説明

スタビライザブッシュ

【課題】スタビライザーバーの曲がり部の内周部に軸芯方向の一端部が受け止められている構造でありながら、異音が発生しにくいスタビライザブッシュを提供する。
【解決手段】スタビライザーバー1に外嵌し、前記スタビライザーバー1の曲がり部9の内周部19に軸芯方向Jの一端部21が受け止められるゴム筒状のスタビライザブッシュ100であって、前記スタビライザーバー1の前記曲がり部9から加わる力を緩和するスリット26が、前記軸芯方向Jの一端部21の端面22に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
スタビライザーバーに外嵌し、前記スタビライザーバーの曲がり部の内周部に軸芯方向の一端部が受け止められるゴム筒状のスタビライザブッシュに関する。
【背景技術】
【0002】
スタビライザーバーは車体のローリングを少なくするために、左右の両端部が左右のサスペンション装置に各別に取り付けられる金属製の丸棒状部材(トーションバー)であり、前記ゴム筒状のスタビライザブッシュを介して車体に取り付け固定されている。
【0003】
そして、自動車がローリングするときにスタビライザーバーに捩れが生じて、捩れ剛性による抵抗で左右の車輪の互いに上下反対方向の動きを抑制するとともに、スタビライザーバーの弾性復元力で左右の車輪を元の位置に復帰させる。
【0004】
前記スタビライザブッシュは、U字状の外周面と、前記U字状の外周面の一対の上端に連続する直線状の上側の扁平面とを備え、U字状の外周面に外嵌するU字状のクランプで車体に下側から取り付けられている。そして前記扁平面が車体の取り付け面に下側から圧接し、この取り付け状態でスタビライザブッシュが振動を吸収している。
【0005】
ところで、スタビライザーバーに対するスタビライザブッシュの位置(スタビライザーバーの長手方向に対応する方向の位置)は自動車の車種によって異なり、図11に示すように、スタビライザーバー1の長手方向の端部側に位置して、スタビライザーバー1の曲がり部9の内周部19(曲がりの内側の部分)に軸芯方向Jの一端部21が受け止められているスタビライザブッシュ100がある。
【0006】
図11において、符号1Gはスタビライザーバー1の外周面、2はスタビライザブッシュ100のU字状の外周面、3はU字状の外周面の一対の上端に連続する直線状の上側の扁平面、4はスタビライザブッシュ100のフランジ、7はスタビライザーバー1が嵌合する嵌合孔,7Nは嵌合孔7の内周面、10は車体、22は前記軸芯方向Jの一端部21の端面、Z1は下側、Z2は上側である。
【0007】
従来、このような構造のスタビライザブッシュ100は、スタビライザーバー1の曲がり部9の内周部19に軸芯方向Jの一端部21が受け止められないタイプのスタビライザブッシュ(特許文献1参照)と同様の構造に構成されて、軸芯方向Jの一端部21の端面22は単なる扁平面に構成されていた。
【特許文献1】特開2006−8082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来の構造によれば、スタビライザーバー1の曲がり部9の内周部19に軸芯方向Jの一端部21が受け止められるために、スタビライザブッシュ100がスタビライザーバー1の曲がり部9の内周部19から力を受け、スタビライザブッシュ100の軸芯方向Jの一端部21のうち、スタビライザーバー1と車体10との間の一端部部分60が圧縮されていた。
【0009】
このように前記一端部部分60が圧縮された状態では、スタビライザーバー1の外周面1Gとスタビライザブッシュ100の嵌合孔7の内周面7Nとの間の摩擦抵抗が大きくなって、スタビライザーバー1が捩れるときに異音が発生しやすかった。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、その目的は、スタビライザーバーの曲がり部の内周部に軸芯方向の一端部が受け止められている構造でありながら、異音が発生しにくいスタビライザブッシュを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0012】
[構成]
スタビライザーバーに外嵌し、前記スタビライザーバーの曲がり部の内周部に軸芯方向の一端部が受け止められるゴム筒状のスタビライザブッシュであって、
前記スタビライザーバーの曲がり部から加わる力を緩和するスリットが前記軸芯方向の一端部の端面に形成されている。
【0013】
[作用・効果]
この構成によれば、前記軸芯方向の一端部の端面に形成されたスリットでスタビライザーバーの曲がり部から加わる力を緩和することができる。つまり、スタビライザーバーの曲がり部から前記軸芯方向の一端部に力が加わった場合、一端部の端面に形成されたスリットが潰れて前記力を吸収することができる。
【0014】
その結果、スタビライザーバーの外周面とスタビライザブッシュの嵌合孔の内周面との間の摩擦抵抗を前記一端部側で小さくすることができ、スタビライザーバーの曲がり部の内周部に軸芯方向の一端部が受け止められている構造でありながら、異音が発生しにくくすることができる。
【0015】
請求項2による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0016】
[構成]
請求項1による発明の構成において、
U字状の外周面と、前記U字状の外周面の一対の上端に連続する直線状の上側の扁平面とを備え、
前記U字状の外周面に外嵌するU字状のクランプで車体に下側から取り付けられて、前記扁平面が前記車体の取り付け面に下側から圧接する。
