説明

ナビゲーションシステム、端末装置および端末装置の制御プログラム

【課題】サーバ装置の負担を軽減すること。
【解決手段】端末装置(ナビゲーション装置10)は、地図上における自己の現在位置を検出する検出手段(GPS受信部15)と、検出された現在位置を含む領域を地図上に設定し、当該領域の境界と道路を構成するノードまたはリンクとの交点を特定する特定手段 (CPU11)と、特定された交点から目的地までの経路を、サーバ装置70が有する地図情報に基づいて探索させ、得られた情報を受信する受信手段(通信部13)と、現在位置から交点までの経路を自己が有する地図情報に基づいて探索する探索手段(CPU11)と、サーバ装置が探索した経路と、探索手段が探索した経路に基づいて、現在位置から目的地までの経路を求め、経路案内をする案内手段(CPU11)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、端末装置および端末装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サーバ装置と端末装置を有するナビゲーションシステムに関する技術が開示されている。この技術では、サーバ装置において移動経路を探索し、移動経路に対応する道路を表すノードおよびリンクを含むマッチングメッシュ情報を端末装置に送信し、端末装置が経路案内を実行する。そして、現在位置が移動経路から外れた場合、あらかじめ取得したマッチングメッシュ情報に基づいて端末装置でリルート探索し、リルート探索できない場合にサーバ装置でリルート探索させる。
【特許文献1】特開2004−226215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献に記載された技術では、サーバ装置においてルート探索およびリルート探索の一部が実行されるため、サーバ装置に負担がかかるととともに、データの伝送に時間がかかるという問題点がある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、サーバ装置の負担を軽減することが可能なナビゲーションシステム、端末装置および端末装置の制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述課題を解決するため、本発明のナビゲーションシステムは、目的地までの経路案内を行う端末装置と、当該端末装置に対してネットワークを介して経路情報を送信するサーバ装置を有するナビゲーションシステムにおいて、前記端末装置は、地図上における自己の現在位置を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された現在位置を含む領域を地図上に設定し、当該領域の境界と、道路を構成するノードまたはリンクとの交点を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された前記交点から前記目的地までの経路を、前記サーバ装置が有する地図情報に基づいて探索させ、得られた情報を受信する受信手段と、前記現在位置から前記交点までの経路を自己が有する地図情報に基づいて探索する探索手段と、前記サーバ装置が探索した経路と、前記探索手段が探索した経路に基づいて、現在位置から目的地までの経路を求め、経路案内をする案内手段と、を有する、ことを特徴とする。
この構成によれば、サーバ装置の負担を軽減することが可能となる。
【0006】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記領域は、前記現在位置を中心とし、前記現在位置から前記目的地までの距離よりも短い半径を有する円形の領域であることを特徴とする。
この構成によれば、現在位置を中心して交点を容易に求めることができる。
【0007】
また、他の発明は、上記発明に加えて、経路の再探索を行う必要が生じた場合において、自己の現在位置が前記領域内にまだ存在するときには、前記案内手段は、前記サーバ装置から既に受信している経路と、前記探索手段によって新たに探索した前記領域内の経路とに基づいて、現在位置から目的地までの経路を求め、経路案内をすることを特徴とする。
この構成によれば、現在位置が領域内に存在する場合には、サーバ装置に対して経路探索を実行させないので、サーバ装置にかかる負担を更に軽減することができる。
【0008】
また、他の発明は、上記発明に加えて、経路の再探索を行う必要が生じた場合において、自己の現在位置が前記領域外になったときには、その時点における現在位置に基づいて新たな領域を設定し、当該領域に基づいて、現在位置から目的地までの経路を求め、経路案内をすることを特徴とする。
この構成によれば、現在位置が領域外に存在する場合には、再度領域を設定して再検索を実行することにより、最適な経路を正確に求めることができる。
【0009】
また、他の発明は、上記発明に加えて、自己の現在位置と目的地との間の距離が所定の値以下になった場合には、前記案内手段は、前記探索手段が探索した経路のみに基づいて、現在位置から目的地までの経路を求め、経路案内をすることを特徴とする。
この構成によれば、目的地に近づいた場合には、端末装置において検索を実行することにより、正確な最適経路を特定するとともに、細街路が多く存在する場合であっても、サーバ装置にかかる負担を軽減することができる。
【0010】
また、本発明は、目的地までの経路案内を行う端末装置と、当該端末装置に対してネットワークを介して経路情報を送信するサーバ装置とを有するナビゲーションシステムを構成する前記端末装置において、地図上における自己の現在位置を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された現在位置を含む領域を地図上に設定し、当該領域の境界と、道路を構成するノードまたはリンクとの交点を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された前記交点から前記目的地までの経路を、前記サーバ装置が有する地図情報に基づいて探索させ、得られた情報を受信する受信手段と、前記現在位置から前記交点までの経路を自己が有する地図情報に基づいて探索する探索手段と、前記サーバ装置が探索した経路と、前記探索手段が探索した経路に基づいて、現在位置から目的地までの経路を求め、経路案内をする案内手段と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、サーバ装置の負担を軽減することが可能となる。
