説明

ズームレンズ及びそれを有する撮像装置

【課題】 高ズーム比を確保しつつ、簡易な構成で小型なズームレンズを得ること。
【解決手段】 物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群を有し、該第1レンズ群乃至該第4レンズ群がいずれも移動してズーミングを行うズームレンズであって、ズーミングに際し該第1レンズ群は広角端に比べて望遠端で物体側に位置する様に移動し、該第1レンズ群は1枚のレンズから成り、広角端における全系の焦点距離fw、該第2レンズ群の焦点距離f2、該第4レンズ群に含まれる少なくとも1枚の正レンズの材料のアッベ数をνd4を各々適切に設定すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はズームレンズ及びそれを有する撮像装置に関し、例えば銀塩写真用のカメラや、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、固体撮像素子を用いたビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、そして銀塩フィルムを用いたスチルカメラ等の撮像装置は、高機能化され、又装置全体が小型化されている。
【0003】
そして、それに用いられる撮影レンズとしては、レンズ全長が短く全系がコンパクトで且つ高い光学性能を有したズームレンズであることが求められている。
【0004】
また、撮像装置には撮像手段の光入射側に光学フィルターやクイックリターンミラー等を配置するために比較的、長いバックフォーカス(撮影レンズの最終面から撮像面までの距離)を有することが求められている。
【0005】
これらの要求に応えるズームレンズの例として、物体側より像側へ順に正、負、正、そして正の屈折力の4つのレンズ群より成り、各レンズ群を移動させてズーミングを行う4群ズームレンズが知られている。
【0006】
この4群ズームレンズにおいて、全系がコンパクトでありながらズーム比3.5倍程度の高ズーム比を有するズームレンズが知られている(例えば特許文献1)。
【0007】
また、物体側より像側へ順に正、負、正、そして正の屈折力の4つのレンズ群より成り、第1レンズ群が1枚のレンズで構成されていて、主に第2、第3レンズ群を移動させてズーミングを行う小型の4群ズームレンズが知られている(例えば特許文献2)。
【0008】
一方、ズームレンズにおいて一部のレンズ群を光軸と垂直方向に変位させてズームレンズが振動したときの画像ぶれを補正したものが知られている。例えば物体側から像側へ順に正、負、正、正の屈折力の第1、第2、第3、第4レンズ群より成る4群構成のズームレンズにおいて、第3レンズ群の一部を光軸と垂直方向に振動させて静止画像を得るズームレンズが知られている(特許文献3)。
【特許文献1】特開2004−333770号公報
【特許文献2】特開2002−72087号公報
【特許文献3】特開平07−128619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一般にズームレンズの全系の小型化を図りつつ、且つ高いズーム比を得るためにはズームレンズを構成する各レンズの屈折力を強めれば良い。しかしながら単にレンズ群の屈折力を強めると光学性能が劣化してくる。また、光学性能を良好に維持するためには各レンズ群に多くのレンズが必要となり、この結果、ズームレンズ全系の小型化を図るのが難しくなってくる。
【0010】
特に前述した4群ズームレンズにおいて、全系の小型化を図りつつ、高ズーム比を確保しつつ全ズーム範囲にわたり高い光学性能を得るには、第2レンズ群の屈折力や、第4レンズ群のレンズ構成等を適切に設定することが重要になってくる。
【0011】
更に第1レンズ群の屈折力やズーミングに際しての第1、第4レンズ群の移動量等を適切に設定することが重要になってくる。
【0012】
これらの各要素の設定が不適切であると、ズーミングに伴う収差変動が大きくなり、特に色収差の変動が大きくなり、全系の小型化を図りつつ全ズーム範囲にわたり高い光学性能を得るのが難しくなってくる。
【0013】
このようにズームレンズにおいては、光学系全体の小型化と、高い光学性能を得ることは背反する条件であり、これを両立することがズームレンズにとって重要な課題となっている。
【0014】
本発明は、各レンズ群の屈折力やレンズ構成等を適切に設定することにより、高ズーム比を確保しつつ、簡易なレンズ構成で全系が小型のズームレンズの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のズームレンズは、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群を有し、
該第1レンズ群乃至該第4レンズ群がいずれも移動してズーミングを行うズームレンズであって、
ズーミングに際し該第1レンズ群は広角端に比べて望遠端で物体側に位置する様に移動し、
該第1レンズ群は1枚のレンズから成り、
広角端における全系の焦点距離をfw、該第2レンズ群の焦点距離をf2、該第4レンズ群に含まれる少なくとも1枚の正レンズの材料のアッベ数をνd4とするとき、
30.0 < νd4 < 60.0
−1.20 < f2/fw < −0.80
なる条件を満足することを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高ズーム比を確保しつつ、簡易な構成で小型なズームレンズが実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明のズームレンズ及びそれを有する撮像装置の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
本発明のズームレンズは、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群を有している。第1レンズ群乃至該第4レンズ群がいずれも移動してズーミングを行っている。第1レンズ群は1枚のレンズより成り、ズーミングに際し、広角端に比べて望遠端において物体側に位置する様に移動している。
【0019】