【0017】
[作用・効果]
請求項1による上記の作用に加えて次の作用を奏することができる。
スタビライザブッシュはU字状の外周面に外嵌するU字状のクランプで車体に下側から取り付けられて、前記扁平面が前記車体の取り付け面に下側から圧接するから、スタビライザブッシュの車体への取り付け状態を安定化させることができる。
【0018】
請求項3による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
[構成]
請求項2による発明の構成において、
前記スリットは、前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の周方向に沿う円弧状に形成されて、前記スタビライザーバーの曲がり部の内周部の径方向外方側に配置されている。
【0019】
[作用・効果]
請求項2による上記の作用に加えて次の作用を奏することができる。
前記スリットが、前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の周方向に沿う円弧状に形成されて、前記スタビライザーバーの曲がり部の内周部の径方向外方側に配置されていることで、スタビライザーバーの曲がり部から前記軸芯方向の一端部に力が加わった場合、一端部の端面に形成されたスリットを潰れやすくすることができて前記力を吸収しやすくすることができる。
従って、スタビライザーバーの曲がり部から加わる力をスリットで緩和しやすくすることができる。
【0020】
請求項4による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0021】
[構成]
請求項3による発明の構成において、
前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の軸芯方向視で、前記嵌合孔の中心を通る仮想鉛直線と、前記嵌合孔の中心を通る仮想水平線とで区分けされる前記軸芯方向の一端部の4個の端面部分のうち、上側のいずれか一方の1個の端面部分に前記スリットが形成されるとともに、前記スリットの周方向の一端部が上側のいずれか他方の1個の端面部分内に延出し、前記スリットの周方向の他端部が下側の1個の端面部分内に延出している。
【0022】
[作用・効果]
請求項3による上記の作用に加えて次の作用を奏することができる。
上記の構造により、スタビライザーバーの捩れ揺動の一方の揺動端から他方の揺動端までの間(揺動ストローク)が長く設定されている構造(スタビライザーバーの捩れ揺動の揺動角が大きい構造)に対応することができ、スタビライザーバーが、スタビライザーバーの捩れ揺動の一方の揺動端又は他方の揺動端に位置しても、スタビライザーバーの曲がり部から加わる力をスリットで確実に緩和することができる。
【0023】
請求項5による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0024】
[構成]
請求項4による発明の構成において、
前記下側の1個の端面部分内における前記スリットの第2延出長さが、前記上側のいずれか他方の1個の端面部分内における前記スリットの第1延出長さよりも長く設定されている。
【0025】
[作用・効果]
請求項4による上記の作用に加えて次の作用を奏することができる。
前記下側の1個の端面部分内における前記スリットの第2延出長さが、前記上側のいずれか他方の1個の端面部分内における前記スリットの第1延出長さよりも長く設定されているから、スタビライザーバーの捩れ揺動の下方側の揺動端が下側に大きく延びている構造(スタビライザーバーの捩れ揺動の揺動角が下側に大きく設定されている構造)に対応することができ、スタビライザーバーが、スタビライザーバーの捩れ揺動の下方側の揺動端に位置しても、スタビライザーバーの曲がり部から加わる力をスリットで確実に緩和することができる。
【0026】
請求項6による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0027】
[構成]
請求項4による発明の構成において、
前記上側のいずれか他方の1個の端面部分内における前記スリットの第1延出長さが、前記下側の1個の端面部分内における前記スリットの第2延出長さよりも長く設定されている。
【0028】
[作用・効果]
請求項4による上記の作用に加えて次の作用を奏することができる。
前記上側のいずれか他方の1個の端面部分内における前記スリットの第1延出長さが、前記下側の1個の端面部分内における前記スリットの第2延出長さよりも長く設定されているから、スタビライザーバーの捩れ揺動の上方側の揺動端が前記上側のいずれか他方の1個の端面部分側に大きく延びている構造(スタビライザーバーの捩れ揺動の揺動角が、前記上側のいずれか他方の1個の端面部分側に大きく設定されている構造)に対応することができ、スタビライザーバーが、スタビライザーバーの捩れ揺動の上方側の揺動端に位置しても、スタビライザーバーの曲がり部から加わる力をスリットで確実に緩和することができる。
【0029】
請求項7による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0030】
[構成]
請求項3による発明の構成において、
前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の軸芯方向視で、前記嵌合孔の中心を通る仮想鉛直線と、前記嵌合孔の中心を通る仮想水平線とで区分けされる前記軸芯方向の一端部の4個の端面部分のうち、上側のいずれか一方の1個の端面部分にだけ前記スリットが形成されている。
