コンバイン
【課題】防塵網を通過する冷却用の吸入風量を確保してエンジンのオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を高める。
【解決手段】防塵網(30)を通過する吸入風を部分的に遮蔽する吸入風遮蔽板(35)を該防塵網(30)の内側面に接近させて設け、該吸入風遮蔽板(35)を防塵網(30)の内側面に沿って直線状に往復移動させる駆動装置(49)を設ける。また、防塵網(30)の外面上の塵埃を吸引する塵埃吸引口(55)を、吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設ける。また、塵埃吸引口(55)から冷却用ファン(13)に至る副吸引風路(58)を、防塵網(30)からラジエータ(14)を通過して冷却用ファン(13)に至る主吸引風路(59)から分離して設ける。
【解決手段】防塵網(30)を通過する吸入風を部分的に遮蔽する吸入風遮蔽板(35)を該防塵網(30)の内側面に接近させて設け、該吸入風遮蔽板(35)を防塵網(30)の内側面に沿って直線状に往復移動させる駆動装置(49)を設ける。また、防塵網(30)の外面上の塵埃を吸引する塵埃吸引口(55)を、吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設ける。また、塵埃吸引口(55)から冷却用ファン(13)に至る副吸引風路(58)を、防塵網(30)からラジエータ(14)を通過して冷却用ファン(13)に至る主吸引風路(59)から分離して設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインには、特許文献1に開示されているように、エンジンに備えた冷却用ファンの外側にラジエータを設け、ラジエータの外側に防塵網を設け、防塵網の内側には所定の幅を有する吸入風遮蔽板を設け、該吸入風遮蔽板を回転駆動する駆動装置を設けた構成のものがある。
【0003】
冷却用ファンの吸入風によって、藁屑等の塵埃が防塵網の外面に吸着されるが、吸入風遮蔽板の回転駆動によって防塵網を通過する吸入風を部分的に順次遮蔽し、防塵網への塵埃の吸着力を失わせて落下させ、防塵網の目詰まりを防いでエンジンのオーバーヒートを防止しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−59748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、防塵網はラジエータの形状またはエンジンルームの形状に沿って矩形に形成される。しかし、上記特許文献1に記載された先行技術では、矩形の防塵網の中央部分を軸芯として吸入風遮蔽板を回転駆動して防塵網を通過する吸引風を部分的に順次遮蔽し、防塵網への塵埃の吸着力を失わせて落下させる構成である。即ち、矩形の防塵網に対して吸入風遮蔽板を円形の軌跡を描くように回転させるから、防塵網の隅に吸着された塵埃は除去できず、防塵網を通過する吸入風量が減少し、ラジエータおよびエンジンの冷却効率が低下して、エンジンがオーバーヒートしやくなる欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するために、次の技術的手段を講じる。
請求項1記載の発明は、走行装置(2)を機体フレーム(1)の下側に設け、刈取装置(4)を機体フレーム(1)の前側に設け、脱穀装置(3)と穀粒貯留装置(5)とエンジン(12)を機体フレーム(1)の上側に設けたコンバインにおいて、前記エンジン(12)で駆動される冷却用ファン(13)を該エンジン(12)の外側に設け、エンジン(12)を冷却するラジエータ(14)を冷却用ファン(13)の外側に設け、前記冷却用ファン(13)によって吸入される吸入風を濾過して塵埃の侵入を防ぐ防塵網(30)をラジエータ(14)の外側に設け、該防塵網(30)を通過する吸入風を部分的に遮蔽する吸入風遮蔽板(35)を防塵網(30)の内側面に接近させて設け、該吸入風遮蔽板(35)を防塵網(30)の内側面に沿って直線状に往復移動させる駆動装置(49)を設けたことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0007】
吸入風遮蔽板(35)が、防塵網(30)を通過する吸入風を部分的に遮蔽しながら移動することで、この吸入風遮蔽板(35)に面した防塵網(30)の外側面の部位で、塵埃の吸着力が低下し、この塵埃が脱落しやすくなる。また、吸入風遮蔽板(35)が直線状に往復移動するため、吸入風遮蔽板(35)を円形の軌跡を描いて回転させる構成に比べて、防塵網(30)の隅部に付着した塵埃まで脱落しやすくなる。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記冷却用ファン(13)による吸入風で防塵網(30)の外側面上の塵埃を吸引する塵埃吸引口(55)を、前記吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとしたものである。
【0009】
防塵網(30)の外側から吸入風遮蔽板(35)の外縁部を迂回して防塵網(30)の内側へ吸引される吸入風は、吸入風遮蔽板(35)に面していない防塵網(30)の他の部位を通過する吸入風よりも流速が高くなり、この吸入風遮蔽板(35)の外縁部付近の部位の塵埃が防塵網(30)の外側面上を吸入風遮蔽板(35)と一緒に移動する。そして、この吸入風遮蔽板(35)と一緒に移動してきた塵埃は、吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設けた塵埃吸引口(55)から吸引される。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記冷却用ファン(13)による吸入風で防塵網(30)の外側面上の塵埃を吸引する塵埃吸引口(55)を、前記吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設け、該塵埃吸引口(55)から冷却用ファン(13)に至る副吸引風路(58)を、防塵網(30)からラジエータ(14)を通過して冷却用ファン(13)に至る主吸引風路(59)から分離して設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとしたものである。
【0011】
防塵網(3)の外側から吸入風遮蔽板(35)の外縁部を迂回して防塵網(30)の内側へ吸引される吸入風は、吸入風遮蔽板(35)に面していない防塵網(30)の他の部位を通過する吸入風よりも流速が高くなり、この吸入風遮蔽板(35)の外縁部付近の部位の塵埃が防塵網(30)の外側面上を吸入風遮蔽板(35)と一緒に移動する。そして、この吸入風遮蔽板(35)と一緒に移動してきた塵埃は、吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設けた塵埃吸引口(55)から吸引される。
【0012】