図1は本発明の実施例1のズームレンズの広角端(短焦点距離端)におけるレンズ断面図である。図2(A)〜図2(C)はそれぞれ実施例1のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端(長焦点距離端)における無限遠物体合焦状態のときの収差図である。
【0020】
図3は本発明の実施例2のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図4(A)〜図4(C)はそれぞれ実施例2のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における無限遠物体合焦状態のときの収差図である。
【0021】
図5は本発明の実施例3のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図6(A)〜図6(C)はそれぞれ実施例3のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における無限遠物体合焦状態のときの収差図である。
【0022】
図7は本発明の実施例4のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図8(A)〜図8(C)はそれぞれ実施例4のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における無限遠物体合焦状態のときの収差図である。
【0023】
図9は本発明の実施例5のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図10(A)〜図10(C)はそれぞれ実施例5のズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における無限遠物体合焦状態のときの収差図である。
【0024】
図11は本発明のズームレンズを備えるカメラ(撮像装置)の要部概略図である。
【0025】
各実施例のズームレンズはデジタルスチルカメラや銀塩フィルムカメラ等の撮像装置に用いられる撮影レンズ系である。レンズ断面図において、左方が物体側(前方)で、右方が像側(後方)である。
【0026】
プロジェクターに用いるときは左方がスクリーン(被投射面)で右方が被投射画像側である。レンズ断面図においてiは物体側からのレンズ群の順番を示し、Liは第iレンズ群である。
【0027】
矢印は広角端から望遠端へのズーミングに際しての各レンズ群の移動軌跡を示している。
【0028】
SPは開口絞りであり、ズーミングに際して第3レンズ群L3と一体的に移動している。FSはフレア−カット絞りであり、各実施例においてはズーミングの際、固定であるが、ズーミングに際して独立に又は隣接するレンズ群と一体的に移動させても良い。
【0029】
IPは像面であり、ビデオカメラやデジタルスチルカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面、銀塩フィルム用カメラのときはフィルム面等の感光面に相当する。
【0030】
収差図において、d、gは各々d線及びg線、S.C.は正弦条件である。ΔM、ΔSはd線のメリディオナル像面、サジタル像面である。倍率色収差はg線によって表している。fnoはFナンバーである。ωは半画角(度)である。
【0031】
尚、以下の各実施例において広角端と望遠端は変倍用レンズ群が機構上光軸上を移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいう。
【0032】
次に、実施形態1〜5のズームレンズのレンズ構成の特徴について説明する。
【0033】
まず、図1、図3、図5の実施例1、2、3について説明する。
【0034】
図1、図3、図5の実施例1、2、3において、L1は正の屈折力(光学的パワ−=焦点距離の逆数)の第1レンズ群、L2は負の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群、L4は正の屈折力の第4レンズ群である。
【0035】
第3レンズ群L3は、正の屈折力の第3aレンズ成分L3aと負の屈折力の第3bレンズ成分L3bより成っている。
【0036】
実施例1、2、3では、広角端から望遠端へのズーミングに際して矢印に示すように、各レンズ群L1〜L4が移動している。
【0037】
具体的には、第1、第3、第4レンズ群L1、L3、L4が物体側へ移動している。
【0038】
第3aレンズ成分L3aと第3bレンズ成分L3bは一体的に移動している。
【0039】
又、第2レンズ群L2は像側へ凸状の軌跡を描くように移動している。
【0040】
このとき、広角端に比べて望遠端で第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔が大きく、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔が小さく、第3レンズ群L3と第4レンズ群L4の間隔が小さくなるように各レンズ群が移動している。
【0041】
ズーミングに際し、広角端に比べて望遠端において第1レンズ群L1と第3レンズ群L3は物体側に位置するように移動しており、これにより広角端におけるレンズ全長を小型に維持しつつ、大きなズーム比(高変倍比)が得られるようにしている。
【0042】
特に画角の大きい広角端において第1レンズ群L1が像側に位置することで前玉径の増大を防ぎ、レンズ径が大きくなる第1レンズ群L1を単一のレンズで構成することにより、小型化を達成している。
【0043】
又、実施例1、2、3では広角端から望遠端へのズーミングに際して第3レンズ群L3を物体側に移動させることにより、第3レンズ群L3に変倍効果を持たせている。更に正の屈折力の第1レンズ群L1が広角端に比べて望遠端において物体側に位置するように移動させている。これにより第2レンズ群L2に大きな変倍効果を持たせて第1レンズ群L1、第2レンズ群L2の屈折力をあまり大きくすることなく4倍程度の高ズーム比を得ている。
【0044】
また、第2レンズ群L2を光軸上移動させてフォーカシングを行うインナーフォーカス式を採用している。
【0045】
