説明

ナビゲーション装置、車両、及びナビゲーションプログラム

【課題】ユーザが必要とする可能性の高い地点情報を検索結果にて優先的に表示する。
【解決手段】検索語入力画面100は、検索語入力欄101を有しており、文字ボタンからの文字入力、「たこやき(ジャンル)」など、キーワードボタンからのキーワード入力ができるようになっている。関連キーワードデータファイル57には、「たこやき(ジャンル)−おおさか(住所)」などと、属性が設定されたキーワードが関連づけられている。検索結果表示欄201では、「たこやき(ジャンル)−おおさか(住所)」など、関連キーワードデータファイル57で関連づけられた検索語の組によりヒットした地点情報が上位に表示されるようになっている。このように、ナビゲーション装置は、ユーザの求める可能性の高い地点情報を優先的に表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、車両、及びナビゲーションプログラムに関し、例えば、地点情報を検索するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーション装置によって車両を誘導することが盛んに行われている。
ナビゲーション装置は、目的地の検索機能、目的地点の設定機能、出発地から目的地までの経路を探索する機能、GPS(Global Positioning System)衛星やジャイロなどのセンサを用いて自車両の位置を検出する機能、及び目的地までの経路と自車両の現在位置を地図上に表示する機能などを備えている。
【0003】
ナビゲーション装置には、例えば、特許文献1のように、複数のキーワードから地点情報を検索する場合に、ユーザが入力したキーワードの単語の一致によって検索するものや、特許文献2のように、検索結果を表示する際に、自車位置から距離順、50音順、地点の位置順や現在日時等に基づいて、必要とされる可能性の高い地点情報を優先的に表示するものや、更に、特許文献3のように、入力中のキーワードに関連のあるキーワードを予測して表示することにより入力操作を簡単にするものがある。
しかし、これらの技術では、ユーザが求める検索結果を出すためには、より絞り込むために的確な検索語を入力する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−271084号公報
【特許文献2】特開2009−14704号公報
【特許文献3】特開2009−14703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、ユーザが必要とする可能性の高い地点情報を検索結果にて優先的に表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)請求項1に記載の発明では、選択された地点情報を用いて当該地点情報に係る地点までの経路を探索し案内を行うナビゲーション装置であって、地点情報を記憶する地点情報記憶手段と、前記記憶した地点情報を検索するための検索語を記憶する検索語記憶手段と、複数の検索語を入力する検索語入力手段と、前記入力された複数の検索語に該当する地点情報を検索する検索手段と、前記検索した地点情報のリストを作成して表示するリスト作成手段と、前記表示したリストから案内対象となる地点情報を選択する選択手段と、を具備し、前記検索語記憶手段は、複数の検索語を関連づけて記憶し、前記リスト作成手段は、前記入力された複数の検索語から前記関連づけられた検索語の組を特定し、当該特定した検索語の組により検索された地点情報を、検索された他の地点情報よりも優先してリスト表示することを特徴とするナビゲーション装置を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記リスト作成手段は、前記特定した検索語の組により検索された地点情報のうちの所定の個数を上位にリスト表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記地点情報記憶手段は、地点情報の属性として地点の名称、地点の住所、及びジャンルを記憶しており、前記検索語記憶手段は、地点の名称、地点の住所、及びジャンルに関する文字列を検索語として記憶することを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のナビゲーション装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記検索語記憶手段は、地点の名称、地点の住所、及びジャンルに関する検索語について異なる属性間での関連づけを行い記憶することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、前記検索語記憶手段は、地点の住所に関する検索語と、当該地点の住所と関連性のあるジャンルに関する検索語の関連づけを行い記憶することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、前記検索語記憶手段は、地点の名称に関する検索語と、当該地点の名称と関連性のあるジャンルに関する検索語の関連づけを行い記憶することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置を提供する。
(7)請求項7に記載の発明では、請求項1から請求項6までのうちの何れか1の請求項に記載のナビゲーション装置を備えた車両を提供する。
(8)請求項8に記載の発明では、地点情報を記憶する地点情報記憶手段と、前記記憶した地点情報を検索するための検索語と複数の前記検索語を関連づけて記憶する検索語記憶手段と、を備えたコンピュータに、選択された地点情報を用いて当該地点情報に係る地点までの経路を探索し案内を行う機能を発揮させるナビゲーションプログラムであって、複数の検索語を入力する検索語入力機能と、前記入力された複数の検索語に該当する地点情報を検索する検索機能と、前記検索した地点情報のリストを作成して表示するリスト作成機能と、前記表示したリストから案内対象となる地点情報を選択する選択機能と、をコンピュータに発揮させ、前記リスト作成機能は、前記入力された複数の検索語から前記関連づけられた検索語の組を特定し、当該特定した検索語の組により検索された地点情報を、検索された他の地点情報よりも優先してリスト表示することを特徴とするナビゲーションプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
(1)請求項1に記載の発明では、検索語間の関連を予め記憶しておくことにより各連づけられた検索語の組を特定することができるため、関連づけられた検索語の組によって検索された地点情報を上位に表示することができ、これによって、ユーザが求めていると思われる検索結果を上位に表示することができる。
(2)請求項2に記載の発明では、関連づけされた検索語の組で検索された地点情報のうち所定個数を検索結果で上位にリスト表示することができる。
(3)請求項3に記載の発明では、地点情報の属性として地点の名称、地点の住所、及びジャンルを記憶し、これら属性に関する文字列を検索語として記憶することができる。