【0031】
[作用・効果]
請求項3による上記の作用に加えて次の作用を奏することができる。
上記の構造により、スタビライザーバーの捩れ揺動の一方の揺動端から他方の揺動端までの間(揺動ストローク)が短く設定されている構造(スタビライザーバーの捩れ揺動の揺動角が小さい構造)に対応することができ、スタビライザーバーが、スタビライザーバーの捩れ揺動の一方の揺動端又は他方の揺動端に位置しても、スタビライザーバーの曲がり部から加わる力をスリットで確実に緩和することができる。
【0032】
また、スリットの長さを短くすることができ、スリットの形成に起因してスタビライザブッシュのばね定数が低下し過ぎることを抑制することができて、スタビライザブッシュの耐久性の低下を回避することができる。
【0033】
請求項8による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0034】
[構成]
請求項3による発明の構成において、
前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の軸芯方向視で、前記嵌合孔の中心を通る仮想鉛直線と、前記嵌合孔の中心を通る仮想水平線とで区分けされる前記軸芯方向の一端部の4個の端面部分のうち、上側のいずれか一方の1個の端面部分に前記スリットが形成されるとともに、前記スリットの周方向の一端部が上側のいずれか他方の1個の端面部分内に延出し、前記スリットの周方向の他端部が下側の1個の端面部分内に延出していないスタビライザブッシュ。
【0035】
[作用・効果]
請求項3による上記の作用に加えて次の作用を奏することができる。
スタビライザーバーの捩れ揺動の揺動角が前記上側のいずれか他方の1個の端面部分側に大きく延び、下側に大きくは延びていない構造に対応することができ、スタビライザーバーが、スタビライザーバーの捩れ揺動の上方側の揺動端に位置しても、スタビライザーバーの曲がり部から加わる力をスリットで確実に緩和することができる。
【0036】
また、前記スリットの周方向の他端部が下側の1個の端面部分内に延出していないから、スリットの長さを短くすることができ、スリットの形成に起因してスタビライザブッシュのばね定数が低下し過ぎることを抑制することができて、スタビライザブッシュの耐久性の低下を回避することができる。
【0037】
請求項9による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0038】
[構成]
請求項3による発明の構成において、
前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の軸芯方向視で、前記嵌合孔の中心を通る仮想鉛直線と、前記嵌合孔の中心を通る仮想水平線とで区分けされる前記軸芯方向の一端部の4個の端面部分のうち、上側のいずれか一方の1個の端面部分に前記スリットが形成されるとともに、前記スリットの周方向の一端部が上側のいずれか他方の1個の端面部分内に延出せず、前記スリットの周方向の他端部が下側の1個の端面部分内に延出している。
【0039】
[作用・効果]
請求項3による上記の作用に加えて次の作用を奏することができる。
スタビライザーバーの捩れ揺動の揺動角が下側に大きく延び、前記上側のいずれか他方の1個の端面部分側に大きくは延びていない構造に対応することができ、スタビライザーバーが、スタビライザーバーの捩れ揺動の下方側の揺動端に位置しても、スタビライザーバーの曲がり部から加わる力をスリットで確実に緩和することができる。
【0040】
また、前記スリットの周方向の一端部が上側のいずれか他方の1個の端面部分内に延出していないから、スリットの長さを短くすることができ、スリットの形成に起因してスタビライザブッシュのばね定数が低下し過ぎることを抑制することができて、スタビライザブッシュの耐久性の低下を回避することができる。
【0041】
請求項10による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0042】
[構成]
請求項1〜9のいずれか一つによる発明の構成において、
前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の内周面に、ライナー布が加硫接着によって一体に設けられている。
【0043】
[作用・効果]
請求項1〜9のいずれか一つによる上記の作用に加えて次の作用を奏することができる。
前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の内周面に、ライナー布が加硫接着によって一体に設けられているから、スタビライザーバーの外周面と嵌合孔の内周面との摩擦抵抗を小さくすることができて、異音をより発生しにくくすることができる。
【0044】
請求項11による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0045】
[構成]
請求項10による発明の構成において、
前記嵌合孔の内周面に加硫接着によって一体に設けられたライナー布はテフロン(登録商標)である。
【0046】
[作用・効果]
請求項10による上記の作用に加えて次の作用を奏することができる。
前記嵌合孔の内周面に加硫接着によって一体に設けられたライナー布はテフロン(登録商標)であるから、スタビライザーバーの外周面と嵌合孔の内周面との摩擦抵抗をより小さくすることができて、異音をより発生しにくくすることができる。
