説明

ディーゼル排ガス浄化用フィルター

【解決課題】 ディーゼルエンジン排気ガス中の粒子状浮遊物を除去するフィルターにおいて、圧力損失が低減されるとともに、粒子状浮遊物の捕集効率が50〜70%と適正範囲となるものを提供する。
【解決手段】 ステンレス箔をギア付ロールにより、表面にヘリンボーン形状を有し、かつ、断面波形の金属フォイルに成型した。そして、フィルターシートとしてステンレス製不織布20を加工後の金属フォイル10に重ね、これらを共に巻回してハニカム構造を有する円柱状の排ガス浄化用フィルター100を形成した。一方、セリア−ジルコニア粉末に塩化イリジウムを浸漬し、乾燥、焼成して1%イリジウム触媒を調整した後、これをスラリー化してフィルター100に担持させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンから排出される排ガスに含まれる粒子状浮遊物を除去するためのフィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンからの排ガス処理においては、NOxのようなガス状物質の分解処理の他、固体又は液体の粒子状浮遊物の除去が必要となる。粒子状浮遊物とは、主に固体の炭素粒子と、固体又は液体の不燃炭化水素系燃料粒子と、燃料中の硫黄由来の硫化物とにより構成されている。この粒子状浮遊物は、粒径が極めて細かいため大気中に浮遊しやすく、人体へ取り込まれやすいという問題があり、最近の環境問題への高い関心から効果的な除去が求められている。
【0003】
ディーゼル排ガス中の粒子状浮遊物の除去については、排気系にフィルターを設置し、捕集された粒子状浮遊物を燃焼させる方法がある。また、ディーゼル排ガス中の粒子状浮遊物除去のためのフィルターとしては、従来から多くの形態のものが報告されている。
【0004】
従来のディーゼル排ガス処理用のフィルターとしては、ハニカム構造を有する筒状のものが用いられている。このフィルターでは、排ガスを一方の端部から他の端部へ通過させつつ、流路の壁面に粒子状浮遊物を捕集させるものが多い。例えば、特許文献1では、コージェライト等のセラミックからなり、一部の流路の端部を目封止材で封止する一方、残った流路の反対側の端部を目封止したものが開示されている。このように流路を目封止することで、流路間の壁面に排ガスを通過させ、セラミックの微細な孔で粒子を捕集するようにしている。
【特許文献1】特開平9−29022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来のフィルターは、各流路において一端を封止することで、排ガスが流路壁面を通過するのを促進させていることから、粒子の捕集率は極めて高い。しかしながら、この形式のフィルターは、部分的に流路を封止するため圧力損失が大きくなる傾向がある。特に、使用に伴い壁面に目詰りが生じた場合の圧力損失は極めて大きいものとなり、フィルターの破壊やエンジンへの悪影響が懸念される。
【0006】
そこで、本発明者等は、圧力損失が低減された浄化用フィルターとして、特許文献2記載のものを開発している。このフィルターは、各流路に目封止をすることなく導入した排ガスを流通させる形式のものであり、金属製の網体からなる各流路が排ガスの進行方向に対して屈曲する屈曲部を少なくとも1つ有する。このように流路を屈曲させることで、通過する排ガスに乱流を生じさせ、流路壁面による粒子捕集効率を確保する。また、各流路には目封止がないため、流路壁面に目詰まりが生じても、排ガスがフィルター内部を通過することができるので圧力損失が過大になることもない。
【特許文献2】特開2006−2713号公報
【0007】
しかし、上記の本発明者等によるフィルターは、圧力損失の低減においては好ましいものであるが、その後の検討において粒子捕集率において改善を要することが確認されている。粒子捕集率については、近年のディーゼルエンジンの改良に伴い、排ガス中の粒子状浮遊物の含有率が低減されていることから、従前のフィルターのように捕集率100%に迫ることを目標とする必要はないものの、50〜70%の範囲であることが求められている。
【0008】
