説明

シーティング装置

【課題】 形成するシートの形状を安定させ、材料残りやコンタミをなくすことによりシートの品質を高め、かつ形成されたシートの温度を低くすることができるシーティング装置の提供をすること。
【解決手段】 材料を供給するための材料供給部16と、前記材料供給部16から供給された材料を蓄積する材料蓄積部17と、前記材料蓄積部17に蓄積された材料を圧延するための材料圧延部18とを備え、前記材料蓄積部17に上方から材料を押し付けるための材料押し付け部材1を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム及びプラスチック等をシート状に形成するシーティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴム及びプラスチック等の材料をよく混ぜ合わせるための混練機から排出された材料を、2軸のテーパスクリュー型材料供給部により押し出し、押し出した材料を材料圧延部の上下に配置した2本のロールによりシート状に圧延して形成するシーティング装置が知られている。このようなシーティング装置の一例が下記特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特許第1721358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示される従来のシーティング装置は材料供給部から供給される材料の量が安定しないため、材料圧延部により形成されるシート形状が安定しない。また、材料供給部から材料圧延部の下ロールに直接材料を供給しているため、材料残りや異物等(以下、コンタミ)が生じやすい。さらに、従来のシーティング装置にも冷却機構が備えられているものの、十分な冷却効果が得られていない。
【0005】
これらのことから、本発明は、形成するシートの形状を安定させ、材料残りやコンタミをなくすことによりシートの品質を高め、かつ形成されたシートの温度を低くすることができるシーティング装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための第1の発明(請求項1に対応)に係るシーティング装置は、材料を供給するための材料供給部と、前記材料供給部から供給された材料を蓄積する材料蓄積部と、前記材料蓄積部に蓄積された材料を圧延するための材料圧延部とを備え、前記材料蓄積部に上方から材料を押し付けるための材料押し付け部材を設けることを特徴とする。
【0007】
上記の課題を解決するための第2の発明(請求項2に対応)に係るシーティング装置は、第1の発明に記載するシーティング装置において、前記材料押し付け部材を空圧シリンダー、油圧シリンダー又はばね等の弾性体で動作させることを特徴とする。
【0008】
上記の課題を解決するための第3の発明(請求項3に対応)に係るシーティング装置は、第1の発明又は第2の発明に記載するシーティング装置において、前記材料蓄積部の材料蓄積量を適量とするため、前記材料押し付け部材の昇降変位に従い、前記材料供給部の材料供給量を制御することを特徴とする。
【0009】
上記の課題を解決するための第4の発明(請求項4に対応)に係るシーティング装置は、第1の発明ないし第3の発明のいずれかに記載するシーティング装置において、前記材料供給部は前記材料蓄積部へ材料を押し出すためのスクリューを備え、前記蓄積部は前記スクリューにより押し出される材料を受け止めるための受け台を備え、前記受け台は前記スクリューの回転軸に対して下方に傾斜していることを特徴とする。
【0010】
上記の課題を解決するための第5の発明(請求項5に対応)に係るシーティング装置は、第4の発明に記載するシーティング装置において、前記受け台は前記スクリューの回転軸に対して0度ないし45度下方に傾斜していることを特徴とする。
【0011】
上記の課題を解決するための第6の発明(請求項6に対応)に係るシーティング装置は、第1の発明ないし第5の発明のいずれかに記載するシーティング装置において、前記受け台の先端と前記材料圧延部にある材料を圧延するための2本のロールのうち下側にあるロールの回転軸とを結んだ線と、2本のロールの回転軸を結んだ線とのなす角度を30度ないし60度とすることを特徴とする。