(4)請求項4に記載の発明では、属性が設定された検索語を用いて、異なる属性の組み合わせによっても地点情報を検索することができる。
(5)請求項5に記載の発明では、地点の住所とジャンルに関する検索語の組み合わせによって地点情報を検索することができる。
(6)請求項6に記載の発明では、地点の名称とジャンルに関する検索語の組み合わせによって地点情報を検索することができる。
(7)請求項7に記載の発明では、請求項1から請求項6の何れか1の請求項に記載のナビゲーション装置を搭載した車両を提供することができる。
(8)請求項8に記載の発明では、コンピュータに請求項1に記載のナビゲーション装置としての機能を発揮させるためのナビゲーションプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ナビゲーション装置の概要を説明するための図である。
【図2】ナビゲーション装置のシステム構成図である。
【図3】目的地データファイルの論理的な構成を示した図である。
【図4】通常キーワードデータファイルと関連キーワードデータファイルの論理的な構成を示した図である。
【図5】検索語入力画面での入力を説明するための図である。
【図6】検索語入力画面と検索結果画面を説明するための図である。
【図7】検索順位の設定方法を説明するための図である。
【図8】地点情報を検索する手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】検索語入力処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】検索処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)実施形態の概要
図1は、ナビゲーション装置が検索結果を提示する仕組みの概要について説明するための図である。
検索語入力画面100は、検索語入力欄101を有しており、「あ」「い」、・・・などの文字ボタン108からの文字入力、「たこやき(ジャンル)」などのキーワードボタン104〜106からのキーワード入力ができるようになっている。
検索語入力欄101に設定される検索語には、例えば、店舗名などの地点情報に係る施設などの名称、レストランや遊園地といった地点情報に係る施設などが属するジャンル、地点情報に係る施設などが所在する住所のうちの何れかの属性が設定されている。
【0010】
検索語入力欄101に入力する検索語は、文字ボタン108、又は、その下に設けられたキーワードボタン104〜106から入力することができる。
文字ボタン108から入力される文字列は、デフォルトとして属性が名称に設定される。なお、ユーザが属性を選択してから文字入力をし、当該属性にて検索語の属性を設定してもよい。
【0011】
通常キーワードデータファイル58には、例えば、「たこやき(名称)」などと、属性が設定されたキーワードが記憶されており、関連キーワードデータファイル57には、「たこやき(ジャンル)−おおさか(住所)」などと、属性が設定されたキーワードが関連づけられている。
【0012】
ナビゲーション装置は、検索語入力欄101に文字が入力されると、これと前方一致するキーワードを通常キーワードデータファイル58から検索して属性と共にキーワードボタンに表示し、ユーザがキーワードボタンを選択すると、当該属性に係るキーワードが検索語として検索語入力欄101に入力される。
【0013】
また、ナビゲーション装置は、検索語入力欄101に検索語が入力されると、これに関連するキーワードを関連キーワードデータファイル57で検索してキーワードボタン104〜106に表示し、ユーザがキーワードボタン104〜106の何れかを選択すると、当該属性に係るキーワードが検索語として検索語入力欄101に入力される。
【0014】
このように、ナビゲーション装置は、「たこやき」、「おおさか」といったような、ユーザが入力する可能性の高い一続きの文字列からなる検索語を予めキーワードとして記憶しており(即ち、キーワードは、検索語の概念に含まれる)、これを表示してユーザに選択させることによりユーザの検索語入力の負担を軽減させる。
【0015】
そして、検索語入力欄101に検索語が入力された後、ユーザが完了ボタン107を選択するとナビゲーション装置は、当該検索語にて目的地データファイル56から地点情報を検索し、検索結果を検索結果画面200に表示する。
目的地データファイル56では、例えば、「たこやき(ジャンル)、おおさか(地名)、たこのたこたろう(名称)」などと、属性ごとに検索語がヒットするようになっており、ナビゲーション装置は、検索語の複数の属性に渡って地点情報を検索することができる。
【0016】
また、検索結果表示欄201では、「たこやき(ジャンル)−おおさか(住所)」など、関連キーワードデータファイル57で関連づけられた検索語の組により(即ち、関連キーワードデータファイル57で関連づけられた検索語のAND条件(論理積)により)ヒットした地点情報が検索結果として上位に設定され、上位に表示されるようになっている。
このように、ナビゲーション装置は、ユーザが入力しそうなキーワードの組を予め関連キーワードデータファイル57で関連づけておき、これを用いて地点情報を検索、及び検索結果の表示を行うことにより、ユーザの求める可能性の高い地点情報を優先的に表示することができる。
【0017】
このように、ナビゲーション装置は、属性が設定されたキーワードを別属性のキーワードを含めて関連づけ、キーワードが入力された際に関連のあるキーワードを予測候補として表示し、キーワード補完することができる。
これにより、例えば、「たこやき(ジャンル)」→「おおさか(住所)」、「ねずみー(名称)」→「ちば(住所)」、「ゆうえんち(ジャンル)」が予測候補表示される。
このように、ユーザが別属性のキーワードによる絞り込みを行おうとした場合に必要なキーワードが候補表示されるので、操作性が向上する。
【0018】
また、ナビゲーション装置は、上記のようにキーワードと他のキーワードとに関連がある場合には特定の関連情報を持たせると共に、検索で複数のキーワードの入力を受け付け、その中で関連のあるキーワードが入力されていた場合、その関連のあるキーワードの検索結果をリストの上位にリスト優先表示する。
これにより、例えば、「おおさか(住所)」、「うどん(ジャンル)」「たこやき(ジャンル)」と入力すると、大阪のたこ焼き店が優先的に表示され、ユーザが地点情報を探す際のスクロール操作の手間を軽減することができる。
【0019】
(2)実施形態の詳細
図2は本実施形態が適用されるナビゲーション装置のシステム構成図である。
このナビゲーション装置は、車両に搭載され、この図2に示すように、現在位置検出装置10、情報処理制御装置20、入出力装置40及び情報記憶装置50とを備えている。
【0020】
現在位置検出装置10は、以下のように構成されている。