望遠端において無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合には矢印2cに示すように第2レンズ群L2を前方に繰り出すことによって行っている。第2レンズ群L2に関する実線の曲線2aと点線の曲線2bは各々無限遠物体と近距離物体にフォーカスしているときの広角端から望遠端へのズーミングに伴う際の像面変動を補正するための移動軌跡を示している。
【0046】
実施例1、2、3においては、第3bレンズ成分L3bを光軸に対して垂直方向の成分を持つように移動させることにより、光軸に対して垂直方向に像を変位させている。これにより光学系全体が振動したときの像ぶれを補正するようにしている。
【0047】
即ち防振を行っている。
【0048】
これにより、可変頂角プリズム等の光学部材や防振のためのレンズ群を新たに付加することなく防振を行うようにし、光学系全体が大型化するのを防止している。
【0049】
開口絞りSPはズーミングに際して第3レンズ群L3と一体に移動している。これにより移動/可動で分けられる群数を少なくして、メカ構造を簡素化している。
【0050】
次に図7の実施例4について説明する。
【0051】
実施例4は実施例1、2、3に比べて広角端から望遠端へのズーミングに際して第3aレンズ成分L3aと第3bレンズ成分(第3レンズ群L3の最も像側に位置するレンズ)L3bとが独立に物体側へ移動している点が異なっている。
【0052】
この他の構成は実施例1、2、3と同じである。
【0053】
尚、実施例4は物体側から像側へ順に正、負、正、負、正の屈折力のレンズ群より成る5群ズームレンズとして取り扱うこともできる。
【0054】
実施例4においては、全てのレンズ群が独立に移動することでズーミングを行っているが、第3aレンズ成分L3aと第4レンズ群L4の移動軌跡を同一にしてメカ構成を簡略化してもよい。
【0055】
次に図9の実施例5について説明する。実施例5は実施例1、2、3に比べて第4レンズ群L4の像側に負の屈折力の第5レンズ群L5を設けた点が異なっている。
【0056】
即ち、図9の実施例5において、L1は正の屈折力の第1レンズ群、L2は負の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群、L4は正の屈折力の第4レンズ群、L5は負の屈折力の第5レンズ群である。
【0057】
ズーミングに際しての第1レンズ群L1乃至第4レンズ群L4の移動形態は実施例1、2、3と同じである。第5レンズ群L5はズーミングに際して不動である。フォーカスに関しても実施例1、2、3と同じである。
【0058】
次に各実施例の共通したレンズ構成の特徴について説明する。
【0059】
各実施例では、広角端において全体の屈折力配置が略レトロフォーカスタイプの屈折力配置となるようにしている。
【0060】
また、望遠端において全体の屈折力配置が略テレフォトタイプの屈折力配置となるようにしている。これにより高いズーム比を実現したズームレンズを得ている。
【0061】
また、少なくとも第1〜第4レンズ群L1〜L4を移動させてズーミング及び変倍に伴う像面変動の補正を行うことにより屈折力の効率的な分配を容易にしている。
【0062】
更に、広角端にて比較的長いバックフォーカスを確保しつつ光学全長を短くすることができるようにしている。これにより、例えば一眼レフ用の交換レンズとして最適な高ズーム比で小型なズームレンズを構成している。
【0063】
尚、各実施例において、フォーカシングは第2レンズ群L2を光軸に沿って移動させて行っているが、他のレンズ群(例えば第1レンズ群L1又は第4レンズ群L4)で行っても良い。
【0064】
各実施例において、正の屈折力の第1レンズ群L1は、最も有効径が大きくなるレンズ群である。その第1レンズ群L1を1枚のレンズ構成(接合レンズを除く)とすることで、コンパクトなズームレンズを実現している。
【0065】
負の屈折力の第2レンズ群L2は2枚の負レンズと1枚の正レンズで構成している。第2レンズ群L2は変倍分担が大きく、また、フォーカスレンズ群であるため第2レンズ群L2単独である程度の収差補正をしている。
【0066】
第2レンズ群L2は負の屈折力が強いので1枚の負レンズと1枚の正レンズでは良好なる収差補正が難しくなるため、1枚の負レンズを2枚の負レンズに分けて構成している。
【0067】
正の屈折力の第3レンズ群L3は、軸上光線が全ズーム領域において比較的高い位置を通るレンズ群である。そのため、正レンズと負レンズを有するようにして正レンズで発生する軸上収差を負レンズで補正する構成としている。
【0068】
正の屈折力の第4レンズ群L4には、非球面レンズを用い、第3レンズ群L3で補正しきれなかった軸上及び軸外の諸収差を補正している。
【0069】
以上のようにズーミングにおける各レンズ群の移動条件や各レンズ群の屈折力等を適切に設定することにより、高ズーム比化にもかかわらずレンズ全長の小型化を容易にしている。
【0070】
各実施例では、色収差を補正しつつ全系の小型化を図るために、次の条件式(1)、(2)を同時に満足するようにしている。
【0071】
広角端における全系の焦点距離をfwとする。第2レンズ群L2の焦点距離をf2とする。第4レンズ群L4に含まれる少なくとも1枚の正レンズの材料のアッベ数をνd4とする。このとき、
30.0 < νd4 < 60.0 ‥‥‥(1)
−1.20 < f2/fw < −0.80 ‥‥‥(2)
なる条件を満足している。
【0072】
条件式(1)は該第4レンズ群L4に含まれる正レンズの材料のアッベ数に関し、第1レンズ群L1を1枚のレンズで構成にしたことによって生じた色収差を、広角端及び望遠端のズーム位置でバランス良く補正するための条件である。
【0073】
条件式(1)の下限値を超えると、広角端において軸上色収差及び倍率色収差の補正が過剰となる。
【0074】
また、上限値を超えると、望遠端において倍率色収差の補正を良好に行うのが難しくなる。
【0075】
また、色収差の補正のため更に好ましくは、条件式(1)の数値範囲を次の如く設定することが望ましい。
【0076】
35.0 < νd4 < 53.2 ‥‥‥(1a)
条件式(2)は第2レンズ群L2の焦点距離と広角端における全系の焦点距離との比に関する。第2レンズ群L2の焦点距離を適切に設定することでレンズ系全体の小型化と光学性能をバランス良く保っている。
