説明

サンプル出力機能を有する画像形成装置

【課題】 使用経過による画像形成装置の機能劣化の確認を容易にする。該確認の機会を、機能劣化をもたらす使用経過の長期化に対応して自動的に頻繁にする。
【解決手段】 作像機構403、および、該作像機構を用いる印刷を制御し、印刷ジョブ実行中に、設定されたサンプル印刷間隔でサンプル印刷を実行して、該印刷ジョブの印刷物の排紙口とは別のサンプル排紙口にサンプル印刷物を送出する画像形成制御手段411、を備える画像形成装置において、作像機構の作像機能部品の作像使用に基いて部品の機能残存指標値を生成し保持する手段407〜409;および、機能残存指標値に基づいて、サンプル印刷間隔を設定する手段409;を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隔時的に、給紙および印刷を二重に行い、一方の用紙は通常のジョブの用紙排出口に送出するが、他方の用紙は印刷画像の品質確認がしやすいサンプル排出口に送出する、サンプル出力機能を有する画像形勢装置に関し、たとえば卓上プリンタ,複写機および大量印刷機に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
いわゆるスタッカなど、印刷した用紙が大量に排紙され、排紙中の用紙に対する画像形成状況の確認が容易に行えない構成の場合に、オペレータの操作により、操作と略同時に印刷中の用紙の給紙・印刷を二重に行い、一方の用紙は通常のジョブの用紙として扱い、他方の用紙を画像形成状況の確認がしやすい他の排紙トレイに排紙する、サンプル出力機能を有する画像形勢装置が知られている。また、サンプル出力機能は、オペレータの操作によらず、あらかじめ設定されたサンプル印刷間隔(サンプル印刷の間隔:枚数値で表すインターバル)で自動的に行われる構成の画像形成装置も知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−35730号公報
【特許文献2】特開2007−41505号公報。
【0004】
特許文献1は、通常のジョブの処理途中であっても試しコピーを行うことができるようにし、また、通常のジョブの処理途中に試しコピーを行っても正常なコピーを行うようにしている。特許文献2は、スタッカつきの画像形成装置で、ユーザ操作に応じて,一定部数ごと,一定枚数ごと,一定ページごと,あるいは機内環境の変化などの状態情報に応じて、サンプル印刷を行うようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サンプル印刷機能は、印刷された画像品質が一定基準に達しているかどうかオペレータが確認を行い、画像品質を維持することが目的である。用紙の状態やトナーの状態などはオペレータが確認することも可能だが、画像形成装置に使用されている各部品の、使用経過による磨耗/劣化度合いは、オペレータでも実際に確認することが難しい。そのためオペレータがサンプル印刷の出力頻度を長く設定していた場合、装置状態が悪くなって画像品質が劣化したときの、画像品質劣化の発見が遅くなる可能性がある。
【0006】
本発明は、使用経過による画像形成装置の機能劣化の確認を容易にすることを第1の目的とし、該確認の機会を、機能劣化をもたらす使用経過の長期化に対応して自動的に頻繁にすることを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)作像機構(403)、および、該作像機構(403)を用いる印刷を制御し、印刷ジョブ実行中に、設定されたサンプル印刷間隔でサンプル印刷を実行して、該印刷ジョブの印刷物の排紙口とは別のサンプル排紙口にサンプル印刷物を送出する画像形成制御手段(411)、を備える画像形成装置において、
前記作像機構の作像機能部品の作像使用に基いて部品の機能残存指標値を生成し保持する手段(407-409);および、
前記機能残存指標値に基づいて、前記サンプル印刷間隔を設定する手段(409);
を備えることを特徴とするサンプル出力機能を有する画像形成装置。
【0008】
