説明

デジタル撮影装置、デジタル撮影装置のピント調節方法、及びデジタル撮影装置用のプログラム

本発明は、画像データのエッジを強調するエッジ強調部を有するデジタル撮影装置であって、該デジタル撮影装置は、合焦の良否を判定し、前記判定の結果に応じて前記エッジ強調部のエッジ強調度合いを変えることを特徴とする。本発明は、合焦の良否に応じてエッジ強調の度合いを調節することで、より鮮明な写真を得ようとするものであり、さらに本発明の一つの態様において、オートフォーカス機構を補完して合焦に必要な時間を短縮しようとするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明はデジタル撮影装置に関し、より詳しくは、デジタル撮影装置のピント調節方法に関する。
【背景技術】
近年、携帯電話やPDAなどの携帯情報機器に、カメラが搭載されることが多くなった。このような目的に使用されるカメラは、小型のレンズとCCDやCMOS等の撮像素子を備えたカメラモジュールとして市場に提供されている。初期のころは解像度の低いカメラモジュールが載せられるにすぎなかったが、最近では1メガピクセルを超える解像度を持つカメラモジュールが搭載される例もでてきた。将来は、さらに解像度の高いカメラモジュールが携帯情報機器に搭載されることは、ほぼ確実である。
ところで、鮮明な写真を撮影するためには、ピントを合わせなくてはならない。すなわち、レンズを通った光が撮像素子の上で正しく像を結ぶように、カメラと被写体の距離によってレンズと撮像素子の距離を調節しなくてはならない。ピント合わせの方法として、撮像素子の解像度が低いカメラモジュールにおいては、あらかじめ被写界深度を深くとることによって、レンズを動かさなくとも広い範囲でピントが合うように設計した、固定焦点方式を用いることが多い。しかし、撮像素子の解像度が高くなると、ピント合わせをより精密に行なわなくてはならなくなるため、カメラと被写体の距離によってレンズと撮像素子の距離を積極的に調節することが望ましい。
写真撮影専用機である一般のカメラやデジタルカメラの分野では、古くからピントを自動的に合わせるオートフォーカス機能が発達してきた。オートフォーカス機能は、レンズの位置を少しずつ移動しながら、ピントに関する適当な評価値を求め、最も良いピント評価値を得たレンズ位置を、最適なピントが得られるレンズ位置とするものである。この評価値を求める方法として、フィルム一眼レフで用いられてきた位相差検知方式や、デジタルカメラで用いられるコントラスト方式などがある。
精密にピントを合わせるには、レンズを移動する位置間隔を狭めて、多数のレンズ位置においてピント評価値を得ることが望ましい。しかし、それではピントを合わせるまでに長い時間がかかり、またレンズを移動するために必要な電力消費も大きくなってしまう。そこで、短時間でピントを合わせるための時間を短縮するために、いくつかの提案がなされている。
特開2002−287012号公報には、レンズの位置を動かしながらピント評価値を求め、ピント評価値が所定のしきい値以上であればレンズを動かす速度を速め、そのしきい値以下であればレンズを動かす速度を遅くすることで、高速に合焦位置を見つけようとする発明が記載されている。
特開2002−48967号公報では、レンズの位置を動かしながらピント評価値を求め、そのピント評価値の大小に応じてレンズの移動ステップ幅を変えることで、高速に合焦位置を見つけようとする発明が記載されている。
しかし、これらの先行技術を用いても、合焦までの時間がまだ十分でない場合がある。特に、カメラ内蔵型の携帯電話やPDAなどにおいては、シングルアクション方式で撮影を行なう場合があり、ダブルアクション方式で撮影を行なうカメラ専用機より、さらに素早く合焦制御を完了せねばならない。
ダブルアクション方式とは、撮影ボタンを半押しすると、撮影準備が行なわれ、撮影ボタンを最後まで押すと、写真が撮影される方式である。撮影準備には、自動露出制御や自動ピント合わせ(オートフォーカス)、ホワイトバランス合わせがある。通常、利用者は撮影準備が完了するのを待って、撮影を行なうため、カメラ専用機は撮影準備に十分な時間をかけることができると言える。
これに対し、シングルアクション方式とは、撮影ボタンを1度押すだけで、撮影準備と撮影を両方行なう方式である。撮影ボタンを押してから実際に撮影が行なわれるまでに時間がかかり過ぎると、撮影者や被写体が動いてボケた写真になりやすく、また操作感も悪い。このため撮影準備を素早く完了する必要があり、シングルアクション方式ではダブルアクション方式よりも、ピント合わせの速度への要求が厳しい。
【発明の開示】
上記課題を解決するため、本発明では、ピント合わせに必要な時間を短縮することを可能としたピント調節方法、及びその方法を備えるデジタル撮像装置を提供する。
