ストロットマシン
【課題】新鮮でよりインパクトのある態様での内部状態の告知を行うことができるスロットマシンを提供する。
【解決手段】始動操作手段が操作されることを契機として、複数の図柄変動列の図柄の変動表示をスロー速度により行い、役抽選手段により当選した役の種類を告知するための図柄の組合せが表示窓内に表示されるように一旦停止表示させ、その後、停止操作可能な通常の変動速度で図柄の変動表示を再変動させるようにする。
【解決手段】始動操作手段が操作されることを契機として、複数の図柄変動列の図柄の変動表示をスロー速度により行い、役抽選手段により当選した役の種類を告知するための図柄の組合せが表示窓内に表示されるように一旦停止表示させ、その後、停止操作可能な通常の変動速度で図柄の変動表示を再変動させるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、役が内部的に成立している場合にその旨が告知されるスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチスロと称されるスロットマシンは、周面に複数種類の図柄が描かれた3つの回転リールをそれぞれ回転及び停止させて3つの図柄変動列において図柄の変動表示及び停止表示を行う図柄表示手段と、図柄表示手段による図柄の変動表示を開始させるための始動レバーと、図柄変動列に対応して配置されており、図柄表示手段による図柄の変動表示を停止表示させるための複数の停止ボタンとを備えている。このようなスロットマシンにおける基本(通常)遊技は、遊技媒体としてのメダルがメダル投入口から投入されることにより或いはクレジットされたメダルがベットスイッチの操作により投入されることにより、複数の図柄変動列を横切る有効ラインが設定されるとともに始動レバーの操作が許容され、始動レバーが操作されると役の成立に関する内部抽選(以下、単に「役抽選」という)が行われるとともに、設定された有効ライン上を図柄が変動表示され、この状態で停止ボタンが順次押圧操作されると、表示窓内で変動表示されていた図柄が押圧操作された順序に応じて停止表示され、全ての図柄変動列の図柄が停止表示されたときに前面側に設けられた表示窓内に設定された有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが、予め設定された役の入賞図柄の組合せ(以下、単に「入賞図柄」ともいう)と一致した場合には、当該役の種類に応じた数のメダルが配当として払い出されるといったものであり、遊技者は、このような一連の遊技を繰り返し、できるだけ多くのメダルを獲得しようと楽しむものである。
【0003】
この種のスロットマシンは、上記表示窓内に3×3のマトリクス状に9つの図柄が視認できるように設けられている。表示窓内に設定される有効ライン数と投入される(賭けられる)メダル数との関係は、1遊技当たり、メダルの賭け枚数が最大3枚とされ、これにより最大5本の有効ラインが設定可能とされているものが大多数であり、より詳しくは、メダル1枚で1本の有効ラインが、メダル2枚で3本の有効ラインが、そしてメダル3枚で5本の有効ラインが設定されることになっている。
【0004】
他方、上記予め設定される役としては、ボーナス役、小役、リプレイ役などを挙げることができ、これら役は所定の当選確率で役抽選され、入賞確率が制御されている。小役とは、入賞した遊技において1回だけメダルの配当付与がなされるものである。また、ボーナス役とは、入賞すると遊技状態がボーナス遊技状態に移行し、当該ボーナス遊技状態において、高確率でメダルの配当付与を受けることができるボーナス遊技を複数回行うことができる、遊技者にとってより有利な入賞役である。かかるボーナス役としては、レギュラーボーナス(以下、「RB」という)役及びビッグボーナス(以下、「BB」という)役を挙げることができる。
【0005】
上記RB役は、その入賞が成立すると、RB遊技状態とされ、ボーナス遊技(所謂、JACゲーム)を所定回数連続して行える権利が与えられる。他方、上記BB役は、その入賞が成立すると、BB遊技状態が実行され、上記RB遊技状態を複数セット行える権利が与えられる。このボーナス遊技は、一般に、1遊技あたりメダルの賭け枚数及び有効ライン数が1とされ、JAC役の入賞を対象とした遊技で、高確率でJAC役が入賞するようにされている。また近年、このようなRB役及びBB役に代えて、ボーナス遊技によるメダルの払出数の上限を設けることで終了させるようにしたRB役及びBB役も登場してきている。なお、以下の説明において、「RB役」及び「BB役」を総称することきは「ボーナス役」と称し、「RB遊技状態」及び「BB遊技状態」を総称するときは「ボーナス遊技状態」或いは「ボーナスゲーム状態」と称する。
【0006】
また、上記リプレイ役とは、入賞すると、当該入賞したときの遊技と同じメダルの賭け数(有効ライン数)において再遊技できる役であり、リプレイ役の入賞が成立すると、自動的に同じ有効ライン数が設定され、始動レバーの操作が許容される。
【0007】
従前より、スロットマシンの遊技においては、ボーナス役が内部当選している場合に、その旨を遊技者に告知することが行われている。例えば、ボーナス役が内部成立している状態の遊技で停止ボタンの操作により全ての図柄変動列を停止表示させたときに、表示窓内に視認可能な9つの図柄を用いて所定の図柄の組合せである、所謂「リーチ目」を停止表示させることによるボーナス告知や、上記「リーチ目」に代えて、必ずしもボーナス役が内部成立しているとは限らないが、ボーナス役の入賞可能性を同様に9つの図柄の組合せである、所謂「チャンス目」を停止表示させることによるボーナス告知が採用されている。また、近年、このようなボーナス告知を、趣向を凝らした種々の方法で行うことができるスロットマシンも提案されてきている。例えば、特許文献1にて提案されているスロットマシンでは、ボーナス告知ランプを設け、これを点灯させることによりボーナス役が内部当選していることを告知するように構成されている。さらに、特許文献2にて提案されているスロットマシンでは、表示窓の上部に設けられた液晶表示部に、複数遊技にわたって表示される演出画像によりボーナス告知演出を行うように構成されている。
【0008】
一方で、近時ボーナス役以外の小役が内部当選したことを告知することも行われるようになってきている。これは、基本遊技状態及びボーナス遊技状態とは別の、所謂アシストタイム(AT状態)という遊技状態が付加されることで実現されている。この種のスロットマシンの典型的な例としては、特許文献3にて提案されているものを挙げることができる。この特許文献3に開示されているスロットマシンでは、遊技状態をAT状態に移行させるか否かを決定させるための内部抽選(AT移行抽選)が実行される。このAT移行抽選に当選した場合には、遊技状態がAT状態へ移行する。このAT状態において、上記の役抽選で内部的に小役が成立した場合には、この内部的に成立(内部当選)した小役の種類を図柄変動手段の周囲に配置された液晶表示装置とスピーカーを用いた画像と音により告知される。これにより、遊技者は内部当選している小役の入賞図柄を狙って停止ボタンを目押し操作することで、小役の入賞を獲得しやすくなる。なお、目押しとは、表示窓内での図柄の変動表示をよく観察し、且つ、停止表示させるべき図柄が表示窓内に出現するタイミングをよく見計らって停止ボタンを押す回転リールの停止操作行為である。
【0009】
【特許文献1】特開2003−33474号公報
【0010】
【特許文献2】特開2003−265692号公報
【0011】
【特許文献3】特開2004−33521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このような従来のスロットマシンにおいては、画像、音及び光等により、上記役抽選で内部当選した役を遊技者に告知するように構成されているが、上記画像、音及び光等により内部状態を告知する方法は、既に長年行われてきており遊技者に既に飽きられる傾向にある。また、リーチ目やチャンス目によるボーナス告知も歴史が古く、新鮮味にかけている。
【0013】
そこで、本発明は、上記実情に鑑みなされたもので、新鮮でよりインパクトのある態様での内部状態の告知を行うことができるスロットマシンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明では、複数の図柄変動列毎に複数種類の図柄の変動表示及び停止表示を行うための図柄表示手段と、前記図柄が停止表示されたときに、各図柄変動列の一部の図柄が横並びとして視認できるように設けられた表示窓と、該表示窓内において複数の図柄変動列を横切る賭けラインを、遊技媒体が賭けられることにより有効化して有効ラインを設定する有効ライン設定手段と、前記有効ラインが設定されていることを条件として前記図柄表示手段による図柄の変動表示を開始させるための始動操作手段と、該始動操作手段が操作されることを契機として、複数種類の役の成立に関する抽選を行うための役抽選手段と、前記始動操作手段の操作により前記図柄表示手段による図柄の変動表示を制御するための変動制御手段と、前記複数の図柄変動列毎に対応して設けられ、前記図柄表示手段による図柄の変動表示を停止表示させるための複数の停止操作手段と、前記図柄表示手段による図柄の変動表示が開始されてから図柄の変動速度が所定の速度に達したことを条件として、前記停止操作手段による停止操作を有効化する停止操作有効化手段と、前記停止操作手段が操作されることにより前記図柄変動列の図柄の停止表示を実行する停止制御手段と、前記役抽選手段による抽選で内部当選している役に対応する入賞図柄の組合せが、前記有効ライン上に停止表示されたときに入賞と判定し、入賞した役に応じた特典の付与を行う入賞判定手段と、を備えたスロットマシンであって、前記変動制御手段は、前記複数の図柄変動列の図柄の変動表示を、前記役抽選手段により当選した役の種類を告知するための図柄の組合せが前記表示窓内に表示されるように一旦停止表示させ、その後再度図柄の変動表示を開始させて前記所定の速度に達する変動速度に制御することを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、図柄の変動表示が開始されてから図柄の変動速度が所定の速度に達するまでの間に、役抽選により内部当選した役の種類を告知するための図柄の組合せが前記表示窓内に一旦停止表示され、遊技者は何れの役が内部当選しているかを知ることができ、その後、図柄の変動速度が所定の速度に達することで停止操作手段の操作が有効化され、遊技者は知り得た役の入賞図柄の組合せを狙って目押しなどの図柄の停止操作を行うことができる。役の告知のための図柄の組合せは、一旦停止表示された後にすみやかに再度変動することで判らなくなってしまうという、これまでにない新感覚の告知機能を有する遊技を提供することができる。また、遊技者は逃さず(取りこぼさず)入賞を獲得しようと一旦停止される図柄の組合せを見逃さないように遊技に集中することになる。さらに、内部当選(成立)役告知を図柄変動列を利用して行うようにしているので、別途告知演出を行うために液晶表示装置などの演出表示装置を設ける必要がなく、仮に演出用の表示装置を設けた場合には、内部当選役の告知以外の演出、例えばストーリー性のある映像を連続的に表示したり、他の情報を表示したりと、告知以外の目的に特化して使用することができ、遊技者に対して豊富な情報を提供することができる。
【0016】
上記本発明に係るスロットマシンにおける、役抽選手段による抽選の対象となる複数種類の役としては、例えば、特典として、入賞時に該入賞した役に応じた数の遊技媒体が1回のみ付与される小役、入賞後に前記小役が入賞したときよりも多数の遊技媒体が獲得できるボーナス遊技が付与されるボーナス役、遊技媒体を賭けることなく再度遊技ができる再遊技を付与するリプレイ役等を挙げることができ、また、役抽選手段により当選した役の種類を告知するための図柄の組合せとしては、例えば、複数種類の役の全てを対象とできる、役の入賞を表す入賞図柄の組合せ、ボーナス役を対象とできる、リーチ目及びチャンス目等を挙げることができる。この他、当選した役の種類を告知するための図柄の組合せとして、2種類以上の役に共通する図柄の組合せを設け、この共通図柄の組合せが一旦停止表示されたときには、対応する2種類以上の役のうちのいずれかの役が内部当選していることを告知できるようにしてもよい。さらに、一の役の内部当選の告知をするための図柄の組合せを複数種類用意しておき、抽選テーブルを用いた乱数抽選等によりこれらのなかから選択したものを一旦停止表示するようにしてもよい。この場合、例えばATゲーム状態、RTゲーム状態等の遊技状態と当選役とに応じて異なる抽選テーブルを用いて抽選することでより多彩な告知演出を実現することができる。
【0017】
上記本発明に係るスロットマシンにおいて、始動操作手段の操作による図柄変動列の変動は、内部当選役の告知のための図柄の組合せを一旦停止表示するまでは、停止操作手段の操作が有効化される所定(通常)の変動速度よりもスローな変動速度とするのが好ましい。
【0018】
また、上記入賞図柄の組合せを告知図柄として一旦表示させるときには、入賞図柄の組合せを何れの有効ライン上に一旦停止させるかを抽選で決定するようにしてもよい。特にボーナス役の内部当選を告知する場合には、ボーナス役が内部当選していないにもかかわらずボーナス役の入賞図柄の組合せを一旦停止表示させる、所謂ガセ告知を行える機能を付加し、何れの有効ラインにボーナス役の入賞図柄の組合せが一旦停止表示されるかによりボーナス告知の信頼度を異ならせることにより、さらに趣の深いボーナス告知を行うことができる。具体的には、前記変動制御手段が、前記有効ライン設定手段により複数の有効ラインが設定されている場合に、前記内部当選している役の入賞図柄の組合せを一旦停止表示させるための有効ラインを、ライン抽選テーブルを用いて抽選により決定するための告知ライン決定手段と、前記ボーナス役が内部当選していない場合であっても、ボーナス役の入賞図柄の組合せを前記有効ライン上に一旦停止表示するか否かを決定するためのガセ告知決定手段とを有し、前記告知ライン決定手段は、ボーナス役が内部当選している場合には、第1のライン抽選テーブルを用いて抽選を行い、前記ガセ告知決定手段によりボーナス役の入賞図柄の組合せを一旦停止表示すると決定された場合には、前記第1のライン抽選テーブルとは各有効ラインの当選確率が異なる第2のライン抽選テーブルを用いて抽選を行うことにより実現することができる。
【0019】
さらに本発明に係るスロットマシンにおいて、前記変動制御手段は、図柄の変動表示の開始タイミングを各図柄変動列毎に所定の順序でずらすための手段を含むことが好ましい。これにより、図柄表示列毎にバラバラに図柄の変動を開始させたり、一度に全ての図柄変動列の図柄の変動を開始させたり、その後図柄表示列を1つずつ停止表示させたり、一度に全部を停止表示させて告知図柄の組合せを一旦停止表示させたりと、多様な態様の告知演出を行うことができる。これら図柄変動列の変動制御パターンと内部当選役の種類を告知するための図柄の組合せの表示態様とを組み合わせることで更に多様な告知演出を行うことができる。加えて、図柄変動列の変動を開始してから一旦停止表示させるまでの図柄変動列の動作や一旦停止表示される図柄の組合せ(内部当選役)に対応させて種々の効果音(演出音)をスピーカー(音声出力手段)により出力するようにすることで、より一層インパクトのある告知演出とし得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、これまでにない新感覚の内部当選役の告知を提供することができると共に、遊技者を遊技に集中させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
<実施の形態1> [外観構成] 図1を参照して、本実施の形態1に係るスロットマシン1は、前面が開放している箱形の筐体2と、この筐体2に対して開閉自在に取り付けられている前扉3とを備えている。
【0023】
前扉3の中央部正面には、正面パネル4が装着されている。この正面パネル4の主要部には、表示窓5が形成されている。それゆえ、この正面パネル4は、表示窓5の枠体として機能する。
【0024】
表示窓5は、主として、筐体2内の3つの回転リール6L,6C,6Rを観察するためのものであって、各リール6L,6C,6Rの外周面には、それぞれ、ボーナス役図柄、小役図柄及びリプレイ役図柄を含む、複数種類の役図柄が周方向に沿って描かれている。これらの図柄は、表示窓5を通して3つずつ観察される。表示窓5及び各リール6L,6C,6Rの両者は、正面パネル4上において遊技者に対面している。
