説明

シート検査が可能な有機電界発光表示装置のマザー基板及びシート検査方法

【課題】シート検査が可能なように設計され、単純な構造の画素回路を採用しながらも、シート検査時の輝度偏差を防止できるようにした有機電界発光表示装置のマザー基板及びその検査方法を提供する。
【解決手段】複数の画素を含む複数の有機電界発光表示装置のパネルと、パネルの外郭領域に第1方向に形成されて外部から供給される検査用電源又は信号をパネルに伝達する複数のシート配線を含む第1配線グループと、パネルの外郭領域に第2方向に形成されて外部から供給される検査用電源又は信号をパネルに伝達する複数の他のシート配線を含む第2配線グループと、外部から供給されるシート検査信号からパネルの画素に備えられた駆動トランジスタの閾値電圧に相応する電圧を差し引いてパネルに供給する補償部と、を備え、第1及び第2配線グループに含まれたシート配線のうち、シート検査信号を伝達するシート配線は各パネルに連結する連結配線に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート検査が可能なように設計され、単純な構造の画素回路を採用しながらも、シート検査時の輝度偏差を防止できるようにした有機電界発光表示装置のマザー基板及びその検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複数の有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Display)のパネルは1つのマザー基板上で形成された後、スクライビングされて個々のパネルに分離される。即ち、大量の有機電界発光表示装置をより効率的に生産するために複数の有機電界発光表示装置のパネルを1つのマザー基板上で形成した後、これを個別のパネルに切断(スクライビング)する、いわゆる「シート単位(Sheet Unit)」の生産方式が導入された。
【0003】
このように、個別に分離された有機電界発光表示装置のパネルに対する検査はパネル単位の検査装備でパネル毎に個別に行われる。しかしながら、この場合、それぞれのパネルを別々に検査しなければならないため、検査の効率性が低下する。
【0004】
従って、有機電界発光表示装置のパネル検査は、それぞれのパネルがマザー基板から分離される以前にシート単位で行なわれなければならない必要がある。
【0005】
但し、そのためには、複数のパネルにシート検査のための電源及び/又は信号を供給するための複数のシート配線がマザー基板上に設計されなければならない。
【0006】
シート配線はシート検査パッドを介して外部の検査装置から供給されるシート検査信号などをそれぞれのパネル内部に伝達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国特許公開第2008−0085575号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、駆動トランジスタの閾値電圧を補償するための補償回路が画素内部に形成されない単純な構造の画素回路を採用した有機電界発光表示装置の場合、シート検査時にそれぞれの画素及び/又はパネルの間に輝度偏差が発生して検査の正確度が低下するなどの問題が発生し得る。また、この場合、シート単位でエージングを行う時もエージングを均一に適用できないという問題が発生し得る。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、シート検査が可能なように設計され、単純な構造の画素回路を採用しながらも、シート検査時の輝度偏差を防止できるようにした有機電界発光表示装置のマザー基板及びその検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、マトリクス状に配列される複数の画素を含む複数の有機電界発光表示装置のパネルと、前記パネルの外郭領域に第1方向に形成されて外部から供給される検査用電源又は信号を前記パネルに伝達する複数のシート配線を含む第1配線グループと、前記パネルの外郭領域に第2方向に形成されて外部から供給される検査用電源又は信号を前記パネルに伝達する複数の他のシート配線を含む第2配線グループと、外部から供給されるシート検査信号から前記パネルの画素に備えられた駆動トランジスタの閾値電圧に相応する電圧を差し引いて前記パネルに供給する補償部と、を備え、前記第1及び第2配線グループに含まれたシート配線のうち、前記シート検査信号を伝達するシート配線は各前記パネルに連結する連結配線に接続されることを特徴とする、有機電界発光表示装置のマザー基板が提供される。
【0011】
前記補償部は、前記シート検査信号を伝達するシート配線と該シート検査信号の伝達を受ける前記パネルのパッドとの間に接続される第1トランジスタと、前記第1トランジスタのゲート電極とドレイン電極との間に接続され、第1スイッチング信号により前記シート検査信号が伝達される期間に前記第1トランジスタをダイオード連結する第2トランジスタと、前記第1トランジスタのゲート電極とゲートハイレベル電圧源との間に接続されるキャパシタと、を含んでいてもよい。
【0012】
前記補償部は、前記第1トランジスタのドレイン電極とリセット電圧源との間に接続され、第2スイッチング信号により前記シート検査信号が伝達される期間の前であるリセット期間に前記第1トランジスタのドレイン電極の電圧を初期化する第3トランジスタを更に含んでいてもよい。
【0013】
前記補償部は、自身を経由して前記シート検査信号の伝達を受けるパネルのスクライビングラインの外部に位置していてもよい。
【0014】
各前記パネルは、外部から供給される検査用電源及び信号を前記パネルの内部に伝達するための複数のパッドを備えるパッド部と、データ線及び走査線の交差部に位置する複数の画素を備える画素部と、前記走査線に走査信号を供給するための走査駆動部と、前記データ線の一側端と前記パッド部との間に接続されて前記パッド部を介して供給されるアレイ検査信号又はリセット電圧を前記データ線に供給するための複数の第1検査トランジスタを備える第1検査部と、前記第1検査部と前記データ線との間に接続されて前記第1検査トランジスタのそれぞれから供給されるアレイ検査信号又はリセット電圧を複数のデータ線に分配して出力するデータ分配部と、前記データ線の他側端と前記補償部との間に接続されて前記補償部から供給される前記シート検査信号を前記データ線に伝達するための複数の第2検査トランジスタを備える第2検査部と、を備えていてもよい。
