説明

ナックル調節装置

【課題】キャンバー角及びトウ角を調節したときに、サスペンションのジオメトリに影響を及ぼさないように無段階に任意のキャンバー角及びトウ角に調節できるナックル調節装置を提供することを目的とする。
【解決手段】車両の車輪のアライメントを調節するナックル調節装置であって、ハブの中心軸の外周に回転可能にベアリング基体を取付け、このベアリング基体の外周に沿って球状に成形されてなる球体を設け、ナックル中央側に上記球体を包囲する内面孔を設け、上記球体と内面孔とによりベアリング部材を形成して、ナックルに対してハブを3次元方向に回動自在とし、所望の回動位置で固定して、キャンバー角、トウ角の少なくとも一方を得るように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のホイールアライメントを調節するナックル調節装置に関し、特にキャンバー角及びトウ角の調節を可能にするナックル調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のサスペンションのホイールアライメントを調節する要素の中にキャンバー角及びトウ角の調節がある。キャンバー角の調節は、操舵力の軽減及び旋回時にかかる車両の横方向への荷重移動時における路面設置性の向上を目的とする。また、トウ角の調整は、車両の走行時のタイヤ抵抗の軽減及びトウアウトやトウインによるタイヤの偏摩耗防止を目的とする。
従来、キャンバー角は、例えばナックルと接続するアッパーアームやロアアームのいずれかの長さを変更して調節される。具体的には、上記アームの車体との取付け部分をカムボルトなどで取付け、カムを回転させることによりアームが車体から延長する長さを調節して車輪の車体方向への傾きを変更する方法やアームとナックルの間に調節部材を介在させることにより調節する方法がある。
また、トウ角は、ステアリングロッド(タイロッド)の長さを変更することにより車輪の車体前後方向への開きが調節される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−257423号公報
【特許文献2】特開2008−30730号公報
【特許文献3】特開平6−64426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術においては、キャンバー角及びトウ角を個々に調節することができるが、例えば、キャンバー角を調節した場合、キャンバー角のみならずトウ角も変化してしまうことが知られている。これは、キャンバー角の調節にともなってナックルが傾斜するにも関わらず、この傾斜に対してタイロッドの長さが変化しないことに起因している。つまり、従来の技術においてキャンバー角を調節したときに、トウ角にまで影響を及ぼしてしまうおそれがある。
また、トウ角を調節した場合、タイロッドが上下、又は前後に回動する長さが変化するために、車両がバンプしたときにナックルを押したり、引き寄せたりすることによるバンプステアに影響を及ぼしてしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明では、キャンバー角及びトウ角を調節したときに、サスペンションのジオメトリに影響を及ぼさないように無段階に任意のキャンバー角及びトウ角に調節できるナックル調節装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明として、車両の車輪のアライメントを調節するナックル調節装置であって、ハブの中心軸の外周に回転可能にベアリング基体を取付け、このベアリング基体の外周に沿って球状に成形されてなる球体を設け、ナックル中央側に球体を包囲する内面孔を設け、球体と内面孔とによりベアリング部材を形成して、ナックルに対してハブを3次元方向に回動自在とし、所望の回動位置で固定して、キャンバー角、トウ角の少なくとも一方を得るように構成した。
本発明によれば、ナックルに対してハブが3次元方向に回動自在となったことにより、ナックルを移動させることなくハブに固定される車輪を移動させて、所望のキャンバー角やトウ角に調節することができる。
【0007】
本発明の第2の発明として、ナックルの上部又は下部のいずれか一方と、ハブの回転に追随しない個所との間に長さ調節可能なキャンバー角調節ロッドを設けてキャンバー角を調節可能とし、かつ、固定状態に設定する構成とした。