この際、塵埃吸引口(55)から冷却用ファン(13)に至る副吸引風路(58)が、防塵網(30)からラジエータ(14)を通過して冷却用ファン(13)に至る主吸引風路(59)から分離されているため、塵埃吸引口(55)から吸引された塵埃がラジエータ(14)に付着しにくくなる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によると、吸入風遮蔽板(35)が、防塵網(30)を通過する吸入風を部分的に遮蔽しながら移動することで、この吸入風遮蔽板(35)に面した防塵網(30)の外側面の部位で、塵埃の吸着力が低下し、この塵埃が脱落しやすくなるため、防塵網(30)の目詰まりによる吸引風量の減少を来たしにくくすることができる。また、吸引風遮蔽板(35)が直線的に往復移動する構成であるため、吸引風遮蔽板を円形の軌跡を描いて回転させる構成に比べて、防塵網(30)の隅部に吸着された塵埃まで脱落しやすくなって濾過面積の減少が抑えられ、この防塵網(30)を通過する冷却用の吸入風量を確保してエンジン(12)のオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を高めることができる。
【0014】
請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加え、防塵網(30)の外側面上で吸着力の弱まった塵埃を吸入風遮蔽板(35)と一緒に移動させ、吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設けた塵埃吸引口(55)から吸引して除去することができる。これによって、防塵網(30)上の塵埃をより積極的に除去でき、この防塵網(30)を通過する冷却用の吸入風量を確保してエンジン(12)のオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を更に高めることができる。
【0015】
請求項3記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加え、防塵網(30)の外側面上で吸着力の弱まった塵埃を吸入風遮蔽板(35)と一緒に移動させ、吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設けた塵埃吸引口(55)から吸引して除去することができる。これによって、防塵網(30)上の塵埃をより積極的に除去でき、この防塵網(30)を通過する冷却用の吸入風量を確保してエンジン(12)のオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を高めることができる。
【0016】
また、塵埃吸引口(55)から冷却用ファン(13)に至る副吸引風路(58)を、防塵網(30)からラジエータ(14)を通過して冷却用ファン(13)に至る主吸引風路(59)から分離することで、塵埃吸引口(55)から吸引された塵埃がラジエータ(14)に付着するのを抑えることができ、ラジエータ(14)の冷却効率の低下を少なくしてエンジン(12)のオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】コンバインの右側面図。
【図2】コンバインの左側面図。
【図3】エンジン付近の説明用平面図。
【図4】ラジエータカバーの左側面図。
【図5】ラジエータ周辺の説明用平面図。
【図6】ラジエータカバーの枠体の右側面図。
【図7】エジエータカバーの枠体の背面図。
【図8】吸入風遮蔽板の移動機構の説明用右側面図。
【図9】吸入風遮蔽板の移動機構の説明用背面図。
【図10】吸入風遮蔽板の移動機構の説明用背面図。
【図11】ラジエータカバーの前側の塵埃吸引口部分の説明用平断面図。
【図12】ラジエータカバーの後側の塵埃吸引口部分の説明用平断面図。
【図13】ラジエータカバーの前側のみに塵埃吸引口を設けた実施例の説明用平断面図。
【図14】ラジエータカバーの前側のみに塵埃吸引口を設けた実施例の枠体の右側面図。
【図15】ラジエータカバーの前側のみに塵埃吸引口を設けた実施例の枠体の正面図。
【図16】ラジエータカバーの左側面図。
【図17】吸入風遮蔽板の移動状態を示す説明用側面図。
【図18】ブロック回路図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1、図2に示すように、本発明のコンバインの機体は、機体フレーム1の下側にクローラ式の走行装置2を設け、機体フレーム1の上側には、脱穀装置3と穀粒排出オーガ6を備えた穀粒貯留装置5とを左右に並べて搭載し、該穀粒貯留装置5の前側に操縦部7を設け、機体フレーム1の前側に刈取装置4を昇降自在に設けて構成する。
【0019】
そして、前記操縦部7の運転座席10の下方の機体フレーム1の上側にエンジン12を搭載し、このエンジン12を隔壁で包囲してエンジンルーム11を形成する。エンジン12よりも機体外側方の機体フレーム1上の部位には、エンジン12で駆動されるエンジン冷却用ファン13を設ける。このエンジン冷却用ファン13よりも機体外側方の機体フレーム1上の部位には、エンジン12の冷却用のラジエータ14を設ける。図8に示すように、ラジエータ14の上方には、オイルクーラー15およびインタークーラー16を前後に並べて設ける。
【0020】
図3に示すように、前記ラジエータ14よりも機体外側方の機体フレーム1上の部位には、ラジエータカバー20を設ける。図4に示すように、ラジエータカバー20の枠体21は、前枠22および後枠23と、前枠22と後枠23とを連結する上横枠24および下横枠25と、上横枠24及び下横枠25の間の中間上横枠26および中間下横枠27とから枠組みして構成する。前枠22の上部には、前下がり傾斜姿勢の斜め枠33を形成する。そして、これらの枠の間に空間部となる開口部28を形成し、この開口部28に目抜き鉄板からなる防塵網30を張って設ける。防塵網30は、鉄線を編んだ構成のものでもよい。
【0021】
この防塵網30は、前記冷却用ファン13の吸引作用によって吸入される外気を濾過し、塵埃の侵入を防ぎながらエンジンルーム11内に供給するためのものである。
この防塵網30からラジエータ14を通過して冷却用ファン13に至る主吸引風路59が形成される。
【0022】
枠体21は機体フレーム1側の固定部に縦軸回動自在に取付ける。具体的には、図5、図7に示すように、ラジエータ14を支持する縦フレーム31を機体フレーム1上に固定し、この縦フレーム31から機体外側方向へ延出させた上下2つのステー31a,31aの先端部の孔に、後枠23に固定した縦方向の取付軸32,32を回動自在に挿し込んで取付ける。これにより、ラジエータカバー20は開閉自在となる。
【0023】
そして、防塵網30の内側面に接近した位置には、140mm〜150mm程度の幅を有し、800mm〜850mm程度の高さを有した吸入風遮蔽板35を配置し、この吸入風遮蔽板35を防塵網30の内側面に沿って、機体の前後方向に450mm〜500mm程度のストロークで往復移動自在に設ける。
【0024】
