ディスプレイ素子の基板中に拡散されるフィルタ物質を有するディスプレイ素子
光学フィルタの機能性がディスプレイ素子の基板中に組み込まれ、それによって、分離した薄膜フィルタの必要性を減じ、そして、従って、フィルタ付ディスプレイ素子の全厚を低減する。フィルタの機能性は、例えば、顔料物質、光ルミネセンス物質、及び、不透明物質のような、任意のフィルタ物質によって与えられることが出来る。該フィルタ物質は基板作製時に基板中に組み込まれることが出来る、或いは、基板をマスキングすること、基板をフィルタ物質に曝すこと、及び、該フィルタ物質を基板中に拡散するために基板を加熱すること、からなるプロセスによって、該基板中に選択的に拡散させられることが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、微小電気機械システム(microelectromechanical systems)(MEMS)に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、及び、或いは、電気装置及び電気機械装置を形成するために基板及び/又は堆積された材料の層をエッチングして取り除く、若しくは複数の層を付加する、その他のマイクロマシニング・プロセス、を使用して作られることができる。1つの型のMEMS装置は、干渉変調器と呼ばれる。本明細書中で使用されるように、干渉変調器あるいは光干渉変調器という用語は光干渉の原理を利用して光を選択的に吸収及び/又は反射する装置を指す。一定の実施形態において、光干渉変調器は、1対の導電性プレートを具備し、その一方又は両方が、全体としてあるいは部分的に、透過型及び/又は反射型であり、そして適切な電気信号の印加により相対的動きが可能である。特別な実施形態において、一方のプレートは、基板上に堆積された静止層を具備し、他方のプレートは、エアー・ギャップにより静止層から分離された金属膜を具備することができる。本明細書中で更に詳細に説明されるように、一方のプレートの他方に対する相対的な位置は光干渉変調器への入射光の光干渉を変化させることが出来る。そのような装置は、広範囲のアプリケーションを有し、そして、これ等の型の装置の諸特性を利用すること及び/又は改変することは、当該技術分野において有益であり、その結果、これ等の諸特徴は、既存の製品を改善することに活用されることができ、未だ開発されていない新たな製品を創り出すことに活用されることができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
1つの実施形態において、ディスプレイ装置を形成する方法は基板中に物質を拡散させること、前記物質は前記基板とは異なる光学的特性を有する、及び、該基板を覆って少なくとも1つの光変調素子を形成すること、を具備する。該光変調素子は光学的キャビティを形成する部分的に反射型の表面および実質的に反射型の表面を具備し、少なくとも1つの前記反射型表面は、前記光学的キャビティを変調するために、他方に関して可動である。
【0004】
別の実施形態において、ディスプレイ装置は、第1反射表面および第2反射表面、前記第2表面は前記第1表面に関して可動である、を具備する少なくとも1つの光変調素子および基板を具備し、前記光変調素子は前記基板上に配置される、ここにおいて、前記基板はカラー光を伝達するカラー・フィルタを具備する。
【0005】
別の実施形態において、ディスプレイ装置は光を変調するための手段と前記光変調手段を支持するための手段、及び、前記支持する手段中に配置される光をフィルタリングするための手段、を具備する。該光を変調するための手段は光を反射するための第1手段および第2手段を具備し、前記第2手段は前記第1手段に関して可動である。
【0006】
別の実施形態において、ディスプレイ装置を形成する方法は、該ディスプレイ装置の視野を制限するために構成される複数の素子を具備する、基板を形成すること、及び、該基板を覆って少なくとも1つの光変調素子を形成すること、を具備する。該光変調素子は光学的キャビティを形成する部分的に反射型の表面および実質的に反射型の表面を具備し、少なくとも1つの前記反射型表面は、前記光学的キャビティを変調するために、他方に関して可動である。
【0007】
別の実施形態において、ディスプレイ装置はそれぞれが第1反射的表面および第2反射的表面、前記第2表面は前記第1表面に関して可動である、を具備する少なくとも複数の光変調素子、及び、基板を具備し、前記少なくとも複数の光変調素子は前記基板を覆って配置される、ここに、前記基板はディスプレイ装置の視野を制限するために構成される複数の素子を具備する。
【0008】
別の実施形態において、ディスプレイ装置は光を変調するための手段、及び、前記光を変調する手段を支持するための手段、及び、該支持する手段の中に視野を制限するための手段を具備する。該光を変調するための手段は光を反射するための第1手段と第2手段を具備し、前記第2反射手段は前記第1反射手段に関して可動である。
【0009】
別の実施形態において、ディスプレイ装置を形成する方法は、混合物を形成するために基板材料をフィルタ物質と結合すること、該基板材料が実質的に溶融しそして該フィルタ物質が該溶融基板材料内部に拡散されるように該混合物を加熱すること、基板を形成するために該混合物を冷却すること、及び、該基板を覆って少なくとも1つの光変調素子を形成すること、を具備する、該光変調素子は光学的キャビティを形成する部分的に反射型の表面および実質的に反射型の表面を具備し、少なくとも1つの前記反射型表面は、前記光学的キャビティを変調するために、他方に関して可動である。
【0010】
別の実施形態において、ディスプレイ装置を形成する方法は、それぞれが第1反射的表面および第2反射的表面、前記第2表面は前記第1表面に関して可動である、を具備する複数の光変調素子を形成すること、第1吸収領域及び第2吸収領域、前記第1吸収領域及び第2吸収領域は異なる光透過特性を有する、を含む基板を形成すること、及び、前記基板を覆って前記複数の光変調素子を配置すること、を具備する。
【0011】
別の実施形態において、ディスプレイ装置は、それぞれが第1反射的表面および第2反射的表面、前記第2表面は前記第1表面に関して可動である、を具備する複数の光変調素子、及び、基板を具備し、前記複数の光変調素子は前記基板を覆って配置される、ここにおいて、前記基板は第1吸収領域及び第2吸収領域を含み、前記第1吸収領域及び第2吸収領域は異なる光透過特性を有する。
【0012】
別の実施形態において、ディスプレイ装置は、光を変調するための複数の手段、及び、吸収するための第1手段および第2手段を含む前記複数の光変調手段を支持するための、手段を具備し、前記第1吸収手段および第2吸収手段は異なる光透過特性を有する、ここにおいて、該光変調手段は前記支持手段を覆って配置される。該光を変調するための手段は光を反射するための第1手段および第2手段を具備し、前記第2反射手段は前記第1反射手段に関して可動である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
下記の詳細な説明は本発明のある特定の実施形態に向けられる。本発明の様々な実施形態は、例えば、光学フィルタの機能性をディスプレイ素子の基板に組み込むことに関係する。フィルタの機能性は、例えば、顔料物質、蛍光物質、及び、不透明物質など、任意のフィルタ物質によって提供されることが出来る。フィルタ物質は基板中に基板を作る時点で組み込まれることが出来る、或いは、基板をマスキングし、該基板をフィルタ物質に曝しそして基板中にフィルタ物質を拡散するために基板を加熱するプロセスを介して、選択的に基板中に拡散されることが出来る。
【0014】
本発明は、しかしながら、多数の異なる方法で具体化されることができる。本明細書では、参照符合が図面に与えられ、全体を通して同様の部品が同様の番号を用いて表される。下記の説明から明らかになるように、本実施形態は、動画(例えば、ビデオ)であるか固定画面(例えば、静止画)であるかに拘わらず、及び文書であるか絵画であるかに拘わらず、画像を表示するために構成される任意の装置に実装されることができる。より詳しくは、本実施形態が種々の電子装置に実装される若しくは電子装置に関連付けられることができることが、予想される。このような電子装置は、例えば、携帯電話機、無線装置、パーソナル・データ・アシスタンツ(PDAs)、ハンド−ヘルド又は携帯型コンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム・コンソール、腕時計、時計、計算機、テレビ・モニタ、フラット・パネル・ディスプレイ、コンピュータ・モニタ、自動車ディスプレイ(例えば、走行距離計ディスプレイ、等)、コクピット制御装置及び/又はディスプレイ、カメラ視野のディスプレイ(例えば、自動車の後方監視カメラのディスプレイ)、電子写真、電子広告板又はサイン、プロジェクタ、建築上の構造物、包装、及び芸術的な構造(例えば、宝飾細工品の画像のディスプレイ)の様なものであるが、これ等に限定されない。本明細書に説明される装置に類似の構造のMEMS装置はまた、電子スイッチング装置のような、非−ディスプレイ・アプリケーションにおいて使用されこともできる。
【0015】
光干渉MEMSディスプレイ素子を具備する1つの光干渉変調器ディスプレイの実施形態が、図1に図示される。これらの装置において、画素は、明状態又は暗状態のいずれかである。明(“オン”又は“開(open)”)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分を利用者に反射する。暗(“オフ”又は“閉(closed)”)状態にある場合には、ディスプレイ素子は、入射可視光を利用者にほとんど反射しない。実施形態に依存して、“オン”及び“オフ”状態の光反射率特性は、逆にされることがある。MEMS画素は、選択された色を主に反射するように構成されることができ、白黒に加えてカラー表示を可能にする。
【0016】
図1は、視覚ディスプレイの一連の画素中の2つの隣接する画素を図示する等測図であり、ここでは、各画素は、MEMS光干渉変調器を具備する。複数の実施形態において、光干渉変調器ディスプレイは、これらの光干渉変調器の行/列アレイを具備する。各光干渉変調器は、互いに可変であり制御可能な距離に位置する1対の反射層を含み、少なくとも1つの可変の大きさを有する共鳴光学的キャビティを形成する。1つの実施形態において、反射層の1つは、2つの位置の間を動かされることができる。第1の位置では、ここではリラックスされた位置(relaxed position)と呼ぶ、該可動反射層は、固定された部分反射層から比較的離れた距離に位置する。第2の位置では、ここではアクチュエートされた位置(actuated position)と呼ぶ、該可動反射層は、該部分反射層により近くに隣接して位置する。該2つの層から反射する入射光は、該可動反射層の位置に依存して、建設的に又は相殺的に干渉して、各画素に対して全体的な反射状態又は非反射状態のいずれかを作る。
【0017】
図1の画素アレイの図示された部分は、2つの隣接する光干渉変調器12a及び12bを含む。左側の光干渉変調器12aでは、可動反射層14aは、部分反射層を含む、光学スタック16aから所定の距離にあるリラックスされた位置に図示される。右側の光干渉変調器12bでは、可動反射層14bは、光学スタック16bに隣接するアクチュエートされた位置に図示される。
【0018】
光学スタック16a,16b(まとめて光学スタック16と呼ばれる)は、本明細書中に参照されるように、一般には数層の融合層からなり、それ等はインジウム−スズ−酸化物(ITO)のような電極層、クロムのような部分反射層、及び透明誘電体を含むことが出来る。従って、光学スタック16は電気的に導電性であり、部分的に透明であり、かつ部分的に反射的である、そして、例えば、透明基板20上に1又は複数の上述の諸層を堆積することにより製作されることができる。複数の実施形態において、該複数の層は、平行な薄帯にパターニングされ、下記に更に説明されるようにディスプレイ装置における行電極を形成できる。可動反射層14a,14bは、支柱18の頂上に及び複数の支柱18の間に堆積された介在する犠牲材料上に堆積された(行電極16a,16bに直交する)1層又は複数層の堆積された金属層の一連の平行薄帯として形成されることができる。該犠牲材料がエッチされて除去される時に、可動反射層14a、14bは、決められた間隙19だけ光学スタック16a,16bから分離される。アルミニウムのような非常に導電性かつ反射型の材料が、反射層14に対して使用されることができ、そして、これらの薄帯は、ディスプレイ装置において列電極を形成できる。
【0019】
印加電圧がないと、キャビティ19は、可動反射層14aと光学スタック16aとの間に留まり、可動反射層14aは、図1の画素12aに図示されたように機械的にリラックスされた状態にある。しかしながら、選択された行及び列に電位差が印加されると、対応する画素における行及び列電極の交差点に形成されたキャパシタが充電され、静電力が両電極を互いに引きつける。もし電圧が十分に高ければ、可動反射層14は変形され、そして、光学スタック16に対して押し付けられる。図1における右側の画素12bにより図示されるように、光学スタック16内部の(この図に図示されていない)誘電材料が、短絡することを防止し、層14と層16との間の分離距離を制御する。この挙動は、印加される電位差の極性に拘わらず同じである。このようにして、反射と非反射画素状態を制御できる行/列アクチュエーションは、従来のLCD技術及びその他のディスプレイ技術において使用される多くの方法に類似している。
【0020】
図2から図5Bは、ディスプレイ・アプリケーションにおいて光干渉変調器のアレイを使用するための1つの具体例としてのプロセス及びシステムを説明する。
【0021】
図2は、本発明の複数の態様を組み込むことができる電子装置の1つの実施形態を説明するシステム・ブロック図である。具体例の実施形態において、該電子装置は、プロセッサ21を含む。該プロセッサ21は、任意の汎用のシングル・チップ又はマルチ・チップ・マイクロプロセッサ、例えば、ARM,ペンティアム(登録商標)、ペンティアムII(登録商標)、ペンティアムIII(登録商標)、ペンティアムIV(登録商標)、ペンティアム(登録商標)プロ、8051、MIPS(登録商標)、パワーPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)、若しくはディジタル・シグナル・プロセッサ、マイクロコントローラ、又はプログラム可能なゲート・アレイのような任意の特殊用途マイクロプロセッサ、であることができる。当該技術分野において通常であるように、プロセッサ21は、1又は複数のソフトウェア・モジュールを実行するように構成されることができる。オペレーティング・システムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブ・ブラウザ、電話アプリケーション、電子メール・プログラム、若しくはその他任意のソフトウェア・アプリケーションを含む、1又は複数のソフトウェア・アプリケーションを実行するように構成されることができる。
【0022】
1つの実施形態では、プロセッサ21は、更に、アレイ・ドライバ22と通信するように構成される。1つの実施形態では、アレイ・ドライバ22は、パネルまたはディスプレイ・アレイ(ディスプレイ)30に信号を供給する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に図示されるアレイの断面は、図2に線1−1により示される。MEMS光干渉変調器に関して、行/列アクチュエーション・プロトコルは、図3に説明されるこれらの装置のヒステリシス特性を利用することができる。これは、例えば、可動層をリラックスされた状態からアクチュエートされた状態へ変形させるために10ボルトの電位差を必要とすることがある。しかしながら、電圧がその値から低減される場合に、10ボルトより下に電圧が降下して戻るとしても、可動層はその状態を維持する。図3の具体例の実施形態では、可動層は、電圧が2ボルトより下に降下するまで完全にはリラックスしない。そのようにして、図3に説明される例では、約3Vから7Vの電圧範囲があり、そこでは、印加電圧のウィンドウが存在し、その範囲内で装置はリラックスされた状態又はアクチュエートされた状態のいずれかで安定である。これは、本明細書中では“ヒステリシス・ウィンドウ”又は“安定ウィンドウ”として呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイ・アレイに関して、行/列アクチュエーション・プロトコルは、行ストロービング(strobing)の期間に、アクチュエートされるべきストローブされる行の画素は、約10ボルトの電圧差を受け、そしてリラックスされるべき画素は、零ボルトに近い電圧差を受ける、ように設計されることが出来る。ストローブの後で、画素は、約5ボルトの定常状態電圧差を受け、その結果、画素は、行ストローブが画素をどんな状態に置いたとしてもその状態に留まる。書き込まれた後で、各画素は、電位差がこの例では3−7ボルトの“安定ウィンドウ”の範囲内であると認知する。この特徴は、アクチュエートされた先行状態又はリラックスされた先行状態のいずれにおいても同じ印加電圧条件の下で、図1に説明された画素設計を安定にさせる。アクチュエートされた状態又はリラックスされた状態であるかに拘わらず、光干渉変調器の各画素は、基本的には、固定反射層と可動反射層とにより形成される蓄電器であるので、この安定状態は、ヒステリシス・ウィンドウの範囲内の電圧でほとんど電力消費なしに保持されることができる。印加電位が固定されるならば、基本的に電流は、画素に流れ込まない。
【0023】
代表的なアプリケーションでは、ディスプレイ・フレームは、第1行中のアクチュエートされる画素の所望のセットに従って列電極のセットを明示すること(asserting)により作られる。行パルスが、次に、行1の電極に印加されて、明示された列ラインに対応する画素をアクチュエートする。列電極の明示されるセットは、その後、第2行中のアクチュエートされる画素の所望のセットに対応するように変更される。パルスが、次に、行2の電極に印加されて、明示された列電極に従って行2中の適切な画素をアクチュエートする。行1画素は、行2パルスに影響されず、行1画素が行1パルスの間に設定された状態に留まる。これは、全系列の行に対して逐次方式で繰り返されることができ、フレームを生成する。一般に、フレームは、1秒当たり所望のフレーム数でこのプロセスを連続的に繰り返すことにより、新たなディスプレイ・データでリフレッシュされる及び/又は更新される。ディスプレイ・フレームを生成するために画素アレイの行及び列電極を駆動するための、広範なプロトコルも周知であり、本発明と共に使用されることができる。
【0024】
図4、図5A及び図5Bは、図2の3×3アレイ上でディスプレイ・フレームを作るための1つの可能なアクチュエーション・プロトコルを説明する。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に対して使用されることができる、列及び行電圧水準の可能なセットを説明する。図4の実施形態では、画素をアクチュエートすることは、適切な列を−Vbiasに設定し、そして適切な行を+ΔVに設定することを含み、これ等は、それぞれ−5V及び+5Vに対応することができる。該画素をリラックスすることは、該適切な列を+Vbiasに設定し、そして該適切な行を同じ+ΔVに設定することにより実現され、該画素を横切る零ボルトの電位差を生成する。行電圧が零ボルトに保持されるこれらの行では、列が+Vbias又は−Vbiasであるかに拘らず、該画素が元々どのような状態であったとしても、該画素は、その状態で安定である。図4にも示されるように、上述で説明された極性とは反対の極性の電圧が使用されることが出来る、例えば、画素をアクチュエートすることは適切な列を+Vbiasに設定し、そして、適切な行を−ΔVに設定することを含むことが出来る、ということが理解される。この実施形態において、該画素をリリースすることは該適切な列を−Vbiasに設定し、そして、適切な行を同じ−ΔVに設定することにより実現され、該画素を横切る零ボルトの電位差を生成する。
【0025】
図5Bは、図5Aに図示されるディスプレイ配列に結果としてなる、図2の3×3アレイに印加される一連の行及び列信号を示すタイミング図であり、そこでは、アクチュエートされた画素は、非反射型である。図5Aに図示されるフレームを書き込む前に、画素は、任意の状態であることができ、そしてこの例では、全ての行が0ボルトであり、全ての列が+5ボルトである。これらの印加電圧では、全ての画素は、自身の現在のアクチュエートされた状態又はリラックスされた状態で安定である。
【0026】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)及び(3,3)がアクチュエートされる。これを実現するために、行1に対する“ライン時間”の期間に、列1及び2は、−5ボルトに設定され、そして列3は、+5ボルトに設定される。全ての画素が3−7ボルトの安定ウィンドウの中に留まるため、これは、どの画素の状態も変化させない。行1は、その後、0から5ボルトまで上がり、零に戻るパルスでストローブされる。これは、(1,1)及び(1,2)画素をアクチュエートし、(1,3)画素をリラックスする。アレイ中のその他の画素は、影響されない。所望されるように行2を設定するために、列2は、−5ボルトに設定され、そして列1及び3は、+5ボルトに設定される。行2に印加される同じストローブは、次に、画素(2,2)をアクチュエートし、画素(2,1)及び(2,3)をリラックスする。再び、アレイのその他の画素は、影響されない。行3は、列2及び3を−5ボルトに、そして列1を+5ボルトに設定することより同様に設定される。行3ストローブは、図5Aに示されるように行3画素を設定する。フレームを書き込んだ後で、行電位は零であり、そして列電位は+5又は−5ボルトのいずれかに留まることができ、ディスプレイは、その後、図5Aの配列で安定である。同じ手順が数十から数百の行及び列のアレイに対して採用されることができることが、理解される。しかも、行及び列アクチュエーションを実行するために使用される電圧のタイミング、順序、及び水準が、上記に概要を示された一般的な原理の範囲内で広範囲に変化されることができ、そして、上記の例は、単なる具体例であり、任意のアクチュエーション電圧方法が、本明細書で説明されるシステム及び方法と共に使用されることができることも、理解される。
【0027】
図6A及び6Bはディスプレイ装置40の一実施形態を説明するシステム・ブロック図である。該ディスプレイ装置40は、例えば、セルラ電話或いは携帯電話であることが出来る。しかしながら、ディスプレイ装置40の同じ構成要素あるいはその若干の変形もまたテレビや携帯メディア・プレイヤーのような様々な型のディスプレイ装置の実例となる。
【0028】
