説明

サポートベクトルマシンを用いて制御ツールを制御する方法

【課題】サポートベクトルマシンを用いて製造ツールを制御する方法を提供する。
【解決手段】構造の幾何学形状を特徴付けるプロファイルパラメータによって定められる構造の形状モデルが取得される。プロファイルパラメータの値の組が取得され、これを用いて、構造から回折される光の挙動を各々が特徴付けるシミュレート回折信号の組が生成される。入力としてシミュレート回折信号の組を、予期される出力としてプロファイルパラメータの値の組を用いて、サポートベクトルマシンが訓練された後、ウェハ上に構造を製造するように製造プロセスが実行される。構造からの測定回折信号が取得され、訓練済みサポートベクトルマシンに入力される。訓練済みサポートベクトルマシンの出力として、構造のプロファイルパラメータの値が取得される。このプロファイルパラメータの値に基づいて、1つ以上のプロセスパラメータ又は製造ツールの装置設定が調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、半導体ウェハ上に形成された構造の光計測に関し、より具体的には、サポートベクトルマシンを用いて製造ツールを制御することに関する。
【背景技術】
【0002】
光計測は、入射ビームを構造に導くこと、得られた回折ビームを測定すること、及び回折ビームを分析して構造の特徴を決定することを含んでいる。半導体の製造において、光計測は一般的に品質保証のために用いられている。光計測は、例えば、半導体ウェハ上の半導体チップに近接して周期的格子を製造した後、周期的格子のプロファイルを決定するために用いられる。周期的格子のプロファイルを決定することにより、この周期的格子、そして更には、この周期的格子に近接する半導体チップ、を形成するために使用された製造プロセスの品質を評価することができる。
【0003】
1つの従来の光計測システムは、回折ビームを分析するために、例えば厳密結合波解析(rigorous coupled-wave analysis;RCWA)等の回折モデル化技術を用いている。より具体的には、回折モデル化技術においては、マクスウェル方程式を解くことに部分的に基づいてモデル回折信号が計算される。モデル回折信号を計算することは、多数の複雑な計算を実行することを必要とし、時間消費型且つ高コストなものになり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、サポートベクトルマシンを用いて制御ツールを制御する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
典型的な一実施形態において、製造ツールがサポートベクトルマシンを用いて制御される。構造の形状モデルが取得される。形状モデルは構造の幾何学形状を特徴付けるプロファイルパラメータによって定められる。プロファイルパラメータの値の組が取得される。プロファイルパラメータの値の組を用いて、シミュレート回折信号の組が生成される。各シミュレート回折信号は構造から回折される光の挙動を特徴付ける。サポートベクトルマシンが、シミュレート回折信号の組を該サポートベクトルマシンへの入力として用い、且つプロファイルパラメータの値の組を該サポートベクトルマシンの予期される出力として用いて訓練される。サポートベクトルマシンが訓練された後、ウェハ上に構造を製造するよう、製造ツールを用いて製造プロセスが実行される。構造からの測定回折信号が取得される。訓練済みサポートベクトルマシンに測定回折信号が入力される。訓練済みサポートベクトルマシンからの出力として、構造のプロファイルパラメータの値が取得される。取得されたプロファイルパラメータの値に基づいて、1つ以上のプロセスパラメータ又は製造ツールの装置設定が調整される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、添付の図面に関連付けて説明される以下の詳細な説明を参照することによって、より十分に理解される。図面において、似通った部分は似通った参照符号によって参照される。
【0007】
以下の説明にて、数多くの具体的な構成及びパラメータ等を説明する。しかしながら、認識されるべきことには、この説明は本発明の範囲を限定するためではなく、典型的な実施形態を説明するために提示されるものである。
【0008】
図1を参照するに、光計測システム100は、構造の検査及び分析を行うために使用されることができる。例えば、光計測システム100は、ウェハ104上に形成された周期的格子102の特徴を決定するために使用され得る。上述のように、周期的格子102は、例えばウェハ104上に形成されたデバイスの隣などの、ウェハ104上の検査領域に形成されることができる。他の例では、周期的格子102は、デバイス動作を妨げないデバイス領域内、あるいはウェハ104のスクライブラインに沿って形成されることもできる。
【0009】
図1に示されているように、光計測システム100は、光源106及び検出器112を有する光計測装置を含み得る。周期的格子102は光源106からの入射ビーム108によって照らされる。この典型的な実施形態においては、入射ビーム108は、周期的格子102の法線(ベクトルn)に対して入射角θで、且つ方位(アジマス)角(すなわち、入射ビーム108の平面と、周期的格子102の周期性の方向との間の角度)Φで、周期的格子102上に導かれている。回折ビーム110は法線(ベクトルn)に対して角度θで出射され、検出器112によって受光される。検出器112は回折ビーム110を測定による測定回折信号に変換する。測定回折信号は、反射率、tan()、cos()、フーリエ係数などを含み得る。しかしながら、認識されるべきことには、入射ビーム108は、周期的格子102上にそれに垂直に導かれることもできる。
【0010】
光計測システム100はまた、サポートベクトルマシン116を備えた処理モジュール114を含んでいる。処理モジュール114は、測定回折信号を受信し、この測定回折信号及びサポートベクトルマシン116を用いて構造102の1つ以上の特徴を決定するように構成されている。