【0015】
前記第1検査部及び前記データ分配部は、シート検査期間中、前記第2検査部を介して前記シート検査信号が伝達される期間の前であるリセット期間にターンオンされて、前記パッド部から伝達されるリセット電圧を前記データ線に供給してもよい。
【0016】
各前記パネルは、赤色光を放出する赤色画素、緑色光を放出する緑色画素及び青色光を放出する青色画素を含み、前記シート検査信号を伝達するシート配線は、前記赤色画素、緑色画素及び青色画素にそれぞれ赤色シート検査信号、緑色シート検査信号及び青色シート検査信号を伝達する少なくとも3つの配線で構成され、前記補償部は、各前記少なくとも3つの配線にそれぞれ接続される補償回路を含んでいてもよい。
【0017】
前記シート検査信号は、点灯検査信号又はエージング信号に設定されていてもよい。
【0018】
前記パネルは映像を表示するための複数の画素を備え、各前記画素は、第1画素電源と第2画素電源との間に接続される有機電界発光ダイオードと、前記第1画素電源と前記有機電界発光ダイオードとの間に接続される駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート電極とソース電極との間に接続されるストレージキャパシタと、前記駆動トランジスタのゲート電極とデータ線との間に接続され、ゲート電極が走査線に接続されるスイッチングトランジスタと、を含んで構成されていてもよい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、走査線及びデータ線の交差部に位置する複数の画素を含む複数のパネルと、前記複数のパネルの外郭に位置して前記複数のパネルに検査用電源又は信号を供給する複数のシート配線を備える有機電界発光表示装置のマザー基板をシート単位で検査する有機電界発光表示装置のシート検査方法であって、前記シート配線のうち、一部のシート配線を用いて前記複数のパネルのデータ線にシート検査信号を供給し、前記シート検査信号から前記画素に備えられた駆動トランジスタの閾値電圧に相応する電圧を差し引いて前記パネルに供給することを特徴とする有機電界発光表示装置のシート検査方法が提供される。
【0020】
前記シート検査信号を前記パネルに伝達するシート配線にダイオード連結されたトランジスタを経由して前記シート検査信号を前記パネルに供給してもよい。
【0021】
前記シート検査信号の供給に先立って、前記シート配線のうち他のシート配線を用いて前記複数のパネルのデータ線にリセット電圧を供給してもよい。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明によれば、マザー基板上にシート配線を設計してシート検査が可能なようにし、シート検査信号の入力ラインに駆動トランジスタの閾値電圧を補償するための補償部を連結することで、単純な構造の画素回路を採用した有機電界発光表示装置でもシート検査時の輝度偏差を防止すると共に、エージングを効果的に行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る有機電界発光表示装置の画素を示す回路図である。
【図2】本発明の実施形態に係る有機電界発光表示装置のマザー基板を概略的に示す平面図である。
【図3】図2に示す第1検査部及び第2検査部の詳細構成とその動作を説明する要部平面図である。
【図4】図3に示すVth補償部の一例を示す回路図である。
【図5】図4に示すVth補償部の駆動方法を説明する波形図である。
【図6】図3に示すVth補償部の他の例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係る有機電界発光表示装置の画素を示す回路図である。便宜上、図1では第nの走査線Sn及び第mのデータ線Dmと接続される画素を示す。
【0026】
図1を参照すれば、画素10は、有機電界発光ダイオードOLEDと、有機電界発光ダイオードOLEDに流れる駆動電流を制御するための画素回路12を含む。
【0027】
有機電界発光ダイオードOLEDのアノード電極は画素回路12を経由して第1画素電源ELVDDに接続され、カソード電極は第2画素電源ELVSSに接続される。ここで、第1画素電源ELVDDは高電位画素電源に設定され、第2画素電源ELVSSは低電位画素電源に設定されることができる。このような有機電界発光ダイオードOLEDは、画素回路12から供給される駆動電流に対応する輝度で発光する。
【0028】
画素回路12は、スイッチングトランジスタST、駆動トランジスタDT及びストレージキャパシタCstを備える。
【0029】
スイッチングトランジスタSTの第1電極はデータ線Dmに接続され、第2電極は第1ノードN1に接続される。ここで、第1電極と第2電極は互いに異なる電極であって、例えば、第1電極がソース電極であれば、第2電極はドレイン電極である。そして、スイッチングトランジスタSTのゲート電極は走査線Snに接続される。このようなスイッチングトランジスタSTは走査線Snに走査信号(ローレベル)が供給される時にターンオンされてデータ線Dmに供給されるデータ信号を第1ノードN1に供給する。
【0030】
駆動トランジスタDTの第1電極は第1画素電源ELVDDに接続され、第2電極は有機電界発光ダイオードOLEDのアノード電極に接続される。そして、駆動トランジスタDTのゲート電極は第1ノードN1に接続される。このような駆動トランジスタDTは自身のゲート電極に供給される電圧に対応して第1画素電源ELVDDから有機電界発光ダイオードOLEDのアノード電極に流れる駆動電流を制御する。
【0031】
ストレージキャパシタCstの一電極は第1ノードN1に接続され、他の電極は第1画素電源ELVDD及び駆動トランジスタDTの第1電極(ソース電極)に接続される。このようなストレージキャパシタCstは走査線Snに走査信号が供給される時に第1ノードN1に供給されるデータ信号に対応する電圧を格納し、格納された電圧を1フレーム期間に維持する。
【0032】
このような画素10の動作過程を詳細に説明すれば、まず走査線Snに走査信号が供給されれば、スイッチングトランジスタSTがターンオンされる。
【0033】
スイッチングトランジスタSTがターンオンされれば、データ線Dmに供給されるデータ信号がスイッチングトランジスタSTを経由して第1ノードN1に供給される。
【0034】
