説明

スロットマシン

【課題】1つも権利が付与されていない状態において権利が付与された場合でも、当該付与された権利以外の権利が付与されていることを期待させることができるスロットマシンを提供すること
【解決手段】遊技者にとって有利な権利(特別役の当選)を付与するか否かを決定する権利付与決定手段(内部抽選)を備え、前記権利付与決定手段は、一のゲームにおいて複数の権利(特別役の当選フラグ)を同時に付与する旨の決定が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに導出表示させることが可能な可変表示装置を備え、複数の可変表示領域に導出表示された識別情報の組み合わせに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、まず遊技者のBET操作により賭数を設定し、規定の賭数が設定された状態でスタート操作することによりリールの回転が開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより回転を停止する。そして、全てのリールの回転を停止したときに入賞ライン上に予め定められた入賞図柄の組み合わせ(例えば、7−7−7、以下図柄の組み合わせを役とも呼ぶ)が揃ったことによって入賞が発生する。すなわち遊技者の操作によってゲームが進行するようになっている。
【0003】
これら入賞役には、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別役、メダルなどの遊技用価値の付与を伴う小役、遊技用価値を用いずにゲームを行うことが可能な再遊技の付与を伴う再遊技役などがある。これら入賞役は、スタート操作と同時に行われる内部抽選に当選したことを条件に当選役の入賞が可能となるものが一般的である。
【0004】
この種のスロットマシンにおいては、前述した特別役の当選など、遊技者にとって有利な権利を複数貯留することで貯留されている権利を順次消化せることが可能とされたスロットマシンも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−201707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のスロットマシンにあっては、複数個の権利を貯留することはできても、一度に付与される権利は1つだけであり、1つも権利が付与されていない状態において権利が付与された場合には、当該付与された権利以外に権利が付与されていることが期待できるものではなかった。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、1つも権利が付与されていない状態において権利が付与された場合でも、当該付与された権利以外の権利が付与されていることを期待させることができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
遊技者にとって有利な権利(特別役の当選)を付与するか否かを決定する権利付与決定手段(内部抽選)を備え、
前記権利付与決定手段は、一のゲームにおいて複数の権利(特別役の当選フラグ)を同時に付与する旨の決定が可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者にとって有利な権利が1つも付与されていない状態において権利が付与された場合でも、当該付与された権利以外にも権利が付与されていることを期待させることができる。
尚、遊技者にとって有利な権利とは、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行させることが可能となる権利(有利な遊技状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利な遊技状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様が報知される権利などが該当する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明が適用されたスロットマシンの正面図である。
【図2】スロットマシンの内部構造図である。
【図3】リールの図柄配列を示す図である。
【図4】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
【図5】入賞として定められた役の構成を示す図である。
【図6】遊技状態別の内部抽選の対象役及び当選確率の関係を示す図である。
【図7】BBとRB同時当選時の信号の出力状況を示す図である。
【図8】BB当選後のRB当選時の信号の出力状況を示す図である。
【図9】継続示唆演出の実行状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施例を以下に説明する。
【0011】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
【0012】
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0013】
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
【0014】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0015】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0016】
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
【0017】
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0018】
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0019】
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0020】
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
【0021】
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
【0022】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
【0023】
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0024】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0025】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
【0026】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0027】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化され入賞ライン上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化され複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組み合わせが揃った場合には、有効化され入賞ラインに揃った図柄の組み合わせそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化され入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0028】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0029】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
【0030】
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0031】
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0032】
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメインCPU41aの制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0033】
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメインCPU41a、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を生成する乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメインCPU41aに対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
【0034】
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メインCPU41aが備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0035】
また、メインCPU41aには、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0036】
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0037】
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されている。
【0038】
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
【0039】
また、演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54(図2参照)、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0040】
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメインCPU41aからのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
【0041】
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
【0042】
演出制御基板90には、メインCPU41aと同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0043】