ここに提供される発明は、画像データのエッジを強調するエッジ強調部を有するデジタル撮影装置であって、該デジタル撮影装置は、合焦の良否を判定し、前記判定の結果に応じて前記エッジ強調部のエッジ強調度合いを変えることを特徴とする。該デジタル撮影装置は、エッジ強調がされた画像データの合焦の良否を判定し、前記判定の結果に応じてさらに前記エッジ強調度合いを変えるという構成を採ることができる。
ここに提供される発明は次のような態様を含む。即ち本発明の一態様は、画像データのエッジを強調するエッジ強調部と、光軸方向に移動可能なレンズと、撮像素子とを備えるデジタル撮影装置であって、該デジタル撮影装置は、前記レンズの位置を所定の移動量ずつ動かすと共に各レンズ位置において合焦の良否に関するピント評価値を求め、前記各レンズ位置における前記ピント評価値の良否を評価し、前記ピント評価値が最も良いレンズ位置における前記ピント評価値に応じて前記エッジ強調部のエッジ強調度合いを調節することを特徴とする。
当該デジタル撮影装置において、前記ピント評価値は画像のエッジ成分の量に関係する構成を採ることができる。また該ピント評価値を画像の一部の領域のみから求める構成を採ることができる。さらに、当該デジタル撮影装置は、該ピント評価値が最も良いレンズ位置における該ピント評価値を含む、複数のレンズ位置における該ピント評価値を勘案して、前記エッジ強調度合いを調節することを特徴とする構成を採ることができる。
なお、本発明に関連する別の先行文献として、特開2000−156816号公報には、被写体の距離や被写体の内容(ポートレートか風景写真かなど)に応じてエッジ強調の度合いを調節し、より自然な画像を得ることを目的とするエッジ強調装置が開示されている。本発明は当該文献に記載の発明と異なり、合焦の良否すなわちピントが良く合っているか否かに応じてエッジ強調の度合いを調節することで、より鮮明な写真を得ようとするものであり、さらに本発明の一つの態様においては、オートフォーカス機構を補完してピント合わせに必要な時間を短縮しようとするものである。
本発明によるデジタル撮影装置は、前記ピント評価値に応じて前記所定の移動量の大きさを変化させる構成を採ることができる。この場合、前記所定の移動量としてステップ1と前記ステップ1より移動量の小さいステップ2とを有し、以下の式により前記ステップ1と前記ステップ2から前記レンズの移動量を定める構成を採ることができる。

ここで、fn+1,f,fn−1は、それぞれ前記レンズ位置n+1,n,n−1における前記ピント評価値である。Focus_Level_Target_Ratioは、前記レンズの移動を終了するためのしきい値である。Step_Change_Thresholdは、前記ステップ1と前記ステップ2を切り替えるためのしきい値である。
さらに当該デジタル撮影装置は、前記所定の移動量としてステップ1と前記ステップ1より移動量の小さいステップ2とを有し、以下の式により前記ステップ1と前記ステップ2から前記レンズの移動量を定める構成を採ることができる。

ここで、fn+1,f,fn−1は、それぞれ前記レンズ位置n+1,n,n−1における前記ピント評価値である。Step_Change_Thresholdは、前記ステップ1と前記ステップ2を切り替えるためのしきい値である。
本発明により提供されるデジタル撮影装置は、一の操作でエッジ強調部のエッジ強調度合いを調節すると共に撮影を行なうことを特徴とする構成を採ることができる。また該デジタル撮影装置は、電話機能を有する構成を採ることができる。さらに該デジタル撮影装置は、携帯情報機器に内蔵されるカメラモジュールである構成を採ることができる。
ここに提供される発明は次のような側面を含む。即ち本発明の一側面は、画像データのエッジを強調するエッジ強調部と、光軸方向に移動可能なレンズと、撮像素子とを備えるデジタル撮影装置のためのピント調節方法であって、該レンズの位置を所定の移動量ずつ動かすと共に各レンズ位置において合焦の良否に関するピント評価値を求め、前記各レンズ位置における該ピント評価値の良否を評価し、該ピント評価値が最も良いレンズ位置における前記ピント評価値に応じて前記エッジ強調部のエッジ強調度合いを調節することを特徴とする。
さらに本発明の別の一側面は、画像データのエッジを強調するエッジ強調部と、光軸方向に移動可能なレンズと、撮像素子と、コンピュータを備えたデジタル撮影装置用のプログラムであって、該コンピュータを次のように動作させる。即ちこのプログラムによれば、該コンピュータは、前記レンズの位置を所定の移動量で動かすと共に各レンズ位置において合焦の良否に関するピント評価値を求め、前記各レンズ位置における前記ピント評価値の良否を評価し、前記ピント評価値が最も良いレンズ位置における前記ピント評価値に応じて前記エッジ強調部のエッジ強調度合いを調節するように動作する。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施態様におけるデジタル撮影装置の機能ブロックの概略を示す図である。