【0011】
図2を参照するに、半導体ウェハ上に形成された構造の1つ以上の特徴を決定する典型的なプロセス200が示されている。段階202にて、構造の形状モデルが取得される。形状モデルは、詳細に後述されるように、構造の幾何学形状を特徴付けるプロファイルパラメータによって定められる。
【0012】
例えば、図3Aに示されているように、形状モデル300は、構造の高さ及び幅をそれぞれ定義するプロファイルパラメータh1及びw1によって定められる。図3B−3Eに示されているように、形状モデル300を定めるプロファイルパラメータの数を増やすことによって、構造の更なる形状及び特徴を特徴付けることが可能である。例えば、図3Bに示されているように、形状モデル300は、構造の高さ、底部幅及び頂部幅を定義するプロファイルパラメータh1、w1及びw2によって定められ得る。なお、形状モデル300のプロファイルパラメータw1又はw2は、それぞれ、底部の臨界寸法(底部CD)及び頂部CDと呼ばれる。認識されるように、形状モデル300を定めるために、入射角度(AOI)、ピッチ、n及びk、ハードウェアのパラメータ(例えば、偏光子の角度)、及びこれらに類するものを含む様々な種類のプロファイルパラメータが使用され得る。
【0013】
用語“一次元構造”は、ここでは、1つの次元に変化するプロファイルを有する構造を呼ぶために使用される。例えば、図4Aは、1つの次元(すなわち、x方向)に変化するプロファイルを有する周期的格子を示している。図4Aに示された周期的格子のプロファイルは、x方向の関数としてz方向に変化している。しかしながら、図4Aに示された周期的格子のプロファイルは、y方向には実質的に均一あるいは連続的であると想定される。
【0014】
用語“二次元構造”は、ここでは、2つの次元に変化するプロファイルを有する構造を呼ぶために使用される。例えば、図4Bは、2つの次元(すなわち、x方向及びy方向)に変化するプロファイルを有する周期的格子を示している。図4Bに示された周期的格子のプロファイルはz方向に変化している。
【0015】
図5Aは、二次元反復構造の単位セル群から成る典型的な直交格子の上面図を示している。仮説的な格子線が反復構造の上面図に重ね合わされており、格子線は周期性の方向に沿って引かれている。仮説的な格子線は単位セル群と呼ぶ領域群を形成している。単位セル群は直交配置又は非直交配置に配列され得る。二次元反復構造は、繰り返しのポスト群、コンタクトホール群、ビア群、アイランド群、又は単位セル内の2つ以上の形状の組み合わせ等の造形部を有し得る。さらに、造形部は多様な形状を有していてもよく、また、凹状若しくは凸状の造形部、又は凹状及び凸状の造形部の組み合わせであってもよい。図5Aを参照するに、反復構造500は、直交するように配列された孔群を有する単位セル群を有している。単位セル502は、全ての造形部及び要素を該単位セル502内に含んでおり、該単位セル502の実質的中心に孔504を有している。
【0016】
図5Bは、二次元反復構造の上面図を示している。単位セル510は凹状の楕円形の孔を含んでいる。図5Bは、孔の底に向かって寸法が徐々に小さくなる楕円形の孔を有する造形部520を備えた単位セル510を示している。この構造を特徴付けるために使用されるプロファイルパラメータは、Xピッチ510及びYピッチ514を含んでいる。また、造形部520の頂部を表す楕円の長軸516と、造形部520の底部を表す楕円の長軸518が、造形部520を特徴付けるために使用されてもよい。さらに、造形部の頂部と底部との間にある如何なる長軸、及び頂部、底部若しくはその中間部の楕円の如何なる短軸(図示せず)も用いられ得る。
【0017】
図5Cは、二次元反復構造の上面図を特徴付けるための典型的な技術を示している。反復構造の単位セル530は、上から見るとピーナッツ型をしたアイランドである造形部532を有している。1つのモデル化手法は、様々な数の楕円形及び多角形、又はそれらの組み合わせを用いて造形部532を近似することを含む。さらに、造形部532の上面形状の変動性を分析した後、楕円形1及び楕円形2である2つの楕円形、及び多角形1及び多角形2である2つの多角形によって造形部532が完全に特徴付けられることが判明したとする。そのとき、2つの楕円形及び2つの多角形を特徴付けるのに必要なパラメータは、以下の9個のパラメータを有する:楕円形1のT1及びT2;多角形1のT3、T4及びθ;多角形2のT4、T5及びθ;並びに楕円形2のT6及びT7。数多くのその他の形状の組み合わせが、単位セル530内の造形部532の上面を特徴付けるために使用されてもよい。二次元反復構造のモデル化についての更なる詳細は、Vuong等によって「OPTICAL METROLOGY OPTIMIZATION FOR REPETITIVE STRUCTURES」という発明名称で2004年4月27日に出願された米国特許出願第11/061303号明細書に記載されている。なお、この文献は参照することによりその全体がここに組み込まれる。
【0018】
一実施形態において、プロファイルパラメータ間の相関が決定される。形状モデルを定めるために使用されるプロファイルパラメータは、決定された相関に基づいて選択される。具体的には、所望の相関量に満たない相関を有するプロファイルパラメータが選択される。プロファイルパラメータの相関を決定するために多変量解析が使用され得る。多変量解析は、線形解析又は非線形解析を含み得る。また、多変量解析は、主成分分析(Principal Components Analysis;PCA)、独立成分分析(Independent Component Analysis)、相互相関分析、線形近似分析、及びこれらに類するものを含み得る。複数のプロファイルパラメータの相関を決定する方法の詳細な説明に関しては、Vuong等によって「TRANSFORMING METROLOGY DATA FROM A SEMICONDUCTOR TREATMENT SYSTEM USING MULTIVARIATE ANALYSIS」という発明名称で2006年5月8日に出願された米国特許出願第11/349773号明細書を参照し得る。なお、この文献は参照することによりその全体がここに組み込まれる。