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メインCPU41aがコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メインCPU41aからのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
【0044】
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0045】
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0046】
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメインCPU41aのRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
【0047】
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
【0048】
本実施例のスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
【0049】
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
【0050】
尚、本実施例では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU41aは、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
【0051】
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
【0052】
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
【0053】
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、サブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
【0054】
尚、本実施例では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU91aは、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
【0055】
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。例えば、BB中か、通常遊技状態か、などの遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出(BB中であればBB中演出、通常遊技状態であれば通常演出)以外の特定の演出(小役告知など)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしても良い。
【0056】
次に、メインCPU41aのRAM41cの初期化について説明する。メインCPU41aのRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
【0057】
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
【0058】
本実施例においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
【0059】
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域及び停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
【0060】
尚、本実施例では、初期化0、初期化1を設定変更モードの移行前に行っているが、設定変更モードの終了時、すなわち設定が確定した後に行うようにしても良い。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行われない。
【0061】
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス(以下ではRBと称す、また、BB中のRBも含む)、通常遊技状態があり、いずれの遊技状態であっても賭数の規定数として3が定められており、遊技状態に関わらず、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインL1〜L5の全てが有効化されることとなる。
【0062】
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(以下、単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであっても良いし、異なる図柄を含む組み合わせであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
【0063】
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0064】
このスロットマシン1における役としては、図5に示すように、特別役としてレギュラーボーナス(以下ではレギュラーボーナスをRBとする)、ビッグボーナス(1)(2)(以下ではビッグボーナスをBB(1)(2)とする)が、小役としてスイカ、チェリー、ベルが、再遊技役として通常リプレイ、特殊リプレイが定められている。
【0065】
チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー−ベル−ANY」の組み合わせが揃ったとき、すなわち左リールにおいて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出され、中リールの、左リールに「チェリー」が停止した入賞ラインに「ベル」の図柄が導出されたときに入賞となり、2枚のメダルが払い出される。
【0066】
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。
【0067】
ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。
【0068】
通常リプレイは、通常遊技状態において入賞ラインに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイが入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
【0069】
特殊リプレイは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。特殊リプレイが入賞したときには、通常リプレイと同様にメダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定すること無く開始できる。
【0070】
RBは、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、遊技状態がRBに移行する。RBは、小役、特にベルの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。ベルの入賞により15枚のメダルが払い出されるので、RBでは、最大で120枚のメダルが払い出される。
【0071】
BB(1)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB(2)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−網7−網7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
【0072】
BB(1)(2)が入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行し、RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。そして、BBは、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が360枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。このため、BB中においては、最大で375枚のメダルが払い出される。
【0073】
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
【0074】
本実施例では、遊技状態が、通常遊技状態であるか、RB中(BB中のRBを含む)であるかによって内部抽選の対象となる役が異なり、さらに通常遊技状態においては、特別役の持越中か否か(通常:特別役の持ち越されていない通常遊技状態、当選中:特別役の持ち越されている通常遊技状態)によっても内部抽選の対象が異なる。尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図6においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
【0075】
図6においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
【0076】
遊技状態が、通常遊技状態であり、特別役が持ち越されていない状態であれば、BB(1)、BB(2)、RB、BB(1)+RB、BB(2)+RB、BB(1)+チェリー、BB(2)+チェリー、BB(1)+RB+チェリー、BB(2)+RB+チェリー、BB(1)+スイカ、BB(2)+スイカ、BB(1)+RB+スイカ、BB(2)+RB+スイカ、RB+通常リプレイ+特殊リプレイ、通常リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0077】
遊技状態が通常遊技状態であり、特別役が持ち越されている状態であれば、RB、RB+チェリー、RB+スイカ、RB+通常リプレイ+特殊リプレイ、通常リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0078】
遊技状態がRB(BB中のRBも含む)であれば、RB、RB+チェリー、RB+スイカ、RB+通常リプレイ+特殊リプレイ、通常リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0079】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
【0080】