【0025】
表示窓5の左側には、5つの賭けライン表示ランプ7A,7B,7C,7D,7Eが設けられている。これら5つの賭けライン表示ランプ7A〜7Eは、1遊技における有効ラインを示すために点灯するランプである。他方、表示窓5の右側には、スタートランプ8、投入指示ランプ9、リプレイタイム告知ランプ10、アシストタイム(AT)告知ランプ11及びゲームオーバーランプ12が設けられている。スタートランプ8は、遊技が開始できる状態となった場合に点灯又は点滅するランプである。投入指示ランプ9は、メダルをスロットマシン1に投入できる状態である場合に点灯又は点滅するランプである。RT告知ランプ10は、遊技状態が高確率再遊技状態(RT)に移行した場合に点灯又は点滅するランプである。AT告知ランプ11は、遊技状態が画像や音などにより役の入賞を支援する情報が報知される状態に移行した場合に点灯又は点滅するランプである。ゲームオーバーランプ12は、遊技が終了したときに点灯又は点滅するランプである。これらランプ8〜12は、正面パネル4の上方から下方に向かってこの順で配置されている。
【0026】
表示窓5上には、当該表示窓5の窓面を通過する5本の賭けライン13A〜13Eが設けられている。具体的には、第1の賭けライン13Aは、表示窓5の中段において水平に延びており、この賭けライン13Aの左端に第1の賭けライン表示ランプ7Aが配置されている。第2の賭けライン12Bは、表示窓5の上段において水平に延びており、この賭けライン13Bの左端に第2の賭けライン表示ランプ7Bが配置されている。第3の賭けライン12Cは、表示窓5の下段において水平に延びており、この賭けライン13Cの左端には第3の賭けライン表示ランプ7Cが配置されている。第4の賭けライン13Dは、表示窓5の左上段から右下段に向かって斜め下方向に延びており、この賭けライン13Dの左端には第4の賭けライン表示ランプ7Dが配置されている。第5の賭けライン13Eは、表示窓5の左下段から右上段に向かって斜め上方向に延びており、この賭けライン13Eの左端には第5の賭けライン表示ランプ7Eが配置されている。
【0027】
表示窓5の下方には、払出数表示器14及びクレジット数表示器15が設けられている。払出数表示器14は、入賞が発生した場合に遊技者に対して払い出されるメダル数を表示する表示器である。クレジット数表示器15は、遊技者が所有する有価価値としてスロットマシン1にクレジットされているメダル数を表示する表示器である。これら表示器14、15は、7セグメント表示器であって、正面パネル4上で左から右に向かってこの順で配置されている。
【0028】
前扉3の上部には、上パネル17が装着されている。この上パネル17の中央部には、液晶表示装置(以下、「LCD」という)18が設けられている。このLC
D18は、遊技に関する種々の演出、他の情報などを表示により行うための手段であって、例えば遊技中の演出画像を各種遊技状態のとき毎に異なるものとして表示したり、連続的にストーリー性のある動画を表示したり、遊技店又は周辺地域の情報を表示したりする。LCD18を挟んだ左右両側には、スピーカー19A,19Bが配置されており、この左右一対のスピーカー19A,19Bは、上パネル18に嵌め込まれている。これらのスピーカー19A,19Bは、LCD18に表示された演出画像等に対応した演出音、遊技状態に応じた効果音等を出力するための手段である。他方、前扉3の下部には、下パネル20が装着されている。この下パネル20には、機種名及びイメージデザイン等が印刷されており、その下方には、メダル払出口21及びメダル受け皿22が設けられている。
【0029】
正面パネル4と下パネル20との間には、操作部23が設けられている。この操作部23には、メダル投入口24、ベットボタン25、始動レバー26、停止ボタン27L,27C,27R及び精算ボタン28が備えられている。メダル投入口24は、操作部23の上面の右側に配置されている。ベットボタン25は、投入口24から投入されたメダルを何枚賭けるかを設定する際に使用されるボタンであって、操作部23の上面において始動レバー26及び左停止ボタン27Lの両者の中間位置に配置されている。始動レバー26は、遊技を開始する際に使用されるレバーであり、他方停止ボタン27L,27C,27Rは、リール6L,6C,6Rの回転を停止させる際に使用されるボタンである。具体的には、左停止ボタン27Lを操作すると、左リール6Lの回転が停止する。中停止ボタン27Cを操作すると、中リール6Cの回転が停止する。右停止ボタン27Rを操作すると、右リール6Rの回転が停止する。これら停止ボタン27L,27C,27Rは、操作部23の正面中央部において各リール6L,6C,6Rに対応して配置されている。これに対して、始動レバー26は、操作部23の正面において停止ボタン27L,27C,27Rの左側に配置されている。精算ボタン28は、スロットマシン1にクレジットされたメダルを精算する際に使用されるボタンであって、操作部23の正面において始動レバー26の左側に配置されている。
【0030】
本スロットマシン1では、例えば、遊技はクレジットモードで進行される。すなわち、1遊技毎にベットボタン25が1回押されると、3枚のメダルが賭け対象となり、上記の5本の賭けライン13A〜13Eの全てが有効化される。このとき、上記の5つの賭けライン表示ランプ7A〜7Eが点灯する。
【0031】
かかるクレジットモードでは、上記有効化された賭けライン(有効ライン)の何れかのライン上で入賞図柄の組合せが揃い、それによって入賞が成立した場合には、この入賞の発生に伴いクレジットの上限を超えない範囲で払い出されるメダル数がクレジットとしてスロットマシン1にストアーされる。クレジットの上限を超える場合には、その上限を超えた数のメダルが払出口21から受け皿22に払い出される。
【0032】
上記のクレジットモードの手順に則して賭け対象となるメダルの枚数が設定されると、図示しない制御部は、この設定された賭け枚数分のメダルを取り込む。このメダルの取り込みにより、遊技を開始する条件が整う。このとき、スタートランプ8が点灯又は点滅する。このスタートランプ8の作動状態において、始動レバー26が操作されると、制御部は、全てのリール6L,6C,6Rを一斉に回転させる。
【0033】
全てのリール6L,6C,6Rの回転速度が所定の速度に達すると回転リールの停止操作が有効化(許容)され、この状態で各停止ボタン27L,27C,27Rが押圧操作されると、その操作に対応するリールの回転が停止する。本実施の形態の基本(通常)遊技状態においては、始動レバー26の操作により、全リール6L,6C,6Rの回転速度を直ちに所定の速度、すなわち通常の速度まで上げて、停止ボタン27L,27C,27Rの操作を待つようにしているが、後述のATゲーム状態(ATゲーム処理)における内部当選役告知処理では、上記通常の速度よりも遅い速度により全リール6L,6C,6Rをスロー回転し、一旦停止後に再度回転を開始させて通常の速度とする制御を行うようにしている。
【0034】
そして、全リール6L,6C,6Rの回転が停止したときに、有効ライン上に入賞図柄の組合せの1つが停止表示する(揃う)と、制御部は、成立した入賞役の種類に従って、予め定められている枚数のメダルを上記メダルの入力モードに応じた態様で遊技者に払い出す。
【0035】
[内部構成] 図2を参照して、筐体2内には、リール6L,6C,6R、各リール6L,6C,6Rの駆動源であるステッピングモーター、ホッパー30及び確率設定ボックス31が備えられている。
【0036】
リール6L,6C,6Rは、筐体2内の中央部に配置されており、これらリール6L,6C,6Rを基準として、ホッパー30及び確率設定ボックス31の設置箇所が決定されている。各リール6L,6C,6Rの回転軸は、それぞれ、筐体2内のブラケットに回転自在に支持されており、当該各回転軸の端部が各ステッピングモーターSML,SMC,SMR(図3参照)の出力軸に結合されている。
【0037】
ホッパー30は、メダルの貯留・放出を行うための手段であって、リール6L,6C,6Rの下方において、筐体2の底面に取り付けられている。他方、確率設定ボックス31は、ホッパー30の左側において、筐体2の底面に取り付けられている。
【0038】
リール6L,6C,6Rの上方で筐体2の背面には、スロットマシン1の基本動作やリール制御などを司るプログラムが収められたCPU1001、RAM1002,ROM1003(共に図3参照)などが搭載されたメイン制御基板が収められた主基板ケース1000が取り付けられており、リール6L,6C,6Rを支持するブラケットの側面には、特に図示しないが、サブ制御基板が収められたサブ基板ケースが取り付けられている。
【0039】
また、前扉3に装着されたLCD18の裏側には、LCD18に表示する画像を制御するための映像表示基板が収められた映像表示基板ケース2000が取り付けられており、前扉3に装着された表示窓5の正面パネル4の裏側には、カバー体50が装着されている。このカバー体50は、上記の払出数表示器14及びクレジット数表示器15並びにコネクタ等が搭載される回路基板を覆う。[電気的構成] 図3を参照して、本スロットマシン1は、制御装置100を含む、この制御装置100は、マイクロコンピューターであって、CPU1001、RAM1002、ROM1003、クロックパルス発生回路1004、乱数発生器1005、モーター駆動制御回路1006、ランプ駆動制御回路1007、表示器駆動制御回路1008、LCD駆動制御回路1009、音出力制御回路10010及びホッパー駆動制御回路10011を備えている。
【0040】
CPU1001は、スロットマシン1の制御中枢を司るものであって、ROM1003に記憶されているプログラムに従って種々の制御を行う。このCPU1001の制御対象としては、ステッピングモーターSML,SMC,SMR、各種のランプ7A〜7E,8〜12、各種の表示器14,15、LCD18、スピーカー19A,19B及びホッパー30を挙げることができる。これら各制御要素に対する制御信号は、それぞれ、モーター駆動制御回路1006、ランプ駆動制御回路1007、表示駆動制御回路1008、LCD駆動制御回路1009、音出力制御回路1009及びホッパー駆動制御回路10011を介して、CPU1001から与えられる。また、CPU1001は、CPU1001に内蔵されたタイマにより後述する内部当選役告知処理においてリール6L,6C,6Rのずらし回転開始演出を行う場合に、ずらすタイミングや一旦停止表示後の再回転開始のタイミングを監視し制御を行うことができる。
【0041】
CPU1001には、ベットボタン25、始動レバー26、停止ボタン27L,27C,27R及び精算ボタン28の各操作信号と、メダル投入検知センサー200及びメダル排出検知センサー300の各センシング出力と、回転位置検出回路400の回転位置検出信号と、キースイッチSW1、確率設定スイッチSW2及びリセットスイッチSW3の各スイッチング信号とが与えられる。
【0042】
停止ボタン27L,27C,27Rの操作信号は、リール停止信号処理回路500によって所定の処理が施された後、リール停止信号としてCPU1001に入力される。
【0043】
メダル投入検知センサー200は、メダル投入口24から投入されたメダルを検知するためのセンサーであって、メダル投入口24に関連して設けられている。他方、メダル排出検知センサー300は、ホッパー30のメダル放出位置に関連して設けられており、そのセンシング信号は、メダル排出完了信号処理回路600によって所定の処理が施された後、メダル排出完了信号としてCPU1001に入力される。
【0044】
回転位置検出回路400は、各リール6L,6C,6Rの回転位置を検知するための回路であって、各リール6L,6C,6Rに関連して設けられている光センサーや、各ステッピングモーターSML,SMC,SMRの近傍に設けられているロータリーエンコーダを含んでいる。各リール6L,6C,6Rの回転が停止したときに、CPU1001は、回転位置検出回路400の検出信号に基づいて、有効ライン上での当該各リール6L,6C,6Rの停止図柄の種類を特定する。
【0045】
キースイッチSW1、確率設定スイッチSW2及びリセットスイッチSW3は、確率設定ボックス31に内蔵されている。キースイッチSW1は、遊技モードと確率設定モードとを互いに切り替えるためのスイッチである。他方、確率設定スイッチSW2は、役抽選に関する当選確率の設定を切り替えるためのスイッチであって、そのスイッチング信号は、キースイッチSW1によって確率設定モードになっている場合に限り、CPU1001に入力が受け付けられる。
【0046】
遊技を開始するために、遊技者によって始動レバー26が操作され、その操作信号が入力されると、CPU1001は、リール6L,6C,6Rの回転を開始させるべく、モーター駆動制御回路1006を介してステッピングモーターSML,SMC,SMRに始動信号を出力する。その結果、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄の変動表示が開始される。他方、リール6L,6C,6Rの回転を停止するために、遊技者によって停止ボタン27L,27C,27Rが押圧操作され、その操作信号が入力されると、CPU1001は、操作された停止ボタンに対応するリールの回転を停止させるべく、モーター駆動制御回路1006を介してステッピングモーターSML,SMC,SMRに停止信号を出力する。その結果、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄の変動が順次停止表示される。
【0047】
RAM1002は、CPU1001と互いにインターフェイスをとっており、CPU1001のワーキングメモリとして機能する。したがって、RAM1002では、遊技や図柄変更の制御に必要なフラグや変数の値の書き込み及び読み出しなどが行われる。
【0048】
ROM1003には、スロットマシン1を制御して遊技を進行するための遊技プログラム、遊技プログラムで用いる変数の初期値、図柄の組合せと乱数との対応関係を示すデータ群などが格納されている。特に、ROM1003には、演出のための動画用の画像データ、当該画像データに対応する演出音用の音データが格納されている。
【0049】
クロックパルス発生回路1004は、基準クロックパルスを発生させるための回路であって、発生させた基準クロックパルスをCPU1001に供給する。
【0050】
乱数発生器1005は、上記の役の成立に関する電子抽選などをマシン1内部で行う際に用いられる乱数を発生させ、この発生させた乱数
の中から任意の乱数を抽出するための手段であって、抽出した乱数をCPU1001に供給する。例えば、役抽選を行うに際して乱数を発生させるコマンドが、CPU1001から乱数発生器1005に対して与えられると、乱数発生器1005は、所定の範囲の乱数を発生させ、その乱数の値を示す信号をCPU1001に出力する。
【0051】
ランプ駆動制御回路1007は、CPU1001からの指示信号に基づいてランプ駆動信号を生成し、この生成したランプ駆動信号を各種のランプ7A〜7E,8〜12に与える。その結果、各種のランプ7A〜7E,8〜12は、所定の事象を告知するために点灯又は点滅する。
【0052】
表示器駆動制御回路1008は、CPU1001からの指示信号に基づいて表示器駆動信号を生成し、この生成した表示器駆動信号を各種の表示器14、15に与える。その結果、各種の表示器14、15は、所定の事象を表示する。
【0053】
LCD駆動制御回路1009は、CPU1001からの指示信号に基づいてLCD駆動信号を生成し、この生成したLCD駆動信号をLCD18に与える。その結果、LCD18は、その表示面上に種々の遊技演出情報を表示する。
【0054】
音出力制御回路10010は、CPU1001からの指示信号に基づいて音出力信号を生成し、この生成した音出力信号をスピーカー19A,19Bに与える。その結果、スピーカー19A,19Bは、遊技状態に応じた効果音等を含む演出音を発する。
【0055】
ホッパー駆動制御回路10011は、CPU1001からの指示信号に基づいてホッパー駆動信号を生成し、この生成したホッパー駆動信号をホッパー30に与える。その結果、ホッパー30は、貯留しているメダルを受け皿22に放出する。
【0056】
[リール停止制御] スロットマシン1では、役抽選の抽選結果によって何らかの役が成立すると、当該当選役の当選フラグが立てられ、当選フラグが立っている役の入賞図柄が有効ライン上に揃いやくするための引き込み停止制御が実行される。他方、当選フラグが立っていない役の入賞図柄は、有効ライン上に揃わせないための蹴飛ばし停止制御が実行される。