【0011】
また、本発明は、目的地までの経路案内を行う端末装置と、当該端末装置に対してネットワークを介して経路情報を送信するサーバ装置とを有するナビゲーションシステムを構成する前記端末装置を制御する制御プログラムにおいて、地図上における自己の現在位置を検出する検出手段、前記検出手段によって検出された現在位置を含む領域を地図上に設定し、当該領域の境界と、道路を構成するノードまたはリンクとの交点を特定する特定手段、前記特定手段によって特定された前記交点から前記目的地までの経路を、前記サーバ装置が有する地図情報に基づいて探索させ、得られた情報を受信する受信手段、前記現在位置から前記交点までの経路を自己が有する地図情報に基づいて探索する探索手段、前記サーバ装置が探索した経路と、前記探索手段が探索した経路に基づいて、現在位置から目的地までの経路を求め、経路案内をする案内手段、としてコンピュータを機能させる。
このプログラムによれば、サーバ装置の負担を軽減することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、サーバ装置の負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
つぎに図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの構成例を示す図である。この図1に示すように、ナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置10(請求項中「端末装置」に対応)、基地局30、通信ネットワーク50、および、サーバ装置70を主要な構成要素としている。
【0014】
ここで、ナビゲーション装置10は、例えば、車両に搭載され、アンテナ12を介して基地局30および通信ネットワーク50を通じてサーバ装置70と通信を行い、サーバ装置70から目的地までの経路情報を取得する。また、ナビゲーション装置10は、目的地までの経路探索を行い、サーバ装置70から受信した経路情報と、自己が探索した経路情報に基づいて求めた経路に基づいて経路案内を実行する。
【0015】
基地局30は、例えば、携帯電話等と通信を行うための無線通信装置であり、所定の面積を有する通信エリア毎に設置され、当該通信エリア内に存在するナビゲーション装置10と無線通信によって情報を授受するとともに、通信ネットワーク50を介してサーバ装置70との間でパケットによって情報を授受する。
【0016】
通信ネットワーク50は、例えば、インターネット等によって構成され、基地局30とサーバ装置70との間で、情報をパケット化して伝送する。
【0017】
サーバ装置70は、地図情報を有しており、ナビゲーション装置10から経路探索の要求がなされた場合には、指定された地点間の経路を探索し、得られた情報を通信ネットワーク50を介してナビゲーション装置10に送信する。また、サーバ装置70は、通信ネットワーク50を介して図示せぬサーバ装置から、気象情報、渋滞情報、および、店舗情報等の情報を取得する。
【0018】
図2は、ナビゲーション装置10の詳細な構成例を示す図である。この図2に示すように、ナビゲーション装置10は、CPU(Central Processing Unit)11(請求項中「特定手段」、「探索手段」、および、「案内手段」に対応)、アンテナ12,14、通信部13(請求項中「受信手段」に対応)、GPS(Global Positioning System)受信部15(請求項中「検出手段」の一部に対応)、センサ部16(請求項中「検出手段」の一部に対応)、HDD(Hard Disk Drive)17、メモリ18、表示部19、入力部20、音声処理部21、I/F(Interface)22、および、バス23を有している。
【0019】
CPU11は、HDD17およびメモリ18に格納されているプログラムに基づいて、装置の各部を制御する中央制御装置である。通信部13は、アンテナ12を介して、基地局30との間で無線によって通信を行う。なお、図2の例では、通信部13は、ナビゲーション装置10と一体の構成とされているが、例えば、通信部13を独立した構成とし、必要に応じてナビゲーション装置10とI/F22を介して接続するようにしてもよい。具体的には、通信部13として、携帯電話を使用し、当該携帯電話を必要に応じてナビゲーション装置10に接続するようにしてもよい。
【0020】
GPS受信部15は、複数のGPS衛星(不図示)から送信される信号を受信し、当該信号に含まれているタイムスタンプに基づいて自己の位置を三角法によって測位し、自己の位置を示す情報(緯度、経度、および、高度等)を出力する。
【0021】
センサ部16は、例えば、ジャイロセンサ、車速パルスセンサ、および、イグニッションキーセンサ等によって構成される。ジャイロセンサは、例えば、車両のヨー軸、ロール軸、および、ピッチ軸方向の角速度を検出して出力する。車速パルスセンサは、車両の走行速度を示す速度信号としての車速パルスを検出して出力する。イグニッションキーセンサは、車両のイグニッションキーのポジション(OFF/ACC/ON/START)を検出して出力する。ここで、OFFはエンジンを停止した状態を示し、ACCはエンジンを始動せずに周辺装置(例えば、ナビゲーション装置10およびカーオーディオ)のみを動作可能とする状態を示し、ONはエンジンの回転を維持する状態を示し、STARTはエンジンを始動するためのスターターモーターを回転する状態を示す。
【0022】
