説明

テノホビルジソプロキシルの固形物

本発明はテノホビルジソプロキシルサクシネート、テノホビルジソプロキシルL-タータレート、テノホビルジソプロキシルオキサレート、テノホビルジソプロキシルサッカレート、テノホビルジソプロキシルシトレート、テノホビルジソプロキシルサリチレート、およびそれらの様々な固形物に関わり、それらの調製方法、および、特に抗HIV剤における薬剤として応用した使用に関する。テノホビルジソプロキシルの形態はエファビレンツおよびエムトリシタビンのような他の抗HIV剤と組み合わせて使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なテノホビルジソプロキシルの固形物に関わり、特に有機弱酸とテノホビルジソプロキシルの組合せ、その調製方法および製剤方法、およびその医薬分野、特に抗ウイルス薬分野における適用に関わる。
【背景技術】
【0002】
テノホビルジソプロキシルフマレート(Viread(登録商標)、テノホビルDF、テノホビルジソプロキシル、TDF、Bis-POC-PMPA、9-[(R)-2-[[ビス[[(イソプロポキシカルボニル)オキシ]メトキシ]ホスフィニル]メトキシ)プロピル]アデニン(米国特許第5,935,946号、第5,922,695号、第5,977,089号、第6,043,230号、第6,069,249号)としても知られる)は、テノホビルのプロドラッグである。
【0003】
テノホビルジソプロキシルフマレートの化学名は、9-[(R)-2-[[ビス[[(イソプロポキシカルボニル)オキシ]メトキシ]ホスフィニル]メトキシ)プロピル]アデニンフマレート(1:1)である。CAS登録番号は202138-50-9である。これはC19H30N5O10P・C4H4O4の分子式、635.52の分子量を有する。これは以下に示す構造式を有する。
【0004】
【化1】

【0005】
テノホビルジソプロキシルフマレート(DF)は、他の抗レトロウイルス薬と併用されるHIV-I感染症を治療するための、米国において認可されたヌクレオチド逆転写酵素阻害剤である。テノホビルジソプロキシルDFは、Viread(登録商標)(Gilead Science社)として入手可能である。
【0006】
開発されてきた抗HIV薬の中には、HIV逆転写(RT)酵素またはプロテアーゼ酵素を標的としているものがあり、これらの両酵素ともウイルスを複製するために必要である。RT阻害剤の例には、ヌクレオシド/ヌクレオチドRT阻害剤(NRTIs)および非ヌクレオシドRT阻害剤(NNRTIs)が含まれる。現在、HIV感染患者は、通常3つの薬の併用療法を受けている。(少なくとも)3つのNRTIs; 2つのNRTIsと、1つまたは2つのプロテアーゼ阻害剤(PI)の併用; または2つのNRTIsと、1つのNNRTIの併用、を含む療法(regimen)が広く使用されている。これらの併用において2つまたはそれ以上のPIを使用する場合、PIの中の1つはたいてい、少ない補助治療量で与えられるリトナビルであって、これはその療法において他のPI(s)の除去に対する有効な阻害剤として働き、その結果、ウイルスに対する最大の抑制をもたらし、かつそれによって耐性発現を低下させる。
【0007】
臨床研究は、これら抗HIV薬の3つの薬の併用が、単独で用いられる薬または2つの薬の併用よりも、疾患の進行および死を防ぐことに、はるかに有効であることを示した。そのような薬の様々な組合せに関する薬の併用の多数の研究によって、そのような併用がHIVに感染したヒトの疾患の進行および死を大きく低減することを証明してきた。抗HIV薬の併用に現在一般的に付けられている名称は、HAART(高活性抗レトロウイルス療法)である。
【0008】
テノホビルDFはとりわけ国際公開99/05150号パンフレットおよび欧州特許第998480号明細書に記載されている。この結晶形は約4.9、10.2、10.5、18.2、20.0、21.9、24.0、25.0、25.5、27.8、30.1、および30.4にXRPDのピークを有するものとして特徴付けられている。さらにこれらの結晶は、不透明または灰白色であり、約116℃で始まる約118℃におけるDSC吸収ピークを示し、IRスペクトルは約3224、3107から3052、2986から2939、1759、1678、1620、1269、および1102のcm-1で表される特性バンドを示す、と記載されている。かさ密度は約0.15〜0.30g/mL、通常約0.2〜0.25g/mLであると記載されている。吸湿性は産業上の制限である4%よりかなり高く、安定性を確保するためには包装した製品中に乾燥剤を必要とする。
【0009】
テノホビルDFの詳細な多形スクリーニングを実施した後、テノホビルDFは極めて多様な形態を有し、1つの形態から他の形態への変換は湿式造粒法などの通常の工程条件でも起こり得ることが分かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開99/05150
【特許文献2】欧州特許第998480号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Ansel et al.、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、7th ED
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明者らの目的は、現在のテノホビルジソプロキシルフマレートに伴う問題を解決することであり、これはテノホビルジソプロキシルと他の有機弱酸との組合せを探すことによる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、テノホビルジソプロキシルの新規な固形物に関する。本発明者らは新規な固形物を同定し、ここではテノホビルジソプロキシルのサクシネート、オキサレート、サッカレート、タータレート、シトレート、およびサリチレートとして表される。これらの固形物は塩、多形塩、共結晶、または共結晶の多形であることができる。本発明者らは、特にサクシネートULT-1が、公知のTDF 1:1と比較して改善された溶解性と同時に、大きく低下した吸湿性を示すことを発見した。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図1B】テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1のDSCサーモグラムを示す図である。
【図1C】テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1のTGAサーモグラムを示す図である。
【図1D】テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1のDVS等温線のプロットを示す図である。
【図2A】テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図2B】テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2のDSCサーモグラムを示す図である。
【図2C】テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2のTGAサーモグラムを示す図である。
【図3A】テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-3の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図3C】テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-3のTGAサーモグラムを示す図である。
【図4A】テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図4B】テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1のDSCサーモグラムを示す図である。
【図4C】テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1のTGAサーモグラムを示す図である。
【図5A】テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-2の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図5C】テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-2のTGAサーモグラムを示す図である。
【図6A】テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図6B】テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3のDSCサーモグラムを示す図である。
【図6C】テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3のTGAサーモグラムを示す図である。
【図7A】テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-4の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図8A】テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図8B】テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1のDSCサーモグラムを示す図である。
【図8C】テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1のTGAサーモグラムを示す図である。
【図9A】テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図9B】テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2のDSCサーモグラムを示す図である。
【図9C】テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2のTGAサーモグラムを示す図である。
【図10A】テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図10B】テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3のDSCサーモグラムを示す図である。
【図10C】テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3のTGAサーモグラムを示す図である。
【図11A】テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-4の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図12A】テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-1の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図12B】テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-1のDSCサーモグラムを示す図である。
【図13A】テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図13B】テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2のDSCサーモグラムを示す図である。
【図13C】テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2のTGAサーモグラムを示す図である。
【図14A】テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図14B】テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3のDSCサーモグラムを示す図である。
【図14C】テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3のTGAサーモグラムを示す図である。
【図15A】テノホビルジソプロキシルシトレートTDCI ULT-1の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図16A】テノホビルジソプロキシルサリチレートTDSY ULT-1の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図17A】テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-4の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図17B】テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-4のDSCサーモグラムを示す図である。
【図17C】テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-4のTGAサーモグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
テノホビルジソプロキシルサクシネート
(テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-1)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネート(ここではTDSU ULT-1として定義される)を提供し、TDSU ULT-1は、4.9、9.5、10.3、11.5、13.3、14.7、17.9、18.2、19.1、24.7、29.8度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの、特に好ましくは少なくとも10の、最も好ましくは11の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0016】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-1は、以下のXRPDピーク(表1)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0017】
【表1】

【0018】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-1は、実質的に図1Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0019】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-1は、実質的に図1Bに従うDSCによって特徴付けることができる。
【0020】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-1は、実質的に図1Cに従うTGAによって特徴付けることができる。
【0021】
別の一実施形態においては、本発明のTDSU ULT-1は、102℃で始まり110℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。
【0022】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはメタノール、エーテル、アセトン、アセトニトリル、またはこれらの混合物(例えば50/50 v/vメタノール-エーテル)の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0023】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはメタノール、エーテル、アセトン、アセトニトリル、またはこれらの混合物(例えば50/50 v/vメタノール-エーテル)の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0024】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはメタノール、エーテル、アセトン、アセトニトリル、またはこれらの混合物(例えば50/50 v/vメタノール-エーテル)の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0025】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはメタノール、エーテル、アセトン、アセトニトリル、またはこれらの混合物(例えば50/50 v/vメタノール-エーテル)の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0026】
(テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-2)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネート(ここではTDSU ULT-2として定義される)を提供し、TDSU ULT-2は、4.8、6.6、9.5、10.6、12.6、13.4、17.2、18.4、19.0、21.3、24.1度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの、特に好ましくは少なくとも10の、最も好ましくは11の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0027】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-2は、以下のXRPDピーク(表2)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0028】
【表2】