【0047】
請求項12による発明の構成・作用・効果は次の通りである。
【0048】
[構成]
請求項1〜11のいずれか一つによる発明の構成において、
前記スタビライザーバーの軸芯方向の他端部の端面に前記スリットと同一形状・同一大きさの第2のスリットが形成されて、
前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の軸芯方向視で、前記スリットと前記第2スリットとが重複している。
【0049】
[作用・効果]
請求項1〜11のいずれか一つによる上記の作用に加えて次の作用を奏することができる。
この構成により、スタビライザブッシュをスタビライザーバーの左端部用としても右端部用としても用いることができ、スタビライザブッシュの汎用性を上げることができる。つまり、スタビライザーバーの左端部用のスタビライザブッシュと、右端部用のスタビライザブッシュとを別々に製作しなくても済み、スタビライザブッシュの管理の面で有利にすることができる。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、
スタビライザーバーの曲がり部の内周部に軸芯方向の一端部が受け止められている構造でありながら、異音が発生しにくいスタビライザブッシュを提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1はスタビライザブッシュ100と自動車のスタビライザーバー1との取り付け構造を示し、この取り付け構造をスタビライザブッシュ100の軸芯方向外方側から見た図、
図2は前記取り付け構造をスタビライザブッシュ100の径方向外方側から見た図、
図3はスタビライザブッシュ100をスタビライザブッシュ100の軸芯方向一方の外方側から見た図、
図4はスタビライザブッシュ100をスタビライザブッシュ100の径方向外方側から見た図、
図5はスタビライザブッシュ100をスタビライザブッシュ100の軸芯方向他方の外方側から見た図である。
【0052】
前記スタビライザーバー1は車体10のローリングを少なくするために、左右の両端部が左右のサスペンション装置に各別に取り付けられる金属製の丸棒状部材(トーションバー)であり、前記スタビライザブッシュ100を介して車体10に取り付け固定されている。前記スタビライザブッシュ100はゴム筒状に形成されてスタビライザーバー1に外嵌している。
【0053】
上記の取り付け構造において、自動車がローリングするとスタビライザーバー1に捩れが生じ、スタビライザーバー1の捩れ剛性による抵抗で左右の車輪の互いに上下反対方向の動きを抑制するとともに、スタビライザーバー1の弾性復元力で左右の車輪を元の位置に復帰させる。
【0054】
前記ゴム筒状のスタビライザブッシュ100は車体10とスタビライザーバー1の間に介在して振動を吸収する。
【0055】
図3,図4に示すように、このスタビライザブッシュ100は、U字状の外周面2と、前記U字状の外周面2の一対の上端2Jに連続する直線状の上側Z2の扁平面3とを備え、図1に示すように、U字状の外周面2に外嵌するU字状のクランプ20で車体10に下側Z1から取り付けられて、前記扁平面3が車体10の取り付け面10Mに下側Z1から圧接している。
【0056】
このように、スタビライザブッシュ100はU字状の外周面2に外嵌するU字状のクランプ20で車体10に下側Z1から取り付けられて、前記扁平面3が車体10の取り付け面10Mに下側Z1から圧接するから、スタビライザブッシュ100の車体10への取り付け状態を安定化させることができる。
【0057】
また、スタビライザブッシュ100の軸芯方向Jの両端部にフランジ4がそれぞれ形成され、径方向及び前記軸芯方向Jに沿う切断部5が形成されている。フランジ4は、両フランジ4間のスタビライザブッシュ部分と同様に、U字状の外周面2と、前記U字状の外周面2の一対の上端2Jに連続する直線状の上側Z2の扁平面3とを備えている。
【0058】
両フランジ4でスタビライザブッシュ100とU字状のクランプ20との前記軸芯方向Jにおける相対移動を阻止することができる。切断部5はスタビライザブッシュ100をスタビライザーバー1に装着するために設けられており、この切断部5を開いてスタビライザブッシュ100をスタビライザーバー1に外嵌装着する。
【0059】
前記フランジ4はスタビライザブッシュ100の軸芯方向Jの端面よりもスタビライザブッシュ100の軸芯方向Jの中心側(少し中心側)に位置し、スタビライザブッシュ100の軸芯方向Jでフランジ4の外方側に、U字状の外周面2と、前記U字状の外周面2の上端に連続する直線状の扁平面3とから成る段部6が形成されている。
【0060】
この段部6はフランジ4よりも縦横の長さが短く、スタビライザブッシュ100の軸芯方向Jから見て、両フランジ4の外周面(U字状の外周面2と、前記U字状の外周面2の両端に連続する直線状の扁平面3)の内方側に位置している。
【0061】
前記スタビライザーバー1が内嵌する嵌合孔7の内周面7Nにはライナー布8が加硫接着によって一体に設けられている。ライナー布8はテフロン(登録商標)であり、嵌合孔7の内周面7Nの全面にわたって一体に設けられている。これにより、スタビライザーバー1の外周面1Gと嵌合孔7の内周面7Nとの摩擦抵抗をより小さくすることができて、異音をより発生しにくくすることができる。
【0062】