HDD17は、記録媒体としてのハードディスクにデータを記録するとともに、記録されているデータを読み出す。図3(A)は、HDD17に記録されているデータの一例を示す図である。この図に示すにように、HDD17に記録されているデータとしては、地図情報17a、経路情報17b、探索プログラム17c、案内プログラム17d、および、OS(オペレーティングシステム)17eが主に存在する。ここで、地図情報17aは、例えば、名称情報、道路情報、背景情報、および、位置情報等を有している。具体的には、名称情報は、地名、施設名、および、交差点名を有している。道路情報は、道路の結節点(例えば、交差点、屈折点等)を示すノード、1組のノードを結ぶリンク、各ノードに付与された識別情報(例えば、ノードID)等によって構成される。背景情報は、道路以外の情報であって、地図上に表示される情報(例えば、建造物、河川、海、山等)である。位置情報は、地図の各点の緯度および経度等を示す情報である。経路情報17bは、経路探索の結果として得られた情報であり、現在地から目的地までの経路を示すノードおよびリンク等によって構成される。探索プログラム17cは、現在地から目的地(または後述する交点)までの経路探索を行うためのプログラムである。OS17eは、ファイル管理やデータの入出力の管理を行うためのプログラムであり、ナビゲーション装置10を制御する基本的なプログラムである。
【0023】
メモリ18は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成され、CPU11が実行する基本的なプログラムを格納するとともに、CPU11がプログラムを実行する際のワークエリアとして動作する。表示部19は、例えば、液晶ディスプレイ等によって構成され、CPU11から供給された情報を表示する。入力部20は、例えば、表示部19に重畳するように配置されたタッチパネルによって構成され、表示部19に表示された情報を参照しながら、入力部20を操作することにより、所望の情報を入力することができる。音声処理部21は、CPU11から供給された音声データを音声信号に変換した後、図示せぬスピーカから空気中に放音する。I/F22は、例えば、USB(Universal Serial Bus)等によって構成され、図示せぬ他の機器が接続され、当該他の機器との間で情報を授受する。バス23は、CPU11、通信部13、GPS受信部15、センサ部16、HDD17、メモリ18、表示部19、入力部20、音声処理部21、および、I/F22を相互に接続し、これらの間で、信号の授受を可能とする信号線群である。
【0024】
図4は、サーバ装置70の構成例を示すブロック図である。この図に示すように、サーバ装置70は、CPU71、HDD72、入力部73、メモリ74、表示部75、I/F76、および、I/F77を有している。ここで、CPU71は、HDD72およびメモリ74に格納されているプログラムに基づいて、装置の各部を制御する中央制御装置である。HDD72は、各種プログラムおよびデータを記録している。図3(B)は、HDD72に格納されている情報の一例を示す図である。この図に示すように、HDD72には、地図情報72a、経路情報72b、ユーザ認証情報72c、探索プログラム72d、および、OS72eが主に格納されている。ここで、地図情報72aは、ナビゲーション装置10のHDD17に格納されている地図情報71aと同様の情報である。経路情報72bは、サーバ装置70における経路探索によって得られた経路に関する情報である。ユーザ認証情報72cは、サーバ装置70にアクセスしてきたナビゲーション装置10が正当な使用権限を有するか否かを認証するための情報(例えば、IDおよびパスワード)である。探索プログラム72dは、後述するように、地図上に設定された円形領域とノードまたはリンクとの交点から目的地までの経路探索を行うプログラムである。OS72eは、ファイル管理やデータの入出力の管理を行うためのプログラムであり、サーバ装置70を制御する基本的なプログラムである。
【0025】
入力部73は、例えば、キーボードまたはマウス等の入力デバイスによって構成される。メモリ74は、例えば、ROMおよびRAM等の半導体メモリによって構成され、CPU71が実行する基本的なプログラムを格納するとともに、CPU71がプログラムを実行する際のワークエリアとして動作する。表示部75は、例えば、液晶ディスプレイ等によって構成され、CPU71から供給された情報を表示する。I/F76は、通信ネットワーク50を介して情報を授受する際のデータ形式の変換等を制御する。バス77は、CPU71、HDD72、入力部73、メモリ74、表示部75、および、I/F76を相互に接続し、これらの間で、信号の授受を可能とする信号線群である。
【0026】
つぎに、本発明の実施形態の動作について説明する。なお、以下では、図5〜7を参照して、本発明の実施形態の動作の概要について説明した後、図8〜11を参照して、本発明の実施形態の動作の詳細について説明する。
【0027】
図5は、本発明の実施形態の動作の概要を説明するための図である。本実施形態では、ナビゲーション装置10において目的地が入力されて、経路探索の要求なされた場合には、まず、ナビゲーション装置10が搭載された車両の現在位置を中心とする半径2kmの円形領域Cが地図上に設定される。そして、ナビゲーション装置10は、当該円形領域Cの境界Cbと、道路のノードまたはリンクとの交点P1〜P4を求める。そして、ナビゲーション装置10は、これらの交点P1〜P4と、目的地を特定するための情報(例えば、目的地の周辺に存在するノードもしくはリンクまたは目的地の緯度および経度を示す情報)をサーバ装置70に送信する。サーバ装置70では、交点P1〜P4から目的地までの経路SR1〜SR4が探索され、探索された経路SR1〜SR4をそれぞれ特定するための情報としての経路番号と、それぞれの経路のコストとがナビゲーション装置10に送信される。一方、ナビゲーション装置10では、現在地から交点P1〜P4までの経路が探索されコストが求められる。そして、ナビゲーション装置10は、現在地から各交点P1〜P4までのコストと、各交点P1〜P4から目的地までの経路のコストとの合計値を計算し、現在地から各交点P1〜P4を経由し、目的地までの経路のトータルのコストをそれぞれ算出し、コスト値が最も小さい経路を最適経路として選択する。具体的には、例えば、図6に示す経路TR1と、図5に示す経路SR1を結ぶ経路が最適経路として選択される。最適経路が選択されると、ナビゲーション装置10は、選択した最適経路に対応する経路番号(SR1)をサーバ装置70に送信し、サーバ装置70側で求めた最適経路に関する経路情報(ノードおよびリンクに関する情報)を取得し、ナビゲーション装置10側で求めた円形領域C内の経路(TR1)と合わせることにより、現在地から目的地までの経路情報を得る。ナビゲーション装置10は、当該経路情報に基づいて経路案内を実行する。