なお、理解を容易にするために括弧内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項の記号を、例示として参考までに付記した。以下も同様である。
【発明の効果】
【0009】
画像形成装置の使用状態を検知し、検知した情報に応じて自動的にサンプル印刷間隔を変更させることで、オペレータの画像形成装置の状態を把握する作業負荷が軽減し、印刷画像品質の低下をいち早く確認することができる。
【0010】
(2)前記機能残存指標値を生成し保持する手段は、前記作像機構の作像機能部品の、作像使用があった各部品の機能残存指標値(図5)を生成し;
前記サンプル印刷間隔を設定する手段は、機能残存指標値が小さいと短い間隔のサンプル印刷間隔を、機能残存指標値の生成があった各部品について算出し、最小値をサンプル印刷間隔に設定する;上記(1)に記載のサンプル出力機能を有する画像形成装置。
【0011】
(3)前記機能残存指標値を生成し保持する手段は、画像形成装置が連続稼動した時間を積算し;
前記サンプル印刷間隔を設定する手段は、積算値が大きいと短い間隔のサンプル印刷間隔を設定する;上記(1)請求項1に記載のサンプル出力機能を有する画像形成装置。
【0012】
(4)前記機能残存指標値を生成し保持する手段は、画像形成装置の停止時間を積算し;
前記サンプル印刷間隔を設定する手段は、積算値が大きいと短い間隔のサンプル印刷間隔を設定する;上記(1)に記載のサンプル出力機能を有する画像形成装置。
【0013】
(5)オペレータがサンプル印刷枚数を自動的に変更する機能の有効/無効を設定する手段(500);を備え、前記サンプル印刷間隔を設定する手段は、前記無効が設定されているときには、サンプル印刷間隔をオペレータ設定値に設定する;上記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載のサンプル出力機能を有する画像形成装置。
【0014】
これによれば、自動的にサンプル印刷間隔を変更する機能の有効/無効をオペレータが選択可能なことで、印刷の生産性と印刷の品質のどちらを優先するか、オペレータが選択することができる。
【0015】
(6)前記前記サンプル印刷間隔を設定する手段は、サンプル印刷間隔を変更したとき、変更したサンプル印刷間隔を表示する;上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載のサンプル出力機能を有する画像形成装置。これによれば、表示されたサンプル印刷間隔に基づいて、使用経過による劣化の進行程度を推察できる。
【0016】
(7)前記前記サンプル印刷間隔を設定する手段は、サンプル印刷間隔を変更したとき、変更を履歴情報に加えて記憶保持し、履歴情報(501)を表示する;上記(1)乃至(7)のいずれか1つに記載のサンプル出力機能を有する画像形成装置。これによれば、表示された履歴情報(501)に基づいて、使用経過による劣化の進行具合を推察できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【実施例1】
【0018】
図1に、本発明の第1実施例を示す。この第1実施例の、画像形成装置401の用紙排紙口後段に、大容量スタッカ200およびフィニッシャ100が、この順に連結されている。自動原稿送り装置(以後ADF)1にある原稿台2に、原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、一番上の原稿から給送ローラ3,給送ベルト4によってコンタクトガラス6上の所定の位置に給送される。読み取りユニット50によってコンタクトガラス6上の原稿の画像データを読み取り後、読み取りが終了した原稿は、給送ベルト4及び排送ローラ5によって排出される。さらに、原稿セット検知7にて原稿台2に次の原稿が有ることを検知した場合、前原稿と同様にコンタクトガラス6上に給送される。給送ローラ3、給送ベルト4、排送ローラ5はモータによって駆動される。
【0019】
第1トレイ8,第2トレイ9あるいは第3トレイ10に積載された転写紙は、各々第1給紙装置11,第2給紙装置12あるいは第3給紙装置13によって給紙され、縦搬送ユニット14によって感光体15に当接する位置まで搬送される。各トレイにはそれぞれ用紙残量センサ115、116、117が備わっており用紙の残量を検知することができる。
