説明

ナビゲーション装置

【課題】経路案内において案内地点より手前の所定範囲内に1以上の類似した地点が存在するときに適切な案内を画像によって報知する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、案内地点距離判別手段と、画像報知制御手段と、表示手段と、を備え、現在位置が案内地点に対する案内報知ポイントに到達したとき、案内地点距離判別手段により、案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が、案内地点より手前の所定範囲内に1以上存在することが検出されると、画像報知制御手段は、表示手段を介してその旨の注意報知を画像により出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション機能による経路案内中、案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が、案内地点より手前の所定範囲内に1以上存在するとき、その旨を報知するようにしたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近では、ナビゲーション装置に、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段や地図記憶手段、経路探索手段を備え、使用者が所望する目的地までの最適な経路を探索し、経路案内を行うナビゲーション装置が提供されている。このようなナビゲーション装置において経路案内を行う際は、表示画面に現在位置を示す現在位置表示及び目的地までのルートなどを表示することで使用者が実際に曲がるべき交差点等を正確に判断できるようにされている。
【0003】
しかし、上記ナビゲーション装置においては、表示画面には、単に目的地までのルートと現在位置表示を表示するのみであったため、曲がるべき交差点に接近したことは分かるにしても、複数の交差点が隣接して存在する場合等にどの交差点で曲がればよいかが分かりにくく、また、現在位置検出手段は、GPS受信機や方位センサや距離センサ等で構成されており、例えばGPS受信機がGPS衛星からの信号を受信不可能な位置に現在位置がある場合や、方位センサ、距離センサの検出に若干の誤差が生じた場合などに、実際の現在位置と検出された現在位置に誤差が生じる場合がある。そして現在位置に誤差が生じると、使用者は表示画面に表示された現在位置表示と実際の現在位置とが異なるため、実際に曲がるべき交差点を見つけるのが非常に困難という問題が生じる。
【0004】
このような問題を解決するために車両が交差点に接近すると、その交差点の名称を表示することができる車両用ナビゲーション装置が下記の特許文献1(特開平7−151557号公報)に開示されている。
【0005】
この特許文献1に記載された技術は、よく似た形状の交差点が連続する場合に実際曲がるべき交差点を認識しにくいという問題を解決するために、車両が交差点に接近した場合、その交差点の名称を表示することにより表示装置に表示された交差点名称と実際の交差点の交差点名称を見比べることができるので、交差点情報を確実に認識でき、複数の交差点が隣接いて存在する場合等においても曲がるべき交差点を確実に勝つ迅速に運転者に認識させることができる。また、交差点名称に加えその交差点の実際の形状も表示装置に表示することができ、よりいっそう交差点情報を確実に認識できるものとしている。
【特許文献1】特開平7−151557号公報(段落[0008]、段落[0009])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用ナビゲーション装置は、曲がるべき交差点に車両が接近した場合に、その交差点名称および実際の道路形状も表示装置に表示することで、複数の交差点が隣接して存在する場合等においても曲がるべき交差点を確実にかつ迅速に運転者に認識させることができるとしているが、特許文献1における交差点名称というものは、予め、車両用ナビゲーション装置内のROM内に記憶されているものであり、ここに記憶されていない交差点に関しては、車両が交差点に接近したとしても表示装置には交差点名称を表示することは不可能となる。
【0007】
つまり、曲がるべき交差点より手前の所定範囲内に、実際に曲がる分岐道路と類似した構造を持つ道路が複数存在する場合、例えば、「まもなく左方向です。」というガイダンスが報知され、このとき表示装置を確認すると、似た形状の分岐道路が複数表示されているが、表示装置に分岐全ての名称が表示されていれば、表示された分岐の名称と実際に運転者が見た分岐の名称とを比較することができ、運転者も実際に曲がるべき分岐の判断を行うことが可能となる。しかし、分岐の名称が記憶されていない場合(小さい交差点等)は、表示装置にも分岐の名称が表示されないので、運転者はどの分岐を曲がっていいのか判断できなくなるという問題が生じてしまう。
【0008】
本願発明は、上記問題を解消すべく種々検討を重ねた結果、ナビゲーション装置において経路案内を行う際、案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が、案内地点より手前の所定範囲内に1以上存在するとき、その旨を報知する構成とすることで上記問題を解消し得ることに想到して本発明を完成することに至ったものである。
【0009】
すなわち、本発明は、上記問題点を解消することを課題とし、経路案内中に案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が、案内地点より手前の所定範囲内に1以上存在する場合は、通常の案内報知よりも詳細な案内報知を行うようにしたナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、現在位置を検出する現在位置検出手段と、経路探索手段と、表示手段と、を備え、経路探索手段により探索された案内経路に基づき経路案内を行うナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、さらに、案内地点距離判別手段と、画像報知制御手段と、を備え、
