説明

テトラヒドロナフタレン誘導体類、それらの生成方法及び抗−炎症剤としてのそれらの使用

本発明は、一般式(I)のテトラヒドロナフタレン誘導体類、それらの生成方法及び抗−炎症剤としてのそれらの使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テトラヒドロナフタレン誘導体類、それらの生成方法及び抗−炎症剤としてのそれらの使用に関する。
開環の非ステロイド性抗−炎症剤は、従来技術から知られている(WO02/10143号)。実験においては、それらの化合物は、抗−炎症作用と所望しない代謝作用との間の作用の分離を示し、そしてこれまで記載されている非ステロイド性グルココルチコイドよりも卓越し、又は少なくとも良好な作用を示す。
【0002】
従来技術の化合物はまだ欠点を有し、その結果、当業者はさらに、グルココルチコイド受容体に結合する新規化合物を見出すことに刺激されている。
従来技術に記載される化合物の作用に少なくとも匹敵する作用を有する化合物が現在、見出されている。
【発明の開示】
【0003】
本発明は、下記一般式(I):
【化1】

【0004】
[式中、R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、任意に置換された(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基又はニトロ基を意味し;あるいは、
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 -(CH2)n+2-、-NH-(CH2)n+1、 N(C1-C3-アルキル)- (CH2)n+1及び-NH-N=CH-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基、又はNR10R11(ここで、R10及びR11は、お互い独立して、水素、C1-C5-アルキル又は(CO)-C1-C5-アルキルであり得る)を意味し、
R3及びR4は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、任意に置換された(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、又は(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基を意味し、
【0005】
R5は、C1-C10-アルキル基;又は(ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は(C1-C5)-アルキル基から選択された1又は複数の基により置換された)C1-C10-アルキル基;任意に置換された(C3-C7)-シクロアルキル基;任意に置換されたヘテロシクリル基;任意に置換されたアリール基;単環式又は二環式へテロアリール基(この基は、(C1-C5)-アルキル基(1〜3個のヒドロキシ又は1〜3個のCOOR10基により任意に置換され得る)、(C1-C5)-アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、又は1〜2個の(C1-C3)-エキソアルキリデン基から選択された1又は複数の基により、お互い独立して、任意には置換されるか、又は1〜4個の窒素原子、及び/又は1〜2個の酸素原子、及び/又は1〜2個の硫黄原子、及び/又は1〜2個のケト基を任意に含む)を意味し、ここでこの基は、テトラヒドロナフタレン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得;
【0006】
R6は、(C1-C5)-アルキル基又は任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、(C3-C7)-シクロアルキル基、(C3-C7)-シクロアルキル(C1-C8)アルキル基、(C3-C7)-シクロアルキル(C2-C8)アルケニル基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリル(C1-C8)アルキル基、ヘテロシクリル(C2-C8)アルケニル基、アリール基、アリール(C1-C8)アルキル基、アリール(C2-C8)アルケニル基、アリール(C2-C8)アルキニル基;単環式又は二環式へテロアリール基(この基は、1又は複数のケト基、(C1-C5)−アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、ハロゲン原子、又は(C1-C3)-エキソアルキリデン基により任意に置換され、そして1又は複数の窒素原子及び/又は酸素原子及び/又は硫黄原子を含む)、ヘテロアリール(C1-C8)アルキル基又はヘテロアリール(C2-C8)アルケニル基を意味し、ここでそれらの基は、テトラヒドロナフタレン系に、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位でハロゲン化され得;
【0007】
R7は、ハロゲン原子、又は(OR10、 SR10、 N(R10R11)又は1〜3個のハロゲン原子により任意に置換され得る)(C1-C10)−アルキル基を意味し;
R8及びR9は、お互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、(OR10、 SR10又はN(R10R11)により置換され得る)(C1-C5)アルキル基、シアノ基、又は環系の炭素原子と一緒に(C3-C6)-シクロアルキル環、又は一緒になって(ヒドロキシ、ハロゲン又はシアノにより任意に置換される)(C1-C5)-アルキリデン基を意味し;あるいは
R7及びR8は一緒に、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)−アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、又は1〜4個のハロゲン原子により任意に置換された)環状化された5〜8員の飽和又は不飽和の炭素環式化合物又は複素環式化合物を意味する]で表される立体異性体に関する。
【0008】
R1及びR2が、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基又はニトロ基を意味し;あるいは
R1及びR2が、一緒になって基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 及び-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基、又はNR10R11(ここで、R10及びR11は、お互い独立して、水素、C1-C5-アルキル又は(CO)-C1-C5-アルキルであり得る)を一緒に意味し;
【0009】
R3及びR4が、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、又はシアノ基を意味し;
R5が、C1-C10-アルキル基、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子、又は1〜3個の(C1-C5)-アルコキシ基から選択された1又は複数の基により置換される)(C1-C10)-アルキル基、任意に置換されたフェニル基、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)アルコキシ基、1〜3個のヒドオキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個の(C1〜C3)-エキソアルキリデン基により任意に置換され、そして1〜4個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個の硫黄原子及び/又は1〜2個のケト基を含む)単環式又は二環式へテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は、テトラヒドロナフタレン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され、そして1又は複数の部位で任意に水素化され;
【0010】
R6が、(C1-C5)−アルキル基又は任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、アリール基、アリール(C1-C8)アルキル基、アリール(C2-C8)アルケニル基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C3-C7)シクロアルキル(C1-C8)アルキル基、又は(C3-C7)シクロアルキル(C2-C8)アルケニル基を意味し;
R7が、ハロゲン原子、又は(OR10、 SR10、 N(R10R11)又は1〜3個のハロゲン原子により任意に置換され得る)(C1-C10)−アルキル基を意味し;
【0011】
R8及びR9が、お互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、(OR10、 SR10又はN(R10R11)により置換されるべき)メチル又はエチル基、シアノ基、又はテトラヒドロナフタレン環の炭素原子と一緒に(C3-C6)-シクロアルキル環、又は一緒になって(C1-C5)-アルキリデン基を意味し;あるいは
R7及びR8が一緒に、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)‐アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、又は1〜4個のハロゲン原子により任意に置換された)環状化された5〜8員の飽和又は不飽和の炭素環式化合物又は複素環式化合物を意味する、一般式(I)の意味異性体が、本発明のもう1つの対象である。
【0012】
R1及びR2が、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、又はシアノ基を意味し;あるいは
R1及びR2が、一緒になって、基-O-(CH2)n-O、 -0-(CH2)n-CH2-、 -0-CH=CH-、 及び-(CH2)n+2-から選択された基を意味し、ここでnは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環炭素原子に直接的に結合され;
R3及びR4が、お互い独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C5)-アルキル基、又は(C1-C5)-アルコキシ基を意味し;
【0013】
R5が、C1-C10-アルキル基、(1〜3個のヒドロキシ基又はハロゲン原子から選択された1又は複数の基により置換された)C1-C10-アルキル基;フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−又は1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾール又はインドリル基(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のヒドロキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個の(C1-C3)-エキソアルキリデン基から選択された1又は複数の基により、任意に置換される)を意味し、ここでそれらの基は、テトラヒドロナフタレン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され、そして1又は複数の部位で任意に水素化され;
【0014】
R6が、(C1-C5)-アルキル基、又は任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基を意味し;
R7が、ハロゲン原子、(OR10、 SR10、N(R10R11)又は1〜3個のハロゲン原子により置換されるべき)メチル又はエチル基を意味し;
R8及びR9が、お互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、(OR10、 SR10又はN(R10R11)により置換されるべき)メチル又はエチル基、シアノ基、又はテトラヒドロナフタレン環の炭素原子と一緒に(C3-C6)-シクロアルキル環、又は一緒になって(C1-C5)-アルキリデン基を意味し;あるいは
R7及びR8が一緒に、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)‐アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、又は1〜4個のハロゲン原子により任意に置換された)環状化された5〜8員の飽和又は不飽和の炭素環式化合物又は複素環式化合物を意味する、一般式(I)の立体異性体が、本発明の対象である。
【0015】
R1及びR2が、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、又は一緒に、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 及び-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基を意味し;
R3が、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C5)-アルキル基、又は(C1-C5)-アルコキシ基を意味し;
R4が、水素原子を意味し;
【0016】
R5が、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−又は1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾール又はインドリル基(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のヒドロキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個の(C1-C3)-エキソアルキリデン基から選択された1又は複数の基により、任意に置換される)を意味し、ここでそれらの基は、テトラヒドロナフタレン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され、そして1又は複数の部位で任意に水素化され;
【0017】
R6が、(C1-C5)-アルキル基、又は任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基を意味し;
R7が、ハロゲン原子、メチル又はエチル基を意味し;
R8及びR9が、お互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、メチル又はエチル基、又はテトラヒドロナフタレン環の炭素原子と一緒に(C3-C6)‐シクロアルキル環、又は一緒になってメチレン又はエチリデン基を意味し;又は
R7及びR8が一緒に、環状5〜8員の飽和又は不飽和炭素環式化合物又は複素環式化合物を意味する、一般式(I)の立体異性体が、本発明のもう1つの対象である。
【0018】
R1及びR2が、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、又はシアノ基を意味し;あるいは
R1及びR2が、一緒になって、基-O-(CH2)n-O、 -0-(CH2)n-CH2-、 -0-CH=CH-、又は-(CH2)n+2-から選択された基を意味し、ここでnは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環炭素原子に直接的に結合され;
R3及びR4が、お互い独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C5)-アルキル基、又は(C1-C5)-アルコキシ基を意味し;
【0019】
R5が、C1-C10-アルキル基、(1〜3個のヒドロキシ基又はハロゲン原子から選択された1又は複数の基により置換された)C1-C10-アルキル基;フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、クロメニル、イソクロメニル、クロメノニル、イソクロメノニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾール又はインドリル基(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のヒドロキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個の(C1-C3)-エキソアルキリデン基から選択された1又は複数の基により、任意に置換される)を意味し、ここでそれらの基は、テトラヒドロナフタレン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され、そして1又は複数の部位で任意に水素化され;
【0020】
R6が、(C1-C5)-アルキル基、又は任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基を意味し;
R7が、ハロゲン原子、OR10、 SR10、N(R10R11)又は1〜3個のハロゲン原子により置換されるべきメチル又はエチル基を意味し;
R8及びR9が、お互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、OR10、 SR10又はN(R10R11)により置換されるべきメチル又はエチル基、シアノ基、又はテトラヒドロナフタレン環の炭素原子と一緒に(C3-C6)-シクロアルキル環、又は一緒なって(C1-C5)-アルキリデン基を意味し;あるいは
R7及びR8が一緒に、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)‐アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、又は1〜4個のハロゲン原子により任意に置換された)環状化された5〜8員の飽和、又は不飽和の炭素環式化合物又は複素環式化合物を意味する;一般式(I)の立体異性体が、本発明のもう1つの対象である。
【0021】
R1及びR2が、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、又は一緒に、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 及び-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基を意味し;
R3が、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C5)-アルキル基、又は(C1-C5)-アルコキシ基を意味し;
R4が、水素原子を意味し、
【0022】
R5が、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、クロメニル、イソクロメニル、クロメノニル、イソクロメノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−又は1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾール又はインドリル基(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のヒドロキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個の(C1-C3)-エキソアルキリデン基から選択された1又は複数の基により、任意に置換される)を意味し、ここでそれらの基は、テトラヒドロナフタレン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され、そして1又は複数の部位で任意に水素化され;
【0023】
R6が、完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基を意味し;
R7が、メチル又はエチル基を意味し;
R8及びR9が、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基、又は一緒に、メチレン又はエチリデン基を意味し;あるいは
R7及びR8が一緒に、環状5〜8員の飽和又は不飽和炭素環式化合物を意味する、一般式(I)の立体異性体が、本発明のもう1つの対象である。
【0024】
R1及びR2が、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、又は(C1-C5)-アルコキシ基を意味し;
R3が、水素原子、又はハロゲン原子を意味し;
R4が、水素原子を意味し;
R5が、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のヒドロキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個の(C1-C3)-エキソアルキリデン基により任意に置換され、そして1〜4個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個の硫黄原子及び/又は1〜2個のケト基を含む)単環式又は二環式へテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は、テトラヒドロナフタレン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の位置で水素化され得;
【0025】
R6が、完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基を意味し;
R7が、メチル又はエチル基を意味し;
R8及びR9が、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基、又は一緒に、メチレン又はエチリデン基を意味し;あるいは
R7及びR8が一緒に、環状5〜8員の飽和又は不飽和炭素環式化合物を意味する、一般式(I)の立体異性体が、本発明のもう1つの対象である。
【0026】
R1及びR2が、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、又は(C1-C5)-アルコキシ基を意味し;
R3が、水素原子、又はハロゲン原子を意味し;
R4が、水素原子を意味し;
R5が、任意には、ケト基、(C1-C5)-アルキル基、又は1〜2個のハロゲン原子から選択された1又は複数の基により、お互い独立して置換される、キナゾリニル、キノロニル、イソキノロニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、イソクロメニル、又はイソクロメノニル基を意味し;
【0027】
R6が、完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基を意味し;
R7が、メチル又はエチル基を意味し;
R8及びR9が、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基、又は一緒に、メチレン又はエチリデン基を意味し;あるいは
R7及びR8が一緒に、環状5〜8員の飽和又は不飽和炭素環式化合物を意味する、一般式(I)の立体異性体が、本発明の好ましい対象である。
【0028】
本発明の特定のサブグループは、R7が(C1-C5)-アルキル基又はハロゲン原子を意味し、そして好ましくはR7が(C1-C3)−アルキル基を意味し、そして特に好ましくは、R7がメチル又はエチル基を意味する、R7の定義を伴って、請求項1〜4記載の定義により特徴づけられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
定義
呼称ハロゲン原子又はハロゲンとは、弗素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。弗素、塩素又は臭素原子が好ましい。R5についての置換基として、弗素原子が特に好ましい。
アルキル基R1, R2, R3, R4, R6, R7, R10及びR11は、直鎖又は枝分かれ鎖であり得、そして例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル又はn−ペンチル、2,2、−ジメチルプロピル、2−メチルブチル又は3−メチルブチル基を表す。C1-C3-アルキル基が好ましい。
それらは任意には、1〜3個のヒドロキシ原子、1〜3個のハロゲン原子、1〜3個の(C1-C3)アルコキシ基、及び/又は1〜3個のCOOR11基から選択された基により置換され得る。ヒドロキシ基が好ましい。
【0030】
アルキル基R5は、上記に言及される意味を有するが、但し可能性ある置換基は、ヒドロキシ、ハロゲン及び(C1-C5)-アルキルオキシの群から選択される。
アルキル基R8及びR9は、上記に言及される意味を有するが、但し、可能性ある置換基は、OR10、 SR10及びN(R10R11)から選択され、ここでR10及びR11は水素、C1-C5-アルキル又は(CO)C1-C5-アルキルを意味し、そしてアルキルはまた、上記のように定義される。
【0031】
アルコキシ基は、直鎖又は枝分かれ鎖であり得、そしてメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、tert−ブトキシ−又はn−ペントキシ−2,2−ジメチルプロポキシ、2−メチルブトキシ又は3−メチルブトキシ基を表す。メトキシ又はエトキシ基が好ましい。
【0032】
アルキルチオ基は、直鎖又は枝分かれ鎖であり得、そしてメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソ−プロピルチオ、n−ブチルチオ、イソ−ブチルチオ、tert−ブチルチオ又はn−ペンチルチオ、2,2−ジメチルプロピルチオ、2−メチルブチルチオ又は3−メチルブチルチオ基を表す。メチルチオ又はエチルチオ基が好ましい。
【0033】
直鎖又は枝分かれ鎖であり得る、部分的に又は完全に弗素化されたアルキル基に関しては、次の部分的に又は完全に弗素化された基が考慮される:フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、C3F7、C3H2F5、C4F9及びC5F11。後者のうち、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロエチル基が好ましい。試薬は、市販されているか、又はその対応する試薬の公開された合成は従来技術の一部である。
【0034】
テトラヒドロナフタレン系の芳香族部分は、1〜4個の位置、好ましくは1〜2個の位置において置換され得る。置換基として、R1, R2, R3及びR4について列挙される請求項の定義が適切である:R1及びR2に関しては、お互いに独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、任意に置換された(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基、又はニトロ基が好ましく;好ましくは、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C5)-アルキル基、任意に置換された(C1-C5)-アルコキシ基、(C1-C5)-アルキルチオ基又は(C1-C3)-ペルフルオロアルキル基であり;特に好ましくは、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C3)-アルキル基、任意に置換された(C1-C3)-アルコキシ基、(C1-C3)-アルキルチオ基、又は(C1-C3)-ペルフルオロアルキル基であり;そしてさらに特に好ましくは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C3)-アルキル基及び(C1-C3)-アルコキシ基の群から、お互い独立して選択された置換基である。
【0035】
R1及びR2が、お互い独立して、特に好ましくは、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C3)-アルキル基、任意に置換された(C1-C3)-アルコキシ基、(C1-C3)-アルキルチオ基、又は(C1-C3)-ペルフルオロアルキル基を意味し、そしてさらに特に好ましくは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C3)-アルキル基又は(C1-C3)アルコキシ基を意味する、請求項のいずれか1項記載の一般式Iの化合物が、本発明の特定の対象である。
【0036】
本明細書において“骨格”が言及される場合、テトラヒドロナフタレン系を意味する。
アリール置換基R1及びR2は、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 -(CH2)n+2-、-NH-(CH2)n+1、 N(C1-C3-アルキル)- (CH2)n+1及び-NH-N=CH-(ここで、nは1又は2である)から選択される鎖を一緒に意味する両アリール置換基により環を形成することができる。上記基の末端原子は、直接的に隣接するアリール環炭素原子に結合され、その結果、環状化された環が生成される。
置換基NR10R11は、例えばNH2, NH(CH3), N(CH3)2, NH(C2H5), N(C2H5)2, NH(C3H7), N(C3H7)2, NH(C4H9), N(C4H9)2, NH(C5H11), N(C5H11)2, NH(CO)CH3, NH(CO)C2H5, NH(CO)C3H7, NH(CO)C4H9, NH(CO)C5H11を意味する。
【0037】
シクロアルキル基とは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基又は(C1-C5)-アルコキシ基から選択された1又は複数の基により、任意に置換される3〜7個の環炭素原子を有する飽和環式基、例えばシクロプロピル、メチルシクロプロピル、シクロブチル、メチルシクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル又はメチルシクロブチルを意味する。
シクロアルキルアルキル基とは、例えば-(CH2)-シクロアルキル、-(C2H4)-シクロアルキル、-(C3H6)-シクロアルキル、-(C4H8)-シクロアルキル、又は-(C4H10)-シクロアルキル(ここで、シクロアルキルは、上記のように定義される)を意味する。
【0038】
シクロアルキルアルケニル基とは、例えば-(CH=CH)-シクロアルキル、 - [C(CH3)=CH]-シクロアルキル、 -[CH=C(CH3)]-シクロアルキル、 -(CH=CH-CH2)-シクロアルキル、 -(CH2-CH=CH)-シクロアルキル、 -(CH=CH-CH2-CH2)-シクロアルキル、 -(CH2-CH=CH-CH2)- シクロアルキル、 -(CH2-CH2-CH=CH)-シクロアルキル、 -(C(CH3)=CH-CH2)-シクロアルキル、 -(CH=C(CH3)-CH2)-シクロアルキルを意味する。
(C1-C3)-エキソアルキリデン基とは、エキソ−二重結合を通してシステム(環又は鎖)に結合される基として定義される。エキソメチレンが好ましい。
【0039】
アルキリデン基R8/R9は、1〜5個の炭素原子を有し、対称又は非対称であり、そして任意には、ヒドロキシ、ハロゲン又はシアノ基により置換され得る。
ヘテロシクリル基は、芳香族ではなく、そして例えばピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン又はピペリジンであり得る。置換基として、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、及び(C1-C5)-アルコキシ基が適切である。
ヘテロシクリルアルキル基とは、C1-C5-アルキル基を通して骨格に結合され、それによりアルキル基が直鎖又は枝分かれ鎖であり得る、ヘテロシクリル基として定義される。
ヘテロシクリルアルケニル基とは、不飽和C2-C5-アルキル基を通して骨格に結合され、それにより、アルケニル基が直鎖又は枝分かれ鎖であり得る、ヘテロシクリル基である。
【0040】
アリール基R5及びR6は、フェニル又はナフチルであり得る。
2種の基の置換基として、C1-C3-アルキル、ヒドロキシ、C1-C3−アルコキシ、C1-C3-アルキルチオ、ハロゲン、シアノ、COO(C1-C5)アルキル、COOH、N(R10R11)及びニトロが考慮される。置換の程度は、単置換又は多置換であり得、そして同じが又は異なっているいくつかの置換基を含むことができる。一又は二置換されたフェニル及びナフチル基R5が好ましい。
【0041】
アリール基は部分的に水素化され得、そして次にまた、上記置換基の他に又はそれは代るものとして、ケト、すなわち(C1-C3)−エキソアルキリデンを担持することもできる。部分的に水素化されたフェニルは、シクロヘキサジエニル、シクロへキセニル又はシクロヘキシルとして定義される。部分的に水素化され、置換されたシステムは例えば、1−テトラロン又は2−テトラロンである。
アリールアルキル基は、C1-C8-アルキル基を通して骨格に結合され、それによりアルキル基は直鎖又は枝分かれ鎖であり得る、アリール基である。例えば、ベンジル又はフェネチレンが言及され得る。
【0042】
アリールアルケニル基は、C2-C8−アルケニル基を通して骨格に結合され、それにより、アルケニル基は直鎖又は枝分かれであり得る、アリール基である。
アリールアルキニル基は、C2-C8-アルキニル基を通して、骨格に結合され、それにより、アルキニル基が直鎖又は枝分かれ鎖であり得る、アリール基である。
【0043】
1又は複数の部位で水素化され得る単環又は二環式へテロアリール基とは、少なくとも1つのヘテロ原子及び多くとも7個のヘテロ原子を含むすべての単環又は二環式芳香族環系として定義される。1〜5個のヘテロ原子を有する環系が適切である。ヘテロ原子がそれぞれのヘテロ原子について特定される数及び7個のヘテロ原子の合計最大数を越えない限り、環系において、すべての副−組合せ下で存在すことができる、1〜4個のヘテロ原子を有し、そして少なくとも1つの窒素原子を含む複素環式系が特に好ましい。例えば、R5又はR6がフラニル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、アザインドリジニル、フタリジル、チオフラリジル、インドリル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、インドロニル、ジヒドロインドロニル、イソインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、インドリジニル、イソベンゾフラニル、アザインドリル、アザイソインドリル、フラノピリジル、フラノピリミジニル、フラノピラジニル、フラノピリダジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロフラノピリジル、ジヒドロフラノピリミジニル、ジヒドロフラノピラジニル、ジヒドロフラノピリダジニル、ジヒドロベンゾフラニル、クマリニル、イソクマリニル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロキノリニル、ベンズオキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−又は1,8−ナフチリジニルを意味する式Iの化合物は、本発明の一部であり、そして本発明の特定の態様を表す。
【0044】
ヘテロアリール基が部分的に又は完全に水素化される場合、R5がテトラヒドロピラニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ピペリジル、テトラヒドロピリジル、ジヒドロピリジル、1H−ピリジン−2−オニル、1H−ピリジン−4−オニル、4−アミノピリジル、1Hピリジン−4−オニル、4−アミノピリジル、1Hピリジン−4−イリデンアミニル、クロマニル、イソクロマニル、クロメニル、イソクロメニル、チオクロマニル、デカヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−キノリン−4−オニル、デカヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンズ[1,4]キサジニル、1,2−ジヒドロ[1,3]ベンゾキサジン−4−オニル、3,4−ジヒドロベンズ[1,4]オキサジン−4−オニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジニル、4H−ベンゾ[1,4]チアジニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリニル、1H−シンノリン−4−オニル、3H−キナゾリン−4−オニル、1H−キナゾリン−4−オニル、3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オニル、2,3−1,2,3,4−テトラヒドロ[1,5]ナフチリジニル、ジヒドロ−1H−[1,5]ナフチリジル、1H−[1,5]ナフチリド−4−オニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−ナフチリジン−4−オニル、1,2−ジヒドロピリド[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オニル、オクタヒドロ−1H−インドリル、2,3−ジヒドロ−1H−インドリル、オクタヒドロ−2H−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジル、2,2−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−オニルを意味する、式Iの化合物は、本発明の一部である。
【0045】
R5が、(C1-C5)-アルキル基(任意には、1〜3個のヒドロキシ又は1〜3個のCOOR10基により置換され得る)、(C1-C5)−アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、又は(C1-C5)−エキソアルキリデン基から選択された1又は複数の基により任意に置換され、そして任意には、1〜3個の窒素原子、及び/又は1〜2個の酸素原子、及び/又は1〜2個の硫黄原子、及び/又は1〜2個のケト基を含む、単環式又は二環式へテロアリール基を意味する式Iの化合物が好ましく、ここでこの基は、テトラヒドロナフタレン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得る。
【0046】
R5が、(C1-C5)-アルキル基(任意には、1〜3個のヒドロキシ又は1〜3個のCOOR10基により置換され得る)、(C1-C5)−アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、又は(C1-C5)−エキソアルキリデン基から選択された1又は複数の基により任意に置換され、そして任意には、1〜3個の窒素原子、及び/又は1〜2個の酸素原子、及び/又は1〜2個の硫黄原子、及び/又は1〜2個のケト基を含む、単環式又は二環式へテロアリール基を意味する式Iの化合物が特に好ましく、ここでこの基は、テトラヒドロナフタレン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得、そして単環式環系に多くとも3個のヘテロ原子及び二環式環系に多くとも4個のヘテロ原子を含む。
【0047】
R5が、任意には、C1-C5-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C5-アルコキシ、ケト又は(C1-C3)-エキソアルキリデンにより置換される、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−又は1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾール又はインドリル基を意味する一般式Iの化合物が、本発明の好ましい対象である。
【0048】
R5が、任意には、C1-C5-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C5-アルコキシ、ケト又は(C1-C3)-エキソアルキリデンにより置換される、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、クマリニル、イソクマリニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−又は1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾール又はインドリル基を意味する一般式Iの化合物が、本発明の好ましい対象である。
【0049】
R5が、任意には、お互い独立して、1又は複数のC1-C5-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C5-アルコキシ、ケト又は(C1-C3)-エキソアルキリデンにより置換される、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、クロメニル、イソクレメニル、クロメノニル、イソクロメリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−又は1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾール又はインドリル基を意味する一般式Iの化合物が、本発明の好ましい対象である。
【0050】
R5が、任意には、お互い独立して、1又は複数のC1-C5-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C5-アルコキシ、ケト又は(C1-C3)-エキソアルキリデンにより置換される、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、クマリニル、イソクマリニル、クロメニル、イソクロメニル、クロメノニル、イソクロメノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−又は1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾール又はインドリル基を意味する一般式Iの化合物が、本発明の好ましい対象である。
【0051】
R5が、任意には、C1-C5-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1-C5-アルコキシにより置換された、フェニル又はナフチル、フタリジル、チオフタリジル、ベンズオキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−又は1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾール又はインドリル基を意味する、一般式Iの化合物が、好ましい対象である。
【0052】
R5が、C1-C3-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1-C3-アルコキシにより任意に置換された、キナゾリニル、キノロニル、イソキノロニル、フタラジノニル、フタラジニル、キノリニル、イソキノリニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、又はイソクロメノニル基を意味する、一般式Iの化合物が特に好ましい。特に、R5が、C1-C3-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1-C3-アルコキシにより任意に置換された、キナゾリニル、キノロニル、イソキノロニル、フタラジノニル、キノリニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、又はイソクロメノニル基を意味する、一般式Iの化合物が特に好ましい。
【0053】
これがヘテロアリールアルキル基である場合、直鎖又は枝分かれ鎖であり得る、C1-C8-アルキル基を通して骨格に結合される上記のような、部分的に水素化されたヘテロアリール基を、任意には包含することが理解される。
これがヘテロアリールアルケニル基である場合、直鎖又は枝分かれ鎖であり得る、(C1-C8)‐アルケニル基を通して骨格に結合される上記のような、部分的に水素化されたヘテロアリール基を、任意には包含することが理解される。
【0054】
R7及びR8が5〜8員の炭素環式化合物又は複素環式化合物(または、置換された)を形成する場合、三環式系が存在する。
ヘテロ原子として、窒素、酸素又は硫黄が適切である。置換基として、R1について定義されるすべての基が適切である。
R7及びR8が炭素環式化合物を形成する場合、5〜6員の炭素環式化合物が好ましい。
【0055】
R6が(C1-C5)-アルキル基又は任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、(C3-C7)-シクロアルキル基、(C3-C7)-シクロアルキル(C1-C8)アルキル基、(C3-C7)-シクロアルキル(C2-C8)アルケニル基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリル(C1-C8)アルキル基、ヘテロシクリル(C2-C8)アルケニル基、アリール基、アリール(C1-C8)アルキル基、アリール(C2-C8)アルケニル基、アリール(C2-C8)アルキニル基を意味する、一般式Iの化合物が、本発明のもう1つの対象である。
【0056】
R6が(C1-C5)−アルキル基又は任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、アリール基、アリール(C1-C8)アルキル基、アリール(C2-C8)アルケニル基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C3-C7)シクロアルキル(C1-C8)アルキル基、又は(C3-C7)シクロアルキル(C2-C8)アルケニル基を意味する、一般式Iの化合物が、本発明の対象である。
R6が(C1-C3)-アルキル基、又は任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C3)-アルキル基を意味する、一般式Iの化合物が、本発明のもう1つの対象である。完全に弗素化されたアルキル基が特に好ましい。CF3基が特に好ましい。
【0057】
R6が、1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲンにより任意に置換され得るC1-C10-アルキル基、任意に置換されたフェニル基;1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子又は1〜2個の(C1-C3)-エキソアルキリデン基により任意に置換され、そして1〜4個の窒素原子、及び/又は1〜2個の酸素原子、及び/又は1〜2個の硫黄原子を含む、単環式へテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は窒素原子に、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得る、式Iの化合物が、本発明のもう1つの対象である。
【0058】
本発明の一般式Iの化合物は、不斉中心の存在のために、立体異性体として存在することができる。ラセミ体として及び鏡像異性体−純粋形において、及び純粋なジアステレオマーとして及びジアステレオマー混合物としてすべての可能性ある立体異性体(例えば、RRRR, RRRS, RRSR, RSRR, SRRR, RSRS, RRSS, RSSR, SRRS, SSRR, SRSR, RSSS, SRSS, SSRS, SSSR, SSSS)は、本発明の対象である。
【0059】
本発明の化合物はまた、生理学的に適合できるアニオンとの塩の形で、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、クエン酸塩又は琥珀酸塩の形で存在することができる。
一般式Iの化合物又は一般式Iの化合物を形成するために生物において代謝する他の化合物のエステル又はエーテル又はアミドもまた、本発明の対象である。
【0060】
本発明の化合物は、
a)任意には鏡像選択的に行われる、キラルルイス酸とのEn反応により、一般式(III )の化合物に転換される、当業界において知られている方法に従って生成される方法に従って生成される一般式(III )のスチレンにより;キラルルイス酸としては、次のものが使用され得る:(R)- 又は(S)-SEGPHOS-PdCl2 (Mikami など. Tetrah. Asymm. 2004, 15, 3885-89),(R)- 又は (S)-BINOL-Ti(OiPr)2 (Ding など. Tetrah. Lett. 2004, 45, 2009- 12), (R)- 又は (S)-Cu iBuBOX, ), (R)- 又は(S)-Cu iPrBOX, (R)- 又は (S)-Cu PhBOX, (R)- 又は (S)- Cu AdaBOX (Evans など. J.Am.Chem.Soc. 2000, 122, 7936-43), (R)- 又は (S)-Ph-pybox Sc(OTf)3 (Evans など. J.Am.Chem.Soc. 2005, 127, 8006-7), (R)- 又は(S)-iPr-pybox Yb(OTf)3, (R)- 又は (S)-iBu-pybox Yb(OTf)3, (R)- 又は(S)-Ph-pybox Yb(OTf)3 (Qian など. Tetrah. Asymm. 2000, 11, 2347-57)。イミン(IV)は、当業者に知られている方法に従っての還元及びアミノ化により生成され、
【0061】
【化2】

