説明

ナビゲーション装置

【課題】検索のための入力操作が行われなくても、あらかじめ設定された選択条件を基に特定の施設情報を検索し提示できるナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】地図上の施設に関するジャンル別情報および施設情報をデータベース化しておく。そして、自車両の現在位置や案内経路が出力された前記地図上へ表示する施設についての選択条件をあらかじめ設定しておく。この選択条件は、前記ジャンル別情報、案内経路上の自車両の進行方向に対する施設の左右選択条件および前記案内経路からの距離を含む。自車両の現在位置や案内経路が出力された前記地図上へ表示する施設について、前記選択条件により前記データベースに対し検索を行う。そして、自車両の現在位置や案内経路が出力されている地図へ前記選択条件を満足する施設をそのシンボルマークにより自動的に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡単な操作によりあらかじめ設定した条件を基に、施設情報を的確に提示できるようにしたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置においては、目的地を設定すると自車両の現在位置から前記設定した目的地までの経路を検索し、さらに前記経路に従って走行したときの前記目的地までの距離を演算する。
そして、ナビゲーション装置の表示画面上へ地図とともに前記検索した経路と前記演算した距離とを表示し、ユーザへ提示するようにしている。
また、このときガソリンスタンドや特定の施設についても、自車両の現在位置に応じて表示された地図にシンボルマークにより位置を表示し、ユーザへ提示するようにしている。
このようなナビゲーション装置の表示画面に表示される地図についてはその地図データが例えばCD−ROMに全国を複数のエリアに分割したときの各分割エリアごとに格納される。
また、前記各種施設情報についてもデータベース化されて前記CD−ROMを含む記憶装置に格納されている。
このような、表示画面に表示される各種施設情報をデータベース化し、自車両の現在位置付近の地図情報を提供するものとしては、前記各種施設情報を上位カテゴリと下位カテゴリとに分類してPOIデータベース化するナビゲーション装置がある。
このナビゲーション装置は、下位カテゴリの各種施設情報が表示されている状態でユーザが上位カテゴリの検索を指示すると、前記表示されている施設情報の上位カテゴリにかかる施設情報を表示するようにしたものである(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−128329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って従来のナビゲーション装置においては、表示されている施設情報の上位カテゴリにかかる施設情報を知るには検索のための入力操作が必要であり、車両走行中は検索の指示を含む操作は不可能なことから、車両走行中は検索できないという課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、検索のための入力操作が行われなくても、あらかじめ設定された選択条件を基に特定の施設情報を検索し提示できるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明にかかるナビゲーション装置は、地図データと、施設に関するジャンル別情報および施設情報が格納されたデータベースの前記地図データに基づいて道路と施設を含んだ地図を表示する地図表示手段と、目的地が設定されると、自車両の現在位置から前記目的地までの案内経路を前記地図データに基づいて検索し、前記地図上において前記検索の結果を基に自車両の現在位置から前記目的地までの経路案内を行う経路案内手段と、前記ジャンル別情報、前記案内経路上の自車両の進行方向および前記案内経路からの距離により規定される選択条件を基に、前記地図上へ表示する施設について前記データベースに対し検索を行う選択手段と、前記選択手段により検索した前記施設を、前記施設情報と共に前記地図上へ表示するように前記地図表示手段を制御する表示制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、検索のための入力操作が行われなくても、あらかじめ設定された選択条件を基に特定の施設情報を検索し提示できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態であるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態であるナビゲーション装置のデータベースに格納された施設情報を示す説明図である。
【図3】この実施の形態のナビゲーション装においてジャンルごとにメモリの所定の記憶エリアに格納された選択条件を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態であるナビゲーション装置に表示される施設設定のための画面を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態であるナビゲーション装置の表示部の画面に表示された案内経路と、その案内経路に沿って表示された施設を示す画面説明図である。