【0028】
ところで、経路案内を実行している際に、例えば、誤って経路を外れてしまった場合(例えば、図7に示すように経路を外れてしまった場合)であって、設定された円形領域C内に車両の現在位置が存在するときには、ナビゲーション装置10において、円形領域C内の再探索が実行されて新たな経路(例えば、図7に示す太線で示す経路)が探索されるとともに、交点P1を経由して目的地まで至る経路SR1(サーバ装置70から既に転送されている経路)に基づいて経路案内が実行される。これにより、円形領域C内に車両が存在する場合には、ナビゲーション装置10のみにおいて再探索が実行されるので、サーバ装置70に対する負荷を軽減するとともに、検索結果の送信に要する時間を短縮することができる。
【0029】
つぎに、図8〜11を参照して、本発明の実施形態の詳細な動作について説明する。図8は、ナビゲーション装置10において実行される処理の一例を説明するフローチャートである。なお、この図8の処理は、例えば、車両の搭乗者が入力部20を操作し、経路探索を実行する要求を行った場合に実行される。この図のフローチャートの処理が開始されると、ナビゲーション装置10のCPU11は、ステップS10において、目的地を入力するように促すメッセージを表示部19に表示する。この結果、搭乗者が入力部20を操作して、目的地を特定するための情報(例えば、目的地の地名、施設名、電話番号等)を入力した場合には、CPU11は、例えば、当該目的地の周辺に存在する道路のノードを特定する。
【0030】
ステップS11では、CPU11は、図9を参照して後述する並列探索処理を実行する。ここで、並列探索処理とは、図5を参照して概略を説明したように、現在地を中心とする円形領域Cを設定するとともに、当該円形領域の境界Cbと、道路のノードまたはリンクとの交点P1〜P4を特定する。そして、これらの交点P1〜P4を特定するための情報(例えば、ノードまたはリンクのID)と、目的地の周辺に存在するノードを特定するための情報とを、サーバ装置70に送信する。サーバ装置70では、交点P1〜P4から目的地までの経路探索を実行し、得られた複数の経路を特定するための情報(経路番号)と、各経路のコストとをナビゲーション装置10に送信する。ナビゲーション装置10では、現在地から交点P1〜P4までの経路を探索し、それぞれの経路のコストを算出する。すなわち、現在地から交点P1〜P4までの経路と、交点P1〜P4から目的地までの経路とは、ナビゲーション装置10とサーバ装置70において並列して探索される。そして、CPU11は、ナビゲーション装置10とサーバ装置70において求められた経路のコストを合計し、現在地から目的地に至る複数の経路それぞれのトータルのコストを計算し、コストが最も小さい経路を最適経路として選択する。最適経路が選択されると、ナビゲーション装置10は、当該最適経路に対する経路案内を開始する。すなわち、CPU11は、最適経路を経路情報17bとして登録するとともに、案内プログラム17dに基づいて、当該最適経路を案内する処理を実行する。
【0031】
ステップS12では、CPU11は、車両の現在位置が案内経路(案内中の最適経路)を外れたか否かを判定し、外れたと判定した場合(ステップS12;Yes)にはステップS13に進み、それ以外の場合(ステップS12;No)にはステップS14に進む。具体的には、CPU11は、GPS受信部15およびセンサ部16から得られる情報に基づいて車両の現在位置を特定し、当該現在位置が経路情報17bとして格納されている案内経路上に存在するか否かを判定し、存在している場合にはステップS14に進み、例えば、他の経路に外れた場合にはステップS13に進む。
【0032】
ステップS13では、CPU11は、図11を参照して後述する再探索処理を実行する。なお、再探索処理では、車両の現在位置が、前回の探索処理において設定された円形領域C内に存在する場合には、ナビゲーション装置10のみにおいて、円形領域C内の再探索を行い、交点から目的地までの探索については、サーバ装置70から受信済みの経路情報を利用する。また、車両の現在位置が、円形領域C外に存在する場合には、その時点における現在位置を中心とする円形領域Cを新たに設定するとともに、前述した並列探索処理によってナビゲーション装置10とサーバ装置70の双方において探索処理を実行し、得られた結果に基づいて経路の再設定を行う。
【0033】
ステップS14では、CPU11は、センサ部16からの出力を参照し、イグニッションキーがACC OFFの状態にされたか否か(車両が停車されたか否か)を判定し、ACC OFFの状態にされたと判定した場合(ステップS14;Yes)にはステップS15に進み、それ以外の場合(ステップS14;No)にはステップS17に進む。
【0034】
ステップS15では、CPU11は、センサ部16からの出力を参照し、イグニッションキーがACC ONの状態にされたか否か(車両のエンジンが再始動されたか否か)を判定し、ACC ONの状態にされたと判定した場合(ステップS15;Yes)にはステップS16に進み、それ以外の場合(ステップS15;No)には同様の処理を繰り返す。
【0035】