第1ノードN1にデータ信号が供給されれば、ストレージキャパシタCstにはデータ信号に対応する電圧が充電される。
【0035】
すると、駆動トランジスタDTは自身のゲート−ソース間電圧Vgs(即ち、データ信号に対応する電圧)に対応して第1画素電源ELVDDから有機電界発光ダイオードOLEDに流れる駆動電流を制御する。
【0036】
これにより、有機電界発光ダイオードOLEDがデータ信号に対応する輝度で発光して映像を表示するようになる。
【0037】
但し、前述したように単純な構造で画素回路12が設計される画素10で、駆動トランジスタDTは自身のゲート−ソース間電圧から閾値電圧Vthを差し引いた電圧に対応する駆動電流を有機電界発光ダイオードOLEDに供給するようになる。
【0038】
しかしながら、駆動トランジスタの閾値電圧は工程バラツキなどによってパネル或いは画素毎にその値に偏差が発生し得るものであって、閾値電圧の偏差により輝度散布が発生し得る。
【0039】
これを防止するためには、画素回路12内に閾値電圧を補償するための追加的な素子が形成されるか、或いは、画素10の外部で閾値電圧を補償できるようにするデータ信号を供給しなければならない。
【0040】
但し、画素10の外部で閾値電圧が補償されるようにするデータ信号を供給する有機電界発光表示装置の場合、画素10の構造が単純化するという長所を有するが、マザー基板の状態で実施されるシート検査が効果的に行われないという短所を有する。
【0041】
より具体的には、マザー基板の状態でのシート検査はそれぞれのパネル上にデータ駆動部が実装されていない状態で行われ、シート検査信号は外部の検査装置からシート検査パッドに供給されてシート配線を介してそれぞれのパネルに供給されるようになる。
【0042】
この場合、それぞれのパネルには閾値電圧が考慮されないシート検査信号が供給されるようになり、マザー基板全体的に駆動トランジスタの閾値電圧に応じてパネル間或いは画素間で輝度偏差が発生して検査の正確度が低下してしまうなどの問題が発生し得る。また、シート検査信号としてエージング信号を供給してエージングを行えるが、この場合にも閾値電圧の偏差が補償されず、エージングを均一に適用できないという問題が発生し得る。
【0043】
従って、本実施形態ではシート検査が可能なように設計され、単純な構造の画素回路を採用しながらも、シート検査時の輝度偏差を防止できるようにした有機電界発光表示装置のマザー基板及びその検査方法を提供し、これについての詳細な説明は図2〜図6を参照して後述する。
【0044】
図2は、本発明の一実施形態に係る有機電界発光表示装置のマザー基板を概略的に示す平面図である。そして、図3は、図2に示す第1検査部及び第2検査部の詳細構成とその動作を説明する要部平面図である。
【0045】
図2〜図3を参照すれば、本発明の一実施形態に係る有機電界発光表示装置のマザー基板100は、マトリクス状に配列される複数の有機電界発光表示装置のパネル110と、パネル110の外郭領域にそれぞれ第1方向及び第2方向に形成される第1配線グループ120及び第2配線グループ130を含む。
【0046】
パネル110のそれぞれは、走査駆動部140、画素部150、第1検査部160、データ分配部170、第2検査部180及びパッド部190を含む。
【0047】
走査駆動部140は、外部からパッド部190を経由して供給される走査駆動電源及び走査制御信号SCSに対応して走査信号を生成し、これを走査線S1〜Snに順次供給する。
【0048】
画素部150は、データ線D1〜D3m及び走査線S1〜Snの交差部に位置する複数の画素152を備える。ここで、画素152は、図1に示した画素10のような、単純な構造で構成されていてもよい。
【0049】
第1検査部160は、データ分配部170を介してデータ線D1〜D3mの一側端に電気的に連結されてデータ線D1〜D3mにアレイ検査信号TD1又はリセット電圧Vresetを供給する。
【0050】
より具体的には、図3に示したように、第1検査部160はデータ線D1〜D3mの一側端とパッド部190との間に接続されてパッド部190を介して供給されるアレイ検査信号TD1又はリセット電圧Vresetをデータ線D1〜D3mに供給するための複数の第1検査トランジスタM11〜M1mを備える。
【0051】
ここで、第1検査トランジスタM11〜M1mのソース電極はパッド部190に備えられた第1パッドP1に共通して接続され、ドレイン電極はデータ分配部170を経由してそれぞれのデータ線D1〜D3mに接続される。そして、第1検査トランジスタM11〜M1mのゲート電極はパッド部190に備えられた第2パッドP2に共通して接続される。
【0052】
このような第1検査トランジスタM11〜M1mはアレイ検査が行われる間、第2パッドP2から供給されるアレイ検査制御信号TD2に対応して同時にターンオンされて第1パッドP1から供給されるアレイ検査信号TD1をデータ分配部170に出力する。そして、データ分配部170から出力されたアレイ検査信号TD1はデータ分配部170によりデータ線D1〜D3mに伝達される。
【0053】
また、アレイ検査が終了した後、第1検査トランジスタM11〜M1mは一般にオフ状態を維持する。例えば、第2検査部180を用いたシート検査が行われる間、第1検査トランジスタM11〜M1mはオフ状態を維持できる。
【0054】
但し、本発明の一実施形態に係るVth補償部200がデータ線D1〜D3mを初期化するための駆動素子を備えない場合、第1検査トランジスタM11〜M1mはシート検査期間中、リセット期間に第2パッドP2から供給されるゲートローレベル電圧VGLによりターンオンされて第1パッドP1から供給されるリセット電圧Vresetをデータ線D1〜D3mに供給することもできる。これについての詳細な説明は後述する。
【0055】
一方、第1検査部160はパネル110に対する検査が完了し、それぞれのパネル110がマザー基板100からスクライビングされた後は、オフ状態を維持する。例えば、第1検査部160はパネル110が実際に駆動される期間にはパッド部190から供給されるバイアス信号により安定してオフ状態を維持できる。
【0056】
データ分配部170は第1検査部160とデータ線D1〜D3mとの間に接続されて、第1検査トランジスタM11〜M1mのそれぞれを経由して出力線O1〜Omに供給されるアレイ検査信号TD1又はリセット電圧Vresetを複数のデータ線D1〜D3mに分配して出力する。ここで、データ分配部170は、一般的なDEMUX(分離)構造などを採用できるものであって、データ分配部170の回路構成についての詳細な説明は省略する。
