時係属中のCloutierらによる米国特許出願第11/596,836号に含まれている。
【0022】
同様に図2を参照すると、4個のワークピース18が、それぞれ、回転式割出台24の上面22の周りで等間隔の位置に同数の治具20によって保持されているとして示されている。台24は、周知の方法で、ワークピースのボア16が工具14の下にある状態で、選択可能に個別にワークピース18を所定の割出位置で位置決めすることを可能にさせるため、図1の矢印によって示されているように、割出駆動部26によって台の中心の周りに制御可能に回転できる市販の装置である。
【0023】
機械工具10は、図1に示されているように、第2の割出位置に、回転式割出台24に隣接して配置されたゲージカラム28をさらに含む(ゲージカラム28は、図2の正面図の場合、台の周りに回転させて示されている)。ゲージカラム28もまた周知の構造および動作をもち、第2の割出位置でワークピース18のボア16に挿入可能であるエアプローブ30を含み、寸法と、場合によっては、ボアの1つ以上の他の特性、たとえばこれらに限定されないが、真直度、形状、側面形状、および、ボアの中心軸周りの中心性のような特性とを測定するエアゲージとして示されている。プローブ運動は、好ましくは、従来どおりにサーボ制御され、すなわち、付随する矢印によって示されているように、垂直方向に運動可能であり、その結果、測定がボアの長さに沿って1つ以上の場所で行われる可能性があり、ゲージカラム28は、後述されるように、機械工具10によって用いられる測定量を表す1個または複数個の信号を出力するため動作可能である。
【0024】
機械工具10は、好ましくは、産業用PCアーキテクチャを使用し、適当なインターフェイス、すなわち、適切なドライバと、周知の方法でコントローラ32のスロットに差し込まれるインターフェイスカードとを介して、工具カラム12、回転式割出台24の割出駆動部26、および、ゲージカラム28と、機械加工工程およびゲージング工程で使用される他のサーボとの動作的な制御中に接続されているCPUを有し、かつ、配線用ハーネスのワイヤ、個別もしくは束状のケーブル、または、ワイヤレスネットワークのような導電性パス34を介して対応する機器に接続されているプロセッサベースのコントローラ32を含む。ゲージカラム28のセンサもまた、周知の方法で、適切なインターフェイス(すなわち、プラグインカードなど、および、導電性パス(すなわち、ワイヤ34)を介して、コントローラCPUに適切に接続されている。ゲージのその他のセンサは(もし使用されるならば)、この適当な方法または別の適当な方法で同様にコントローラ32に接続されることがある。コントローラ32、工具カラム12、駆動部26、および、ゲージカラム28は、適当な電源36にも接続され、ワイヤなどのような適当な導電性パス34を介して、この電源から調節されたライン電圧のような電力を受け取る。
【0025】
さらに図3を参照すると、コントローラ32のシステムアーキテクチャは、CPUと、ここでは、工具およびゲージ機器とその他の機械サーボとを含む他の装置との間の通信のための、矢印38(図1参照)によって示された、従来の制御バスと、たとえば、タッチスクリーン機能および/または専用スイッチ、キーボードなどが付いている従来型のCRTまたはフラットパネルディスプレイでもよい入力およびディスプレイ装置40に接続されている作業者インターフェイスとを使用する。コントローラ32は、どちらもが独自開発でもよく、または、第三者による供給でもよい機械制御プログラムおよびゲージング制御プログラムを含む複数のソフトウェアプログラムを同時に実行することを含むマルチタスク用に設定され、動作可能である。これらのプログラムは、プログラムが、同時に動いている間に、共有メモリ、すなわち、CPUのRAMの一部分を介して、互いにデータをアクセスできるようにするため、矢印42によって示されているように、共有メモリを利用する。このことは、選択されたデータ、特に、ゲージプログラムの新たに取得されたゲージ測定データ(および旧データ)が、データが共有メモリ42に保存されると実質的に即時に、機械制御プログラムによってアクセス可能にすることを実現しやすくし、選択された機械制御データ、たとえば、共有メモリ42に保存された動作状態データ、位置データが、ゲージ制御プログラムによって、配線接続されたインターフェイスまたは接続、すなわち、制御バス38もしくはデータバス、または、その他のおそらくより低速である通信パスを介する転送を必要とすることなく、直接的かつ即時に利用できるようにすることを実現しやすくし、その結果、プログラムは遅延なく他のデータを使用することが可能であり、それによって、待ち時間を著しく短縮し、上述されているように、他の制御方法と共に非常に普及することから、有利である。
【0026】