図2は、ピント評価値計算のフローチャートを示す図である。
図3は、エッジ強調処理を説明するための図である。
図4は、エッジ強調処理を説明するための図である。
図5aは、エッジ強調処理を説明するための図である。
図5bは、エッジ強調処理を説明するための図である。
図6は、本実施態様における撮影のフローチャートを示す図である。
図7は、本発明の別の実施態様におけるデジタル撮影装置の機能ブロックの概略を示す図である。
図8は、本発明を適用したカメラ内蔵型携帯電話の外観を示す図である。
図9は、本発明によるカメラ内蔵型携帯電話のハードウエア概略図。
図10は、本発明を適用したカメラ内蔵型携帯電話による撮影のフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施態様を説明する。図1は本発明によるデジタル撮影装置の概略を示す機能ブロック図である。デジタル撮影装置1001は、レンズ1、レンズ1を図中A−B方向に動かすためのステッピングモータ2、レンズ1を通じて入射した光を電気信号に変換するCCDセンサ3、CCDセンサ3の出力信号をデジタル形式の信号に変換するA/D変換器4、デジタル化されたCCDセンサ3の出力信号から色補間処理によりパソコンで表示したりプリンタで印刷可能な画像データを構築する色補間部7、RGB形式の画像データをYUV形式に変換するYUV変換部8、画像データのエッジを強調するエッジ強調部9、画像データを圧縮する画像データ圧縮部10、圧縮された画像データを保存するデータ記憶装置11などを備える。またデジタル撮影装置1001は、デジタル化されたCCDセンサ3の出力信号から輝度成分を抽出する輝度抽出部12、撮影に関する様々な制御を行なう撮影制御部15、ユーザーがデジタル撮影装置1001を操作するために使用するユーザーインタフェース27などを備える。撮影制御部15は、ピントの良し悪しを評価するピント評価部16、エッジ強調部9を制御するエッジ協調制御部17、CCDセンサ3によるデータ収集を制御するCCD制御部18、レンズ位置の移動を制御するレンズ制御部19、メモリ20などを備える。好適な実施形態において、色補間部7、YUV変換部8、エッジ強調部9、画像データ圧縮部10、輝度抽出部12は、それぞれ専用のハードウエア回路で実現され、撮影制御部15の各機能は、CPUなどの汎用処理装置とメモリ及びそのメモリに保存されるソフトウエアにより実現されることが望ましい。これらのハードウエア回路、CPU、メモリは、統合されたカメラエンジン24として独立して提供することもできる。ユーザーインタフェース27は撮影ボタンやメニューボタンなどであって、ユーザーはユーザーインタフェース27を操作することにより、写真撮影や撮影解像度の変更、撮影した写真の表示などを行なうことができる。
ピント評価部16は、輝度抽出部12により抽出されたCCDセンサ3の出力信号の輝度成分を用いて、合焦の良否すなわちピントが合っているか否かの指標となるピント評価値を求める。ピント評価値の一例として、画像のエッジ成分の量を利用することができる。ピントが合っていれば画像の起伏が激しくなり、ピントが合っていなければ起伏がなだらかになる。従って、エッジ成分の量は、ピントが合っているか否かの評価値として用いることができる。
図2はピント評価部16におけるピント評価値計算の概略を示すフローチャートである。まず、輝度成分のみからなる画像データのエッジ検出を行なう(ステップs21)。エッジ検出は、微分演算を行なって輝度値の変化を検出すればよい。このような演算を行なうためのフィルタがいくつか開発されており、例としてSobelフィルタ・Robertsフィルタ、Laplaceフィルタなどがある。ステップs22では、フィルタ後の画像データの全ての画素について絶対値をとり、ステップs23において全ての画素の絶対値を加算する。ピントが合っている場合は画像の起伏が激しいため、上記の加算値は大きくなり、合っていない場合は小さくなる。そこで上記の加算値はピントの良し悪しを判定する指標となりうる。かかる処理は、専用の回路で実現することもできるが、汎用処理装置とソフトウエアの組み合わせでも実現することができる。
なお、合焦の良否を調べるには、カラー画像データを用いなくとも、単色の画像データを用いるだけで十分な場合が多いため、本実施例では画像データの輝度成分のみを用いて調べている。しかし他の実施例においては、CCDセンサ3の出力信号に含まれる特定の色成分、例えば緑色成分のみを用いて、同様のピント評価を行なうこともできる。この場合は輝度抽出部12は不要となり、代わりにCCDセンサ3の出力信号から緑色成分を取り出してピント評価部16へ供給する回路が必要になる。