即ち、図8に示すように、吸入風遮蔽板35と枠体21との間に、この吸入風遮蔽板35を機体の前後方向へ往復移動自在に支持するガイド機構36を設ける。具体的には、枠体21の上横枠24および中間下横枠27に、夫々、上側案内レール37uおよび下側案内レール37dを設け、この上側案内レール37u及び下側案内レール37dに、吸入風遮蔽板35の上端部と下部とに軸39を介して回動自在に取付けた案内ローラ38を支持させる。この状態で、吸入風遮蔽板35は防塵網30の内側面に接近して設けられる。防塵網30の内側面と吸入風遮蔽板35の外側面との間には隙間がないことが好ましいが、互いの摩擦で摩耗しないように1mm程度の隙間を設けてもよい。尚、吸入風遮蔽板35の下側プレート40Bの下端は、枠体21側に取付けた案内体51で挟んだ状態で前後移動自在に支持する。
【0025】
また、この吸入風遮蔽板35は、上側プレート40Aと下側プレート40Bとの二つに分割し、上側プレート40Aの下部に形成した長孔41に、下側プレート40Bの上端部に固定したピン42を移動自在に嵌め合わせる。即ち、吸入風遮蔽板35は、長孔41の部分で伸縮自在で且つ屈曲自在に、上側プレート40Aと下側プレート40Bとを繋いだ構成とする。
【0026】
したがって、図17に示すように、上側案内レール37uの前端位置に上側プレート40Aの上端部の案内ローラ38が達すると、上側プレート40Aが斜め枠33に沿うように回動して傾斜し、この斜め枠33の付近でも吸入風を遮蔽する。
【0027】
また、吸入風遮蔽板35の上側プレート40Aと下側プレート40Bとの間に引張スプリング44を設け、この下側プレート40Bと上側プレート40Aとが直線状になるように(上側プレート40Aが起立するように)常時付勢する。したがって、吸入風遮蔽板35が斜め枠33から離れる後方への移動行程では、吸入風遮蔽板35は直線状になる。
【0028】
また、図8に示すように、枠体21の中間上横枠26の内側方には、リードカム軸に形成した伝動軸45を回転自在に支持し、この伝動軸45に、該伝動軸45の回転で軸心方向に移動する移動部材46を取付け、この移動部材46を吸入風遮蔽板35の下側プレート40Bの内側面の上部に取付ける。そして、伝動軸45の後端部に従動ギヤ48を固着し、この従動ギヤ48に、電動モーター式の駆動装置49で駆動される駆動ギヤ50を噛み合わせる。伝動軸45はリードカム軸であるため、駆動装置49を同じ方向へ回転駆動するだけで、吸入風遮蔽板35は前方および後方への往復移動を繰り返す。
【0029】
この構成では、伝動軸45の外側方に防塵網30が存在しないので、この伝動軸45が冷却用ファン13による吸入風の抵抗とならず、エンジンルーム11内の冷却効果が低下しない。
【0030】
また、吸入風遮蔽板35が前側へ移動する際に、下側プレート40Bの移動に伴って上側プレート40Aも前側へ移動しながら斜め枠33に沿うように姿勢変更するので、この上側プレート40Aと下側プレート40Bとを移動させる駆動機構を独立して設ける必要がなく、吸入風遮蔽板35の移動機構を簡素に構成でき、安価に提供できる。
【0031】
上述の構成により、エンジン12を始動すると、冷却用ファン13が回転してラジエータカバー20の防塵網30から外気を吸入し、吸入された外気は主吸引風路59からラジエータ14の内部のコアを通過してエンジン12の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン12の外周を冷却しながら吹き抜ける。
【0032】
この際、刈取脱穀作業によって発生し、コンバインの周囲に浮遊している藁屑等の塵埃が、冷却用ファン13による吸入風によって、防塵網30の外側面に吸着されやすくなる。しかし、吸入風遮蔽板35が、防塵網30を通過する吸入風を部分的に遮蔽しながら移動することで、この吸入風遮蔽板35に面した防塵網30の外側面の部位で、塵埃の吸着力が低下し、この塵埃が脱落しやすくなる。これによって、機体の走行による風の影響や振動の影響でこの塵埃を脱落させ、防塵網30の目詰まりによる吸引風量の減少を来たしにくくすることができる。また、吸引風遮蔽板35が直線的に往復移動する構成であるため、吸引風遮蔽板を円形の軌跡を描いて回転させる構成に比べて、防塵網30の隅部に吸着された塵埃まで脱落しやすくなって濾過面積の減少が抑えられ、この防塵網30を通過する冷却用の吸入風量を確保してエンジン12のオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を高めることができる。
【0033】
また、図5に示すように、吸入風遮蔽板35に面した防塵網30の外側面の部位では、冷却用ファン13によって吸入される吸入風の流れが、図中の矢印L、矢印Rのように、吸入風遮蔽板35の正面から、この吸入風遮蔽板35の左右両側の外縁部を迂回して防塵網30を通過することになる。即ち、吸入風遮蔽板35の正面で一旦塞き止められた多量の吸入風(吸入風遮蔽板35の外側面に当たる吸入風)が、吸入風遮蔽板35の外縁部で合流しながら防塵網30内に引き込まれることとなり、この吸入風の流速が高まる。
【0034】
そして、吸入風遮蔽板35の外縁部に面した防塵網30の外側面上の部位では、通過する吸入風の流速が高まることによって塵埃を吸引する力が増し、防塵網30の外側面上の塵埃が、この吸入風遮蔽板35の外縁部に連れ動かされて、この吸入風遮蔽板35と一緒に防塵網30の外側面上を移動することとなる。これによって、防塵網30の外側面上における吸入風遮蔽板35の移動軌跡上の塵埃が、吸入風遮蔽板35の移動方向下手側へ集められる。
【0035】
更に、吸入風遮蔽板35の往復移動経路の両端部には、塵埃吸引口55を設ける。具体的には、図5、図11、図12に示すように、枠体21の前枠22および後枠23の何れか一方側または両側に風洞カバー56を取付け、この風洞カバー56の内側面と防塵網30の外側面との間に10mm程度の隙間を設けて塵埃吸引口55を形成する。
【0036】
この構成により、防塵網30の外側面上を吸入風遮蔽板35と一緒に移動し、この吸入風遮蔽板35の移動端部に集められた塵埃を、吸入風遮蔽板35の往復移動経路の端部における防塵網30の外側の部位に設けた塵埃吸引口55から吸引して除去することができる。これによって、防塵網30上の塵埃を積極的に除去でき、この防塵網30を通過する冷却用の吸入風量を確保してエンジン12のオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を更に高めることができる。
【0037】
また、吸入風遮蔽板35の前後の外縁部は、枠体21の前枠22または後枠23と機体側面視で重なる位置まで移動しうるように構成する。これによって、吸入風遮蔽板35が防塵網30を通過する外気を確実に遮蔽し、塵埃吸引口55による塵埃の吸引効率が向上する。
【0038】
即ち、仮に、吸入風遮蔽板35の移動方向上手側となる外縁部が枠体21の前枠22または後枠23と機体側面視で重なる位置まで移動しない場合には、吸入風遮蔽板35の移動方向上手側の外縁部と前枠22または後枠23との間に冷却用ファン13による吸入風が通り、この吸引風で塵埃を防塵網30の外側面に吸着させ、塵埃吸引口55による塵埃の吸引を妨げることになる。しかし、上記の構成によると、塵埃吸引口55付近での冷却用ファン13の吸引風を確実に遮蔽し、塵埃吸引口55による塵埃の吸引効率を向上させることができる。
【0039】
また、図5、図11、図12に示すように、塵埃吸引口55に続く吸引用風路Fは、枠体21の内部に設ける。