【0077】
条件式(2)の下限を超えると、第2レンズ群L2の負の屈折力が弱くなるため、所望のズーム比を確保する為に第1レンズ群L1及び第3レンズ群L3との間の空気間隔の変化量を大きくとる必要がある。そうすると、光学系全体が大型化するため好ましくない。
【0078】
また、上限を超えると、第2レンズ群L2の負の屈折力が強くなりすぎるため、第2レンズ群L2内で発生する諸収差を少ないレンズ枚数で補正することが困難となる。
【0079】
また、更に好ましくは、条件式(2)の数値範囲を次の如く設定することが望ましい。
【0080】
−1.20 < f2/fw < −1.00 ‥‥‥(2a)
各実施例では以上のような構成とすることで諸収差の良好なる補正が容易で、高い光学性能を有し、高ズーム比でありながら簡易な構成のズームレンズを達成している。
【0081】
各実施例において、さらに好ましくは以下の条件のうち1以上を満足することが望ましい。
【0082】
第1レンズ群L1の焦点距離をf1とする。
【0083】
第1レンズ群L1と第4レンズ群L4の広角端から望遠端へのズーミングにおける光軸方向の移動量を各々m1、m4とする。
【0084】
第3レンズ群L3の最も像側に位置するレンズは広角端から望遠端へのズーミングの際の光軸方向へ移動し、このときの移動量をmr3とする。
【0085】
このとき
5.0 < f1/fw < 10.0 ‥‥‥(3)
−9.5 < f1/f2 < −5.0 ‥‥‥(4)
−3.0 < m1/fw <−0.5 ‥‥‥(5)
−3.00 < m4/fw < −1.00 ‥‥‥(6)
−1.0 < (m4−mr3)/fw < −0.1‥‥‥(7)
なる条件のうち1以上を満足するのが良い。
【0086】
尚ここでいう移動量とは、ズーミング時、不動な基準(例えば結像面)に対する指定ズーム位置(例えば広角端と望遠端)での対象レンズ群の位置変化を示す。指定ズーム位置以外の移動量を含むものではない。
【0087】
移動量の符号は位置の変化が像側へ移動したときを正、その逆を負としている。往復移動のときの移動量とは、移動前と移動後の変化量をいう。
【0088】
次に上述の各条件式の技術的な意味について説明する。
【0089】
条件式(3)は、第1レンズ群L1の焦点距離と広角端における全系の焦点距離との比に関し、第1レンズ群L1の屈折力を適切に設定することで光学系全体の小型化と光学性能をバランス良く保っている。
【0090】
条件式(3)の下限を超えると、第1レンズ群L1の屈折力が強くなりすぎるため、第1レンズ群L1で発生する収差量が増えて、第1レンズ群L1を1枚の正レンズのみの構成では良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0091】
また、広角端において、第1、第2レンズ群L1、L2の合成で負の屈折力となっているレトロフォーカスタイプの屈折力配置の傾向が弱くなる。この結果、十分な長さのバックフォーカスを確保することが困難になってくる。
【0092】
また、条件式(3)の上限を超えると、第1レンズ群L1の屈折力が弱くなりすぎるため収差補正には有利となるが、所望のズーム比を確保するための第1レンズ群L1の移動量が大きくなり、レンズ全長が長くなると共に前玉径が大きくなるので良くない。
【0093】
また、更に好ましくは、条件式(3)の数値範囲を次の如く設定することが望ましい。
【0094】
5.4 < f1/fw < 9.8 ‥‥‥(3a)
条件式(4)は、第1レンズ群L1の焦点距離と第2レンズ群L2の焦点距離との比に関し、第1レンズ群L1の屈折力を適切に設定することで光学系全体の小型化と光学性能をバランス良く保っている。
【0095】
条件式(4)の下限を超えると、第1レンズ群L1の像側の焦点位置と第2レンズ群L2の物体側の焦点位置が離れすぎるため、第2レンズ群L2の結像倍率の低い領域で変倍することになる。
【0096】
したがって、変倍に際しての変倍効率が低下し、第1レンズ群L1の変倍による移動量が大きくなり、望遠端において光学全長が増大する。もしくは、第2レンズ群L2の屈折力が強くなりすぎて、第2レンズ群L2で発生する諸収差が増大する。
【0097】
また、上限を超えると、第1レンズ群L1のパワー(屈折力)が強くなり、第1レンズ群L1を単一のレンズで構成するのが難しくなる。また、第2レンズ群L2のパワーが弱くなり、変倍作用が弱まるために第2レンズ群L2の移動量が大きくなり光学系が大型化してくる。
【0098】
また、更に好ましくは、条件式(4)の数値範囲を次の如く設定することが望ましい。
【0099】
−8.4 < f1/f2 < −5.2 ‥‥‥(4a)
条件式(5)は、広角端から望遠端へズーミングする際の第1レンズ群L1の移動量を適切に設定するためのである。
【0100】
条件式(5)の下限を超えると、第1レンズ群L1の移動量が大きくなりすぎるため、光学全長が増大する。また、ズーミングの際に第1レンズ群L1で生じる倍率色収差の変動が大きくなるため補正が困難になってくる。
【0101】
また、条件式(5)の上限を超えると、第1レンズ群L1の移動量が小さくなりすぎるため、所望のズーム比を確保するために第1レンズ群の屈折力を強くしなければならず、この結果、諸収差の補正が悪化する。
【0102】
また、条件式(5)の更に好ましくは、条件式(5)の数値範囲を次の如く設定することが望ましい。
【0103】
−2.0 < m1/fw < −1.4 ‥‥‥(5a)
条件式(6)は、広角端から望遠端へズーミングする際の第4レンズ群L4の移動量を適切に設定し、主に変倍における収差変動を少なくするためのものである。
【0104】
条件式(6)の下限を超えると、第4レンズ群L4の移動量が大きくなるため、望遠端における光学全長が増大する。
【0105】
また、上限を超えると、第4レンズ群L4の移動量が小さくなるため、所望のズーム比を確保するために第1レンズ群L1の屈折力を強くしなければならず、この結果、諸収差の補正が悪化する。
【0106】
また、更に好ましくは、条件式(6)の数値範囲を次の如く設定することが望ましい。
【0107】
−2.50 < m4/fw < −1. 80 ‥‥‥(6a)