ピント評価値の計算は、CCDセンサ3の全体から得られるデータに対して行なうように構成してもよいが、CCDセンサ3の一部から得られるデータに対してのみ行なうように構成してもよい。例えば、CCDセンサ3の中心領域から得られるデータに対してのみ行なうように構成すれば、ピント評価値を求めるために必要な計算量が減少して時間短縮効果が得られると共に、構図の中心に位置する被写体にピントが合った写真を撮影することができる。構図のどの領域にピントを合わせるかを、ユーザーに選択できるように構成しても良い。また、ピント評価値の計算に使う画像データを撮影する際は、CCDセンサ3の解像度を予め下げることにして、ピント評価値の計算量を減少させるようにしても良い。
レンズ制御部19は、ステッピングモータ2を制御することにより、レンズ1を図のA−B方向に、所定の移動量ずつ動かす。レンズ移動量は一定でもよいが、可変でもよく、ピント評価部16により計算されたピント評価値に応じて変化させても良い。一つの実施態様においては、所定の移動量としてStep1と前記Step1より移動量の小さいStep2とを備え、ピント評価値に応じて以下の式により、Step1とStep2のいずれかを選択する。

ここでfn+1,f,fn−1は、それぞれレンズ位置n+1,n,n−1におけるピント評価値であり、Focus_Level_Target_Ratioは、レンズの移動を終了するためのしきい値であり、Step_Change_Thresholdは、Step1とStep2を切り替えるためのしきい値である。
本発明によるデジタル撮影装置は、一の操作でピント合わせとエッジ強調度調節と撮影を行なうように構成することが好ましい。即ち、撮影ボタンなど撮影用のユーザーインタフェースを一度操作するだけで、これら一連の動作を連続的に行なうように構成することが好ましい。このように構成した場合、撮影ボタンを押してから実際に撮影が行なわれるまでに時間がかかり過ぎると、撮影者や被写体が動いてボケた写真になりやすく、また操作感も悪い。そのため、ピント合わせに要する時間はできるだけ短くなるようにすべきである。そこで、移動量の小さいStep2でのレンズ移動は一度だけに止め、後はエッジ強調処理による画像の鮮明化によって、合焦の甘さを補うことが好ましい。このように構成すれば、ピント合わせに要する時間をより短く抑えることができる。この場合のレンズ移動量の制御は以下の式で行なわれる。

エッジ強調部9は、画像のエッジを強調する。またエッジ強調部9は、エッジ強調制御部17に制御されて、エッジの強調度を変えることができる。エッジ強調にはいくつかの方法を用いることができるが、本実施例では、エッジ強調部9は、アンシャープ・マスキングと呼ばれる方法を用いてエッジ強調を行なう。図3と図4を用いてエッジ強調処理の一例を示す。
図3は、エッジ強調部9におけるエッジ強調処理の概略を示すフローチャートである。まずステップs25で、原画像データのコピーを作成する。ステップs26では、コピーされた原画像に適当な平滑化フィルタをかけて、ぼかした画像にする。このとき使用される平滑化フィルタには、メジアンフィルタ、バターワースフィルタ、ガウシアンフィルタなどがある。ステップs27では、原画像からぼかした画像を引き算する。引き算の結果により得られた画像は、エッジ部分が取り出されている。ステップs28では、元の画像に上記引き算の結果得られた画像を、適当な係数αを乗じて加算する。αが大きければ、エッジ強調度が強くなり、αが小さければエッジ強調度は弱くなる。このような処理は、専用の回路で実現することができるが、汎用処理装置とソフトウエアの組み合わせでも実現することができる。
図4は、上記αの上限を決める方法の一例を説明するための図である。41は原画像データを示したものであるが、この画像データの高輝度部の値をL_hi、低輝度部の値をL_lowとする。42は図3のステップs26で説明した、原画像に適当な平滑化フィルタをかけてぼかした画像である。43は図3のステップs27で説明した、原画像からぼかした画像を引いて、エッジ部分を取り出したものである。43で示したデータにおいて、大きい部分の値をE_hi、小さい部分の値をE_lowとする。すると、図3のステップs28で示したように、エッジが強調された画像は41に示したデータに43で示したデータを適当な係数αを乗じて加算したものであるから、エッジ強調後のデータの高輝度部の値は(L_hi+αE_hi)、低輝度部の値は(L_low+αE_low)となる。そこで、(L_hi+αE_hi)や(L_low+αE_low)がデータの解像度を超えないことという制約条件の元でαを決めれば、エッジ強調された画像が白くつぶれたり黒くつぶれたりすることがなくなる。例えば、画像データの解像度が8ビットである場合、制約条件は(L_hi+αE_hi<=255)及び(L_low+αE_low>=0)のようになる。