ディスプレイ装置40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ45、入力装置48、及びマイクロフォン46を含む。ハウジング41は、射出成型、及び真空成形を含む、一般に当業者に周知の任意の様々な製造工程から形成される。更に、ハウジング41は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、及びセラミックス、或いは、これ等の組み合わせを含むが、これらには限定されない、任意の種々の材料から作られることができる。1つの実施形態では、ハウジング41は、取り外し可能な部分(図示されず)を含み、異なる色、若しくは、異なるロゴ、絵柄、又はシンボルを含むその他の取り外し可能な部分と取り替えられることができる。
【0029】
具体例のディスプレイ装置40のディスプレイ30は、本明細書中に説明されるように、双安定ディスプレイを含む、任意の様々なディスプレイであることができる。その他の実施形態では、ディスプレイ30は、当業者に周知であるように、例えば、上述で説明されたような、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCDのようなフラット−パネル・ディスプレイ、若しくは、例えば、CRT又はその他の真空管装置のような非フラット−パネル・ディスプレイを含む。しかしながら、本実施形態を説明する目的のために、ディスプレイ30は、本明細書中に説明されるように、光干渉変調器ディスプレイを含む。
【0030】
具体例のディスプレイ装置40の1つの実施形態の構成要素が、図6Bに模式的に図示される。図示された具体例のディスプレイ装置40は、ハウジング41を含み、少なくとも部分的にその中に納められた増設の構成要素を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、具体例のディスプレイ装置40は、トランシーバ47に接続されたアンテナ43を含むネットワーク・インターフェース27を含む。トランシーバ47は、プロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例えば、信号をフィルタする)ために構成されることができる。調整ハードウェア52は、スピーカ45及びマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、また、入力装置48及びドライバ制御器29にも接続される。ドライバ制御器29は、フレーム・バッファ28、及び、アレイ・ドライバ22に接続される。アレイ・ドライバ22は、続いて、ディスプレイ・アレイ30に接続される。電源50は、固有の具体例のディスプレイ装置40設計によって必要とされるように全ての構成要素に電力を供給する。
【0031】
ネットワーク・インターフェース27は、アンテナ43及びトランシーバ47を含み、その結果、具体例のディスプレイ装置40は、ネットワークを介して1又は複数の装置と通信できる。1つの実施形態では、ネットワーク・インターフェース27は、また、プロセッサ21の要求を軽減させるためにいくつかの処理能力をも持つこともできる。アンテナ43は、信号を送信し受信するための当業者には公知の任意のアンテナである。1つの実施形態では、アンテナは、IEEE802.11(a),(b),又は(g)を含む、IEEE802.11規格に従ってRF信号を送信し、受信する。別の1つの実施形態では、アンテナは、ブルートゥース(BLUETOOTH(登録商標))規格に従ってRF信号を送信し、受信する。セルラ電話機の場合には、アンテナは、CDMA、GSM、AMPS、又は、無線セル電話ネットワークの内部で通信するために使用されるその他の公知の信号、を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信される信号を事前処理し、その結果、該信号はプロセッサ21によって受信され、更に処理されることができる。トランシーバ47は、また、プロセッサ21から受信される信号も処理し、その結果、該信号は具体例のディスプレイ装置40からアンテナ43を介して送信されることができる。
【0032】
別の実施形態において、トランシーバ47は、受信機によって置き換えられることができる。更に別のそれに替わる実施形態では、ネットワーク・インターフェース27は、画像情報源によって置き換えられることができる。画像情報源は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶あるいは生成できる。例えば、画像情報源は、ディジタル・ビデオ・ディスク(digital video disc)(DVD)又は画像データを包含するハード−ディスク・ドライブ、若しくは画像データを生成するソフトウェア・モジュールであることができる。
【0033】
プロセッサ21は、一般に、具体例のディスプレイ装置40の総合的な動作を制御する。プロセッサ21は、ネットワーク・インターフェース27又は画像情報源から圧縮された画像データのような、データを受信し、そして、該データを生の画像データに処理する、又は生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。プロセッサ21は、その後、処理されたデータをドライバ制御器29へ送る、又は記憶のためにフレーム・バッファ28へ送る。生データは、一般的に、画像の内部でのそれぞれの位置における画像特性を識別する情報のことを呼ぶ。例えば、そのような画像特性は、色彩、彩度、及びグレー・スケール・レベルを含むことができる。
【0034】
1つの実施形態において、プロセッサ21は、マイクロコントローラ、CPU、又は論理ユニットを含み、具体例のディスプレイ装置40の動作を制御する。調整ハードウェア52は、一般に、スピーカ45に信号を送信するために、そして、マイクロフォン46から信号を受信するために、増幅器及びフィルタを含む。調整ハードウェア52は、具体例のディスプレイ装置40内部の独立した構成要素であることができる、若しくは、プロセッサ21又はその他の構成要素の内部に組み込まれることができる。
【0035】
ドライバ制御器29は、プロセッサ21により生成される生の画像データをプロセッサ21、又はフレーム・バッファ28、の何れかから直接取得し、そしてアレイ・ドライバ22への高速送信のために該生画像データを適切に再フォーマットする。具体的には、ドライバ制御器29は、該生画像データをラスタ状のフォーマットを有するデータ・フローに再フォーマットする、その結果、データ・フローは、ディスプレイ・アレイ30全体を走査するために適した時間の順番を有する。次に、ドライバ制御器29は、該フォーマットされた情報をアレイ・ドライバ22へ送る。LCD制御器のような、ドライバ制御器29は独立型の集積回路(Integrated Circuit)(IC)としてシステム・プロセッサ21にしばしば関連付けられるけれども、そのような制御器は、多くの方法で実装されることができる。これらは、ハードウェアとしてプロセッサ21に搭載される、ソフトウェアとしてプロセッサ21に搭載される、若しくはアレイ・ドライバ22を持つハードウェアに完全に統合されることができる。
【0036】
一般的に、アレイ・ドライバ22は、フォーマットされた情報をドライバ制御器29から受信し、そして、映像データを、ディスプレイの画素のx−y行列から来る数百本そして時には数千本のリード線(lead)に毎秒多数回適用される、並列集合の波形に再フォーマットする。
【0037】
1つの実施形態において、ドライバ制御器29、アレイ・ドライバ22、及びディスプレイ・アレイ30は、本明細書中に説明される任意の型のディスプレイに対して適切である。例えば、1つの実施形態では、ドライバ制御器29は、従来型のディスプレイ制御器又は双安定ディスプレイ制御器(例えば、光干渉変調器制御器)である。別の1つの実施形態では、アレイ・ドライバ22は、従来型のドライバ又は双安定ディスプレイ・ドライバ(例えば、光干渉変調器ディスプレイ)である。1つの実施形態では、ドライバ制御器29は、アレイ・ドライバ22と統合される。そのような実施形態は、セルラ電話機、時計、及びその他の小面積ディスプレイのような高度に集積されたシステムにおいて一般的である。さらに別の1つの実施形態では、ディスプレイ・アレイ30は、典型的なディスプレイ・アレイ又は双安定ディスプレイ・アレイ(例えば、光干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0038】
入力装置48は、利用者が具体例のディスプレイ装置40の動作を制御することを可能にする。1つの実施形態では、入力装置48は、クワーティ(QWERTY)キーボード又は電話キーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、接触感応スクリーン、感圧又は感熱膜を含む。1つの実施形態では、マイクロフォン46は、具体例のディスプレイ装置40に対する入力装置である。マイクロフォン46が装置にデータを入力するために使用される場合、音声命令が、具体例のディスプレイ装置40の動作を制御するために、利用者によって与えられることができる。
【0039】
電源50は、当業者には周知の各種のエネルギー蓄積装置を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、電源50は、ニッケル−カドミウム電池又はリチウム・イオン電池のような、充電可能な電池である。別の1つの実施形態では、電源50は、回復可能なエネルギー源、キャパシタ、又はプラスチック太陽電池、及びソーラー−セル塗料を含む太陽電池である。別の実施形態では、電源50は、壁のコンセントから電力を受け取るように構成される。
【0040】
いくつかの実装では、制御のプログラム可能性は、上記に説明されたように、電子ディスプレイ・システム中の複数の場所に置かれることが可能であるドライバ制御器中に常駐する。いくつかの場合では、制御のプログラム可能性は、アレイ・ドライバ22中に常駐する。上記に説明された最適化が、任意の数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素において及び種々の構成において、実装されることができることを、当業者は認識する。
【0041】
上記に説明された原理に従って動作する光干渉変調器の構造の詳細は、広範囲に変化できる。例えば、図7A−図7Eは、可動反射層14及びその支持構造の5つの異なる実施形態を図示する。図7Aは、図1の実施形態の断面図であり、そこでは金属材料14の薄帯が、直交して延びている支持体18上に堆積される。図7Bでは、可動反射層14は、連結部(tether)32上に、角部だけで支持体に取り付けられる。図7Cでは、可動反射層14は、柔軟な金属からなることが出来る、変形可能層34から吊り下げられる。変形可能層34は、変形可能層34の周辺の周りの基板20に直接的に或いは間接的に接続する。これ等の結合部は本明細書中では支柱と呼ばれる。図7Dに説明される実施形態は変形可能層34が載る支柱プラグ42を有する。可動反射層14は、図7A−7Cにおけるように、キャビティ上に吊るされて留まる、しかし、変形可能層34は、光学スタック16と変形可能層34との間の穴を埋めることによる支柱を形成しない。むしろ、支柱は平坦化材料から形成され、該材料は支柱プラグ42を形成するために使用される。図7Eに示される実施形態は図7Dに示される実施形態に基づいているが、しかし、示されない追加の実施形態のみでなく図7A−7Cに説明された何れの実施形態と共に作用するために適用されることも出来る。図7Eに示される実施形態においては、金属または他の導電材料の追加層がバス構造44を形成するために使用されてきた。これは光干渉変調器の背後に沿う信号の転送を可能にし、他の方法では基板20上に形成されねばならなかった電極数を削減する。
【0042】
図7に示されるような複数の実施形態において、光干渉変調器は直視装置として機能し、そこでは画像は、透明基板20の前面、該変調器が配列される面の反対側、から見られる。これ等の実施形態において反射層14は、反射層の基板20と反対側の面上にある光干渉変調器のある部分を、変形可能層34およびバス構造44を含めて、光学的に遮蔽する。このことは、該遮蔽される領域が画像品質に負の影響を与えずに構成されそして動作されることを可能にする。この分離可能な変調器の構成は、変調器の電気機械的側面および光学的側面に対する構造設計と使用される材料が互いに独立に選択されそして機能することを可能にする。更に、図7C−7Eに示される実施形態は、反射層14の光学的特性をその機械的特性から切り離すことから派生する付加的利点を有する、該機械的特性は変形可能層34により達成される。このことは、反射層14に使用される構造設計及び材料が光学的特性に関して最適化されること、そして、変形可能層34に使用される構造設計及び材料が所望の機械的特性に関して最適化されること、を可能にする。
【0043】
ディスプレイ品質を向上させるために観察者と光干渉変調器構造体との間に様々な型のフィルタを置くことはしばしば有利に働くことが出来る。ある場合には、これ等のフィルタは光干渉変調器構造体から分離して基板と観察者の間に置かれることが出来る。そのような分離したフィルタは交換が容易であるという利点を有するが、しかしながら、光干渉変調器ディスプレイ・パッケージの全体的な厚さが増大し、そして、ある場合には、フィルタ−空気−基板界面による付加的な光学的錯綜が生じる可能性がある。他の場合には、該フィルタは、基板の1又は複数の表面に形成される或いは接着される、フィルム中に組み込まれることが出来る。しかしながら、所望のフィルタの機能性をフィルム中に組み込むことはその厚さの故に困難なことがある。
【0044】
本発明の様々な実施形態において、フィルタの機能性は光干渉変調器それ自体の基板に組み込まれて分離構成の必要性を排除する。このようなシステムは光干渉変調器の製造を簡素化し、そして、フィルタを含む光干渉変調器の厚さを低減する。その上、基板へのフィルタの包含は、分離した薄膜よりも、例えば、光干渉変調器の湿気に対する感受性およびスクラッチに対する抵抗を低減することができる。基板フィルタ・システムの特定の非限定的な例が下記に説明される。
【0045】
図8は基板の選択された部分に暗着色を有する光干渉変調器800の断面図である。光干渉変調器800は支持体804によって部分反射器802から分離される可動鏡806を具備する。図8において部分反射器802は選択的暗着色830を含む基板810に隣接する。具体例の図8はまた光干渉変調器における誘電体820及び視る眼510も図示する。本明細書中で使用されるように、用語“光変調素子”と“変調素子”は互いに交換可能に使用され、そして、それぞれ、光干渉変調器の可動鏡および光干渉変調器の部分反射器の間の構造体、及び、それ等を含む構造体、を含む。図8を参照して、例えば、光変調素子860は、可動鏡806および部分反射器802の間の構造体、及び、それ等を含む構造体、を具備する。
【0046】
図7Aに図示されるように、例えば、複数の支持構造18の部分は基板20を通して観察者の眼に見える。これ等の支持構造18は光干渉変調器に基づく画像のコントラスト及び鮮鋭度を低下させることが出来る固有の反射を有する可能性がある。更に、それぞれの光干渉変調器800(図8)の境界部807(図8)は該光干渉変調器が暗状態に駆動される場合ですら反射を示すことができる、その理由は反射鏡806が境界部807において完全には潰れないからである。従って、それぞれの光干渉変調器構造体の中央部の妨害されない観察をなお可能にする一方、光干渉変調器の支持構造と境界部の反射を遮蔽するためにパターニングされた暗色フィルタリングを使用することは有利に働くことが出来る。
【0047】
従って、基板810は暗着色830の領域830を、そのような暗着色のない領域によって分離されて、含むことが出来る。暗着色の範囲は淡着色から実質的な暗着色まで及ぶことが出来る。ある場合には、着色はカラー化されることが出来る。カラーの色合いの範囲もまた淡彩色から濃配色にいたるまで変化することが出来る。帯状、格子状、或いは十字交差パターンが使用されることが出来る。その他のパターンもまた可能である。
【0048】
1つの実施形態において、パターニングされた暗着色830は顔料を使用して基板810中に組み込まれる。(例えば、ガラスや高分子の)暗着色に関して当業者には公知の任意の吸収剤顔料が基板810中に組み込まれることが出来る。周知の或いは今後考案されるであろう、その他の型の顔料または色素またはその他の物質、が採用されることが出来る。
【0049】
1つの実施形態において、物質830は、基板の表面に、顔料物質のようなフィルタ物質のパターンを形成することによって、続いて、該フィルタ物質が基板810の内部に拡散することを可能にするガラスの軟化によって、基板810の中に形成される。更に特別には、暗着色830或いは本明細書中で説明される任意の他のフィルタを基板810中に組み込む具体例のプロセスは基板の複数の部分をマスキングすること、フィルタ物質を基板に塗布すること、及び、該フィルタ物質を該基板中に拡散すること、を含むことが出来る。これ等のプロセスは数個の方法で達成されることが出来るが、そのいくつかが下記に説明される。
【0050】
1つの実施形態において、薄い金属板或いはその他の堅い材料からなるシャドー・マスクが、フィルタ材料が拡散されるべき基板の部分に対応する、複数の穴でパターニングされる。次に該シャドー・マスクは基板上に置かれ、そして、フィルタ物質が該基板に塗布される。フィルタ物質を塗布後、該シャドー・マスクは除去されることが出来て、フィルタ物質のみを所望の領域に残す。
【0051】
別の実施形態においては、フィルタ物質は、例えば、インク−ジェット印刷技術を使用して基板に直接塗布されることが出来る。この実施形態では、フィルタ物質は、該フィルタ物質を拡散すべき基板の部分にのみ、塗布されることが出来る。別の実施形態においては、基板上にマスクを形成するためにインク−ジェット印刷技術が使用されることが出来る、この場合、該マスクは、図8における暗着色830の間の基板810の部分のような、フィルタ化されない基板部分に対応する。
【0052】
一定の実施形態において、フィルタ物質は、フィルタ物質に結合される、例えば、アルコールのような、粘着媒体を使用して、基板810に塗布される。有利な実施形態においては、粘着剤は揮発性であり、その結果、基板810が後に加熱されるとき、該粘着剤は基板810から除去される。別の実施形態においては、フィルタ物質は粘着剤を含まないけれども、基板上の適切な場所に、例えば、重力によって保持される。基板810のマスキングされない部分をフィルタ物質に曝すために、その他複数の方法もまた利用されることが出来る。
【0053】
別の実施形態においては、フィルタ物質はフォトリソグラフィ技術を利用して基板の選択された部分に塗布される。1つの実施形態において、フィルタ物質は先ず基板全面に塗布される。次に、フォトレジスト材料がフィルタ物質の上に塗布され、そして、適切な光源を使用してパターニングされる。フォトレジスト材料のパターニングされた部分は、次に、溶剤を使用して除去されて、フィルタ物質が基板中に拡散されるべき部分にのみフォトレジスト材料を残す。1つの実施形態において、同じ溶剤、若しくは追加の溶剤、がパターニングされた部分からフィルタ物質を除去する、その結果、残留するフォトレジスト材料が除去されると、フィルタ物質は基板の所望の部分にのみ残留する。
【0054】
基板上のフィルタ物質と共に、1又は複数の上述で説明された技術或いはその他好適な技術を利用して、基板810は該フィルタ物質を基板810中に拡散するのに十分な温度に加熱される。1つの実施形態において、基板810は約200℃から250℃の範囲の温度に加熱される。別の実施形態において、基板810は約150℃から300℃の範囲の温度に加熱される。所望の量のフィルタ物質を基板810中に拡散させるのに十分な時間、基板810はこの温度に保持される。この時間の長さは、特定のフィルタ物質、基板810の材料、及び、フィルタ作用の仕様に依存して、数分から数時間の範囲になることがある、結果として、フィルタ物質は基板810中に十分に拡散させられる。
【0055】
一定の実施形態において、顔料物質のようなフィルタ物質は、基板810の厚さの一部のみに拡散する。例えば、暗着色830は基板810の厚さの約1/Nのみに広がることが出来る、ここでNは正の整数である。従って、フィルタ作用の仕様に従って、加熱及び拡散プロセスは、基板810の所望の深さへの拡散を引き起こすために変更されることが出来る。
【0056】
他の実施形態において、フィルタ物質は、基板が形成されているときに、基板810中に組み込まれることが出来る。例えば、様々な実施形態において、基板810は、高分子粒を溶融しそして融解した高分子材料の薄板を形成することによって作られる高分子材料を具備する。顔料のようなフィルタ物質は加熱の前に或いは加熱中に高分子粒に加えられ、そして、融解される粒と混合されることが出来る。このようにして、フィルタ物質は融解される高分子中にそして結果として得られる高分子基板810中に実質的に一様に拡散されることが出来る。類似のプロセスが、ガラス基板810中にフィルタ物質を組み込むために、使用されることが出来る。
【0057】
1つの実施形態において、基板810の相対的な厚さの故に、暗着色830における吸収剤顔料の密度は、薄膜の形における着色の場合ほど高い必要はない。その替わり、フィルタは、光干渉変調器の基板の何れかの側に接着される1又は複数の薄膜を具備することができる。これ等の1又は複数の薄膜が光干渉変調器に加えられると、光干渉変調器構造体の全厚は少なくとも薄膜の厚さだけ増大させられる。本明細書中で説明される光干渉変調器の実施形態はフィルタ物質を光干渉変調器の基板中に組み込むという利点があって、従って、類似のフィルタ物質を分離した薄膜中に有する類似の光干渉変調器と比較して、光干渉変調器構造体の全厚を削減する若しくは最小化する。
【0058】
図9は、基板910中に組み込まれたカラー着色930を有する光干渉変調器900の断面図である。該具体例の光干渉変調器900は支持体904によって部分反射器902から分離される可動鏡906を含む光変調素子960を具備する。図9において、可動鏡906と部分反射鏡902との間の距離は、光干渉変調器900が2次の赤光を反射するように構成される。具体例の図9において、部分反射器902はカラー着色930を含む基板910に隣接する。具体例の図9はまた光変調素子960における誘電体920及び視る眼510も図示する。
【0059】
上述で説明されたように、光干渉変調器は、2つの反射面の間の距離が特定の波長の光が反射される結果をもたらす建設的干渉を創るように、構成される。1つの実施形態において、可動鏡906と部分反射鏡902のような反射面間の、特定の色の光の約1/2波長の光学的路長dは該色の反射光に建設的干渉を経験させ、従って、観測者に該色を反射して戻す。当業者には周知のように、光学的路長は光が伝播する媒質(例えば、誘電体層920)の屈折率を計算に入れる。
【0060】
図9に関連して、例えば、部分反射鏡902と可動鏡906との間の光学的路長dが増大するに従い、一般に、より長波長が反射光となる。一定の実施形態において、反射鏡902と可動鏡906との間の距離が所望の色の、例えば約1×波長および1.5×波長等々のような、波長の1/2の倍数である場合にも、建設的干渉は生じることが出来る。これが生じる毎に、生成される光の“次数”が増加する。例えば、間隙長さが所望の波長の約1/2の場合、その色は1次の色と呼ばれる。光学的路長dが波長に近似的に等しい場合、それは2次の色と呼ばれる。波長の約1.5倍の場合3次の色である。図9に図示されるリラックスされた状態においては、光学的路長dは凡そ赤光の波長にセットされ、その結果、光干渉変調器900は2次の赤光を反射する。