【0062】
次に、溶媒、好ましくは塩素化された炭化水素、例えば塩化メチレン又はジクロロエタン、又は濃有機酸、好ましくは氷酢酸中、追加の試薬を伴わないで、又は−70℃〜+80℃の範囲(好ましくは、−30℃〜+80℃の範囲)の温度で無機又は有機酸又はルイス酸を添加することにより、環化され、一般式(Ia)(R8+R9=R8a=アルキリデン)の化合物が形成され;
【0063】
又は
b)式(V)(R9=H)の化合物への水素化により、又は式(V)(R8-R9=CH2-CH2)の化合物への、当業者に知られているシクロプロパン化方法(J.Am.Chem.Soc. 80 (1958) pp. 5323-5324, J.Org.Chem. 50 (1985) pp. 4412- 4414)により、又は式(V)(R9=ハロゲン)の化合物へのヒドロハロゲン化(J.Org.Chem. 53 (1988) pp. 1475-1481)により、転換される、方法a)に従って生成された一般式(III )の化合物により:
【0064】
【化3】

生成される。
【0065】
還元及びアミノ化により、イミン(VI)を、a)に類似して生成し、
【化4】

【0066】
次にこれを、溶媒、好ましくは塩素化された炭化水素、例えば塩化メチレン又はジクロロエタン、又は濃有機酸、好ましくは氷酢酸中、追加の試薬を伴わないで、又は−70℃〜+80℃(好ましくは、−30℃〜480℃)の範囲の温度下で、無機又は有機酸又はルイス酸を添加することにより、化合物(I)に環化する:
【0067】
【化5】