図1に戻ってエッジ強調制御部17の説明を続ける。エッジ強調制御部17は、上記の係数αや、エッジ強調部9で用いる平滑化フィルタのパラメータを調節することにより、エッジ強調部9によるエッジ強調度を調節する。エッジ強調部9で用いるフィルタがメジアンフィルタの場合、パラメータとしてMedian Filter HeightとMedian Filter Widthの2つがある。フィルタがバターワースフィルタの場合は、CutoffとOrderの2つがある。フィルタがガウシアンフィルタの場合は、Row Spread FactorとColumn Spread Factorの2つがある。エッジ強調部9とエッジ強調制御部17は、これらのパラメータの少なくとも1つを調節できるように構成される。
エッジ強調制御部17は、最もピント評価値の良いレンズ位置におけるピント評価値のみならず、1又は2以上の他のレンズ位置におけるピント評価値をも勘案して、エッジ強調の度合いを調節してもよい。ある実施態様においては、最もピント評価値の良いレンズ位置におけるピント評価値1と、次にピント評価値の良いレンズ位置におけるピント評価値2の、2つのピント評価値の大小関係から、エッジ強調の度合いを決定するように構成される。例えば、ピント評価値1とピント評価値2がほぼ同じ値であれば、最もピント評価値の良いレンズ位置でも最適レンズ位置から遠いと考えられるので、エッジ強調を強めに行なうように、上記αを大きくする(図5a)。これに対し、ピント評価値1とピント評価値2が大きく異なれば、最もピント評価値の良いレンズ位置は最適レンズ位置に近いと考えられるので、上記αを小さくしてエッジ強調を強くかけないように制御する(図5b)。もちろん、αの代わりに平滑化フィルタのパラメータを調節してもよい。
次に、図6を用いて撮影に関する流れを説明する。図5は本発明によるデジタル撮像装置の撮影動作の概略を示すフローチャートである。ユーザーインタフェース27の一部である撮影ボタンが押下されると(ステップs31)、ピント合わせなどを行なう設定モードが開始する(ステップs32)。まずレンズ1を所定の位置へ移動し(ステップs33)、CCDセンサ3を駆動してピント評価値を得るための撮像を行なう(ステップs34)。このステップにおける撮像は、ピント合わせに係るデータ処理時間を短縮するため、CCDセンサ3を間引き走査することにより解像度を減少させて撮像を行なっても良い。次に(輝度抽出部12によってステップs34で得られたデータから輝度成分を抽出し(ステップs35)、抽出された輝度成分から前記の方法によりピント評価値を求める(ステップs36)。
ステップs33からs36までの動作を1回か2回しか行なっていなければ、ステップs33に戻り、レンズを所定の移動量だけ動かして新たに撮像、ピント評価値計算を行なう(ステップs37のNo)。なお、この実施例においてレンズの移動量には(大)と(小)の2つがあり、ステップs33からs36までの動作が2回以下の場合は移動量(大)を用いる。ステップs33からs36までの動作が3回以上であれば、次に進む(ステップs37のYes)。
ステップs38では、直近のレンズ移動量が(大)か(小)かによって、以下の処理を分岐する。もし(小)であれば、ステップs41に進んでエッジ強調度の調節に進む。移動量が(小)であればそれ以上レンズを動かさないのは、上に述べたように、ピント合わせにかかる時間を短縮するためである。もし直近のレンズ移動量が(大)であれば、前記数式2に従って、レンズの移動量を(大)と(小)から選択し(ステップs39)、レンズがまだ移動できるか否かを判定する(ステップs40)。もしまだレンズを移動できるのであれば、ステップs33に戻り、ステップs39で選択した移動量でレンズの位置を移動する。もし移動できなければ、ステップs41に進む。
ステップs41では、エッジ強調制御部17が、ステップs36で求められたピント評価値を元に、エッジ強調部9のパラメータを調節することにより、エッジ強調度の調節が行なわれる。それと共に、最良のピント評価値を与えるレンズ位置に、レンズを移動する(ステップs42)。エッジ強調度の調節とレンズ位置の移動が終わると、設定モードが終了する(ステップs43)。
なお図示してはいないが、設定モードにおいては、ピント合わせの他に、露出量やホワイトバランスの調整も行なわれる。
設定モードが終了すると、直ちに実際に写真を作成する撮影モードが開始する(ステップs44)。まずCCDセンサ3を駆動して撮影を行ない、得られたデータから色補間処理によりパソコンで表示可能な画像データを構築する(ステップs46)。次に、先に定めた度合いでこの画像データのエッジを強調する(ステップs47)。最後にJPEG等の方法で画像データを圧縮し(ステップs48)、データ記憶装置11に保存する(ステップs49)。
このように本発明では、レンズの位置が合焦点から多少ずれていても、そのずれに応じてエッジ強調処理の度合いを変化させることで、ピントの甘さをエッジ強調処理によって補うことができる。そのため、シングルアクション方式で撮影する場合のように、レンズの位置調整を厳密に行なう時間がない場合のピント調節方法として、特に好適と言える。