【0019】
段階204にて、プロファイルパラメータの一組の値が取得される。この組内のプロファイルパラメータの値は、実験的あるいは経験的にの何れかで決定されることができる。例えば、検査される構造の頂部の幅(すなわち、頂部CD)が或る値域内で変動すると予期される場合、その値域内の多数の異なる値が、段階204にて取得される組として使用される。例えば、頂部CDが、例えば80nmと110nmとの間など、30nmの範囲内で変動すると予期されると仮定する。80nmから110nmの範囲内での頂部CDの多数の異なる値が、段階204におけるプロファイルパラメータの値の組として使用される。
【0020】
段階206にて、プロファイルパラメータの値の組を用いて、一組のシミュレーションによる回折信号が生成される。シミュレーションによるシミュレート回折信号の各々は、構造から回折される光の挙動を特徴付ける。典型的な一実施形態において、シミュレート回折信号は、プロファイルパラメータを入力として、例えば厳密結合波解析(RCWA)等の数値解析技術を用いてシミュレート回折信号を計算することによって生成され得る。典型的な他の一実施形態において、シミュレート回折信号は、例えば逆伝搬、放射基底関数、サポートベクトル、カーネル回帰、及びこれらに類するもの等の、機械学習アルゴリズムを用いて生成され得る。更なる詳細は、2005年9月13日に発行された「GENERATION OF A LIBRARY OF PERIODIC GRATING DIFFRACTION SIGNAL」という発明名称のNiu等の米国特許第6913900号の明細書を参照し得る。なお、この文献は参照することによりその全体がここに組み込まれる。
【0021】
段階208にて、シミュレート回折信号の組をサポートベクトルマシンへの入力として用い、且つプロファイルパラメータの値の組をサポートベクトルマシンの予期される出力として用い、サポートベクトルマシンが訓練される。シミュレート回折信号の組をサポートベクトルマシンへの入力として、プロファイルパラメータの値の組をサポートベクトルマシンの予期される出力として用いることにより、サポートベクトルマシンは、これら2つの組の間の関数を学習する。より具体的には、典型的な一実施形態において、サポートベクトルマシンはカーネル関数を用いて、プロファイルパラメータの値の組と非線形の関係を有するシミュレート回折信号の組を、プロファイルパラメータの値の組に対して線形な関係を有する造形部空間に転送する(Wang、「Support Vector Machine −An Introduction」(2005年、Support Vector Machine:Theory and Applications、p.1-45を参照し得る)。
【0022】
サポートベクトルマシンの精度は、典型的に、この訓練過程に使用されるシミュレート回折信号及びプロファイルパラメータの値の数を増加させることによって向上される。この訓練過程を高速化するため、シーケンシャル最小最適化(sequential minimal optimization)プロセスが使用され得る(Platt、「Fast Training of Support Vector Machines using Sequential Minimal Optimization」、1999年、Advances in kernel methods:support vector learning、p.185-208を参照し得る)。
【0023】
典型的な一実施形態において、訓練過程の後、サポートベクトルマシンは、シミュレート回折信号の試験セット及びプロファイルパラメータの値の試験セットを用いて、試験されることが可能である。より具体的には、プロファイルパラメータの値の試験セットが取得される。好ましくは、試験セット内のプロファイルパラメータの値は、訓練のために使用された値の組にて使用された値とは異なるものにされる。しかしながら、試験セットにて使用される値は、訓練のために使用された値域の範囲内である。シミュレート回折信号の試験セットは、プロファイルパラメータの値の試験セットを用いて生成される。シミュレート回折信号の試験セットはサポートベクトルマシンに入力され、プロファイルパラメータの値の出力セットが生成される。そして、この出力セットがプロファイルパラメータの値の試験セットと比較され、サポートベクトルマシンの精度が決定される。
【0024】
図6A及び6Bは、30nmの頂部CD範囲の2000訓練点(すなわち、訓練のために使用される組内のプロファイルパラメータの2000個の値、及び訓練のために使用される組内の2000個のシミュレート回折信号)を用いて訓練されたサポートベクトルマシンの精度を示すグラフである。図6A及び6Bに示された精度は、サポートベクトルマシンへの入力として使用されたシミュレート回折信号に対応する頂部CD値である頂部CDの期待値と、サポートベクトルマシンの出力として生成された頂部CDの値との間の差として決定されたものである。図6Aにおいては、サポートベクトルマシンの精度を試験するために500個の試験点が使用されている。図6Bにおいては、サポートベクトルマシンの精度を試験するために2500個の試験点が使用されている。
【0025】
サポートベクトルマシンの精度が試験過程における1つ以上の精度基準を満たさない場合、サポートベクトルマシンは再訓練され得る。典型的な一実施形態において、サポートベクトルマシンは、試験過程にて使用されたシミュレート回折信号及びプロファイルパラメータの値のうちの1つ以上を用いて再訓練され得る。
【0026】