内部抽選において、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
【0081】
また、本実施例では、特別役のうちRBについては、複数個の当選フラグを持越可能とされており、RBの当選フラグとしてはRBの当選フラグの当選個数が特別役格納ワークのうちRBの当選フラグに対応する領域格納されることとなる。このため、RBの当選フラグの格納領域の値が0であれば、RBの非当選を示し、1以上であればRBの当選を示すこととなる。
【0082】
本実施例では、図6(a)(b)に示すように、通常遊技状態であり、特別役が持ち越されていない状態において、BB(1)の当選確率をA1、BB(2)の当選確率をA2、RBの当選確率をB、BB(1)+RBの当選確率をC1、BB(2)+RBの当選確率をC2、BB(1)+チェリーの当選確率をD1、BB(2)+チェリーの当選確率をD2、BB(1)+RB+チェリーの当選確率をE1、BB(2)+RB+チェリーの当選確率をE2、BB(1)+スイカの当選確率をF1、BB(2)+スイカの当選確率をF2、BB(1)+RB+スイカの当選確率をG1、BB(2)+RB+スイカの当選確率をG2、RB+通常リプレイ+特殊リプレイの当選確率をHとする。
【0083】
そして、図6(b)−(1)に示すように、BB(1)の当選確率とBB(1)+RBの当選確率との合算値(A1+C1+D1+E1+F1+G1)に占めるBB(1)+RBの当選確率(C1+E1+G1)の比率が、BB(2)の当選確率とBB(2)+RBの当選確率との合算値(A2+C2+D2+E2+F2+G2)に占めるBB(2)+RBの当選確率(C2+E2+G2)の比率よりも高くなるように、A1、A2、B、C1、C2、D1、D2、E1、E2、F1、F2、G1、G2、Hの確率がそれぞれ定められている。このため、BB(2)が当選しているときよりもBB(1)が当選しているときの方がRBと同時当選している比率が高く、BB(1)が当選しているときの方がBB(2)が当選しているときより同時にRBが当選していることに対して期待することができるようになっている。
【0084】
また、図6(b)−(2)に示すように、特別役(RB、BB(1)、BB(2))+スイカの当選確率(F1+F2+G1+G2)に占めるBB(1)+RB+スイカの当選確率とBB(2)+RB+スイカの当選確率の合算値(G1+G2)の比率が、特別役(RB、BB(1)、BB(2))+チェリーの当選確率(F1+F2+G1+G2)に占めるBB(1)+RB+チェリーの当選確率とBB(2)+RB+チェリーの当選確率の合算値(E1+E2)の比率よりも高くなるようにA1、A2、B、C1、C2、D1、D2、E1、E2、F1、F2、G1、G2、Hの確率がそれぞれ定められている。このため、チェリーが当選しているときよりもスイカが当選しているときの方がBB(1)またはBB(2)と同時にRBが当選していることに対して期待することができるようになっている。
【0085】
また、BB(1)の当選確率とBB(2)の当選確率とBB(1)+RBの当選確率とBB(2)+RBの当選確率とBB(1)+チェリーの当選確率とBB(2)+チェリーの当選確率とBB(1)+RB+チェリーの当選確率とBB(2)+RB+チェリーの当選確率とBB(1)+スイカの当選確率と、BB(2)+スイカの当選確率の合算値(A1+A2+C1+C2+D1+D2+E1+E2+F1+F2+G1+G2)が、RBの当選確率と、BB(1)+RBの当選確率と、BB(2)+RBの当選確率と、BB(1)+RB+チェリーの当選確率と、BB(2)+RB+チェリーの当選確率と、BB(1)+RB+スイカの当選確率と、BB(2)+RB+スイカの当選確率と、RB+通常リプレイ+特殊リプレイの当選確率の合算値(B+C1+C2+E1+E2+G1+G2+H)よりも高くなるようにA1、A2、B、C1、C2、D1、D2、E1、E2、F1、F2、G1、G2、Hの確率がそれぞれ定められている。すなわち、遊技状態や特別役の持越の有無に応じて内部抽選の対象となる状況が制限されないRBの当選確率が、遊技状態や特別役の持越の有無に応じて内部抽選の対象となる状況が制限されるBB(1)とBB(2)の当選確率の合算値よりも低く定められている。
【0086】
また、通常遊技状態であり、特別役が持ち越されている状態(持越中と呼ぶ)及びRB(BB中のRBを含む)中におけるRBの当選確率は、通常遊技状態であり、特別役が持ち越されていない状態(非持越中と呼ぶ)におけるRBの当選確率と、持越中及びRB中において抽選対象とならないBB(1)+RBの当選確率及びBB(2)+RBの当選確率と、を合算した確率(B+C1+C2)とされており、持越中及びRB中におけるRB+チェリーの当選確率は、持越中及びRB中において抽選対象とならないBB(1)+RB+チェリーの当選確率及びBB(2)+RB+チェリーの当選確率と、を合算した確率(E1+E2)とされており、持越中及びRB中におけるRB+スイカの当選確率は、持越中及びRB中において抽選対象とならないBB(1)+RB+スイカの当選確率及びBB(2)+RB+スイカの当選確率と、を合算した確率(G1+G2)とされている。
【0087】
このため、非持越中であるか、持越中及びRB中であるか、に関わらず、RBの当選確率は、常に一定となる。
【0088】
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
【0089】
メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
【0090】
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
【0091】
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
【0092】
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
【0093】
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
【0094】
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
【0095】
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0096】
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0097】
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
【0098】
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
【0099】
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
【0100】
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
【0101】
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
【0102】
尚、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ライン上に揃える制御を行っているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
【0103】
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
【0104】
また、本実施例では、BB(1)またはBB(2)とRBとが同時に当選し得るとともに、BB(1)またはBB(2)の持越中においてさらにRBが当選し得る構成であり、BB(1)またはBB(2)とRBとが同一ゲームにおいて当選し得る構成であるが、このような場合には、BB(1)またはBB(2)の組み合わせのみ入賞ライン上に揃うように制御され、RBの組み合わせが入賞ライン上には揃わないように制御される。また、BB中、RB中においてもRBが当選し得る構成であるが、このような場合にも、RBの組み合わせが入賞ライン上には揃わないように制御される。
【0105】
また、本実施例では、BB(1)またはBB(2)が単独で当選している場合には、BB(1)またはBB(2)の組み合わせを入賞ラインL1〜L3のいずれかに優先的に揃える制御を行い、入賞ラインL1〜L3に揃えることができず、入賞ラインL4、L5にのみ揃えることができるタイミングで停止操作が行われた場合のみ入賞ラインL4、L5に揃える制御を行う一方で、BB(1)またはBB(2)とRBとが同一ゲームにおいて当選している場合には、BB(1)またはBB(2)の組み合わせを入賞ラインL4、L5のいずれかに優先的に揃える制御を行い、入賞ラインL4、L5に揃えることができず、入賞ラインL1〜L3にのみ揃えることができるタイミングで停止操作が行われた場合のみ入賞ラインL1〜L3に揃える制御を行う。このため、BB(1)またはBB(2)が単独で当選している場合には、BB(1)またはBB(2)の組み合わせが入賞ラインL1〜L3、すなわち水平方向に揃いやすく、BB(1)またはBB(2)とRBとが同一ゲームにおいて当選している場合には、BB(1)またはBB(2)の組み合わせが入賞ラインL4、L5、すなわち斜め方向に揃いやすくなる。
【0106】
本実施例においてメインCPU41aは、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
【0107】
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
【0108】
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
【0109】
本実施例では、メインCPU41aが演出制御基板90に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定開始コマンド、確認開始コマンド、確認終了コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
【0110】
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブCPU91aは、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
【0111】
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
【0112】
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
【0113】
