説明

コネクタ構造及び端末装置

【課題】モジュールの収納スペースの増大化を抑えつつもモジュールのガタツキを防止し、さらにモジュールと内部の電子部品との電気的な接続作業を簡略化する。
【解決手段】モジュール格納部を有する端末本体と、モジュール格納部に格納されたモジュールとを電気的に接続するコネクタ構造である。このコネクタ構造には、モジュール格納部に格納された前記モジュールと係合することで、モジュールの電極と端末本体の電極とを電気的に接続する略棒状のコネクタが備えられている。コネクタは、モジュール格納部の一側端部に回動自在に軸支されていて、モジュールが係合されてモジュール格納部に着脱される際に回動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ構造及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話のような携帯して持ち運ばれる端末機器では、電池パック等のモジュールを携帯時にもガタツキなく収納していることが求められている。このため、ガタツキを防止するとともに十分な落下強度を備えて収納する構造が開発されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に記載される技術は、電池パックの取り出し方向に直交する横方向から凹部と凸部とを嵌合させて電池パックを収納部内に引っ掛け固定する嵌合部を電池パックと収納部とに設け、この嵌合部によって電池パックを収納部内に固定する構造となっている。
【特許文献1】特開平11−250880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1記載の技術であると、横方向から凹部と凸部とを嵌合させる必要があるために、嵌合部を電池パックの収納スペースよりも外側に配置せざるを得ず、そのスペース分だけ小型化の弊害となっていた。
また、電池パックはリード線によって端末機器内部の電子部品に電気的に接続される構成になっているために、電池パックの着脱に手間がかかることになっていた。
そこで、本発明の課題は、モジュールの収納スペースの増大化を抑えつつもモジュールのガタツキを防止し、さらにモジュールと内部の電子部品との電気的な接続作業を簡略化することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明は、
モジュール格納部を有する端末本体と、前記モジュール格納部に格納されたモジュールとを電気的に接続するコネクタ構造において、
前記モジュール格納部に格納された前記モジュールと係合することで、前記モジュールの電極と前記端末本体の電極とを電気的に接続する略棒状のコネクタを備え、
前記コネクタは、前記モジュール格納部の一側端部に回動自在に軸支されていて、前記モジュールが係合されて前記モジュール格納部に着脱される際に回動することを特徴としている。
【0005】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコネクタ構造において、
前記コネクタには、当該コネクタの長手方向に沿ってスライドされた前記モジュールに対して係合するフックが設けられていることを特徴としている。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のコネクタ構造において、
前記コネクタには、前記端末本体の電極が、前記モジュールの電極と接触可能となるように露出しており、
前記端末本体の電極の周囲には、前記コネクタに前記モジュールが係合された際に前記モジュールに密着する第一シール部が設けられていて、
前記端末本体の電極、前記第一シール部及び前記フックとの位置関係は、
前記コネクタに前記モジュールがスライドして係合する際に、まず前記第一シール部が前記モジュールに密着してから前記モジュールに前記フックが係合して、前記端末本体の電極が前記モジュールの電極に接触し、当該接触の後に前記モジュールと前記フックとの係合が完了する位置関係に設定されていることを特徴としている。
【0007】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載のコネクタ構造において、
前記コネクタには、前記モジュールのスライドを案内する板状のガイド部材が設けられていることを特徴としている。
【0008】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のコネクタ構造において、
前記ガイド部材には、前記モジュールを前記モジュール格納部から引き出すための取っ手が設けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコネクタ構造において、
前記コネクタには、前記端末本体の電極が、前記モジュールの電極と接触可能となるように露出しており、
前記端末本体の電極と前記モジュールの電極との接触範囲は、前記モジュール格納部に格納された前記モジュールと当該モジュール格納部の内壁面との間隔よりも大きく設定されていることを特徴としている。
【0010】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコネクタ構造において、