【図6】本発明の実施の形態であるナビゲーション装置において表示部の画面に表示された案内経路と施設情報と、その施設情報のリストを示す画面説明図である。
【図7】本発明の実施の形態であるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態であるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態であるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の実施の形態であるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
このナビゲーション装置は、コントローラ(経路案内手段、選択手段、表示制御手段、リスト表示手段、演算手段)1、メモリ2、GPS部(経路案内手段)3、ビーコンユニット4、ビーコンユニットインタフェース5、メモリカード6、メモリカードインタフェース7を備えている。
さらに、ワンセグチューナ8、タッチパネル9、表示部11およびシステムバス12を備えている。
コントローラ1は、このナビゲーション装置を構成する各部の制御を行うマイクロプロセッサおよびその周辺回路から構成されている。
メモリ2は、RAM、ROM、ハードディスクおよびCD−ROMを含む記憶装置である。
メモリ2のたとえばCD−ROMにはデータベースDBが記録されている。
このデータベースは、道路、地形、施設形状などの地図情報の他、たとえば“ラーメン店”、“コンビニエンスストア”、“ゴルフ場”、ガソリン販売の“サービスステーション”などの施設のジャンルごとにその施設情報が格納されている。
このデータベースは、道路、地形、施設形状などの地図情報の他、たとえば“ラーメン店”、“コンビニエンスストア”、“ゴルフ場”、ガソリン販売の“サービスステーション”などの施設のジャンルごとの情報であるジャンル別情報が格納されている。
施設情報は、前記ジャンルごとの施設の詳細情報であり、店舗の名称、住所、位置、系列、駐車場の有無、席数を含む。
なお、データベースDBは、CD−ROMに必ずしも格納されている必要は無く、データベースDBが車両の外部のサーバーなどに設けられている場合には、その都度ネット経由でメモリ2に取り込むようにしてもよい。
図2は、このデータベースDBに格納された“ラーメン店”、“コンビニエンスストア”、“ゴルフ場”、“サービスステーション”などのジャンルごとの詳細な施設、店舗の住所、店名、位置、系列を含む施設情報を示す説明図である。
なお、“ラーメン店”、“コンビニエンスストア”、“ゴルフ場”、“サービスステーション”などのジャンルごとの施設情報には、施設をジャンル別に分類したときのシンボルマークが含まれる。
GPS部3は、GPS衛星から送られてくるGPS信号を受信し、自車両の現在位置を検出するものであり、GPS(Global Positioning System)に基づいて動作するものである。
ビーコンユニット4は渋滞迂回機能を実現するための装置であり、光ビーコンや電波ビーコンなどの渋滞情報を受信すると渋滞を回避した最適なルートを検索する。
ビーコンユニットインタフェース5は、ビーコンユニット4をシステムバス12へ接続する。
メモリカード6は、カード型の記憶装置である。
メモリカードインタフェース7は、メモリカード6をシステムバス12へ接続し、メモリカード6に対するアクセスを可能にする。
ワンセグチューナ8は、地上デジタル放送のワンセグ電波を受信するチューナである。
タッチパネル9は、表示部11の表面に指先などで接触が行われると、その接触された位置を特定する接触位置特定信号を出力する機能を備えている。
表示部11は、たとえば液晶画面へ操作用のアイコン、自車両の現在位置を含む道路、地形、施設などの地図情報を表示するものであり、特許請求の範囲の地図表示手段を構成している。
システムバス12は、コントローラ1、メモリ2、GPS部3、ビーコンユニット4、メモリカード6、ワンセグチューナ8、タッチパネル9、表示部11の間で各種情報や信号を送受信する通信路を構成している。
【0009】
次に動作について説明する。
図4は、この実施の形態であるナビゲーション装置において表示する施設を選択する選択条件をあらかじめ設定登録するための条件設定画面を示す説明図である。
図5は、このナビゲーション装置の表示部の画面に表示された案内経路と、その案内経路に沿って表示された施設を示す画面説明図である。
図6は、このナビゲーション装置において表示部11の画面24に表示された案内経路と施設情報と、その施設情報のリストを示す画面説明図である。図7、図8、図9は、このナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
