説明

スロットマシン

【課題】いわゆる変則押しに対して過度のペナルティが付与されることを防止する。
【解決手段】複数の停止操作部(リールストップボタン24)の操作順序が禁止される操作順序であると判定された場合、ペナルティ付与条件監視手段(演出制御装置70)によって、遊技者にペナルティを付与するためのペナルティ付与条件が成立するか否かを所定期間(猶予期間)に亘って監視し、前記所定期間にペナルティ付与条件が成立したと判定された場合、ペナルティ付与手段(演出制御装置70)によって、ペナルティを遊技者に付与するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賭数の設定後にスタート操作部が操作されたことに基づき複数の図柄が描かれた複数のリールを可変表示させてゲームを開始し、各リールに対応する複数の停止操作部の操作により導出させたゲームの停止結果に基づき遊技価値を付与することが可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスロットマシンには、通常遊技状態において複数ある入賞役のうちの何れかが内部当選している場合に、当該内部当選した入賞役を成立させる(停止操作により揃える)ための操作順序を報知するいわゆるAT(アシストタイム)状態に移行するための抽選を行うものがある。そして、この抽選に当選すると、アシストタイムが開始され、このアシストタイム中に特定役が内部当選すると、この特定役の成立のための操作順序が報知され、この操作順序に従って停止ボタンを操作すると、有効ライン上に特定役が成立し、ART(アシストリプレイタイム)状態が開始され、コインを投入せずに多くの遊技価値を獲得することができるようになっている。
【0003】
また、上記のようなスロットマシンにおいて、通常遊技状態、すなわち、操作順序を報知していない状態では、原則として左→中→右の操作順序で停止ボタンを操作しなければならず、この操作順序を誤った状態で所定の入賞役が成立すると、ペナルティとして所定期間ATへの移行抽選を行わないようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−20904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のようなスロットマシンにおいて、遊技を継続していると、停止ボタンが有効化されていない状態、すなわち、前回の遊技における抽選から所定時間(現状では4.1秒)が経過していない状態にもかかわらず停止ボタンの操作を開始してしまう場合がある。このような場合、最初に押下された左の停止ボタンの操作は無効とされ、第1停止となるのが中、もしくは右の停止ボタンの操作に対応したリールとなり、結果的に操作順序通りに操作を行っていない、いわゆる変則押しと判定され、かかる操作を故意にしていない場合であっても上記のようなペナルティが付与される可能性があり、遊技者に過度の不利益を発生させる虞がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、いわゆる変則押しに対して過度のペナルティが付与されることを防止することができるスロットマシンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
賭数の設定後にスタート操作部が操作されたことに基づき複数の図柄が描かれた複数のリールを可変表示させてゲームを開始し、各リールに対応する複数の停止操作部の操作により導出させたゲームの停止結果に基づき遊技価値を付与することが可能なスロットマシンにおいて、
前記スタート操作部の操作に基づく前記ゲームの開始時に予め設定された複数の入賞役の何れかに当選したか否かを抽選可能な抽選手段と、
前記複数の停止操作部の操作順序が遊技状態に応じて禁止される操作順序であるか否かを判定する操作順序判定手段と、
該操作順序判定手段によって、前記複数の停止操作部の操作順序が前記禁止される操作順序であると判定された場合、遊技者にペナルティを付与するためのペナルティ付与条件が成立するか否かを所定期間に亘って監視するペナルティ付与条件監視手段と、
前記ペナルティ付与条件監視手段によって、前記所定期間に前記ペナルティ付与条件が成立したと判定された場合、前記ペナルティを遊技者に付与するペナルティ付与手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ゲームの実行中に複数の停止操作部の操作順序が禁止される操作順序であると判定された場合、ペナルティ付与条件監視手段によって、遊技者にペナルティを付与するためのペナルティ付与条件が成立するか否かを所定期間に亘って監視することができ、当該所定期間にペナルティ付与条件が成立したと判定された場合、ペナルティ付与手段によって、ペナルティを遊技者に付与することができる。
従って、複数の停止操作部の操作順序が禁止されている操作順序で操作(いわゆる変則押し)された場合でも直ちにペナルティを付与するのではなく、かかる操作後、所定期間にペナルティ付与条件が成立した場合にペナルティを付与するようにしているので、誤って停止操作部を操作してしまった場合はペナルティの対象から除外することで、変則押しに対して過度にペナルティが付与されることを防止することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスロットマシンにおいて、
前記ペナルティ付与条件監視手段は、
前記所定期間に亘って前記ペナルティ付与条件が成立しなかった場合には、前記監視を終了することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、所定期間に亘ってペナルティ付与条件が成立するか否かを判定し、当該所定期間にペナルティ付与条件が成立しなかった場合には、当該ペナルティ付与条件が成立するか否かの監視処理を終了することができるので、過度にペナルティが付与されることをより適切に防止することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のスロットマシンにおいて、
前記抽選手段によって何れかの入賞役に当選したことが決定されている場合に、当該入賞役を導出させるための前記複数の停止操作部の操作順序を遊技者に報知可能な報知手段と、
該報知手段による報知を行う報知期間を発生させるか否かを抽選する報知抽選手段と、を備え、
前記報知抽選手段は、
前記所定期間以外においては、前記ゲームが実行される毎に前記報知期間を発生させるか否かの抽選を行うことが可能である一方、
前記所定期間においては、前記抽選手段によって、特定の入賞役に当選した場合にのみ、前記報知期間を発生させるか否かの抽選を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、ペナルティを付与するか否かを監視する所定期間にあっては、複数の停止操作部の操作順序を遊技者に報知可能な報知期間を発生させるか否かの抽選を特定の小役入賞に当選した場合のみ実行することができる。
従って、誤って変則押しを行ってしまった場合には、警告として遊技者に有利となり得る上記報知期間を発生させるか否かを決定するための抽選機会を減らすことによって、遊技者が変則押しを行わないように注意を喚起することができるようになる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のスロットマシンにおいて、
前記ペナルティ付与条件は、前記操作順序判定手段によって、前記所定期間において前記複数の停止操作部の操作順序が前記禁止される操作順序であると再度判定されることであり、
前記報知抽選手段は、
前記ペナルティ付与条件が成立した場合には、前記ペナルティとして、予め定められた期間に亘り、前記報知期間を発生させるか否かの抽選を行わないようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、変則押しが行われた場合でも直ちにペナルティとして報知期間を発生させるか否かの抽選を行わないようにするのではなく、当該変則押し後、所定期間に再度変則押しが行われた場合に当該ペナルティを付与するようにすることができる。
従って、誤って変則押しが行われた場合はペナルティの対象から除外し、再度変則押しが行われた場合、当該変則押しを故意と見做してペナルティの対象とすることで、過度にペナルティが付与されることを防止することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のスロットマシンにおいて、
前記報知抽選手段における抽選の確率状態を通常確率状態よりも高めた高確率状態に設定可能な報知抽選確率設定手段を備え、
前記ペナルティ付与条件監視手段は、
前記報知抽選確率設定手段によって前記高確率状態に設定されている場合には、前記操作順序判定手段によって、前記複数の停止操作部の操作順序が前記禁止される操作順序であると判定されたときでも、前記ペナルティ付与条件が成立するか否かの監視を行わないようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、遊技者に有利となり得る報知期間を発生させるか否かの抽選の確率状態が高確率状態に設定されている場合には、変則押しが行われたときでも、ペナルティ付与条件が成立するか否かの監視を行わないようにすることができる。
従って、当該高確率状態に設定されている場合には、当該報知期間を発生させるか否かの抽選を行わないようにするというペナルティが発生しないようにすることができるので、高確率状態の設定という恩恵を受けた場合にまで過度にペナルティが付与されることを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ゲームの実行中に複数の停止操作部の操作順序が禁止される操作順序であると判定された場合、ペナルティ付与条件監視手段によって、遊技者にペナルティを付与するためのペナルティ付与条件が成立するか否かを所定期間に亘って監視することができ、当該所定期間にペナルティ付与条件が成立したと判定された場合、ペナルティ付与手段によって、ペナルティを遊技者に付与することができる。
従って、複数の停止操作部の操作順序が禁止されている操作順序で操作(いわゆる変則押し)された場合でも直ちにペナルティを付与するのではなく、かかる操作後、所定期間にペナルティ付与条件が成立した場合にペナルティを付与するようにしているので、誤って停止操作部を操作してしまった場合はペナルティの対象から除外することで、変則押しに対して過度にペナルティが付与されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図2】実施形態のスロットマシンの背部の構造を示す背面図である。
【図3】実施形態に係るスロットマシンの制御系の一部を示すブロック図である。
【図4】スロットマシンが備えるリールの外周面に形成されている図柄の配列図である。
【図5】実施形態のスロットマシンにおける入賞の種類、各入賞に対応する図柄組合せ態様及び入賞内容を示す説明図である。
【図6】実施形態のスロットマシンにおける遊技状態の遷移の条件を示す状態遷移図である。
【図7】実施形態のスロットマシンの遊技制御装置による遊技制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】遊技制御装置の遊技制御処理中の内部抽選処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】遊技制御装置の遊技制御処理中の変動表示開始処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】遊技制御装置の遊技制御処理中のリール停止処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】遊技制御装置の遊技制御処理中の入賞成立判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】遊技制御装置の遊技制御処理中のRT遊技初期処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】遊技制御装置の遊技制御処理中のRT回数減算処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】遊技制御装置の遊技制御処理中のボーナス当選時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】実施形態のスロットマシンの演出制御装置による演出制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】実施形態のスロットマシンの演出制御装置によるタイマ割込み処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】演出制御装置の演出制御処理中のAT関連処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】演出制御装置の演出制御処理中のペナルティ関連処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】演出制御装置のペナルティ関連処理中の回数管理処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】演出制御装置の演出制御処理中の演出設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図21】演出制御装置のタイマ割込み処理中の停止ボタン発光処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図22】変形例1に係るAT関連処理の一例を示すフローチャートである。
【図23】変形例2に係るAT関連処理の一例を示すフローチャートである。
【図24】変形例2に係るペナルティ関連処理の一例を示すフローチャートである。
【図25】(a)は、左リールストップボタンの裏面側に設けられたストップLEDを通常とは異なる特殊発光態様としたときの一例を示す図、(b)は、猶予期間中に変則押しが行われた際に実行される演出の一例を示す図、(c)は、(b)の演出の続きを示す図である。
【図26】変形例5に係るペナルティ関連処理の一例を示すフローチャートである。
【図27】変形例2の変形例に係るペナルティ関連処理の一例を示すフローチャートである。
【図28】変形例6に係る内部抽選処理の一例を示すフローチャートである。