前記クランプ20は金属板でプレス加工されており、両側壁の先端部(開放側の端部)から幅方向外方側にそれぞれ延出する取り付けフランジ14を備え、両取り付けフランジ14に一対のボルト挿通孔15が形成されている。そして、両ボルト挿通孔15に各別に挿通された一対の取付けボルト16で車体10に下側から取り付けられている。スタビライザーバー1の軸芯方向Jに対応する方向のクランプ20の両端部と中央部には補強用のリブ17がそれぞれ折曲形成されている。前記クランプ20は図2では省略してある。
【0063】
スタビライザブッシュ100の扁平面3が車体10の取り付け面10Mに圧接した取り付け状態で、クランプ20の取り付けフランジ4と車体10の取り付け面10Mとの間には隙間Sが形成されている。これにより、スタビライザブッシュ100の扁平面3の車体10の取り付け面10Mに対する圧接力を強くすることができる。
【0064】
ところで、スタビライザーバー1に対するスタビライザブッシュ100の位置(スタビライザーバー1の長手方向に対応する方向の位置)は自動車の車種によって異なる。
本発明のスタビライザブッシュ100は、スタビライザーバー1の長手方向の端部側に位置して、スタビライザーバー1の曲がり部9の内周部19(曲がりの内側の部分)に軸芯方向Jの一端部21が受け止められている。
図1に示すように前記曲がり部9は、スタビライザーバー1の軸芯方向中間部に対して上方に延びるとともに、スタビライザーバー1が内嵌する嵌合孔7の軸芯方向視で鉛直方向に対して傾斜している。
【0065】
この構造によれば、スタビライザブッシュ100がスタビライザーバー1の曲がり部9の内周部19から力を受け、スタビライザーバー1の軸芯方向Jの一端部21のうち、スタビライザーバー1と車体10との間の一端部部分60(図2参照)が圧縮される。
【0066】
このように前記一端部部分60が圧縮された状態では、スタビライザーバー1の外周面1Gとスタビライザブッシュ100の嵌合孔7の内周面7Nとの間の摩擦抵抗が大きくなり、スタビライザーバー1が捩れるときに異音が発生しやすくなる。そこで、本発明においては、スタビライザーバー1の曲がり部9から加わる力を緩和するスリット26が前記軸芯方向Jの一端部21の端面22に形成されている。
【0067】
この構成によれば、前記軸芯方向Jの一端部21の端面22に形成されたスリット26でスタビライザーバー1の曲がり部9から加わる力を緩和することができる。つまり、スタビライザーバー1の曲がり部9から前記軸芯方向Jの一端部21に力が加わった場合、一端部21の端面22に形成されたスリット26が潰れて前記力を吸収することができる。
【0068】
その結果、スタビライザーバー1の外周面1Gとスタビライザブッシュ100の嵌合孔7の内周面7Nとの間の摩擦抵抗を前記一端部21側で小さくすることができ、スタビライザーバー1の曲がり部9の内周部19に軸芯方向Jの一端部21が受け止められている構造でありながら、異音が発生しにくくすることができる。
【0069】
前記スリット26は前記軸芯方向Jの外方側に開放し、スタビライザーバー1が内嵌する嵌合孔7の周方向に沿う円弧状に形成されて、前記スタビライザーバー1の曲がり部9の内周部19の径方向外方側K2(図3参照)に配置されている。
【0070】
これにより、スタビライザーバー1の曲がり部9から前記軸芯方向Jの一端部21に力が加わった場合、一端部21の端面22に形成されたスリット26を潰れやすくすることができて前記力を吸収しやすくすることができる。従って、スタビライザーバー1の曲がり部9から加わる力をスリット26で緩和しやすくすることができる。
【0071】
図3に示すように、前記スタビライザーバー1が内嵌する嵌合孔7の軸芯方向視で、前記嵌合孔7の中心Oを通る仮想鉛直線Aと、前記嵌合孔7の中心Oを通る仮想水平線Bとで区分けされる前記軸芯方向Jの一端部21の4個の端面部分51,52,53,54のうち、上側Z2のいずれか一方の1個の端面部分51に前記スリット26が形成されるとともに、前記スリット26の周方向の一端部26Aが上側Z2のいずれか他方の1個の端面部分52内に延出し、前記スリット26の周方向の他端部26Bが下側Z1の1個の端面部分54内に延出している。延出方向は前記周方向に沿う方向である(後述の第2実施形態〜第5実施形態でも同じ)。
【0072】
前記下側Z1の1個の端面部分54内における前記スリット26の第2延出長さL2は、前記上側Z2のいずれか他方の1個の端面部分52内における前記スリット26の第1延出長さL1よりも長く設定されている。
【0073】
従って、スタビライザーバー1の捩れ揺動の下方側の揺動端が下側Z1に大きく延びている構造(スタビライザーバー1の捩れ揺動の揺動角が下側Z1に大きく設定されている構造)に対応することができ、スタビライザーバー1が、スタビライザーバー1の捩れ揺動の下方側の揺動端に位置しても、スタビライザーバー1の曲がり部9から加わる力をスリット26で確実に緩和することができる。
【0074】
スリット26の周方向における長さは、スタビライザーバー1の捩れ揺動の一方の揺動端から他方の揺動端までの間(揺動ストローク)に対応する長さ(前記円弧の周方向に沿う方向における長さ)に設定されて、スタビライザーバー1が、スタビライザーバー1の捩れ揺動の一方の揺動端又は他方の揺動端に位置しても、スタビライザーバー1の曲がり部9から加わる力をスリット26で緩和することができるようにしてある。
【0075】
図5に示すように、前記スタビライザーバー1の軸芯方向Jの他端部23の端面24に前記スリット26と同一形状・同一大きさの第2のスリット26が形成されて、前記スタビライザーバー1が内嵌する嵌合孔7の軸芯方向視で、前記スリット26と前記第2のスリット26とが重複している。