現在位置が案内地点に対する案内報知ポイントに到達したとき、前記案内地点距離判別手段により、前記案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が、前記案内地点より手前の所定範囲内に1以上存在することが検出されると、前記画像報知制御手段によって、前記案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が前記案内地点より手前の所定範囲内に1以上存在する旨を含む詳細な案内を、前記表示手段に画像表示させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記画像報知制御手段は、前記詳細な案内として、前記案内地点の画像と前記案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点の画像とを共に前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかるナビゲーション装置において、前記案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点とは、前記案内地点において前記案内経路が示す進行方向と同じ方向の分岐を有する地点であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1にかかる発明においては、現在位置を検出する現在位置検出手段と、経路探索手段と、表示手段と、を備え、経路探索手段により探索された案内経路に基づき経路案内を行うナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、さらに、案内地点距離判別手段と、画像報知制御手段と、を備え、
現在位置が案内地点に対する案内報知ポイントに到達したとき、前記案内地点距離判別手段により、前記案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が、前記案内地点より手前の所定範囲内に1以上存在することが検出されると、前記画像報知制御手段によって、類似した道路構造を持つ地点が案内地点より手前の所定範囲内に1以上存在する旨を含む詳細な案内を、表示手段によって画像表示させる。
【0014】
このような構成によれば、現在位置が案内地点に対する案内報知ポイントに到達したとき、案内地点距離判別手段により、案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が、案内地点より手前の所定範囲内に1以上存在することが検出されると、利用者に注意を喚起することができ、また、詳細な案内が表示手段により表示画面に出力されることから、利用者は表示画面に出力された画像を視認することにより案内経路に沿って正しく走行することができるようになる。
【0015】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、現在位置が前記案内地点に対する案内報知ポイントに到達したとき、案内地点の画像を、前記案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点の画像と共に前記表示手段に表示させる。
【0016】
このような構成によれば、案内報知ポイントと、案内報知ポイントの道路構造と類似した地点との相違点が明確になり、案内経路と違う経路へ進んでしまう可能性をさらに減らすことができる。
【0017】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかるナビゲーション装置において、前記案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点とは、前記案内地点において前記案内経路が示す進行方向と同じ方向の分岐を有する地点である。
【0018】
このような構成によれば、案内地点における進行方向と同じ方向の分岐を有する地点を検索することで、容易に案内地点の道路構造と類似した地点を探すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の具体例を実施例および図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーション装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0020】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の詳細な構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、自動車等のダッシュボード上に載置されることにより車載用として使用されるだけでなく、車両から取外され使用者が携帯し使用できるタイプのものであってもよい。
【0021】
ナビゲーション装置1における制御手段10は、図示してはいないが、CPU、ROM、RAMからなるプロセッサで構成され、RAM、ROMに記録された制御プログラムにしたがってナビゲーション装置1の各部の動作を制御するものである。制御手段10は、また、後述する表示手段15から出力される画像出力を制御する画像報知制御手段としても機能する。
【0022】
なお、以下の実施例においては、画像報知制御手段の動作も制御手段10の動作とした記載とする。
【0023】
現在位置検出手段11は、例えばGPS受信機等で構成され、地球を周回している複数のGPS衛星からの時刻情報を含む電波を受信し、それを基に現在位置を算出するものである。
【0024】