この実施の形態のナビゲーション装置では、ユーザは先ず目的地を設定する。
この結果、ナビゲーション装置のコントローラ1は、GPS部3により検出された自車両の現在位置から設定された目的地までの案内経路と距離を地図データ上で演算し、これら演算結果をメモリ2へ記憶する。
そして、GPS部3により検出した自車両の現在位置と前記演算した案内経路とを、表示部9の画面へ表示した地図データ上に出力し、自車両の現在位置から前記設定された目的地への経路案内画面を作成する。
言い換えると、コントローラ1は、目的地を設定すると、自車両の現在位置から目的地までの案内経路を地図データを基に検索し、地図(道路地図)上において検索の結果を基に自車両の現在位置から目的地までの経路案内を行う。
この実施の形態のナビゲーション装置では、さらに、ユーザが立ち寄りたい施設の選択条件をあらかじめ設定しておくことで、前記案内経路近辺の前記施設についての施設情報を自動的に画面上に表示させユーザに通知する機能を備えている。
通知される案内経路近辺の施設情報は、前記選択条件を基に、自車両の表示部11の画面に表示された現在位置や案内経路に応じて自動的に判定され前記画面に表示された地図上に出力され通知される。
従って、ユーザは、あらかじめ自車両を停止させた状態で、目的地と、通知を受けたい施設についての選択条件を設定する操作を行い、前記選択条件を登録しておく。
その後、自車両が案内経路に従って走行すると、表示部11の画面には地図、案内経路、自車両の現在位置などが表示される。
このとき表示部11の画面に表示される前記地図、案内経路、自車両の現在位置などに追加されて前記選択条件を満足する施設、店舗などの施設情報についても出力される。
【0010】
先ず、図4の施設設定画面および図7に示すフローチャートに従って前記選択条件の設定登録動作について説明する。
ユーザはこのナビゲーション装置の表示部11の画面に表示される図示していないルート沿い施設設定用のアイコンに触れる。
このルート沿い施設設定用のアイコンに対する操作は、表示部11の画面に前記ルート沿い施設設定用のアイコンが表示されている状態と、前記タッチパネル9にユーザが触れることで出力される接触位置特定信号とからコントローラ1が判定を行う。
コントローラ1は、表示部11に表示されている前記ルート沿い施設設定用のアイコンが操作されたと判定すると、図4に示すルート沿い施設設定画面21を表示部11に出力する。
そして、前記選択条件の設定登録を受け付ける施設設定登録受付処理を実行する(ステップS1)。
この施設設定登録受付処理では、表示部11に出力したルート沿い施設設定画面21に、通知を必要とする施設についてのジャンルのリストとリスト選択用アイコンとを表示出力し、通知を必要とする施設についてジャンルの選択をユーザに促す。
この施設についてのジャンルは、たとえば“ラーメン店”、“コンビニエンスストアA”、“ゴルフ場”、ガソリン販売の“○○石油サービスステーション”である。
また、ジャンルのリストとしては“ラーメン店”についてはリスト101をリスト選択用アイコン205を内包する形態でラーメン店のシンボルマークとともに表示出力する。
また、“コンビニエンスストアA”についてはリスト102をリスト選択用アイコン206を内包する形態でコンビニエンスストアAのシンボルマークとともに表示出力する。
また、“ゴルフ場”についてはリスト103をリスト選択用アイコン207を内包する形態でゴルフ場のシンボルマークとともに表示出力する。
また、“○○石油サービスステーション” についてはリスト104をリスト選択用アイコン208を内包する形態で○○石油サービスステーションのシンボルマークとともに表示出力する。
さらに、ルート沿い施設設定画面21には、表示出力するリストの範囲を画面上で上方向または下方向へスクロールするための上方向スクロール用操作部111および下方向スクロール用操作部112が表示出力される。
また、ルート沿い施設設定画面21には、その画面下端付近に編集用アイコン115および前画面へ戻るための戻り操作用アイコン116が表示される。
【0011】
ユーザは、ルート沿い施設設定画面21において上方向スクロール用操作部111および下方向スクロール用操作部112を操作する。
そして、表示出力されるジャンルのリストの範囲を画面上で上方向または下方向へスクロールさせる。
そして、通知を必要とする施設について出力されているリスト101、102、103、104……のリスト選択用アイコン205,206,207,208……に触れて通知を必要とする施設のジャンルについて選択する。
このリスト選択用アイコンに触れると、リスト選択用アイコン205,206,208に示すようにそのアイコン枠内にチェックマークが付された状態になる。
このようにして通知を必要とする施設の選択を行なった後、ユーザが編集用アイコン115を操作すると、コントローラ1は編集用アイコン115が操作された状態を判定する。
そして、それまで表示部11へ出力していたルート沿い施設設定画面21を施設詳細設定画面22へ切り換え、選択されたジャンルごとに通知を必要とする施設や店舗についての選択条件設定をユーザへ促す選択条件設定登録受付処理を実行する(ステップS2)。