【0076】
この構成により、スタビライザブッシュ100をスタビライザーバー1の左端部用としても右端部用としても用いることができ、スタビライザブッシュの汎用性を上げることができる。
【0077】
つまり、スタビライザーバー1の左端部用のスタビライザブッシュ100と、右端部用のスタビライザブッシュ100とを別々に製作しなくても済み、スタビライザブッシュ100の管理の面で有利にすることができる
【0078】
[第2実施形態]
図6に示すように、前記上側Z2のいずれか他方の1個の端面部分52内における前記スリット26の第1延出長さL1が、前記下側Z1の1個の端面部分54内における前記スリット26の第2延出長さL2よりも長く設定されている。
その他の構造は第1実施形態の構造と同じである。
【0079】
前記上側Z2のいずれか他方の1個の端面部分52内における前記スリット26の第1延出長さL1が、前記下側Z1の1個の端面部分54内における前記スリット26の第2延出長さL2よりも長く設定されているから、スタビライザーバー1の捩れ揺動の上方側の揺動端が前記上側Z2のいずれか他方の1個の端面部分52側に大きく延びている構造(スタビライザーバー1の捩れ揺動の揺動角が、前記上側Z2のいずれか他方の1個の端面部分52側に大きくされている構造)に対応することができ、スタビライザーバー1が、スタビライザーバー1の捩れ揺動の上方側の揺動端に位置しても、スタビライザーバー1の曲がり部9から加わる力をスリット26で確実に緩和することができる。
【0080】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の次の効果を奏することができる。
すなわち、スタビライザーバー1の曲がり部9から前記軸芯方向Jの一端部21に力が加わった場合、一端部21の端面22に形成されたスリット26を潰れやすくすることができて前記力を吸収しやすくすることができる。従って、スタビライザーバー1の曲がり部9から加わる力をスリット26で緩和しやすくすることができる。
【0081】
また、スタビライザブッシュ100はU字状の外周面2に外嵌するU字状のクランプ20で車体10に下側Z1から取り付けられて、前記扁平面3が車体10の取り付け面10Mに下側Z1から圧接するから、スタビライザブッシュ100の車体10への取り付け状態を安定化させることができる。
【0082】
さらに、ライナー布8はテフロン(登録商標)であり、嵌合孔7の内周面7Nの全面にわたって一体に設けられていることから、スタビライザーバー1の外周面1Gと嵌合孔7の内周面7Nとの摩擦抵抗をより小さくすることができて、異音をより発生しにくくすることができる。
【0083】
そして、スタビライザブッシュ100の扁平面3が車体10の取り付け面10Mに圧接した取り付け状態で、クランプ20の取り付けフランジ4と車体10の取り付け面10Mとの間には隙間Sが形成されているから、スタビライザブッシュ100の扁平面3の車体10の取り付け面10Mに対する圧接力を強くすることができる。
【0084】
[第3実施形態]
図7に示すように、前記スタビライザーバー1が内嵌する嵌合孔7の軸芯方向視で、前記嵌合孔7の中心Oを通る仮想鉛直線Aと、前記嵌合孔7の中心Oを通る仮想水平線Bとで区分けされる前記軸芯方向Jの一端部21の4個の端面部分51,52,53,54のうち、上側Z2のいずれか一方の1個の端面部分51にだけ前記スリット26が形成されている。
その他の構造は第1実施形態の構造と同じである。
【0085】
上記の構造により、スタビライザーバー1の捩れ揺動の一方の揺動端から他方の揺動端までの間(揺動ストローク)が短く設定されている構造(スタビライザーバー1の捩れ揺動の揺動角が小さい構造)に対応することができ、スタビライザーバー1が、スタビライザーバー1の捩れ揺動の一方の揺動端又は他方の揺動端に位置しても、スタビライザーバー1の曲がり部9から加わる力をスリット26で確実に緩和することができる。
【0086】
また、スリット26の長さを短くすることができ、スリット26の形成に起因してスタビライザブッシュ100のばね定数が低下し過ぎることを抑制することができて、スタビライザブッシュ100の耐久性の低下を回避することができる。
【0087】
第3実施形態においても、第1実施形態と同様の次の効果を奏することができる。
すなわち、スタビライザーバー1の曲がり部9から前記軸芯方向Jの一端部21に力が加わった場合、一端部21の端面22に形成されたスリット26を潰れやすくすることができて前記力を吸収しやすくすることができる。従って、スタビライザーバー1の曲がり部9から加わる力をスリット26で緩和しやすくすることができる。(第4実施形態〜第6実施形態でも第1実施形態で説明した作用効果を奏することができるが、これら第4実施形態〜第6実施形態では第1実施形態と同様の効果については説明を省略する。)
【0088】
[第4実施形態]
図8に示すように、前記スタビライザーバー1が内嵌する嵌合孔7の軸芯方向視で、前記嵌合孔7の中心Oを通る仮想鉛直線Aと、前記嵌合孔7の中心Oを通る仮想水平線Bとで区分けされる前記軸芯方向Jの一端部21の4個の端面部分51,52,53,54のうち、上側Z2のいずれか一方の1個の端面部分51に前記スリット26が形成されるとともに、前記スリット26の周方向の一端部26Aが上側Z2のいずれか他方の1個の端面部分52内に延出し、前記スリット26の周方向の他端部26Bが下側Z1の1個の端面部分54内に延出していない。
