説明

スロットマシン

【課題】開始操作から一定の時間でリール演出を開始することができるようになり、開始操作が短い時間間隔で繰り返される場合であっても、テンポよくゲームを繰り返すことが可能となる。
【解決手段】遊技者による開始操作が行われると、複数種類の図柄が複数個描かれた複数のリールの全てが回転し始めて加速の後に定速回転するように回胴回転開始制御が行われて1回の遊技を開始し、遊技者による停止操作が行われて全てのリールが停止すると1回の遊技が終了し、リール制御手段を備え、リール制御手段は、開始操作が行われると、回胴回転開始制御に先立ち複数のリールの少なくとも一つを用いた導入リール演出を実行し、導入リール演出の開始の後に回胴回転開始制御を開始して停止操作を有効とする制御を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が遊技媒体を投入し、リールを回転させた後に停止させ、そのときに表示されているリールに描かれた図柄の組合せによって遊技結果を定めるスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技者がメダルや遊技球などの遊技媒体を投入した後、レバー操作によりスタートスイッチを操作して、各々複数の図柄が描かれた複数のリールを回転させ、その後、各リールに対応して設けられたストップスイッチをそれぞれ操作することで全てのリールを停止させ、そのときに遊技者に表示された図柄の組合せによって遊技結果が定まるスロットマシンが、遊技機の1つとして広く知られている。そして、リールが停止したときに、有効ラインに沿って停止表示された図柄の組合せが、何らかの役に対応する図柄組合せと一致した場合は、その図柄組合せに対応する役が成立したことになり、成立した役によっては、所定数の遊技媒体が払い出される。また、この種のスロットマシンでは、遊技者が複数のリールを回転させた時に、予め定められた複数種類の役のうち、いずれの役に当選したか、または、いずれの役にも当選しなかった(ハズレた)か、を定める役抽選が行われている。そして、遊技者が、リールを停止させるべくストップスイッチの操作を行うと、上述した役抽選の結果に則した図柄組合せが、有効ラインに沿って停止表示されるように、リールの停止制御が行われる。
【0003】
通常、上述した複数種類の役には、所定数の遊技媒体を払い出す役(以下、小役という)のほかに、新たに遊技媒体を投入することなく、もう一回遊技ができるという特典が付与される再遊技役や、次の遊技から所定の終了条件が成立するまでの間、役抽選における特定の役の当選確率が向上する、特別遊技を行うことができる特別役などがある。そして、全てのリールが停止したときに何らかの役が成立した場合は、成立した役に応じて、所定枚数の遊技媒体の払い出しや、次の遊技において再遊技または特別遊技を行う。
【0004】
また、この種のスロットマシンにおいては、1回のゲームを行うのに最低限要する時間である最小遊技時間、いわゆるウエイトタイムが規定され、前回のゲームの開始からウエイトタイムが経過するまでに、次のゲームの開始操作が検出されたときには、ウエイトタイムが経過するまでゲームの開始が規制され、このことによって、遊技者の射幸心を過度に煽らないよう、ゲームの進行速度が適度に保たれている。
【0005】
さらに、この種のスロットマシンにおいては、レバー操作後に所定時間の変動遅れ時間を設け、その期間に対応する演出を行う所謂フリーズ演出(特許文献1)や、レバー操作後のリールの回転開始時に当選役に応じた順序でリールを回転開始させたり、特別なリールの回転動作を行わせたりするリール演出(特許文献2,3)を行うものが知られている。
【0006】
また、ウエイトタイム中に何らかの演出を行ったり、リールの回転開始タイミングを残りのウエイト時間に応じて異ならせたりするものも存在する(特許文献4)。
【0007】
【特許文献1】特開2009−178220号公報
【特許文献2】特開2010−51352号公報
【特許文献3】特開2002−219207号公報
【特許文献4】特開2004−305565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来のスロットマシンのうち、ウエイトタイム中に何らかの演出を行うものにおいては、ウエイトタイムの終了とともに演出も終了してしまうため、ウエイトタイムの残余時間によっては、所定の演出を最後まで遊技者に見せたり聴かせたりすることができない場合が生じる。
【0009】
また、ウエイトタイムの後のリール回転開始時にリール演出を行うものにおいては、リール演出の開始タイミングや終了タイミングがウエイト時間に依存するため、当該ゲームのレバー操作から、リール演出が開始されるまでの時間や、リール演出が終了する時間がばらついて一定にはならず、テンポ良くゲームを繰り返すことができない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために本発明は、遊技者による開始操作が行われると、複数種類の図柄が複数個描かれた複数のリールの全てが回転し始めて加速の後に定速回転するように回胴回転開始制御が行われて1回の遊技を開始し、前記遊技者による停止操作が行われて全てのリールが停止すると1回の遊技が終了し、そのときに有効ラインの位置に表示された図柄組合せが、何らかの役に対応していた場合、当該役が成立したこととなり、該成立した役に対応する処理が行われるスロットマシンであって、前記複数のリールを制御するリール制御手段を備え、当該リール制御手段は、前記開始操作が行われると、前記回胴回転開始制御に先立ち前記複数のリールの少なくとも一つを用いた導入リール演出を実行し、前記導入リール演出の開始の後に前記回胴回転開始制御を開始して前記停止操作を有効とする制御を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のスロットマシンよれば、開始操作から一定の時間でリール演出を開始することができるようになり、開始操作が短い時間間隔で繰り返される場合であっても、遊技者に回胴回転開始制御が始まるまで待たされているという印象を与えてしまうことを防止しつつ、テンポよくゲームを繰り返すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図2】同スロットマシンが備える各リールの図柄配列を説明するための説明図である。
【図3】同スロットマシンを制御する主制御回路の構成を示すブロック図である。
【図4】同スロットマシンを制御する副制御回路の構成を示すブロック図である。
【図5】同スロットマシンの制御の機能を示す機能ブロック図である。
【図6】同スロットマシンにおいて役抽選で参照される役抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。
【図7】同スロットマシンに予め定められている各種の役に対応する図柄組合せおよび配当の内容を説明するための説明図である。
【図8】同スロットマシンの役抽選で抽選結果番号5〜10が導出されたときの、ストップスイッチの操作順序と、対応する図柄組合せの関係を説明するための説明図である。
【図9】同スロットマシンの主制御回路で実行される遊技の進行を制御するメインルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図10】同メインルーチン内で実行される役抽選処理サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図11】同メインルーチン内で実行されるリール変動、停止サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図12】同リール変動、停止サブルーチンで実行される図柄組合せ制御の詳細な内容を示すフローチャートである。
【図13】同リール変動、停止サブルーチンで実行される図柄組合せ制御の詳細な内容を示すフローチャートである。
【図14】同リール変動、停止サブルーチンで実行される図柄組合せ制御の詳細な内容を示すフローチャートである。
【図15】同図柄組合せ制御において参照される停止制御テーブルの内容を説明するための説明図である。
【図16】同スロットマシンのメインルーチン内で実行される入賞判定処理サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図17】同入賞判定処理サブルーチン内で実行されるMB遊技中処理サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図18】同入賞判定処理サブルーチン内で実行されるBB遊技中処理サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図19】同入賞判定処理サブルーチン内で実行される役当選時処理サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図20】同スロットマシンの副制御回路において、役抽選情報を受信したときに実行される報知制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図21】同副制御回路において、リール停止情報を受信したときに実行される報知制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図22】同副制御回路において、遊技結果情報を受信したときに実行される報知制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図23】同副制御回路において、遊技結果情報を受信したときに実行される、図22とは異なる報知制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図24】同副制御回路において報知制御処理が実行される際に参照される各種テーブルの内容を説明するための説明図である。
【図25】図9のメインルーチンに相当する制御内容の細部を展開した遊技進行メイン処理を示すフローチャートである。
【図26】同遊技進行メイン処理の図25に続く内容を示すフローチャートである。
【図27】インターバル割り込み処理を示すフローチャートである。
【図28】導入リール演出の第一例を示すフローチャートである。
【図29】導入リール演出の第二例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[スロットマシン本体の外観構成の説明]
本実施形態に係るスロットマシン10の外観を図1に示す。図1は、スロットマシン10の正面図であり、同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の略中央には、スロットマシン10の内部に回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rの外周面に印刷された図柄を表示する、図柄表示領域である表示窓22が形成されている。リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が、水平方向の同一直線上に並ぶように設けられ、各々リング状の形状を有し、その外周面には21個の図柄が等間隔で印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、表示窓22からは、リール40L,40C及び40Rが停止しているとき、各リールに印刷された21個の図柄のうち、各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓22には、3(図柄)×3(リール)=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに連続して表示される3つの図柄のうち、最も上側の図柄表示位置を上段U、中央の図柄表示位置を中段M、最も下側の図柄表示位置を下段Dとする。
【0014】
また、表示窓22には、リール40L,40C及び40Rを横切る4本の入賞ラインが定められている。この4本の入賞ラインは、表示窓22内において、左リール40Lの上段U、中リール40Cの中段M、および、右リール40Rの上段Uを横切るV字形の入賞ラインL1と、左リール40Lの上段U、中リール40Cの中段M、および、右リール40Rの下段Dを横切る斜め右下がりの入賞ラインL2と、左リール40Lの下段D、中リール40Cの中段M、右リール40Rの上段Uを横切る斜め右上がり入賞ラインL3と、左リール40Lの下段D、中リール40Cの中段M、右リール40Rの下段Dを横切る山形の入賞ラインL4とによって構成されている。すなわち、各入賞ラインは、リール40L,40C,40Rの、各々3つの図柄表示位置(上段U、中段M、下段D)のうち、いずれか1つを通過することになる。
【0015】
これらの入賞ラインL1、L2、L3及びL4は、予め定められた複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せを判定する際の基準となるラインであり、リール40L,40C及び40Rが停止したときに、4本の入賞ラインのうち、有効とみなされた入賞ライン(以下、有効ラインという)の位置に沿って停止表示された3つの図柄の組合せが、いずれかの役に対応していた場合、その役が成立したことになる。すなわち、表示窓22内の図柄表示位置のうち、左リール40Lの上段Uおよび下段D、中リール40Cの中段M、並びに、右リール40Rの上段Uおよび下段Dは、それぞれ、いずれかの入賞ラインが通過する図柄表示位置(以下、入賞ラインの位置という)になっている。これに対して、左リール40Lの中段M、中リール40Cの上段Uおよび下段D、並びに、右リール40Rの中段Mは、入賞ラインが通過していない図柄表示位置であり、これらの図柄表示位置に停止表示された図柄は、上述した複数種類の役に対応する図柄組合せの判定には何ら関与しないことになる。
【0016】
フロントパネル20には、表示窓22の他に、遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるためのランプおよび表示器が設けられている。表示窓22の下側には、図1中、左から順に、ベット数(賭け枚数)表示ランプ24a,24b,24cと、クレジット数表示器26と、獲得枚数表示器28とが設けられている。ベット数表示ランプ24a,24b,24cは、1回の遊技に投入されるメダルの枚数を表示するものであり、1枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ24aのみが点灯し、2枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ24aおよび24bが点灯し、3枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ24a,24b,24cが点灯する。ここで、スロットマシン10は、3枚のメダルを投入すると1回の遊技が可能となり、入賞ラインL1〜L4が全て有効ラインとなる、いわゆる3枚賭専用機となっている。クレジット数表示器26は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(貯留)されている(より具体的には、後述するRAM110に記憶されている)メダルの枚数を表示する。獲得枚数表示器28は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10において遊技が行われた結果、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。
【0017】
上述したフロントパネル20の下側には、概略水平の操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入することができるメダル投入口32が設けられている。このメダル投入口32の内部には、メダルカウンタ(図示略)が設けられており、メダル投入口32から投入されたメダルの枚数をカウントする。また、操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10へ投入することができる1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35が設けられている。ここで、1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち3枚を遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。そして、メダル投入口32から、または、各種ベットスイッチ34,35を操作することにより、スロットマシン10に3枚のメダルを投入すると、メダルが投入されるごとにベット数表示ランプ24a,24b,24cが順次点灯していき、入賞ラインL1〜L4が有効ラインとなる。
【0018】
また、各種ベットスイッチ34,35を操作してメダルを投入した場合は、後述するRAM110に記憶されているクレジット数から、投入されたメダルの枚数が減算され、これに伴って、クレジット数表示器26に表示されている値も減算される。さらに、規定枚数(3枚)のメダルが既に投入されている状態で、さらにメダル投入口32からメダルが投入されると、当該投入されたメダルの枚数が、RAM110に記憶されているクレジット数に加算されるとともに、クレジット数表示器26に表示されている値に加算される。
【0019】
操作パネル部30の前面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。そして、遊技者がスロットマシン10に規定枚数のメダルを投入した後、スタートスイッチ36を傾動操作すると、前述した3つのリール40L,40C及び40Rが一斉に回転を開始し、リール40L,40C及び40Rの各外周面のリールテープに印刷された図柄が、表示窓22において上から下へと移動表示される。操作パネル部30の前面中央部には、3つのストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。ここで、左ストップスイッチ37Lは左リール40Lに対応し、中ストップスイッチ37Cは中リール40Cに対応し、右ストップスイッチ37Rは右リール40Rに対応している。ストップスイッチ37L,37C及び37Rは、3つのリール40L,40C及び40Rの回転速度が一定速度に達したときに、遊技者による操作が有効となる。そして、左ストップスイッチ37Lを遊技者が押動操作したときには、左リール40Lが停止し、中ストップスイッチ37Cを押動操作したときには、中リール40Cが停止し、右ストップスイッチ37Rを押動操作したときには、右リール40Rが停止する。このとき、3つのリール40L、40C及び40Rの各々は、各リールの外周面に描かれている図柄のうち、連続するいずれか3つの図柄の各中心位置が、表示窓22内の上段U、中段M、および、下段Dの各中央に位置付けられるように停止制御される。
【0020】
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。さらに、下部パネル50の下方略中央には、リール40L、40C及び40Rが停止したとき、有効ラインに沿って停止表示された3つの図柄の組合せが、予め定められた枚数のメダルを払い出すこととなる役に対応していた場合、当該枚数のメダルがスロットマシン10の内部に設置されているホッパー(図示略)によって払い出されるメダル払出口60が設けられている。メダル払出口60から払い出されたメダルは、受け皿61に貯留される。また、メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ出すための透音孔62R,62Lが設けられている。
【0021】
フロントパネル20の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される表示装置70が設けられている。なお、表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることが可能である。この表示装置70は、遊技履歴を表示したり、特別遊技中における演出画像、後述する役抽選の結果に応じた演出画像、遊技の進行(メダル投入→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リール回転停止)に応じた演出画像等を表示したりすることができる。表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が成立した場合、成立した役に応じて点滅する上部効果ランプ72が設けられている。
【0022】
次に、図2を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。前述したように、リール40L、40C及び40Rの各外周面には21個の図柄が印刷されているが、これらは10種類の図柄からなっている。本実施形態では、図柄の種類として、プラムをモチーフとした「プラム」図柄、数字の7を青色で表した「青7」図柄、ベルをモチーフとした「ベル1」図柄、楽器をモチーフとした「楽器」図柄、武器をモチーフとした「武器」図柄、上述した「ベル1」図柄とは異なる形状のベルをモチーフとした「ベル2」図柄、数字の7を赤色で表した「赤7」図柄、スイカをモチーフとした「スイカ」図柄、棒状の塊をモチーフとした「BAR」図柄、および、チェリーをモチーフとした「チェリー」図柄がある。リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープには、これら10種類の図柄からなる21個の図柄が、図2に示す内容で等間隔に印刷されており、各図柄には、固有の番号(以下、図柄番号という)が予め付与されている。そして、これらリールテープを、各々対応するリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けると、図2に示す各図柄配列において、図柄番号1と図柄番号21の図柄が連続することになる。
【0023】
また、リール40L、40C及び40Rが回転すると、表示窓22内に表示される各リールの3つの図柄は、連続する3つの図柄番号の値が増す方向に移動表示されることになる。たとえば、リール表示窓22の下段Dから上段Uに向かって、図柄番号1,2,3の図柄が表示されていた場合、それ以降、表示される図柄は、図柄番号2,3,4→図柄番号3,4,5→図柄番号4,5,6→……と変化する。そして、図柄番号19,20,21が表示されると、引き続き、図柄番号20,21,1→図柄番号21,1,2→図柄番号1,2,3→……と変化していき、以下、リールが停止するまで図柄番号1から21のうち連続する3つの図柄が循環的にスクロール表示される。
【0024】
[制御回路の説明]
スロットマシン10を制御する制御回路は、主制御回路100と副制御回路200とで構成される。ここで、主制御回路100のブロック図を図3に示し、これに電気的に接続されている副制御回路200のブロック図を図4に示す。
≪主制御回路の説明≫