条件式(7)は図7の実施例4の第3bレンズ成分L3bに相当する条件であり第3レンズ群L3の第3bレンズ成分L3bと第4レンズ群L4の相対移動量を規定するものである。
【0108】
条件式(7)の下限を超えると、第3bレンズ成分L3bに対して、第4レンズ群L4の移動量が相対的に大きくなるため、広角端における第3bレンズ成分L3bと第4レンズ群L4の間隔が長くなり全長がながくなりすぎるので好ましくない。
【0109】
また、上限を超えると、第3bレンズ成分L3bと第4レンズ群L4の間隔の変化が小さくなるため収差補正上の分担効果が弱まり、ズーミングの際に発生する収差変動を十分に補正するのが難しくなる。
【0110】
特に、第4レンズ群L4を通過する軸外光束の光軸からの距離が広角端と望遠端とで差が小さくなるので、ズーミングにおける軸外の収差補正に不利となる。
【0111】
また、更に好ましくは、条件式(7)の数値範囲を次の如く設定することが望ましい。
【0112】
−0.25 < (m4−mr3)/fw < −0.13 ‥‥‥(7a)
尚、各実施例において、第4レンズ群L4は、光軸からレンズ周辺部にかけて負の屈折力が強くなる非球面形状のレンズを含むのが良い。
【0113】
第4レンズ群L4は広角端から望遠端へのズーミングにおいて物体側へ大きく移動しており、軸外光束の第4レンズ群L4の通過位置が広角端と望遠端で大きく異なっている。このため、第4レンズ群L4の中でも、より像面側の位置(負レンズの像側の面)に非球面を配置することで全ズーム範囲にわたり高い光学性能が実現している。
【0114】
また、第4レンズ群L4は全体で正の屈折力より成るので、諸収差を良好に補正するためには光軸からレンズ周辺にかけて負の屈折力が強くなるような形状であることが望ましい。
【0115】
例えば凹面のときの凹面の負の屈折力が強くなる形状、凸面のときは正の屈折力が弱くなる形状とするのが良い。
【0116】
非球面レンズの材料は特に限定するものではないが、比較的容易に製造できることから、樹脂成形のものを採用することが望ましい。
【0117】
もちろん、材料はガラスでも構わず、ガラス基盤上に非球面形状の樹脂層を配置した所謂複合非球面レンズでも良い。
【0118】
また各実施例のズームレンズを一眼レフカメラの交換レンズに適用する場合は、使用者の取扱いで傷が付かないように、比較的強度の弱い樹脂材料による非球面レンズを用いるときは最も像側の面には配置しない方が望ましい。各実施例ではその点を考慮して樹脂製の非球面レンズを像側から2番目のレンズとしている。
【0119】
各実施例では、第2レンズ群L2を移動させてフォーカシングを行っている。
【0120】
無限遠物体から至近物体へのフォ−カシングを、最も屈折力の強い第2レンズ群L2を光軸方向で物体側に移動させて行っている。このように所謂インナ−フォーカス方式を用いることで第1レンズ群L1でフォーカシングを行うのに比べ、第1レンズ群L1のレンズ有効径を小型化している。
【0121】
また、各実施例では広角端に比べ望遠端において第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔が大きくなり、第3レンズ群L3と第4レンズ群L4の間隔が小さくなるようにして各レンズ群を移動させてズーミングを行っている。
【0122】
そのため、第4レンズ群L4でフォーカシングを行うとすると、フォーカシングに必要な繰出しのための空間を予め確保しなければならず、この結果、光学全長が増大する。
【0123】
これに対して第2レンズ群L2でフォーカシングを行うと、ズーミングに際して前述の如くレンズ群間隔が大きくなるため、特に望遠側においてフォーカシングに必要な繰出しのための空間の確保が容易になる。
【0124】
実施例4では物体側から像側へ順に、第3レンズ群L3は、第3aレンズ成分と第3bレンズ成分を有し、ズーミングに際して各レンズ成分が独立に光軸方向に移動している。
【0125】
このようにズーミングに際して第3aレンズ成分L3aと第3bレンズ成分L3bを独立に光軸方向に動かすことによって、ズーミング時に発生する収差変動の補正を容易にしている。
【0126】
以上のように各実施例によれば、前述の如く所定の屈折力を持つ複数のレンズ群を有し、各レンズ群の屈折力、ズーミングの為の移動条件等を適切に設定している。これによって、レンズ系の小型化を図り、全変倍範囲にわたって良好な光学性能を有したズーム比4程度のズームレンズを得ている。
【0127】
尚、各実施例において、第1レンズ群L1の物体側又は/及び最終レンズ群の像側にコンバーターレンズ系や屈折力の小さな光学素子等を付加しても良い。
【0128】
各実施例における各レンズ群とレンズ成分のレンズ構成を説明する。以下、レンズ構成は物体側から像側へ順に配置されているものとして説明する。
【実施例1】
【0129】
実施例1において、第1レンズ群L1は物体側の面が凸形状の1枚の正レンズより成っている。第2レンズ群L2は像側の面が凹でメニスカス形状の負レンズ、両レンズ面が凹形状の負レンズ、物体側の面が凸でメニスカス形状の正レンズより成っている。
【0130】
第3aレンズ成分L3aは両レンズ面が凸形状の正レンズより成っている。第3bレンズ成分L3bは物体側の面が凹形状の負レンズより成っている。第4レンズ群L4は物体側の面が凹形状の負レンズ、両レンズ面が凸形状の正レンズより成っている。
【実施例2】
【0131】
第1、第2レンズ群L1、L2は実施例1と同じである。第3aレンズ成分L3aは両レンズ面が凸形状の正レンズ、物体側の面が凹形状の負レンズより成っている。第3bレンズ成分L3bと第4レンズ群L4は実施例1と同じである。
【実施例3】
【0132】
第1、第2レンズ群L1、L2は実施例1と同じである。第3aレンズ成分L3aは両レンズ面が凸形状の正レンズ、物体側の面が凹形状の負レンズより成っている。第3bレンズ成分L3bは像側の面が凹形状の負レンズより成っている。第4レンズ群L4は実施例1と同じである。
【実施例4】
【0133】
第1、第2レンズ群L1、L2は実施例1と同じである。第3aレンズ成分L3aは両レンズ面が凸形状の正レンズ、物体側の面が凹形状の負レンズより成っている。第3bレンズ成分L3bは像側の面が凹形状の負レンズより成っている。第4レンズ群L4は実施例1と同じである。
【実施例5】
【0134】
第1レンズ群L1乃至第4レンズ群L4のレンズ構成は実施例1と同じである。第5レンズ群L5は物体側の面が凹形状の負レンズより成っている。
【0135】
次に実施例1〜5に示したズームレンズを固体撮像素子を用いた撮像装置(一眼レフカメラ)に適用した実施例を図11を用いて説明する。
【0136】
図11は一眼レフカメラの要部概略図である。図11において、10は実施例1〜5のズームレンズ1を有する撮影レンズである。ズームレンズ1は保持部材である鏡筒2に保持されている。20はカメラ本体であり、撮影レンズ10からの光束を上方に反射するクイックリターンミラー3、撮影レンズ10の像形成装置に配置された焦点板4、焦点板4に形成された逆像を正立像に変換するペンタダハプリズム5を有している。
【0137】
更にその正立像を観察するための接眼レンズ6等によって構成されている。7は感光面であり、CCDセンサやCMOSセンサ等の像を受光する固体撮像素子(光電変換素子)や銀塩フィルムが配置される。撮影時にはクイックリターンミラー3が光路から退避して、感光面7上に撮影レンズ10によって像が形成される。
【0138】
以下に、実施例1〜5に各々対応する数値実施例1〜5を示す。各数値実施例において、iは物体側からの順番を示し、riは各面の曲率半径、diは第i面と第i+1面との間の部材肉厚又は空気間隔、niとνiはそれぞれd線に対する屈折率、アッベ数を示す。
【0139】
非球面形状は光軸からの高さhの位置での光軸方向の変位を面頂点を基準にしてxとするとき、
X=(h2 /R)/[1+{1−(1+k)(h/R)2}](1/2)
+A2h2 +A4h4 +A6h6 +A8h8 +A10h10+A12h12
で表される。
【0140】
但し、kは円錐定数、A2、A4、A6、A8、A10、A12は2次、4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数、Rは近軸曲率半径である。
【0141】
又、「E−0X」は「×10−x」を意味している。
【0142】