方位センサ12は、基準角度(絶対方位)に対して、相対的に変化した角度を検出する手段であり、本実施形態では、角速度を利用して角度の変化を検出するジャイロセンサを使用している。なお、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリューム或いは車輪部に取り付ける角度センサでもよい。また、方位センサ12として、例えば、磁石に基づいてN方向の検出から、車両が何れの方向に位置するかを検出する地磁気センサであり、絶対方位を検出する手段であってもよい。
【0021】
距離センサ13は、車両の移動距離を計測できる手段であり、例えば、車輪の回転を検出して計数するものや、加速度を検出して2回積分するものを使用する。
GPS(グローバル・ポジショニング・システム)受信装置14は、人工衛星からの信号を受信する装置であり、信号の発信時刻、受信装置の位置情報、受信装置の移動速度、受信装置の進行方向など様々な情報を得ることができる。
【0022】
情報処理制御装置20は、現在位置検出装置10、入出力装置40から入力される情報及び情報記憶装置50に格納された情報に基づいて演算及び制御を行うとともに、演算結果をディスプレイ42、プリンタ43またはスピーカ44等の出力手段に出力するように制御する手段である。
【0023】
この情報処理制御装置20は、以下のように構成されている。
中央処理装置(CPU)21は、ナビゲーション装置全体の総括的な演算及び制御を行う。
ROM22は、目的地までの経路の探索、表示案内や音声案内等のナビゲーションに関するプログラムや、本実施形態に係る検索語入力支援、検索結果表示機能を発揮するプログラム等の各種プログラムを格納している。なお、ROM22を第1ROMと第2ROMの2つに分け、第2ROMに音声案内に関するナビゲーションプログラムを格納し、他のプログラムを第1ROMに格納するようにしてもよい。
【0024】
RAM24は、入力装置41により入力された目的地の情報、通過地点の情報等の利用者が入力した情報を記憶すると共に、利用者の入力情報に基づいてCPU21により演算された結果や、経路探索された結果、または情報記憶装置50から読み込まれた地図情報を格納するための記憶手段である。
【0025】
センサ入力インターフェイス23は、方位センサ12、距離センサ13と接続されており、これらから方位情報、距離情報を取得する。
通信インターフェイス25は、伝送路45を介して各種情報の入出力するための手段である。具体的には、伝送路45を介して、GPS受信装置14、入力装置41、プリンタ43、情報記憶装置50が接続される。
時計28は、例えば、水晶振動子などを用いて構成されており、発振によってナビゲーション装置の各部の動作タイミングを提供したりする。
その他、CPU21で処理されたベクトル情報を画像情報に処理するための画像処理専用の画像プロセッサ、画像プロセッサで処理された画像情報を格納する画像メモリ、情報記憶装置50から読み込まれた音声情報を処理しスピーカ44に出力する音声処理専用の音声プロセッサを配設するようにしてもよい。
【0026】
入出力装置40は、利用者により目的地、通過地点、探索条件等のデータを入力する入力装置41、画像を表示するディスプレイ42、情報を印刷するプリンタ43、音声を出力するスピーカ44より構成される。
入力装置41は、例えば、タッチパネル、タッチスイッチ、ジョイスティック、キースイッチ等で構成される。
ディスプレイ42には、現在地周辺の地図や、目的地までの走行経路が表示される。
なお、入出力装置40は、プリンタ43を有しない構成としてもよい。
【0027】
情報記憶装置50は、伝送路45を介して情報処理制御装置20に接続される。
情報記憶装置50は、地図データファイル51、目的地データファイル56、関連キーワードデータファイル57、通常キーワードデータファイル58、その他のデータファイルを格納している。
この情報記憶装置50は、一般的には、光学的記憶媒体であるDVD−ROM、CD−ROMや磁気的記憶媒体であるハードディスクなどで構成されるが、光磁気ディスク、各種半導体メモリなどの各種情報記憶媒体で構成してもよい。
なお、書き換えが必要な情報については、書き換え可能なハードディスク、フラッシュメモリなどで構成し、その他の固定的な情報についてはCD−ROM、DVD−ROMなどのROMを使用するようにしてもよい。
【0028】
地図データファイル51には、ナビゲーションにおける地図表示、経路探索、経路案内に必要な各種データとして、地図データ、道路データ、目的地データ、案内地点データ、詳細目的地データその他のデータが記憶されている。
地図データとしては、全国道路地図、各地域の道路地図または住宅地図等が記憶されている。道路地図は、主要幹線道路、高速道路、細街路等の各道路と地上目標物(施設等)から構成される。住宅地図は、地上建造物等の外形を表す図形及び、道路名称等が表示される市街図である。細街路とは、例えば、国道、県道以下の道幅が所定値以下の比較的狭い道路である。
地図データは、車両現在位置やユーザに指定された地点を含む、所定縮尺による一定範囲の地図がディスプレイ42に表示される。この地図上には、車両の現在位置や指定された地点が表示される。
【0029】
道路データは、各道路の位置と種類及び車線数及び各道路間の接続関係等の道路に関するデータで、ノードデータとリンクデータで構成される。この道路データは、経路探索やマップマッチングに使用されると共に、探索した走行経路を地図データ上に重ねて表示する場合にも使用される。
ノードデータは、地図上において経路探索に利用される各ノードの地理座標データ等を表したデータである。
例えば、交差点などの道路の接続点はノードにより表され、接続点の間の道路(即ち道路のうち分岐しない領域)はリンクによって表される。このように、ノードデータ経路の接続関係を表した経路データとして機能している。
なお、進入禁止や一方通行など、交通規制により走行が制限されるものに関しては、これを表す属性が、各リンクに付与されているが、これらの属性については、交差点ノードに付与するようにしてもよい。
ノードデータは、各交差点に対して常に設定される交差点ノードと共に、各交差点間の特徴的な点(例えば、カーブの開始、中間、終了の各地点や、高度が変化する地点など)に補助的に設定される場合がある補助ノードが存在する。交差点ノードには、交差点の地理的位置座標や名称等の交差点に関する情報が含まれる。
【0030】
目的地データは、主要観光地や建物、電話帳に記載されている企業・事業所等の目的地になる可能性の高い場所や施設等の位置と名称等のデータである。
案内地点データは、道路に設置されている案内表示板の内容や分岐点の案内等、案内が必要とされる地点の案内データである。
詳細目的地データは、目的地データに保存される各施設等に関する詳細なデータ、例えば、総合ビルにおける各テナントのデータ、施設の駐車場や出入り口の情報などが目的地の各データと関連づけて別途保存される。なお、この詳細目的地データは目的地データに纏めて保存するようにしてもよい。
【0031】
その他のデータファイルには、例えば、各種施設や観光地、または主要な交差点等の視覚的表示が要求される場所を写した写真の画像データや、設定した走行経路を音声により案内する場合の音声データ等が記憶されている。
【0032】