図3は、共有メモリ42を利用する本発明のシステムによって実現される動作速度の優位性を説明するために、コントローラ32によって同時に実行可能である動作または工程を図解している。特に、コントローラ32は、たとえば、データが受信されたときのゲージカラムのセンサからの入力と、その他の情報とに応じて、ゲージカラム28のプローブによって測定されているボアの寸法およびその他の特性を決定するボア寸法測定工程を備えることがあるゲージングプログラムを動かすため動作可能である。同時に、選択されたデータは、たとえば、テキストおよび/またはグラフ形式で出力され、ディスプレイ装置40によって表示される。さらに同時に、このプロセスから選択されたデータは共有メモリ42に保存され、たとえば、ボア寸法測定工程と同時に動いているホーニング工程で用いるため機械制御によって実質的に即時にアクセス可能である。別の実施例として、機械制御がサーボまたは他の機器を動作させているならば、たとえば、エアプローブ30を下に位置しているワークピースのボアの中へ降ろすためにゲージカラム28を動作させているならば、この位置情報は、共有メモリ42に保存可能であり、たとえば、ゲージコントローラが適切な時点にセンサデータを収集し、または、センサデータを、ワークピースボア内のプローブの位置のような位置データと精密に相関させることを可能にするように、ゲージコントローラによって即時にかつ直接的にアクセス可能である。さらに別の実施例として、前に研磨されたワークピースのボア寸法データは、ゲージングプログラムによって決定され、ホーニングパラメータ、たとえば、送り系位置および/または送り力、ストローク速度、ドエル時間などを調整するため、工具磨損を補償するため、欠陥を補正するため、および/または、特有の所望の特性を対象ボアに与えるため、機械制御プログラムによる即時の使用のために共有メモリ42に保存される可能性がある。このことは、作業者入力、たとえば、所望のボア補正パラメータをより素早く導入することをさらに可能にさせる。さらに、共有メモリ42は、コントローラ32によって同様に動かされ得る統計プロセス制御プログラムのような、これに限定されることのない、他のプログラムによるアクセスおよびデータ収集を可能にするため構成されることがある。
【0027】
図4および図5をさらに参照すると、加工中ゲージングルーチンおよび加工後ゲージングルーチンのそれぞれの代表的なステップを説明するフローチャート44および46が示されている。特に図4のフローチャート44を参照すると、工具補償値の計算後に、マシンサイクルおよびゲージサイクルがゲージサイクルからの共有メモリ内のデータを使用して実行される。本ルーチンでは、ワークピースまたは部品をある程度まで研磨するマシンサイクルの後、部品はゲージサイクルの一部として測定される。ゲージサイクルは、ゲージによる測定を処理し、マシンサイクルは、その後に、ゲージサイクルからの共有データがワークピースまたは部品が十分に研磨されたことを示す場合に限り完了する。そうでなければ、機械制御はマシンサイクルを再び作動し、このループは、十分なゲージデータが現れるまで、必要に応じて、繰り返される。マシンサイクルが完了するとき、機械制御は、新しい工具補償値を計算するためゲージデータを利用するであろう。このデータは、統計プロセス制御のような他の目的のためにも利用できる。
【0028】
図5のフローチャート46をより詳細に参照すると、マシンサイクルは、前のゲージサイクルからの共有メモリ内のデータに基づいて、同様に機械制御によって行われる工具補償値の計算後に、機械制御によって始動される。マシンサイクルの完了後、機械制御はワークピースまたは部品をゲージへ動かす。機械10では、この移動は、割出台24が部品をゲージカラムの下に位置決めすることを必要とする。ゲージサイクルは、その後に、ゲージ制御によって始動され、ゲージプローブが、機械制御によって、部品のボア内へ動かされる。ゲージサイクルが実行され、完了したとき、ゲージ制御が、新しい工具補償値を計算する機械制御によって使用されるデータを処理する。よって、本明細書中に説明されている上記ステップは、他の制御方法の場合に問題であることが分かっている待ち時間の大部分を取り除く都合のよい方法で、共有データを利用して実行され得ることが明らかであろう。さらに、この利点は、単一のコントローラを含み、単一の電源によって動作可能であり、タッチスクリーンなどのような単一のI/O装置とインターフェイスで接続することができる簡略化された機器を使用して実現される。
【0029】
本発明の本質を説明するために記載され、かつ、例証された詳細、材料、ステップ、および、部品の配置の変更は、本発明の原理および意図の範囲内で本開示内容を読むことにより当業者が想到し、当業者によってなされるかもしれないことが理解されるであろう。上記の説明は本発明の好ましい実施形態を例証するが、説明に基づいているような概念は、本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態で用いられることがある。したがって、請求項は、明らかにされた特定の形式だけでなく、広範に本発明を保護することが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、