図1に示したスタートスイッチ36は、主制御回路100のインターフェイス回路102に接続され、インターフェイス回路102は、入出力バス104に接続されている。スタートスイッチ36から発せられたリール回転開始信号は、インターフェイス回路102において所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。入出力バス104は、中央処理装置(以下、CPUと称する)106にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。上述したリール回転開始信号は、「操作信号」の1つを構成する。また、上述したインターフェイス回路102には、ストップスイッチ37L,37C及び37R、並びに1−ベットスイッチ34及び最大ベットスイッチ35も接続されている。これらのボタンやスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路102に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。同様に、上述したストップスイッチ37L,37C又は37Rから発せられる信号も、リール停止信号として入出力バス104に供給される。
【0025】
上述した入出力バス104には、ROM(リード・オンリー・メモリ)108及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)110も接続されている。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。ROM108に記憶されているデータとしては、例えば、図2に示した図柄配列に関する情報、後述する図6に示す各種役抽選テーブル、図7に示す各種の役に対応する図柄組合せ、図8に示すストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じたリール停止制御情報、および、リール40L,40C,40Rを停止させる際に参照される図15に示す停止制御テーブルなどがある。また、ROM108に記憶される制御プログラムとしては、図9に示すメインルーチン、図10〜図14および図16〜図19に示す各種サブルーチンの処理を実行するためのプログラムなどがある。RAM110は、上述した制御プログラムで使用する各種フラグ(たとえば、後述する各種役に対応した当選フラグ、再遊技成立フラグなど)や変数の値(表示窓22に表示されている図柄番号の値、後述する各種遊技の遊技回数など)を一時的に記憶することができる。また、RAM110には、スロットマシン10の遊技状態を示す遊技状態情報も記憶される。スロットマシン10の遊技状態には、大別して一般遊技、MB遊技、および、BB遊技(後述する)の3種類があり、RAM110には、現在の遊技状態を示す遊技状態情報が記憶される。
【0026】
入出力バス104には、乱数を発生させるための乱数発生器112も接続されている。乱数発生器112は、一定の範囲の数値、例えば0〜65535(2の16乗)の範囲で乱数(整数)を発生させる。なお、CPU106の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。また、入出力バス104には、モータ駆動回路114が接続されている。モータ駆動回路114には、上述した3つのリール40L、40C及び40Rの各々を回転駆動するステッピングモータ80L、80C及び80Rが接続されている。ステッピングモータ80L、80C及び80Rの各々は、3つのリール40L、40C及び40Rの内周側に設けられ、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトにリール40L、40C及び40Rの回転中心が取り付けられている。
【0027】
CPU106から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路114により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ80L、80C及び80Rに供給される。なお、駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御も行う。CPU106は、上述したように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rを制御することで、リール40L、40C及び40Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御を行う。リール40L、40C及び40Rの各々には、各リールの回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ(図示せず)が設けられており、回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路116に接続されている。リール40L、40C及び40Rの各々の回転角度位置を示す信号が回転角度位置センサから発せられたときには、リール回転角度位置検出回路116に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。そして、CPU106は、供給された回転角度位置から図柄番号を算出し、表示窓22に表示される各リールの3つの図柄を特定する。
さらに、インターフェイス回路102には、接続線118も接続されており、主制御回路100は、接続線118によって次に説明する副制御回路200と電気的に接続されている。
【0028】
≪副制御回路の説明≫
次に、図4を参照して副制御回路200の構成について説明する。上述した接続線118は、副制御回路200の入出力バス204に接続されているインターフェイス回路202に接続される。主制御回路100から副制御回路200に送信された各種情報は、インターフェイス回路202において所定の信号に変換された後、入出力バス204に供給され、RAM210に格納される。入出力バス204は、CPU206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。この入出力バス204には、ROM208、RAM210、ランプ駆動回路218、表示駆動回路220、スピーカ駆動回路222、および、タイマ224も接続されている。
【0029】
ROM208は、ランプ駆動回路218、表示駆動回路220、スピーカ駆動回路222、および、タイマ224を制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。また、ROM208は、表示装置70に表示するための種々の画像データ、スピーカ64L,64Rから発するための演奏音データ、上部効果ランプ72を点滅させるパターンデータなども記憶している。RAM210には、上述した制御プログラムを実行する過程で発生する各種データの他、主制御回路100から送信されてきた役抽選の結果、操作されたストップスイッチを示す情報、および、遊技の結果などの各種情報も記憶される。
【0030】
ランプ駆動回路218は、主制御回路100から供給される各種情報信号に基づいてCPU206から出力される駆動指令に応じて上部効果ランプ72を点灯駆動する。表示駆動回路220は、主制御回路100から供給される情報信号に基づいてCPU206がROM208から読み出した画像データや文字データ等を、表示装置70に表示させる。これにより、表示装置70には、画像データが演出画面として表示され、もしくは、文字データがメッセージとして表示される。スピーカ駆動回路222は、主制御回路100から供給される情報信号に基づいてCPU206がROM208から読み出した音声データに応じてスピーカ64R,64Lを駆動し、図1に示した透音孔62R,62Lから音声を出力させる。タイマ224は、CPU206から計時開始の指示を受けると、計時を開始し、CPU206からの要求に応じて計時時間を示すデータを、入出力バス204を介してCPU206へ出力する。
【0031】
[機能ブロック図の説明]
次に、スロットマシン10の制御回路の機能ブロック図を図5に示す。なお、以下の説明において、図1に示した各部と同じ構成については、同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。制御回路として、主制御回路100と副制御回路200が電気的に接続され、主制御回路100には、操作手段300が電気的に接続され、また、リール40L、40C及び40Rの各々に設けられたモータ80L、80C及び80Rが電気的に接続されている。副制御回路200には、スピーカ64L,64R、表示装置70、および、上部効果ランプ72を備える報知出力手段600が電気的に接続されている。操作手段300は、スタートスイッチ36からなる遊技開始指示手段310と、3つのストップスイッチ37L、37C及び37Rからなる停止指示手段320と、ベットスイッチ34及び35とから構成される。この操作手段300は、スイッチに限られず、遊技者の意思を用いた操作(例えば四肢又は声などを利用した操作)に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。また、報知出力手段600は、音や光など遊技者の聴覚的、視覚的に報知を行うものに限らず、たとえば、スロットマシン10の内部にバイブレータなどの振動発生装置を設けて特定の部位を振動させ、遊技者の触覚によって認知される報知を行うようにしても良い。
【0032】
≪主制御回路の説明≫
主制御回路100は、役抽選手段410と、リール制御手段420と、入賞判定手段430と、役抽選確率変動手段440と、入賞処理手段450とを含む。役抽選手段410は、役抽選処理によって、予め定められた役のうち、いずれか1つまたは複数の役に当選したか否かを定めるものである。上述した予め定められた役には、大別すると、小役、再遊技役、ボーナス役(特別役)の3種類がある。小役は、成立すると予め定められた枚数のメダルが遊技者に払い出されることとなる役であり、対応する図柄組合せに応じて複数種類の小役が定められている。再遊技役は、成立すると次の遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技を行うことができる役である。この再び行うことができる遊技を再遊技といい、再遊技における有効ラインは、再遊技役が成立したときの遊技の有効ラインと同一となる。ボーナス役は、成立すると、次の遊技から所定の終了条件が満たされるまで、各遊技においてメダルを獲得できる可能性が高くなる特別遊技が開始されることとなる役である。この特別遊技には、ビックボーナスゲーム(以下、BB遊技という)と、ミドルボーナスゲーム(以下、MB遊技という)とがあり、次の遊技からBB遊技が開始されることとなる役をBB役、MB遊技が開始されることとなる役をMB役という。なお、以下では、BB遊技およびMB遊技のいずれでもない遊技を一般遊技という。
【0033】
<役抽選手段の説明>
役抽選手段410は、例えば、図3に示した乱数発生器112(ハード乱数等)と、この乱数発生器112が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段412と、乱数抽出手段412が抽出した乱数値を、ROM108に記憶された役抽選テーブルと照合することで、当選した役の有無及び当選した役を判定する乱数判定手段414とを備えている。この役抽選手段410による制御処理は、後述する役抽選処理サブルーチン(図10参照)のステップS52〜S76に示される。ここで、図6を参照して、ROM108に記憶されている役抽選テーブルの内容について説明する。図6において、(a)は、一般遊技中に使用される役抽選テーブルの内容を示しており、(b)は、BB遊技中に使用される役抽選テーブルの内容を示している。役抽選テーブルは、乱数発生器112が発生し得る乱数値(0〜65535)と、抽選結果とを対応付けたものであり、乱数判定手段414は、乱数抽出手段412によって抽出された乱数値が、役抽選テーブルのどの当選数値範囲に属するかによって、1つの抽選結果(抽選結果番号)を導出する。各抽選結果には、何らかの役またはハズレが対応付けられており、導出された抽選結果に対応する役またはハズレがその抽選の結果となる。
【0034】
また、抽選結果に対応付けられている役の数は、1つまたは複数であり、例えば図6(a)に示す一般遊技中に使用される役抽選テーブルでは、抽選結果番号1〜4、11〜13にはそれぞれ1つの役が対応付けられており、抽選結果番号5〜10には、それぞれ10個の役が対応付けられている。そして、複数の役が対応付けられた抽選結果が導出された場合は、それら複数の役が同時に当選したものとして扱われる。たとえば、図6(a)に示す役抽選テーブルを使用して役抽選を行う場合、乱数抽出手段412によって抽出された乱数値が「2814」だったとすると、乱数判定手段414により抽選結果番号「7」が導出され、これに対応付けられた小役1a〜小役1h、小役1i、小役1sが全て当選したことになる。
【0035】
また、前述したように、図6(a)及び(b)に示す各役抽選テーブルは、スロットマシン10において現在行われている遊技が、一般遊技か、BB遊技かによって使い分けられるが、この役抽選テーブルの切り替えは、後述する役抽選確率変動手段440によって行われる。ここで、図6(a)および(b)に示す各役抽選テーブルを比較すると、図6(b)に示す役抽選テーブルでは、BB役および再遊技役が対応付けられた抽選結果番号がなく、MB役cが対応付けられた抽選結果番号「1」が導出される確率が1/3という高確率になっている。
【0036】
上述した各種役抽選テーブルを用いて役抽選を行う場合、たとえば、スロットマシン10の遊技状態が一般遊技中のときに、スタートスイッチ36が傾動操作されたことを契機として、乱数抽出手段412により「86」という乱数値が抽出されたとすると、乱数判定手段414は、図6(a)の役抽選テーブルを参照して、抽選結果番号「2」を導出し、これにより、BB役bの当選が決定される。また、乱数抽出手段412により「28372」という乱数値が抽出されたとすると、乱数判定手段414は、抽選結果番号「14」を導出し、当該役抽選の結果がハズレになったことを決定する。
【0037】
上述した役抽選によって選択される役には、それぞれリール40L,40C,40Rに描かれた図柄からなる図柄組合せが対応付けられている。以下に、図7を参照して、各役に対応付けられている図柄組合せについて説明する。図7は、各役の名称と、役が成立することとなる図柄組合せと、役が成立したときに遊技者へ払い出されるメダルの枚数とを対応付けた、配当情報の内容を示している。この配当情報は、図3に示した主制御回路100のROM108に記憶されており、後述する入賞判定手段430が入賞判定を行う際に参照される。役抽選の対象になっているBB役a,b、MB役a,b,c、役物、小役1a〜1t、小役2、小役3、および、再遊技役には、それぞれ図7に示すように、リール40L,40C,40Rに描かれた図柄からなる図柄組合せが対応付けられている。そして、リール40L,40C,40Rの回転開始後、全リール停止時に、図1に示した有効ラインL1〜L4のいずれかのラインが通過している図柄表示位置(以下、有効ラインの位置という)に停止表示された図柄の組合せが、図7に示す図柄組合せのいずれかに一致したときに初めてその図柄組合せに対応する役が成立したことになる。
【0038】
これにより、小役または役物が成立した場合は、その役に予め定められている枚数のメダルが遊技者に対して払い出され、BB役が成立した場合は、次の遊技からBB遊技が開始され、MB役が成立した場合は、次の遊技からMB遊技が開始され、再遊技役が成立した場合は、次の遊技が再遊技となる。なお、本実施形態ではMB遊技が実行されるとともに、役物の役が成立した場合にメダルの払出しが行われるが、本発明は、種々のゲーム性を採用することが可能であり、例えばMB遊技や役物を採用しないタイプのスロットマシンにも適用が可能である。
【0039】
また、図7(a)において、小役2に対応する図柄組合せとして「左リール」欄に「Any」、「中リール」欄に「チェリー」、「右リール」欄に「Any」と記載されているが、これは、中リール40Cの「チェリー」図柄が有効ラインの位置(中段M)に停止しさえすれば、左リール40Lおよび右リール40Rについては、有効ラインの位置にいかなる図柄が停止しても、小役2が成立することを意味している。なお、以下、図柄組合せについては、左リール40L,中リール40C,右リール40Rの順に図柄の名称を列記し、列記した図柄の名称の間をハイフンで区切ることで表記するものとする。したがって、たとえばMB役aに対応する図柄組合せの表記は、赤7−赤7−青7となる。
【0040】
<リール制御手段の説明>
リール制御手段420は、リール始動手段422と、リール停止制御手段424とを備え、リール40L、40C、40Rの作動に関する制御を行うものである。リール始動手段422は、スタートスイッチ36から発信されたリール回転開始信号を受信することによってモータ80L、80C、80Rを駆動し、リール40L、40C、40Rを回転させる。リール停止制御手段424は、ストップスイッチ37L、37C、37Rから発信されたリール停止信号の受信によって、リール40L、40C、40Rを停止させる。リール始動手段422による制御処理は、後述するリール変動、停止サブルーチン(図11参照)のステップS84に示され、リール停止制御手段424による制御処理は、同サブルーチンのステップS88〜S94に示される。
【0041】
リール停止制御手段424は、遊技者によるストップスイッチ37L、37C、37Rの操作に応じて、対応するリール40L、40C、40Rを停止させる際に、予め定められた制約の範囲内で、役抽選の結果に則した図柄組合せが、有効ラインに沿って停止表示されるような制御を行う。たとえば、役抽選によって何らかの役が当選した状態で、あるストップスイッチが操作された場合、リール停止制御手段424は、その時点から対応するリールが4図柄分移動(回転)する間に、上記当選した役に対応した図柄組合せを構成する図柄が、有効ラインの位置に到達し得るときは、その図柄が有効ラインの位置に達したときに、リールを停止させる。なお、対応するリールを4図柄分移動(回転)させたとしても、上記当選した役抽選の結果に対応した図柄組合せを構成する図柄を、有効ラインの位置に到達させることができない場合は、その間の適宜定められた図柄が有効ラインの位置で停止表示されるようにリールを停止させる。この場合、役抽選で何らかの役が当選していたとしても、その役に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されることがないため、その役は成立しない。以下では、このような状態を「取りこぼし」という。
【0042】
これに対して、役抽選の結果ハズレとなった場合は、仮に上述したリール停止制御を行ったとしたら、何らかの役に対応する図柄組合せを有効ラインに沿って停止表示させることができるタイミングで、ストップスイッチ37L、37C、37Rが操作されたとしても、その図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されることがないように、リール40L、40C、40Rを停止させる。
【0043】
さらに、リール停止制御手段424は、特定操作判断手段4240と、正解時停止手段4242と、不正解時停止手段4244とを備え、これらによって、役抽選手段410により抽選結果番号5〜10のいずれかが導出された場合のリール停止制御を行う。特定操作判断手段4240は、リール40L,40C,40Rが一斉に回転を開始した後、遊技者によって最初に操作されたストップスイッチが、役抽選で導出された抽選結果番号に対応付けられた特定のリールに対応するストップスイッチであるか否かを判断する。正解時停止手段4242は、特定操作判断手段4240により、最初に操作されたストップスイッチが、上記特定のリールに対応していると判断されると、遊技者がいかなるタイミングでストップスイッチを操作したとしても、小役1a〜小役1hのいずれか1つに対応する図柄組合せを、必ず有効ラインに沿って停止表示させるリール停止制御を行う。また、不正解時停止手段4244は、特定操作判断手段4240により、最初に操作されたストップスイッチが、上記特定のリールに対応していないと判断されると、導出された抽選結果番号に対応付けられた複数の役のうち、小役1a〜1h以外の、取りこぼしの可能性がある所定の図柄組合せを対象とするリール停止制御を行う。ここで、特定操作判断手段4240は、特定指示判断手段に相当し、正解時停止手段4242は、第1の停止手段に相当し、不正解時停止手段4244は、第2の停止手段に相当する。
【0044】
次に、抽選結果番号5〜10のそれぞれに対応付けられている特定のリールについて、図8を参照して説明する。図8は、抽選結果番号5〜10の各々について、ストップスイッチ37L,37C,37Rの各操作順序と、当該各操作順序でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された時に成立する、または、成立し得る小役1の種類との関係を表で示したものである。前述したように、スロットマシン10には、左ストップスイッチ37L、中ストップスイッチ37C、右ストップスイッチ37Rの3つがあるため、それらの操作順序は、左→中→右(以下、操作順序1という)、左→右→中(以下、操作順序2という)、中→左→右(以下、操作順序3という)、中→右→左(以下、操作順序4という)、右→左→中(以下、操作順序5という)、および、右→中→左(以下、操作順序6という)の、6通りとなる。
【0045】
そして、たとえば、一般遊技中に、役抽選によって抽選結果番号5が導出されたとすると、図6(a)に示したように、小役1a〜1h、小役1m、および、小役1qが同時に当選することになる。このとき、遊技者がストップスイッチ37L,37C,37Rを操作順序1または2で操作した場合(すなわち、最初に左ストップスイッチ37Lを操作した場合)は、小役1a〜1hのいずれかに対応する図柄組合せが、有効ラインに沿って停止表示されるように、リール40L,40C,40Rの停止制御が行われる。これに対して、操作順序3もしくは4で操作した場合(すなわち、最初に中ストップスイッチ37Cを操作した場合)は、小役1mに対応する図柄組合せが、有効ラインに沿って停止表示されるように各リールの停止制御が行われ、操作順序5もしくは6で操作した場合(すなわち、最初に右ストップスイッチ37Rを操作した場合)は、小役1qに対応する図柄組合せが、有効ラインに沿って停止表示されるように各リールの停止制御が行われる。
【0046】