このように構成されたナビゲーション装置では、次のようにして経路案内が行われる。
ナビゲーション装置は、現在位置検出装置10で現在位置を検出し、情報記憶装置50の地図データファイル51から現在位置周辺の地図情報を読み込みディスプレイ42に表示する。
そして、入力装置41から目的地が入力されると、情報処理制御装置20は、現在位置から目的地に至る走行経路の候補を複数探索(演算)し、ディスプレイ42に表示した地図上に表示し、運転者が何れかの走行経路を選択すると、選択した走行経路をRAM24に格納することで、走行経路を取得する(走行経路取得手段)。
【0033】
なお、情報処理制御装置20は、情報処理センタに車両現在位置(又は入力された出発地)と目的地を送信し、情報処理センタで探索された目的地までの走行経路を受信することにより走行経路を取得するようにしてもよい。この場合、目的地や走行経路の通信は通信インターフェイス25を介して、無線通信により行う。
また、自宅等のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を使用して、出発地から目的地までの走行経路を探索し、USBメモリ等の記憶媒体に格納し、該記憶媒体読取り装置を介して取得するようにしてもよい。この場合の記憶媒体読取装置は伝送路45を介して情報処理制御装置20に接続される。
【0034】
車両が走行すると、現在位置検出装置10によって検出された現在位置を追跡することにより、経路案内を行う。
経路案内は、探索した走行経路に対応する道路データと現在位置検出装置10で検出される現在位置とのマップマッチングにより地図上の車両位置を特定し、車両現在位置周辺の地図をディスプレイ42に表示し、探索した走行経路を地図上に表示すると共に、車両の現在位置を示す現在位置マークを地図上に表示する。
また、探索した走行経路と現在位置との関係から、案内の必要性、即ち直進が所定距離以上続く場合、所定の進路変更地点等の走行経路の案内、及び方面案内が必要か否か等について判断し、必要である場合にはディスプレイ42の表示及び音声による案内を実行する。
【0035】
図3は、目的地データファイル56の論理的な構成の一例を示した図である。
目的地データファイル56は、地点情報を記憶したファイルであって、地点情報は、「名称(読み)」、「座標」、「住所(読み)」、「ジャンル(読み)」、「電話」、・・・、「キーワード」などの各項目から構成されており、項目「キーワード」に関しては、更に、「名称」、「住所」、「ジャンル」に区分されている。
【0036】
「名称(読み)」は、地点情報に係る検索対象(施設など)の名称と、その読みのひらがな表記である。読みは、「おおさか/たこやき」などと意味単位で区分されており、「おおさか」、「たこ」、「たこやき」、「おおさかたこやき」の何れの区分の検索語でも前方一致でヒットするようになっている。
「座標」は、地点情報に係る検索対象の所在地の座標であり、例えば、緯度・経度を用いて設定されている。
【0037】
「住所(読み)」は、地点情報に係る検索対象の住所と、その読みのひらがな表記である。読みは、「おおさかふ/さかいし/・・・」などと意味単位で区分されており、「おおさか」、「おおさかふ」、「さかいし」、「おおさかふさかいし」など何れの区分の検索語でも前方一致でヒットするようになっている。
「ジャンル(読み)」は、地点情報に係る検索対象の属するジャンルと、その読みのひらがな表記である。例えば、ジャンル「たこ焼き」に関しては、「たこやき」なる検索語で前方一致によりヒットするようになっている。
「電話」は、地点情報に係る検索対象の電話番号である。電話番号によっても地点情報を検索することができるようになっている。
【0038】
これら「名称(読み)」、「住所(読み)」、「ジャンル(読み)」の各読みは、検索語入力画面100で文字ボタンにより入力された検索語を検索するのに用いられる。
例えば、ユーザが名称として「たこやき」を文字ボタンから入力した場合、「名称(読み)」の読みが「たこやき」を含む地点情報が検索される。
【0039】
「キーワード」は、キーワードボタンで入力された検索語を検索するのに用いられる。
例えば、キーワード「おおさか(名称)」が入力された場合、「キーワード」の区分「名称」が「おおさか」である地点情報がヒットする。
キーワードは、地点情報の名称などから独立して設定することができるため、例えば、
「ふたごたまがわ」の略称である「にこたま(名称)」をキーワードとして設定することにより、本来名称に含まれない略称を用いて地点情報をヒットさせることもできる。
【0040】
図4(a)は、通常キーワードデータファイル58の論理的な構成の一例を示した図である。
通常キーワードデータファイル58には、「たこやき(ジャンル)」、「うどん(ジャンル)」、「あいしん(名称)」などと、属性が設定された検索語がキーワードとして設定されている。
これは、ユーザが入力する頻度が高いと思われる属性付きの検索語を予め用意したものである。
【0041】
図4(b)は、関連キーワードデータファイル57の論理的な構成の一例を示した図である。
関連キーワードデータファイル57には、キーワード「たこやき(ジャンル)」と「おおさか(住所)」を関連づけた「たこやき(ジャンル)−おおさか(住所)」など、属性が設定されたキーワードが関連づけられ、関連情報として機能している。
これら関連づけは、地域名(住所)とそこの名物(ジャンル又は名称)、施設名(名称)とその名前がよく使われるジャンル、のように行われ、例えば、「たこやき(ジャンル)」を検索語に設定するユーザは、「おおさか(住所)」も検索語に設定することが想定されるといった、ユーザが検索語の組として設定する可能性が高いキーワードを対応づけることにより行われている。
本実施の形態では、キーワードを1対1に対応づけているが、例えば、「たこやき(ジャンル)−おおさか(住所)−すもーる(名称)」など更に多くのキーワードを関連づけてもよい。
【0042】
図5(a)は、検索語入力画面100での入力を説明するための図である。
検索語入力画面100は、検索語入力欄101、修正ボタン102、戻るボタン103、文字ボタン108、キーワードボタン104〜106、完了ボタン107などを備えている。
検索語入力欄101は、検索に用いる検索語を設定する欄であり、文字ボタン108で入力した文字やキーワードボタン104〜106で入力したキーワードが入力される。
【0043】
検索語入力欄101に文字ボタン108から入力された文字列の属性は名称に設定される。
例えば、文字ボタン108から「た」「こ」「や」「き」と文字列を入力し、図示しない区切りボタンなどを選択すると文字入力が確定され、検索語入力欄101に、検索語「たこやき(名称)」が設定される。
なお、検索語入力画面100に名称、ジャンル、住所を選択するボタンを設け、これを選択することにより文字ボタン108から入力された文字列の属性を設定するように構成してもよい。
【0044】
また、CPU21(図2)は、検索語入力欄101に文字ボタン108から文字が入力すると、これに前方一致するキーワードを通常キーワードデータファイル58から検索してキーワードボタン104〜106に表示する。