この場合、吸引用風路Fのうちの風洞カバー56内を通る副吸引風路58は、ラジエータ14とオイルクーラー15とインタークーラー16等を冷却する主吸引風路59とは分離し、該ラジエータ14とオイルクーラ15とインタークーラー16を迂回して形成する。即ち、副吸引風路58は、平面視で枠体21の前枠22の内側板60と風洞カバー56により包囲された空間であり、内側板60の内端側が縦フレーム31と密着し、内側板60が隔壁となって副吸引風路58と主吸引風路59とを分離し、両風路の間を遮蔽する。
【0040】
この構成により、塵埃吸引口55から冷却用ファン13に至る副吸引風路58を、防塵網30からラジエータ14を通過して冷却用ファン13に至る主吸引風路59から分離することで、塵埃吸引口55から吸引された塵埃がラジエータ14に付着するのを抑え、ラジエータ14の冷却効率の低下を少なくしてエンジン12のオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を更に高めることができる。
【0041】
しかして、図5、図11、図12に示すように、前記吸引用風路Fは、副吸引風路58の奥側に、縦フレーム31の外枠31Aと内枠31Bとの間に形成した固定側吸引風路61を接続して形成する。62は副吸引風路58の出口、63は固定側吸引風路61の入り口である。
【0042】
即ち、吸引用風路Fは、固定側の固定側吸引風路61と移動側の副吸引風路58とに分割形成し、固定側吸引風路61は、冷却用ファン13およびエンジン12を包囲するシュラウド64内に連通し、このシュラウド64の後端の開口部をエンジンルーム11と連通させて、副吸引風路58からの吸入風を固定側吸引風路61を通過させて、エンジンルーム11に吸入する構成とする。
【0043】
また、吸引用風路Fは、ラジエータカバー20を閉じることで副吸引風路58と固定側吸引風路61とが連通し、シュラウド64の内側のエンジンルーム11に吸引風が通るように構成する。
【0044】
即ち、枠体21側にシール部材65を取り付け、ラジエータカバー20を取付軸32を中心に内側方へ回動させて閉じると、このシール部材65が縦フレーム31に密着し、副吸引風路58と固定側吸引風路61とが連通し、吸引用風路Fが形成される構成とする。
【0045】
尚、図5、図11、図12に示す実施例では、塵埃吸引口55を前側と後側とに設け、シール部材65を前側と後側とで各2箇所に設けているが、図13の実施例では塵埃吸引口55を前側にだけ設け、シール部材65は前側2箇所と後側1箇所だけ設けている。
【0046】
上記の構成により、冷却用ファン13の回転によってシュラウド64内に発生する負圧を利用して、塵埃吸引口55から防塵網30の外側面上の塵埃を吸引するので、防塵網30の塵埃除去構造が簡素化できる。この場合、塵埃吸引口55から吸引される吸引風の流速は、防塵網30を通過する主吸引風路59の吸引風の流速よりも高くなるように、各風路の断面積等を設定している。
【0047】
また、塵埃吸引口55を枠体21の前側または後側の何れか一側に設ける場合には、吸入風遮蔽板35の移動速度を、塵埃吸引口55側へ接近するときの移動速度よりも、塵埃吸引口55から離れる方向への移動速度が速くなるように設定してもよい。
【0048】
吸入風遮蔽板35の移動速度の変更させる構成として、図18に示すように、駆動装置49の駆動回転速度を変速制御する構成とする。吸入風遮蔽板35の往復移動経路の端部にリミットスイッチ70を設け、このリミットスイッチ70によって吸入風遮蔽板35が往復移動経路の端部に至ったことが検出された場合に、駆動装置49の回転速度が自動的に変速される構成とする。
【0049】
また、吸入風遮蔽板35の移動速度を、ラジエータ14の水温に応じて変速制御する構成としてもよい。例えば、ラジエータ14の水温を検出する水温センサ71を設け、ラジエータ14の水温が低いときは、吸入風遮蔽板35の移動速度を減速する。一方、ラジエータ14の水温が上昇した場合には、吸入風遮蔽板35の移動速度を増速する。
【0050】
また、脱穀装置3および刈取部4を駆動する作業クラッチ72を入りにした場合に、吸入風遮蔽板35の移動が自動的に開始される構成としてもよい。
また、エンジン12の回転をエンジン回転センサ73で検出した場合に、吸入風遮蔽板35の移動が自動的に開始する構成としてもよい。あるいは、エンジン回転センサ73でエンジン12の回転を検出し、且つ、作業クラッチ72を入りにした場合に、吸入風遮蔽板35の移動が自動的に開始する構成としてもよい。
【0051】
尚、上述の伝動軸45はリードカム軸に形成し、駆動装置49を一定方向に駆動する構成としたが、この構成に代えて、伝動軸45を一方向の螺子溝を形成した螺子軸とし、駆動装置49を正逆転させることで吸入風遮蔽板35を前後に往復移動させる構成としてもよい。この場合には、駆動装置49の駆動回転方向をタイマーによって制御し、設定時間が経過した場合に、駆動装置49の駆動回転方向を逆向きに切り替え、これによって吸引風遮蔽板35が前後に往復移動する構成とする。また、伝動軸45の前後両端部には、この伝動軸45の螺子溝と移動部材46との係合が解除される部分を設け、伝動軸45が同一方向に回転し続けても破損を来たさない構成とする。
【0052】
また、上述の吸入風遮蔽板35は、機体の前後方向に往復移動する構成としたが、これに代えて、吸入風遮蔽板35を、上下方向に往復移動させる構成としてもよい。
尚、運転座席10への乗り降りを容易化するために、枠体21の前側上部には斜め枠33を形成しており、これに伴ってラジエータカバー20の開口部28には斜め部分が存在する。しかし、吸入風遮蔽板35は、上下に分割形成され、上側プレート40Aが其の上部を支点に回動して、下側プレート40Bに対して屈折しながら移動する。これにより、斜め枠33の内側の防塵網30も効率よく掃除できる。
【符号の説明】
【0053】
1 機体フレーム
3 脱穀装置
4 刈取装置
5 穀粒貯留装置
7 操縦部
10 運転座席
12 エンジン
13 冷却用ファン
14 ラジエータ
30 防塵網
35 吸入風遮蔽板
49 駆動装置
55 塵埃吸入口
58 副吸引風路
59 主吸引風路
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインには、特許文献1に開示されているように、エンジンに備えた冷却用ファンの外側にラジエータを設け、ラジエータの外側に防塵網を設け、防塵網の内側には所定の幅を有する吸入風遮蔽板を設け、該吸入風遮蔽板を回転駆動する駆動装置を設けた構成のものがある。
【0003】
冷却用ファンの吸入風によって、藁屑等の塵埃が防塵網の外面に吸着されるが、吸入風遮蔽板の回転駆動によって防塵網を通過する吸入風を部分的に順次遮蔽し、防塵網への塵埃の吸着力を失わせて落下させ、防塵網の目詰まりを防いでエンジンのオーバーヒートを防止しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−59748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、防塵網はラジエータの形状またはエンジンルームの形状に沿って矩形に形成される。しかし、上記特許文献1に記載された先行技術では、矩形の防塵網の中央部分を軸芯として吸入風遮蔽板を回転駆動して防塵網を通過する吸引風を部分的に順次遮蔽し、防塵網への塵埃の吸着力を失わせて落下させる構成である。即ち、矩形の防塵網に対して吸入風遮蔽板を円形の軌跡を描くように回転させるから、防塵網の隅に吸着された塵埃は除去できず、防塵網を通過する吸入風量が減少し、ラジエータおよびエンジンの冷却効率が低下して、エンジンがオーバーヒートしやくなる欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するために、次の技術的手段を講じる。