その他の構造は第1実施形態の構造と同じである。
【0089】
スタビライザーバー1の捩れ揺動の揺動角が前記上側Z2のいずれか他方の1個の端面部分52側に大きく延び、下側Z1に大きくは延びていない構造に対応することができ、スタビライザーバー1が、スタビライザーバー1の捩れ揺動の上方側の揺動端に位置しても、スタビライザーバー1の曲がり部9から加わる力をスリット26で確実に緩和することができる。
【0090】
また、前記スリット26の周方向の他端部26Bが下側Z1の1個の端面部分54内に延出していないから、スリット26の長さを短くすることができ、スリット26の形成に起因してスタビライザブッシュ100のばね定数が低下し過ぎることを抑制することができて、スタビライザブッシュ100の耐久性の低下を回避することができる。
【0091】
[第5実施形態]
図9に示すように、前記スタビライザーバー1が内嵌する嵌合孔7の軸芯方向視で、前記嵌合孔7の中心Oを通る仮想鉛直線Aと、前記嵌合孔7の中心Oを通る仮想水平線Bとで区分けされる前記軸芯方向Jの一端部21の4個の端面部分51,52,53,54のうち、上側Z2のいずれか一方の1個の端面部分51に前記スリット26が形成されるとともに、前記スリット26の周方向の一端部26Aが上側Z2のいずれか他方の1個の端面部分52内に延出せず、前記スリット26の周方向の他端部26Bが下側Z1の1個の端面部分54内に延出している。
その他の構造は第1実施形態の構造と同じである。
【0092】
スタビライザーバー1の捩れ揺動の揺動角が下側Z1に大きく延び、前記上側Z2のいずれか他方の1個の端面部分52側に大きくは延びていない構造に対応することができ、スタビライザーバー1が、スタビライザーバー1の捩れ揺動の下方側の揺動端に位置しても、スタビライザーバー1の曲がり部9から加わる力をスリット26で確実に緩和することができる。
【0093】
また、前記スリット26の周方向の一端部26Aが上側Z2のいずれか他方の1個の端面部分52内に延出していないから、スリット26の長さを短くすることができ、スリット26の形成に起因してスタビライザブッシュ100のばね定数が低下し過ぎることを抑制することができて、スタビライザブッシュ100の耐久性の低下を回避することができる。
【0094】
[第6実施形態]
図10に示すように、前記スタビライザーバー1が内嵌する嵌合孔7の軸芯方向視で、前記嵌合孔7の中心Oを通る仮想鉛直線Aと、前記嵌合孔7の中心Oを通る仮想水平線Bとで区分けされる前記軸芯方向Jの一端部21の4個の端面部分51,52,53,54のうち、上側Z2のいずれか一方の1個の端面部分51に前記スリット26が形成されるとともに、前記スリット26の周方向の一端部26Aの端面が、仮想鉛直線A上に位置し、前記スリット26の周方向の他端部26Bが仮想水平線B上に位置している。
【0095】
すなわち、前記スリット26の周方向の一端部26Aの端面が、前記周方向で仮想鉛直線Aと同一位置に位置し、前記スリット26の周方向の他端部26Bが前記周方向で仮想水平線Bと同一位置に位置している。
その他の構造は第1実施形態の構造と同じである。
【0096】
上記構成によれば、スタビライザーバー1の捩れ揺動の揺動角が前記下側Z1と上側Z2に大きくは延びていない適度の揺動角の構造に対応することができる。そして、スタビライザーバー1の曲がり部9から加わる力をスリット26で確実に緩和することができる。
【0097】
また、前記スリット26の周方向の一端部26Aが上側Z2のいずれか他方の1個の端面部分52内に延出していず、前記スリット26の周方向の他端部26Bが下側Z1の1個の端面部分54内に延出していないから、スリット26の長さを短くすることができ、スリット26の形成に起因してスタビライザブッシュ100のばね定数が低下し過ぎることを抑制することができて、スタビライザブッシュ100の耐久性の低下を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】スタビライザブッシュの取り付け構造をスタビライザブッシュの軸芯方向外方側から見た図
【図2】スタビライザブッシュの取り付け構造をスタビライザブッシュの径方向外方側から見た図
【図3】スタビライザブッシュをスタビライザブッシュの軸芯方向一方の外方側から見た図
【図4】スタビライザブッシュをスタビライザブッシュの径方向からから見た図
【図5】スタビライザブッシュをスタビライザブッシュの軸芯方向他方の外方側から見た図
【図6】第2実施形態のスタビライザブッシュをスタビライザブッシュの軸芯方向から見た図
【図7】第3実施形態のスタビライザブッシュをスタビライザブッシュの軸芯方向から見た図
【図8】第4実施形態のスタビライザブッシュをスタビライザブッシュの軸芯方向から見た図
【図9】第5実施形態のスタビライザブッシュをスタビライザブッシュの軸芯方向から見た図
【図10】第6実施形態のスタビライザブッシュをスタビライザブッシュの軸芯方向から見た図
【図11】従来の技術を示す図
【符号の説明】
【0099】
1 スタビライザーバー
1G 外周面
2 U字状の外周面
3 扁平面
4 フランジ
5 切断部
6 段部
7 嵌合孔
7N 嵌合孔の内周面
8 ライナー布
9 曲がり部
10 車体
10M 取り付け面
14 取り付けフランジ
15 ボルト挿通孔
16 取付けボルト
17 リブ
19 内周部
20 クランプ
21 軸芯方向の一端部
22 一端部の端面