さらに、現在位置検出手段11は、距離センサや、方位センサ、蛇角センサなどからなる自律航法部を用いて現在位置の算出を行うこともできる。この場合、車両の走行距離と走行方位や回転角度とをそれぞれ検出し、これらの値を基準位置に対して積算することによって現在位置を求めることができる。この自律航法部による現在位置検出方法は、GPS受信と組み合わせることでGPS電波を受信できないトンネル内や、誤差が生じやすい高層ビル街において効果を発揮する。
【0025】
記憶手段12には地図データ12aと、分岐点画像データ12bとが蓄積されており、地図データ12aは、所定の経度および緯度で区切った複数の矩形形状のメッシュデータや、道路の交差点や分岐点などの結節点をノードとし、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路ノードデータと、道路リンクデータを含む道路データが記憶されている。道路ノードデータには、道路ノード番号、位置座標、接続リンク本数、交差点名称などが含まれるほか、交差点に付する分岐の情報や、交差点等の案内地点に対応する案内ポイントおよび右折や左折、直進などを案内する案内データも記憶されている。また、道路リンクデータには起点および終点となる道路ノード番号、道路種別、リンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータにはさらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所などのデータが付与される。道路種別とは、高速道路や有料道路の別、および国道や都道府県などの別を含む情報である。
【0026】
地図データ12aは、さらに海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、施設位置、形状、名称を含む施設データからなる背景データを記憶している。
【0027】
分岐点画像データ12bは、右左折や直進の案内に必要となる、地図上の交差点や分岐点の立体的で詳細な道路画像と、車両が進むべき方向を示す画像と、からなるデータを記憶している。
【0028】
経路探索手段13は、使用者が後述する入力手段14を用いて出発地から目的地の指定を行うと、地図データ12aに記憶されている道路データを参照し、出発地から目的地に至る最適経路を探索するものである。
【0029】
この最適経路の探索は、現在位置または使用者によって指定された出発地に対応する道路ノードから使用者によって指定された目的地に対応する道路ノードまでに至るリンクとノードをダイクストラ法等の各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間などを累積し、総リンク長または総所要時間などが最短となる経路を案内経路とし、当該経路に属する道路ノードやリンクを案内経路データとして提供するものである。
【0030】
入力手段14は、各種キー、スイッチなどから構成され、ナビゲーション装置1における操作入力や出発地、目的地の入力を行うものである。
【0031】
表示手段15は、地図画像や案内経路画像を表示して使用者が視認できるようにするためのものであり、液晶ディスプレイなどで構成される。なお、この表示手段15は、入力手段として機能させてもよく、この場合は画面上に表示されたアイコンを、使用者が触れることで選択入力が行われる。
【0032】
音声出力手段16は、利用者に音声により注意を喚起するためのスピーカ(図示せず)を備え、ナビゲーション装置1の現在位置が案内地点の案内報知ポイントに到達すると、制御手段10の制御により、注意を喚起する注意報知を出力する。
【0033】
経路探索手段13によって出発地または現在位置から目的地までの最適経路が探索されると、制御手段10は地図データ12aに記憶された道路データに基づいて経路案内のための案内経路データを編集する。案内経路データには、各々の交差点や分岐点などの案内地点に対応して記憶された案内報知ポイントに右折や左折、直進などを案内する案内データが付加される。この案内は一般的には表示手段15に表示される表示画像に、進むべき方向を示す画像を出力することにより報知されると共に、スピーカ(図示せず)からなる音声出力手段16を介して音声により報知される。
【0034】
交差点を右折または左折する案内の場合、ナビゲーション装置1が案内地点である交差点の500m手前の案内報知ポイントに到達すると、例えば、図6に示すような交差点の画像62と共に右折すべき旨が視認できる画像63が表示手段15により表示画像61として出力され、更に音声出力手段16により「この先500m、次の交差点を右折です」などの音声案内が報知される。
【0035】
ところで、案内地点より手前の所定範囲内に案内地点の道路構造と類似した道路構造をもつ分岐点などの地点が1以上存在する場合、どの分岐点の案内であるか誤認する恐れがある。
【0036】
図2は、左折する旨案内する地点の付近に似た構造の分岐点がある周辺の一例を示す概略図である。
【0037】
図2に示すように、三角形のマーク21は車両の現在位置を示し、矢印22は案内経路、アイコン23は左折する案内を行う地点であるジャンクションJCT、アイコン24はジャンクション23と似た構造を持つ分岐点であるインターチェンジICである。
【0038】
図3は、従来の技術のナビゲーション装置が案内報知ポイントに到達し、図2に示したジャンクション23で左折するように注意報知した場合に、ナビゲーション装置の表示手段に表示される経路案内画像の一例である。
【0039】
表示画面30には、地図データ12bから読み出された左折するジャンクション23付近の地図の詳細な道路画像31と、車両が進むべき方向を示す画像33、表示されているジャンクション23付近までの距離を示す画像34、ジャンクション23における地名と方角・方向を示す標識の画像35、地図データ12aから読み出された広域な道路画像32、現在位置を示す三角形のアイコン36、広域地図の方角を示す方位画像37、現在時刻や目的地までの距離、目的地到着予想時刻などを表示している画像38、などが表示されている。