【0061】
もしカラー画素が2次の赤光を反射する光干渉変調器を使用するように設計されるならば、該光干渉変調器の分光特性は赤のピークと同様に青色領域中のピーク双方を示す。これは、2次の赤色ピークと3次の青色ピークが同時に共鳴するためである。従って、該赤の光干渉変調器の色品質は、1次赤色光干渉変調器と比較して低下されることがある。しかしながら,色品質は赤フィルタを使用して青のピークをフィルタ除去することにより向上させられることが出来る。図9に示されるように、パターニングされた赤着色930が2次赤色光変調素子960を覆う基板910中に組み込まれる。顔料、色素、或いはその他のフィルタ物質が、当業者に公知であろうと今後開発されるものであろうと共に、基板910中に組み込まれることが出来る、該基板は例えばガラス若しくは高分子を具備する。図8に関して上述で説明されたシステム及び方法が使用されることが出来る。例えば、赤の顔料が基板910に接着されることが出来る、基板910は加熱されることが出来る、そして、赤色顔料は基板910中に拡散することが出来る、その結果、基板910は赤色顔料物質を含有する。その他の方法およびアプローチもまた利用されることが出来る。上述で注意されたように、基板中にパターニングされた着色930を備える光干渉変調器900の相対的な大きさは薄膜の赤色フィルタを有する類似の光干渉変調器よりも小さい可能性がある。
【0062】
当該技術者たちは、適切なカラー顔料又は色素又はカラー・フィルタ物質を選択することによって、高次光干渉変調器反射において可視波長に出現する任意の他の望ましくない分光ピークをフィルタ除去するために、類似の技術が利用されることが出来ることを認識する。
【0063】
図10は3つの(第1、第2、第3)光変調素子1000A、1000B、1000Cの断面図であって、それ等の素子は、例えば、ディスプレイのための空間光変調器アレイの中に1つの画素を形成する。光変調素子1000A、1000B、1000Cはそれぞれの光変調素子と1直線に配列されたカラー着色1030A、1030B、1030Cを有する基板1010上に配置される。それぞれの光変調素子1000は支持体1004によって部分反射器1002から分離される可動鏡1006を具備する。図10において、光変調素子1000は、赤、緑、青のような少なくとも3色の波長の光を反射するように構成される。1つの実施形態において、それぞれの光変調素子1000はアクチュエート(即ち、ある複数の実施形態における誘電体材料に関するものを除いて可動鏡1006と部分反射鏡1002との間の間隙が殆どない)時に広帯域の反射率を示す。この具体例の実施形態では、アクチュエートされた状態において、それぞれの光変調素子はあらゆる波長の入射光を反射する、完全に反射的な鏡として作用する。
【0064】
図10の実施形態において、視る眼510によってそれぞれの光変調素子から見ることが出来る光の波長は基板1010中にカラー・フィルタ1030を組み込むことにより調整される。例えば、光変調器のアレイ1001は第1光変調素子1000Aの前方に赤着色1030A、第2光変調素子1000Bの前方に青着色1030B、第3光変調素子1000Cの前方に緑着色1030C、を具備する。このようにして、アレイ1001は同じ大きさを有する光変調素子から3つの色を供給する。この実施形態では、カラー光干渉変調器ディスプレイの作製は簡単化されることが出来る、その理由は、全ディスプレイは、可動鏡1006と部分反射鏡1002との間の間隙長を同一にし、そして、カラー・フィルタを含有するための基板へのパターニングを同一にして、作られることが可能だからである。1つの実施形態において、3つの光変調素子1000A、1000B、1000Cはディスプレイの1画素を構成する。
【0065】
(例えば、ガラス若しくは高分子の)カラー着色を実現するために当業者には公知の任意の好適なカラー顔料が基板1010に組み込まれることが出来る。その他の顔料、色素、若しくはカラー材料もまた使用されることが出来る。1つの実施形態において、パターニングされた着色1030A、1030B、1030Cは、例えば、マスクを使用して基板1010の表面上に顔料物質のパターンを形成することによって、基板1010中に組み込まれる。図8に関して上述で説明された技術のような、他の技術もまた基板1010上にフィルタ物質のパターンを作るために利用されることができる。1つの実施形態において、赤、緑、及び青の顔料のような、3つの異なるフィルタ物質を選択的に基板1010に塗布するために、上述で説明されたフォトリソグラフィ若しくはインクジェット技術のような、3つのパターニング段階が順次実行される。図8に関して上述で説明されたように、基板1010は、顔料物質を基板1010中に拡散させるために、加熱されることが出来る。これ等のアレイ1001及び基板1010を作製する広範囲の方法が可能である。
【0066】
一定の実施形態では、光干渉変調器は図10に関して説明されたものと比べて、基板中にパターニングされる、より少数の若しくはより多数の色を含むことが出来る。他の実施形態では、基板1010のように、複数色のパターニングを含む基板は、変調素子の支持体及び境界部の前方に暗着色を含むことも出来る。この実施形態では、基板上の所望の場所に3つのカラー着色と暗着色を適用するために4つのパターニング段階が実行されることが出来る。1つの実施形態において、複数のフィルタ物質が基板1010上にパターニングされた後に、該基板は、それぞれのフィルタ物質が基板1010中に拡散するのに十分な時間、十分な温度に加熱される。
【0067】
図11Aは基板1110中にカラー着色1130を有する別の光干渉変調器1100の断面図である。具体例の光干渉変調器1100は支持体1104によって部分反射器1102から分離される可動鏡1106を含む光変調素子1160を具備する。図11Aでは、可動鏡1106と部分反射鏡1102との間の距離は、光変調素子1160が1次の緑光を反射するように、構成される。図11Aの実施形態では、部分反射器1102はカラー着色1130を含む基板1110に隣接する。具体例の図11Aはまた光変調素子11630における誘電体1120及び視る眼510も図示する。
【0068】
上述で注意されたように、該光変調素子1160は1次の緑光を反射するように構成される。緑光は、他の色の光と比較して、視る眼510にとってより強い知覚的明るさ及びコントラストを有することが出来る。しかしながら、明るい画素は緑の代わりに白に見えることが好ましいことがある。従って、図11Aの実施形態では、カラー着色1130は光変調素子1160から反射される緑の分光のピークに近い波長の強度を低減するマゼンタ・フィルタを具備する。基板1110中の該カラー着色1130を用いると、光干渉変調器1100から反射される光は白色と感じられる分光特性を示す。
【0069】
1つの実施形態において、適切なマゼンタカラー着色1130は、1次緑光波長を建設的に変調するように構成された光変調素子を具備する、光干渉変調器アレイの基板1110に組み込まれる。従って、視る眼510は光干渉変調器1100を黒色あるいは白色の何れかと感じる。上述で説明されたように、マゼンタカラー着色1130は、基板1110にマゼンタ顔料を塗布するプロセス、及び、該顔料を基板1110中に拡散させるために該基板1110を加熱するプロセス、によって組み込まれることができる、或いは、本明細書中で説明される若しくは当業者に公知の他のパターニング技術の利用を介しても良い。
【0070】
図11Bは、変調素子1160とマゼンタ・フィルタリング物質を組み込んだ基板1110を含む1つの実施形態の分光感度を説明するグラフ図である。水平軸は反射光の波長を表す。垂直軸は可視スペクトル全体の相対的分光感度を表す。線1140は光変調素子1160の感度を図示する、この線はスペクトルの緑の部分、例えば、可視スペクトルの中央近辺、に中心を置かれる単一ピークである。線1142はマゼンタ・フィルタリング物質を組み込んだ基板1110の感度を図示する。線1142はU−形状の極小の両側に比較的平坦な部分を有する。線1142はこのように、実質的に赤光と青光を選択的に透過し、他方、スペクトルの緑部分の光をフィルタする、マゼンタ・フィルタの感度を表す。線1144は変調素子1160と基板1110の合成された分光感度を図示する。線1144は、合成分光感度が、基板1110中に組み込まれたフィルタ物質による光のフィルタ作用により変調素子1160よりも低い反射率のレベルになることを説明する。しかしながら、分光感度は可視スペクトルに亘って比較的一様であり、その結果、フィルタ作用を受け光干渉変調器1100から反射される光は白色として感じられる。
【0071】
ある複数の実施形態では、グラデーション着色が、基板1110のような、基板中に組み込まれ、その結果、視野角が基板1110の法線から増大するに従い、着色によってフィルタされる反射光の量が増大する。このようにして、観測者が、光干渉変調器ディスプレイから、基板の法線方向から遠ざかるに従い、画像はますます薄暗くなる。例えば、もし視る眼510が光干渉変調器1100から、基板1110の前面に垂直な、方向1150に反射される光を見るように配置されるならば、該視る眼510はフィルタ物質を含む基板1110の厚さtを2度通過する光を見る(例えば、該光は光干渉変調器1100に入射する時に基板1110を通過し、そして、光干渉変調器1100に出る時に再び基板1110を通過する。)視る眼510が、光干渉変調器1100から法線を外れた方向1152に反射される光を見るような位置に移動すると、該反射光が通過する基板1110の厚さが増大する。例えば、もし方向1150と方向1152との間の角が約45度であるならば、1152方向へ貫く基板1110の厚さは約t*1.414である。従って、1152方向にある視る眼150によって見られる光は、該光が1150方向に通過する場合よりも基板を約3倍通過してきた(例えば、光は約t*1.4の厚さを2度、これは約2.8T、通過する)、そして基板1110中のフィルタ物質を約3倍多く透過した。このようにして、もし基板1110中のフィルタ物質が一定の波長の光を吸収するならば、1150方向とみる眼510との間の角が増大するに従い、基板1110により吸収される該一定の波長の量もまた増大する。
【0072】
図12Aは基板1210に組み込まれる視野フィルタ1230を有する光干渉変調器1200の断面図を図示する。具体例の光干渉変調器1200は支持体1204によって部分反射器1202から分離される可動鏡1206を含む光変調素子1260を具備する。具体例の図12Aはまた光変調素子1260における誘電体1220及び視る眼510も図示する。
【0073】
ある場合には、光干渉変調器ディスプレイは制限された視野角を有することが望ましい。例えば、光干渉変調器ディスプレイがATMで使用される場合、表示される情報のプライバシーを保護するために、ディスプレイは該ディスプレイの表面に垂直に近い角度からのみ見ることが出来ることが望ましい。更に、光干渉変調器から反射される光の色は光の反射角と共に変化する。従って、視野角を制限することによって、観測者によるこの色ずれの知覚を除くことが望ましいことがある。図12Aで表される実施形態において、光干渉変調器1200の視野角は、基板1210中に視野フィルタ1230(本明細書中ではブラインド1230或いは邪魔板1230とも呼ばれる)を組み込むことによって、制限される。分離膜中ではなく基板1210中にブラインド1230を組み込むことにより、所定の距離だけ隔てられた邪魔板1230を有する基板1210は、同じ所定の距離だけ隔てられた邪魔板を有する薄膜に比べて、基板中の邪魔板1230の拡大された長さの故に、より大きな角度の削減を提供することが出来る。
【0074】
図12Aに図示されるように、邪魔板1230は基板1210に実質的に垂直な複数の薄い構造を具備する。従って、具体例の方向1250のように、ブラインド構造1230に実質的に平行に向けられて、光変調素子1260から反射される光はブラインド1230によりあまり影響を受けずに基板1210を通過する。対照的に、光変調素子1260から、具体例の方向1240のような、他の角度で反射される光はブラインド1230により反射角に依存して部分的に遮られる。当該技術者等は視野がブラインド1230の形状、方向、大きさ及び間隔によって調整されることが出来ることを認識する。例えば、邪魔板1230は、基板1210の前面1211に直角な、1250方向周りの測定で約±20度以下の視野を与えるための寸法、形状、及び、間隔を有することが出来る。視野は、従って、1250方向周りの測定で約±20度、±25度、±30度、±35度、及び、±40度あるいはそれ未満の間であることが出来る。1つの具体例の実施形態において、邪魔板1230は前面1270の法線に対して約±30度の視野をディスプレイ1200に与える。
【0075】
邪魔板1230を作るために様々な技術が利用されることが出来る。1つの実施形態では、ガラスの積層板が使用される。この実施形態では、1又は複数のガラスの積層板がフィルタ物質でパターニングされ、そして、一緒に加熱されてフィルタ物質を組み込んだ単一の基板を形成することが出来る。別の実施形態では、第1薄層が、例えば、上述で説明された1又は複数の技術を利用して、フィルタ物質でパターニングされ、そして、第2薄層が該第1薄層のパターニングされた表面上に置かれることが出来る。次に、該フィルタ物質を2つの薄層に同時に拡散させるために、該積層板は加熱されることが出来る。この実施形態では、フィルタ物質は、構成される基板構造の中央に置かれることが出来るという利点がある。その上、フィルタ物質は2つの材料中に同時に拡散するので、加熱時間が削減されることが出来る。
【0076】
他の実施形態において、フィルタ物質は、上述で説明された1又は複数の技術を利用して、基板の表面上で細長い複数の線に形作られる。1つの実施形態において、上述で説明された1又は複数の技術を利用して、基板は格子状パターンでパターニングされる。フィルタ物質が邪魔板を形成するために基板中に拡散される実施形態において、該フィルタ物質を基板の上表面中に拡散させる一方、基板中での横方向拡散が削減あるいは最小化されるように、加熱時間は低減されることが出来る。1つの実施形態において、邪魔板を形成する際、フィルタ物質は基板の上側約1/3のみに拡散される。
【0077】
邪魔板は変調素子1260の一定の角度から反射される光を実質的に吸収することを意図されるので、一定の実施形態において邪魔板は可能な限り薄い。その上、一定の実施形態では、邪魔板1230を形成するために使用されるフィルタ物質は、加熱される基板中を基板1210の表面に実質的に垂直な方向に拡散する物質からなる。別の実施形態では、フィルタ物質は基板1210よりも高い融点を有する、その結果、基板1210が加熱されると、フィルタ物質は殆ど拡散せずに基板材料中に沈む。このようにして、邪魔板1230は、実質的により高い融点のフィルタ物質の厚さになる。1つの実施形態では、セラミック材料が一連の行構成、列構成、あるいは格子構成でパターニングされることが出来て、そして次に、該パターニングされたセラミック材料を覆って溶融基板材料が注がれることが出来る。基板材料が固まると、パターニングされたセラミック材料は基板中で邪魔板を形成する。
【0078】
図12Bは基板1211中に組み込まれた邪魔板1261を有する具体例の基板1211の透視側面図であり、図12Cはその平面図である。図12B及び12Cの実施形態において、邪魔板1261は実質的に垂直に整列された複数の円筒形状である。1つの実施形態において、該邪魔板1261の外表面1262aは不透明物質で被覆される。該邪魔板1261は、基板1211を加熱すること、基板1211の上表面の上に邪魔板を置くこと、そして、邪魔板を基板1211中に沈ませること、のような、上述で説明された任意の方法によって、基板1211中に配置されることが出来る。
【0079】
一定の実施形態において、図12A−12Cにおいて示される邪魔板構造1230,1261は反射材料からなることが出来る。もし邪魔板1230,1261の光変調素子に最も近い部分が実質的に反射型ならば、その場合、邪魔板1230,1261の反射部に入射する光変調素子から反射される光は基板1210、1211を透過することなく、該光変調素子に反射されて戻される。一定の実施形態において、邪魔板構造1261(図12B)の外表面1263は、実質的に反射型の物質のフラッシュ・コーティングのような、実質的に反射型の材料から作られることが出来る。
【0080】
図13は基板1310中に光ルミネセンス物質1330を有する光干渉変調器1300の断面図である。具体例の光干渉変調器1300は支持体1304によって部分反射器1302から分離される可動鏡1306を含む光変調素子1360を具備する。図13の実施形態では、部分反射器1302は光ルミネセンス物質1130を含む基板1310に隣接する。具体例の図13はまた光変調素子1360における誘電体1320及び視る眼510も図示する。本明細書中で使用されるような、光ルミネセンス物質は燐光特性及び/又は蛍光特性を有する物質を含む。可能な光ルミネセンス物質の例はLUMI(長時間残光光ルミネセンス顔料、グローバル・トレード・アライアンス(Global Trade Alliance)Inc、アリゾナ州スコッツデール(Scottsdale)、製)への米国特許番号No.6,278,135号において説明される物質を含む、及び、BC−482A及びBC−484を具備する材料、波長変換バー(wavelength shifter bars)(セント−ゴバルン・クリスタルズ・アンド・ディテクターズ(Saint-Gobaln Crystals and Detectors)、オハイオ州ニューベリー(Newbury))を含む。
【0081】
様々な実施形態において、光ルミネセンス物質1330は適切な光を用いた励起に基づいて光干渉変調器1300の前面照明を提供する。例えば、一定の実施形態において、光源1344は、光ルミネセンス物質1330を励起するために使用されることが出来る、青色LEDのような、短波長光源を具備し、該蛍光材料は励起されると長波長の光1340を放射する。1つの実施形態では、多種の光ルミネセンス物質1330が、様々な波長で光を放射するために、光変調素子中に組み込まれる。例えば、光干渉変調器の1つのセットは、青色変調素子によって反射される光に類似の分光特性を有する光を放射する光ルミネセンス物質1330を含むことが出来る、光干渉変調器の別のセットは、緑色変調素子によって反射される光に類似の分光特性を有する光を放射する光ルミネセンス物質1330を含むことが出来る、そして、光干渉変調器の第3のセットは、赤色変調素子によって反射される光に類似の分光特性を有する光を放射する光ルミネセンス物質1330を含むことが出来る。このようにして、アレイ中の光変調素子と関連付けられる光ルミネセンス物質1330を変えることによって、モノクロームのディスプレイが多色ディスプレイに変換されることが出来る。
【0082】
1つの実施形態において、励起光源1344は光1342が光干渉変調器1300の横側から基板1310に出会うような位置に置かれることが出来る。この実施形態では、光ルミネセンス物質1330は光1340を全ての方角に放射する、従って、光変調素子1360の内部における実質的に一様な照明を提供する、という利点がある。
【0083】
他の実施形態において、光源1344は光干渉変調器1300の基板1310に近接する任意のその他の位置に置かれることが出来る。光ルミネセンス物質1330は小粒として基板1310中に組み込まれることが出来る、或いは、例えば、他の実施形態を参照して上述で説明された加熱および拡散の方法によって、基板中に溶解されることが出来る。それに代わって、光ルミネセンス物質1330は基板1310が形成されるとき基板1310中に一様に混合されることができる。他の方法もまた使用されることが出来る。当該技術の熟練者たちは光干渉変調器ディスプレイの前面照明にとって好適な多数の光ルミネセンス物質を知っている。今後考案されるものも周知のものも何れの光ルミネセンス物質も採用されることが出来る。
【0084】
設計及び構成における広範囲の変更もまた可能である。異なるアプリケーションに対して基板中に異なる材料を異なる量で組み込むことに加えて、様々な異なるパターニングが使用されることが出来る。基板中に導入される材料の量あるいは型は、基板中への深さに従って変えることが出来る、或いは、例えば、グラデーションを創るために及び様々なパターンを形成するために、横方向に変えることが出来る。パターン形状の大きさもまた変えることが出来る。複数の材料の組み合わせが基板中に導入されることが出来る。製造の方法ばかりでなく構成とその結果としての構造の更に別の変更が可能である。
【0085】
その上、先述の諸説明は本発明の一定の実施形態を詳述する。しかしながら、先述が本文中で如何に詳しく見えようとも、本発明は多くの方法で実行されることが出来ることが認識される。これもまた上述で述べられたように、本発明の一定の性能或いは態様を説明する際の特別な術語の使用は、該術語が関連付けられる本発明の性能或いは態様の任意の特定の特徴を含むことに限定されるために、該述語が本明細書中で再定義されているということを意味すると受け取られるべきではない、ということは注意されるべきである。本発明の範囲は従って付随される請求項およびその任意の同等項に従って解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】図1は、光干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部分を図示する等測図であり、そこでは、第1光干渉変調器の可動反射層は、リラックスされた位置にあり、第2光干渉変調器の可動反射層は、アクチュエートされた位置にある。
【図2】図2は3×3光干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子装置の一実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図3】図3は、図1の光干渉変調器の1つの具体例の実施形態に関する印加電圧に対する可動鏡位置の図である。
【図4】図4は、光干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用されることができる行電圧及び列電圧のセットの説明図である。
【図5A】図5Aは、図2の3×3光干渉変調器ディスプレイにおけるディスプレイ・データの1つの具体例のフレームを図示する。
【図5B】図5Bは図5Aのフレームを書き込むために使用されることができる行信号及び列信号に関する1つの具体例のタイミング図を図示する。
【図6A】図6Aは複数の光干渉変調器を具備する視覚ディスプレイ装置の一実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図6B】図6Bは複数の光干渉変調器を具備する視覚ディスプレイ装置の一実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図7A】図7Aは図1の装置の断面図である。