また、カメラ内蔵型の携帯電話やPDAでは、撮影機能の他にも電話機能やメール機能など、様々な機能を備えているため、撮影装置の電力消費はできるだけ少ないことが望ましい。ところが、オートフォーカス機構は消費電力が大きい。なぜなら、ピント合わせはレンズを移動しながら合焦に最も近いレンズ位置を探すのだが、レンズを動かすために必要なステッピングモータの消費電力は、撮影装置の様々な動作の中でもかなり大きい方だからである。本発明では、ピント合わせのためのレンズの位置調整に多少の甘さがあっても、その甘さに応じたエッジ強調処理を行なうことにより、ピントの甘さを補うことができる。そこで本発明は、ピント合わせのためのレンズ位置調整の電力を節約したい場合においても有益である。
図7を用いて本発明の別の実施態様を説明する。図7は、本発明の別の実施態様におけるデジタル撮影装置1002のハードウエア構成の概略を示す図である。本実施態様は図1に示した実施態様と同じ構成要素を多数備えているが、本実施態様において図1の撮影制御部15に相当する撮影制御部115は、エッジ強調がされた画像データの輝度成分を用いてピント評価値の計算を行なう。
デジタル撮影装置1002は、図1に示したデジタル撮影装置1001と異なり、レンズ位置を調節することによるピント合わせ機能を有しない。その代わりデジタル撮影装置1002は、エッジ強調がされた画像に対して合焦の良否を判定し、その判定結果に応じてエッジ強調の度合いを変えるように構成される。以下にその動作を説明する。
まずCCD制御部118によりCCDセンサ3を駆動して試験撮像を行ない、得られたデータを色補間部7とYUV変換部8でYUV形式の画像データに構築する。得られた画像データはエッジ強調部9によりエッジが強調される。ここで撮影制御部115のピント評価部116は、エッジ強調された画像の輝度成分を取得し、取得した輝度成分に対してピント評価値を計算する。次にエッジ強調制御部117は、そのピント評価値の良否に応じて、前に説明したエッジ強調部9の各種パラメータを変更する。この後再び試験撮像を行ない、ピント評価を行なって、エッジ強調部9の各種パラメータの調節を行なう。これを繰り返すことにより、最適なピント評価値が得られるエッジ強調パラメータを定めることができる。
本実施態様では、レンズ移動によるピント合わせ機構を有さない場合でも、合焦の良否に応じてエッジ強調の度合いを変えることで、ピントの甘さを補うことができる。このような実施態様は、レンズ移動によるピント合わせ機構を設けることのできない、安価な撮像装置に向いている。
【実施例1】
次に、本発明をカメラ内蔵型携帯電話に適用した実施例を示す。図8は、本発明を用いたカメラ内蔵型携帯電話の外観を示す模式図である。
カメラ内蔵型携帯電話1003は、表面にディスプレイ52、キーパッド53、機能ボタン54、アンテナ55等を備える。裏面にはカメラ部61、バッテリーカバー59等を備える。さらにこれらを一体に保持する筐体56を備える。カメラ内蔵型携帯電話1003は小型軽量であり、片手で保持したりハンドバッグに入れて持ち運んだりするのに適した大きさと重さを有する。機能ボタン54は電話の発着信や、撮影時のシャッターボタン等として用いられる。カメラ付携帯電話1003に着信があった場合、機能ボタン54を押すことにより着信に応答できる。また写真を撮影する場合は、利用者はレンズ57を対象へ向けた状態でカメラ内蔵型携帯電話1003を持ち、カメラモジュール61で撮影されたプレビュー画像をディスプレイ52で確認する。そこで機能ボタン54を押すと撮影が行なわれ、撮影により作成された画像データがカメラ付携帯電話1003に備えられた記録装置に保存される。
カメラ部61は、入光部57とLED照明58を備え、独立の筐体60を備えたカメラモジュールとして構成される。従って、カメラ付携帯電話1003は、カメラモジュール61とその残りの部分(ホストモジュール)とに分けることができる。このようにカメラ部を独立のモジュールとすることにより、カメラモジュールに汎用性を持たせ、他の携帯電話やPDAと容易に組み合わせることができる。そのため、カメラモジュールを独立した製品として販売することが可能となる。