【0020】
読み取りユニット50にて読み込まれた画像データは、書き込みユニット57からのレーザによって感光体15に書き込まれ、現像ユニット27を通過することによってトナー像が形成される。そして、転写紙は感光体15の回転と等速で搬送ベルト16によって搬送されながら、感光体15上のトナー像が転写される。その後、定着ユニット17にて画像を定着させ、排紙ユニット18によって後段の装置に排出される。現像ユニットには図示はしていないが各色トナーボトルがセットされており、各ボトルそれぞれにトナー残量センサが設置されている。
【0021】
大容量スタッカ200には、排紙口として上段スタッカトレイ202と下段スタッカトレイ203と、上部にサンプルトレイ204があり、選択的に排紙することが可能である。また、大容量スタッカ200内に排紙せず、スルーパス搬送路201を経由させてさらに下流の後処理装置に用紙を排紙することができる。上段スタッカトレイ202と下段スタッカトレイ203はユニット前面に図示しないドアがあり、このドアを開けると、用紙が排紙されたバスケットごと用紙を取り出すことができる。上段スタッカトレイ202と下段スタッカトレイ203にはそれぞれ、ドア開センサ206,207と、用紙有無センサ204,205が備わっており、それぞれドアが開いている状態と、用紙の有無を検知することができる。また、上記で説明した上段スタッカトレイ202と下段スタッカトレイ203といった各パーツには、それぞれ自身が異常な状態を検知する機能が搭載されている。
【0022】
後処理装置のフィニシャ100は、搬送された転写紙をパンチユニット121を経由し、通常排紙ローラ102方向と、ステープル処理部方向に導く事ができる。切り替え板101を上に切り替える事により、搬送ローラ103を経由して通常排紙トレイ104側に排紙する事ができる。また、切り替え板101を下方向に切り替える事で、搬送ローラ105、107を経由して、ステープル台108に搬送する事ができる。パンチユニット121は、用紙の所定位置(用紙後端部)に穿孔を行う。ステープル台108に積載された転写紙は、一枚排紙されるごとに紙揃え用のジョガー109によって、紙端面が揃えられ、一部のコピー完了と共にステープラ106によって綴じられる。ステープラ106で綴じられた転写紙群は、自重によって、ステープル完了排紙トレイ110に収納される。一方、通常の排紙トレイ104は前後に移動可能な排紙トレイである。前後に移動可能な排紙トレイ部104は、原稿毎、あるいは、画像メモリによってソーティングされたコピー部毎に、前後に移動し、簡易的に排出されてくるコピー紙を仕分けるものである。
【0023】
図2に、画像形成装置401内の、電装系統のシステム概要を示す。画像形成装置401の電装システムは大略で、画像入力手段402,画像印刷手段403,画像蓄積手段404,操作手段405および制御手段406から構成されている。画像入力手段402は、本装置401に画像情報を入力するものであり、光学スキャナやネットワークI/Fなどによって構成される。入力された画像は画像印刷手段403で印刷が行われるか、画像蓄積手段404に蓄積される。画像印刷手段403は、画像入力手段402から送られた画像または画像蓄積手段404に蓄積された画像を印刷するものである。画像蓄積手段404は、揮発または不揮発の記憶装置であり、画像入力手段402から入力された画像情報を蓄積する。装置の電源が切られた後でも蓄積された画像情報を読み出すためにはハードディスクなどの不揮発の記憶装置であることが望ましい。操作手段405は、操作者が装置の操作を行うものである。制御手段406は、操作手段405で指示された内容などにより、画像入力手段402,画像印刷手段403,画像蓄積手段404の制御を行うと共に、制御結果や機器の状態を、操作手段405に表示する。
【0024】