【0057】
このようなデータ分配部170は、アレイ検査が行われる間にはパッド部190に備えられた第3〜第5パッドP3、P4、P5を介して赤色、緑色及び青色クロック信号CLK_RGBの供給を受け、これに対応して駆動しながら、アレイ検査信号TD1をデータ線D1〜D3mに分配して出力する。
【0058】
また、データ分配部170は、シート検査が行われる間にはオフ状態を維持したり、或いはシート配線を介して供給されるスイッチング信号SWによりターンオンされたりして、第1検査部160から供給されるリセット電圧Vresetをデータ線D1〜D3mに出力できる。
【0059】
一方、データ分配部170は、パネル110に対する検査が完了し、それぞれのパネル110がマザー基板100からスクライビングされた後は、図示されていないデータ駆動部の出力線から供給されるデータ信号をデータ線D1〜D3mに分配して出力する。ここで、データ駆動部はスクライビングが完了したパネル110上に第1検査部160と重なるようにICチップの形態などで実装されていてもよい。
【0060】
第1検査部160及びデータ分配部170を用いたアレイ検査過程を詳細に説明すれば、まずアレイテスト装置などを用いて第1〜第5パッドP1〜P5にそれぞれアレイ検査信号TD1、アレイ検査制御信号TD2、赤色、緑色及び青色クロック信号CLK_RGBを供給する。
【0061】
すると、アレイ検査制御信号TD2に対応して第1検査トランジスタM11〜M1mがターンオンされ、これにより、第1パッドP1から供給されるアレイ検査信号TD1が出力線O1〜Omに出力される。
【0062】
すると、データ分配部170は赤色、緑色及び青色クロック信号CLK_RGBに対応して第1検査部160の出力線O1〜Omから供給されるアレイ検査信号TD1を赤色、緑色及び/又は青色副画素のデータ線D1〜D3mに分配して出力する。これにより、パネル110でアレイ検査が行われる。
【0063】
一方、走査駆動部140内に含まれたトランジスタ(図示せず)、走査線S1〜Sn及び/又は画素電源線などにもアレイ検査のための信号が供給されて、これらの連結状態を検査することもできる。
【0064】
第2検査部180はデータ線D1〜D3mの他側端とVth補償部200との間に接続されて、シート配線からVth補償部200を経由してパネル110内部に供給されるシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bをデータ線D1〜D3mに伝達する。シート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bは、点灯検査信号又はエージング信号などに設定され得る。
【0065】
そのために、第2検査部180は赤色、緑色及び青色のシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bが入力される入力ラインとデータ線D1〜D3mとの間に接続される複数の第2検査トランジスタM1〜M3mを備える。ここで、第2検査トランジスタM1〜M3mのゲート電極はシート配線を介してシート検査制御信号TG2が入力される入力ラインに共通して接続される。
【0066】
このような第2検査トランジスタM1〜M3mは、シート検査期間に供給されるシート検査制御信号TG2に対応して同時にターンオンされてVth補償部200を経由して供給されるシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bをデータ線D1〜D3mに伝達する。
【0067】
第2検査部180を用いたシート検査の実行過程を詳細に説明すれば、まず第3シート配線131からシート検査制御信号TG2が供給されれば、第2検査トランジスタM1〜M3mがいずれもターンオンされる。これにより、第4シート配線132から供給されるシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_BがVth補償部200及び第2検査部180を経由して各データ線D1〜D3mに供給される。
【0068】
そして、第1配線グループ120の第2配線122から走査駆動部140に第1走査駆動電源、第2走査駆動電源及び走査制御信号SCSが供給される。すると、走査駆動部140は順次走査信号を生成して画素部150に供給する。従って、走査信号及びシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bの供給を受けた画素152が発光して映像を表示することで、点灯検査などのシート検査が行われるようになる。
【0069】
一方、第2検査部180は第1及び第2配線グループ120、130を用いたシート検査が行われない間はオフ状態を維持する。例えば、第1検査部160及びデータ分配部170を用いたアレイ検査時(アレイ検査信号TD1とシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bは互いに異なる時間に供給される)や、それぞれのパネル110がマザー基板100からスクライビングされた後、第2検査部180はパッド部190から供給されるバイアス信号に対応してオフ状態を維持できる。即ち、スクライビング後は、第2検査部180はパネル110の駆動に用いられず、トランジスタグループに残る。
【0070】
パッド部190は、外部から供給される電源及び/又は信号をパネル110内部に伝達するための複数のパッドPを含む。
【0071】
第1配線グループ120はパネル110の外郭領域、例えば、パネル110間の境界領域に第1方向(垂直方向)に形成されて、シート検査パッドTPを介して外部から供給される検査用電源及び/又は信号をパネル110に伝達する複数のシート配線を含む。
【0072】
例えば、第1配線グループ120は、第1画素電源ELVDDを伝達する第1シート配線121と、走査駆動電源及び走査制御信号SCSを伝達する第2シート配線122を含むことができる。ここで、第2シート配線122は1つの配線で示したが、実際には複数の配線で構成され得る。例えば、第2シート配線122は、それぞれ第1走査駆動電源VDD、第2走査駆動電源VSS、スタートパルスSP、走査クロック信号CLK及び出力イネーブル信号OEの供給を受ける5つの配線で構成されることができる。このような第2シート配線122の数は走査駆動部140の回路構成に応じて多様に変更され得る。