ワークピースのパラメータに関するデータに応じて少なくとも部分的に前記ワークピースに機械加工を実行する機器を自動的に制御する機械制御機能、および、前記ワークピースのパラメータに関する前記データを収集し処理し、かつ前記データを前記メモリに保存するゲージング機器を自動的に制御するゲージ制御機能を動作させるため構成されたプロセッサと、
を備え、
前記ワークピースのパラメータに関する前記データが保存される前記メモリの少なくとも一部分は、前記機械制御機能が前記ワークピースのパラメータに関する保存された前記データを即時に取り出し使用することを可能にするように共有メモリとして構成されている、
機械コントローラ。
【請求項2】
前記機械制御機能が、前記ゲージ制御機能による前記データの即時の取り出しおよび使用を可能にさせるように、前記共有メモリ内の少なくとも1個の機械パラメータに関するデータを保存するため自動的に動作可能である、請求項1に記載の機械コントローラ。
【請求項3】
機械加工を実行する前記機器が、前記ワークピースのボアを研磨するため動作可能であるホーニング機械を備える、請求項1に記載の機械コントローラ。
【請求項4】
前記ワークピースのパラメータに関する前記データが、前記ワークピースの前記ボアの寸法に関するデータを備える、請求項3に記載の機械コントローラ。
【請求項5】
前記ワークピースのパラメータに関する前記データが、前記ワークピースの前記ボアの形状に関するデータを備える、請求項3に記載の機械コントローラ。
【請求項6】
前記プロセッサが、保存された前記データを使用して前記機械制御機能および前記ゲージ制御機能を同時に動作させるため構成されている、請求項1に記載の機械コントローラ。
【請求項7】
前記ゲージング機器を含み、
機械加工を実行する前記機器が、前記ワークピースのボアを研磨するため動作可能であるホーニング機械を備え、
前記ゲージング機器が、前記ワークピースの前記ボアのパラメータを代表するデータを前記ゲージ制御機能による使用に向けて前記コントローラへ出力するため、前記コントローラとインターフェイスで接続されるセンサを含むエアゲージカラムを備えている、
請求項1に記載の機械コントローラ。
【請求項8】
メモリと、
ワークピースのボアのパラメータに関するデータに応じて少なくとも部分的に前記ワークピースにホーニング加工を実行する機器を自動的に制御する機械制御機能、および、前記ボアのパラメータに関する前記データを収集し処理し、かつ前記データを前記メモリに保存するゲージング機器を自動的に制御するゲージ制御機能を動作させるため構成されたプロセッサと、
を備え、
前記ボアのパラメータに関する前記データが保存される前記メモリの少なくとも一部分は、前記機械制御機能が前記ボアのパラメータに関する前記保存されたデータを即時に取り出し使用することを可能にするように共有メモリとして構成されている、
ホーニング機械コントローラ。
【請求項9】
前記機械制御機能が、前記ゲージ制御機能による前記データの即時の取り出しおよび使用を可能にさせるように前記共有メモリ内の少なくとも1個の機械パラメータに関するデータを保存するため自動的に動作可能である、請求項8に記載のホーニング機械コントローラ。
【請求項10】
前記ゲージング機器を含み、
前記ゲージング機器が、前記ワークピースの前記ボアのパラメータを代表するデータを前記ゲージ制御機能による使用に向けて前記コントローラへ出力するため、前記コントローラとインターフェイスで接続されているセンサを含むエアゲージカラムを備えている、
請求項8に記載のホーニング機械コントローラ。
【請求項11】
前記ボアのパラメータに関する前記データが、前記ボアの寸法に関するデータを備える、請求項8に記載のホーニング機械コントローラ。
【請求項12】
前記ボアのパラメータに関する前記データが、前記ボアの形状に関するデータを備える、請求項8に記載のホーニング機械コントローラ。
【請求項13】
前記プロセッサが、保存された前記データを使用して前記機械制御機能および前記ゲージ制御機能を同時に動作させるため構成されている、請求項8に記載のホーニング機械コントローラ。
【請求項14】
前記ホーニング加工が、前に研磨されたボアのパラメータに関する前記共有メモリから取り出されたデータに応じて決定され、前記ゲージ制御機能によって処理され保存された値までワークピースの前記ボアを研磨する機能を備える、請求項13に記載のホーニング機械コントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−503067(P2010−503067A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526762(P2009−526762)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/019345
【国際公開番号】WO2008/030464
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(592118974)サンネン プロダクツ カンパニー (2)
【氏名又は名称原語表記】SUNNEN PRODUCTS COMPANY
【Fターム(参考)】