【0029】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-2は、実質的に図2Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0030】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-2は、実質的に図2Bに従うDSCによって特徴付けることができる。
【0031】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-2は、実質的に図2Cに従うTGAによって特徴付けることができる。
【0032】
別の一実施形態においては、本発明のTDSU ULT-2は、92.6℃で始まり107.7℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。
【0033】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、1,4-ジオキサン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0034】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、1,4-ジオキサン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0035】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、1,4-ジオキサン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0036】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、1,4-ジオキサン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0037】
(テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-3)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネート(ここではTDSU ULT-3として定義される)を提供し、TDSU ULT-3は、4.8、9.5、10.3、11.0、11.7、13.2、14.0、17.1、18.2、19.1、23.3、23.6度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの、特に好ましくは少なくとも10の、最も好ましくは11の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0038】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-3は、以下のXRPDピーク(表3)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0039】
【表3】

【0040】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-3は、実質的に図3Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0041】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-3は、実質的に図3Cに従うTGAによって特徴付けることができる。
【0042】
熱分析より、固体のTDSU ULT-3は無水物と結論付けられる。
【0043】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-3の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトンの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0044】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-3の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトンの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0045】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-3の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトンの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0046】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-3の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトンの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0047】
テノホビルジソプロキシルタータレート
(テノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-1)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルL-タータレート(ここではTDTA ULT-1として定義される)を提供し、TDTA ULT-1は、4.9、8.8、9.6、12.8、13.5、14.6、16.2、18.9、20.8、21.5、22.3度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの、特に好ましくは少なくとも10の、最も好ましくは11の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0048】
別の一実施形態においては、TDTA ULT-1は、以下のXRPDピーク(表4)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0049】
【表4】

【0050】
別の一実施形態においては、TDTA ULT-1は、実質的に図4Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0051】
別の一実施形態においては、TDTA ULT-1は、実質的に図4Bに従うDSCによって特徴付けることができる。
【0052】
別の一実施形態においては、TDTA ULT-1は、実質的に図4Cに従うTGAによって特徴付けることができる。
【0053】
別の一実施形態においては、本発明のTDTA ULT-1は、79.0℃で始まり98.1℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。
【0054】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、アセトニトリル、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0055】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、アセトニトリル、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0056】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、アセトニトリル、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0057】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、アセトニトリル、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸の溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0058】
(テノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-2)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルL-タータレート(ここではTDTA ULT-2として定義される)を提供し、TDTA ULT-2は、5.2、7.8、8.8、9.1、10.4、11.8、12.9、13.7、14.8、15.9、16.4、18.2、20.4、21.2、22.4、24.0度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの、特に好ましくは少なくとも10の、最も好ましくは11の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。さらに好ましい一実施形態においては、少なくとも12の、より好ましくは少なくとも13の、さらにより好ましくは少なくとも14の、特に好ましくは少なくとも15の、最も好ましくは16の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0059】
別の一実施形態においては、TDTA ULT-2は、以下のXRPDピーク(表5)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0060】
【表5】

【0061】
別の一実施形態においては、TDTA ULT-2は、実質的に図5Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0062】
別の一実施形態においては、TDTA ULT-2は、実質的に図5Cに従うTGAによって特徴付けることができる。
【0063】
熱分析より、固体のTDTA ULT-2は無水物と結論付けられる。
【0064】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-2の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトニトリルの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0065】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-2の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトニトリルの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0066】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-2の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトニトリルの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0067】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-2の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトニトリルの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0068】
(テノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-3)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルL-タータレート(ここではTDTA ULT-3として定義される)を提供し、TDTA ULT-3は、4.9、9.0、11.9、13.0、13.8、15.0、17.9、19.3、20.08、21、21.6、22.5、23.1、23.6、26.5、28.3度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの、特に好ましくは少なくとも10の、最も好ましくは11の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。さらに好ましい一実施形態においては、少なくとも12の、より好ましくは少なくとも13の、さらにより好ましくは少なくとも14の、特に好ましくは少なくとも15の、最も好ましくは16の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0069】
別の一実施形態においては、TDTA ULT-3は、以下のXRPDピーク(表6)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0070】
【表6】

【0071】
別の一実施形態においては、TDTA ULT-3は、実質的に図6Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0072】
別の一実施形態においては、TDTA ULT-3は、実質的に図6Bに従うDSCによって特徴付けることができる。
【0073】
別の一実施形態においては、TDTA ULT-3は、実質的に図6Cに従うTGAによって特徴付けることができる。
【0074】
別の一実施形態においては、本発明のTDTA ULT-3は、80℃で始まり105℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。
【0075】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトン、テトラヒドロフラン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0076】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトン、テトラヒドロフラン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0077】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトン、テトラヒドロフラン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0078】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトン、テトラヒドロフラン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0079】
(テノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-4)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルL-タータレート(ここではTDTA ULT-4として定義される)を提供し、TDTA ULT-4は、5.1、8.9、10.0、12.7、13.7、14.7、15.7、17.7、20.0、20.9、21.6、25.4度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの、特に好ましくは少なくとも10の、最も好ましくは11の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。別の一実施形態においては、TDTA ULT-4は、以下のXRPDピーク(表7)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0080】
【表7】

【0081】
別の一実施形態においては、TDTA ULT-4は、実質的に図7Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0082】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-4の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトニトリルの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-4を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0083】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-4の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトニトリルの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-4を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0084】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-4の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトニトリルの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-4を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0085】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-4の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトニトリルの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-4を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0086】
テノホビルジソプロキシルオキサレート
(テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-1)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレート(ここではTDOX ULT-1として定義される)を提供し、TDOX ULT-1は、3.8、7.6、9.3、15.0、16.4、17.7、19.6、22.6度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの、特に好ましくは少なくとも10の、最も好ましくは11の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0087】
別の一実施形態においては、TDOX ULT-1は、以下のXRPDピーク(表8)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0088】
【表8】

【0089】
別の一実施形態においては、TDOX ULT-1は、実質的に図8Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0090】
別の一実施形態においては、TDOX ULT-1は、実質的に図8Bに従うDSCによって特徴付けることができる。
【0091】
別の一実施形態においては、TDOX ULT-1は、実質的に図8Cに従うTGAによって特徴付けることができる。
【0092】
別の一実施形態においては、本発明のTDOX ULT-1は、48.0℃で始まり64.8℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。本発明のTDOX ULT-1は、さらに、112.6℃で始まり118.6℃で特徴的なピークを有する、および/または130.7℃で始まり148.2℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。
【0093】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、アセトニトリル、メタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0094】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、アセトニトリル、メタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0095】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、アセトニトリル、メタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0096】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、アセトニトリル、メタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0097】
(テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-2)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレート(ここではTDOX ULT-2として定義される)を提供し、TDOX ULT-2は、3.8、7.6、9.3、15.0、16.4、17.7、19.6、22.6度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0098】
別の一実施形態においては、TDOX ULT-2は、以下のXRPDピーク(表9)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0099】
【表9】

【0100】
別の一実施形態においては、TDOX ULT-2は、実質的に図9Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0101】
別の一実施形態においては、TDOX ULT-2は、実質的に図9Bに従うDSCによって特徴付けることができる。
【0102】
別の一実施形態においては、TDOX ULT-2は、実質的に図9Cに従うTGAによって特徴付けることができる。
【0103】
別の一実施形態においては、本発明のTDOX ULT-2は、106.0℃で始まり117.1℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。本発明のTDOX ULT-2は、さらに、130.3℃で始まり145.0℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。熱分析より、固体のTDOX ULT-2は無水物と結論づけられる。
【0104】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0105】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0106】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0107】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0108】
(テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-3)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレート(ここではTDOX ULT-3として定義される)を提供し、TDOX ULT-3は、3.9、7.7、9.4、16.1、16.8、17.5、18.8、19.7、21.6、22.4、24.0、28.1度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの、特に好ましくは少なくとも10の、最も好ましくは11の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。さらに好ましい一実施形態においては、少なくとも12の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0109】
別の一実施形態においては、TDOX ULT-3は、以下のXRPDピーク(表10)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0110】
【表10】