【0073】
このような第1配線グループ120は同じ列に配列されるパネル110に共通して接続されてシート検査時に自身に供給される検査用電源及び/又は信号を自身と接続されたパネル110に伝達する。
【0074】
第2配線グループ130はパネル110の外郭領域、例えば、パネル110間の境界領域に第1方向と交差する第2方向(水平方向)に形成されて、シート検査パッドTPを介して外部から供給される検査用電源及び/又は信号をパネル110に伝達する複数の他のシート配線を含む。
【0075】
例えば、第2配線グループ130は、シート検査制御信号TG2を伝達する第3シート配線131、シート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bを伝達する第4シート配線132及び第2画素電源ELVSSを伝達する第5シート配線133を含むことができる。ここで、第4シート配線132は1つの配線で示したが、実際には複数の配線で構成されていてもよい。例えば、第4シート配線132は、赤色シート検査信号TD2_R、緑色シート検査信号TD2_G及び青色シート検査信号TD2_Bを伝達する3つの配線で構成されていてもよい。
【0076】
このような第2配線グループ130は同じ行に配列されるパネル110に共通して接続されてシート検査時に自身に供給される検査用電源及び/又は信号を自身と接続されたパネル110に伝達する。
【0077】
前述した有機電界発光表示装置のマザー基板100によれば、それぞれのパネル110をスクライビングしないシート状態でパネル110の不良検査を行うことができる。
【0078】
ここで、パネル110検査は大きくアレイ検査とシート検査とに分けられる。
【0079】
アレイ検査は各パネル110に含まれたトランジスタ及び/又は配線の連結状態を点検するためのものであって、有機電界発光ダイオードが形成される以前、即ち、トランジスタ形成工程と有機電界発光ダイオード形成工程との間に行われる。
【0080】
このようなアレイ検査は配線などの連結状態が不良なパネル110を予め検出し、場合によっては、不良を修理して有機電界発光ダイオード形成工程などの後続工程が行われるように、パネル110単位で行われる。即ち、アレイ検査は外部のアレイテスト装置(図示せず)を用いて個々のパネル110単位でパッド部190、又は露出した信号線、電源線及び/又は電極にアレイ検査のための信号及び/又は電源を供給し、配線及び/又はトランジスタなどに流れる電流や、これらに印加された電圧などを検出することで、実行され得る。
【0081】
特に、アレイ検査時にはパッド部190を介して第1検査部160にアレイ検査信号TD1を供給し、第1検査部160に供給されたアレイ検査信号TD1がデータ分配部170を経由してデータ線D1〜D3mに伝達されるようにする。
【0082】
このように、パネル110にアレイ検査信号を供給することで、パネル110のそれぞれに形成された配線及び/又はトランジスタの連結状態(即ち、オープン欠陥やショート欠陥が発生したか否か)を確認することができる。
【0083】
一方、シート検査はパネル110の点灯検査及び/又はエージングなどをマザー基板上で一度に行うためのものであって、有機電界発光ダイオード形成工程が完了した後に行われる。
【0084】
このようなシート検査はマザー基板100上で個別にアレイ検査が完了した複数のパネル110に対してシート単位で行われ、検査の効率性を向上させる。但し、シート単位でパネル110に対して検査を行うために、複数のパネル110を連結するシート配線(即ち、第1及び第2配線グループ120、130)を形成し、シート配線を介して複数のパネル110に検査のための信号及び/又は電源を供給する。
【0085】
ここで、シート検査は第1検査部160及びデータ分配部170をオフさせた状態で第2検査部180にシート検査信号を供給することで実行され得る。即ち、シート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bとアレイ検査信号TD1は同時に供給されない。
【0086】
このために、第1及び/又は第2配線グループ120、130には、第1検査部160及びデータ分配部170と電気的に連結されてシート検査が行われる間に第1検査部160及びデータ分配部170にバイアス信号を供給する少なくとも1つの配線(図示せず)が更に含まれ得る。
【0087】
これは第1及び第2配線グループ120、130を介して複数のパネル110に同時に電源及び信号を供給する過程で発生した信号遅延による少なくとも一部パネル110の誤作動を防止するためである。
【0088】
より具体的には、マザー基板100の中央部に位置するパネル110ほど、シート検査のための電源及び/又は信号が供給されるシート検査パッドTPからの距離が増加するようになるので、第1及び第2配線グループ120、130を経由する過程で信号遅延が進むことによって、遅れた電源及び/又は信号の供給を受けたパネル110が誤作動し得る。
【0089】
特に、データ分配部170に供給される赤色、緑色及び青色クロック信号CLK_RGBに遅延が発生する場合、画素回路でデータ電圧を充電する時間を十分に確保できずに正常な画像が表示されず、或いは、シート検査制御信号TG2と各クロック信号CLK_RGBを同期化し難いという問題がある。
【0090】
従って、第1及び第2配線グループ120、130を通じたシート検査時にはデータ分配部170を介してシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bを供給せず、別途の第2検査部180を備えてシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bを供給することで、パネル110の誤作動を防止する。即ち、データ分配部170のアレイ検査は各パネル110に対するアレイ検査段階で行われ、シート検査が行われる間にデータ分配部170はオフされるように設定される。
【0091】
反面、第2検査部180は同じシート検査制御信号TG2により同時にターンオンされてデータ線D1〜D3mにシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bを供給する複数の第2検査トランジスタM1〜M3mで構成されるので、データ分配部170に遅れた信号が入力される時に発生し得る同期化が難しいなどの問題を解決して誤作動を防止することで、点灯検査などのシート検査を効果的に行うようになる。