例えば、図6Bを参照するに、幾つかの試験点は正規化された値で0.1nm及び−0.1nmを超過して描かれている。故に、精度基準が、0.1nm又は−0.1nmを超える試験点がないことというものである場合、サポートベクトルマシンは再訓練される。典型的な一実施形態において、0.1nm又は−0.1nmを超えた試験点に対応するプロファイルパラメータの値及びシミュレート回折信号が、サポートベクトルマシンを再訓練することに使用される。認識されるように、サポートベクトルマシンが再訓練されるべきかを決定することには、様々な精度基準が使用され得る。例えば、0.1nm又は−0.1nmを超えた試験点の最大数が精度基準として用いられてもよい。
【0027】
典型的な一実施形態において、この試験過程は、試験のために使用されるシミュレート回折信号にノイズ信号を導入することを含んでいてもよい。例えば、図6Cは、試験セットのシミュレート回折信号に0.002(σ)のノイズレベルを導入した500個の試験点を示している。図6Cに示された精度は、サポートベクトルマシンへの入力として使用されたシミュレート回折信号に対応する頂部CD値である頂部CDの期待値と、サポートベクトルマシンの出力として生成された頂部CDの値との間の差として決定されたものである。図6Cの精度の値は正規化された値である。
【0028】
サポートベクトルマシンが訓練され、試験され、且つ/或いは再訓練されると、サポートベクトルマシンを用いて構造の1つ以上の特徴が決定され得る。具体的には、段階210にて、構造からの測定回折信号が取得される。サポートベクトルマシンは既に訓練されており、段階212にて、測定回折信号は訓練済みのサポートベクトルマシンに入力される。段階212後の段階214にて、構造のプロファイルパラメータの値が、訓練済みサポートベクトルマシンからの出力として取得される。
【0029】
図7は、構造の特徴(この例では中間部のCD)を決定するためにサポートベクトルマシン(SVM)及びCD−走査型電子顕微鏡(CD−SEM)を用いることにより得られた結果を比較するグラフを示している。具体的には、横軸は、サポートベクトルマシンを用いて決定された中間部CDの値に相当している。縦軸は、CD−SEMを用いて決定された中間部CDの値に相当している。中間部CDの値はnm単位で表されており、正規化されていない。図7に示されるように、結果はR値で0.9962であった。
【0030】
典型的な一実施形態において、プロファイルパラメータの値は正規化された値である。より具体的には、段階204にて取得されたプロファイルパラメータの値は正規化される。サポートベクトルマシンは、段階208にて、正規化されたプロファイルパラメータの値を用いて訓練される。故に、段階214にて訓練済みのサポートベクトルマシンからの出力として取得されるプロファイルパラメータの値は正規化された値である。この典型的な実施形態においては、段階214にて取得された正規化された値は非正規化される。
【0031】
典型的な一実施形態において、シミュレート回折信号は、信号パラメータの標準セットを用いて定められる。この標準セットは、構造上で反射されるときの光強度の変化を特徴付ける反射パラメータと、構造上で反射されるときの光の偏光状態の変化を特徴付ける偏光パラメータとを含む。
【0032】
この典型的な実施形態においては、信号パラメータの標準セットの反射パラメータは、光の複素反射係数の絶対値の二乗平均に相当する。偏光パラメータは、Rに正規化された複素反射係数の絶対値の二乗間の差の半分を特徴付ける第1のパラメータ(N)と、Rに正規化された2つの複素反射係数の干渉の虚部を特徴付ける第2のパラメータ(S)と、Rに正規化された2つの複素反射係数の干渉の実部を特徴付ける第3のパラメータ(C)とを含む。故に、信号パラメータの標準セットはパラメータ(R、NSC)を含む。
【0033】
この典型的な実施形態においては、段階206にて生成されたシミュレート回折信号は、信号パラメータ(R、NSC)の標準セットを用いて定められる。サポートベクトルマシンは、段階208にて、信号パラメータ(R、NSC)の標準セットを用いて定められたシミュレート回折信号を用いて訓練される。測定回折信号が、光強度の変化のみを測定する例えば分光反射率計などの反射率計を用いて測定されるとき、処理モジュール114は信号パラメータの標準セットの反射パラメータのみを使用する。測定回折信号が、光の強度及び偏光状態の変化を測定する例えば回転補償子型偏光解析装置(RCE)などの偏光解析装置(エリプソメータ)を用いて測定されるとき、処理モジュール114は信号パラメータの標準セットの反射パラメータ及び偏光パラメータを使用する。
【0034】
図8を参照するに、半導体ウェハ上の構造の1つ以上の特徴を決定する典型的なプロセス800が示されている。段階802にて、構造の形状モデルが取得される。形状モデルは、上述のように、構造の幾何学形状を特徴付けるプロファイルパラメータによって定められる。段階804にて、プロファイルパラメータの訓練セットが取得される。段階806にて、プロファイルパラメータの値の訓練セットを用いて、シミュレート回折信号の訓練セットが生成される。各シミュレート回折信号は、上述のように、構造から回折される光の挙動を特徴付ける。段階808にて、プロファイルパラメータの値の訓練セットをサポートベクトルマシンへの入力として用い、且つシミュレート回折信号の訓練セットをサポートベクトルマシンの予期される出力として用い、サポートベクトルマシンが訓練される。
【0035】
上述のように、訓練過程の後、サポートベクトルマシンは、シミュレート回折信号の試験セット及びプロファイルパラメータの値の試験セットを用いて、試験されることが可能である。やはり上述のように、サポートベクトルマシンの精度が試験過程における1つ以上の精度基準を満たさない場合、サポートベクトルマシンは再訓練され得る。
【0036】