【0111】
別の一実施形態においては、TDOX ULT-3は、実質的に図10Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0112】
別の一実施形態においては、TDOX ULT-3は、実質的に図10Bに従うDSCによって特徴付けることができる。
【0113】
別の一実施形態においては、TDOX ULT-3は、実質的に図10Cに従うTGAによって特徴付けることができる。
【0114】
別の一実施形態においては、本発明のTDOX ULT-3は、78.4℃で始まり90.9℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。本発明のTDOX ULT-3は、114.2℃で始まり122.3℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。本発明のTDOX ULT-3は、128.1℃で始まり144.2℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。熱分析より、固体のTDOX ULT-3は無水物と結論づけられる。
【0115】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくは水、アセトン、1,4-ジオキサン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0116】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくは水、アセトン、1,4-ジオキサン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0117】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくは水、アセトン、1,4-ジオキサン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0118】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくは水、アセトン、1,4-ジオキサン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0119】
(テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-4)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレート(ここではTDOX ULT-4として定義される)を提供し、TDOX ULT-4は、3.9、7.8、8.5、9.6、10.9、15.7、17.1、18.8、20.4、23.6度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの、特に好ましくは少なくとも10の、最も好ましくは11の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。別の一実施形態においては、TDOX ULT-4は、以下のXRPDピーク(表11)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0120】
【表11】

【0121】
別の一実施形態においては、TDOX ULT-4は、実質的に図11Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0122】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-4の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはメタノール、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-4を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0123】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-4の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはメタノール、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-4を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0124】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-4の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはメタノール、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-4を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0125】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-4の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはメタノール、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-4を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0126】
テノホビルジソプロキシルサッカレート
(テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-1)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレート(ここではTDSA ULT-1として定義される)を提供し、TDSA ULT-1は、3.3、4.1、7.6、10.4、13、13.6、17.9、18.7、22.7度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0127】
別の一実施形態においては、TDSA ULT-1は、以下のXRPDピーク(表12)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0128】
【表12】

【0129】
別の一実施形態においては、TDSA ULT-1は、実質的に図12Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0130】
別の一実施形態においては、TDSA ULT-1は、実質的に図12Bに従うDSCによって特徴付けることができる。
【0131】
別の一実施形態においては、本発明のTDSA ULT-1は、95.0℃で始まり116.0℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。
【0132】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-1の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、ニトロメタン、ニトロエタン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0133】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、ニトロメタン、ニトロエタン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0134】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、ニトロメタン、ニトロエタン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0135】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルム、ニトロメタン、ニトロエタン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0136】
(テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-2)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレート(ここではTDSA ULT-2として定義される)を提供し、TDSA ULT-2は、3.4、6.2、15.3、15.6、16.2、19.7、22.4、24.4度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0137】
別の一実施形態においては、TDSA ULT-2は、以下のXRPDピーク(表13)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0138】
【表13】

【0139】
別の一実施形態においては、TDSA ULT-2は、実質的に図13Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0140】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0141】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0142】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0143】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0144】
(テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-3)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレート(ここではTDSA ULT-3として定義される)を提供し、TDSA ULT-2は、3.94、7.57、10.42、12.58、15.34、16.46、17.68、20.46、21.94、24.66度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの、特に好ましくは少なくとも10の、最も好ましくは11の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。さらに好ましい一実施形態においては、少なくとも12の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0145】
別の一実施形態においては、TDSA ULT-3は、以下のXRPDピーク(表14)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0146】
【表14】

【0147】
別の一実施形態においては、TDSA ULT-3は、実質的に図14Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0148】
別の一実施形態においては、TDSA ULT-3は、実質的に図14Bに従うDSCによって特徴付けることができる。
【0149】
別の一実施形態においては、TDSA ULT-3は、実質的に図14Cに従うTGAによって特徴付けることができる。
【0150】
別の一実施形態においては、本発明のTDSA ULT-3は、68.0℃で始まり83.9℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。本発明のTDSA ULT-3は、94.1℃で始まり98.6℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。熱分析より、固体のTDSA ULT-3は無水物と結論づけられる。
【0151】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0152】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0153】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0154】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0155】
テノホビルジソプロキシルシトレート
(テノホビルジソプロキシルシトレート TDCI ULT-1)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルシトレート(ここではTDCI ULT-1として定義される)を提供し、TDCI ULT-1は、5.0、7.7、8.2、10.0、11.0、15.4、16.8、17.7、19.2、20.5、21.8、26.5、27.6度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0156】
別の一実施形態においては、TDCI ULT-1は、以下のXRPDピーク(表15)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0157】
【表15】

【0158】
別の一実施形態においては、TDCI ULT-1は、実質的に図15Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0159】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルシトレートTDCI ULT-1の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とクエン酸を溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルシトレートTDCI ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0160】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルシトレートTDCI ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とクエン酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルシトレートTDCI ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0161】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルシトレートTDCI ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とクエン酸を溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルシトレートTDCI ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0162】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルシトレートTDCI ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とクエン酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルシトレートTDCI ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0163】
テノホビルジソプロキシルサリチレート
(テノホビルジソプロキシルサリチレート TDSY ULT-1)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルサリチレート(ここではTDSY ULT-1として定義される)を提供し、TDSY ULT-1は、3.9、5.1、6.5、9.7、15.2、16.3、17.8、19.0、21.7、22.4、24.0、27.3度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0164】
別の一実施形態においては、TDSY ULT-1は、以下のXRPDピーク(表16)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0165】
【表16】

【0166】
別の一実施形態においては、TDSY ULT-1は、実質的に図16Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0167】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルサリチレートTDSY ULT-1の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサリチル酸を溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサリチレートTDSY ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0168】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサリチレートTDSY ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサリチル酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサリチレートTDSY ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0169】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサリチレートTDSY ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサリチル酸を溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサリチレートTDSY ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0170】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサリチレートTDSY ULT-1の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはアセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサリチル酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサリチレートTDSY ULT-1を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0171】
(テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-4)
一態様において、本発明は結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネート(ここではTDSU ULT-4として定義される)を提供し、TDSU ULT-4は、4.9、9.5、10.3、11.6、13.3、14.5、17.4、18.2、19.2、24.6、28.4、29.6、33.8度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピークを有することで特徴付けられる。好ましい一実施形態においては、少なくとも7つの、より好ましくは少なくとも8つの、さらにより好ましくは少なくとも9つの、特に好ましくは少なくとも10の、最も好ましくは11の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。さらに好ましい一実施形態においては、少なくとも12の、より好ましくは少なくとも13の粉末X線回折ピークが上記の群から選択される。
【0172】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-4は、以下のXRPDピーク(表17)の組によって特徴付けることができ、および任意選択でそこに関連付けられた強度によって特徴付けられてもよい。
【0173】
【表17】