ここで、図2に示した各リール図柄配列と、図7(b)に示した小役1a〜1tに各々対応する図柄組合せを参照して、リール停止制御による役の成立の可否について説明する。まず、小役1a〜1hに対応する各図柄組合せを一纏めにして考えた場合、図7(b)に示すように、これらの図柄組合せは、「ベル1」図柄および「ベル2」図柄という2種類の図柄の、任意の組合せからなっているといえる。すなわち、2×2×2=8通りの図柄組合せが存在している。よって、小役1a〜1hのいずれかを成立させるには、各リールについて、「ベル1」図柄または「ベル2」図柄を、有効ラインL1〜L4のいずれかのラインの位置で停止させればよい。より詳細にいえば、左リール40Lおよび右リール40Rについては、上段Uまたは下段Dに、「ベル1」図柄または「ベル2」図柄を停止させ、中リール40Cについては、中段Mに「ベル1」図柄または「ベル2」図柄を停止させることができれば、小役1a〜1hのいずれかが成立することになる。
【0047】
以上を踏まえて、図2に示した各リールの図柄配列を見ると、左リール40Lおよび右リール40Rにおいては、「ベル1」図柄または「ベル2」図柄は、6個の図柄を挟んで配置されている。よって、ストップスイッチが操作されてから4図柄分リールが回転する間に、必ず「ベル1」図柄または「ベル2」図柄を、上段Uまたは下段Dに停止させることができる。たとえば、左リール40Lにおいて、図柄番号2の「BAR」図柄が下段Dに位置しているときに左ストップスイッチ37Lが操作された場合、左リール40Lを4図柄分回動させると、上段Uに図柄番号8の「ベル2」図柄が到達する。このように、左リール40Lおよび右リール40Rについては、任意のタイミングで左ストップスイッチ37Lまたは右ストップスイッチ37Rが操作されたとしても、「ベル1」図柄または「ベル2」図柄を、必ず有効ラインの位置で停止させることができる。
【0048】
また、中リール40Cにおいては、「ベル1」図柄または「ベル2」図柄の間隔は、最大で、4個の図柄を挟んで配置されている(図柄番号1の「ベル2」図柄と図柄番号6の「ベル1」図柄、および、図柄番号13の「ベル1」図柄と図柄番号18の「ベル2」図柄)。よって、中ストップスイッチ37Cを任意のタイミングで操作しても、4図柄分、中リール40Cが回転する間に、必ず「ベル1」図柄または「ベル2」図柄を、中段M(有効ラインの位置)に停止させることができる。以上のことから、図8に示すように、役抽選で抽選結果番号5が導出された場合、最初に左ストップスイッチ37Lを操作しさえすれば、中ストップスイッチ37Cおよび右ストップスイッチ37Rを任意のタイミングで操作したとしても、小役1a〜1hのいずれか1つは、必ず成立させることができる。よって、以下では、小役1a〜1hをまとめて目押し不要役ともいう。
【0049】
これに対して、小役1mの図柄組合せは、ベル1−プラム−ベル1となっている(図7(b)参照)。ここで、図2に示すように、「ベル1」図柄は、左リール40Lにおいては図柄番号1の1個しか無く、右リール40Rにおいては図柄番号3および17の2個しかない。よって、遊技者は、左リール40Lについて、図柄番号16〜21および図柄番号1の図柄が下段Dに位置している間に左ストップスイッチ37Lを操作しなければ、有効ラインの位置に「ベル1」図柄を停止させることができない。また、右リール40Rについては、図柄番号11〜21および図柄番号1〜3の図柄が下段Dに位置している間に右ストップスイッチ37Rを操作しなければ、有効ラインの位置に「ベル1」図柄を停止させることができない。したがって、役抽選で抽選結果番号5が導出された場合、最初に中ストップスイッチ37Cを操作したときは、遊技者は左リール40Lおよび右リール40Rについて、「ベル1」図柄を目押ししなければ小役1mを成立させることができない。よって、小役1mは、成立させるためには目押しをしなければならない目押し必要役といえる。
【0050】
また、小役1qの図柄組合せは、ベル1−ベル1−プラムとなっている(図7(b)参照)。ここで、図2に示すように、中リール40Cにおける「ベル1」図柄は、図柄番号6,9,13の3つが配置されている。しかしながら、図柄番号13から6へ至る間には、13個の図柄が存在しているため、図柄番号13〜21の図柄が下段Dに位置している間に中ストップスイッチ37Cを操作してしまうと、中段Mに「ベル1」図柄を停止させることができない。よって、遊技者は、この間を避けて中ストップスイッチ37Cを操作しなければならず、役抽選で抽選結果番号5が導出された場合、最初に右ストップスイッチ37Rを操作したときは、遊技者は「ベル1」図柄について目押しをしなければ小役1qを成立させることができない。よって、小役1qは、前述した小役1mと同様、目押し必要役といえる。
【0051】
以上のことをまとめると、役抽選で抽選結果番号5が導出された場合は、最初に左ストップスイッチ37Lを操作すれば、目押しをすることなく小役1a〜1hが成立するが、最初に中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37Rを操作した場合は、小役1mまたは小役1qを成立させるために、「ベル1」図柄を目押ししなくてはならない。また、前述した特定のリールとは、対応するストップスイッチが、最初に操作された場合、小役1a〜1hのいずれかが必ず成立することとなるリールをいうことから、役抽選で抽選結果番号5が導出されたときの特定のリールは、左リール40Lということになる。さらに、抽選結果番号5には、小役1a〜1hからなる目押し不要役と、小役1mおよび小役1qの2つの目押し必要役とが対応付けられているといえる。
【0052】
同様に、抽選結果番号6〜10についても、図8に示すように、各々、目押し不要役と、2つの目押し必要役とが対応付けられている。また、役抽選により、抽選結果番号6が導出された場合は、特定のリールが左リール40Lとなり、抽選結果番号7または8が導出された場合は、特定のリールが中リール40Cとなり、抽選結果番号9または10が導出された場合は、特定のリールが右リール40Rとなる。言い換えると、抽選結果番号5および6には、特定の操作順序1および2が、抽選結果番号7および8には、特定の操作順序3および4が、抽選結果番号9および10には、特定の操作順序5および6が、それぞれ対応付けられているともいえる。以下、図8に示した抽選結果番号と、成立させる役との関係とを表す情報を、リール停止制御情報という。
【0053】
また、役抽選により抽選結果番号5または6(特定のリールが左リール40L)が導出されたときに、最初に操作された中ストップスイッチ37Cが操作された場合、小役1mまたは小役1nが成立し得ることになるが、これらの図柄組合せにおいて、中リール40Cの図柄はいずれも「プラム」図柄になっている(図7(b)参照)。一方、最初に操作された右ストップスイッチ37Rが操作された場合は、小役1qまたは小役1rが成立し得ることになるが、これらの図柄組合せにおいて、右リール40Rの図柄はいずれも「プラム」図柄になっている。ここで、「プラム」図柄は、図2に示すように、左リール40L、中リール40C、右リール40Rのいずれにおいても、各々対応するストップスイッチがいかなるタイミングで操作されても、入賞ライン(有効ラインでもある)の位置に停止させることができる図柄である(すなわち、任意停止図柄に相当する)。
【0054】
これにより、最初に特定のリール以外のリールが操作されてしまったために、目押し必要役を成立させる制御が行われる場合、最初のストップスイッチの操作により、入賞ラインの位置に停止表示されるのは、「プラム」図柄となる。このことは、抽選結果番号7または8(特定のリールが中リール40C)、抽選結果番号9または10(特定のリールが右リール40R)が導出された場合でも同様である。よって、例えば、役抽選の結果、導出された抽選結果番号に対応する情報を遊技者に報知した場合において、遊技者は、最初にストップスイッチを操作して、対応するリールが停止したときに入賞ラインの位置に「プラム」図柄が表示されたとすると、遊技者は、特定のリールに対応するストップスイッチを操作しなかったことを知ることができるとともに、残りの2つのリールを停止させる際に、目押しの対象となる図柄を「ベル1」または「ベル2」図柄に絞り込むことができる。
【0055】
<主制御回路におけるその他の手段の説明>
図5に戻り、入賞判定手段430は、リール制御手段420により、リール40L,40C,40Rがすべて停止制御されると、図7に示した各図柄組合せを参照して有効ラインの位置に何らかの役に対応する図柄組合せが停止表示されたか否かの入賞判定を行う。また、入賞判定手段430は、入賞判定の結果、成立した役などに基づいて、前述した遊技状態(一般遊技,MB遊技,BB遊技)の移行について制御する。ここで、現在の遊技状態を示す情報は、図3に示したRAM110に記憶されており、この情報は、遊技状態が移行するごとに更新される。すなわち、一般遊技中に、BBa役またはBBb役が成立した場合は、遊技状態が一般遊技からBB遊技へ移行する。また、一般遊技中に、MBa役またはMBb役が成立した場合は、遊技状態が一般遊技からMB遊技へ移行する。MB遊技中に、遊技が12回行われるか、役物が8回成立すると、MB遊技が終了して遊技状態がMB遊技から一般遊技へ移行する。さらに、BB遊技中に、465枚のメダルが払い出されると、BB遊技が終了して遊技状態がBB遊技から一般遊技へ移行する。この入賞判定手段430は、後述する入賞判定処理サブルーチン(図16参照)に示される。
【0056】
役抽選確率変動手段440は、RAM110に記憶されている遊技状態情報を参照し、当該遊技状態情報が一般遊技であった場合は、図6(a)の役抽選テーブルを選択し、BB遊技であった場合は、図6(b)に示す各役抽選テーブルを選択する。この役抽選確率変動手段440は、図10に示す役抽選処理サブルーチンのステップS42〜S48に示される。入賞処理手段450は、入賞判定手段430により小役1a〜小役1t、小役2、または、小役3のいずれかが成立したと判定された場合、スロットマシン10の内部に設けられているホッパー(図示略)を駆動して、成立した小役に対応する枚数のメダルを払い出すための制御を行う。なお、以下では、メダルが払い出されることとなる役(小役および役物)が成立することを、特に入賞という。この入賞処理手段450は、後述するメインルーチン(図9参照)のステップS32に示される。
【0057】
≪副制御回路の説明≫
副制御回路200は、演出制御手段510、計時手段520、および、報知制御手段530を備えている。ここで、計時手段520は、図4に示したタイマ224に対応するものである。演出制御手段510は、主制御回路100から送信される各種制御情報に基づいて、報知出力手段600で実行する演出内容を決定する。ここで、演出内容の決定には、例えば、表示装置70に表示する画像(動画または静止画)、スピーカ64L,64Rから発する効果音または楽音、上部効果ランプ72の点滅パターンなどの決定や、決定した画像、音、点滅パターンの出力タイミングなどの決定が含まれる。また、演出制御手段510は、主制御回路100の役抽選手段410により、抽選結果番号5〜10のいずれかが導出された場合に、前述した目押し不要役または目押し必要役を成立させるための情報(後述する)を報知するか否かの判断、および、目押し不要役を成立させるための情報から目押し必要役を成立させるための情報への切り替え、または、その逆の切り替えを行う。
【0058】
さらに、演出制御手段510は、不成立計数手段512、可能遊技回数判断手段514、および、特典付与手段516を備え、これら各手段の処理に基づいて、上述した報知の切り替えを行う。不成立計数手段512は、演出制御手段510が、目押し必要役を成立させるための情報を、報知出力手段600から報知したにも関わらず、当該目押し必要役が成立しなかった遊技の回数を計数する。可能遊技回数判断手段514は、役抽選手段410によって抽選結果番号5〜10のいずれかが導出された場合に、前述した目押し必要役を成立させるための情報の報知を行う遊技(後述する)において、計時手段520が所定の時間を計時する間に、予め定められた回数の遊技が実行可能か否かを判断する。報知制御手段530は、演出制御手段510により決定された演出内容、および、目押し不要役または目押し必要役を成立させるための情報に応じて、報知出力手段600が備えるスピーカ64L,64R、表示装置70、および、上部効果ランプ72をそれぞれ駆動制御し、遊技者に対する報知を行う。
【0059】
[制御処理の説明]
次に、上述した制御回路において行われる各種の制御について、フローチャートを参照して詳細に説明する。
図9は、主制御回路100で行われる制御処理を示すメインルーチンのフローチャートである。図10から図14および図16から図19は、このメインルーチンで実行される各サブルーチンのフローチャートである。これらサブルーチンのうち、図10は、役抽選手段410による役抽選と、役抽選確率変動手段440による役抽選テーブルの切替制御を行う役抽選処理サブルーチンのフローチャートである。図11は、リール制御手段420により、リール40L,40C,40Rの回転、停止のための制御を行うリール変動、停止サブルーチンのフローチャートである。図12〜図14は、抽選結果番号5〜10のいずれかが導出された場合に、特定操作判断手段4240、正解時停止手段4242、および、不正解時停止手段4244により、リール40L,40C,40Rを停止させる際に行われる図柄組合せ制御のフローチャートである。図16は、入賞判定手段430により、成立した役の有無、および、成立した役の種類を判定し、成立した役に応じた特典を遊技者に与えるために行われる入賞判定処理サブルーチンのフローチャートである。また、図17、図18、図19は、それぞれ図16の入賞判定処理サブルーチンの一部をなす、MB遊技中処理サブルーチンのフローチャート、BB遊技中処理サブルーチンのフローチャート、役当選時処理サブルーチンのフローチャートである。
【0060】
また、副制御回路200においては、主制御回路100から受信した制御情報に基づいて、各種演出および報知を行うための制御処理を行う。これら各種演出および報知のうち、特に、主制御回路100から受信した役抽選の結果に関する情報により、特定の役に当選したと判断した場合、遊技者によるストップスイッチ37L,37C,37Rに対する操作内容などに基づいて、当選した役を成立させるための、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作内容について報知を行う、報知制御処理のフローチャートを図20から図23に示す。
【0061】
[主制御回路における制御処理の説明]
≪メインルーチンの説明≫
まず、主制御回路100のCPU106によって実行されるメインルーチンの制御処理の説明を、図9のフローチャートを用いながら説明する。このメインルーチンでは、遊技者が遊技媒体を投入して、リール40L,40C,40Rを回転させて停止させるまでの1工程を1回とする遊技を行うときの制御処理を示す。
【0062】
スロットマシン10の電源を投入すると、CPU106は、所定のセルフチェックを行い、RAM110に記憶される、各種フラグや制御データの初期値を設定する(ステップS10)。次に、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技成立フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS12)。この再遊技成立フラグは、前回の遊技で再遊技役が成立した場合、後述する図19に示す役当選時処理サブルーチンのステップS264においてオンにされる。再遊技成立フラグがオフ(NO)と判断した場合、CPU106は、メダルが投入されたか否かを判断する(ステップS14)。メダルが投入された(YES)と判断したときには、ステップS20へ進み、メダル投入口32の内部に設置されたメダルカウンタでカウントした投入枚数を、ベット数として検出する。ただし、規定枚数(本実施形態では3枚)を超える枚数のメダルが投入されたときには、規定枚数を超えた分の枚数を、クレジット数としてRAM110の所定の記憶領域に記憶する。
【0063】
一方、ステップS14の判断において、CPU106が、メダルが投入されていない(NO)と判断したときには、ステップS16へ進み、クレジットされているメダルが有るか否かを判断する。もし、RAM110に記憶されているクレジット数の値が0だった場合は、クレジットされたメダルがない(NO)と判断し、再びステップS14へ戻り、ステップS14とステップS16の判断処理を繰り返し実行する。これに対して、ステップS16において、クレジットされたメダルが有る(YES)と判断したときには、CPU106は、ベット操作信号を受信したか否かを判断する(ステップS18)。このベット操作信号は、遊技者がベットスイッチ34または35の何れかを操作したときに発信される。ベット操作信号を受信していない(NO)と判断したときには、再びステップS14に戻り、ステップS14からステップS18までの判断処理を繰り返し実行する。そして、ステップS18において、CPU106がベット操作信号を受信した(YES)と判断した場合、受信したベット操作信号からベット数を検出する(ステップS20)。そして、メダルの投入またはクレジットされたメダルの使用の何れの場合においても、検出したベット数を新たなベット数としてRAM110に記憶し、クレジットされたメダルを使用する場合には、同時に、RAM110に記憶していたクレジット数から、検出したベット数分の枚数だけ減じる処理を行う(ステップS22)。そして、役抽選処理サブルーチン(ステップS24)へ進む。
【0064】
なお、前述したステップS12において、再遊技成立フラグがオンになっている(YES)と判断した場合は、CPU106は、再遊技成立フラグをオフ(ステップS26)にして、上述したステップS14〜S22の処理を行わずに、ステップS24の役抽選処理サブルーチンへ進む。つまり、再遊技役が成立した次の遊技では、メダルを新たに投入したり、クレジットしたメダルを消費することなく、再び遊技を行うことができる。また、再遊技におけるベット数は、RAM110に記憶されている、前回の遊技で投入されたベット数、つまり、役抽選処理によって再遊技役が当選したときの遊技のベット数が用いられる。次に、CPU106は、ステップS24の役抽選処理サブルーチンを実行し、当該サブルーチンを実行した結果、何らかの役に当選した場合は、RAM110に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、当選した役の当選フラグをオンにする。この役抽選処理サブルーチンの詳細については、図10のフローチャートを用いて後述する。
【0065】
次にCPU106は、ステップS24における役抽選の結果に基づいて、リール40L,40C,40Rを回転させてから停止させる、リールの動きを制御するためのリール変動、停止サブルーチンを実行する(ステップS28)。このリール変動、停止サブルーチンの詳細については、図11〜図14のフローチャートを用いて後述する。次にCPU106は、ステップS28においてリール変動、停止サブルーチンを実行したことにより、リール40L,40C,40Rが停止した後、何らかの役が成立したか否かを判定し、その判定結果に応じて、遊技状態の移行処理を行う入賞判定処理サブルーチンを実行する(ステップS30)。このサブルーチンの詳細については、図16〜図19のフローチャートを用いて後述する。そして、CPU106は、ステップS30で入賞判定処理サブルーチンを実行した後、小役または役物が入賞した場合は、その小役または役物に対応する枚数のメダルを払い出す払い出し処理(ステップS32)を行う。この払い出し処理は、実際にメダルをメダル払出口60から払い出すことも可能であるし、払い出すメダルの枚数をRAM110に記憶されているクレジット数に加算して、クレジットすることも可能である。以上の制御処理によって1回分の遊技が終了し、CPU106は再びステップS12の処理へ戻る。このように、メインルーチンに示される制御処理を繰り返すことにより、遊技者は継続して遊技を行うことができる。
【0066】
<役抽選処理サブルーチンの説明>
次に、メインルーチンのステップS24で行われる役抽選処理サブルーチンについて、図10に示すフローチャートを用いながら詳細に説明する。
まず、CPU106は、スタートスイッチ36からリール回転開始信号を受信したか否かを判断する(ステップS40)。リール回転開始信号を受信していない(NO)と判断した場合は、再度ステップS40の判断を行い、リール回転開始信号を受信するまでこれを繰り返す。そして、リール回転開始信号を受信すると、CPU106は、RAM110に記憶されている遊技状態情報を参照し、現在の遊技状態がBB遊技中であるか否かを判断する(ステップS42)。BB遊技中である(YES)と判別したときには、ROM108に記憶されているBB遊技用役抽選テーブル(図6(b)参照)を読み出す(ステップS44)。また、ステップS42において、現在の遊技状態がBB遊技中ではない(NO)と判断したときには、次にCPU106は、現在の遊技状態が一般遊技中であるか否かを判断する(ステップS46)。そして、一般遊技中である(YES)と判断した場合、CPU106は、ROM108に記憶されている一般遊技用役抽選テーブル(図6(a)参照)を読み出す(ステップS48)。さらに、ステップS46において、現在の遊技状態が一般遊技中ではない(NO)と判断した場合、すなわち、一般遊技におけるMB遊技中またはBB遊技におけるMB遊技中であった場合は、CPU106は、RAM110に記憶された各種当選フラグのうち、役物に対応する当選フラグをオンにして(ステップS50)、役抽選処理サブルーチンを終了する。この当選フラグは、後述する役抽選により、いずれの役が当選したか否かを示すものであり、オンになっている当選フラグに対応する役が、役抽選により当選した役であることを意味する。
【0067】
このように、CPU106は、現在の遊技状態に応じた役抽選テーブルをROM108から読み出し、当該読み出した役抽選テーブルに基づいて役抽選を行う。また、前述したように、BB遊技用役抽選テーブルにおけるMB役の当選確率は、一般遊技用役抽選テーブルにおけるMB役の当選確率よりも高確率になっている。すなわち、ステップS42〜S48の処理によって、役抽選における役の当選確率が変動することから、ステップS42〜S48の処理は、図5に示した役抽選確率変動手段440に相当する。
【0068】
上述したステップS44またはS48の処理により、CPU106が、ROM108から現在の遊技状態に応じた役抽選テーブルを読み出すと、次にCPU106は、乱数発生器112で発生した乱数を取得し、読み出した役抽選テーブルと照らし合わせて何れかの役に当選したか、または、ハズレたかの判定を行う(ステップS52)。ここで、ステップS52の処理は、図5に示した乱数抽出手段412および乱数判定手段414に相当するものである。
【0069】
そして、ステップS52における判定の結果、まず、CPU106は、小役1、小役2、または、小役3のいずれかに当選したか否かを判断する(ステップS54)。ここで、現在の遊技状態が一般遊技中になっていた場合は、小役1a〜1tのいずれか、小役2a、または、小役3に当選したか否かが判断される。また、現在の遊技状態がBB遊技中になっていた場合は、小役1a〜1h、小役2a、または、小役3の何れかに当選したか否かが判断される。そして、いずれかの小役に当選した(YES)と判断した場合、CPU106は、RAM110に記憶されている、当選したと判断した小役に対応する当選フラグをオンに設定する(ステップS56)。このとき、現在の遊技状態が一般遊技中である場合は、小役1のいずれかに当選した場合、同時に複数の小役1に当選することとなり(図6(a)の役抽選テーブル中、抽選結果番号5〜10参照)、当選した小役1の各々に対応する当選フラグがすべてオンにされる。