この選択条件設定登録受付処理では、施設詳細設定画面22に示すように、ルート沿い施設設定画面21のリスト選択用アイコンにチェックマークが付されなかったリストが消される。
一方、リスト選択用アイコンにチェックマークが付されたジャンルについてのリスト121、122、123が編集されリスト表示される。
施設詳細設定画面22には、さらに、前記表示出力したリスト121、122、123……の範囲を画面上で上方向または下方向へスクロールするための上方向スクロール用操作部124および下方向スクロール用操作部125が表示出力される。
また、施設詳細設定画面22の画面下端付近には、詳細設定の対象となるリストを追加するときの追加用アイコン135および前画面へ戻るための戻り操作用アイコン136が表示される。
この選択条件詳定登録受付処理では、ユーザは、施設詳細設定画面22に表示されているリスト121、122、123の中から通知を受けたいジャンルのリストを選択する。
この選択は、施設詳細設定画面22に表示されているリスト121、122、123の中で通知を必要とするリストに画面上で触れることで行う。
施設詳細設定画面22に表示されているリストをユーザが選択すると、コントローラ1は施設詳細設定画面22に代えて前記選択条件を設定するための詳細設定画面23を表示部11へ表示出力する。
【0012】
詳細設定画面23には、ジャンル詳細情報設定条件入力部141と左右選択条件入力部142と距離設定条件入力部143とが表示出力される。
ジャンル詳細情報設定条件入力部141には、施設詳細設定画面22においてユーザにより選択されたジャンルが入力される。
左右選択条件入力部142には、案内経路に従って走行する自車両の進行方向に対し左右両方向、右方向、左方向いずれの側に位置する施設を通知するかを決めるための「右方向」、「左方向」、「左右両方向」のうちのいずれかの条件が入力される。
距離設定条件入力部143には、通知する施設の地理的な範囲を案内経路からの直線距離により条件付けるための「距離」が入力される。
また、施設を通知する時刻の範囲、たとえばジャンル“ラーメン”については「PM12:00からPM1:00」などのように、昼時の時刻帯に限って通知を行うように条件を設定する通知時刻選択条件入力部を設けることも可能である。
言い換えると、この場合の選択条件は、施設の利用に関連する時刻の情報である時刻情報によって規定されている。
施設詳細設定画面22においてユーザがリスト123、ジャンル“○○石油サービスステーション”を選択すると、ジャンル詳細情報設定条件入力部141に“○○石油サービスステーション”が表示された条件詳細設定画面23が表示出力される。
ジャンル詳細情報設定条件入力部141に“○○石油サービスステーション”が表示された条件詳細設定画面23が表示出力されると、ユーザは、さらに条件詳細設定画面23の左右選択条件入力部142へ左右選択条件を設定する。
この左右選択条件の設定では、「左方向」、「右方向」あるいは「左右両方向」を入力し、さらに距離設定条件入力部143へ「距離」を設定する。
図4に示す条件詳細設定画面23では、左右選択条件入力部142へ左右選択条件として「左方向」を設定し、距離設定条件入力部143へは「距離」として「2Km」を設定した例を示している。
この条件詳細設定画面23には、ジャンル詳細情報設定条件入力部141、左右選択条件入力部142、距離設定条件入力部143へそれぞれ設定された選択条件を確定させるための確定ボタン144が画面下端付近に表示出力される。
ユーザは確定ボタン144を操作する。
そして、ジャンル詳細情報設定条件入力部141に設定された「ジャンル」、“○○石油サービスステーション”に対し、左右選択条件入力部142に設定された「左右方向」条件と距離設定条件入力部143に設定された「距離」の各選択条件を確定させる。
これら「ジャンル」、「左右方向」条件、「距離設定条件」が確定すると、これら選択条件はジャンルごとにメモリ2の所定の記憶エリアに格納される。
図3は、この実施の形態のナビゲーション装置においてジャンルごとにメモリ2の所定の記憶エリアに格納された選択条件を示す説明図である。
【0013】
コントローラ1は、確定ボタン144が操作されたと判定すると、表示部11に出力していた画面を条件詳細設定画面23から施設詳細設定画面22へ切り換える。
そして、コントローラ1は、以上説明した選択条件設定登録受付処理が終了したか否かを判定する(ステップS3)。
なお、この選択条件設定登録受付処理は、一定の時間、タッチパネル9上への操作がないときに自動的に終了判定するように構成することができる。
あるいは終了するための操作ボタンを設け、この操作ボタンに対し操作が行われることを条件に終了判定するように構成することができる。
ステップS3において選択条件設定登録受付処理が終了していないと判定すると、コントローラ1は表示部11に出力した施設詳細設定画面22による選択条件設定登録受付処理を続行する(ステップS2)。