【0174】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-4は、実質的に図17Aに従うXRPDによって特徴付けることができる。
【0175】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-4は、実質的に図17Bに従うDSCによって特徴付けることができる。
【0176】
別の一実施形態においては、TDSU ULT-4は、実質的に図17Cに従うTGAによって特徴付けることができる。
【0177】
別の一実施形態においては、本発明のTDSU ULT-4は、78.0℃で始まり101.9℃で特徴的なピークを有するDSCによって特徴付けることができる。熱分析より、固体のTDSU ULT-4は無水物と結論づけられる。
【0178】
本発明は一態様において、テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-4の結晶形の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはメタノールの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、その溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-4を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0179】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-4の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物、好ましくはメタノール、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサリチレートTDSU ULT-4を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0180】
本発明は一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-4の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサリチレートTDSU ULT-4を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0181】
本発明は別の一態様において、結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-4の調製方法に関わり、これは、本明細書中で下記の「溶媒」で開示される好適な1つの溶媒、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサリチレートTDSU ULT-4を結晶化させる工程とを含む方法に関わる。
【0182】
(純度)
本発明の一態様において、本発明のテノホビルジソプロキシルの上記すべての形態は、独立して、実質的に純粋な形態であり、好ましくは他のアモルファス、および/または結晶性固形物の形態を実質的に含まない。この点において、「実質的に純粋」とは、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の純粋化合物に関わる。この点において、「他のアモルファス、および/または結晶性固形物の形態を実質的に含まない」とは、約20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%以下しか、これら他のアモルファス、および/または結晶性固体の形態が、本発明による形態中に存在しないことを意味する。
【0183】
(溶媒)
本発明の形態の調製方法の、特定の実施形態において、蒸発晶析、熱濾過、貧溶媒添加、種結晶による晶析、および/またはスラリー晶析のための溶媒は、好ましくは、(R)-(-)-2-オクタノール、1,2-ジエトキシエタン、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、1-ブタノール、1-ヘプタノール、1-ヘキサノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-ニトロプロパン、1-オクタノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、2-ブタノン、2-エトキシエタノール、酢酸2-エトキシエチル、2-ヘキサノール、2-メトキシエタノール、2-ニトロプロパン、2-ペンタノール、2-プロパノール、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセトン、アセトニトリル、ブチロニトリル、シクロヘキサノール、シクロペンタノール、シクロペンタノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エタノール、ギ酸エチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテル、フルフリルアルコール、イソブタノール、酢酸イソプロピル、メタノール、酢酸メトキシエチル、酢酸メチル、酪酸メチル、プロピオン酸メチル、メチル-4-2-ペンタノール、n,n-ジメチルアセトアミド、n,n-ジメチルホルムアミド、ニトロベンゼン、ニトロエタン、ニトロメタン、n-メチルピロリドン、プロピオニトリル、酢酸プロピル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、tert-ブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフルフリルアルコール、テトラヒドロピラン、水またはこれらの混合物からなる群から選択される。
【0184】
本発明のテノホビルジソプロキシルの固形物の調製方法の、特定の実施形態において、晶析のための熱濾過のための溶媒は、好ましくは、(R)-(-)-2-オクタノール、1,2-ジエトキシエタン、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、1-ブタノール、1-ニトロプロパン、1-プロパノール、2-ブタノン、酢酸2-エトキシエチル、2-メチル-4-ペンタノール、2-ニトロプロパン、2-プロパノール、アセトン、アセトニトリル、シクロペンタノール、エタノール、イソブタノール、酢酸イソプロピル、メタノール、メトキシ-2-1-プロパノール、プロピオン酸メチル、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、tert-ブタノール、テトラヒドロフラン、水、またはこれらの混合物からなる群から選択される。
【0185】
本発明の固形物の調製方法の、特定の実施形態において、溶媒/貧溶媒による晶析のための溶媒は、好ましくは、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン、2-ブタノン、アセトン、アセトニトリル、アミルエーテル、ブチルベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ヘキサフルオロベンゼン、メタノール、n-ヘプタン、ニトロメタン、N-メチルピロリドン、tert-ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、水、またはこれらの混合物からなる群から選択される。
【0186】
本発明の形態の方法の、特定の実施形態において、貧溶媒晶析のための貧溶媒は、好ましくは、1,2-ジクロロエタン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン、アセトン、アミルエーテル、ブチルベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ヘキサフルオロベンゼン、n-ヘプタン、ニトロメタン、tert-ブチルメチルエーテル、トルエン、またはこれらの混合物からなる群から選択される。
【0187】
本発明の形態の調製方法の、特定の実施形態において、種結晶による晶析のための溶媒は、好ましくは、メタノール、水、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、酢酸2-エトキシエチル、2-メチル-4-ペンタノール、テトラヒドロフラン、ブチルベンゼン、アミルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、シクロペンタノン、またはこれらの混合物からなる群から選択される。
【0188】
本発明の形態の調製方法の、特定の実施形態において、スラリー晶析のための溶媒は、好ましくは、水、メタノール、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、またはこれらの混合物からなる群から選択される。
【0189】
(製剤処方)
本発明は、さらにテノホビルDFの新規な結晶形を含む製剤処方にも関わる。
【0190】
本発明の製剤処方は、ここで開示した、本発明による1つまたは複数の結晶形を含む。本発明はまた、本発明による1つまたは複数の結晶形を含む、製剤組成物も提供する。本発明の製剤処方は、活性成分として本発明による1つまたは複数の結晶形を含み、任意選択で他の結晶形との混合物でもよい。
【0191】
本発明による製剤処方は、さらに、ここで記載した固形物に加え、追加の医薬活性成分、好ましくは抗HIV薬、およびさらに好ましくはエファビレンツおよび/またはエムトリシタビンを含んでもよい。
【0192】
活性成分に加え、本発明の製剤処方は、1つまたは複数の賦形剤を含んでもよい。賦形剤は様々な目的で処方に加えられる。
【0193】
希釈剤は固形の製剤組成物のかさを増加させ、患者および介護者にとって、本組成物を含む製剤の投与形態をより容易に取扱えるようにし得る。固形の組成物のための希釈剤には、例えば、微結晶セルロース(例えばAvicel(登録商標))、微粒化セルロース、乳糖、デンプン、アルファ化デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖類、デキストレート、デキストリン、ブドウ糖、二塩基性リン酸カルシウムの二水和物、三塩基性リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えばEudragit(登録商標))、塩化カリウム、粉末セルロース、塩化ナトリウム、ソルビトールおよび滑石を含む。
【0194】
タブレットなどの投与形態に固められた固形の製剤組成物は、活性成分と他の賦形剤を圧縮後に一緒に結合することを助ける機能を有する賦形剤を含んでいてもよい。固形の製剤組成物のための結合剤は、アカシア、アルギン酸、カルボマー(例えばCarbopol)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、水素化植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えばKlucel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばMethocel(登録商標))、液体グルコース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリレート、ポビドン(例えばKollidon(登録商標)、Plasdone(登録商標))、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、およびデンプンを含む。
【0195】
患者の胃の中における、固められた固形の製剤組成物の溶解速度は、その組成物に崩壊剤を添加することによって速くなり得る。崩壊剤には、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えばAc-Di-Sol(登録商標)、Primellose(登録商標))、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えばKollidon(登録商標)、Polyplasdone(登録商標))、グアーガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末セルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、グルコール酸デンプンナトリウム(例えばExplotab(登録商標))、およびデンプンが含まれる。
【0196】
流動促進剤は、固められていない固形の組成物の流動性を改善するため、および投薬精度を改善するために加えることができる。流動促進剤としての機能を持つ賦形剤は、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、滑石、および三塩基性リン酸カルシウムを含む。
【0197】
タブレットなどの投与形態が、粉末の組成物を固めることによって作られる場合、組成物はパンチ(punch)やダイ(dye)からの圧力を受ける。いくつかの賦形剤および活性成分は、パンチやダイの表面に付着する傾向を持っており、これによって製品に、穴およびその他の表面のむらが起こり得る。潤滑剤は、付着性を低減し、ダイから製品を剥離しやすくするために本組成物に加えることができる。潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、水素化ヒマシ油、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、滑石、およびステアリン酸亜鉛を含む。香味料(flavoring agents)および香味増強剤(flavor enhancers)は、患者にとって投与形態の口当たりをより良くする。薬剤製品のための一般的な香味料および香味増強剤が、本発明の組成物の中に含まれてもよく、それは、マルトール、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトール、および酒石酸が含まれる。固体および液体の組成物は、外見の改善および/または患者が製品および投与量単位を識別することを容易にするために、医薬として許容される着色料によって染色されてもよい。
【0198】
本発明の液体の製剤組成物において、本発明の結晶形および任意の他の固形賦形剤は、水、植物油、アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、またはグリセリンなどの液体キャリアの中に懸濁している。
【0199】
液体の製剤組成物は、液体キャリアに不溶な活性成分または他の賦形剤を組成物中に均一に分散させるために、乳化剤を含んでもよい。本発明の液体組成物に有用であり得る乳化剤には、例えば、ゼラチン、卵黄、カゼイン、コレステロール、アカシア、トラガカント、コンドラス(chondrus)、ペクチン、メチルセルロース、カルボマー、セトステアリルアルコール、およびセチルアルコールが含まれる。
【0200】