【0068】
グルココルチコイド受容体(GR)及び他のステロイドホルモン受容体(鉱物コルチコイド受容体(MR)、プロゲステロン受容体(PR)及びアンドロゲン受容体(AR))への物質の結合が、組換え的に生成された受容体の助けにより試験される。GRをコードする組換えバキュロウィルスにより感染されたSf9細胞のサイトゾル調製物が、結合研究のために使用される。対照物質[3H]−デキサメタゾンに比較して、前記物質は、GRへの非常に高い親和性を示す。従って、IC50(GR)=36nM及びIC50(PR)=>1μMは、例3からの化合物について測定された。
【0069】
サイトカイン、付着分子、酵素及び他の前炎症性因子の転写のGR−介在性阻害は、グルココルチコイドの抗炎症作用のための必須の分子機構として見なされる。この阻害は、他の転写因子、例えばAP-1及びNF-κ-BとGRとの相互作用により生成される(概観については、Cato, ACB and Wade E, BioEssays 18,371-378 1996を参照のこと)。
本発明の一般式Iの化合物は、ヒト単球細胞系THP−1においてリポ多糖類(LPS)により誘発されるサイトカインIL−8の分泌を阻害する。サイトカインの濃度は、市販のELISAキットにより上清液において決定された。例3の化合物は、阻害IC50(IL8)=130nM(標準として[3H]‐デキサメタゾンに対して80%の効率)を示した。
【0070】
一般式Iの化合物の抗炎症作用が、ラット及びマウスにおけるハズ油誘発された炎症における試験により、動物実験において試験された(J. Exp. Med. (1995)、182、99−108)。このためには、エタノール中、ハズ油溶液が、動物の耳に局部的に投与された。試験物質がまた、ハズ油投与と同時に、又はその2時間前、局部的に又は全身投与された。16〜24時間後、耳の重量が、炎症性水腫についての用量として、ペルオキシダーゼ活性が顆粒球の浸潤についての用量として、及びエラスターゼ活性が好中球顆粒球の浸潤についての用量として測定された。この試験においては、一般式Iの化合物は、局部投与及び全身投与及び全身投与後、3種の上記炎症パラメーターを阻害する。
【0071】
グルココルチコイド治療の最も所望しない作用の1つは、いわゆる“ステロイド糖尿病”である(Hatz, HJ, Glucocorticoide : Immunologische Grundlagen, Pharmakologie und Therapierichtlinien, Wissenschafliche Verlagsgesellschaft mbH, Stuttgart, 1998を参照のこと)。これについての理由は、これを担当する酵素の誘発による、及びタンパク質の分解(グルココルチコイドの異化作用)から生成される遊離アミノ酸による、肝臓における糖新生の刺激である。肝臓における異化代謝のキー酵素は、チロシンアミノトランスフェラーゼ(TAT)である。この酵素の活性は、肝臓ホモジネートから分光光度的に決定され、そしてグルココルチコイドの所望しない代謝作用についての良好な測定を提供する。TAT誘発の測定に関しては、動物が、試験物質の投与後、8時間で殺害され、肝臓が除かれ、そしてホモジネートにおけるTAT活性が測定される。この試験においては、それらが抗炎症作用を有する用量で、一般式Iの化合物は、チロシンアミノトランスフェラーゼをほとんどか又はまったく誘発しない。
【0072】
それらの抗炎症作用及びさらに、抗アレルギー性免疫抑制及び抗増殖作用に基づいて、本発明の一般式Iの立体異性体は、哺乳類及びヒトにおける次の病理学的状態の処理又は予防のための薬剤として使用され得る:この場合、用語“疾患”とは、次の症状を表す:
(i)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する肺疾患:
−いずれかの起源の慢性閉塞性肺疾患、主に気管支喘息;
−異なった起源の気管支炎;
−すべての形の制限的肺疾患、主にアレルギー性肺胞炎;
−すべての形の肺水腫、主に毒性肺水腫;
−サルコイドーシス及び肉芽腫症、特にベック病;
【0073】
(ii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随するリウマチ性疾患/自己免疫疾患/関節疾患:
−すべての形のリウマチ性疾患、特にリウマチ様関節炎、急性リウマチ性発熱、リウマチ性多筋痛;
−反応性関節炎;
−他の起源の炎症性柔組織疾患;
−変形性関節疾患(関節症)の場合における関節炎症状;
−外傷性関節炎;
−いずれかの起源の膠原病、例えば全身性エクテマトオーデス、硬皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、スティル症候群、フェルティ症候群;
【0074】
(iii)炎症性及び/又は増殖工程により付随されるアレルギー:
−すべての形のアレルギー性反応、例えばクインケ水腫、枯草熱、昆虫咬傷、医薬剤、血液誘導体、コントラスト媒体、等に対するアレルギー反応、過敏性ショック、蕁麻疹、接触性皮膚炎;
(iv)血管炎症(脈管炎):
−汎動脈炎結節、側頭動脈炎、らい性結性紅斑;
【0075】
(v)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する皮膚学的疾患:
−アトピー性皮膚炎(主に子供における);
−乾癬;
−毛孔性紅色ひこう疹;
−異なった病毒、例えば放射線、化学物質、熱傷、等により誘発される紅斑性疾患;
−水疱性皮膚病;
−苔癬様グループの疾患;
−かゆみ(例えば、アレルギー起源の);
−脂漏性水腫;
−しゅさ;
−尋常性天疱瘡;
−紅斑性滲出性多形体;
−亀頭炎;
−外陰炎;
−髪損失、例えば脱毛症領域;
−円形脱毛症;
−皮膚性T−細胞リンパ腫;
【0076】
(vi)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する腎疾患:
−ネフローゼ症候群;
−すべての腎炎;
(vii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する肝疾患:
−急性肝細胞分解;
異なった起源、例えばウィルス、毒性、医薬剤−誘発された急性肝炎;
−慢性攻撃性肝炎及び/又は慢性間欠性肝炎;
【0077】
(viii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する胃腸疾患:
−限局性腸炎(クローン病);
−潰瘍性大腸炎;
−胃炎;
−逆流性食道炎;
−他の起源、例えばスプルー起源の潰瘍性大腸炎;
【0078】
(ix)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付図する直腸疾患:
−肛門水腫;
−裂;
−痔疾;
−特発性直腸炎;
(x)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する眼疾患:
−アレルギー性角膜炎、ブドウ膜炎、虹彩炎;
−結膜炎;
−眼瞼炎;
−視神経炎;
−脈絡膜炎;
−交感性眼炎;
【0079】
(xi)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する耳−鼻−咽喉領域の疾患:
−アレルギー性鼻炎、枯草熱;
−接触性皮膚炎、感染、等により引き起こされる外耳炎;
−中耳炎;
(xii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する神経学的疾患;
−脳水腫、主に腫瘍誘発された脳水腫;
−多発生硬化症;
−急性髄膜炎;
−髄膜炎;
−種々の形の痙攣、例えば乳児性点頭痙攣;
【0080】
(xiii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する血液疾患:
−後天性溶血性貧血;
−特発性血小板減少症;
(xiv)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する腫瘍疾患:
−急性リンパ性白血病;
−悪性リンパ腫;
−リンパ肉芽腫症;
−リンパ肉腫;
−主に乳房、気管支及び前立腺癌における集中的な転移;
【0081】
(xv)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する内分泌疾患:
−内分泌性眼窩病;
−甲状腺クリーゼ;
−ド・ケルヴァン甲状腺炎;
−ハシモト甲状腺炎;
−バセドー氏病;
(xvi)器官及び組織移植、対宿主性移植片病;
(xvii)重症性ショック状態、例えば過敏性ショック、全身性炎症応答症候群(SIRS);
【0082】
(xviii)下記における置換療法:
−先天性−次性副腎機能不全、例えば先天性副腎由来の症候群;
−後天性−次副腎機能不全、例えばアジソン病、自己免疫副腎炎、後感染性腫瘍、転移、等;
−先天性二次副腎機能不全、例えば先天性下垂体低下;
−後天性二次副腎機能不全、例えば後感染性腫瘍、等:
【0083】
(xix)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する嘔吐:
−例えば、細胞増殖抑制により誘発された嘔吐における5−HT3アンタゴニストとの組合せ;
(xx)炎症起源の痛み、例えば腰痛。
さらに、本発明の一般式Iの化合物は、合成グルココルチコイドが使用される、上記に言及されていない追加の病理学的状態の処理及び予防のために使用され得る(これに関しては、Hatz, HJ, Glucocorticoide : Immunologische Grundlagen, Pharmakologie und Therapierichtlinien, Wissenschafliche Verlagsgesellschaft mbH, Stuttgart, 1998を参照のこと)。
【0084】
すべての前記に言及された表示(i)〜(xx)は、Hatz, HJ, Glucocorticoide : Immunologische Grundlagen, Pharmakologie und Therapierichtlinien, Wissenschafliche Verlagsgesellschaft mbH, Stuttgart, 1998に、より詳細上記載されている。
上記に言及された病理学的状態における治療作用に関しては、適切な用量は、変化し、そして例えば一般式Iの化合物の活性強度、投与の型、及び処理される病状の型及び重症度、並びに予防剤又は治療剤としての使用に依存する。
【0085】
本発明はまた、組み合わせ療法又は組合された組成物にも関し、ここで式(I)のグルココルチコイド受容体(GR)アゴニスト又は医薬的に許容できるその塩、又は式(I)のGRアゴニスト又は医薬的に許容できるその塩を含む医薬組成物が、上記病理学的状態の1つを処理するために、1又は複数の医薬剤と同時に(任意には、同じ組成物において)、又は前記医薬剤と共に連続的に投与される。例えば、リウマチ様関節炎、変形性関節炎、CPOD(慢性閉塞性肺疾患)、喘息又はアレルギー性鼻炎の処理に関しては、本発明のGRアゴニストが、そのような状態の処理のための1又は複数の医薬剤と共に組合され得る。そのような組合せが吸入により投与される場合、組み合わされるべき医薬剤は次の列挙から選択され得る:
【0086】
・PDE4Dイソフォームのインヒビターを包含するPDE4インヒビター;
・選択的β. Sub2. adrenoceptorアゴニスト、例えばメタプロテノール、イソプロテノール、イソプレナリン、アルブテロール、サルブタモール、ホルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、メタンスルホン酸ビオルテロール、ビルブテロール又はインダカテロール;
【0087】
・ムスカリ受容体アンタゴニスト(例えば、M1, M2又はM3アンタゴニスト、例えばより選択的なM3アンタゴニスト)、例えば臭化イプラトロピウム、臭化チオトリピウム、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン又はテレンゼピン:
・ケモカイン受容体機能のもジュレーター(例えば、CCR1受容体アンタゴニスト);又は
・p38キナーゼ機能のインヒビター。
【0088】
本発明のもう1つの対象に関しては、式(I)のGRアゴニスト又は医薬的に許容できるその塩とのそのような組合せが、COPD、喘息又はアレルギー性鼻炎を処理するために使用され、そして吸入又は経口投与もされ得る、キサンチン(例えば、アミノフィリン又はテオフィリン)と組合して、吸入又は経口により投与され得る。
本発明は、医薬剤の生成のためへの本発明の化合物/立体異性体の使用に関する。
【0089】
本発明はさらに、次のものを提供する:
(i)疾病を処理するための薬剤の生成のためへの本発明の一般式Iの化合物の1つの使用;
(ii)疾病を抑制し、そしてそのような薬剤を必要とする患者に与えられる量の本発明の化合物の投与を含んで成る、疾病の処理方法;
(iii)1つの本発明の化合物又はその混合物、及び少なくとも1つの医薬的アジュバント及び/又はビークルを含んで成る、疾病を処理するための医薬組成物。
【0090】
本発明の一般式Iの化合物は、炎症性疾患の処理又は予防のための薬剤の生成のために特に適切である。
特に、i), ii), iii), iv), v)及びX)下で示される疾病の処理のための薬剤の生成のためへの本発明の化合物の使用は、本発明の対象である。
【0091】
一般的に、満足の行く結果が、毎日の用量がkg体重当たり、1μg〜100,000μgの範囲の本発明の化合物を含んで成る場合、動物において予測され得る。より大きな動物、例えばヒトの場合、推薦される毎日の用量は、kg体重当たり1μg〜100,000μgの範囲である。Kg体重当たり10〜30,000μgの用量が好ましく、そしてkg体重当たり10〜10,000μgの用量がより好ましい。例えば、この用量は適切には、1日当たり数度、適切には投与される。急性ショック(例えば、過敏性ショック)の処理に関しては、有意には、上記で言及された用量以上である個々の用量が与えられ得る。
【0092】
新規化合物に基づいての医薬製剤の配合は、生薬に通常使用されるビークル、充填剤、分解に影響を及ぼす物質、保湿剤、滑剤、吸着剤、希釈剤、風味修正剤、着色剤、等と共に加工される活性成分により、当業界において知られている手段で実施され、そして所望する投与形に転換される。この場合、Remington's Pharmaceutical Science, 15th ed. Mack Publishing Company, East Pennsylvania (1980)を参照のこと。
【0093】
経口投与に関しては、特に錠剤、被覆された錠剤、カプセル、ピル、粉末、顆粒、ロゼンジ、懸濁液、エマルジョン又は溶液が適切である。
非経口投与に関しては、注射及び注入調製物が可能である。
関節内注射に関しては、相応じて調製された結晶性懸濁液が使用され得る。
筋肉内注射に関しては、水性及び油性注射溶液又は懸濁液及び相当のデポット調製物が使用され得る。
【0094】
直腸投与に関しては、新規化合物は、全身性及び局部処理のために、坐剤、カプセル、溶液(例えば、浣腸の形で)、及び軟膏の形で使用され得る。
新規に化合物の肺投与に関しては、その化合物は、エアロゾル及び吸入剤の形で使用され得る。
眼、外耳、中耳、鼻腔及び副鼻腔への局部投与に関しては、新規化合物は、対応する医薬製剤において、ドロップ、軟膏及びチンキ剤として使用され得る。
【0095】
局部適用に関しては、ゲル、軟膏、脂肪軟膏、クリーム、ペースト、粉末、ミルク及びチンキ剤における配合が可能である。一般式Iの化合物の用量は、十分な薬理学的作用を達成するためには、それらの製剤において0.01%〜20%であるべきである。
本発明はまた、本発明の一般式Iの化合物を、治療的活性成分として含んで成る。さらに、本発明の一般式Iの化合物は、医薬的に適合でき、且つ許容できるアジュバント及びビークルと共に、治療的活性成分として本発明の一部である。
【0096】
本発明はまた、1つの本発明の医薬的活性化合物又はその混合物、又は医薬的に適合できるその塩、及び医薬的に適合できるアジュバント及びビークルを含む医薬組成物を含んで成る。
【実施例】
【0097】
例1:2−フルオロ−5−[(8−フルオロ−2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−7,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)ナフタレン−1,6−ジオール
5−アミノ−8−フルオロ−2−メチルキナゾリン:
50℃であり、そしてこの温度で1時間、前もって撹拌された、11mlの水及び1.6mlの濃塩酸(37%)中、2.4g(18.6mモル)の2,5−ジフルオロアニリンの溶液を、72mlの水中、3.35g(20.25mモル)の抱水クロラール及び21.27g(149.7mモル)の硫酸ナトリウムの溶液に添加する。それを室温でさらに30分間、撹拌し、そして19mlの水中、4.09g(58.9mモル)の塩化ヒドロキシルアンモニウムの添加の後、それを125℃に45分にわたって添加し、そしてこの温度で5分間、維持する。
【0098】
冷却の後及びさらに1時間後、沈殿した淡褐色の沈殿物を濾過し、水により洗浄し、そして乾燥した。3.0g(15.0mモル)のヒドロキシルイミンを中間性生成物として得、これを、60℃での15mlの濃硫酸に少しずつ溶解する。添加の完結の後、それを80℃に2時間、そして90℃に4時間、加熱する。それを冷却し、そしてその溶液を100gの氷上に注ぐ。それを酢酸エチルにより抽出し、有機相を水により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして蒸発により濃縮する。ヘキサン−酢酸エチル(0〜45%)を用いてのシリカゲル上でのクロマトグラフィー処理の後、1.2g(7.1mモル)の4,7−ジフルオロイサチンを得る。10分間にわたって、30%過酸化水素溶液1.8mlを、1Mの水酸化ナトリウム溶液30ml中、イサチンに滴下する。室温での2時間の撹拌の後、それを0℃に冷却し、そして4Mの塩酸5mlを添加し、そして50mlの水により希釈する。それを酢酸エチルにより抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発により濃縮し、そしてさらになる精製を行わないで、1.27gの3,6−ジフルオロアントラニル酸を定量的に得る。
【0099】
3,6−ジフルオロアントラニル酸を、8mlの無水酢酸において100℃に45分間、加熱する。冷却の後、生成される酢酸及び過剰の無水酢酸を、真空下でトルエンにより共沸除去する。残渣を、氷により冷却しながら、25%アンモニア溶液40mlと共に混合し、そしてそれを72時間、撹拌する。それを水により希釈し、そして酢酸により酸性化する。それを酢酸エチルにより抽出し、有機相を水により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして蒸発により濃縮する。このようにして得られた1.03g(5.25mモル)の5,8−ジフルオロ−2−メチル−3H−キナゾリン−4−オン及び6gの五塩化リンを、20mlの塩化ホスホリルにおいて125℃に12時間にわたって加熱する。冷却の後、それを飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に注ぎ、そして酢酸エチルにより抽出する。有機相を乾燥し、そして溶媒を除去する。60mlの酢酸エチル及び5mlのトリエチルアミンに溶解された、1.7gの4−クロロ−5,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリンを、定量的に得る。
【0100】
600mgの炭素上パラジウムを添加し、そしてそれを、通常の圧力での水素雰囲気下で2時間、振盪する(480mlの水素吸収)。触媒を、セライト上での濾過により、溶液から除去し、それを100mlのエタノールにより再洗浄し、そして蒸発により濃縮する。ヘキサン−酢酸エチル−エタノール(0−40%)を用いてのシリカゲル上でのクロマトグラフィー処理の後、550mgの5,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリンを得る。890mg(13.7mモル)のアジ化ナトリウムを、10mlのDMF中、240mg(1.3mモル)の5,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリン、300mg(1.13mモル)の18−クラウン−6に添加し、そしてその混合物を、125℃に8時間にわたって加熱する。溶媒を真空下で除去し、そしてそれを、酢酸エチルを用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、そして52mgの生成物を得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3);δ= 2.92 (s, 3H), 4.31 (br., 2H), 6.67 (dd, 1 H),
7.38 (dd, 1 H), 9.37 (s, 1 H)。
【0101】
4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナール:
19.6mlの塩化プロピオン酸を、0℃での24mlのピリジン中、20ml(213mモル)の2−フルオロフェノールに滴下する。それを室温で1.5時間、撹拌し、そして次に200mlの1Mの塩酸を添加する。それをジクロロメタンにより数回、抽出し、水により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下での蒸発により濃縮する。38.4gのプロピオン酸−(2−フルオロフェニル)エステルを、粗生成物として得、これを30mlのジクロロベンゼン中、29gの三塩化アルミニウムに滴下する。その反応混合物を100℃で18時間撹拌する。冷却の後、それをジクロロメタンにより希釈し、4Mの冷塩酸中に注意して注ぎ、そして10分以上の間、激しく撹拌する。それを、ジクロロメタンにより数回、抽出し、水により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下での蒸発により濃縮する。
【0102】
シリカゲル上でクロマトグラフィー精製(ヘキサン/酢酸エチル0%〜40%)の後、16.7g(99mモル)の1−(3−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−プロパン−1−オンを得る。25.1g(89mモル)の炭酸カリウム及び10.9ml(70mモル)のヨウ化メチルを、150mlのアセトン中、16.7gの1−(3−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−プロパン−1−オンに添加する。それを70℃に6時間、加熱し、そして次に、溶媒を約80%まで蒸留する。残渣を水に添加し、そしてそれをジエチルエーテルにより数回、抽出する。それを水により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。溶媒を真空下で除去し、そして16.8g(92mモル)の1−(3−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−プロパン−1−オンを得る。
1H-NMR (CDCl3):δ= 1.18 (t, 3H), 2.97 (q, 2H), 3.99 (s, 3H),7.02 (ddd, 1 H), 7.20 (dd, 1 H), 7.34 (d, 1 H)。
【0103】
58g(890mモル)の亜鉛粉末及び1.21gの二酸化鉛を、600mlのテトラヒドロフランに懸濁し、そして54mlのジブロモメタンをゆっくり滴下する。それを30分以上の間、撹拌し、そしてその混合物を0℃に冷却する。ジクロロメタン中、103ml(103mモル)の1Mの四塩化チタンを、内部温度が10℃を超えないよう添加する。それを30分以上の間、撹拌し、そして85mlのテトラヒドロフラン中、18.8g(103mモル)の1−(3−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−プロパン−1−オンを0℃で添加する。1時間後、それをジエチルエーテルにより希釈し、そしてその反応混合物を4Mの冷塩酸中に注意して注ぎ、それにより、温度は約35℃まで上昇する。それをジエチルエーテルにより数度、抽出し、水により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。溶媒を真空下で除去し、そしてシリカゲル上でのクロマトグラフィー精製(ヘキサン/酢酸エチル0〜5%)の後、4.8g(26.6mモル)の1−フルオロ−2−メトキシ−3−(1−メチルプロペニル)−ベンゼンを、E/Z混合物として得る。
【0104】
6.8g(40mモル)のエチルトリフルオロピルベート及び1.2g(2mモル)のイッテルビウムトリフレートを、4mlのジクロロメタン中、3.6g(20mモル)の1−フルオロ−2−メトキシ−3−(1−メチルプロペニル)−ベンゼンに添加し、そしてその混合物を140℃に20時間にわたって加熱する。冷却の後、それをシリカゲル上(ヘキサン/酢酸エチル20%)で直接的にクロマトグラフィー処理し、そして4.1g(11.7mモル)の4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペント−4−エン酸エチルエステルを、立体異性体混合物として得る。0.9g(2.5mモル)の4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペント−4−エン酸エチルエステルを、20mlのメタノール及び0.5mlの酢酸に溶解し、そして50mgの炭素上のパラジウム(10%)を添加する。その反応混合物を水素雰囲気下で5時間撹拌する。次に、それをセライトを通して濾過し、ジクロロメタン及びメタノールにより再洗浄し、そして溶媒を真空下で除去する。
【0105】
2サイクルのトルエンとの同時蒸発の後、850mgの粗4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタン酸エチルエステルを得、これを30mlのジエチルエーテルにおいて、−5℃に冷却し、そして固体形で、182mg(4.8mモル)の水素化リチウムアルミニウムに少しずつ添加する。それを0℃で1時間、撹拌し、そして飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぐ。それを酢酸エチルにより数度、抽出し、飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。シリカゲル上でのクロマトグラフィー精製(ヘキサン/酢酸エチル20%)の後、290mg(0.9mモル)の4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナールを、立体異性体混合物として得る。
1H-NMR (CDCl3):δ = 0.80-0.90 (d, 3H), 1.32-1.58 (d, 3H), 2.40-2.65 (dq, 1 H), 3.10-3.70 (dq, 1H), 3.90 (s, 3H), 6.85-7.10 (m, 3H), 9.00-9.70 (s, 1H)。
【0106】
280mg(0.90mモル)の4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナール、100mg(0.56mモル)の5−アミノ−8−フルオロ−2−メチルキナゾリン及び0.4mlのチタンテトラエチラートを、8mlのトルエンにおいて100℃で2時間、撹拌する。冷却の後、それを水中に注ぎ、そして激しい撹拌を続ける。その懸濁液をセライトを通して濾過し、そしてそれを酢酸エチルにより十分に再洗浄する。濾液の相を分離し、そしてそれを酢酸エチルにより再び抽出する。それを、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を真空下で除去し、そして360mgの4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−1−[(8−フルオロ−2−メチルキナゾリン−5−イル)イミノ]−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタン−2−オールを、粗生成物として得る。
【0107】
7.7ml(7.7mモル)の1Mの三臭化硼素溶液を、−30℃での20mlのCH2Cl2中、360mg(0.6mモル)のイミンに滴下する。冷却浴を除き、そして30分後、そのバッチを飽和炭酸水素ナトリウム溶液と共に混合し、相を分離し、水性相をCH2Cl2により抽出し、組合された有機相を乾燥し(Na2SO4)、そして真空下での蒸発により濃縮する。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール43:43:12%)及びクロロホルムからの続く結晶化により、40mg(0.09mモル)の生成物を、主にジアステレオマーのラセミ混合物として得る。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD):δ= 1.20 (d, 3H), 1.49 (d, 3H), 2.47 (dq, 1 H), 2.83 (s, 3H), 3.58 (dq, 1H), 5.17 (s, 1H), 6.75 (dd, 1H), 6.88 (dd, 1H), 6.90 (dd, 1H), 7.58 (dd, 1 H), 9.60 (s, 1H)。
【0108】
例2:5−{[6−フルオロ−3,4−ジメチル−2,5−ジヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}キノリン−2(1H)−オン
5−アミノキノリン−2(1H)−オン:
4.5gの5−ニトロキノリン−2(1H)−オン(Chem. Pharm. Bull. (1981), 29, pp. 651-56)を、反応が完結するまで、通常の圧力下で触媒として450mgの活性炭上パラジウムの存在下で、200mlの酢酸エチル及び500mlのメタノールにおいて、水素により水素化する。触媒を、珪藻土を通しての濾過により除去し、そしてその反応溶液を、真空下での蒸発により濃縮する。3.8gの標記化合物を黄色の固形物として得る。
1H-NMR (DMSO): δ = 5.85 (bs, 2H), 6.27 (d, 1 H), 6.33 (d, 1 H), 6.43 (d, 1 H), 7.10 (t, 1 H), 8.07 (d, 1 H), 11.39 (br, 1 H)。
【0109】
290mg(0.94mモル)の4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナール、150mg(0.94mモル)の5−アミノキノリン−2(1H)−オン及び0.4mlのチタンテトラエチラートを、8mlのトルエンにおいて、100℃で2時間、撹拌する。冷却の後、それを水中に注ぎ、そして激しい撹拌を続ける。その懸濁液をセライトを通して濾過し、そして酢酸エチルにより十分に再洗浄する。濾液の相を分離し、そしてそれを酢酸エチルにより再び抽出する。それを、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を真空下で除去し、そして480mgの5−{[(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンチリデン]アミノ}キノリン−2(1H)−オンを、粗生成物として得る。9.5ml(9.5mモル)の1Mの三臭化硼素溶液を、19mlのCH2Cl2中、480mgのイミンに、−35℃で10分間にわたって滴下する。
【0110】
それを−20℃に2時間、加熱し、そしてそのバッチを、飽和冷炭酸水素ナトリウム溶液中に注ぐ。それを酢酸エチルによりすすぎ、相を分離し、水性相を酢酸エチルにより抽出し、組合された有機相を乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空下での蒸発により濃縮する。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール43:43:12%)及び続くHPLC(Gemini C18 5μ、水+0.1%TFA/アセトニトリル38〜50%)により、30mgの生成物を、主ジアステレオマーのセラミ混合物として得る。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD): δ = 1.14 (d, 3H), 1.44 (d, 3H), 2.39 (dq, 1 H), 3.52 (dq, 1 H), 5.07 (s, 1 H), 6.46 (d, 1 H), 6.63 (d, 1 H), 6.67 (d, 1 H), 6.70 (dd, 1 H), 7.36 (t, 1 H), 8.15 (d, 1 H)。
【0111】
例2A/2B
5−{[6−フルオロ−3,4−ジメチル−2,5−ジヒドロキシ−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}−キノリン−2(1H)−オンを、分離用キラルHPLC(Chiracel OD 5μ)により、鏡像異性体−純粋化合物に分離する。
鏡像異性体1:分析用HPLC:Rt=8.4分(Chiralcel OD 5μ、250×4.6mm、ヘキサン/エタノール5⇒20分で50%、1ml/分の流れ)
鏡像異性体2:分析用HPLC:Rt=15.1分(Chiralcel OD 5μ、250×4.6mm、ヘキサン/エタノール5⇒20分で50%、1ml/分の流れ)。
【0112】
例3:2−フルオロ−5−[(7−フルオロ−2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−7,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)ナフタレン−1,6−ジオール
5−アミノ−7−フルオロ−2−メチルキナゾリン:
17g(70.5mモル)の3,6−ジフルオロ−2−N−ピバロイルアミノベンズアルデヒド(L. Florvall, I Fagervall, L.-GLarsson, S.B. Ross, Eur.J. Med. Chem. 34 (1999) 137-151)、9.2gのアセトアミジン塩酸塩、13.4gの炭酸カリウム及び10.4gの分子篩(4A)を、70mlのブチロニトリルにおいて組合す。激しく撹拌しながら、それを145℃に17時間、加熱し、そして溶媒を真空下で除去する。残渣をヘキサン/酢酸エチル(0〜70%)を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理した後、4.5gの7−フルオロ−5−N−ピバロイルアミノ−2−メチルキナゾリンを得た。
【0113】
1g(3.82mモル)の7−フルオロ−5−N−ピバロイルアミノ−2−メチルキナゾリンを、74mlのトルエンに溶解し、そして−70℃に冷却する。トルエン中、9.5ml(11.4mモル)の1.2Mのジイソブチルアルミニウム水素化物溶液を、30分間にわたって滴下する。その反応混合物を−40℃に加熱し、そしてそれを−40℃で4時間、撹拌する。水をゆっくり添加し、そしてそれを、沈殿物が形成されるまで、室温で30分間、撹拌し、沈殿物をセライトを通しての濾過により除去する。相を分離し、飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。ヘキサン−酢酸エチル(0〜100%)を用いてのシリカゲル上でのクロマトグラフィー処理の後、64mgの生成物を得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3); δ= 2.83 (s, 3H), 4.67 (br., 2H), 6.50 (dd, 1 H), 6.93(dd, 1 H), 9.23 (s, 1 H)。
【0114】
261mg(0.85mモル)の4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナール、150mg(0.85mモル)の5−アミノ−7−フルオロ−2−メチルキナゾリン及び0.5mlのチタンテトラエチラートを、8mlのトルエンにおいて、100℃で2時間、撹拌する。冷却の後、それを水中に注ぎ、そして激しい撹拌を続ける。その懸濁液をセライトを通して濾過し、そして酢酸エチルにより十分に再洗浄する。濾液の相を分離し、そしてそれを酢酸エチルにより再び抽出する。それを、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を真空下で除去し、そして4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−1− [(7−フルオロ−2−メチルキナゾリン−5−イル)イミノ]−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタン−2−オールを、粗生成物として得る。
【0115】
8.5ml(8.5mモル)の1Mの三臭化硼素溶液を、17mlのCH2Cl2中、イミンに、−35℃で10分間にわたって滴下する。それを−20℃に2時間、加熱し、そしてそのバッチを、飽和冷炭酸水素ナトリウム溶液中に注ぐ。それを酢酸エチルによりすすぎ、相を分離し、水性相を酢酸エチルにより抽出し、組合された有機相を乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空下での蒸発により濃縮する。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール43:43:12%)及び続くアミノ相上でのクロマトグラフィーにより、55mgの生成物を、主ジアステレオマーのセラミ混合物として得る。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD):δ= 1.17 (d, 3H), 1.46 (d, 3H), 2.44 (dq, 1 H),2.73 (s, 3H), 3.54 (dq, 1 H), 5.15 (s, 1 H), 6.69 (dd, 1 H), 6.73 (d, 1 H), 6.74 (d, 1 H), 6.87 (dd, 1 H), 9.47 (s, 1 H)。
【0116】
例3A/3B
2−フルオロ−5−[(7−フルオロ−2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−7,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)ナフタレン−1,6−ジオールを、分離用キラルHPLC(Chiracel OD 5μ)により、鏡像異性体−純粋化合物に分離する。
鏡像異性体1:分析用HPLC:Rt=7.9分(Chiralcel OD 5μ、250×4.6mm、ヘキサン/エタノール5⇒30分で20%、1ml/分の流れ)
鏡像異性体2:分析用HPLC:Rt=13.6分(Chiralcel OD 5μ、250×4.6mm、ヘキサン/エタノール5⇒20分で20%、1ml/分の流れ)。
類似する手段で、次のものを生成することができる:
【0117】
例4:5−{[6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}−2−メチルフタラジン−1−オン
5−アミノ−2−メチル−フタラジン−1−オン:
3−ブロモ−4−ニトロ−フタリド:
5.37gの4−ニトロフタリド(Tetrahedron Lett. (2001), 42, pp. 1647-50)、8.04gのN−ブロモスクシンイミド及び196mgの過酸化ベンゾイルを、反応が完結するまで、還流下で及び光への暴露下で、80mlのベンゾトリフルオリドにおいて加熱する。それを水に添加し、ジクロロメタンにより抽出し、水により数度、洗浄し、乾燥し、そして溶媒を真空下で除去する。7.24gの3−ブロモ−4−ニトロ−フタリドを、固形物として得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3),δ= 7.26 (s, 1 H), 7.88 (t, 1 H), 8.3 (d, 1 H), 8.56 (d,1 H)。
【0118】
5−ニトロ−フタラジン−1−オン:
18.25gの硫酸ヒドラジン及び14.88gの炭酸ナトリウムを、100℃で1時間、300mlのDMFにおいて撹拌する。次に100mlのDMF中、7.24gの3−ブロモ−4−ニトロ−フタリドを添加し、そしてそれをさらに4時間、100℃で撹拌する。それを水に添加し、酢酸エチルにより数度、抽出し、そして有機相を水及びブラインにより洗浄する。それを乾燥し、そして溶媒を真空下で除去する。酢酸エチルからの再結晶化の後、2.35gの5−ニトロ−フタラジン−1−オンを、固形物として得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6), δ= 8.05 (t, 1H), 8.57-8.66 (m, 2H), 8.73 (s, 1 H),13.13 (bs, 1 H)。
【0119】
2−メチル−5−ニトロ−フタラジン−1−オン:
1.6gの5−ニトロ−フタラジン−1−オン及び2.31gの炭酸カリウムを、60mlのDMFにおいて室温で10分間、撹拌する。1.1mlのヨウ化メチルを添加し、そしてそれを一晩、撹拌する。それを水に添加し、酢酸エチルにより数度、抽出し、そして有機相を水及びブラインにより洗浄する。それを乾燥し、そして溶媒を真空下で除去する。1.57gの2−メチル−5−ニトロ−フタラジン−1−オンを、黄色の固形物として得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6), δ= 3.73 (s, 3H), 8.05 (t, 1H), 8.62 (d, 2H), 8.75 (s, 1 H)。
【0120】
5−アミノ−2−メチル−フタラジン−1−オン:
1.57gの2−メチル−5−ニトロ−フタラジン−1−オン及び130mgの活性炭上パラジウムを、45mlの酢酸エチルに懸濁し、そして通常の圧力下で水素により水素化する。それを、珪藻土を通して濾過し、そして溶媒を真空下で除去する。1.26gの5−アミノ−2−メチル−フタラジン−1−オンを黄色の固形物として得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3), = 3.81 (s, 3H), 7.0 (d, 1 H), 7.5 (t, 1 H), 7.8 (d, 1 H),8.16 (s, 1 H)。
所望する生成物を、5−アミノ−2−メチル−フタラジン−1−オン及び4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナールから、例1に類似して生成することができる。
【0121】
例5:2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−7,8−ジメチル−5−[(2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−6−(トリフルオロメチル)ナフタレン−1,6−ジオール
5−アミノ−2−メチルキナゾリン:
12.7g(62mモル)の2−メチル−5−ニトロ−3H−キナゾリン−4−オン(MT. Bogert, V.J. Chambers J. Org Chem. 1905, 649-658)及び37.5gの五塩化リンを、75mlの塩化ホスホリルにおいて20時間にわたって還流する。冷却の後、それを飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に注ぎ、そして酢酸エチルにより抽出する。有機相を乾燥し、そして溶媒を除去する。14gの4−クロロ−2−メチル−5−ニトロキナゾリンを得、この4.5g(20.2mモル)を、225mlの酢酸エチル及び22.5mlのトリエチルアミンに溶解する。2gの炭素上パラジウムを添加し、そしてそれを、通常の圧力での水素雰囲気下で、氷により冷却しながら4時間、撹拌する。結晶を、セライト上での濾過により、溶液から除去し、そしてそれを、200mlのエタノールにより再洗浄し、そして蒸発により濃縮する。酢酸エチル−エタノール(0〜10%)を用いてシリカゲル上でのクロマトグラフィー処理の後、530mgの生成物を得る。
【0122】
1H-NMR (300 MHz, CDCl3); δ= 2.87 (s, 3H), 4.52 (br., 2H), 6.77 (d, 1 H), 7.33 (d,1 H), 7.65 (t, 1 H), 9.40 (s, 1 H)。
所望する生成物を、5−アミノ−2−メチルキナゾリン及び4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナールから、例1に類似して生成することができる。
【0123】
例6:5−[(7,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−7,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)ナフタレン−1,6−ジオール
5−アミノ−7,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリン:
ヘキサン中、156ml(391mモル)の2.5Mブチルリチウム溶液を、−70℃での385mlのTHF中、41.7g(180mモル)の2,2−ジメチル−N−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−プロピオンアミドに滴下する。それを1時間、撹拌し、そして次に、90mlのTHF中、38.6mlのDMFを滴下し、そしてその溶液を−60℃に加熱する。
【0124】
それを−70℃でさらに1時間、撹拌し、そして次に、冷反応溶液を、2kgの氷及び400mlの濃塩酸の混合物中に注ぐ。それを激しく撹拌し、そして1時間後、それをジエチルエーテルにより数度、抽出する。有機相を水により洗浄し、中性にし、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。蒸発による濃縮の後、49.3g(188mモル)の4,5,6−トリフルオロ−2−N−ピバロイルアミノベンズアルデヒドを得、これを206mlのブチロニトリル中、26g(275mモル)のアセトアミジン塩酸塩、38.3g(277mモル)の炭酸カリウム及び30gの分子篩(4A)と共に組合す。激しく撹拌しながら、それを145℃に18時間、加熱し、そして溶媒を真空下で除去した後、9.1gの7,8−ジフルオロ−5−N−ピバロイルアミノ−2−メチルキナゾリンを得る。
【0125】
2.0g(7.2mモル)の7,8−ジフルオロ−5−N−ピバロイルアミノ−2−メチルキナゾリンを、140mlのトルエンに溶解し、そして−70℃に冷却する。30分間にわたって、トルエン中、1.2Mの水素化ジイソブチルアルミニウム溶液24ml(28.8mモル)を滴下する。反応混合物を−25℃に2時間にわたって加熱し、そして−25℃で2時間、撹拌する。イソプロパノール及び次に水をゆっくり添加し、そして沈殿物が形成するまで、室温で12時間、撹拌し、この沈殿物をセライトを通して濾過により除去する。それを塩化メチレン−メタノール混合物により十分に再洗浄し、そして蒸発により、濃縮する。残渣を、200mlの酢酸エチル及び50mlのメタノールにおいて、100gのシリカゲル及び20gの二酸化マンガンと共に激しく撹拌する。それをセライトを通して濾過し、塩化メチレン−メタノール混合物により十分に再洗浄し、そして蒸発により濃縮する。シリカゲル上でのクロマトグラフィー処理(ヘキサン−酢酸エチル0〜100%)の後、370mgの生成物を得る。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD); δ = 2.81 (s, 3H), 6.64 (dd, 1H), 9.52 (s, 1H)。
【0126】
158mg(0.51mモル)の4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナール、100mg(0.51mモル)の5−アミノ−7,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリン及び0.4mlのチタンテトラエチラートを、6mlのトルエンにおいて、100℃で2時間、撹拌する。冷却の後、それを水中に注ぎ、そして激しい撹拌を続ける。その懸濁液をセライトを通して濾過し、そして酢酸エチルにより十分に再洗浄する。濾液の相を分離し、そしてそれを酢酸エチルにより再び抽出する。それを、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を真空下で除去し、そして1− [(7,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリン−5−イル)イミノ]−4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2−オールを、粗生成物として得る。
【0127】
5ml(5mモル)の1Mの三臭化硼素溶液を、10mlのCH2Cl2中、イミンに、−35℃で10分間にわたって滴下する。それを−20℃に2時間、加熱し、そしてそのバッチを、飽和冷炭酸水素ナトリウム溶液中に注ぐ。それを酢酸エチルによりすすぎ、相を分離し、水性相を酢酸エチルにより抽出し、組合された有機相を乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空下での蒸発により濃縮する。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール43:43:12%)及び続くアミノ相(Merck NH2)における分離用薄層クロマトグラフィーにより、10mg(0.02mモル)の生成物を、主ジアステレオマーのセラミ混合物として得る。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD):δ = 1.17 (d, 3H), 1.45 (d, 3H), 2.44 (dq, 1 H), 2.77 (s, 3H), 3.53 (dq, 1 H), 5.10 (s, 1 H), 6.69 (dd, 1 H), 6.83 (dd, 1 H), 6.86 (dd, 1 H), 9.51 (s, 1 H)。
【0128】
例7:2−フルオロ−5−[(2−メチルキノリン−5−イル)アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−7,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)ナフタレン−1,6−ジオール
所望する生成物を、5−アミノ−2−メチルキノリン及び4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナールから例1に類似して生成することができる。
【0129】
例8:6−クロロ−5−メトキシ−1−[(2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−3−メチル−4−メチレン−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オール
4−(3−クロロ−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペント−4−エナール:
265mモルの塩化プロピオン酸を、200mlのジクロロメタン(DCM)及び38mlのピリジンに溶解された、250mモルの2−クロロフェノールにゆっくり滴下する。2時間の撹拌の後、そのバッチを1Mの塩酸により急冷し、そしてDCMにより抽出する。有機相をNaCl溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。溶媒の除去の後、46gの粗生成物を得、これを40mlの1,2−ジクロロベンゼンに取る。この溶液を、40mlの1,2−ジクロロベンゼン中、33mgのAlCl3の溶液に室温で滴下する。
【0130】
この混合物を、100℃で18時間、撹拌し、冷却し、DCMにより希釈し、そして氷/塩酸(4ml)に添加する。相を分離し、水性相をDCMにより抽出し、そして組合された有機相をNaCl溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。溶媒の除去の後、レジオ異性体(regioisomer)生成物の混合物49gを得る。ヘキサンによる吸収性沈殿の場合、18gのパラ化合物は未溶解のまま存続する。ヘキサン溶液を蒸発により濃縮する。22gのこの異性体−濃縮された中間体生成物をアセトンに溶解し、240mモルの炭酸カリウム及び144mモルのヨウ化メチルを室温で注意して添加し、そしてそれを80℃で18時間撹拌する。冷却の後、反応混合物を水に添加し、そしてジエチルエーテルにより抽出する。硫酸ナトリウムによる乾燥の後、及び溶媒の除去の後、粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル4:1)により精製する。18gの所望する1−(3−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−プロパン−1−オンを得る。
【0131】
56.2gの亜鉛粉末及び1.22gの塩化鉛(II)を、800mlのTHF中に導入し、そして53mlのジブロモメタンを室温でゆっくり滴下する。30分の撹拌の後、100mモルの塩化チタン(IV)をゆっくり滴下する。さらに30分間の撹拌の後、100mモルの1−(3−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−プロパン−1−オンを滴下し、そして室温で4時間、撹拌する。それをジエチルエーテルにより希釈し、反応混合物を氷/塩酸(4ml)に添加し、相を分離し、ジエチルエーテルにより抽出し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。粗生成物溶液を、45℃の浴温度で回転蒸発器によりゆっくり濃縮し、そして最終的に、蒸発により完全に濃縮する。粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(7:3)を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。16.7gの1−クロロ−2−メトキシ−3−(1−メチルプロペニル)−ベンゼンを得る。
【0132】
1.0gのこのスチレン誘導体を、1.30gのトリフルオロピルベート(1.5当量)と共に、2.5mlのジクロロエタン中に導入し、82mg(0.1当量)の塩化鉄(III )を添加し、そしてその混合物を90℃に約10時間、加熱する。それを水DCMにより希釈し、そして相を分離する。水性相をDCMにより抽出し、組合された有機相を水及び飽和NaCl溶液により集中的に洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。溶媒の分離の後、粗生成物を、クロマトグラフィーにより精製する。4−(3−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−トリフルオロメチル−4−ペンテン酸エチルエステルを、異性体の混合物として得る。
【0133】
225mgのこのエステルを、24mgのLiAlH4と共に7mlのTHFにおいて−20℃で混合する。それを0℃で約4時間、撹拌し、追加の20mgのLiAlH4を添加し、そしてそれを、さらに2日間、撹拌する。この混合物を氷水中に注ぎ、THF、酢酸エチル及び水により希釈し、そして相を分離する。水性相を、2Mの塩酸により酸性にし、再び抽出し、そして組合された有機相を水及び飽和NaCl溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。クロマトグラフィー精製の後、209mgの4−(3−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−3−メチル−2−トリフルオロメチル−ペント−4−エン−1,2−ジオール及び85mgの4−(3−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−トリフルオロメチル−ペント−4−エナールを得る。
【0134】
得られるジオールをDCMに溶解し、0.22mlのDMSO, 0.87mlのトリエチルアミン及び600mgの三酸化硫黄−ピリジン複合体を添加し、そしてそれを室温で7時間、撹拌する。反応混合物を、塩化アンモニウムに溶液と酢酸エチルとの間に分散し、相を分離し、酢酸エチルにより抽出し、NaCl溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。クロマトグラフィー精製の後、110mgの追加の4−(3−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−トリフルオロメチル−ペント−4−エナールを、わずかに黄みがかった油状物として得る。
【0135】
113mgのアルデヒドを、83mg(1.5当量)の5−アミノ−2−メチルキナゾリンと共にトルエン中に導入し、0.18mlのチタンテトラエチラートを滴下し、そして約5時間、還流する。冷却の後、それを酢酸エチルにより希釈し、炭酸水素ナトリウム溶液を添加し、形成される沈殿物を珪藻土上で濾過し、そして相を分離する。水性相を酢酸エチルにより抽出し、そして組合された有機相を飽和NaCl溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。溶媒の分離の後、粗生成物をクロマトグラフィーにより精製する。60mgの4−(3−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−3−メチル−1−[(2−メチルキナゾリン−5−イル)イミノ]−2−(トリフルオロメチル)ペント−4−エン−2−オールを、異性体の混合物として得る。イミンをDCMに取り、そして1.3mlの四塩化チタン溶液(DCM中、1M)を、−20℃で滴下する。それを0℃にし、そして混合物を、4時間の撹拌の後、氷水に添加する。
【0136】
それをDCMにより抽出し、水により集中的に洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。粗生成物を、少々のシリカゲル上でDCM/MeOHにより濾過する。17mgの6−クロロ−5−メトキシ−3−メチル−4−メチレン−1−(2−メチルキナゾリン−5−イルアミノ)−2−トリフルオロ−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オールを、異性体混合物として得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ(主異性体) = 1.13 (d,3H), 2.88 (s,3H), 3.79 (s,3H), 5.02 (d,1 H), 5.14 (d,1 H), 5.80 (s,1 H), 5.95 (s,1 H), 6.89 (d,1 H), 7.07 (m,1 H), 7.19 (dd,1 H), 7.38 (m,1 H), 7.75 (m,1 H), 9.45 (s,1 H); MS (ESI): 464/466 (M+H), 482/484 (M+H+H2O), 496/498 (M+H+MeOH)。
【0137】
類似する手段で、下記のものを生成することができる:
a)6−クロロ−1−[(7,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−5−メトキシ−3−メチル−4−メチレン−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロフタレン−2−オール
所望する生成物を、5−アミノ−7,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリン及び4−(3−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−トリフルオロメチル−ペント−4−エナールから、例8に類似して精製することができる。
【0138】
b)6−クロロ−5−メトキシ−1−[(2−メチルキノリン−5−イル)アミノ]−3−メチル−4−メチレン−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−オール
所望する生成物を、5−アミノ−2−メチルキノリン及び4−(3−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−トリフルオロメチル−ペント−4−エナールから、例8に類似して精製することができる。
【0139】
例9:6,7,8,8a, 9,10‐ヘキサヒドロ−10−[(2−メチル−キナゾリン−5−イル)アミノ]−9−(トリフルオロメチル)−フェナントレン−9−オール
3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(2−フェニル−シクロヘキセ−2−エニル)−プロピオン酸エチルエステル:
870mg(5.5mモル)の1−フェニル−1−シクロへキセン、1.87g(11mモル)及び310mg(0.5mモル)のイッテルビウムトリフレートを、2mlの1,2−ジクロロエタンに溶解し、そして19時間、還流する。室温への冷却の後、その溶液を真空下での蒸発により濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製する。2種のジアステレオマーを得る:312mgのジアステレオマーA及び293mgのジアステレオマーB。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ= 1.07 (t, 3H), 1.59 - 1.67 (m, 1 H), 1.72 - 1.85 (m, 1 H), 2.10 - 2.34 (m, 4H), 3.01 - 3.11 (m, 1 H), 3.57 (bs, 1 H), 3.61 - 3.70 (m, 1 H), 3.80 (s, 1 H), 5.97 (t, 1 H), 7.17 - 7.29 (m, 5H)。
【0140】
3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(2−フェニル−シクロヘキセ−2−エニル)−プロピオンアルデヒド:
300mg(0.91mモル)の3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(2−フェニル−シクロヘキセ−2−エニル)−プロピオン酸エチルエステルを、11mlのジエチルエーテルに溶解し、そして窒素雰囲気下で−10℃に冷却する。69mg(1.82mモル)の水素化リチウムアルミニウムを、数度に分けて添加する。反応を−10℃で1時間、及び0℃で1時間、撹拌する。反応混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぎ、そして水性相を酢酸エチルにより3度、抽出する。集められた有機相を、飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下での蒸発により濃縮する。得られる粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、そして120mgの生成物を得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ= 1.62 - 1.73 (m, 1 H), 1.80 - 1.92 (m, 1 H), 2.00 - 2.14 (m, 1 H), 2.20 - 2.28 (m, 2H), 2.31 - 2.41 (m, 1 H), 3.66 (bs, 1H), 3.78 (d, 1 H), 6.05 (t, 1 H), 7.14 - 7.20 (m, 2H), 7.24 - 7.33 (m, 3H), 9.05 (quint, 1 H)。
【0141】
112mg(0.39mモル)の3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(2−フェニル−シクロヘキセ−2−エニル)−プロピオンアルデヒド、62mg(0.39mモル)の5−アミノ−2−メチル−キナゾリン及び210μl(1mモル)のチタンテトラエチラートを、2mlのトルエンに溶解し、そして窒素雰囲気下で3時間、還流した。室温への冷却の後、反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルにより希釈し、そしてセライト上で濾過する。水性相を酢酸エチルにより2度、抽出する。集められた有機相を、飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下での蒸発により濃縮する。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製の後、50mgの1,1,1−トリフルオロ−3−(2−メチル−キナゾリン−5−イル−イミノ)−2−(2−フェニル−シクロヘキセ−2−エニル)−プロパン−2−オールを得る。
【0142】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ= 1.70 - 1.78 (m, 1 H), 1.81 - 1.91 (m, 1 H), 2.26 - 2.39 (m, 3H), 2.54 (d, 1 H), 2.91 (s, 3H), 3.67 (bs, 1 H), 4.97 (s, 1 H), 5.78 (d, 1 H), 6.12 (t, 1H), 6.99 -7.02 (m, 1 H), 7.09 (t, 2H), 7.18 - 7.20 (m, 2H), 7.53 (t, 1H), 7.68 (s, 1 H), 7.74 (d, 1 H), 9.49 (s, 1 H)。
【0143】
47mg(0.11mモル)の1,1,1−トリフルオロ−3−(2−メチル−キナゾリン−5−イル−イミノ)−2−(2−フェニル−シクロヘキセ−2−エニル)−プロパン−2−オールを、2mlのジクロロメタンに溶解し、そして窒素雰囲気下で−20℃に冷却する。440μlの三臭化硼素溶液(0.44mモル、ジクロロメタン中、1M溶液)を、反応にゆっくり添加する。その混合物を室温で2時間、撹拌する。それを飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に注ぎ、そして酢酸エチルにより3度、抽出する。集められた有機相を、飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下での蒸発により濃縮する。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー及び分離用HPLCにより精製する。20mgの生成物を得る。
【0144】
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ= 1.40 (bs, 1 H), 1.80 - 18.7 (m, 2H), 1.94 (bs, 1 H), 2.20 (bs, 2H), 2.69 (s, 3H), 3.04 (bs, 1 H), 5.62 (d, 1 H), 6.11 (s, 1H), 6.76 (bs, 1 H), 6.90 (d, 1 H), 7.00 (d, 1 H), 7.05 (d, 1 H), 7.17 (t, 1 H), 7.23 - 7.25 (m, 2H), 7.71 - 7.25 (m, 2H), 9.63 (s, 1 H)。
【0145】
類似する手段で、次のものを生成することができる:
a)10-[(7,8-ジフルオロ-2-メチルキナゾリン-5-イル)アミノ]-6,7,8,8a,9,10-ヘキサヒドロ-9-(トリフルオロメチル)‐フェナントレン-9-オール
所望する生成物を、5−アミノ−7,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリン及び3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(2−フェニル−シクロヘキセ−2−エニル)−プロピオンアルデヒドから、例9に類似して生成できる。
【0146】
b)5-{[ 10-[6,7,8,8a,9,10-ヘキサヒドロ-9-(トリフルオロメチル)-9-ヒドロキシフェナントレニル]アミノ}キノリン-2(1H)-オン
所望する生成物を、5−アミノキノリン−2(1H)−オン及び3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(2−フェニルシクロヘキセ−2−エニル)−プロピオンアルデヒドから、例9に類似して生成できる。
【0147】
c)6,7,8,8a,9,10-ヘキサヒドロ-10-[(2-メチルキノリン-5-イル)アミノ]-9- (トリフルオロメチル) フェナントレン-9-オール
所望する生成物を、5−アミノ−2−メチル−キノリン及び3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(2−フェニルシクロヘキセ−2−エニル)−プロピオンアルデヒドから、例9に類似して生成できる。
【0148】
d)3,3a,4,5-テトラヒドロ-5-[(2-メチル-キナゾリン-5-イル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)- 2H-ベンズ[e] インデン-4-オ−ル
所望する生成物を、5−アミノ−2−メチル−キノリン及び1−フェニル−1−シクロペンテンから例9に類似して生成できる。
e)5-[(7,8-ジフルオロ-2-メチル-キナゾリン-5-イル)アミノ]- 3,3a,4,5-テトラヒドロ-4- (トリフルオロメチル)- 2H-ベンズ[e] インデン-4-オ−ル
所望する生成物を、5−アミノ−7,8−ジフルオロ−2−メチル−キナゾリン及び1−フェニル−1−シクロペンテンから例9に類似して生成できる。
【0149】
例10:4b,5,6,7,8,8a, 9,10‐オクタヒドロ−10−[(2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−9−(トリフルオロメチル)−フェナントレン−9−オール
3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(2−フェニル−シクロヘキシル)−プロピオンアルデヒド:
500mg(1.52mモル)の3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−(2−フェニル−シクロへキセ−2−エニル)−プロピオン酸エチルエステルを、20mlのメタノールに溶解し、そして300μlの酢酸及び30mgの活性炭上パラジウム(10%)を添加する。フラスコを排気し、そして次に、水素により充填する。反応を室温で5時間、撹拌する。それをセライト上で濾過し、そして真空下で蒸発により濃縮する。492mgの粗3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(2−フェニル−シクロヘキシル)−プロピオン酸エチルエステルを得、これを、さらに精製しないで、続く反応中に直接的に導入する。
【0150】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 1.23 (t, 3H), 1.41 - 1.59 (m, 2H), 1.70 - 1.87(m, 3H), 1.90 - 2.00 (m, 1 H), 2.09 - 2.19 (m, 1 H), 2.20 - 2.29 (m, 1 H), 2.73 - 2.77 (m, 1 H), 2.91-2.95 (m, 1 H), 3.32 (s, 1 H), 3.78 - 3.87 (m, 1 H), 4.07 - 4.09 (m, 1 H), 7.17 - 7.28 (m, 5H)。
【0151】
485mg(1.47mモル)の3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(2−フェニルシクロヘキシル)−プロピオン酸エチルエステルを、18mlのジエチルエーテルに溶解し、そして窒素雰囲気下で−10℃に冷却する。111mg(2.94mモル)の水素化リチウムアルミニウムを数回に分けて添加し、−10℃で1時間、撹拌し、そして室温に3時間にわたって融解する。さらなる作業のために、それを飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぎ、そして酢酸エチルにより3度、抽出する。組合された有機相を、飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下での蒸発により濃縮する。粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。200mgの生成物を得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ = 1.40 - 2.20 (m, 8H), 2.82 - 2.86 (m, 1 H), 3.05 - 3.09 (m, 1H), 3.58 (s, 1 H), 7.14 - 7.31 (m, 5H), 8.87 (s, 1 H)。
【0152】
190mg(0.66mモル)の3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(2−フェニル−シクロヘキシル)−プロピオンアルデヒド、106mg(0.66mモル)の5−アミノ−2−メチル−キナゾリン及び350μl(1.7mモル)のチタンテトラエチラートを、3.5mlのトルエンに溶解し、そして窒素雰囲気下で3時間、還流した。室温への冷却の後、反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルにより希釈し、そしてセライト上で濾過する。水性相を酢酸エチルにより2度、抽出する。集められた有機相を、飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下での蒸発により濃縮する。カラムクロマトグラフィーによる精製の後、69mgの1,1,1−トリフルオロ−3−(2−メチル−キナゾリン−5−イルイミノ)−(2−フェニル−シクロヘキシル)−プロパン−2−オールを得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ= 1.44 - 2.16 (m, 8H), 2.74 - 2.81 (m, 1 H), 2.92 (s, 3H), 3,29 (q, 1 H), 4.77 (s, 1 H), 6.61 (dd, 1 H), 7.04 - 7.12 (m, 3H), 7.33 (d, 2H), 7.53 (s, 1 H), 7.70 (t, 1 H), 7.83 (d, 1 H), 9.37 (s, 1 H)。
【0153】
66mg(0.15mモル)の1,1,1−トリフルオロ−3−(2−メチルキナゾリン−5−イル−イミノ)−2−(2−フェニル−シクロヘキセ−2−エニル)−プロパノールを、3mlのジクロロメタンに溶解し、そして窒素雰囲気下で−20℃に冷却する。620mμlの三臭化硼素溶液(0.62mモル、ジクロロメタン中、1M溶液)を、反応にゆっくり添加する。その混合物を室温で2時間、撹拌する。さらなる作業のために、それを飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に注ぎ、そして酢酸エチルにより3度、抽出する。集められた有機相を、飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下での蒸発により濃縮する。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製し、そして33mgの所望する生成物を得る。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ= 0.83 - 0.93 (m, 1 H), 1.41 - 1.75 (m, 6H), 1.83 - 1.95 (m, 2H), 2.57 - 2.65 (m, 2H), 2.85 (s, 3H), 3.18 (bs, 1 H), 4.78 (d, 1 H), 5.78 (d, 1 H), 6.46 (d, 1H), 7.21 (t, 1 H), 7.29 (t, 1H), 7.37 (t, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.61 (t, 1 H), 9.43 (s, 1 H)。
【0154】
類似する手段により、下記のものを生成できる:
a)10-[(7,8-ジフルオロ-2-メチルキナゾリン-5-イル)アミノ]-4b,5,6,7,8,8a,9,10-オクタヒドロ-9-(トリフルオロメチル)フェナントレン-9-オール
所望する生成物を、5−アミノ−7,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリン及び3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(2−フェニル−シクロヘキシル)−プロピオンアルデヒドから、例10に類似して生成できる。
【0155】
b)5-{[ 10-[4b,5,6,7,8,8a,9,10-オクタヒドロ-9−ヒドロキシ−9−(トリフルオロメチル)-フェナントレニル]アミノ}-キノリン-2(1H)-オン
所望する生成物を、5−アミノキノリン−2(1H)−オン及び3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(2−フェニル−シクロヘキシル)−プロピオンアルデヒドから、例10に類似して生成できる。
【0156】
c)4b,5,6,7,8,8a,9,10-オクタヒドロ-10-[(2-メチル−キノリン-5-イル)アミノ]-9- (トリフルオロメチル) -フェナントレン-9-オール
所望する生成物を、5−アミノ−2−メチル−キノリン及び3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(2−フェニル−シクロヘキシル)−プロピオンアルデヒドから、例10に類似して生成できる。
【0157】
d)2,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-[(2-メチル-キナゾリン-5-イル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)- 1H-ベンズ[e] インデン-4-オ−ル
所望する生成物を、5−アミノ−2−メチル−キナゾリン及び1−フェニル−1−シクロペンテンから例10に類似して生成できる。
e)5-[(7,8-ジフルオロ-2-メチル-キナゾリン-5-イル)アミノ]- 2,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-4- (トリフルオロメチル)- 1H-ベンズ[e] インデン-4-オ−ル
所望する生成物を、5−アミノ−7,8−ジフルオロ−2−メチル−キナゾリン及び1−フェニル−1−シクロペンテンから例10に類似して生成できる。
【0158】
例11:(3aα、4α、5α、9bα)−2,3,3a, 4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−フルオロ−5−[(2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−4−(トリフルオロメチル)−1H−ベンズ[e]インデン−4,9−ジオール
(1α、2α)−2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−α−ヒドロキシ−α−(トリフルオロメチル)シクロペンタンアセトアルデヒド:
2.62g(15.5mモル)の(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)硼素酸、7.14gの(ノナフルオロブチル)スルホニル酸シクロペント−1−エニルエステル、720mg(42mモル)の塩化リチウム、2.68g(19.4mモル)の炭酸カリウム、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウムを、8mlのトルエン及び8mlの1−プロパノールに溶解する。その混合物を110℃に6時間にわたって加熱し、そして水における冷却の後、添加する。
【0159】
水性相を酢酸エチルにより3度、抽出し、組合された有機相を飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。溶媒の除去の後、残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジイソプロピルエーテル、0〜10%)により精製する。1.9gの6−(シクロペント−1−エニル)−2−フルオロアニソールを得る。10mlのジクロロメタン中、2.6ml(19.7mモル)のエチルトリフルオロピルベート及び1.9g(9.9mモル)の6−(シクロペント−1−エニル)−2−フルオロアニソールを、613mg(0.99mモル)のイッテルビウムトリフルオロメタンスルホネートに添加する。反応混合物を140℃で16時間、撹拌し、そしてその反応混合物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジイソプロピルエーテル0〜10%)により精製する。391mgのエチル−2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−α−ヒドロキシ−α−(トリフルオロメチル)シクロペント−2−エンアセテートを、ジアステレオマーの混合物として得る。
【0160】
211mg(0.58mモル)のエチル−2−(3−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−α−ヒドロキシ−α−(トリフルオロメチル)シクロペント−2−エンアセテートを、18mlのジエチルエーテルに、アルゴン下で溶解し、そして−25℃に冷却する。52mg(1.4mモル)の水素化リチウムアルミニウムを固形物として少しずつ添加し、そしてそれを1.5時間、撹拌し、それにより、温度は−20℃に上昇する。1mlの酢酸エチルを添加し、10分後、氷及び飽和塩化アンモニウム溶液の混合物中に注ぎ、そして激しく撹拌する。相を分離し、そして酢酸エチル及びジエチルエーテルにより数度、抽出する。組合された有機抽出物を、セライトを通して濾過し、飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。182mgの2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−α−ヒドロキシ−α−(トリフルオロメチル)シクロペント−2−エンアセトアルデヒドを得る。
【0161】
114mg(0.36mモル)の2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−α−ヒドロキシ−α−(トリフルオロメチル)シクロペント−2−エンアセトアルデヒドを、11mlのメタノール及び0.1mlの酢酸に溶解し、そして20mgの炭素ヒパラジウム(10%)を添加する。その懸濁液を、反応が完結するまで、通常の圧力での水素雰囲気下で振盪する。その混合物をセライトを通して濾過し、そしてそれを酢酸エチルにより十分に再洗浄する。溶媒の除去の後、108mgの飽和アルデヒドを、2種のジアステレオマーの混合物として得る。ジアステレオマーを、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジイソプロピルエーテル0〜15%)により、お互い分離することができる:
【0162】
[1α(S*)、2α]−2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−α−ヒドロキシ−α−(トリフルオロメチル)−シクロペンタンアセトアルデヒド:
1H-NMR (300 MHz1 CDCl3); δ = 1.78 (m, 2H), 1.98 (m, 2H),2.15 (m, 3H), 2.88 (ddd, 1 H), 3.95 (s, 3H), 3.97 (s, 1 H), 4.46 (s,1 H), 6.84- 6.99 (m, 3H),9.06 (s, 1H)。
[1α(R*)、2α]−2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−α−ヒドロキシ−α−(トリフルオロメチル)−シクロペンタンアセトアルデヒド:
1H-NMR (300 MHz, CDCl3);δ= 1.60 (m, 2H), 1.80- 2.35 (m, 5H), 3.26 (ddd, 1 H), 3.62 (s, 1 H), 3.95 (s, 3H), 6.84-6.99 (m, 3H), 9.18 (s, 1 H)。
【0163】
117mg(0.37mモル)の[1α(S*)、2α]−2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−α−ヒドロキシ−α−(トリフルオロメチル)−シクロペンタンアセトアルデヒド、65mg(0.41mモル)の5−アミノ−2−メチルキナゾリン及び0.2mlのチタンテトラエチラートを、100℃で2時間、10mlのトルエンにおいて撹拌する。冷却の後、それを水中に注ぎ、そして激しく撹拌を続ける。その懸濁液を、セライトを通して濾過し、そして酢酸エチルにより十分に再洗浄する。濾液の相を分離し、そしてそれを酢酸エチルにより再び抽出する。それを、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして溶媒を真空下で除去し、そして116mgの[1α(S*)、2α]−2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−α−{[(メチルキナゾリン−5イル)イミノ]メチル}−α−(トリフルオロメチル)−シクロペンタンメタノールを、粗生成物として得る。
【0164】
2.2ml(2.2mモル)の1Mの三臭化硼素溶液を、−30℃での20mlのCH2Cl2中、116mgの粗イミンに滴下する。それを室温に加熱し、そして12時間、撹拌する。それを飽和炭素水素ナトリウム溶液中に注ぎ、相を分離し、水性相をCH2Cl2により抽出し、組合された有機相を乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空下での蒸発により濃縮する。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル0〜80%)により、62mgの生成物を得る。
1H-NMR (300MHz, DMSO [d6]); δ = 1.32 (m, 1 H), 1.46 (m, 1 H), 1.67 (m, 2H), 1.76 (m,1 H), 2.42 (m, 1 H), 2.50 (m, 1 H), 2.67 (s, 3H), 3.28 (d, 1 H), 3.57 (ddd, 1 H), 5.14 (d, 1 H), 6.01 (s, 1 H), 6.61 (dd,1 H), 6.89 (m, 2H), 7.05 (d, 1 H), 7.63 (t, 1 H), 9.41 (s, 1 H), 9.65 (s, 1 H)。
【0165】
例12:(3aα、4β、5β、9bα)−2,3,3a, 4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−フルオロ−5−[(2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−4−(トリフルオロメチル)−1H−ベンズ[e]インデン−4,9−ジオール
65mg(0.2mモル)の[1α(R*)、2α]−2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−α−ヒドロキシ−α−(トリフルオロメチル)−シクロペンタンアセトアルデヒド、36mg(0.23mモル)の5−アミノ−2−メチルキナゾリン及び0.11mlのチタンテトラエチラートを、100℃で2時間、5mlのトルエンにおいて撹拌する。冷却の後、それを水中に注ぎ、そして激しく撹拌を続ける。その懸濁液を、セライトを通して濾過し、そして酢酸エチルにより十分に再洗浄する。
【0166】
濾液の相を分離し、そしてそれを酢酸エチルにより再び抽出する。それを、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして溶媒を真空下で除去し、そして100mgの[1α(R*)、2α]−2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−α−{[(メチルキナゾリン−5イル)イミノ]メチル}−α−(トリフルオロメチル)−シクロペンタンメタノールを、粗生成物として得る。1.9ml(1.9mモル)の1Mの三臭化硼素溶液を、−30℃での12mlのCH2Cl2中、100mgの粗イミンに滴下する。それを室温に加熱し、そして2時間、撹拌する。それを飽和炭素水素ナトリウム溶液中に注ぎ、相を分離し、水性相をCH2Cl2により抽出し、組合された有機相を乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空下での蒸発により濃縮する。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル0〜75%)により、43mgの生成物を得る。
【0167】
1H-NMR (300MHz, DMSO [d6]);δ= 1.38 (m, 2H), 1.74 (m, 1 H), 1.85 (m,1 H), 2.11 (m, 1 H), 2.64 (m, 1 H), 2.67 (s, 3H), 2.78 (ddd, 1 H), 3.12 (d,1 H), 3.16 (ddd, 1 H), 5.29 (d, 1 H), 5.99 (s, 1 H), 6.61 (dd,1 H), 6.72 (d, 1 H), 6.90 (m, 2H), 7.01 (d, 1 H), 7.60 (t, 1 H), 9.46 (s, 1 H), 9.67 (s, 1 H)。
【0168】
例13:(3aα、4α、5α、9bα)−8−フルオロ−5−[(7−フルオロ−2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−2,3,3a, 4,5,9b−ヘキサヒドロ−4−(トリフルオロメチル)−1H−ベンズ[e]インデン−4、9−ジオール
例11に類似して、108mg(0.34mモル)の[1α(S*)、2α]−2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−α−ヒドロキシ−α−(トリフルオロメチル)−シクロペンタンアセトアルデヒド、66mg(0.37mモル)の5−アミノ−7−フルオロ−2−メチルキナゾリン及び0.2mlのチタンテトラエチラートを、反応せしめ、その対応するイミンを形成する。
【0169】
156mgのこのようにして得られた粗イミンを、例11に類似して、2.8ml(2.8mモル)の1Mの三臭化硼素溶液により環化し、ここで添加は、−30℃の温度及び次に、室温で2時間、行われ、所望する生成物が形成される。シリカゲル上でのクロマトグラフィー処理(ヘキサン/酢酸エチル0〜80%)により、所望する生成物66mgを得る。
1H-NMR (300MHz, CD3OD); δ= 1.49 (m, 2H), 1.70 (m, 1 H),1.80 (m,1 H), 1.94 (m, 1 H), 2.57 (m, 1 H), 2.64 (ddd, 1 H), 2.75 (s, 3H), 3.72 (ddd, 1 H), 5.13 (s, 1 H), 6.65 (dd,1 H), 6.66 (d, 1 H), 6.76 (d, 1 H), 6.84 (dd, 1 H), 9.50 (s, 1 H)。
【0170】
例14:(3aα、4β、5β、9bα)−8−フルオロ−5−[(7−フルオロ−2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−2,3,3a, 4,5,9b−ヘキサヒドロ−4−(トリフルオロメチル)−1H−ベンズ[e]インデン−4、9−ジオール
例12に類似して、130mg(0.4mモル)の[1α(R*)、2α]−2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−α−ヒドロキシ−α−(トリフルオロメチル)−シクロペンタンアセトアルデヒド、79mg(0.44mモル)の5−アミノ−7−フルオロ−2−メチルキナゾリン及び0.22mlのチタンテトラエチラートを、反応せしめ、その対応するイミンを形成する。205mgのこのようにして得られた粗イミンを、例12に類似して、3.7ml(3.7mモル)の1Mの三臭化硼素溶液により環化し、ここで添加は、−30℃の温度及び次に、室温で2時間、行われ、所望する生成物が形成される。シリカゲル上でのクロマトグラフィー処理(ヘキサン/酢酸エチル0〜75%)により、所望する生成物49mgを得る。
【0171】
1H-NMR (300MHz, CD3OD);δ= 1.52 (m, 2H), 1.84 (m, 1 H), 1.97 (m,1 H), 2.22 (m, 1 H), 2.70-2.86 (m, 2H), 2.74 (s, 3H), 3.35 (ddd, 1 H), 5.17 (s, 1H), 6.61 (d,1 H), 6.65 (dd, 1 H), 6.74 (d, 1 H), 6.84 (dd, 1 H), 9.50 (s, 1 H)。
【0172】
例15:5−{[(3aα、4α、5α、9bα)−8−フルオロ−2,3、3a、4,5、9b−ヘキサヒドロ−4,9−ジヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)−1H−ベンズ[e]インデン−5−イル]アミノ}キノリン−2(1H)−オン
例11に類似して、108mg(0.34mモル)の[1α(S*)、2α]−2−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−α−ヒドロキシ−α−(トリフルオロメチル)−シクロペンタンアセトアルデヒド、66mg(0.37mモル)の5−アミノキノリン−2(1H)−オン及び0.18mlのチタンテトラエチラートを、反応せしめ、その対応するイミンを形成する。147mgのこのようにして得られた粗イミンを、例11に類似して、2.8ml(2.8mモル)の1Mの三臭化硼素溶液により環化し、ここで添加は、−30℃の温度及び次に、室温で2時間、行われ、所望する生成物が形成される。シリカゲル上でのクロマトグラフィー処理(ヘキサン/酢酸エチル0〜100%)により、所望する生成物72mgを得る。
【0173】
1H-NMR (300MHz, CD3OD); δ= 1.45 (m, 1 H), 1.57 (m, 1 H), 1.64 (m, 1 H), 1.77 (m,1H), 1.95 (m, 1H), 2.55 (m, 1H), 2.63 (ddd, 1H), 3.70 (ddd, 1 H), 5.04 (s, 1H), 6.48 (d,1 H), 6.52 (d, 1H), 6.65 (d, 1 H), 6.66 (dd, 1 H), 6.80 (dd, 1H), 7.32 (t, 1H), 8.19 (d, 1 H)。
【0174】
例16:5−{[6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソクロメン−1−オン
例1に記載されるアルデヒドの助けにより、イミンを通常のようにして生成する。三臭化硼素による環化の後、38.3mgの非極性ジアステレオマーの5−{[6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソクロメン−1−オン、及び9.1mgの極性ジアステレオマーの5−{[6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソクロメン−1−オンを得る。
【0175】
非極性ジアステレオマー:1H-NMR (300 MHz, CD3OD),δ= 1 ,18 (3H), 1 ,45 (3H), 2,39 (1H), 3,51 (1H), 5,03 (1H), 6,63-6,72 (1H), 6,80 (1H)1 6,87 (1H), 7,19 (1H), 7,32 (1 H), 7,41 (1 H), 7,58 (1 H)。
極性ジアステレオマー:1H-NMR (300 MHz, CD3OD),δ= 1 ,28 (3H), 1 ,43 (3H), 2,32 (1 H), 3,20 (1 H), 5,09 (1 H), 6,63-6,72 (1 H), 6,79 (1 H), 6,85 (1 H), 7,20 (1 H), 7,35 (1 H), 7,40 (1H), 7,55 (1H)。
【0176】
例17:8−フルオロ−5−{[6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}キノリン−2(1H)−オン
5−アミノ−8−フルオロキノリン−2(1H)−オン:
7.8(43mモル)の5,8−ジフルオロキノリン−2(1H)−オン及び1.18g(8.2mモル)のCu2Oを、8バール下で620mlのエチレングリコールにおいて気体NH3と共に混合する。その反応混合物を190℃に19時間、加熱する。反応混合物の冷却及び溶媒の除去の後、粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン;CH2Cl2/MeOH 0〜5%)により精製する。1.03gの5−アミノ−8−フルオロキノリン−2(1H)−オンを、淡黄色の固形物として得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6); δ = 5.58 (s, 2H), 6.23 (dd, 1 H), 6.31 (d, 1 H), 7.03 (dd, 1 H), 8.05 (dd, 1 H), 11.28 (s, 1 H)。
【0177】
所望する生成物を、例15に類似して、5−アミノ−8−フルオロキノリン−2(1H)−オン、及び4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナールから生成することができる。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD); δ = 1.18 (d, 3H), 1.48 (d, 3H), 2.45 (m, 1 H), 3.55 (m, 1 H), 5.04 (s, 1 H), 6.53 (d, 1 H), 6.58 (dd, 1 H), 6.73 (m, 1 H), 6.87 (dd, 1 H), 7,24 (dd, 1 H), 8.16 (d, 1 H)。
【0178】
例18:5−{[6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソキノリン−1(2H)−オン
所望する生成物を、例15に類似して、5−アミノイソキノリン−1(2H)−オン及び4−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナールから生成することができる。
【0179】
非極性ジアステレオマー:1H-NMR (300 MHz, CD3OD),δ= 1.29 (3H), 1.44 (3H),
2.35 (1H), 3.20 (1 H), 5.09 (1H), 6.69-6.87 (3H), 7.10 (2H), 7.38 (1H), 7.66 (1H)。
極性ジアステレオマー:1H-NMR (300 MHz, DMSO [d6]), 極性δ= 1.02 (3H), 1.35 (3H), 2.31 (1 H), 3.43 (1 H), 5.05 (1H), 5.78 (1 H), 6.23 (1H), 6.51-6.61 (1 H)1 6.69 (1 H), 6.91 (1 H) 7.02-7.15 (2H), 7.26 (1 H), 7.49 (1 H), 9.4 (1 H), 11.18 (1 H)。
【0180】
例19:5−{[7−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソキノリン−1(2H)−オン
1−(4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)プロパン−1−オン:
100g(892mモル)の3−フルオロフェノールを、1.4Lのピリジンに溶解し、そして99g(1.07モル)の塩化プロピオニルと共に0℃で少しずつ混合する。室温での一晩の撹拌の後、その混合物を2Lの氷水中に注ぎ、そしてメチル−tert−ブチルエーテルにより3度、抽出する。組合された有機抽出物を、水及び飽和ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして溶媒を回転除去する。残存する残渣を、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)。148.7g(99.1%)のプロピオン酸−3−フルオロフェニルエステルを単離する。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ = 1.29 (3H), 2.60 (2H), 6.81-6.69 (3H), 7.30-7.39 (1 H)。
【0181】
15.38g(115.36mモル)の三塩化アルミニウムを、48mlの1,2−ジクロロベンゼン中に導入する。室温で、41mlの1,2−ジクロロベンゼンに溶解された、20g(118.93mモル)のプロピオン酸−3−フルオロフェニルエステルを滴下する。その場合、わずかな温度上昇が生じる。次に、反応混合物を、100℃で18時間、撹拌する。冷却の後、バッチを4Nの塩酸に添加し、そしてメチル−tert−ブチルエーテルにより3度、抽出する。組合された有機抽出物を、ブラインにより洗浄し、乾燥し、そして溶媒を回転除去する。残渣のシリカゲル上でのクロマトグラフィー処理(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)の後、16.75g(83.75%)の所望する生成物を得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ = 1.25 (3H), 3.00 (2H), 6.55-6.70 (2H), 7.70-7.83 (1 H), 12.7 (1 H)。
【0182】
エチル−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−ペント−4−エノエート:
16.75g(99.6mモル)の1−(4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)プロパン−1−オンを、124mlのアセトンにおいて、27.53g(199.2mモル)の炭酸カリウム及び28.27g(199.2mモル)のヨードメタンと共に混合する。4時間の還流煮沸の後、その混合物を、ガラス繊維フィルターを通して濾過し、そして濾液を回転する。残る残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)。16.84g(92.8%)の1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−プロパン−1−オンを単離する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ= 1.18 (3H), 2.97 (2H), 3.91 (3H), 6.62-6.76 (2H),7.79 (1 H)。
【0183】
56g(858.4mモル)のZn及び1.04g(3.73mモル)のPdCl2を室温で545mlのTHFに導入する。111.43g(641mモル)のジブロモメタンを、この混合物にゆっくり滴下し、そしてそのバッチを室温で30分間、撹拌する。0℃に冷却した後、ジクロロメタン中、塩化チタン(IV)の1M溶液83.3mlをゆっくり滴下し、その結果、温度は10℃以上には上昇しない。室温での30分間の撹拌の後、そのバッチを再び0℃に冷却し、そして75mlのTHFに溶解された、17g(93.21mモル)の前述の1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−プロパン−1−オンを滴下する。室温での1時間の撹拌の後(約28℃への加熱、水浴での冷却)、その反応混合物を、150mlのジエチルエーテルにより希釈し、そして次に、4NのHClに注意して添加する。
【0184】
この場合、濃度を28〜30℃で維持し、そして15分間、激しく撹拌する。ジエチルエーテルによる3サイクルの抽出の後、組合された有機相をプラインにより2度、洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして溶媒を回転除去する。粗生成物を同じ日、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理し(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)、そして得られる4−フルオロ−2−メトキシ−1−(1−メチレンプロピル)ベンゼン(9.58g=56.97%)を、冷蔵庫に貯蔵する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ = 1.00 (3H), 2.45 (2H), 3.81 (3H), 4.98 (1 H), 5.15 (1H), 6.52-6.78 (2H), 7.09 (1H)。
【0185】
3.3g(5.32mモル)のイッテリビウム(III )トリフルオロメタンスルホネートを、118mlのジクロロメタン中に導入する。18.08g(106.31mモル)のエチルトリフルオロピルベートを滴下した後、30mlのジクロロメタンに溶解された、9.58g(53.16mモル)の前記アルケンを滴下し、そしてそのバッチを室温で2日間、撹拌する。さらなる作業のために、反応混合物を、25mlの水と共に混合し、そして有機相を分離する。硫酸ナトリウム上での乾燥の後、溶媒を回転除去し、そして残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)。(E/Z)−エチル−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)−ヘキセ−4−エノエート及びエチル−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−ペント−4−エノエートから成る混合物14.33g(76.76%)を得、これを、次の反応中に導入する。
【0186】
4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタナール:
前記反応段階から得られた混合物14.3g(40.9mモル)を、320mlのジエチルエーテルに溶解し、そして1.55g(40.91mモル)の水素化リチウムアルミニウムと共に0〜5℃で少しずつ混合する。室温での4時間の撹拌の後、及びバッチを0℃〜5℃の温度に冷却した後、30mlの飽和炭酸水素ナトリウムに溶液を注意して滴下する。30分間の激しい撹拌の後、バッチをガラス繊維フィルターを通して吸引する。
【0187】
濾液を、メチル−tert−ブチルエーテルにより3度、抽出し、そして組合された有機抽出物をブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして溶媒を回転除去する。残渣のシリカゲル上でのクロマトグラフィー処理(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)の後、11.03g(87.47%)の所望する化合物を、(E/Z)−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−(トリフルオロメチル)−ヘキセ−4−エン−1,2−ジオール及び4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−ペント−4−エン−1,2−ジオールから成る混合物として得る。MS(Cl)m/e(相対的強度):326(100%)。
【0188】
前記セクションに記載される混合物4.86g(15.76mモル)を、テトラヒドロフラン及びエタノールから成る1:1混合物(486ml)に溶解し、そして0.5g(1.8mモル)のPd/炭酸カルシウムと共に混合する。335mlの水素を採取した後、及び2.5時間の反応時間の後、触媒を濾過し、そして濾液を回転除去する。残渣のFlashmaster上でのクロマトグラフィー処理(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)の後、4.46g(89.13%)の水素化された化合物を得る。4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−(トリフルオロメチル)−ヘキサン−1,2−ジオール及び4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタン−1,2−ジオールから成る混合物1g(3.22mモル)を、−70℃でSwern条件下で酸化する。
【0189】
さらなる作業のために、2.46mlのトリエチルアミンを、常に−70℃で、それに滴下し、そしてそのバッチを室温にする。10mlの水の添加の後、それを15分間、撹拌する。ジクロロメタン相を分離し、そして水性相を、ジクロロメタンにより2度以上、抽出する。組合された有機抽出物を、10%硫酸、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインにより洗浄する。硫酸ナトリウム上での乾燥の後、溶媒を回転除去し、そして残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)。732.8mg(73.76%)を、4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)−ヘキサナール及び4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタナールから成る混合物として単離する。
【0190】
4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)−ヘキサナール及び4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタナールから成る混合物500mg(1.62mモル)を、10mlの氷酢酸において、259.79mg(1.62mモル)の5−アミノ−イソキノリン−1(2H)−オンと共に混合し、そして室温で3日間、撹拌する。反応混合物を、乾燥まで回転し、そして残渣をトルエンにより3度、及びジクロロメタンにより2度、流す。
【0191】
残渣のFlashmasxer上でクロマトグラフィー処理の後、322.9mg(44.2%)の2種のイミンの混合物を得る。5−{[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ヘキシリデン]アミノ}イソキノリン−1(2H)−オン及び5−{[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンチリデン]アミノ}イソキノリン−1(2H)−オンから成る、前記セクションに記載される混合物322.9mg(0.72mモル)を、3.2mlのジクロロメタン中に導入し、そしてジクロロメタン中、三臭化硼素の1M溶液7.2mlと共に0℃で少しずつ混合する。
【0192】
0〜5℃での4時間の撹拌の後、反応混合物を、氷及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液から成る混合物に注意して添加する。酢酸エチルによる3サイクルの抽出の後、組合された抽出物を、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして溶媒を回転除去する。複雑なシリカゲルクロマトグラフィー処理の後、2.8mg(1.8%)の所望する化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD):δ= 1.18 (3H), 1.49 (3H), 2.37 (1 H), 3.40 (1 H), 5.02 (1 H), 6.40 (2H), 6.78 (1 H), 7.03 (1 H), 7.12 (1 H), 7.49 (1 H), 7.69 (1 H)。
【0193】
例20:5−[(7,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−7,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)ナフタレン−1,6−ジオール
1−[(7,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリン−5−イル)イミノ]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−(トリフルオロメチル)へキサン−2−オール及び1−[(7,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリン−5−イル)イミノ]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2−オールから成る混合物226.5mg(0.45mモル)を、三臭化硼酸の助けにより、通常通りに環化する(反応温度−40〜−10℃)。クロマトグラフィー処理の後、19.4mg(17.6%)の所望する生成物を単離する。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD): δ= 0.77 (3H), 1.43 (3H), 2.25 (1H), 3.92 (1H), 5.30 (1 H), 6.81 (1 H), 6.89-6.99 (1 H), 7.24 (1 H), 9.55 (1 H)。
【0194】
例21:5−{[7−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソクロメン−1−オン
5−{[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ヘキシリデン]アミノ}イソクロメン−1−オン及び5−{[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンチリデン]アミノ}イソクロメン−1−オンから成る混合物366.1mg(0.42mモル)を三臭化硼素の助けにより、通常通りに環化する。複雑なクロマトグラフィー処理の後、最終的に6.8mg(1.9%)の所望する生成物を単離する。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD):δ = 1.18 (3H), 1.49 (3H), 2.37 (1 H), 3.40 (1 H), 5.02 (1 H), 6.38-6.48 (2H), 6.80 (1 H), 7.18 (1 H), 7.35 (1 H), 7.43 (1 H), 7.60 (1 H)。
【0195】
例22:5−{[7−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}キノリン−2(1H)−オン
5−{[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ヘキシリデン]アミノ}キノリン−2(1H)−オン及び5−{[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンチリデン]アミノ}キノリン−2(1H)−オンから成る混合物314.4mg(0.7mモル)を三臭化硼素の助けにより、通常通りに環化する。複雑なクロマトグラフィー処理の後、最終的に2mg(1.31%)の所望する生成物を単離する。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD): δ= 0.59 (3H), 1.34 (3H), 2.08 (1H), 3.88 (1H), 4.95 (1 H), 6.51 (1H), 6.69 (1 H), 6.73-6.92 (2H), 7.12 (1H), 7.32 (1H), 8.12 (1 H)。
【0196】
例23:5−{[7−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
5−{[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ヘキシリデン]アミノ}−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン及び5−{[4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンチリデン]アミノ}−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンから成る混合物301mg(0.68mモル)を三臭化硼素の助けにより、通常通りに環化する。複雑なクロマトグラフィー処理の後、最終的に5.4mg(3.71%)の所望する生成物を単離する。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD): δ = 1.12 (3H), 1.40 (3H), 2.38 (1 H), 3.40 (1 H), 4.20-4.34 (2H), 5.01 (1H), 6.38-6.49 (2H), 6.99 (1H), 7.15 (1H), 7.38 (1H)。
【0197】
例24:2,3−ジフルオロ−7,8−ジメチル−5−[(2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−6−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1,6−ジオール
4−(3,4−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナール
例1に類似して、1,2−ジフルオロ−3−メトキシ−4−(1−メチルプロペニル)ベンゼンを、2,3−ジフルオロフェノールから、E/Z混合物として生成することができる。
【0198】
40mlのジクロロメタン中、747mg(820μモル)の[Cu(S, S)−2,2−ビス(4,5−ジヒドロ−4−フェニルオキサゾリン−2−イル)プロパン(H2O)2](SbF6)2を、3.27g(16.5mモル)の2,3−ジフルオロ−6−(1−メチルプロペニル)アニソール、4.35ml(33mモル)のエチルトリフルオロピルベート及び3.5gの分子篩に、0℃で30分間にわたって滴下する。その反応今後物を室温で16時間、撹拌し、そして反応混合物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル10〜20%)により精製する。3.03gの4−(3,4−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペント−4−エン酸エチルエステルを、ジアステレオマーの混合物として得る。
【0199】
3.03g(45.3mモル)の4−(3,4−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペント−4−エン酸エチルエステルを85mlのジエチルエーテルにおいて−20℃に冷却し、そして625mg(16.5mモル)の水素化リチウムアルミニウムを10分間わたって、個体形で少しずつ添加する。それを0℃で2時間、撹拌し、そして飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぐ。その懸濁液を、セライトを通して濾過し、そして酢酸エチルにより十分に再洗浄する。濾液の相を分離し、そしてそれを酢酸エチルにより再び抽出する。それを飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を真空下で除去し、そしてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー処理(ヘキサン/酢酸エチル10〜50%)の後、0.48gの4−(3,4−ジフルオロ−2−メトキシ−フェニル)−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペント−4−エン−1,2−ジオール及び2.1gのその対応するアルデヒドを得る。
【0200】
0.95g(2.9mモル)の4−(3,4−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペント−4−エン−1,2−ジオールを、100mlのエタノールに溶解し、そして100mgの炭素上パラジウム(10%)を添加する。その懸濁液を、反応が完結するまで、100バールでの水素雰囲気下で撹拌する。その混合物をセライトを通して濾過し、そしてエタノールにより十分に再洗浄する。溶媒の除去の後、及びシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー処理(ヘキサン/酢酸エチル30〜60%)の後、0.62gの4−(3,4−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタン−1,2−ジオールを、ジアステレオマーの混合物として得る。
【0201】
2.55ml(18.4mモル)のトリエチルアミン及び1.17g(7.4mモル)のピリジンSO3複合体を、30mlのジクロロメタン及び7.4mlのDMSO中、1.2g(3.7mモル)の4−(3,4−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−1,2−ジオールに、10分間にわたって少しずつ添加する。それを16時間にわたって撹拌し、そして飽和塩化アンモニウム溶液及び酒石酸溶液から成る混合物を添加する。その混合物をさらに20分間、撹拌し、相を分離し、そしてそれを、ジエチルエーテルにより抽出する。それを水により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。溶媒を真空下で除去し、そしてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー処理(ヘキサン/ジイソプロピルエーテル20〜60%)の後、608gを、3又は4種の可能性ある立体異性体の4−(3,4−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンターナルの混合物として得る。
【0202】
立体異性体1:1H-NMR (300 MHz, CDCl3);δ= 1.04 (d, 3H), 1.17 (d, 3H), 2.54 (dq, 1 H), 2.92 (dq, 1 H), 3.82 (s,1 H), 3.97 (s, 3H), 6.84 (m, 2H), 9.69 (s, 1 H)。
立体異性体2:1H-NMR (300 MHz, CDCl3); δ= 0.97 (d, 3H), 1.34 (d, 3H), 2.30 (dq, 1 H), 3.54 (dd, 1 H), 3.97 (s, 3H), 4.59 (s, 1 H), 6.78 (m, 2H), 9.50 (s, 1 H)。
立体異性体3:1H-NMR (300 MHz, CDCl3); δ= 1.03 (d, 3H), 1.22 (d, 3H), 2.65 (dq, 1 H), 3.07 (dq, 1 H), 3.97 (s, 3H), 4.19 (s, 1 H), 6.78 - 6.86 (m, 2H), 9.63 (s, 1H)。
【0203】
140mg(0.43mモル)の4−(3,4−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナール及び72mg(0.45mモル)の5−アミノ−2−メチルキナゾリンを1mlのトルエンに溶解し、そして0.33ml(0.86mモル)のチタンtert−ブチラートを添加する。その反応混合物を100℃に2時間、加熱し、冷却の後、水中に注ぎ、そして激しく撹拌する。その懸濁液をセライトを通して濾過し、そして酢酸エチルにより十分に再洗浄する。濾液の相を分離し、そしてそれを、酢酸エチルにより再び抽出する。
【0204】
それを、飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を真空下で除去し、そして181mgの4−(3,4−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)−3−メチル−1−[(2−メチルキナゾリン−5−イル)イミノ]−2−(トリフルオロメチル)−ペンタン−2−オールを粗生成物として得る。粗イミンを、8mlのCH2Cl2に溶解し、そして−45℃に冷却する。ジクロロメタン中、1MのBBr3溶液0.66ml(0.66mモル)を、5分間にわたって、ゆっくり滴下し、そして0℃に2時間、加熱する。その反応溶液を、飽和NaHCO3溶液及び氷から成る混合物中に注ぐ。それを、酢酸エチルにより数度、抽出し、飽和NaCl溶液により洗浄し、そしてNa2SO4上で乾燥する。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー処理(ヘキサン/酢酸エチル30〜100%)による精製により、2種の別々のジアステレオマーとして所望する生成物64mgを得る。
【0205】
ジアステレオマー1:1H-NMR (300MHz, DMSO [d6]]); δ = 1.15 (d, 3H), 1.36 (d, 3H), 2.15 (dq, 1 H), 2.73 (s, 3H), 2.89 (dq, 1 H), 5.21 (d, 1 H), 6.02 (s, 1 H), 6.66 (dd,1 H), 6.72 (d, 1 H), 6.94 (d, 1 H), 7.10 (d, 1 H), 7.66 (t, 1 H), 9.70 (s, 1 H), 10.19 (s, 1 H)。
ジアステレオマー2:1H-NMR (300MHz, CD3OD);δ = 1.28 (d, 3H), 1.41 (d, 3H), 2.37 (dq, 1 H), 2.75 (s, 3H), 3.12 (dq, 1 H), 5.21 (s, 1 H), 6.60 (dd,1 H), 6.95 (d, 1 H), 7.14 (d, 1 H), 7.75 (t, 1 H), 9.56 (s, 1 H)。
【0206】
例24A/24B
(5α、6α、7α、8β)−2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−7,8−ジメチル−5−[(2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−6−(トリフルオロメチル)ナフタレン−1,6−ジオール(ジアステレオマー1)を、分離用キラルHPLC(Chiralpak AD−H 5μ)により、鏡像異性体−純粋化合物に分離する:
鏡像異性体1:分析用HPLC:Rt=4.88分(Chiralpak AD−H 5μ、250×4.6mm、ヘキサン/エタノール5⇒20分で50%、1ml/分の流れ)
鏡像異性体2:分析用HPLC:Rt=7.62分(Chiralpak AD−H 5μ、250×4.6mm、ヘキサン/エタノール5⇒20分で50%、1ml/分の流れ)。
【0207】
例25:5−{[5,6−ジフルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−3,4−ジメチル−2,5−ジヒドロキシ−6−(トリフルオロメチル)ナフタレン−1−イル]アミノ}キノリン−2−(1H)−オン
例25に類似して、164mg(0.43mモル)の4−(3,4−ジフルオロ−2−メトキシ−フェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナール及び72mg(0.45mモル)の5−アミノキノリン−2(1H)−オンを縮合し、対応するイミンを形成し、次にこれを、例25に類似して、三臭化硼素により環化し、2種のジアステレオマーを形成する:
【0208】
ジアステレオマー1:1H-NMR (300MHz, CD3OD);δ= 1.15 (d, 3H), 1.34 (d, 3H), 2.24 (dq, 1 H), 3.10 (dq, 1 H), 4.94 (d, 1 H), 5.96 (d, 1 H), 6.27 (d,1 H), 6.52 (d, 1 H), 6.54 (dd, 1 H), 6.67 (d, 1 H), 7.30 (t, 1 H), 8.21 (d, 1 H)。
ジアステレオマー2:H-NMR (300MHz, CD3OD); [delta] = 1.28 (d, 3H), 1.39 (d, 3H), 2.33 (dq, 1 H), 3.12 (dq, 1 H), 5.05 (s, 1 H), 6.46 (d,1 H), 6.59 (dd, 1H), 6.65 (d, 1 H),6.67 (d, 1 H), 7.36 (t, 1 H), 8.15 (d, 1 H)。
【0209】
同様にして、下記のものを生成することができる:
5−[(7,8−ジフルオロ−2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−7,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)ナフタレン−1,6−ジオール
2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−7,8−ジメチル−5−[(2−メチルキノリン−5−イル)アミノ]−6−(トリフルオロメチル)ナフタレン−1,6−ジオール
5−{[2,3−ジフルオロ−1,6−ジヒドロキシ−7,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−5−イル]アミノ}イソキノリン−1(2H)−オン
【0210】
例26:5−{[7−クロロ−6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソキノリン−1(2H)−オン
4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタナール:
3.69g(5.96mモル)のイッテリビウム(III )トリフルオロメタンスルホネートを、132mlのジクロロメタン中に導入する。20.28g(119.25mモル)のエチルトリフルオロピルベートを滴下した後、33mlのジクロロメタンに溶解された、4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシ−1−(1−メチレン−プロピル)ベンゼン及び4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシ−1−(1−メチル−プロプ−1−エン)ベンゼンから成る混合物12.38g(59.63mモル)を滴下し、そして次に、そのバッチを室温で4時間、撹拌する。さらなる作業のために、反応混合物を、28mlの水と共に混合し、そして有機相を分離する。
【0211】
硫酸ナトリウム上での乾燥の後、溶媒を回転除去し、そして残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)。(E/Z)−エチル−4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)−ヘキセ−4−エノエート及びエチル−4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−ペント−4−エノエートから成る混合物13.54g(59.1%)を得、これは、種々の画分に異なった比の2種の化合物を含む。
【0212】
上記2種のエステルの混合物の一部5.63g(14.64mモル)を53.4mlのジエチルエーテルに溶解し、そして416.5mg(10.97mモル)の水素化リチウムアルミニウムと共に−5℃で少しずつ混合し、そして次に、それを−5℃〜0℃の間で3時間、撹拌する。その反応混合物を、11mlの飽和炭素水素ナトリウム溶液と共に0℃で少しずつ混合する。冷浴を除いた後、バッチを室温で2時間、激しく撹拌する。バッチをガラス繊維フィルターを通して濾過した後、及びジエチルエーテルにより再洗浄した後、溶媒を回転除去する。残存する残渣を、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)。877.6mg(35.2%)の4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−ペント−4−エナールを単離する。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ= 1.44 (3H), 3.47 (1 H), 3.92 (3H), 4.00 (1 H), 5.21 (1 H), 5.44 (1 H), 6.68 (1 H), 6.99 (1 H), 9.45 (1 H)。
【0213】
70mlのエタノール中、700mg(2.05mモル)の前述のアルデヒドを、前もって水素化された触媒(二酸化白金、0.62mモル)に添加する。330mlの水を採取した後、及び2.5時間の反応時間の後、反応混合物を、ガラス繊維を通して添加する。フィルター残渣をエタノールにより再洗浄した後、溶媒を回転除去する。422mg(59.9%)の所望する生成物(ジアステレオマー混合物として)が残存し、これをさらに、粗形で導入する。MS(Cl)m/e(相対的強度):360(100%)。
【0214】
170mg(0.5mモル)の4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタナールを、2.12mlの氷酢酸において、79.5mg(0.5mモル)の5−アミノ−イソキノリン−1(2H)−オンと共に混合し、そしてそれを室温で4日間、撹拌する。反応混合物を、乾燥まで回転し、そして残渣をトルエンにより3度、排水する。残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理した後(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)、150.9mg(62.7%)の所望するイミンを得る。MS(Cl)m/e(相対的強度):485(20%)。
【0215】
5−{[7−クロロ−6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソキノリン−1(2H)−オン、非極性ジアステレオマー、及び5−{[7−クロロ−6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソキノリン−1(2H)−オン、極性ジアステレオマー:
220mg(0.45mモル)の前述のイミンを、ジクロロメタンに溶解し、そして0℃で、ジクロロメタン中、1Mの三臭化硼素溶液4.5mlと共に混合する。氷浴温度での3.5時間の撹拌の後、反応混合物を、氷及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液から成る混合物中に注ぐ。
【0216】
酢酸エチルによる希釈の後、その混合物を2時間、激しく撹拌し、そして有機相を分離する。水性相を、酢酸エチルにより再び抽出し、そして次に、組合された有機抽出物を、水及びブラインにより洗浄する。硫酸ナトリウム上での乾燥の後、溶媒を回転除去し、そして残渣をFlashmaster上でのクロマトグラフィー処理する(アミン相、移動溶媒メタノール/ジクロロメタン)。13.3mg(6.23%)の非極性ジアステレオマー及び3.4mg(1.59%)の極性ジアステレオマーの5−{[7−クロロ−6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソキノリン−1(2H)−オンを得る。
【0217】
非極性ジアステレオマー:1H-NMR (400 MHz, CD3OD), δ = 1.18 (3H), 1.39 (3H),2.28 (1 H), 3.13 (1 H), 4.95 (1 H), 6.73 (2H), 6.88 (1 H), 7.19 (1 H), 7.32 (1 H), 7.68 (1 H)。
極性ジアステレオマー:1H-NMR (400 MHz, CD3OD),δ= 1.29 (3H), 1.42 (3H), 2.36 (1 H), 3.16 (1 H), 5.08 (1 H), 6.74 (1 H), 6.80 (1 H), 7.00 (1 H), 7.12 (1 H), 7.39 (1 H), 7.69 (1 H)。
【0218】
例27:5−{[7−クロロ−6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
195mg(0.41mモル)の5−{[4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンチリデン]アミノ}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンを、記載のようにして環化する。10.1mg(5.34%)非極性ジアステレオマー及び4.7mg(2.48%)の極性ジアステレオマーの5−{[7−クロロ−6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンを単離する。
【0219】
非極性ジアステレオマー:1H-NMR (400 MHz, CD3OD), δ = 1.18 (3H), 1.35 (3H), 2.20 (1 H), 3.09 (1 H), 3.20-3.48 (2H), 4.90 (1 H), 6.19 (1 H), 6.31 (1 H), 6.81 (1 H), 7.02 (1H)。
極性ジアステレオマー:1H-NMR (400 MHz, CD3OD), δ= 1.28 (3H), 1.40 (3H),2.29 (1 H), 3.12 (1 H), 3.28-3.38 (2H), 4.93 (1 H), 6.34 (1 H), 6.50 (1 H), 6.83 (1 H), 7.09 (1 H)。
【0220】
例28:5−{[7−クロロ−6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソクロメン−1−オン
5−{[4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンチリデン]アミノ}−イソクロメン−1−オン及び5−{[4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ヘキシリデン]アミノ}−イソクロメン−1−オンから成る混合物371.9mg(0.76mモル)を、すでに数度、記載されているようにして、三臭化硼酸により環化する。1.5mg(0.83%)の所望する化合物を単離する。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD):δ= 1.13 (3H), 1.43 (3H), 2.39 (1 H), 3.48 (1 H), 5.02 (1 H), 6.74 (1 H), 6.80 (1 H), 7.20 (1 H), 7.38 (1 H), 7.43 (1 H), 7.60 (1 H)。
【0221】
例29:5−{[7−クロロ−6−フルオロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}キノリン−2(1H)−オン
5−{[4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンチリデン]アミノ}−イソキノリン−1(2H)−オン及び5−{[4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ヘキシリデン]アミノ}−イソキノリン−2(1H)−オンから成る混合物264.3mg(0.54mモル)を、三臭化硼酸の助けにより環化する。7.4mg(5.8%)の所望する化合物を単離する。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD):δ= 1.13 (3H), 1.43 (3H), 2.39 (1H), 3.49 (1H), 5.04 (1H), 6.49 (1H), 6.63 (1H), 6.70 (1H), 6.78 (1H), 7.39 (1H), 8.15 (1H)。
【0222】
前述の説明に類似する手段で、さらに次のものを生成することができる:
a)5−{[7−クロロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4,6−トリメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソキノリン−1(2H)−オン
b)5−{[7−クロロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4,6−トリメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
c)5−{[7−クロロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4,6−トリメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソクロメン−1−オン
【0223】
d)3−クロロ−2,7,8−トリメチル−5−[(2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−6−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1,6−ジオール
e)5−{[7−クロロ−2,5−ジヒドロキシ−3,4,6−トリメチル−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}キノリン−2(1H)−オン
f)5−{[2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−7−(プロプ−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソキノリン−1(2H)−オン
【0224】
g)5−{[2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−7−(プロプ−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
h)5−{[2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−7−(プロプ−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}イソクロメン−1−オン
i)5−{[2,5−ジヒドロキシ−3,4−ジメチル−7−(プロプ−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}キノリン−2(1H)−オン
【0225】
j)5,6,7,8−テトラヒドロ−5−[(2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−7,8−ジメチル−3−(プロプ−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)ナフタレン−1,6−ジオール:
k)5−{[6−フルオロ−3,4−ジエチル−2,5−ジヒドロキシ−2−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]アミノ}キノリン−2(1H)−オン
l)2−フルオロ−5−[(2−メチルキナゾリン−5−イル)アミノ]−7,8−ジエチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−6−(トリフルオロメチル)ナフタレン−1,6−ジオール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I):
【化1】