サポートベクトルマシンが訓練され、試験され、且つ/或いは再訓練されると、サポートベクトルマシンを用いて構造の1つ以上の特徴が決定され得る。具体的には、段階810にて、構造からの測定回折信号が取得される。段階812にて、プロファイルパラメータの値の組を訓練済みのサポートベクトルマシンへの入力として用いて、シミュレート回折信号が生成される。段階814にて、測定回折信号が、段階812にて生成されたシミュレート回折信号と比較される。測定回折信号とシミュレート回折信号とが1つ以上の整合基準内で整合するとき、構造のプロファイルパラメータの値はシミュレート回折信号を生成するために段階812にて使用されたプロファイルパラメータの値の組であると決定される。
【0037】
上述のように、典型的な一実施形態において、プロファイルパラメータの値は正規化された値である。やはり上述のように、典型的な一実施形態において、シミュレート回折信号は、信号パラメータ(R、NSC)の標準セットを用いて定められる。
【0038】
典型的な一実施形態においては、段階812にて、プロファイルパラメータの値の相異なる組を、訓練済みのサポートベクトルマシンへの入力として用いて、複数のシミュレート回折信号が生成される。各シミュレート回折信号は、そのシミュレート回折信号を生成するために使用されたプロファイルパラメータの値の組に関連付けられる。複数のシミュレート回折信号、プロファイルパラメータの値の相異なる組、及び各シミュレート回折信号とそのシミュレート回折信号を生成するために使用されたプロファイルパラメータの値の組との関連性は、ライブラリー118(図1)に記憶される。
【0039】
この典型的な実施形態においては、段階814にて、測定回折信号とシミュレート回折信号とが1つ以上の整合基準内で整合しないとき、測定回折信号は、シミュレート回折信号のライブラリー118(図1)からの別のシミュレート回折信号と比較される。測定回折信号と該別のシミュレート回折信号とが1つ以上の整合基準内で一致するとき、構造のプロファイルパラメータの値は、ライブラリー118(図1)内の該シミュレート回折信号に関連付けられたプロファイルパラメータの値の組であると決定される。
【0040】
典型的な他の一実施形態においては、段階814にて、測定回折信号とシミュレート回折信号とが1つ以上の整合基準内で整合しないとき、プロファイルパラメータの異なる値の組を訓練されたサポートベクトルマシンへの入力として用いて、別のシミュレート回折信号が生成される。測定回折信号は該別のシミュレート回折信号と比較される。測定回折信号と該別のシミュレート回折信号とが1つ以上の整合基準内で一致するとき、構造のプロファイルパラメータの値は、該別のシミュレート回折信号を生成するために使用されたプロファイルパラメータの異なる値の組であると決定される。
【0041】
図9は、ウェハ上に構造を製造するために使用される第1の製造ツールを制御する典型的なプロセスを示している。段階902にて、構造の形状モデルが取得される。上述のように、プロファイルパラメータが構造の幾何学形状を特徴付ける。段階904にて、プロファイルパラメータの値の組が取得される。段階906にて、プロファイルパラメータの値の組を用いて、シミュレート回折信号の組が生成される。各シミュレート回折信号は、構造から回折される光の挙動を特徴付ける。段階908にて、シミュレート回折信号の組をサポートベクトルマシンへの入力として用い、且つプロファイルパラメータの値の組をサポートベクトルマシンの予期される出力として用い、サポートベクトルマシンが訓練される。
【0042】
サポートベクトルマシンが訓練された後、段階910にて、ウェハ上に構造を製造するために、第1の製造ツールを用いて製造プロセスが実行される。段階912にて、第1の製造ツールを用いて構造が製造された後、構造からの測定回折信号が取得される。段階914にて、測定回折信号がサポートベクトルマシンに入力される。段階914の後の段階916にて、訓練済みのサポートベクトルマシンからの出力として、構造のプロファイルパラメータの値が取得される。段階918にて、段階916にて取得されたプロファイルパラメータの値に基づいて、1つ以上のプロセスパラメータ又は第1の製造ツールの装置設定が調整される。
【0043】
典型的な一実施形態において、1つ以上のプロセスパラメータ又は第2の製造ツールの装置設定が、段階916にて取得されたプロファイルパラメータの1つ以上の値に基づいて調整される。第2の製造ツールは、第1の製造ツールにて処理された後、あるいは処理される前のウェハを処理することができる。
【0044】
例えば、第1の製造ツール及び第2の製造ツールは、フォトリソグラフィ、エッチング、熱処理、メタライゼーション、イオン注入、化学的気相成長、化学的機械的研磨、及びこれらに類する処理を実行するように構成され得る。具体的には、第1の製造ツールはフォトリソグラフィプロセスの現像工程を実行するように構成され、第2の製造ツールは、フォトリソグラフィプロセスの、現像工程に先立って行われる露光工程を実行するように構成されてもよい。他の例では、第1の製造ツールはフォトリソグラフィプロセスの現像工程を実行するように構成され、第2の製造ツールは、フォトリソグラフィプロセスの、現像工程に続いて行われるエッチング工程を実行するように構成されてもよい。
【0045】
図10は、半導体ウェハ上への構造の製造を制御する典型的なシステム1000を示している。システム1000は、第1の製造ツール1002及び光計測システム1004を含んでいる。システム1000はまた、第2の製造ツール1006を含んでいてもよい。図10においては、第2の製造ツール1006は第1の製造ツール1002に続いているように描かれているが、認識されるように、第2の製造ツール1006はシステム1000内で第1の製造ツール1002の前に配置されてもよい。
【0046】
光計測システム1004は、光計測装置1008、サポートベクトルマシン1010、及びプロセッサ1012を含んでいる。光計測装置1008は構造からの回折信号を測定するように構成されている。光計測装置1008は反射率計、偏光解析装置及びこれらに類するものであり得る。
【0047】