本発明の液体の製剤組成物は、製品の食感(mouth-feel)を改善するため、および/または消化管内面を被膜するために増粘剤を含んでもよい。このような物質には、アカシア、アルギン酸ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースカルシウムまたはナトリウム、セトステアリルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチングアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、プロピレンカーボネート、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、グリコールデンプンナトリウム、スターチトラガカント、およびキサンタンガムが含まれる。
【0201】
甘味料、例えばソルビトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクロース、アスパルテーム、フルクトース、マンニトール、および転化糖を、味を改善するために加えてもよい。防腐剤およびキレート剤、例えばアルコール、安息香酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシルトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、およびエチレンジアミン四酢酸を、保存安定性を改善するために、安全な摂取量で添加してもよい。本発明によると、液体組成物は、バッファー、例えばグルコン酸、乳酸、クエン酸または酢酸、グルコン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムまたは酢酸ナトリウム、を含んでもよい。賦形剤の選択および使用量は、処方の科学者にとって、経験および標準の手順ならびにこの分野の参考文献に基づいて、容易に決めることができる。
【0202】
眼または他の外部組織、例えば口および皮膚、の感染症のために、本処方は好ましくは、活性成分を含む局所軟膏またはクリームとして使用され、活性成分の量としては、例えば、0.01〜10% w/w(0.6% w/w、0.7% w/wなどのように0.1%と5%の間の範囲で0.1%きざみの活性成分を含む)、好ましくは0.2〜3%、および最も好ましくは0.5%〜2%の範囲である。軟膏として処方された場合、活性成分はパラフィン系または水混和性のどちらかの軟膏基剤と一緒に用いられてもよい。
【0203】
代わりの方法として、活性成分は水中油型クリーム基剤と一緒に、クリームとして処方されてもよい。
【0204】
所望する場合は、クリーム基剤の水相は、例えば少なくとも30% w/wの多価アルコール(つまり2つまたはそれ以上のヒドロキシル基を持つアルコール)、例えば、プロピレングリコール、ブタン1,3ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、およびポリエチレングリコール(PEG400を含む)、またはこれらの混合物を含んでもよい。局所処方は、望ましくは、皮膚または他の患部を通して、活性成f分の吸収または浸透を促進する化合物を含んでいてもよい。そのような皮膚透過促進剤の例は、ジメチルスルホキシド、および関連する類似物質を含む。
【0205】
本発明のエマルションの油相は、公知の方法によって、公知の成分から構成されていてもよい。油相は単に乳化剤(もしくはエマルジェント(emulgent)として知られる)を含んでもよく、望ましくは、少なくとも1つの脂(fat)または油(oil)、もしくは脂と油の両方と、乳化剤との混合物を含む。好ましくは、親水性の乳化剤は、安定剤として働く親油性の乳化剤と一緒に含まれる。油相はまた、油および脂の両方を含むことが好ましい。安定剤を含むまたは含まない乳化剤は、乳化ワックスを一緒に構成し、そのワックスは油および油と一緒に、クリーム処方の油の分散相を形成する、乳化軟膏基剤を構成する。
【0206】
本発明の処方において好適に用いられるエマルジェントおよび乳化安定剤には、Tween8 60、Spans 80、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、およびラウリル硫酸ナトリウムが含まれる。
【0207】
処方のための好適な油または脂の選択は、所望の外見特性を得ることに基づいて行う。したがって、クリームは、好ましくは脂っぽくなく、着色がなく、水で洗浄可能な製品であるべきであり、チューブまたは他の容器からの漏れを防ぐための好適な硬さを備えているべきである。
【0208】
直鎖または分岐鎖の、一塩基または二塩基酸アルキルエステル、例えばジイソアジペート、ステアリン酸イソセチル、ヤシ油脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、またはCrodamol CAPとして知られる分岐鎖エステルのブレンド物を使用してもよく、最後の3つが好ましいエステルである。これらは、所望の特性によって、単独もしくは組み合わせて使用してもよい。代わりに、高融点の脂質、例えば軟性白色ワックスおよび/または流動パラフィンもしくは他の鉱油を使用することができる。
【0209】
眼への局所性投与のために好適な処方は、点眼薬を含み、それは活性成分が、好適なキャリア、特に活性成分のための水性溶媒に、溶解または懸濁している。活性成分は、そのような処方中に0.01〜20%、いくつかの実施形態においては0.1〜10%、および他では1.0% w/wの濃度で存在することが適している。
【0210】
口への局所性投与のために好適な処方には、風味付けされた基剤(通常スクロースおよびアカシアあるいはトラガカント)の中に活性成分を含むロゼンジ(lozenge)、不活性な基剤(例えばゼラチンとグリセリン、またはスクロースとアカシア)の中に活性成分を含むパスティーユ(pastille)、および好適な液体キャリアの中に活性成分を含む口内洗浄液、が含まれる。
【0211】
直腸投与のための処方は、例えば、ココアバターまたはサリチレートを含む好適な基剤と一緒の坐薬として存在してもよい。
【0212】
キャリアが固体の、鼻もしくは吸入による投与のための処方は、例えば1〜500ミクロン(30ミクロン、35ミクロンなどのように20と500ミクロンの間の範囲で5ミクロンきざみの粒子サイズを含む)の範囲の粒子サイズを持つ粉末を含む。キャリアが液体の、投与に好適な処方は、例えば鼻スプレー、または点鼻薬であり、これは活性成分の水性または油性の溶液を含む。
【0213】
エアロゾル投与のために好適な処方は、従来の方法によって調製してもよく、他の治療薬と一緒に投与してもよい。吸入による治療は定量吸入器によって容易に投与される。
【0214】
膣内投与のために好適な処方は、当技術分野で適切であることが知られているキャリアに加えて活性成分を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー処方として存在してもよい。
【0215】
本発明の固形の組成物には、粉末の(powders)、粒状の(granulates)、粒団の(aggregates)、および固められた、組成物が含まれる。投薬量は経口の、口腔の、直腸の、非経口の(皮下の、筋肉内の、静脈の投与を含む)、吸入の、および眼の投与に好適な投薬量を含む。任意の場合において最も好適な投与は、治療される状態の特質および重症度に左右されるが、本発明の最も好ましい経路は経口である。投薬量は従来の単位投与の形態であってもよく、製剤技術で周知のどんな方法を用いてもよい。
【0216】
投与形態には、タブレット、粉末、カプセル、坐薬、サシェ、トローチ(troches)およびロゼンジなどの固体の投与形態、ならびに液体のシロップ、懸濁液、およびエリキシル剤が含まれる。
【0217】
本発明の投与形態は、固いシェルまたは柔らかいシェルの中に、本発明の組成物、好ましくは粉末もしくは粒状の固体組成物を含むカプセルであってもよい。シェルは、ゼラチンから作られてもよく、任意選択で場合によって可塑剤(例えばグリセリン、ソルビトール)、および乳白剤または着色料を含んでもよい。
【0218】
活性成分および賦形剤は、当技術分野で公知の方法にしたがって、組成物および投与形態に処方されてもよい。タブレットにするまたはカプセルを充填するための組成物は、湿式造粒法によって調製されてもよい。湿式造粒法において、粉末形態の、活性成分および賦形剤の一部もしくはすべては、ブレンドされ、その後さらに液体、通常は水の存在下で混合され、これが粉末から粒状への凝集を引き起こす。粒状物はふるいにかけられおよび/または粉砕され、乾燥され、その後所望の粒子サイズにふるい分けされおよび/または粉砕される。粒状物はその後、タブレットにされ/圧縮されることができ、または、タブレットにされる前に、流動促進剤および/または潤滑剤などの他の賦形剤が加えられてもよい。
【0219】
タブレットにする組成物は、従来通りに乾式ブレンドによって調製されてもよい。例えば、活性成分と賦形剤のブレンドされた組成物は、小塊、またはシート状に固められ、その後、固めた粒状物に砕かれる。固められた粒状物は、続けて、タブレットに圧縮される。
【0220】
乾式造粒の代わりとして、ブレンドされた組成物を、直接圧縮法を用いて、直接固められた投与形態に圧縮してもよい。直接圧縮は、顆粒のない、より均一なタブレットを形成する。特に直接圧縮タブレット形成に好適な賦形剤には、微結晶セルロース、スプレー乾燥した乳糖、リン酸二カルシウム二水和物およびコロイダルシリカが含まれる。直接圧縮タブレット形成において、これらおよび他の賦形剤の適切な使用方法は、特に直接タブレット形成による処方に挑戦した経験およびスキルを持った技術者に公知である。
【0221】
本発明のカプセル充填物は、タブレット化に関連して言及した任意の前述のブレンドおよび粒状物を含んでもよいが、これらは最後のタブレット化される工程にはかけられていない。
【0222】
さらに、本発明による結晶形は、注射を介して哺乳動物、好ましくは人間、に投与するために処方することができる。本発明による結晶形は、例えば、粘性溶液または懸濁液、好ましくは透明な溶液として、注射のために処方されてもよい。前記処方は、溶媒を含んでもよい。そのような溶媒のために考慮することの中には、溶媒の様々なpHにおける物理的および化学的安定性、粘度(注射針通過が許容される粘度)、流動性、沸点、混和性、および純度が含まれる。好適な溶媒には、アルコール USP、ベンジルアルコール NF、安息香酸ベンジル USPおよびヒマシ油 USPが含まれる。追加の物質を処方に添加してもよく、例えば、バッファー、可溶化剤、抗酸化剤、その他Ansel et al.、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、7th ED.に記載されたものなどである。
【0223】
本発明は、本発明による結晶形を含む製剤配合物を提供し、任意選択で他の多形相または共結晶と組み合わせてもよく、治療を必要としている哺乳動物、好ましくは人間の治療方法として使われる。本発明の医薬組成物は上記結晶形を含む。本発明による結晶形は、ここで上に述べた、治療に有効な製剤組成物の量を、病気で苦しむ哺乳動物へ投与することを含む、哺乳動物の治療方法として使われてもよい。本発明はさらに、ここで上に述べた病気、特にHIVの治療のために、薬剤を調製するための本発明の結晶形の使用に関する。
【0224】
特定の好ましい実施形態で参照した本発明の記載によって、本明細書の考察から当業者に対して別の実施形態が明らかになる。本発明はさらに、本発明の化合物の調製について、詳細に説明した以下の実施例の参照によって定義される。当業者が物質や方法の両方において多くの改良を行い、本発明の範囲から逸脱せずに実施され得るのは、明らかである。
【実施例】
【0225】
(試験条件)
粉末X線回折
XRPDパターンはオランダのAvantium technologiesによるT2 高スループットXRPD装置を使用して取得した。プレートはHi-Star2次元検出器を備えたBruker GADDS回折計に取り付けた。XRPDプラットフォームは長いd間隔(d-spacings)のためにベヘン酸銀、および短いd間隔のためにコランダムを使って較正した。データ収集は、室温で1.5°と41.5°の間の2シータ範囲において、単色CuK(アルファ)放射を用いて行った。それぞれのウェルの回折パターンは、それぞれのフレームに対して、120秒の露光時間で、2つの2シータ範囲(最初のフレームは1.5°≦2θ≦21.5°、第2は19.5°≦2θ≦41.5°)で収集した。当業者は、実験上の差異が器具類、サンプル準備、または他の要因の差異で起きるかもしれないことを理解している。通常、XRPDデータは、約0.3度2シータ角、好ましくは約0.2度、より好ましくは0.1度、さらにより好ましくは0.05度の分散で収集される。これはX線ピークが重なっていると考えられる場合のための結果である。
【0226】
熱分析
融解の特性はDSCサーモグラムから得られ、heat flux DSC822e装置(Mettler-Toledo社、スイス)で記録した。DSC822eはインジウムの小片(融点=156.6℃、デルタ-H(f)=28.45J/g)を用いて、温度とエンタルピーを較正した。サンプルは標準の40マイクロリットルのアルミニウムパン中に密閉し、DSC内で25℃から300℃まで20℃/分の速度で加熱した。50ml/分の流速で、乾燥窒素ガスを、測定中のDSC装置をパージするために使用した。結晶からの溶媒または水の損失による、質量損失をTGA/SDTAで測定した。加熱中のサンプル重量を、TGA/SDTA851e装置(Mettler-Toledo社、スイス)で監視し、質量と温度の曲線を得た。TGA/SDTA851eは、インジウムおよびアルミニウムで温度を較正した。サンプルは100マイクロリットルのアルミニウムのるつぼに秤量し、密封した。密封したものに小さい穴を開け、るつぼをTGA内で25℃から300℃まで20℃/分の速度で加熱した。乾燥窒素ガスをパージのために使用した。融点の測定はDSCに基づいて行い、これは+/-2.0セルシウス度、好ましくは1.0セルシウス度の分散を有する。
【0227】
<動的水蒸気吸収(DVS)>
吸湿等温線はSurface Measurement Systems(ロンドン、UK)のDVS-1システムを使用して測定した。固体物質の吸湿における差異は、相対湿度の増加に伴う様々な固形物の相対的な安定性の差異を表す。試験は25℃の一定温度で行った。
【0228】
実施例
結晶化実験の出発原料はCipla社、ムンバイ、インド、より研究サンプルとして入手し、一般的な手順を用いて遊離塩基に変換した。
【0229】
(マイクロリットルスケールでの固形物の結晶化)
約3mgの少量の出発物質を、ストック(stock)溶媒として1,4-ジオキサンを用いて、96ウェルプレートのそれぞれのウェルに入れた。プレートは、溶媒が蒸発するまで、真空下に置いた。続いて、それぞれのウェルに、固体での投与によって、または1,4ジオキサンもしくは水のストック溶液によって、対イオン:遊離塩基比が1.1:1、になるように、対イオンを添加した。対イオンをストック溶液によって投与した場合、溶媒を蒸発により除去した。続いて、30μLの結晶化溶媒を添加し、プレートを60℃で、60分間加熱した。溶液を1.1℃/時間で5または20℃の温度に冷却し、24時間放置した。続いて、溶媒をウェルから20kPaの圧力、20〜25℃の温度で、19〜24時間蒸発させた。得られた残渣を採取し、粒末X線回折で分析した。
【0230】
使用した対イオンおよび対応する結晶化溶媒を表1に示す。
【0231】
【表18】