[式中、R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、任意に置換された(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基又はニトロ基を意味し;あるいは
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 -(CH2)n+2-、-NH-(CH2)n+1、 -N(C1-C3-アルキル)- (CH2)n+1及び-NH-N=CH-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基を意味し、又はNR10R11(ここで、R10及びR11は、お互い独立して、水素、C1-C5-アルキル又は(CO)-C1-C5-アルキルであり得る)を意味し;
R3及びR4は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、任意に置換された(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、又は(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基を意味し;
R5は、C1-C10-アルキル基;あるいはヒドロキシ基、ハロゲン原子又は(C1-C5)-アルコキシ基から選択された1又は複数の基により置換されたC1-C10-アルキル基;任意に置換された(C3-C7)-シクロアルキル基;任意に置換されたヘテロシクリル基;任意に置換されたアリール基;単環式又は二環式へテロアリール基(この基は、(C1-C5)-アルキル基(1〜3個のヒドロキシ又は1〜3個のCOOR10基により任意に置換され得る)、(C1-C5)-アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、又は1〜2個の(C1-C3)-エキソアルキリデン基から選択された1又は複数の基により、お互い独立して、任意には置換されるか、又は1〜4個の窒素原子、及び/又は1〜2個の酸素原子、及び/又は1〜2個の硫黄原子、及び/又は1〜2個のケト基を任意に含む)を意味し、ここでこの基は、テトラヒドロナフタレン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得;
R6は、(C1-C5)-アルキル基又は任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、(C3-C7)-シクロアルキル基、(C3-C7)-シクロアルキル(C1-C8)アルキル基、(C3-C7)-シクロアルキル(C2-C8)アルケニル基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリル(C1-C8)アルキル基、ヘテロシクリル(C2-C8)アルケニル基、アリール基、アリール(C1-C8)アルキル基、アリール(C2-C8)アルケニル基、アリール(C2-C8)アルキニル基;単環式又は二環式へテロアリール基(この基は、1又は複数のケト基、(C1-C5)−アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、ハロゲン原子、又は(C1-C3)-エキソアルキリデン基により任意に置換され、そして1又は複数の窒素原子及び/又は酸素原子及び/又は硫黄原子を含む)、ヘテロアリール(C1-C8)アルキル基又はヘテロアリール(C2-C8)アルケニルを意味し、ここでそれらの基は、テトラヒドロナフタレン系に、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得;
R7は、ハロゲン原子、あるいは、OR10、 SR10、 N(R10R11)又は1〜3個のハロゲン原子により任意に置換され得る(C1-C10)−アルキル基を意味し;
R8及びR9は、お互い独立して、水素原子;ハロゲン原子;OR10、 SR10又はN(R10R11)により置換され得る(C1-C5)アルキル基;シアノ基;あるいは環系の炭素原子と一緒に、(C3-C6)-シクロアルキル環;あるいは一緒に、ヒドロキシ、ハロゲン又はシアノにより任意に置換される(C1-C5)-アルキリデン基を意味し、あるいは
R7及びR8は一緒に、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)−アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、又は1〜4個のハロゲン原子により任意に置換された)環状化された5〜8員の飽和又は不飽和の炭素環式化合物又は複素環式化合物を意味する]
で表される立体異性体。
【請求項2】
下記一般式(I):
【化2】