例えば、検索語入力欄101に「た」と入力すると、これに前方一致する「たまがわ(住所)」、「たからもの(名称)」、「たこすけ(名称)」(以上図示せず)などが表示され、更に検索語入力欄101に「こ」を入力して「たこ」とすると、これに前方一致する「たこやき(ジャンル)」、「たこやき(名称)」、「たこあげ(名称)」などが表示される。
そして、ユーザがキーワードボタン105の「たこやき(名称)」を選択すると、検索語入力欄101の「たこ_」がキーワード「たこやき(名称)」に置換され、検索語として設定される。
【0045】
修正ボタン102は、検索語入力欄101の入力を修正するボタンであり、戻るボタン103は、検索語入力画面100に遷移する前の画面に戻るためのボタンであり、完了ボタン107は、検索語入力欄101の入力が完了したときに選択するボタンである。
また、この他に「漢字入力」ボタンを設けて検索語入力欄101に漢字入力できるように構成したり、キーワードボタン104で「大阪(住所)」や「たこ焼き(ジャンル)」といったように、地名やジャンルで漢字仮名表記が決まっているものに関しては規定の漢字仮名表記を行ってもよい。
【0046】
図5(b)は、図5(a)でキーワードボタン104を選択したところを示している。
検索語入力欄101には、キーワードボタン104が表示していた「たこやき(ジャンル)」が設定される。このように、検索語入力欄101の検索語は、属性と共に設定される。
そして、CPU21は、検索語入力欄101に検索語が設定されると、これに関連づけられたキーワードを関連キーワードデータファイル57で検索し、検索されたキーワードを属性と共にキーワードボタン104〜106に表示する。
このように、CPU21は、検索語入力欄101に最後に入力された検索語に関連づけられたキーワードを関連キーワードデータファイル57で検索して、キーワードボタン104〜106に表示する。
【0047】
図5(b)の例では、検索語入力欄101の「たこやき(ジャンル)」に関連キーワードデータファイル57で関連づけられた「すもーる(名称)」、「おおさか(住所)」、「おおさか(名称)」が表示されている。このように、検索語入力欄101に入力されたキーワードとは別属性のものも表示される。
これらのうちの何れかがユーザに選択されると、当該キーワードが属性と共に検索語入力欄101に追加される。
また、検索語入力欄101の右端には現在入力されている検索語にヒットする地点情報の件数が表示され、ユーザはこれを参考に検索語を設定していくことができる。
【0048】
図6(a)は、検索語入力欄101に検索語を設定して完了ボタン107を選択する前の状態の検索語入力画面100を示した図である。
検索語入力欄101には、検索語として「たこやき(ジャンル)」、「おおさか(住所)」、「うどん(ジャンル)」が入力されており、これにヒットする地点情報が91件であることが表示されている。ユーザは、この件数を見て、更に検索語を入力するか否かを判断することができる。
【0049】
なお、キーワードボタン104〜106には、検索語入力欄101に最後に入力された検索語である「うどん(ジャンル)」に関連づけられている「らーめん(ジャンル)」、「ちゅうか(ジャンル)」、「さかい(住所)」が表示されている。
【0050】
この状態で完了ボタン107を選択すると、CPU21は、「たこやき(ジャンル)」、「おおさか(住所)」、「うどん(ジャンル)」なる検索語でヒットする地点情報を目的地データファイル56で検索する。
検索は、これら複数の検索語の全ての組み合わせについて行われる。これについては、後ほど図7でベン図を用いて説明する。
【0051】
図6(b)は、検索結果画面200での検索結果表示を説明するための図である。
検索結果画面200は、検索結果表示欄201、詳細ボタン202、検索語表示欄203、修正ボタン204、前ボタン210、前ページボタン211、次ページボタン213、次ボタン214、スクロールバー217などから構成されている。
なお、検索結果表示欄201は、検索語入力画面100で入力された「たこやき(ジャンル)」、「おおさか(住所)」、「うどん(ジャンル)」によって検索された検索結果を表している。
【0052】
検索語表示欄203には、検索に用いた検索語が属性と共に表示される。
修正ボタン204は、検索語表示欄203の検索語を修正する場合に選択するボタンであり、これを選択すると検索語入力画面100に戻る。
検索結果表示欄201は、検索された地点情報を名称と住所によって検索順位が上位のものから一覧表示する。
図6(b)の例では、「大阪たこ焼き/大阪府堺市」などと、大阪府堺市に所在するたこ焼き店「大阪たこ焼き」が最上位に表示されている。
【0053】
CPU21は、これら地点情報の検索順位を設定する場合、関連キーワードデータファイル57で関連づけられているキーワードの組によって検索される地点情報を、これら組によって検索されない地点情報よりも上位に設定する。
例えば、関連キーワードデータファイル57で「たこやき(ジャンル)−おおさか(住所)」が関連づけられているため、「たこやき(ジャンル)」と「おおさか(住所)」の両方によって検索される地点情報が、関連キーワードデータファイル57で関連づけられているキーワードの組によっては検索されない地点情報(例えば、「ザ・うどん/大阪府さぬき市」)よりも検索順位が上位に設定され、検索結果表示欄201で上位に表示される。
【0054】
なお、検索結果表示欄201では、5つの地点情報の表示のうち、上の3つを関連づけられたキーワードの組により検索される地点情報に割り当て、下の2つを関連づけられたキーワードの組によっては検索されない地点情報に割り当てることにより、検索結果表示欄201が関連づけられたキーワードの組により検索される地点情報で埋め尽くされるのを防止している。
また、両者を「・・・」表示で隔てることにより、ユーザが区別できるようになっている。
なお、表示色を変えるなど、表示状態を変えることにより区別できるようにしてもよい。
【0055】
詳細ボタン202は、地点情報ごとに表示され、ユーザによりタッチされると、CPU21は、地点情報のより詳細な情報をディスプレイ42に表示する。そして、ユーザは、当該地点情報を目的地に設定することができる。
前ボタン210、次ボタン214は、それぞれ、検索結果表示欄201の地点情報を1件ずつスクロールダウン、スクロールアップするためのボタンである。
【0056】
前ページボタン211、次ページボタン213は、それぞれ、検索結果表示欄201の地点情報をページ単位でスクロールアップ、スクロールダウンするためのボタンである。
スクロールバー217は、全検索結果のうち、現在表示している結果の位置を表すと共に、スクロールバー217をタッチしてドラッグすることにより、スクロールアップやスクロールダウンを行うことができる。
検索結果画面200の右上にはヒットした地点情報の件数が表示されるため、これによってユーザは、どの程度スクロールアップ、またはダウンできるかのおおよその検討をつけることができる。
【0057】