上述のように、サポートベクトルマシン1010は、該サポートベクトルマシンの入力としてシミュレート回折信号の組を用い、且つ該サポートベクトルマシンの予期される出力としてプロファイルパラメータの値の組を用いて、訓練されることが可能である。シミュレート回折信号の組は、構造の幾何学形状を特徴付けるプロファイルパラメータの値の組を用いて生成される。
【0048】
プロセッサ1012は、測定回折信号をサポートベクトルマシン1010に入力するように構成されている。プロセッサ1012は、サポートベクトルマシン1010からの出力として、構造のプロファイルパラメータの値を取得するように構成されている。プロセッサ1012はまた、取得されたプロファイルパラメータの値に基づいて、1つ以上のプロセスパラメータ又は第1の製造ツール1002の装置設定を調整するように構成されている。上述のように、プロセッサ1012はまた、取得されたプロファイルパラメータの値に基づいて、1つ以上のプロセスパラメータ又は第2の製造ツール1006の装置設定を調整するように構成されていてもよい。
【0049】
以上の本発明の具体的な実施形態の説明は、例示及び説明の目的で提示されたものである。これらは網羅的なものでも、本発明を開示されたままの形態に限定するものでもない。理解されるように、以上の教示を受けることにより、数多くの変更や変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】典型的な光計測システムを示す図である。
【図2】半導体ウェハ上に形成された構造を検査する典型的なプロセスを示す図である。
【図3A】典型的な形状モデルを示す図である。
【図3B】典型的な形状モデルを示す図である。
【図3C】典型的な形状モデルを示す図である。
【図3D】典型的な形状モデルを示す図である。
【図3E】典型的な形状モデルを示す図である。
【図4A】典型的な一次元構造を示す図である。
【図4B】典型的な二次元構造を示す図である。
【図5A】二次元構造の典型的な形状モデルを示す図である。
【図5B】二次元構造の典型的な形状モデルを示す図である。
【図5C】二次元構造の典型的な形状モデルを示す図である。
【図6A】サポートベクトルマシンの精度を示すグラフである。
【図6B】サポートベクトルマシンの精度を示すグラフである。
【図6C】サポートベクトルマシンの精度を示すグラフである。
【図7】サポートベクトルマシン及び臨界寸法−走査型電子顕微鏡(CD−SEM)を用いたときの結果の比較を示す図である。
【図8】半導体ウェハ上の構造を検査する他の典型的なプロセスを示す図である。
【図9】製造ツールを制御する典型的なプロセスを示す図である。
【図10】製造ツールを制御するシステムを示す図である。
【符号の説明】
【0051】
100、1004 光計測システム
102、500 構造(周期的格子)
104 ウェハ
106 光源
108 入射ビーム
110 回折ビーム
112 検出器
114 処理モジュール
116、1010 サポートベクトルマシン
118 ライブラリー
300 形状モデル
502、510、530 単位セル
1000 システム
1002、1006 製造ツール
1008 光計測装置
1012 プロセッサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェハ上に形成された構造の1つ以上の特徴を決定する方法であって:
a)前記構造の形状モデルを取得する取得段階であり、該形状モデルは前記構造の幾何学形状を特徴付けるプロファイルパラメータによって定められる、取得段階;
b)前記プロファイルパラメータの値の組を取得する段階;
c)前記プロファイルパラメータの前記値の組を用いて、シミュレーションによるシミュレート回折信号の組を生成する生成段階であり、各シミュレート回折信号は前記構造から回折される光の挙動を特徴付ける、生成段階;
d)サポートベクトルマシンを訓練する訓練段階であり、前記シミュレート回折信号の組を該サポートベクトルマシンへの入力として用い、且つ前記プロファイルパラメータの前記値の組を該サポートベクトルマシンの予期される出力として用いる訓練段階;
e)前記構造からの測定による測定回折信号を取得する段階;
f)訓練済みサポートベクトルマシンに前記測定回折信号を入力する段階;及び
g)段階f)の後に、前記訓練済みサポートベクトルマシンからの出力として、前記構造のプロファイルパラメータの値を取得する段階;
を有する方法。
【請求項2】
前記シミュレート回折信号の組は、
前記構造上で反射されるときの光の強度の変化を特徴付ける反射パラメータ、並びに
前記構造上で反射されるときの光の偏光状態の変化を特徴付ける偏光パラメータであり:
偏光解消効果で平均化され且つ前記反射パラメータに正規化された複素反射係数の絶対値の二乗の間の差を特徴付ける第1偏光パラメータ;
偏光解消効果で平均化され且つ前記反射パラメータに正規化された複素反射係数の干渉の虚部を特徴付ける第2偏光パラメータ;及び
偏光解消効果で平均化され且つ前記反射パラメータに正規化された複素反射係数の干渉の実部を特徴付ける第3偏光パラメータ;
を有する偏光パラメータ、
を含む信号パラメータの標準セットを用いて生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
段階d)の後に、ウェハ上に前記構造を製造するために、第1の製造ツールを用いて製造プロセスを実行する段階;及び
段階g)の後に、段階g)にて取得された前記プロファイルパラメータの値に基づいて、1つ以上のプロセスパラメータ又は前記第1の製造ツールの装置設定を調整する段階;
を更に有する請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
段階g)にて決定された前記プロファイルパラメータの値に基づいて、1つ以上のプロセスパラメータ又は第2の製造ツールの装置設定を調整する段階;