【0070】
次にCPU106は、一般遊技中において複数の小役1が同時に当選したか否かを判断する(ステップS58)。そして、複数の小役1が同時当選した(YES)と判断した場合は、抽選結果番号(抽選結果番号5〜10のいずれか)に対応するリール停止制御情報(図8参照)を、ROM108から読み出してRAM110に記憶する(ステップS60)。また、CPU106は、抽選結果番号と、該抽選結果番号に対応する役の図柄組合せ(図7参照)を示す制御図柄データとを、ROM108から読み出してRAM110に記憶する(ステップS62)。例えば、現在の遊技状態が一般遊技であるときに、抽選結果番号5(小役1a〜1h、小役1mおよび小役1q)が当選した場合、CPU106は、ステップS60で、図8に示したリール停止制御情報のうち、抽選結果番号5に関するリール停止制御情報をROM108から読み出して、RAM110の所定の記憶領域に記憶し、さらにステップS62で、抽選結果番号5と、当選した各小役1に対応する図柄組合せを示す制御図柄データとをRAM110に記憶する。そして、これらの情報に基づいて図11〜図14に示すリール変動、停止制御処理を行い、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、操作順序1または2で操作された場合(換言すると最初に左ストップスイッチ37Lが操作された場合)は、小役1a〜1hのいずれかを入賞させる。また、それ以外の操作順序(最初に中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37Rが操作された場合)は、最初に操作されたストップスイッチの種類と、2番目、3番目に操作されたストップスイッチの操作タイミングに応じて、小役1mまたは小役1qを入賞させる。この場合、2番目、3番目に操作されたストップスイッチの操作タイミングによって、取りこぼしが生じ得ることは、前述したとおりである。
【0071】
また、ステップS58において、CPU106が小役2または小役3に当選したと判断した場合、または、BB遊技において、小役1a〜1hが当選したと判断した場合は、判断結果がNOとなって、そのままステップS62へ進み、抽選結果番号および制御図柄データをRAM110に記憶する。
【0072】
次に前述したステップS54で、CPU106がいずれの小役にも当選していない(NO)と判断した場合、CPU106は、再遊技役に当選したか否かを判断する(ステップS64)。そして、再遊技役が当選したと判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技役に対応する当選フラグの値をオンにする(ステップS66)。そして、前述したステップS62へ進み、抽選結果番号と、抽選結果番号に対応する制御図柄データ(プラム−プラム−プラム)とをRAM110に記憶する。
【0073】
次に前述したステップS64で、再遊技役に当選していないと判断した(NO)場合、CPU106は、ボーナスフラグを持越し中であるか否かを判断する(ステップS68)。すなわち、RAM110に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、BB役a,bまたはMB役a,b,cに対応する当選フラグがオンになっているか否かを判断する。ボーナスフラグを持越し中であった(YES)場合、CPU106は、前述したステップS62へ進み、現在の遊技状態におけるハズレの抽選結果番号(一般遊技であれば「14」、BB遊技であれば「5」)をRAM110へ記憶する。これにより、例えば一般遊技中に、抽選結果番号14が導出された場合、ストップスイッチ37L,37C,37Rをいかなる操作順序およびタイミングで操作しても、当選フラグがオンになっているBB役またはMB役以外は、何らの役も成立または入賞しないように、リール40L,40C,40Rの停止制御が行われる。このように、後述するステップS70のBB役の当選判断、および、ステップS74のMB役の当選判断を行わずに、役抽選にハズレたときの処理を行うため、ボーナスフラグの持越中に、再度、BB役またはMB役に当選してしまうことがない。
【0074】
一方、ステップS68で、CPU106がボーナスフラグの持越し中ではない(NO)と判断した場合、CPU106は、BB役aまたはBB役bが当選したか否かを判断する(ステップS70)。BB役aまたはBB役bのいずれかに当選した(YES)と判断した場合、CPU106は、RAM110に記憶されている各役に対応した当選フラグのうち、当選した方のBB役に対応した当選フラグをオンにする(ステップS72)。そして、前述したステップS62へ進み、抽選結果番号と、抽選結果番号に対応する制御図柄データとをRAM110に記憶する。
【0075】
また、上述したステップS70でいずれのBB役にも当選していなかった(NO)場合、CPU106は、MB役a、MB役b、または、MB役cに当選したか否かを判断する(ステップS74)。これらMB役のうち、いずれかが当選した(YES)と判断した場合、CPU106は、RAM110に記憶されている各役に対応した当選フラグのうち、当選したMB役に対応する当選フラグをオンにする(ステップS76)。そして、前述したステップS62へ進み、抽選結果番号と、抽選結果番号に対応する制御図柄データとをRAM110に記憶する。なお、上述したステップS74で、CPU106がいずれのMB役にも当選していない(NO)と判断した場合、CPU106は、前述したステップS62へ進み、ステップS68の判断結果がNOとなったときと同様、現在の遊技状態におけるハズレの抽選結果番号をRAM110へ記憶する。
【0076】
上述した各役の当選判定を行った後、ステップS62の処理を行うと、CPU106は、RAM110に記憶されている抽選結果番号、および、RAM110に記憶されていた場合はリール停止制御情報も含め、役抽選情報として、インターフェイス回路102を介して副制御回路200へ送信する(ステップS78)。そして、ステップS78の処理を終えると、図10の役抽選処理サブルーチンの処理を終了する。なお、上述した役抽選情報を副制御回路200が受信すると、受信した役抽選情報から抽選結果番号およびリール停止制御情報が抽出されて、RAM210に記憶される。
【0077】
<リール変動、停止サブルーチンの説明>
図9に示したメインルーチンにおいて、上述の役抽選処理サブルーチン(ステップS24)が終了すると、次にCPU106は、リール変動、停止サブルーチン(ステップS28)の処理を行う。以下、図11に示すリール変動、停止サブルーチンのフローチャートを用いて詳細な説明を行う。
【0078】
まず、CPU106は、図10のステップS62で記憶した抽選結果番号と制御図柄データを読み出す(ステップS80)。そして、前回の遊技でリール40L,40C,40Rが回転を開始してから、予め定められた最短時間(たとえば4.1秒間)を経過したか否かを判断する(ステップS82)。もし、最短時間が経過していない(NO)と判断したときには、このステップS82の判断処理を繰り返し実行する。つまり、最短時間が経過するまで次の工程であるリールの回転開始(後述する回胴回転開始)が行われないようになっている。これより、一定時間内に行われる遊技によって消費されるメダルが、所定枚数を越えないような制御を行っている。最短時間が経過した(YES)と判断した場合、CPU106は、リール回転開始信号を図3に示したモータ駆動回路114へ送信する(ステップS84)。この信号に基づいて、モータ駆動回路114は、モータ80L、80C、80Rの駆動を開始し、リール40L、40C、40Rが回転を始める。
【0079】
次に、CPU106は、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する(ステップS86)。リールの回転がまだ定速回転になっていない(NO)と判断したときには、このステップS86の判断処理を繰り返す。つまり、リールの回転が定速回転に達するまでは、次の工程であるリールの停止制御が行われないようになっている。リールの回転が定速回転に達したか否か、即ちリールの停止制御が可能となったか否かは、遊技者に報知される。報知の態様として、ストップスイッチ37L,37C,37Rの発光色を、リールの回転が定速回転に達する前と後とで異ならせることなどが挙げられる。
【0080】
CPU106が、リールの回転が定速回転になっている(YES)と判断した場合、次に、ストップスイッチ37L,37C,37Rから、リール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS88)。このリール停止信号は、ストップスイッチ37L、37C、37Rの各々から、遊技者によって押動操作されたときに発信される。また、CPU106は、リール停止信号を発信したストップスイッチに対応するリールの停止制御を行う。すなわち、左ストップスイッチ37Lからリール停止信号が発信された場合には、左リール40Lを回転させるモータ80Lの停止制御が行われる。同様に、中ストップスイッチ37Cからリール停止信号が発信された場合には、中リール40Cを回転させるモータ80Cの停止制御が行われ、右ストップスイッチ37Rからリール停止信号が発信された場合には、右リール40Rを回転させるモータ80Rの停止制御が行われる。
【0081】
CPU106は、リール停止信号を受信した(YES)と判断した場合、CPU106は、リール停止信号を発信したストップスイッチを示すリール停止情報信号を、副制御回路200へ送信する(ステップS90)。次いでCPU106は、ステップS80でRAM110から読み出した各種情報に基づいて、図柄組合せ制御を行う(ステップS92)。図柄組合せ制御においては、リール停止信号を受信したときに表示窓22に表示されていた図柄位置から、最大4図柄分、リールが回動するまで停止位置をずらすことが可能であり、この範囲内で、1つの有効ラインに沿って、役抽選で当選した役に対応する図柄組合せが揃うようにリールの停止制御を行う。
【0082】
次にCPU106は、すべてのリールを停止させたか否かを判断する(ステップS94)。すべてのリールが停止していない(NO)と判断した場合は、ステップS88へ戻り、再びリール停止信号に応じた図柄組合せ制御を行う。なお、ステップS88において、リール停止信号を受信していない(NO)と判断した場合は、直接ステップS94へ進み、すべてのリールを停止させたか否かを判断する。このように、すべてのリールを停止させるまで、ステップS88〜S94の処理を繰り返し行い、ステップS94で、すべてのリールが停止した(YES)と判断した場合、CPU106は、全リールが停止したことを示す全リール停止信号を副制御回路200へ送信し(ステップS96)、リール変動、停止処理を終了する。
【0083】
なお、上述したステップS92の図柄組合せ制御において、一般遊技中に、役抽選により抽選結果番号5〜10のいずれかが導出された場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて各リールの停止制御の内容を切り替えている。この制御内容について、一般遊技中に役抽選で抽選結果番号5が導出された場合の図柄組合せ制御の内容を例に挙げ、図12〜図14を参照しつつ詳細に説明する。また、以下の説明において、図11、ステップS84の処理により、リール40L,40C,40Rが回転を開始した後、ストップスイッチ37L,37C,37Rに対して最初に行われる操作を第1停止操作、次に行われる操作を第2停止操作、最後に行われる操作を第3停止操作という。
【0084】
(第1停止操作が行われたときの図柄組合せ制御)
まず、図12に示す図柄組合せ制御のフローチャートにおいて、CPU106は、RAM110に記憶されている遊技状態情報を参照し、現在の遊技状態が一般遊技中であるか否かを判断する(ステップS100)。そして、現在の遊技状態が、BB遊技またはMB遊技であった場合(NO)、CPU106は、それぞれの遊技状態において、図10に示した役抽選処理が行われた結果、何らかの役が当選した場合は、その役をストップスイッチが操作されたタイミングに応じて成立させ、ハズレた場合は、何らの役も成立しないように、操作されたストップスイッチに対応するリールについて、図柄組合せ制御を行う(ステップS102)。そして、ステップS102の処理を終えると、図12に示す図柄組合せ制御(すなわち、図11のステップS92の処理)を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。
【0085】
一方、ステップS100で、一般遊技中であると判断した場合(YES)は、CPU106は、RAM110に記憶されている各役の当選フラグのオン/オフ状態に基づいて、上述した役抽選処理によって導出された抽選結果番号が5〜10のいずれかであるか否か(すなわち、小役1に当選したか否か)を判断する(ステップS104)。ここで、小役1以外の役が当選した場合、または、ハズレだった場合(NO)は、ステップS102の処理へ移行して、それぞれの抽選結果に応じて図柄組合せ制御を行った後、図11のステップS94の判断処理へ移行する。ステップS104の判断処理において、小役1が当選したと判断した場合(YES)、次にCPU106は、抽選結果番号5が導出されたか否かを判断する(ステップS106)。抽選結果番号6〜10が導出されていた場合(NO)、CPU106は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序および操作タイミングに応じて、それぞれの抽選結果番号に対応する図柄組合せ(図7(b)および図8参照)が成立するような図柄組合せ制御を行う(ステップS108)。そして、CPU106は、図12に示す図柄組合せ制御を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。
【0086】
これに対して、ステップS106の判断処理において、抽選結果番号5が導出されたと判断した場合(YES)は、CPU106は、受信したリール停止信号が第1停止操作であるか否かを判断する(ステップS110)。そして、CPU106が、第2停止操作または第3停止操作であると判断した場合(NO)は、後述する図13に示すフローチャートの処理へ移行する。これに対して、第1停止操作であると判断した場合(YES)、CPU106は、受信したリール停止信号が左ストップスイッチ37Lから発信されたものであるか否かを判断する(ステップS112)。左ストップスイッチ37Lから発信されたものであると判断した場合(YES)、CPU106は、役抽選で導出された抽選結果番号5に対応付けられている目押し不要役および目押し必要役のうち、目押し不要役(図7(b)に示した小役1a〜小役1hの図柄組合せうち、いずれかの図柄組合せ)を優先的に入賞させるためのリール停止制御を、左リール40Lについて行う。すなわち、ROM108に記憶されている各種停止制御テーブルの中から、左リール40Lについて、「ベル1」図柄または「ベル2」図柄を有効ラインL1〜L4のいずれかに停止させるための停止制御テーブルを選択する(ステップS114)。
【0087】
ここで、停止制御テーブルの内容について、図15を参照して説明する。図15の(a)は、左リール40Lにおいて、上段Uまたは下段D(すなわち、有効ラインの位置)に、「ベル1」または「ベル2」図柄を停止させるための停止制御テーブル、(b)は、中リール40Cにおいて、中段M(すなわち、有効ラインの位置)に、「プラム」図柄を停止させるための停止制御テーブル、(c)は、左リール40Lにおいて、上段Uまたは下段D(すなわち、有効ラインの位置)に、「ベル1」図柄を停止させるための停止制御テーブルを示している。
【0088】
本実施形態における停止制御テーブルは、役抽選より導出された抽選結果番号、既に停止表示されている図柄の種類、および、遊技者により操作されたストップスイッチ(換言すると、停止制御対象となるリール)に応じて一意に選択される。すなわち、同一の抽選結果番号が導出され、既に停止表示されている図柄の種類が同一であるときに、同一のリールに関して停止制御を行う場合は、常に同じ停止制御テーブルが選択され、他の要因によって、選択される停止制御テーブルが変わることはない。また、図15に示す停止制御テーブルは、各リールの各図柄番号(図2参照)について、下段Dに位置しているときに対応するストップスイッチが操作された場合、その位置からいくつの図柄分を回動させた後に停止させるか(すなわち、滑りコマ数)を定めたものであり、この滑りコマ数は、0から4のいずれかの値となる。また、上述した「下段Dに位置しているとき」とは、ある図柄について考えた場合、当該図柄の中心位置が中段Mの中央位置を通過してから、当該図柄の中心位置を下段Dの中央に停止させることができる位置に至るまでの間に、位置していることをいう。たとえば、図15(a)に示す停止制御テーブルを用いて左リール40Lの停止制御を行う場合において、図柄番号「8」の図柄(「ベル2」図柄)の中心位置が、中段Mの中央を通過したときに、左ストップスイッチ37Lが操作された場合、左リール40Lを直ちに停止させるのではなく、図柄番号「8」の図柄が下段Dの中央に到達したときに停止させる。このとき、左リール40Lの下段Dには、図柄番号「8」の「ベル2」図柄が停止表示されることになる。
【0089】
図15(a)に示す停止制御テーブルの場合、左リール40Lの図柄番号「20」、「21」、「1」の図柄が下段Dに位置しているときに左ストップスイッチ37Lが操作されると、図柄番号「1」の「ベル1」図柄が下段Dに停止表示されることとなり、図柄番号「2」〜「5」の図柄が下段Dに位置しているときに左ストップスイッチ37Lが操作されると、図柄番号「8」の「ベル2」図柄が上段Uに停止表示されることになる。同様に、図柄番号「6」〜「8」の図柄が下段Dに位置しているときに左ストップスイッチ37Lが操作されると、図柄番号「8」の「ベル2」図柄が下段Dに停止表示され、図柄番号「9」〜「12」の図柄が下段Dに位置しているときに左ストップスイッチ37Lが操作されると、図柄番号「15」の「ベル2」図柄が上段Uに停止表示される。さらに、図柄番号「13」〜「15」の図柄が下段Dに位置しているときに左ストップスイッチ37Lが操作されると、図柄番号「15」の「ベル2」図柄が下段Dに停止表示され、図柄番号「16」〜「19」の図柄が下段Dに位置しているときに左ストップスイッチ37Lが操作されると、図柄番号「1」の「ベル1」図柄が上段Uに停止表示される。
【0090】
このように、図15(a)に示す停止制御テーブルに基づいて左リール40Lの停止制御が行われた場合、「ベル1」または「ベル2」図柄が、上段Uまたは下段Dに必ず停止表示されることになる。よって、上述したステップS114の処理により、CPU106は、図15(a)に示す停止制御テーブルを選択し、これに基づいて左リール40Lの停止制御を行う(ステップS116)。この結果、左リール40Lの上段Uまたは下段Dには、「ベル1」または「ベル2」図柄が停止表示されることになる。そして、ステップS116の処理を終えると、CPU106は、図12の図柄組合せ制御(図11のステップS92の処理)を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。
【0091】
次に、ステップS112の判断処理において、CPU106が、第1停止操作をされたのは左ストップスイッチ37Lではないと判断した場合(NO)、第1停止操作をされたのは中ストップスイッチ37Cであるか否かを判断する(ステップS118)。そして、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作された場合(YES)、CPU106は、役抽選で導出された抽選結果番号5に対応付けられている目押し不要役および目押し必要役のうち、目押し必要役を優先的に入賞させるためのリール停止制御を、中リール40Cについて行う。ここでは、抽選結果番号5が導出され、かつ、第1停止操作時に中ストップスイッチ37Lが操作されたため、操作順序3または4となり(図8参照)、小役1m(ベル1−プラム−ベル1)が成立し得るリール停止制御を行う。すなわち、まずCPU106は、ROM108から、中リール40Cについて、「プラム」図柄を中段Mの位置に停止させる停止制御テーブルを選択する(ステップS120)。
【0092】
上記ステップS120の処理により選択される停止制御テーブルの内容は、図15(b)に示すものとなる。この停止制御テーブルの内容と、図2に示した中リール40Cの図柄配列とから明らかなように、中リール40Cの「プラム」図柄は、遊技者がいかなるタイミングで中ストップスイッチ37Cを操作したとしても、中段M(有効ラインの位置)で停止することになる。このように、小役1a〜1hのいずれの図柄組合せにも使用されておらず、かつ、ストップスイッチが操作されたタイミングに関わらず、有効ラインの位置に停止表示させることができる、「プラム」図柄を停止表示させることで、後述するAT遊技において、目押し不要役を入賞させることができる第1操作時のストップスイッチが報知されたときに、遊技者が誤って異なるストップスイッチを操作してしまった場合、そのことを停止表示された図柄によって知ることができる。
【0093】
そして、CPU106は、ステップS120の処理によって選択した停止制御テーブルに基づき、中ストップスイッチ37Cの操作タイミングに応じて中リール40Cの「プラム」図柄を中段Mに停止表示させる(ステップS122)。ステップS122の処理を終えると、CPU106は、図12の図柄組合せ制御(図11のステップS92の処理)を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。なお、役抽選により、抽選結果番号6(特定のリールが左リール40L)または抽選結果9,10(特定のリールが右リール40R)が導出されたときに、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作された場合も、図15(b)に示す停止制御テーブルが選択されるものとする。
【0094】
さらに、ステップS118の処理において、CPU106が、第1停止操作されたのは、中ストップスイッチ37Cではないと判断した場合、CPU106は、右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたものと判断し(NO)、ROM108から右リール40Rについて、「プラム」図柄を上段Uまたは下段Dに停止させる停止制御テーブルを選択する(ステップS124)。そして、選択した制御テーブルに基づいて、右ストップスイッチ37Rの操作タイミングに応じて右リール40Rの「プラム」図柄を上段Uまたは下段Dに停止表示させる(ステップS126)。CPU106は、ステップS126の処理を終えると、図12の図柄組合せ制御(図11のステップS92の処理)を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。