【図29】変形例6に係る演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図30】変形例6に係るペナルティ関連処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
まず、図1〜6に基づいて、本実施形態に係るスロットマシン1の概要について示す。
図1は本実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図であり、図2はスロットマシンの内部構造を示す正面図である。
スロットマシン1は、前面が開放した箱形の筐体の内部に各種の機器が設けられるとともに、この筐体の前面に、前面枠2が片開き形式に開閉可能に設けられることで概略構成されている。
【0020】
前面枠2の上部には、遊技に応じて様々な演出を提供する演出ユニット7が配設されている。この演出ユニット7は、中央に位置する画像表示装置3、画像表示装置3の左右に配された装飾部材8、画像表示装置3の上部に配された発光装置71、画像表示装置3の前面において状態が変換される演出部材72a、演出部材72aの状態を変換させる演出装置72(図3参照)、及び発光装置71の左右に配されたスピーカ4等で構成される。
【0021】
画像表示装置3は、例えば、液晶表示パネルで構成され、この画像表示装置3において、遊技に関する演出表示のほか、様々な情報などが表示される。演出装置72は、モータやセンサを備えて構成され、演出部材72aの状態を変換させることにより演出を行う。また、発光装置71では光による演出が、スピーカ4では音声による演出が行われる。これらを組み合わせることにより様々な態様の演出が可能となっている。なお、演出ユニット7における各種演出は、後述する演出制御装置70によって制御される。
【0022】
前面枠2の中央部には、後方を視認可能な(例えば透明の)図柄表示窓5が形成されている。この図柄表示窓5を透して、筐体内に配設された変動表示手段としてのリール6の回転により変動表示される図柄を視認可能となっている。リール6は、複数の(例えば3つ)円筒形のリール6a,6b,6cが水平方向に並設されて構成されている。これらのリール6a,6b,6cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄が形成されている(図4参照)。また、各リール6a,6b,6cにはそれぞれ、リール用モータ(ステッピングモータ)64a,64b,64c(図3参照)が設けられており、各リール6a,6b,6cを独立して回転駆動ならびに回転停止することが可能となっている。
【0023】
リール用モータ64によりリール6a,6b,6cを回転させることにより、図柄表示窓5から視認される複数種類の図柄を、例えば上から下へと循環するように変動させる(変動表示)。一方、リール6a,6b,6cが停止している状態では、各リール6a,6b,6cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が図柄表示窓5を介して視認可能となっており、つまり図柄表示窓5には3×3の計9つの図柄が停止表示される。
【0024】
図柄表示窓5から視認される3×3の図柄行列に対しては、複数の有効化可能ラインが設定されている。すなわち、例えば、各リール6a,6b,6c中段の図柄を横切る有効化可能ライン(中段ライン)、各リール6a,6b,6c上段の図柄を横切る有効化可能ライン(上段ライン)、各リール6a,6b,6c下段の図柄を横切る有効化可能ライン(下段ライン)、第1リール6a下段−第2リール6b中段−第3リール6c上段にかけて各リール6a,6b,6cを斜めに横切る有効化可能ライン(右上がりライン)、及び、第1リール6a上段−第2リール6b中段−第3リール6c下段にかけて各リール6a,6b,6cを斜めに横切る有効化可能ライン(右下がりライン)の5ラインが、有効化可能ラインとして設定されている。
【0025】
そして、遊技者によるメダルの投入又はクレジットからの入力(以下、賭操作)によって設定された賭数(ベット数)に応じて所定の有効化可能ラインが有効化され、この有効ライン上に形成された図柄組合せ態様に基づいて入賞の成立/不成立が判断される。例え
ば、賭数1では中段ラインが有効ラインとなり、賭数2では中段ラインに加え、上下段ラインが有効ラインとなり、賭数3では上中下段ラインに加え、右上がり、右下がりラインが有効ラインとなる。なお、賭数が3の場合でのみゲームを実行可能な所謂3枚がけ専用としてもよく、この場合は常に5つの有効化可能ラインが有効ラインとなる。また、賭数には無関係にすべてのラインを有効としてもよい。
【0026】
図柄表示窓5の下側には、クレジット数表示器11、払出数表示器12、獲得枚数表示器13が設けられている。クレジット数表示器11は、メダル貯留装置にクレジットとして記憶されているメダル数を表示し、払出数表示器12は、ボーナスゲーム時の払出枚数を表示するものである。また、獲得枚数表示器13は役成立時の獲得枚数を表示するものである。これらの表示器11,12,13は、後方を透視可能な透明部材の奥に、例えば、7セグメントのLEDからなる表示器を備えるもので、その点灯状態によって各種情報を表示するようになっている。
【0027】
図柄表示窓5の右下方には、賭操作によって設定された賭数(最高3枚)を表示する表示器17が設けられている。この賭数表示器17は、その奥に配されたランプの点灯状態によりメダルの賭数を表示する。
【0028】
図柄表示窓5の左下方には、各種遊技状態を表示する遊技状態表示器19が設けられており、その奥に配されたランプの点灯状態により現在の遊技状態を表示する。
遊技状態表示器19は、例えば、賭操作が行われスタートレバー21によるゲームのスタート操作が有効であることを示すスタート表示部、遊技者がスタートレバー21を操作してからリールが回転するまでに待ち時間がある(前回のゲーム開始から一定時間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)ことを示すウェイト表示部、再遊技入賞(リプレイ入賞)が成立してリプレイゲームが付与されたことを示すリプレイ表示部、スロットマシン1が遊技可能な待機状態であることを示し賭操作を示唆するインサートメダル表示部、で構成される。
【0029】
図柄表示窓5の下側には、前側に突出する段部が形成されていて、その段部の上面が前面棚14とされている。この前面棚14には、メダル投入口15、1ベットボタン(図示略)、マックスベットボタン16が設けられている。
メダル投入口15は、前面棚14におけるスロットマシン1の前面側から見て右側(前面枠2の開放端側)に配設されている。遊技者がこのメダル投入口15にメダルを投入して賭操作を行うことにより、ゲームが実行可能となる。このメダル投入口15から投入されたメダルが通過する経路には、メダルの通過を検出するメダル投入検出センサ51(図3参照)が設けられており、このメダル投入検出センサ51による検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。
1ベットボタン及びマックスベットボタン16は、前面棚14におけるスロットマシン1の前面側から見て左側に配設されている。1ベットボタンは、押圧操作を一度行う毎にクレジットから1枚ずつ賭数を入力でき、マックスベットボタン16は、押圧操作を一度行うことでクレジットから賭数の上限数(例えば、3枚)まで入力できる。
【0030】
前面棚14の下側には、クレジット選択ボタン20、スタートレバー21、リールストップボタン24、メダル詰まり解消ボタン22、及び鍵穴23が設けられている。
クレジット選択ボタン20は、メダル投入口15から投入されたメダル又は入賞が成立することにより払い出されるメダルをクレジットとして記憶可能なクレジット状態と、記憶不能な非クレジット状態を切り換えるためのものである。例えば、クレジット状態において、メダル投入口15から最大賭数(例えば、3枚)を超えるメダルが投入された場合は、最大賭数を超えた分のメダルは、所定数(例えば50枚)までクレジットとしてスロットマシン1に記憶され、以降のゲームで使用できる。また、クレジットとして記憶可能
な所定数を超えるメダルが投入された場合は、受け皿27に返却される。一方、非クレジット状態では、最大賭数を超えた分のメダルは受け皿27に返却される。
【0031】
スタートレバー21は、一区切りのゲームを開始させるための操作レバーである。メダル詰まり解消ボタン22は、メダル投入口15内でメダル詰まりが発生した場合にこれを解消するためのものである。鍵穴23は、前面枠2を開く際、又はスロットマシン1のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際に鍵を差し込むためのものである。
【0032】
リールストップボタン24は、左リール6a、中リール6b、及び右リール6cとそれぞれ1対1で対応付けられて設けられた左リールストップボタン24a、中リールストップボタン24b、及び右リールストップボタン24cで構成され、停止操作に応じて対応するリール6a,6b,6cの回転をそれぞれ停止させるためのものである。これらのリールストップボタン24a,24b,24cは、例えば、有色半透明の樹脂部材などで形成されている。また、リールストップボタン24a,24b,24cの奥には、該リールストップボタン24a,24b,24cの操作により各リールを停止可能な状態であることを、点灯により報知するためのストップボタンLED66(図3参照)がそれぞれ設けられている。
【0033】
これらの操作ボタン類が設けられた部分の下側には、前面枠2の下部領域を構成する装飾板25が設けられ、さらに、装飾板25の下側であって前面枠2の最下部には、灰皿26とメダルを貯留するための受け皿27、及び音声を出力するためのスピーカ4が設けられている。
【0034】
また、筐体内部の下部には、メダル払出装置63が配設されている。メダル払出装置63は、有効ライン上に所定の図柄組合せ態様が形成され入賞が成立した場合に、この入賞に対応する枚数のメダル(払出メダル)、又は払出メダルによりクレジットの上限を超えた分のメダルを受け皿27に払い出す。
【0035】
図3は、スロットマシン1の制御系の一部を示すブロック図である。なお、図1で説明した構成要素(例えば、遊技状態表示器19等)には同一の符号を付し、ここでの説明は省略する。
【0036】
図3に示すように、スロットマシン1の制御系は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置、メイン制御基板)50と、この遊技制御装置50の制御下で遊技の演出に関する制御を統括的に行う演出制御装置(サブ制御装置、サブ制御基板)70とを備えて構成されている。この制御系の構成要素は、それぞれスロットマシン1の筐体内部に配設されている。
【0037】
遊技制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)50a、ROM(Read OnlyMemory)50b、RAM(Random Access Memory)50c、I/F(Interface)50d等を備えて構成されている。
【0038】
CPU50aは、制御部、演算部を備え、遊技制御装置50の演算処理装置として各種演算制御を行う他、内部抽選に用いられる入賞判定用乱数などの各種乱数値などを生成する。
【0039】
ROM50bには、各種処理を実行するための制御プログラムや制御データの他、内部抽選用の判定値(判定テーブル)などが格納されている。また、ROM50bには、各ゲームにおいてリール6の停止制御を行う際に参照される停止テーブルが格納されている。
例えば、内部当選した各種入賞に対応する停止テーブルや、外れに対応する停止テーブル等である。
停止テーブルには、内部当選状態(セットされている当選フラグの状態)に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に最大限に形成させるためにリールの停止制御を行うためのデータ(滑りコマ数など)が格納されており、リール6の操作停止順、操作タイミングに応じて停止位置が予め設定されている。
【0040】
RAM50cは、CPU50aで生成された内部抽選用の乱数の記憶領域、各種データ(例えば、クレジット数のデータ、賭数のデータ、各種入賞フラグの状態のデータ、及び所定の図柄組合せ態様が導出されることに基づく払い出しに係るデータ等)を一時的に記憶する記憶領域、並びにCPU50aの作業領域を備える。
【0041】
I/F50dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、メダル投入検出センサ51、スタートレバーセンサ52、左リール停止センサ53a、中リール停止センサ53b、右リール停止センサ53c、左リール位置検出センサ54a、中リール位置検出センサ54b、右リール位置検出センサ54c、1ベットセンサ56、マックスベットセンサ57、クレジット選択センサ58、払出メダル検出センサ59、設定装置60、リセットセンサ61、前面枠開放センサ62から出力された各種の信号を、CPU50aに対して出力する。
【0042】
ここで、メダル投入検出センサ51は、メダル投入口15から投入されたメダルの通過を検出するものであり、この検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。スタートレバーセンサ52は、スタートレバー21が操作されたことを検出するためのスイッチである。
左リール停止センサ53a、中リール停止センサ53b、右リール停止センサ53cは、それぞれに対応するリールストップボタン24a,24b,24cが操作されたことを検出するためのセンサである。左リール位置検出センサ54a、中リール位置検出センサ54b、右リール位置検出センサ54cは、それぞれに対応するリール6a,6b,6cの回動位相を検出するためのセンサである。
【0043】
1ベットセンサ56は1ベットボタン(図示略)が操作されたことを検出するためのセンサで、マックスベットセンサ57はマックスベットボタン16が操作されたことを検出するためのセンサである。
クレジット選択センサ58は、クレジット選択ボタン20が操作されたことを検出するためのセンサである。払出メダル検出センサ59は、メダル払出装置63から払い出されたメダルを検出するものであり、この検出情報をもとにメダルの払出枚数がカウントされる。
【0044】
設定装置60は、設定変更操作に基づき、当該スロットマシン1の設定を切り換えるためのものである。この設定装置60により、例えば、1ゲーム毎の入賞(例えば、ボーナス入賞)の内部当選確率が異なる複数の設定(例えば、設定1〜6)の何れかに設定される。