[式中、R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基又はニトロ基を意味し;あるいは
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 及び-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基を意味し、又はNR10R11(ここで、R10及びR11は、お互い独立して、水素、C1-C5-アルキル又は(CO)-C1-C5-アルキルであり得る)を意味し;
R3及びR4は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、又はシアノ基を意味し;
R5は、C1-C10-アルキル基;(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子、又は1〜3個の(C1-C5)-アルコキシ基から選択された1又は複数の基により置換される)(C1-C10)-アルキル基;任意に置換されたフェニル基;単環式又は二環式へテロアリール基(この基は、1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)アルコキシ基、1〜3個のヒドロキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個の(C1〜C3)-エキソアルキリデン基により任意に置換され、そして1〜4個の窒素原子、及び/又は1〜2個の酸素原子、及び/又は1〜2個の硫黄原子、及び/又は1〜2個のケト基を含む)を意味し、ここでそれらの基は、テトラヒドロナフタレン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され、そして1又は複数の部位で任意に水素化され;
R6は、(C1-C5)−アルキル基又は任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、アリール基、アリール(C1-C8)アルキル基、アリール(C2-C8)アルケニル基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C3-C7)シクロアルキル(C1-C8)アルキル基、又は(C3-C7)シクロアルキル(C2-C8)アルケニル基を意味し;
R7は、ハロゲン原子、又は(OR10、 SR10、 N(R10R11)又は1〜3個のハロゲン原子により任意に置換され得る)(C1-C10)−アルキル基を意味し;
R8及びR9は、お互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、(OR10、 SR10又はN(R10R11)により置換されるべき)メチル又はエチル基、シアノ基、又はテトラヒドロナフタレン環の炭素原子と一緒に(C3-C6)-シクロアルキル環、又は一緒になって(C1-C5)-アルキリデン基を意味し;あるいは
R7及びR8は一緒に、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)‐アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、又は1〜4個のハロゲン原子により任意に置換された)環状化された5〜8員の飽和又は不飽和の炭素環式化合物又は複素環式化合物を意味する]
で表される立体異性体。
【請求項3】
下記一般式(I):
【化3】

