説明

デジタル地図データベースにおいて場所を判定する方法、ナビゲーション装置及びサーバ

【課題】
【解決手段】
本発明は、クエリに基づいて第1のデジタル地図データベースにおいて場所を判定する方法に関する。方法は、第1のデジタル地図データベースに含まれない第1の場所に対するクエリを含む要求を受信することを含む。方法は、第2のデジタル地図データベースにおいて第1の場所を探索するステップと、第1の場所が第2のデジタル地図データベースにおいて発見される場合に第1の場所に近接し且つ第1のデジタル地図データベースに含まれる第2の場所を探索するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クエリに基づいて第1のデジタル地図データベースにおいて場所を判定する方法に関する。更に本発明は、方法に対して構成されるサーバ及びナビゲーション装置に関する。また、本発明は、そのようなサーバ及びそのようなナビゲーション装置を含むシステムに関する。更に本発明は、コンピュータ装置にロードされた時にそのような方法を実行するように構成されるコンピュータプログラム及びそのようなコンピュータプログラムを含むデータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地図は紙又は他の変更不可能な非対話型媒体に印刷されていた。地図に変更が必要な場合、基本的には以下の2つの形態があった。1)紙のコピー上に訂正を手動で入力するか、又は、2)原稿に訂正を行なった地図を再印刷する。手作業による訂正は、特に複数の変更がある場合には時間がかかり、当然、地図の他の未処理のコピーを更新しない。地図を再印刷するオプションは、コストが高く、頻繁な変更に応じるのに非実用的な方法である。
【0003】
現在、要望通りに更新可能であり且つ選択した範囲及びオペレータ入力の種類に応答してオペレータが要求した出力を生成できるデータベース、文書及び地図をデジタル電子形式で有している。今日一般的に使用される多くの電子文書及び電子データベースは、地理的場所に関係する情報を含む。実際には、ある形式の地理的に関連する情報を含まないことがある電子文書の種類又は電子データベースの種類を必ずしも容易には考えつかない。
【0004】
本発明の特定の実施形態に関連する電子データベースの一例は、電子地図又はデジタル地図データベースとして便利で直感的に理解し易いものとして周知の地理空間データベースである。現在のコンピュータ時代において、地図は、特定の時点で記録された調整不可能なデータセットの静的な紙の描写として長年進化してきた。簡潔にするために、本発明は、地図以外の電子文書及び電子データベースにも適用可能であるが、以下の殆どの説明では、主に、電子地図を示す。本出願において、デジタル地図データベースという用語は、全種類の電子地図及びデジタル地図を示すために使用される。
【0005】
従来の紙の地図と比較してデジタル地図データベースの大きな利点の1つは、特有のフレキシビリティ及び大量のデータを表現する能力が挙げられる。紙の地図は、物理的な形式の制約内で表現できる情報量及び情報の種類が必然的に制限される。更に、紙の地図は、更新するのが困難である。
【0006】
デジタル地図データベースは、それらの問題の影響を受けない。初期のデジタル地図は、紙の製品をスキャンしただけのものに見えたかもしれないが、今日のデジタル地図データベースははるかに高性能である。無制限の情報量が地図に含まれ、ユーザの要望に応じて表示されてもされなくてもよい。
【0007】
電子地図としても周知の今日のデジタル地図データベースは、デジタル地図データベースに含まれるデータ点の定期的な変更及び所望の関心地理的特徴の能動的なユーザの選択を可能にできる。関心地図又は地図中の地点情報に特に関連する種類の新規情報が発生すると、地図は、全ての場所又は場所の小さな部分集合のみに対して変更又は訂正を反映するように迅速に更新可能である。
【0008】
電子地図としても周知の今日のデジタル地図データベースは、地図作成サイトにおいて手入力処理で作成又は更新されている。コンパイル又は更新処理が完了した後、デジタル地図データベースはリリースされる。リリース後、デジタル地図データベース又はその一部は、変換又はコンパイル処理が行なわれ、その結果、特定のアプリケーション(モバイルナビゲーション装置等)により使用可能なデジタル地図製品が得られる。作成サイトにおけるデジタル地図データベースの更新が周知の処理である一方、アプリケーションに対するデジタル地図データベースの更新は更に複雑である。その結果、現在、殆どのデジタル地図データベース更新は作成サイトで行なわれ、その後リリース及び変換処理が後続し、更新情報を含む完全なアプリケーションデジタル地図データベースが得られる。これは、煩雑な処理である。別の処理において、更新は作成サイトで行なわれ、更新されたデジタル地図データベースの部分はアプリケーションデジタル地図データベースに転送され、古い部分を置換する。一般に、そのような処理は高度な地図更新と呼ばれる。
【0009】
高度な地図更新の種々の方法が存在し且つ試作されてきた。それらの方法には、個々の地図更新データがアプリケーションに地図を展開するシステムに通信され且つ地図に組み込まれる逐次更新、並びに地図の対象範囲の部分集合がその部分集合のより最新のバージョン又は他の形式の部分的な更新データにより完全に置換される地域的な更新が含まれる。
【0010】
しかし、実際にはそれらの方法は、複雑な技術的性質のために一般に適用されない。その結果、現在の市場において、地図データベースプロバイダは、先に販売された地図データベース製品の更新バージョンを定期的に発行する。換言すると、ユーザは使用している地図データベースをより新しいバージョンと交換することによりその地図データベースを更新できる。それらの更新データを利用可能にするにはコストがかかるため、更新データは、相対的に長い間隔でのみ供給され且つ更に長い間隔で購入される。
【0011】
アプリケーションにおいて高度な地図更新の複雑な解決策を回避する別の方法は、別のシステムアーキテクチャにおいて見つけられている。このアーキテクチャにおいて、地図データベースは、ナビゲーション装置に存在せず、アプリケーションが無線媒体を介して接続する中央サーバ上に存在する。このアーキテクチャにおいては、相対的に容易にアクセスできる1つのデータベースのみが更新される必要があるため、更新の問題は、それ程複雑ではない。しかし、このアーキテクチャは欠点も有し、それらが市場における大規模な採用をこれまで妨げてきた。例えば、リモート地図データベースは、常にナビゲーション装置がアクセス可能である必要があり、ナビゲーション装置と地図データベースとの間の通信を保証するためには、高価な高信頼通信システムを要求する。そのような通信システムは、悪天候を含む状況において又は例えば電話アンテナの範囲外の隔離された領域等のリモート領域において正常に動作するのが困難である可能性がある。また、比較的大量なデータが送信され、それはユーザにとっては比較的にコストがかかる可能性がある。
【0012】
このアーキテクチャを有する市場におけるシステムの数はまだ少なく、一般に、本発明により対処される地図データベースの非常に発展した市場である車載又はパーソナルナビゲーション市場と関連付けられるのではなく、移動電話市場と関連付けられる。
【0013】
その結果、市場の地図データベースの全てではないが殆どが更新されないか又は非常に長い間隔で更新される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第7,158,880号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
特許文献1においては、ナビゲーションシステムに最初に格納されている基本的なナビゲーションデータベース及び遠隔地から受信される補足的なナビゲーションデータに基づいて出発地から目的地までの運転指示を計算するナビゲーションシステムが説明される。従って、特許文献1においては、ナビゲーションシステムに格納されるデジタル地図データベースの逐次更新を使用するナビゲーションシステムが説明される。
【0016】
古い地図に関連する欠点を少なくとも部分的に克服するシステム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
一実施形態によれば、クエリに基づいて第1のデジタル地図データベースにおいて場所を判定する方法が提供される。方法は、
第1のデジタル地図データベースに含まれない第1の場所に対するクエリを含む要求を受信するステップと、
第2のデジタル地図データベースにおいて第1の場所を探索するステップと、
第1の場所が第2のデジタル地図データベースにおいて発見される場合、第1の場所に近接し且つ第1のデジタル地図データベースに含まれる第2の場所を探索するステップとを含む。
【0018】
一実施形態によれば、クエリに基づいて第1のデジタル地図データベースにおいて場所を判定するサーバが提供される。サーバは、サーバと関連付けられるメモリに格納される第2のデジタル地図データベースを含み、リモート装置と通信する少なくとも1つの通信装置を更に含む。サーバは、
第1のデジタル地図データベースに含まれない第1の場所に対するクエリを含む要求を少なくとも1つの通信装置を介して受信し、