請求項1記載の発明は、走行装置(2)を機体フレーム(1)の下側に設け、刈取装置(4)を機体フレーム(1)の前側に設け、脱穀装置(3)と穀粒貯留装置(5)とエンジン(12)を機体フレーム(1)の上側に設けたコンバインにおいて、前記エンジン(12)で駆動される冷却用ファン(13)を該エンジン(12)の外側に設け、エンジン(12)を冷却するラジエータ(14)を冷却用ファン(13)の外側に設け、前記冷却用ファン(13)によって吸入される吸入風を濾過して塵埃の侵入を防ぐ防塵網(30)をラジエータ(14)の外側に設け、該防塵網(30)を通過する吸入風を部分的に遮蔽する吸入風遮蔽板(35)を防塵網(30)の内側面に接近させて設け、該吸入風遮蔽板(35)を防塵網(30)の内側面に沿って直線状に往復移動させる駆動装置(49)を設けたことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0007】
吸入風遮蔽板(35)が、防塵網(30)を通過する吸入風を部分的に遮蔽しながら移動することで、この吸入風遮蔽板(35)に面した防塵網(30)の外側面の部位で、塵埃の吸着力が低下し、この塵埃が脱落しやすくなる。また、吸入風遮蔽板(35)が直線状に往復移動するため、吸入風遮蔽板(35)を円形の軌跡を描いて回転させる構成に比べて、防塵網(30)の隅部に付着した塵埃まで脱落しやすくなる。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記冷却用ファン(13)による吸入風で防塵網(30)の外側面上の塵埃を吸引する塵埃吸引口(55)を、前記吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとしたものである。
【0009】
防塵網(30)の外側から吸入風遮蔽板(35)の外縁部を迂回して防塵網(30)の内側へ吸引される吸入風は、吸入風遮蔽板(35)に面していない防塵網(30)の他の部位を通過する吸入風よりも流速が高くなり、この吸入風遮蔽板(35)の外縁部付近の部位の塵埃が防塵網(30)の外側面上を吸入風遮蔽板(35)と一緒に移動する。そして、この吸入風遮蔽板(35)と一緒に移動してきた塵埃は、吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設けた塵埃吸引口(55)から吸引される。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記冷却用ファン(13)による吸入風で防塵網(30)の外側面上の塵埃を吸引する塵埃吸引口(55)を、前記吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設け、該塵埃吸引口(55)から冷却用ファン(13)に至る副吸引風路(58)を、防塵網(30)からラジエータ(14)を通過して冷却用ファン(13)に至る主吸引風路(59)から分離して設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとしたものである。
【0011】
防塵網(3)の外側から吸入風遮蔽板(35)の外縁部を迂回して防塵網(30)の内側へ吸引される吸入風は、吸入風遮蔽板(35)に面していない防塵網(30)の他の部位を通過する吸入風よりも流速が高くなり、この吸入風遮蔽板(35)の外縁部付近の部位の塵埃が防塵網(30)の外側面上を吸入風遮蔽板(35)と一緒に移動する。そして、この吸入風遮蔽板(35)と一緒に移動してきた塵埃は、吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設けた塵埃吸引口(55)から吸引される。
【0012】
この際、塵埃吸引口(55)から冷却用ファン(13)に至る副吸引風路(58)が、防塵網(30)からラジエータ(14)を通過して冷却用ファン(13)に至る主吸引風路(59)から分離されているため、塵埃吸引口(55)から吸引された塵埃がラジエータ(14)に付着しにくくなる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によると、吸入風遮蔽板(35)が、防塵網(30)を通過する吸入風を部分的に遮蔽しながら移動することで、この吸入風遮蔽板(35)に面した防塵網(30)の外側面の部位で、塵埃の吸着力が低下し、この塵埃が脱落しやすくなるため、防塵網(30)の目詰まりによる吸引風量の減少を来たしにくくすることができる。また、吸引風遮蔽板(35)が直線的に往復移動する構成であるため、吸引風遮蔽板を円形の軌跡を描いて回転させる構成に比べて、防塵網(30)の隅部に吸着された塵埃まで脱落しやすくなって濾過面積の減少が抑えられ、この防塵網(30)を通過する冷却用の吸入風量を確保してエンジン(12)のオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を高めることができる。
【0014】
請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加え、防塵網(30)の外側面上で吸着力の弱まった塵埃を吸入風遮蔽板(35)と一緒に移動させ、吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設けた塵埃吸引口(55)から吸引して除去することができる。これによって、防塵網(30)上の塵埃をより積極的に除去でき、この防塵網(30)を通過する冷却用の吸入風量を確保してエンジン(12)のオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を更に高めることができる。
【0015】
請求項3記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加え、防塵網(30)の外側面上で吸着力の弱まった塵埃を吸入風遮蔽板(35)と一緒に移動させ、吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設けた塵埃吸引口(55)から吸引して除去することができる。これによって、防塵網(30)上の塵埃をより積極的に除去でき、この防塵網(30)を通過する冷却用の吸入風量を確保してエンジン(12)のオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を高めることができる。
【0016】