【0012】
上記の課題を解決するための第7の発明(請求項7に対応)に係るシーティング装置は、第1の発明ないし第6の発明のいずれかに記載するシーティング装置において、前記材料押し付け部材、前記受け台、前記材料蓄積部の前記材料供給部側の側壁、及び前記材料蓄積部の幅方向の側壁のうち、少なくともいずれか1つに冷却機構を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明に係るシーティング装置によれば、材料を供給するための材料供給部と、
材料供給部から供給された材料を蓄積する材料蓄積部と、材料蓄積部に蓄積された材料を圧延するための材料圧延部とを備え、材料蓄積部に上方から材料を押し付けるための材料押し付け部材を設けることにより、圧延部で安定的な圧延が可能となるため、形成されるシートの形状が一定となり、これによりシートの品質を高めることができる。
【0014】
また、ここでいう材料とは、ゴムコンパウンド、プラスチックコンパウンド、顔料マスターバッチ及び樹脂である。
【0015】
第2の発明に係るシーティング装置によれば、材料押し付け部材を空圧シリンダー、油圧シリンダー又はばね等の弾性体で動作させることにより、材料を適切に押し付けることができ、さらに空気シリンダー又は油圧シリンダーを駆動して、フローティングウェイトを容易に材料蓄積部から抜き出すことができるため、材料蓄積部内の保守及び点検時の労力を軽減することができる。
【0016】
第3の発明に係るシーティング装置によれば、材料蓄積部の材料蓄積量を適量とするため、フローティングウェイトの昇降変位に従い、材料供給部の材料供給量を制御することにより、材料圧延部でより安定的な圧延が可能となるため、形成されるシートの形状が一定となり、これによりシートの品質を高めることができる。
【0017】
第4の発明又は第5の発明に係るシーティング装置によれば、材料供給部は材料蓄積部へ材料を押し出すためのスクリューを備え、蓄積部は前記スクリューにより押し出される材料を受け止めるための受け台を備え、受け台はスクリューの回転軸に対して下方に傾斜していることにより、受け台上の材料が重力により材料圧延部側に自然に落下するため、材料蓄積部の材料残りやコンタミをなくすことができ、これにより、シートの品質を高めることができる。また、材料蓄積部の材料残りやコンタミを除去するなどの保守及び点検にかかる手間を軽減することができる。
【0018】
第6の発明に係るシーティング装置によれば、受け台の先端と材料圧延部にある材料を圧延するための2本のロールのうち下側にあるロールの回転軸とを結んだ線と、2本のロールの回転軸を結んだ線とのなす角度を30度ないし60度とすることにより、材料蓄積部の容量を十分に得ることができる。
【0019】
第7の発明ないし第10の発明に係るシーティング装置によれば、材料蓄積部に冷却機構を設けたことにより、シーティング装置で圧延したシート19を冷却するための設備を別途設ける必要がなくなり、設備の省スペース化及びコスト低減をはかることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係るシーティング装置の実施例を図1から図8に基づいて説明する。図1は本発明に係るシーティング装置の側面図、図2は図1に示すA−A断面での断面図、図3は蓄積部の側面図、図4は蓄積部の平面図、図5は本発明に係るスクリューの回転軸に対し受け台を15度傾斜させたシーティング装置の側面図、図6は本発明に係るスクリューの回転軸に対し受け台を30度傾斜させたシーティング装置の側面図、図7は蓄積部の供給部側側壁に取り付ける冷却機構の平面図、図8は蓄積部の側壁の側面図である。
【実施例1】
【0021】
図1に示すように、本実施例に係るシーティング装置は材料を供給するための材料供給部16、材料を圧延するための材料圧延部18、材料供給部16と材料圧延部18との間に料圧延部18で安定的に圧延を行うために一時的に材料を蓄積するための材料蓄積部17とからなる。保守及び点検の際の負担を軽減するために、材料供給部16と材料蓄積部17はレール40と車輪41により容易に引き離すことができるようになっている。
【0022】