サーバと関連付けられるメモリに格納されている第2のデジタル地図データベースにおいて第1の場所を探索し、
第1の場所が第2のデジタル地図データベースにおいて発見される場合、第1の場所に近接し且つ第1のデジタル地図データベースに含まれる第2の場所を探索するように構成される。
【0019】
一実施形態によれば、クエリに基づいて第1のデジタル地図データベースにおいて場所を判定する方法が提供される。方法は、
第1の場所に対するクエリを受信するステップと、
クエリに基づいて第1のデジタル地図データベースにおいて第1の場所を探索するステップと、
第1の場所が第1のデジタル地図データベースにおいて発見されない場合、第2のデジタル地図データベースへのアクセス権を有するサーバにクエリを含む要求を送信するステップと、
第1の場所が第1のデジタル地図データベースにおいて発見されない場合、応答を受信するステップと、
応答が第2の場所を含む場合、クエリに対する結果として第2の場所を提供するステップとを含む。
【0020】
一実施形態によれば、第1のデジタル地図データベースを自身と関連付けるナビゲーション装置が提供される。ナビゲーション装置は、リモート装置と通信する少なくとも1つの通信装置を更に含む。ナビゲーション装置は、
少なくとも1つの入力装置を介して第1の場所に対するクエリを受信し、
クエリに基づいて第1のデジタル地図データベースにおいて第1の場所を探索し、
第1の場所が第1のデジタル地図データベースにおいて発見されない場合、少なくとも1つの通信装置を介して第2のデジタル地図データベースへのアクセス権を有するサーバにクエリを含む要求を送信し、
第1の場所が第1のデジタル地図データベースにおいて発見されない場合、少なくとも1つの通信装置を介して応答を受信し、
応答が第2の場所を含む場合、少なくとも1つの出力装置を介してクエリの結果として第2の場所を提供するように構成される。
【0021】
一実施形態によれば、上述のようなサーバ及び上述のような少なくとも1つのナビゲーション装置を含むシステムが提供される。サーバ及びナビゲーション装置は、ネットワークを介して互いに通信するように構成される。
【0022】
一実施形態によれば、コンピュータ装置にロードされた場合に上述の任意の1つの方法を実行するように構成されるコンピュータプログラムが提供される。
【0023】
一実施形態によれば、上述のようなコンピュータプログラムを含むデータ記憶媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】サーバと通信するように構成されるナビゲーション装置の一実施形態を概略的に示す図である。
【図2】一実施形態に係るナビゲーション装置を概略的に示す図である。
【図3】一実施形態に係るサーバを概略的に示す図である。
【図4a】、
【図4b】、
【図4c】それぞれデジタル地図データベースの3つの異なるバージョンを概略的に示す図である。
【図5】一実施形態を示すフローチャートである。
【図6】更なる実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、添付の請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定せず且つ本発明を例示することのみを意図する複数の好適な実施形態を使用し、図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。
【0026】
図1は、第1のデジタル地図データベースDMD1を含むか又は第1のデジタル地図データベースDMD1へのアクセス権を有するナビゲーション装置NDを概略的に示す。ナビゲーション装置NDは、ネットワークNEを介してサーバSEと通信するように構成される。ネットワークNEは、任意の種類の適切な有線又は無線ネットワークであり、インターネット、移動電話通信ネットワーク、RFネットワーク等である。サーバSEは、任意の種類のコンピュータシステムであり、少なくとも1つのデジタル地図データベースDMD2を含むか又はデジタル地図データベースDMD2へのアクセス権を有する。ナビゲーション装置ND及びサーバSEにより実行されてもよい動作については、以下に更に詳細に説明する。
【0027】
種々の実施形態を更に詳細に説明する前に、最初に、本明細書において使用されるいくつかの用語を更に詳細に説明する。
【0028】
・ナビゲーション装置
図2は、ナビゲーション装置NDを更に詳細に概略的に示す。ナビゲーション装置NDは、CD又はDVD又はハードディスク等の内部又は外部データ記憶媒体と通信するように構成される処理装置PU、並びに一般にヒューマンマシンインタフェース(HMI)と呼ばれるユーザとの通信を可能にする種々の装置を含んでもよい。HMIは、ディスプレイDI、タッチスクリーン、キーボードKE、スピーカSP、ボタン又は他のユニットを含んでもよい。外部装置と通信するために、PUは、アンテナANを介して移動電話ネットワーク、GSMネットワーク、UMTSネットワーク、RFネットワーク、(無線)インターネット等の通信ネットワークNEを経由して他のコンピュータシステムと通信してもよい。
【0029】
処理装置PUは、図2に概略的に示され、メモリMEを含むか又はメモリMEへのアクセス権を有してもよい。メモリMEは、処理装置により読み出し可能であり且つ実行可能であるコンピュータソースコードを含み、算術演算を実行可能にし、それにより説明する実施形態を実行する機能性を提供してもよい。
【0030】
メモリMEは、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の少なくともいずれかの任意の組合せであってもよい。このメモリMEは、第1のデジタル地図データベースDMD1(の一部)のコピーを更に含んでもよい。メモリは、記憶メモリ(ディスク)、処理メモリ(チップ)の少なくともいずれかとして使用されてもよい。
【0031】
処理装置PUは、
・キーボードKE、マウス、タッチスクリーン、スピーカSP等の入力装置と、
・ディスプレイDI、プリンタ、スピーカ等の出力装置とを更に含むか又はそれらと通信するように構成されてもよい。
【0032】
処理装置は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、CD ROM、DVD、フラッシュカード、USBスティック等のデータ記憶媒体を読み取る読取り装置、並びに移動電話ネットワーク、GSMネットワーク、UMTSネットワーク、RFネットワーク、(無線)インターネット等の(通信)ネットワークNE経由で他のコンピュータシステムと通信するように構成されるアンテナAN等の通信装置を更に含むか又はそれらと通信するように構成されてもよい。
【0033】
しかし、当業者に周知の更なる及び/又は他のメモリ、入力装置、出力装置及び読取り装置が提供されてもよいことが理解されるべきである。更に、それらのうち1つ以上の物理的な位置が必要に応じてプロセッサ装置PUから離れた場所で特定されてもよい。プロセッサ装置PUは、1つのボックスで示されるが、当業者には周知のように、1つの主プロセッサ装置PUにより制御されるか又は同時に機能し且つ互いに離れた場所で位置が特定されてもよいいくつかのプロセッサ装置を含んでもよい。
【0034】
種々のハードウェア要素間の接続は物理的な接続であってもよいが、それらの接続のうち1つ以上が無線であってもよいことが認識される。
【0035】
処理装置PUは、コンピュータシステムであってもよいが、本明細書で説明する機能を実行するように構成されるアナログ、デジタル、ソフトウェア技術の少なくともいずれかを含む任意の信号処理システムであってもよい。
【0036】
処理装置PUは、位置を算出する際に使用する現在の位置又は情報を、処理装置PUに供給する位置装置PD又はいくつかの位置決め装置に接続されてもよい。位置装置PDにより使用される位置決めシステムは、任意の種類であってもよい。位置決めシステムは、GPSシステム、欧州のGalileoシステム、ロシアのGLONASS、日本のQSSZ及び中国のBeidou等のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)又は衛星を使用する位置決めシステムであってもよい。更に位置決めシステムは、位置を判定するために受信機により使用されてもよい情報を含む信号を送信する地上又は海中に位置付けられるビーコンを使用する地上位置決めシステムであってもよい。そのような位置決めシステムは、絶対位置決めシステムと呼ばれてもよい。
【0037】
位置決めシステムは、距離メータ、走行距離計又は慣性系、上述の任意の組合せ等の相対運動を検出するように構成される相対位置決めシステムであってもよい。更に位置決めシステムは、絶対位置決めシステム及び相対位置決めシステムの組み合わせであってもよい。
【0038】
処理装置PUは、第1のデジタル地図データベースDMD1を更に含むか又は第1のデジタル地図データベースDMD1へのアクセス権を有する。第1のデジタル地図データベースDMD1は、上述のメモリに格納されてもよく又は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、CD ROM、DVD、フラッシュカード、USBスティック等の読取り装置により読み取り可能なデータ記憶媒体に格納されてもよい。