【0095】
なお、役抽選により、抽選結果6(特定のリールが左リール40L)または抽選結果7,8(特定のリールが中リール40C)が導出されたときに、右ストップスイッチ37Rが第1停止操作された場合も、ステップS124で選択した停止制御テーブルが選択されるものとする。
【0096】
同様に、役抽選により、抽選結果番号7,8(特定のリールが中リール40C)または9,10(特定のリールが右リール40R)が導出されたときに、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作された時に選択される停止制御テーブルは、左リール40Lにおいて、上段Uまたは下段Dに「プラム」図柄を停止させる停止制御テーブルとなるが、いずれの場合も同一の停止制御テーブルが選択されるものとする。このように、役抽選で導出された抽選結果番号が異なる場合でも、各リールにおいて、「プラム」図柄を有効ラインの位置に停止させる場合は、同じ停止制御テーブルを選択することで、停止制御テーブルの種類を減らし、使用するROM108のメモリ容量を節約することができる。
【0097】
(第2停止操作が行われたときの図柄組合せ制御)
次に、図12のステップS110の判断処理において、CPU106が、受信したリール停止信号は第1停止操作でないとを判断した場合(NO)、CPU106は、図13に示す図柄組合せ制御へ移行する。すなわち、CPU106は、受信したリール停止信号が第2停止操作であるか否かを判断し(ステップS128)、第2停止操作ではない(NO)と判断した場合は、後述する図14に示すフローチャートの処理へ移行する。一方、第2停止操作であると判断した場合(YES)、CPU106は、受信したリール停止信号が左ストップスイッチ37Lから発信されたものであるか否かを判断する(ステップS130)。そして、左ストップスイッチ37Lから発信されたものであると判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110に、操作順序が「3」または「5」であることを記憶する(ステップS132)。これは、第2停止操作が左ストップスイッチ37Lの場合、操作順序は「3」(中→左→右)または「5」(右→左→中)となるためである。
【0098】
次いで、CPU106は、ROM108に記憶されている各種停止制御テーブルの中から、左リール40Lについて、「ベル1」図柄を上段Uまたは下段Dの位置に停止させることができる停止制御テーブルを選択する(ステップS134)。これは、役抽選により抽選結果番号5が導出された場合、CPU106は、図8に示したとおり、操作順序が「3」のときに、小役1mが成立し、操作順序が「5」のときには小役1qが成立するように、図柄組合せ制御を行うが、図7(b)に示すように、小役1mおよび小役1qに対応する図柄組合せは、いずれも左リール40Lの図柄が「ベル1」図柄になっているためである。ここで、ステップS134の処理により選択される停止制御テーブルの一例について、図15(c)に示す。この図に示す停止制御テーブルは、左リール40Lにおける図柄番号「1」の「ベル1」図柄を、上段Uまたは下段Dに停止表示させるものであるが、下段Dに図柄番号「2」〜「15」が位置している場合は、「ベル1」図柄を上段Uまたは下段Dに停止表示させることができないようになっている。したがって、この間に左ストップスイッチ37Lの操作が行われた場合は、小役1mまたは小役1qは成立しないことになる(すなわち、取りこぼしとなる)。なお、図柄番号「2」〜「15」に対応する滑りコマ数は、一例を示したものであり、他のリールに対する図柄組合せ制御が行われたときに、何らかの役が成立してしまわないような滑りコマ数が設定されているものとする。
【0099】
ステップS134の処理により、ROM108から「ベル1」図柄を上段Uまたは下段Dに停止させることができる停止制御テーブルを選択すると、CPU106は、選択した停止制御テーブルに基づいて、左ストップスイッチ37Lが操作されたときに、左リール40Lの上段Uまたは下段Dから、リールの回転方向とは逆の方向に向かって4個目までの図柄の中に「ベル1」図柄がある場合は、当該「ベル1」図柄を上段Uまたは下段Dに停止表示させる(ステップS136)。換言すると、左ストップスイッチ37Lが操作されたときに、上述した4個目までの図柄の中に「ベル1」図柄がなかった場合は、「ベル1」図柄以外の図柄が入賞ラインの位置に停止表示され、小役1mまたは小役1qは成立しないことになる。そして、図13の図柄組合せ制御(図11のステップS92の処理)を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。
【0100】
次に、ステップS130の判断処理において、CPU106が、第2停止操作をされたのは左ストップスイッチ37Lではないと判断した場合(NO)、第2停止操作をされたのが中ストップスイッチ37Cであるか否かを判断する(ステップS138)。そして、中ストップスイッチ37Cが第2停止操作されたと判断した場合(YES)、CPU106は、最初に停止(以下、第1停止という)したリールが左リール40Lであったか否かを判断する(ステップS140)。第1停止したリールが左リール40Lであると判断した場合(YES)、CPU106は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序は「1」(左→中→右)であるとみなし、その旨をRAM110に記憶する(ステップS142)。そして、CPU106は、ROM108から、中リール40Cについて、「ベル1」または「ベル2」図柄を中段Mに停止表示させる停止制御テーブルを選択する(ステップS144)。次にCPU106は、ステップS144で選択した停止制御テーブルに基づいて中リール40Cの「ベル1」または「ベル2」図柄を中段Mに停止表示させ(ステップS146)、図13の図柄組合せ制御(図11のステップS92の処理)を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。
【0101】
一方、ステップS140で、CPU106が、第1停止したリールは左リール40Lでない(すなわち、右リール40R)と判断した場合(NO)は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序が「6」(右→中→左)であるとみなし、その旨をRAM110に記憶する(ステップS148)。そして、CPU106は、ROM108から、中リール40Cについて、「ベル1」図柄を、中ストップスイッチ37Cの操作タイミングによっては中段Mに停止させることができる停止制御テーブルを選択する(ステップS150)。次いでCPU106は、ステップS146の処理へ移行し、ステップS150で選択した停止制御テーブルに基づき、中リール40Cの「ベル1」図柄を中段Mで停止させることができるタイミングで中ストップスイッチ37Cが操作された場合は、「ベル1」図柄を中段Mに停止表示させる。そして、中リール40Cを停止させると、CPU106は、図13の図柄組合せ制御(図11のステップS92の処理)を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。
【0102】
さて、前述したステップS138において、第2停止操作をされたのは中ストップスイッチ37Cではないと判断した場合(NO)、CPU106は、右ストップスイッチ37Rが第2停止操作されたものとみなし、第1停止したリールが左リール40Lであったか否かを判断する(ステップS152)。第1停止したリールが左リール40Lであると判断した場合(YES)、CPU106は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序は「2」(左→右→中)であるとみなし、その旨をRAM110に記憶する(ステップS154)。そして、CPU106は、ROM108から、右リール40Rについて、「ベル1」または「ベル2」図柄を上段Uまたは下段Dに停止表示させる停止制御テーブルを選択する(ステップS156)。次にCPU106は、ステップS156で選択した停止制御テーブルに基づいて右リール40Rの「ベル1」または「ベル2」図柄を上段Uまたは下段Dに停止表示させ(ステップS158)、図13の図柄組合せ制御(図11のステップS92の処理)を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。
【0103】
一方、ステップS152で、CPU106が、第1停止したリールは左リール40Lでない(すなわち、中リール40C)と判断した場合(NO)は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序が「4」(中→右→左)であるとみなし、その旨をRAM110に記憶する(ステップS160)。そして、CPU106は、ROM108から、右リール40Rについて、「ベル1」図柄を、右ストップスイッチ37Rの操作タイミングによっては上段Uまたは下段Dに停止させることができる停止制御テーブルを選択する(ステップS162)。次いでCPU106は、ステップS158の処理へ移行し、ステップS162で選択した停止制御テーブルに基づき、右リール40Rの「ベル1」図柄を上段Uまたは下段Dで停止させることができるタイミングで右ストップスイッチ37Rが操作された場合は、「ベル1」図柄を上段Uまたは下段Dに停止表示させる。そして、CPU106は、図13の図柄組合せ制御(図11のステップS92の処理)を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。
【0104】
(第3停止操作が行われたときの図柄組合せ制御)
次に、図13のステップS128の判断処理において、受信したリール停止信号が第2停止操作でないと判断した場合(NO)、CPU106は、第3停止操作が行われたものとみなし、図14に示す図柄組合せ制御へ移行する。まず、CPU106は、受信したリール停止信号が左ストップスイッチ37Lから発信されたものであるか否かを判断する(ステップS164)。左ストップスイッチ37Lから発信されたものであると判断した場合(YES)は、第3停止操作が左ストップスイッチ37Lに対して行われたことから、操作順序は「4」(中→右→左)または「6」(右→中→左)となる。すなわち、成立し得る小役1は、小役1mまたは小役1qであり、これらの図柄組合せにおける左リール40Lの図柄はいずれも「ベル1」図柄となる(図7(b)参照)。よって、CPU106は、ROM108から、左リール40Lについて、「ベル1」図柄を、左ストップスイッチ37Lの操作タイミングによっては上段Uまたは下段Dに停止させることができる停止制御テーブルを選択する(ステップS166)。ただし、既に停止している2つのリールの、有効ラインの位置における図柄組合せが、小役1mまたは小役1qの図柄組合せと一致していない場合(すなわち、第2停止操作の段階で、小役1mまたは小役1qの取りこぼしが確定していた場合)は、左リール40Lについて、「ベル1」図柄以外の図柄を、有効ラインの位置に停止させる停止制御テーブルを選択するようにしてもよい。
【0105】
次いでCPU106は、ステップS166で選択した停止制御テーブルに基づき、すでに停止している2つのリールについて、有効ラインの位置に停止表示されている図柄組合せが、小役1mまたは小役1qの図柄組合せと一致していた場合は、左ストップスイッチ37Lが操作されたときに、左リール40Lの上段Uまたは下段Dから、リールの回転方向とは逆の方向に向かって4個目までの図柄の中に「ベル1」図柄があれば、「ベル1」図柄を上段Uまたは下段Dに停止表示させる(ステップS168)。そして、CPU106は、図14の図柄組合せ制御(図11のステップS92の処理)を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。この場合、全てのリールが停止したことにより、ステップS94の判断結果がYESとなって、ステップS96の処理へ移行する。
【0106】
次に、ステップS164の判断処理において、CPU106が、第3停止操作をされたのは左ストップスイッチ37Lではないと判断した場合(NO)、第3停止操作をされたのは中ストップスイッチ37Cであるか否かを判断する(ステップS170)。そして、中ストップスイッチ37Cが第3停止操作されたと判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている操作順序が「2」であるか否かを判断する(ステップS172)。操作順序が「2」であった場合(YES)、CPU106は、ROM108から、中リール40Cについて、「ベル1」または「ベル2」図柄を中段Mに停止表示させる停止制御テーブルを選択する(ステップS174)。次にCPU106は、ステップS174で選択した停止制御テーブルに基づいて中リール40Cの「ベル1」または「ベル2」図柄を中段Mに停止表示させ(ステップS176)、図14の図柄組合せ制御(図11のステップS92の処理)を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。
【0107】
一方、ステップS172で、CPU106が、操作順序が「2」でないと判断した場合(NO)は、操作順序を「5」(右→左→中)とみなし、ROM108から、中リール40Cについて、「ベル1」図柄を、中ストップスイッチ37Cの操作タイミングによっては中段Mに停止表示させることができる停止制御テーブルを選択する(ステップS178)。次いでCPU106は、ステップS176の処理へ移行し、ステップS178で選択した停止制御テーブルに基づき、中リール40Cの「ベル1」図柄を中段Mで停止させることができるタイミングで中ストップスイッチ37Cが操作された場合は、「ベル1」図柄を中段Mに停止表示させる。中リール40Cを停止させると、CPU106は、図14の図柄組合せ制御(図11のステップS92の処理)を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。
【0108】
さらに、前述したステップS170において、第3停止操作をされたのは中ストップスイッチ37Cではないと判断した場合(NO)、CPU106は、右ストップスイッチ37Rが第3停止操作されたものとみなし、RAM110に記憶されている操作順序が「1」であるか否かを判断する(ステップS180)。操作順序が「1」であった場合(YES)、CPU106は、ROM108から、右リール40Rについて、「ベル1」または「ベル2」図柄を上段Uまたは下段Dに停止表示させる停止制御テーブルを選択する(ステップS182)。次にCPU106は、ステップS182で選択した停止制御テーブルに基づいて右リール40Rの「ベル1」または「ベル2」図柄を上段Uまたは下段Dに停止表示させ(ステップS184)、図14の図柄組合せ制御(図11のステップS92の処理)を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。
【0109】
一方、ステップS180で、CPU106が、操作順序が「1」でないと判断した場合(NO)は、操作順序を「3」(中→左→右)とみなし、ROM108から、中リール40Cについて、「ベル1」図柄を、右ストップスイッチ37Rの操作タイミングによっては上段Uまたは下段Dに停止表示させることができる停止制御テーブルを選択する(ステップS186)。次いでCPU106は、ステップS184の処理へ移行し、ステップS186で選択した停止制御テーブルに基づき、右リール40Rの「ベル1」図柄を上段Uまたは下段Dで停止させることができるタイミングで右ストップスイッチ37Rが操作された場合は、「ベル1」図柄を上段Uまたは下段Dに停止表示させる。右リール40Rを停止させると、CPU106は、図14の図柄組合せ制御(図11のステップS92の処理)を終了し、図11のステップS94の判断処理へ移行する。
【0110】
以上のように、CPU106は、役抽選により抽選結果番号5が導出された場合、ストップスイッチ37L,37C,37Rからリール停止信号を受信するごとに(図11、ステップS88,YES)、図11のステップS92において、図12〜図14示す図柄組合せ制御を行い、リール40L,40C,40Rをすべて停止させると、図11のステップS94における判断結果がYESとなり、ステップS96で全リールが停止したことを示す全リール停止信号を副制御回路200へ送信した後、図11のリール変動、停止処理を終了し、図9に示したメインルーチンのステップS30(入賞判定処理サブルーチン)へ移行する。
【0111】
なお、役抽選により抽選結果番号6〜10のいずれかが導出された場合も、各々の場合について、図12のステップS110から図14と同様の処理を行い、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序、および、操作タイミングに応じて、図8に示した目押し不要役または目押し必要役を成立させるための図柄組合せ制御を行う。
【0112】
<入賞判定処理サブルーチンの説明>
図9のメインルーチンにおいて、上述したリール変動、停止サブルーチン(ステップS28)が終了すると、次に、CPU106は、入賞判定処理サブルーチン(ステップS30)を行う。以下、図16に示す入賞判定処理サブルーチンのフローチャートを用いての詳細な説明を行う。
【0113】
まず、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報を参照し、現在の遊技状態がMB遊技中であるか否かを判断する(ステップS190)。MB遊技中であると判断した場合(YES)、CPU106は、後述するMB遊技中処理サブルーチン(ステップS192)を実行する。そして、CPU106は、RAM110に記憶されているゲーム回数GCNTの値が0になっているか否かを判断する(ステップS194)。このゲーム回数GCNTの初期値は12であり、BB遊技または一般遊技において、MB役が成立した場合、CPU106により当該初期値がRAM110にセットされる。ステップS194の判断において、CPU106が、RAM110に記憶されているゲーム回数GCNTの値が0になったと判断した場合(YES)、RAM110に記憶されている現在の遊技状態情報を、「一般遊技」に更新した後(ステップS196)、当該遊技状態情報、MB遊技において役物が成立したか否かを示す役成立情報、および、MB遊技中処理サブルーチンにおいて、役物が入賞したと判断した場合、その払出枚数を示す払出枚数情報(後述する「払出枚数カウント」の値。以下同様)を、まとめて遊技結果情報として副制御回路200へ送信し(ステップS198)、図16の入賞判定処理ルーチンを終了する。なお、副制御回路200が、上述した遊技結果情報を受信すると、CPU206は、それらの情報をRAM210の所定の記憶領域に記憶し、各々の情報に基づいた演出を実行する。
【0114】
上述したステップS194において、CPU106が、ゲーム回数GCNTの値が0になっていないと判断した場合(NO)、CPU106は、RAM110に記憶されている入賞回数WCNTの値が0になっているか否かを判断する(ステップS200)。この入賞回数WCNTの初期値は8であり、BB遊技中または一般遊技中に、MB役が成立した場合、CPU106により当該初期値がRAM110にセットされる。そして、CPU106が、入賞回数WCNTの値が0になったと判断した場合(YES)、上述したステップS196の処理へ移行し、RAM110に記憶されている遊技状態情報を、「一般遊技」に更新する。そして、ステップS198の処理へ移行し、更新した遊技状態情報を、前述した役成立情報および払出枚数情報とともに遊技結果情報として副制御回路200へ送信し、図16の入賞判定処理ルーチンを終了する。
【0115】
ステップS190の判断処理で、現在の遊技状態がMB遊技中ではないと判断した場合(NO)、CPU106は、BB遊技中であるか否かの判断を行う(ステップS202)。BB遊技中であると判断した場合(YES)、CPU106は、後述するBB遊技中処理サブルーチンを実行する(ステップS204)。そして、CPU106は、ステップS198の処理へ移行し、BB遊技において成立した役の種類、または、ハズレた場合はその旨を示す役成立情報、BB遊技で小役が入賞した場合における払出枚数を示す払出枚数情報、および、遊技状態情報を、遊技結果情報として副制御回路200へ送信し、図16の入賞判定処理ルーチンを終了する。
【0116】
また、ステップS202の判断処理で、現在の遊技状態がBB遊技中ではないと判断した場合(NO)、CPU106は、現在、一般遊技中であるとみなし、RAM110に記憶されている各役の当選フラグを参照し、役抽選で当選した役(以下、当選役という)があるか否かを判断する(ステップS206)。そして、当選役があると判断した場合(YES)、CPU106は、後述する役当選時処理サブルーチン(ステップS208)を実行する。この役当選時処理サブルーチンが終了した場合、または、ステップS206の判断処理で当選役がない(役抽選でハズレになった)と判断した場合は、上述したステップS198の処理を行った後、図16の入賞判定処理サブルーチンを終了する。そして、CPU106は、図11のステップS32の払い出し処理を行う。
【0117】
<MB遊技中処理サブルーチンの説明>
次に、図16に示した入賞判定処理サブルーチンのステップS190の判断で、MB遊技中であると判断したときに実施するMB遊技中処理サブルーチン(図16、ステップS192)の詳細な内容について、図17に示すフローチャートを用いて説明する。まず、CPU106は、RAM110に記憶されているMB遊技のゲーム回数GCNTの値を「1」減算する(ステップS210)。次に、CPU106は、ROM108に記憶されている図7(a)に示した配当情報に基づいて、図11に示したリール変動、停止サブルーチンによってリール40L,40C,40Rが停止した結果、有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せのうち、役物に対応する図柄組合せ(プラム−プラム−プラム)が揃っているか否かの入賞図柄判定を行う(ステップS212)。そして、役物が入賞したか否かを判断し(ステップS214)、入賞したと判断した場合(YES)、CPU106は、上述した配当情報に基づいて役物に対応するメダルの枚数を読み出し、図9に示したメインルーチンのステップS32で行う払い出し処理によって払い出すメダルの枚数として、RAM110の所定の記憶領域(「払出枚数カウント」)に記憶されていた値を更新する(ステップS216)。
【0118】