図9は、カメラ内蔵型携帯電話1003のハードウエア構成の概略を示す図である。カメラ内蔵型携帯電話1003は、撮像を行なって画像データを提供するカメラモジュール61と、その画像データを保存する記録媒体を有すると共に電話機能やPDA機能を有するホストモジュール91から構成される。カメラモジュール61は、レンズ31、レンズ31を図中A−B方向に動かすためのステッピングモータ32、レンズ1を通じて入射した光を電気信号に変換するCCDセンサ33、CCDセンサ33の出力信号をデジタル形式の信号に変換するA/D変換器34、デジタル化されたCCDセンサ33の出力信号から色補間処理によりパソコンで表示したりプリンタで印刷可能な画像データを構築する色補間部37、RGB形式の画像データをYUV形式に変換するYUV変換部38、画像データのエッジを強調するエッジ強調部39、画像データを圧縮する画像データ圧縮部40、デジタル化されたCCDセンサ33の出力信号から輝度成分を抽出する輝度抽出部42、画像データをホストモジュール91に送信するデータI/F47などを備える。またカメラモジュール61は、図1の撮影制御部15に相当するカメラ制御部45と、カメラ制御部45とホストモジュールとの間で制御情報をやり取りするための制御I/F48を備える。カメラ制御部45は汎用処理装置とメモリ及びそのメモリに格納されるソフトウエアから構成され、撮影やピント調節、エッジ強調部39の調節などに関する機能を統括すると共に、ホストモジュール91との通信に関する制御も行なう。好適な実施形態において、色補間部37、YUV変換部38、エッジ強調部39、画像データ圧縮部40、輝度抽出部42は、それぞれ専用のハードウエア回路で実現され、カメラ制御部45の各機能は、CPUなどの汎用処理装置とメモリ及びそのメモリに保存されるソフトウエアにより実現されることが望ましい。これらのハードウエア回路とカメラ制御部は、統合されたカメラエンジン49として独立して提供することもできる。
ホストモジュール91は、アプリケーションエンジン92、アプリケーションエンジン92を動作させるためのソフトウエアを格納するソフトウエア記憶部93、電話機能を統括するベースバンド処理部94、アンテナ部55を備える。アプリケーションエンジン92は、CPU96、カメラモジュール61から送信される画像データを受け取るデータI/F97、カメラモジュール61との間で制御情報をやり取りするための制御I/F98、バス99を備え、バス99を通じて一時記憶装置101、主記憶装置101、キーバッド102、ディスプレイ52が接続されている。
図10を用いて、カメラ内蔵型携帯電話1003の動作を説明する。ステップs87で、撮影ボタンが押下されると、CPU96とソフトウエア記憶部93に記憶されたソフトウエアが協働して、制御I/F98を通じてカメラモジュール61に撮影命令を送信する(ステップs88)。なお撮影ボタンは、キーパッド102のいずれかのキーがその役割を負う。
ステップs89においては、ホストモジュール91からの撮影命令を、制御I/F48を通じて受け取ったカメラ制御部45が、設定モードを開始する。設定モードにおける動作は図5のステップs32からステップs42と同様である。ステップs90で設定モードが終了すると、カメラ制御部45は、直ちに撮影モードを開始する。ステップs92ではCCDセンサ33を駆動して撮像が行なわれる。ステップs93ではCCDセンサ3の出力信号から写真データを構築し、さらに構築した写真データを圧縮する。ステップs93における動作は、図5のステップs46からステップs48において、詳しく説明されている。ステップs94ではカメラモジュール61が写真データをデータI/F47を通じてホストモジュール91に送信する。
ステップs95では、ホストモジュール91がデータI/F97を通じて圧縮された写真データを受信する。受信した写真データは一時記憶装置100に格納される。ステップs96では、CPU96とソフトウエア記憶部93に記憶されたソフトウエアが協働して、一時記憶装置100に格納された圧縮写真データを主記憶装置101に保存する。ステップs97では一時記憶装置100に格納された圧縮写真データを解凍し、ステップs98では解凍した写真データからサムネールを作成し、ステップs99においてサムネールをディスプレイ52に表示する。ステップs97からs99にかけての動作は、CPU96とソフトウエア記憶部93に記憶されたソフトウエアが協働して制御する。
本発明では、レンズの位置が合焦点から多少ずれていても、そのずれに応じてエッジ強調処理の度合いを変化させることで、ピントの甘さをエッジ強調処理によって補う。そのため本発明によれば、レンズの位置調整を厳密に行なう時間がない場合であっても、エッジのはっきりした写真を得ることができるので、ピント合わせに必要な時間を短縮することができる。
以上にて本発明の好適な実施形態の説明を終わる。ここに説明した実施態様は、本発明を実施するための単なる一例に過ぎず、本発明はこれらの実施形態に限られることなく、本発明の範囲内で種々の実施形態を取ることができるのは言うまでもない。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データのエッジを強調するエッジ強調部を有するデジタル撮影装置であって、前記デジタル撮影装置は、合焦の良否を判定し、前記判定の結果に応じて前記エッジ強調部のエッジ強調度合いを変えることを特徴とする、デジタル撮影装置。