[数値実施例1]
単位 mm

面デ−タ
面番号 r d Nd νd 有効径

物面 ∞

1 56.57689 6.9434 1.51633 64.14 52.233
2 389.6367 可変 1 0 50.131

3 74.23163 1.4 1.712995 53.87 37.563
4 14.34295 8.52105 1 0 25.645
5 −228.44 1 1.622992 58.16 25.44
6 27.21654 0.0286 1 0 23.686
7 18.81481 2.86531 1.84666 23.93 23.518
8 28.2944 可変 1 0 22.691

9(絞り) 1 1 0 11.297
10 15.49359 3.51086 1.548141 45.79 12.076
11 −38.5313 2.51184 1 0 11.922
12 −24.7552 1.2 1.84666 23.93 11.201
13 2170.501 可変 1 0 11.294

14 −16.3192 1.5 1.58306 30.23 13.232
15* −35.8075 0.12696 1 0 14.961
16 174.1156 5.14474 1.517417 52.43 15.846
17 −13.5748 可変 1 0 17.142

18 フレアーカット絞り 37.7227 1 0 18.08

img 0



非球面デ−タ
第15面
K A2 A4 A6 A8 A10 A12
0.00E+00 0.00E+00 9.87E−05 4.86E−07 −8.27E−09 1.25E−10 −8.78E−13


各種デ−タ
ズーム比 4.039467

広角 中間 望遠
焦点距離 15.57897 40.44766 62.93073
Fナンバ− 3.58722 4.841511 5.850716
画角 41.24503 18.66087 12.24687
像高 13.66 13.66 13.66
レンズ全長 116.3644 127.2444 143.5644
BF 37.7227 37.7227 37.7227


d2 2.472844 18.52879 25.82062
d8 33.21494 8.951334 3.040424
d13 5.551154 2.991125 1.880629
d17 0 21.64769 37.69727


ズームレンズ群デ−タ
群 始面 焦点距離
1 1 127.285
2 3 −18.3379
3 9 47.93118
4 14 38.87


[数値実施例2]

単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径

物面 ∞

1 56.66194 6.83785 1.51633 64.14 51.203
2 524.806 可変 1 0 49.221

3 81.15395 1.4 1.712995 53.87 36.587
4 13.98781 8.20991 1 0 24.911
5 -155.214 1 1.622992 58.16 24.84
6 27.85823 -0.00465 1 0 23.268
7 18.93918 2.97323 1.84666 23.93 23.165
8 31.09275 可変 1 0 22.39