この結果、ユーザは、例えば新たなリスト122、ジャンル“コンビニエンスストアA”を選択することで、通知を必要とするジャンル“コンビニエンスストアA”について新たな選択条件を設定できる。
図3は、このようにして「ジャンル」“○○石油サービスステーション”について「左右方向」について「左方向」、「距離」について「2Km」の各選択条件がメモリ2に記憶された状態を示している。
また、「ジャンル」“コンビニエンスストアA”については「左右方向」について「左右両方向」、「距離」について「3Km」の各選択条件がメモリ2に記憶された状態を示している。
また、「ジャンル」“ラーメン”については「左右方向」について「右方向」、「距離」について「4Km」の各選択条件がメモリ2に記憶された状態を示している。
また、通知時刻選択条件入力部を設けた場合には通知時刻「PM12:00〜1:00」というように、各ジャンルごとに通知を必要とする施設、店舗の通知時刻についての選択条件がメモリ2に記憶される。
【0014】
このように選択条件が設定登録された状態では、コントローラ1は、前記設定登録されている選択条件を基に、自車両の現在位置や案内経路が出力された地図上へ表示する施設、店舗やその通知時刻帯を選択する。
そして、前記選択条件を満足する施設や時刻帯に限定して表示を行うことになる。
図5は、このようにして自車両の現在位置や案内経路に対応させて地図上へ出力される前記選択条件を満足する施設、店舗を示している。
図5の符号151は案内経路152に沿って走行している自車両の現在位置を示している。
符号153は案内経路152の左側における「距離設定条件」が2Kmであるときの範囲を示している。符号154は案内経路152の右側における「距離設定条件」が2Kmであるときの範囲を示している。
符号155は、ジャンルが“○○石油サービスステーション”であり、「左右方向」についての選択条件が「左方向」、「距離」についての選択条件が「2Km」であるときの“○○石油サービスステーション”の系列店の1つを示す。
図5に示した例では、ジャンル“○○石油サービスステーション”、「左右方向」についての選択条件として「左方向」、「距離」についての選択条件として「2Km」が設定されている。
このことから、自車両の現在位置151が表示されている案内経路152の左側、符号153で示される案内経路152から2Kmの範囲に含まれるシンボルマーク■、符号155で示される“○○石油サービスステーション”の系列店の1つが表示されている。
この符号155で示された“○○石油サービスステーション”の系列店は、自車両の現在位置151が表示されている案内経路152の左側であって、案内経路152から符号153で示される2Kmの範囲に含まれている。
そして、前記選択条件を満足する系列店がCD−ROMに格納されたデータベースから選択され、その施設情報が読み出され、位置についての施設情報を基に表示される。
一方、前記選択条件を満足していないジャンル“○○石油サービスステーション”の系列店については符号156,157,158で示すように表示されない。
【0015】
図6に示す画面説明図では、表示部11の画面24には、案内経路162と、案内経路に沿って走行する自車両の現在位置161が表示されている。
そして、ジャンル“○○石油サービスステーション”については、図4の施設詳細設定画面22、条件詳細設定画面23で説明したように「左右方向」の選択条件として「左方向」、「距離」についての選択条件として「2Km」が設定されている。
このことから、自車両の現在位置161が表示されている案内経路162の左側、案内経路162から2Kmの範囲に含まれるシンボルマーク■の符号168で示される“○○石油サービスステーション”の系列店が前記選択条件を満足する。
このため前記選択条件を満足するジャンル“○○石油サービスステーション”の前記系列店がデータベースから選択され、その施設情報が読み出され、位置についての情報を基に地図上に表示される。
また、ジャンル“ラーメン店”については、選択条件のうち「左右方向」の選択条件として「右方向」、「距離」についての選択条件として「5Km」がユーザにより設定されたとして、前記選択条件を満足する系列店がデータベースから選択される。
つまり、自車両の現在位置161が表示されている案内経路162の右側、案内経路162から5Kmの範囲に含まれる符号163、符号169、シンボルマーク◎で示される2つの系列店がデータベースから選択される。
そして、前記系列店の施設情報が読み出され、位置についての情報を基に地図上に表示される。
なお、通知時刻選択条件が設定されるときには、設定された時刻帯に限りジャンル“ラーメン店”について他の選択条件を満足する施設情報が読み出され、位置についての情報を基に地図上に表示される。
また、ジャンル“コンビニエンスストアA”については、「左右方向」の選択条件として「左右両方向」、「距離」についての選択条件として「10Km」がユーザにより設定されたとして、前記選択条件を満足する系列店がデータベースから選択される。
前記選択条件を満足する系列店は、自車両の現在位置161が表示されている案内経路162の右側および左側、案内経路162から10Kmの範囲に含まれる符号164、符号166、シンボルマーク◆で示される2つの系列店である。
