説明

ソルダーレジスト膜の形成方法及び静電塗装装置

【課題】コンベアで搬送されるプリント配線板に回転霧化ヘッドで霧化したレジスト液を塗装してソルダーレジスト膜を形成する方法及び装置に関し、より厚い膜厚さのレジスト膜を形成可能にする。
【解決手段】所定の配線パターンを形成したプリント配線板18の面を垂直にして当該面と対向して昇降する回転霧化ヘッド14で霧化したレジスト液を当該プリント配線板の面に静電塗装するプリント配線板のレジスト液の塗装において、前記方法によりプリント配線板18の表面にレジスト液を塗装したあと、その塗装面を風乾し、風乾した塗装面の上に更に前記方法によりレジスト液を重ね塗装する。好ましくは、鉛直軸回りに回転する複数の霧化ヘッドをプリント配線板の搬送路と平行な方向に所定間隔で配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリント配線板にソルダーレジスト膜を形成する方法及びプリント配線板などの平板状の被塗装物にレジスト液を静電塗装する装置に関するもので、コンベアで搬送されるプリント配線板などの平板状の被塗装物に回転霧化ヘッドで霧化したレジスト液を塗装する上記方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フォトエッチングなどにより、所定の配線パターンを形成したプリント配線板の表面は、ソルダーレジストと呼ばれている絶縁保護膜で保護している。この保護膜は、ハンダディップ工程などにおいて不要なハンダが配線パターンに付着するのを防止し、また配線パターンを酸化等から保護するものである。
【0003】
絶縁保護膜の形成工程は、プリント配線板の全面にレジスト液を塗着し、温風乾燥したあと、レジスト除去部分をマスキングした紫外線を照射して(レジスト液が紫外線硬化型の場合)露光領域のレジスト膜を硬化させ、その後、露光しなかった部分のレジスト膜を溶媒やアルカリで除去するというものである。レジスト除去部分は、配線パターンに素子や配線用ワイヤをハンダ付けする部分やピアホールの部分などである。
【0004】
プリント配線板にレジスト膜を形成するためのレジスト液の静電塗装方法ないし装置は、特許文献1に示されている。また、基本的には絶縁材であるプリント配線板に静電塗装をする際に、プリント配線板の表面に液状の導電性付与材を塗布して静電塗装を行うことが特許文献2に示されている。
【0005】
特許文献1に示された静電塗装装置は、プリント配線板などの平板状の被塗装物のための静電塗装装置であって、その塗装室は、被塗装物を縦方向に吊り下げて搬送するコンベアを備え、このコンベアは平行な行き側と戻り側の搬送路を備えており、行き側と戻り側の搬送路の中央で鉛直軸回りに回転する回転霧化ヘッドを備えている。この公知の静電塗装装置は、行き側と戻り側で被塗装物の搬送方向が逆になっており、かつ行き側から戻り側に移る部分に被塗装物の表裏を逆にする反転装置が設けられている。静電塗装は、コンベアで被塗装物を搬送しながら回転霧化ヘッドを往復昇降させて行われる。
【0006】
また、特許文献2に示された静電塗装装置は、上記静電塗装装置の塗装位置より被塗装物の搬送方向上流側の位置にプリント配線板の表面に液状の導電性付与材をスプレー塗装する装置を付加したものである。
【0007】
プリント配線板にレジスト液を静電塗装で塗布すると、レジスト液がピアホールの孔に入らないようにできるという特徴があるほか、上記の静電塗装方法ないし装置によれば、レジスト膜の厚さを均一にできること、無駄なレジスト液の消費が避けられること、塗装室に一度通過させるだけでプリント配線板の表裏両面の塗装が行われるという長所がある。
【0008】
プリント配線板に形成するレジスト膜の厚さは、乾燥後の膜厚で2〜50μmが好ましいとされており、上記の従来装置で形成されるレジスト膜の厚さは、20〜30μmである。
【特許文献1】特開平4‐78459号公報
【特許文献2】特開2001‐29869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
電子制御は、あらゆる機器の制御に必須のものとなっており、自動車のエンジンや変速機を走行抵抗や走行速度に合わせて最適制御する電子制御装置にも多くのプリント配線板が用いられている。これらの車載のプリント配線板は、通信機器や家電機器に用いられるプリント配線板に比べて電流値や電圧値が高いものが多くあり、また制御装置の故障が重大な事故につながる危険があるため、より高い信頼性が要求される。