リセットセンサ61は、例えば、鍵穴23に差し込まれた鍵が前面枠2を開放する時とは逆に回動されたことを検出し、この検出に基づきスロットマシン1をリセットするためのセンサである。なお、遊技制御装置50は、リセットセンサ61からの検出信号に基づき、例えば、当該スロットマシン1のエラー状態を解除する。前面枠開放センサ62は、前面枠2の開放状態を検出するためのセンサである。
【0045】
また、I/F50dは、CPU50aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出制御装置70、遊技状態表示器19、賭数表示器17、ク
レジット数表示器11、払出数表示器12、獲得枚数表示器13、メダル払出装置63、左リール用モータ64a、中リール用モータ64b、右リール用モータ64c、外部信号出力端子(スロットマシン1とは別体で設けられた管理装置等と接続する端子)65、ストップボタンLED66などに出力する。これによって、遊技制御装置50による各種構成要素の制御を可能としている。
【0046】
遊技制御装置50は、上述したように各構成要素とI/F50dを介して電気的に接続されている。遊技制御装置50は、例えば、CPU50aが所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば+1)し、スタートレバーセンサ52による検出タイミングで、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を内部抽選用の乱数として内部抽選を行う。
【0047】
また、遊技制御装置50は、内部抽選結果と、リールストップボタン24a,24b,24cの停止操作タイミングとに基づいて、対応する停止テーブルを参照し、リール用モータ64a,64b,64cの動作を制御することにより、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示されるようにリール6a,6b,6cを停止させる。
例えば、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が、有効ラインに到達する前に停止操作が行われた場合には、リール6a,6b,6cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄が有効ライン上に停止表示されるようにする、いわゆる引込み停止制御を行う。
また例えば、内部当選していない入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成されるタイミングで停止操作が行われた場合に、リール6a,6b,6cを停止させるタイミングを遅らせて、有効ライン上に形成されうる図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする、いわゆる蹴飛ばし停止制御を行う。
なお、遊技制御装置50による引込み停止制御、蹴飛ばし停止制御において、停止タイミングを変化可能な範囲は、停止操作が行われた位置から所定の図柄数以内(例えば、4コマ以内)とされている。
【0048】
一方、演出制御装置70は、CPU70a、ROM70b、RAM70c、I/F70d等を備えて構成されている。この演出制御装置70は、遊技制御装置50から出力される遊技に関する情報に基づいて、画像表示装置3における演出表示の制御や、演出装置72の動作の制御、発光装置71やスピーカ4による演出の制御を行う。
ここで、遊技に関する情報とは、スタートレバー21が操作されてゲームが開始された時点で出力される賭数情報(例えば、賭数に応じたパルス数を出力し、賭数とゲーム数を伝達する情報)、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常状態、BB状態、RB状態、RT状態等)を示す遊技状態情報を含む。
【0049】
I/F70dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置50から出力された各種信号をCPU70aに対して出力する。また、I/F70dは、CPU70aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、画像表示装置3、スピーカ4、発光装置(ランプ、LED)71、演出装置(モータ、センサ)72に出力する。これによって演出制御装置70による各種装置の制御を可能としている。
【0050】
具体的には、演出制御装置70は、画像表示装置3において、小役入賞の予告表示や、ボーナス入賞の告知表示、演出表示(1ゲームで完結するものや複数ゲームにわたるもの)などを表示させる。
また、演出制御装置70は、演出装置72を制御して演出部材72aを動作させる。また、演出制御装置70は、発光装置71での発光による装飾や、スピーカ4での音声による演出を行う。
【0051】
演出制御装置70は、RT状態においてアシスト情報の報知演出を制御する。例えば、演出制御装置70は、遊技制御装置50から送信された報知フラグの状態に基づいて、画像表示装置3にアシスト情報(押し順情報等)に係る制御信号を送信することで、アシスト内容を報知させる。すなわち、報知手段としての遊技制御装置50は、演出制御装置70を介して画像表示装置3にアシスト情報を表示させている。
【0052】
上述した遊技制御装置50と演出制御装置70との通信形態は、遊技制御装置50から演出制御装置70への単方向にのみ制御信号が送信されるようになっていて、遊技制御装置50に不正な信号が入力されるのを防止している。
【0053】
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合、まず、メダルをメダル投入口15から投入するか、或いはマックスベットボタン16や1ベットボタンを操作してクレジットから賭数を入力する。賭操作がなされると、賭数に応じて有効ラインが設定され、スタートレバー21の操作が有効な状態、すなわちゲームを開始可能な状態となる。そして、スタートレバー21を操作すると、遊技制御装置50において内部抽選処理がなされて入賞の当選/非当選が決定されるとともに、リール6の変動が開始される。
【0054】
所定時間経過後、リールストップボタン24a,24b,24cの操作に基づいて、リール6a,6b,6cの回転が停止され、図柄表示窓5に所定の図柄が表示される。そして、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に入賞が成立し、この入賞に対応する遊技価値が付与される(例えば、入賞メダルが払い出される)。
以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。
【0055】
図4には、スロットマシン1が備えるリール6a,6b,6cの外周面に形成されている図柄の配列の一例が示されている。
図4に示されているように、リール6a,6b,6cの外周面には、「黒7」、「白7」、「BAR」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」等の識別可能な7種類の図柄と、入賞の成立に関与しない「ブランク」の図柄とが、所定の順序で配置されている。
【0056】
図4に示されているように、「リプレイ」は、すべてのリール6a,6b,6cにおいて連続する5コマ以内に1つは配置されているので、4コマの引き込み停止制御により必ず有効ライン上に停止表示させることができる。
また、「ベル」は、中リール6b、右リール6cにおいて連続する5コマ以内に1つは配置されているので、左リール6aから停止操作(いわゆる順押し又は挟み押し)を行えば、引き込み停止制御により必ず有効ライン上に停止表示させることができる。
一方、その他の入賞は、連続する5コマ以内に必ずしも配置されていない図柄で構成されているため、4コマの引き込み停止制御を行っても有効ライン上に停止表示できない場合がある。つまり、これらの図柄を有効ライン上に停止表示させるためには、所望の図柄を狙ってリールストップボタン24a,24b,24cを停止操作(目押し)する必要がある。
【0057】
図5には、本実施形態のスロットマシン1における入賞の種類、各入賞に対応する図柄組合せ態様及び入賞内容が示されている。
本実施形態のスロットマシン1では、特別入賞としてビッグボーナス入賞(BB入賞)及びレギュラーボーナス入賞(RB入賞)が定められている。また、BB入賞として「黒7−黒7−黒7」からなるビックボースナ入賞と、「白7−白7−白7」からなるビック
ボースナ入賞とが設けられている。
なお、特別入賞(BB入賞又はRB入賞)に内部当選した場合は、内部当選したゲームで当該特別入賞を成立できなくても、当選フラグは次ゲームに持ち越され、以降のゲームにおいて特別入賞を成立させることができる。
【0058】
また、本実施形態のスロットマシン1では、小役入賞としてベル入賞、スイカ入賞、チェリー入賞、リプレイ入賞が定められている。
小役入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームでのみ当該小役入賞を成立させることができる。例えば、停止操作のタイミングによって小役入賞(例えば、スイカ入賞)を成立させることができなかった場合(いわゆる取りこぼし)、この小役入賞の当選フラグはクリアされ、次ゲームには持ち越されない。
【0059】
図5に示すように、「黒7−黒7−黒7」のボーナス図柄組合せ態様、又は、「白7−白7−白7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立するBB入賞が成立すると、特別遊技状態としてのBB状態が発生する。BB入賞の成立に伴うメダルの払い出しは0枚である。
BB状態では、例えば、通常遊技状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となる判定テーブルを使用したゲームが実行される。そして、図6に示すように、BB状態において遊技者に払い出したメダルの総数が250枚を超えたときに終了となる。
なお、BB状態においては、メダルの総払出数が規定数となるまでJACゲーム(JACイン入賞が成立すると所定の入賞役の内部当選確率が高確率となるゲーム)を繰り返し実行するようにしてもよく、また、JACゲームと小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームとを組み合わせて実行するようにしてもよい。
【0060】
また、BB状態中に特定の小役入賞に当選する等の移行条件が成立すると、BB状態の終了後に特定遊技状態としてのリプレイタイム状態1(RT状態1)が発生する。つまり、BB入賞の内部当選がRT状態1を発生させる特定遊技発生条件の一つとなる。
RT状態1では、例えば、通常遊技状態よりもリプレイ入賞の内部当選確率が飛躍的に高確率となる判定テーブルを使用したゲームが実行される。そして、図6に示すように、実行したゲーム数が30ゲーム(1セット)に到達したとき、BB入賞に内部当選したとき、或いはRB入賞に内部当選したときの何れかの特定遊技終了条件が成立したときに終了となる。
【0061】
RB入賞は「BAR−BAR−BAR」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞である。RB入賞が成立すると、特別遊技状態としてのRB状態が発生する。RB入賞の成立に伴うメダルの払い出しは0枚である。
RB状態では、例えば、通常遊技状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となる判定テーブルを使用したゲームが実行される。そして、図6に示すように、RB状態において遊技者にメダルの総数が100枚を超えたときに終了となる。本実施形態においては、RB状態の終了後には必ず特定遊技状態としてのリプレイタイム状態(RT状態1又はRT状態2)へ移行する。
なお、RB状態においても、メダルの総払出数が規定数となるまでJACゲーム(JACイン入賞が成立すると所定の入賞役の内部当選確率が高確率となるゲーム)を繰り返し実行するようにしてもよく、また、JACゲームと小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームとを組み合わせて実行するようにしてもよい。
【0062】
スイカ入賞は、「スイカ−スイカ−スイカ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、何れの遊技状態においても5枚のメダルが払い出される。図4に示す図柄配列においては「スイカ」が6コマ以上離れている個所があるため、スイカ入賞に内部当選しても、目押し操作を行わなければスイカ入賞を取りこぼす場合がある。
【0063】
ベル入賞は、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、何れの遊技状態においても10枚のメダルが払い出される。図4に示す図柄配列においては、ベル入賞に内部当選しても、目押し操作を行わなければベル入賞を取りこぼす場合があるが、取りこぼしがないように各リール6a,6b,6cに「ベル」を配置しても良い。
【0064】
チェリー入賞は、「チェリー−ANY−ANY」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、1つの有効ラインに対して通常遊技状態又は特定遊技状態において2枚(つまり、上段又は下段に停止表示された場合は4枚)のメダルが払い出される。ここで、「ANY」は何れの図柄であってもよいことを示す。図4に示す図柄配列においては「チェリー」が6コマ以上離れている個所があるため、チェリー入賞に内部当選しても、目押し操作を行わなければチェリー入賞を取りこぼす場合がある。
【0065】
リプレイ入賞は、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、改めて賭操作することなくゲームを実行できる再遊技(リプレイゲーム)が付与される。メダルの払い出しは0枚である。図4に示す図柄配列においては「リプレイ」が4コマ以内にあるため、リプレイ入賞に内部当選すると、目押し操作をしなくても引き込み停止制御により必ずリプレイ入賞を成立させることができる。
【0066】
本実施形態のスロットマシン1では、同一ゲームにおいて、特別入賞と小役入賞とが重複して内部当選可能となっている。重複して内部当選した場合、有効ライン上に導出される入賞の優先順位は、例えば、リプレイ入賞>リプレイ入賞以外の小役入賞>特別入賞とする。特別入賞に内部当選した以降のゲームにおいて、小役入賞に内部当選した場合も同様とする。