【0057】
上記「引き込み停止制御」とは、リールの回転及び停止による図柄の変動状態及び停止状態を見るための表示窓5の領域を遊技者が視認しつつ3つの停止ボタン27L,27C,27Rを操作(目押し)したときに、その操作タイミングと、フラグ成立している当選役の入賞図柄が有効ライン上を通過するタイミングとの間にズレがあっても、所定の範囲内のズレであれば入賞図柄を有効ライン上に引き込んで(停止表示させるタイミングを遅延させることにより調節して)停止するようにするリールの停止制御である。具体的には、リール6L〜6Rに対応したカウンターが(図示せず)設けられており、CPU1001は、ステッピングモーターSML,SMC,SMRに駆動パルスを出力したときは対応するカウンターを駆動パルス数だけインクリメントするとともに、位置検出センサーがリール6L,6C,6Rの基準回転位置を検出したときはカウンターをリセットするようにしている。このようにして、CPU1001は、カウンターのカウント値に基づいてリール6L,6C,6Rの基準回転位置からの現在の回転位置を判断する。しかし、回転位置を判断できてもどの図柄で停止するかを判断できなければ、引き込み制御は実現できないため、このような図柄の判断のために各リール6L,6C,6Rにおける図柄の配列情報である図柄テーブルを利用する。つまり、リール停止信号処理回路500から、各停止ボタン27L,27C,27Rに対する操作信号がCPU1001に通知される。この通知を受けたCPU1001は、リール6L,6C,6Rの回転位置と図柄の種類との位置関係を記憶した図柄テーブルを利用して、入賞図柄を有効ライン上に停止させるための引き込みコマ数を設定し、モーター駆動制御回路1006から停止信号をステッピングモーターSML,SMC,SMRに送信してリールの引き込み停止動作を実行するのである。このように、リール6L,6C,6Rの外周のどの位置にどのような図柄が設けられているかを示す図柄テーブルを利用することによって、引き込み制御が実行できるのである。このような引き込み制御は、一般的に国内においてパチスロとも呼ばれるスロットマシンにおいて周知の技術である。なお、このような引き込み制御を行えるのは、目標とする図柄から所定の数以内のコマズレ、即ち引き込み最大コマ数(許容コマ数)以内であれば、どのようなタイミングで遊技者が停止操作を行ったとしてもフラグ成立している当選役の入賞を成立させるための図柄を停止表示することが可能となっている。
【0058】
一方、役抽選により当選していない役(当選フラグが成立していない役)の入賞図柄(の組合せ)が有効ライン上に揃うことを防止するために、何れの役の入賞図柄をも有効ライン上に揃わせないようにしたりするために蹴飛ばし停止制御(ハズレ図柄の組合せを有効ライン上に引き込んで停止表示させる引き込み停止制御)が利用される。つまり、上記「蹴飛ばし停止制御」とは、入賞が許容された入賞図柄以外の入賞図柄の組合せを有効ライン上に停止させないためのリール停止制御である。具体的には、遊技者による停止ボタン27L,27C,27Rの操作(目押し)タイミングと、当選役の入賞図柄が有効ライン上を通過するタイミングとにズレが生じなかったとしても、強制的に入賞図柄を有効ライン上からずらせて(はずして)リール停止させる制御である。このような蹴飛ばし制御も上記パチスロにおいて一般的に使用されるものである。なお、本実施の形態1のスロットマシン1では、上記の引き込み又は蹴飛ばし許容コマ数は、一般的な4コマに設定されているものとする。
【0059】
[制御の流れ] (通常遊技処理) 以下、実施の形態1に係るスロットマシン1を用いた遊技の一例について説明する。図4を参照して、まず、制御装置100内のCPU1001は、賭けラインが有効化されてベットが完了するのを待つ(ステップS1)。マニュアル投入モードで3枚のメダルを投入口24から投入したり、クレジットモードでベットボタン25を押してメダルをスロットマシン1に投入したりすることによって、5つの賭けライン13A〜13Eが有効化されると、CPU1001は、ベットが完了したと判断し、始動レバー26が操作されるのを待つ(ステップS2)。このとき、スタートランプ8が点灯又は点滅する。
【0060】
始動レバー26が操作されると、CPU1001は、役の成立に関する内部抽選(役抽選)を行う(ステップS3)。この抽選は、乱数を用いたマシン内部の電子抽選で達成され、役の種類としては、複数種類のボーナス役(例えば、入賞後に移行するボーナスゲームにおいて、メダルの払出合計が345枚を超える終了するBB役、メダルの払出合計が119枚を超えると終了するRB役など)、複数種類の小役及びリプレイ役を挙げることができる。このとき、何れかの役が当選すると、その当選した役の当選フラグがONされる。なお、小役及びリプレイ役は当選フラグが成立(ON)した場合であってもそのゲームで入賞できないとその当選フラグはOFFされてしまい次ゲーム以降に持ち越されることはないが、ボーナス役の当選フラグは入賞が成立するまでそのON状態が以降のゲームに持ち越される。
【0061】
上記役抽選が終了すると、CPU1001は、全リール6L,6C,6Rの回転を開始させる(ステップS4)。その結果、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄の変動が開始されるとともに、LCD18に演出画像が表示される。
【0062】
リール6L,6C,6Rの回転が開始され、所定の回転速度(通常速度)になると、CPU1001は、停止ボタン27L,27C,27Rの操作を許容し、全ての停止ボタン27L,27C,27Rが押圧停止操作(目押し)されて全てのリール6L,6C,6Rの回転が停止するのを待つ(ステップS5及びステップS6)。各停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが行われると、CPU1001は、その押圧操作順序に応じて各リール6L,6C,6Rの回転を順次停止させる。その結果、表示窓5内において回転リール6L,6C,6Rの図柄の変動が順次停止される。
【0063】
全停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが完了し、且つ、全リール6L,6C,6Rの回転が停止すると、CPU1001は、入賞判定を行う。有効ライン13上にボーナス役入賞図柄の組合せが揃い、ボーナス役の入賞が成立した場合には(ステップS7:YES)、CPU1001は、入賞したボーナス役の種類に応じたボーナスゲーム処理を実行し(ステップS8)、そしてボーナス役の当選フラグをOFFとし、その後遊技状態をATゲーム状態に移行させるか否かを決定するためのAT抽選を実行する(ステップS9)。AT抽選に当選した場合には(ステップS10:YES)、CPU1001は、ATゲーム処理を実行し(ステップS11)、ATゲーム処理が終了した後、処理をステップS1に戻す。なお、このATゲーム処理については、詳細に後述する。また、ボーナスゲーム処理は、例えば、メダルの払出合計が345枚を超える終了するBBゲーム及び払出合計が119枚を超えると終了するRBゲームなど公知に行われるものとすることができ、その説明は省略する。
【0064】
上記ステップS7において、ボーナス役の入賞が成立していない場合(ステップS7:NO)には、CPU1001は、小役の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS12)。有効ライン13上に小役の入賞図柄の組合せが揃い、小役の入賞が成立したと判断された場合には、CPU1001は、遊技者に配当をするために入賞した小役に対応した枚数のメダルの払出を行う(ステップS13)。その後、CPU1001は、小役の当選フラグをOFFとし、処理をステップS1に戻して再びベットの完了を待つ。一方、小役の入賞が成立していない場合(ステップS12:NO)には、CPU1001は、リプレイ役の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS14)。有効ライン13上にリプレイ役の入賞図柄の組合せが揃い、リプレイ役の入賞が成立したと判断された場合には、CPU1001は、リプレイ役の当選フラグをOFFとし、処理をステップS2に戻して再遊技を開始すべく始動レバー26の操作を待つ。
【0065】
ステップS14において、リプレイ役の入賞が成立していない場合(ステップS14:NO)には、CPU1001は、ボーナス役以外の役の当選フラグが成立していればそれをOFFとした後、直ちに処理をステップS1に戻して再びベットの完了を待つ。
【0066】
(ATゲーム処理) 次に、ステップS8におけるボーナスゲーム処理が終了した後に行われるAT抽選(ステップS9)で当選することにより移行されるATゲーム処理一例について説明する。本例におけるATゲーム状態は、ATゲームを所定ゲーム数、ここでは100ゲーム行うと終了するというものである。
【0067】
図5を参照して、遊技状態がATゲーム状態へ移行すると、CPU1001は、まず、ATゲームのゲーム数を積算して計数するカウンタ(ATゲーム数カウンタ)をイニシャライズする(ステップS21)。なお、上記カウンタによる計数は、RAM1003の専用記憶部を用いて行うことができる。
【0068】
次に、CPU1001は、賭けラインが有効化されてベットが完了するのを待つ(ステップS22)。例えば3枚のメダルがベットされて5本の賭けライン13A〜13Eが有効化されると、CPU1001は、始動レバー26が操作されるのを待つ(ステップS23)。このとき、スタートランプ8が点灯又は点滅する。
【0069】
始動レバー26が操作されると、CPU1001は、役の成立に関する内部抽選を行う(ステップS24)。このとき、何れかの役が当選すると、その当選した役の当選フラグがONされる。
【0070】
上記役抽選が終了すると、CPU1001は、内部当選役告知処理を行い(ステップS25)、
その後処理をステップS26に移す。なお、内部当選役告知処理については、詳細に後述する。
【0071】
ステップS26に移って、CPU1001は、全ての停止ボタン27L,27C,27Rが押圧停止操作されて目押しが完了し、且つ、全てのリール6L,6C,6Rの回転が停止するのを待つ(ステップS26及びステップS27)。各停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが行われると、CPU1001は、その押圧操作順序に応じて各リール6L,6C,6Rの回転を順次停止させる。その結果、表示窓5内において回転リール6L,6C,6Rの図柄の変動が順次停止される。
【0072】
図6を参照して、全停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが完了し、且つ、全リール6L,6C,6Rの回転が停止すると、CPU1001は、小役の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS31)。有効ライン上に小役の入賞図柄が成立した場合には、CPU1001は、入賞した小役の配当に対応する枚数のメダルを払出し(ステップS32)、処理をステップS36に移す。
【0073】
上記ステップS31において小役の入賞が成立していないと判定された場合には、CPU1001は、ボーナス役の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS33)。有効ライン上にボーナス役の入賞図柄の組合せが揃い、ボーナス役の入賞が成立した場合には、CPU1001は、本ATゲーム処理を終了し、ボーナスゲーム処理を実行する(ステップS34)。ボーナスゲーム処理が終了すると、CPU1001は、処理をステップS1(図4参照)に移す。なお、このボーナスゲーム処理は、上記ステップS8と同様の処理とされる。他方、ボーナス役が入賞していないと判定した場合には、CPU1001は、リプレイ役の入賞が成立したか否かを判定する(ステップS35)。有効ライン上にリプレイ役の入賞図柄の組合せが揃い、リプレイ役の入賞が成立した場合には、CPU1001は、処理をステップ23に移して始動レバー26の操作を待ち、他方、リプレイ役の入賞が認められなかった場合には、処理をステップS36に移す。
【0074】
ステップS36に移って、CPU1001は、ATゲーム数カウンタのカウントを1カウント増やす(ステップS36)。その後、CPU1001は、ATゲームの積算ゲーム数が100となったかを判定する(ステップS37)。ATゲームの積算ゲーム数が100ゲームに達したと判定した場合には、CPU1001は、処理をステップS1(図4参照)に移して遊技状態を通常遊技状態に戻し、本処理を終了する。他方、ATゲーム数が100に達していないと判定した場合には、CPU1001は、処理をステップS22(図5参照)に戻して再びベットの完了を待つ。
【0075】
(内部当選役告知処理) 図7を参照して、上記ステップS25の内部当選役告知処理について説明する。まず、CPU1001は、役が当選しているかを判定する(ステップS41)。具体的には、ステップS24の役抽選において何れかの役の当選フラグが成立しているかを判定する。
【0076】
ステップS41において何れかの役が当選していると判定した場合には、CPU1001は、リール6L、6C、6Rを通常よりもスローな速度で回転を開始させ(ステップS42)、当選フラグが成立している役の入賞図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル、スイカ−スイカ−スイカ、7−7−7等)を有効ライン上に一旦停止表示させる(ステップS43)。その後、CPU1001は、リール6L、6C、6Rを通常の回転速度に再回転させ、停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作を有効化(許容)し(ステップS44及びステップS45)、本処理を終了する。
【0077】
他方、ステップS41で何れの役も当選していなかった場合には、CPU1001は、処理をステップS44に移し、リール6L、6C、6Rを速やかに通常の回転速度で回転させ、停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作を有効化(許容)し(ステップS45)、本処理を終了する。
【0078】
<実施の形態2> 次に、実施の形態2のについて説明する。本実施の形態2においては、役抽選でボーナス役が当選した場合に、リールをリーチ目で一旦停止させることでボーナス告知を行うようにした内部当選告知処理とすることを特徴とするものであり、スロットマシンの構成及び制御は実施の形態1のものとほぼ同様であり、以下同一の符号を用い、制御の流れについて説明する。
【0079】
[制御の流れ] (通常遊技処理) まず、図8を参照して、制御装置100内のCPU1001は、賭けラインが有効化されてベットが完了するのを待つ(ステップS51)。メダルが投入されて賭けライン13が有効化されると、CPU1001は、ベットが完了したと判断し、始動レバー26が操作されるのを待つ(ステップS52)。このとき、スタートランプ8が点灯又は点滅する。
【0080】
始動レバー26が操作されると、CPU1001は、役の成立に関する内部抽選(役抽選)を行う(ステップS53)。なお、役抽選の対象となる役の種類は、実施の形態1のときと同様とする。
【0081】
上記役抽選が終了後もしくはそれと同時に、CPU1001は、内部当選役告知処理を実行する(ステップS54)。この内部当選役告知処理については、後述する。
【0082】
ステップS54の内部当選役告知処理が終了すると、CPU1001は、全ての停止ボタン27L,27C,27Rが押圧停止操作(目押し)が完了し、且つ、全てのリール6L,6C,6Rの回転が停止するのを待つ(ステップS55及びステップS56)。各停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが行われると、CPU1001は、その押圧操作順序に応じて各リール6L,6C,6Rの回転を順次停止させる。その結果、表示窓5内において回転リール6L,6C,6Rの図柄の変動が順次停止される。
【0083】
全停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが完了し、且つ、全リール6L,6C,6Rの回転が停止すると、CPU1001は、入賞判定を行う。有効ライン13上にボーナス役の入賞図柄の組合せが揃い、ボーナス役の入賞が成立した場合には(ステップS57:YES)、CPU1001は、入賞したボーナス役の種類に応じたボーナスゲーム処理を実行し(ステップS58)、そしてボーナス役の当選フラグをOFFとし、処理をステップS51に戻して再びベットの完了を待つ。