【0010】
レジスト膜についても、車載のプリント配線板では、膜厚さの均一性に対する要求が厳しく、更に膜厚さについても通信機器や家電機器用のプリント配線板に比べて厚い膜厚さとすることが要求され、60μmを超える膜厚さでレジスト膜を形成することが要求される場合もある。
【0011】
鉛直に懸吊したプリント配線板の面に回転霧化ヘッドで霧化したレジスト液を静電塗装する方法は、膜厚さを均一にできるなどの長所があるが、従来方法ないし装置では、車載プリント配線板に要求される厚い膜厚さのレジスト膜を形成することが困難であった。そこで、この発明は、プリント配線板その他の被塗装物の面に回転霧化ヘッドで霧化したレジスト液を静電塗装するレジスト膜の静電塗装方法ないし装置において、より厚い膜厚さのレジスト膜を形成可能にすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決したこの出願の請求項1の発明に係るプリント配線板のレジスト液の塗装方法は、所定の配線パターンを形成したプリント配線板18の面を垂直にして当該面と対向して昇降する回転霧化ヘッド14で霧化したレジスト液を当該プリント配線板の面に静電塗装するプリント配線板のレジスト液の塗装方法において、前記方法によりプリント配線板18の表面にレジスト液を塗装したあと、その塗装面を風乾し、風乾した塗装面の上に更に前記方法によりレジスト液を重ね塗装することを特徴とする、プリント配線板のレジスト液の塗装方法である。
【0013】
上記方法を実施するのに使用するこの出願の請求項2の発明に係る静電塗装装置は、塗装室1と乾燥室3とを備え、前記塗装室で、塗装コンベア19に搬送されて当該室内を移動するプリント配線板18その他の板状の被塗装物の表面に回転霧化ヘッド14で霧化したレジスト液を静電塗装し、前記乾燥室で、乾燥コンベア39に搬送されて当該室内を移動する前記被塗装物の表面に塗着されたレジスト液をアルカリ液などの溶剤で剥離可能な程度まで乾燥する静電塗装装置において、第1と第2の前記塗装室1a、1bと、内部に常温空気を通風している風乾室2と、被塗装物を第1塗装室1aの被塗装物出口16aから風乾室2を通過させて第2塗装室1bの被塗装物入口15bへと送る風乾コンベア29とを備えていることを特徴とする、静電塗装装置である。
【0014】
この出願の請求項3の発明に係る静電塗装装置は、上記請求項2の手段を備えた静電塗装装置において、前記板状の被塗装物を前記搬送コンベア9に面を垂直にして懸吊するための着脱可能なフック7ないしハンガ17を備え、前記回転霧化ヘッド14は、鉛直軸回りに回転する霧化ヘッドであることを特徴とする、静電塗装装置である。
【0015】
また、この出願の請求項4の発明に係る静電塗装装置は、塗装コンベア19a、19bが平行に配置された行き側と戻り側の搬送路11、12を備え、前記回転霧化ヘッド14が当該行き側と戻り側の搬送路から等距離の位置に配置されている前記請求項3記載の静電塗装装置において、前記塗装室1a、1bには、その行き側と戻り側の搬送路11、12の間にこれらの搬送路と平行な方向に所定間隔で複数の前記回転霧化ヘッド14が配置されていることを特徴とする、静電塗装装置である。
【0016】
塗装コンベア19(19a、19b)は、チェーンコンベアとするのが好ましく、コンベアチェーンに所定間隔で設けたフック7ないしハンガ17に板状の被塗装物18の上辺を係止することにより、プリント配線板の面を垂直にして搬送する。風乾コンベア29及び乾燥コンベア39としても同様な構造のコンベアを用いるのが好ましい。
【0017】
回転霧化ヘッド14は、レジスト液を流出させるための微細な孔を多数設けた漏斗状のベルにギアモータでレジスト液を供給しつつ、エアモータ21で当該ベルを高速回転させる構造が一般的で、前述した公知技術と同様にヘッドを鉛直軸回りに回転させ、遠心力で液滴を水平に膜状に噴霧することにより、回転霧化ヘッド14の両側を移動する被塗装物18に同時に静電塗装を行う。
【0018】