[式中、R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、又はシアノ基を意味し;あるいは
R1及びR2は、一緒になって基-O-(CH2)n-O-、 -0-(CH2)n-CH2-、 -0-CH=CH-、 及び-(CH2)n+2-から選択された基を意味し、ここでnは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環炭素原子に直接的に結合され;
R3及びR4は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C5)-アルキル基、又は(C1-C5)-アルコキシ基を意味し;
R5は、C1-C10-アルキル基、1〜3個のヒドロキシ基又はハロゲン原子から選択された1又は複数の基により置換されたC1-C10-アルキル基;フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、クロメニル、イソクロメニル、クロメノニル、イソクロメノニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾール又はインドリル基(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のヒドロキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個の(C1-C3)-エキソアルキリデン基から選択された1又は複数の基により、任意に置換される)を意味し、ここでそれらの基は、テトラヒドロナフタレン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され、そして1又は複数の部位で任意に水素化され;
R6は、(C1-C5)-アルキル基、又は任意には、部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基を意味し、
R7は、ハロゲン原子、(OR10、 SR10、N(R10R11)又は1〜3個のハロゲン原子により置換されるべき)メチル又はエチル基を意味し、
R8及びR9は、お互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、(OR10、 SR10又はN(R102により置換されるべき)メチル又はエチル基、シアノ基、又はテトラヒドロナフタレン環の炭素原子と一緒に(C3-C6)-シクロアルキル環、又は一緒になって(C1-C5)-アルキリデン基を意味し;あるいは、
R7及びR8は一緒に、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)‐アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、又は1〜4個のハロゲン原子により任意に置換された)環状化された5〜8員の飽和又は不飽和の炭素環式化合物又は複素環式化合物を意味する]
で表される立体異性体。
【請求項4】
下記一般式(I):
【化4】