図7は、検索順位の設定方法を説明するための図である。
図7は、キーワード「たこやき(ジャンル)」、「おおさか(住所)」、及び「うどん(ジャンル)」によって検索された検索結果をベン図を用いて表しており、「たこやき(ジャンル)」と「おおさか(住所)」は、関連キーワードデータファイル57で関連づけられており、「うどん(ジャンル)」は、何れのキーワードにも関連づけられていないものとする。
【0058】
CPU21は、検索結果のうち、全てのキーワード、即ち、「たこやき(ジャンル)」、「おおさか(住所)」、「うどん(ジャンル)」の全てにヒットする地点情報(ベン図の領域A)を最上位に設定する。
即ち、CPU21は、全てのキーワード(検索語)の論理積により検索される地点情報を最上位に設定する。
領域Aの中では、例えば、名称の五十音順など、何らかの方法により検索順位を設定する。
【0059】
次いで、CPU21は、関連キーワードデータファイル57で関連づけられた「たこやき(ジャンル)」、「おおさか(住所)」の組(即ち、論理積)でヒットした地点情報(ベン図の領域B)を上位に設定する。
領域Bの中では、何らかの方法により検索順位を設定する。
【0060】
次いで、CPU21は、関連キーワードデータファイル57で関連づけられていない「たこやき(ジャンル)」と「うどん(ジャンル)」でヒットした地点情報(ベン図の領域C)と、「おおさか(住所)」と「うどん(ジャンル)」でヒットした地点情報(ベン図のD)の検索順位を領域Bの地点情報の下に設定する。
CPU21は、その下に、「たこやき(ジャンル)」、「おおさか(住所)」、及び「うどん(ジャンル)」のそれぞれでヒットした地点情報(それぞれ領域E、G、F)の検索順位を設定する。
【0061】
このように、本実施の形態では、関連キーワードデータファイル57で関連づけられているキーワードによって検索される地点情報の検索順位が、関連づけられていないキーワードで検索される地点情報の検索順位より上位に設定される。
関連キーワードデータファイル57は、ユーザが組として設定する可能性が高いキーワードを対応づけたものであるので、関連づけられたキーワードによって検索される地点情報はユーザが求める地点情報である可能性が高い。
このため、このような地点情報の検索順位を上位に設定して検索結果表示欄201に表示することにより、ユーザが求める地点情報がより上に表示される可能性が高くなり、ユーザの地点情報設定を支援することができる。
【0062】
図8は、CPU21(図2)が所定のプログラムに従って地点情報を検索する手順を説明するためのフローチャートである。
まず、CPU21は、検索語入力画面100で検索語の入力処理を行い(ステップ5)、次いで、入力された検索語を用いて地点情報の検索処理を行い(ステップ10)、検索結果を検索結果画面200に表示する。
【0063】
図9は、ステップ5の検索語入力処理を説明するためのフローチャートである。
CPU21は、検索語入力画面100にて文字ボタン108やキーワードボタン104〜106により検索語の入力を受け付ける(ステップ20)。
文字ボタン108の場合には、入力された文字列を検索語入力欄101に表示すると共に、入力された文字列と前方一致するキーワードを通常キーワードデータファイル58から検索してキーワードボタン104〜106に表示する。
【0064】
CPU21は、文字ボタン108から入力された文字列がユーザによって確定されるか、又は、キーワードボタン104〜106が選択されて検索語が入力されると、これに関連づけられたキーワードが存在するか関連キーワードデータファイル57で検索し、関連づけられたキーワードが存在する場合(ステップ25;Y)、関連づけられたキーワードをキーワードボタン104〜106に表示する。
一方、CPU21は、関連づけられたキーワードが存在しない場合(ステップ25;N)、ステップ45に移行する。
【0065】
そして、CPU21は、キーワードボタン104〜106の何れかによって表示したキーワードが選択された場合(ステップ35;Y)、選択されたキーワードを検索語として検索語入力欄101に追加する(ステップ40)。
表示したキーワードが選択されなかった場合(ステップ35;N)、CPU21は、ステップ45に移行する。
【0066】
CPU21は、キーワードを検索語として追加すると、検索語の入力が完了したか否かを判断する(ステップ45)。なお、CPU21は、完了ボタン107が選択された場合、検索語の入力が完了したと判断する。
検索語の入力が完了していない場合(ステップ45;N)、CPU21は、ステップ20に戻り、検索語の入力が完了した場合(ステップ45;Y)、CPU21は、リターンする。
なお、本実施の形態では、ナビゲーション装置が関連キーワードデータファイル57を記憶し、これからキーワードを検索したが、関連キーワードデータファイル57をサーバに記憶し、ナビゲーション装置から当該サーバにアクセスしてネットワーク経由でキーワードを検索するように構成してもよい。
【0067】
図10は、ステップ10の検索処理を説明するためのフローチャートである。
CPU21は、入力された検索語を用いて地点情報の検索を実行する(ステップ50)。
この際、文字ボタン108で入力された検索語に関しては、目的地データファイル56の当該検索語の属性に該当する項目で行う。
例えば、属性が名称である検索語に関しては、「名称(読み)」で検索し、属性が住所である検索語に関しては、「住所(読み)」で検索し、属性がジャンルである検索語に関しては、「ジャンル(読み)」で検索する。
【0068】
一方、キーワードボタン104〜106でキーワード入力された検索語に関しては、目的地データファイル56の当該検索語に属するキーワードにて行う。
例えば、属性が名称の検索語に関しては、「キーワード」の「名称」で検索し、属性が住所である検索語に関しては、「キーワード」の「住所」で検索し、属性がジャンルである検索語に関しては、「キーワード」の「ジャンル」で検索する。
そして、CPU21は、検索した後、検索結果(即ち、ヒットした地点情報を特定する情報)をRAM24に記憶する(ステップ55)。
【0069】
次に、CPU21は、検索結果のうち、関連キーワードデータファイル57で関連づけられた検索語によって検索された地点情報があるか否かを判断する(ステップ60)。
これによって、CPU21は、図7のベン図に示したように、地点情報を検索に用いた検索語によって区分する。
関連キーワードデータファイル57で関連づけられた検索語を用いて検索された地点情報がない場合(ステップ65;N)、CPU21は、ステップ70に移行する。
一方、関連キーワードデータファイル57で関連づけられた検索語を用いて検索された地点情報がある場合(ステップ65;Y)、CPU21は、図7のベン図の例に従って、関連する検索語での検索結果を検索上位に設定し(ステップ65)、検索結果を検索結果表示欄201にリスト表示して(ステップ70)、地点情報の検索処理を終了する。
【0070】
以上に説明したナビゲーション装置において、目的地データファイル56は、地点情報を記憶する地点情報記憶手段として機能している。