本発明によれば、キャンバー角調節ロッドの長さを調節してナックルに対してハブを回転させることでキャンバー角を調節することができ、ナックルに対するハブの位置を固定することができる。
【0008】
本発明の第3の発明として、ハブの中心軸に回転部材を設け、このハブの回転に追随しない回転部材にキャンバー角調節ロッドの球部を取付ける構成とした。
本発明によれば、ハブの回転に追随しない回転部材にキャンバー角調節ロッドの球部が取付けられたことにより、回転部材に対してキャンバー角調節ロッドの長さを変化させたときに回転部材に対する取付け角度が変化してもキャンバー角の調節が可能となり、ナックルに対するハブの位置を任意の位置で固定することができる。
【0009】
本発明の第4の発明として、ナックルの前部又は後部のいずれか一方とハブの回転に追随しない個所との間に長さ調節可能なトウ角調節ロッドを設けてトウ角を調節可能とし、かつ、固定状態に設定するように構成した。
本発明によれば、トウ角調節ロッドの長さを調節してナックルに対してハブを回転させることでトウ角を調節することができ、ナックルに対するハブの位置を固定することができる。
【0010】
本発明の第5の発明として、ハブの中心軸に回転部材を設け、このハブの回転に追随しない回転部材にトウ角調節ロッドの球部を取付ける構成とした。
本発明によれば、ハブの回転に追随しない回転部材にトウ角調節ロッドの球部が取付けられたことにより、回転部材に対してトウ角調節ロッドの長さを変化させたときに回転部材に対する取付け角度が変化してもトウ角の調節が可能となり、ナックルに対するハブの位置を任意の位置で固定することができる。
【0011】
本発明の第6の発明として、ナックル調節装置のハブに設けたブレーキキャリパーをアッパーアーム又はロアアームの少なくとも一方に取り付ける長さ調節自在なブレーキキャリパー調節ロッドで支持するように構成した。
本発明によれば、ハブとともに回転するブレーキローターをブレーキキャリパーで挟み制動を行ったときにブレーキキャリパーがハブとともに回転することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る車体に設けられたナックル調節装置の外観図。
【図2】本発明に係るナックル調節装置の拡大斜視図。
【図3】本発明に係るナックル調節装置の断面図。
【図4】本発明に係るキャンバー角調節ロッド拡大図。
【図5】本発明に係るトウ角調節ロッド拡大図。
【図6】本発明に係るブレーキキャリパー調節ロッド拡大図。
【図7】本発明に係るタイロッド拡大図。
【図8】本発明に係るキャンバー角調節図。
【図9】本発明に係るトウ角調節図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴と組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
【0014】
図1〜図3は、本発明による自動車のサスペンションにおけるナックル調節装置の一実施形態を示す構成図である。各図1〜図3において、タイヤ中心のハブ1には、ブレーキディスクローター2が図外のネジにより固定される。
図3に示すように、ハブ1の中心より車体方向に突出する回転中心軸4の根元側外周に回転部材5a,5bの内筒6a,6bが嵌合され、先端側外周に小形回転部材7a,7bの内筒8a,8bが嵌合される。
【0015】
回転部材5a,5bの左右の外筒9a,9bは、ベアリング基体10の孔11に嵌合され、このベアリング基体10の外周は球状に成形されて、球体12を有している。この球体12を包囲するように内面孔13が球状に成形された板状のナックル14の中央部が装着される。
上記回転中心軸4の中心fにベアリング基体10の中心軸が重なるように一致した状態で、回転部材5a,5b及びベアリング基体10は組付けられ、上記ベアリング基体10は、外周の球体12の中心軸が中心fに一致するように球状に成形される。
【0016】
上記回転部材5a,5bの内筒6a,6bと小形回転部材7a,7bの内筒8a,8bには、ベアリングが介在されてそれぞれ外筒9a,9b,15a,15bが装着されている。上記ベアリング基体10の外周の球体12を被う球状の内面孔13は、球体12の外周に沿って相対的に3次元方向に摺動自在となり、これによりナックル14とベアリング基体10とは、3次元方向に回動自在となっており、これ等の部品でベアリング部材16が構成される。