前記コネクタには、前記端末本体の電極が、前記モジュールの電極と接触可能となるように露出しており、
前記端末本体の電極の周囲には、前記コネクタに前記モジュールが係合された際に前記モジュールに密着する第一シール部が設けられていることを特徴としている。
【0011】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコネクタ構造において、
前記コネクタの一端部からは、前記端末本体の電子部品及び前記端末本体の電極を導通するケーブルが引き出されていて、
前記コネクタの一端部の周囲には、前記引き出されたケーブル側に水が進入しないように前記モジュール格納部に密着する第二シール部が設けられていることを特徴としている。
【0012】
請求項9記載の発明は、
モジュール格納部を有する端末本体と、
前記モジュール格納部に格納されたモジュールを前記端末本体に電気的に接続するコネクタ部とを有する端末装置において、
前記コネクタ部は、
前記モジュール格納部に格納された前記モジュールと係合することで、前記モジュールの電極と前記端末本体の電極とを電気的に接続する略棒状のコネクタを備え、
前記コネクタは、前記モジュール格納部の一側端部に回動自在に軸支されていて、前記モジュールが係合されて前記モジュール格納部に着脱される際に回動することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コネクタが回動自在であるために、モジュールを接続する際には接続が容易な位置まで事前にコネクタを回動させることが可能である。したがって、モジュールの収納スペースの増大化を抑えつつもモジュールのガタツキを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。また、本実施形態では、本発明に係る端末機器として携帯電話を例示して説明するが、端末機器はこれに限定されるものではなく、これ以外にも例えばPDA、ゲーム機器及びノート型PC、電子手帳、カメラ等が挙げられる。
【0015】
図1は、本実施形態に係る携帯電話の裏面側を示す斜視図である。図1に示すように、携帯電話1の端末本体10には、その裏面側にカメラ窓11、ライト窓12及び音響部13を備えた下筐体14が設けられている。また、下筐体14には、電池カバー15と、当該電池カバー15により覆われる電池格納部(モジュール格納部)16とが設けられている。
【0016】
図2は、電池カバー15を取り外して露出した状態の電池格納部16を示す斜視図である。電池格納部16には、電池パック17が着脱自在に格納されていて、この電池パック17と端末本体10とを電気的に接続するためのコネクタ部20と、コネクタ部20を回動自在に軸支する軸支部30とが設けられている。
【0017】
電池パック17の一側面には、例えば3つの電極171が所定の間隔を開けて配列されている(図10参照)。また、電池パック17の一側面には、コネクタ部20に係合するための一対のパック用フック172が、3つの電極171を当該電極171の配列方向で挟むように設けられている。パック用フック172における奥側(電池パック17が電池格納部16に搭載された際に奥となる側)には壁部173が設けられている。
【0018】
次に、本発明に係るコネクタ構造を備えたコネクタ部20について説明する。図3はコネクタ部20の概略構成を示す斜視図であり、図4はコネクタ部20の分解斜視図である。この図3,4に示すように、コネクタ部20には、略棒状のコネクタ21と、例えばFPC等のケーブル22とが設けられている。
【0019】
コネクタ21は、端末本体10側の電極211及びケーブル22が取り付けられるコネクタベース220と、コネクタベース220に取り付けられたケーブル22を覆うコネクタカバー230とが設けられている。
【0020】
コネクタベース220の中央部には、略L字状の3つの電極211が取り付けられる電極取付部221が設けられている。電極取付部221には、3つ電極211の長辺部212がそれぞれ挿入される3つの挿入孔222が長手方向に所定の間隔を開けて形成されている。各挿入孔222に3つの電極211の長辺部212が挿入されると、当該電極211の短辺部213がコネクタベース220の一側面に露出し、電池パック17の各電極171に接触可能な状態となる。なお、電極211の短辺部213は外方に向けて凸となる形状であり、電池パック17の電極171に接触した際に押下されるようになっている。電極211と電池パック17の電極171との接触範囲は、電池格納部16に格納された電池パック17と当該電池格納部16の内壁面との間隔H(図2参照)よりも大きく設定されている。
【0021】
一方、各挿入孔222に挿入された電極211の長辺部212の先端部は、コネクタベース220の他側面に露出する。これにより、各電極211の長辺部212がケーブル22に結線可能な状態となる。
【0022】