【0232】
(ミリリットルスケールでの固形物の結晶化)
約50mgの遊離塩基を、対イオン:遊離塩基が1.1:1の比で、対イオンとともに、バイアルに一緒に入れた。結晶化溶媒を、濃度が遊離塩基に対して100mg/mlになるように添加した。そのバイアルを、60℃で、60分間加熱した。その溶液を1.1℃/時間で5または20℃の温度に冷却し、24時間放置した。エージング後に固体が沈殿した場合には、その固体物質を遠心分離によって分離し、乾燥させてXRPDで測定した。それぞれの分離物の上澄み液は、20kPaの圧力、20〜25℃の温度で、70〜170時間蒸発し、乾燥した固体も粒末X線回折で測定した。
【0233】
使用した対イオンおよび対応する結晶化溶媒を表2に示す。
【0234】
【表19】

【0235】
(TDSU ULT-1)
約997mgのテノホビルジソプロキシルの遊離塩基を、50mlのガラス反応器に、コハク酸と一緒に、約1.1:1の対イオン:遊離塩基の分子比で入れた。結晶化溶媒を、濃度が遊離塩基に対して100mg/mlになるように添加した。反応器を、5℃/分の速度で60℃まで昇温し、60℃で60分間維持した。続いて、溶液を1.1℃/時間で5℃の温度に冷却し、24時間放置した。最後に、溶液を0.5ミクロンのフィルターメッシュを備えたBucknerフィルターを使用して濾過し、室温、真空下で乾燥させ、XRPDによって測定した。
【0236】
メタノールおよびアセトニトリルを結晶化溶媒として使用した。
【0237】
約15mgのTDSU ULT-1のサンプルをDVSパンに展開した。このサンプルを0%RHで7時間乾燥させた。続いて、チャンバーの相対湿度を、水蒸気の吸収を監視するために、5%ずつ0%から95%まで増加させた。サンプルを、それぞれの工程で1時間ずつ保った。続いて、相対湿度を5%ずつ0%まで低下させ、それぞれの工程で1時間保つことで、脱着を監視した。吸脱着サイクルのグラフを以下に示す。水蒸気の総吸収量は約0.3%であり、この物質の良い安定性を示し、吸湿性の工業標準ラインである吸湿性を示さなかった。同様のDVS実験を、購入したままの出発物質を使用して行ったところ、水蒸気の総吸収量は約4%となり、処方に望ましくなく、追加の測定が必要であった。実験の最後に、本固体物質をXRPDで測定し、構造にいかなる変化もないことを示していた。
【0238】
<溶出速度測定>
20mlの高純水を、20mlのホールピペットを用いて、マイクロ溶解サーマルブロックの中の25mlのバイアルに入れた。大きい十字の攪拌子をバイアルの中に入れ、溶液を100rpmの速度で攪拌した。5mmの長さのチップを、DAD(ダイオードアレイ検出器)アナライザーに接続したプローブに沿って入れた。高純水を使用して100%の透過率とダークスペクトルを収集した。次の工程では、10mgのテノホビルジソプロキシルサクシネート(TDSU ULT-1)をタブレット成形機で圧縮し、マイクロ溶解サーマルブロックの中の25mlのバイアルの攪拌子に沿って入れた。プローブは5mmの長さのチップに沿って入れ、20mlの高純水をサンプルに加えた。この溶液を100rpmの速度で攪拌し、吸光度または光学濃度を、時間に対してUV分光計によって測定した。固有の溶解速度は、濃度と時間をプロットすること、およびその曲線の勾配を計算することによって決定した。
【0239】
同じ試験を同様の方法でpH値が1.5、3.0、4.5、6.4、および7.8の緩衝媒体中で実施した。
【0240】
<溶解のためのpHバッファー>
pH 1.5: ペプシンを含まないUSP SGF(HClでpH 1.5に調整した0.05M塩化ナトリウム)
pH 3.0: NaOHでpH6.8に調整した0.05リン酸二水素ナトリウムバッファー
pH 4.5: NaOHでpH4.5に調整した0.05Mリン酸二水素ナトリウムバッファー
pH 6.8: パンクレアチンを含まないUSP SIF(NaOHでpH6.8に調整したリン酸二水素ナトリウムバッファー)
pH 7.4: NaOHでpH7.4に調整した0.05Mリン酸二水素ナトリウムバッファー
【0241】
<固有の溶解速度測定結果>
【0242】
【表20】