材料供給部16の上部には材料を投入するための材料投入口35がある。材料供給部16の内部には2本のテーパ状のスクリュー34a,34b(図4参照)が設置されている。モータ(図示せず)からベルト38を用いて減速機37に動力を伝達し、減速機37でスクリュー34a,34bの回転速度を調整し、ギアボックス36によりスクリュー34a,34bを等速度で回転するようにする。
【0023】
2本のテーパ状のスクリュー34a,34bが回転することにより材料投入口35から投入された材料が材料蓄積部17へと押し出される。スクリュー34a,34bの内部にはスクリュー34a,34bを冷却するために冷却水をスクリュー冷却水供給口39a,39bより供給する。
【0024】
材料蓄積部17は材料供給部16と材料圧延部18の間にある受け台3と、受け台3の上部で幅方向にある側壁2と、材料供給部16の材料が押し出させる部分にある材料供給部側側壁21と、材料圧延部18内の材料圧延用の2本のロール22,23とにより囲まれることにより形成されている。材料蓄積部17の上部で受け台3と平行になるように、材料押し付け部材としてフローティングウェイト1を設ける。
【0025】
図2に示すように、フローティングウェイト1は空気シリンダー4を介して空気シリンダー支持部材5に取り付けられている。この空気シリンダー支持部材5は材料圧延部18を保護する箱であるハウジング15とボルト締めにより結合して取り付けられている。これらフローティングウェイト1の上部と空気シリンダー4に下部はボルト6により、空気シリンダー4の上部と空気シリンダー支持部材5の下部はボルト7によりボルト締めして結合する。
【0026】
空気シリンダー4によりフローティングウェイト1は破線Eで示すような位置まで降下できる。本実施例では空気シリンダー4を用いたが、油圧シリンダー又はばね等他の弾性体を用いてもよい。
【0027】
フローティングウェイト1には材料を冷却するための冷却機構を設ける。図2及び図3に示すように、フローティングウェイト1はフローティングウェイト下部部材8とフローティングウェイト側面部材9,10とフローティングウェイト上面部材11とを溶接することにより作製する。これによりフローティングウェイト1内部に空間を形成し、この空間に冷却水を流すことによりフローティングウェイト1を冷却し、これにより材料を冷却することができる。
【0028】
フローティングウェイト1の内部に冷却水を給水するためにフローティングウェイト1の上部に、フローティングウェイト冷却水流路12aを内部に設けたフローティングウェイト冷却水給水管12を接続し、給水した冷却水を排水するためにフローティングウェイト1の上部に、フローティングウェイト冷却水流路13aを内部に設けたフローティングウェイト冷却水排水管13を接続する。
【0029】
これらフローティングウェイト冷却水給水管12及びフローティングウェイト冷却水排水管13がフローティングウェイト1の昇降動作にともない円滑に可動できるようにガイド14を設ける。そして、このガイド14にフローティングウェイト冷却水給水管12及びフローティングウェイト冷却水排水管13を貫通させるより円滑に昇降動作を行えるようにする。
【0030】
また、材料圧延部18への材料の安定的な供給を考え、材料蓄積部17の材料蓄積量を適量とするため、フローティングウェイト1の昇降変位に従い、材料供給部16の材料供給量を制御できるようにする。
【0031】
空気シリンダー支持部材5の上部にフローティングウェイト冷却水給水管12と平行にセンサ42a,42b,42cを上方に積み上げるように設置する。フローティングウェイト冷却水給水管12にはセンサ42a,42b,42cが反応できるようにスイッチ43を設置する。
【0032】
図2に示すように材料供給量が多い場合、フローティングウェイト1は最も上昇した状態になる。このとき同時にフローティングウェイト冷却水給水管12も上昇し、これによりスイッチ43も上昇する。上昇したスイッチ43にセンサ42aが反応して信号を発し、この信号を制御部(図示せず)で受信し、制御部によりモータ(図示せず)の回転速度を遅くする。これにより、スクリュー34a,34bの回転速度が遅くなり、材料蓄積部17への材料供給量が減少する。
【0033】