また、コネクタベース220には、各電極211の露出した短辺部213を囲む環状の第一シール部223が設けられている。第一シール部223は、コネクタ21に電池パック17が係合されて、端末本体10の電極211と、電池パック17の電極171とが接触した際に電池パック17に密着して、コネクタ部20と電池パック17との間を水密にする。これにより、両電極171,211が防水される。また、第一シール部223の厚みは、当該第一シール部223がない場合の電池パック17とコネクタ部20との隙間よりも大きめに設定されている。これにより、両電極171,211の接触時には電池パック17及びコネクタ部20によって第一シール部223が圧縮されて密着度が高められることになる。
【0023】
また、コネクタベース220の一側面には、パック用フック172に係合する一対のコネクタ用フック(フック)224が、3つの電極211を当該電極211の配列方向で挟むように設けられている。
【0024】
コネクタベース220の一端部は円柱状に形成されている。コネクタベース220の一端部側には、ケーブル22を外部に引き出すための引き出し孔225と、引き出し孔225に連通する溝226とが、長手方向に沿って軸心上に形成されている。また、コネクタベース220の一端部の周囲には第一凹部227が形成されていて、この第一凹部227には、引き出されたケーブル22側に水が進入しないように電池格納部16に密着する第二シール部228が取り付けられている。
また、コネクタベース220の他端部は円柱状に形成されていて、その周囲には第二凹部229が形成されている。
【0025】
そして、コネクタベース220に電極211とケーブル22とが取り付けられると、挿入孔222と溝226の内部に例えばシリコン等の接着剤が注入される。これにより、挿入孔222内の隙間や溝226内の隙間が埋まり、電極211及びケーブル22の周辺が封止されることになる。
【0026】
また、第一シール部223及び第二シール部228としては、例えばOリング、異形Oリング、オイルシール及び成形シール等が用いられる。
【0027】
コネクタカバー230は、例えば樹脂等により半円柱状に形成されていて、コネクタベース220の他側面に取り付けられることで、ケーブル22を覆うようになっている。
【0028】
図5は、軸支部30の概略構成を示す斜視図である。図5に示すように軸支部30は、電池格納部16の一側端部に配置されている。軸支部30には、コネクタ21の一端部を軸支する第一軸支部31と、コネクタ21の他端部を軸支する第二軸支部32とが設けられている。
【0029】
第一軸支部31は、下筐体14の内部に通ずるように下筐体14に形成された貫通孔である。この第一軸支部31にコネクタベース220の一端部が嵌合することで、当該一端部が回動自在に軸支されることになる。また、第一軸支部31内にはケーブル22が配されるので、ケーブル22と端末本体10内部の電子部品とが電気的に接続可能となる。
【0030】
第二軸支部32には、コネクタベース220の他端部を回動自在に軸支するための軸受部33と、軸受部33にコネクタベース220の他端部を取り付ける取付部34とが設けられている。
軸受部33は、電池格納部16における第一軸支部31に対向する位置に配置されていて、下筐体14に一体的に形成されている。そして、軸受部33には、コネクタベース220の他端部が係合する係合溝35と、取付部34を固定するためのネジ36が螺合するネジ穴37とが形成されている(図8参照)。
【0031】
図6は取付部34の正面側を示す斜視図であり、図7は取付部34の裏面側を示す斜視図である。この図6,7に示すように、取付部34には、コネクタベース220の他端部の第二凹部229に係合する係合突部38と、当該他端部に係合する係合溝39と、ネジ36が挿入される貫通孔40とが形成されている。
【0032】
図8は、軸支部30にコネクタ21を取り付ける際の一工程を示す斜視図である。この図8に示すように、軸支部30にコネクタ21を取り付ける際には、まずコネクタ21の一端部を第一軸支部31に挿入して(矢印A1)、コネクタ21の他端部を第二軸支部32の軸受部33に係合する(矢印A2)。このとき、第二シール部228(図3参照)が第一軸支部31の内周面に密着することになるので、当該第一軸支部31から水が進入してしまうことを防止できる。
【0033】
その後、軸受部33に取付部34を取り付けて、貫通孔40を介してネジ36をネジ穴37に螺合する(図5,6参照)。これにより、軸支部30にコネクタ21が取り付けられ、コネクタ21が電池格納部16の一側端部で回動自在に軸支されることになる。
【0034】
次に、本実施形態の作用について説明する。なお、図9〜図14は、電池パック17を電池格納部16に取り付ける際の工程を示す説明図である。
まず、電池パック17の取り付け前においては、図9に示すようにユーザはコネクタ部20のコネクタ21を、電極211が外側を向くように回動させておく。なお、コネクタカバー230(図3参照)の外観形状が半円柱状に形成されているので、コネクタ21を回動させる際に引っかかることなくスムーズに回動させることができる。
そして、図10に示すように、ユーザはコネクタ用フック224に対してパック用フック172が係合可能となる位置に、電池パック17の位置合わせを行う。
【0035】