【0084】
上記ステップS57において、ボーナス役の入賞が成立していない場合(ステップS57:NO)には、CPU1001は、小役の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS59)。有効ライン13上に小役の入賞図柄の組合せが揃い、小役の入賞が成立したと判断された場合には、CPU1001は、遊技者に配当をするために入賞した小役に対応した枚数のメダルの払出を行う(ステップS60)。その後、CPU1001は、小役の当選フラグをOFFとし、処理をステップS51に戻して再びベットの完了を待つ。一方、小役の入賞が成立していない場合(ステップS59:NO)には、CPU1001は、リプレイ役の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS61)。有効ライン13上にリプレイ役の入賞図柄の組合せが揃い、リプレイ役の入賞が成立したと判断された場合には、CPU1001は、リプレイ役の当選フラグをOFFとし、処理をステップS52に戻して再遊技を開始すべく始動レバー26の操作を待つ。
【0085】
ステップS61において、リプレイ役の入賞が成立していない場合(ステップS61:NO)には、CPU1001は、ボーナス役以外の役の当選フラグが成立していればそれをOFFとした後、直ちに処理をステップS51に戻して再びベットの完了を待つ。
【0086】
(内部当選役告知処理) 次に、図9を参照して、ステップS54の内部当選役告知処理について説明する。まず、CPU1001は、ボーナス役が当選しているかを判定する(ステップS71)。具体的には、ステップS53の役抽選においてボーナス役が当選しその当選フラグが成立しているかを判定する。
【0087】
ステップS71においてボーナス役が当選していると判定した場合には、CPU1001は、リール6L、6C、6Rを通常よりもスローな速度で回転を開始させ(ステップS72)、リーチ目の組合せを表示窓5内に一旦停止表示させる(ステップS73)。なお、リーチ目は、1種類を用いるようにしてもよいし、複数種類用意しておきそのなかから1つ選択して用いるようにしてもよい。その後、CPU1001は、リール6L、6C、6Rを通常の回転速度に再回転させ、停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作を有効化(許容)し(ステップS74及びステップS75)、本処理を終了する。
【0088】
他方、ステップS71でボーナス役以外の役もしくは何れの役も当選していなかった場合には、CPU1001は、処理をステップS74に移し、リール6L、6C、6Rを直ちに通常の回転速度で回転させ、停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作を有効化(許容)し(ステップS75)、本処理を終了する。
【0089】
<実施の形態3> 次に、実施の形態3について説明するが、この実施の形態3は、上記実施の形態2における内部当選役告知処理の変形例であり、ボーナス役についてガセ告知を取り入れた場合のもので、通常遊技状態の制御については実施の形態2と同様にされる。ただし、上記ステップS51におけるベットは、本実施の形態3においては説明を簡易にするため、3枚のメダルが賭けられる、所謂3枚賭け専用としている。
【0090】
[制御の流れ] (内部当選役告知処理) 図10を参照して、まず、CPU1001は、ボーナス役が当選しているかを判定する(ステップS81)。具体的には、ステップS53の役抽選においてボーナス役が当選しその当選フラグが成立しているかを判定する。
【0091】
ステップS81においてボーナス役が当選していると判定した場合には、CPU1001は、図11(A)に示す第1のライン抽選テーブルT1を用いてボーナス役の入賞図柄の組合せ(例えば、7−7−7)を一旦停止させる有効ライン13をどれにするかを決定するライン抽選を行う(ステップS82)。具体的には、抽出した乱数を第1のライン抽選テーブルと照合することで、第1〜第5の有効ライン13A〜13Eのなかから1つを選択する乱数抽選によりライン抽選を行う。抽出した乱数値が0〜127の範囲内の場合には第1の有効ライン13Aが選択され、抽出した乱数値が128〜179の範囲内の場合には第2の有効ライン13Bが選択され、抽出した乱数値が180〜231の範囲内の場合には第3の有効ライン13Cが選択され、抽出した乱数値が232〜244の範囲内の場合には第4の有効ライン13Dが選択され、抽出した乱数値が245〜255の範囲内の場合には第5の有効ライン13Eが選択される。ここでは、第1の有効ライン13Aが選択される確率を約50%、第2及び第3の有効ライン13B,13Cが選択される確率を約20%、第4及び第5の有効ライン13D,13Eが選択される確率を約5%とし、各有効ラインで選択される確率を異ならせている。これは、後述するガセ告知の場合の有効ラインの抽選における各有効ラインの選択確率との関係で、いずれの有効ラインにボーナス告知が行われるかにより期待度が異なるようにするためである。
【0092】
他方、ステップS81でボーナス役以外の役もしくは何れの役も当選していなかった場合には、CPU1001は、処理をステップS83に移し、ボーナス役が内部成立していないにもかかわらずあたかもボーナス役が内部成立しているかの告知を行う、所謂ガセ告知を行うか否かの抽選を行う(ステップS83)。ガセ告知を行うと判定した場合(ステップS84:YES)には、CPU1001は、図11(B)に示す第2のライン抽選テーブルT2を用いてガセ告知としてボーナス役の入賞図柄の組合せを一旦停止させる有効ライン13をどれにするかを決定するライン抽選を行う(ステップS85)。具体的には、抽
出した乱数を第2のライン抽選テーブルと照合することで、第1〜第5の有効ライン13A〜13Eのなかから1つを選択する乱数抽選によりライン抽選を行う。抽出した乱数値が0〜25の範囲内の場合には第2の有効ライン13Bが選択され、抽出した乱数値が26〜50の範囲内の場合には第3の有効ライン13Cが選択され、抽出した乱数値が51〜153の範囲内の場合には第4の有効ライン13Dが選択され、抽出した乱数値が154〜255の範囲内の場合には第5の有効ライン13Eが選択される。ここでは、第1の有効ライン13Aは選択されず、後述するステップS87においてボーナス役の入賞図柄の組合せが第1の有効ライン13A上に一旦停止した場合には、ボーナス役の当選フラグが成立していることを示すこととなる。また、第2及び第3の有効ライン13B,13Cが選択される確率は、約10%とされ、ボーナス役が本当に当選したときの選択確率(第1のライン抽選テーブルT1参照)よりも低く設定され、後述するステップS87においてボーナス役の入賞図柄の組合せが第2又は第3の有効ライン13B,13Cに一旦停止した場合のボーナス内部当選の期待度は高くされている。他方、第4及び第5の有効ライン13D,13Eが選択される確率は約40%とされ、後述するステップS87においてボーナス役の入賞図柄の組合せが第4又は第5の有効ライン13D,13Eに一旦停止した場合のボーナスの期待度は低くされている。
【0093】
なお、ガセ告知を行わないと判定した場合(ステップS84:NO)には、CPU1001は、処理をステップS88に移し、リール6L、6C、6Rを直ちに通常の回転速度で回転させ、停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作を有効化(許容)し(ステップS89)、本処理を終了する。
【0094】
上記ステップS82又はステップS85におけるライン抽選の結果、ボーナス役の入賞図柄の組合せを一旦停止させる有効ラインが決定すると、CPU1001は、リール6L、6C、6Rを通常よりもスローな速度で回転を開始させ(ステップS86)、決定された有効ライン上にボーナス役の入賞図柄の組合せを一旦停止表示させる(ステップS87)。その後、CPU1001は、リール6L、6C、6Rを通常の回転速度に再回転させ、停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作を有効化(許容)し(ステップS88及びステップS89)、本処理を終了する。
【0095】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれら実施の形態に限定されるものではない。例えば、本発明をメカニカルリール方式のスロットマシンに適用した例について記載したが、当然シミュレートリール方式のスロットマシンに適用しても、本発明の目的は十分に達成し得る。また、上記実施の形態では、内部当選役の告知図柄として、入賞図柄の組合せ、リーチ目を用いているが、これに代えて、2種類以上の役に共通する図柄の組合せを設け、この共通図柄の組合せが一旦停止表示されたときには、対応する2種類以上の役のうちのいずれかの役が内部当選していることを告知できるようにしてもよいし、逆に一の役の内部当選の告知をするための図柄の組合せを複数種類用意しておき、抽選テーブルを用いた乱数抽選等によりこれらのなかから選択したものを一旦停止表示するようにしてもよい。後者の場合、例えばATゲーム状態、RTゲーム状態等の遊技状態と当選役とに応じて異なる抽選テーブルを用いて抽選するようにしてもよい。
【0096】
さらに、実施の形態3における内部当選役告知処理では、告知図柄としてボーナス役の入賞図柄の組合せを用いているが、上記ステップS82及びステップS85のライン抽選に代えて、複数種類のチャンス目のなかから1つのチャンス目を選択し、選択されたチャンス目をステップS87において表示窓5内に一旦停止表示してガセ告知を含むボーナス告知を行うようにしてもよい。加えて、内部当選役告知処理においてリールをスロー回転させる際に、3つのリールをばらばらにずらせて回転始動させるようにしてもよいし、またその後リールを内部当選役の入賞図柄の組合せで一旦停止させる際に、3つのリールを同時に停止させるようにしてもよいし、順番に停止させるようにしてもよい。その他、本明細書に添付の特許請求の範囲内での種々の設計変更及び修正を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施の形態1に係るスロットマシンの外観構成を示す斜視図である。
【図2】スロットマシンの内部構成を示す斜視図であって、前扉を開けた状態を示す。
【図3】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1におけるスロットマシンの通常遊技の制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1におけるATゲーム処理(ATゲーム状態)の制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】図5のATゲーム処理の制御の流れの続きを示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1における内部当選役告知処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2に係るスロットマシンの通常遊技の制御の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施の形態2における内部当選役告知処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施の形態3における内部当選役告知処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【図11】(A)ボーナス役当選時に用いる第1のライン抽選テーブル、及び(B)ボーナス非当選時に用いる第2のライン抽選テーブルの説明図である。
【符号の説明】
【0098】
1 スロットマシン6L,6C,6R 回転リール13A〜13E 有効ライン18 LCD19A,19B スピーカー25 ベットボタン26 始動レバー27L,27C,27R 停止ボタン100 制御装置1001 CPU1002 RAM1003 ROMT1 第1のライン抽選テーブルT2 第2のライン抽選テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、役が内部的に成立している場合にその旨が告知されるスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチスロと称されるスロットマシンは、周面に複数種類の図柄が描かれた3つの回転リールをそれぞれ回転及び停止させて3つの図柄変動列において図柄の変動表示及び停止表示を行う図柄表示手段と、図柄表示手段による図柄の変動表示を開始させるための始動レバーと、図柄変動列に対応して配置されており、図柄表示手段による図柄の変動表示を停止表示させるための複数の停止ボタンとを備えている。このようなスロットマシンにおける基本(通常)遊技は、遊技媒体としてのメダルがメダル投入口から投入されることにより或いはクレジットされたメダルがベットスイッチの操作により投入されることにより、複数の図柄変動列を横切る有効ラインが設定されるとともに始動レバーの操作が許容され、始動レバーが操作されると役の成立に関する内部抽選(以下、単に「役抽選」という)が行われるとともに、設定された有効ライン上を図柄が変動表示され、この状態で停止ボタンが順次押圧操作されると、表示窓内で変動表示されていた図柄が押圧操作された順序に応じて停止表示され、全ての図柄変動列の図柄が停止表示されたときに前面側に設けられた表示窓内に設定された有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが、予め設定された役の入賞図柄の組合せ(以下、単に「入賞図柄」ともいう)と一致した場合には、当該役の種類に応じた数のメダルが配当として払い出されるといったものであり、遊技者は、このような一連の遊技を繰り返し、できるだけ多くのメダルを獲得しようと楽しむものである。
【0003】
この種のスロットマシンは、上記表示窓内に3×3のマトリクス状に9つの図柄が視認できるように設けられている。表示窓内に設定される有効ライン数と投入される(賭けられる)メダル数との関係は、1遊技当たり、メダルの賭け枚数が最大3枚とされ、これにより最大5本の有効ラインが設定可能とされているものが大多数であり、より詳しくは、メダル1枚で1本の有効ラインが、メダル2枚で3本の有効ラインが、そしてメダル3枚で5本の有効ラインが設定されることになっている。
【0004】
他方、上記予め設定される役としては、ボーナス役、小役、リプレイ役などを挙げることができ、これら役は所定の当選確率で役抽選され、入賞確率が制御されている。小役とは、入賞した遊技において1回だけメダルの配当付与がなされるものである。また、ボーナス役とは、入賞すると遊技状態がボーナス遊技状態に移行し、当該ボーナス遊技状態において、高確率でメダルの配当付与を受けることができるボーナス遊技を複数回行うことができる、遊技者にとってより有利な入賞役である。かかるボーナス役としては、レギュラーボーナス(以下、「RB」という)役及びビッグボーナス(以下、「BB」という)役を挙げることができる。
【0005】
上記RB役は、その入賞が成立すると、RB遊技状態とされ、ボーナス遊技(所謂、JACゲーム)を所定回数連続して行える権利が与えられる。他方、上記BB役は、その入賞が成立すると、BB遊技状態が実行され、上記RB遊技状態を複数セット行える権利が与えられる。このボーナス遊技は、一般に、1遊技あたりメダルの賭け枚数及び有効ライン数が1とされ、JAC役の入賞を対象とした遊技で、高確率でJAC役が入賞するようにされている。また近年、このようなRB役及びBB役に代えて、ボーナス遊技によるメダルの払出数の上限を設けることで終了させるようにしたRB役及びBB役も登場してきている。なお、以下の説明において、「RB役」及び「BB役」を総称することきは「ボーナス役」と称し、「RB遊技状態」及び「BB遊技状態」を総称するときは「ボーナス遊技状態」或いは「ボーナスゲーム状態」と称する。
【0006】
また、上記リプレイ役とは、入賞すると、当該入賞したときの遊技と同じメダルの賭け数(有効ライン数)において再遊技できる役であり、リプレイ役の入賞が成立すると、自動的に同じ有効ライン数が設定され、始動レバーの操作が許容される。