本発明は、以上のような背景のもとになされたものであり、ディーゼルエンジン排気ガス中の粒子状浮遊物を除去するフィルターにおいて、圧力損失が低減されるとともに、粒子状浮遊物の捕集効率が適正なものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、上記したフィルターを改良すべく鋭意検討を行い、その構成部材の形態の変更を行った。上記本発明者等によるフィルターの具体的な構成は、断面波形に成形した網体と、平板状の網体とを積層して(巻回して)断面ハニカム構造を有するものである。そして、このフィルターでは、流路壁面の全体を網状として粒子を捕集しようとしている。本発明者等は、構成部材の形態として、断面波形に加工した孔のない金属フォイルと、不織布等からなり粒子の捕集効率の高いフィルターシートとを組み合わせることで捕集効率の向上を図ることができるとして本発明に想到した。
【0010】
即ち、本発明は、断面波形に成形され、且つ、表面にヘリンボーン形状が付与された金属フォイルと、金属又はセラミックからなる不織布又は発泡金属からなるフィルターシートとが交互に積層されてなり、断面がハニカム構造を有するディーゼル排ガス浄化用フィルターであって、前記金属フォイルと前記フィルターシートとにより形成される流路が、排ガスの流通方向に対して屈曲する屈曲部を少なくとも1つ有するディーゼル排ガス浄化用フィルターである。
【0011】
また、円筒形状のフィルターとして本発明は、断面波形に成形され、且つ、表面にヘリンボーン形状が付与された金属フォイルと、金属又はセラミックからなる不織布又は発泡金属からなるフィルターシートとを積層し、これらを巻回することにより形成される、断面がハニカム構造を有するディーゼル排ガス浄化用フィルターであって、前記金属フォイルと前記フィルターシートとにより形成される流路が、排ガスの流通方向に対して屈曲する屈曲部を少なくとも1つ有するディーゼル排ガス浄化用フィルターである。
【0012】
本発明において、粒子状物質の捕集を行なうフィルターシートは、金属又はセラミックの不織布又は発泡金属からなる。これらの材料は、ガス透過性を有しつつ粒子捕集率の高いものである。このフィルターシートは、気孔率が60〜98%の不織布又は発泡金属が好ましい。また、その厚さは、0.1〜2.0mm、好ましくは0.1〜1.0mmのものが好ましい。また、フィルターシートが金属又はセラミックからなるのは、粒子状物質を燃焼させる際の加熱を考慮すれば耐熱性が必要だからである。
【0013】
本発明においては、上記した本発明者等による従来のフィルターと同様、流路に屈曲部が設けられており、通過する排ガスに壁面方向(フィルターの断面方向)への乱流が生じ、一部の排ガスが流路壁面へ衝突するようになっている。そして、かかる排ガスの挙動と、フィルターシートに不織布等を適用したことにより、本発明では粒子捕集効率が向上する。尚、流路の屈曲部の角度(図1において、排ガスが直進する流通方向に対する流路の傾斜角度θ)は、5〜30°とするのが好ましい。5°未満では捕集率が低下し、30°を超えると排ガスの圧力損失が増大する傾向にあるからである。
【0014】
流路を形成する断面波形の金属フォイルの構成材料は、フィルターシートと同様、耐熱性を有する金属が好ましく、ステンレス、ニッケル基合金等が好ましい。金属フォイルの厚さは、10〜200μmとするのが好ましい。
【0015】
そして、本発明に係るフィルターは、流路を形成する金属フォイル及びフィルターシートのうち、少なくともフィルターシートに触媒が担持されているものが好ましい。これにより、フィルターシートに捕集された粒子状浮遊物を燃焼させることができ、排ガスフィルターを継続的に稼動させることができる。触媒としては、粒子状浮遊物を燃焼させることができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、銀、金、白金、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、ロジウムといった貴金属を含む貴金属触媒又は貴金属合金触媒の他、カリウム等のアルカリ金属を触媒金属として担持したものが知られている。特に、本発明者等によれば、粒子状物質の燃焼触媒としては、イリジウム、ルテニウムを含む触媒が有効であることが近年確認されている。
【0016】
尚、上記した触媒の担持の際には、触媒となる貴金属粒子を分散させるため、貴金属をアルミナ、シリカ、セリア、ジルコニア等の酸化物を少なくとも1つ含む多孔質酸化物に担持させた触媒粉末をフィルターに担持させることが好ましい。また、予めフィルターにこれら多孔質酸化物を下地層(ウォッシュコートと称されることが多い)として塗布し、その後貴金属を担持しても良い。