次に、CPU106は、RAM110に記憶されている役物当選フラグをオフにして(ステップS218)、RAM110に記憶されている入賞回数WCNTの値を1減算する(ステップS220)。この入賞回数WCNTの初期値は8であり、後述する図19の役当選時処理サブルーチンにおいてRAM110にセットされる。そして、CPU106は、図17に示すMB遊技中処理サブルーチンを終了し、図16に示した入賞判定処理サブルーチンのステップS194の処理へ移行する。また、上述したステップS214の判断処理において、役物が入賞しなかったと判断した場合(NO)、CPU106は、RAM110に記憶されている払出枚数カウントの値を0にして(ステップS222)、図17に示すMB遊技中処理サブルーチンを終了し、図16に示した入賞判定処理サブルーチンのステップS194の処理へ移行する。
【0119】
<BB遊技中処理サブルーチンの説明>
次に、図16に示した入賞判定処理サブルーチンのステップS202の判断で、BB遊技中である(YES)と判断したときに実施するBB遊技中処理サブルーチン(図16、ステップS204)の詳細な内容について、図18に示すフローチャートを用いて説明する。まず、CPU106は、ROM108に記憶されている図7(a)に示した配当情報に基づいて、図11に示したリール変動、停止サブルーチンによってリール40L,40C,40Rが停止した結果、有効ライン上に沿って停止表示された図柄組合せのうち、何らかの役に対応する図柄組合せが揃っているか否かの入賞図柄判定を行う(ステップS224)。そして、CPU106は、現在の遊技状態がBB遊技中のMB遊技であるか否かを判断する(ステップS226)。
【0120】
CPU106が、現在の遊技状態がBB遊技中のMB遊技でないと判断した場合(NO)は、ステップS224で行った入賞図柄判定で、MB役c(プラム−プラム−プラム)が成立したか否かを判断する(ステップS228)。MB役cが成立したと判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている当選フラグのうち、MB役cの当選フラグをオフにして(ステップS230)、現在の遊技状態をBB遊技中のMB遊技に更新する(ステップS232)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されているゲーム回数GCNTの値を12、入賞回数WCNTの値を8とし(ステップS234)、RAM110に記憶されている払出枚数カウントの値を0にクリアする(ステップS236)。
【0121】
次いでCPU106は、BB遊技の終了条件が満たされたか否かを判断する(ステップS238)。ここで、BB遊技中に払い出されたメダルの枚数が465に達した場合、BB遊技の終了条件が満たされたことになる。BB遊技の終了条件が満たされたと判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を一般遊技に更新し(ステップS240)、図18のBB遊技中処理サブルーチンを終了する。これに対して、ステップS238における判断処理で、BB遊技の終了条件が満たされていないと判断した場合(NO)、CPU106は、ステップS240の処理を行わずに図18のBB遊技中処理サブルーチンを終了する。
【0122】
また、上述したステップS228の判断処理において、MB役cが成立していないと判断した場合(NO)、CPU106は、ステップS224の入賞図柄判定の結果、小役1a〜1h、小役2、または、小役3のいずれかが入賞したか否かを判断する(ステップS242)。入賞したと判断した場合(YES)、CPU106は、図7(a)に示した配当情報に基づいて入賞した小役に対応するメダルの枚数を読み出し、前述したRAM110に記憶されている払出枚数カウントの値として更新する(ステップS244)。次にCPU106は、RAM110に記憶されている、BB遊技中に払い出したメダルの総数(BB中払出枚数カウント)の値に、上記払出カウントの値を加算する(ステップS246)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されている各役に対応する当選フラグをオフにして(ステップS248)、上述したステップS238へ進み、BB遊技の終了条件が満たされたか否かの判断をする。CPU106が、BB遊技の終了条件が満たされたと判断した場合は、ステップS240の処理により、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を一般遊技に更新し、満たされていないと判断した場合は、そのまま図18のBB遊技中処理サブルーチンを終了する。
【0123】
上述したステップS226の判断処理において、CPU106が、現在の遊技状態がBB遊技中のMB遊技であると判断した場合(YES)、図17で示したMB遊技中処理サブルーチンを実行する(ステップS252)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されているゲーム回数GCNTの値が0になっているか否かを判断する(ステップS254)。CPU106が、ゲーム回数GCNTの値が0になった(YES)と判断した場合、RAM110に記憶されている現在の遊技状態の情報を、「BB遊技」に更新した後(ステップS256)、上述したステップS238へ進み、BB遊技の終了条件が満たされたか否かの判断をする。CPU106が、BB遊技の終了条件が満たされたと判断した場合は、ステップS240の処理により、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を一般遊技に更新し、満たされていないと判断した場合は、そのまま図18のBB遊技中処理サブルーチンを終了する。
【0124】
これに対して、ステップS254の判断処理で、ゲーム回数GCNTの値が0になっていない(NO)と判断した場合は、次にCPU106は、RAM110に記憶されている入賞回数WCNTの値が0になったか否かを判断する(ステップS258)。そして、入賞回数WCNTの値が0になった(YES)と判断した場合、CPU106はステップS256へ進み、RAM110に記憶されている現在の遊技状態の情報を、「BB遊技」に更新した後、上述したステップS238へ進み、BB遊技の終了条件が満たされたか否かの判断をする。CPU106が、BB遊技の終了条件が満たされたと判断した場合は、ステップS240の処理により、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を一般遊技に更新し、満たされていないと判断した場合は、そのまま図18のBB遊技中処理サブルーチンを終了する。これに対して、入賞回数WCNTの値が0になっていない(ステップS258,NO)と判断した場合、CPU106は、そのままステップS238の判断処理を行い、その判断結果に応じてステップS240を行った後、図18のBB遊技中処理サブルーチンを終了する。
【0125】
なお、RAM110に記憶されているBB中払出枚数カウントの値が465を超えた場合、CPU106は、上述したステップS244の処理によって更新した払出枚数カウントの値から、当該465を超えた数だけ減算し、BB遊技中に払い出されるメダルの枚数が465を超えないようにしてもよい。
【0126】
<役当選時処理サブルーチンの説明>
次に、図16の入賞判定処理サブルーチンのステップS206の判断で、役抽選で何らかの役に当選したと判断したときに実施する役当選時処理サブルーチン(図16、ステップS208)の詳細な内容について、図19に示すフローチャートを用いて説明する。まず、CPU106は、ROM108に記憶されている図7に示した配当情報に基づいて、図11に示したリール変動、停止サブルーチンによってリール40L,40C,40Rが停止した結果、有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せのうち、何らかの役に対応する図柄組合せが揃っているか否かの入賞図柄判定を行う(ステップS260)。
【0127】
ステップS260の入賞図柄判定を行った後、CPU106は、再遊技役が成立したか否かを判断する(ステップS262)。再遊技役が成立した(YES)と判断した場合、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技成立フラグをオンにする(ステップS264)。そして、RAM110に記憶されている払出枚数カウントの値を0にした後(ステップS266)、さらに、RAM110に記憶されている当選フラグのうち、オンになっている小役当選フラグまたは再遊技役当選フラグをオフにして(ステップS268)、役当選時処理サブルーチンの実行を終了する。ここで、いずれかのBB役またはRB役の当選フラグがオンになっていた(すなわちボーナスフラグ持越し中)場合、それらの当選フラグはオフにされない。
【0128】
次に、上述したステップS262の判断で、CPU106が、再遊技役が成立していない(NO)と判断した場合、CPU106は、いずれかの小役が入賞したか否を判断する(ステップS270)。CPU106が、いずれかの小役が入賞した(YES)と判断した場合は、図7に示した配当情報に基づいて入賞した小役に対応するメダルの払い出し枚数を読み出し、図9に示したメインルーチンのステップS32で行う払い出し処理によって払い出すメダルの枚数として、RAM110に記憶された払出枚数カウントの値を更新する(ステップS272)。前述したように、この処理によって記憶された値は、図16に示した入賞判定処理サブルーチンのステップS198において、払出枚数情報として副制御回路200へ送信される。そして、前述したステップS268へ進み、RAM110に記憶されている当選フラグのうち、オンになっている小役の当選フラグをすべてオフにして、図19の役当選時処理サブルーチンを終了する。
【0129】
次に、上述したステップS270の判断で、CPU106が、いずれの小役も成立していない(NO)と判断した場合は、次にCPU106は、MB役が成立したか否かを判断する(ステップS274)。MB役が成立した(YES)と判断した場合、CPU106は、RAM110に記憶されているRB役aまたはRB役bに対応する当選フラグのうち、オンになっている当選フラグをオフにする(ステップS276)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されている遊技状態をMB遊技にし(ステップS278)、RAM110に記憶されているゲーム回数GCNTおよび入賞回数WCNTの値を、それぞれ、12および8にして各値の初期値を設定する(ステップS280)。そして、RAM110に記憶されている払出枚数カウントの値を0にした後(ステップS282)、ステップS268の処理へ進み、RAM110に記憶されている当選フラグのうち、オンになっている小役の当選フラグをすべてオフにして、図19の役当選時処理サブルーチンを終了する。
【0130】
前述したステップS274の判断で、MB役が成立していない(NO)と判断した場合、CPU106は、BB役が成立したか否かを判断する(ステップS284)。BB役が成立した(YES)と判断した場合、CPU106は、RAM110に記憶されているBB役aまたはBB役bに対応する当選フラグのうち、オンになっている当選フラグをオフにする(ステップS286)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されているBB中払出枚数カウントの値(BB遊技中に払い出されたメダルの総数)を0にクリアして(ステップS288)、RAM110に記憶されている遊技状態をBB遊技に更新する(ステップS290)。その後、ステップS282へ進んで、RAM110に記憶されている払出枚数カウントの値を0にし、さらに、ステップS268の処理へ進み、RAM110に記憶されている当選フラグのうち、オンになっている小役の当選フラグをすべてオフにして、図19の役当選時処理サブルーチンを終了する。
【0131】
なお、上述したステップS284で、CPU106が、BB役が成立しなかった(NO)と判断した場合(遊技結果がハズレだった場合)は、直接、ステップS288へ進んで、RAM110に記憶されている当選フラグのうち、オンになっている小役の当選フラグをすべてオフにして、図19の役当選時処理サブルーチンを終了する。
【0132】
[副制御回路における制御処理の説明]
次に、副制御回路200により、特に、予め定められた報知開始条件の成立後、主制御回路100で行われた役抽選において小役1が当選した場合(抽選結果番号5〜10のいずれかが導出された場合)に行われる、報知制御処理の内容について、図20から図23に示すフローチャートを用いて行う。なお、上述した報知制御処理によって報知される態様には、以下に説明する第1から第3の報知態様があり、これらの報知態様のうち、予め定めた1つの報知態様を行っても良いし、切替条件を適宜定めて報知態様を切り替えて実施してもよい。ここで、図20は、上記第1の報知態様において、副制御回路200が主制御回路100から役抽選情報(図10,ステップS78参照)を受信した場合における処理の流れを示している。図21は、上記第1の報知態様において、副制御回路200が主制御回路100からリール停止情報(図11,ステップS90参照)を受信した場合における処理の流れを示している。図22は、上記第1の報知態様において、副制御回路200が主制御回路100から遊技結果情報(図16,ステップS198参照)を受信した場合における処理の流れを示している。さらに、図23は、上記第3の報知態様において、副制御回路200が主制御回路100から遊技結果情報を受信した場合における処理の流れを示している。なお、詳しい説明は省略するが、副制御回路200は、これらの処理以外にも各種演出に関連する制御処理などを行っている。
【0133】
≪第1の報知態様≫
<役抽選情報を受信した場合の処理>
まず、図20を参照して、副制御回路200が主制御回路100から役抽選情報を受信したときの処理の流れについて説明する。まず、CPU206(図4参照)は、主制御回路100から送信された役抽選情報を受信したか否かを判断する(ステップS300)。そして、役抽選情報を受信したと判断した場合(YES)、CPU206は、受信した役抽選情報から抽選結果番号を抽出し、RAM210に記憶する(ステップS302)。次にCPU206は、RAM210に記憶された抽選結果番号が、5から10のいずれかであるか否かを判断する(ステップS304)。抽選結果番号が5から10のいずれでもない場合(NO)、CPU206は、図20の報知制御処理を終了し、他の処理へ移行する。一方、抽選結果番号が5から10のいずれかであった場合(YES)、CPU206は、その抽選結果番号に対応する正解ストップスイッチの種類を判断する(ステップS306)。ここで、正解ストップスイッチとは、小役1a〜1hが成立することとなる、第1停止操作時のストップスイッチの種類(左ストップスイッチ37L/中ストップスイッチ37C/右ストップスイッチ37R)を示すものである。この判断は、例えば、ROM208に予め図24(a)に示す、各抽選結果番号に正解ストップスイッチを対応付けた判断用テーブルを記憶しておき、この判断用テーブルを参照することで行う。
【0134】
次に、CPU206は、RAM210に記憶されている変数STの値を0にする(ステップS308)。ここで、変数STは、次に説明する図21のリール停止情報を受信したときの報知制御処理において、操作されたストップスイッチが何番目に操作されたものであるかを、その値によって示している。そして、CPU206は、RAM210に記憶されている正解報知フラグの値がオンになっているか否かを判断する(ステップS310)。この正解報知フラグは、ストップスイッチ37L,37C,37Rのうち、第1停止操作を行うと小役1a〜1hのいずれかが入賞することとなるストップスイッチの種類を報知するか否かを示すフラグであり、図22に示すフローチャートのステップS342〜S352の処理によってオンにされる(詳しくは後述する)。
【0135】
ステップS310の判断処理において、正解報知フラグの値がオンになっていたと判断した場合(YES)、CPU206は、ステップS306で判断した正解ストップスイッチの種類を遊技者に対して報知する(ステップS312)。例えば表示装置70により報知を行う場合は、「左」、「中」、または、「右」の文字を表示させ、スピーカ64L,64Rにより報知する場合は、「左」、「中」、または、「右」のいずれかを音声を発生させるなどする。そして、CPU206は、図20の報知制御処理を終了し、他の処理へ移行する。なお、ステップS310の判断処理において、CPU206が、正解報知フラグの値がオフになっていると判断した場合(NO)は、ステップS312の処理を行わずに、図20の報知制御処理を終了する。
【0136】
<リール停止情報を受信した場合の処理>
上述した図20のステップS300において、CPU206が役抽選情報を受信していない(NO)と判断した場合、図21に示すフローチャートの処理へ移行し、主制御回路100からリール停止情報を受信したか否かを判断する(ステップS314)。CPU206がリール停止情報を受信したと判断した場合(YES)、CPU206は、RAM210に記憶されている変数STの値に1を加算する(ステップS316)。そして、変数STの値が1、すなわち、第1停止操作が行われたか否かを判断する(ステップS318)。変数STの値が1でなかった場合(NO)、すなわち、第2停止操作または第3停止操作が行われた場合は、CPU206は、図21に示す報知制御処理を終了し、他の処理へ移行する。
【0137】
これに対して、変数STの値が1であった場合(YES)は、CPU206は、図20のステップS302の処理によりRAM210に記憶された抽選結果番号が5から10までのいずれかであるか否かを判断する(ステップS320)。ここで、CPU206が、抽選結果番号が5から10までのいずれでもないと判断した場合(NO)は、図21に示す報知制御処理を終了する。一方、抽選結果番号が5から10までのいずれかであると判断した場合(YES)は、CPU206は、RAM210に記憶されている抽選結果番号と、受信したリール停止情報に含まれている第1停止操作がなされたストップスイッチの種類(左、中、右のいずれか)とが、一致するか否かを判断する(ステップS322)。ここで、以下では、第1停止が行われたストップスイッチを第1停止スイッチという。
【0138】
正解ストップスイッチと、第1停止スイッチとが一致したと判断した場合(YES)、CPU206は、図21に示す報知制御処理を終了する。これに対して、正解ストップスイッチと、第1停止スイッチとが一致していないと判断した場合(NO)、CPU206は、RAM210に記憶されている抽選結果番号と、第1停止スイッチの種類に基づいて、目押しの対象となる図柄(以下、目押し図柄という)を判断する(ステップS324)。ここで、ステップS324の判断は、例えば、ROM208に予め図24(b)に示す、各抽選結果番号および第1停止スイッチの種類と、報知内容とを対応付けた目押し図柄判断用テーブルに基づいて行う。この目押し図柄判断用テーブルには、「報知内容」の欄には、第2,第3停止操作時の目押し図柄が記録されている。すなわち、第1停止スイッチが左ストップスイッチ37Lだった場合は、未だ回転している中リール40Cおよび右リール40Rにおける目押し図柄が記録されている。同様に、第1停止スイッチが中ストップスイッチ37Cだったときは、左リール40Lおよび右リール40Rにおける目押し図柄が、第1停止スイッチが右ストップスイッチ37Rだったときは、左リール40Lおよび中リール40Cにおける目押し図柄が、それぞれ記録されている。
【0139】
次に、CPU206は、RAM210に記憶されている図柄報知フラグの値がオンになっているか否かを判断する(ステップS326)。この図柄報知フラグは、上述したステップS324の処理により判断した目押し図柄を報知するか否かを示すフラグであり、BB遊技が終了するとオンにされる(詳しくは後述する)。このステップS326の判断処理により、CPU206が、図柄報知フラグがオンになっていると判断した場合(YES)は、第2および第3停止操作時の目押し図柄を、未だ回転しているリールと対応付けて報知する(ステップS328)。ここで、この報知の態様としては、未だ回転中のリールを示す文字(「左」、「中」、または、「右」)などの情報と、目押し図柄の画像とを対応付けて、表示装置70に表示することで直接的に報知してもよい。また、未だ回転中のリールと、当該リールにおける目押し図柄との対応を間接的に示す情報を表示装置70に表示するようにしてもよい。たとえば、リール40L,40C,40Rに各々対応する3種類のキャラクタを定めるとともに、各キャラクタの服装の色と、目押し図柄とを対応付けておき、ステップS328の処理により報知する目押し図柄を、未だ回転中のリールに対応するキャラクタの、服装の色によって報知するなどしてもよい。そして、CPU206は、図21に示す報知制御処理を終了し、他の処理へと移行する。なお、上述したステップS326の判断処理において、CPU206が、図柄報知フラグの値がオフになっていると判断した場合(NO)、ステップS328の報知処理を行わずに図21に示す報知制御処理を終了する。
【0140】
<遊技結果情報を受信した場合の処理>
上述した図21のステップS314において、CPU206がリール停止情報を受信していない(NO)と判断した場合、図22に示すフローチャートの処理へ移行し、主制御回路100から遊技結果情報を受信したか否かを判断する(ステップS330)。CPU206が遊技結果情報を受信したと判断した場合(YES)、CPU206は、RAM210に記憶されているATフラグの値がオンになっているか否かを判断する(ステップS332)。このATフラグは、一般遊技中に役抽選で抽選結果番号5〜10のいずれかが導出された場合、正解ストップスイッチまたは目押し図柄を報知する遊技(以下、AT遊技という)期間であるか否かを示すフラグである。このAT遊技期間の始期および終期については後述する。
【0141】
ステップS332の判断処理において、CPU206が、ATフラグがオフであると判断した場合(NO)、CPU206は、受信した遊技結果情報に基づいて、実行中だったBB遊技が終了したか否かを判断する(ステップS334)。例えば、CPU206は、主制御回路100から送信された遊技結果情報に含まれていた遊技状態情報が、それまでBB遊技を示していたものが一般遊技に変化した場合に、BB遊技が終了したものと判断する。BB遊技が終了していない、または、一般遊技中またはMB遊技中だった場合(NO)、CPU206は、図22の報知制御処理を終了し、他の処理を行う。これに対し、BB遊技が終了したと判断した場合(YES)、CPU206は、RAM210に記憶されているATフラグおよび図柄報知フラグの値をそれぞれオンにし、正解報知フラグの値をオフにする(ステップS336)。すなわち、スロットマシン10におけるAT遊技期間は、BB遊技が終了すると開始し、AT遊技開始直後は、目押し図柄を報知するAT遊技となる。
【0142】