材料供給量が少ない場合、フローティングウェイト1は矢印Aで示す最も下降した状態になる。このとき同時にフローティングウェイト冷却水給水管12も下降し、これによりスイッチ43aの位置まで下降する。下降したスイッチ43aにセンサ42cが反応して信号を発し、この信号を制御部(図示せず)で受信し、制御部によりモータ(図示せず)の回転速度を早くする。これにより、スクリュー34a,34bの回転速度が速くなり、材料蓄積部17への材料供給量が増加する。
【0034】
本実施例では、センサを3個用いてスクリュー34a、34bの回転速度制御を3段階としたが、センサの数を増減し、制御段数を増減してもよい。また、フローティングウェイト1の上昇、下降変位を連続的に検知できるセンサを用いて、回転速度を連続的に制御してもよい。
【0035】
受け台3には材料を冷却するために受け台冷却機構3aを設ける。図2に示すように受け台冷却機構3aに冷却水を供給するために受け台冷却機構3a下部の材料圧延部18側に受け台冷却水給水管3bを接続し、給水した冷却水を排水するために受け台冷却機構3a下部の材料供給部側16に受け台冷却水排水管3cを接続する。図2及び図3に示すように、冷却機構3aには冷却水を流すための流路3dを設け、冷却水が効率よく受け台3を冷却できるようにする。
【0036】
図2、図3及び図4に示すように材料蓄積部17の側壁2は複数の部材により構成されている。材料供給部16に最も近い位置にある材料蓄積部側壁2aに材料を冷却するために冷却機構を設ける。図2、図3及、図4及び図8に示すように材料蓄積部側壁2aに冷却水を流すための材料蓄積部側壁冷却水流路31a、31bを設け冷却水が効率よく材料蓄積部側壁2aを冷却できるようにする。
【0037】
材料蓄積部側壁冷却水流路31aは材料蓄積部側壁2aの外側表面に溝を設け、その溝を設けた面に、蓋29を溶接することにより作製する。また、材料蓄積部側壁冷却水流路31bは材料蓄積部側壁2aに上方から穴を開けることにより作製する。そして、材料蓄積部側壁冷却水31bに給排水管(図示せず)を接続する。
【0038】
材料蓄積部側壁2aには蓋29に溶接された材料蓄積部側壁支持部材30を受け台3にボルト30aによりボルト締めして固定する。材料蓄積部側壁2aの材料圧延部18側には材料蓄積部側壁2bを設ける。この材料蓄積部側壁2bは外側側面を材料蓄積部側壁支持部材25とボルト27によりボルト締めして結合する。
【0039】
また、材料蓄積部側壁2bの材料圧延部18側端部と材料蓄積部側壁支持部材25の材料圧延部18側端部との間には材料蓄積部側壁2cを挟み込むようにして設け、この材料蓄積部側壁2cは外側側面を支持部材25とボルト28によりボルト締めして結合する。材料蓄積部側壁支持部材25に材料蓄積部側壁支持部材24を溶接により結合し、材料蓄積部側壁支持部材24の外側端部にはグリップ26を設けることでシーティング装置のメンテナンス時にはこのグリップ26を持って外側に引き出すことにより材料蓄積部側壁2b及び材料蓄積部側壁2cを引き出すことができる。
【0040】
材料蓄積部17の材料供給部16側の側壁32には材料を冷却するために材料供給部側側壁冷却機構33を設ける。図7に示すように、材料供給部側側壁冷却機構33に冷却水を流すための材料供給部側側壁冷却水流路33a、33bを設け、冷却水が効率よく材料供給部側側壁32を冷却できるようにする。
【0041】
材料供給部側側壁冷却水流路33aは材料供給部側側壁冷却機構33の材料蓄積部17側の面に溝を設け、その溝を設けた面に材料供給部側側壁32を溶接することにより作製し、材料供給部側側壁冷却水流路31bは材料供給部側側壁冷却機構33に側方から穴を開けることにより作製する。そして、材料供給部側側壁冷却水流路33bに給排水管(図示せず)を接続する。本実施例では材料を冷却するために水を用いたが、水以外の液体を冷却に用いてもよい。
【0042】
材料供給部16から押し出された材料は材料蓄積部17に蓄積される。蓄積された材料は材料圧延部18の上ロール22及び下ロール23で圧延されシート19となる。上下ロール22,23には内部に冷却機構(図示せず)を設ける。材料圧延部18の上部には圧延するシート19の厚さを調整するために上ロール22を昇降させるためのボールネジ20を設け、このボールネジを回転して上ロール22の位置を調整する。
【0043】