【0039】
処理装置PUは、判定された現在の位置に基づいて第1のデジタル地図データベースDMD1の一部をディスプレイDI上に表示するように構成されてもよく、これにより、表示される第1のデジタル地図データベースの一部は現在の位置を含む。また、第1のデジタル地図データベースDMD1は、ユーザが出発地又は現在地から目的地まで運転するためのルートや、対応するナビゲーション命令を計算するために使用されてもよい。これらの命令は、スピーカSPを使用した音声メッセージ(例えば、「200m先を右折して下さい」)を介してユーザに通信するか、ディスプレイDIを使用した視覚メッセージ(例えば、右折を示す矢印)を介してユーザに通信するか、の少なくともいずれかを用いて行なわれる。
【0040】
処理装置PUは、例えば、出発地の住所、目的地の住所の少なくともいずれかを示す入力をキーボードKEから受信するように更に構成されてもよい。あるいは、文字の入力は、タッチスクリーンの形態であるディスプレイDI又はメニューオプションを介して実現される。あるいは、入力が処理装置PUと通信するように構成されるマイクに対して音声語を介して行なわれ、その音声語は、当業者に周知の音声認識アルゴリズムを使用して(機械可読)テキストに変換される。
【0041】
ナビゲーション装置NDは、サーバSEとの通信リンクをセットアップするように更に構成される。ナビゲーション装置NDは、移動電話ネットワーク、GSMネットワーク、UMTSネットワーク、RFネットワーク、(無線)インターネット等の通信ネットワークNEを介して他のコンピュータシステムと通信するように構成されるアンテナAN等の少なくとも1つの通信装置を含んでもよい。任意の他の種類の通信装置、通信ネットワークNEの少なくともいずれかが使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0042】
・デジタル地図データベース
ナビゲーション装置NDは、第1のデジタル地図データベースDMD1を含むか又は第1のデジタル地図データベースDMD1へのアクセス権を有する。ナビゲーション装置NDは、ディスプレイDIを使用して現在の位置に基づいてデジタル地図の一部を示すように構成されてもよい。ナビゲーション装置NDは、出発地(例えば、現在の位置)から目的地までのナビゲーション命令を提供し、利用可能なデジタル地図データベースDMD1を使用して目的地の住所にユーザを案内するように更に構成されてもよい。
【0043】
本明細書で使用されるデジタル地図データベースという用語は、必ずしも従来のようなデータベース構造を示すとは限らない、すなわち、データベースエントリの間の関係構造又はデータベースを調整するデータベースマネージャを示さないことが理解される。本明細書で使用されるデジタル地図データベースは、情報が構造化される正確な方法に関わらず地理空間情報の任意の集合を示す。
【0044】
地理空間データベース、ナビゲーション地図又は電子地図としても周知のデジタル地図データベースDMDは、従来技術において周知である。今日一般的に使用されるデジタル地図データベースDMDは、地理空間点を接続し且つ道路(の一部)又は他の線形地理的物体又は領域物体の境界を表す地理空間点の集合とベクトルの集合とを含んでもよい。デジタル地図データベースは、道路等の物体及び地点情報(博物館、レストラン)、(地下)駐車場、トンネル及び橋等の地理的位置を含む他の物体の地理的場所に関連する情報、並びに道路名、アクセス制限、最大許容運転速度、橋の高さ、POI(POI:地点情報)の電話番号等の物体に関する追加の情報を含んでもよい。更にデジタル地図データベースは、管理区域、国、森及び牧草地の領域のような土地カバー部等の対応する情報を有する領域を含んでもよい。地域、建物又はランドマークの3次元表現が更に含まれてもよい。この応用例において、デジタル地図データベースDMDという用語は、全ての種類の電子地図及びデジタル地図を示すために使用される。デジタル地図データベースDMDは、環境の種類(都市、地方、森林、農業)に関する情報を更に含んでもよい。
【0045】
上述のように、デジタル地図データベースDMDは、ユーザを目的地に案内するためのナビゲーション命令を計算するために使用されてもよい。デジタル地図データベースMDの一部は、位置決め装置PDにより判定されるユーザの現在の位置に依存してディスプレイ上に表示されてもよい。
【0046】
また、3Dデジタル地図データベース3DMDは、例えば、建物、木、岩、山、トンネル、(地下)駐車場等の物体に関する3次元情報を含んで提供されてもよい。そのような3Dデジタル地図データベース3DMDは、そのような物体の水平方向及び垂直方向の寸法を含む物体の位置に関する情報を含んでいてもよい。3Dデジタル地図データベース3DMDは、建物の形状及びその屋根に関する情報を更に含んでもよい。
【0047】
・サーバ
図1に示すようなサーバSEは、当業者に周知のような任意の種類の適切なコンピュータ装置であってもよい。図3は、サーバSEを更に詳細に示す。
【0048】
サーバSEは、メモリMEに格納されるコンピュータソースコードを読み出し且つ実行するように構成されるプロセッサ装置PUSを含んでもよく、実施形態において説明するような機能性をサーバSEに提供する。
【0049】
メモリMEは、テープ装置、ハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の任意の種類の適切なメモリ又は種々のメモリの組合せであってもよい。メモリは、記憶メモリ(ディスク)、処理メモリ(チップ)の少なくともいずれかとして使用されてもよい。
【0050】
サーバSEは、第2のデジタル地図データベースDMD2及び可能性として第1のデジタル地図データベースDMD1を含んでもよく、あるいはそれらのデータベースへのアクセス権を有してもよい。第1のデジタル地図データベースDMD1及び第2のデジタル地図データベースDMD2は、上述のメモリMEに格納されてもよく、あるいは例えばフロッピー(登録商標)ディスク、CD ROM、DVD、フラッシュカード、USBスティック等の読取り装置により読み取り可能な他のデータ記憶媒体に格納されてもよい。第1のデジタル地図データベースDMD1及び第2のデジタル地図データベースDMD2は、図3では別個のユニットとして示されるが、第1のデジタル地図データベースDMD1及び第2のデジタル地図データベースDMD2がメモリMEに含まれてもよいことが理解されるであろう。
【0051】
サーバSEは、少なくとも1つのナビゲーション装置NDとの通信リンクをセットアップするように更に構成されてもよい。サーバSEは、移動電話ネットワーク、GSMネットワーク、UMTSネットワーク、RFネットワーク、(無線)インターネット等の通信ネットワークNEを介して他のコンピュータシステムと通信するように構成されるアンテナAN等の少なくとも1つの通信装置を含んでもよい。
【0052】
正常な状況において、本明細書で説明するような実施形態は、第1のデジタル地図データベースDMD1を含む移動ナビゲーション装置NDを使用して実行され、それにより、サーバSEに対する無線通信リンクを開く。しかし、本明細書で説明するような実施形態は、サーバSEに対する有線又は無線通信リンクを有し且つ特定の目的地までのナビゲーション命令の集合を計算及び場合によっては印刷するために使用されるホーム又はオフィスにおける第1のデジタル地図データベースDMD1を含むナビゲーション装置NDを使用して実行されてもよい。そのような場合、ナビゲーション装置は、サーバSEに対する有線通信リンクを開くように構成されてもよい。この最後の例によると、ユーザが自身の現在の位置を単純に入力してもよいため、ナビゲーション装置は、必ずしも絶対位置決めシステム又は相対位置決めシステムを含むとは限らない。
【0053】
任意の他の種類の通信装置、通信ネットワークNEの少なくともいずれかが使用されてもよいことが理解されるであろう。サーバSEは、有線インターネットのローカルエリアネットワークのような有線ネットワークの一部であってもよい。
【0054】
・ネットワーク/通信リンク
図1に示すようなナビゲーション装置ND及びサーバSEは、ネットワークNEを介して互いに通信するように構成される。上述したように、ネットワークNEは、(無線)インターネット、移動電話通信ネットワーク、RFネットワーク等の任意の種類のネットワークNEであってもよい。
【0055】
ナビゲーション装置NDとサーバSEとの間の通信リンクは、GPRS又は任意の他の通信リンクを介してIPプロトコル又は任意の他のプロトコルを使用してもよい。
【0056】
通信リンクは、無線インターネットを介して確立されてもよく、ナビゲーション装置NDは、ウェブアドレスを使用してサーバSEとの通信リンクをセットアップするように構成される。このウェブアドレスは、サーバSEのアドレスである。
【0057】
(実施形態)