ステップS16では、CPU11は、図11を参照して後述する再探索処理を実行する。ここで、停車後に再出発する場合、停車中に道路の状態(渋滞状況等)が変化していることが多いので、再探索を実行することにより、変化後の状況に応じた最適な経路を選択することができる。なお、ステップS16の処理では、図11に示すように、円形領域C内に現在位置が存在する場合には、ナビゲーション装置10のみにおいて再探索が実行されるが、ステップS16の再探索処理については、現在位置が円形領域C内であるか否かに拘わらず、並列探索処理を実行するようにしてもよい。これにより、交点から目的地までの道路状況の変化にも対応することができる。
【0036】
ステップS17では、CPU11は、目的地までの距離が2km以内になったか否かを判定し、2km以内であると判定した場合(ステップS17;Yes)にはステップS18に進み、それ以外の場合(ステップS17;No)にはステップS19に進む。具体的には、現在地と目的地との間の距離(例えば、直線距離)が2km以内になった場合にはステップS18に進む。
【0037】
ステップS18では、CPU11は、ナビゲーション装置10において再探索処理を実行する。具体的には、CPU11は、現在位置から目的地までの経路を、HDD17に格納されている地図情報17aに基づいて再探索して最適経路を特定し、当該最適経路に基づいて経路案内を実行する。なお、探索によって最適経路が設定された後は、再探索の必要が生じた場合を除いて、設定された最適経路に基づいて経路案内が実行される。再探索の必要が生じる場合としては、例えば、経路を外れてしまった場合、道路状況が変化した場合等がある。これらの再探索の必要が生じた場合には、ナビゲーション装置10側において再探索処理が実行され、再探索によって得られた最適経路に基づいて、経路案内が実行される。
【0038】
ステップS19では、CPU11は、目的地に到着したか否かを判定し、到着したと判定した場合(ステップS19;Yes)には処理を終了し、それ以外の場合(ステップS19;No)にはステップS12に戻って前述の場合と同様の処理を実行する。
【0039】
以上の処理によれば、搭乗者によって経路探索が要求され、目的地が入力された場合には、円形領域Cが設定され、境界Cbとノードまたはリンクとの交点が求められる。そして、ナビゲーション装置10において現在地から交点までの経路探索が実行されるとともに、サーバ装置70において交点から目的地までの経路探索が並行して実行される。サーバ装置70における経路探索の結果は、ナビゲーション装置10に送信され、ナビゲーション装置10では、これらの経路探索の結果に基づいて、現在地から目的地までの最適経路を選択し、経路案内を実行する。また、車両が最適経路(案内経路)を外れてしまった場合であって現在位置が円形領域C内に存在する場合には円形領域C内のみをナビゲーション装置10において再探索し、経路案内を実行する。また、現在位置が円形領域C外に存在する場合には、その時点における現在位置に基づいて円形領域Cを設定するとともに、前述した並列探索処理を実行して経路案内を実行する。また、車両が停車された後にエンジンが始動された場合等には、経路を外れた場合と同様の再探索処理が実行される。さらに、現在位置が目的地から2km以内になった場合には、ナビゲーション装置10側で再探索処理が実行され、現在位置から目的地までの経路が設定され、案内が実行される。
【0040】
つぎに、図9を参照して、図8のステップS11に示す並列探索処理の詳細について説明する。なお、図9の左側に示すステップS30〜S41の処理はナビゲーション装置10において実行され、右側に示すステップS50〜S55の処理はサーバ装置70において実行される。この図9に示す処理が実行されると、以下のステップが実行される。
【0041】
ステップS30では、CPU11は、GPS受信部15およびセンサ部16の出力を参照し、車両の現在地の位置(現在位置)を特定する。
【0042】
ステップS31では、CPU11は、ステップS30において特定された現在位置を中心とする半径2kmの円形領域Cを設定する。この結果、図5に示すような円形領域Cが地図上に設定される。
【0043】
ステップS32では、CPU11は、ステップS31で設定された円形領域Cの境界Cbと道路を構成するノードまたはリンクとの交点を特定する。具体的には、CPU11は、地図情報17aを参照し、現在地から半径2kmの円上に存在するノードまたはリンクを求め、例えば、これらを特定するためのID(ノードIDまたはリンクID)を取得する。
【0044】
ステップS33では、CPU11は、目的地に関する情報(例えば、目的地の周辺に存在するノードのノードID)と、ステップS32で求めた交点に関する情報(例えば、リンクIDまたはノードID)をサーバ装置70に対して送信する。
【0045】
サーバ装置70では、ステップS50において、目的地と交点に関する情報をナビゲーション装置10から受信する。具体的には、サーバ装置70のCPU71は、I/F76を介してこれらの情報を受信する。
【0046】
ステップS51では、CPU71は、HDD72に格納されている地図情報72aを参照し、ステップS50において受信した、交点から目的地までの経路を探索する。具体的には、CPU71は、図5に示す交点P1〜P4から目的地までの経路を探索し、経路SR1〜SR4を求める。なお、各交点と目的地との間には複数の経路が存在する場合も想定されるが、そのような場合には後述するステップS52において算出されるコストが最も小さい経路を各交点に対しての最適経路として選択することができる。
【0047】
ステップS52では、CPU71は、ステップS51で求めた各経路のコストを計算する。具体的には、図5の場合には、経路SR1〜SR4に関するコストが算出される。なお、コストを計算する際には、各経路の距離、渋滞情報、工事情報等を数値化して加算することにより、計算することができる。
【0048】