また、ナビゲーション装置は、目的地データファイル56、関連キーワードデータファイル57、及び通常キーワードデータファイル58などによって地点情報を検索するための検索語を記憶しているため、地点情報を検索するための検索語を記憶する検索語記憶手段を備えている。
そして、ナビゲーション装置は、検索語入力画面100において、文字ボタン108やキーワードボタン104〜106によって検索語入力欄101に複数の検索語の入力を受け付けるため、複数の検索語の入力を受け付ける検索語入力手段を備えており、また、入力された検索語を用いて目的地データファイル56から地点情報を検索するため、入力した複数の検索語を用いて地点情報を前記記憶した地点情報から検索する検索手段を備えている。
更に、ナビゲーション装置は、検索した地点情報のリストを作成して検索結果表示欄201でリスト表示し、その中から案内対象となる地点情報を選択することができるため、前記検索した地点情報のリストを作成して表示するリスト作成手段と、前記表示したリストから案内対象となる地点情報を選択する選択手段を備えている。
ここで、ナビゲーション装置は、関連キーワードデータファイル57で、例えば、「たこやき(ジャンル)」−「おおさか(住所)」などと、複数の検索語を関連づけて記憶しているため、前記検索語記憶手段は、複数の検索語を関連づけて記憶しており、また、ナビゲーション装置は、関連づけられた検索語の組で検索された地点情報を上位にリスト表示するなど、他の地点情報よりも優先してリスト表示するため、前記リスト作成手段は、前記入力された複数の検索語から前記関連づけられた検索語の組を特定し、当該特定した検索語の組により検索された地点情報を、検索された他の地点情報よりも優先してリスト表示している。
【0071】
そして、ナビゲーション装置は、検索結果表示欄201で上位3件を、関連キーワードデータファイル57で関連づけられた検索語で検索された地点情報に割り当てるなどするため、前記リスト作成手段は、前記特定した検索語の組により検索された地点情報のうちの所定の個数を上位にリスト表示している。
【0072】
また、目的地データファイル56は、地点情報の属性として名称、住所、ジャンルを記憶し、これら各属性に関して検索語となる文字列を記憶しているため、前記地点情報記憶手段は、地点情報の属性として地点の名称、地点の住所、及びジャンルを記憶しており、前記検索語記憶手段は、地点の名称、地点の住所、及びジャンルに関する文字列を検索語として記憶している。
【0073】
そして、ナビゲーション装置は、関連キーワードデータファイル57において、「たこやき(ジャンル)」−「おおさか(住所)」や「たこやき(ジャンル)」−「おおさか(名称)」、「あいしん(名称)」−「あいち(住所)」などと、異なる属性間での検索語を関連づけて記憶しているため、前記検索語記憶手段は、地点の名称、地点の住所、及びジャンルに関する検索語について異なる属性間での関連づけを行い記憶している。
【0074】
そして、関連キーワードデータファイル57では、「たこやき(ジャンル)」−「おおさか(住所)」などと地点の住所に関する検索語と当該地点の住所と関連性のあるジャンルに関する検索後を関連づけているため、前記検索語記憶手段は、地点の住所に関する検索語と、当該地点の住所と関連性のあるジャンルに関する検索語の関連づけを行い記憶しており、また、関連キーワードデータファイル57では、たこやき(ジャンル)」−「おおさか(名称)」などと地点の名称に関する検索語と当該地点の住所と関連性のあるジャンルに関する検索後を関連づけているため、前記検索語記憶手段は、地点の名称に関する検索語と、当該地点の名称と関連性のあるジャンルに関する検索語の関連づけを行い記憶している。
加えて、ナビゲーション装置は、車両に搭載して使用する装置であるため、上記ナビゲーション装置を備えた車両を提供することができる。
【0075】
また、説明した実施形態では、日本国内で使用されることを想定したナビゲーション装置(検索装置)について説明した。すなわち、文字を入力する入力装置41を日本語の入力単位である50音キーで構成し、目的地データファイル56、関連キーワードデータファイル57、通常キーワードデータファイル58に、日本国内の目的地検索に関するデータを記憶した日本仕様のナビゲーション装置について説明した。
しかしながら、ナビゲーション装置が用いられる環境は、日本国内に限定されるものではない。入力装置41や各データの仕様を地域に対応させることにより、上述の実施形態で説明した目的地データファイル56、関連キーワードデータファイル57、通常キーワードデータファイル58を諸外国において使用することができる。
【0076】
例えば、日本国外向けのナビゲーション装置(目的地入力装置)の一例として、英語(英字)入力に対応したアルファベットキーを備えた装置としてもよい。
更に、ドイツ語、スペイン語、フランス語、アラビア語、中国語、韓国語、ロシア語など任意の言語入力に対応した装置とするようにしてもよい。例えば、中国語入力に対応したナビゲーション装置の場合、入力装置41は、中国語のピンイン入力に対応した入力キーボードを備える。
【0077】
入力対象となる言語は、必ずしもナビゲーション装置の使用対象となる国(地域)に対応させる必要はない。例えば、ドイツ語入力対応のナビゲーション装置をフランス国内で使用できるようにしてもよい。この場合、目的地データなどにおける、目的地検索を行う際に検索対象となるデータ、即ち、入力文字と比較されるデータ(例えば、目的地の名称、キーワード、住所など)には、入力言語に対応したデータを記憶する。
なお、検索対象となるデータには、入力言語の他に、使用対象となる国(地域)の言語に対応したデータを記憶するようにしてもよい。
また、目的地検索を行う際に検索対象とならないデータ、例えば、付加情報のデータは、入力言語に対応したデータを記憶する必要はない。検索対象とならないデータには、例えば、入力言語に対応したデータを記憶しても、使用対象となる国(地域)の言語に対応したデータを記憶しても、また、入力言語と使用対象となる国(地域)の言語の両方の言語に対応したデータを記憶してもよい。
【0078】
以上に説明した本実施の形態のナビゲーション装置は、次の効果を得ることができる。
(1)ユーザの意識の中で関連性が高いと思われる複数の検索語を予め関連キーワードデータファイル57で関連づけておくことにより、1の検索語が入力された場合に、当該1の検索語に関連づけられた検索語を入力候補としてユーザに提示することができる。
(2)関連づけられた検索語を提示することにより、ユーザが入力しようとしている検索語をキーワードとして提示できる可能性が高くなり、ユーザの検索語入力を支援することができる。
(3)関連キーワードデータファイル57で関連づけられた検索語の組によって検索された地点情報の検索順位を、関連キーワードデータファイル57で関連づけられていない検索語で検索された地点情報よりも検索順位を上位に設定することができ、これによって、ユーザが所望している可能性が高い地点情報の検索順位を上位に設定することができる。