位置合わせの後、ユーザは図11,12に示すように電池パック17をコネクタ21に押しつけ、第一シール部223と電池パック17とを密着させてから(矢印B1)、その状態で図12,13に示すように電池パック17を、コネクタ21の長手方向に沿ってスライドさせ(矢印B2)、コネクタ用フック224とパック用フック172とを係合させる。両フック172,224の係合が完了するまでの間に、電池パック17の電極171と、コネクタ部20の電極211とは接触する。この際、第一シール部223は、電池パック17に密着しているので、接触状態にあるコネクタ部20の電極211と電池パック17の電極171とが防水される。また、両電極171,211の接触時においては、第一シール部223が圧縮されているので、その反発力が電池パック17及びコネクタ部20に作用する。これにより、コネクタ用フック224と、パック用フック172との係合がより強固なものとなる。
【0036】
また、上記したように、コネクタ21に電池パック17がスライドして係合する際においては、まず第一シール部223が電池パック17に密着してからパック用フック172にコネクタ用フック224が係合して、電極211が電池パック17の電極171に接触し、当該接触の後にコネクタ用フック224とパック用フック172との係合が完了する位置関係に、コネクタ21の電極211、第一シール部223及びコネクタ用フック224の位置関係が設定されている。これにより、両電極171,211が導通する前に、第一シール部223によって防水されることになり、ショートや漏電等の不具合が生じることを防止できる。
【0037】
電池パック17がコネクタ21に取り付けられて、電池パック17と端末本体10とが導通すると、ユーザは図14に示すようにコネクタ21を回動させることで(矢印B3)、電池パック17を電池格納部16内に格納する。この格納時にコネクタ21が回動すると、コネクタ用フック224の進行方向側に電池パック17の壁部173があるので、コネクタ用フック224が壁部173を押し進めることになる。格納後、電池格納部16内では、第一シール部223の反発力によって電池パック17のガタツキが防止される。
【0038】
ここで、上述したようにコネクタ部20の電極211と電池パック17の電極171とのスライド方向における接触範囲は、電池格納部16に格納された電池パック17と当該電池格納部16の内壁面との間隔Hよりも大きく設定されているため、万が一、電池パック17が電池格納部16内でがたついて移動したとしても、電池パック17が電池格納部16の内壁面に接触すれば、それ以上の移動が規制されることになり、両電極171,211の接触状態は維持される。
本実施形態では、電池格納部16は、4つの内壁面161〜164で電池パック17の周囲を囲んでいるが、電池パック17のガタツキを規制するには当該電池パック17に対して両フック172,224の係合が解除される方向に位置する内壁面161が最も重要である。このため、この内壁面161を間隔Hの基準となる内壁面としている。この点を考慮すると、電池格納部16は、少なくとも電池パック17の全周を囲っている必要はなく、少なくとも電池パック17に対して両フック172,224の係合が解除される方向だけを覆うようにしていればよい。
【0039】
以上のように、本実施形態によれば、コネクタ21が回動自在であるために、電池パック17を接続する際には接続が容易な位置まで事前にコネクタ21を回動させることが可能である。これにより従来よりも接続作業を簡略化することができる。
また、略棒状のコネクタ21が電池格納部16の一側端部で回転自在に軸支されているので、コネクタ21の設置スペースを極力小さくすることが可能となる。ここで、従来技術として挙げた例では、モジュール(電池パック)のガタツキを防止すべく、嵌合部の凹部若しくは突部を収納部(モジュール格納部)内に設けなければならず、その分、収納部のスペースが大きくなっていた。一方、本実施形態であれば、コネクタ21に接続され電池格納部16に格納された電池パック17のガタツキは、電池格納部16の壁部(内壁面161〜164)により防止されるものである。このため、電池格納部16の壁部と電池パック17との隙間を極力小さくすることが求められる。つまり、電池格納部16に余分なスペースを設けないことでガタツキを防止することができるため、電池パック17の収納スペースの増大化を抑えつつも電池パック17のガタツキを防止することが可能となる。
【0040】
また、コネクタ21には、コネクタ21の長手方向に沿ってスライドされた電池パック17に対して係合するパック用フック172が設けられているので、電池パック17の着脱を容易で確実なものにすることが可能である。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、本発明に係るモジュールとして電池パックを例示して説明したが、モジュールとしてはこれ以外にもメモリカード及び通信モジュール等が挙げられる。
【0042】
また、上記実施形態では、コネクタ21が端末本体10の短手方向に延在する場合を例示して説明したが、延在方向は長手縦方向であってもよい。
さらに、軸支部としては、コネクタ21を回動自在に軸支可能なものであれば如何なるものでもよい。図15は軸支部の変形例を示す斜視図である。図15に示すように軸支部60は、延在方向が端末本体10の長手方向に沿うようにコネクタ21を軸支している。軸支部60は、コネクタ21の一端部を軸支する第一軸支部61と、コネクタ21の他端部を軸支する第二軸支部62とが設けられている。