【図7B】図7Bは光干渉変調器の代わりの実施形態の断面図である。
【図7C】図7Cは光干渉変調器の別の1つの代わりの実施形態の断面図である。
【図7D】図7Dは光干渉変調器の更に別の1つの代わりの実施形態の断面図である。
【図7E】図7Eは光干渉変調器の更に追加の代わりの実施形態の断面図である。
【図8】図8は基板の選択された部分に暗着色を有する光干渉変調器の断面図である。
【図9】図9は基板にカラー着色を有する光干渉変調器の断面図である。
【図10】図10は基板に選択されたカラー着色を有する光干渉変調器の断面図であって、ここに、多カラー着色が基板に選択的に組み込まれる。
【図11A】図11Aは基板にカラー着色を有する別の光干渉変調器の断面図である。
【図11B】図11Bは、緑色変調素子とマゼンタ・フィルタリング物質を組み込んだ基板を含む1つの実施形態の分光感度を説明するグラフ図である。
【図12A】図12Aは基板に組み込まれる視野フィルタを有する光干渉変調器を図示する。
【図12B】図12Bは基板に視野フィルタを作製する具体例の方法を図示する。
【図12C】図12Cは基板に視野フィルタを作製する具体例の方法を図示する。
【図13】図13は基板中に光ルミネセンス物質を有する光干渉変調器の断面図である。
【符号の説明】
【0087】
12a、12b…光干渉変調器、14a、14b…可動反射層、16a、16b…光学スタック、18…支柱、19…間隙、20…基板、27…ネットワーク・インターフェース、30…ディスプレイ・アレイ、32…連結部、34…変形可能層、40…ディスプレイ装置、41…ハウジング、42…支柱プラグ、43…アンテナ、44…バス構造、45…スピーカ、46…マイクロフォン、48…入力装置、510…視る眼、800…光干渉変調器、802…部分反射器、804…支持体、806…可動鏡、807…境界部、810…基板、820…誘電体、830…選択的暗着色、860…光変調素子、900…光干渉変調器、902…部分反射器、904…支持体、906…可動鏡、910…基板、920…誘電体、930…カラー着色、960…光変調素子、1000A…第1光変調素子、1000B…第2光変調素子、1000C…第3光変調素子、1001…光変調器のアレイ、1002…部分反射器、1004…支持体、1006…可動鏡、1010…基板、1030…カラー・フィルタ、1030A…赤着色、1030B…青着色、1030C…緑着色、1100…光干渉変調器、1102…部分反射器、1104…支持体、1106…可動鏡、1110…基板、1120…誘電体、1130…カラー着色、1140…光変調素子1160の感度、1142…マゼンタ・フィルタの感度、1144…合成分光感度、1150…法線方向、1152…法線を外れた方向、1160…光変調素子、1200…光干渉変調器、1202…部分反射器、1204…支持体、1206…可動鏡、1210…基板、1220…誘電体、1230…視野フィルタ(ブラインド、邪魔板)、1240…法線を外れた方向、1250…法線方向、1260…光変調素子、1261…邪魔板、1262A…邪魔板1261の表面、1270…基板の前面、1300…光干渉変調器、1302…部分反射器、1304…支持体、1306…可動鏡、1310…基板、1320…誘電体、1330…光ルミネセンス物質、1340…放射光、1342…光源からの光、1360…光変調素子。
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、微小電気機械システム(microelectromechanical systems)(MEMS)に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、及び、或いは、電気装置及び電気機械装置を形成するために基板及び/又は堆積された材料の層をエッチングして取り除く、若しくは複数の層を付加する、その他のマイクロマシニング・プロセス、を使用して作られることができる。1つの型のMEMS装置は、干渉変調器と呼ばれる。本明細書中で使用されるように、干渉変調器あるいは光干渉変調器という用語は光干渉の原理を利用して光を選択的に吸収及び/又は反射する装置を指す。一定の実施形態において、光干渉変調器は、1対の導電性プレートを具備し、その一方又は両方が、全体としてあるいは部分的に、透過型及び/又は反射型であり、そして適切な電気信号の印加により相対的動きが可能である。特別な実施形態において、一方のプレートは、基板上に堆積された静止層を具備し、他方のプレートは、エアー・ギャップにより静止層から分離された金属膜を具備することができる。本明細書中で更に詳細に説明されるように、一方のプレートの他方に対する相対的な位置は光干渉変調器への入射光の光干渉を変化させることが出来る。そのような装置は、広範囲のアプリケーションを有し、そして、これ等の型の装置の諸特性を利用すること及び/又は改変することは、当該技術分野において有益であり、その結果、これ等の諸特徴は、既存の製品を改善することに活用されることができ、未だ開発されていない新たな製品を創り出すことに活用されることができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
1つの実施形態において、ディスプレイ装置を形成する方法は基板中に物質を拡散させること、前記物質は前記基板とは異なる光学的特性を有する、及び、該基板を覆って少なくとも1つの光変調素子を形成すること、を具備する。該光変調素子は光学的キャビティを形成する部分的に反射型の表面および実質的に反射型の表面を具備し、少なくとも1つの前記反射型表面は、前記光学的キャビティを変調するために、他方に関して可動である。
【0004】
別の実施形態において、ディスプレイ装置は、第1反射表面および第2反射表面、前記第2表面は前記第1表面に関して可動である、を具備する少なくとも1つの光変調素子および基板を具備し、前記光変調素子は前記基板上に配置される、ここにおいて、前記基板はカラー光を伝達するカラー・フィルタを具備する。
【0005】
別の実施形態において、ディスプレイ装置は光を変調するための手段と前記光変調手段を支持するための手段、及び、前記支持する手段中に配置される光をフィルタリングするための手段、を具備する。該光を変調するための手段は光を反射するための第1手段および第2手段を具備し、前記第2手段は前記第1手段に関して可動である。
【0006】
別の実施形態において、ディスプレイ装置を形成する方法は、該ディスプレイ装置の視野を制限するために構成される複数の素子を具備する、基板を形成すること、及び、該基板を覆って少なくとも1つの光変調素子を形成すること、を具備する。該光変調素子は光学的キャビティを形成する部分的に反射型の表面および実質的に反射型の表面を具備し、少なくとも1つの前記反射型表面は、前記光学的キャビティを変調するために、他方に関して可動である。
【0007】
別の実施形態において、ディスプレイ装置はそれぞれが第1反射的表面および第2反射的表面、前記第2表面は前記第1表面に関して可動である、を具備する少なくとも複数の光変調素子、及び、基板を具備し、前記少なくとも複数の光変調素子は前記基板を覆って配置される、ここに、前記基板はディスプレイ装置の視野を制限するために構成される複数の素子を具備する。
【0008】
別の実施形態において、ディスプレイ装置は光を変調するための手段、及び、前記光を変調する手段を支持するための手段、及び、該支持する手段の中に視野を制限するための手段を具備する。該光を変調するための手段は光を反射するための第1手段と第2手段を具備し、前記第2反射手段は前記第1反射手段に関して可動である。
【0009】
別の実施形態において、ディスプレイ装置を形成する方法は、混合物を形成するために基板材料をフィルタ物質と結合すること、該基板材料が実質的に溶融しそして該フィルタ物質が該溶融基板材料内部に拡散されるように該混合物を加熱すること、基板を形成するために該混合物を冷却すること、及び、該基板を覆って少なくとも1つの光変調素子を形成すること、を具備する、該光変調素子は光学的キャビティを形成する部分的に反射型の表面および実質的に反射型の表面を具備し、少なくとも1つの前記反射型表面は、前記光学的キャビティを変調するために、他方に関して可動である。
【0010】
別の実施形態において、ディスプレイ装置を形成する方法は、それぞれが第1反射的表面および第2反射的表面、前記第2表面は前記第1表面に関して可動である、を具備する複数の光変調素子を形成すること、第1吸収領域及び第2吸収領域、前記第1吸収領域及び第2吸収領域は異なる光透過特性を有する、を含む基板を形成すること、及び、前記基板を覆って前記複数の光変調素子を配置すること、を具備する。
【0011】
別の実施形態において、ディスプレイ装置は、それぞれが第1反射的表面および第2反射的表面、前記第2表面は前記第1表面に関して可動である、を具備する複数の光変調素子、及び、基板を具備し、前記複数の光変調素子は前記基板を覆って配置される、ここにおいて、前記基板は第1吸収領域及び第2吸収領域を含み、前記第1吸収領域及び第2吸収領域は異なる光透過特性を有する。
【0012】
別の実施形態において、ディスプレイ装置は、光を変調するための複数の手段、及び、吸収するための第1手段および第2手段を含む前記複数の光変調手段を支持するための、手段を具備し、前記第1吸収手段および第2吸収手段は異なる光透過特性を有する、ここにおいて、該光変調手段は前記支持手段を覆って配置される。該光を変調するための手段は光を反射するための第1手段および第2手段を具備し、前記第2反射手段は前記第1反射手段に関して可動である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
下記の詳細な説明は本発明のある特定の実施形態に向けられる。本発明の様々な実施形態は、例えば、光学フィルタの機能性をディスプレイ素子の基板に組み込むことに関係する。フィルタの機能性は、例えば、顔料物質、蛍光物質、及び、不透明物質など、任意のフィルタ物質によって提供されることが出来る。フィルタ物質は基板中に基板を作る時点で組み込まれることが出来る、或いは、基板をマスキングし、該基板をフィルタ物質に曝しそして基板中にフィルタ物質を拡散するために基板を加熱するプロセスを介して、選択的に基板中に拡散されることが出来る。
【0014】
本発明は、しかしながら、多数の異なる方法で具体化されることができる。本明細書では、参照符合が図面に与えられ、全体を通して同様の部品が同様の番号を用いて表される。下記の説明から明らかになるように、本実施形態は、動画(例えば、ビデオ)であるか固定画面(例えば、静止画)であるかに拘わらず、及び文書であるか絵画であるかに拘わらず、画像を表示するために構成される任意の装置に実装されることができる。より詳しくは、本実施形態が種々の電子装置に実装される若しくは電子装置に関連付けられることができることが、予想される。このような電子装置は、例えば、携帯電話機、無線装置、パーソナル・データ・アシスタンツ(PDAs)、ハンド−ヘルド又は携帯型コンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム・コンソール、腕時計、時計、計算機、テレビ・モニタ、フラット・パネル・ディスプレイ、コンピュータ・モニタ、自動車ディスプレイ(例えば、走行距離計ディスプレイ、等)、コクピット制御装置及び/又はディスプレイ、カメラ視野のディスプレイ(例えば、自動車の後方監視カメラのディスプレイ)、電子写真、電子広告板又はサイン、プロジェクタ、建築上の構造物、包装、及び芸術的な構造(例えば、宝飾細工品の画像のディスプレイ)の様なものであるが、これ等に限定されない。本明細書に説明される装置に類似の構造のMEMS装置はまた、電子スイッチング装置のような、非−ディスプレイ・アプリケーションにおいて使用されこともできる。
【0015】
光干渉MEMSディスプレイ素子を具備する1つの光干渉変調器ディスプレイの実施形態が、図1に図示される。これらの装置において、画素は、明状態又は暗状態のいずれかである。明(“オン”又は“開(open)”)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分を利用者に反射する。暗(“オフ”又は“閉(closed)”)状態にある場合には、ディスプレイ素子は、入射可視光を利用者にほとんど反射しない。実施形態に依存して、“オン”及び“オフ”状態の光反射率特性は、逆にされることがある。MEMS画素は、選択された色を主に反射するように構成されることができ、白黒に加えてカラー表示を可能にする。
【0016】
図1は、視覚ディスプレイの一連の画素中の2つの隣接する画素を図示する等測図であり、ここでは、各画素は、MEMS光干渉変調器を具備する。複数の実施形態において、光干渉変調器ディスプレイは、これらの光干渉変調器の行/列アレイを具備する。各光干渉変調器は、互いに可変であり制御可能な距離に位置する1対の反射層を含み、少なくとも1つの可変の大きさを有する共鳴光学的キャビティを形成する。1つの実施形態において、反射層の1つは、2つの位置の間を動かされることができる。第1の位置では、ここではリラックスされた位置(relaxed position)と呼ぶ、該可動反射層は、固定された部分反射層から比較的離れた距離に位置する。第2の位置では、ここではアクチュエートされた位置(actuated position)と呼ぶ、該可動反射層は、該部分反射層により近くに隣接して位置する。該2つの層から反射する入射光は、該可動反射層の位置に依存して、建設的に又は相殺的に干渉して、各画素に対して全体的な反射状態又は非反射状態のいずれかを作る。
【0017】
図1の画素アレイの図示された部分は、2つの隣接する光干渉変調器12a及び12bを含む。左側の光干渉変調器12aでは、可動反射層14aは、部分反射層を含む、光学スタック16aから所定の距離にあるリラックスされた位置に図示される。右側の光干渉変調器12bでは、可動反射層14bは、光学スタック16bに隣接するアクチュエートされた位置に図示される。
【0018】
光学スタック16a,16b(まとめて光学スタック16と呼ばれる)は、本明細書中に参照されるように、一般には数層の融合層からなり、それ等はインジウム−スズ−酸化物(ITO)のような電極層、クロムのような部分反射層、及び透明誘電体を含むことが出来る。従って、光学スタック16は電気的に導電性であり、部分的に透明であり、かつ部分的に反射的である、そして、例えば、透明基板20上に1又は複数の上述の諸層を堆積することにより製作されることができる。複数の実施形態において、該複数の層は、平行な薄帯にパターニングされ、下記に更に説明されるようにディスプレイ装置における行電極を形成できる。可動反射層14a,14bは、支柱18の頂上に及び複数の支柱18の間に堆積された介在する犠牲材料上に堆積された(行電極16a,16bに直交する)1層又は複数層の堆積された金属層の一連の平行薄帯として形成されることができる。該犠牲材料がエッチされて除去される時に、可動反射層14a、14bは、決められた間隙19だけ光学スタック16a,16bから分離される。アルミニウムのような非常に導電性かつ反射型の材料が、反射層14に対して使用されることができ、そして、これらの薄帯は、ディスプレイ装置において列電極を形成できる。
【0019】
印加電圧がないと、キャビティ19は、可動反射層14aと光学スタック16aとの間に留まり、可動反射層14aは、図1の画素12aに図示されたように機械的にリラックスされた状態にある。しかしながら、選択された行及び列に電位差が印加されると、対応する画素における行及び列電極の交差点に形成されたキャパシタが充電され、静電力が両電極を互いに引きつける。もし電圧が十分に高ければ、可動反射層14は変形され、そして、光学スタック16に対して押し付けられる。図1における右側の画素12bにより図示されるように、光学スタック16内部の(この図に図示されていない)誘電材料が、短絡することを防止し、層14と層16との間の分離距離を制御する。この挙動は、印加される電位差の極性に拘わらず同じである。このようにして、反射と非反射画素状態を制御できる行/列アクチュエーションは、従来のLCD技術及びその他のディスプレイ技術において使用される多くの方法に類似している。
【0020】
図2から図5Bは、ディスプレイ・アプリケーションにおいて光干渉変調器のアレイを使用するための1つの具体例としてのプロセス及びシステムを説明する。
【0021】
図2は、本発明の複数の態様を組み込むことができる電子装置の1つの実施形態を説明するシステム・ブロック図である。具体例の実施形態において、該電子装置は、プロセッサ21を含む。該プロセッサ21は、任意の汎用のシングル・チップ又はマルチ・チップ・マイクロプロセッサ、例えば、ARM,ペンティアム(登録商標)、ペンティアムII(登録商標)、ペンティアムIII(登録商標)、ペンティアムIV(登録商標)、ペンティアム(登録商標)プロ、8051、MIPS(登録商標)、パワーPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)、若しくはディジタル・シグナル・プロセッサ、マイクロコントローラ、又はプログラム可能なゲート・アレイのような任意の特殊用途マイクロプロセッサ、であることができる。当該技術分野において通常であるように、プロセッサ21は、1又は複数のソフトウェア・モジュールを実行するように構成されることができる。オペレーティング・システムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブ・ブラウザ、電話アプリケーション、電子メール・プログラム、若しくはその他任意のソフトウェア・アプリケーションを含む、1又は複数のソフトウェア・アプリケーションを実行するように構成されることができる。
【0022】
1つの実施形態では、プロセッサ21は、更に、アレイ・ドライバ22と通信するように構成される。1つの実施形態では、アレイ・ドライバ22は、パネルまたはディスプレイ・アレイ(ディスプレイ)30に信号を供給する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に図示されるアレイの断面は、図2に線1−1により示される。MEMS光干渉変調器に関して、行/列アクチュエーション・プロトコルは、図3に説明されるこれらの装置のヒステリシス特性を利用することができる。これは、例えば、可動層をリラックスされた状態からアクチュエートされた状態へ変形させるために10ボルトの電位差を必要とすることがある。しかしながら、電圧がその値から低減される場合に、10ボルトより下に電圧が降下して戻るとしても、可動層はその状態を維持する。図3の具体例の実施形態では、可動層は、電圧が2ボルトより下に降下するまで完全にはリラックスしない。そのようにして、図3に説明される例では、約3Vから7Vの電圧範囲があり、そこでは、印加電圧のウィンドウが存在し、その範囲内で装置はリラックスされた状態又はアクチュエートされた状態のいずれかで安定である。これは、本明細書中では“ヒステリシス・ウィンドウ”又は“安定ウィンドウ”として呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイ・アレイに関して、行/列アクチュエーション・プロトコルは、行ストロービング(strobing)の期間に、アクチュエートされるべきストローブされる行の画素は、約10ボルトの電圧差を受け、そしてリラックスされるべき画素は、零ボルトに近い電圧差を受ける、ように設計されることが出来る。ストローブの後で、画素は、約5ボルトの定常状態電圧差を受け、その結果、画素は、行ストローブが画素をどんな状態に置いたとしてもその状態に留まる。書き込まれた後で、各画素は、電位差がこの例では3−7ボルトの“安定ウィンドウ”の範囲内であると認知する。この特徴は、アクチュエートされた先行状態又はリラックスされた先行状態のいずれにおいても同じ印加電圧条件の下で、図1に説明された画素設計を安定にさせる。アクチュエートされた状態又はリラックスされた状態であるかに拘わらず、光干渉変調器の各画素は、基本的には、固定反射層と可動反射層とにより形成される蓄電器であるので、この安定状態は、ヒステリシス・ウィンドウの範囲内の電圧でほとんど電力消費なしに保持されることができる。印加電位が固定されるならば、基本的に電流は、画素に流れ込まない。
【0023】
代表的なアプリケーションでは、ディスプレイ・フレームは、第1行中のアクチュエートされる画素の所望のセットに従って列電極のセットを明示すること(asserting)により作られる。行パルスが、次に、行1の電極に印加されて、明示された列ラインに対応する画素をアクチュエートする。列電極の明示されるセットは、その後、第2行中のアクチュエートされる画素の所望のセットに対応するように変更される。パルスが、次に、行2の電極に印加されて、明示された列電極に従って行2中の適切な画素をアクチュエートする。行1画素は、行2パルスに影響されず、行1画素が行1パルスの間に設定された状態に留まる。これは、全系列の行に対して逐次方式で繰り返されることができ、フレームを生成する。一般に、フレームは、1秒当たり所望のフレーム数でこのプロセスを連続的に繰り返すことにより、新たなディスプレイ・データでリフレッシュされる及び/又は更新される。ディスプレイ・フレームを生成するために画素アレイの行及び列電極を駆動するための、広範なプロトコルも周知であり、本発明と共に使用されることができる。
【0024】
図4、図5A及び図5Bは、図2の3×3アレイ上でディスプレイ・フレームを作るための1つの可能なアクチュエーション・プロトコルを説明する。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に対して使用されることができる、列及び行電圧水準の可能なセットを説明する。図4の実施形態では、画素をアクチュエートすることは、適切な列を−Vbiasに設定し、そして適切な行を+ΔVに設定することを含み、これ等は、それぞれ−5V及び+5Vに対応することができる。該画素をリラックスすることは、該適切な列を+Vbiasに設定し、そして該適切な行を同じ+ΔVに設定することにより実現され、該画素を横切る零ボルトの電位差を生成する。行電圧が零ボルトに保持されるこれらの行では、列が+Vbias又は−Vbiasであるかに拘らず、該画素が元々どのような状態であったとしても、該画素は、その状態で安定である。図4にも示されるように、上述で説明された極性とは反対の極性の電圧が使用されることが出来る、例えば、画素をアクチュエートすることは適切な列を+Vbiasに設定し、そして、適切な行を−ΔVに設定することを含むことが出来る、ということが理解される。この実施形態において、該画素をリリースすることは該適切な列を−Vbiasに設定し、そして、適切な行を同じ−ΔVに設定することにより実現され、該画素を横切る零ボルトの電位差を生成する。
【0025】
図5Bは、図5Aに図示されるディスプレイ配列に結果としてなる、図2の3×3アレイに印加される一連の行及び列信号を示すタイミング図であり、そこでは、アクチュエートされた画素は、非反射型である。図5Aに図示されるフレームを書き込む前に、画素は、任意の状態であることができ、そしてこの例では、全ての行が0ボルトであり、全ての列が+5ボルトである。これらの印加電圧では、全ての画素は、自身の現在のアクチュエートされた状態又はリラックスされた状態で安定である。