9(絞り) 1 1 0 10.869
10 15.30927 3.52108 1.571351 52.95 11.579
11 -29.959 1.28151 1 0 11.405
12 -23.3111 1.2 1.84666 23.93 10.953
13 -123.475 0.99691 1 0 10.992

14 -155.035 1.2 1.51633 64.14 10.957
15 103.2152 可変 1 0 10.959

16 -18.9024 1.5 1.58306 30.23 13.044
17* -75.928 0.01641 1 0 14.704
18 61.55119 4.85924 1.531717 48.84 15.402
19 -15.2027 可変 1 0 16.571

20 フレアーカット絞り 36.12156 1 0 18.063

img 0



非球面データ
第17面
K A2 A4 A6 A8 A10 A12
0.00E+00 0.00E+00 9.04E-05 3.47E-07 -8.19E-09 1.32E-10 -8.78E-13


各種データ
ズーム比 4.009475

広角 中間 望遠
焦点距離 15.68876 40.49214 62.90371
Fナンバー 3.705702 4.948521 5.845604
画角 41.04566 18.64179 12.25197
像高 13.66 13.66 13.66
レンズ全長 114.2333 125.1133 141.4333
BF 36.12156 36.12156 36.12156


d2 2.398707 18.77278 27.74703
d8 32.23216 8.453119 2.676942
d15 5.839385 3.238717 2.298128
d19 0 20.88564 34.94816


ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 122.4134
2 3 -18.3161
3 9 43.1159
4 16 42.51451


[数値実施例3]

単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径

物面 ∞

1 51.70586 5.74609 1.51633 64.14 42.439
2 1005.253 可変 1 0 40.616

3 104.1874 1.4 1.712995 53.87 30.636
4 13.1652 6.89501 1 0 22.088
5 -76.2388 1 1.622992 58.16 22.035
6 29.15912 0.07223 1 0 21.217
7 20.24819 3.7343 1.688931 31.07 21.368
8 93.43555 可変 1 0 20.845

9(絞り) 1 1 0 12.649
10 17.41558 3.87885 1.603112 60.64 13.448
11 -31.0181 3.20919 1 0 13.245
12 -17.6229 1.2 1.84666 23.93 11.901
13 -70.329 0.99759 1 0 12.084

14 170.6525 1.2 1.51633 64.14 12.119
15 83.0166 可変 1 0 12.11

16 -28.5453 1.5 1.58306 30.23 12.174
17* 118.6599 0.02243 1 0 13.459
18 76.42512 3.85732 1.612929 37 13.47
19 -16.7966 可変 1 0 14.531

20 フレアーカット絞り 37.76285 1 0 18.058

img 0



非球面データ
第17面
K A2 A4 A6 A8 A10 A12
0.00E+00 0.00E+00 5.83E-05 9.24E-08 -5.51E-09 1.12E-10 -8.78E-13


各種データ
ズーム比 3.924021

広角 中間 望遠
焦点距離 18.66231 43.79929 73.23128
Fナンバー 3.601421 4.657673 5.832695
画角 36.20251 17.32151 10.56609
像高 13.66 13.66 13.66
レンズ全長 114.1577 125.0377 141.3577
BF 37.76285 37.76285 37.76285


d2 2.970986 19.00873 24.93078
d8 31.38995 10.1108 1.908764
d15 4.670867 2.640742 1.880708
d19 0 18.15153 37.51154


ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 105.3551
2 3 -19.5617
3 9 43.01053
4 16 46.57803


[数値実施例4]
単位 mm

面デ−タ
面番号 r d nd νd 有効径

物面 ∞

1 56.11842 7.17083 1.51633 64.14 52.619
2 466.8957 可変 1 0 50.606

3 73.26809 1.4 1.712995 53.87 37.547
4 14.02956 8.62898 1 0 25.339
5 −148.179 1 1.622992 58.16 25.271
6 29.79651 0.00908 1 0 23.685
7 18.67054 2.83874 1.84666 23.93 23.483
8 28.15404 可変 1 0 22.679

9(絞り) 1 1 0 10.966
10 14.91698 4.42485 1.595509 39.24 11.693
11 −19.8835 0.1327 1 0 11.409
12 −20.3104 1.2 1.84666 23.93 11.31
13 7216.752 可変 1 0 11.251

14 −354.81 1.2 1.51633 64.14 11.201
15 77.11359 可変 1 0 11.373

16 −19.2855 1.5 1.58306 30.23 13.385
17* −108.604 0.03879 1 0 15.068
18 47.91892 5.17421 1.517417 52.43 15.852
19 −15.4213 可変 1 0 17.02

20 フレアーカット絞り 36.91461 1 0 17.928

img −65.3562



非球面デ−タ
第17面
K A2 A4 A6 A8 A10 A12
0.00E+00 0.00E+00 9.78E−05 3.70E−07 −8.54E−09 1.36E−10 −8.78E−13


各種デ−タ
ズーム比 4.009191

広角 中間 望遠
焦点距離 15.68997 40.81842 62.9041
Fナンバ− 3.689203 4.964948 5.845264
画角 41.04348 18.50296 12.2519
像高 13.66 13.66 13.66
レンズ全長 116.0729 126.9529 143.2729
BF 36.91461 36.91461 36.91461


d2 2.443803 18.40836 27.31302
d8 32.85312 8.713282 2.960526
d13 1.279552 1.431398 0.997136
d15 5.213661 2.800987 2.332973
d19 0 21.3161 35.38647