これらシンボルマーク◆で示される2つの系列店がデータベースから選択され、その施設情報が読み出され、位置についての情報を基に地図上に表示される。
表示部11の画面には、さらに、地図上に表示された前記選択条件を満足する施設、店舗の施設情報や詳細情報がリスト表示される。
このリストは、図6に示すように自車両の現在位置161に重ならない位置に設定されるリスト表示領域171にリスト172,173,174として表示される。
図6に示す例では、リスト172には、自車両の現在位置から進行方向の最も近い距離にあるジャンル“ラーメン店”の施設、店舗の名称「ラーメン店B」が表示される。
さらに、自車両の現在位置161から「ラーメン店B」までの距離数(直線距離あるいは経路案内したときの経路長)「4Km」を含む施設情報や詳細情報が表示される。
また、リスト173には、自車両の現在位置から進行方向の最も近い距離にあるジャンル“コンビニエンスストアA”の施設、店舗の名称「コンビニΔ○店」が表示される。
さらに、自車両の現在位置161から「コンビニΔ○店」までの距離数(直線距離あるいは経路案内したときの経路長)「3Km」を含む施設情報や詳細情報が表示される。
また、リスト174には、自車両の現在位置から進行方向の最も近い距離にあるジャンル“○○石油サービスステーション”の系列の施設、店舗の名称「SS○○店」が表示される。
さらに、自車両の現在位置161から「SS○○店」までの距離(直線距離あるいは経路案内したときの経路長)「1Km」を含む施設情報や詳細情報が表示される。
したがって、ユーザは、自車両から立ち寄ろうとする施設までの距離を容易に知ることができるため、使い勝手の向上を図る上で有利となる。
【0016】
図8は、あらかじめ設定登録された選択条件を満足する施設、店舗が、図6に示すように自車両の現在位置や案内経路に応じて表示されるこの実施の形態のナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
以下、図8のフローチャートを参照し目的地までの経路案内が行われるときの動作を説明する。
先ず、ユーザは目的地の設定を行う。
ユーザによる目的地の設定が行われると、コントローラ1は自車両の現在位置から設定された目的地までの経路と距離を地図データ上で演算し(ステップS21)、表示部11の画面へ表示出力する。
この結果、自車両の現在位置が出力されている地図上に前記目的地への案内経路、距離が表示される(ステップS22)。
【0017】
一方、ユーザは、途中、立ち寄りたい施設、たとえば“ラーメン店”、“コンビニエンスストアA”、“ゴルフ場”、ガソリン販売の“○○石油サービスステーション”などのジャンルをあらかじめ設定する。
また、表示する施設や店舗を案内経路上の自車両の進行方向に対し右側にある施設、店舗にするか、あるいは左側にある施設、店舗にするかを決める「左右方向」についての選択条件をあらかじめ設定する。
さらに、表示する施設や店舗を案内経路あるいは自車両の現在位置からどの程度の距離範囲内の施設や店舗にするかを決める「距離」についての選択条件をあらかじめ設定する。
これらあらかじめ設定された選択条件は図3に示すようにジャンルごとにメモリ2に格納されている。
【0018】
コントローラ1は、前記選択条件が設定されているか否かを判定し(ステップS23)、前記選択条件が設定されていると、コントローラ1はメモリ2から前記選択条件を読み出す(ステップS24)。
そして、前記選択条件を満足する前記ジャンルごとの施設、店舗の施設情報、詳細情報、案内経路と自車両の現在位置に対応する地図データをデータベースから読み出す(ステップS25)。
言い換えると、コントローラ1は、ジャンル別情報、案内経路上の自車両の進行方向および案内経路からの距離により規定される選択条件を基に、地図上へ表示する施設についてデータベースに対し検索を行う。
そして、表示部11の画面に表示された案内経路と自車両の現在位置が出力されている地図上に、前記選択条件を満足する前記ジャンルごとの施設、店舗と、その施設情報を出力する(ステップS26)。
前記ジャンルごとの施設、店舗は、ジャンル別に分類したときのシンボルマークにより前記地図上へ表示する。
言い換えると、コントローラ1は、前記検索された施設を、施設情報と共に地図上へ表示する。
この結果、ユーザが立ち寄ろうとする施設であって、かつ、自車両の進行方向において案内経路に沿った場所に位置する施設の施設情報が地図上に表示される。
したがって、ユーザが立ち寄ろうとする施設の施設情報を的確に表示することができるため、ナビゲーション装置の使い勝手の向上を図る上で有利となる。
さらに、図6に示すように、地図上に表示された前記選択条件を満足する施設、店舗の名称を含む施設情報や詳細情報をリスト表示する(ステップS27)。
このようなリスト表示がなされることで複数の施設に対応する施設情報や詳細情報を一覧できるため、ナビゲーション装置の使い勝手の向上を図る上で有利となる。
【0019】