【0017】
触媒は、フィルターシートのみならず、金属フォイルにも担持されていても良い。この場合、金属フォイルとフィルターシートの双方に同じ触媒が担持されても良いし、金属フォイルに触媒Aを担持し、フィルターシートに触媒Aと異なる触媒Bを担持しても良い。
【0018】
金属フォイル、フィルターシートにそれぞれ異なる触媒を担持する場合においては、金属フォイルに担持される触媒Aに排ガス中のハイドロカーボン、一酸化炭素等を浄化するのに好適な酸化触媒を、フィルターシートに担持される触媒Bに粒子状浮遊物の燃焼に好適な燃焼触媒を担持するのが好ましい。このようにすることで、排ガス中のハイドロカーボン等を燃焼しつつ、粒子状浮遊物の燃焼を同時に行なうことができ、効果的な排ガス浄化ができる。この点、一般的なディーゼル排ガスの浄化プロセスにおいては、粒子状浮遊物質のフィルター前段に酸化触媒を設けているが、本発明の2種の触媒が担持されたフィルターを利用することで、酸化触媒を小能力化又は不要とすることができる。ここで、ハイドロカーボン等の燃焼させる酸化触媒となる触媒Aとしては、白金を含む触媒が好ましい。また、粒子状浮遊物の燃焼触媒となる触媒としては、イリジウム、ルテニウムを含む触媒が好ましく、また、イリジウム−白金触媒も好ましい。また、下地層(ウォッシュコート)となる多孔質酸化物の種類についても触媒に合わせて変化させることができ、例えば、多孔質酸化物としてアルミナを用い、触媒Aとして白金触媒を組合わせつつ、多孔質酸化物としてセリア又はセリア−ジルコニアを用い、触媒Bとしてイリジウム触媒、ルテニウム触媒、又は、イリジウム−白金触媒を組合わせて担持させることができる。
【0019】
尚、以上説明したように触媒を担持させるとき、使用する触媒の貴金属担持量は、多孔質酸化物の重量に対して0.1〜10%とするのが好ましく、0.1〜3%とするのがより好ましい。また、触媒の担持量は、フィルターの容量を基準として触媒全体の重量(異なる触媒を使用する場合にはその合計重量)が、5〜200g/Lとするのが好ましく、50〜150g/Lとするのがより好ましい。
【0020】
本発明に係る排ガス浄化用フィルターは、金属フォイルを断面波形に加工し、これとフィルターシートとを順次積層することで製造できる。このとき、各層を固定するため、所定の型を用意しこれに金属フォイル、フィルターシートをはめ込みつつ積層する、また、積層させた金属フォイル、フィルターシートの接触部分を溶接すると良い。円柱状のフィルターを製造する際には、加工した金属フォイルとフィルターシートと重ねたものを巻回し、その終端部を接合すると良い。ここで、本発明においては、フィルター内の流路が屈曲していることを特徴とするが、この流路は金属フォイルの加工において、断面を波形にした際の加工線が屈曲するように表面にヘリンボーン形状を付与して加工すると好適な流路を有するフィルターを製造できる。
【0021】
そして、触媒が担持されたフィルターに触媒を担持させる場合、多孔質酸化物を貴金属の金属塩溶液に浸漬し、乾燥、焼成することで触媒粉末を予め製造し、これをスラリー化したものにフィルターを浸漬させることで触媒が担持される。また、成形したフィルターを、多孔質酸化物のゾルに浸漬又は塗布し、更に、触媒金属を含む金属塩溶液に浸漬後、乾燥、焼成することでも触媒を担持させることができる。
【0022】
また、フィルターシートのみに触媒を担持する場合や、金属フォイル、フィルターシートそれぞれに異なる触媒を担持する場合においては、フィルターを製造する前の金属フォイル、フィルターシートのそれぞれに予め触媒を担持し、それから各部材を組合わせてフィルターを製造することで、所望の構成とすることができる。
【0023】
尚、以上のように形成されたフィルターは、筒状のケースにフィルターを挿入し、通電加熱・温度管理のための電極・センサー等を必要に応じて装着することで排ガス浄化に供することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によれば、ディーゼルエンジン排ガス中の粒子状浮遊物を効率的に除去することができる。本発明に係るフィルターは、排ガスの圧力損失を増大させることなく浄化が可能であり、エンジンへのダメージ或いはフィルター自体の破損を防止することができる。本発明に係るフィルターは、従来の流路を部分的に目封止したものに対し、適正な粒子捕集率を有しつつ圧力損失が低減されており、両者のバランスに優れると共に大容量化も可能となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施形態を比較例と共に説明する。