本実施例に係るシーティング装置によれば、フローティングウェイト1を設けたことにより材料圧延部18で安定的な圧延が可能となるため、シート19の品質を高めることができる。
【0044】
また、弾性手段として空圧シリンダー4を用いることにより、空気シリンダーを駆動して、フローティングウェイト1を容易に蓄積部から抜き出すことができるため、材料蓄積部内の保守及び点検時の労力を軽減することができる。
【0045】
また、材料蓄積部17の材料蓄積量を適量とするために、フローティングウェイト1の昇降変位に従い、材料供給部16の材料供給量を制御するため、材料圧延部18への材料の安定的に供給できるようになり、シート19の品質を高めることができる。
【0046】
さらに、材料蓄積部17に冷却機構を設けたことにより、シーティング装置で圧延したシート19を冷却するための設備を別途設ける必要がなくなり、設備の省スペース化及びコスト低減をはかることができる。
【0047】
本実施例では、フローティングウェイト1が材料蓄積部17において材料と接触する面を平面と曲面とを組み合わせた凹形状としたが、上下ロール22,23に供給する材料の量をより安定化するために材料の特性に合わせ、平面と曲面とを組み合わせた凸形状又は平面形状としてもよい。
【0048】
また、同様に本実施例で受け台3を平面形状で記載しているが、平面と曲面とを組み合わせた凸形状又は凹形状としてもよい。
【実施例2】
【0049】
本実施例では、実施例1に記載するシーティング装置において、材料蓄積部17への材料残りやコンタミをなくすために、スクリューの回転軸に対して受け台3を下方に傾斜させた。以下、スクリューの回転軸に対して受け台3を下方に傾斜させた構造の一例を示す。
【0050】
図5に示すように、Bで示すスクリュー34a,34bの回転軸と平行なCで示す線と、受け台3とのなす角θ1の角度を15度下方に傾斜させた。
【0051】
また、図6に示すように、Bで示すスクリュー34a,34bの回転軸と平行なCで示す線と、受け台3とのなす角θ2の角度を30度下方に傾斜させた。
【0052】
本実施例では、スクリュー34a,34bの回転軸と、受け台3とのなす角の角度が15度下方に傾斜したものと30度下方に傾斜したものについて説明したが、この角度は0度ないし45度の間であればよい。
【0053】
また、このようにスクリュー34a,34bの回転軸に対して受け台3を下方に傾斜させた場合、材料蓄積部17の容量が小さくなるため、必要に応じてCで示す受け台の先端と下ロール23の回転軸を結んだ線と、Dで示す上下ロール22,23の回転軸を結んだ線とのなす角θ3の角度を30度ないし60度の範囲で調整することで必要な容量を得ることができる。
【0054】
本実施例に係るシーティング装置によれば、スクリューの回転軸に対して受け台3を下方に傾斜させたことにより、受け台3上の材料が重力により材料圧延部18側に自然に落ちるため、材料蓄積部17の材料残りやコンタミをなくすことができる。これにより、安定した圧延が可能となりシートの品質を高めることができる。
【0055】
また、蓄積部17の材料残りやコンタミを除去するなどの保守及び点検にかかる労力を軽減することができる。
【0056】
さらに、受け台3の先端と下ロール23の回転軸を結んだ線と、上下ロール22,23の回転軸を結んだ線とのなす角度を30度ないし60度とすることにより、材料蓄積部の容量を十分に得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
ゴム及びプラスチック等の材料を圧延してシート状に形成する場合に利用でき、特に、安定した形状等、高品質なシートを要求される場合で、かつ形成後のシート温度が低いものを要求される場合に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係るシーティング装置の側面図である。
【図2】図1に示すA−A断面での断面図である。
【図3】蓄積部の側面図である。
【図4】蓄積部の平面図である。
【図5】本発明に係るスクリューの回転軸に対し受け台を15度傾斜させたシーティング装置の側面図である。
【図6】本発明に係るスクリューの回転軸に対し受け台を30度傾斜させたシーティング装置の側面図である。
【図7】蓄積部の供給部側側壁に取り付ける冷却機構の平面図である。