また、塵埃吸引口(55)から冷却用ファン(13)に至る副吸引風路(58)を、防塵網(30)からラジエータ(14)を通過して冷却用ファン(13)に至る主吸引風路(59)から分離することで、塵埃吸引口(55)から吸引された塵埃がラジエータ(14)に付着するのを抑えることができ、ラジエータ(14)の冷却効率の低下を少なくしてエンジン(12)のオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】コンバインの右側面図。
【図2】コンバインの左側面図。
【図3】エンジン付近の説明用平面図。
【図4】ラジエータカバーの左側面図。
【図5】ラジエータ周辺の説明用平面図。
【図6】ラジエータカバーの枠体の右側面図。
【図7】エジエータカバーの枠体の背面図。
【図8】吸入風遮蔽板の移動機構の説明用右側面図。
【図9】吸入風遮蔽板の移動機構の説明用背面図。
【図10】吸入風遮蔽板の移動機構の説明用背面図。
【図11】ラジエータカバーの前側の塵埃吸引口部分の説明用平断面図。
【図12】ラジエータカバーの後側の塵埃吸引口部分の説明用平断面図。
【図13】ラジエータカバーの前側のみに塵埃吸引口を設けた実施例の説明用平断面図。
【図14】ラジエータカバーの前側のみに塵埃吸引口を設けた実施例の枠体の右側面図。
【図15】ラジエータカバーの前側のみに塵埃吸引口を設けた実施例の枠体の正面図。
【図16】ラジエータカバーの左側面図。
【図17】吸入風遮蔽板の移動状態を示す説明用側面図。
【図18】ブロック回路図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1、図2に示すように、本発明のコンバインの機体は、機体フレーム1の下側にクローラ式の走行装置2を設け、機体フレーム1の上側には、脱穀装置3と穀粒排出オーガ6を備えた穀粒貯留装置5とを左右に並べて搭載し、該穀粒貯留装置5の前側に操縦部7を設け、機体フレーム1の前側に刈取装置4を昇降自在に設けて構成する。
【0019】
そして、前記操縦部7の運転座席10の下方の機体フレーム1の上側にエンジン12を搭載し、このエンジン12を隔壁で包囲してエンジンルーム11を形成する。エンジン12よりも機体外側方の機体フレーム1上の部位には、エンジン12で駆動されるエンジン冷却用ファン13を設ける。このエンジン冷却用ファン13よりも機体外側方の機体フレーム1上の部位には、エンジン12の冷却用のラジエータ14を設ける。図8に示すように、ラジエータ14の上方には、オイルクーラー15およびインタークーラー16を前後に並べて設ける。
【0020】
図3に示すように、前記ラジエータ14よりも機体外側方の機体フレーム1上の部位には、ラジエータカバー20を設ける。図4に示すように、ラジエータカバー20の枠体21は、前枠22および後枠23と、前枠22と後枠23とを連結する上横枠24および下横枠25と、上横枠24及び下横枠25の間の中間上横枠26および中間下横枠27とから枠組みして構成する。前枠22の上部には、前下がり傾斜姿勢の斜め枠33を形成する。そして、これらの枠の間に空間部となる開口部28を形成し、この開口部28に目抜き鉄板からなる防塵網30を張って設ける。防塵網30は、鉄線を編んだ構成のものでもよい。
【0021】
この防塵網30は、前記冷却用ファン13の吸引作用によって吸入される外気を濾過し、塵埃の侵入を防ぎながらエンジンルーム11内に供給するためのものである。
この防塵網30からラジエータ14を通過して冷却用ファン13に至る主吸引風路59が形成される。
【0022】
枠体21は機体フレーム1側の固定部に縦軸回動自在に取付ける。具体的には、図5、図7に示すように、ラジエータ14を支持する縦フレーム31を機体フレーム1上に固定し、この縦フレーム31から機体外側方向へ延出させた上下2つのステー31a,31aの先端部の孔に、後枠23に固定した縦方向の取付軸32,32を回動自在に挿し込んで取付ける。これにより、ラジエータカバー20は開閉自在となる。
【0023】
そして、防塵網30の内側面に接近した位置には、140mm〜150mm程度の幅を有し、800mm〜850mm程度の高さを有した吸入風遮蔽板35を配置し、この吸入風遮蔽板35を防塵網30の内側面に沿って、機体の前後方向に450mm〜500mm程度のストロークで往復移動自在に設ける。
【0024】
即ち、図8に示すように、吸入風遮蔽板35と枠体21との間に、この吸入風遮蔽板35を機体の前後方向へ往復移動自在に支持するガイド機構36を設ける。具体的には、枠体21の上横枠24および中間下横枠27に、夫々、上側案内レール37uおよび下側案内レール37dを設け、この上側案内レール37u及び下側案内レール37dに、吸入風遮蔽板35の上端部と下部とに軸39を介して回動自在に取付けた案内ローラ38を支持させる。この状態で、吸入風遮蔽板35は防塵網30の内側面に接近して設けられる。防塵網30の内側面と吸入風遮蔽板35の外側面との間には隙間がないことが好ましいが、互いの摩擦で摩耗しないように1mm程度の隙間を設けてもよい。尚、吸入風遮蔽板35の下側プレート40Bの下端は、枠体21側に取付けた案内体51で挟んだ状態で前後移動自在に支持する。
【0025】
また、この吸入風遮蔽板35は、上側プレート40Aと下側プレート40Bとの二つに分割し、上側プレート40Aの下部に形成した長孔41に、下側プレート40Bの上端部に固定したピン42を移動自在に嵌め合わせる。即ち、吸入風遮蔽板35は、長孔41の部分で伸縮自在で且つ屈曲自在に、上側プレート40Aと下側プレート40Bとを繋いだ構成とする。
【0026】
したがって、図17に示すように、上側案内レール37uの前端位置に上側プレート40Aの上端部の案内ローラ38が達すると、上側プレート40Aが斜め枠33に沿うように回動して傾斜し、この斜め枠33の付近でも吸入風を遮蔽する。
【0027】
また、吸入風遮蔽板35の上側プレート40Aと下側プレート40Bとの間に引張スプリング44を設け、この下側プレート40Bと上側プレート40Aとが直線状になるように(上側プレート40Aが起立するように)常時付勢する。したがって、吸入風遮蔽板35が斜め枠33から離れる後方への移動行程では、吸入風遮蔽板35は直線状になる。
【0028】
また、図8に示すように、枠体21の中間上横枠26の内側方には、リードカム軸に形成した伝動軸45を回転自在に支持し、この伝動軸45に、該伝動軸45の回転で軸心方向に移動する移動部材46を取付け、この移動部材46を吸入風遮蔽板35の下側プレート40Bの内側面の上部に取付ける。そして、伝動軸45の後端部に従動ギヤ48を固着し、この従動ギヤ48に、電動モーター式の駆動装置49で駆動される駆動ギヤ50を噛み合わせる。伝動軸45はリードカム軸であるため、駆動装置49を同じ方向へ回転駆動するだけで、吸入風遮蔽板35は前方および後方への往復移動を繰り返す。
【0029】
この構成では、伝動軸45の外側方に防塵網30が存在しないので、この伝動軸45が冷却用ファン13による吸入風の抵抗とならず、エンジンルーム11内の冷却効果が低下しない。
【0030】
また、吸入風遮蔽板35が前側へ移動する際に、下側プレート40Bの移動に伴って上側プレート40Aも前側へ移動しながら斜め枠33に沿うように姿勢変更するので、この上側プレート40Aと下側プレート40Bとを移動させる駆動機構を独立して設ける必要がなく、吸入風遮蔽板35の移動機構を簡素に構成でき、安価に提供できる。