【0067】
遊技制御装置50における内部抽選により、上記何れかの入賞に内部当選すると、この内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に導出可能とされる。一方、何れの入賞にも内部当選しない場合にははずれとなり、入賞に対応する図柄組合せ態様は有効ライン上に形成されない。
通常遊技状態及びRT状態では、BB入賞及びRB入賞を含めた上記すべての入賞が内部抽選の対象となる。また、BB状態又はRB状態では、ベル入賞、スイカ入賞及びチェリー入賞が内部抽選の対象となる。
【0068】
図6は、本実施形態のスロットマシン1における遊技状態を説明するための状態遷移図である。
スロットマシン1では、電源を投入した直後は、通常遊技状態ST10でゲームが開始されるものとする。
通常遊技状態ST10で、RB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、RB状態ST11に移行する。また、BB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、BB状態ST12に移行する。
また、通常遊技状態ST10で、いわゆる天井条件(前回のボーナスゲーム終了から所定ゲーム数が消化されること等)が成立すると、RT状態2ST14に移行する。また、通常遊技状態ST10において、所定の入賞役に内部当選し、演出制御装置でアシストタイム(以下、AT)状態となると、当該所定の入賞役に対応する図柄組合せ態様を導出するための報知が行われ、この報知によって所定の入賞役に対応する図柄組合せ態様が導出することで、RT遊技状態1ST13として所定回数(例えば、30ゲームの)ART(アシストリプレイタイム)が発生する。
【0069】
BB状態ST12では、例えば、通常遊技状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。遊技者に払い出したメダルの総数が250枚を超えるとBB状態ST12は終了する。そして、BB状態ST12で所定の移行条件(特定の小役入賞)が成立しないと通常遊技状態ST10へ戻り、所定の移行条件(特定の小役入賞)が成立すると、RT状態1ST13に移行する。また、BB状態ST12では、特定の小役入賞の成立によって、RT状態1ST13又はRT状態2ST14中にAT状態となるARTの期間(例えば、所定ゲーム数、所定セット数等)をストック(上乗せ)可能となっている。
【0070】
RB状態ST11では、例えば、通常遊技状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。そして、遊技者に払い出したメダルの総数が100枚を超えるとRB状態ST11は終了し、99%の確率でRT1状態ST13に移行し、1%の確率でRT2状態ST14に移行する。また、RB状態ST11でも、BB状態ST12と同様に、特定の小役入賞の成立によって、RT状態1ST13又はRT状態2ST14中にAT状態となるARTの期間をストック可能となっている。
【0071】
RT状態1ST13では、通常遊技状態ST10よりもリプレイ入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。このRT状態1ST13では、リプレイ入賞の内部当選確率が、通常遊技状態ST10の場合に比較して高確率となっているので、メダルの消費量を抑えてゲームを重ねることが可能となる。したがって、小役入賞の成立により得られる遊技価値を増加させながら、特別入賞への当選を期待できる。
RT状態1ST13は、特定遊技終了条件が成立したとき(すなわち、実行したゲーム数が30ゲーム(1セット)に到達したとき)、BB入賞に内部当選したとき、或いはRB入賞に内部当選したときに終了となり、通常遊技状態ST10とRB状態ST11とBB状態ST12とのうちの何れかに移行する。
また、RT状態1ST13でも、特定の小役入賞の成立によって、ARTの期間をストック可能となっている。
【0072】
RT状態2ST14では、RT状態1ST13と同様に、通常遊技状態ST10よりもリプレイ入賞の内部当選確率が高確率となるゲームが実行される。
RT状態2ST14は、BB入賞に内部当選したとき、或いはRB入賞に内部当選したときに終了となり、RB状態ST11とBB状態ST12とのうちの何れかに移行する。
また、RT状態2ST14でも、特定の小役入賞の成立によって、ARTの期間をストック可能となっている。
【0073】
次に、図7〜図14を参照しながら、遊技制御装置50による処理について説明する。遊技制御装置50による処理は、遊技を統括的に制御する遊技制御処理(図7参照)と、所定時間毎(例えば、約2msec毎)に行われるタイマ割込み処理(図示省略)とからなる。
【0074】
〔遊技制御処理〕
まず、遊技制御処理について説明する。図7は、遊技制御処理の一例を示すフローチャートである。
この遊技制御処理は、遊技制御装置50の電源が投入されると、CPU50aがROM50bに記憶されている遊技制御処理の制御プログラムを読み出して実行することにより開始される。
【0075】
遊技制御処理が開始されると、まず、遊技制御装置50のCPU50a内のレジスタの初期化やRAM50cに記憶されている遊技データの初期化などを行う電源投入時処理を実行する(ステップS1)。
【0076】
次いで、RT(RT状態1又はRT状態2)に移行すると判定された場合にRT作動中フラグ、及びRT回数をセットするRT遊技初期処理を実行する(ステップS2)。なお、RT遊技初期処理の詳細については後述する。
【0077】
次いで、リプレイ入賞の成立に基づく自動賭操作や、賭操作(すなわち、メダル投入口15からのメダル投入又はクレジットからの入力)により賭数を設定するBET(賭)処理を実行する(ステップS3)。
【0078】
次いで、払戻ボタン20が操作されたか否かを判定し、操作されたと判定した場合に、投入されたメダルの払い戻し及びクレジットとして記憶されているメダルの払い戻しを行う払戻制御処理を実行する(ステップS4)。
【0079】
次いで、ベット数が上限値(例えば、3個)に達したか否かを判定する(ステップS5)。
ステップS5で、ベット数が上限値に達していないと判定した場合(ステップS5;No)には、ステップS2に戻る。
【0080】
一方、ステップS5で、ベット数が上限値に達したと判定した場合(ステップS5;Yes)には、スタートレバー21が操作されたか否かを判定する(ステップS6)。
ステップS6で、スタートレバー21が操作されていないと判定した場合(ステップS6;No)には、ステップS2に戻る。
【0081】
一方、ステップS6で、スタートレバー21が操作されたと判定した場合(ステップS6;Yes)には、入賞役の内部抽選を行い、当該内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報(抽選結果コマンド)を演出制御装置70に送信するとともに、最小遊技間隔時間経過後にリール6a,6b,6cの回転を開始させる内部抽選処理を実行する(ステップS7)。なお、内部抽選処理の詳細については後述する。
【0082】
次いで、ステップS7の内部抽選処理によりBB入賞又はRB入賞に内部当選していると判定した場合にRT関連情報(RT作動中フラグ、RTステータスフラグ、及びRT回数)をクリアするボーナス当選時処理を実行する(ステップS8)。なお、ボーナス当選時処理の詳細については後述する。
【0083】
次いで、変動表示開始処理を実行する(ステップS9)。なお、変動表示開始処理の詳細については後述する。
【0084】
次いで、ステップS7の内部抽選処理でセットされた当選フラグと、リールストップボタン24a,24b,24cの停止操作タイミングとに基づいて、リール6a,6b,6cの回転を停止させるリール停止処理を実行する(ステップS10)。なお、リール停止処理の詳細については後述する。
【0085】
次いで、有効ライン上に停止表示された図柄組合せ態様に基づいて、ステップS7の内部抽選処理でセットされた入賞当選フラグに対応する入賞(内部当選している入賞)が成立しているか否かを判定し、入賞が成立していると判定した場合には、成立した入賞に対応する払出枚数情報をセットする入賞成立判定処理を実行する(ステップS11)。ここで、有効ライン上に停止表示された図柄組合せ態様は、リール位置検出スイッチ54からのリール位置情報(具体的には、リール位置検出スイッチ54により検出されたリール6の回動位相等)に基づき判断される。なお、入賞成立判定処理の詳細については後述する。
【0086】
次いで、ステップS11の入賞成立判定処理でセットされた払出枚数情報に基づいて、クレジットの加算又はメダル払出装置63によるメダルの払い出しを行う払出制御処理を実行する(ステップS12)。
次いで、BB入賞の成立やRT状態への移行条件の成立を判定し、対応する遊技状態へと移行するための準備を行う遊技状態更新処理を実行する(ステップS13)。
【0087】
次いで、RT中であると判定した場合に残りRT回数を管理するRT回数減算処理を実行する(ステップS14)。なお、RT回数減算処理の詳細については後述する。
次いで、停電が発生したか否かを判定する(ステップS15)。
ステップS15で、停電が発生していないと判定した場合(ステップS15;No)には、ステップS2に戻る。
一方、ステップS15で、停電が発生したと判定した場合(ステップS15;Yes)には、一旦割込みを禁止する処理、全出力ポートをオフにする処理、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブする処理、RAM50cへのアクセスを禁止する処理等を行う停電時処理を実行して(ステップS16)、当該スロットマシン1の電源が遮断されるのを待つ。
【0088】
〔内部抽選処理〕
次に、前述の遊技制御処理(図7)における内部抽選処理(ステップS7)について説明する。図8は、内部抽選処理の一例を示すフローチャートである。
なお、当該内部抽選処理中は、賭操作やリール6の停止操作などの各種操作の入力を受け付けずに無効なものとするように構成されている。
【0089】
内部抽選処理が開始されると、遊技制御装置50のCPU50aは、まず、乱数発生器50eから乱数値(入賞判定用乱数)を取得する(ステップS21)。
次いで、現在の遊技状態に応じた入賞当選判定テーブルをセットする(ステップS22)。
【0090】
次いで、ステップS21で取得した乱数値と、ステップS22でセットした入賞当選判定テーブルとに基づいて、入賞に内部当選したか否かを判定する入賞当選判定処理を実行する(ステップS23)。すなわち、遊技制御装置50は、スタートレバー21の操作に基づくゲームの開始時に予め設定された複数の入賞役の何れかに当選したか否かを抽選可能な抽選手段として機能する。
なお、本実施形態では、入賞に内部当選したか否かを、乱数発生器50eで生成される乱数値、すなわちハードウェアで生成されるハード乱数を用いて判定するように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、入賞に内部当選したか否かを、ソフトウェアで生成されるソフト乱数に基づいて判定するように構成することも可能である。
【0091】
次いで、ハズレ当選フラグをセットする(ステップS24)。
次いで、ステップS23の入選当選判定処理で得られた判定結果に基づいて、ボーナス内部当選があるか否かを判定する(ステップS25)。
【0092】
ステップS25で、ステップS23の入賞当選判定処理で得られた判定結果がボーナス内部当選でないと判定した場合(ステップS25;No)には、リプレイ内部当選があるか否かを判定する(ステップS26)。
ステップS26で、リプレイ内部当選したと判定した場合(ステップS26;Yes)には、ステップS24でセットしたハズレ当選フラグに代えて、リプレイ内部当選に対応するリプレイフラグをセットする(ステップS27)。
一方、ステップS26で、リプレイ内部当選していないと判定した場合(ステップS2
6;No)には、ステップS27〜29をスキップしてステップS31へ移行する。
【0093】
次いで、現在の遊技状態がRT中であることを示すRT作動中フラグがあるか否かを判定する(ステップS28)。
ステップS28で、RT作動中フラグがあると判定した場合(ステップS28;Yes)には、押し順(遊技者によるリールストップボタン24の停止操作順)情報を設定する(ステップS29)。
一方、ステップS28で、RT作動中フラグがないと判定した場合(ステップS28;No)には、ステップS29をスキップしてステップS31へ移行する。
【0094】
また、ステップS25で、ステップS23の入賞当選判定処理で得られた判定結果がボーナス内部当選であると判定した場合(ステップS25;Yes)には、ボーナスフラグをセットして(ステップS30)、ステップS31へ移行する。
【0095】
次いで、ステップS24、27、又は30でセットされた当選フラグに対応する当選フラグコマンドを送信し(ステップS31)、当該内部抽選処理を終了する。
【0096】
〔変動表示開始処理〕
次に、前述の遊技制御処理(図7)における変動表示開始処理(ステップS9)について説明する。図9は、変動表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
【0097】
変動表示開始処理が開始されると、遊技制御装置50のCPU50aは、まず、ボーナスゲーム中であるか否かを判定する(ステップS41)。
ステップS41で、ボーナスゲーム中でないと判定した場合(ステップS41;No)には、ゲーム数カウンタと報知カウンタの値を+1更新する(ステップS42)。
【0098】
次いで、報知カウンタの値が上限値(例えば、300)に達したか否かを判定する(ステップS43)。
ステップS43で、報知カウンタが上限値に達したと判定した場合(ステップS43;Yes)には、報知カウンタを0クリアして(ステップS44)、変動開始演出(フリーズ演出)を行わずにリール6の変動を等速変動にする指示を行う通常変動開始コマンドをセットする(ステップS45)。
一方、ステップS43で、報知カウンタの上限値に達していないと判定した場合(ステップS43;No)には、ステップS44をスキップしてステップS45へ移行する。
【0099】
次いで、報知カウンタの値が1であるか否かを判定する(ステップS46)。