ステップS53では、CPU71は、ステップS52において算出したコストその他の情報をHDD72に格納する。その結果、HDD72には、例えば、図10(A)に示すような情報が格納される。図10(A)の例は、経路番号、コスト、交点、および、経路データを有している。ここで、経路番号は、各経路に付与された番号であり、この例では「SR1」等の情報が格納されている。コストは、各経路のコスト値であり、この例では「2300」等の情報が格納されている。交点は、境界Cbとの交点を特定するための情報であり、この例では「P1」等の情報が格納されている。経路データは、各経路を示すノードIDまたはリンクIDを含む情報であり、この例では複数のノードIDまたはリンクIDによって構成される経路データを特定するための情報としての「SRD1」等が格納されている。
【0049】
ステップS54では、CPU71は、ステップS53において格納した情報を、I/F76を介してナビゲーション装置10に送信する。より具体的には、CPU71は、図10(A)に示す情報のうち、経路番号、コスト、および、交点をI/F76を介してナビゲーション装置10に送信する。
【0050】
一方、サーバ装置70において、ステップS51〜S53の処理が実行されている場合に、ナビゲーション装置10では、ステップS34〜S36の処理が並行して実行される。すなわち、ステップS34では、CPU11は、HDD17に格納されている地図情報17aを参照し、現在地から各交点までの経路を探索する。具体的には、CPU11は、現在地から交点P1〜P4までの経路を地図情報17aを参照して探索する。なお、現在地と各交点との間には複数の経路が存在する場合も想定されるが、そのような場合には後述するステップS35において算出されるコストが最も小さい経路を各交点に対しての最適経路として選択することができる。
【0051】
ステップS35では、CPU11は、ステップS34で求めた各経路のコストを計算する。具体的には、図6の場合には、現在地から交点P1〜P4までのコストが算出される。なお、コストを計算する際には、各経路の距離、渋滞情報、工事情報等を数値化して加算することにより、計算することができる。
【0052】
ステップS36では、CPU11は、ステップS35において算出したコストその他の情報をHDD17に格納する。その結果、HDD17には、例えば、図10(B)に示すような情報が格納される。図10(B)の例は、経路番号、コスト、交点、および、経路データを有している。ここで、経路番号は、円形領域C内において探索された各経路に付与された番号であり、この例では「TR1」等の情報が格納されている。コストは、各経路のコスト値であり、この例では「120」等の情報が格納されている。交点は、境界Cbとの交点を特定するための情報であり、この例では「P1」等の情報が格納されている。経路データは、各経路を示すノードIDまたはリンクIDを含む情報であり、この例では複数のノードIDまたはリンクIDによって構成される経路データを特定するための情報としての「TRD1」等が格納されている。
【0053】
ステップS37では、CPU11は、サーバ装置70から送信された情報を受信する。より具体的には、CPU11は、図10(A)に示す情報のうち、経路番号、コスト、および、交点の情報を受信する。
【0054】
ステップS38では、CPU11は、ステップS35においてナビゲーション装置10側で算出した円形領域C内の経路と、ステップS37において受信した交点から目的地までの経路とのコストを加算し、現在地から目的地までのトータルのコストを算出する。具体的には、図10に示すように、現在地から経路TR1を通過して交点P1を経由し、経路SR1を通過して目的地に至る経路のトータルのコストとして2420(=2300+120)が算出される。また、同様にして他の経路についてもトータルのコストが算出される。
【0055】
ステップS39では、CPU11は、ステップS38において求めたトータルのコストを参照し、最適経路を選択する。具体的には、図10の例では、トータルのコストが最も小さい、現在地から経路TR1を通過して交点P1を経由し、経路SR1を通過して目的地に至る経路が最適経路として選択される。
【0056】
ステップS40では、CPU11は、ステップS39において選択した最適経路に対応する経路(交点から目的地までの経路)の情報をサーバ装置70に対して送信するように要求する。この結果、サーバ装置70では、ステップS55においてこの要求を受信し、最適経路に対応する経路の情報を送信する。いまの例では、現在地から経路TR1を通過して交点P1を経由し、経路SR1を通過して目的地に至る経路が最適経路として選択されているので、経路SR1の経路情報(経路データSRD1)が送信される。なお、経路データSRD1は、経路SR1を構成するノードIDまたはリンクIDによって構成される。
【0057】
ステップS41では、CPU11は、ステップS40において選択された最適経路に基づいて経路案内を実行する。
【0058】
以上の処理によれば、現在地を中心とする円形領域Cを設定し、円形領域の境界Cbと道路との交点を求める。そして、現在地から交点までの経路をナビゲーション装置10において探索するとともに、交点から目的地までの経路をサーバ装置70において探索する。そして、ナビゲーション装置10とサーバ装置70とにおいて並行して実行された経路探索の結果に基づいて、トータルのコストが計算されて最適経路が選択され、最適経路に基づいて経路案内が実行される。
【0059】
つぎに、図11を参照して、図5のステップS13およびステップS16に示す再探索処理の詳細について説明する。図11に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。すなわち、ステップS70では、CPU11は、GPS受信部15およびセンサ部16の出力を参照して、車両の現在位置を特定する。
【0060】
ステップS71では、CPU11は、車両の現在位置が円形領域C内に存在するか否かを判定し、存在する場合(ステップS71;Yes)にはステップS72に進み、それ以外の場合(ステップS71;No)にはステップS73に進む。
【0061】