【0040】
ユーザは図3で示されている、車両が進むべき方向を示す画像33を視認することによって、該ジャンクション23で左折する旨理解できるが、該ジャンクション23の手前には似たような分岐点であるインターチェンジ24が存在し、間違ってインターチェンジ24で左折してしまうことがある。
【0041】
そこで、本願の発明では、間違える可能性のある分岐点に接近した場合に、該インターチェンジ24では左折しないことをユーザに理解してもらうために、該インターチェンジ24付近の地図画像を車両が進むべき方向と共に拡大して表示する。
【0042】
本発明の実施例にかかるナビゲーション装置1においては、案内地点距離判別手段17は、ナビゲーション装置1の現在位置に基づいて案内経路上の案内地点を調べ、案内地点より手前の所定範囲内に案内地点の道路構造と類似した構造を持つ交差点などの地点が1以上存在するか否かを判別する。
【0043】
所定の距離範囲とは、案内地点と案内地点に類似した道路構造の地点間の距離と案内地点に対する案内報知ポイントの設定距離に基づき設定するものであり、類似した道路構造を持つ地点とは、案内地点における案内経路が右折や左折である場合、その方向と同じ方向に分岐し得る道路構造を持った地点(交差点や分岐点)のことである。つまり、図2を用いて説明すると、案内地点であるジャンクション23は左方向に分岐しているので、類似した道路構造とはジャンクション23と同じく左方向に分岐しているインターチェンジ24などの地点をいうものである。なお、このジャンクション23やインターチェンジ24などの地点に付する分岐の情報は、地図データ12aにおける道路ノードデータに記憶されている。
【0044】
そして、表示手段15は、案内地点距離判別手段17が案内地点より手前の所定範囲内に類似した道路構造を持つ交差点などの地点が1以上存在することを判別した場合に、制御手段10の制御により、車両が進むべき方向を示す画像を表示画面に表示されている詳細な道路画像上に表示する。案内地点周辺に目印となる標識、建造物等が存在すれば、その標識、建造物等も表示する。
【0045】
図4は、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置1の表示手段15に表示される経路案内画面の一例を示す図である。図4に示すように、表示画面40には、地図データ12bから読み出された左折せず直進すべきインターチェンジ24付近の地図の詳細な道路画像41と、車両が進むべき方向を示す画像43、表示されているインターチェンジ24付近までの距離を示す画像44、インターチェンジ24における出口予告を示す標識の画像45、地図データ12aから読み出された広域な道路画像42、現在位置を示す三角形のアイコン46、さらに地図データ12bから読み出された左折すべきジャンクション23の縮小画像47、などが表示されている。
【0046】
車両が進むべき方向を示す画像は次の交差点や分岐点で直進するのか、右左折するのかを示すための画像であり、図3や図4で示される画像33、43はその例示である。ユーザは、図4で示されている、車両が進むべき方向を示す画像43を視認することによって、該インターチェンジ24では間違えることなく直進し、その先にあるジャンクション23で左折することが理解できる。また、表示画像とともに音声案内によって「手前のインターチェンジ出口に注意してください」などの注意も報知してもよい。
【0047】
また、左折すべきジャンクション23付近の画像47も表示されているため、該インターチェンジ24で曲がらずに直進した後に該ジャンクション23で左折することも確認できる。
【0048】
このような構成により、案内地点より手前の所定範囲内に、類似した道路構造を持つ交差点などの地点が1以上存在するときに、ナビゲーション装置1の現在位置が案内地点の案内報知ポイントに到達すると、利用者に注意を喚起することができる。
【0049】
図5は、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置1の処理手順を示すフローチャートである。ステップS101の処理において、入力手段14によって経路探索のための目的地などの入力を行う。
【0050】
目的地が入力されると、ステップS102の処理で経路探索手段13は、地図データ12aに記憶された地図データを参照して現在位置または入力された出発地から目的地までの最適経路を探索する。
【0051】
経路探索手段13が最適経路を探索すると、ステップS103の処理において、ナビゲーション装置1は、この最適経路を案内経路として、地図画像、案内経路画像、現在位置マークなどを表示手段15に表示して経路案内を開始する。経路案内が開始されると、ステップS104の処理に進み、現在位置検出手段11はナビゲーション装置1の現在位置を検出する。
【0052】
次いで、ステップS105の処理において制御手段10は現在位置が案内経路における案内地点の案内報知ポイントであるかを判別する。現在位置が案内報知ポイントで無い場合は、ステップS104の現在位置検出処理に戻り、現在位置が案内報知ポイントである場合、ステップS106の判別処理に進み、案内地点距離判別手段17は、案内地点より手前の所定範囲内にある交差点などの地点を調べ、案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ交差点などの地点が1以上存在するか否かを判別する。案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ交差点などの地点が存在していないと判別されると、ステップS108の処理に進み表示手段15から案内地点の案内報知ポイントに設定された通常の案内報知を出力させる。
【0053】