を更に有する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の製造ツールは前記第2の製造ツールに先立って前記ウェハを処理する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の製造ツールは前記第2の製造ツールに続いて前記ウェハを処理する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
プロファイルパラメータの値を正規化する正規化段階であり、前記シミュレート回折信号の組が、正規化されたプロファイルパラメータの値を用いて生成される、正規化段階;及び
段階g)にて取得された前記プロファイルパラメータの値を非正規化する段階;
を更に有する請求項1乃至6の何れかに記載の方法。
【請求項8】
前記シミュレート回折信号の組はモデル化技術を用いて生成される、請求項1乃至7の何れかに記載の方法。
【請求項9】
前記モデル化技術は、厳密結合波解析法、積分法、フレネル法、有限解析法、又はモード解析法を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
プロファイルパラメータの相関を決定する段階;及び
決定された相関に基づいて、段階a)にて前記形状モデルを定めるために使用されるプロファイルパラメータを選択する段階;
を更に有する請求項1乃至9の何れかに記載の方法。
【請求項11】
前記サポートベクトルマシンは、段階d)にて、シーケンシャル最小最適化法を用いて訓練される、請求項1乃至10の何れかに記載の方法。
【請求項12】
段階d)の後、且つ段階e)の前に:
シミュレート回折信号の試験セット及びプロファイルパラメータの値の試験セットを取得する段階;
前記シミュレート回折信号の試験セットを前記サポートベクトルマシンへの入力として用い、且つ前記プロファイルパラメータの値の試験セットを前記サポートベクトルマシンの予期される出力として用いて、前記サポートベクトルマシンを試験する段階;及び
1つ以上の精度基準が満たされない場合、前記試験セット内の1つ以上のシミュレート回折信号、及び前記試験セット内の1つ以上のプロファイルパラメータの値を用いて、前記サポートベクトルマシンを再訓練する段階;
を更に有する請求項1乃至11の何れかに記載の方法。
【請求項13】
前記サポートベクトルマシンを試験する前に、前記試験セット内のシミュレート回折信号にノイズ信号を挿入する段階;
を更に有する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
半導体ウェハ上に形成された構造の1つ以上の特徴を決定するためのコンピュータプログラムであって:
a)前記構造の形状モデルを取得する取得段階であり、該形状モデルは前記構造の幾何学形状を特徴付けるプロファイルパラメータによって定められる、取得段階;
b)前記プロファイルパラメータの値の組を取得する段階;
c)前記プロファイルパラメータの前記値の組を用いて、シミュレーションによるシミュレート回折信号の組を生成する生成段階であり、各シミュレート回折信号は前記構造から回折される光の挙動を特徴付ける、生成段階;
d)サポートベクトルマシンを訓練する訓練段階であり、前記シミュレート回折信号の組を該サポートベクトルマシンへの入力として用い、且つ前記プロファイルパラメータの前記値の組を該サポートベクトルマシンの予期される出力として用いる訓練段階;
e)前記構造からの測定による測定回折信号を取得する段階;
f)訓練済みサポートベクトルマシンに前記測定回折信号を入力する段階;及び
g)段階f)の後に、前記訓練済みサポートベクトルマシンからの出力として、前記構造のプロファイルパラメータの値を取得する段階;
のための命令を有するコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記シミュレート回折信号の組は、
前記構造上で反射されるときの光の強度の変化を特徴付ける反射パラメータ、並びに
前記構造上で反射されるときの光の偏光状態の変化を特徴付ける偏光パラメータであり:
偏光解消効果で平均化され且つ前記反射パラメータに正規化された複素反射係数の絶対値の二乗の間の差を特徴付ける第1偏光パラメータ;
偏光解消効果で平均化され且つ前記反射パラメータに正規化された複素反射係数の干渉の虚部を特徴付ける第2偏光パラメータ;及び
偏光解消効果で平均化され且つ前記反射パラメータに正規化された複素反射係数の干渉の実部を特徴付ける第3偏光パラメータ;
を有する偏光パラメータ、
を含む信号パラメータの標準セットを用いて生成される、請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
段階d)の後に、ウェハ上に前記構造を製造するために、第1の製造ツールを用いて製造プロセスを実行する段階;及び
段階g)の後に、段階g)にて取得された前記プロファイルパラメータの値に基づいて、1つ以上のプロセスパラメータ又は前記第1の製造ツールの装置設定を調整する段階;
のための命令を更に有する請求項14又は15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
段階g)にて決定された前記プロファイルパラメータの値に基づいて、1つ以上のプロセスパラメータ又は第2の製造ツールの装置設定を調整する段階;
のための命令を更に有する請求項16に記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
プロファイルパラメータの値を正規化する正規化段階であり、前記シミュレート回折信号の組が、正規化されたプロファイルパラメータの値を用いて生成される、正規化段階;及び
段階g)にて取得された前記プロファイルパラメータの値を非正規化する段階;
のための命令を更に有する請求項14乃至17の何れかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
プロファイルパラメータの相関を決定する段階;及び