ステップS72では、CPU11は、図5に示す円形領域C内において、車両の現在位置から交点までの経路を再探索する。具体的には、図5および図10に示す例では、最適経路としてSR1が選択されているので、車両の現在地から交点P1までの経路が、ナビゲーション装置10において再探索される。例えば、図6に示す経路が設定されている場合において、当該経路を外れてしまったときには、図7に示すように車両の現在地から交点P1までの新たな経路が設定されることになる。
【0062】
ステップS73では、CPU11は、図9に示す並列探索処理を実行する。具体的には、車両のその時点における現在位置を中心とする新たな円形領域Cが設定され、当該円形領域Cの境界Cbと道路との交点が求められる。そして、前述したように、サーバ装置70とナビゲーション装置10とで並行して経路の探索が実行され、最適経路が新たに選択される。
【0063】
ステップS74では、CPU11は、ステップS72またはステップS73において設定された経路に基づいて経路案内を実行する。
【0064】
以上の処理によれば、車両の現在位置が前回設定した円形領域C内に存在する場合には、円形領域C内の経路探索がナビゲーション装置10のみにおいて実行され、円形領域C外に存在する場合には、新たな円形領域Cが設定され、図9に示す並列探索処理が実行されて最適経路が選択される。
【0065】
以上に説明したように、本発明の実施形態によれば、車両の現在位置を中心とする領域を設定するとともに、当該領域の境界と道路との交点を求め、現在位置から交点までをナビゲーション装置10で探索し、交点から目的地までをサーバ装置70で探索し、これらの探索結果に基づいて、最適経路を選択するようにしたので、サーバ装置70で実行する探索処理を経路の一部とすることにより、サーバ装置70に係る負担を軽減するとともに、通信に要する時間を短縮することができる。特に、交点から目的地までの経路は、一般的に幹線道路等であることが多いので、現在地の周辺のように細街路が多い場所を探索対象から除外することにより、サーバ装置70にかかる負担を軽減することができる。
【0066】
また、ステップS54において、サーバ装置70から送信する情報は、経路情報そのものを含んでいないので、通信に要する時間を短縮することができる。
【0067】
また、領域として現在位置を中心とする円形の領域を用いるようにしたので、現在位置の緯度および経度から所定の半径だけ離れた緯度および経度の位置に存在するノードまたはリンクを特定することにより、交点を簡単に求めることができる。
【0068】
また、再探索が必要になった場合において、現在位置が円形領域C内に存在するときには、円形領域C内のみを再探索するとともに、交点から目的地まではサーバ装置70から既に受信した情報を用いるようにしたので、再探索時においても、サーバ装置70にかかる負担を軽減するとともに、通信に要する時間を短縮することができる。
【0069】
また、再探索が必要になった場合において、現在位置が円形領域C外に存在するときには、新たな円形領域を設定するとともに、並列探索処理によって最適経路を求めるようにしたので、円形領域から外れた場合であっても、最適な経路を設定することができる。
【0070】
また、目的地までの距離が所定の距離以下になった場合には、現在地から目的地までの経路を、ナビゲーション装置10のみにおいて探索するようにしたので、処理に負担がかかる細街路の探索をサーバ装置70に実行させないため、サーバ装置70に係る負担を軽減できるとともに、通信にかかる時間を短縮することができる。
【0071】
以上の説明においては、現在地を含む領域としては半径2kmの円形領域を設定するようにしたが、円形以外の領域(例えば、矩形領域等)を用いるようにしてもよい。また、2km未満または2km以上であってもよい。さらに、領域の大きさは、2kmに固定する必要はなく、例えば、現在地と目的地との間の距離の長短に応じて可変するようにしてもよい。例えば、現在地と目的地との間の距離が短い場合には半径を小さくし、その逆の場合には半径を大きくするようにしてもよい。
【0072】
また、並列探索処理を実行する場合としては、例えば、交点から目的地までの経路の交通状況が変化した場合をトリガとして、探索処理を実行するようにしてもよい。
【0073】
また、以上の実施形態では、端末装置がナビゲーション装置10である場合を例に挙げて説明したが、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)、または、それ以外の電子機器を端末装置として利用することも可能である。
【0074】
また、以上の実施形態では、ナビゲーション装置10とサーバ装置70の地図情報は同じであるとして説明したが、例えば、地図情報に複数のバージョンが存在する場合には、最新のバージョンをサーバ装置70からナビゲーション装置10に送信してこれらの一致を図るようにしたり、あるいは、ナビゲーション装置10から地図情報のバージョンを示す情報を送信し、サーバ装置70が対応するバージョンの地図情報を選択して使用するようにしたりしてもよい。
【0075】
また、以上の実施形態では、全ての交点に関する情報をサーバ装置70からナビゲーション装置10に送信するようにしたが、コストが小さい方から数種類(例えば、2〜4種類)の経路を選択して、選択して経路のみを送信するようにしてもよい。
【0076】
また、以上の実施形態では、停車状態をACCのON/OFFによって判定するようにしたが、これ以外の情報(例えば、パーキングブレーキまたは車速パルスの有無)等に基づいて判定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本実施の形態に係るナビゲーションシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】ナビゲーション装置とサーバ装置のHDDに格納される情報の一例である。
【図4】サーバ装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】本実施形態の経路探索の動作例を示す図である。
【図6】本実施形態の経路探索の動作例を示す図である。
【図7】本実施形態の再探索の動作例を示す図である。