【0243】
少量(約10ミリグラム)のTDSU ULT-1を、40℃、相対湿度(RH)75%における耐久性試験のために、Binderの気候室(climatic chamber) KBR115シリーズに入れた。物質は、それぞれXRPDおよびHPLCによって、2および4週間の間隔で、物理的および化学的安定性を調べた。両方の場合において、物質は安定であり、つまり試験期間にわたり構造変化や化学分解は起きなかった。
【0244】
DVSデータより、TDSU ULT-1は吸湿性ではない(最大の水分吸収量が約0.3%-Ciplaから得られるTDF 1:1の吸湿性(約4%の吸湿性)より著しく少ない)と結論付けた。
【0245】
TDSU ULT-1は、テノホビルフマレート(Ciplaから得られるTDF 1:1)と比較して水、および1.5から7.4の範囲のpH値を持つすべての媒体に、最大で3倍早く溶解する。
【0246】
(TDSU ULT-4 (SU39))
約53mgの固体遊離塩基を、バイアルに、13.15mgのコハク酸と一緒に入れた。メタノールを、濃度が遊離塩基に対して100mg/mlになるように添加した。バイアルを、60℃で、60分間加熱した。この溶液を1.1℃/時間で5℃の温度に冷却し、24時間放置した。溶媒を20kPaの圧力、20〜25℃の温度で蒸発して除去し、乾燥した固体をXRPDで測定した。
【0247】
(TDTA ULT-1 (SU27))
約50.6mgの固体遊離塩基を、バイアルに、18.73mgのL-酒石酸と一緒に入れた。クロロホルムを、濃度が遊離塩基に対して100mg/mlになるように添加した。バイアルを、60℃で、60分間加熱した。この溶液を1.1℃/時間で5℃の温度に冷却し、24時間放置した。溶媒を20kPaの圧力、20から25℃の温度で蒸発して除去し、乾燥した固体をXRPDで測定した。
【0248】
(TDOX ULT-3 (SU35))
約53.7mgの固体遊離塩基を、バイアルに、10.36mgのシュウ酸と一緒に入れた。水を、濃度が遊離塩基に対して100mg/mlになるように添加した。バイアルを、60℃で、60分間加熱した。この溶液を1.1℃/時間で5℃の温度に冷却し、24時間放置した。沈殿した固体を遠心分離によって分離し、固体を乾燥してXRPDで測定した。上澄み液を、20kPaの圧力、20〜25℃の温度で蒸発し、乾燥した固体をXRPDで測定した。両方の場合において、XRPDは固形物Oxa2を示した。
【0249】
(TDSA ULT-3 (SU36))
約53.7mgの固体遊離塩基を、バイアルに、22.5mgのサッカリンと一緒に入れた。クロロホルムを、濃度が遊離塩基に対して100mg/mlになるように添加した。バイアルを、60℃で、60分間加熱した。この溶液を1.1℃/時間で20℃の温度に冷却し、24時間放置した。溶媒を20kPaの圧力、20〜25℃の温度で蒸発して除去し、乾燥した固体をXRPDで測定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テノホビルジソプロキシルと、コハク酸、酒石酸、糖酸(サッカリン)、クエン酸、サリチル酸からなる群から選択される有機酸との固形物。
【請求項2】
塩、共結晶、または塩もしくは共結晶の多形体である、請求項1に記載の固形物。
【請求項3】
結晶性である、請求項1に記載の固形物。
【請求項4】
テノホビルジソプロキシルサクシネート、テノホビルジソプロキシルL-タータレート、テノホビルジソプロキシルオキサレート、テノホビルジソプロキシルサッカレート、テノホビルジソプロキシルシトレート、テノホビルジソプロキシルサリチレート。
【請求項5】
結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネート、結晶性テノホビルジソプロキシルL-タータレート、結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレート、結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレート、結晶性テノホビルジソプロキシルシトレート、結晶性テノホビルジソプロキシルサリチレート。
【請求項6】
テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-1、テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-2、テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-3、テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-4、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-1、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-2、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-3、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-4、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-1、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-2、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-3、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-4、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-1、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-2、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-3、テノホビルジソプロキシルシトレート TDCI ULT-1、テノホビルジソプロキシルサリチレート TDSY ULT-1。
【請求項7】
- 4.9、9.5、10.3、11.5、13.3、14.7、17.9、18.2、19.1、24.7、29.8度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
- 102.0℃で始まり110.0℃で特徴的なピークを有するDSC
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-1。
【請求項8】
- 実質的に表1および/または図1Aに示されるXRPDパターン
- 実質的に図1Bに示されるDSC
- 実質的に図1Cに示されるTGA
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-1。
【請求項9】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはメタノール、エーテル、アセトン、アセトニトリル、またはこれらの混合物(例えば50/50 v/vメタノール-エーテル)の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはメタノール、エーテル、アセトン、アセトニトリル、またはこれらの混合物(例えば50/50 v/vメタノール-エーテル)の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-1を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-1の結晶形の調製方法。
【請求項10】
- 4.8、6.6、9.5、10.6、12.6、13.4、17.2、18.4、19.0、21.3、24.1度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
- 92.6℃で始まり107.7℃で特徴的なピークを有するDSC
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-2。
【請求項11】
- 実質的に表2および/または図2Aに示されるXRPDパターン
- 実質的に図2Bに示されるDSC
- 実質的に図2Cに示されるTGA
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-2。
【請求項12】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはクロロホルム、1,4-ジオキサン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはクロロホルム、1,4-ジオキサン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-2を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-2の結晶形の調製方法。
【請求項13】
- 4.8、9.5、10.3、11.0、11.7、13.2、14.0、17.1、18.2、19.1、23.3、23.6度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-3。
【請求項14】
- 実質的に表3および/または図3Aに示されるXRPDパターン
- 実質的に図3Bに示されるDSC
- 実質的に図3Cに示されるTGA
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-3。
【請求項15】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはアセトンの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-3を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはアセトンの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-3を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-3を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-3を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-3の結晶形の調製方法。
【請求項16】
- 4.9、9.5、10.3、11.6、13.3、14.5、17.4、18.2、19.2、24.6、28.4、29.6、33.8度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
- 78.0℃で始まり101.9℃で特徴的なピークを有するDSC
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-4。
【請求項17】
- 実質的に表17および/または図17Aに示されるXRPDパターン
- 実質的に図17Bに示されるDSC
- 実質的に図17Cに示されるTGA
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-4。
【請求項18】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはメタノールの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-4を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはメタノールの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-4を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-4を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とコハク酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサクシネートTDSU ULT-4を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-4の結晶形の調製方法。
【請求項19】
- 4.9、8.8、9.6、12.8、13.5、14.6、16.2、18.9、20.8、21.5、22.3度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
- 7.91℃で始まり98.1℃で特徴的なピークを有するDSC
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-1。
【請求項20】
- 実質的に表4および/または図4Aに示されるXRPDパターン
- 実質的に図4Bに示されるDSC
- 実質的に図4Cに示されるTGA
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-1。
【請求項21】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはクロロホルム、アセトニトリル、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはクロロホルム、アセトニトリル、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-1を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-1の結晶形の調製方法。
【請求項22】
- 5.2、7.8、8.8、9.1、10.4、11.8、12.9、13.7、14.8、15.9、16.4、18.2、20.4、21.2、22.4、24.0度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-2。
【請求項23】
- 実質的に表5および/または図5Aに示されるXRPDパターン
- 実質的に図5Cに示されるTGA
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-2。
【請求項24】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはアセトニトリルの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-2を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはアセトニトリルの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-2を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-2を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-2を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-2の結晶形の調製方法。
【請求項25】
- 4.9、9.0、11.9、13.0、13.8、15.0、17.9、19.3、20.08、21、21.6、22.5、23.1、23.6、26.5、28.3度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
- 80℃で始まり105℃で特徴的なピークを有するDSC
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-3。
【請求項26】
- 実質的に表6および/または図6Aに示されるXRPDパターン
- 実質的に図6Bに示されるDSC
- 実質的に図6Cに示されるTGA
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-3。
【請求項27】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはアセトン、テトラヒドロフラン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはアセトン、テトラヒドロフラン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-3を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-3の結晶形の調製方法。
【請求項28】
- 5.1、8.9、10.0、12.7、13.7、14.7、15.7、17.7、20.0、20.9、21.6、25.4度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-4。
【請求項29】
- 実質的に表7および/または図7Aに示されるXRPDパターン
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-4。
【請求項30】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはアセトニトリルの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-4を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはアセトニトリルの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-4を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-4を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基と酒石酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルタータレートTDTA ULT-4を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルタータレート TDTA ULT-4の結晶形の調製方法。
【請求項31】
- 3.8、7.6、9.3、15.0、16.4、17.7、19.6、22.6度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
- 48.0℃で始まり64.8℃で特徴的なピークを有するDSC、112.6℃で始まり118.6℃で特徴的なピークを有するDSC、および/または130.7℃で始まり148.2℃で特徴的なピークを有するDSC
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-1。
【請求項32】
- 実質的に表8および/または図8Aに示されるXRPDパターン
- 実質的に図8Bに示されるDSC
- 実質的に図8Cに示されるTGA
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-1。
【請求項33】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはクロロホルム、アセトニトリル、メタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはクロロホルム、アセトニトリル、メタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-1を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-1の結晶形の調製方法。
【請求項34】
- 3.8、7.6、9.3、15.0、16.4、17.7、19.6、22.6度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
- 106.0℃で始まり117.1℃で特徴的なピークを有するDSC
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-2。
【請求項35】
- 実質的に表9および/または図9Aに示されるXRPDパターン
- 実質的に図9Bに示されるDSC
- 実質的に図9Cに示されるTGA
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-2。
【請求項36】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはアセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはアセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-2を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-2の結晶形の調製方法。
【請求項37】
- 3.9、7.7、9.4、16.1、16.8、17.5、18.8、19.7、21.6、22.4、24.0、28.1度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
- 78.4℃で始まり90.9℃で特徴的なピークを有するDSC