ステップS46で、報知カウンタの値が1であると判定した場合(ステップS46;Yes)には、特別入賞役に当選しているか否かを判定する(ステップS47)。
ステップS47で、特別入賞役に当選していると判定した場合(ステップS47;Yes)には、第1変動演出テーブルから設定値に対応するフリーズ演出を選択する(ステップS48)。
【0100】
次いで、ステップS45でセットされた通常変動開始コマンドに代えて、変動開始演出(フリーズ演出)を行ってからリール6の変動を等速変動にする指示を行う特殊変動開始コマンドをセットして(ステップS49)、ステップS58へ移行する。
また、ステップS46で、報知カウンタの値が1でないと判定した場合(ステップS46;No)、又は、ステップS47で、特別入賞役に当選していないと判定した場合(ステップS47;No)には、ステップS48及びステップS49をスキップして、ステップS58へ移行する。
【0101】
また、ステップS41で、ボーナスゲーム中であると判定した場合(ステップS41;Yes)には、通常変動開始コマンドをセットする(ステップS50)。
次いで、現在実行中のボーナスゲームが当日初めて実行される当日初回ボーナスであるか否かを判定する(ステップS51)。
ステップS51で、当日初回ボーナスでないと判定した場合(ステップS51;No)には、小役(チェリー)に当選しているか否かを判定する(ステップS52)。
ステップS52で、小役(チェリー)に当選していると判定した場合(ステップS52;Yes)には、第2変動演出テーブルから設定値に対応するフリーズ演出を選択する(ステップS53)。
【0102】
次いで、ステップS50でセットされた通常変動開始コマンドに代えて、特殊変動開始コマンドをセットして(ステップS54)、ステップS58へ移行する。
また、ステップS52で、小役(チェリー)に当選していないと判定した場合(ステップS52;No)には、ステップS53及びステップS54をスキップして、ステップS58へ移行する。
【0103】
また、ステップS51で、当日初回ボーナスであると判定した場合(ステップS51;Yes)には、小役(スイカ)に当選しているか否かを判定する(ステップS55)。なお、ステップS55で当否の判定がなされる小役はチェリーでも良い。
ステップS55で、小役(スイカ)に当選していると判定した場合(ステップS55;Yes)には、第1変動演出テーブルから設定値に対応するフリーズ演出を選択する(ステップS56)。
【0104】
次いで、ステップS50でセットされた通常変動開始コマンドに代えて、特殊変動開始コマンドをセットして(ステップS57)、ステップS58へ移行する。
また、ステップS52で、小役(スイカ)に当選していないと判定した場合(ステップS55;No)には、ステップS56及びステップS57をスキップして、ステップS58へ移行する。
【0105】
次いで、ステップS45,49,50,54,又は57でセットされた変動開始コマンドを演出制御装置70に送信する(ステップS58)。
次いで、上記セットされたコマンドが特殊変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS59)。
ステップS59で、特殊変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS59;Yes)には、特殊変動開始処理を実行する(ステップS60)。
【0106】
次いで、等速変動中処理を実行して(ステップS62)、当該変動表示開始処理を終了する。
一方、ステップS59で、特殊変動開始コマンドでないと判定した場合(ステップS59;No)には、通常変動開始処理を実行する(ステップS61)。
次いで、等速変動中処理を実行して(ステップS62)、当該変動表示開始処理を終了する。
【0107】
〔リール停止処理〕
次に、前述の遊技制御処理(図7)におけるリール停止処理(ステップS10)について説明する。図10は、リール停止処理の一例を示すフローチャートである。
【0108】
リール停止処理が開始されると、遊技制御装置50のCPU50aは、まず、変動開始演出中であるか否かを判定する(ステップS71)。
ステップS71で、変動開始演出中でないと判定した場合(ステップS71;No)に
は、リールストップボタン24の操作有効期間中であるか否かを判定する(ステップS72)。
一方、ステップS71で、変動開始演出中であると判定した場合(ステップS71;Yes)には、ステップS71の判定処理を繰り返す。
【0109】
ステップS72で、リールストップボタン24の操作有効期間中であると判定した場合(ステップS72;Yes)には、リールストップボタン24の操作があるか否かを判定する(ステップS73)。
一方、ステップS72で、リールストップボタン24の操作有効期間中でないと判定した場合(ステップS72;No)には、ステップS71に戻る。
【0110】
ステップS73で、リールストップボタン24の操作があると判定した場合(ステップS73;Yes)には、リール停止情報に基づき回転中のリール6のリールストップボタン24の操作かチェックする(ステップS74)。
【0111】
次いで、当該操作が最初の停止操作である第1停止操作であるか否かを判定する(ステップS75)。
ステップS75で、第1停止操作であると判定した場合(ステップS75;Yes)には、この第1停止操作が禁止操作対象の操作(例えば、通常遊技状態における逆押し等)であるか否かを判定する(ステップS76)。
一方、ステップS75で、第1停止操作でないと判定した場合(ステップS75;No)には、ステップS78へ移行する。
【0112】
ステップS76で、禁止操作対象の操作であると判定した場合(ステップS76;Yes)には、変則押し情報を設定する(ステップS77)。
一方、ステップS76で、禁止操作対象の操作でないと判定した場合(ステップ76;No)には、ステップS78へ移行する。
ここで、遊技制御装置50は、複数のリールストップボタン24a,24b,24cの操作順序が遊技状態に応じて禁止される操作順序であるか否かを判定する操作順序判定手段として機能する。
【0113】
次いで、当該リールストップボタン24の操作が有効なボタン操作であるか否かを判定する(ステップS78)。
ステップS78で、有効なボタン操作であると判定した場合(ステップS78;Yes)には、リール停止情報、及び停止ボタンに対応する停止制御テーブルをセットする(ステップS79)。
一方、ステップS78で、有効なボタン操作でないと判定した場合(ステップS78;No)には、ステップS71へ戻る。
【0114】
次いで、成立フラグとリール位置情報に基づいて残りステップ数を取得する(ステップS80)。
次いで、取得した残りステップ数をリール更新情報としてセットする(ステップS81)。
【0115】
次いで、ステップS73で操作があったと判定したリールストップボタン24に対応するリール6が停止したか否かを判定する(ステップS82)。
ステップS82で、リール6が停止したと判定した場合(ステップS82;Yes)には、変則押し情報があるか否かを判定する(ステップS83)。
一方、ステップS82で、リール6が停止していないと判定した場合(ステップS82;No)には、ステップS87へ移行する。
【0116】
ステップS83で、変則押し情報があると判定した場合(ステップS83;Yes)には、停止リールに対応する変則押し情報を含むリール停止情報をセットする(ステップS84)。
一方、ステップS83で、変則押し情報がないと判定した場合(ステップS83;No)には、停止リールに対応するリール停止情報(変則押し情報なし)をセットする(ステップS85)。
【0117】
次いで、リール停止情報に対応するリール停止コマンドを演出制御装置70に送信する(ステップS86)。
次いで、左,中,右の全てのリール6が停止済みであるか否かを判定する(ステップS87)。
ステップS87で、全てのリール6が停止済みであると判定した場合(ステップS87;Yes)には、リール全停止コマンドをセットする(ステップS88)。
一方、ステップS87で、全てのリール6が停止済みでないと判定した場合(ステップS87;No)には、ステップS71へ戻る。
【0118】
次いで、リール6の停止態様がチャンス目停止であるか否かを判定する(ステップS89)。
ステップS89で、チャンス目停止であると判定した場合(ステップS89;Yes)には、チャンス目停止コマンドをセットする(ステップS90)。
一方、ステップS89で、チャンス目停止でないと判定した場合(ステップS89;No)には、ステップS91へ移行する。
【0119】
次いで、リール6の停止態様がリーチ目停止であるか否かを判定する(ステップS91)。
ステップS91で、リーチ目停止であると判定した場合(ステップS91;Yes)には、リーチ目の種類に応じたリーチ目停止コマンドをセットする(ステップS92)。
一方、ステップS91で、リーチ目停止でないと判定した場合(ステップS91;No)には、ステップS93へ移行する。
【0120】
次いで、セットされた停止コマンドを演出制御装置70に送信する(ステップS93)。
次いで、リーチ停止情報をリセットして(ステップS94)、当該リーチ停止処理を終了する。
【0121】
〔入賞成立判定処理〕
次に、前述の遊技制御処理(図7)における入賞成立判定処理(ステップS11)について説明する。図11は、入賞成立判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0122】
入賞成立判定処理が開始されると、遊技制御装置50のCPU50aは、まず、払出枚数をクリアする(ステップS101)。
次いで、有効ライン数をセットする(ステップS102)。
【0123】
次いで、有効ライン上に停止表示された図柄組合せ態様と内部当選している入賞に対応する図柄組合せ態様を比較し、入賞図柄があるか否かを判定する(ステップS103)。
ステップS103で、入賞図柄があると判定した場合(ステップS103;Yes)には、当該入賞図柄がRTの終了契機となるRT終了図柄のみであるか否かを判定する(ステップS104)。
一方、ステップS103で、入賞図柄がないと判定した場合(ステップS103;No
)には、ステップS108へ移行する。
【0124】
次いで、ステップS104で、RT終了図柄のみであると判定した場合(ステップS104;Yes)には、RT作動中フラグをクリアして(ステップS105)、ステップS106へ移行する。
一方、ステップS104で、RT終了図柄のみでないと判定した場合(ステップS104;No)には、ステップS105をスキップして、ステップS106へ移行する。
【0125】
次いで、成立した入賞に対応する払出枚数をセットする(ステップS106)。
次いで、成立した入賞に応じて作動開始フラグをセットする(ステップS107)。この作動開始フラグは、BB状態又はRB状態を発生させるためのフラグであり、BB入賞又はRB入賞が成立したときにセットされる。
【0126】
次いで、リプレイ入賞に基づくリプレイ作動が開始したか否かを判定する(ステップS108)。
ステップS108で、リプレイ作動が開始したと判定した場合(ステップS108;Yes)には、リプレイ表示LEDを点灯して(ステップS109)、ステップS110へ移行する。
一方、ステップS108で、リプレイ作動が開始していないと判定した場合(ステップS108;No)には、ステップS109をスキップして、ステップS110へ移行する。
【0127】
次いで、入賞判定結果を演出制御装置70に送信するための入賞判定結果設定処理を実行して(ステップS110)、当該入賞成立判定処理を終了する。
【0128】
〔RT遊技初期処理〕
次に、前述の遊技制御処理(図7)におけるRT遊技初期処理(ステップS2)について説明する。図12は、RT遊技初期処理の一例を示すフローチャートである。
【0129】
RT遊技初期処理が開始されると、遊技制御装置50のCPU50aは、まず、RTの作動が開始されるか否かを判定する(ステップS111)。
ステップS111で、RTの作動が開始されると判定した場合(ステップS111;Yes)には、このときの遊技状態がRT遊技状態1ST13であるか否かを判定する(ステップS112)。
【0130】
ステップS112で、RT遊技状態1ST13であると判定した場合(ステップS112;Yes)には、RT作動中フラグ(フラグ1)をセットする(ステップS113)。
次いで、RT回数をセットして(ステップS114)、当該RT遊技初期処理を終了する。
一方、ステップS112で、RT遊技状態1ST13でない、すなわちRT遊技状態2ST14であると判定した場合(ステップS112;No)には、RT作動中フラグ(フラグ2)をセットして(ステップS115)、当該RT遊技初期処理を終了する。
【0131】
また、ステップS111で、RTの作動が開始されないと判定した場合(ステップS111;No)には、RT作動中をセットせず、当該RT遊技初期処理を終了する。
【0132】
〔RT回数減算処理〕
次に、前述の遊技制御処理(図7)におけるRT回数減算処理(ステップS14)について説明する。図13は、RT回数減算処理の一例を示すフローチャートである。
【0133】
RT回数減算処理が開始されると、遊技制御装置50のCPU50aは、まず、RT作動中フラグ(フラグ1)があるか否かを判定する(ステップS121)。
ステップS121で、RT作動中フラグ(フラグ1)があると判定した場合(ステップS121;Yes)には、RT回数カウンタ値を取得する(ステップS122)。
【0134】
次いで、RT回数カウンタ値を1減算する(ステップS123)。
次いで、RT回数カウンタ値が0であるか否かを判定する(ステップS124)。
ステップS124で、RT回数カウンタの値が0であると判定した場合(ステップS124;Yes)には、RT作動中フラグ(フラグ1)をクリアする(ステップS125)。
【0135】
次いで、RT回数カウンタ値を0にセットして(ステップS126)、当該RT回数減算処理を終了する。
また、ステップS121で、RT作動中フラグがないと判定した場合(ステップS121;No)、又は、ステップS124で、RT回数カウンタの値が0でないと判定した場合(ステップS124;No)には、当該RT回数減算処理を終了する。
【0136】
〔ボーナス当選時処理〕
次に、前述の遊技制御処理(図7)におけるボーナス当選時処理(ステップS8)について説明する。図14は、ボーナス当選時処理の一例を示すフローチャートである。
【0137】