次にCPU206は、RAM210に記憶されている変数ATCNTおよび変数MISSの値を0にリセットする(ステップS338)。ここで、変数ATCNTの値は、AT遊技期間中に実行された遊技回数を示し、変数MISSの値は、AT遊技期間において、目押し図柄が報知されたにもかかわらず、何らの小役1も入賞しなかった遊技の回数を示している。以下では、変数ATCNTをATゲーム数ATCNT、変数MISSを取りこぼし回数MISSという。そして、ステップS338の処理を終えると、CPU206は、図22の報知制御処理を終了し、他の処理を行う。このようにスロットマシン10におけるAT遊技は、BB遊技が終了すると、次の遊技から開始される。この場合、正解ストップスイッチまたは目押し図柄の報知が行われる遊技は、BB遊技が開始され、当該BB遊技が終了すると、次の遊技(一般遊技)から開始されることになる。
【0143】
一方、上述したステップS332の判断処理において、ATフラグがオンになっているとCPU206が判断した場合(YES)、次にRAM210に記憶されているATゲーム数ATCNTの値に1を加算する(ステップS340)。そして、CPU206は、主制御回路100から受信した役抽選情報に含まれていた抽選結果番号が5から10までのいずれかであるか否かを判断する(ステップS342)。抽選結果番号が5から10のいずれかであった場合(YES)は、CPU206は、ステップS330で受信したと判断した遊技結果情報に含まれていた遊技の結果がハズレだった(すなわち、何らかの役に対応する図柄組合せが停止表示されなかった)か否かを判断する(ステップS344)。遊技結果がハズレだった場合(YES)、CPU206は、RAM210に記憶されている図柄報知フラグの値がオンであるか否かを判断する(ステップS346)。図が報知フラグの値がオンであった場合(YES)、CPU206は、RAM210に記憶されている取りこぼし回数MISSの値に1を加算する(ステップS348)。すなわち、役抽選で小役1のいずれかに当選し(ステップS342,YES)、目押し図柄が報知されたにも関わらず(ステップS346,YES)、小役1(ただし目押し必要役)を成立させることができなかった場合(ステップS344,YES)、取りこぼしが発生したものとして、取りこぼし回数MISSの値を1つ加算する。
【0144】
次にCPU206は、取りこぼし回数MISSの値をATゲーム数ATCNTの値で割った値が0.5を超えるか否かを判断する(ステップS350)。そして、0.5を超えた場合(YES)、CPU206は、RAM210に記憶されている図柄報知フラグの値をオフにし、正解報知フラグの値をオンにする(ステップS352)。これにより、役抽選で抽選結果番号5から10のいずれかが導出された場合、それまで目押し図柄が報知されていたものが、正解ストップスイッチの種類が報知されるようになる。次いでCPU206は、ATゲーム数ATCNTの値が30になったか否かを判断する(ステップS354)。ここで、上述したステップS342、S344、S346、または、S350のいずれかにおいて、判断結果がNOになった場合は、その時点でステップS354の判断処理へ移行する。
【0145】
ステップS354の判断処理において、ATゲーム数ATCNTの値が30になったとCPU206が判断した場合は(YES)、RAM210に記憶されているATフラグ、図柄報知フラグ、および、正解報知フラグの値をすべてオフにして、図22に示す報知制御処理を終了し、他の処理へ移行する。これにより、スロットマシン10におけるAT遊技の期間は、BB遊技終了後、30ゲームとなる。これに対し、上述したステップS354の判断処理で、ATゲーム数ATCNTの値が30になっていないとCPU206が判断した場合(NO)は、そのまま図22に示す報知制御処理を終了し、他の処理へ移行する。
【0146】
以上説明した第1の報知態様では、BB遊技が終了すると、まず、目押し図柄を報知するAT遊技が30回行われることになる。また、その間、その時点におけるATゲーム数に対する、取りこぼし回数の割合が1/2を超えた場合、目押し図柄を報知するAT遊技から、正解ストップスイッチの種類を報知するAT遊技に切り替わる。すなわち、報知された正解ストップスイッチを第1停止操作時に操作することよって、目押しを必要とせず、小役1a〜1hのいずれかが入賞することになる。このため、目押しが不得手なために、AT遊技が行われているにも関わらず小役1を入賞させることができない遊技者であっても、第1停止操作時に報知された正解ストップスイッチを操作するだけで、小役1a〜1hのいずれかを入賞させることができる。すなわち、目押しが不得手な遊技者が著しく不利な状態になることを避けることができる。また、目押しが得意な遊技者は、AT遊技が終了するまで目押し図柄が報知されるため、自らの技量により、小役1(ただし目押し必要役)を入賞させることができる。
【0147】
なお、上述した第1の報知態様では、ATゲーム数ATCNTの値に対する取りこぼし回数MISSの値の割合が、予め定めた値を超えた場合に、目押し図柄を報知するAT遊技から、正解ストップスイッチを報知するAT遊技に切り替えていたが、当該切替条件はこれに限らず、たとえば、取りこぼし回数MISSの値が、予め定めていた値を超えたときに、AT遊技の種類を切り替えても良い。
【0148】
≪第2の報知態様≫
次に、第2の報知態様について説明する。上述した第1の報知態様では、予め定めた報知開始条件(AT遊技開始条件)が成立した場合(BB遊技が終了した場合)、まず、目押し図柄を報知するAT遊技が開始されていたが、第2の報知態様では、まず、正解ストップスイッチが報知されるAT遊技が開始される。そして、正解ストップスイッチが報知された遊技において、遊技者が第1停止操作時に報知された正解ストップスイッチ以外のストップスイッチを操作してしまった場合、第2,第3停止操作時に目押しの対象となる図柄を報知するものである。すなわち、スロットマシン10においては、図8および図12〜図14に示したように、第1停止操作時に正解ストップスイッチを操作しなければ、目押し必要役を成立させるような図柄組合せ制御が行われる。この場合、第2,第3停止操作時に、目押しの対象となる図柄が分からなければ、目押しに関する技量が高い遊技者であっても目押し必要役を成立させることができる可能性は低くなる。そこで、第2の報知態様では、報知した正解ストップスイッチが第1停止時に操作されなかった場合、第2,第3停止操作時に、目押しの対象となる図柄を報知することにより、役抽選で当選した小役1を取りこぼす可能性を低くしている。
【0149】
このような報知態様を実現するには、まず、図22に示した遊技結果情報の受信時における報知制御処理のフローチャートにおいて、ステップS334の処理でCPU206が、BB遊技が終了したと判断した場合、ステップS336の処理で、ATフラグをオンにするとともに、図柄報知フラグをオフ、正解報知フラグをオンに設定する。これにより、第2の報知態様では、報知開始条件が成立すると、正解ストップスイッチを報知するAT遊技が開始される。また、図21に示したリール停止情報の受信時における報知制御処理のフローチャートにおいて、ステップS322の処理でCPU206が、第1停止スイッチと正解ストップスイッチとが一致しなかったと判断した場合、図柄報知フラグをオンにする処理をしてからステップS324の処理へ移行するようにする。また、ステップS328の処理により、目押し図柄が報知された後、図柄報知フラグをオフにする処理を行ってから、図21に示した報知制御処理を終了するようにする。また、図22に示す報知制御処理において、ステップS340の処理を行った後、直接、ステップS354の判断処理へ移行し、ステップS342〜S352の処理を行わないようにする。
【0150】
これにより、CPU206が、主制御回路100から受信した役抽選情報に基づいて、役抽選で抽選結果番号5から10のいずれかが導出されたと判断した場合(ステップS304,YES)、ステップS310の判断結果がYESとなって、ステップS312の処理により正解ストップスイッチが報知される。そして、第1停止操作時に、報知した正解ストップスイッチが操作されなかった場合でも(図21,ステップS322,NO)、ステップS328の処理によって目押し図柄が報知されることになる。
【0151】
≪第3の報知態様≫
次に、第3の報知態様について、図23に示す遊技結果情報の受信時に行われる報知制御処理のフローチャートを参照して説明する。なお、役抽選情報およびリール停止情報を受信したときに行われる報知制御処理の内容については、第1の報知態様の説明で参照した図20および図21のフローチャートと同じ処理を行うものとする。
【0152】
第3の報知態様では、第1の報知態様と同様に、BB遊技が終了すると、30ゲームの間、目押し図柄を報知するAT遊技が行われるが、AT遊技の開始後、所定時間(ここでは4分間とする)未満で上記30ゲームのAT遊技を行うことができた場合は、遊技者に付与する特典として、さらに10ゲームのAT遊技を継続して行うことができるものである。また、AT遊技が行われている間、上記所定時間が経過する前に30ゲームのAT遊技を行うことができないと判断された場合、それ以降に行われるAT遊技では、正解ストップスイッチを報知するようにするものである。
【0153】
これを実現するために、まず、CPU206は、図21のステップS314において、CPU206がリール停止情報を受信していない(NO)と判断した場合、図23に示すフローチャートの処理へ移行し、主制御回路100から遊技結果情報を受信したか否かを判断する(ステップS360)。CPU206が遊技結果情報を受信したと判断した場合(YES)、CPU206は、RAM210に記憶されているATフラグの値がオンになっているか否かを判断する(ステップS362)。ステップS362の判断処理において、CPU206が、ATフラグがオフであると判断した場合(NO)、CPU206は、受信した遊技結果情報に基づいて、実行中だったBB遊技が終了したか否かを判断する(ステップS364)。BB遊技が終了していない、または、一般遊技中またはMB遊技中だった場合(NO)、CPU206は、図23の報知制御処理を終了し、他の処理を行う。これに対し、BB遊技が終了したと判断した場合(YES)、CPU206は、RAM210に記憶されているATフラグおよび図柄報知フラグの値をそれぞれオンにし、正解報知フラグの値をオフにする(ステップS366)。すなわち、スロットマシン10におけるAT遊技期間は、BB遊技が終了すると開始し、AT遊技開始直後は、目押し図柄を報知するAT遊技となる。次にCPU206は、RAM210に記憶されている変数ATCNTおよび変数MISSの値を0にリセットし(ステップS368)、図4に示したタイマ224に計時を開始させる(ステップS370)。そして、ステップS370の処理を終えると、CPU206は、図23の報知制御処理を終了し、他の処理を行う。
【0154】
一方、上述したステップS362の判断処理において、ATフラグがオンになっているとCPU206が判断した場合(YES)は、RAM210に記憶されているATゲーム数ATCNTの値に1を加算する(ステップS372)。そして、CPU206は、現時点まで行ったAT遊技の回数(すなわちATCNTの値)と、タイマ224から読み出した現在までの計時時間t(秒)とに基づいて、以下の比較を行う(ステップS374)。
30−ATCNT>(240−t)/4.1 ……(1)
ここで、30は、BB遊技の終了後に行うことができるAT遊技の回数(固定値)、240は4分間を秒で表した数値、4.1(秒)は、1回の遊技を行うのに最短でも要する時間(図11,ステップS82の判断処理における「最短時間」)である。
これにより、残りのAT遊技の回数((1)式の左辺)が、残り時間を最短時間で遊技した場合のAT遊技の回数((1)式の右辺)を超えているか否かを判断している。
【0155】
そして、CPU206が、残りのAT遊技の回数が、残り時間(240−t秒)を最短時間(4.1秒)で遊技した場合のAT遊技の回数を超えていると判断した場合(YES)は、図柄報知フラグをオフにし、正解報知フラグをオンにし(ステップS376)、ATゲーム数ATCNTの値が30になったか否かを判断する(ステップS378)。これに対して、超えていないと判断した場合は、ステップS376の処理を行わずにステップS378の判断処理へ移行する。これにより、残り時間を最短時間で遊技したとしても、計30ゲームのAT遊技を行うことができないと判断した場合は、当初のAT遊技において、役抽選で抽選結果番号5〜10のいずれかが導出されたときに、目押し図柄に関する報知を行っていたものが、正解ストップスイッチの報知に切り替わる。
【0156】
そして、上述したステップS378の判断処理で、CPU206により、ATゲーム数ATCNTの値が30になっていないと判断された場合(NO)、CPU206は、図23に示す報知制御処理を終了し、他の処理を行う。これに対して、ATゲーム数ATCNTの値が30になったと判断された場合(YES)は、CPU206は、タイマ224による計時時間tが4分以上になったか否かを判断する(ステップS380)。ここで、CPU206が4分以上になったと判断した場合(YES)は、RAM210に記憶されているATフラグ、図柄報知フラグ、および、正解報知フラグを全てオフにし、AT遊技を終了させる(ステップS382)。そして、図23に示す報知制御処理を終了する。一方、計時時間tが4分間未満であると判断した場合(NO)は、所定時間内にATゲームを消化したとみなし、ATゲーム数ATCNTの値から10を減算する(ステップS384)。これにより、遊技者は、さらに10ゲームのAT遊技を継続して行うことができる。そして、ステップS384の処理を行うと、CPU206は、図23に示した報知制御処理を終了し、他の処理へ移行する。
【0157】
以上に説明した第3の報知態様においては、4分間未満で、目押し図柄を報知するAT遊技を30ゲーム行うことができれば、遊技者は、当該AT遊技を更に10ゲームだけ余分に行うことができる。よって、役抽選で抽選結果番号5から10のいずれかが導出された場合(小役1に当選した場合)、報知された図柄を対象にして目押しを行うことで、小役1(ただし目押し必要役)を入賞させることができる。すなわち、目押しの得意な遊技者にとっては、メダルの払い出しを受けることができる機会が増えるため、遊技意欲の向上が期待できる。また、目押しが不得手な遊技者であっても、AT遊技開始から4分間未満で30回の上記AT遊技を行うことができないと判断された場合は、正解ストップスイッチを報知するAT遊技に切り替わるため、目押しが得意な遊技者に比べて著しく不利な状態にはならない。
【0158】
なお、第3の報知態様において、ステップS380の判断処理により、計時時間tが4分間未満と判断された場合(NO)、遊技者に付与する特典として、10ゲーム分のAT遊技の延長を行っていたが(ステップS384参照)、これに代えて、4分間未満で目押し図柄の報知が行われるAT遊技を30ゲーム行った場合にのみ表示される特別な画像を、表示装置70に表示させるようにしてもよい。これにより、遊技者は、所定時間内に所定の遊技回数の遊技を行うことができたという達成感とともに、その時にのみ表示される画像を見ることができたという優越感を味わうことができるため、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
【0159】
また、第3の報知態様を実施するスロットマシン10において、特別な押しボタン式スイッチなどの入力装置を別途設け、当該入力装置が操作された場合は、AT遊技開始直後から、正解ストップスイッチが報知されるAT遊技を行うようにしても良い。この場合、遊技者に対して図23のステップS384の処理による特典は付与されないが、AT遊技の開始当初から取りこぼしが生じにくい正解ストップスイッチを報知するAT遊技が行われるので、例えば、目押しに自信がない遊技者が、できるだけ取りこぼしが発生しないことを望む場合に、そのニーズに応えることができる。
【0160】
さらに、上述した第1および第3の報知態様において、目押し図柄の報知を行うAT遊技から、正解ストップスイッチの報知を行うAT遊技へ切り替わった場合、そのAT遊技において、遊技者が、第1停止操作時に、報知された正解ストップスイッチを押し損ねた場合に、第2の報知態様のように、目押しの対象となる図柄を報知するようにしても良い。
【0161】
次に、図28に基づき、本実施形態のスロットマシンにおける一部のリール演出である導入リール演出の第一例について説明する。ここで、導入リール演出の各処理は、図11に示すリール変動、停止サブルーチンに含まれるものであり、図28は、図11中のS80〜S88までの処理をより詳細に展開して示すものである
【0162】
導入リール演出を含む制御処理は、スタートレバー(スタートスイッチ36)が傾動操作されてから各ストップスイッチ37L,37C,37Rが有効になるまでの制御処理(S411〜S417)により表される。先ず、スタートレバーがONになったか否かが繰返し判定され(S411:NO)、スタートレバーがONになれば(S411:YES)、図28中に破線Aで囲って示された導入リール演出を実行するか否かが判定される(S412)。
【0163】
導入リール演出を実行するか否かは、役抽選に伴って決定される。導入リール演出は、役抽選手段410により抽選される各種の役(図6を参照)に対応付けられており(紐付けされており)、特定役が抽選された場合に100%、或いは100%に満たない所定の確率で導入リール演出が実行される。本実施形態においては、主制御回路100の役抽選手段410により行われた役抽選の結果が、コマンドの形態で副制御回路200に送信され、副制御回路200の演出制御手段510が、主制御回路100から送信された当選役に応じて、導入リール演出を実行するか否かを決定する。
【0164】
ここで、導入リール演出を行うのに適した当選役として、複数ゲームを1セットとし複数回のゲームが連続して実行される遊技状態を生じる役が挙げられる。例えば、BB役a,b、MB役a,b,cなどの当選に伴う遊技状態中や、その他にも、小役1a〜1t、小役2、小役3、および、再遊技役が集中して発生するRT(リプレイタイム)やCT(チャレンジタイム)等といった遊技状態中も、導入リール演出を行うのに適している。
【0165】
なお、演出制御手段510における導入リール演出を実行するか否かの決定に際して、一の特定役に対して複数種類の導入リールから一の導入リール演出を抽選したり、複数の導入リール演出の組み合わせを抽選したりすることも可能である。
【0166】
導入リール演出が実行される場合には(S412:YES)、全回胴2コマ正(及び/又は逆)回転の演出が実行される。この全回胴2コマ正(逆)回転は、全リール40L,40C,40Rを、通常の図柄変動時と同じ方向、或いは逆方向に2コマ(2図柄分)回転させる演出である。この全回胴2コマ正(逆)回転に費やされる時間は、本実施形態では72ms(ミリ秒)である。なお、上述のS412において、リール演出が実行されないと判定された場合には(S412:NO)、リール演出に係るS413,S414がスキップされる。
【0167】
続いて、S414において、一定時間ホールドの演出が実行される。この演出は、例えば1300ms程度の一定時間、全リール40L,40C,40Rを静止させホールドするものである。一定時間ホールドの演出の際、前述のモータ駆動回路114によるステッピングモータ80L、80C及び80Rへの励磁出力は継続されたままとなっている。
【0168】
導入リール演出が終わると、前回のゲームにおいて
最小遊技時間の計測が開始されてから最小遊技時間(4.1秒)が経過したか否かが判定され(S415)、経過していなければ、最小遊技時間が経過するまで制御がループされる。そして、最小遊技時間が経過すれば、或いは既に経過していれば、最小遊技時間を設定(当該遊技の最小遊技時間の計測開始)し回胴回転開始の処理(S416、回胴回転開始制御)が実行され、リール40L,40C,40Rが回転を開始する。さらに、ステッピングモータ80L、80C及び80Rが回転時の定常状態となってリール40L,40C,40Rが定速に達し、且つインデックス検知が完了していれば、ストップスイッチ37L,37C,37Rが有効となり、遊技者によるリール40L,40C,40Rの停止操作が可能となる(S417)。
【0169】
ここで、最小遊技時間の計測はタイマ(ウエイトタイマ)を用いて行われ、最小遊技時間が設定された際に、計測が開始される。ウエイトタイマとしては、前述のタイマ224を利用することが可能である。
【0170】
また、上述のインデックス検知とは、リール回転角度位置検出回路116により、リール40L,40C,40Rの回転角度位置を検出することである。回胴回転開始の処理(S416)において、リール40L,40C,40Rの回転速度は、零の状態から徐々に上昇して一定速度の定常状態に達するが、インデックス検知には一回転程度を要しており、少なくとも一回転に要する程度の期間はストップスイッチ37L,37C,37Rが無効とされている。
【0171】
インデックス検知に要する時間に関し、本実施形態においては、前述したように各リールの回転角度位置に基づき図柄の特定が行われているので、インデックス検知には、理論上は、一つの図柄を特定できるまでの時間が必要である。つまり、リール40L,40C,40Rの回転速度は、一定速となった後には、一分間に八十回転を超えないよう設定されており、計算上、リール40L,40C,40Rの定速回転時に一回転に要する時間は0.75秒超である。そして、各リール40L,40C,40Rの図柄の数は21個であるから、一図柄分の回転に要する時間は約36msとなり、この時間内にはインデックス検知が完了すると考えられる。
【0172】
しかし、実際には、回転角度位置センサやリール回転角度位置検出回路116、或いは主制御回路100などの関連機器の影響もあり、インデックス検知には約300ms〜約800msを要するので、本実施形態では、回胴回転開始(S416)から停止ボタン(ストップスイッチ)有効(S417)となるまでの時間は、約300ms〜約800msとなっている。
【0173】
このような導入リール演出を実行するスロットマシン10によれば、導入リール演出が選択された場合には、最小遊技時間が経過したか否かに因らずに当該導入リール演出が実行され(S413,S414)、最小遊技時間が経過した後にリール40L,40C,40Rが回転を開始する(S416)。したがって、比較的短い時間間隔でゲームが繰り返されるような場合であっても、遊技者がスタートレバーを操作すれば、リール40L、40C及び40Rが何らかの動作を行うという態様のリール制御が可能となる。そして、遊技者に対し、スタートレバーを操作すれば何かが起きる、次のゲームに早く進みたい、といった考えを抱かせ易くなる。
【0174】
さらに、スタートスイッチ36の操作を基準として考えた場合に、リール40L、40C及び40Rが動きを生じるまでの時間を、一律にすることや、従来よりも短くすることが可能となり、スタートスイッチ36の操作とリール40L、40C及び40Rの動作との連続性を高めることができる。そして、遊技者に対し、スタートレバーを操作したにも関わらずリール40L、40C及び40Rに何の動きもなく、単に最小遊技時間の経過を待たされている、といったゲーム性についての消極的な印象を与えてしまうことを防止できる。