【0026】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)及び(3,3)がアクチュエートされる。これを実現するために、行1に対する“ライン時間”の期間に、列1及び2は、−5ボルトに設定され、そして列3は、+5ボルトに設定される。全ての画素が3−7ボルトの安定ウィンドウの中に留まるため、これは、どの画素の状態も変化させない。行1は、その後、0から5ボルトまで上がり、零に戻るパルスでストローブされる。これは、(1,1)及び(1,2)画素をアクチュエートし、(1,3)画素をリラックスする。アレイ中のその他の画素は、影響されない。所望されるように行2を設定するために、列2は、−5ボルトに設定され、そして列1及び3は、+5ボルトに設定される。行2に印加される同じストローブは、次に、画素(2,2)をアクチュエートし、画素(2,1)及び(2,3)をリラックスする。再び、アレイのその他の画素は、影響されない。行3は、列2及び3を−5ボルトに、そして列1を+5ボルトに設定することより同様に設定される。行3ストローブは、図5Aに示されるように行3画素を設定する。フレームを書き込んだ後で、行電位は零であり、そして列電位は+5又は−5ボルトのいずれかに留まることができ、ディスプレイは、その後、図5Aの配列で安定である。同じ手順が数十から数百の行及び列のアレイに対して採用されることができることが、理解される。しかも、行及び列アクチュエーションを実行するために使用される電圧のタイミング、順序、及び水準が、上記に概要を示された一般的な原理の範囲内で広範囲に変化されることができ、そして、上記の例は、単なる具体例であり、任意のアクチュエーション電圧方法が、本明細書で説明されるシステム及び方法と共に使用されることができることも、理解される。
【0027】
図6A及び6Bはディスプレイ装置40の一実施形態を説明するシステム・ブロック図である。該ディスプレイ装置40は、例えば、セルラ電話或いは携帯電話であることが出来る。しかしながら、ディスプレイ装置40の同じ構成要素あるいはその若干の変形もまたテレビや携帯メディア・プレイヤーのような様々な型のディスプレイ装置の実例となる。
【0028】
ディスプレイ装置40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ45、入力装置48、及びマイクロフォン46を含む。ハウジング41は、射出成型、及び真空成形を含む、一般に当業者に周知の任意の様々な製造工程から形成される。更に、ハウジング41は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、及びセラミックス、或いは、これ等の組み合わせを含むが、これらには限定されない、任意の種々の材料から作られることができる。1つの実施形態では、ハウジング41は、取り外し可能な部分(図示されず)を含み、異なる色、若しくは、異なるロゴ、絵柄、又はシンボルを含むその他の取り外し可能な部分と取り替えられることができる。
【0029】
具体例のディスプレイ装置40のディスプレイ30は、本明細書中に説明されるように、双安定ディスプレイを含む、任意の様々なディスプレイであることができる。その他の実施形態では、ディスプレイ30は、当業者に周知であるように、例えば、上述で説明されたような、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCDのようなフラット−パネル・ディスプレイ、若しくは、例えば、CRT又はその他の真空管装置のような非フラット−パネル・ディスプレイを含む。しかしながら、本実施形態を説明する目的のために、ディスプレイ30は、本明細書中に説明されるように、光干渉変調器ディスプレイを含む。
【0030】
具体例のディスプレイ装置40の1つの実施形態の構成要素が、図6Bに模式的に図示される。図示された具体例のディスプレイ装置40は、ハウジング41を含み、少なくとも部分的にその中に納められた増設の構成要素を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、具体例のディスプレイ装置40は、トランシーバ47に接続されたアンテナ43を含むネットワーク・インターフェース27を含む。トランシーバ47は、プロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例えば、信号をフィルタする)ために構成されることができる。調整ハードウェア52は、スピーカ45及びマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、また、入力装置48及びドライバ制御器29にも接続される。ドライバ制御器29は、フレーム・バッファ28、及び、アレイ・ドライバ22に接続される。アレイ・ドライバ22は、続いて、ディスプレイ・アレイ30に接続される。電源50は、固有の具体例のディスプレイ装置40設計によって必要とされるように全ての構成要素に電力を供給する。
【0031】
ネットワーク・インターフェース27は、アンテナ43及びトランシーバ47を含み、その結果、具体例のディスプレイ装置40は、ネットワークを介して1又は複数の装置と通信できる。1つの実施形態では、ネットワーク・インターフェース27は、また、プロセッサ21の要求を軽減させるためにいくつかの処理能力をも持つこともできる。アンテナ43は、信号を送信し受信するための当業者には公知の任意のアンテナである。1つの実施形態では、アンテナは、IEEE802.11(a),(b),又は(g)を含む、IEEE802.11規格に従ってRF信号を送信し、受信する。別の1つの実施形態では、アンテナは、ブルートゥース(BLUETOOTH(登録商標))規格に従ってRF信号を送信し、受信する。セルラ電話機の場合には、アンテナは、CDMA、GSM、AMPS、又は、無線セル電話ネットワークの内部で通信するために使用されるその他の公知の信号、を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信される信号を事前処理し、その結果、該信号はプロセッサ21によって受信され、更に処理されることができる。トランシーバ47は、また、プロセッサ21から受信される信号も処理し、その結果、該信号は具体例のディスプレイ装置40からアンテナ43を介して送信されることができる。
【0032】
別の実施形態において、トランシーバ47は、受信機によって置き換えられることができる。更に別のそれに替わる実施形態では、ネットワーク・インターフェース27は、画像情報源によって置き換えられることができる。画像情報源は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶あるいは生成できる。例えば、画像情報源は、ディジタル・ビデオ・ディスク(digital video disc)(DVD)又は画像データを包含するハード−ディスク・ドライブ、若しくは画像データを生成するソフトウェア・モジュールであることができる。
【0033】
プロセッサ21は、一般に、具体例のディスプレイ装置40の総合的な動作を制御する。プロセッサ21は、ネットワーク・インターフェース27又は画像情報源から圧縮された画像データのような、データを受信し、そして、該データを生の画像データに処理する、又は生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。プロセッサ21は、その後、処理されたデータをドライバ制御器29へ送る、又は記憶のためにフレーム・バッファ28へ送る。生データは、一般的に、画像の内部でのそれぞれの位置における画像特性を識別する情報のことを呼ぶ。例えば、そのような画像特性は、色彩、彩度、及びグレー・スケール・レベルを含むことができる。
【0034】
1つの実施形態において、プロセッサ21は、マイクロコントローラ、CPU、又は論理ユニットを含み、具体例のディスプレイ装置40の動作を制御する。調整ハードウェア52は、一般に、スピーカ45に信号を送信するために、そして、マイクロフォン46から信号を受信するために、増幅器及びフィルタを含む。調整ハードウェア52は、具体例のディスプレイ装置40内部の独立した構成要素であることができる、若しくは、プロセッサ21又はその他の構成要素の内部に組み込まれることができる。
【0035】
ドライバ制御器29は、プロセッサ21により生成される生の画像データをプロセッサ21、又はフレーム・バッファ28、の何れかから直接取得し、そしてアレイ・ドライバ22への高速送信のために該生画像データを適切に再フォーマットする。具体的には、ドライバ制御器29は、該生画像データをラスタ状のフォーマットを有するデータ・フローに再フォーマットする、その結果、データ・フローは、ディスプレイ・アレイ30全体を走査するために適した時間の順番を有する。次に、ドライバ制御器29は、該フォーマットされた情報をアレイ・ドライバ22へ送る。LCD制御器のような、ドライバ制御器29は独立型の集積回路(Integrated Circuit)(IC)としてシステム・プロセッサ21にしばしば関連付けられるけれども、そのような制御器は、多くの方法で実装されることができる。これらは、ハードウェアとしてプロセッサ21に搭載される、ソフトウェアとしてプロセッサ21に搭載される、若しくはアレイ・ドライバ22を持つハードウェアに完全に統合されることができる。
【0036】
一般的に、アレイ・ドライバ22は、フォーマットされた情報をドライバ制御器29から受信し、そして、映像データを、ディスプレイの画素のx−y行列から来る数百本そして時には数千本のリード線(lead)に毎秒多数回適用される、並列集合の波形に再フォーマットする。
【0037】
1つの実施形態において、ドライバ制御器29、アレイ・ドライバ22、及びディスプレイ・アレイ30は、本明細書中に説明される任意の型のディスプレイに対して適切である。例えば、1つの実施形態では、ドライバ制御器29は、従来型のディスプレイ制御器又は双安定ディスプレイ制御器(例えば、光干渉変調器制御器)である。別の1つの実施形態では、アレイ・ドライバ22は、従来型のドライバ又は双安定ディスプレイ・ドライバ(例えば、光干渉変調器ディスプレイ)である。1つの実施形態では、ドライバ制御器29は、アレイ・ドライバ22と統合される。そのような実施形態は、セルラ電話機、時計、及びその他の小面積ディスプレイのような高度に集積されたシステムにおいて一般的である。さらに別の1つの実施形態では、ディスプレイ・アレイ30は、典型的なディスプレイ・アレイ又は双安定ディスプレイ・アレイ(例えば、光干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0038】
入力装置48は、利用者が具体例のディスプレイ装置40の動作を制御することを可能にする。1つの実施形態では、入力装置48は、クワーティ(QWERTY)キーボード又は電話キーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、接触感応スクリーン、感圧又は感熱膜を含む。1つの実施形態では、マイクロフォン46は、具体例のディスプレイ装置40に対する入力装置である。マイクロフォン46が装置にデータを入力するために使用される場合、音声命令が、具体例のディスプレイ装置40の動作を制御するために、利用者によって与えられることができる。
【0039】
電源50は、当業者には周知の各種のエネルギー蓄積装置を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、電源50は、ニッケル−カドミウム電池又はリチウム・イオン電池のような、充電可能な電池である。別の1つの実施形態では、電源50は、回復可能なエネルギー源、キャパシタ、又はプラスチック太陽電池、及びソーラー−セル塗料を含む太陽電池である。別の実施形態では、電源50は、壁のコンセントから電力を受け取るように構成される。
【0040】
いくつかの実装では、制御のプログラム可能性は、上記に説明されたように、電子ディスプレイ・システム中の複数の場所に置かれることが可能であるドライバ制御器中に常駐する。いくつかの場合では、制御のプログラム可能性は、アレイ・ドライバ22中に常駐する。上記に説明された最適化が、任意の数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素において及び種々の構成において、実装されることができることを、当業者は認識する。
【0041】
上記に説明された原理に従って動作する光干渉変調器の構造の詳細は、広範囲に変化できる。例えば、図7A−図7Eは、可動反射層14及びその支持構造の5つの異なる実施形態を図示する。図7Aは、図1の実施形態の断面図であり、そこでは金属材料14の薄帯が、直交して延びている支持体18上に堆積される。図7Bでは、可動反射層14は、連結部(tether)32上に、角部だけで支持体に取り付けられる。図7Cでは、可動反射層14は、柔軟な金属からなることが出来る、変形可能層34から吊り下げられる。変形可能層34は、変形可能層34の周辺の周りの基板20に直接的に或いは間接的に接続する。これ等の結合部は本明細書中では支柱と呼ばれる。図7Dに説明される実施形態は変形可能層34が載る支柱プラグ42を有する。可動反射層14は、図7A−7Cにおけるように、キャビティ上に吊るされて留まる、しかし、変形可能層34は、光学スタック16と変形可能層34との間の穴を埋めることによる支柱を形成しない。むしろ、支柱は平坦化材料から形成され、該材料は支柱プラグ42を形成するために使用される。図7Eに示される実施形態は図7Dに示される実施形態に基づいているが、しかし、示されない追加の実施形態のみでなく図7A−7Cに説明された何れの実施形態と共に作用するために適用されることも出来る。図7Eに示される実施形態においては、金属または他の導電材料の追加層がバス構造44を形成するために使用されてきた。これは光干渉変調器の背後に沿う信号の転送を可能にし、他の方法では基板20上に形成されねばならなかった電極数を削減する。
【0042】
図7に示されるような複数の実施形態において、光干渉変調器は直視装置として機能し、そこでは画像は、透明基板20の前面、該変調器が配列される面の反対側、から見られる。これ等の実施形態において反射層14は、反射層の基板20と反対側の面上にある光干渉変調器のある部分を、変形可能層34およびバス構造44を含めて、光学的に遮蔽する。このことは、該遮蔽される領域が画像品質に負の影響を与えずに構成されそして動作されることを可能にする。この分離可能な変調器の構成は、変調器の電気機械的側面および光学的側面に対する構造設計と使用される材料が互いに独立に選択されそして機能することを可能にする。更に、図7C−7Eに示される実施形態は、反射層14の光学的特性をその機械的特性から切り離すことから派生する付加的利点を有する、該機械的特性は変形可能層34により達成される。このことは、反射層14に使用される構造設計及び材料が光学的特性に関して最適化されること、そして、変形可能層34に使用される構造設計及び材料が所望の機械的特性に関して最適化されること、を可能にする。
【0043】
ディスプレイ品質を向上させるために観察者と光干渉変調器構造体との間に様々な型のフィルタを置くことはしばしば有利に働くことが出来る。ある場合には、これ等のフィルタは光干渉変調器構造体から分離して基板と観察者の間に置かれることが出来る。そのような分離したフィルタは交換が容易であるという利点を有するが、しかしながら、光干渉変調器ディスプレイ・パッケージの全体的な厚さが増大し、そして、ある場合には、フィルタ−空気−基板界面による付加的な光学的錯綜が生じる可能性がある。他の場合には、該フィルタは、基板の1又は複数の表面に形成される或いは接着される、フィルム中に組み込まれることが出来る。しかしながら、所望のフィルタの機能性をフィルム中に組み込むことはその厚さの故に困難なことがある。
【0044】
本発明の様々な実施形態において、フィルタの機能性は光干渉変調器それ自体の基板に組み込まれて分離構成の必要性を排除する。このようなシステムは光干渉変調器の製造を簡素化し、そして、フィルタを含む光干渉変調器の厚さを低減する。その上、基板へのフィルタの包含は、分離した薄膜よりも、例えば、光干渉変調器の湿気に対する感受性およびスクラッチに対する抵抗を低減することができる。基板フィルタ・システムの特定の非限定的な例が下記に説明される。
【0045】
図8は基板の選択された部分に暗着色を有する光干渉変調器800の断面図である。光干渉変調器800は支持体804によって部分反射器802から分離される可動鏡806を具備する。図8において部分反射器802は選択的暗着色830を含む基板810に隣接する。具体例の図8はまた光干渉変調器における誘電体820及び視る眼510も図示する。本明細書中で使用されるように、用語“光変調素子”と“変調素子”は互いに交換可能に使用され、そして、それぞれ、光干渉変調器の可動鏡および光干渉変調器の部分反射器の間の構造体、及び、それ等を含む構造体、を含む。図8を参照して、例えば、光変調素子860は、可動鏡806および部分反射器802の間の構造体、及び、それ等を含む構造体、を具備する。
【0046】
図7Aに図示されるように、例えば、複数の支持構造18の部分は基板20を通して観察者の眼に見える。これ等の支持構造18は光干渉変調器に基づく画像のコントラスト及び鮮鋭度を低下させることが出来る固有の反射を有する可能性がある。更に、それぞれの光干渉変調器800(図8)の境界部807(図8)は該光干渉変調器が暗状態に駆動される場合ですら反射を示すことができる、その理由は反射鏡806が境界部807において完全には潰れないからである。従って、それぞれの光干渉変調器構造体の中央部の妨害されない観察をなお可能にする一方、光干渉変調器の支持構造と境界部の反射を遮蔽するためにパターニングされた暗色フィルタリングを使用することは有利に働くことが出来る。
【0047】
従って、基板810は暗着色830の領域830を、そのような暗着色のない領域によって分離されて、含むことが出来る。暗着色の範囲は淡着色から実質的な暗着色まで及ぶことが出来る。ある場合には、着色はカラー化されることが出来る。カラーの色合いの範囲もまた淡彩色から濃配色にいたるまで変化することが出来る。帯状、格子状、或いは十字交差パターンが使用されることが出来る。その他のパターンもまた可能である。
【0048】
1つの実施形態において、パターニングされた暗着色830は顔料を使用して基板810中に組み込まれる。(例えば、ガラスや高分子の)暗着色に関して当業者には公知の任意の吸収剤顔料が基板810中に組み込まれることが出来る。周知の或いは今後考案されるであろう、その他の型の顔料または色素またはその他の物質、が採用されることが出来る。
【0049】
1つの実施形態において、物質830は、基板の表面に、顔料物質のようなフィルタ物質のパターンを形成することによって、続いて、該フィルタ物質が基板810の内部に拡散することを可能にするガラスの軟化によって、基板810の中に形成される。更に特別には、暗着色830或いは本明細書中で説明される任意の他のフィルタを基板810中に組み込む具体例のプロセスは基板の複数の部分をマスキングすること、フィルタ物質を基板に塗布すること、及び、該フィルタ物質を該基板中に拡散すること、を含むことが出来る。これ等のプロセスは数個の方法で達成されることが出来るが、そのいくつかが下記に説明される。
【0050】
1つの実施形態において、薄い金属板或いはその他の堅い材料からなるシャドー・マスクが、フィルタ材料が拡散されるべき基板の部分に対応する、複数の穴でパターニングされる。次に該シャドー・マスクは基板上に置かれ、そして、フィルタ物質が該基板に塗布される。フィルタ物質を塗布後、該シャドー・マスクは除去されることが出来て、フィルタ物質のみを所望の領域に残す。
【0051】
別の実施形態においては、フィルタ物質は、例えば、インク−ジェット印刷技術を使用して基板に直接塗布されることが出来る。この実施形態では、フィルタ物質は、該フィルタ物質を拡散すべき基板の部分にのみ、塗布されることが出来る。別の実施形態においては、基板上にマスクを形成するためにインク−ジェット印刷技術が使用されることが出来る、この場合、該マスクは、図8における暗着色830の間の基板810の部分のような、フィルタ化されない基板部分に対応する。
【0052】
一定の実施形態において、フィルタ物質は、フィルタ物質に結合される、例えば、アルコールのような、粘着媒体を使用して、基板810に塗布される。有利な実施形態においては、粘着剤は揮発性であり、その結果、基板810が後に加熱されるとき、該粘着剤は基板810から除去される。別の実施形態においては、フィルタ物質は粘着剤を含まないけれども、基板上の適切な場所に、例えば、重力によって保持される。基板810のマスキングされない部分をフィルタ物質に曝すために、その他複数の方法もまた利用されることが出来る。
【0053】
別の実施形態においては、フィルタ物質はフォトリソグラフィ技術を利用して基板の選択された部分に塗布される。1つの実施形態において、フィルタ物質は先ず基板全面に塗布される。次に、フォトレジスト材料がフィルタ物質の上に塗布され、そして、適切な光源を使用してパターニングされる。フォトレジスト材料のパターニングされた部分は、次に、溶剤を使用して除去されて、フィルタ物質が基板中に拡散されるべき部分にのみフォトレジスト材料を残す。1つの実施形態において、同じ溶剤、若しくは追加の溶剤、がパターニングされた部分からフィルタ物質を除去する、その結果、残留するフォトレジスト材料が除去されると、フィルタ物質は基板の所望の部分にのみ残留する。
【0054】
基板上のフィルタ物質と共に、1又は複数の上述で説明された技術或いはその他好適な技術を利用して、基板810は該フィルタ物質を基板810中に拡散するのに十分な温度に加熱される。1つの実施形態において、基板810は約200℃から250℃の範囲の温度に加熱される。別の実施形態において、基板810は約150℃から300℃の範囲の温度に加熱される。所望の量のフィルタ物質を基板810中に拡散させるのに十分な時間、基板810はこの温度に保持される。この時間の長さは、特定のフィルタ物質、基板810の材料、及び、フィルタ作用の仕様に依存して、数分から数時間の範囲になることがある、結果として、フィルタ物質は基板810中に十分に拡散させられる。
【0055】
一定の実施形態において、顔料物質のようなフィルタ物質は、基板810の厚さの一部のみに拡散する。例えば、暗着色830は基板810の厚さの約1/Nのみに広がることが出来る、ここでNは正の整数である。従って、フィルタ作用の仕様に従って、加熱及び拡散プロセスは、基板810の所望の深さへの拡散を引き起こすために変更されることが出来る。
【0056】
他の実施形態において、フィルタ物質は、基板が形成されているときに、基板810中に組み込まれることが出来る。例えば、様々な実施形態において、基板810は、高分子粒を溶融しそして融解した高分子材料の薄板を形成することによって作られる高分子材料を具備する。顔料のようなフィルタ物質は加熱の前に或いは加熱中に高分子粒に加えられ、そして、融解される粒と混合されることが出来る。このようにして、フィルタ物質は融解される高分子中にそして結果として得られる高分子基板810中に実質的に一様に拡散されることが出来る。類似のプロセスが、ガラス基板810中にフィルタ物質を組み込むために、使用されることが出来る。