一実施形態によれば、第1のデジタル地図データベースDMD1を含むか又は第1のデジタル地図データベースDMD1へのアクセス権を有するナビゲーション装置NDが提供される。ナビゲーション装置NDは、第1のデジタル地図データベースDMD1の同一のバージョンか又はより新しいバージョンである第2のデジタル地図データベースDMD2を含むサーバSEに対するネットワークNEを介する通信リンクをセットアップするように構成される。第1のデジタル地図データベースDMD1は、第2のデジタル地図データベースDMD2(図1のバージョン指標2.3)と比較して同一のバージョン又は旧バージョン(図1のバージョン指標2.1)である。
【0058】
ユーザが第1の場所に対する第1のクエリを入力し、それに基づいて第1のデジタル地図データベースDMD1において何も見つけられない場合、ナビゲーション装置NDは、サーバSEに対する接続を確立し、第1のデジタル地図データベースDMD1のバーション指標(2.1)と共に第1の場所に対して入力されたクエリをサーバSEに転送する。サーバはその要求を受信し、第1の場所が第2のデジタル地図データベースDMD2において探索される。クエリを転送した後、ナビゲーション装置ND又はサーバSEは、接続を閉じてもよく又は開いたまま保持してもよい。第1の場所が第2のデジタル地図データベースDMD2で見つけられた場合(発見された場合)、第1の場所に最近接する第2の場所が、第2のデジタル地図データベースDMD2において探索され、当該場所が第2のデジタル地図データベースDMD2同様に第1のデジタル地図データベースDMD1に含まれる。サーバSEは、ナビゲーション装置NDに対する接続が先に閉じられている場合にその接続を開き、ユーザに対する可能な説明のためのメッセージと共にその第2の場所をナビゲーション装置NDに転送し、その第2の場所が第1の場所の代わりの場所として使用される。
【0059】
本明細書で説明する実施形態が重要な利点を提供することは理解されるであろう。従来の車載ナビゲーションは、デジタル地図データベースを格納したナビゲーション装置を使用する。従って、ナビゲーション装置は、自律的に、すなわち、リモートサーバ等に接続せずに機能するように構成されるが、上述のように、デジタル地図データベースは古くなる可能性がある。
【0060】
本明細書で説明する実施形態は、車載ナビゲーション技術を使用するナビゲーション解決策を提供する。すなわち、ナビゲーション装置は、ナビゲーションに使用されるデジタル地図データベースをローカルに格納している。しかし、ローカルで利用可能なデジタル地図データベースが最新でないと考えられる場合、リモートデジタル地図データベースにアクセスし、別の目的地を見つける。ナビゲーション装置NDは、別の目的地に基づいてナビゲーション命令等を計算する。
【0061】
本実施形態において、車外ナビゲーションシステムに関連する問題が解決され、その一方で逐次更新の複雑さの問題を回避する。車外ナビゲーションにおいて、ナビゲーション装置は、デジタル地図データベースを含まず、サーバに格納されたリモートデジタル地図データベースを使用する。従って、車外ナビゲーションは、サーバとナビゲーション装置との間でより多くのデータ送信を必要とする。そのようなシステムは、使用するのに比較的コストがかかる可能性がある。また、車外ナビゲーションシステムが使用される度に通信リンクを必要とするため、比較的信頼性がない。ここで、本明細書で提示される実施形態に係るナビゲーションシステムは、未知の目的地が要求された場合にのみ通信リンクを必要とする。
【0062】
従来技術によると、例えば、特許文献1において説明されるように、ハイブリッドナビゲーションシステムが周知である(車載ナビゲーションシステムと車外ナビゲーションシステムとの混合である)。しかし、それらのハイブリッドナビゲーションシステムは、デジタル地図データベースの一部の送信に基づき、ナビゲーションシステムに格納されるデジタル地図データベースの逐次更新を提供する。上述のように、デジタル地図データベースの逐次更新はある特定の欠点も有する。
【0063】
本明細書で説明する実施形態は、一方では逐次更新と関連する問題を有さず且つ他方では古いデジタル地図データベースに対して解決策を提供するシステムを提供する。
【0064】
尚、説明する実施形態によれば、ナビゲーション指示の計算は、リモートサーバではなくナビゲーション装置ND自体により少なくとも部分的に実行される。
【0065】
従って、本明細書で説明する実施形態によれば、ナビゲーション装置NDと関連する第1のデジタル地図データベースDMD1は、より新しいデジタル地図データベースDMD2により更新又は置換されない。その代わり、入力され且つ見つけられない目的地は、より最新の第2のデジタル地図データベースDMD2を含むサーバSEに転送され、そこで見つけられる。その後、第1のデジタル地図データベースDMD1に存在する最近接の場所が第2のデジタル地図データベースDMD2において見つけられ、ナビゲーション装置NDに送信される。ナビゲーション装置NDにおいて、その場所は要求された場所の代わりとして使用される。従って、ナビゲーション装置NDは、要求された目的地の正確な位置をユーザに示すことができないが、十分に近い近似値をユーザに与えられる。これは、実際には所望の目的地が地図から欠落していることを報告するよりはるかに望ましい。尚、所望の目的地は、地図から欠落している。
【0066】
本明細書で説明する実施形態は、更新データの取り込みを必要とせず、複雑なタスクである2つ以上のデータベースを使用する経路計算も必要としない。
【0067】
サーバSEは、要求される目的地に近接する第2の場所指標を送信してもよい。これに加えて、サーバSEは、第2の場所指標から要求される目的地までの距離、方向又は第2の場所指標から要求される目的地までユーザを案内するナビゲーション命令等の追加の情報を送信してもよい。
【0068】
従って、古いデジタル地図データベースの問題は、古い第1のデジタル地図データベースDMD1を更新することにより解決されず、地図データベースの製造業者により所有されてもよいサーバSE等の常に最新に維持される場所に配置される。更に新しい第2のデジタル地図データベースDMD2と古い第1のデジタル地図データベースDMD1とを比較して、欠落している情報の近似値をナビゲーション装置NDに供給することにより解決される。この方法は、特に車外ナビゲーションシステムと比較した時に相対的に少量のデータが送信されるため、相対的に狭い帯域幅の使用を可能にする。これは、車外ナビゲーションシステムと比較して利点を提供することが理解されるであろう。
【0069】
図4aは、道路A、道路B、道路C、道路Dを含む第1のデジタル地図データベースDMD1(の一部)を概略的に示す。第1のデジタル地図データベースDMD1は、ナビゲーション装置NDに含まれてもよく又はナビゲーション装置NDによりアクセス可能であってもよい。第1のデジタル地図データベースDMD1は、バージョン指標2.1を有し、ナビゲーション装置NDのユーザによりかなり前に取得され且つ最近は更新されていない。
【0070】
ユーザは、道路Eに移動したい。従って、ユーザは、第1の場所又は目的地の住所として道路Eをナビゲーション装置NDに入力する。ナビゲーション装置NDは、例えば、キーボードKE、タッチスクリーン又は音声コマンドを介してその入力を受信する。
【0071】
ナビゲーション装置NDは、これまでに入力された情報に準拠する道路名又は他の可能な目的地名のリストを供給する(ディスプレイDIを使用して表示する)ことにより入力に応答するように構成されてもよい。ユーザは、そのリストから所望の第1の場所を選択してもよい。
【0072】
しかし、図4aから分かるように、道路Eは、第1のデジタル地図データベースDMD1に存在しない。従って、ナビゲーション装置NDは、目的地として所望の道路を提示せず、ユーザは提示されたリストに基づいて選択を行なえない。
【0073】
一実施形態によれば、ナビゲーション装置NDは、更なるオプションをユーザに提供するように、すなわち、所望の第1の場所が存在しないことを示すように構成される。これは、例えば、ディスプレイDI上に仮想ボタンを提供し、「所望の目的地が存在しません」を表示することにより行なわれてもよい。これはユーザにより選択されてもよい。
【0074】
ナビゲーション装置NDは、そのオプションが選択されたことを検出すると、これまでに選択された情報(例えば、国、市、既に入力された道路名の最初の文字)を表示するウィンドウを開く。ユーザは、その情報により要求を満たされる可能性がある。この情報が確定された後、ナビゲーション装置NDは、ネットワークNEを介するサーバSEに対する通信リンクを開き、入力された情報の少なくとも一部を含む要求を通信リンクを介してサーバSEに送信する。その後、通信リンクは、コストを節約するために再度閉じられてもよい。要求される目的地を入力する処理は、ナビゲーション装置NDとサーバSEとの間の対話処理であってもよいことが理解されるであろう。これについては、図6を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0075】
サーバSEは、第1のデジタル地図データベースDMD1の更に最新のバージョンである第2のデジタル地図データベースDMD2を含んでもよい。
【0076】
ナビゲーション装置NDにより送出される要求は、ナビゲーション装置NDと関連付けられる第1のデジタル地図データベースDMD1のバージョン指標と、ユーザが自身の元の要求において入力した情報とを含んでもよい。