【0031】
上述の構成により、エンジン12を始動すると、冷却用ファン13が回転してラジエータカバー20の防塵網30から外気を吸入し、吸入された外気は主吸引風路59からラジエータ14の内部のコアを通過してエンジン12の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン12の外周を冷却しながら吹き抜ける。
【0032】
この際、刈取脱穀作業によって発生し、コンバインの周囲に浮遊している藁屑等の塵埃が、冷却用ファン13による吸入風によって、防塵網30の外側面に吸着されやすくなる。しかし、吸入風遮蔽板35が、防塵網30を通過する吸入風を部分的に遮蔽しながら移動することで、この吸入風遮蔽板35に面した防塵網30の外側面の部位で、塵埃の吸着力が低下し、この塵埃が脱落しやすくなる。これによって、機体の走行による風の影響や振動の影響でこの塵埃を脱落させ、防塵網30の目詰まりによる吸引風量の減少を来たしにくくすることができる。また、吸引風遮蔽板35が直線的に往復移動する構成であるため、吸引風遮蔽板を円形の軌跡を描いて回転させる構成に比べて、防塵網30の隅部に吸着された塵埃まで脱落しやすくなって濾過面積の減少が抑えられ、この防塵網30を通過する冷却用の吸入風量を確保してエンジン12のオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を高めることができる。
【0033】
また、図5に示すように、吸入風遮蔽板35に面した防塵網30の外側面の部位では、冷却用ファン13によって吸入される吸入風の流れが、図中の矢印L、矢印Rのように、吸入風遮蔽板35の正面から、この吸入風遮蔽板35の左右両側の外縁部を迂回して防塵網30を通過することになる。即ち、吸入風遮蔽板35の正面で一旦塞き止められた多量の吸入風(吸入風遮蔽板35の外側面に当たる吸入風)が、吸入風遮蔽板35の外縁部で合流しながら防塵網30内に引き込まれることとなり、この吸入風の流速が高まる。
【0034】
そして、吸入風遮蔽板35の外縁部に面した防塵網30の外側面上の部位では、通過する吸入風の流速が高まることによって塵埃を吸引する力が増し、防塵網30の外側面上の塵埃が、この吸入風遮蔽板35の外縁部に連れ動かされて、この吸入風遮蔽板35と一緒に防塵網30の外側面上を移動することとなる。これによって、防塵網30の外側面上における吸入風遮蔽板35の移動軌跡上の塵埃が、吸入風遮蔽板35の移動方向下手側へ集められる。
【0035】
更に、吸入風遮蔽板35の往復移動経路の両端部には、塵埃吸引口55を設ける。具体的には、図5、図11、図12に示すように、枠体21の前枠22および後枠23の何れか一方側または両側に風洞カバー56を取付け、この風洞カバー56の内側面と防塵網30の外側面との間に10mm程度の隙間を設けて塵埃吸引口55を形成する。
【0036】
この構成により、防塵網30の外側面上を吸入風遮蔽板35と一緒に移動し、この吸入風遮蔽板35の移動端部に集められた塵埃を、吸入風遮蔽板35の往復移動経路の端部における防塵網30の外側の部位に設けた塵埃吸引口55から吸引して除去することができる。これによって、防塵網30上の塵埃を積極的に除去でき、この防塵網30を通過する冷却用の吸入風量を確保してエンジン12のオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を更に高めることができる。
【0037】
また、吸入風遮蔽板35の前後の外縁部は、枠体21の前枠22または後枠23と機体側面視で重なる位置まで移動しうるように構成する。これによって、吸入風遮蔽板35が防塵網30を通過する外気を確実に遮蔽し、塵埃吸引口55による塵埃の吸引効率が向上する。
【0038】
即ち、仮に、吸入風遮蔽板35の移動方向上手側となる外縁部が枠体21の前枠22または後枠23と機体側面視で重なる位置まで移動しない場合には、吸入風遮蔽板35の移動方向上手側の外縁部と前枠22または後枠23との間に冷却用ファン13による吸入風が通り、この吸引風で塵埃を防塵網30の外側面に吸着させ、塵埃吸引口55による塵埃の吸引を妨げることになる。しかし、上記の構成によると、塵埃吸引口55付近での冷却用ファン13の吸引風を確実に遮蔽し、塵埃吸引口55による塵埃の吸引効率を向上させることができる。
【0039】
また、図5、図11、図12に示すように、塵埃吸引口55に続く吸引用風路Fは、枠体21の内部に設ける。
この場合、吸引用風路Fのうちの風洞カバー56内を通る副吸引風路58は、ラジエータ14とオイルクーラー15とインタークーラー16等を冷却する主吸引風路59とは分離し、該ラジエータ14とオイルクーラ15とインタークーラー16を迂回して形成する。即ち、副吸引風路58は、平面視で枠体21の前枠22の内側板60と風洞カバー56により包囲された空間であり、内側板60の内端側が縦フレーム31と密着し、内側板60が隔壁となって副吸引風路58と主吸引風路59とを分離し、両風路の間を遮蔽する。
【0040】
この構成により、塵埃吸引口55から冷却用ファン13に至る副吸引風路58を、防塵網30からラジエータ14を通過して冷却用ファン13に至る主吸引風路59から分離することで、塵埃吸引口55から吸引された塵埃がラジエータ14に付着するのを抑え、ラジエータ14の冷却効率の低下を少なくしてエンジン12のオーバーヒートを防ぎ、コンバインの作業能率を更に高めることができる。
【0041】
しかして、図5、図11、図12に示すように、前記吸引用風路Fは、副吸引風路58の奥側に、縦フレーム31の外枠31Aと内枠31Bとの間に形成した固定側吸引風路61を接続して形成する。62は副吸引風路58の出口、63は固定側吸引風路61の入り口である。
【0042】
即ち、吸引用風路Fは、固定側の固定側吸引風路61と移動側の副吸引風路58とに分割形成し、固定側吸引風路61は、冷却用ファン13およびエンジン12を包囲するシュラウド64内に連通し、このシュラウド64の後端の開口部をエンジンルーム11と連通させて、副吸引風路58からの吸入風を固定側吸引風路61を通過させて、エンジンルーム11に吸入する構成とする。
【0043】
また、吸引用風路Fは、ラジエータカバー20を閉じることで副吸引風路58と固定側吸引風路61とが連通し、シュラウド64の内側のエンジンルーム11に吸引風が通るように構成する。
【0044】
即ち、枠体21側にシール部材65を取り付け、ラジエータカバー20を取付軸32を中心に内側方へ回動させて閉じると、このシール部材65が縦フレーム31に密着し、副吸引風路58と固定側吸引風路61とが連通し、吸引用風路Fが形成される構成とする。
【0045】
尚、図5、図11、図12に示す実施例では、塵埃吸引口55を前側と後側とに設け、シール部材65を前側と後側とで各2箇所に設けているが、図13の実施例では塵埃吸引口55を前側にだけ設け、シール部材65は前側2箇所と後側1箇所だけ設けている。
【0046】
上記の構成により、冷却用ファン13の回転によってシュラウド64内に発生する負圧を利用して、塵埃吸引口55から防塵網30の外側面上の塵埃を吸引するので、防塵網30の塵埃除去構造が簡素化できる。この場合、塵埃吸引口55から吸引される吸引風の流速は、防塵網30を通過する主吸引風路59の吸引風の流速よりも高くなるように、各風路の断面積等を設定している。