ボーナス当選時処理が開始されると、遊技制御装置50のCPU50aは、まず、後述する内部中フラグに基づいてボーナス内部中(ボーナス当選フラグが持ち越された状態)であるか否かを判定する(ステップS131)。
ステップS131で、ボーナス内部中でないと判定した場合(ステップS131;No)には、ボーナス当選フラグの状態に基づいてボーナス入賞(BB入賞又はRB入賞)に内部当選しているか否かを判定する(ステップS132)。
【0138】
ステップS132で、ボーナス入賞に内部当選していると判定した場合(ステップS132;Yes)には、ボーナス内部中であることを示す内部中フラグをセットする(ステップS133)。そして、内部中ボーナス図柄(内部当選しているボーナス入賞の種類)をセットする(ステップS134)。
【0139】
次いで、RT作動中フラグをクリアして(ステップS135)、RTステータスフラグをクリアする(ステップS136)。そして、RT回数をクリアして(ステップS137)、当該ボーナス当選時処理を終了する。
【0140】
また、ステップS131で、ボーナス内部中であると判定した場合(ステップS131;Yes)、又は、ステップS132で、ボーナス入賞に内部当選していないと判定した場合(ステップS132;No)には、当該ボーナス当選時処理を終了する。
【0141】
次に、図15〜図21を参照しながら、演出制御装置70による処理について説明する。演出制御装置70による処理は、演出を統括的に制御する演出制御処理(図15参照)と、所定時間毎(例えば、約2msec毎)に行われるタイマ割込み処理(図16参照)とからなる。
【0142】
〔演出制御処理〕
まず、演出制御処理について説明する。図15は、演出制御処理の一例を示すフローチャートである。
この演出制御処理は、演出制御装置70の電源が投入されると、CPU70aがROM
70bに記憶されている演出制御処理の制御プログラムを読み出して実行することにより開始される。
【0143】
演出制御処理が開始されると、まず、演出制御装置70のCPU70a内のレジスタの初期化やRAM70cに記憶されている遊技データの初期化などを行う電源投入時処理を実行する(ステップS201)。
【0144】
次いで、ATに移行するか否かを決定するためのAT関連処理を実行する(ステップS202)。なお、AT関連処理の詳細については後述する。
次いで、リールストップボタン24が変則押しされた場合に付与されるペナルティに関するペナルティ関連処理を実行する(ステップS203)。なお、ペナルティ関連処理の詳細については後述する。
【0145】
次いで、ゲームの演出に関する設定を行う演出設定処理(ステップS204)、画像表示装置3における表示を制御する表示制御処理(ステップS205)、スピーカ4における音声を制御する音声制御処理(ステップS206)、画像表示装置3において履歴情報を表示するための情報閲覧処理(ステップS207)、閲覧に供する履歴情報を生成して記憶する履歴情報記憶処理(ステップS208)を実行する。
【0146】
次いで、停電が発生したか否かを判定する(ステップS209)。
ステップS209で、停電が発生していないと判定した場合(ステップS209;No)には、ステップS202に戻る。
一方、ステップS209で、停電が発生したと判定した場合(ステップS209;Yes)には、一旦割込みを禁止する処理、全出力ポートをオフにする処理、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブする処理、RAM70cへのアクセスを禁止する処理等を行う停電時処理を実行して(ステップS210)、当該スロットマシン1の電源が遮断されるのを待つ。
【0147】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図16は、タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
【0148】
タイマ割込み処理が開始されると、まず、演出制御装置70に入力される信号を処理する入力処理(ステップS211)、演出制御装置70から出力する信号を処理する出力処理(ステップS212)を実行する。
【0149】
次いで、バックライト67を発光させるバックライト発光処理(ステップS213)、停止ボタンであるリールストップボタン24a,24b,24cを発光させる停止ボタン発光処理(ステップS214)、スタートレバー21を発光させるスタートレバー発光処理(ステップS215)、枠発光装置7を発光させる枠ライト発光処理(ステップS216)を実行する。
【0150】
次いで、演出内容を決定するための演出乱数などの乱数を更新(例えば、+1)する乱数更新処理を実行して(ステップS217)、当該タイマ割込み処理を終了する。
【0151】
〔AT関連処理〕
次に、前述の演出制御処理(図15)におけるAT関連処理(ステップS202)について説明する。図17は、AT関連処理の一例を示すフローチャートである。
【0152】
AT関連処理が開始されると、演出制御装置70のCPU70aは、まず、AT実行中
フラグがあるか否かを判定する(ステップS221)。
ステップS221で、AT実行中フラグがないと判定した場合(ステップS221;No)には、AT抽選条件が成立したか否かを判定する(ステップS222)。
ここで、AT抽選条件の成否は、通常遊技状態ST10、高確率状態、ART状態、ボーナス状態(BB状態ST12又はRB状態ST11)におけるゲーム毎のリール停止コマンド(第1停止操作に関するコマンド)、又は、後述する猶予期間における特定役成立ゲームのリール停止コマンド(第1停止操作に関するコマンド)を受信したか否かに基づいて判定がなされる。すなわち、猶予期間以外においては、ゲームが実行される毎に報知期間を発生させるか否かの抽選を行うことが可能である一方、猶予期間においては、抽選手段(演出制御装置70)によって、特定の入賞役に当選した場合にのみ、報知期間を発生させるか否かの抽選を行うようにしたこととなる。
一方、ステップS221で、AT実行中フラグがあると判定した場合(ステップS221;Yes)には、当該AT関連処理を終了する。
【0153】
ステップS222で、AT抽選条件が成立していると判定した場合(ステップS222;Yes)には、遊技状態に対応するAT抽選テーブルを設定する(ステップS223)。
一方、ステップS222で、AT抽選条件が成立していないと判定した場合(ステップS222;No)には、当該AT関連処理を終了する。
【0154】
次いで、AT抽選に当選したか否かを判定する(ステップS224)。ここで、演出制御装置70は、報知手段(演出制御装置70)による報知を行う報知期間を発生させるか否かを抽選する報知抽選手段として機能する。
ステップS224で、AT抽選に当選したと判定した場合(ステップS224;Yes)には、AT開始演出をセットする(ステップS225)。そして、AT情報を設定して(ステップS226)、AT実行中フラグをセットして(ステップS227)、ステップS228へ移行する。
一方、ステップS224で、AT抽選に当選していないと判定した場合(ステップS224;No)には、ステップS225〜S227をスキップして、ステップS228へ移行する。
【0155】
次いで、現在の確率状態を取得する(ステップS228)。ここで、確率状態とは、AT抽選に当選する確率状態をいう。具体的には、確率状態には、AT抽選に当選する確率が通常状態である通常確率状態と、通常確率状態よりも当選確率が高い高確率状態と、がある。
そして、現在の確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS229)。
ステップS229で、高確率状態でないと判定した場合(ステップS229;No)には、高確率移行抽選テーブルを設定する(ステップS230)。
【0156】
次いで、高確率移行抽選テーブルに基づいて高確率移行抽選を行い、当該抽選に当選したか否かを判定する(ステップS231)。
ステップS231で、高確率移行抽選に当選したと判定した場合(ステップS231;Yes)には、演出状態に応じた高確率移行演出をセットする(ステップS232)。
次いで、高確率状態フラグをセットして(ステップS233)、対応する高確率状態継続回数初期値(例えば、10)をセットして(ステップS234)、当該AT関連処理を終了する。ここで、演出制御装置70は、報知抽選手段(演出制御装置70)における抽選の確率状態を通常確率状態よりも高めた高確率状態に設定可能な報知抽選確率設定手段として機能する。
また、ステップS231で、高確率移行抽選に当選していないと判定した場合(ステップS231;No)には、当該AT関連処理を終了する。
【0157】
また、ステップS229で、高確率状態であると判定した場合(ステップS229;Yes)には、高確率状態継続回数を−1更新する(ステップS235)。
そして、高確率状態継続回数が0であるか否かを判定する(ステップS236)。
【0158】
ステップS236で、高確率状態継続回数が0であると判定した場合(ステップS236;Yes)には、高確率終了演出をセットする(ステップS237)。
次いで、高確率状態フラグをクリアして(ステップS238)、対応する高確率状態継続回数初期値をクリアして(ステップS239)、当該AT関連処理を終了する。
また、ステップS236で、高確率状態継続回数が0でないと判定した場合(ステップS236;No)には、当該AT関連処理を終了する。
【0159】
〔ペナルティ関連処理〕
次に、前述の演出制御処理(図15)におけるペナルティ関連処理(ステップS203)について説明する。図18は、ペナルティ関連処理の一例を示すフローチャートである。
【0160】
ペナルティ関連処理が開始されると、演出制御装置70のCPU70aは、まず、リール停止コマンドがあるか否かを判定する(ステップS241)。
ステップS241で、リール停止コマンドがあると判定した場合(ステップS241;Yes)には、当該リール停止コマンドに変則押し情報が含まれているか否かを判定する(ステップS242)。
一方、ステップS241で、リール停止コマンドがないと判定した場合(ステップS241;No)には、当該ペナルティ関連処理を終了する。
【0161】
次いで、ステップS242で、変則押し情報がないと判定した場合(ステップS242;No)には、ペナルティ継続回数を管理する回数管理処理を実行して(ステップS243)、当該ペナルティ関連処理を終了する。
一方、ステップS242で、変則押し情報があると判定した場合(ステップS242;Yes)には、ペナルティ実行中フラグがあるか否かを判定する(ステップS244)。
【0162】
ステップS244で、ペナルティ実行中フラグがあると判定した場合(ステップS244;Yes)には、ペナルティ継続回数(例えば、20回)を上乗せして(ステップS245)、当該ペナルティ関連処理を終了する。
一方、ステップS244で、ペナルティ実行中フラグがないと判定した場合(ステップS244;No)には、猶予期間中フラグがあるか否かを判定する(ステップS246)。ここで、猶予期間中フラグとは、ペナルティの実行を猶予する期間にあることを示すフラグである。
【0163】
ステップS246で、猶予期間中フラグがないと判定した場合(ステップS246;No)には、AT抽選確率が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS247)。
ステップS247で、AT抽選確率が高確率状態でないと判定した場合(ステップS247;No)には、猶予期間開始演出をセットする(ステップS248)。
次いで、猶予期間中フラグをセットして(ステップS249)、猶予期間回数初期値をセットして(ステップS250)、当該ペナルティ関連処理を終了する。なお、当該猶予期間が経過すると、猶予期間中フラグがクリアされるようになっている。
ここで、演出制御装置70は、操作順序判定手段(遊技制御装置50)によって、複数のリールストップボタン24a,24b,24cの操作順序が禁止される操作順序であると判定された場合、遊技者にペナルティを付与するためのペナルティ付与条件が成立するか否かを所定期間に亘って監視するペナルティ付与条件監視手段として機能する。また、
演出制御装置70は、当該所定期間に亘ってペナルティ付与条件が成立しなかった場合には、当該監視を終了したこととなる。
一方、ステップS247で、AT抽選確率が高確率状態であると判定した場合(ステップS247;Yes)には、ステップS248〜S250をスキップして、当該ペナルティ関連処理を終了する。ここで、演出制御装置70は、報知抽選確率設定手段(演出制御装置70)によって高確率状態に設定されている場合には、操作順序判定手段(遊技制御装置50)によって、複数のリールストップボタン24a,24b,24cの操作順序が禁止される操作順序であると判定されたときでも、ペナルティ付与条件が成立するか否かの監視を行わないようにしたこととなる。
【0164】
また、ステップS246で、猶予期間中フラグがあると判定した場合(ステップS246;Yes)には、ペナルティ開始演出をセットする(ステップS251)。
次いで、ペナルティ実行中フラグをセットする(ステップS252)。そして、ペナルティ継続回数初期値(例えば、20)をセットして(ステップS253)、当該ペナルティ関連処理を終了する。
ここで、演出制御装置70は、ペナルティ付与条件監視手段(演出制御装置70)によって、所定期間にペナルティ付与条件が成立したと判定された場合、ペナルティを遊技者に付与するペナルティ付与手段として機能する。
【0165】
なお、ステップS247で、高確率状態であると判定した場合(ステップS247;Yes)、全く猶予期間を発生させないのではなく、高確率状態でないと判定した場合と比べて短い猶予期間を設定するようにしても良い。そして、この猶予期間のゲームにおいて、所定の入賞役を取りこぼすか否かを判定し、当該所定の入賞役を取りこぼさなかった場合、当該猶予期間を解除するようにしても良い。また、この猶予期間中にARTに突入するリプレイ内部当選した場合、少なくとも1ゲームはリールストップボタン24の押し順情報を報知しないようにしても良い。
また、ステップS247で、高確率状態であると判定した場合(ステップS247;Yes)、猶予期間は発生させず、高確率状態を通常確率状態に戻す処理を実行するようにしても良い。
【0166】
〔回数管理処理〕
次に、前述のペナルティ関連処理(図18)における回数管理処理(ステップS243)について説明する。図19は、回数管理処理の一例を示すフローチャートである。
【0167】