【0077】
本明細書で説明する実施形態は単なる一例である。本発明は、ナビゲーション装置の場所索引に関連し且つナビゲーション装置のデジタル地図データベースDMD1において欠落している任意の情報に関し、サーバSEのより最新の地図データベースに存在してもよい。他の実施形態の例は、欠落している番地の範囲、欠落している道路名、欠落している地点情報、欠落している住所索引領域等を含む。
【0078】
欠落している住所索引領域の場合、更に注意が必要である。本明細書において2つの状況が識別される。第1に、全ての内容を含む住所索引領域(例えば、州又は郡)が欠落している。第2の例において、住所索引領域のみが欠落しており、内容は存在する。双方の場合において、住所索引領域が第2のデジタル地図データベースDMD2に存在する場合、サーバSEは欠落している領域(すなわち、可能なサブ領域及び含まれる全ての道路名)と関連付けられる完全な索引を提供する。第1の例においては、DMD1に存在する最近接の道路を返し、第2の例においては、要求された道路(これは、別の更新の問題のために欠落していなかったと仮定する)を返す。
【0079】
サーバSEは、要求を受信した場合、第2のデジタル地図データベースDMD2に渡りクエリを実行してもよい。サーバSEの第2のデジタル地図データベースDMD2がナビゲーション装置NDの第1のデジタル地図データベースDMD1と同一バージョンである場合、サーバSEは、通信リンクを介してナビゲーション装置NDに戻り、メッセージを単に送信してもよく、それにより、サーバSEが利用可能なデジタル地図データベースDMD1のより新しいバージョンを有さないことをナビゲーション装置NDに通知する。
【0080】
サーバSEが第1のデジタル地図データベースDMD1のより新しいバージョンを有する場合、サーバSEは、第2のデジタル地図データベースDMD2に渡りクエリを実行する。
【0081】
サーバSEにより要求された場所の探索が成功しない場合、第2のデジタル地図データベースDMD2は、ユーザにより要求された情報に対応していない(ユーザが目的地を入力した時に間違わなかったと仮定する)。サーバSEは、通信リンクを介してナビゲーション装置NDに戻りメッセージを送信してもよく、それにより、要求された第1の場所が入手可能でないことをナビゲーション装置NDに通知する。サーバSEは、ユーザ入力に最も類似するサーバSEの索引からの目的地のリスト(アルファベット順)を送信してもよい。この最後の情報は、ユーザが入力ミスをしたことを発見することを可能にするために供給される。ユーザは、リストをスクロールしてもよく、目的地を発見した時にそれを選択するか又は場所が入手可能でないというサーバSEからの暗示を確認できる。
【0082】
ユーザが、サーバSEにより供給されたリストから目的地を発見した場合、ユーザは、それを選択し、ユーザインタフェースを介して確定する。その情報は、ユーザに送出し返される。
【0083】
図4bは、第1のデジタル地図データベースDMD1と同一の道路に加えて道路Aと道路Bとの間の道路である道路Eを含むサーバSEに関連付けられる第2のデジタル地図データベースDMD2を概略的に示す。ユーザが、E道路を探しているこの状況において、サーバSEのクエリは成功する。
【0084】
第1のデジタル地図データベースDMD1と第2のデジタル地図データベースDMD2との間の2つの相違点が観察される。
【0085】
(1)現時点で、第2のデジタル地図データベースDMD2に含まれる物体は、それらの物体がデジタル地図データベースに初めて現れるデジタル地図データベースのバージョンを保持する(例えば、バージョン1.1又は2.1)。
(2)道路E及び地点情報POI(例えば、レストラン)は、バージョン2.1に追加されている。
【0086】
図4bにおいて、道路A及び道路Dがバージョン指標1.1により示されるバージョン1.1のデジタル地図データベースDMDにおいて初めて現れたことが分かる。道路B及び道路Cは、バージョン指標2.1により示されるバージョン2.1のデジタル地図データベースにおいて初めて現れ、POIは、バージョン指標2.2により示されるバージョン2.2のデジタル地図データベースにおいて初めて現れている。最後に、道路Eは、バージョン指標2.3を有するデジタル地図データベースDMD2においてつい最近現れたものである。
【0087】
ユーザが、所望の場所として道路Eを選択する場合、その後、サーバSEはナビゲーション装置NDと関連付けられる第1のデジタル地図データベースDMD1のバージョン指標に基づいて探索(以下に説明するように、空間探索、トポロジー探索又はその双方)を行ない、ナビゲーション装置NDと関連付けられる第1のデジタル地図データベースDMD1のバージョン指標以下のバージョン指標を保持し且つ第1の場所に隣接する第2の場所を探す。その後、第2の場所は、ナビゲーション装置NDに送信される。
【0088】
ナビゲーション装置NDは、第2の場所が欠落している第1の場所の代わりとして見つけられたことをユーザに示すように構成されてもよい。第2の場所は、ユーザを所望の目的地(第1の場所)の近傍に連れて行く近似値を表す。
【0089】
ナビゲーション装置NDは、第1のデジタル地図データベースDMD1において第2の場所を単に探索できる。これは、第2の場所が、そのバージョンに含まれることが確実であるためである。
【0090】
上述のように、サーバSEは、最近接の第2の場所に対する空間探索を実行してもよい。そのような一実施形態によれば、サーバSE、は第1の場所に「直線距離で」最近接する第2の場所を探索するように構成されてもよい。
【0091】
一実施形態によれば、サーバSEは、例えば、道路の接続性、一方通行道路、制限速度等のトポロジー情報を考慮して、最近接の第2の場所に対するトポロジー探索、すなわち、第1の場所まで最短の移動距離又は最短の移動時間を有する第2の場所の探索を実行してもよい。
【0092】
一実施形態によれば、更にサーバSEは、空間探索及びトポロジー探索を組み合わせて実行してもよい。例えば、サーバSEは、最初に空間探索に基づいて候補目的地を選択してもよく、その後トポロジー探索を使用して最適な目的地を選択する。
【0093】
例えば、矢印で示すように道路Eが一方通行道路であること以外は、図4bと同一である図4cを参照する。本実施形態によれば、道路A及び道路Bが実質的に道路Eから同一距離にあり且つ双方がナビゲーション装置NDと関連付けられる第1のデジタル地図データベースDMD1に含まれるため、サーバSEは、可能な第2の場所として道路A又は道路Bを選択してもよい。しかし、道路Eが一方通行道路であるため、道路Aから道路Eに入ることが許可されないために、道路Bが第2の場所として選択される。従って、道路Eまでの最短移動距離、最短移動時間の少なくともいずれかは、ユーザを道路Aに案内する代わりに、まず、ユーザを道路Bに案内することにより得られる。
【0094】
第1の場所及び第2の場所は、地点情報、住所(すなわち、道路及び番地)等であってもよいことが理解されるであろう。例えば、ユーザは、ナビゲーション装置NDに要求を入力し、距離が5km以内のPOIの種類(例えば、レストラン)を要求してもよい。そのようなPOIがナビゲーション装置NDと関連付けられる第1のデジタル地図データベースDMD1において見つけられない場合、あるいは満足する結果が見つけられない場合、ナビゲーション装置NDは、要求をサーバSEに送信し、そのようなPOIがより新しい第2のデジタル地図データベースDMD2において入手可能であるかを確認するように構成されてもよい。
【0095】
別の例によると、第2のデジタル地図データベースDMD2に含まれる項目は、それらの項目が初めて現れたデジタル地図データベースのバージョンを含まないが、サーバSEは、デジタル地図データベースDMD1の複数の旧バージョンを含んでもよく又はそれらの旧バージョンに対するアクセス権を有する。
【0096】
この最後の例において、サーバSEは、まず、第2のデジタル地図データベースDMD2において第1の場所を探索し、その第1の場所と関連する経度/緯度情報を判定し、その経度/緯度情報を使用してサーバSEに格納される適切なより古い第1のデジタル地図データベースDMD1において第2の場所を探す。あるいは、別の例によると、サーバSEは、第2のデジタル地図データベースDMD2において第1の場所及び第2の場所を探索し、その後、第2の場所がサーバSEに格納される適切な第1のデジタル地図データベースDMD1に存在するかをチェックしてもよい。存在する場合、第2の場所がナビゲーション装置NDに送信される。存在しない場合、サーバSEは、第2のデジタル地図データベースDMD2に戻り、別の第2の場所を探し、その場所が第1のデジタル地図DMD1に存在するかをチェックする。この処理は、第1のデジタル地図データベースDMD1にも存在する第2の場所が識別されるまで繰り返される。
【0097】
・フローチャート
図5は、一実施形態に従ってナビゲーション装置ND及びサーバSEにより実行されてもよい動作を概略的に示すフローチャートである。図5は、ナビゲーション装置NDにより実行されてもよい動作を含む左側部分と、サーバSEにより実行されてもよい動作を含む右側部分とに分割される。第1の部分及び第2の部分は、破線により分離される。