【0047】
また、塵埃吸引口55を枠体21の前側または後側の何れか一側に設ける場合には、吸入風遮蔽板35の移動速度を、塵埃吸引口55側へ接近するときの移動速度よりも、塵埃吸引口55から離れる方向への移動速度が速くなるように設定してもよい。
【0048】
吸入風遮蔽板35の移動速度の変更させる構成として、図18に示すように、駆動装置49の駆動回転速度を変速制御する構成とする。吸入風遮蔽板35の往復移動経路の端部にリミットスイッチ70を設け、このリミットスイッチ70によって吸入風遮蔽板35が往復移動経路の端部に至ったことが検出された場合に、駆動装置49の回転速度が自動的に変速される構成とする。
【0049】
また、吸入風遮蔽板35の移動速度を、ラジエータ14の水温に応じて変速制御する構成としてもよい。例えば、ラジエータ14の水温を検出する水温センサ71を設け、ラジエータ14の水温が低いときは、吸入風遮蔽板35の移動速度を減速する。一方、ラジエータ14の水温が上昇した場合には、吸入風遮蔽板35の移動速度を増速する。
【0050】
また、脱穀装置3および刈取部4を駆動する作業クラッチ72を入りにした場合に、吸入風遮蔽板35の移動が自動的に開始される構成としてもよい。
また、エンジン12の回転をエンジン回転センサ73で検出した場合に、吸入風遮蔽板35の移動が自動的に開始する構成としてもよい。あるいは、エンジン回転センサ73でエンジン12の回転を検出し、且つ、作業クラッチ72を入りにした場合に、吸入風遮蔽板35の移動が自動的に開始する構成としてもよい。
【0051】
尚、上述の伝動軸45はリードカム軸に形成し、駆動装置49を一定方向に駆動する構成としたが、この構成に代えて、伝動軸45を一方向の螺子溝を形成した螺子軸とし、駆動装置49を正逆転させることで吸入風遮蔽板35を前後に往復移動させる構成としてもよい。この場合には、駆動装置49の駆動回転方向をタイマーによって制御し、設定時間が経過した場合に、駆動装置49の駆動回転方向を逆向きに切り替え、これによって吸引風遮蔽板35が前後に往復移動する構成とする。また、伝動軸45の前後両端部には、この伝動軸45の螺子溝と移動部材46との係合が解除される部分を設け、伝動軸45が同一方向に回転し続けても破損を来たさない構成とする。
【0052】
また、上述の吸入風遮蔽板35は、機体の前後方向に往復移動する構成としたが、これに代えて、吸入風遮蔽板35を、上下方向に往復移動させる構成としてもよい。
尚、運転座席10への乗り降りを容易化するために、枠体21の前側上部には斜め枠33を形成しており、これに伴ってラジエータカバー20の開口部28には斜め部分が存在する。しかし、吸入風遮蔽板35は、上下に分割形成され、上側プレート40Aが其の上部を支点に回動して、下側プレート40Bに対して屈折しながら移動する。これにより、斜め枠33の内側の防塵網30も効率よく掃除できる。
【符号の説明】
【0053】
1 機体フレーム
3 脱穀装置
4 刈取装置
5 穀粒貯留装置
7 操縦部
10 運転座席
12 エンジン
13 冷却用ファン
14 ラジエータ
30 防塵網
35 吸入風遮蔽板
49 駆動装置
55 塵埃吸入口
58 副吸引風路
59 主吸引風路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)を機体フレーム(1)の下側に設け、刈取装置(4)を機体フレーム(1)の前側に設け、脱穀装置(3)と穀粒貯留装置(5)とエンジン(12)を機体フレーム(1)の上側に設けたコンバインにおいて、前記エンジン(12)で駆動される冷却用ファン(13)を該エンジン(12)の外側に設け、エンジン(12)を冷却するラジエータ(14)を冷却用ファン(13)の外側に設け、前記冷却用ファン(13)によって吸入される吸入風を濾過して塵埃の侵入を防ぐ防塵網(30)をラジエータ(14)の外側に設け、該防塵網(30)を通過する吸入風を部分的に遮蔽する吸入風遮蔽板(35)を防塵網(30)の内側面に接近させて設け、該吸入風遮蔽板(35)を防塵網(30)の内側面に沿って直線状に往復移動させる駆動装置(49)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記冷却用ファン(13)による吸入風で防塵網(30)の外側面上の塵埃を吸引する塵埃吸引口(55)を、前記吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記冷却用ファン(13)による吸入風で防塵網(30)の外側面上の塵埃を吸引する塵埃吸引口(55)を、前記吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設け、該塵埃吸引口(55)から冷却用ファン(13)に至る副吸引風路(58)を、防塵網(30)からラジエータ(14)を通過して冷却用ファン(13)に至る主吸引風路(59)から分離して設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項1】
走行装置(2)を機体フレーム(1)の下側に設け、刈取装置(4)を機体フレーム(1)の前側に設け、脱穀装置(3)と穀粒貯留装置(5)とエンジン(12)を機体フレーム(1)の上側に設けたコンバインにおいて、前記エンジン(12)で駆動される冷却用ファン(13)を該エンジン(12)の外側に設け、エンジン(12)を冷却するラジエータ(14)を冷却用ファン(13)の外側に設け、前記冷却用ファン(13)によって吸入される吸入風を濾過して塵埃の侵入を防ぐ防塵網(30)をラジエータ(14)の外側に設け、該防塵網(30)を通過する吸入風を部分的に遮蔽する吸入風遮蔽板(35)を防塵網(30)の内側面に接近させて設け、該吸入風遮蔽板(35)を防塵網(30)の内側面に沿って直線状に往復移動させる駆動装置(49)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記冷却用ファン(13)による吸入風で防塵網(30)の外側面上の塵埃を吸引する塵埃吸引口(55)を、前記吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記冷却用ファン(13)による吸入風で防塵網(30)の外側面上の塵埃を吸引する塵埃吸引口(55)を、前記吸入風遮蔽板(35)の往復移動経路の端部に設け、該塵埃吸引口(55)から冷却用ファン(13)に至る副吸引風路(58)を、防塵網(30)からラジエータ(14)を通過して冷却用ファン(13)に至る主吸引風路(59)から分離して設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−195368(P2010−195368A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45988(P2009−45988)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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