【0043】
第一軸支部61は、下筐体14の内部に通ずるように下筐体14に形成された貫通孔である。この第一軸支部61にコネクタベース220の一端部が嵌合することで、当該一端部が回動自在に軸支されることになる。また、第一軸支部61内にはケーブル22が配されるので、ケーブル22と端末本体10内部の電子部品とが電気的に接続可能となる。
【0044】
第二軸支部62は、下筐体14における第一軸支部61に対向する位置に形成された凹部63と、凹部63にコネクタベース220の他端部を取り付ける取付部64とが設けられている。
凹部63は、下筐体14の内側に向かって凹んでいるものの、当該下筐体14内部の電子部品にまでは通じておらず、当該凹部63内に水が進入したとしても電子部品には影響が及ばないようになっている。
【0045】
図16は取付部64を示す斜視図である。取付部64は、コネクタベース220の他端部に係合する切欠65が形成されている。コネクタベース220の他端部が凹部63内に挿入された状態で、当該他端部に取付部64を係合させれば、凹部63内にコネクタベース220の他端部を回動自在に取り付けることができる。
【0046】
図17は軸支部60にコネクタ21を取り付ける際の一工程を示す斜視図である。この図17に示すように、軸支部60にコネクタ21を取り付ける際には、まずコネクタベース220の他端部を第二軸支部62の凹部63内に挿入して(矢印C1)、コネクタベース220の一端部と第一軸支部61とを対向させる。その後、図15に示すように、コネクタベース220の一端部を第一軸支部61に挿入する(矢印C2)。このとき、第二シール部228が第一軸支部31の内周面に密着することになるので、当該第一軸支部31から水が進入してしまうことを防止できる。
【0047】
その後、凹部63内に挿入された状態であるコネクタベース220の他端部に対して、取付部64を係合すれば、軸支部60にコネクタ21が取り付けられ、コネクタ21が電池格納部16の一側端部で回動自在に軸支されることになる。
【0048】
図18は、電池パック17のスライドを案内する板状のガイド部材70がコネクタ21に取り付けられた状態を示す斜視図である。この図18に示すように、コネクタ21に対して、電池パック17のスライドを案内する板状のガイド部材70を設けていれば、電池パック17の取り付け時におけるスライド動作がガイド部材70によって補助されることになり、取り付け作業を容易にすることが可能となる。
具体的には、ガイド部材70は、コネクタベース220に一体的に成形されていて、電池パック17の背面を支持する支持板71と、支持板71の先端から電池パック17の正面側まで延在する取っ手72とが設けられている。図19は、電池パック17が電池格納部16内に格納された際の取っ手72の状態を示す斜視図である。この図19に示すように取っ手72は、電池パック17の格納時に露出しているので、この取っ手72に指を引っかけて引き出せば、電池パック17の取り出し作業が容易に行えることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態に係る携帯電話の裏面側を示す斜視図である。
【図2】図1の携帯電話から電池カバーを取り外して露出した状態の電池格納部を示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係るコネクタ部の概略構成を示す斜視図である。
【図4】図3のコネクタ部の分解斜視図である。
【図5】図3のコネクタ部を回動自在に軸支するための軸支部の概略構成を示す斜視図である。
【図6】図5の軸支部に備わる取付部の正面側を示す斜視図である。
【図7】図6の取付部の裏面側を示す斜視図である。
【図8】図5の軸支部にコネクタを取り付ける際の一工程を示す斜視図である。
【図9】本実施形態に係る電池パックを電池格納部に取り付ける際の一工程を示す斜視図である。
【図10】図9で示した工程の次の工程を示す図であり、電池パックと電池格納部との位置合わせ時における状態を示す断面図である。
【図11】図10で示した工程の次の工程を示す図であり、電池パックをコネクタに押しつけた際の状態を示す断面図である。
【図12】図10で示した工程の次の工程を示す図であり、電池パックをコネクタに押しつけた際の状態を示す斜視図である。
【図13】図11で示した工程の次の工程を示す図であり、電池パックとコネクタとが係合した際の状態を示す断面図である。
【図14】図13で示した工程の次の工程を示す図であり、電池格納部に格納された電池パックの状態を示す斜視図である。
【図15】軸支部の変形例を示す斜視図である。
【図16】図15の軸支部に備わる取付部を示す斜視図である
【図17】図15の軸支部にコネクタを取り付ける際の一工程を示す斜視図である。
【図18】電池パックのスライドを案内する板状のガイド部材がコネクタに取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図19】電池パックが電池格納部内に格納された際の取っ手の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 携帯電話(端末装置)