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
【0114】
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
【0115】
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、通常停止制御であるか、低速停止制御1であるか、低速停止制御2であるか、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
【0116】
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
【0117】
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
【0118】
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、設定変更状態の終了時及びゲームの終了時に送信される。
【0119】
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
【0120】
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
【0121】
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
【0122】
復帰コマンドは、メインCPU41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メインCPU41aの起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
【0123】
設定開始コマンドは、設定変更状態の開始を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する際に送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメインCPU41の制御状態が初期化されるため、設定開始コマンドによりメインCPU41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
【0124】
確認開始コマンドは、設定確認状態の開始を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に送信される。確認終了コマンドは、設定確認状態の終了を示すコマンドであり、設定確認状態の終了時に送信される。
【0125】
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(ON/OFF)を示すコマンドであり、一定間隔毎に送信される。
【0126】
これらコマンドのうち設定開始コマンド、RAM異常を示すエラーコマンド、復帰コマンドは、起動処理において割込が許可される前の段階で生成され、RAM41cの特別ワークに割り当てられた特定コマンド送信用バッファに格納され、直ちに送信される。
【0127】
設定開始コマンド、RAM異常を示すエラーコマンド、復帰コマンド、操作検出コマンド以外のコマンドは、ゲーム処理においてゲームの進行状況に応じて生成され、RAM41cの特別ワークに設けられた通常コマンド送信用バッファに一時格納され、タイマ割込処理(メイン)において送信される。
【0128】
本実施例では、ゲーム処理においてコマンドが生成され、通常コマンド送信用バッファに格納される。タイマ割込2内のコマンド送信処理においてコマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンドが検知されると、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンドが送信される。
【0129】
また、通常コマンド送信用バッファには、複数のコマンドを格納可能な領域が設けられており、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンドの送信を待たずに、新たに生成したコマンドを通常コマンド送信用バッファの空き領域に格納することが可能とされている。すなわち通常コマンド送信用バッファには複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
【0130】
また、ゲーム処理において通常コマンド送信用バッファにコマンドを格納する際に、これらコマンドをその生成順に格納するとともに、コマンド送信処理では通常コマンド送信用バッファに生成・格納された順番でコマンドを送信するようになっている。すなわち通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンドは、生成・格納された順番で送信されるようになっている。
【0131】
操作検出コマンドは、コマンド送信処理が5回実行される毎に生成され、前述の特定コマンド送信用バッファに格納され、直ちに送信される。また、通常コマンド送信用バッファに未送信のコマンドが格納されている状態で操作検出コマンドの送信時期に到達した場合には、操作検出コマンドの送信を優先し、通常コマンド送信用バッファに格納されている未送信のコマンドは、次回のコマンド送信処理において送信されるようになっており、1度のコマンド送信処理において複数のコマンドが送信されることがないようになっている。
【0132】
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
【0133】
サブCPU91aは、メインCPU41aからのコマンドの送信を示すストローブ信号を入力した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
【0134】
サブCPU91aは、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
【0135】
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブCPU91aは、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
【0136】
尚、サブCPU91aは、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
【0137】
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブCPU91aが、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブCPU91aが、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
【0138】
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブCPU91aは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果、後述するレベル及び演出設定に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
【0139】
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。
【0140】
これら外部出力信号は、メインCPU41aの制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板を介してホールコンピュータやスロットマシン1に対応して設置されたデータ表示端末などのホール機器に出力されるようになっている。
【0141】
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態が後述するRB中の旨を示すRB中信号、遊技状態が後述するBB中の旨を示すBB中信号、BB(1)またはBB(2)の当選を示すBB当選信号、RBの当選を示すRB当選信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
【0142】
本実施例では、前述のように通常遊技状態においてBB(1)またはBB(2)とRBが同時当選し得る構成である。
【0143】
また、BB(1)またはBB(2)とRBとが同時当選した場合には、前述のようにBB(1)またはBB(2)の組み合わせのみ入賞ラインに揃えることが可能に制御され、RBの組み合わせが揃えられないように制御されるようになっており、BB(1)またはBB(2)のみ入賞させることが可能となる。
【0144】
このため、図7に示すように、BB(1)またはBB(2)とRBとが同時当選した場合には、まず当選したBB(1)またはBB(2)が入賞することでBB(1)またはBB(2)の当選フラグがクリアされるとともにBBに制御され、この後BBの終了条件(払出枚数が規定枚数に到達すること)が成立するまでRBに繰り返し制御する。尚、この間RBフラグは当選した状態であるが、前述のようにRBフラグが当選していてもRBが入賞ラインに揃わないように制御されるため、BB中にRBが入賞することはない。そして、BBの終了条件が成立すると、次ゲームにおいて通常遊技状態かつRBのみが当選した状態となり、当該ゲーム以降、一般役が当選しなければRBを入賞させることが可能となり、RBに入賞することでRBの当選フラグがクリアされる(2個以上のRBが当選していた場合には、クリアの後に再びRBの当選フラグが設定される)とともにRBに制御されることとなる。特に、本実施例では、RBを構成する図柄がいずれのリールにおいても引込範囲内となるように配置されているので、BBの終了後、一般役が当選しなければ遊技者によるリールの停止順や停止操作のタイミングに関わらず必ずRBに入賞し、RBに制御されることとなる。
【0145】
また、本実施例では、BB(1)(2)について、通常遊技状態において特別役が持ち越されていない場合のみ内部抽選の対象となるが、RBについては、遊技状態に関わらず、すなわち通常遊技状態における特別役の非持越中だけでなく、通常遊技状態における特別役の持越中やBB中、RB中においても内部抽選の対象となる。
【0146】
また、通常遊技状態においてBB(1)またはBB(2)が持ち越されていない場合には、RBが当選することで他の一般役が当選していなければRBの組み合わせを入賞ラインに揃えることが可能に制御され、当選したRBを入賞させることが可能となるが、通常遊技状態においてBB(1)またはBB(2)が持ち越されている場合や、BB中またはRB中である場合には、RBの組み合わせを入賞ラインに揃えることはできず、通常遊技状態においてBB(1)またはBB(2)が持ち越されている場合であれば、持ち越されているBB(1)またはBB(2)が入賞してBBに移行し、このBBの終了後まで、当選したRBの組み合わせを入賞ラインに揃えることができず、RBを入賞させることができず、BB中やRB中である場合には、当該BBやRBが終了するまで、当選したRBの組み合わせを入賞ラインに揃えることができず、RBを入賞させることができないようになっている。