回数管理処理が開始されると、演出制御装置70のCPU70aは、まず、ペナルティ実行中フラグがあるか否かを判定する(ステップS261)。
ステップS261で、ペナルティ実行中フラグがないと判定した場合(ステップS261;No)には、猶予期間中フラグがあるか否かを判定する(ステップS262)。
【0168】
ステップS262で、猶予期間中フラグがないと判定した場合(ステップS262;No)には、当該回数管理処理を終了する。
一方、ステップS262で、猶予期間中フラグがあると判定した場合(ステップS262;Yes)には、猶予期間回数を−1更新する(ステップS263)。そして、猶予期間回数が0であるか否かを判定する(ステップS264)。
【0169】
ステップS264で、猶予期間回数が0でないと判定した場合(ステップS264;No)には、当該回数管理処理を終了する。
一方、ステップS264で、猶予期間回数が0であると判定した場合(ステップS264;Yes)には、猶予期間終了演出をセットする(ステップS265)。そして、猶予期間中フラグをクリアして(ステップS266)、対応する猶予期間回数初期値をクリア
して(ステップS267)、当該回数管理処理を終了する。
【0170】
また、ステップS261で、ペナルティ実行中フラグがあると判定した場合(ステップS261;Yes)には、ペナルティ継続回数を−1更新する(ステップS268)。
次いで、ペナルティ継続回数が0であるか否かを判定する(ステップS269)。
ステップS269で、ペナルティ継続回数が0であると判定した場合(ステップS269;Yes)には、ペナルティ終了演出をセットする(ステップS270)。
【0171】
次いで、ペナルティ実行中フラグをクリアする(ステップS271)。そして、対応するペナルティ継続回数初期値をクリアして(ステップS272)、当該回数管理処理を終了する。
【0172】
また、ステップS269で、ペナルティ継続回数が0でないと判定した場合(ステップS269;No)には、当該回数管理処理を終了する。
【0173】
〔演出設定処理〕
次に、前述の演出制御処理(図15)における演出設定処理(ステップS204)について説明する。図20は、演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0174】
演出設定処理が開始されると、演出制御装置70のCPU70aは、まず、客待ちデモコマンドの受信に基づき客待ち演出条件が成立したか否かを判定する(ステップS281)。
【0175】
ステップS281で、客待ち演出条件が成立したと判定した場合(ステップS281;Yes)には、画像表示装置3における客待ちデモ表示や、枠発光装置7やバックライト67などにおける客待ちデモ発光の態様に関する客待ちデモ演出をセットして(ステップS282)、当該演出設定処理を終了する。
一方、ステップS281で、客待ち演出条件が成立していないと判定した場合(ステップS281;No)には、賭操作入力があったか否かを判定する(ステップS283)。
【0176】
ステップS283で、賭操作入力があったと判定した場合(ステップS283;Yes)には、客待ちデモ演出を実行中であるか否かを判定する(ステップS284)。
一方、ステップS283で、賭操作入力がないと判定した場合(ステップS283;No)には、ステップS286へ移行する。
【0177】
次いで、ステップS284で、客待ちデモ演出を実行中であると判定した場合(ステップS284;Yes)には、客待ちデモ演出を解除して通常演出をセットして(ステップS285)、当該演出設定処理を終了する。
一方、ステップS284で、客待ちデモ演出を実行中でないと判定した場合(ステップS284;No)には、リール6が変動を開始しているか否かを判定する(ステップS286)。
【0178】
ステップS286で、リール6が変動を開始していると判定した場合(ステップS286;Yes)には、AT中であるか否かを判定する(ステップS287)。
ステップS287で、AT中であると判定した場合(ステップS287;Yes)には、対応するリールストップボタン24の操作アシスト情報をセットして(ステップS288)、当該演出設定処理を終了する。ここで、演出制御装置70は、抽選手段(遊技制御装置50)によって何れかの入賞役に当選したことが決定されている場合に、当該入賞役を導出させるための複数のリールストップボタン24a,24b,24cの操作順序を遊技者に報知可能な報知手段として機能する。
一方、ステップS287で、AT中でないと判定した場合(ステップS287;No)には、対応する演出をセットして(ステップS288)、当該演出設定処理を終了する。
【0179】
また、ステップS286で、リール6が変動を開始していないと判定した場合(ステップS286;No)には、当該演出設定処理を終了する。
【0180】
〔停止ボタン発光処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理(図16)における停止ボタン発光処理(ステップS214)について説明する。図21は、停止ボタン発光処理の一例を示すフローチャートである。
【0181】
停止ボタン発光処理が開始されると、演出制御装置70のCPU70aは、まず、AT実行中フラグが発生したか否かを判定する(ステップS291)。
ステップS291で、AT実行中フラグが発生したと判定した場合(ステップS291;Yes)には、リールストップボタンLED66による発光演出を実行中であるか否かを判定する(ステップS292)。
【0182】
ステップS292で、リールストップボタンLED66による発光演出を実行中でないと判定した場合(ステップS292;No)には、左リールストップボタン(第1停止ボタン)24aを間接的に発光させるリールストップボタンLED66に対して通常発光処理とは異なる特殊発光処理を実行する(ステップS293)。
このように、AT実行中フラグが発生した場合、左リールストップボタン(第1停止ボタン)24aを通常とは異なる態様で間接的に発光させることにより、当該左リールストップボタン24aの押下を促すことで、変則押しを防止して、当該変則押しによる猶予期間やペナルティ期間が発生しないようにしている。
【0183】
次いで、左リール(第1リール)6aの停止を示すリール停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS294)。
ステップS294で、左リール(第1リール)6aの停止を示すリール停止コマンドを受信したと判定した場合(ステップS294;Yes)には、リールストップボタンLED66の通常発光処理を実行して(ステップS295)、当該停止ボタン発光処理を終了する。
一方、ステップS294で、左リール(第1リール)6aの停止を示すリール停止コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS294;No)には、ステップS294の処理を繰り返す。
【0184】
また、ステップS291で、AT実行中フラグが発生していないと判定した場合(ステップS291;No)、又は、ステップS292で、リールストップボタンLED66による演出を実行中であると判定した場合(ステップS292;Yes)には、リールストップボタンLED66の通常発光処理を実行して(ステップS295)、当該停止ボタン発光処理を終了する。
【0185】
以上説明した実施形態のスロットマシン1によれば、賭数の設定後にスタート操作部(スタートレバー21)が操作されたことに基づき複数の図柄が描かれた複数のリール6a,6b,6cを可変表示させてゲームを開始し、各リール6a,6b,6cに対応する複数の停止操作部(リールストップボタン24a,24b,24c)の操作により導出させたゲームの停止結果に基づき遊技価値を付与することが可能なスロットマシン1において、スタート操作部(スタートレバー21)の操作に基づく当該ゲームの開始時に予め設定された複数の入賞役の何れかに当選したか否かを抽選可能な抽選手段(遊技制御装置50)と、複数の停止操作部(リールストップボタン24a,24b,24c)の操作順序が
遊技状態に応じて禁止される操作順序であるか否かを判定する操作順序判定手段(遊技制御装置50)と、該操作順序判定手段によって、複数の停止操作部(リールストップボタン24a,24b,24c)の操作順序が禁止される操作順序であると判定された場合、遊技者にペナルティを付与するためのペナルティ付与条件が成立するか否かを所定期間(猶予期間)に亘って監視するペナルティ付与条件監視手段(演出制御装置70)と、該ペナルティ付与条件監視手段によって、所定期間(猶予期間)にペナルティ付与条件が成立したと判定された場合、ペナルティを遊技者に付与するペナルティ付与手段(演出制御装置70)と、を備えたこととなる。
【0186】
これにより、ゲームの実行中に複数の停止操作部(リールストップボタン24a,24b,24c)の操作順序が禁止される操作順序であると判定された場合、ペナルティ付与条件監視手段(演出制御装置70)によって、遊技者にペナルティを付与するためのペナルティ付与条件が成立するか否かを所定期間(猶予期間)に亘って監視することができ、当該所定期間(猶予期間)にペナルティ付与条件が成立したと判定された場合、ペナルティ付与手段(演出制御装置70)によって、ペナルティを遊技者に付与することができる。
従って、複数の停止操作部(リールストップボタン24a,24b,24c)の操作順序が禁止されている操作順序で操作(いわゆる変則押し)された場合でも直ちにペナルティを付与するのではなく、かかる操作後、所定期間(猶予期間)にペナルティ付与条件が成立した場合にペナルティを付与するようにしているので、誤って停止操作部を操作してしまった場合はペナルティの対象から除外することで、変則押しに対して過度にペナルティが付与されることを防止することができる。
【0187】
また、上記実施形態のスロットマシン1によれば、ペナルティ付与条件監視手段(演出制御装置70)は、所定期間(猶予期間)に亘ってペナルティ付与条件が成立しなかった場合には、前記監視を終了することとなる。
【0188】
これにより、所定期間(猶予期間)に亘ってペナルティ付与条件が成立するか否かを判定し、当該所定期間(猶予期間)にペナルティ付与条件が成立しなかった場合には、当該ペナルティ付与条件が成立するか否かの監視処理を終了することができるので、過度にペナルティが付与されることをより適切に防止することができる。
【0189】
また、上記実施形態のスロットマシン1によれば、抽選手段(遊技制御装置50)によって何れかの入賞役に当選したことが決定されている場合に、当該入賞役を導出させるための複数の停止操作部(リールストップボタン24a,24b,24c)の操作順序を遊技者に報知可能な報知手段(演出制御装置70)と、該報知手段による報知を行う報知期間を発生させるか否かを抽選する報知抽選手段(演出制御装置70)と、を備え、報知抽選手段(演出制御装置70)は、所定期間(猶予期間)以外においては、前記ゲームが実行される毎に報知期間を発生させるか否かの抽選を行うことが可能である一方、所定期間(猶予期間)においては、抽選手段(遊技制御装置50)によって、特定の入賞役に当選した場合にのみ、報知期間を発生させるか否かの抽選を行うこととなる。
【0190】
これにより、ペナルティを付与するか否かを監視する所定期間(猶予期間)にあっては、複数の停止操作部(リールストップボタン24a,24b,24c)の操作順序を遊技者に報知可能な報知期間を発生させるか否かの抽選を特定の小役入賞に当選した場合のみ実行することができる。
従って、誤って変則押しを行ってしまった場合には、警告として遊技者に有利となり得る上記報知期間を発生させるか否かを決定するための抽選機会を減らすことによって、遊技者が変則押しを行わないように注意を喚起することができるようになる。
【0191】
また、上記実施形態のスロットマシン1によれば、ペナルティ付与条件は、操作順序判定手段(遊技制御装置50)によって、所定期間(猶予期間)において複数の停止操作部(リールストップボタン24a,24b,24c)の操作順序が禁止される操作順序であると再度判定されることであり、報知抽選手段(演出制御装置70)は、ペナルティ付与条件が成立した場合には、ペナルティとして、予め定められた期間に亘り、報知期間を発生させるか否かの抽選を行わないようにしたこととなる。
【0192】
これにより、変則押しが行われた場合でも直ちにペナルティとして報知期間を発生させるか否かの抽選を行わないようにするのではなく、当該変則押し後、所定期間(猶予期間)に再度変則押しが行われた場合に当該ペナルティを付与するようにすることができる。
従って、誤って変則押しが行われた場合はペナルティの対象から除外し、再度変則押しが行われた場合、当該変則押しを故意と見做してペナルティの対象とすることで、過度にペナルティが付与されることを防止することができる。
【0193】
また、上記実施形態のスロットマシン1によれば、報知抽選手段(演出制御装置70)における抽選の確率状態を通常確率状態よりも高めた高確率状態に設定可能な報知抽選確率設定手段(演出制御装置70)を備え、ペナルティ付与条件監視手段(演出制御装置70)は、報知抽選確率設定手段(演出制御装置70)によって高確率状態に設定されている場合には、操作順序判定手段(遊技制御装置50)によって、複数の停止操作部(リールストップボタン24a,24b,24c)の操作順序が禁止される操作順序であると判定されたときでも、ペナルティ付与条件が成立するか否かの監視を行わないようにしたこととなる。
【0194】
これにより、遊技者に有利となり得る報知期間を発生させるか否かの抽選の確率状態が高確率状態に設定されている場合には、変則押しが行われたときでも、ペナルティ付与条件が成立するか否かの監視を行わないようにすることができる。
従って、当該高確率状態に設定されている場合には、当該報知期間を発生させるか否かの抽選を行わないようにするというペナルティが発生しないようにすることができるので、高確率状態の設定という恩恵を受けた場合にまで過度にペナルティが付与されることを防止することができる。
【0195】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0196】
<変形例1>
例えば、AT状態は、ATの抽選に当選した際に設定されるAT状態継続回数の値が0になったことを契機に終了するようにしても良い。具体的には、図17に示したAT関連処理に替えて図22に示したAT関連処理を行う。
【0197】
〔AT関連処理〕
図22に示すように、変形例1のスロットマシン1では、ステップS224で、ATの抽選に当選したと判定した場合(ステップS224;Yes)には、演出状態に応じたAT開始演出をセットする(ステップS301)。