【0092】
一方、後述する本発明の他の実施形態ではシート検査時にデータ線D1〜D3mを初期化するために第1検査部160及びデータ分配部170がリセット期間にターンオンされることもできるが、この場合、データ分配部170のクロック信号CLK_RGBが入力される入力ラインは図示していない1つのシート配線に共通して連結されて1つのスイッチング信号SWにより動作するので、同期化などに問題が生じない。
【0093】
前述したように、本発明の実施形態に係る有機電界発光表示装置のマザー基板100によれば、マザー基板100上に形成された各パネル110に対するアレイ検査を行えるのはもちろん、第1及び第2配線グループ120、130を介して複数のパネル110に一度に検査用電源及び/又は信号を供給してシート単位で検査を行うこともできる。
【0094】
これにより、検査時間を短縮し、費用を削減するなど検査の効率性を向上させることができる。更に、パネル110を構成する回路配線が変更されたり、パネル110のサイズが変更されたりしても、第1及び第2配線グループ120、130の回路配線とマザー基板100のサイズが変更されなければ、検査装備やジグを変更しなくても検査を行える。
【0095】
但し、本実施形態において、第1及び第2配線グループ120、130に含まれたシート配線のうち、シート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bを伝達する第4シート配線132をパネル110のそれぞれに連結する連結配線CLにはVth補償部200が接続される。
【0096】
Vth補償部200はシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bからパネル110の画素152に備えられた駆動トランジスタの閾値電圧に相応する電圧を差し引いてパネル110に供給する。
【0097】
ここで、パネル110のそれぞれが赤色光を放出する赤色画素、緑色光を放出する緑色画素及び青色光を放出する青色画素を含み、シート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bを伝達する第4配線132がそれぞれ赤色シート検査信号TD2_R、緑色シート検査信号TD2_G及び青色シート検査信号TD2_Bを伝達する少なくとも3つの配線で構成される場合、Vth補償部200は前記少なくとも3つの配線のそれぞれに接続されていてもよい。
【0098】
即ち、本実施形態はシート配線のうち、一部のシート配線を用いて複数のパネル110のデータ線D1〜D3mにシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bを供給し、前記シート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bから画素152に備えられた駆動トランジスタの閾値電圧に相応する電圧を差し引いてパネル110に供給することを特徴とする。
【0099】
このために、Vth補償部200には、シート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bが供給される期間にダイオード連結され、画素152に備えられた駆動トランジスタの閾値電圧と類似又は同一の閾値電圧を有するトランジスタが備えられ、前記トランジスタがダイオード連結された状態で前記トランジスタを経由してシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bをパネル110に供給する。
【0100】
前述したように、本実施形態ではマザー基板100上にシート配線を設計してシート検査が可能なようにし、シート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bがパネル110に入力される入力ラインに駆動トランジスタの閾値電圧を補償するためのVth補償部200を連結する。これにより、単純な構造の画素回路を採用した有機電界発光表示装置でも閾値電圧の偏差によるシート検査時の輝度偏差を防止すると共に、エージングを効果的に行える。
【0101】
このようなVth補償部200は、自身を経由してシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bの伝達を受けるパネル110のスクライビングラインの外部に位置する。これにより、Vth補償部200はスクライビング後にはパネル110の他の構成要素と電気的に絶縁されてパネル110の実際の駆動には影響を及ぼさない。
【0102】
図4は、図3に示すVth補償部200の一例を示す回路図である。そして、図5は、図4に示すVth補償部200の駆動方法を説明する波形図である。
【0103】
まず、図4を参照すれば、Vth補償部200は、赤色、緑色及び青色シート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bを伝達するシート配線のそれぞれに接続される第1〜第3補償回路210、220、230を含む。
【0104】
ここで、それぞれの第1〜第3補償回路210、220、230は、第1〜第3トランジスタT1〜T3とキャパシタCを含み、互いに同一に構成されるので、以下では1つの補償回路を基準にVth補償部200の構成を説明する。
【0105】
Vth補償部200は、シート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bを伝達するシート配線とそれの伝達を受けるパネルのパッドPとの間に接続される第1トランジスタT1と、第1トランジスタT1のゲート電極とドレイン電極との間に接続され、第1スイッチング信号SW1によりシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bが伝達される期間に第1トランジスタT1をダイオード連結する第2トランジスタT2と、第1トランジスタT1のドレイン電極とリセット電圧源Vresetとの間に接続され、第2スイッチング信号SW2によりシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bが供給される前であるリセット期間に第1トランジスタT1のドレイン電極の電圧を初期化する第3トランジスタT3と、第1トランジスタT1のゲート電極とゲートハイレベル電圧源VGHとの間に接続されるキャパシタCとを含む。