【0098】
ナビゲーション装置NDは、動作100から開始してもよく、動作100は、目的地を入力したいユーザからの入力により、例えば、対応するボタンをクリックすることによりトリガされてもよい。次の動作101において、ナビゲーション装置NDは、入力を受信するように構成される。
【0099】
入力は、キーボードKE、タッチスクリーン又はマイク等の種々の方法でナビゲーション装置NDにより受信されてもよい。ナビゲーション装置NDは、受信した入力に基づいて第1のデジタル地図データベースDMD1における探索を開始する。
【0100】
動作101及び102を実行する多くの変形例が考えられることが理解されるであろう。その一部について以下に更に詳細に説明する。
【0101】
動作103において、可能性が最も高い例としてユーザが目的地(例えば、道路名、住所範囲、索引領域と道路名と番地との組合せ、POI等)等の場所に関連する索引エントリを選択することにより、探索が成功したこと、すなわち、第1の場所が識別されたかが判定される。探索が成功した場合、ナビゲーション装置NDは、動作109に進み、ルートが計算され且つガイダンスが開始される。
【0102】
動作103において、動作102の探索が成功しなかったと判定される場合、ナビゲーション装置NDは、要求REQをサーバSEに送信するように構成されてもよい。動作103は、自動的に実行されてもよいが、その動作104を実行するためのユーザの同意を要求し且つ受信した後に実行されてもよい。
【0103】
ナビゲーション装置NDは、動作101で受信した入力及びナビゲーション装置NDと関連付けられる第1のデジタル地図データベースDMD1のバージョン指標を含む要求REQを構成してもよく、上述のように、適切な通信装置を使用してネットワークNEを介してサーバSEにその要求REQを送信してもよい。
【0104】
上述のように、サーバSEは、動作200で開始した後、適切な通信装置を使用してナビゲーション装置NDから要求REQを受信するように構成される。
【0105】
次の動作202において、サーバSEは、ナビゲーション装置NDから受信したバージョン指標を読み出し、利用可能なより新しい第2のデジタル地図データベースDMD2を有するかをチェックする。有さない場合、サーバSEは、例えば、要求REQと同一の通信装置を使用して同一の通信リンクを介してナビゲーション装置NDに第1の失敗応答を送信することにより、動作203.1の実行に進む。
【0106】
そのような第1の失敗応答は、ナビゲーション装置NDにより表示される失敗メッセージを含んでもよく、「オンラインで使用可能な更に新しいデジタル地図データベースはありません」と報告する。
【0107】
動作202において、更に新しい第2のデジタル地図データベースDMD2が見つけられる場合、サーバSEは動作204に進み、第2のデジタル地図データベースDMD2において第1の場所の探索を開始する。第1の場所が見つけられる場合、ナビゲーション装置NDと関連付けられる第1のデジタル地図データベースDMD1にも含まれ且つ第1の場所に最近接する任意の引数に従う第2の場所が探索される。
【0108】
動作205において、第1の場所及び第2の場所の探索が成功したことが判断される。成功していない場合、例えば、第1の場所が第2のデジタル地図データベースDMD2において見つけられなかった場合、サーバSEは動作203.2に進み、第2の失敗応答がナビゲーション装置NDに送信される。そのような第2の失敗応答は、ナビゲーション装置NDにより表示される失敗メッセージを含んでもよく、「合致する場所はオンラインで見つけられませんでした」と報告する。
【0109】
探索が成功した場合、すなわち、第1の場所が第2のデジタル地図データベースDMD2において見つけられ且つ第2の場所が第1のデジタル地図データベースDMD1に含まれると判定される場合、サーバSEは動作206に進み、応答REPがナビゲーション装置NDに送信される。そのような応答REPは、ナビゲーション装置NDにより表示されるメッセージを含んでもよく、「要求された目的地に近接し且つ要求された場所を置換する別の場所が見つかりました」と報告する。
【0110】
動作203.1、203.2又は206の後、サーバSEは動作201に戻り(不図示)、ナビゲーション装置NDからの新しい要求を待ってもよい。
【0111】
サーバSEにより実行されてもよい動作の結果、サーバSEによりナビゲーション装置NDに送信される応答REPが得られることは、上述に基づいて理解されるであろう。動作105において、この応答REPは、ナビゲーション装置NDにより受信される。次の動作106において、ナビゲーション装置NDは、応答REPが失敗応答(動作202又は205においてNOである場合に結果として得られる)であるかをチェックする。失敗応答である場合、ナビゲーション装置NDは、応答REPに含まれる失敗メッセージを例えばディスプレイDIを使用して表示するように構成される。
【0112】
失敗メッセージは、応答REPに含まれる失敗メッセージであってもよく、例えば、「オンラインで使用可能な更に新しいデジタル地図データベースはありません」又は「合致する場所はオンラインで見つけられませんでした」である。
【0113】
当然、失敗メッセージは、マイクMIを介して再生される音声サンプルであってもよい。動作107の後、ナビゲーション装置NDは動作101に戻り(不図示)、ユーザからの新しい入力を要求してもよい。
【0114】
応答REPが失敗応答でない場合、ナビゲーション装置NDは動作108に進み、第1の場所(第1のデジタル地図データベースDMD1に存在しなかった)を応答REPに含まれる第2の場所で置換する。同時に、応答に含まれるメッセージ「要求された目的地に近接し且つ要求された場所を置換する地図上の別の近傍の場所が見つかりました」が表示される。
【0115】
動作108の後、ナビゲーション装置NDは動作109に進んでもよく、実際のナビゲーションが開始される。
【0116】
一実施形態によれば、サーバSEは、受け入れ可能な第2の場所指標を見つけた後、第2のデジタル地図データベースDMD2に基づいてナビゲーション命令を計算し、第2の場所から最初に所望した第1の場所までユーザを案内してもよい。そのような一実施形態において、応答REPは第2の場所指標だけでなくいくつかの追加のナビゲーション命令も含む。第2の場所指標に到達すると、ナビゲーション命令は、例えば、再生される1つのテキストメッセージ「150m進み、E道路を右折し、E道路を150m進むと、目的地が右手にあります」であってもよい。ナビゲーション命令は、追加されたベクトルをディスプレイに更に提供してもよい。そのような追加のナビゲーション命令について、以下に更に説明する。
【0117】
・備考
上述の実施形態に対する多くの変形例が可能であることは理解されるであろう。
【0118】
一実施形態によれば、サーバSEにより実行されるような第1の場所指標の探索は、ユーザと対話して行なわれる。図6は、そのような一実施形態を概略的に示すフローチャートである。図5と同一の要素に対して同一の図中符号が使用される。図6は、第1の場所指標の探索がナビゲーション装置NDと対話して行なわれることを示す。これは、動作204と動作110との間の双方向の矢印により示される。ここで、ナビゲーション装置NDは、例えば、キーボードKEを介してユーザから入力を受信するように構成される。
【0119】
一般に、ナビゲーション装置NDは、第1の場所指標が第1のデジタル地図データベースに存在しないことが明らかになる前に、ユーザから完全な第1の場所指標を受信する必要はない。この時、要求がサーバSEに送出されてもよい。要求は、部分的に入力された第1の場所指標を含んでもよい。動作205において、サーバSEは、ナビゲーション装置NDに可能なオプションのリストを送出してもよく、それらはユーザに提示される。ユーザにより入力された文字はサーバSEに送出され、それに応答して、サーバは更新されたリストをナビゲーション装置NDに提供する。これにより、ユーザは、第2のデジタル地図データベースにおいて第1の場所指標を効果的に探索できる。
【0120】
対話が異なる方法で行なわれてもよいことは理解されるであろう。一実施形態によれば、ユーザは知っている全ての情報を入力し、サーバSEは、可能な合致するもののリスト(可能な1つのエントリのみを含むことが可能である)を返し、ユーザはそのリストから1つを選択してもよい。別の例によると、サーバSEは、可能な適合するもののリストをナビゲーション装置NDに送出し、そのリストは、ユーザが新しい文字を入力すると常に更新される。ユーザは、リストをスクロール(上下)して場所指標を選択する。リストの最上部又は最低部に到達した場合、ナビゲーション装置は、リストを補充するようにサーバSEに要求を送信する。
【0121】
ナビゲーション装置NDは、ユーザが目的地の名前を発音したマイクから入力を受信する等の多くの種々の方法でユーザから入力を受信するように又はタッチスクリーンから入力を受信するように構成されてもよいことが理解されるであろう。タッチスクリーンは、例えば、第1のデジタル地図データベースDMD1(の一部)を表示してもよく、ユーザが触れる場所は、所望の第1の場所指標の指示である。サーバSEに送信される要求は、ユーザが触れる第1のデジタル地図データベース中の場所に対応する経度情報、緯度情報の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0122】