1個の回転霧化ヘッドで塗装することができるレジスト膜の膜厚さは、5〜20μmである。被塗装物の搬送路11、12に沿って、回転霧化ヘッド14を直列に多数設けて塗り重ねてやれば、塗膜の厚さを順次厚くすることができるように考えられるけれども、塗膜が厚くなるに従ってレジスト液が鉛直な被塗装物の面から流下すること、及び静電気による液滴の吸引力が低下するため、塗り重ねて得られる膜厚さは、60μm程度が限界である。
【0019】
この発明は、塗装室1a内で静電塗装したレジスト液を一旦塗装室1aから風乾室2に移送して、風乾室2内で被塗装物表面のレジスト液の溶媒を飛ばして塗膜を半乾燥させた後、再び塗装室1bに入れて半乾燥したレジスト膜の上に更にレジスト液を静電塗装することにより、膜厚の厚いレジスト膜を形成することを可能にしたものである。
【0020】
風乾室2は、常温の空気を室内に送風機で送り込み、その中をレジスト液を塗着した被塗装物を風乾コンベア29で通過させることにより、塗着したレジスト液中の溶媒を蒸発させて、レジスト膜を半乾燥状態にするものである。風乾室内の乾燥空気の風速や乾燥時間は、レジスト液に含まれる溶媒の割合や塗り厚さにより異なるが、風速3m程度で常温空気を通風した風乾室に10分程度の時間をかけて被塗装物を通過させることにより、レジスト膜を所望の半乾き状態とすることができる。風乾室2を通過した被塗装物は、再び塗装室1bに導かれて半乾きのレジスト膜の上にレジスト液が静電塗装により塗り重ねられる。
【0021】
塗装室を2度通過してレジスト液を所望厚さに塗り重ねた被塗装物は、風乾室2を通ることなく乾燥室3へと導かれ、この乾燥室で温風や赤外線ヒータによって乾燥される。ここでの乾燥は、いわゆる硬化ではなく、アルカリ液や溶媒によって除去ないし剥離可能な程度までの乾燥である。この乾燥室の構造ないし作用は、従来のレジスト膜塗装装置で用いられているものと同じである。
【0022】
乾燥室3を通過したプリント配線板は、次工程に送られる。次工程ではマスキングされた紫外線などの照射により、保護が必要な領域のレジスト膜を硬化させ、その後溶媒やアルカリ液で未硬化のレジスト膜を除去する。
【0023】
請求項2に記載の静電塗装装置は、第1塗装室1aにおける被塗装物表面へのレジスト液の塗装と、第1の塗装室1aで塗着されたレジスト液の風乾と、第2塗装室1bにおける風乾されたレジスト膜の上へのレジスト液の塗り重ねとを、連続的に行うことができる。従って、被塗装物の表面に膜厚の厚いレジスト膜を能率よく形成することができる。
【0024】
要求されるレジスト膜の膜厚さが薄いときは、塗装室1aを通過した被塗装物を風乾室2を通して乾燥室3へと導き、厚いレジスト膜の形成が必要なときには、塗装室1aを通過した被塗装物を風乾室2に導いて風乾させた後、再び塗装室1bに通過させてレジスト液の重ね塗りを行い、乾燥室3に送る。この搬送経路の切換は、被塗装物のロットが変わったときに必要に応じて行ってやればよい。
【発明の効果】
【0025】
この発明により、鉛直に懸吊したプリント配線板その他の平板状の被塗装物の面に回転霧化ヘッド14で霧化したレジスト液を静電塗装する塗装方法及び装置において、被塗装物の表面に形成するレジスト膜の膜厚さを従来方法ないし装置の略2倍以上に厚くすることが可能になる。この発明により、均一でレジスト膜の膜厚さが厚いプリント配線板を能率よく製造することが可能となり、信頼性の高いプリント配線板が得られるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態を説明する。図において、1aは第1塗装室、1bは第2塗装室、2は風乾室、3は乾燥室、4はハンガ洗浄機、5はプリント配線板の供給部、6は同排出部、総体的に示す9は搬送コンベアである。図1の装置では、搬送コンベア9は1本で、第1及び第2塗装室1a、1bを通過する部分が塗装コンベア19a、19b、風乾室2を通過する部分が風乾コンベア29、乾燥室3を通過する部分が乾燥コンベア39となっている。搬送コンベア9は、所定間隔でフック7を設けたチェーンコンベアで、搬送コンベア9を示す線に接して描かれている円はチェーンスプロケットである。
【0027】
第1塗装室1aと第2塗装室1bの内部構造は全く同一で、11は塗装コンベアの行き側、12は戻り側、13は行き側から戻り側へのプリント配線板の架け替え機、14はレジスト液の霧化ヘッド、15a及び15bは第1及び第2塗装室の入口、16a及び16bは同出口である。
【0028】