すなわち、このベアリング部材16によりハブ1は、上下の上部ピックアップ部17a,下部ピックアップ部17bを結ぶ線分gに対して車体方向(左右方向)に任意の角度(キャンバー角α)を図8に示すように調節自在に回動可能となり、かつ、ベアリング基体10の前後方向に延長する中心線hの車体前後方向に対する角度(トウ角β)を図9に示すように調節自在に回動可能となっている。
【0017】
また、上記ナックル14の上方より上方向に突出するピン18aの先端に球体19aを設け、この球体19aを被う球状の内面穴20aを有するアッパーアーム21aの先端を球体19aに取付けて、ベアリング接続構造で支承している。
同様に、上記ナックル14の下方より下方向に突出するピン18bの先端に球体19bを設け、この球体19bを被う球状の内面穴20bを有するロアアーム21bの先端を球体19bに取付けて、ベアリング接続構造で支承している。
【0018】
上記ブレーキディスクローター2は、ブレーキキャリパー21の内蔵するパッドにより両側面が挟持されて制動される。
上記ブレーキキャリパー21には、ブレーキディスクローター2,ハブ1の回転方向の力が作用する。上記ブレーキキャリパー21は、ナックル14の前部にボルト22で固定される。図3,4に示すように、上記小形回転部材7a,7bの外筒15a,15bは回転筒部23に嵌合され、回転筒部23の外周には、突片24が設けられ、ナックル14の上部位置のピン18aの根元側に突片25が設けられ、両突片24,25間にキャンバー角調節ロッド26が橋絡するように取付けられる。
【0019】
また、図2,5に示すように、小形回転部材7a,7bの外筒15a,15bが嵌合された回転筒部23の後部位置には突片27が設けられ、ナックル14の後部位置にも突片28が設けられ、両突片27,28間にトウ角調節ロッド29が橋絡される。
また、図6に示すように、アッパーアーム21aのナックル14側の先端側には保持片30aを介して突片30が設けられ、筒状のベアリング基体10のやや前部位置にも保持片31aを介して突片31が設けられ、両突片30,31間にブレーキキャリパー固定用のブレーキキャリパー調節ロッド32が橋絡するように取付けられる。
【0020】
上記キャンバー角調節ロッド26は、図4に示すように、突片24,25に一端がナット33a,33bで固定された支持ピン34a,34bと、上記支持ピン34a,34bの先端に螺合される筒体35a,35bと、上記筒体35a,35bの側部に形成された球状穴37a,37bと、キャンバー角調節ロッド26を構成するロッド体26aの両端に螺合されたキャップ体38a,38bとよりなる。
【0021】
上記キャップ体38a,38bは一端のネジ孔38s,38tにロッド体26aの両端が螺合されてロッド体26aの長手方向に進退するもので、このキャップ体38a,38bには上記球状穴37a,37bに外周が被われるように球状穴37a,37b内に嵌合される球体38e,38fが設けられる。
【0022】
キャップ体38a,38bをロッド体26aの中央方向に螺入することでキャンバー角調節ロッド26自体の全長を短く調節できる。
この場合、球体38e,38fが球状穴37a,37bに回動自在に嵌合しているので、突片24,25に対するキャンバー角調節ロッド26の角度調節が自動的に行われ、キャンバー角調節ロッド26の長さ調節が容易となる。
【0023】
上記トウ角調節ロッド29は、図5に示すように、突片27,28に一端がナット33c,33dで固定された支持ピン34c,34dと、上記支持ピン34c,34dの先端に螺合される筒体35c,35dと、上記筒体35c,35dの側部に形成された球状穴37c,37dと、トウ角調節ロッド29を構成するロッド体29aの両端に螺合されたキャップ体38c,38dとよりなる。
【0024】
上記キャップ体38c,38dは一端のネジ孔38k,38jにロッド体29aの両端が螺合されてロッド体29aの長手方向に進退するもので、このキャップ体38c,38dには、上記球状穴37c,37dに外周が被われるように球状穴37c,37d内に嵌合される球体38g,38hが設けられる。キャップ体38c,38dをロッド体29aの中央方向に螺入することでトウ角調節ロッド29自体の全長を短く調節できる。
【0025】
この場合、球体38g,38hが球状穴37c,37dに回動自在に嵌合しているので、突片27,28に対するトウ角調節ロッド29の角度調節が自動的に行われ、トウ角調節ロッド29の長さ調節が容易となる。
【0026】