次いで、AT実行中フラグをセットして(ステップS227)、対応するAT状態継続回数の値に初期値をセットする(ステップS302)。
【0198】
また、ステップS221で、AT実行中フラグがあると判定した場合(ステップS221;Yes)には、AT状態継続回数の値を−1更新する(ステップS303)。
次いで、AT状態継続回数の値が0であるか否かを判定する(ステップS304)。
ステップS304で、AT状態継続回数の値が0であると判定した場合(ステップS304;Yes)には、AT終了演出をセットする(ステップS305)。
次いで、AT実行中フラグをクリアし(ステップS306)、対応するAT状態継続回数の初期値をクリアする(ステップS307)。
【0199】
なお、変形例1のスロットマシン1において、ATの抽選確率が高確率状態の場合に変則押しが行われたと判定した場合には、上述したAT状態継続回数を−1更新するようにしても良い。
【0200】
<変形例2>
また、例えば、ATの抽選に当選した場合、すぐにAT状態に移行する場合に限らず、まずAT状態に移行したことを明確に報知しないAT潜伏状態(AT曖昧報知状態)に移行し、この状態において所定数のゲームが消化された後にAT状態に移行したことを明確に報知するAT状態に移行するようにしても良い。具体的には、図17に示したAT関連処理に替えて図23に示したAT関連処理を行う。
【0201】
〔AT関連処理〕
図23に示すように、変形例2のスロットマシン1では、ステップS224で、ATの抽選に当選したと判定した場合(ステップS224;Yes)には、AT潜伏回数を設定する(ステップS312)。次いで、AT潜伏フラグをセットする(ステップS313)。
【0202】
そして、ステップS311で、AT潜伏フラグがあると判定した場合(ステップS311;Yes)には、AT潜伏回数の値を−1更新する(ステップS314)。
次いで、AT潜伏回数の値が0であるか否かを判定する(ステップS315)。
ステップS315で、AT潜伏回数の値が0であると判定した場合(ステップS315;Yes)には、AT報知演出をセットする(ステップS316)。
次いで、AT潜伏フラグをクリアし(ステップS317)、AT潜伏回数をクリアする(ステップS318)。
次いで、AT実行中フラグをセットし(ステップS319)、AT情報を設定する(ステップS320)。
【0203】
なお、変形例2のスロットマシン1において、AT潜伏中に変則押しが行われたと判定した場合には、AT潜伏状態から転落して設定されていたAT情報をクリアするようにしても良い。具体的には、図18に示したペナルティ関連処理に替えて図24に示したペナルティ関連処理を行う。
【0204】
〔ペナルティ関連処理〕
図24に示すように、変形例2のスロットマシン1では、ステップS247で、高確率状態でないと判定した場合(ステップS247;No)には、AT潜伏フラグがあるか否かを判定する(ステップS321)。
ステップS321で、AT潜伏フラグがあると判定した場合(ステップS321;Yes)には、AT情報をクリアする(ステップS322)。次いで、AT潜伏状態から転落したことを示すAT潜伏失敗演出をセットする(ステップS323)。
次いで、AT潜伏フラグをクリアし(ステップS324)、AT潜伏回数をクリアして(ステップS325)、当該ペナルティ関連処理を終了する。
【0205】
なお、この他にもAT潜伏中に変則押しが行われたときは、それ以降の所定数のゲームに亘って所定の入賞役を取りこぼさなかったことを条件にAT状態に移行したことを明確に報知するAT状態に移行するようにしても良い。
また、AT潜伏中に変則押しが行われた後、ARTに突入するリプレイ内部当選が発生した場合、少なくとも1ゲームはリールストップボタン24の押し順情報の報知を行わず、再度当該リプレイ内部当選が発生するまでの間に変則押しが行われなかったことを条件にAT状態に移行したことを明確に報知するAT状態に移行するようにしても良い。
【0206】
<変形例3>
また、上述した実施形態では、AT実行中フラグが発生したと判定した場合(ステップS291;Yes)に、左リールストップボタン(第1停止ボタン)24aを間接的に発光させるリールストップボタンLED66に対して通常発光処理とは異なる特殊発光処理を実行するようにしたが(ステップS293)、AT潜伏フラグが発生したと判定した場合にも、当該特殊発光処理を実行するようにしても良い(図25(a)参照)。
【0207】
<変形例4>
また、図25(b)に示すように、猶予期間中フラグがセットされている状態において、変則押しが行われた場合(例えば第1停止操作が中リールストップボタン24bの場合)には、すぐにペナルティ実行中フラグをセットするのではなく、図25(c)に示すように、画像表示装置3に当該変則押しが行われたゲームにおけるリールストップボタン24の操作順序を表示するようにしても良い。
なお、ここで表示される操作順序は、当該変則押しによっては入賞役を成立させることが不可能な操作順序となっている。
そして、遊技者が画像表示装置3に表示された操作順序に従ってリールストップボタン24を押下した場合、すなわち、当該変則押しを続けることで揃えることが可能であった成立役を敢えて取りこぼした場合には、猶予期間中フラグをクリアするようにしても良い。
【0208】
<変形例5>
また、例えば、ATの抽選確率が高確率状態中おいて変則押しが行われたと判定した場合には、通常確率状態に移行するようにしても良い。具体的には、例えば、図24に示したペナルティ関連処理に替えて図26に示したペナルティ関連処理を行う。
【0209】
〔ペナルティ関連処理〕
図26に示すように、変形例5のスロットマシン1では、ステップS247で、高確率状態であると判定した場合(ステップS247;Yes)には、高確率状態が終了し通常確率状態に移行することを示す高確率終了演出をセットする(ステップS331)。
次いで、高確率状態フラグをクリアする(ステップS332)。
次いで、対応する高確率状態継続回数の初期値をクリアして(ステップS333)、当該ペナルティ関連処理を終了する。
【0210】
<変形例6>
また、変形例2のスロットマシン1において、AT潜伏中に変則押しが行われたと判定した場合には、AT潜伏状態から転落して、設定されていたAT情報をクリアする等の潜伏時ペナルティ処理(図27のステップS341参照)を実行するようにしたが、この他にもAT潜伏中に変則押しが行われたと判定し、かつ、当該変則押しが行われたゲームで獲得枚数の少ない役と獲得枚数が多い役とが重複して当選していると判定した場合、獲得枚数の少ない方の役を揃えることを条件に猶予期間中フラグをクリアしてAT状態に移行したことを明確に報知するAT状態に移行する一方で、獲得枚数の多い方の役を揃えることを条件に潜伏時ペナルティ処理として猶予期間中フラグをクリアしないようにしても良い。
以下に、当該潜伏時ペナルティ処理を実行する変形例6のスロットマシン1の内部抽選処理(図28参照)、演出設定処理(図29参照)、及びペナルティ関連処理(図30参
照)について説明する。
なお、変形例6における内部抽選処理は、図8に示した内部抽選処理に替わるものである。また、演出設定処理は、図20に示した演出設定処理に替わるものである。さらに、ペナルティ関連処理は、図24に示したペナルティ関連処理のサブルーチンとして実行されるものである。
【0211】
〔内部抽選処理〕
図28に示すように、変形例6のスロットマシン1では、ステップS26で、リプレイ内部当選がないと判定した場合(ステップS26;No)には、小役の重複当選があるか否かを判定する(ステップS351)。
ステップS351で、小役の重複当選があると判定した場合(ステップS351;Yes)には、リールストップボタン24の押し順情報を設定して(ステップS352)、ステップS31に移行する。
一方、ステップS351で、小役の重複当選がないと判定した場合(ステップS351;No)には、ステップS352をスキップして、ステップS31に移行する。
【0212】
〔演出設定処理〕
図29に示すように、変形例6のスロットマシン1では、ステップS288で、対応する操作アシスト情報をセットした後、猶予期間中フラグがあるか否かを判定する(ステップS361)。
ステップS361で、猶予期間中フラグがあると判定した場合(ステップS361;Yes)には、小役の重複当選があるか否かを判定する(ステップS362)。
ステップS362で、小役の重複当選があると判定した場合(ステップS362;Yes)には、各入賞役に設定されるリールストップボタン24の押し順情報を取得し(ステップS363)、画像表示装置3への押し順報知表示を設定し(ステップS364)、当該演出設定処理を終了する。
【0213】
また、ステップS361で、猶予期間中フラグがないと判定した場合(ステップS361;No)、又は、ステップS362で、小役の重複当選がないと判定した場合(ステップS362;No)には、当該演出設定処理を終了する。
【0214】
〔ペナルティ関連処理〕
図30に示すように、変形例6のスロットマシン1では、ステップS241で、リール停止コマンドがあると判定した場合(ステップS241;Yes)には、全てのリールに対応するリール停止コマンドがあるか否かを判定する(ステップS371)。
ステップS371で、全てのリールに対応するリール停止コマンドがないと判定した場合(ステップS371;No)には、通常のペナルティ処理を実行して(ステップS372)、当該ペナルティ関連処理を終了する。
一方、ステップS371で、全てのリールに対応するリール停止コマンドがあると判定した場合(ステップS371;Yes)には、当該リール停止コマンドの受信タイミングが小役の重複当選時であるか否かを判定する(ステップS373)。
【0215】
ステップS373で、重複当選時であると判定した場合(ステップS373;Yes)には、リールストップボタン24の押し順が重複当選している役のうち何れであるかを判定する(ステップS374)。
ステップS374で、リールストップボタン24の押し順が払出枚数の少ない方の役(価値の低い役)であると判定した場合には、猶予期間中フラグをクリアして(ステップS375)、当該ペナルティ関連処理を終了する。
一方、ステップS374で、リールストップボタン24の押し順が払出枚数の多い方の役(価値の高い役)であると判定した場合には、猶予期間中フラグをクリアすることなく
、当該ペナルティ関連処理を終了する。
【符号の説明】
【0216】
1 スロットマシン
6 リール
21 スタートレバー(スタート操作部)
24 リールストップボタン
24a 左リールストップボタン(停止操作部)
24b 中リールストップボタン(停止操作部)
24c 右リールストップボタン(停止操作部)
50 遊技制御装置(抽選手段、操作順序判定手段)
70 演出制御装置(ペナルティ付与条件監視手段、ペナルティ付与手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
賭数の設定後にスタート操作部が操作されたことに基づき複数の図柄が描かれた複数のリールを可変表示させてゲームを開始し、各リールに対応する複数の停止操作部の操作により導出させたゲームの停止結果に基づき遊技価値を付与することが可能なスロットマシンにおいて、
前記スタート操作部の操作に基づく前記ゲームの開始時に予め設定された複数の入賞役の何れかに当選したか否かを抽選可能な抽選手段と、
前記複数の停止操作部の操作順序が遊技状態に応じて禁止される操作順序であるか否かを判定する操作順序判定手段と、
該操作順序判定手段によって、前記複数の停止操作部の操作順序が前記禁止される操作順序であると判定された場合、遊技者にペナルティを付与するためのペナルティ付与条件が成立するか否かを所定期間に亘って監視するペナルティ付与条件監視手段と、
前記ペナルティ付与条件監視手段によって、前記所定期間に前記ペナルティ付与条件が成立したと判定された場合、前記ペナルティを遊技者に付与するペナルティ付与手段と、
を備えたことを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記ペナルティ付与条件監視手段は、
前記所定期間に亘って前記ペナルティ付与条件が成立しなかった場合には、前記監視を終了することを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記抽選手段によって何れかの入賞役に当選したことが決定されている場合に、当該入賞役を導出させるための前記複数の停止操作部の操作順序を遊技者に報知可能な報知手段と、
該報知手段による報知を行う報知期間を発生させるか否かを抽選する報知抽選手段と、を備え、
前記報知抽選手段は、
前記所定期間以外においては、前記ゲームが実行される毎に前記報知期間を発生させるか否かの抽選を行うことが可能である一方、
前記所定期間においては、前記抽選手段によって、特定の入賞役に当選した場合にのみ、前記報知期間を発生させるか否かの抽選を行うことを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。
【請求項4】
前記ペナルティ付与条件は、前記操作順序判定手段によって、前記所定期間において前記複数の停止操作部の操作順序が前記禁止される操作順序であると再度判定されることであり、
前記報知抽選手段は、
前記ペナルティ付与条件が成立した場合には、前記ペナルティとして、予め定められた期間に亘り、前記報知期間を発生させるか否かの抽選を行わないようにしたことを特徴とする請求項3に記載のスロットマシン。
【請求項5】
前記報知抽選手段における抽選の確率状態を通常確率状態よりも高めた高確率状態に設定可能な報知抽選確率設定手段を備え、
前記ペナルティ付与条件監視手段は、
前記報知抽選確率設定手段によって前記高確率状態に設定されている場合には、前記操作順序判定手段によって、前記複数の停止操作部の操作順序が前記禁止される操作順序であると判定されたときでも、前記ペナルティ付与条件が成立するか否かの監視を行わないようにしたことを特徴とする請求項4に記載のスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−85864(P2013−85864A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231408(P2011−231408)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】