図3に、操作手段405の操作盤面を示す。操作盤面には複写モード入力要の各種キーおよび各種排紙処置を指定するキーならびにサンプル出力キー415が備わっている。サンプル出力キー415をオペレータが操作すると、操作盤面中央の入出力兼用の液晶タッチパネル(液晶ディスプレイ)の表示が、図9に示すサンプル印刷設定画面に切換る。このサンプル印刷設定画面に表示された「有効」,「無効」ボタン500を操作して、サンプル印刷間隔の自動変更機能を、有効とするか、又は無効とするかを、切り替えることができる。サンプル印刷設定画面には、サンプル印刷間隔の変更履歴および現在の値が表示501される。「有効」ボタンにより有効が設定されているときには、後述の、サンプル印刷間隔の自動変更が実行されるが、「無効」ボタンにより無効が設定されているときには、サンプル印刷間隔はユーザ設定値に定められる。操作手段405の操作盤面の、初期設定キー416をオペレータが操作すると、操作盤面中央の入出力兼用の液晶タッチパネルの表示が、図11に示す初期設定画面に切換る。この初期設定画面に表示された「サンプル間隔」を操作すると、サンプル印刷間隔のユーザ設定値を変更することができる。
【0025】
図4に、図2に示す制御手段406の機能構成をやや詳細に示す。操作手段405を介したオペレータの指示、例えば印刷モードは、操作制御手段410経由で画像形成制御手段411に伝わる。画像形成制御手段411は、印刷モードの内容に従って、画像入力手段402,画像印刷手段403および画像蓄積手段404の制御を行い、画像形成していく。
【0026】
参照データテーブル407は、画像形成装置状態記憶手段408にある画像形成装置各部品の状態検知をした結果に基づいてサンプル印刷間隔サンプル印刷間隔制御手段409が導出した参照データを記憶するものである。サンプル印刷間隔サンプル印刷間隔制御手段409は、「有効」(図9)が設定されていると、参照データテーブル407の参照データに基づいて所要のサンプル印刷間隔を算出し、現在設定中のサンプル印刷間隔を算出値に更新する。参照データテーブル407には、図5に示すように、「画像形成装置部品」,「初期値」,「現在値」,「交換者」,「交換規定値」の項目(データ種別)があるテーブル内容407aがある。「交換者」が「ユーザ」であれば、「交換規定値」(閾値)を過ぎたとしても印刷は実行できるが、「交換者」が「サービス」であれば、「交換規定値」を過ぎた場合、印刷品質が保障できないとし印刷が不可能となる。これにより「交換規定値」に近づいた「画像形成装置部品」の「交換者」が「サービス」か「ユーザ」かによって、自動変更するサンプル印刷間隔の変更量が異なる。「交換者」が「サービス」の「画像形成装置部品」の方が、サンプル出力枚数の間隔が短くなる。
【0027】
テーブル内容407aの各項目の数値は、部品毎に定められた使用度数であり、部品毎に定められた作像枚数積算値,使用時間積算値又は使用回数を1単位とするものである。装置状態記憶手段408が、各部品につき、作像枚数,使用時間又は使用回数を積算し、積算値が部品毎に定められた値に達すると、サンプル印刷間隔制御手段409が、図7の、「参照データ更新」(S8)で、図5に示すテーブル内容407aの該当部品の現在値を1小さい値に更新する。例えば、現像ユニット,感光体ユニット,2次転写ユニット,クリーニングユニットおよび廃トナーボトルは、それぞれについての作像枚数積算値が設定値に達すると、テーブル内容407aの該当部品の現在値を1小さい値に更新し、作像枚数積算値を0に初期化する。現像剤(トナーカートリッジ)については、現像ユニットへのトナー供給回数をカウントアップして、カウント値が設定値に達すると、テーブル内容407aの現在値を1小さい値に更新し、カウント値を0に初期化する。定着ユニットについては、定着通電時間を積算し、積算値が設定値に達するとテーブル内容407aの現在値を1小さい値に更新し、積算値を0に初期化する。
【0028】
参照データテーブル407にはまた、図6に示すように、画像形成装置全体としての「検出時間項目」,「初期値」,「現在値」および「規定値」の項目(データ種別)のテーブル内容407bがある。
【0029】