【図8】図1に示すナビゲーション装置において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8に示す並列探索処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図10】サーバ装置とナビゲーション装置における経路探索によって得られる経路情報の一例である。
【図11】図8に示す再探索処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
10 ナビゲーション装置
11 CPU
12,14 アンテナ
13 通信部
15 GPS受信部
16 センサ部
17 HDD
18 メモリ
19 表示部
20 入力部
21 音声処理部
22 I/F
23 バス
30 基地局
50 通信ネットワーク
70 サーバ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの経路案内を行う端末装置と、当該端末装置に対してネットワークを介して経路情報を送信するサーバ装置を有するナビゲーションシステムにおいて、
前記端末装置は、
地図上における自己の現在位置を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された現在位置を含む領域を地図上に設定し、当該領域の境界と、道路を構成するノードまたはリンクとの交点を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された前記交点から前記目的地までの経路を、前記サーバ装置が有する地図情報に基づいて探索させ、得られた情報を受信する受信手段と、
前記現在位置から前記交点までの経路を自己が有する地図情報に基づいて探索する探索手段と、
前記サーバ装置が探索した経路と、前記探索手段が探索した経路に基づいて、現在位置から目的地までの経路を求め、経路案内をする案内手段と、を有する、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記領域は、前記現在位置を中心とし、前記現在位置から前記目的地までの距離よりも短い半径を有する円形の領域であることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1または2記載のナビゲーションシステムにおいて、
経路の再探索を行う必要が生じた場合において、自己の現在位置が前記領域内にまだ存在するときには、前記案内手段は、前記サーバ装置から既に受信している経路と、前記探索手段によって新たに探索した前記領域内の経路とに基づいて、現在位置から目的地までの経路を求め、経路案内をすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
請求項3記載のナビゲーションシステムにおいて、
経路の再探索を行う必要が生じた場合において、自己の現在位置が前記領域外になったときには、その時点における現在位置に基づいて新たな領域を設定し、当該領域に基づいて、現在位置から目的地までの経路を求め、経路案内をすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載のナビゲーションシステムにおいて、
自己の現在位置と目的地との間の距離が所定の値以下になった場合には、前記案内手段は、前記探索手段が探索した経路のみに基づいて、現在位置から目的地までの経路を求め、経路案内をすることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
目的地までの経路案内を行う端末装置と、当該端末装置に対してネットワークを介して経路情報を送信するサーバ装置とを有するナビゲーションシステムを構成する前記端末装置において、
地図上における自己の現在位置を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された現在位置を含む領域を地図上に設定し、当該領域の境界と、道路を構成するノードまたはリンクとの交点を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された前記交点から前記目的地までの経路を、前記サーバ装置が有する地図情報に基づいて探索させ、得られた情報を受信する受信手段と、
前記現在位置から前記交点までの経路を自己が有する地図情報に基づいて探索する探索手段と、
前記サーバ装置が探索した経路と、前記探索手段が探索した経路に基づいて、現在位置から目的地までの経路を求め、経路案内をする案内手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項7】
目的地までの経路案内を行う端末装置と、当該端末装置に対してネットワークを介して経路情報を送信するサーバ装置とを有するナビゲーションシステムを構成する前記端末装置を制御する制御プログラムにおいて、
地図上における自己の現在位置を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された現在位置を含む領域を地図上に設定し、当該領域の境界と、道路を構成するノードまたはリンクとの交点を特定する特定手段、
前記特定手段によって特定された前記交点から前記目的地までの経路を、前記サーバ装置が有する地図情報に基づいて探索させ、得られた情報を受信する受信手段、
前記現在位置から前記交点までの経路を自己が有する地図情報に基づいて探索する探索手段、
前記サーバ装置が探索した経路と、前記探索手段が探索した経路に基づいて、現在位置から目的地までの経路を求め、経路案内をする案内手段、
としてコンピュータを機能させるコンピュータ読み取り可能な制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−210332(P2010−210332A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55144(P2009−55144)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】