【0175】
また、各ゲームにおいて、スタートスイッチ36の操作からリール40L、40C及び40Rの回動変位が発生するまでの時間を短縮できることから、遊技者に対しスピード感を印象付ける態様の制御が可能となり、遊技者による、一連のリズミカルな動作、遊技状態を推理するための思考、といったスロットマシンにおける趣向性の諸要素を、最小遊技時間の経過を待つために阻害してしまうことを防止できる。
【0176】
また、導入リール演出に同期するように副制御回路200を介した演出を行い、報知出力手段600が備えるスピーカ64L,64R、表示装置70、および、上部効果ランプ72等を用いて、遊技者に対し導入リール演出が実行されていること、或いは既に導入リール演出が実行されたことを報知することが可能である。この場合、遊技者が、その時点のリール40L、40C及び40Rの動作が、最小遊技時間の経過前のリールの動作であるのか、経過後の演出であるのかを区別できないようなタイミングや内容で、演出を行うことが望ましい。すなわち、報知出力手段600を介した演出を、最小遊技時間が経過してから開始する場合と、経過していない場合に開始する場合とで、スタートスイッチ36の操作を基準に同じタイミングで、且つ同じ内容で行うことが考えられる。また、全く同じとしないまでも、両者の演出の開始タイミングや内容の差異を、遊技者が混同を生じ易い程度とすることも考えられる。このように、導入リール演出が実行されている旨の報知を行うことにより、遊技者が、導入リール演出を見逃すことを防止できる。なお、導入リール演出を、最小遊技時間の経過と区別し易いものとするか、区別し難いものとするかの選択は、ゲーム性や遊技状況に応じて行えるようにすることも可能である。
【0177】
さらに、最小遊技時間の経過を待ってから、リール40L,40C,40Rを定速で回転させるための制御を開始し(S416)、ストップスイッチ37R,37C,37Lを有効にしているので、一定時間内に消費されるメダルが所定枚数を越えてしまうということもなく、従来と同様に適度な射幸性を維持できる。
【0178】
なお、導入リール演出の態様としては、上述した全回胴2コマ正(逆)回転の演出や、一定時間ホールドの演出に限られるものではなく、種々の演出を採用することが可能である。例えば、遊技者がスタートスイッチ36を操作しても、リール40L,40C,40Rが変位を開始せず停止したままとなるフリーズ演出を導入リール演出として、または導入リール演出の一部として行うことも可能である。このフリーズ演出は、通常のリール制御との相違を際立たせることで一層効果的となるものであるから、発生頻度が比較的低くなるようフリーズ演出の発生確率の設定を行うことが望ましい。
【0179】
また、導入リール演出の他の態様としては、リール40L,40C,40Rが、例えば1コマ以内の範囲で正転及び逆転させられて振動する振動演出、リール40L,40C,40Rの例えば一つ若しくは二つのみが回胴を開始する一部回胴回転開始演出、或いはリール40L,40C,40Rが、例えばリール40R、リール40C,リール40Lの順に回胴を開始する段階的回胴回転開始演出、などが挙げられる。
【0180】
また、導入リール演出を実行するか否かの判定(S412)にあたっては、最小遊技時間が経過するまでに所定時間(本実施形態では、例えば1000〜1400ms以上)の残余があることを、導入リール演出の実行のための必要条件として付加してもよい。これにより、最小遊技時間が経過した後にも未だリール40L,40C,40Rが回胴回転開始していないという場合が生じ得ることとなる。このような制御により、前述のフリーズ演出を行ってもよい。
【0181】
さらに、本実施形態においては、導入リール演出において、リール40L,40C及び40Rの回動変位量は図柄のコマ数により一律(全回胴2コマ)に決められているので、導入リール演出が終了した際に表示窓22内の入賞ライン上や、入賞ラインから外れた位置で停止している図柄の組合わせを、意図的に例えば特定の当選役とすることが困難である。つまり、リール40L,40C及び40Rの回動変位量は一定量に制約されているので、導入リール演出を実行して停止したリール40L,40C及び40Rの図柄の組合わせを、メダルの払出しの対象となる組み合わせとしたり、スロットマシン10の内部の制御状態(遊技状態)を遊技者に報知したりすることは困難である。
【0182】
また、本実施形態のスロットマシン10は、図12〜図24に示すように、役抽選手段による抽選で、目押し不要役および目押し必要役が対応付けられた抽選結果が導出され、未だ複数のリールが回転しているときに、抽選によって決定された操作順番通りに停止指示手段320のストップスイッチ37L,37C,37Rを操作しなかった場合であっても、入賞ラインの位置から所定の範囲内に、目押し必要役に対応する図柄組合せを構成している図柄が存在している時に、停止指示手段が操作されれば、リール停止制御によって役抽選で当選した役の成立を強制的に妨げることがなく、遊技者は、適切なタイミングで停止指示手段を操作すれば、目押し必要役を成立させることができるものである。
【0183】
したがって、遊技者が最小遊技時間に満たない短い時間間隔でレバー操作を繰り返すうちに停止指示手段320の操作を所定の操作順番通りに行わなかったとしても、停止指示手段が操作されたのが、入賞ラインの位置から所定の範囲内に、目押し必要役に対応する図柄組合せを構成している図柄が存在している時であれば、救済がなされ、遊技者は、停止指示手段320の操作順を過剰に気にすることなく、短い時間間隔で、レバー操作及びストップスイッチ37L,37C,37Rの操作を繰り返すことができる。
【0184】
さらに、本実施形態に係るスロットマシンでは、開始操作に伴って導入リール演出を行う制御を、以下に列挙するような構成及びゲーム性と組み合わせることによっても、遊技者が停止指示手段320の操作の押し間違いをさほど気にすることなく、短い時間間隔でレバー操作及びストップスイッチ37L,37C,37Rの操作を繰り返すことができるようにしている。
【0185】
すなわち、本実施形態のスロットマシンでは、特定のリールに対応する停止指示に対応した最初の停止指示手段を操作できなった場合には、最初に操作された停止指示手段に対応するリールについて、任意停止図柄を入賞ラインの位置に停止させる。また、それ以降に操作された停止指示手段に対応するリールについては、その操作タイミングに応じて、目押し必要役に対応する図柄組合せの図柄を、入賞ラインの位置に停止させる。
【0186】
これにより、停止指示手段に対する最初の操作で、特定のリールに対応する停止指示に対応した停止指示手段を操作できなった場合でも、従来のように、役抽選で当選した役を強制的に成立させないリール制御が行われることはなく、2番目、3番目の停止指示手段の操作を適切なタイミングで行うことで、目押し必要役を成立させることができるため、1回の遊技の途中で遊技者の遊技意欲を著しく低下させることがない。そして、遊技者は、最小遊技時間が経過する前に次のゲームのレバー操作を行うことが頻繁に発生するほどの速度でゲームを繰り返したとしても、連続するゲームの流れを妨げられることなく、安心してゲームを繰り返すことができる。
【0187】
また、図20〜図24で示す第1〜第3の報知態様が行われるAT遊技のように、所定のゲーム数や所定の時間の制約の下にゲームが繰り返し行われる場合には、導入リール演出を行うことによってスピード感のある遊技が可能になり、遊技者が、例え同じ数の払出しを受けるとしても、より短時間に集中して出玉が得られたような印象を受けながら遊技を行うことが可能になる。
【0188】
なお、図25及び図26は、本実施形態のスロットマシン10の遊技進行メイン処理を示しており、図27は、インターバル割り込み処理を示している。これらは、図9〜図14、図16〜図23のフローチャートを用いた説明を補うためのもので、図25及び図26においては、特に図9に示すメインルーチンに関係して記載や説明が省略されている部分が付加されている。
【0189】
すなわち、遊技進行メイン処理においては、電源投入後に、スタックポインタのセット(S451)、未使用RAMの初期化(S452)、遊技開始時RAMの初期化(S453)、遊技状態管理(S454)が実行される。これらは、図9に示すメインルーチンの初期化処理(S10)に対応したものである。また、遊技進行メイン処理においては、メダルの受付が開始され(S455)、遊技メダル(前述のメダルに対応)が投入されたか否かが判定され(S456)、遊技メダルの投入があった場合には、設定値の表示チェック(S457)を経て、再遊技が実行されるゲームであるか否かが判定される(S458)。さらに、再遊技が実行されるゲームでなければ(S458:NO)、メダルの管理(S459)、投入・払出センサ(メダルカウンタ)の異常チェック(S460)が順に行われる。遊技メダルありか否かの判定の処理(S456)において、メダルなしと判定された場合には、設定値の表示チェック(S457)の処理がスキップされる。さらに、再遊技作動時か否かの判定の処理(S458)において、再遊技作動時であると判定された場合には、遊技メダルの管理(S459)の処理がスキップされる。
【0190】
続いて、受け付けたメダルの枚数が規定数と一致しているか否かが判断され(S461)、一致していれば(S461:YES)、スタートレバーの操作を受け付けたか否か(スタートスイッチ36がONしたか否か)が判定される(S462)。そして、スタートレバーの操作を受け付けていれば(S462:YES)、乱数読み込み(S463)、内部抽選(S464)、回転開始待機管理(S465)、制御図柄セット(S466)の各処理が順に実行される。受け付けたメダルの枚数が規定数と一致しているか否かの判定(S461)において、一致していないと判定された場合(S461:NO)、及びスタートレバーの操作を受け付けたか否かの判定(S462)において、受付けていないと判定された場合(S462:NO)には、遊技メダルありか否かの判定の処理(S456)に戻る。
【0191】
次に、図26に示すように、最小遊技時間が経過したか否かが判定され(S467)、経過していれば(S467:YES)、最小遊技時間セット(S468)、回胴回転開始(S469)の処理が実行される。最小遊技時間が経過していなければ(S467:NO)、制御をループさせて待機する。また、回胴回転が正常か否かが判定され(S470)、正常であれば(S470:YES)、全回胴が定速に達したか否かが判定される(S471)。そして、全回胴が定速に達していれば(S471:YES)、回胴停止受付待ちの状態であるか否かが判定され(S472)、受付待ちの状態であれば(S472:YES)、ストップスイッチ37L,37C,37Rへの操作があって回胴停止を受け付けたか否かが判定される(S473)。回胴回転正常か否かの判定(S470)において、正常でないと判定された場合(S470:NO)には、回胴回転開始の処理(S469)に戻る。また、全回胴定速か否かの判定(S471)において、定速でないと判定された場合(S471:NO)には、回胴回転正常か否かの判定(S470)に戻る。
【0192】
さらに、回胴停止を受け付けたか否かの(S473)において肯定判定がされた場合(S473:YES)には、図柄組合せ制御(S474)が実行された後に、全回胴が停止したか否かが判定され(S475)、全回胴が停止していれば(S475:YES)、表示判定の処理(S476)、投入・払出センサ異常チェック(S477)が実行される。そして、遊技メダルの払出しをすべき状態であるか否かが判定され(S478)、払出しをすべき状態であれば(S478:YES)、遊技メダルの払出し(S479)、遊技終了チェック(S480)が行われ、遊技進行メイン処理が終了する。
【0193】
回胴停止受付待ちか否かの判定(S472)、又は回胴停止受付の判定(S473)において否定判定がされた場合には、図柄組合せ制御の処理(S474)がスキップされる。また、全図柄停止の判定(S475)で否定判定された場合(S475:NO)には、回胴回転正常か否かの判定(S470)に戻り、遊技メダル払出しありか否かの判定で否定判定された場合(S478:NO)には、遊技メダル払出しの処理(S479)がスキップされる。
【0194】
図27は、所定周期で実行されるインターバル割り込み処理を示している。このインターバル割り込み処理においては、レジスタ退避(S501)の後、戻り番地が正常か否かが判定され(S502)、正常でない場合(S502:NO)にはエラー表示(S514)が実行される。また、戻り番地である場合(S502:YES)には、入力ポート割り込み(S503)、タイマ計測(S504)、回転駆動制御(S505)、外部信号出力(S506)、LED表示(S507)、3枚投入表示LED管理(S508)、制御コマンド送信、ポート出力(S510)、入力エラーチャック(S511)、レジスタ復帰(S512)、割り込み許可(S513)の各処理が順次実行される。
【0195】
つぎに、図29に基づき、本実施形態の導入リール演出の第二例を説明する。なお、第一例と同様の部分については同一番号を付し、その説明は省略する。
図29に示すように、この第二例においては、導入リール演出中のS413(全回胴2コマ正(逆)回転の演出)の後に、一定時間ホールドの演出(S421)が実行されるが、この一定時間ホールドの演出(S421)においては、一定時間が300msとなっており、前述の第一例の場合(S414)よりも短く設定されている。そして、この一定時間ホールドの演出(S421)に続いて、リール40L,40C,40Rが回転を開始する回胴回転開始の演出(S422)が実行される。
【0196】
つまり、導入リール演出中に回胴回転開始の制御が含まれており、この結果、前回のゲームから計時されている最小遊技時間が経過する前に、リール40L,40C,40Rが回転し始めて加速する。
【0197】
続いて、最小遊技時間(4.1秒)が経過したか否かが判定され(S415)、経過していなければ、最小遊技時間が経過するまで制御がループされる。この際、最小遊技時間が経過すれば、或いは既に経過していれば、導入リール演出が実行されたか否か、即ち導入リール演出に当選したゲームであるか否かが判定され(S423)、導入リール演出が実行されていれば(S423:YES)、リール40L,40C,40Rの回転が定速状態となり、且つインデックス検知が終わっていることを条件に、ストップスイッチ37L,37C,37Rが有効となる(S417)。
【0198】
このとき、最小遊技時間が再セットされ、最小遊技時間の計時が開始されるのは、最小遊技時間が経過し、導入リール演出が実行されたか否かの判定(S423)において、導入リール演出が実行されたと判定された場合である。また、導入リール演出が実行されたか否かの判定(S423)は、導入リール演出を実行することが決定された場合に、導入リール演出実行フラグをONし、この導入リール演出実行フラグを確認することにより行われている。
【0199】
一方、導入リール演出が実行されていなければ(S423:NO)、導入リール演出中の回胴回転開始の処理(S422)は行われなかったと判定できるので、導入リール演出が行われなかった場合の回胴回転開始の処理(S416)が実行されてから、S417に進む。このとき、最小遊技時間が再セットされ、最小遊技時間の計時が開始されるのは、ストップスイッチ37L,37C,37Rが有効になった場合である。
【0200】
最小遊技時間の経過前に、リール40L,40C,40Rの回転が定速状態となった場合には、ストップスイッチ37L,37C,37Rの有効化は、最小遊技時間が経過し、インデックス検知が完了するまでは許可されない。したがって、リール40L,40C,40Rの回転が定速状態となってからの時間を基準として考えた場合に、ストップスイッチ37L,37C,37Rの有効化は、第一例の場合よりも遅延される。
【0201】
さらに、第二例の導入リール演出においては、回胴回転開始が行われてからストップスイッチ37L,37C,37Rを有効にするまでのタイミングが第一例とは相違することとなる。また、第二例に限って比較しても、導入リール演出が実行された場合と実行されなかった場合では、回胴回転開始が行われてからストップスイッチ37L,37C,37Rを有効にするまでのタイミングが異なる。
【0202】
この第二例の導入リール演出によれば、一定時間ホールドの演出(S421)において、ホールド時間が第一例の場合よりも短く設定されているので、後に回胴回転開始の演出(S422)を行っても、導入リール演出の時間は過度に長くはならない。
【0203】
また、導入リール演出中に回胴回転開始が行われるので、最小遊技時間の経過後に回胴回転開始を行った場合と比べて、スタートスイッチ36の操作からリール40L,40C,40Rの定速回転までの時間を短縮することができる。
【0204】
また、最小遊技時間を設定するタイミングは第一例では、最小遊技時間が経過したと判定され回胴回転開始の処理が実行される際に行われ、第二例では、ストップスイッチ37L,37C,37Rが有効となった際に設定したが、スタートレバーが傾動操作されるタイミングやリール40L,40C,40Rが定速となったタイミングなど各種設定することができる。
【0205】
さらに、最小遊技時間(ウエイトタイマ)の設定する(リセットする)のタイミングは、導入リール演出が実行されたか否かによって異なり、導入リール演出が実行された場合には、ストップスイッチ37L,37C,37Rを有効とする処理(S417)が実行される際であり、導入リール演出が実行されなかった場合には、最小遊技時間が経過したか否かを判定する処理(S415)の後の、回胴回転開始の処理(S416)の際としてもよい。
【0206】
つぎに、本実施形態の導入リール演出の第三例を説明する。なお、第一例及び第二例と同様の部分については同一番号を付し、その説明は省略する。
【0207】
この第三例においては、複数パターンの導入リール演出が設定されており、そのうちの一つは、第一例の導入リール演出(以下、第一の導入リール演出と称する)であり、他の一つは第二例の導入リール演出(以下、第二の導入リール演出と称する)である。例えば、全回胴の正回転又は逆回転のコマ数や、ホールド時間を、第一及び第二の導入リール演出と異ならせたり、フリーズ演出、振動演出、段階的回胴回転開始演出、或いはその他の演出を行ったりして、更に他のパターンの導入リール演出を選択できるようにすることも可能である。
【0208】
導入リール演出のパターン選択の時期としては、例えば、スタートレバーON後の(S411(或はS462))の内部抽選時、スタートレバーON時(S411)と導入リール演出を実行するか否かの判定(S412)の間、S412と導入リール演出との間などが挙げられる。
【0209】
なお、この第三例においては、導入リール演出のパターン選択が行われるが、各パターンの相違が回胴回転開始制御の開始時期によって規定される場合は、回胴回転開始制御の開始時期を抽選することで導入リール演出のパターン選択を行ってもよい。
【0210】
以上、本発明の実施形態について導入リール演出の第一〜第三例を用いて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えばこれらの組み合わせや、組み合わせに対する種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0211】
10 スロットマシン
36 スタートスイッチ
37L、37C、37R ストップスイッチ
40L、40C、40R リール
100 主制御回路
112 乱数発生器
200 副制御回路
300 操作手段
310 遊技開始指示手段
320 停止指示手段
410 役抽選手段
420 リール制御手段
510 演出制御手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者による開始操作が行われると、複数種類の図柄が複数個描かれた複数のリールの全てが回転し始めて加速の後に定速回転する回胴回転開始制御が行われて1回の遊技を開始し、前記遊技者による停止操作が行われて全てのリールが停止すると1回の遊技が終了し、そのときに有効ラインの位置に表示された図柄組合せが、何らかの役に対応していた場合、当該役が成立したこととなり、該成立した役に対応する処理が行われるスロットマシンであって、
前記複数のリールを制御するリール制御手段を備え、当該リール制御手段は、
前記開始操作が行われると、前記回胴回転開始制御に先立ち前記複数のリールの少なくとも一つを用いた導入リール演出を開始し、前記導入リール演出の開始の後に前記回胴回転開始制御を実行して前記停止操作を有効とする制御を実行することを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記導入リール演出を行うか否かが前記役に基づいて抽選され、
前記リール制御手段は、前記開始操作の後に、前記導入リール演出を行うか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記リール制御手段は、前記導入リール演出が終了した後に、前回の遊技から所定の最小遊技時間が経過したか否かを判定し、前記最小遊技時間が経過した後に前記回胴回転開始制御を開始することを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。
【請求項4】
前記リール制御手段は、前記導入リール演出が行われた場合には、前記導入リール演出中に前記回胴回転開始制御を開始し、その後に前回の遊技から所定の最小遊技時間が経過したか否かを判定して前記停止操作を有効とすることを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。
【請求項5】
前記リール制御手段は、前回の遊技から所定の最小遊技時間が経過した後に、前記導入リール演出が行われたか否かを判定し、前記導入リール演出が行われていない場合には前記回胴回転開始制御を開始することを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。
【請求項6】
前記導入リール演出が複数パターン設定され、複数の前記導入リール演出のうちの一つは、前記導入リール演出中に前記回胴回転開始制御を開始しないパターンであり、他の一つは、前記導入リール演出中に前記回胴回転開始制御を開始するパターンであることを特徴とする前記請求項2に記載のスロットマシン。
【請求項7】
前記最小遊技時間が経過する前に前記導入リール演出を実行した場合に、前記最小遊技時間が経過する前に行われた前記停止操作を無効とし、前記最小遊技時間を経過した後に行われた前記停止操作を有効とすることを特徴とする請求項3又は4又は6のいずれかに記載のスロットマシン。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2013−102866(P2013−102866A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247628(P2011−247628)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】