図2は、塗装室の霧化ヘッドとその周辺部の斜視図、図3は、塗装室での塗装動作を示す模式的な平面図である。図2において、11及び12は、前述した塗装コンベアの行き側と戻り側、7は当該コンベアに所定間隔で取り付けられたフック、17はハンガ、18はハンガ17に懸吊されたプリント配線板である。前述した架け替え機13は、プリント配線板18を平行移動して塗装コンベアの行き側11から戻り側12へと架け替えており、霧化ヘッド14は、行き側と戻り側のプリント配線板の中央に位置している。従って、行き側と戻り側では、プリント配線板18の一方の面と他方の面(表と裏)が霧化ヘッド14と対向している。
【0029】
図2において、21はエアモータ、22は昇降台である。エアモータ21は、図示しない空気源から供給される加圧空気で、その回転軸に固定した霧化ヘッド14を高速回転させる。エアモータ21の回転軸は中空軸で、その中空孔は霧化ヘッド14の内部に連通されており、図示しないギアポンプで供給されるレジスト液が、この中空孔を通って霧化ヘッド14に送り込まれる。
【0030】
霧化ヘッド14の平坦な円板状の下面(図には表れていない)には、多数の小孔が設けられており、霧化ヘッド14に供給されたレジスト液は、霧化ヘッド14の回転に伴う遠心力により、水平に噴霧される。霧化ヘッド14から飛散するインク滴23とプリント配線板18には、エアモータ21と搬送コンベアのチェーン24とに高圧電源を接続することにより、電位差が付与されており、マイナスに帯電したレジスト液滴が接地(アース)されているプリント配線板の表面にクーロン力と遠心力とによって吸引されてプリント配線板18の表面が塗装される。
【0031】
霧化ヘッド14は、図示しない往復駆動装置による昇降台22の往復運動により、プリント配線板18の高さ寸法に略等しいストロークで往復昇降し、プリント配線板18の表面にレジスト液を均一に付着させる。
【0032】
図に示した装置では、図2に示した構造の霧化ヘッド14が直列に3個配置されており、プリント配線板18が塗装室1a、1bを通過する間に、その表裏面にレジスト液がそれぞれ3回重ね塗りされる。1個の霧化ヘッド14の塗り厚さは、20〜30μmで3回の重ね塗りによって60〜90μmの塗膜厚さが得られる。
【0033】
風乾室2は、送風機26で室内に常温空気を通風している室で、風乾コンベア29に懸吊されたプリント配線板が10分程度かけて通過する容積を備えている。乾燥装置3は、プリント配線板に塗布されたレジスト液を後工程の露光及び未露光のレジスト膜の除去工程に送るのに必要な程度まで乾燥する室である。乾燥室3は公知の構造で、80℃の温風中を20ないし25分かけて通過することにより、プリント配線板に塗着されたレジスト液を乾燥する。ハンガ洗浄機4は、塗装室1a、1bで付着したハンガのレジスト液を洗い落とすための装置で、公知の構造のものである。
【0034】
次に図に示した装置の動作を説明する。供給部5で搬送コンベア9のハンガ17にプリント配線板18が懸吊され、第1塗装室1aに送り込まれる。第1塗装室1aの行き側の経路11でプリント配線板の一方の面に3個の霧化ヘッド14により、レジスト液が3層に重ね塗りされる。一方の面にレジスト液が塗布されたプリント配線板18は、次に架け替え機13で戻り側の搬送路12に架け替えられて、戻り側搬送路12で反対側の面にレジスト液が3層重ね塗りされる。
【0035】
霧化ヘッド14の配置間隔は例えば500mmで、搬送コンベア9に懸吊されたプリント配線板18は、連続移動しながらそれぞれの霧化ヘッド14に対向する位置で上下動する回転霧化ヘッド14により、レジスト液が塗布される。架け替え機13は、プリント配線板18を懸吊しているハンガ17を行き側搬送路11のフック7から戻り側搬送路12のフック7へと架け替える。
【0036】
第1塗装室1aで表裏両面にレジスト液を静電塗装されたプリント配線板18は、第1塗装室の出口16aから出て、風乾室2へと送り込まれる。風乾室2では、通風されている常温空気により、プリント配線板18に付着しているレジスト液の溶媒を蒸発させ、その上に重ね塗りされるレジスト液の自重でレジスト液が垂れ落ちない程度の半乾燥状態にする。
【0037】