【0106】
このようなVth補償部200の駆動方法を図5の波形図と結びつけて説明すると、まず、リセット期間にハイレベルの第1スイッチング信号SW1とローレベルの第2スイッチング信号SW2が供給される。
【0107】
これにより、第2トランジスタT2はターンオフされ、第3トランジスタT3はターンオンされる。
【0108】
第3トランジスタT3がターンオンされれば、リセット電圧源Vresetの電圧により第1トランジスタT1のドレイン電極の電圧が初期化される。リセット電圧源Vresetの電圧は、以後の補償及び検査信号印加期間にシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bが入力されるシート配線からパッドPに向かう方向が第1トランジスタT1の順方向ダイオードの連結方向になり得る程度に低い電圧に設定される。このとき、パネルのデータ線は、第2検査部を経由して第1トランジスタT1のドレイン電極と連結され得るので、データ線も共に初期化され得る。
【0109】
このようなリセット期間に第1トランジスタT1はキャパシタCによりゲートハイレベル電圧源VGHの影響を受けてオフ状態を維持する。
【0110】
その後、補償及び検査信号印加期間にローレベルの第1スイッチング信号SW1とハイレベルの第2スイッチング信号SW2が供給される。
【0111】
これにより、第3トランジスタT3はターンオフされ、第2トランジスタT2はターンオンされる。
【0112】
第2トランジスタT2がターンオンされれば、第1トランジスタT1がダイオード連結される。これにより、シート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bが第1トランジスタT1を経由しながら第1トランジスタT1の閾値電圧だけ差し引かれてパッドPに入力される。パッドPに入力されたシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bは、第2検査部によりデータ線に供給される。
【0113】
ここで、第1トランジスタT1の閾値電圧は画素に備えられた駆動トランジスタの閾値電圧と相応する値に設計される。例えば、第1トランジスタT1の閾値電圧は、駆動トランジスタの閾値電圧と類似又は同一の値に設計され得る。
【0114】
これにより、画素は閾値電圧が予め差し引かれたシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bの供給を受けるので、駆動トランジスタにより有機発光ダイオードに供給される駆動電流で閾値電圧効果が相殺されながら、パネル及び画素の輝度偏差が防止される。
【0115】
図6は、図3に示すVth補償部200の他の例を示す回路図である。便宜上、図6を説明する時、図4と同一の部分についての詳細な説明は省略する。
【0116】
図6を参照すれば、Vth補償部200’は第3トランジスタT3を備えず、従って、データ線にリセット電圧源の電圧を供給しない。
【0117】
但し、この場合、第1及び第2トランジスタT1、T2により閾値電圧が差し引かれたシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bを供給する前であるリセット期間に図3に示す第1検査部160及びデータ分配部170を用いてリセット電圧Vresetを供給できる。
【0118】
即ち、Vth補償部200’で初期化のための構成要素が省略される場合、シート検査期間中に各パネルにシート検査信号TD2_R、TD2_G、TD2_Bの供給に先立ち、第1検査部160及びデータ分配部170を用いてデータ線D1〜D3mにリセット電圧Vresetを供給できる。より具体的には、第1検査部160及びデータ分配部170にスイッチング信号SW及びゲートローレベル電圧VGLを供給してこれらをターンオンさせた状態で、第1検査トランジスタM11〜M1mのソース電極にリセット電圧Vresetを供給することにより、データ線D1〜D3mにリセット電圧Vresetを供給できる。
【0119】
このために、第1又は第2配線グループには、第1検査部160にゲートローレベル電圧VGL及びリセット電圧Vresetを供給するためのシート配線と、データ分配部170にスイッチング信号SWを供給するためのシート配線が追加で備えられることができる。このとき、データ分配部170に赤色、緑色及び青色クロック信号CLK_RGBを供給するための入力配線は1つのシート配線に共通して接続され得る。
【0120】
前述したようなVth補償部200’を採用する場合、図4のVth補償部200と比較して第3トランジスタT3を省略できる。これにより、Vth補償部200’が単純になって設計が容易になり、第1トランジスタT1を更に大きく設計できるため、閾値電圧の補償能力を向上させることができる。
【0121】
また、シート検査時に第1検査部160及びデータ分配部170を駆動するので、シート検査時にデータ分配部170の正常駆動如何も確認できる。
【0122】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0123】
10 画素
12 画素回路
100 マザー基板
110 パネル
120 第1配線グループ
130 第2配線グループ
140 走査駆動部
150 画素部
152 画素
160 第1検査部
170 データ分配部
180 第2検査部
190 パッド部
200 Vth補償部
210 第1補償回路
220 第2補償回路
230 第3補償回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクス状に配列される複数の画素を含む複数の有機電界発光表示装置のパネルと、
前記パネルの外郭領域に第1方向に形成されて外部から供給される検査用電源又は信号を前記パネルに伝達する複数のシート配線を含む第1配線グループと、
前記パネルの外郭領域に第2方向に形成されて外部から供給される検査用電源又は信号を前記パネルに伝達する複数の他のシート配線を含む第2配線グループと、
外部から供給されるシート検査信号から前記パネルの画素に備えられた駆動トランジスタの閾値電圧に相応する電圧を差し引いて前記パネルに供給する補償部と、