【0007】
従前より、スロットマシンの遊技においては、ボーナス役が内部当選している場合に、その旨を遊技者に告知することが行われている。例えば、ボーナス役が内部成立している状態の遊技で停止ボタンの操作により全ての図柄変動列を停止表示させたときに、表示窓内に視認可能な9つの図柄を用いて所定の図柄の組合せである、所謂「リーチ目」を停止表示させることによるボーナス告知や、上記「リーチ目」に代えて、必ずしもボーナス役が内部成立しているとは限らないが、ボーナス役の入賞可能性を同様に9つの図柄の組合せである、所謂「チャンス目」を停止表示させることによるボーナス告知が採用されている。また、近年、このようなボーナス告知を、趣向を凝らした種々の方法で行うことができるスロットマシンも提案されてきている。例えば、特許文献1にて提案されているスロットマシンでは、ボーナス告知ランプを設け、これを点灯させることによりボーナス役が内部当選していることを告知するように構成されている。さらに、特許文献2にて提案されているスロットマシンでは、表示窓の上部に設けられた液晶表示部に、複数遊技にわたって表示される演出画像によりボーナス告知演出を行うように構成されている。
【0008】
一方で、近時ボーナス役以外の小役が内部当選したことを告知することも行われるようになってきている。これは、基本遊技状態及びボーナス遊技状態とは別の、所謂アシストタイム(AT状態)という遊技状態が付加されることで実現されている。この種のスロットマシンの典型的な例としては、特許文献3にて提案されているものを挙げることができる。この特許文献3に開示されているスロットマシンでは、遊技状態をAT状態に移行させるか否かを決定させるための内部抽選(AT移行抽選)が実行される。このAT移行抽選に当選した場合には、遊技状態がAT状態へ移行する。このAT状態において、上記の役抽選で内部的に小役が成立した場合には、この内部的に成立(内部当選)した小役の種類を図柄変動手段の周囲に配置された液晶表示装置とスピーカーを用いた画像と音により告知される。これにより、遊技者は内部当選している小役の入賞図柄を狙って停止ボタンを目押し操作することで、小役の入賞を獲得しやすくなる。なお、目押しとは、表示窓内での図柄の変動表示をよく観察し、且つ、停止表示させるべき図柄が表示窓内に出現するタイミングをよく見計らって停止ボタンを押す回転リールの停止操作行為である。
【0009】
【特許文献1】特開2003−33474号公報
【0010】
【特許文献2】特開2003−265692号公報
【0011】
【特許文献3】特開2004−33521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このような従来のスロットマシンにおいては、画像、音及び光等により、上記役抽選で内部当選した役を遊技者に告知するように構成されているが、上記画像、音及び光等により内部状態を告知する方法は、既に長年行われてきており遊技者に既に飽きられる傾向にある。また、リーチ目やチャンス目によるボーナス告知も歴史が古く、新鮮味にかけている。
【0013】
そこで、本発明は、上記実情に鑑みなされたもので、新鮮でよりインパクトのある態様での内部状態の告知を行うことができるスロットマシンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明では、複数の図柄変動列毎に複数種類の図柄の変動表示及び停止表示を行うための図柄表示手段と、前記図柄が停止表示されたときに、各図柄変動列の一部の図柄が横並びとして視認できるように設けられた表示窓と、該表示窓内において複数の図柄変動列を横切る賭けラインを、遊技媒体が賭けられることにより有効化して有効ラインを設定する有効ライン設定手段と、前記有効ラインが設定されていることを条件として前記図柄表示手段による図柄の変動表示を開始させるための始動操作手段と、該始動操作手段が操作されることを契機として、複数種類の役の成立に関する抽選を行うための役抽選手段と、前記始動操作手段の操作により前記図柄表示手段による図柄の変動表示を制御するための変動制御手段と、前記複数の図柄変動列毎に対応して設けられ、前記図柄表示手段による図柄の変動表示を停止表示させるための複数の停止操作手段と、前記図柄表示手段による図柄の変動表示が開始されてから図柄の変動速度が所定の速度に達したことを条件として、前記停止操作手段による停止操作を有効化する停止操作有効化手段と、前記停止操作手段が操作されることにより前記図柄変動列の図柄の停止表示を実行する停止制御手段と、前記役抽選手段による抽選で内部当選している役に対応する入賞図柄の組合せが、前記有効ライン上に停止表示されたときに入賞と判定し、入賞した役に応じた特典の付与を行う入賞判定手段と、を備えたスロットマシンであって、前記変動制御手段は、前記複数の図柄変動列の図柄の変動表示を、前記役抽選手段により当選した役の種類を告知するための図柄の組合せが前記表示窓内に表示されるように一旦停止表示させ、その後再度図柄の変動表示を開始させて前記所定の速度に達する変動速度に制御することを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、図柄の変動表示が開始されてから図柄の変動速度が所定の速度に達するまでの間に、役抽選により内部当選した役の種類を告知するための図柄の組合せが前記表示窓内に一旦停止表示され、遊技者は何れの役が内部当選しているかを知ることができ、その後、図柄の変動速度が所定の速度に達することで停止操作手段の操作が有効化され、遊技者は知り得た役の入賞図柄の組合せを狙って目押しなどの図柄の停止操作を行うことができる。役の告知のための図柄の組合せは、一旦停止表示された後にすみやかに再度変動することで判らなくなってしまうという、これまでにない新感覚の告知機能を有する遊技を提供することができる。また、遊技者は逃さず(取りこぼさず)入賞を獲得しようと一旦停止される図柄の組合せを見逃さないように遊技に集中することになる。さらに、内部当選(成立)役告知を図柄変動列を利用して行うようにしているので、別途告知演出を行うために液晶表示装置などの演出表示装置を設ける必要がなく、仮に演出用の表示装置を設けた場合には、内部当選役の告知以外の演出、例えばストーリー性のある映像を連続的に表示したり、他の情報を表示したりと、告知以外の目的に特化して使用することができ、遊技者に対して豊富な情報を提供することができる。
【0016】
上記本発明に係るスロットマシンにおける、役抽選手段による抽選の対象となる複数種類の役としては、例えば、特典として、入賞時に該入賞した役に応じた数の遊技媒体が1回のみ付与される小役、入賞後に前記小役が入賞したときよりも多数の遊技媒体が獲得できるボーナス遊技が付与されるボーナス役、遊技媒体を賭けることなく再度遊技ができる再遊技を付与するリプレイ役等を挙げることができ、また、役抽選手段により当選した役の種類を告知するための図柄の組合せとしては、例えば、複数種類の役の全てを対象とできる、役の入賞を表す入賞図柄の組合せ、ボーナス役を対象とできる、リーチ目及びチャンス目等を挙げることができる。この他、当選した役の種類を告知するための図柄の組合せとして、2種類以上の役に共通する図柄の組合せを設け、この共通図柄の組合せが一旦停止表示されたときには、対応する2種類以上の役のうちのいずれかの役が内部当選していることを告知できるようにしてもよい。さらに、一の役の内部当選の告知をするための図柄の組合せを複数種類用意しておき、抽選テーブルを用いた乱数抽選等によりこれらのなかから選択したものを一旦停止表示するようにしてもよい。この場合、例えばATゲーム状態、RTゲーム状態等の遊技状態と当選役とに応じて異なる抽選テーブルを用いて抽選することでより多彩な告知演出を実現することができる。
【0017】
上記本発明に係るスロットマシンにおいて、始動操作手段の操作による図柄変動列の変動は、内部当選役の告知のための図柄の組合せを一旦停止表示するまでは、停止操作手段の操作が有効化される所定(通常)の変動速度よりもスローな変動速度とするのが好ましい。
【0018】
また、上記入賞図柄の組合せを告知図柄として一旦表示させるときには、入賞図柄の組合せを何れの有効ライン上に一旦停止させるかを抽選で決定するようにしてもよい。特にボーナス役の内部当選を告知する場合には、ボーナス役が内部当選していないにもかかわらずボーナス役の入賞図柄の組合せを一旦停止表示させる、所謂ガセ告知を行える機能を付加し、何れの有効ラインにボーナス役の入賞図柄の組合せが一旦停止表示されるかによりボーナス告知の信頼度を異ならせることにより、さらに趣の深いボーナス告知を行うことができる。具体的には、前記変動制御手段が、前記有効ライン設定手段により複数の有効ラインが設定されている場合に、前記内部当選している役の入賞図柄の組合せを一旦停止表示させるための有効ラインを、ライン抽選テーブルを用いて抽選により決定するための告知ライン決定手段と、前記ボーナス役が内部当選していない場合であっても、ボーナス役の入賞図柄の組合せを前記有効ライン上に一旦停止表示するか否かを決定するためのガセ告知決定手段とを有し、前記告知ライン決定手段は、ボーナス役が内部当選している場合には、第1のライン抽選テーブルを用いて抽選を行い、前記ガセ告知決定手段によりボーナス役の入賞図柄の組合せを一旦停止表示すると決定された場合には、前記第1のライン抽選テーブルとは各有効ラインの当選確率が異なる第2のライン抽選テーブルを用いて抽選を行うことにより実現することができる。
【0019】
さらに本発明に係るスロットマシンにおいて、前記変動制御手段は、図柄の変動表示の開始タイミングを各図柄変動列毎に所定の順序でずらすための手段を含むことが好ましい。これにより、図柄表示列毎にバラバラに図柄の変動を開始させたり、一度に全ての図柄変動列の図柄の変動を開始させたり、その後図柄表示列を1つずつ停止表示させたり、一度に全部を停止表示させて告知図柄の組合せを一旦停止表示させたりと、多様な態様の告知演出を行うことができる。これら図柄変動列の変動制御パターンと内部当選役の種類を告知するための図柄の組合せの表示態様とを組み合わせることで更に多様な告知演出を行うことができる。加えて、図柄変動列の変動を開始してから一旦停止表示させるまでの図柄変動列の動作や一旦停止表示される図柄の組合せ(内部当選役)に対応させて種々の効果音(演出音)をスピーカー(音声出力手段)により出力するようにすることで、より一層インパクトのある告知演出とし得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、これまでにない新感覚の内部当選役の告知を提供することができると共に、遊技者を遊技に集中させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
<実施の形態1> [外観構成] 図1を参照して、本実施の形態1に係るスロットマシン1は、前面が開放している箱形の筐体2と、この筐体2に対して開閉自在に取り付けられている前扉3とを備えている。
【0023】
前扉3の中央部正面には、正面パネル4が装着されている。この正面パネル4の主要部には、表示窓5が形成されている。それゆえ、この正面パネル4は、表示窓5の枠体として機能する。
【0024】
表示窓5は、主として、筐体2内の3つの回転リール6L,6C,6Rを観察するためのものであって、各リール6L,6C,6Rの外周面には、それぞれ、ボーナス役図柄、小役図柄及びリプレイ役図柄を含む、複数種類の役図柄が周方向に沿って描かれている。これらの図柄は、表示窓5を通して3つずつ観察される。表示窓5及び各リール6L,6C,6Rの両者は、正面パネル4上において遊技者に対面している。
【0025】
表示窓5の左側には、5つの賭けライン表示ランプ7A,7B,7C,7D,7Eが設けられている。これら5つの賭けライン表示ランプ7A〜7Eは、1遊技における有効ラインを示すために点灯するランプである。他方、表示窓5の右側には、スタートランプ8、投入指示ランプ9、リプレイタイム告知ランプ10、アシストタイム(AT)告知ランプ11及びゲームオーバーランプ12が設けられている。スタートランプ8は、遊技が開始できる状態となった場合に点灯又は点滅するランプである。投入指示ランプ9は、メダルをスロットマシン1に投入できる状態である場合に点灯又は点滅するランプである。RT告知ランプ10は、遊技状態が高確率再遊技状態(RT)に移行した場合に点灯又は点滅するランプである。AT告知ランプ11は、遊技状態が画像や音などにより役の入賞を支援する情報が報知される状態に移行した場合に点灯又は点滅するランプである。ゲームオーバーランプ12は、遊技が終了したときに点灯又は点滅するランプである。これらランプ8〜12は、正面パネル4の上方から下方に向かってこの順で配置されている。
【0026】
表示窓5上には、当該表示窓5の窓面を通過する5本の賭けライン13A〜13Eが設けられている。具体的には、第1の賭けライン13Aは、表示窓5の中段において水平に延びており、この賭けライン13Aの左端に第1の賭けライン表示ランプ7Aが配置されている。第2の賭けライン12Bは、表示窓5の上段において水平に延びており、この賭けライン13Bの左端に第2の賭けライン表示ランプ7Bが配置されている。第3の賭けライン12Cは、表示窓5の下段において水平に延びており、この賭けライン13Cの左端には第3の賭けライン表示ランプ7Cが配置されている。第4の賭けライン13Dは、表示窓5の左上段から右下段に向かって斜め下方向に延びており、この賭けライン13Dの左端には第4の賭けライン表示ランプ7Dが配置されている。第5の賭けライン13Eは、表示窓5の左下段から右上段に向かって斜め上方向に延びており、この賭けライン13Eの左端には第5の賭けライン表示ランプ7Eが配置されている。
【0027】
表示窓5の下方には、払出数表示器14及びクレジット数表示器15が設けられている。払出数表示器14は、入賞が発生した場合に遊技者に対して払い出されるメダル数を表示する表示器である。クレジット数表示器15は、遊技者が所有する有価価値としてスロットマシン1にクレジットされているメダル数を表示する表示器である。これら表示器14、15は、7セグメント表示器であって、正面パネル4上で左から右に向かってこの順で配置されている。
【0028】
前扉3の上部には、上パネル17が装着されている。この上パネル17の中央部には、液晶表示装置(以下、「LCD」という)18が設けられている。このLC
D18は、遊技に関する種々の演出、他の情報などを表示により行うための手段であって、例えば遊技中の演出画像を各種遊技状態のとき毎に異なるものとして表示したり、連続的にストーリー性のある動画を表示したり、遊技店又は周辺地域の情報を表示したりする。LCD18を挟んだ左右両側には、スピーカー19A,19Bが配置されており、この左右一対のスピーカー19A,19Bは、上パネル18に嵌め込まれている。これらのスピーカー19A,19Bは、LCD18に表示された演出画像等に対応した演出音、遊技状態に応じた効果音等を出力するための手段である。他方、前扉3の下部には、下パネル20が装着されている。この下パネル20には、機種名及びイメージデザイン等が印刷されており、その下方には、メダル払出口21及びメダル受け皿22が設けられている。
【0029】
正面パネル4と下パネル20との間には、操作部23が設けられている。この操作部23には、メダル投入口24、ベットボタン25、始動レバー26、停止ボタン27L,27C,27R及び精算ボタン28が備えられている。メダル投入口24は、操作部23の上面の右側に配置されている。ベットボタン25は、投入口24から投入されたメダルを何枚賭けるかを設定する際に使用されるボタンであって、操作部23の上面において始動レバー26及び左停止ボタン27Lの両者の中間位置に配置されている。始動レバー26は、遊技を開始する際に使用されるレバーであり、他方停止ボタン27L,27C,27Rは、リール6L,6C,6Rの回転を停止させる際に使用されるボタンである。具体的には、左停止ボタン27Lを操作すると、左リール6Lの回転が停止する。中停止ボタン27Cを操作すると、中リール6Cの回転が停止する。右停止ボタン27Rを操作すると、右リール6Rの回転が停止する。これら停止ボタン27L,27C,27Rは、操作部23の正面中央部において各リール6L,6C,6Rに対応して配置されている。これに対して、始動レバー26は、操作部23の正面において停止ボタン27L,27C,27Rの左側に配置されている。精算ボタン28は、スロットマシン1にクレジットされたメダルを精算する際に使用されるボタンであって、操作部23の正面において始動レバー26の左側に配置されている。