ステップS106の判別処理において、類似した道路構造を持つ交差点などの地点が1以上存在すると判別されると、ステップS107の処理に進み、表示手段15から、注意を喚起する注意報知を出力させる。この注意報知は例えば図4の場合には、地図データ12bから読み出された左折すべきジャンクション23の手前の、似た構造の分岐点であるインターチェンジ24付近の拡大画像と共に、曲がらずに直進することを目視によって確認できる矢印型のアイコンを表示手段15により表示画面に表示する。
【0054】
表示手段15による注意報知の出力が完了すると、ステップS109の処理に進み、ナビゲーション装置1は、経路案内終了か否かを判別する。経路案内終了であれば、ナビゲーション装置1は処理を終了し、経路案内終了でなければ、ステップS104の現在位置検出処理に戻る。
【0055】
以上説明した処理手順は、類似した道路構造を持つ交差点などの地点が1以上存在する場合、表示手段15から注意を喚起する注意報知を出力させる手順である。
【0056】
なお本実施例では、広域な地図を表示して案内し、案内すべき交差点や分岐点に接近した場合に、交差点周辺の立体的で詳細な道路画像を表示するとともに、進むべき方向を示す画像も表示することによってユーザに進行方向を報知する例を示したが、立体的で詳細な道路画像のみを表示して案内するナビゲーション装置でもよい。
【0057】
この場合、記憶手段12には地図画像データ12a’、進行方向画像データ12b’、が蓄積されており、地図画像データ12a’は、道路ノードデータ・道路リンクデータとともに立体的な地図画像データで構成され、進行方向画像データ12b’は、案内が必要な交差点や分岐点で表示される、車両が進むべき方向を示す矢印の画像で構成されている。
【0058】
そして、この場合、表示手段15は、案内地点距離判別手段17が案内地点より手前の所定範囲内に類似した道路構造を持つ交差点などの地点が1以上存在することを判別した場合にのみ、制御手段10の制御により、車両が進むべき方向を示す矢印の画像を表示画面に表示されている立体的な道路画像上に表示する。なお、その先の車両が進むべき分岐点(図2ではジャンクション23)の立体的な道路画像も車両の進行方向を示す画像とともに縮小画像で表示することが好ましい。
【0059】
以上、詳細に説明したように本発明にかかるナビゲーション装置1によれば、ナビゲーション機能による経路案内中に、経路案内において案内地点より手前の所定範囲内に案内地点の道路構造と類似した道路構造の交差点などの地点が1以上存在する時に適切な案内を報知することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置1のブロック構成図を示す図である。
【図2】左折する旨案内する地点の付近に似た構造の分岐点がある周辺の一例を示す概略図である。
【図3】従来のナビゲーション装置の表示手段に表示される経路案内画面の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置1の表示手段に表示される経路案内画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置1の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】右折する案内を行う交差点での表示手段に表示される経路案内画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1: ナビゲーション装置
10: 制御手段(画像報知制御手段)
11: 現在位置検出手段
12: 記憶手段
12a: 地図データ
12b: 分岐点画像データ
13: 経路探索手段
14: 入力手段
15: 表示手段
16: 音声出力手段
17: 案内地点距離判別手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を検出する現在位置検出手段と、経路探索手段と、表示手段と、を備え、経路探索手段により探索された案内経路に基づき経路案内を行うナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、さらに、案内地点距離判別手段と、画像報知制御手段と、を備え、
現在位置が案内地点に対する案内報知ポイントに到達したとき、前記案内地点距離判別手段により、前記案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が、前記案内地点より手前の所定範囲内に1以上存在することが検出されると、前記画像報知制御手段によって、前記案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点が前記案内地点より手前の所定範囲内に1以上存在する旨を含む詳細な案内を、前記表示手段に画像表示させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記画像報知制御手段は、前記詳細な案内として、前記案内地点の画像と前記案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点の画像とを共に前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記案内地点の道路構造と類似した道路構造を持つ地点とは、前記案内地点において前記案内経路が示す進行方向と同じ方向の分岐を有する地点であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−107462(P2010−107462A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282002(P2008−282002)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】