【0057】
1つの実施形態において、基板810の相対的な厚さの故に、暗着色830における吸収剤顔料の密度は、薄膜の形における着色の場合ほど高い必要はない。その替わり、フィルタは、光干渉変調器の基板の何れかの側に接着される1又は複数の薄膜を具備することができる。これ等の1又は複数の薄膜が光干渉変調器に加えられると、光干渉変調器構造体の全厚は少なくとも薄膜の厚さだけ増大させられる。本明細書中で説明される光干渉変調器の実施形態はフィルタ物質を光干渉変調器の基板中に組み込むという利点があって、従って、類似のフィルタ物質を分離した薄膜中に有する類似の光干渉変調器と比較して、光干渉変調器構造体の全厚を削減する若しくは最小化する。
【0058】
図9は、基板910中に組み込まれたカラー着色930を有する光干渉変調器900の断面図である。該具体例の光干渉変調器900は支持体904によって部分反射器902から分離される可動鏡906を含む光変調素子960を具備する。図9において、可動鏡906と部分反射鏡902との間の距離は、光干渉変調器900が2次の赤光を反射するように構成される。具体例の図9において、部分反射器902はカラー着色930を含む基板910に隣接する。具体例の図9はまた光変調素子960における誘電体920及び視る眼510も図示する。
【0059】
上述で説明されたように、光干渉変調器は、2つの反射面の間の距離が特定の波長の光が反射される結果をもたらす建設的干渉を創るように、構成される。1つの実施形態において、可動鏡906と部分反射鏡902のような反射面間の、特定の色の光の約1/2波長の光学的路長dは該色の反射光に建設的干渉を経験させ、従って、観測者に該色を反射して戻す。当業者には周知のように、光学的路長は光が伝播する媒質(例えば、誘電体層920)の屈折率を計算に入れる。
【0060】
図9に関連して、例えば、部分反射鏡902と可動鏡906との間の光学的路長dが増大するに従い、一般に、より長波長が反射光となる。一定の実施形態において、反射鏡902と可動鏡906との間の距離が所望の色の、例えば約1×波長および1.5×波長等々のような、波長の1/2の倍数である場合にも、建設的干渉は生じることが出来る。これが生じる毎に、生成される光の“次数”が増加する。例えば、間隙長さが所望の波長の約1/2の場合、その色は1次の色と呼ばれる。光学的路長dが波長に近似的に等しい場合、それは2次の色と呼ばれる。波長の約1.5倍の場合3次の色である。図9に図示されるリラックスされた状態においては、光学的路長dは凡そ赤光の波長にセットされ、その結果、光干渉変調器900は2次の赤光を反射する。
【0061】
もしカラー画素が2次の赤光を反射する光干渉変調器を使用するように設計されるならば、該光干渉変調器の分光特性は赤のピークと同様に青色領域中のピーク双方を示す。これは、2次の赤色ピークと3次の青色ピークが同時に共鳴するためである。従って、該赤の光干渉変調器の色品質は、1次赤色光干渉変調器と比較して低下されることがある。しかしながら,色品質は赤フィルタを使用して青のピークをフィルタ除去することにより向上させられることが出来る。図9に示されるように、パターニングされた赤着色930が2次赤色光変調素子960を覆う基板910中に組み込まれる。顔料、色素、或いはその他のフィルタ物質が、当業者に公知であろうと今後開発されるものであろうと共に、基板910中に組み込まれることが出来る、該基板は例えばガラス若しくは高分子を具備する。図8に関して上述で説明されたシステム及び方法が使用されることが出来る。例えば、赤の顔料が基板910に接着されることが出来る、基板910は加熱されることが出来る、そして、赤色顔料は基板910中に拡散することが出来る、その結果、基板910は赤色顔料物質を含有する。その他の方法およびアプローチもまた利用されることが出来る。上述で注意されたように、基板中にパターニングされた着色930を備える光干渉変調器900の相対的な大きさは薄膜の赤色フィルタを有する類似の光干渉変調器よりも小さい可能性がある。
【0062】
当該技術者たちは、適切なカラー顔料又は色素又はカラー・フィルタ物質を選択することによって、高次光干渉変調器反射において可視波長に出現する任意の他の望ましくない分光ピークをフィルタ除去するために、類似の技術が利用されることが出来ることを認識する。
【0063】
図10は3つの(第1、第2、第3)光変調素子1000A、1000B、1000Cの断面図であって、それ等の素子は、例えば、ディスプレイのための空間光変調器アレイの中に1つの画素を形成する。光変調素子1000A、1000B、1000Cはそれぞれの光変調素子と1直線に配列されたカラー着色1030A、1030B、1030Cを有する基板1010上に配置される。それぞれの光変調素子1000は支持体1004によって部分反射器1002から分離される可動鏡1006を具備する。図10において、光変調素子1000は、赤、緑、青のような少なくとも3色の波長の光を反射するように構成される。1つの実施形態において、それぞれの光変調素子1000はアクチュエート(即ち、ある複数の実施形態における誘電体材料に関するものを除いて可動鏡1006と部分反射鏡1002との間の間隙が殆どない)時に広帯域の反射率を示す。この具体例の実施形態では、アクチュエートされた状態において、それぞれの光変調素子はあらゆる波長の入射光を反射する、完全に反射的な鏡として作用する。
【0064】
図10の実施形態において、視る眼510によってそれぞれの光変調素子から見ることが出来る光の波長は基板1010中にカラー・フィルタ1030を組み込むことにより調整される。例えば、光変調器のアレイ1001は第1光変調素子1000Aの前方に赤着色1030A、第2光変調素子1000Bの前方に青着色1030B、第3光変調素子1000Cの前方に緑着色1030C、を具備する。このようにして、アレイ1001は同じ大きさを有する光変調素子から3つの色を供給する。この実施形態では、カラー光干渉変調器ディスプレイの作製は簡単化されることが出来る、その理由は、全ディスプレイは、可動鏡1006と部分反射鏡1002との間の間隙長を同一にし、そして、カラー・フィルタを含有するための基板へのパターニングを同一にして、作られることが可能だからである。1つの実施形態において、3つの光変調素子1000A、1000B、1000Cはディスプレイの1画素を構成する。
【0065】
(例えば、ガラス若しくは高分子の)カラー着色を実現するために当業者には公知の任意の好適なカラー顔料が基板1010に組み込まれることが出来る。その他の顔料、色素、若しくはカラー材料もまた使用されることが出来る。1つの実施形態において、パターニングされた着色1030A、1030B、1030Cは、例えば、マスクを使用して基板1010の表面上に顔料物質のパターンを形成することによって、基板1010中に組み込まれる。図8に関して上述で説明された技術のような、他の技術もまた基板1010上にフィルタ物質のパターンを作るために利用されることができる。1つの実施形態において、赤、緑、及び青の顔料のような、3つの異なるフィルタ物質を選択的に基板1010に塗布するために、上述で説明されたフォトリソグラフィ若しくはインクジェット技術のような、3つのパターニング段階が順次実行される。図8に関して上述で説明されたように、基板1010は、顔料物質を基板1010中に拡散させるために、加熱されることが出来る。これ等のアレイ1001及び基板1010を作製する広範囲の方法が可能である。
【0066】
一定の実施形態では、光干渉変調器は図10に関して説明されたものと比べて、基板中にパターニングされる、より少数の若しくはより多数の色を含むことが出来る。他の実施形態では、基板1010のように、複数色のパターニングを含む基板は、変調素子の支持体及び境界部の前方に暗着色を含むことも出来る。この実施形態では、基板上の所望の場所に3つのカラー着色と暗着色を適用するために4つのパターニング段階が実行されることが出来る。1つの実施形態において、複数のフィルタ物質が基板1010上にパターニングされた後に、該基板は、それぞれのフィルタ物質が基板1010中に拡散するのに十分な時間、十分な温度に加熱される。
【0067】
図11Aは基板1110中にカラー着色1130を有する別の光干渉変調器1100の断面図である。具体例の光干渉変調器1100は支持体1104によって部分反射器1102から分離される可動鏡1106を含む光変調素子1160を具備する。図11Aでは、可動鏡1106と部分反射鏡1102との間の距離は、光変調素子1160が1次の緑光を反射するように、構成される。図11Aの実施形態では、部分反射器1102はカラー着色1130を含む基板1110に隣接する。具体例の図11Aはまた光変調素子11630における誘電体1120及び視る眼510も図示する。
【0068】
上述で注意されたように、該光変調素子1160は1次の緑光を反射するように構成される。緑光は、他の色の光と比較して、視る眼510にとってより強い知覚的明るさ及びコントラストを有することが出来る。しかしながら、明るい画素は緑の代わりに白に見えることが好ましいことがある。従って、図11Aの実施形態では、カラー着色1130は光変調素子1160から反射される緑の分光のピークに近い波長の強度を低減するマゼンタ・フィルタを具備する。基板1110中の該カラー着色1130を用いると、光干渉変調器1100から反射される光は白色と感じられる分光特性を示す。
【0069】
1つの実施形態において、適切なマゼンタカラー着色1130は、1次緑光波長を建設的に変調するように構成された光変調素子を具備する、光干渉変調器アレイの基板1110に組み込まれる。従って、視る眼510は光干渉変調器1100を黒色あるいは白色の何れかと感じる。上述で説明されたように、マゼンタカラー着色1130は、基板1110にマゼンタ顔料を塗布するプロセス、及び、該顔料を基板1110中に拡散させるために該基板1110を加熱するプロセス、によって組み込まれることができる、或いは、本明細書中で説明される若しくは当業者に公知の他のパターニング技術の利用を介しても良い。
【0070】
図11Bは、変調素子1160とマゼンタ・フィルタリング物質を組み込んだ基板1110を含む1つの実施形態の分光感度を説明するグラフ図である。水平軸は反射光の波長を表す。垂直軸は可視スペクトル全体の相対的分光感度を表す。線1140は光変調素子1160の感度を図示する、この線はスペクトルの緑の部分、例えば、可視スペクトルの中央近辺、に中心を置かれる単一ピークである。線1142はマゼンタ・フィルタリング物質を組み込んだ基板1110の感度を図示する。線1142はU−形状の極小の両側に比較的平坦な部分を有する。線1142はこのように、実質的に赤光と青光を選択的に透過し、他方、スペクトルの緑部分の光をフィルタする、マゼンタ・フィルタの感度を表す。線1144は変調素子1160と基板1110の合成された分光感度を図示する。線1144は、合成分光感度が、基板1110中に組み込まれたフィルタ物質による光のフィルタ作用により変調素子1160よりも低い反射率のレベルになることを説明する。しかしながら、分光感度は可視スペクトルに亘って比較的一様であり、その結果、フィルタ作用を受け光干渉変調器1100から反射される光は白色として感じられる。
【0071】
ある複数の実施形態では、グラデーション着色が、基板1110のような、基板中に組み込まれ、その結果、視野角が基板1110の法線から増大するに従い、着色によってフィルタされる反射光の量が増大する。このようにして、観測者が、光干渉変調器ディスプレイから、基板の法線方向から遠ざかるに従い、画像はますます薄暗くなる。例えば、もし視る眼510が光干渉変調器1100から、基板1110の前面に垂直な、方向1150に反射される光を見るように配置されるならば、該視る眼510はフィルタ物質を含む基板1110の厚さtを2度通過する光を見る(例えば、該光は光干渉変調器1100に入射する時に基板1110を通過し、そして、光干渉変調器1100に出る時に再び基板1110を通過する。)視る眼510が、光干渉変調器1100から法線を外れた方向1152に反射される光を見るような位置に移動すると、該反射光が通過する基板1110の厚さが増大する。例えば、もし方向1150と方向1152との間の角が約45度であるならば、1152方向へ貫く基板1110の厚さは約t*1.414である。従って、1152方向にある視る眼150によって見られる光は、該光が1150方向に通過する場合よりも基板を約3倍通過してきた(例えば、光は約t*1.4の厚さを2度、これは約2.8T、通過する)、そして基板1110中のフィルタ物質を約3倍多く透過した。このようにして、もし基板1110中のフィルタ物質が一定の波長の光を吸収するならば、1150方向とみる眼510との間の角が増大するに従い、基板1110により吸収される該一定の波長の量もまた増大する。
【0072】
図12Aは基板1210に組み込まれる視野フィルタ1230を有する光干渉変調器1200の断面図を図示する。具体例の光干渉変調器1200は支持体1204によって部分反射器1202から分離される可動鏡1206を含む光変調素子1260を具備する。具体例の図12Aはまた光変調素子1260における誘電体1220及び視る眼510も図示する。
【0073】
ある場合には、光干渉変調器ディスプレイは制限された視野角を有することが望ましい。例えば、光干渉変調器ディスプレイがATMで使用される場合、表示される情報のプライバシーを保護するために、ディスプレイは該ディスプレイの表面に垂直に近い角度からのみ見ることが出来ることが望ましい。更に、光干渉変調器から反射される光の色は光の反射角と共に変化する。従って、視野角を制限することによって、観測者によるこの色ずれの知覚を除くことが望ましいことがある。図12Aで表される実施形態において、光干渉変調器1200の視野角は、基板1210中に視野フィルタ1230(本明細書中ではブラインド1230或いは邪魔板1230とも呼ばれる)を組み込むことによって、制限される。分離膜中ではなく基板1210中にブラインド1230を組み込むことにより、所定の距離だけ隔てられた邪魔板1230を有する基板1210は、同じ所定の距離だけ隔てられた邪魔板を有する薄膜に比べて、基板中の邪魔板1230の拡大された長さの故に、より大きな角度の削減を提供することが出来る。
【0074】
図12Aに図示されるように、邪魔板1230は基板1210に実質的に垂直な複数の薄い構造を具備する。従って、具体例の方向1250のように、ブラインド構造1230に実質的に平行に向けられて、光変調素子1260から反射される光はブラインド1230によりあまり影響を受けずに基板1210を通過する。対照的に、光変調素子1260から、具体例の方向1240のような、他の角度で反射される光はブラインド1230により反射角に依存して部分的に遮られる。当該技術者等は視野がブラインド1230の形状、方向、大きさ及び間隔によって調整されることが出来ることを認識する。例えば、邪魔板1230は、基板1210の前面1211に直角な、1250方向周りの測定で約±20度以下の視野を与えるための寸法、形状、及び、間隔を有することが出来る。視野は、従って、1250方向周りの測定で約±20度、±25度、±30度、±35度、及び、±40度あるいはそれ未満の間であることが出来る。1つの具体例の実施形態において、邪魔板1230は前面1270の法線に対して約±30度の視野をディスプレイ1200に与える。
【0075】
邪魔板1230を作るために様々な技術が利用されることが出来る。1つの実施形態では、ガラスの積層板が使用される。この実施形態では、1又は複数のガラスの積層板がフィルタ物質でパターニングされ、そして、一緒に加熱されてフィルタ物質を組み込んだ単一の基板を形成することが出来る。別の実施形態では、第1薄層が、例えば、上述で説明された1又は複数の技術を利用して、フィルタ物質でパターニングされ、そして、第2薄層が該第1薄層のパターニングされた表面上に置かれることが出来る。次に、該フィルタ物質を2つの薄層に同時に拡散させるために、該積層板は加熱されることが出来る。この実施形態では、フィルタ物質は、構成される基板構造の中央に置かれることが出来るという利点がある。その上、フィルタ物質は2つの材料中に同時に拡散するので、加熱時間が削減されることが出来る。
【0076】
他の実施形態において、フィルタ物質は、上述で説明された1又は複数の技術を利用して、基板の表面上で細長い複数の線に形作られる。1つの実施形態において、上述で説明された1又は複数の技術を利用して、基板は格子状パターンでパターニングされる。フィルタ物質が邪魔板を形成するために基板中に拡散される実施形態において、該フィルタ物質を基板の上表面中に拡散させる一方、基板中での横方向拡散が削減あるいは最小化されるように、加熱時間は低減されることが出来る。1つの実施形態において、邪魔板を形成する際、フィルタ物質は基板の上側約1/3のみに拡散される。
【0077】
邪魔板は変調素子1260の一定の角度から反射される光を実質的に吸収することを意図されるので、一定の実施形態において邪魔板は可能な限り薄い。その上、一定の実施形態では、邪魔板1230を形成するために使用されるフィルタ物質は、加熱される基板中を基板1210の表面に実質的に垂直な方向に拡散する物質からなる。別の実施形態では、フィルタ物質は基板1210よりも高い融点を有する、その結果、基板1210が加熱されると、フィルタ物質は殆ど拡散せずに基板材料中に沈む。このようにして、邪魔板1230は、実質的により高い融点のフィルタ物質の厚さになる。1つの実施形態では、セラミック材料が一連の行構成、列構成、あるいは格子構成でパターニングされることが出来て、そして次に、該パターニングされたセラミック材料を覆って溶融基板材料が注がれることが出来る。基板材料が固まると、パターニングされたセラミック材料は基板中で邪魔板を形成する。
【0078】
図12Bは基板1211中に組み込まれた邪魔板1261を有する具体例の基板1211の透視側面図であり、図12Cはその平面図である。図12B及び12Cの実施形態において、邪魔板1261は実質的に垂直に整列された複数の円筒形状である。1つの実施形態において、該邪魔板1261の外表面1262aは不透明物質で被覆される。該邪魔板1261は、基板1211を加熱すること、基板1211の上表面の上に邪魔板を置くこと、そして、邪魔板を基板1211中に沈ませること、のような、上述で説明された任意の方法によって、基板1211中に配置されることが出来る。
【0079】
一定の実施形態において、図12A−12Cにおいて示される邪魔板構造1230,1261は反射材料からなることが出来る。もし邪魔板1230,1261の光変調素子に最も近い部分が実質的に反射型ならば、その場合、邪魔板1230,1261の反射部に入射する光変調素子から反射される光は基板1210、1211を透過することなく、該光変調素子に反射されて戻される。一定の実施形態において、邪魔板構造1261(図12B)の外表面1263は、実質的に反射型の物質のフラッシュ・コーティングのような、実質的に反射型の材料から作られることが出来る。
【0080】
図13は基板1310中に光ルミネセンス物質1330を有する光干渉変調器1300の断面図である。具体例の光干渉変調器1300は支持体1304によって部分反射器1302から分離される可動鏡1306を含む光変調素子1360を具備する。図13の実施形態では、部分反射器1302は光ルミネセンス物質1130を含む基板1310に隣接する。具体例の図13はまた光変調素子1360における誘電体1320及び視る眼510も図示する。本明細書中で使用されるような、光ルミネセンス物質は燐光特性及び/又は蛍光特性を有する物質を含む。可能な光ルミネセンス物質の例はLUMI(長時間残光光ルミネセンス顔料、グローバル・トレード・アライアンス(Global Trade Alliance)Inc、アリゾナ州スコッツデール(Scottsdale)、製)への米国特許番号No.6,278,135号において説明される物質を含む、及び、BC−482A及びBC−484を具備する材料、波長変換バー(wavelength shifter bars)(セント−ゴバルン・クリスタルズ・アンド・ディテクターズ(Saint-Gobaln Crystals and Detectors)、オハイオ州ニューベリー(Newbury))を含む。
【0081】
様々な実施形態において、光ルミネセンス物質1330は適切な光を用いた励起に基づいて光干渉変調器1300の前面照明を提供する。例えば、一定の実施形態において、光源1344は、光ルミネセンス物質1330を励起するために使用されることが出来る、青色LEDのような、短波長光源を具備し、該蛍光材料は励起されると長波長の光1340を放射する。1つの実施形態では、多種の光ルミネセンス物質1330が、様々な波長で光を放射するために、光変調素子中に組み込まれる。例えば、光干渉変調器の1つのセットは、青色変調素子によって反射される光に類似の分光特性を有する光を放射する光ルミネセンス物質1330を含むことが出来る、光干渉変調器の別のセットは、緑色変調素子によって反射される光に類似の分光特性を有する光を放射する光ルミネセンス物質1330を含むことが出来る、そして、光干渉変調器の第3のセットは、赤色変調素子によって反射される光に類似の分光特性を有する光を放射する光ルミネセンス物質1330を含むことが出来る。このようにして、アレイ中の光変調素子と関連付けられる光ルミネセンス物質1330を変えることによって、モノクロームのディスプレイが多色ディスプレイに変換されることが出来る。
【0082】
1つの実施形態において、励起光源1344は光1342が光干渉変調器1300の横側から基板1310に出会うような位置に置かれることが出来る。この実施形態では、光ルミネセンス物質1330は光1340を全ての方角に放射する、従って、光変調素子1360の内部における実質的に一様な照明を提供する、という利点がある。
【0083】
他の実施形態において、光源1344は光干渉変調器1300の基板1310に近接する任意のその他の位置に置かれることが出来る。光ルミネセンス物質1330は小粒として基板1310中に組み込まれることが出来る、或いは、例えば、他の実施形態を参照して上述で説明された加熱および拡散の方法によって、基板中に溶解されることが出来る。それに代わって、光ルミネセンス物質1330は基板1310が形成されるとき基板1310中に一様に混合されることができる。他の方法もまた使用されることが出来る。当該技術の熟練者たちは光干渉変調器ディスプレイの前面照明にとって好適な多数の光ルミネセンス物質を知っている。今後考案されるものも周知のものも何れの光ルミネセンス物質も採用されることが出来る。
【0084】
設計及び構成における広範囲の変更もまた可能である。異なるアプリケーションに対して基板中に異なる材料を異なる量で組み込むことに加えて、様々な異なるパターニングが使用されることが出来る。基板中に導入される材料の量あるいは型は、基板中への深さに従って変えることが出来る、或いは、例えば、グラデーションを創るために及び様々なパターンを形成するために、横方向に変えることが出来る。パターン形状の大きさもまた変えることが出来る。複数の材料の組み合わせが基板中に導入されることが出来る。製造の方法ばかりでなく構成とその結果としての構造の更に別の変更が可能である。