【0030】
本スロットマシン1では、例えば、遊技はクレジットモードで進行される。すなわち、1遊技毎にベットボタン25が1回押されると、3枚のメダルが賭け対象となり、上記の5本の賭けライン13A〜13Eの全てが有効化される。このとき、上記の5つの賭けライン表示ランプ7A〜7Eが点灯する。
【0031】
かかるクレジットモードでは、上記有効化された賭けライン(有効ライン)の何れかのライン上で入賞図柄の組合せが揃い、それによって入賞が成立した場合には、この入賞の発生に伴いクレジットの上限を超えない範囲で払い出されるメダル数がクレジットとしてスロットマシン1にストアーされる。クレジットの上限を超える場合には、その上限を超えた数のメダルが払出口21から受け皿22に払い出される。
【0032】
上記のクレジットモードの手順に則して賭け対象となるメダルの枚数が設定されると、図示しない制御部は、この設定された賭け枚数分のメダルを取り込む。このメダルの取り込みにより、遊技を開始する条件が整う。このとき、スタートランプ8が点灯又は点滅する。このスタートランプ8の作動状態において、始動レバー26が操作されると、制御部は、全てのリール6L,6C,6Rを一斉に回転させる。
【0033】
全てのリール6L,6C,6Rの回転速度が所定の速度に達すると回転リールの停止操作が有効化(許容)され、この状態で各停止ボタン27L,27C,27Rが押圧操作されると、その操作に対応するリールの回転が停止する。本実施の形態の基本(通常)遊技状態においては、始動レバー26の操作により、全リール6L,6C,6Rの回転速度を直ちに所定の速度、すなわち通常の速度まで上げて、停止ボタン27L,27C,27Rの操作を待つようにしているが、後述のATゲーム状態(ATゲーム処理)における内部当選役告知処理では、上記通常の速度よりも遅い速度により全リール6L,6C,6Rをスロー回転し、一旦停止後に再度回転を開始させて通常の速度とする制御を行うようにしている。
【0034】
そして、全リール6L,6C,6Rの回転が停止したときに、有効ライン上に入賞図柄の組合せの1つが停止表示する(揃う)と、制御部は、成立した入賞役の種類に従って、予め定められている枚数のメダルを上記メダルの入力モードに応じた態様で遊技者に払い出す。
【0035】
[内部構成] 図2を参照して、筐体2内には、リール6L,6C,6R、各リール6L,6C,6Rの駆動源であるステッピングモーター、ホッパー30及び確率設定ボックス31が備えられている。
【0036】
リール6L,6C,6Rは、筐体2内の中央部に配置されており、これらリール6L,6C,6Rを基準として、ホッパー30及び確率設定ボックス31の設置箇所が決定されている。各リール6L,6C,6Rの回転軸は、それぞれ、筐体2内のブラケットに回転自在に支持されており、当該各回転軸の端部が各ステッピングモーターSML,SMC,SMR(図3参照)の出力軸に結合されている。
【0037】
ホッパー30は、メダルの貯留・放出を行うための手段であって、リール6L,6C,6Rの下方において、筐体2の底面に取り付けられている。他方、確率設定ボックス31は、ホッパー30の左側において、筐体2の底面に取り付けられている。
【0038】
リール6L,6C,6Rの上方で筐体2の背面には、スロットマシン1の基本動作やリール制御などを司るプログラムが収められたCPU1001、RAM1002,ROM1003(共に図3参照)などが搭載されたメイン制御基板が収められた主基板ケース1000が取り付けられており、リール6L,6C,6Rを支持するブラケットの側面には、特に図示しないが、サブ制御基板が収められたサブ基板ケースが取り付けられている。
【0039】
また、前扉3に装着されたLCD18の裏側には、LCD18に表示する画像を制御するための映像表示基板が収められた映像表示基板ケース2000が取り付けられており、前扉3に装着された表示窓5の正面パネル4の裏側には、カバー体50が装着されている。このカバー体50は、上記の払出数表示器14及びクレジット数表示器15並びにコネクタ等が搭載される回路基板を覆う。[電気的構成] 図3を参照して、本スロットマシン1は、制御装置100を含む、この制御装置100は、マイクロコンピューターであって、CPU1001、RAM1002、ROM1003、クロックパルス発生回路1004、乱数発生器1005、モーター駆動制御回路1006、ランプ駆動制御回路1007、表示器駆動制御回路1008、LCD駆動制御回路1009、音出力制御回路10010及びホッパー駆動制御回路10011を備えている。
【0040】
CPU1001は、スロットマシン1の制御中枢を司るものであって、ROM1003に記憶されているプログラムに従って種々の制御を行う。このCPU1001の制御対象としては、ステッピングモーターSML,SMC,SMR、各種のランプ7A〜7E,8〜12、各種の表示器14,15、LCD18、スピーカー19A,19B及びホッパー30を挙げることができる。これら各制御要素に対する制御信号は、それぞれ、モーター駆動制御回路1006、ランプ駆動制御回路1007、表示駆動制御回路1008、LCD駆動制御回路1009、音出力制御回路1009及びホッパー駆動制御回路10011を介して、CPU1001から与えられる。また、CPU1001は、CPU1001に内蔵されたタイマにより後述する内部当選役告知処理においてリール6L,6C,6Rのずらし回転開始演出を行う場合に、ずらすタイミングや一旦停止表示後の再回転開始のタイミングを監視し制御を行うことができる。
【0041】
CPU1001には、ベットボタン25、始動レバー26、停止ボタン27L,27C,27R及び精算ボタン28の各操作信号と、メダル投入検知センサー200及びメダル排出検知センサー300の各センシング出力と、回転位置検出回路400の回転位置検出信号と、キースイッチSW1、確率設定スイッチSW2及びリセットスイッチSW3の各スイッチング信号とが与えられる。
【0042】
停止ボタン27L,27C,27Rの操作信号は、リール停止信号処理回路500によって所定の処理が施された後、リール停止信号としてCPU1001に入力される。
【0043】
メダル投入検知センサー200は、メダル投入口24から投入されたメダルを検知するためのセンサーであって、メダル投入口24に関連して設けられている。他方、メダル排出検知センサー300は、ホッパー30のメダル放出位置に関連して設けられており、そのセンシング信号は、メダル排出完了信号処理回路600によって所定の処理が施された後、メダル排出完了信号としてCPU1001に入力される。
【0044】
回転位置検出回路400は、各リール6L,6C,6Rの回転位置を検知するための回路であって、各リール6L,6C,6Rに関連して設けられている光センサーや、各ステッピングモーターSML,SMC,SMRの近傍に設けられているロータリーエンコーダを含んでいる。各リール6L,6C,6Rの回転が停止したときに、CPU1001は、回転位置検出回路400の検出信号に基づいて、有効ライン上での当該各リール6L,6C,6Rの停止図柄の種類を特定する。
【0045】
キースイッチSW1、確率設定スイッチSW2及びリセットスイッチSW3は、確率設定ボックス31に内蔵されている。キースイッチSW1は、遊技モードと確率設定モードとを互いに切り替えるためのスイッチである。他方、確率設定スイッチSW2は、役抽選に関する当選確率の設定を切り替えるためのスイッチであって、そのスイッチング信号は、キースイッチSW1によって確率設定モードになっている場合に限り、CPU1001に入力が受け付けられる。
【0046】
遊技を開始するために、遊技者によって始動レバー26が操作され、その操作信号が入力されると、CPU1001は、リール6L,6C,6Rの回転を開始させるべく、モーター駆動制御回路1006を介してステッピングモーターSML,SMC,SMRに始動信号を出力する。その結果、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄の変動表示が開始される。他方、リール6L,6C,6Rの回転を停止するために、遊技者によって停止ボタン27L,27C,27Rが押圧操作され、その操作信号が入力されると、CPU1001は、操作された停止ボタンに対応するリールの回転を停止させるべく、モーター駆動制御回路1006を介してステッピングモーターSML,SMC,SMRに停止信号を出力する。その結果、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄の変動が順次停止表示される。
【0047】
RAM1002は、CPU1001と互いにインターフェイスをとっており、CPU1001のワーキングメモリとして機能する。したがって、RAM1002では、遊技や図柄変更の制御に必要なフラグや変数の値の書き込み及び読み出しなどが行われる。
【0048】
ROM1003には、スロットマシン1を制御して遊技を進行するための遊技プログラム、遊技プログラムで用いる変数の初期値、図柄の組合せと乱数との対応関係を示すデータ群などが格納されている。特に、ROM1003には、演出のための動画用の画像データ、当該画像データに対応する演出音用の音データが格納されている。
【0049】
クロックパルス発生回路1004は、基準クロックパルスを発生させるための回路であって、発生させた基準クロックパルスをCPU1001に供給する。
【0050】
乱数発生器1005は、上記の役の成立に関する電子抽選などをマシン1内部で行う際に用いられる乱数を発生させ、この発生させた乱数
の中から任意の乱数を抽出するための手段であって、抽出した乱数をCPU1001に供給する。例えば、役抽選を行うに際して乱数を発生させるコマンドが、CPU1001から乱数発生器1005に対して与えられると、乱数発生器1005は、所定の範囲の乱数を発生させ、その乱数の値を示す信号をCPU1001に出力する。
【0051】
ランプ駆動制御回路1007は、CPU1001からの指示信号に基づいてランプ駆動信号を生成し、この生成したランプ駆動信号を各種のランプ7A〜7E,8〜12に与える。その結果、各種のランプ7A〜7E,8〜12は、所定の事象を告知するために点灯又は点滅する。
【0052】
表示器駆動制御回路1008は、CPU1001からの指示信号に基づいて表示器駆動信号を生成し、この生成した表示器駆動信号を各種の表示器14、15に与える。その結果、各種の表示器14、15は、所定の事象を表示する。
【0053】
LCD駆動制御回路1009は、CPU1001からの指示信号に基づいてLCD駆動信号を生成し、この生成したLCD駆動信号をLCD18に与える。その結果、LCD18は、その表示面上に種々の遊技演出情報を表示する。
【0054】
音出力制御回路10010は、CPU1001からの指示信号に基づいて音出力信号を生成し、この生成した音出力信号をスピーカー19A,19Bに与える。その結果、スピーカー19A,19Bは、遊技状態に応じた効果音等を含む演出音を発する。
【0055】
ホッパー駆動制御回路10011は、CPU1001からの指示信号に基づいてホッパー駆動信号を生成し、この生成したホッパー駆動信号をホッパー30に与える。その結果、ホッパー30は、貯留しているメダルを受け皿22に放出する。
【0056】
[リール停止制御] スロットマシン1では、役抽選の抽選結果によって何らかの役が成立すると、当該当選役の当選フラグが立てられ、当選フラグが立っている役の入賞図柄が有効ライン上に揃いやくするための引き込み停止制御が実行される。他方、当選フラグが立っていない役の入賞図柄は、有効ライン上に揃わせないための蹴飛ばし停止制御が実行される。
【0057】
上記「引き込み停止制御」とは、リールの回転及び停止による図柄の変動状態及び停止状態を見るための表示窓5の領域を遊技者が視認しつつ3つの停止ボタン27L,27C,27Rを操作(目押し)したときに、その操作タイミングと、フラグ成立している当選役の入賞図柄が有効ライン上を通過するタイミングとの間にズレがあっても、所定の範囲内のズレであれば入賞図柄を有効ライン上に引き込んで(停止表示させるタイミングを遅延させることにより調節して)停止するようにするリールの停止制御である。具体的には、リール6L〜6Rに対応したカウンターが(図示せず)設けられており、CPU1001は、ステッピングモーターSML,SMC,SMRに駆動パルスを出力したときは対応するカウンターを駆動パルス数だけインクリメントするとともに、位置検出センサーがリール6L,6C,6Rの基準回転位置を検出したときはカウンターをリセットするようにしている。このようにして、CPU1001は、カウンターのカウント値に基づいてリール6L,6C,6Rの基準回転位置からの現在の回転位置を判断する。しかし、回転位置を判断できてもどの図柄で停止するかを判断できなければ、引き込み制御は実現できないため、このような図柄の判断のために各リール6L,6C,6Rにおける図柄の配列情報である図柄テーブルを利用する。つまり、リール停止信号処理回路500から、各停止ボタン27L,27C,27Rに対する操作信号がCPU1001に通知される。この通知を受けたCPU1001は、リール6L,6C,6Rの回転位置と図柄の種類との位置関係を記憶した図柄テーブルを利用して、入賞図柄を有効ライン上に停止させるための引き込みコマ数を設定し、モーター駆動制御回路1006から停止信号をステッピングモーターSML,SMC,SMRに送信してリールの引き込み停止動作を実行するのである。このように、リール6L,6C,6Rの外周のどの位置にどのような図柄が設けられているかを示す図柄テーブルを利用することによって、引き込み制御が実行できるのである。このような引き込み制御は、一般的に国内においてパチスロとも呼ばれるスロットマシンにおいて周知の技術である。なお、このような引き込み制御を行えるのは、目標とする図柄から所定の数以内のコマズレ、即ち引き込み最大コマ数(許容コマ数)以内であれば、どのようなタイミングで遊技者が停止操作を行ったとしてもフラグ成立している当選役の入賞を成立させるための図柄を停止表示することが可能となっている。
【0058】
一方、役抽選により当選していない役(当選フラグが成立していない役)の入賞図柄(の組合せ)が有効ライン上に揃うことを防止するために、何れの役の入賞図柄をも有効ライン上に揃わせないようにしたりするために蹴飛ばし停止制御(ハズレ図柄の組合せを有効ライン上に引き込んで停止表示させる引き込み停止制御)が利用される。つまり、上記「蹴飛ばし停止制御」とは、入賞が許容された入賞図柄以外の入賞図柄の組合せを有効ライン上に停止させないためのリール停止制御である。具体的には、遊技者による停止ボタン27L,27C,27Rの操作(目押し)タイミングと、当選役の入賞図柄が有効ライン上を通過するタイミングとにズレが生じなかったとしても、強制的に入賞図柄を有効ライン上からずらせて(はずして)リール停止させる制御である。このような蹴飛ばし制御も上記パチスロにおいて一般的に使用されるものである。なお、本実施の形態1のスロットマシン1では、上記の引き込み又は蹴飛ばし許容コマ数は、一般的な4コマに設定されているものとする。
【0059】
[制御の流れ] (通常遊技処理) 以下、実施の形態1に係るスロットマシン1を用いた遊技の一例について説明する。図4を参照して、まず、制御装置100内のCPU1001は、賭けラインが有効化されてベットが完了するのを待つ(ステップS1)。マニュアル投入モードで3枚のメダルを投入口24から投入したり、クレジットモードでベットボタン25を押してメダルをスロットマシン1に投入したりすることによって、5つの賭けライン13A〜13Eが有効化されると、CPU1001は、ベットが完了したと判断し、始動レバー26が操作されるのを待つ(ステップS2)。このとき、スタートランプ8が点灯又は点滅する。
【0060】
始動レバー26が操作されると、CPU1001は、役の成立に関する内部抽選(役抽選)を行う(ステップS3)。この抽選は、乱数を用いたマシン内部の電子抽選で達成され、役の種類としては、複数種類のボーナス役(例えば、入賞後に移行するボーナスゲームにおいて、メダルの払出合計が345枚を超える終了するBB役、メダルの払出合計が119枚を超えると終了するRB役など)、複数種類の小役及びリプレイ役を挙げることができる。このとき、何れかの役が当選すると、その当選した役の当選フラグがONされる。なお、小役及びリプレイ役は当選フラグが成立(ON)した場合であってもそのゲームで入賞できないとその当選フラグはOFFされてしまい次ゲーム以降に持ち越されることはないが、ボーナス役の当選フラグは入賞が成立するまでそのON状態が以降のゲームに持ち越される。