10 端末本体
14 下筐体
16 電池格納部(モジュール格納部)
17 電池パック(モジュール)
20 コネクタ部
21 コネクタ
22 ケーブル
30 軸支部
70 ガイド部材
161 内壁面
171 電極(モジュールの電極)
172 パック用フック
211 電極(端末本体の電極)
223 第一シール部
224 コネクタ用フック(フック)
228 第二シール部
H 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール格納部を有する端末本体と、前記モジュール格納部に格納されたモジュールとを電気的に接続するコネクタ構造において、
前記モジュール格納部に格納された前記モジュールと係合することで、前記モジュールの電極と前記端末本体の電極とを電気的に接続する略棒状のコネクタを備え、
前記コネクタは、前記モジュール格納部の一側端部に回動自在に軸支されていて、前記モジュールが係合されて前記モジュール格納部に着脱される際に回動することを特徴とするコネクタ構造。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタ構造において、
前記コネクタには、当該コネクタの長手方向に沿ってスライドされた前記モジュールに対して係合するフックが設けられていることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項3】
請求項2記載のコネクタ構造において、
前記コネクタには、前記端末本体の電極が、前記モジュールの電極と接触可能となるように露出しており、
前記端末本体の電極の周囲には、前記コネクタに前記モジュールが係合された際に前記モジュールに密着する第一シール部が設けられていて、
前記端末本体の電極、前記第一シール部及び前記フックとの位置関係は、
前記コネクタに前記モジュールがスライドして係合する際に、まず前記第一シール部が前記モジュールに密着してから前記モジュールに前記フックが係合して、前記端末本体の電極が前記モジュールの電極に接触し、当該接触の後に前記モジュールと前記フックとの係合が完了する位置関係に設定されていることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項4】
請求項2又は3記載のコネクタ構造において、
前記コネクタには、前記モジュールのスライドを案内する板状のガイド部材が設けられていることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項5】
請求項4記載のコネクタ構造において、
前記ガイド部材には、前記モジュールを前記モジュール格納部から引き出すための取っ手が設けられていることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のコネクタ構造において、
前記コネクタには、前記端末本体の電極が、前記モジュールの電極と接触可能となるように露出しており、
前記端末本体の電極と前記モジュールの電極との接触範囲は、前記モジュール格納部に格納された前記モジュールと当該モジュール格納部の内壁面との間隔よりも大きく設定されていることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のコネクタ構造において、
前記コネクタには、前記端末本体の電極が、前記モジュールの電極と接触可能となるように露出しており、
前記端末本体の電極の周囲には、前記コネクタに前記モジュールが係合された際に前記モジュールに密着する第一シール部が設けられていることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のコネクタ構造において、
前記コネクタの一端部からは、前記端末本体の電子部品及び前記端末本体の電極を導通するケーブルが引き出されていて、
前記コネクタの一端部の周囲には、前記引き出されたケーブル側に水が進入しないように前記モジュール格納部に密着する第二シール部が設けられていることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項9】
モジュール格納部を有する端末本体と、
前記モジュール格納部に格納されたモジュールを前記端末本体に電気的に接続するコネクタ部とを有する端末装置において、
前記コネクタ部は、
前記モジュール格納部に格納された前記モジュールと係合することで、前記モジュールの電極と前記端末本体の電極とを電気的に接続する略棒状のコネクタを備え、
前記コネクタは、前記モジュール格納部の一側端部に回動自在に軸支されていて、前記モジュールが係合されて前記モジュール格納部に着脱される際に回動することを特徴とする端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−259718(P2009−259718A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109722(P2008−109722)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】