【0085】
その上、先述の諸説明は本発明の一定の実施形態を詳述する。しかしながら、先述が本文中で如何に詳しく見えようとも、本発明は多くの方法で実行されることが出来ることが認識される。これもまた上述で述べられたように、本発明の一定の性能或いは態様を説明する際の特別な術語の使用は、該術語が関連付けられる本発明の性能或いは態様の任意の特定の特徴を含むことに限定されるために、該述語が本明細書中で再定義されているということを意味すると受け取られるべきではない、ということは注意されるべきである。本発明の範囲は従って付随される請求項およびその任意の同等項に従って解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】図1は、光干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部分を図示する等測図であり、そこでは、第1光干渉変調器の可動反射層は、リラックスされた位置にあり、第2光干渉変調器の可動反射層は、アクチュエートされた位置にある。
【図2】図2は3×3光干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子装置の一実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図3】図3は、図1の光干渉変調器の1つの具体例の実施形態に関する印加電圧に対する可動鏡位置の図である。
【図4】図4は、光干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用されることができる行電圧及び列電圧のセットの説明図である。
【図5A】図5Aは、図2の3×3光干渉変調器ディスプレイにおけるディスプレイ・データの1つの具体例のフレームを図示する。
【図5B】図5Bは図5Aのフレームを書き込むために使用されることができる行信号及び列信号に関する1つの具体例のタイミング図を図示する。
【図6A】図6Aは複数の光干渉変調器を具備する視覚ディスプレイ装置の一実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図6B】図6Bは複数の光干渉変調器を具備する視覚ディスプレイ装置の一実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図7A】図7Aは図1の装置の断面図である。
【図7B】図7Bは光干渉変調器の代わりの実施形態の断面図である。
【図7C】図7Cは光干渉変調器の別の1つの代わりの実施形態の断面図である。
【図7D】図7Dは光干渉変調器の更に別の1つの代わりの実施形態の断面図である。
【図7E】図7Eは光干渉変調器の更に追加の代わりの実施形態の断面図である。
【図8】図8は基板の選択された部分に暗着色を有する光干渉変調器の断面図である。
【図9】図9は基板にカラー着色を有する光干渉変調器の断面図である。
【図10】図10は基板に選択されたカラー着色を有する光干渉変調器の断面図であって、ここに、多カラー着色が基板に選択的に組み込まれる。
【図11A】図11Aは基板にカラー着色を有する別の光干渉変調器の断面図である。
【図11B】図11Bは、緑色変調素子とマゼンタ・フィルタリング物質を組み込んだ基板を含む1つの実施形態の分光感度を説明するグラフ図である。
【図12A】図12Aは基板に組み込まれる視野フィルタを有する光干渉変調器を図示する。
【図12B】図12Bは基板に視野フィルタを作製する具体例の方法を図示する。
【図12C】図12Cは基板に視野フィルタを作製する具体例の方法を図示する。
【図13】図13は基板中に光ルミネセンス物質を有する光干渉変調器の断面図である。
【符号の説明】
【0087】
12a、12b…光干渉変調器、14a、14b…可動反射層、16a、16b…光学スタック、18…支柱、19…間隙、20…基板、27…ネットワーク・インターフェース、30…ディスプレイ・アレイ、32…連結部、34…変形可能層、40…ディスプレイ装置、41…ハウジング、42…支柱プラグ、43…アンテナ、44…バス構造、45…スピーカ、46…マイクロフォン、48…入力装置、510…視る眼、800…光干渉変調器、802…部分反射器、804…支持体、806…可動鏡、807…境界部、810…基板、820…誘電体、830…選択的暗着色、860…光変調素子、900…光干渉変調器、902…部分反射器、904…支持体、906…可動鏡、910…基板、920…誘電体、930…カラー着色、960…光変調素子、1000A…第1光変調素子、1000B…第2光変調素子、1000C…第3光変調素子、1001…光変調器のアレイ、1002…部分反射器、1004…支持体、1006…可動鏡、1010…基板、1030…カラー・フィルタ、1030A…赤着色、1030B…青着色、1030C…緑着色、1100…光干渉変調器、1102…部分反射器、1104…支持体、1106…可動鏡、1110…基板、1120…誘電体、1130…カラー着色、1140…光変調素子1160の感度、1142…マゼンタ・フィルタの感度、1144…合成分光感度、1150…法線方向、1152…法線を外れた方向、1160…光変調素子、1200…光干渉変調器、1202…部分反射器、1204…支持体、1206…可動鏡、1210…基板、1220…誘電体、1230…視野フィルタ(ブラインド、邪魔板)、1240…法線を外れた方向、1250…法線方向、1260…光変調素子、1261…邪魔板、1262A…邪魔板1261の表面、1270…基板の前面、1300…光干渉変調器、1302…部分反射器、1304…支持体、1306…可動鏡、1310…基板、1320…誘電体、1330…光ルミネセンス物質、1340…放射光、1342…光源からの光、1360…光変調素子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置を形成する方法であって、該方法は、
基板に前記基板とは異なる光学的性質を有する物質を拡散すること、
該基板を覆って少なくとも1つの光変調素子を形成することを具備し、該光変調素子は、光学的キャビティを形成し、部分的に反射型の表面および実質的に反射型の表面を具備し、前記光学的キャビティを変調するために少なくとも1つの前記反射型の表面は他の表面に関して可動である方法。
【請求項2】
該基板を覆って該物質を堆積することを更に具備する、請求項1の方法。
【請求項3】
該基板を加熱することを更に具備する、請求項2の方法。
【請求項4】
該基板を約200℃から250℃の範囲の温度に加熱することを更に具備する、請求項2の方法。
【請求項5】
該基板は、該物質を該基板内部の所定のレベルまで拡散するのに十分な時間、加熱される、請求項3の方法。
【請求項6】
該所定のレベルは該基板の厚さの約1/3未満である、請求項5の方法。
【請求項7】
該所定のレベルは該基板の厚さの約1/3超である、請求項5の方法。
【請求項8】
該物質の少なくとも1つの光学的性質は、該物質が該基板中に拡散するに従い、変化する、請求項1の方法。
【請求項9】
該物質を該基板に塗布することを更に具備する、請求項1の方法。
【請求項10】
塗布することは該物質を噴霧することを具備する、請求項9の方法。
【請求項11】
該物質を該基板に塗布することに先立ち該基板上にマスクを置くことを更に具備する、請求項9の方法。
【請求項12】
該基板はガラスおよび高分子のうち少なくとも1つを具備する、請求項1の方法。
【請求項13】
該物質は黒色顔料を具備する、請求項1の方法。
【請求項14】
該物質はカラー顔料を具備する、請求項1の方法。
【請求項15】
異なる複数の物質を該基板中に拡散することを更に具備する、請求項1の方法。
【請求項16】
異なる複数の物質は異なる光変調素子に対して拡散させられる、請求項15の方法。
【請求項17】
請求項1から請求項16の任意のプロセスによって形成されるディスプレイ装置。
【請求項18】
ディスプレイ装置であって、
第1反射面及び第2反射面を具備し、前記第2反射面は前記第1反射面に関して可動である少なくとも1つの光変調素子と、
基板とを具備し、前記光変調素子は前記基板を覆って配置され、
前記基板はカラー光を伝達するカラー・フィルタを具備するディスプレイ装置。
【請求項19】
該基板は、白色光により照明されると異なる色の光を伝達する複数のカラー・フィルタを具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項20】
該カラー・フィルタは異なる前記光変調素子に対しては異なる色を有する、請求項19のディスプレイ装置。
【請求項21】
前記複数のカラー・フィルタは、白色光によって照明される場合、それぞれ赤光、緑光、或いは、青光を伝達する赤、緑、及び、青のカラー・フィルタを含む、請求項19のディスプレイ装置。
【請求項22】
前記カラー・フィルタは、白色光で照明される場合、マゼンタ光を伝達するマゼンタ・カラー・フィルタを具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項23】
前記カラー・フィルタは顔料を具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項24】
該カラー・フィルタは第1波長領域の可視光に対して実質上光学的に透過型であり、第2波長領域の可視光に対して実質上吸収型である、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項25】
前記カラー・フィルタは、白色光で照明される場合、赤光に対して実質上光学的に透過型であるように、該第1波長領域は赤光の波長を含み、前記第2波長領域はその他の波長を含む、請求項24のディスプレイ装置。
【請求項26】
前記カラー・フィルタは、白色光で照明される場合、緑光に対して実質上光学的に透過型であるように、該第1波長領域は緑光の波長を含み、前記第2波長領域はその他の波長を含む、請求項24のディスプレイ装置。
【請求項27】
前記カラー・フィルタは、白色光で照明される場合、青光に対して実質上光学的に透過型であるように、該第1波長領域は青光の波長を含み、前記第2波長領域はその他の波長を含む、請求項24のディスプレイ装置。
【請求項28】
該光変調素子は前記第1波長領域の光を反射するように構成される、請求項24のディスプレイ装置。
【請求項29】
該光変調素子は2次の赤光及び3次の青光を反射するように構成され、該カラー・フィルタは2次の赤光に対して実質上光学的に透過型であり3次の青光を吸収する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項30】
該光変調素子は緑光を実質的に反射するように構成され、該カラー・フィルタは、可視光で照明される場合、マゼンタ光に対して実質上光学的に透過型である、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項31】
該カラー・フィルタは1又は複数の顔料を具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項32】
該カラー・フィルタは少なくとも1つの光ルミネセンス物質を具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項33】
該少なくとも1つの光ルミネセンス物質は、燐光物質および蛍光物質、のうちの少なくとも1つを具備する、請求項32のディスプレイ装置。
【請求項34】
該少なくとも1つの光ルミネセンス物質は、光源により励起されると、該光変調素子を照明する、請求項32のディスプレイ装置。
【請求項35】
該光ルミネセンス物質からの照明は該光源の波長よりも長い波長を有する光を具備する、請求項32のディスプレイ装置。
【請求項36】
反射光の方向が該基板表面の法線となす角度が増大するに従い、該カラー・フィルタにより実行されるフィルタ作用が増大する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項37】
前記反射面の1つを支持するための1又は複数の支持体を更に具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項38】
該カラー・フィルタが該1又は複数の支持体の実質的に前面にあるように、該カラー・フィルタが該基板上にパターニングされる、請求項37のディスプレイ装置。
【請求項39】
請求項18のディスプレイ装置であって、
前記少なくとも1つの光変調素子と電気的に通信するプロセッサと、前記プロセッサは画像データを処理するために構成され、
該プロセッサと電気的に通信する記憶装置と、
を更に具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項40】
少なくとも1つの光変調素子に少なくとも1つの信号を送るために構成されるドライバ回路、を更に具備する、請求項39のディスプレイ装置。
【請求項41】
前記ドライバ回路に少なくとも一部の前記画像データを送るために構成される制御器、を更に具備する、請求項40のディスプレイ装置。
【請求項42】
前記画像データを前記プロセッサに送るために構成される画像情報源モジュール、を更に具備する、請求項39のディスプレイ装置。
【請求項43】
前記画像情報源モジュールは受信機、トランシーバ、及び、送信機のうち少なくとも1つを具備する、請求項42のディスプレイ装置。
【請求項44】
入力データを受信するために、及び、前記入力データを前記プロセッサに伝達するために、構成される入力装置、を更に具備する、請求項39のディスプレイ装置
【請求項45】
該カラー・フィルタは少なくともある着色を具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項46】
前記着色は実質的に全ての波長の可視光を吸収するために構成され、及び、該着色は前記第1反射面に対する支持体の前面に配置される、請求項45のディスプレイ装置。
【請求項47】
前記支持体は柱構造を具備する、請求項46のディスプレイ装置。
【請求項48】
ディスプレイ装置であって、
光を変調するための手段と、前記変調する手段は光を反射するための第1手段および第2手段を具備し、前記第2反射手段は前記第1反射手段に関して可動であり、
前記光を変調する手段を支持するための手段と、
前記支持する手段中に配置される光をフィルタするための手段と
を具備するディスプレイ装置。
【請求項49】
前記変調する手段は複数のディスプレイ素子を具備し、前記第1反射手段および第2反射手段は第1反射面および第2反射面を具備し、前記第2反射面は前記第1反射面に関して可動である、請求項48のディスプレイ装置。
【請求項50】
前記支持する手段は基板を具備する、請求項48或いは請求項49のディスプレイ装置。
【請求項51】
前記フィルタする手段はカラー・フィルタ、光ルミネセンス物質、或いはマスクを具備する、請求項48、請求項49或いは請求項50のディスプレイ装置。
【請求項52】
ディスプレイ装置を形成する方法であって、該方法は、
ディスプレイ装置の視野を制限するために構成される複数の素子を具備する基板を形成すること、
該基板を覆って少なくとも1つの光変調素子を形成することを具備し、該光変調素子は光学的キャビティを形成する部分的に反射型の表面および実質的に反射型の表面を具備し、前記光学的キャビティを変調するために、少なくとも1つの前記反射型表面は他方に関して可動である方法。
【請求項53】
該ディスプレイの視野を制限するために構成される該複数の素子は複数の邪魔板を具備する、請求項52のディスプレイ。
【請求項54】
該基板は水平面にあって、該複数の邪魔板は、垂直面に実質的に平行な、実質的に平坦な表面を具備する、請求項53のディスプレイ。
【請求項55】
請求項52乃至請求項54の任意の方法によって形成されるディスプレイ装置。
【請求項56】
ディスプレイ装置であって、
それぞれが第1反射面及び第2反射面を具備する少なくとも複数の光変調素子と、前記第2反射面は前記第1反射面に関して可動であり、
基板とを具備し、前記少なくとも複数の光変調素子は前記基板を覆って配置され、前記基板は該ディスプレイ装置の視野を制限するために構成される複数の素子を具備するディスプレイ装置。
【請求項57】
該ディスプレイの視野を制限するために構成される該複数の素子は複数の邪魔板を具備する、請求項56のディスプレイ装置。
【請求項58】
該基板は水平面にあって、該複数の邪魔板は、垂直面に実質的に平行な、実質的に平坦な表面を具備する、請求項57のディスプレイ装置。
【請求項59】
該複数の邪魔板は個々の邪魔板の間に間隔を備え、前記間隔は前記基板に垂直な平面から約40度を超えない視野角を与える大きさを有する、ここに該角は該垂直な平面に関する半値角として測定される、請求項57のディスプレイ装置。
【請求項60】
該複数の邪魔板は個々の邪魔板の間に間隔を備え、前記間隔は該基板に垂直な平面から約20度を超えない視野角を与える大きさを有する、ここに該角は該垂直な平面に関する半値角として測定される、請求項57のディスプレイ装置。
【請求項61】
該複数の邪魔板は実質的に不透明である、請求項57のディスプレイ装置。
【請求項62】
該複数の邪魔板は実質的に平坦な不透明表面である、請求項61のディスプレイ装置。
【請求項63】
該複数の邪魔板は吸収材料を具備する、請求項57のディスプレイ装置。
【請求項64】
該複数の邪魔板は反射材料を具備する、請求項57のディスプレイ装置。
【請求項65】
前記少なくとも複数の光変調素子と電気的に通信するプロセッサ、前記プロセッサは画像データを処理するために構成される、及び
前記プロセッサと電気的に通信する記憶装置、
を更に具備する、請求項56のディスプレイ装置。
【請求項66】
少なくとも1つの光変調素子に少なくとも1つの信号を送るために構成されるドライバ回路、を更に具備する、請求項65のディスプレイ装置。
【請求項67】
前記ドライバ回路に少なくとも一部の前記画像データを送るために構成される制御器、を更に具備する、請求項66のディスプレイ装置。
【請求項68】
前記画像データを前記プロセッサに送るために構成される画像情報源モジュール、を更に具備する、請求項65のディスプレイ装置。
【請求項69】
前記画像情報源モジュールは受信機、トランシーバ、及び、送信機のうち少なくとも1つを具備する、請求項68のディスプレイ装置。
【請求項70】
入力データを受信するために、前記入力データを前記プロセッサに伝達するために、構成される入力装置、を更に具備する、請求項65のディスプレイ装置。
【請求項71】
光を変調するための手段と、前記変調する手段は光を反射するための第1手段および第2手段を具備し、前記第2反射手段は前記第1反射手段に関して可動であり、
前記光を変調する手段を支持するための手段と、
該支持する手段中の視野を制限するための手段と
を具備するディスプレイ装置。
【請求項72】
前記変調する手段は少なくとも複数のディスプレイ素子を具備する、及び、前記第1反射手段および第2反射手段は第1反射面および第2反射面を具備し、前記第2反射面は前記第1反射面に関して可動である、請求項71のディスプレイ装置。
【請求項73】
前記支持する手段は基板を具備する、請求項71或いは請求項72のディスプレイ装置。
【請求項74】
前記視野を制限する手段は複数の邪魔板を具備する、請求項71、請求項72或いは請求項73のディスプレイ装置。
【請求項75】
ディスプレイ装置を形成する方法であって、該方法は、
混合物を形成するために基板材料をフィルタ物質と結合すること、
該基板材料が実質的に溶融しフィルタ物質が該溶融された基板材料の内部で拡散されるように、該混合物を加熱すること、
基板を形成するために該混合物を冷却すること、
該基板を覆って少なくとも1つの光変調素子を形成することを具備し、該光変調素子は、光学的キャビティを形成し、部分的に反射型の表面および実質的に反射型の表面を具備し、前記光学的キャビティを変調するために、少なくとも1つの前記反射型の表面は他の表面に関して可動である方法。
【請求項76】
該基板の原材料は、高分子の小粒、砂、フリント(flint)、或いは、石英、のうち少なくとも1つを具備する、請求項75の方法。
【請求項77】
該基板材料は、該フィルタ物質と結合されるとき、少なくとも部分的に溶融される、請求項75の方法。
【請求項78】
該基板材料は、該フィルタ物質と結合されるとき、溶融されない、請求項75の方法。
【請求項79】
請求項75乃至請求項78の任意の方法により形成されるディスプレイ装置。
【請求項80】
それぞれが第1反射面及び第2反射面を具備する複数の光変調素子を形成すること、前記第2反射面は前記第1反射面に関して可動であり、
その中に第1吸収領域および第2吸収領域を含む基板を形成することを具備し、前記第1吸収領域および第2吸収領域は異なる光透過特性を有し、
前記基板を覆って前記複数の光変調素子を配置するディスプレイ装置を形成する方法。
【請求項81】
前記第1領域および第2領域は異なる前記光変調素子に対して異なる色を有するカラー・フィルタを具備する、請求項80の方法。
【請求項82】
前記第1領域は前記基板中に拡散される物質を具備する、請求項80の方法。
【請求項83】
前記第1領域は着色された領域を具備する、請求項80の方法。
【請求項84】
請求項80乃至請求項83の任意の方法により形成されるディスプレイ装置。
【請求項85】
ディスプレイ装置であって、
それぞれが第1反射面及び第2反射面を具備する複数の光変調素子、前記第2反射面は前記第1反射面に関して可動である、及び
基板、前記複数の光変調素子は前記基板を覆って配置される、
ここに前記基板はその中に第1吸収領域および第2吸収領域を含み、前記第1吸収領域および第2吸収領域は異なる光透過特性を有する、
を具備する、ディスプレイ装置。
【請求項86】
前記第1領域は白色光により照明されるとカラー光を伝達するカラー・フィルタを具備する、請求項85のディスプレイ装置。
【請求項87】
前記第1領域は前記複数の光変調素子の下にあり、前記第2領域は前記複数の光変調素子の間の領域の下にある、請求項85のディスプレイ装置。
【請求項88】
前記第1領域および前記第2領域は異なる前記複数の光変調素子に対して異なる色を有するカラー・フィルタを具備する、請求項85のディスプレイ装置。
【請求項89】
前記第1領域はマスクを具備する、請求項85のディスプレイ装置。
【請求項90】
前記第1領域は前記第1反射面に対する支持体の下にあり前記第2領域は前記支持体の間の領域の下にある、請求項89のディスプレイ装置。
【請求項91】
前記第1領域は前記基板中に拡散される物質を具備する、請求項85のディスプレイ装置。
【請求項92】
前記第2領域は前記第1領域中に拡散される前記物質を実質的に欠いている、請求項91のディスプレイ装置。
【請求項93】
前記第1領域は着色された領域を具備する、請求項85のディスプレイ装置。
【請求項94】
前記複数の光変調素子と電気的に通信するプロセッサと、前記プロセッサは画像データを処理するために構成され、
前記プロセッサと電気的に通信する記憶装置と
を更に具備する、請求項85のディスプレイ装置。
【請求項95】