ブレーキキャリパー調節ロッド32は、図6に示すように、突片30,31に一端がナット33m,33nで固定された支持ピン34m,34nと、上記支持ピン34m,34nの先端に螺合される筒体35m,35nと、上記筒体35m,35nの側部に形成された球状穴37m,37nと、ブレーキキャリパー調節ロッド32を構成するロッド体32aの両端に螺合されたキャップ体38m,38nとよりなる。
【0027】
上記キャップ体38m,38nは、一端のネジ孔38u,38vにロッド体32aの両端が螺合されてロッド体32aの長手方向に進退するもので、このキャップ体38m,38nには上記球状穴37m,37nに外周が被われるように球状穴37m,37nに嵌合される球体38p,38qが設けられる。
【0028】
キャップ体38m,38nをロッド体32aの中央方向に螺入することでブレーキキャリパー調節ロッド32自体の全長を短く調節できる。
この場合、球体38p,38qが球状穴37m,37nに回動自在に嵌合しているので、突片30,31に対するブレーキキャリパー調節ロッド32の角度調節が自動的に行われ、ブレーキキャリパー調節ロッド32の長さ調節が容易となる。
【0029】
図7に示すように、タイロッド40は、ナックルの後方より突出する突片41に一端が螺合して取付けられたピン42に取付けられる。ピン42の先端には球体43が一体化され、この球体43は、リング体44の球状内面孔45で包囲されて、リング体44に3次元方向に回動自在で支承される。このタイロッド40についても周知の技術により長さ調節自在となっている。
【0030】
以上の構成において、図8を用いて動作を説明する。
上下のピックアップ部17a,17b間を結ぶ線分gと上下方向の垂線rとのなすキャンバー角αを車体の内外方向(左右方向)にその傾きを調節するには、キャンバー角調節ロッド26のロッド体26aの両端のキャップ体38a,38bをいずれか一方に回動し、キャンバー角調節ロッド26を長く設定しつつ、ベアリング基体10を内側に傾けることで、ナックル14の線分gをその傾きが維持されたまま、矢印Mに示すようにハブ1を傾斜状態に設定することで、キャンバー角αを大きく設定でき、所定のキャンバー角αを得た状態でキャップ体38a,38bをナット39a,39bで締め付ける(図4参照)ことでキャンバー角αを固定状態に保持できる。
なお、図8中のTは車輪であり、この車輪Tのキャンバー角αが調節可能となっている。
【0031】
また、キャンバー角調節ロッド26を短く設定することで、車輪Tの線分g′を外側方向に設定するようにして、キャンバー角αを上記とは反対方向に小さく設定できる。あるいは、上記キャンバー角調節ロッド26の調節とは独立に、あるいはこの調節と同時にトウ角調節ロッド29を長く設定することで、図9の矢印Nに示すようにナックル14の後部側を車体方向に傾斜させて内向き状態のトウ角βを調節して固定状態に保持できる。
【0032】
ブレーキキャリパー調節ロッド32は、所定の長さの所で、両端のキャップ体38m,38nを締め付けることでブレーキキャリパー21を保持して、ブレーキ制動時にブレーキキャリパー21がブレーキディスクローター2の回転に追随してしまうことを阻止できる。
このようにベアリング部材16を介在させたことでハブ1をナックル14に対して3次元方向に相対的に回動できるので簡単な構成,操作によりキャンバー角α,トウ角βを得ることが可能となり、所定の直進性、安定性が得られる。また、本発明によれば、キャンバー角α及びトウ角βをそれぞれ調節しても、その調節の影響が互いに及ぶことがないため、従来問題となっていたバンプステア性能を変化させることなく所望のキャンバー角αやトウ角βに容易に調節できる。
【0033】
なお、本実施形態では、キャンバー角調節ロッド26を取付ける突片24,25は、ナックル14,回転筒部23の上部位置に設けるとして説明したが、それ等の下部位置に、又は上部,下部両位置に設けても良い。
また、トウ角調節ロッド29を取付ける突片27,28については後部位置だけに限らず、前部位置又は前後両位置に設けても良い。
また、キャンバー角調節ロッド26,トウ角調節ロッド29の端部は回転筒部23に取付けることに限定されず、ベアリング基体10の一部を車体方向に突出させて取付けても良く、要は、ナックル14に対してベアリング基体10を相対的に移動させることができる部分で、かつ、ハブの回転に追随して回動しない箇所であればどこであっても良い。なお、キャンバー角調節ロッド26,トウ角調節ロッド29がそれぞれ調節を行う向きに取り付けられることが好ましい。
【符号の説明】
【0034】