本明細書で説明されるような対話型探索は、多くの種々の方法で実行されてもよいことが上述から理解されるであろう。
【0123】
実施形態は、道路が第1のデジタル地図データベースDMD1から欠落している状況に焦点を当てるが、実施形態は、住所の範囲、POI等の他の情報が欠落している状況に対しても採用されてもよいことが更に理解されるであろう。ユーザがPOIを探索する場合、「所定のカテゴリ(例えば、レストラン)の最近接のPOIを見つけて下さい」のようなクエリが使用されてもよい。本明細書で説明する実施形態は、そのような探索が満足する結果を提供しない場合に使用されてもよい。従って、ユーザは、最近接するレストランが十分に近くないと考えるか又は見つけられていない別のレストランの知識を有する場合、ナビゲーション装置NDを起動してサーバに要求を送出してもよい。レストランが所定の範囲内で見つけられない場合、ナビゲーション装置NDは、そのような要求を送出してもよい。別の例によると、ナビゲーション装置NDは、必ず最新の結果が提供されるようにそのような要求を常に送出してもよい。
【0124】
更なる実施形態によれば、サーバSEは、2つ以上の可能な第2の場所指標を選択してもよい。例えば、図4a、図4b、図4cを参照して説明される状況において、サーバSEは、道路A及び道路Bを第2の場所として返すことを判断し、それらの2つのうち使用するのに最も便利な道路を判断するオプションをナビゲーション装置に与えてもよい。これは、例えば、ユーザの現在の位置に依存してもよい。ナビゲーション装置NDは、2つの第2の場所へのルートを計算し、推定移動時間に基づいて使用する第2の場所を判断する。別の例によると、ナビゲーション装置NDからサーバSEへの要求は、ナビゲーション装置NDの現在の位置を含み、それにより、サーバSEが道路A及び道路Bから選択することを可能にする。
【0125】
・追加のナビゲーション情報
サーバSEからナビゲーション装置NDへの第2の場所を含む応答は、ユーザが第2の場所から第1の場所に移動することを助長するためにユーザに提示されてもよい追加のナビゲーション情報を更に含んでもよい。その追加のナビゲーション情報は、ナビゲーション装置に格納される第1のデジタル地図データベースDMD1に格納されていない。
【0126】
一実施形態によれば、追加のナビゲーション情報は、いわゆる推測航法ナビゲーション情報であってもよい。推測航法ナビゲーション情報は、例えば、第1の場所が第2の場所から北方向に200mのところにあることをユーザに対して説明してもよい。この推測航法ナビゲーション情報は、音声メッセージや、ナビゲーション装置NDのディスプレイDI上に表示されるメッセージの少なくともいずれかとしてユーザに提示されてもよい。
【0127】
更なる実施形態によれば、追加のナビゲーション情報は、第1の場所から第2の場所までの直線距離、移動距離、移動時間のうち少なくとも1つに関する情報を含んでもよい。
【0128】
更なる実施形態によれば、追加のナビゲーション情報は、第2の場所から第1の場所までの移動方法に関するナビゲーション命令を含んでもよい。ナビゲーション命令は、第2の場所に到達すると、ユーザに対して音声指示されるか又は表示される1つの単純なメッセージであってもよい。このナビゲーション命令は、例えば、「目的地に到達するために、100m先を右折し、その後50m先を左折して下さい」であってもよい。
【0129】
更なる実施形態によれば、追加のナビゲーション情報は、第2の場所から第1の場所までの移動方法に関する1つ以上のナビゲーション命令を含んでもよい。1つ以上のナビゲーション命令は、関連する位置情報(経度/緯度情報)を有してもよく、それにより、第1のデジタル地図データベースDMD1が第1の場所と第2の場所との間の領域に関する最新情報を含まないにも関わらず、ナビゲーション装置は、正確な位置で正確なナビゲーション命令を再生、表示の少なくともいずれかを行なえる。
【0130】
更なる実施形態によれば、追加のナビゲーション情報は、ナビゲーション装置NDのディスプレイDI上に表示されてもよい画素画像又は地図データを含んでもよく、ユーザが第1の場所まで運転することを補助する。この画素画像又は地図データは、位置情報(例えば、経度/緯度情報)を更に含んでもよく、それにより、ナビゲーション装置NDは、ナビゲーション装置の現在の位置に基づいて画素画像又は地図データの特定の部分を示すことができる。本実施形態は、追加のナビゲーション情報が可能性として位置情報を含む1つ以上のナビゲーション命令を含む実施形態と最適に組み合わされてもよい。
【0131】
尚、追加のナビゲーション情報としてナビゲーション装置に送出される画素画像及び地図データは、第1のデジタル地図データベースDMD1の逐次更新データではない。追加のナビゲーション情報としてナビゲーション装置に送出される画素画像及び地図データは、第1の場所まで運転するために使用された後、第1のデジタル地図データベースDMD1に結び付けられて取り込まれず、また、第1のデジタル地図データベースDMD1に必ずしも格納される必要もない。
【0132】
更なる実施形態によれば、ナビゲーション装置NDは、更に最新の第2のデジタル地図データベースがサーバSEに存在するかを事前に認識している。例えば、これは、ナビゲーション装置NDにメッセージを送出し、より最新の第2のデジタル地図データベースDMD2がサーバSEにおいて入手可能であることをナビゲーション装置NDに通知することにより達成されてもよい。ナビゲーション装置NDは、そのようなメッセージを受信しない限り、サーバSEに要求を送出しなくてもよい。これにより、動作202及び203.1は不必要になり、ユーザが追加の保証及び対応する失敗に直面することが防止される。
【0133】
上記実施形態は、道路又はPOI等が新しい名前を与えられたという点で第1のデジタル地図データベースDMD1が最新ではないという状況において重要であることが理解されるであろう。ナビゲーション装置NDに格納された第1のデジタル地図データベースDMD1を新しい名前を使用して探索するユーザは、満足する結果を受信しないであろう。従って、上述のように、ナビゲーション装置NDは、新しい名前を含む要求をサーバSEに送出してもよい。
【0134】
サーバSEは、第2のデジタル地図データベースDMD2において新しい名前を見つけ、それに応じて代わりの目的地としてナビゲーション装置NDに返される第1のデジタル地図データベースDMD1に含まれる近傍の第2の場所を探索する。この状況において、第1の場所が実際に第1のデジタル地図データベースDMD1に含まれ且つ異なる名前を有するが、ユーザは第2の場所まで案内される。しかし、これは、ユーザにとって場所を全く見つけないより満足のいくものであろう。
【0135】
サーバSEは、利用可能な第1のデジタル地図データベースDMD1のコピーを有する場合、古い名前を見つけるためにそのコピーを探索してもよい。サーバSEは、その古い名前をナビゲーション装置NDに返してもよい。この場合、第2の場所(古い名前)は、偶然第1の場所(新しい名前)と同一の場所にある。このため、サーバSEは、変更の履歴を含む第2のデジタル地図データベースDMD2を更に含んでもよい。
【0136】
古いデジタル地図データベースの問題は、デジタル地図データベースを更新することによってではなく、より新しいデジタル地図データベース上で欠落する場所を探索することにより解決され、古い地図に存在する近傍の場所が代わりに使用されることが上述に基づいて理解されるであろう。このように、ナビゲーション装置NDは、ユーザを目的地まで案内できるか又は少なくとも十分に近い近似値をユーザに与えることができる。これは、実際には何も案内しないよりはるかに良い。
【0137】
本発明を教示する目的で、本発明の方法及び装置の好適な実施形態を説明した。本発明の趣旨の範囲から逸脱せずに、本発明の他の実施形態及び等価な実施形態が想達実施されることは当業者には明らかとなるであろう。本発明の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クエリに基づいて第1のデジタル地図データベースにおいて場所を判定する方法であって、
前記第1のデジタル地図データベースに含まれない第1の場所に対するクエリを含む要求を受信するステップと、
第2のデジタル地図データベースにおいて前記第1の場所を探索するステップと、
前記第1の場所が前記第2のデジタル地図データベースにおいて発見される場合、前記第1の場所に近接し且つ前記第1のデジタル地図データベースに含まれる第2の場所を探索するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2の場所が発見される場合、前記第2の場所を含む応答を前記ナビゲーション装置に送信するステップ