【0061】
上記役抽選が終了すると、CPU1001は、全リール6L,6C,6Rの回転を開始させる(ステップS4)。その結果、表示窓5内においてリール6L,6C,6Rの図柄の変動が開始されるとともに、LCD18に演出画像が表示される。
【0062】
リール6L,6C,6Rの回転が開始され、所定の回転速度(通常速度)になると、CPU1001は、停止ボタン27L,27C,27Rの操作を許容し、全ての停止ボタン27L,27C,27Rが押圧停止操作(目押し)されて全てのリール6L,6C,6Rの回転が停止するのを待つ(ステップS5及びステップS6)。各停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが行われると、CPU1001は、その押圧操作順序に応じて各リール6L,6C,6Rの回転を順次停止させる。その結果、表示窓5内において回転リール6L,6C,6Rの図柄の変動が順次停止される。
【0063】
全停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが完了し、且つ、全リール6L,6C,6Rの回転が停止すると、CPU1001は、入賞判定を行う。有効ライン13上にボーナス役入賞図柄の組合せが揃い、ボーナス役の入賞が成立した場合には(ステップS7:YES)、CPU1001は、入賞したボーナス役の種類に応じたボーナスゲーム処理を実行し(ステップS8)、そしてボーナス役の当選フラグをOFFとし、その後遊技状態をATゲーム状態に移行させるか否かを決定するためのAT抽選を実行する(ステップS9)。AT抽選に当選した場合には(ステップS10:YES)、CPU1001は、ATゲーム処理を実行し(ステップS11)、ATゲーム処理が終了した後、処理をステップS1に戻す。なお、このATゲーム処理については、詳細に後述する。また、ボーナスゲーム処理は、例えば、メダルの払出合計が345枚を超える終了するBBゲーム及び払出合計が119枚を超えると終了するRBゲームなど公知に行われるものとすることができ、その説明は省略する。
【0064】
上記ステップS7において、ボーナス役の入賞が成立していない場合(ステップS7:NO)には、CPU1001は、小役の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS12)。有効ライン13上に小役の入賞図柄の組合せが揃い、小役の入賞が成立したと判断された場合には、CPU1001は、遊技者に配当をするために入賞した小役に対応した枚数のメダルの払出を行う(ステップS13)。その後、CPU1001は、小役の当選フラグをOFFとし、処理をステップS1に戻して再びベットの完了を待つ。一方、小役の入賞が成立していない場合(ステップS12:NO)には、CPU1001は、リプレイ役の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS14)。有効ライン13上にリプレイ役の入賞図柄の組合せが揃い、リプレイ役の入賞が成立したと判断された場合には、CPU1001は、リプレイ役の当選フラグをOFFとし、処理をステップS2に戻して再遊技を開始すべく始動レバー26の操作を待つ。
【0065】
ステップS14において、リプレイ役の入賞が成立していない場合(ステップS14:NO)には、CPU1001は、ボーナス役以外の役の当選フラグが成立していればそれをOFFとした後、直ちに処理をステップS1に戻して再びベットの完了を待つ。
【0066】
(ATゲーム処理) 次に、ステップS8におけるボーナスゲーム処理が終了した後に行われるAT抽選(ステップS9)で当選することにより移行されるATゲーム処理一例について説明する。本例におけるATゲーム状態は、ATゲームを所定ゲーム数、ここでは100ゲーム行うと終了するというものである。
【0067】
図5を参照して、遊技状態がATゲーム状態へ移行すると、CPU1001は、まず、ATゲームのゲーム数を積算して計数するカウンタ(ATゲーム数カウンタ)をイニシャライズする(ステップS21)。なお、上記カウンタによる計数は、RAM1003の専用記憶部を用いて行うことができる。
【0068】
次に、CPU1001は、賭けラインが有効化されてベットが完了するのを待つ(ステップS22)。例えば3枚のメダルがベットされて5本の賭けライン13A〜13Eが有効化されると、CPU1001は、始動レバー26が操作されるのを待つ(ステップS23)。このとき、スタートランプ8が点灯又は点滅する。
【0069】
始動レバー26が操作されると、CPU1001は、役の成立に関する内部抽選を行う(ステップS24)。このとき、何れかの役が当選すると、その当選した役の当選フラグがONされる。
【0070】
上記役抽選が終了すると、CPU1001は、内部当選役告知処理を行い(ステップS25)、
その後処理をステップS26に移す。なお、内部当選役告知処理については、詳細に後述する。
【0071】
ステップS26に移って、CPU1001は、全ての停止ボタン27L,27C,27Rが押圧停止操作されて目押しが完了し、且つ、全てのリール6L,6C,6Rの回転が停止するのを待つ(ステップS26及びステップS27)。各停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが行われると、CPU1001は、その押圧操作順序に応じて各リール6L,6C,6Rの回転を順次停止させる。その結果、表示窓5内において回転リール6L,6C,6Rの図柄の変動が順次停止される。
【0072】
図6を参照して、全停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが完了し、且つ、全リール6L,6C,6Rの回転が停止すると、CPU1001は、小役の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS31)。有効ライン上に小役の入賞図柄が成立した場合には、CPU1001は、入賞した小役の配当に対応する枚数のメダルを払出し(ステップS32)、処理をステップS36に移す。
【0073】
上記ステップS31において小役の入賞が成立していないと判定された場合には、CPU1001は、ボーナス役の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS33)。有効ライン上にボーナス役の入賞図柄の組合せが揃い、ボーナス役の入賞が成立した場合には、CPU1001は、本ATゲーム処理を終了し、ボーナスゲーム処理を実行する(ステップS34)。ボーナスゲーム処理が終了すると、CPU1001は、処理をステップS1(図4参照)に移す。なお、このボーナスゲーム処理は、上記ステップS8と同様の処理とされる。他方、ボーナス役が入賞していないと判定した場合には、CPU1001は、リプレイ役の入賞が成立したか否かを判定する(ステップS35)。有効ライン上にリプレイ役の入賞図柄の組合せが揃い、リプレイ役の入賞が成立した場合には、CPU1001は、処理をステップ23に移して始動レバー26の操作を待ち、他方、リプレイ役の入賞が認められなかった場合には、処理をステップS36に移す。
【0074】
ステップS36に移って、CPU1001は、ATゲーム数カウンタのカウントを1カウント増やす(ステップS36)。その後、CPU1001は、ATゲームの積算ゲーム数が100となったかを判定する(ステップS37)。ATゲームの積算ゲーム数が100ゲームに達したと判定した場合には、CPU1001は、処理をステップS1(図4参照)に移して遊技状態を通常遊技状態に戻し、本処理を終了する。他方、ATゲーム数が100に達していないと判定した場合には、CPU1001は、処理をステップS22(図5参照)に戻して再びベットの完了を待つ。
【0075】
(内部当選役告知処理) 図7を参照して、上記ステップS25の内部当選役告知処理について説明する。まず、CPU1001は、役が当選しているかを判定する(ステップS41)。具体的には、ステップS24の役抽選において何れかの役の当選フラグが成立しているかを判定する。
【0076】
ステップS41において何れかの役が当選していると判定した場合には、CPU1001は、リール6L、6C、6Rを通常よりもスローな速度で回転を開始させ(ステップS42)、当選フラグが成立している役の入賞図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル、スイカ−スイカ−スイカ、7−7−7等)を有効ライン上に一旦停止表示させる(ステップS43)。その後、CPU1001は、リール6L、6C、6Rを通常の回転速度に再回転させ、停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作を有効化(許容)し(ステップS44及びステップS45)、本処理を終了する。
【0077】
他方、ステップS41で何れの役も当選していなかった場合には、CPU1001は、処理をステップS44に移し、リール6L、6C、6Rを速やかに通常の回転速度で回転させ、停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作を有効化(許容)し(ステップS45)、本処理を終了する。
【0078】
<実施の形態2> 次に、実施の形態2のについて説明する。本実施の形態2においては、役抽選でボーナス役が当選した場合に、リールをリーチ目で一旦停止させることでボーナス告知を行うようにした内部当選告知処理とすることを特徴とするものであり、スロットマシンの構成及び制御は実施の形態1のものとほぼ同様であり、以下同一の符号を用い、制御の流れについて説明する。
【0079】
[制御の流れ] (通常遊技処理) まず、図8を参照して、制御装置100内のCPU1001は、賭けラインが有効化されてベットが完了するのを待つ(ステップS51)。メダルが投入されて賭けライン13が有効化されると、CPU1001は、ベットが完了したと判断し、始動レバー26が操作されるのを待つ(ステップS52)。このとき、スタートランプ8が点灯又は点滅する。
【0080】
始動レバー26が操作されると、CPU1001は、役の成立に関する内部抽選(役抽選)を行う(ステップS53)。なお、役抽選の対象となる役の種類は、実施の形態1のときと同様とする。
【0081】
上記役抽選が終了後もしくはそれと同時に、CPU1001は、内部当選役告知処理を実行する(ステップS54)。この内部当選役告知処理については、後述する。
【0082】
ステップS54の内部当選役告知処理が終了すると、CPU1001は、全ての停止ボタン27L,27C,27Rが押圧停止操作(目押し)が完了し、且つ、全てのリール6L,6C,6Rの回転が停止するのを待つ(ステップS55及びステップS56)。各停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが行われると、CPU1001は、その押圧操作順序に応じて各リール6L,6C,6Rの回転を順次停止させる。その結果、表示窓5内において回転リール6L,6C,6Rの図柄の変動が順次停止される。
【0083】
全停止ボタン27L,27C,27Rの目押しが完了し、且つ、全リール6L,6C,6Rの回転が停止すると、CPU1001は、入賞判定を行う。有効ライン13上にボーナス役の入賞図柄の組合せが揃い、ボーナス役の入賞が成立した場合には(ステップS57:YES)、CPU1001は、入賞したボーナス役の種類に応じたボーナスゲーム処理を実行し(ステップS58)、そしてボーナス役の当選フラグをOFFとし、処理をステップS51に戻して再びベットの完了を待つ。
【0084】
上記ステップS57において、ボーナス役の入賞が成立していない場合(ステップS57:NO)には、CPU1001は、小役の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS59)。有効ライン13上に小役の入賞図柄の組合せが揃い、小役の入賞が成立したと判断された場合には、CPU1001は、遊技者に配当をするために入賞した小役に対応した枚数のメダルの払出を行う(ステップS60)。その後、CPU1001は、小役の当選フラグをOFFとし、処理をステップS51に戻して再びベットの完了を待つ。一方、小役の入賞が成立していない場合(ステップS59:NO)には、CPU1001は、リプレイ役の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS61)。有効ライン13上にリプレイ役の入賞図柄の組合せが揃い、リプレイ役の入賞が成立したと判断された場合には、CPU1001は、リプレイ役の当選フラグをOFFとし、処理をステップS52に戻して再遊技を開始すべく始動レバー26の操作を待つ。
【0085】
ステップS61において、リプレイ役の入賞が成立していない場合(ステップS61:NO)には、CPU1001は、ボーナス役以外の役の当選フラグが成立していればそれをOFFとした後、直ちに処理をステップS51に戻して再びベットの完了を待つ。
【0086】
(内部当選役告知処理) 次に、図9を参照して、ステップS54の内部当選役告知処理について説明する。まず、CPU1001は、ボーナス役が当選しているかを判定する(ステップS71)。具体的には、ステップS53の役抽選においてボーナス役が当選しその当選フラグが成立しているかを判定する。
【0087】
ステップS71においてボーナス役が当選していると判定した場合には、CPU1001は、リール6L、6C、6Rを通常よりもスローな速度で回転を開始させ(ステップS72)、リーチ目の組合せを表示窓5内に一旦停止表示させる(ステップS73)。なお、リーチ目は、1種類を用いるようにしてもよいし、複数種類用意しておきそのなかから1つ選択して用いるようにしてもよい。その後、CPU1001は、リール6L、6C、6Rを通常の回転速度に再回転させ、停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作を有効化(許容)し(ステップS74及びステップS75)、本処理を終了する。
【0088】
他方、ステップS71でボーナス役以外の役もしくは何れの役も当選していなかった場合には、CPU1001は、処理をステップS74に移し、リール6L、6C、6Rを直ちに通常の回転速度で回転させ、停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作を有効化(許容)し(ステップS75)、本処理を終了する。
【0089】
<実施の形態3> 次に、実施の形態3について説明するが、この実施の形態3は、上記実施の形態2における内部当選役告知処理の変形例であり、ボーナス役についてガセ告知を取り入れた場合のもので、通常遊技状態の制御については実施の形態2と同様にされる。ただし、上記ステップS51におけるベットは、本実施の形態3においては説明を簡易にするため、3枚のメダルが賭けられる、所謂3枚賭け専用としている。
【0090】
[制御の流れ] (内部当選役告知処理) 図10を参照して、まず、CPU1001は、ボーナス役が当選しているかを判定する(ステップS81)。具体的には、ステップS53の役抽選においてボーナス役が当選しその当選フラグが成立しているかを判定する。
【0091】
ステップS81においてボーナス役が当選していると判定した場合には、CPU1001は、図11(A)に示す第1のライン抽選テーブルT1を用いてボーナス役の入賞図柄の組合せ(例えば、7−7−7)を一旦停止させる有効ライン13をどれにするかを決定するライン抽選を行う(ステップS82)。具体的には、抽出した乱数を第1のライン抽選テーブルと照合することで、第1〜第5の有効ライン13A〜13Eのなかから1つを選択する乱数抽選によりライン抽選を行う。抽出した乱数値が0〜127の範囲内の場合には第1の有効ライン13Aが選択され、抽出した乱数値が128〜179の範囲内の場合には第2の有効ライン13Bが選択され、抽出した乱数値が180〜231の範囲内の場合には第3の有効ライン13Cが選択され、抽出した乱数値が232〜244の範囲内の場合には第4の有効ライン13Dが選択され、抽出した乱数値が245〜255の範囲内の場合には第5の有効ライン13Eが選択される。ここでは、第1の有効ライン13Aが選択される確率を約50%、第2及び第3の有効ライン13B,13Cが選択される確率を約20%、第4及び第5の有効ライン13D,13Eが選択される確率を約5%とし、各有効ラインで選択される確率を異ならせている。これは、後述するガセ告知の場合の有効ラインの抽選における各有効ラインの選択確率との関係で、いずれの有効ラインにボーナス告知が行われるかにより期待度が異なるようにするためである。