[式中、R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、又は一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 及び-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基を意味し;
R3は、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C5)-アルキル基、又は(C1-C5)-アルコキシ基を意味し;
R4は、水素原子を意味し;
R5は、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、クロメニル、イソクロメニル、クロメノニル、イソクロメノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾール又はインドリル基(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のヒドロキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個の(C1-C3)-エキソアルキリデン基から選択された1又は複数の基により、任意に置換される)を意味し、ここでそれらの基は、テトラヒドロナフタレン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され、そして1又は複数の部位で任意に水素化され;
R6は、完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基を意味し;
R7は、メチル又はエチル基を意味し;
R8及びR9は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基、又は一緒になってメチレン又はエチリデン基を意味し;又は
R7及びR8は一緒に、環状5〜8員の飽和又は不飽和炭素環式化合物を意味する]
で表される立体異性体。
【請求項5】
医薬剤の製造のための請求項1〜4のいずれか1項記載の立体異性体の使用。
【請求項6】
炎症性疾患の処理のための医薬剤の製造のための請求項1〜4のいずれか1項記載の立体異性体の使用。
【請求項7】
少なくとも1つの請求項1〜4のいずれか1項記載の立体異性体又はその混合物、及び医薬的に適合できるビークルを含む医薬製剤。
【請求項8】
生理学的に適合できるアニオンとの塩の形での請求項1〜4のいずれか1項記載の一般式Iの立体異性体。
【請求項9】
一般式(I)(特にことわらない限り、基は請求項1に定義される意味を有する)で表される立体異性体の生成方法であって、
a)下記一般式(II):
【化5】