図7に、サンプル印刷間隔制御手段410によるサンプル印刷間隔制御の概要を示す。画像形成装置401の各状態検知センサおよび計時カウンタから、装置状態記憶手段408が装置401内の各種機器(部品)の使用情報を取得し、装置状態記憶手段408内のデータを更新すると、この更新に応答してサンプル印刷間隔制御手段409は、今回発生した使用情報が画像形成装置の部品についての情報か、使用/不使用時間についての情報か、に従って、そのときの使用情報に基いて、参照データテーブルの参照値を更新する(S1〜S8)。ここで、ある部品についての使用情報であった場合には、参照データテーブル407a上の全部品について使用情報を取得し、このとき初期状態(部品交換直後の状態)の部品に関しては、テーブル407a上の現在値を初期値の値に更新する(S4,S5)。全ての現在値が初期値と同じ値であった場合は、サンプル印刷間隔を、図10に示す「システム初期設定」の「サンプル間隔」ボタンを操作して入力したユーザ設定値に、自動変更する(S7−S11)。いずれかの部品の現在値が初期値ではない場合には、今回装置状態記憶手段408の使用情報が変更された部品の、データテーブル407a上の現在値を「参照データ更新」(S8)で更新する。また、使用情報が使用/不使用時間であったときには、該使用情報の分を、参照データテーブル407b上の現在値に加算した値に、テーブル407b上の現在値を更新する(S6〜S8)。
【0030】
次にサンプル印刷間隔制御手段409は、図9に示す「サンプル印刷設定」で「有効」が設定されている場合には、「サンプル印刷間隔算出」(S10)を行う(S9,S10)。この内容は図8を参照して後述する。図9に示す「サンプル印刷設定」で「無効」が設定されている場合には、サンプル印刷間隔に、ユーザ設定値を定める(S9,S11)。
【0031】
図8を参照する。「サンプル印刷間隔算出」(S10)に進むとサンプル印刷間隔制御手段409は、参照データテーブル407aにある、現在値を更新した部品のそれぞれについて、サンプル印刷間隔を算出する(S11〜S13)。すなわち、1つの部品については、テーブル407a上の該部品宛の現在値と規定値との関係が、現在値>規定値であり、しかも、
(現在値−規定値)/(初期値−規定値)<0.2
であると、
設定変更値=現サンプル印刷間隔×(現在値−規定値)/(初期値−規定値)
を算出する。時間計測値に関しては、現在値<規定値の場合とし、他は上記と同様にして、設定変更値を算出する。上記の現在値と規定値との関係の照合および上記条件が成立する場合の設定変更値の算出を全ての部品ならびに時間計測値に関して実行すると、算出した全ての設定変更値の中の最小値に、サンプル印刷間隔を更新する、すなわち現サンプル印刷間隔と決定する(S14,S15)。そして、図9に示す「サンプル印刷設定」のように、操作手段405に、更新したサンプル印刷間隔を、「現在○○枚毎に出力」と表示し、しかもサンプル印刷間隔の更新履歴を表示する(S16)。ある部品において現在値が既に規定値以下に達しているか、時間計測値に関して現在値が規定値以上に達している場合、印刷品質の劣化が発生しやすい状況であるため、行われている印刷ジョブを停止し、印刷品質の劣化を生ずるが印刷を継続するかのアナウンスを、印刷を「継続」する,印刷を「終了」するとの入力ボタンとともに、操作手段405に表示する(S17)。ここで「継続」指定入力があると、サンプル印刷間隔制御手段409は、印刷品質の劣化を生ずる可能性がある印刷条件に定めた最小値に、現サンプル印刷間隔を変更する(S19)。
【0032】
図4に示す画像形成制御手段411は、サンプル印刷間隔監視用の印刷枚数積算値か上述のように設定したサンプル印刷間隔に達すると、同一画像を連続して2枚印刷し、その中の1枚をサンプルトレイ204上に排出し、サンプル印刷間隔監視用の印刷枚数積算値を0に初期化する。これを繰り返す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の1実施例である複写機の機構部の縦断面図である。
【図2】図1に示す複写機を構成する機能手段を示すブロック図である。
【図3】図2に示す操作手段405の操作表示盤面の平面図である。
【図4】図2に示す制御手段406を構成する機能手段を示すブロック図である。