【0092】
他方、ステップS81でボーナス役以外の役もしくは何れの役も当選していなかった場合には、CPU1001は、処理をステップS83に移し、ボーナス役が内部成立していないにもかかわらずあたかもボーナス役が内部成立しているかの告知を行う、所謂ガセ告知を行うか否かの抽選を行う(ステップS83)。ガセ告知を行うと判定した場合(ステップS84:YES)には、CPU1001は、図11(B)に示す第2のライン抽選テーブルT2を用いてガセ告知としてボーナス役の入賞図柄の組合せを一旦停止させる有効ライン13をどれにするかを決定するライン抽選を行う(ステップS85)。具体的には、抽
出した乱数を第2のライン抽選テーブルと照合することで、第1〜第5の有効ライン13A〜13Eのなかから1つを選択する乱数抽選によりライン抽選を行う。抽出した乱数値が0〜25の範囲内の場合には第2の有効ライン13Bが選択され、抽出した乱数値が26〜50の範囲内の場合には第3の有効ライン13Cが選択され、抽出した乱数値が51〜153の範囲内の場合には第4の有効ライン13Dが選択され、抽出した乱数値が154〜255の範囲内の場合には第5の有効ライン13Eが選択される。ここでは、第1の有効ライン13Aは選択されず、後述するステップS87においてボーナス役の入賞図柄の組合せが第1の有効ライン13A上に一旦停止した場合には、ボーナス役の当選フラグが成立していることを示すこととなる。また、第2及び第3の有効ライン13B,13Cが選択される確率は、約10%とされ、ボーナス役が本当に当選したときの選択確率(第1のライン抽選テーブルT1参照)よりも低く設定され、後述するステップS87においてボーナス役の入賞図柄の組合せが第2又は第3の有効ライン13B,13Cに一旦停止した場合のボーナス内部当選の期待度は高くされている。他方、第4及び第5の有効ライン13D,13Eが選択される確率は約40%とされ、後述するステップS87においてボーナス役の入賞図柄の組合せが第4又は第5の有効ライン13D,13Eに一旦停止した場合のボーナスの期待度は低くされている。
【0093】
なお、ガセ告知を行わないと判定した場合(ステップS84:NO)には、CPU1001は、処理をステップS88に移し、リール6L、6C、6Rを直ちに通常の回転速度で回転させ、停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作を有効化(許容)し(ステップS89)、本処理を終了する。
【0094】
上記ステップS82又はステップS85におけるライン抽選の結果、ボーナス役の入賞図柄の組合せを一旦停止させる有効ラインが決定すると、CPU1001は、リール6L、6C、6Rを通常よりもスローな速度で回転を開始させ(ステップS86)、決定された有効ライン上にボーナス役の入賞図柄の組合せを一旦停止表示させる(ステップS87)。その後、CPU1001は、リール6L、6C、6Rを通常の回転速度に再回転させ、停止ボタン27L,27C,27Rの停止操作を有効化(許容)し(ステップS88及びステップS89)、本処理を終了する。
【0095】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれら実施の形態に限定されるものではない。例えば、本発明をメカニカルリール方式のスロットマシンに適用した例について記載したが、当然シミュレートリール方式のスロットマシンに適用しても、本発明の目的は十分に達成し得る。また、上記実施の形態では、内部当選役の告知図柄として、入賞図柄の組合せ、リーチ目を用いているが、これに代えて、2種類以上の役に共通する図柄の組合せを設け、この共通図柄の組合せが一旦停止表示されたときには、対応する2種類以上の役のうちのいずれかの役が内部当選していることを告知できるようにしてもよいし、逆に一の役の内部当選の告知をするための図柄の組合せを複数種類用意しておき、抽選テーブルを用いた乱数抽選等によりこれらのなかから選択したものを一旦停止表示するようにしてもよい。後者の場合、例えばATゲーム状態、RTゲーム状態等の遊技状態と当選役とに応じて異なる抽選テーブルを用いて抽選するようにしてもよい。
【0096】
さらに、実施の形態3における内部当選役告知処理では、告知図柄としてボーナス役の入賞図柄の組合せを用いているが、上記ステップS82及びステップS85のライン抽選に代えて、複数種類のチャンス目のなかから1つのチャンス目を選択し、選択されたチャンス目をステップS87において表示窓5内に一旦停止表示してガセ告知を含むボーナス告知を行うようにしてもよい。加えて、内部当選役告知処理においてリールをスロー回転させる際に、3つのリールをばらばらにずらせて回転始動させるようにしてもよいし、またその後リールを内部当選役の入賞図柄の組合せで一旦停止させる際に、3つのリールを同時に停止させるようにしてもよいし、順番に停止させるようにしてもよい。その他、本明細書に添付の特許請求の範囲内での種々の設計変更及び修正を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施の形態1に係るスロットマシンの外観構成を示す斜視図である。
【図2】スロットマシンの内部構成を示す斜視図であって、前扉を開けた状態を示す。
【図3】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1におけるスロットマシンの通常遊技の制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1におけるATゲーム処理(ATゲーム状態)の制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】図5のATゲーム処理の制御の流れの続きを示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1における内部当選役告知処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2に係るスロットマシンの通常遊技の制御の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施の形態2における内部当選役告知処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施の形態3における内部当選役告知処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【図11】(A)ボーナス役当選時に用いる第1のライン抽選テーブル、及び(B)ボーナス非当選時に用いる第2のライン抽選テーブルの説明図である。
【符号の説明】
【0098】
1 スロットマシン6L,6C,6R 回転リール13A〜13E 有効ライン18 LCD19A,19B スピーカー25 ベットボタン26 始動レバー27L,27C,27R 停止ボタン100 制御装置1001 CPU1002 RAM1003 ROMT1 第1のライン抽選テーブルT2 第2のライン抽選テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄変動列毎に複数種類の図柄の変動表示及び停止表示を行うための図柄表示手段と、 前記図柄が停止表示されたときに、各図柄変動列の一部の図柄が横並びとして視認できるように設けられた表示窓と、 該表示窓内において複数の図柄変動列を横切る賭けラインを、遊技媒体が賭けられることにより有効化して有効ラインを設定する有効ライン設定手段と、 前記有効ラインが設定されていることを条件として前記図柄表示手段による図柄の変動表示を開始させるための始動操作手段と、 該始動操作手段が操作されることを契機として、複数種類の役の成立に関する抽選を行うための役抽選手段と、 前記始動操作手段の操作により前記図柄表示手段による図柄の変動表示を制御するための変動制御手段と、 前記複数の図柄変動列毎に対応して設けられ、前記図柄表示手段による図柄の変動表示を停止表示させるための複数の停止操作手段と、 前記図柄表示手段による図柄の変動表示が開始されてから図柄の変動速度が所定の速度に達したことを条件として、前記停止操作手段による停止操作を有効化する停止操作有効化手段と、 前記停止操作手段が操作されることにより前記図柄変動列の図柄の停止表示を実行する停止制御手段と、 前記役抽選手段による抽選で内部当選している役に対応する入賞図柄の組合せが、前記有効ライン上に停止表示されたときに入賞と判定し、入賞した役に応じた特典の付与を行う入賞判定手段と、を備えたスロットマシンであって、 前記変動制御手段は、前記複数の図柄変動列の図柄の変動表示を、前記役抽選手段により当選した役の種類を告知するための図柄の組合せが前記表示窓内に表示されるように一旦停止表示させ、その後再度図柄の変動表示を開始させて前記所定の速度に達する変動速度に制御することを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記変動制御手段は、前記役の種類を告知するための図柄の組合せとして前記入賞図柄の組合せを、前記有効ライン上に表示させるように前記複数の図柄変動列の図柄の変動表示を一旦停止表示させることを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記複数種類の役には、特典として、入賞時に該入賞した役に応じた数の遊技媒体が1回のみ付与される小役、及び入賞後に前記小役が入賞したときよりも多数の遊技媒体が獲得できるボーナス遊技が付与されるボーナス役が含まれ、 前記変動制御手段は、前記役抽選手段により内部当選している役がボーナス役である場合に、前記役の種類を告知するための図柄の組合せとしてボーナス役が内部成立していることを告知するための出目であるリーチ目が前記表示窓内に停止するように前記複数の図柄変動列の図柄の変動表示を一旦停止表示させることを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
【請求項4】
前記複数種類の役には、特典として、入賞時に該入賞した役に応じた数の遊技媒体が1回のみ付与される小役、及び入賞後に前記小役が入賞したときよりも多数の遊技媒体が獲得できるボーナス遊技が付与されるボーナス役が含まれ、 前記変動制御手段は、 前記有効ライン設定手段により複数の有効ラインが設定されている場合に、前記内部当選している役の入賞図柄の組合せを一旦停止表示させるための有効ラインを、ライン抽選テーブルを用いて抽選により決定するための告知ライン決定手段と、 前記ボーナス役が内部当選していない場合であっても、ボーナス役の入賞図柄の組合せを前記有効ライン上に一旦停止表示するか否かを決定するためのガセ告知決定手段とを有し、 前記告知ライン決定手段は、ボーナス役が内部当選している場合には、第1のライン抽選テーブルを用いて抽選を行い、前記ガセ告知決定手段によりボーナス役の入賞図柄の組合せを一旦停止表示すると決定された場合には、前記第1のライン抽選テーブルとは各有効ラインの当選確率が異なる第2のライン抽選テーブルを用いて抽選を行うことを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。
【請求項5】
前記変動制御手段は、前記図柄変動列毎にタイミングをずらせて図柄の変動表示を開始することを特徴とする請求項1〜4に記載のスロットマシン。
【請求項1】
複数の図柄変動列毎に複数種類の図柄の変動表示及び停止表示を行うための図柄表示手段と、 前記図柄が停止表示されたときに、各図柄変動列の一部の図柄が横並びとして視認できるように設けられた表示窓と、 該表示窓内において複数の図柄変動列を横切る賭けラインを、遊技媒体が賭けられることにより有効化して有効ラインを設定する有効ライン設定手段と、 前記有効ラインが設定されていることを条件として前記図柄表示手段による図柄の変動表示を開始させるための始動操作手段と、 該始動操作手段が操作されることを契機として、複数種類の役の成立に関する抽選を行うための役抽選手段と、 前記始動操作手段の操作により前記図柄表示手段による図柄の変動表示を制御するための変動制御手段と、 前記複数の図柄変動列毎に対応して設けられ、前記図柄表示手段による図柄の変動表示を停止表示させるための複数の停止操作手段と、 前記図柄表示手段による図柄の変動表示が開始されてから図柄の変動速度が所定の速度に達したことを条件として、前記停止操作手段による停止操作を有効化する停止操作有効化手段と、 前記停止操作手段が操作されることにより前記図柄変動列の図柄の停止表示を実行する停止制御手段と、 前記役抽選手段による抽選で内部当選している役に対応する入賞図柄の組合せが、前記有効ライン上に停止表示されたときに入賞と判定し、入賞した役に応じた特典の付与を行う入賞判定手段と、を備えたスロットマシンであって、 前記変動制御手段は、前記複数の図柄変動列の図柄の変動表示を、前記役抽選手段により当選した役の種類を告知するための図柄の組合せが前記表示窓内に表示されるように一旦停止表示させ、その後再度図柄の変動表示を開始させて前記所定の速度に達する変動速度に制御することを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記変動制御手段は、前記役の種類を告知するための図柄の組合せとして前記入賞図柄の組合せを、前記有効ライン上に表示させるように前記複数の図柄変動列の図柄の変動表示を一旦停止表示させることを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記複数種類の役には、特典として、入賞時に該入賞した役に応じた数の遊技媒体が1回のみ付与される小役、及び入賞後に前記小役が入賞したときよりも多数の遊技媒体が獲得できるボーナス遊技が付与されるボーナス役が含まれ、 前記変動制御手段は、前記役抽選手段により内部当選している役がボーナス役である場合に、前記役の種類を告知するための図柄の組合せとしてボーナス役が内部成立していることを告知するための出目であるリーチ目が前記表示窓内に停止するように前記複数の図柄変動列の図柄の変動表示を一旦停止表示させることを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
【請求項4】
前記複数種類の役には、特典として、入賞時に該入賞した役に応じた数の遊技媒体が1回のみ付与される小役、及び入賞後に前記小役が入賞したときよりも多数の遊技媒体が獲得できるボーナス遊技が付与されるボーナス役が含まれ、 前記変動制御手段は、 前記有効ライン設定手段により複数の有効ラインが設定されている場合に、前記内部当選している役の入賞図柄の組合せを一旦停止表示させるための有効ラインを、ライン抽選テーブルを用いて抽選により決定するための告知ライン決定手段と、 前記ボーナス役が内部当選していない場合であっても、ボーナス役の入賞図柄の組合せを前記有効ライン上に一旦停止表示するか否かを決定するためのガセ告知決定手段とを有し、 前記告知ライン決定手段は、ボーナス役が内部当選している場合には、第1のライン抽選テーブルを用いて抽選を行い、前記ガセ告知決定手段によりボーナス役の入賞図柄の組合せを一旦停止表示すると決定された場合には、前記第1のライン抽選テーブルとは各有効ラインの当選確率が異なる第2のライン抽選テーブルを用いて抽選を行うことを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。
【請求項5】
前記変動制御手段は、前記図柄変動列毎にタイミングをずらせて図柄の変動表示を開始することを特徴とする請求項1〜4に記載のスロットマシン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−291497(P2009−291497A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149725(P2008−149725)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(301073598)株式会社SNKプレイモア (116)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(301073598)株式会社SNKプレイモア (116)
【Fターム(参考)】
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