決定された相関に基づいて、段階a)にて前記形状モデルを定めるために使用されるプロファイルパラメータを選択する段階;
のための命令を更に有する請求項14乃至18の何れかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
前記サポートベクトルマシンは、段階d)にて、シーケンシャル最小最適化法を用いて訓練される、請求項14乃至19の何れかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項21】
段階d)の後、且つ段階e)の前に、シミュレート回折信号の試験セット及びプロファイルパラメータの値の試験セットを取得する段階;
前記シミュレート回折信号の試験セットを前記サポートベクトルマシンへの入力として用い、且つ前記プロファイルパラメータの値の試験セットを前記サポートベクトルマシンの予期される出力として用いて、前記サポートベクトルマシンを試験する段階;及び
1つ以上の精度基準が満たされない場合、前記試験セット内の1つ以上のシミュレート回折信号、及び前記試験セット内の1つ以上のプロファイルパラメータの値を用いて、前記サポートベクトルマシンを再訓練する段階;
のための命令を更に有する請求項14乃至20の何れかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項22】
前記サポートベクトルマシンを試験する前に、前記試験セット内のシミュレート回折信号にノイズ信号を挿入する段階;
のための命令を更に有する請求項21に記載のコンピュータプログラム。
【請求項23】
半導体ウェハ上に形成された構造の1つ以上の特徴を決定するシステムであって:
回折信号を測定するように構成された光計測装置;
シミュレーションによるシミュレート回折信号の組を入力として用い、且つプロファイルパラメータの値の組を予期される出力として用いて訓練されるサポートベクトルマシンであり、前記シミュレート回折信号の組は、前記プロファイルパラメータの前記値の組を用いて生成されており、且つ前記プロファイルパラメータは前記構造の幾何学形状を特徴付けるものである、サポートベクトルマシン;及び
訓練済みサポートベクトルマシンに測定回折信号を入力し、該訓練済みサポートベクトルマシンからの出力として前記構造のプロファイルパラメータの値を取得するように構成されたプロセッサ;
を有するシステム。
【請求項24】
前記シミュレート回折信号の組は、
前記構造上で反射されるときの光の強度の変化を特徴付ける反射パラメータ、並びに
前記構造上で反射されるときの光の偏光状態の変化を特徴付ける偏光パラメータであり:
偏光解消効果で平均化され且つ前記反射パラメータに正規化された複素反射係数の絶対値の二乗の間の差を特徴付ける第1偏光パラメータ;
偏光解消効果で平均化され且つ前記反射パラメータに正規化された複素反射係数の干渉の虚部を特徴付ける第2偏光パラメータ;及び
偏光解消効果で平均化され且つ前記反射パラメータに正規化された複素反射係数の干渉の実部を特徴付ける第3偏光パラメータ;
を有する偏光パラメータ、
を含む信号パラメータの標準セットを用いて生成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記ウェハ上に前記構造を製造するために製造プロセスを実行するように構成された第1の製造ツールを更に有し、前記プロセッサは、取得された前記プロファイルパラメータの値に基づいて、1つ以上のプロセスパラメータ又は前記第1の製造ツールの装置設定を調整するように構成されている、請求項23又は24に記載のシステム。
【請求項26】
前記ウェハに製造プロセスを実行するように構成された第2の製造ツールを更に有し、前記プロセッサは、取得された前記プロファイルパラメータの値に基づいて、1つ以上のプロセスパラメータ又は前記第2の製造ツールの装置設定を調整するように構成されている、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1の製造ツールは前記第2の製造ツールに先立って前記ウェハを処理する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1の製造ツールは前記第2の製造ツールに続いて前記ウェハを処理する、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記シミュレート回折信号の組は、正規化されたプロファイルパラメータの値を用いて生成され、且つ前記プロセッサは、前記サポートベクトルマシンの出力として取得された前記プロファイルパラメータの値を非正規化するように構成されている、請求項23乃至28の何れかに記載のシステム。
【請求項30】
前記プロファイルパラメータはプロファイルパラメータの相関に基づいて選択される、請求項23乃至29の何れかに記載のシステム。
【請求項31】
前記サポートベクトルマシンは、シーケンシャル最小最適化法を用いて訓練される、請求項23乃至30の何れかに記載のシステム。
【請求項32】
前記サポートベクトルマシンは、シミュレート回折信号の試験セット及びプロファイルパラメータの値の試験セットを用いて試験され、前記サポートベクトルマシンが試験されたときに1つ以上の精度基準が満たされない場合、前記サポートベクトルマシンは、前記試験セット内の1つ以上のシミュレート回折信号、及び前記試験セット内の1つ以上のプロファイルパラメータの値を用いて再訓練される、請求項23乃至31の何れかに記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−44125(P2009−44125A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−103810(P2008−103810)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】