【図5】図4に示す参照データテーブル407に格納した、各部品の参照データ群407aを示す図表であり、その中の現在値が機能残存指標値である。
【図6】図4に示す参照データテーブル407に格納した、参照データ群407bを示す図表であり、その中の現在値が連続使用,連続停止の経過時間積算値である。
【図7】図4に示す制御手段406のサンプル印刷間隔制御手段409のサンプル印刷間隔の制御SICの内容を示すフローチャートである。
【図8】図7に示す「サンプル印刷間隔算出」(S10)の内容を示すフローチャートである。
【図9】図2に示す操作手段405の操作表示盤面の平面図であり、オペレータが、サンプル印刷間隔の自動変更を「有効」にするか「無効」にするかを設定する入力画面を示す。
【図10】図2に示す操作手段405の操作表示盤面の平面図であり、オペレータが、サンプル印刷間隔を設定する入力画面を示す。
【符号の説明】
【0034】
1:自動原稿送り装置(ADF)
2:原稿台
100:フィニッシャ
200:大容量スタッカ
201:スルーパス搬送路
202:上段スタッカトレイ
203:下段スタッカトレイ
204:サンプルトレイ
401:画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作像機構、および、該作像機構を用いる印刷を制御し、印刷ジョブ実行中に、設定されたサンプル印刷間隔でサンプル印刷を実行して、該印刷ジョブの印刷物の排紙口とは別のサンプル排紙口にサンプル印刷物を送出する画像形成制御手段、を備える画像形成装置において、
前記作像機構の作像機能部品の作像使用に基いて部品の機能残存指標値を生成し保持する手段;および、
前記機能残存指標値に基づいて、前記サンプル印刷間隔を設定する手段;
を備えることを特徴とするサンプル出力機能を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記機能残存指標値を生成し保持する手段は、前記作像機構の作像機能部品の、作像使用があった各部品の機能残存指標値を生成し;
前記サンプル印刷間隔を設定する手段は、機能残存指標値が小さいと短い間隔のサンプル印刷間隔を、機能残存指標値の生成があった各部品について算出し、最小値をサンプル印刷間隔に設定する;
請求項1に記載のサンプル出力機能を有する画像形成装置。
【請求項3】
前記機能残存指標値を生成し保持する手段は、画像形成装置が連続稼動した時間を積算し;
前記サンプル印刷間隔を設定する手段は、積算値が大きいと短い間隔のサンプル印刷間隔を設定する;
請求項1に記載のサンプル出力機能を有する画像形成装置。
【請求項4】
前記機能残存指標値を生成し保持する手段は、画像形成装置の停止時間を積算し;
前記サンプル印刷間隔を設定する手段は、積算値が大きいと短い間隔のサンプル印刷間隔を設定する;
請求項1に記載のサンプル出力機能を有する画像形成装置。
【請求項5】
オペレータがサンプル印刷枚数を自動的に変更する機能の有効/無効を設定する手段;を備え、前記サンプル印刷間隔を設定する手段は、前記無効が設定されているときには、サンプル印刷間隔をオペレータ設定値に設定する;請求項1乃至4のいずれか1つに記載のサンプル出力機能を有する画像形成装置。
【請求項6】
前記前記サンプル印刷間隔を設定する手段は、サンプル印刷間隔を変更したとき、変更したサンプル印刷間隔を表示する;請求項1乃至6のいずれか1つに記載のサンプル出力機能を有する画像形成装置。
【請求項7】
前記前記サンプル印刷間隔を設定する手段は、サンプル印刷間隔を変更したとき、変更を履歴情報に加えて記憶保持し、履歴情報を表示する;請求項1乃至7のいずれか1つに記載のサンプル出力機能を有する画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−72022(P2010−72022A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235999(P2008−235999)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】