【図8】蓄積部の側壁の側面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 フローティングウェイト
2,2a,2b,2c 材料蓄積部側壁
3 受け台
3a 受け台冷却機構
3b 受け台冷却水給水管
3c 受け台冷却水排水管
3d 受け台冷却水流路
4 空気シリンダー
5 空気シリンダー支持部材
6,7 ボルト
8 フローティングウェイト下面部材
9,10 フローティングウェイト側面部材
11 フローティングウェイト上面部材
12 フローティングウェイト冷却水給水管
13 フローティングウェイト冷却水排水管
12a,13a フローティングウェイト冷却水流路
14 ガイド
15 材料圧延部ハウジング
16 材料供給部
17 材料蓄積部
18 材料圧延部
19 シート
20 ボールネジ
21 材料供給部側側壁
22 上ロール
23 下ロール
24,25 材料蓄積部側壁支持部材
26 グリップ
27,28 ボルト
29 蓋
30 材料蓄積部側壁支持部材
30a ボルト
31a,31b 材料蓄積部側壁冷却水流路
32 材料供給部側側壁
33 材料供給部側側壁冷却機構
33a,33b 材料供給部側側壁冷却流路
34a,34b スクリュー
35 材料投入口
36 ギアボックス
37 減速機
38 ベルト
39a,39b スクリュー冷却水供給口
40 レール
41 車輪
42a,42b,42c センサ
43 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を供給するための材料供給部と、
前記材料供給部から供給された材料を蓄積する材料蓄積部と、
前記材料蓄積部に蓄積された材料を圧延するための材料圧延部とを備え、
前記材料蓄積部に上方から材料を押し付けるための材料押し付け部材を設ける
ことを特徴とするシーティング装置。
【請求項2】
請求項1に記載するシーティング装置において、
前記材料押し付け部材を空圧シリンダー、油圧シリンダー又はばね等の弾性体で動作させる
ことを特徴とするシーティング装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載するシーティング装置において、
前記材料蓄積部の材料蓄積量を適量とするため、前記材料押し付け部材の昇降変位に従い、前記材料供給部の材料供給量を制御する
ことを特徴とするシーティング装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載するシーティング装置において、
前記材料供給部は前記材料蓄積部へ材料を押し出すためのスクリューを備え、
前記蓄積部は前記スクリューにより押し出される材料を受け止めるための受け台を備え、
前記受け台は前記スクリューの回転軸に対して下方に傾斜している
ことを特徴とするシーティング装置。
【請求項5】
請求項4に記載するシーティング装置において、
前記受け台は前記スクリューの回転軸に対して0度ないし45度下方に傾斜している
ことを特徴とするシーティング装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載するシーティング装置において、
前記受け台の先端と前記材料圧延部にある材料を圧延するための2本のロールのうち下側にあるロールの回転軸とを結んだ線と、2本のロールの回転軸を結んだ線とのなす角度を30度ないし60度とする
ことを特徴とするシーティング装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載するシーティング装置において、
前記材料押し付け部材、前記受け台、前記材料蓄積部の前記材料供給部側の側壁、及び前記材料蓄積部の幅方向の側壁のうち、少なくともいずれか1つに冷却機構を設ける
ことを特徴とするシーティング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−231582(P2006−231582A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46580(P2005−46580)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】