風乾室2を出たプリント配線板18は、第2塗装室1bへと送られ、風乾室2で半乾燥したレジスト膜の上に更にレジスト液が3回重ね塗りされる。第2塗装室1bを出たプリント配線板18は、乾燥室3へと送られ、温風乾燥された後、排出部6でハンガ17から取り外されて次工程へと送られる。乾燥室3を出た搬送コンベア9は、ハンガ洗浄機4を通過し、この間にハンガ17の洗浄が行われ、供給部5へと送り戻される。
【0038】
このようにプリント配線板に塗着したレジスト液を一旦半乾燥させて、その上にレジスト液を重ね塗りすることにより、プリント配線板の表面に均一でかつ厚いレジスト膜を形成することができる。上記特許文献に示した従来装置では、25〜60μm程度のレジスト膜しか形成することができなかったが、この発明の方法ないし装置によれば、60〜200μmの膜厚さのレジスト膜を形成することができる。
【0039】
レジスト膜厚さが薄くてよいプリント配線板の塗装を行うときは、第2塗装室1bの回転霧化ヘッドを停止して、第2塗装室1b内でのレジスト液の塗布を行わないようにすればよい。第2塗装室1bの出入口部分に、第2塗装コンベア19bをバイパスするバイパスコンベア28を設けて、風乾室2を通過したプリント配線板18をバイパスコンベア28で直接乾燥室3に送るようにすれば更に良い。この搬送経路の変更は、プリント配線板のロットが変わるときに行ってやればよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】好ましい実施形態の一例を示す模式的な平面図
【図2】塗装室の霧化ヘッドとその周辺部の斜視図
【図3】塗装室での塗装動作を示す模式的な平面図
【符号の説明】
【0041】
1a,1b 塗装室
2 風乾室
3 乾燥室
7 フック
11 行き側の搬送路
12 戻り側の搬送路
14 回転霧化ヘッド
17 ハンガ
18 被塗装物(プリント配線板)
19a,19b 塗装コンベア
29 風乾コンベア
39 乾燥コンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の配線パターンを形成したプリント配線板の面を垂直にして当該面と対向して昇降する回転霧化ヘッドで霧化したレジスト液を当該面に静電塗装するプリント配線板のレジスト液の塗装方法において、
前記方法によりプリント配線板の表面にレジスト液を塗装したあと、その塗装面を風乾し、風乾した塗装面の上に更に前記方法によりレジスト液を重ね塗装することを特徴とする、プリント配線板のレジスト液の塗装方法。
【請求項2】
塗装室(1)と乾燥室(3)とを備え、前記塗装室で、塗装コンベア(19)に搬送されて当該室内を移動するプリント配線板(18)その他の板状の被塗装物の表面に回転霧化ヘッド(14)で霧化したレジスト液を静電塗装し、前記乾燥室で、乾燥コンベア(39)に搬送されて当該室内を移動する前記被塗装物の表面に塗着されたレジスト液をアルカリ液などの溶剤で剥離可能な程度まで乾燥する静電塗装装置において、
第1と第2の前記塗装室(1a,1b)と、内部に常温空気を通風している風乾室(2)と、被塗装物を第1塗装室(1a)の被塗装物出口(16a)から風乾室(2)を通過させて第2塗装室(1b)の被塗装物入口(15b)へと送る風乾コンベア(29)とを備えている、静電塗装装置。
【請求項3】
前記板状の被塗装物を前記搬送コンベア(9)に面を垂直にして懸吊するための着脱可能なフック(7)ないしハンガ(17)を備え、前記回転霧化ヘッドは、鉛直軸回りに回転する霧化ヘッドである、請求項2記載の静電塗装装置。
【請求項4】
前記塗装コンベア(19)が平行に配置された行き側と戻り側の搬送路(11,12)を備え、前記回転霧化ヘッド(14)が当該行き側と戻り側の搬送路から等距離の位置に配置されている請求項3記載の静電塗装装置において、前記塗装室(1a,1b)には、その行き側と戻り側の搬送路の間にこれらの搬送路と平行な方向に所定間隔で複数の前記回転霧化ヘッド(14)が配置されていることを特徴とする、静電塗装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−103506(P2008−103506A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−284175(P2006−284175)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(593132858)フジマシナリー株式会社 (2)
【Fターム(参考)】