を更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1の場所と前記第2の場所とにおける直線距離を考慮して、前記第1の場所に近接する前記第2の場所の空間探索を実行する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記第1の場所と前記第2の場所との間における移動距離及び移動時間の少なくとも一つを考慮して、前記第1の場所に近接する前記第2の場所のトポロジー探索を実行する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記要求は、
第1のデジタル地図データベースにおける第1のバージョン指標を含み、
前記第1のバージョン指標は、
前記第1の場所に近接する前記第2の場所が前記第1のデジタル地図データベースに含まれるか否かの判定に使用される
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のデジタル地図データベースにおける複数の場所は、当該場所に関連付けられたバージョン指標を有し、該バージョン指標は、当該場所が前記デジタル地図データベースに最初に追加された前記デジタル地図データベースのバージョンを示し、
前記複数の場所における前記バージョン指標は、
前記第1の場所に近接する前記第2の場所が前記第1のデジタル地図データベースに含まれるか否かの判定に使用される
ことを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記第1のデジタル地図データベースのコピーは、
前記第1の場所に近接する前記第2の場所が前記第1のデジタル地図データベースに含まれるか否かの判定に使用される
ことを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項8】
第2のバージョン指標が前記第2のデジタル地図データベースに関連付けられ、
前記方法は、
前記第1のバージョン指標と前記第2のバージョン指標との比較に基づいて、前記第2のデジタル地図データベースが前記第1のデジタル地図データベースよりも最新であるか否かを判定するステップと、
前記第2のデジタル地図データベースが前記第1のデジタル地図データベースよりも最新でない場合、第1の失敗応答を生成するステップと
を更に含むことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のデジタル地図データベースにおいて前記第1の場所が発見されない場合に第2の失敗応答を生成するステップ
を更に含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の場所から前記第1の場所までをナビゲートするためのナビゲーション情報を計算するステップ
を更に含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ナビゲーション情報は、
前記第1の場所から前記第2の場所までの直線距離、移動距離、移動時間の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記ナビゲーション情報は、
推測航法ナビゲーション情報、1又は複数のナビゲーション指示、画素画像、地図データのいずれかである
ことを特徴とする請求項10又は11記載の方法。
【請求項13】
前記クエリは、
道路、番地、地点情報、地点カテゴリの一つを含む
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
クエリに基づいて第1のデジタル地図データベースにおいて場所を判定するサーバであって、
前記サーバと関連付けられるメモリに格納される第2のデジタル地図データベースを含むとともに、リモート装置と通信する少なくとも1つの通信装置を更に含み、
前記第1のデジタル地図データベースに含まれない第1の場所に対するクエリを含む要求を前記少なくとも1つの通信装置を介して受信し、
前記サーバと関連付けられる前記メモリに格納されている前記第2のデジタル地図データベースにおいて前記第1の場所を探索し、
前記第1の場所が前記第2のデジタル地図データベースにおいて発見される場合、前記第1の場所に近接し且つ前記第1のデジタル地図データベースに含まれる第2の場所を探索する
ことを特徴とするサーバ。
【請求項15】
クエリに基づいて第1のデジタル地図データベースにおいて場所を判定する方法であって、
第1の場所に対するクエリを受信するステップと、
クエリに基づいて第1のデジタル地図データベースにおいて前記第1の場所を探索するステップと、
前記第1の場所が前記第1のデジタル地図データベースにおいて発見されない場合、第2のデジタル地図データベースへのアクセス権を有するサーバに前記クエリを含む要求を送信するステップと、
前記第1の場所が前記第1のデジタル地図データベースにおいて発見されない場合、応答を受信するステップと、
前記応答が第2の場所を含む場合、前記クエリに対する結果として前記第2の場所を提供するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記要求は、
前記第1のデジタル地図データベースの第1のバージョン指標
を更に含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記応答が第1の失敗応答又は第2の失敗応答である場合、第1の失敗メッセージ又は第2の失敗メッセージをそれぞれ生成するステップ
を更に含むことを特徴とする請求項15又は16記載の方法。
【請求項18】
前記クエリは、
道路、番地、地点情報、地点カテゴリの一つを含む
ことを特徴とする請求項15から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
第1のデジタル地図データベースを自身と関連付けるとともに、リモート装置と通信する少なくとも1つの通信装置を有するナビゲーション装置であって、
少なくとも1つの入力装置を介して第1の場所に対するクエリを受信し、
前記クエリに基づいて前記第1のデジタル地図データベースにおいて前記第1の場所を探索し、
前記第1の場所が前記第1のデジタル地図データベースにおいて発見されない場合、前記少なくとも1つの通信装置を介して第2のデジタル地図データベースへのアクセス権を有するサーバに前記クエリを含む要求を送信し、
前記第1の場所が前記第1のデジタル地図データベースにおいて発見されない場合、前記少なくとも1つの通信装置を介して応答を受信し、
前記応答が第2の場所を含む場合、少なくとも1つの出力装置を介して前記クエリの結果として前記第2の場所を提供する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項20】
前記要求は、
前記第1のデジタル地図データベースにおける第1のバージョン指標
を更に含むことを特徴とする請求項19記載のナビゲーション装置。
【請求項21】
前記応答が失敗応答である場合、前記少なくとも1つの出力装置を介して失敗メッセージを生成する
ことを特徴とする請求項19又は20記載のナビゲーション装置。
【請求項22】
前記クエリは、
道路、番地、地点情報、地点カテゴリの一つを含む
ことを特徴とする請求項19から21のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つの入力装置は、
キーボード、マウス、タッチスクリーン、スピーカのいずれかである
ことを特徴とする請求項19から22のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つの出力装置は、
ディスプレイ、プリンタのいずれかである
ことを特徴とする請求項19から23のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項25】
請求項14記載のサーバと、請求項19記載のナビゲーション装置を少なくとも1つとを含むシステムであって、
前記サーバ及び前記ナビゲーション装置は、ネットワークを介して互いに通信するように構成される
ことを特徴とするシステム。
【請求項26】
コンピュータ装置にロードされた場合に請求項1から11及び請求項15から18のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されるコンピュータプログラム。
【請求項27】
請求項26記載のコンピュータプログラムを含むデータ記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−525302(P2010−525302A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502044(P2010−502044)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【国際出願番号】PCT/NL2007/050148
【国際公開番号】WO2008/123769
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(509097563)テレ アトラス ベスローテン フエンノートシャップ (23)
【氏名又は名称原語表記】Tele Atlas B.V.
【住所又は居所原語表記】Reitscheweg 7F, NL−5232 BX ’s−Hertogenbosch, The Netherlands
【Fターム(参考)】