23 スタビライザーバーの軸芯方向の他端部
24 スタビライザーバーの軸芯方向の他端部の端面
26 スリット(第2のスリット)
26A スリットの周方向の一端部
26B スリットの周方向の他端部
51 上側のいずれか一方の1個の端面部分
52 上側のいずれか他方の1個の端面部分
53 端面部分
54 下側の1個の端面部分
60 一端部部分
100 スタビライザブッシュ

仮想鉛直線

仮想水平線
K2 径方向外方側
O 嵌合孔の中心
J 軸芯方向
L1 第1延出長さ
L2 第2延出長さ
S 隙間
Z1 下側
Z2 上側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタビライザーバーに外嵌し、前記スタビライザーバーの曲がり部の内周部に軸芯方向の一端部が受け止められるゴム筒状のスタビライザブッシュであって、
前記スタビライザーバーの曲がり部から加わる力を緩和するスリットが前記軸芯方向の一端部の端面に形成されているスタビライザブッシュ。
【請求項2】
U字状の外周面と、前記U字状の外周面の一対の上端に連続する直線状の上側の扁平面とを備え、
前記U字状の外周面に外嵌するU字状のクランプで車体に下側から取り付けられて、前記扁平面が前記車体の取り付け面に下側から圧接する請求項1記載のスタビライザブッシュ。
【請求項3】
前記スリットは、前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の周方向に沿う円弧状に形成されて、前記スタビライザーバーの曲がり部の内周部の径方向外方側に配置されている請求項2記載のスタビライザブッシュ。
【請求項4】
前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の軸芯方向視で、前記嵌合孔の中心を通る仮想鉛直線と、前記嵌合孔の中心を通る仮想水平線とで区分けされる前記軸芯方向の一端部の4個の端面部分のうち、上側のいずれか一方の1個の端面部分に前記スリットが形成されるとともに、前記スリットの周方向の一端部が上側のいずれか他方の1個の端面部分内に延出し、前記スリットの周方向の他端部が下側の1個の端面部分内に延出している請求項3記載のスタビライザブッシュ。
【請求項5】
前記下側の1個の端面部分内における前記スリットの第2延出長さが、前記上側のいずれか他方の1個の端面部分内における前記スリットの第1延出長さよりも長く設定されている請求項4記載のスタビライザブッシュ。
【請求項6】
前記上側のいずれか他方の1個の端面部分内における前記スリットの第1延出長さが、前記下側の1個の端面部分内における前記スリットの第2延出長さよりも長く設定されている請求項4記載のスタビライザブッシュ。
【請求項7】
前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の軸芯方向視で、前記嵌合孔の中心を通る仮想鉛直線と、前記嵌合孔の中心を通る仮想水平線とで区分けされる前記軸芯方向の一端部の4個の端面部分のうち、上側のいずれか一方の1個の端面部分にだけ前記スリットが形成されている請求項3記載のスタビライザブッシュ。
【請求項8】
前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の軸芯方向視で、前記嵌合孔の中心を通る仮想鉛直線と、前記嵌合孔の中心を通る仮想水平線とで区分けされる前記軸芯方向の一端部の4個の端面部分のうち、上側のいずれか一方の1個の端面部分に前記スリットが形成されるとともに、前記スリットの周方向の一端部が上側のいずれか他方の1個の端面部分内に延出し、前記スリットの周方向の他端部が下側の1個の端面部分内に延出していない請求項3記載のスタビライザブッシュ。
【請求項9】
前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の軸芯方向視で、前記嵌合孔の中心を通る仮想鉛直線と、前記嵌合孔の中心を通る仮想水平線とで区分けされる前記軸芯方向の一端部の4個の端面部分のうち、上側のいずれか一方の1個の端面部分に前記スリットが形成されるとともに、前記スリットの周方向の一端部が上側のいずれか他方の1個の端面部分内に延出せず、前記スリットの周方向の他端部が下側の1個の端面部分内に延出している請求項3記載のスタビライザブッシュ。
【請求項10】
前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の内周面に、ライナー布が加硫接着によって一体に設けられている請求項1〜9のいずれか一つに記載のスタビライザブッシュ。
【請求項11】
前記嵌合孔の内周面に加硫接着によって一体に設けられたライナー布はテフロン(登録商標)である請求項10記載のスタビライザブッシュ。
【請求項12】
前記スタビライザーバーの軸芯方向の他端部の端面に前記スリットと同一形状・同一大きさの第2のスリットが形成されて、
前記スタビライザーバーが内嵌する嵌合孔の軸芯方向視で、前記スリットと前記第2スリットとが重複している請求項1〜11のいずれか一つに記載のスタビライザブッシュ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−91040(P2010−91040A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262806(P2008−262806)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】