【0147】
このため、図8に示すように、BB中にRBが当選した場合には、その後RBフラグが当選した状態となるが、前述のようにRBフラグが当選していてもRBが入賞ラインに揃わないように制御されるため、BB中にRBが入賞することはない。そして、BBの終了条件が成立すると、次ゲームにおいて通常遊技状態かつRBのみが当選した状態となり、当該ゲーム以降、一般役が当選しなければRBを入賞させることが可能となり、RBに入賞することでRBの当選フラグがクリアされる(2個以上のRBが当選していた場合には、クリアの後に再びRBの当選フラグが設定される)とともにRBに制御されることとなる。前述のように、RBを構成する図柄がいずれのリールにおいても引込範囲内となるように配置されているので、BB中にRBが当選した場合にも、このBBの終了後、一般役が当選しなければ遊技者によるリールの停止順や停止操作のタイミングに関わらず必ずRBに入賞し、RBに制御されることとなる。
【0148】
また、本実施例では、BB中またはRB中においてRBが当選する場合に、通常リプレイ及び特殊リプレイと同時に当選するので、BB中またはRB中に、特殊リプレイを構成する「白7−白7−白7」の組み合わせを狙って停止操作を行い、「白7−白7−白7」の組み合わせが入賞ラインに停止することで、RBの当選、すなわち当該BBまたはRBの終了後、RBに制御されることが確定するようになっている。また、「白7−白7−白7」の組み合わせを取りこぼした場合には、通常リプレイの組み合わせが入賞ラインに揃うので、「白7−白7−白7」の組み合わせを狙わず、通常リプレイの組み合わせが入賞ラインに揃って通常リプレイが入賞した場合には、RBの当選は確定しないもののRBが当選した可能性、すなわち当該BBまたはRBの終了後、RBに制御される可能性が示唆されることとなる。
【0149】
また、本実施例では、BB(1)またはBB(2)が当選した場合に、外部出力信号として一定時間にわたりBB当選信号が出力されるとともに、RBが当選した場合には、外部出力信号として一定時間にわたりRB当選信号が出力されるようになっている。
【0150】
このため、図7に示すように、BB(1)またはBB(2)とRBが同時当選した場合には、BB当選信号とRB当選信号とが同時に一定時間にわたり出力される一方で、図8に示すようにRBが単独で当選した場合には、RB当選信号のみが一定時間にわたり出力されることとなるので、BB当選信号とRB当選信号の出力態様から、外部出力信号を受けた外部機器にてRBが当選した際に、そのRBがBB(1)またはBB(2)と同時に当選したものであるのか、RBが単独で当選したものであるのか、を特定することができる。
【0151】
サブCPU91aは、通常遊技状態において複数ゲームにわたり特別役に当選している可能性を示唆する演出を複数ゲームにわたり行い、最終的に特別役に当選しているか否かを演出結果として導く連続演出を実行することが可能である。
【0152】
連続演出は、複数種類の演出パターンからなり、特に本実施例では、BB(1)またはBB(2)のみが当選した場合(小役との同時当選を含む)と、BB(1)またはBB(2)とRBが同時当選した場合と、で演出パターンが異なる選択率にて選択されるようになっている。
【0153】
また、サブCPU91aは、通常遊技状態において特別役が当選しており、前述の連続演出などにより特別役の当選が示された場合に、特別役が当選した旨を告知する告知演出を実行するようになっている。この告知演出では、特別役が当選しただけでなく、当選した特別役の種類(BB(1)、BB(2)、RBのいずれであるか)も報知されるようになっているが、通常遊技状態においてBB(1)またはBB(2)とRBが同時に当選した場合、通常遊技状態でかつBB(1)またはBB(2)の持越中にRBが当選した場合に告知演出を実行する場合には、優先して揃えることが可能なBB(1)またはBB(2)が当選した旨のみを報知するようになっている。
【0154】
また、サブCPU91aは、BB中においてBB中の総払出枚数から推測される残りゲーム数が所定ゲーム数(本実施例では4ゲーム)となったとき、RB中においてRBの残り入賞回数から推測される残りゲーム数が所定ゲーム数(本実施例では4ゲーム)となったときに、図9(a)〜(d)に示すように、BBまたはRBの終了に向けて、RBが当選している可能性、すなわちRBが継続する可能性を示唆する演出を行うとともに、図(e)〜(h)に示すように、BBまたはRBの終了時にRBが当選しているか否か、すなわちその後さらにRBが継続するか否かを示す演出結果を導く継続示唆演出を実行するようになっている。
【0155】
継続示唆演出は、複数種類の演出パターンからなる。演出パターンの違いにより、各ゲームの演出内容が異なる。例えば、図9(b)に示す花火の柄や色が異なっていたり、途中で画像が挿入されるカットイン演出の有無などが異なる。また、演出のストーリー自体が異なるものでも良い。
【0156】
本実施例では、当該BBの契機となったBB(1)またはBB(2)が単独で当選しており、かつ継続示唆演出が実行されるまでにRBが当選していない場合と、BB(1)またはBB(2)とRBが同時当選した場合或いはBB(1)またはBB(2)当選後、継続示唆演出が実行されるまでにRBが当選した場合と、で演出パターンが異なる選択率にて選択されるようになっている。
【0157】
また、RBが当選している旨が報知される演出結果には、図9(e)〜(g)に示すように、異なる3種類の演出態様からなる。
【0158】
一方で、BB中に行われる継続示唆演出の演出結果としてRBが当選している旨が報知される場合には、当該RBがBBの契機となったBB(1)またはBB(2)と同時に当選したものである場合と、BB中に当選したものである場合と、BB(1)またはBB(2)と同時に当選し、かつBB中にも当選したものである場合と、があるが、これらの状況に応じて演出結果に用いられる演出態様が異なる選択率にて選択されるようになっている。
【0159】
詳しくは、RBがBBの契機となったBB(1)またはBB(2)と同時に当選したものである場合には、図9(e)に示す演出態様が選択される比率が最も高く、BB中に当選したものである場合には、図9(f)に示す演出態様が選択される比率が最も高く、BB(1)またはBB(2)と同時に当選し、かつBB中にも当選したものである場合には、図9(g)に示す演出態様が選択される比率が最も高く定められている。
【0160】
このため、BB中に行われる継続示唆演出の演出結果としてRBが当選している旨が報知された際の演出結果の演出態様の違いによって当該RBがBBの契機となったBB(1)またはBB(2)と同時に当選したものであるか、BB中に当選したものであるか、BB(1)またはBB(2)と同時に当選し、かつBB中にも当選したものであるか、をある程度特定することができるようになっている。
【0161】
また、前述のようにBBやRBの残りゲーム数が所定ゲーム数となったことを推測はできるものの、本実施例では、BB中やRB中であってもハズレを引いたり、再遊技役が当選することもあり、継続示唆演出の開始後、必ずしも推測したゲームでBBやRBが終了するとは限らない。このため、本実施例では、継続示唆演出の各ゲームを構成する演出に対応するつなぎ演出を予め用意しており、ハズレを引いたり、再遊技役が当選することで終了が延びた場合には、つなぎ演出を挟むことにより、無理なく演出結果を導くことができるようになっている。
【0162】
また、前述のようにBB中またはRB中においてRBが当選する場合に、通常リプレイ及び特殊リプレイと同時に当選するので、BB中またはRB中に、特殊リプレイを構成する「白7−白7−白7」の組み合わせを狙って停止操作を行い、「白7−白7−白7」の組み合わせが入賞ラインに停止することで、RBの当選、すなわち当該BBまたはRBの終了後、RBに制御されることが確定する構成であるが、BB中またはRB中において通常リプレイが単独で当選した場合またはRBと通常リプレイ及び特殊リプレイが同時に当選した場合に、RBに当選した可能性を示すRBチャンス演出を実行するようになっており、RBチャンス演出が実行されることで、RBに当選した可能性が示唆されるだけでなく、「白7−白7−白7」の組み合わせを狙った停止操作も促されるため、「白7−白7−白7」の組み合わせが揃ったことによってRBが当選した旨を認識させる機会を増やすこともできる。
【0163】
また、BB中またはRB中においてRBが当選する場合に、チェリーまたはスイカも同時当選し得る構成であるので、チェリーまたはスイカの当選時にも、RBチャンス演出が実行されるようになっており、RBチャンス演出と、チェリーまたはスイカの入賞によりRBが当選したことに対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0164】
尚、本実施例では、BB中またはRB中においてチェリーまたはスイカが当選した場合、通常リプレイが単独で当選した場合またはRBと通常リプレイ及び特殊リプレイが同時に当選した場合に、RBに当選した可能性を示すRBチャンス演出を実行する構成であるが、BB中またはRB中においてRBが当選している場合に、RBが当選していない場合よりも高い確率でRBチャンス演出を実行することで、RBの当選している可能性が示唆される構成としても良い。
【0165】
以上説明したように本実施例のスロットマシン1では、通常遊技状態においてBB(1)またはBB(2)とRBが同時当選し得る構成であり、この場合には、BB(1)またはBB(2)とRBとが同時当選した場合には、前述のようにBB(1)またはBB(2)の組み合わせのみ入賞ラインに揃えることが可能に制御され、RBの組み合わせが揃えられないように制御されるとともに、RBについては、BB(1)またはRB(2)の入賞に伴うBBの終了後に入賞させることが可能となる。このため、BB(1)またはBB(2)の入賞に伴うBBの終了後もRBが当選していること、すなわち当該BBの終了後、さらにRBに制御されることを期待させることができる。
【0166】