【0026】
第1実施形態:50mm幅、厚さ50μmのステンレス箔をギア付ロールにより、図2のように、表面にヘリンボーン形状を有し、断面波形の金属フォイルに成型した。成型後の屈曲部の角度は15°であり、また、ガス流路の各屈曲部間の長さは、15mmとしている。更に、加工後の金属フォイル10は、流路の断面積が0.96mmとなるように成型されている。
【0027】
そして、フィルターシートとして幅50mm、厚さ0.45mmのSUS430製不織布(気孔率90%)20を加工後の金属フォイル10に重ね、これらを共に巻回してハニカム構造を有する円柱状の排ガス浄化用フィルター100を形成した(図3)。
【0028】
次に、セリア−ジルコニア粉末に塩化イリジウムを浸漬し、乾燥、焼成して1%イリジウム触媒を調整した後、これをスラリー化して排ガス浄化用フィルター100に担持させた(担持量100g/L)。
【0029】
第2実施形態:ここでは、金属フォイル、フィルターシートに異なる触媒を担持させたフィルターを製造した。まず、第1実施形態と同様にしてステンレス箔を成形加工した。そして、アルミナ粉末にジニトロジアミン白金溶液に浸漬し、乾燥、焼成して1%白金触媒を調整し、これをスラリー化して加工したステンレス箔に担持させた(担持量50g/L)。
【0030】
次に、セリア−ジルコニア粉末に塩化イリジウムを浸漬し、乾燥、焼成して1%イリジウム触媒を調整した後、これをスラリー化して第1実施形態と同様の不織布からなるフィルターシートに触媒を担持させた(担持量50g/L)。
【0031】
以上のようにして、異なる触媒を担持させた金属フォイルとフィルターシートとを重ねて巻回してハニカム構造を有する円柱状の排ガス浄化用フィルターを形成した。
【0032】
比較例1:市販のコージェライト製のハニカム構造体(寸法:直径188×200mm、セル密度500cpsi)に、図4のように全流路の半分の流路についてその端部を閉塞し、これに1%イリジウム触媒を担持して排ガス浄化用フィルター200を製造した(担持量100g/L)。
【0033】
比較例2:ここでは、上記した本発明者等による従来のフィルターを製造した。40メッシュ(孔径0.28mm)のSUS製の金属網シート(寸法:50mm幅、厚さ0.48mm)をギア付ロールにより、第1実施形態と同様のヘリンボーン形状を有する波型シート10‘に成型した。そして、図5のように、成型後の波型シート10に40メッシュのSUS製金属網シート20’、及び、厚さ30μmのSUS製平板30‘を重ね、これらを共に巻回してハニカム構造体の排ガス浄化用フィルター300を形成した。これに、1%イリジウム触媒を担持してフィルターとした(担持量100g/L)。
【0034】
以上製造した、各排ガス浄化用フィルターについて燃焼試験を行い、ディーゼルエンジンからの排ガス中の粒子状物質の浄化性能を比較検討した。この燃焼試験は、製造した浄化用フィルターを排気量2771ccのディーゼルエンジンを備えるトラックに取り付け、エンジン回転数2000rpm、トルク100N・mの状態に維持して連続運転を行い、粒子状浮遊物の捕集率及び圧力損失の経時変化を測定した。粒子状浮遊物の捕集率は、スモークメーターを使用して測定し、圧力損失は、フィルター前後に取り付けた差圧計により測定した。図6、図7は、その結果を示す。
【0035】
図6、図7から、比較例1のフィルターは、粒子状浮遊物の捕集率は高いものの、圧力損失は時間と共に上昇する傾向にある。そして、試験開始後100分程度で圧力損失が限界となり、3時間後にはエンジンがストップした。これは、フィルター材質に微細孔を有するセラミックを用い、且つ、一部の端部を目封止したことにより捕集率が極めて高くなるが、その分フィルターの目詰まりが生じ易くなっていることによる。また、比較例2は、圧力損失は比較的低く、エンジンのストップはないものの、粒子捕集率が低い。
【0036】