(4)関連キーワードデータファイル57で関連づけられた検索語の組で検索された地点情報を上位にリスト表示することにより、ユーザが所望している可能性が高い地点情報を上位にリスト表示することができる。
【0079】
なお、以上に説明したナビゲーション装置は、次の構成とすることもできる。
(1)選択された地点情報を用いて当該地点情報に係る地点までの経路を探索し案内を行うナビゲーション装置であって、地点の名称、地点の住所、及びジャンルの各属性を含む地点情報を記憶する地点情報記憶手段と、記憶されている地点情報を検索するための検索語として地点の名称、地点の住所、及びジャンルに関する文字列を記憶する検索語記憶手段と、表示された文字キーから検索語を入力する検索語入力手段と、入力された検索語に関連する検索語を提示する関連検索語提示手段と、提示された検索語のうち選択された検索語を入力する検索語選択手段と、前記検索語入力手段又は前記検索語選択手段により入力された複数の検索語に該当する地点情報を検索する検索手段と、前記検索された地点情報のリストを作成して表示するリスト作成手段と、前記表示されたリストから案内対象となる地点情報を選択する選択手段とを具備し、前記検索語記憶手段は地点の名称、地点の住所、及びジャンルに関する検索語について異なる属性間で検索語の関連づけを行い記憶し、前記関連検索語提示手段は、前記検索語入力手段により入力された検索語に関連づけられた検索語を提示することを特徴とするナビゲーション装置(第1の構成)。
この場合、関連づけ記憶手段は、例えば、「たこやき(ジャンル)」−「おおさか(住所)」のように、互いに異なる属性の検索語間の関連を記憶する。
(2)第1の構成において、前記関連検索語提示手段は、入力された検索語に関連する検索語を属性と共に提示することを特徴とするナビゲーション装置(第2の構成)。
この場合、同じ検索語が提示されたとしても、それが「名称」「住所」「ジャンル」のどの属性として提示されたのかが判るようになる。例えば、検索語として「えき」と入力して関連検索語に「なごや(住所)」「なごや(名称)」と提示された場合、名古屋市内の駅を検索したい場合は「なごや(住所)」を選択し、名古屋駅を検索したい場合は「なごや(名称)」を選択することで、それぞれ簡単に検索を行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0080】
10 現在位置検出装置
12 方位センサ
13 距離センサ
14 GPS受信装置
20 情報処理制御装置
21 CPU
22 ROM
23 センサ入力インターフェイス
24 RAM
25 通信インターフェイス
28 時計
40 入出力装置
41 入力装置
42 ディスプレイ
43 プリンタ
44 スピーカ
45 伝送路
50 情報記憶装置
51 地図データファイル
56 目的地データファイル
57 関連キーワードデータファイル
58 通常キーワードデータファイル
100 検索語入力画面
101 検索語入力欄
102 修正ボタン
103 戻るボタン
104〜106 キーワードボタン
107 完了ボタン
108 文字ボタン
200 検索結果画面
201 検索結果表示欄
202 詳細ボタン
203 検索語表示欄
204 修正ボタン
210 前ボタン
211 前ページボタン
213 次ページボタン
214 次ボタン
217 スクロールバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択された地点情報を用いて当該地点情報に係る地点までの経路を探索し案内を行うナビゲーション装置であって、
地点情報を記憶する地点情報記憶手段と、
前記記憶した地点情報を検索するための検索語を記憶する検索語記憶手段と、
複数の検索語を入力する検索語入力手段と、
前記入力された複数の検索語に該当する地点情報を検索する検索手段と、
前記検索した地点情報のリストを作成して表示するリスト作成手段と、
前記表示したリストから案内対象となる地点情報を選択する選択手段と、
を具備し、
前記検索語記憶手段は、複数の検索語を関連づけて記憶し、
前記リスト作成手段は、前記入力された複数の検索語から前記関連づけられた検索語の組を特定し、当該特定した検索語の組により検索された地点情報を、検索された他の地点情報よりも優先してリスト表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記リスト作成手段は、前記特定した検索語の組により検索された地点情報のうちの所定の個数を上位にリスト表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記地点情報記憶手段は、地点情報の属性として地点の名称、地点の住所、及びジャンルを記憶しており、
前記検索語記憶手段は、地点の名称、地点の住所、及びジャンルに関する文字列を検索語として記憶することを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記検索語記憶手段は、地点の名称、地点の住所、及びジャンルに関する検索語について異なる属性間での関連づけを行い記憶することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記検索語記憶手段は、地点の住所に関する検索語と、当該地点の住所と関連性のあるジャンルに関する検索語の関連づけを行い記憶することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記検索語記憶手段は、地点の名称に関する検索語と、当該地点の名称と関連性のあるジャンルに関する検索語の関連づけを行い記憶することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのうちの何れか1の請求項に記載のナビゲーション装置を備えた車両。
【請求項8】
地点情報を記憶する地点情報記憶手段と、前記記憶した地点情報を検索するための検索語と複数の前記検索語を関連づけて記憶する検索語記憶手段と、を備えたコンピュータに、選択された地点情報を用いて当該地点情報に係る地点までの経路を探索し案内を行う機能を発揮させるナビゲーションプログラムであって、
複数の検索語を入力する検索語入力機能と、
前記入力された複数の検索語に該当する地点情報を検索する検索機能と、
前記検索した地点情報のリストを作成して表示するリスト作成機能と、
前記表示したリストから案内対象となる地点情報を選択する選択機能と、
をコンピュータに発揮させ、
前記リスト作成機能は、前記入力された複数の検索語から前記関連づけられた検索語の組を特定し、当該特定した検索語の組により検索された地点情報を、検索された他の地点情報よりも優先してリスト表示することを特徴とするナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−27420(P2011−27420A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170088(P2009−170088)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】