ナビゲーション装置は、自車両の現在位置から目的地までの経路案内機能を有しているが、このような経路案内機能を利用することなく自車両の現在位置を含む地図を表示させて走行するだけの利用形態も多い。
図9は、自車両の現在位置に応じてあらかじめ設定登録された選択条件を満足する施設が選択され表示されるこの実施の形態のナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
以下、このような目的地を設定しない場合の動作について図9のフローチャートに従って説明する。
この場合、目的地は設定されないことから表示部11の画面には案内経路は出力されておらず、自車両の現在位置が地図上に出力されている。
一方、ユーザは、立ち寄りたい施設、たとえば“ラーメン店”、“コンビニエンスストアA”、“ゴルフ場”、ガソリン販売の“○○石油サービスステーション”などのジャンルを設定する。
また、表示する施設や店舗を自車両の走行中の道路の進行方向に対し右側にある施設、店舗にするか、あるいは左側にある施設、店舗にするかを決める「左右方向」についての選択条件を設定する。
さらに、表示する施設や店舗を自車両の現在位置からどの程度の距離範囲内の施設や店舗にするかを決める「距離」についての選択条件をあらかじめ設定する。これら設定された選択条件は図3に示すようにジャンルごとにメモリ2に格納されている。
【0020】
コントローラ1は、前記選択条件が設定されていると、メモリ2から前記選択条件を読み出す(ステップS12)。
そして、自車両の現在位置を中心として、前記設定されているジャンルごとにその選択条件を満足する施設、店舗をデータベースから選択する(ステップS13)。
次に、前記選択条件を満足する施設、店舗の施設情報、詳細情報を前記データベースから読み出す。
そして、表示部11の画面に表示された自車両の現在位置が出力されている地図上に、前記施設、店舗の位置を示す情報を基に、前記選択条件を満足する前記ジャンルごとの施設、店舗と、その施設情報を表示出力する(ステップS14)。
さらに、ステップS14において表示部11の画面に表示出力した施設、店舗について、自車両の現在位置からの直線距離や方位などの詳細情報を演算する(ステップS15)。
次に、表示部11の画面に表示出力した施設、店舗について前記演算した直線距離や方位などの詳細情報をリスト表示する(ステップS16)。
言い換えると、コントローラ1は、目的地までの経路案内を停止した状態で動作する。
コントローラ1は、ジャンル別情報、自車両が走行している道路上の自車両の進行方向および自車両が走行している道路からの距離により規定される選択条件を基に、地図上へ表示する施設についてデータベースに対し検索を行う。そして、コントローラ1は、前記検索した施設を地図上へ表示する。
この結果、ユーザが立ち寄ろうとする施設であって、かつ、自車両の進行方向において自車両が走行する道路に沿った場所に位置する施設の施設情報が地図上に表示される。
したがって、目的地までの経路案内がなされていない場合であっても、施設の施設情報を的確に表示することができるため、ナビゲーション装置の使い勝手の向上を図る上で有利となる。
【0021】
なお、図8、図9のフローチャートでは、自車両の現在位置や案内経路に対し、あらかじめ設定登録された選択条件を満足する施設を選択し表示するナビゲーション装置について説明した。
このようなナビゲーション装置では、表示部11のタッチパネル9の操作、表示部11の画面に表示している地図の縮尺の操作により、特定の場所、たとえば東京に居ながら北海道の特定の都市の地図を表示部11の画面に表示することも可能である。
この場合、表示部11の画面に表示している北海道の特定の都市の地図の起点は、たとえば画面中央に位置するようになる十字マークにより示される。
この十字マークにより示される北海道の特定の都市の地図の起点は、表示部11のタッチパネル9に対する触れる位置を変えることで移動し、これに伴って前記北海道の特定の都市の地図の表示範囲も移動する。
従って、図8のフローチャートで使用した「自車両の現在位置」を「タッチパネル9に触れることで設定した表示部11の画面に表示された地図の起点」である十字マークと読み替える。
このナビゲーション装置では、地図上の十字マークの位置から表示した施設までの案内経路を演算し、案内経路を表示する。
【0022】
また、表示部11の画面に表示している地図の縮尺についてであるが、「距離」についての選択条件として設定された距離数と、表示部11の画面に現在表示している地図の縮尺とを自動的に整合させることもできる。
つまり、表示部11の画面に表示している地図の縮尺が100m/センチであるときに、「距離」についての選択条件として設定された距離数が数Kmである施設の場合、前記施設の表示部11の画面内の表示位置は画面外となって表示できないことになる。
従って、現在の表示部11の画面に表示している地図の縮尺を、たとえば100m/センチから500m/センチへ自動的に変更し、自車両の現在位置、案内経路から数Km離れている施設を表示部11の画面に表示できるようにする。