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-3。
【請求項38】
- 実質的に表10および/または図10Aに示されるXRPDパターン
- 実質的に図10Bに示されるDSC
- 実質的に図10Cに示されるTGA
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-3。
【請求項39】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくは水、アセトン、1,4-ジオキサン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくは水、アセトン、1,4-ジオキサン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-3を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-3の結晶形の調製方法。
【請求項40】
- 3.9、7.8、8.5、9.6、10.9、15.7、17.1、18.8、20.4、23.6度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-4。
【請求項41】
- 実質的に表11および/または図11Aに示されるXRPDパターン
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-4。
【請求項42】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはメタノール、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-4を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはメタノール、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-4を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-4を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とシュウ酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルオキサレートTDOX ULT-4を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-4の結晶形の調製方法。
【請求項43】
- 3.3、4.1、7.6、10.4、13、13.6、17.9、18.7、22.7度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
- 95.0℃で始まり116.0℃で特徴的なピークを有するDSC
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-1。
【請求項44】
- 実質的に表12および/または図12Aに示されるXRPDパターン
- 実質的に図12Bに示されるDSC
- 実質的に図12Cに示されるTGA
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-1。
【請求項45】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはクロロホルム、ニトロメタン、ニトロエタン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはクロロホルム、ニトロメタン、ニトロエタン、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-1を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-1の結晶形の調製方法。
【請求項46】
- 3.4、6.2、15.3、15.6、16.2、19.7、22.4、24.4度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-2。
【請求項47】
- 実質的に表13および/または図13Aに示されるXRPDパターン
- 実質的に図13Bに示されるDSC
- 実質的に図13Cに示されるTGA
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-2。
【請求項48】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-2を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-2の結晶形の調製方法。
【請求項49】
- 3.94、7.57、10.42、12.58、15.34、16.46、17.68、20.46、21.94、24.66度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
- 68.0℃で始まり83.9℃で特徴的なピークを有するDSC
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-3。
【請求項50】
- 実質的に表14および/または図14Aに示されるXRPDパターン
- 実質的に図14Bに示されるDSC;
- 実質的に図14Cに示されるTGA;
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-3。
【請求項51】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサッカリンを溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサッカレートTDSA ULT-3を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-3の結晶形の調製方法。
【請求項52】
- 5.0、7.7、8.2、10.0、11.0、15.4、16.8、17.7、19.2、20.5、21.8、26.5、27.6度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルシトレート TDCI ULT-1。
【請求項53】
- 実質的に表15および/または図15Aに示されるXRPDパターン
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルシトレート TDCI ULT-1。
【請求項54】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とクエン酸を溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルシトレートTDCI ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはクロロホルムの中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とクエン酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルシトレートTDCI ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とクエン酸を溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルシトレートTDCI ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とクエン酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルシトレートTDCI ULT-1を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルシトレート TDCI ULT-1の結晶形の調製方法。
【請求項55】
- 3.9、5.1、6.5、9.7、15.2、16.3、17.8、19.0、21.7、22.4、24.0、27.3度の2シータ角について+/-0.3度の2シータ角、好ましくは+/-0.2度の2シータ角、より好ましくは+/-0.1度の2シータ角、最も好ましくは+/-0.05度の2シータ角から成る群から選択される少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、さらにより好ましくは少なくとも4つの、特に好ましくは少なくとも5つの、最も好ましくは6つの粉末X線回折ピーク
の1つまたは複数で特徴付けられる結晶性テノホビルジソプロキシルサリチレート TDSY ULT-1。
【請求項56】
- 実質的に表16および/または図16Aに示されるXRPDパターン
の1つまたは複数で特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性テノホビルジソプロキシルサリチレート TDSY ULT-1。
【請求項57】
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはアセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサリチル酸を溶解させる、または混合する工程と、前記溶媒の蒸発によってテノホビルジソプロキシルサリチレートTDSY ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物、好ましくはアセトン、水、またはこれらの混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサリチル酸を溶解させる、または混合する工程と、飽和溶液の冷却晶析および/または蒸発晶析によってテノホビルジソプロキシルサリチレートTDSY ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサリチル酸を溶解させる、または混合する工程と、貧溶媒の添加によってテノホビルジソプロキシルサリチレートTDSY ULT-1を結晶化させる工程;および/または
- 好適な1つの溶媒、またはその混合物の中で、テノホビルジソプロキシル遊離塩基とサリチル酸を溶解させる、または混合する工程と、スラリー晶析および/または種結晶による晶析によってテノホビルジソプロキシルサリチレートTDSY ULT-1を結晶化させる工程
を含むテノホビルジソプロキシルサリチレート TDSY ULT-1の結晶形の調製方法。
【請求項58】
テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-1、テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-2、テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-3、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-1、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-2、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-3、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-4、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-1、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-2、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-3、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-4、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-1、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-2、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-3、テノホビルジソプロキシルシトレート TDCI ULT-1、テノホビルジソプロキシルサリチレート TDSY ULT-1からなる群から選択される、テノホビルDFの1つまたは複数の結晶形を含む製剤処方。
【請求項59】
テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-1、テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-2、テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-3、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-1、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-2、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-3、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-4、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-1、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-2、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-3、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-4、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-1、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-2、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-3、テノホビルジソプロキシルシトレート TDCI ULT-1、テノホビルジソプロキシルサリチレート TDSY ULT-1からなる群から選択される、1つまたは複数の、薬剤としての使用。
【請求項60】
テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-1、テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-2、テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-3、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-1、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-2、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-3、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-4、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-1、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-2、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-3、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-4、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-1、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-2、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-3、テノホビルジソプロキシルシトレート TDCI ULT-1、テノホビルジソプロキシルサリチレート TDSY ULT-1からなる群から選択される、1つまたは複数の、HIV治療のための薬剤の調製における使用。
【請求項61】
テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-1、テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-2、テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-3、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-1、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-2、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-3、テノホビルジソプロキシルL-タータレート TDTA ULT-4、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-1、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-2、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-3、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-4、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-1、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-2、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-3、テノホビルジソプロキシルシトレート TDCI ULT-1、テノホビルジソプロキシルサリチレート TDSY ULT-1からなる群から選択される、1つまたは複数の、HIV治療における使用。
【請求項62】
テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-1、テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-2、テノホビルジソプロキシルサクシネート TDSU ULT-3、テノホビルジソプロキシルのL-タータレート TDTA ULT-1、テノホビルジソプロキシルのL-タータレート TDTA ULT-2、テノホビルジソプロキシルのL-タータレート TDTA ULT-3、テノホビルジソプロキシルのL-タータレート TDTA ULT-4、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-1、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-2、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-3、テノホビルジソプロキシルオキサレート TDOX ULT-4、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-1、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-2、テノホビルジソプロキシルサッカレート TDSA ULT-3、テノホビルジソプロキシルシトレート TDCI ULT-1、テノホビルジソプロキシルサリチレート TDSY ULT-1からなる群から選択される、1つまたは複数の、他の薬剤成分、好ましくは抗HIV剤、好ましくはエファビレンツおよび/またはエムトリシタビンと組み合わせての使用。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図13C】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図14C】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図16A】
image rotate

【図17A】
image rotate

【図17B】
image rotate

【図17C】
image rotate


【公表番号】特表2011−506374(P2011−506374A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537335(P2010−537335)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010826
【国際公開番号】WO2009/074351
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(509322100)ウルティモルフィクス・テクノロジーズ・ベー・フェー (3)
【Fターム(参考)】