これらの比較例に対して、第1、第2実施形態に係るフィルターは、50%以上の適度な粒子捕集率を維持している。そして、圧力損失も低く、時間経過とともに安定した圧力損失を示している。このような結果は、流路の目封止を行わずに流路を屈曲させたことで適度な排ガスの流れが生じていたことに加え、この試験条件における排ガス温度で捕集した粒子状浮遊物が触媒により燃焼し、粒子状浮遊物の捕集と燃焼とがバランスよく生じていることによるものと考えられる。尚、比較例2は、実施形態よりも捕集率が低いにもかかわらず、圧力損失が大きくなっている。比較例2は、その構成においてSUS製平板を使用しているため開口率が低下しているためであり、そのため粒子が溜まり易くなっているためである(特にフィルター入口部分)。
【0037】
次に、第1、第2実施形態に係るフィルターについて、ハイドロカーボン等のガス浄化性能を検討した。この検討は、上記の燃焼試験において、捕集率が安定化した状態におけるフィルター前後のガス組成を分析し、一酸化炭素、ハイドロカーボン、NOxの浄化率を求めることにより行なった。この検討結果を表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
表1から、両実施形態に係るフィルターは、ハイドロカーボン等の浄化性能も有することが確認されたが、その効果は実施形態2において特に高いことがわかる。このような差異は、第2実施形態では、粒子状物質を捕集する部分(フィルターシート)にはその燃焼に有効な触媒を担持し、流路を形成する部分(金属フォイル)にはハイドロカーボン等の燃焼に有効な触媒を担持し、2種の触媒を適宜に使い分けたことによるものといえる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るフィルターの流路を示す図。
【図2】フィルターを構成する金属フォイルの加工状態を説明する図。
【図3】フィルターの製造工程及び完成したフィルターを示す図。
【図4】比較例1に係るフィルターを示す図。
【図5】比較例2に係るフィルターを示す図。
【図6】実施例、比較例について行った浄化試験の粒子捕集率の測定結果を示す図。
【図7】実施例、比較例について行った浄化試験の圧力損失の測定結果を示す図。
【符号の説明】
【0041】
100,200,300 排ガス浄化用フィルター
10 金属フォイル(ヘリンボーン形状)
20 フィルターシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面波形に成形され、且つ、表面にヘリンボーン形状が付与された金属フォイルと、金属又はセラミックからなる不織布又は発泡金属からなるフィルターシートとが交互に積層されてなり、断面がハニカム構造を有するディーゼル排ガス浄化用フィルターであって、
前記金属フォイルと前記フィルターシートとにより形成される流路が、排ガスの流通方向に対して屈曲する屈曲部を少なくとも1つ有するディーゼル排ガス浄化用フィルター。
【請求項2】
断面波形に成形され、且つ、表面にヘリンボーン形状が付与された金属フォイルと、金属又はセラミックからなる不織布又は発泡金属からなるフィルターシートとを積層し、これらを巻回することにより形成される、断面がハニカム構造を有するディーゼル排ガス浄化用フィルターであって、
前記金属フォイルと前記フィルターシートとにより形成される流路が、排ガスの流通方向に対して屈曲する屈曲部を少なくとも1つ有するディーゼル排ガス浄化用フィルター。
【請求項3】
少なくともフィルターシートに触媒が担持されてなる請求項1又は請求項2記載のディーゼル排ガス浄化用フィルター。
【請求項4】
金属フォイルには触媒Aが担持され、フィルターシートには触媒Aとは異なる触媒Bが担持されてなる請求項3記載のディーゼル排ガス浄化用フィルター。
【請求項5】
触媒Aは、白金を含む触媒である請求項4記載のディーゼル排ガス浄化用フィルター。
【請求項6】
触媒Bは、イリジウム又はルテニウムを含む触媒である請求項4又は請求項5記載のディーゼル排ガス浄化用フィルター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−224884(P2007−224884A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−50286(P2006−50286)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000217228)田中貴金属工業株式会社 (146)
【Fターム(参考)】