[式中、R1, R2, R3, R4, R7及びR8は、請求項1に言及される意味を有する]
で表される立体異性体を、任意にはルイス酸の存在下でα−ケト酸R6(CO)COOR10との、任意には鏡像選択的に行われたEn反応により、下記一般式(III ):
【化6】

で表される化合物に転換し、式R5-NH2(R5は、請求項1に示される意味を有する)のアミンによる還元及びそれとの反応により、下記一般式(IV):
【化7】

[式中、R1, R2, R3, R4, R5及びR7は請求項1に示される意味を有し、そしてR8aは、アルキリデン基としてR8及びR9の共通する意味に対応する]
で表される化合物を生成し、次に、それらを、追加の試薬を伴わないで、又は−70℃〜80℃の温度で無機又は有機酸、又はルイス酸の添加により、一般式(I)の化合物に環化し;あるいは
b)上記a)に従って生成された式(III )の化合物を、基R9=Hの水素化により、R8及びR9=CH2-CH2による基R9のシクロプロパン化方法により、又は基R9=ハロゲンのヒドロハロゲン化により導入し、そして従って、下記一般式(V):
【化8】

[式中、R1, R2, R3, R4, R6, R7, R8及びR10は請求項1に示される意味を有する]
で表される化合物を生成し、式R5-NH2(ここでR5は請求項1に示される意味を有する)のアミンによる還元及びそれとの反応により、下記一般式(VI):
【化9】

で表される化合物を生成し、これを、追加の試薬を伴わないで、又は−70℃〜80℃の温度で無機又は有機酸、又はルイス酸を添加することにより、一般式Iの化合物に環化する、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
下記式一般式(VI):
【化10】

[式中、R1, R2, R3, R4, R5, R6, R7, R8及びR9は、請求項1に定義される意味を有する]で表される立体異性体を、任意には、無機又は有機酸、又はルイス酸の添加により、環化する、請求項9記載の一般式Iの立体異性体の生成方法。
【請求項11】
請求項9に記載の下記一般式(VI):
【化11】

[式中、R1, R2, R3, R4, R5, R6, R7, R8及びR9は、請求項1に定義される意味を有する]
で表される化合物。
【請求項12】
下記一般式(V):
【化12】

で表される立体異性体を、式R5-NH2の対応するアミンにより還元し、そしてそれと反応させ、一般式(VI)のイミンが形成する、請求項9記載の一般式(I)の化合物の生成方法段階。
【請求項13】
請求項9に記載の下記一般式(V):
【化13】

[式中、R1, R2, R3, R4, R6, R7, R8,R9及びR10は請求項1に定義される意味を有する]
で表される化合物。

【公表番号】特表2008−534463(P2008−534463A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502340(P2008−502340)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002743
【国際公開番号】WO2006/100100
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】