また、本実施例のスロットマシン1では、RBについて、遊技状態に関わらず、すなわち通常遊技状態における特別役の非持越中だけでなく、通常遊技状態における特別役の持越中やBB中、RB中においても内部抽選の対象となるが、BB(1)(2)については、通常遊技状態において特別役が持ち越されていない場合のみ内部抽選の対象となる。すなわち全ての特別役が遊技状態や特別役の持越の有無に関わらず、内部抽選の対象となるのではなく、特別役のうちRBのみ遊技状態や特別役の持越の有無に関わらず内部抽選の対象となるが、BB(1)(2)については、遊技状態や特別役の持越の有無に応じて内部抽選の対象となる状況が制限されるので、遊技状態や特別役の持越の有無に応じてゲーム性に変化を持たせることができ、遊技状態等の状況が変わったにも関わらずゲーム性が単調となってしまうことを防止できる。
【0167】
また、全ての特別役が遊技状態や特別役の持越の有無に関わらず内部抽選の対象となるのではなく、RBのみ常に内部抽選の対象となる構成であり、BB(1)(2)については、遊技状態や特別役の持越の有無に応じて内部抽選の対象となる状況が制限されるので、過度に射幸性が高まってしまうことを防止できる。
【0168】
尚、本実施例では、RBについて、遊技状態に関わらず、すなわち通常遊技状態における特別役の非持越中だけでなく、通常遊技状態における特別役の持越中やBB中、RB中においても内部抽選の対象となるが、BB(1)(2)については、通常遊技状態において特別役が持ち越されていない場合のみ内部抽選の対象となる構成であるが、RBについて、特別役が持越中か否かに関わらず内部抽選の対象とし、BB(1)(2)については、特別役が持ち越されていない場合のみ内部抽選の対象となる構成としても良く、このような構成とした場合であっても、特別役の持越の有無に応じてゲーム性に変化を持たせることができるとともに、全ての特別役が特別役の持越の有無に関わらず内部抽選の対象となるのではなく、RBのみ特別役の持越の有無に関わらず内部抽選の対象となるので、BB(1)(2)については、特別役の持越の有無に応じて内部抽選の対象となる状況が制限されるので、過度に射幸性が高まってしまうことを防止できる。
【0169】
また、BB(1)(2)とRBのうち、遊技状態や特別役の持越の有無に応じて内部抽選の対象がとなる状況が制限されるBB(1)(2)の当選確率(BB(1)とBB(2)の当選確率の合算値)の方が高く定められているので、遊技状態や特別役の持越の有無に応じて特別役の当選確率を大きく変化させることができる。
【0170】
一方で、遊技状態や特別役の持越の有無に応じて内部抽選の対象がとなる状況が制限されないRBの当選確率が相対的に低くなるため、過度に射幸性が高まってしまうことを防止することもできる。
【0171】
尚、本実施例では、BB(1)(2)とRBのうちBB(1)とBB(2)の当選確率の合算値がRBの当選確率よりも高く定められている構成であるが、BB(1)、BB(2)それぞれがRBの当選確率よりも高く定められた構成としても良い。
【0172】
また、本実施例では、通常遊技状態においてBB(1)またはBB(2)とRBが同時当選した場合やBB(1)またはBB(2)が持ち越されている状態でRBが当選した場合に、BB(1)またはBB(2)とRBのうちBB(1)またはBB(2)のみ入賞させることが可能に制御されるようになっている。すなわち複数種類の特別役が同時当選した場合や一方の特別役が持ち越されている状態で他方の特別役が当選した場合には、特別役の種類に応じて予め定められた優先度に応じて優先度の高い特別役のみ揃えることが可能に制御される。このように、特別役の種類に応じた優先度を定めておくことにより、複数種類の特別役が同時当選した場合において優先的に制御されるボーナスの順番を任意に設計することが可能となるとともに、複数種類の特別役が同時当選した場合の制御が複雑になることもない。
【0173】
また、本実施例では、RBに比較して多くのメダルの獲得ができるBBに制御されるBB(1)またはBB(2)がRBよりも優先して入賞するように設定されているので、閉店間際などに遊技者がより多くのメダルが獲得できるBBに制御できなくなってしまうことを防止できる。
【0174】
尚、本実施例では、RBに比較して多くのメダルの獲得ができるBBに制御されるBB(1)またはBB(2)がRBよりも優先して入賞するように設定されているが、反対により多くのメダルの獲得が期待できるBBよりもRBを優先して入賞するように設定しても良く、このようにすることでBB(1)またはBB(2)とRBが同時当選した場合には、RB終了後、より多くのメダルの獲得が期待できるBBに移行することとなるので、RBの後に続くボーナスの興趣を効果的に高めることができる。
【0175】
また、複数種類の特別役が当選した場合に、どちらの特別役を優先して入賞させるかを抽選により決定する構成としても良く、このようにすることで、BBが入賞した場合でもRBが入賞した場合でも、これらに伴うBBまたはRBの後に、さらにRBまたはBBが続くことに対する期待感を持続させることができる。
【0176】
また、本実施例では、BB(1)またはBB(2)とRBが当選している場合に、優先されるBB(1)またはBB(2)の組み合わせのみ入賞ラインに揃うように制御し、優先されないRBの組み合わせが入賞ラインに揃わないように制御する構成であるが、BB(1)またはBB(2)の構成図柄とRBの構成図柄の一方のみしか入賞ラインに引き込めない場合にBB(1)またはBB(2)の構成図柄を入賞ラインに引き込む制御を優先し、BB(1)またはBB(2)の構成図柄とRBの構成図柄の双方を引き込める場合には双方を入賞ラインに引き込む制御を行い、RBの構成図柄のみしか引き込めない場合にはRBの構成図柄を入賞ラインに引き込む制御を行う構成としても良い。すなわちBB(1)またはBB(2)の組み合わせを入賞ラインに揃えられない場合であり、かつRBの組み合わせを入賞ラインに揃えられるようにしても良い。
【0177】
また、本実施例では、BB中またはRB中である場合には、RBの組み合わせを入賞ラインに揃えることはできず、通常遊技状態においてBB(1)またはBB(2)が持ち越されている場合であれば、持ち越されているBB(1)またはBB(2)が入賞してBBに移行し、このBBの終了後まで、当選したRBの組み合わせを入賞ラインに揃えることができず、RBを入賞させることができず、BB中やRB中である場合には、当該BBやRBが終了するまで、当選したRBの組み合わせを入賞ラインに揃えることができず、RBを入賞させることができないようになっており、BB中やRB中においてRBが入賞してしまうことにより実行中のBBやRBが途中で終了してしまうことを防止できる。
【0178】
尚、本実施例では、当選したRBの組み合わせを入賞ラインに揃えないように制御することでRBに移行しない構成であるが、BB中やRB中にRBの組み合わせが入賞ラインに揃ってもRBに移行しないようにした構成としても良い。
【0179】
また、本実施例では、BB(1)またはBB(2)とRBが同時当選した場合や、BB(1)またはBB(2)の持越中にRBが当選した場合、BB中にRBが当選した場合には、BBの終了後、RBが入賞可能となり、RBが入賞することで新たにRBに制御されるようになっており、このような場合にはBBの終了後、連続してRBに制御することが可能となっている。
【0180】
特に、本実施例では、RBの構成図柄がいずれのリールにおいても引込範囲内となるように配置されているので、BB(1)またはBB(2)とRBが同時当選した場合や、BB(1)またはBB(2)の持越中にRBが当選した場合、BB中にRBが当選した場合には、BBの終了後、一般役が当選しなければ遊技者によるリールの停止順や停止操作のタイミングに関わらず必ずRBに入賞し、RBに制御されることとなるため、遊技者に技量に関わらず、また、遊技者に意識させることなく、BBの終了後、連続してRBに制御させることができる。
【0181】
尚、本実施例では、BB(1)またはBB(2)とRBが同時当選した場合や、BB(1)またはBB(2)の持越中にRBが当選した場合、BB中にRBが当選した場合には、BBの終了後、RB入賞を介してRBに制御される構成であるが、BB(1)またはBB(2)とRBが同時当選した場合や、BB(1)またはBB(2)の持越中にRBが当選した場合、BB中にRBが当選した場合には、BBの終了後、RB入賞を介すことなく、BBの終了後、次のゲームからRBを開始する構成としても良く、このような構成とすることで、BBと、その後のRBとを連続的、かつ一体的に制御することが可能となるので、遊技者から見れば、ボーナスが長期にわたり継続しているように見せることが可能となる。
【0182】
また、BBの終了後、RB入賞を介すことなく、BBの終了後、次のゲームからRBを開始する構成とした場合には、BB中のRBに伴うRB中信号を継続して出力するのではなく、BBの終了とともに一端RB中信号の出力を停止し、少なくとも外部機器にて出力の停止が認識できる程度の間隔を空けて、再度RB中信号の出力を再開する構成とすることが好ましく、これにより、外部機器にてBB中のRBなのか、BB終了後のRBなのか、を確実に特定することができる。また、BB中またはRB中である場合に、共通のボーナス中信号が出力される構成でも同様であり、BBに伴うボーナス中信号を継続して出力するのではなく、BBの終了とともに一端ボーナス中信号の出力を停止し、少なくとも外部機器にて出力の停止が認識できる程度の間隔を空けて、再度ボーナス中信号の出力を再開する構成とすることが好ましく、これにより、外部機器にてBB中なのか、BB終了後のRBなのか、を確実に特定することができる。
【0183】
また、本実施例では、BB(1)の当選確率とBB(1)+RBの当選確率との合算値に占めるBB(1)+RBの当選確率の比率が、BB(2)の当選確率とBB(2)+RBの当選確率との合算値に占めるBB(2)+RBの当選確率の比率よりも高くなるように、当選確率がそれぞれ定められている。このため、BB(2)が当選しているときよりもBB(1)が当選しているときの方がRBと同時当選している比率が高く、BB(1)が当選しているときの方がBB(2)が当選しているときより同時にRBが当選していることに対して期待することができるようになっている。
【0184】
また、本実施例では、BB(1)の入賞により移行するBBも、BB(2)の入賞により移行するBBもともに獲得が期待できるメダル数は同じであるので、BB(2)よりもBB(1)が当選している方が、より多くのメダルの獲得が期待できることとなる。
【0185】
尚、BB(1)の入賞により移行するBBと、BB(2)の入賞により移行するBBと、で獲得が期待できるメダル数が異なる構成でも良く、例えば、前者が後者よりも多くのメダルの獲得が期待できる構成であれば、BB(1)が当選することによりBB(2)よりも確実に多くのメダルの獲得が期待できるうえに、さらにRBが当選していることによるメダルの獲得も期待できることとなり、BB(1)が当選した際の興趣を効果的に高めることができる。一方で前者よりも後者が多くのメダルの獲得が期待できる構成であれば、メダルの獲得が期待できないBB(1)であっても、その後、RBが当選していることによるメダルの獲得が期待できることから、BB(1)、BB(2)のうちメダルの獲得が期待できないBB(1)が当選した場合でも、その損失感を軽減することができる。