このためには、「距離」についての選択条件として設定された距離数と、表示部11の画面に現在表示している地図の縮尺とを整合させ、自車両の現在位置、案内経路から数Km離れている施設が表示部11の画面内に入るようにすればよい。
【0023】
以上説明したように、この実施の形態によれば、データベース化された地図上の施設に関するジャンル別情報および施設情報を利用し、前記自車両の現在位置や前記案内経路が出力された前記地図上へ施設を表示する。
表示する施設については、前記ジャンル別情報、案内経路上の自車両の進行方向に対する施設の左右選択条件、前記案内経路からの距離および時刻により規定される選択条件を満足する施設について前記データベースに対し検索し選択する。
そして、自車両の現在位置や案内経路が出力されている地図へ前記選択条件を満足する施設をそのシンボルマークにより自動的に表示する。
このため、ユーザによる検索のための操作が行われなくても、自車両の現在位置や案内経路に対し、ユーザが立ち寄りたい特定の施設情報の検索が自動的に行われることになる。
そして、ユーザが立ち寄りたい特定の施設情報が前記自車両の現在位置や案内経路に対し表示出力される。
したがって、ユーザが立ち寄ろうとする施設に応じた選択条件を予め設定しておくことで、自車両の進行方向において案内経路に沿った場所に位置する施設の施設情報を自動的にかつ的確に表示することができる。そのため、ナビゲーション装置の使い勝手の向上を図れ、商品価値を高める上で有利となる。
【符号の説明】
【0024】
1……コントローラ(経路案内手段、選択手段、表示制御手段、リスト表示手段、演算手段)、3……GPS部(経路案内手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データと、施設に関するジャンル別情報および施設情報が格納されたデータベースの前記地図データに基づいて道路と施設を含んだ地図を表示する地図表示手段と、
目的地が設定されると、自車両の現在位置から前記目的地までの案内経路を前記地図データに基づいて検索し、前記地図上において前記検索の結果を基に自車両の現在位置から前記目的地までの経路案内を行う経路案内手段と、
前記ジャンル別情報、前記案内経路上の自車両の進行方向および前記案内経路からの距離により規定される選択条件を基に、前記地図上へ表示する施設について前記データベースに対し検索を行う選択手段と、
前記選択手段により検索した前記施設を、前記施設情報と共に前記地図上へ表示するように前記地図表示手段を制御する表示制御手段と、
を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記選択手段により検索された前記施設を、ジャンル別に分類したときのシンボルマークにより前記地図上へ表示する、
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記表示制御手段が、前記選択手段で検索した前記施設の前記施設情報を前記地図上へリスト表示するリスト表示手段をさらに備える、
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記リスト表示手段は、前記表示制御手段が前記地図上へ表示した前記施設のうち、前記自車両の現在位置から最も近い距離にある施設の施設情報をリスト表示する、
請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記表示制御手段が前記地図上へ表示した前記施設のうち、前記自車両の現在位置から最も近い距離にある施設までの距離を前記地図上で演算する演算手段をさらに備え、
前記リスト表示手段は、前記自車両の現在位置から最も近い距離にある前記施設の施設情報を、前記演算手段が演算した前記距離とともにリスト表示する、
請求項4記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記選択条件は、前記ジャンル別情報、前記案内経路上の自車両の進行方向に関する進行方向および前記案内経路からの前記施設までの距離に加え、前記施設の利用に関連する時刻の情報である時刻情報により規定される、
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記経路案内手段による前記目的地までの経路案内を停止した状態で、前記選択手段は、前記ジャンル別情報、前記自車両が走行している道路上の自車両の進行方向および前記自車両が走行している道路からの距離により規定される選択条件を基に、前記地図上へ表示する施設について前記データベースに対し検索を行い、
前記表示制御手段は、前記選択手段により検索した前記施設を、前記地図上へ表示する、
請求項1記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−175517(P2010−175517A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21764(P2009−21764)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】