少なくとも1つの光変調素子に少なくとも1つの信号を送るために構成されるドライバ回路、を更に具備する、請求項94のディスプレイ装置。
【請求項96】
前記ドライバ回路に少なくとも一部の前記画像データを送るために構成される制御器、を更に具備する、請求項95のディスプレイ装置。
【請求項97】
前記画像データを前記プロセッサに送るために構成される画像情報源モジュール、を更に具備する、請求項94のディスプレイ装置。
【請求項98】
前記画像情報源モジュールは受信機、トランシーバ、及び、送信機のうち少なくとも1つを具備する、請求項97のディスプレイ装置。
【請求項99】
入力データを受信するために、前記入力データを前記プロセッサに伝達するために、構成される入力装置、を更に具備する、請求項94のディスプレイ装置。
【請求項100】
ディスプレイ装置であって、
光を変調するための複数の手段と、前記光を変調するための複数の手段は光を反射するための第1手段および第2手段を具備し、前記第2反射手段は前記第1反射手段に関して可動であり、
吸収のための第1手段および第2手段を含む前記複数の光変調手段を支持するための手段とを具備し、前記第1吸収手段および第2吸収手段は異なる光透過特性を有し、該光変調手段は前記支持手段を覆って配置されるディスプレイ装置。
【請求項101】
光を変調するための手段は光変調素子を具備する、請求項100のディスプレイ装置。
【請求項102】
前記第1反射手段および第2反射手段は第1反射面および第2反射面を具備し、前記第2反射面は前記第1反射面に関して可動である、請求項100或いは請求項101のディスプレイ装置。
【請求項103】
前記第1吸収手段は該支持手段の第1吸収領域を具備し、前記第2吸収手段は該支持手段の第2吸収領域を具備する、請求項100、請求項101或いは請求項102のディスプレイ装置。
【請求項104】
前記第1吸収手段はカラー・フィルタを具備する、請求項100、請求項101、請求項102或いは請求項103のディスプレイ装置。
【請求項105】
前記第2吸収手段はカラー・フィルタを具備する、請求項100、請求項101、請求項102、請求項103或いは請求項104のディスプレイ装置。
【請求項106】
前記第1吸収手段はマスクを具備する、請求項100、請求項101、請求項102、請求項103、請求項104或いは請求項105のディスプレイ装置。
【請求項107】
該支持手段は基板を具備する、請求項100、請求項101、請求項102、請求項103、請求項104、請求項105或いは請求項106のディスプレイ装置。
【請求項1】
ディスプレイ装置を形成する方法であって、該方法は、
基板に前記基板とは異なる光学的性質を有する物質を拡散すること、
該基板を覆って少なくとも1つの光変調素子を形成することを具備し、該光変調素子は、光学的キャビティを形成し、部分的に反射型の表面および実質的に反射型の表面を具備し、前記光学的キャビティを変調するために少なくとも1つの前記反射型の表面は他の表面に関して可動である方法。
【請求項2】
該基板を覆って該物質を堆積することを更に具備する、請求項1の方法。
【請求項3】
該基板を加熱することを更に具備する、請求項2の方法。
【請求項4】
該基板を約200℃から250℃の範囲の温度に加熱することを更に具備する、請求項2の方法。
【請求項5】
該基板は、該物質を該基板内部の所定のレベルまで拡散するのに十分な時間、加熱される、請求項3の方法。
【請求項6】
該所定のレベルは該基板の厚さの約1/3未満である、請求項5の方法。
【請求項7】
該所定のレベルは該基板の厚さの約1/3超である、請求項5の方法。
【請求項8】
該物質の少なくとも1つの光学的性質は、該物質が該基板中に拡散するに従い、変化する、請求項1の方法。
【請求項9】
該物質を該基板に塗布することを更に具備する、請求項1の方法。
【請求項10】
塗布することは該物質を噴霧することを具備する、請求項9の方法。
【請求項11】
該物質を該基板に塗布することに先立ち該基板上にマスクを置くことを更に具備する、請求項9の方法。
【請求項12】
該基板はガラスおよび高分子のうち少なくとも1つを具備する、請求項1の方法。
【請求項13】
該物質は黒色顔料を具備する、請求項1の方法。
【請求項14】
該物質はカラー顔料を具備する、請求項1の方法。
【請求項15】
異なる複数の物質を該基板中に拡散することを更に具備する、請求項1の方法。
【請求項16】
異なる複数の物質は異なる光変調素子に対して拡散させられる、請求項15の方法。
【請求項17】
請求項1から請求項16の任意のプロセスによって形成されるディスプレイ装置。
【請求項18】
ディスプレイ装置であって、
第1反射面及び第2反射面を具備し、前記第2反射面は前記第1反射面に関して可動である少なくとも1つの光変調素子と、
基板とを具備し、前記光変調素子は前記基板を覆って配置され、
前記基板はカラー光を伝達するカラー・フィルタを具備するディスプレイ装置。
【請求項19】
該基板は、白色光により照明されると異なる色の光を伝達する複数のカラー・フィルタを具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項20】
該カラー・フィルタは異なる前記光変調素子に対しては異なる色を有する、請求項19のディスプレイ装置。
【請求項21】
前記複数のカラー・フィルタは、白色光によって照明される場合、それぞれ赤光、緑光、或いは、青光を伝達する赤、緑、及び、青のカラー・フィルタを含む、請求項19のディスプレイ装置。
【請求項22】
前記カラー・フィルタは、白色光で照明される場合、マゼンタ光を伝達するマゼンタ・カラー・フィルタを具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項23】
前記カラー・フィルタは顔料を具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項24】
該カラー・フィルタは第1波長領域の可視光に対して実質上光学的に透過型であり、第2波長領域の可視光に対して実質上吸収型である、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項25】
前記カラー・フィルタは、白色光で照明される場合、赤光に対して実質上光学的に透過型であるように、該第1波長領域は赤光の波長を含み、前記第2波長領域はその他の波長を含む、請求項24のディスプレイ装置。
【請求項26】
前記カラー・フィルタは、白色光で照明される場合、緑光に対して実質上光学的に透過型であるように、該第1波長領域は緑光の波長を含み、前記第2波長領域はその他の波長を含む、請求項24のディスプレイ装置。
【請求項27】
前記カラー・フィルタは、白色光で照明される場合、青光に対して実質上光学的に透過型であるように、該第1波長領域は青光の波長を含み、前記第2波長領域はその他の波長を含む、請求項24のディスプレイ装置。
【請求項28】
該光変調素子は前記第1波長領域の光を反射するように構成される、請求項24のディスプレイ装置。
【請求項29】
該光変調素子は2次の赤光及び3次の青光を反射するように構成され、該カラー・フィルタは2次の赤光に対して実質上光学的に透過型であり3次の青光を吸収する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項30】
該光変調素子は緑光を実質的に反射するように構成され、該カラー・フィルタは、可視光で照明される場合、マゼンタ光に対して実質上光学的に透過型である、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項31】
該カラー・フィルタは1又は複数の顔料を具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項32】
該カラー・フィルタは少なくとも1つの光ルミネセンス物質を具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項33】
該少なくとも1つの光ルミネセンス物質は、燐光物質および蛍光物質、のうちの少なくとも1つを具備する、請求項32のディスプレイ装置。
【請求項34】
該少なくとも1つの光ルミネセンス物質は、光源により励起されると、該光変調素子を照明する、請求項32のディスプレイ装置。
【請求項35】
該光ルミネセンス物質からの照明は該光源の波長よりも長い波長を有する光を具備する、請求項32のディスプレイ装置。
【請求項36】
反射光の方向が該基板表面の法線となす角度が増大するに従い、該カラー・フィルタにより実行されるフィルタ作用が増大する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項37】
前記反射面の1つを支持するための1又は複数の支持体を更に具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項38】
該カラー・フィルタが該1又は複数の支持体の実質的に前面にあるように、該カラー・フィルタが該基板上にパターニングされる、請求項37のディスプレイ装置。
【請求項39】
請求項18のディスプレイ装置であって、
前記少なくとも1つの光変調素子と電気的に通信するプロセッサと、前記プロセッサは画像データを処理するために構成され、
該プロセッサと電気的に通信する記憶装置と、
を更に具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項40】
少なくとも1つの光変調素子に少なくとも1つの信号を送るために構成されるドライバ回路、を更に具備する、請求項39のディスプレイ装置。
【請求項41】
前記ドライバ回路に少なくとも一部の前記画像データを送るために構成される制御器、を更に具備する、請求項40のディスプレイ装置。
【請求項42】
前記画像データを前記プロセッサに送るために構成される画像情報源モジュール、を更に具備する、請求項39のディスプレイ装置。
【請求項43】
前記画像情報源モジュールは受信機、トランシーバ、及び、送信機のうち少なくとも1つを具備する、請求項42のディスプレイ装置。
【請求項44】
入力データを受信するために、及び、前記入力データを前記プロセッサに伝達するために、構成される入力装置、を更に具備する、請求項39のディスプレイ装置
【請求項45】
該カラー・フィルタは少なくともある着色を具備する、請求項18のディスプレイ装置。
【請求項46】
前記着色は実質的に全ての波長の可視光を吸収するために構成され、及び、該着色は前記第1反射面に対する支持体の前面に配置される、請求項45のディスプレイ装置。
【請求項47】
前記支持体は柱構造を具備する、請求項46のディスプレイ装置。
【請求項48】
ディスプレイ装置であって、
光を変調するための手段と、前記変調する手段は光を反射するための第1手段および第2手段を具備し、前記第2反射手段は前記第1反射手段に関して可動であり、
前記光を変調する手段を支持するための手段と、
前記支持する手段中に配置される光をフィルタするための手段と
を具備するディスプレイ装置。
【請求項49】
前記変調する手段は複数のディスプレイ素子を具備し、前記第1反射手段および第2反射手段は第1反射面および第2反射面を具備し、前記第2反射面は前記第1反射面に関して可動である、請求項48のディスプレイ装置。
【請求項50】
前記支持する手段は基板を具備する、請求項48或いは請求項49のディスプレイ装置。
【請求項51】
前記フィルタする手段はカラー・フィルタ、光ルミネセンス物質、或いはマスクを具備する、請求項48、請求項49或いは請求項50のディスプレイ装置。
【請求項52】
ディスプレイ装置を形成する方法であって、該方法は、
ディスプレイ装置の視野を制限するために構成される複数の素子を具備する基板を形成すること、
該基板を覆って少なくとも1つの光変調素子を形成することを具備し、該光変調素子は光学的キャビティを形成する部分的に反射型の表面および実質的に反射型の表面を具備し、前記光学的キャビティを変調するために、少なくとも1つの前記反射型表面は他方に関して可動である方法。
【請求項53】
該ディスプレイの視野を制限するために構成される該複数の素子は複数の邪魔板を具備する、請求項52のディスプレイ。
【請求項54】
該基板は水平面にあって、該複数の邪魔板は、垂直面に実質的に平行な、実質的に平坦な表面を具備する、請求項53のディスプレイ。
【請求項55】
請求項52乃至請求項54の任意の方法によって形成されるディスプレイ装置。
【請求項56】
ディスプレイ装置であって、
それぞれが第1反射面及び第2反射面を具備する少なくとも複数の光変調素子と、前記第2反射面は前記第1反射面に関して可動であり、
基板とを具備し、前記少なくとも複数の光変調素子は前記基板を覆って配置され、前記基板は該ディスプレイ装置の視野を制限するために構成される複数の素子を具備するディスプレイ装置。
【請求項57】
該ディスプレイの視野を制限するために構成される該複数の素子は複数の邪魔板を具備する、請求項56のディスプレイ装置。
【請求項58】
該基板は水平面にあって、該複数の邪魔板は、垂直面に実質的に平行な、実質的に平坦な表面を具備する、請求項57のディスプレイ装置。
【請求項59】
該複数の邪魔板は個々の邪魔板の間に間隔を備え、前記間隔は前記基板に垂直な平面から約40度を超えない視野角を与える大きさを有する、ここに該角は該垂直な平面に関する半値角として測定される、請求項57のディスプレイ装置。
【請求項60】
該複数の邪魔板は個々の邪魔板の間に間隔を備え、前記間隔は該基板に垂直な平面から約20度を超えない視野角を与える大きさを有する、ここに該角は該垂直な平面に関する半値角として測定される、請求項57のディスプレイ装置。
【請求項61】
該複数の邪魔板は実質的に不透明である、請求項57のディスプレイ装置。
【請求項62】
該複数の邪魔板は実質的に平坦な不透明表面である、請求項61のディスプレイ装置。
【請求項63】
該複数の邪魔板は吸収材料を具備する、請求項57のディスプレイ装置。
【請求項64】
該複数の邪魔板は反射材料を具備する、請求項57のディスプレイ装置。
【請求項65】
前記少なくとも複数の光変調素子と電気的に通信するプロセッサ、前記プロセッサは画像データを処理するために構成される、及び
前記プロセッサと電気的に通信する記憶装置、
を更に具備する、請求項56のディスプレイ装置。
【請求項66】
少なくとも1つの光変調素子に少なくとも1つの信号を送るために構成されるドライバ回路、を更に具備する、請求項65のディスプレイ装置。
【請求項67】
前記ドライバ回路に少なくとも一部の前記画像データを送るために構成される制御器、を更に具備する、請求項66のディスプレイ装置。
【請求項68】
前記画像データを前記プロセッサに送るために構成される画像情報源モジュール、を更に具備する、請求項65のディスプレイ装置。
【請求項69】
前記画像情報源モジュールは受信機、トランシーバ、及び、送信機のうち少なくとも1つを具備する、請求項68のディスプレイ装置。
【請求項70】
入力データを受信するために、前記入力データを前記プロセッサに伝達するために、構成される入力装置、を更に具備する、請求項65のディスプレイ装置。
【請求項71】
光を変調するための手段と、前記変調する手段は光を反射するための第1手段および第2手段を具備し、前記第2反射手段は前記第1反射手段に関して可動であり、
前記光を変調する手段を支持するための手段と、
該支持する手段中の視野を制限するための手段と
を具備するディスプレイ装置。
【請求項72】
前記変調する手段は少なくとも複数のディスプレイ素子を具備する、及び、前記第1反射手段および第2反射手段は第1反射面および第2反射面を具備し、前記第2反射面は前記第1反射面に関して可動である、請求項71のディスプレイ装置。
【請求項73】
前記支持する手段は基板を具備する、請求項71或いは請求項72のディスプレイ装置。
【請求項74】
前記視野を制限する手段は複数の邪魔板を具備する、請求項71、請求項72或いは請求項73のディスプレイ装置。
【請求項75】
ディスプレイ装置を形成する方法であって、該方法は、
混合物を形成するために基板材料をフィルタ物質と結合すること、
該基板材料が実質的に溶融しフィルタ物質が該溶融された基板材料の内部で拡散されるように、該混合物を加熱すること、
基板を形成するために該混合物を冷却すること、
該基板を覆って少なくとも1つの光変調素子を形成することを具備し、該光変調素子は、光学的キャビティを形成し、部分的に反射型の表面および実質的に反射型の表面を具備し、前記光学的キャビティを変調するために、少なくとも1つの前記反射型の表面は他の表面に関して可動である方法。
【請求項76】
該基板の原材料は、高分子の小粒、砂、フリント(flint)、或いは、石英、のうち少なくとも1つを具備する、請求項75の方法。
【請求項77】
該基板材料は、該フィルタ物質と結合されるとき、少なくとも部分的に溶融される、請求項75の方法。
【請求項78】
該基板材料は、該フィルタ物質と結合されるとき、溶融されない、請求項75の方法。
【請求項79】
請求項75乃至請求項78の任意の方法により形成されるディスプレイ装置。
【請求項80】
それぞれが第1反射面及び第2反射面を具備する複数の光変調素子を形成すること、前記第2反射面は前記第1反射面に関して可動であり、
その中に第1吸収領域および第2吸収領域を含む基板を形成することを具備し、前記第1吸収領域および第2吸収領域は異なる光透過特性を有し、
前記基板を覆って前記複数の光変調素子を配置するディスプレイ装置を形成する方法。
【請求項81】
前記第1領域および第2領域は異なる前記光変調素子に対して異なる色を有するカラー・フィルタを具備する、請求項80の方法。
【請求項82】
前記第1領域は前記基板中に拡散される物質を具備する、請求項80の方法。
【請求項83】
前記第1領域は着色された領域を具備する、請求項80の方法。
【請求項84】
請求項80乃至請求項83の任意の方法により形成されるディスプレイ装置。
【請求項85】
ディスプレイ装置であって、
それぞれが第1反射面及び第2反射面を具備する複数の光変調素子、前記第2反射面は前記第1反射面に関して可動である、及び
基板、前記複数の光変調素子は前記基板を覆って配置される、
ここに前記基板はその中に第1吸収領域および第2吸収領域を含み、前記第1吸収領域および第2吸収領域は異なる光透過特性を有する、
を具備する、ディスプレイ装置。
【請求項86】
前記第1領域は白色光により照明されるとカラー光を伝達するカラー・フィルタを具備する、請求項85のディスプレイ装置。
【請求項87】
前記第1領域は前記複数の光変調素子の下にあり、前記第2領域は前記複数の光変調素子の間の領域の下にある、請求項85のディスプレイ装置。
【請求項88】
前記第1領域および前記第2領域は異なる前記複数の光変調素子に対して異なる色を有するカラー・フィルタを具備する、請求項85のディスプレイ装置。
【請求項89】
前記第1領域はマスクを具備する、請求項85のディスプレイ装置。
【請求項90】
前記第1領域は前記第1反射面に対する支持体の下にあり前記第2領域は前記支持体の間の領域の下にある、請求項89のディスプレイ装置。
【請求項91】
前記第1領域は前記基板中に拡散される物質を具備する、請求項85のディスプレイ装置。
【請求項92】
前記第2領域は前記第1領域中に拡散される前記物質を実質的に欠いている、請求項91のディスプレイ装置。
【請求項93】
前記第1領域は着色された領域を具備する、請求項85のディスプレイ装置。
【請求項94】
前記複数の光変調素子と電気的に通信するプロセッサと、前記プロセッサは画像データを処理するために構成され、
前記プロセッサと電気的に通信する記憶装置と
を更に具備する、請求項85のディスプレイ装置。
【請求項95】
少なくとも1つの光変調素子に少なくとも1つの信号を送るために構成されるドライバ回路、を更に具備する、請求項94のディスプレイ装置。
【請求項96】
前記ドライバ回路に少なくとも一部の前記画像データを送るために構成される制御器、を更に具備する、請求項95のディスプレイ装置。
【請求項97】
前記画像データを前記プロセッサに送るために構成される画像情報源モジュール、を更に具備する、請求項94のディスプレイ装置。
【請求項98】
前記画像情報源モジュールは受信機、トランシーバ、及び、送信機のうち少なくとも1つを具備する、請求項97のディスプレイ装置。
【請求項99】
入力データを受信するために、前記入力データを前記プロセッサに伝達するために、構成される入力装置、を更に具備する、請求項94のディスプレイ装置。
【請求項100】
ディスプレイ装置であって、
光を変調するための複数の手段と、前記光を変調するための複数の手段は光を反射するための第1手段および第2手段を具備し、前記第2反射手段は前記第1反射手段に関して可動であり、
吸収のための第1手段および第2手段を含む前記複数の光変調手段を支持するための手段とを具備し、前記第1吸収手段および第2吸収手段は異なる光透過特性を有し、該光変調手段は前記支持手段を覆って配置されるディスプレイ装置。
【請求項101】
光を変調するための手段は光変調素子を具備する、請求項100のディスプレイ装置。
【請求項102】
前記第1反射手段および第2反射手段は第1反射面および第2反射面を具備し、前記第2反射面は前記第1反射面に関して可動である、請求項100或いは請求項101のディスプレイ装置。
【請求項103】
前記第1吸収手段は該支持手段の第1吸収領域を具備し、前記第2吸収手段は該支持手段の第2吸収領域を具備する、請求項100、請求項101或いは請求項102のディスプレイ装置。
【請求項104】
前記第1吸収手段はカラー・フィルタを具備する、請求項100、請求項101、請求項102或いは請求項103のディスプレイ装置。
【請求項105】
前記第2吸収手段はカラー・フィルタを具備する、請求項100、請求項101、請求項102、請求項103或いは請求項104のディスプレイ装置。
【請求項106】
前記第1吸収手段はマスクを具備する、請求項100、請求項101、請求項102、請求項103、請求項104或いは請求項105のディスプレイ装置。
【請求項107】
該支持手段は基板を具備する、請求項100、請求項101、請求項102、請求項103、請求項104、請求項105或いは請求項106のディスプレイ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【公表番号】特表2008−517303(P2008−517303A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−533543(P2007−533543)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/032886
【国際公開番号】WO2006/036564
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/032886
【国際公開番号】WO2006/036564
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【Fターム(参考)】
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