を備え、
前記第1及び第2配線グループに含まれたシート配線のうち、前記シート検査信号を伝達するシート配線は各前記パネルに連結する連結配線に接続されることを特徴とする、有機電界発光表示装置のマザー基板。
【請求項2】
前記補償部は、
前記シート検査信号を伝達するシート配線と該シート検査信号の伝達を受ける前記パネルのパッドとの間に接続される第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのゲート電極とドレイン電極との間に接続され、第1スイッチング信号により前記シート検査信号が伝達される期間に前記第1トランジスタをダイオード連結する第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのゲート電極とゲートハイレベル電圧源との間に接続されるキャパシタと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置のマザー基板。
【請求項3】
前記補償部は、前記第1トランジスタのドレイン電極とリセット電圧源との間に接続され、第2スイッチング信号により前記シート検査信号が伝達される期間の前であるリセット期間に前記第1トランジスタのドレイン電極の電圧を初期化する第3トランジスタを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光表示装置のマザー基板。
【請求項4】
前記補償部は、自身を経由して前記シート検査信号の伝達を受けるパネルのスクライビングラインの外部に位置することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置のマザー基板。
【請求項5】
各前記パネルは、
外部から供給される検査用電源及び信号を前記パネルの内部に伝達するための複数のパッドを備えるパッド部と、
データ線及び走査線の交差部に位置する複数の画素を備える画素部と、
前記走査線に走査信号を供給するための走査駆動部と、
前記データ線の一側端と前記パッド部との間に接続されて前記パッド部を介して供給されるアレイ検査信号又はリセット電圧を前記データ線に供給するための複数の第1検査トランジスタを備える第1検査部と、
前記第1検査部と前記データ線との間に接続されて前記第1検査トランジスタのそれぞれから供給されるアレイ検査信号又はリセット電圧を複数のデータ線に分配して出力するデータ分配部と、
前記データ線の他側端と前記補償部との間に接続されて前記補償部から供給される前記シート検査信号を前記データ線に伝達するための複数の第2検査トランジスタを備える第2検査部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置のマザー基板。
【請求項6】
前記第1検査部及び前記データ分配部は、シート検査期間中、前記第2検査部を介して前記シート検査信号が伝達される期間の前であるリセット期間にターンオンされて、前記パッド部から伝達されるリセット電圧を前記データ線に供給することを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光表示装置のマザー基板。
【請求項7】
各前記パネルは、赤色光を放出する赤色画素、緑色光を放出する緑色画素及び青色光を放出する青色画素を含み、
前記シート検査信号を伝達するシート配線は、前記赤色画素、緑色画素及び青色画素にそれぞれ赤色シート検査信号、緑色シート検査信号及び青色シート検査信号を伝達する少なくとも3つの配線で構成され、
前記補償部は、各前記少なくとも3つの配線にそれぞれ接続される補償回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置のマザー基板。
【請求項8】
前記シート検査信号は、点灯検査信号又はエージング信号に設定されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置のマザー基板。
【請求項9】
前記パネルは映像を表示するための複数の画素を備え、各前記画素は、
第1画素電源と第2画素電源との間に接続される有機電界発光ダイオードと、
前記第1画素電源と前記有機電界発光ダイオードとの間に接続される駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタのゲート電極とソース電極との間に接続されるストレージキャパシタと、
前記駆動トランジスタのゲート電極とデータ線との間に接続され、ゲート電極が走査線に接続されるスイッチングトランジスタと、
を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置のマザー基板。
【請求項10】
走査線及びデータ線の交差部に位置する複数の画素を含む複数のパネルと、前記複数のパネルの外郭に位置して前記複数のパネルに検査用電源又は信号を供給する複数のシート配線を備える有機電界発光表示装置のマザー基板をシート単位で検査する有機電界発光表示装置のシート検査方法であって、
前記シート配線のうち、一部のシート配線を用いて前記複数のパネルのデータ線にシート検査信号を供給し、前記シート検査信号から前記画素に備えられた駆動トランジスタの閾値電圧に相応する電圧を差し引いて前記パネルに供給することを特徴とする有機電界発光表示装置のシート検査方法。
【請求項11】
前記シート検査信号を前記パネルに伝達するシート配線にダイオード連結されたトランジスタを経由して前記シート検査信号を前記パネルに供給することを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光表示装置のシート検査方法。
【請求項12】
前記シート検査信号の供給に先立って、前記シート配線のうち他のシート配線を用いて前記複数のパネルのデータ線にリセット電圧を供給することを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光表示装置のシート検査方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−82130(P2011−82130A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59223(P2010−59223)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】