【請求項2】
前記デジタル撮影装置は、エッジ強調がされた画像データの合焦の良否を判定し、前記判定の結果に応じてさらに前記エッジ強調度合いを変えることを特徴とする、請求項1に記載のデジタル撮影装置。
【請求項3】
画像データのエッジを強調するエッジ強調部と、光軸方向に移動可能なレンズと、撮像素子とを備えるデジタル撮影装置であって、
前記デジタル撮影装置は、
前記レンズの位置を所定の移動量ずつ動かすと共に各レンズ位置において合焦の良否に関するピント評価値を求め、
前記各レンズ位置における前記ピント評価値の良否を評価し、
前記ピント評価値が最も良いレンズ位置における前記ピント評価値に応じて前記エッジ強調部のエッジ強調度合いを調節する、
ことを特徴とするデジタル撮影装置。
【請求項4】
前記ピント評価値は画像のエッジ成分の量に関係する、請求項3に記載のデジタル撮影装置。
【請求項5】
前記ピント評価値は画像の一部の領域のみから求められる、請求項3又は4に記載のデジタル撮影装置。
【請求項6】
前記ピント評価値が最も良いレンズ位置における前記ピント評価値を含む、複数のレンズ位置における前記ピント評価値を勘案して、前記エッジ強調度合いを調節することを特徴とする、請求項3から5のいずれかに記載のデジタル撮影装置。
【請求項7】
前記ピント評価値に応じて前記所定の移動量の大きさを変化させる、請求項3から6のいずれかに記載のデジタル撮影装置。
【請求項8】
前記所定の移動量としてステップ1と前記ステップ1より移動量の小さいステップ2とを有し、以下の式により前記ステップ1と前記ステップ2から前記レンズの移動量を定める、請求項3から6のいずれかに記載のデジタル撮影装置。

n+1,f,fn−1は、それぞれ前記レンズ位置n+1,n,n−1における前記ピント評価値。
Focus_Level_Target_Ratioは、前記レンズの移動を終了するためのしきい値。
Step_Change_Thresholdは、前記ステップ1と前記ステップ2を切り替えるためのしきい値。
【請求項9】
前記所定の移動量としてステップ1と前記ステップ1より移動量の小さいステップ2とを有し、以下の式により前記ステップ1と前記ステップ2から前記レンズの移動量を定める、請求項3から6のいずれかに記載のデジタル撮影装置。

n+1,f,fn−1は、それぞれ前記レンズ位置n+1,n,n−1における前記ピント評価値。
Step_Change_Thresholdは、前記ステップ1と前記ステップ2を切り替えるためのしきい値。
【請求項10】
前記デジタル撮影装置は一の操作で前記エッジ強調部のエッジ強調度合いを調節すると共に撮影を行なうことを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載のデジタル撮影装置。
【請求項11】
前記デジタル撮影装置は電話機能を有する、請求項1から10のいずれかに記載のデジタル撮影装置。
【請求項12】
前記デジタル撮影装置は携帯情報機器に内蔵されるカメラモジュールである、請求項1から10のいずれかに記載のデジタル撮影装置。
【請求項13】
画像データのエッジを強調するエッジ強調部と、光軸方向に移動可能なレンズと、撮像素子とを備えるデジタル撮影装置のためのピント調節方法であって、
前記レンズの位置を所定の移動量ずつ動かすと共に各レンズ位置において合焦の良否に関するピント評価値を求め、
前記各レンズ位置における前記ピント評価値の良否を評価し、
前記ピント評価値が最も良いレンズ位置における前記ピント評価値に応じて前記エッジ強調部のエッジ強調度合いを調節する、
ことを特徴とする、デジタル撮影装置のピント調節方法。
【請求項14】
画像データのエッジを強調するエッジ強調部と、光軸方向に移動可能なレンズと、撮像素子と、コンピュータを備えたデジタル撮影装置用のプログラムであって、
前記コンピュータを、前記レンズの位置を所定の移動量で動かすと共に各レンズ位置において合焦の良否に関するピント評価値を求め、前記各レンズ位置における前記ピント評価値の良否を評価し、前記ピント評価値が最も良いレンズ位置における前記ピント評価値に応じて前記エッジ強調部のエッジ強調度合いを調節するように動作させる、
ことを特徴とするデジタル撮影装置用のプログラム。

【国際公開番号】WO2005/064920
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【発行日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512803(P2005−512803)
【国際出願番号】PCT/JP2003/016825
【国際出願日】平成15年12月25日(2003.12.25)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】