【0186】
本実施例では、BB(1)またはBB(2)が単独で当選している場合には、BB(1)またはBB(2)の組み合わせを入賞ラインL1〜L3のいずれかに優先的に揃える制御を行い、入賞ラインL1〜L3に揃えることができず、入賞ラインL4、L5にのみ揃えることができるタイミングで停止操作が行われた場合のみ入賞ラインL4、L5に揃える制御を行う一方で、BB(1)またはBB(2)とRBとが同一ゲームにおいて当選している場合には、BB(1)またはBB(2)の組み合わせを入賞ラインL4、L5のいずれかに優先的に揃える制御を行い、入賞ラインL4、L5に揃えることができず、入賞ラインL1〜L3にのみ揃えることができるタイミングで停止操作が行われた場合のみ入賞ラインL1〜L3に揃える制御を行うようになっており、BB(1)またはBB(2)が単独で当選している場合には、BB(1)またはBB(2)の組み合わせが入賞ラインL1〜L3、すなわち水平方向に揃いやすく、BB(1)またはBB(2)とRBとが同一ゲームにおいて当選している場合には、BB(1)またはBB(2)の組み合わせが入賞ラインL4、L5、すなわち斜め方向に揃いやすくなる。
【0187】
このため、BB(1)またはBB(2)の入賞時においてBB(1)またはBB(2)の組み合わせが水平方向に揃ったか、斜め方向に揃ったか、によってBBの終了後、RBに制御される可能性を示唆することができる。
【0188】
また、本実施例では、通常遊技状態において複数ゲームにわたり特別役に当選している可能性を示唆する演出を複数ゲームにわたり行い、最終的に特別役に当選しているか否かを演出結果として導く連続演出を実行することが可能であり、さらに連続演出は、複数種類の演出パターンからなり、BB(1)またはBB(2)のみが当選した場合(小役との同時当選を含む)と、BB(1)またはBB(2)とRBが同時当選した場合と、で演出パターンが異なる選択率にて選択されるようになっている。このため、連続演出により特別役の当選が報知され、BB(1)またはBB(2)が入賞した場合に、その際の連続演出の演出パターンにより、RBも同時に当選していた可能性が異なることとなる。
【0189】
また、本実施例では、通常遊技状態において特別役が当選した場合に、特別役が当選した旨を告知する告知演出を実行するようになっており、この告知演出では、特別役が当選しただけでなく、当選した特別役の種類(BB(1)、BB(2)、RBのいずれであるか)も報知されるようになっているが、通常遊技状態においてBB(1)またはBB(2)とRBが同時に当選した場合、通常遊技状態でかつBB(1)またはBB(2)の持越中にRBが当選した場合に告知演出を実行する場合には、優先して揃えることが可能なBB(1)またはBB(2)が当選した旨のみを報知するようになっている。
【0190】
このため、告知演出が示唆する内容からは、BB(1)またはBB(2)が当選していることは判別できるものの、BB(1)またはBB(2)がのみが当選しているのか、BB(1)またはBB(2)とRBが同時に当選しているのか、を判別することができないため、BB(1)またはBB(2)の入賞に伴うBBの終了後もRBが当選していることを期待させることができる。
【0191】
また、本実施例では、BB中においてBB中の総払出枚数から推測される残りゲーム数が所定ゲーム数(本実施例では4ゲーム)となったとき、RB中においてRBの残り入賞回数から推測される残りゲーム数が所定ゲーム数(本実施例では4ゲーム)となったときに、BBまたはRBの終了に向けて、RBが当選している可能性、すなわちRBが継続する可能性を示唆する演出を行うとともに、BBまたはRBの終了時にRBが当選しているか否か、すなわちその後さらにRBが継続するか否かを示す演出結果を導く継続示唆演出を実行するようになっており、BB中やRB中において、RBが当選していることに対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
【0192】
また、継続示唆演出は、複数種類の演出パターンからなり、当該BBの契機となったBB(1)またはBB(2)が単独で当選しており、かつ継続示唆演出が実行されるまでにRBが当選していない場合と、BB(1)またはBB(2)とRBが同時当選した場合或いはBB(1)またはBB(2)当選後、継続示唆演出が実行されるまでにRBが当選した場合と、で演出パターンが異なる選択率にて選択されるようになっている。このため、継続示唆演出の演出パターンによりRBの当選期待度が異なることとなる。
【0193】
また、RBが当選している旨が報知される演出結果は複数種類の態様からなり、BB中に行われる継続示唆演出の演出結果としてRBが当選している旨が報知された際の演出結果の演出態様の違いによって当該RBがBBの契機となったBB(1)またはBB(2)と同時に当選したものであるか、BB中に当選したものであるか、BB(1)またはBB(2)と同時に当選し、かつBB中にも当選したものであるか、に応じて演出結果に用いられる演出態様が異なる選択率にて選択されるようになっているので、BB中に行われる継続示唆演出の演出結果としてRBが当選している旨が報知された際の演出結果の演出態様の違いによって当該RBがBBの契機となったBB(1)またはBB(2)と同時に当選したものであるか、BB中に当選したものであるか、BB(1)またはBB(2)と同時に当選し、かつBB中にも当選したものであるか、をある程度特定することができるようになっている。
【0194】
これにより、単にRBの当選契機や当選しているRBの数が特定できるだけでなく、例えば、BB(1)またはBB(2)とRBとの同時当選確率に設定値による差が設けられている構成であれば、当該RBがBBの契機となったBB(1)またはBB(2)と同時に当選したものであるか、BB中に当選したものであるか、BB(1)またはBB(2)と同時に当選し、かつBB中にも当選したものであるか、を特定することにより設定値を推測することも可能となる。
【0195】
本実施例のスロットマシン1は、入賞役として遊技者にとって有利なBBやRBなどの特別遊技状態への移行を伴う特別役と、メダルの付与を伴う小役及びリプレイゲームの付与を伴う再遊技役からなる一般役と、を含む。
【0196】
この種のスロットマシンとしては、従来から特別役と一般役を同時に当選させることにより、一般役の入賞時に特別役の当選を期待させることができるようにしたものが広く実用化されている。また、特別役の当選フラグを複数貯留することで貯留されている当選フラグに基づいて順次特別役を入賞させることが可能とされたスロットマシンも提案されている。
【0197】
しかしながら、従来のスロットマシンでは特別役と一般役が同時に当選し得る構成であったり、特別役の当選を複数個貯留することができるものはあるものの、一度の抽選において当選可能な特別役は1つのみであり、特別役が1つも当選していない状態において特別役が当選した場合には、当該特別役以外の特別役の当選が期待できるものではなかった。
【0198】
このような課題を解決するために、構成1に記載のスロットマシンは、
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
遊技者にとって有利な有利遊技状態(BB、RB)へ移行させる権利(特別役の当選)を付与するか否かを決定する権利付与決定手段(内部抽選)と、
前記権利(特別役の当選フラグ)を付与する旨が決定された後、開始条件(特別役の入賞)が成立した場合に該権利に基づく前記有利遊技状態に制御する有利遊技状態制御手段と、
を備え、
前記権利(特別役の当選フラグ)は、第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)及び第2の権利(RBの当選フラグ)を含み、
前記権利付与決定手段は、一のゲームにおいて前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)及び前記第2の権利(RBの当選フラグ)を同時に付与する旨の決定が可能であり、
前記有利遊技状態制御手段は、前記一のゲームにおいて前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)及び前記第2の権利(RBの当選フラグ)を同時に付与する旨が決定された場合に、前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)のうち一方の権利に基づく有利遊技状態(BBまたはRB)に制御し、該有利遊技状態の終了後に他方の権利に基づく有利遊技状態(RBまたはBB)に制御する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1の権利も第2の権利も付与されていない状態でも、一のゲームにおいて第1の権利及び第2の権利を同時に付与する旨の決定が可能であり、一のゲームにおいて第1の権利及び第2の権利を同時に付与する旨が決定された場合には、まず第1の権利及び第2の権利のうち一方の権利に基づく有利遊技状態に制御し、この有利遊技状態の終了後、他方の権利に基づく有利遊技状態に改めて制御することとなる。このため、第1の権利及び第2の権利のうち一方の権利に基づく有利遊技状態に制御された後も他方の権利が付与されていること、すなわち当該有利遊技状態の終了後、他方の権利に基づく有利遊技状態に制御されることを期待させることができる。
尚、遊技者にとって有利な有利遊技状態とは、通常よりも特定の入賞の発生が許容される確率が高まることや、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様など、遊技者にとって有利な情報が報知されること等により、通常よりも多くの遊技用価値の獲得が期待できる遊技状態等が該当する。
また、有利遊技状態の開始条件とは、例えば、第1の権利または第2の権利により発生が許容される特定入賞が発生すること、開始抽選に当選することなどが該当する。
また、前記権利付与決定手段は、一のゲームにおいて前記第1の権利及び前記第2の権利を同時に付与する旨の決定が可能な構成であれば良く、一のゲームにおいて前記第1の権利または前記第2の権利の一方のみを単独で付与する旨の決定が可能な構成でも良いし、一のゲームにおいて前記第1の権利または前記第2の権利の一方のみを単独で付与する旨の決定が行われない構成でも良い。
【0199】
構成2に記載のスロットマシンは、構成1に記載のスロットマシンであって、