1 ハブ、2 ブレーキディスクローター、4 回転中心軸、5a 回転部材、
5b 回転部材、6a 内筒、6b 内筒、7a 小形回転部材、
7b 小形回転部材、8a 内筒、8b 内筒、9a 外筒、9b 外筒、
10 ベアリング基体、11 孔、12 球体、13 内面孔、14 ナックル、
15a 外筒、15b 外筒、16 ベアリング部材、17a 上部ピックアップ部、
17b 下部ピックアップ部、18a ピン、18b ピン、19a 球体、
19b 球体、20a 内面穴、20b 内面穴、21 ブレーキキャリパー、
21a アッパーアーム、21b ロアアーム、22 ボルト、23 回転筒部、
24 突片、25 突片、26 キャンバー角調節ロッド、26a ロッド体、
27 突片、28 突片、29 トウ角調節ロッド、29a ロッド体、30 突片、
31 突片、32 ブレーキキャリパー調節ロッド、32a ロッド体、
33a ナット、33b ナット、33c ナット、33d ナット、
33m ナット、33n ナット、34a 支持ピン、34b 支持ピン、
34c 支持ピン、34d 支持ピン、34m 支持ピン、34n 支持ピン、
35a 筒体、35b 筒体、35c 筒体、35d 筒体、35m 筒体、
35n 筒体、37a 球状穴、37b 球状穴、37c 球状穴、37d 球状穴、
37m 球状穴、37n 球状穴、38a キャップ体、38b キャップ体、
38c キャップ体、38d キャップ体、38e 球体、38f 球体、
38g 球体、38h 球体、38j ネジ孔、38k ネジ孔、
38m キャップ体、38n キャップ体、38p 球体、38q 球体、
38s ネジ孔、38t ネジ孔、38u ネジ孔、38v ネジ孔、
39a ナット、39b ナット、40 タイロッド、41 突片、42 ピン、
43 球体、44 リング体、45 球状内面孔、f 中心、g 線分、h 中心線、
r 垂線、T 車輪、α キャンバー角、β トウ角。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車輪のアライメントを調節するナックル調節装置であって、
ハブの中心軸の外周に回転可能にベアリング基体を取付け、このベアリング基体の外周に沿って球状に成形されてなる球体を設け、ナックル中央側に上記球体を包囲する内面孔を設け、上記球体と内面孔とによりベアリング部材を形成して、ナックルに対してハブを3次元方向に回動自在とし、所望の回動位置で固定して、キャンバー角、トウ角の少なくとも一方を得るようにしたことを特徴とするナックル調節装置。
【請求項2】
上記ナックルの上部又は下部のいずれか一方と、上記ハブの回転に追随しない個所との間に長さ調節可能なキャンバー角調節ロッドを設けてキャンバー角を調節可能とし、かつ、固定状態に設定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のナックル調節装置。
【請求項3】
上記ハブの中心軸に回転部材を設け、このハブの回転に追随しない回転部材に上記キャンバー角調節ロッドの球部を取付けたことを特徴とする請求項2に記載のナックル調節装置。
【請求項4】
上記ナックルの前部又は後部のいずれか一方とハブの回転に追随しない個所との間に長さ調節可能なトウ角調節ロッドを設けてトウ角を調節可能とし、かつ、固定状態に設定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載のナックル調節装置。
【請求項5】
上記ハブの中心軸に回転部材を設け、このハブの回転に追随しない回転部材に上記トウ角調節ロッドの球部を取付けたことを特徴とする請求項4に記載のナックル調節装置。
【請求項6】
上記ナックル調節装置のハブに設けたブレーキキャリパーをアッパーアーム又はロアアームの少なくとも一方に取り付ける長さ調節自在なブレーキキャリパー調節ロッドで支持するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5いずれかに記載のナックル調節装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−208441(P2010−208441A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55529(P2009−55529)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】