ズームレンズ群デ−タ
群 始面 焦点距離
1 1 122.8055
2 3 −18.3018
3a 9 33.61131
3b 14 −122.569
4 16 44.42968


[数値実施例5]

単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径

物面 ∞

1 64.25759 6.11472 1.51633 64.14 52.293
2 367.9103 可変 1 0 50.213

3 47.97743 1.4 1.712995 53.87 36.147
4 13.39503 9.14498 1 0 24.716
5 -113.316 1 1.622992 58.16 24.503
6 28.46797 0.03789 1 0 22.892
7 18.53698 2.74794 1.84666 23.93 22.725
8 27.75913 可変 1 0 21.921

9(絞り) 1 1 0 11.277
10 14.81575 3.48412 1.548141 45.79 12.114
11 -31.5232 1.80728 1 0 11.962
12 -26.8273 1.2 1.84666 23.93 11.306
13 197.6077 可変 1 0 11.316

14 -13.7749 1.5 1.58306 30.23 12.434
15* -28.4949 0.41069 1 0 14.143
16 344.508 5.08315 1.517417 52.43 15.305
17 -12.6001 可変 1 0 16.572

18 -142.173 1.16304 1.603112 60.64 17.115
19 -1515.54 0 1 0 17.345
20 フレアーカット絞り 38.5756 1 0 17.351

img -67.1112



非球面データ
第17面
K A2 A4 A6 A8 A10 A12
0.00E+00 0.00E+00 1.25E-04 6.26E-07 -6.14E-09 8.91E-11 -8.78E-13


各種データ
ズーム比 4.033701

広角 中間 望遠
焦点距離 15.60249 43.13923 62.93577
Fナンバー 3.748345 5.062077 5.662332
画角 41.20219 17.57035 12.24592
像高 13.66 13.66 13.66
レンズ全長 117.2799 129.3599 147.4799
BF 38.5756 38.5756 38.5756


d2 2.371455 22.35941 36.46704
d8 33.3563 7.180538 2.911529
d13 5.232709 2.699049 2.038559
d17 0 20.80147 29.74334



ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 149.7594
2 3 -18.2801
3 9 42.40383
4 14 38.05955
5 18 -260.219


【0143】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明の実施例1の広角端におけるレンズ断面図
【図2】本発明の実施例1に対応する数値実施例1の収差図
【図3】本発明の実施例2の広角端におけるレンズ断面図
【図4】本発明の実施例2に対応する数値実施例2の収差図
【図5】本発明の実施例3の広角端におけるレンズ断面図
【図6】本発明の実施例3に対応する数値実施例3の収差図
【図7】本発明の実施例4の広角端におけるレンズ断面図
【図8】本発明の実施例4に対応する数値実施例4の収差図
【図9】本発明の実施例5の広角端におけるレンズ断面図
【図10】本発明の実施例5に対応する数値実施例5の収差図
【図11】本発明の撮像装置の概略図
【符号の説明】
【0145】
1 L1 第1レンズ群
2 L2 第2レンズ群
3 L3 第3レンズ群
4 L3a 第3aレンズ成分
5 L3b 第3bレンズ成分
6 L4 第4レンズ群
7 L5 第5レンズ群
8 SP 絞り
9 FS フレアカット絞り
10 IP 像面
11 d d線
12 g g線
13 S.C. 正弦条件
14 M d線のメリディオナル像面
15 S d線のサジタル像面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群を有し、
該第1レンズ群乃至該第4レンズ群がいずれも移動してズーミングを行うズームレンズであって、
ズーミングに際し該第1レンズ群は広角端に比べて望遠端で物体側に位置する様に移動し、
該第1レンズ群は1枚のレンズから成り、
広角端における全系の焦点距離をfw、該第2レンズ群の焦点距離をf2、該第4レンズ群に含まれる少なくとも1枚の正レンズの材料のアッベ数をνd4とするとき、
30.0 < νd4 < 60.0
−1.20 < f2/fw < −0.80
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
前記第1レンズ群の焦点距離をf1とするとき、
5.0 < f1/fw < 10.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
−9.5 < f1/f2 < −5.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
【請求項4】
前記第1レンズ群の広角端から望遠端へのズーミングにおける光軸方向の移動量をm1、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
−3.0 < m1/fw <−0.5
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記第4レンズ群の広角端から望遠端へのズーミングにおける光軸方向の移動量をm4とするとき、
−3.00 < m4/fw < −1.00
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記第3レンズ群の最も像側に位置するレンズは広角端から望遠端へのズーミングの際に、他のレンズ群とは独立に光軸方向へ移動し、このときの移動量をmr3、前記第4レンズ群の広角端から望遠端へのズーミングにおける光軸方向の移動量をm4とするとき、
−1.0 < (m4−mr3)/fw < −0.1
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項7】
前記第4レンズ群は、光軸からレンズ周辺部にかけて負の屈折力が強くなる非球面形状のレンズを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項8】
前記第2レンズ群を移動させてフォーカシングを行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項9】
物体側から像側へ順に、前記第3レンズ群は、第3aレンズ成分と第3bレンズ成分を有し、ズーミングに際して各レンズ成分が独立に光軸方向に移動することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項10】
物体側から像側へ順に、前記第3レンズ群は、第3aレンズ成分と第3bレンズ成分を有し、該第3bレンズ成分を光軸に対し垂直方向の成分を持つように変位させて光軸に対し垂直方向に像を変位することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項11】
固体撮像素子に像を形成することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のズームレンズと、該ズームレンズによって形成される像を受光する固体撮像素子とを有していることを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−150970(P2009−150970A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327088(P2007−327088)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】