前記有利遊技状態制御手段は、前記一のゲームにおいて前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)及び前記第2の権利(RBの当選フラグ)を同時に付与する旨が決定された場合に、前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)及び前記第2の権利(RBの当選フラグ)のうち優先度が高く定められた権利(BB(1)(2)の当選フラグ)に基づく有利遊技状態(BB)に最初に制御する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、一のゲームにおいて第1の権利及び第2の権利を同時に付与する旨が決定された場合には、第1の権利及び第2の権利のうちで優先度を高く定めた権利に基づく有利遊技状態に先に制御されるので、各権利に基づく有利遊技状態に制御させる順番を任意に設計することができる。
尚、優先度は、例えば、各権利に基づく有利遊技状態において獲得が期待できる遊技用価値の量に応じて定められていても良いし、権利の種類に応じて定められていても良い。また、その都度、優先度を決定しても良い。
また、有利遊技状態制御手段は、開始条件は同じであるが、開始条件成立後の有利遊技状態として第1の権利に基づく有利遊技状態、第2の権利に基づく有利遊技状態のうち優先度が高く定められた権利に基づく有利遊技状態に制御されるものでも良いし、第1の権利に基づく有利遊技状態と、第2の権利に基づく有利遊技状態と、で開始条件が異なり、優先度が高く定められた権利に基づく有利遊技状態の開始条件を、他の権利に基づく有利遊技状態の開始条件よりも優先して成立させるものでも良い。
【0200】
構成3に記載のスロットマシンは、構成1または2に記載のスロットマシンであって、
前記権利付与決定手段は、前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)または前記第2の権利(RBの当選フラグ)を単独で付与する旨の決定が可能であり、
前記スロットマシンは、前記一のゲームにおいて前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)及び前記第2の権利(RBの当選フラグ)を同時に付与する旨が決定された場合に、前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)及び前記第2の権利(RBの当選フラグ)のうち一方についてのみ付与された旨を報知する権利付与報知手段(当選した特別役の種類告知演出)をさらに備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、権利付与報知手段による報知内容からは、第1の権利または第2の権利が単独で決定しているのか、第1の権利及び第2の権利が同時に決定しているのか、を判別することができないため、第1の権利及び第2の権利のうち一方の権利に基づく有利遊技状態に制御された後も他方の権利が付与されていることを期待させることができる。
【0201】
構成4に記載のスロットマシンは、構成1〜3のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記権利付与決定手段は、前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)または前記第2の権利(RBの当選フラグ)を単独で付与する旨の決定が可能であり、
前記スロットマシンは、前記第1の権利(BB(1)(2))または前記第2の権利(RB)のうちの一方の権利に基づく有利遊技状態において、他方の権利が付与されている可能性を示唆する可能性演出(継続示唆演出)を実行する可能性演出実行手段をさらに備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1の権利及び第2の権利のうち一方の権利に基づいて制御された有利遊技状態において、他方の権利が付与されていることに対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
【0202】
構成5に記載のスロットマシンは、構成1〜4のいずれかに記載のスロットマシンであって、
遊技に関連する情報を外部出力する制御を行う外部出力制御手段を備え、
前記権利付与決定手段は、前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)または前記第2の権利(RBの当選フラグ)を単独で付与する旨の決定が可能であり、
前記外部出力制御手段は、前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)または前記第2の権利(RBの当選フラグ)を付与する旨が決定された場合に、前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)または前記第2の権利(RBの当選フラグ)を単独で付与する旨が決定されたか、前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)及び前記第2の権利(RBの当選フラグ)を同時に付与する旨が決定されたか、を特定可能な情報を外部出力する制御を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1の権利または第2の権利を付与する旨が決定された場合に、これらが単独で付与されたのか、他方の権利と同時に付与されたのか、を外部機器にて特定することができる。
【0203】
構成6に記載のスロットマシンは、構成1〜5のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記有利遊技状態制御手段は、前記一のゲームにおいて前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)及び前記第2の権利(RBの当選フラグ)を同時に付与する旨が決定された場合に、前記第1の権利(BB(1)(2)の当選フラグ)のうち一方の権利により許容された入賞が発生した場合に、該一方の権利に基づく有利遊技状態(BBまたはRB)に制御する一方、該有利遊技状態の終了後、他方の権利により許容された入賞を介すことなく、直ちに該他方の権利に基づく有利遊技状態(RBまたはBB)に制御する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、一のゲームにおいて第1の権利及び第2の権利を同時に付与する旨が決定された場合には、一方の権利に基づく有利遊技状態と他方の権利に基づく有利遊技状態と、に連続して制御することができる。
【0204】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0205】
上記の実施例では、有利遊技状態として、内部抽選における小役の当選確率が高まることにより小役の入賞確率が高まるRB及びRBに連続して制御されるBBを適用しているが、通常よりも多くのメダルの獲得が期待できる遊技状態、すなわちその遊技状態における1ゲームあたりのメダルの払出率が高まる遊技状態が通常よりも高まる遊技状態であれば良く、リールの引込が通常よりも制限されるものの、全ての小役について入賞が許容されることで小役の入賞確率が高まるCT(チャレンジタイム)及びCTに連続して制御さえるCB(チャレンジボーナス)、再遊技役の当選確率が高まるリプレイタイム、特別役の当選確率が高まる確率変動状態、さらには、遊技者にとって有利なリールの停止態様とするためのリールの停止順や停止タイミングなど、遊技者にとって有利な情報が報知されること等により、通常よりも多くのメダルの獲得が期待できるアシストタイム等を適用しても良い。
【0206】
また、上記の実施例では、有利遊技状態へ移行させる権利としてBBやRBへの移行を伴う特別役の当選を適用しているが、入賞等を介さずに有利遊技状態に移行する構成であれば、有利遊技状態へ移行させる権利そのものであっても良い。
【0207】
また、有利遊技状態の開始条件として特別役の入賞を適用しているが、必ずしも入賞を介して有利遊技状態に移行するものである必要はなく、例えば、上記の権利が付与された後、開始抽選を行い、この開始抽選に当選することで有利遊技状態が開始する構成でも良い。
【0208】
また、上記の実施例では、権利の種類に応じて異なる特別役が入賞し、異なる有利遊技状態に移行する構成であるが、権利の種類に関わらず、共通の特別役が入賞するが、その後、権利の種類に応じて異なる有利遊技状態に移行する構成としても良い。また、入賞等を介さずに有利遊技状態に移行する構成においても、複数種類の権利が同時に付与されている場合において、開始条件の成立により権利の種類に応じて異なる有利遊技状態に移行する構成とすれば良い。
【0209】
また、上記の実施例では、有利遊技状態へ移行させる権利であるBBやRBの当選フラグのうち、1度の抽選においてBBとRBが同時に当選すること、すなわち異なる種類のものが同時に当選することはあるものの、同一の種類が同時に当選することのない構成であるが、1度の抽選において同一の種類の権利が複数当選し得る構成であっても良い。
【0210】
上記の実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを適用した例について説明しているが、1つのみリールを備え、この1つのリールの表示結果に応じて入賞が判定されるものでも良いし、2つのリールを備え、2つのリールの表示結果の組み合わせに応じて入賞が判定されるものでも良いし、4つ以上のリールを備え、これらリールの表示結果の組み合わせに応じて入賞が判定されるものでも良い。
【0211】
上記の実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例ついて説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
【0212】
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
【符号の説明】
【0213】
1 スロットマシン
2L、2C、2R リール
6 MAXBETスイッチ
7 スタートスイッチ
8L、8C、8R ストップスイッチ
41 メイン制御部
91 サブ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
遊技者にとって有利な権利を付与するか否かを決定する権利付与決定手段を備え、
前記権利付与決定手段は、一のゲームにおいて複数の権利を同時に付与する旨の決定が可能である
ことを特徴とするスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−85902(P2013−85902A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232210(P2011−232210)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】