説明

ナビゲーション装置

【課題】施設の創設時期を考慮した施設の検索の自由度を高めることができ、ひいては、所望の目的地を簡便かつ確実に設定することができる「ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】検索される施設の最古の創設時期および最新の創設時期の少なくとも一方を特定する旨の創設時期特定条件を入力可能とされた検索条件入力画面21を表示部に表示する検索条件入力画面表示手段17と、検索条件入力画面21に入力された創設時期特定条件を満足する施設を、創設時期情報記憶手段15に記憶された創設時期情報および地図データ記憶手段15に記憶された施設情報を用いて検索する施設検索手段27とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナビゲーション装置に係り、特に、地図データを用いた施設の検索に好適なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用ナビゲーション装置においては、ナビゲーションの目的地を設定する際に、ユーザが指定した目的地の条件(名称、住所またはジャンル等)を満足するような施設(店舗、食事施設、宿泊施設、レジャー施設、医療施設、交通機関の施設または景勝地等)を地図データを用いて検索し、検索結果をユーザに提示することにより、ユーザが検索結果に示される施設を目的地に設定することが可能とされていた。
【0003】
ところで、ある地域Aに過去に居住していたユーザが、その地域Aに数年振りに赴く場合に、ユーザがその地域Aから転居した後に新設された施設を効率よく検索して目的地に設定することができれば便利である。しかしながら、ユーザは、新設された施設の名称、住所または電話番号等を知らないため、たとえ、地図データ中に新設された施設の情報が格納されていたとしても、その情報を有効に活用することが困難であった。
【0004】
なお、特許文献1には、新旧の電話帳データを比較することによって施設の創設時情報を作成し、作成された創設時情報に基づいて、施設検索によって検索された所望の種類に属する最近の施設を創設時順に並べる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−114668号公報
【特許文献2】特開2002−340586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1においては、自車両の現在位置の周辺の施設しか検索されないこと(特許文献1の段落0021等参照)や、過去3年以内に創設された施設しか検索されないこと(特許文献1の段落0022等参照)など、検索処理に自動的な制約が課されてしまい、ユーザが施設の創設時期を考慮した施設の検索を十分に行うことは困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、施設の創設時期を考慮した施設の検索の自由度を高めることができ、ひいては、所望の目的地を簡便かつ確実に設定することができるナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するため本発明に係るナビゲーション装置は、施設の属性を示す情報である施設情報を含む地図データが記憶された地図データ記憶手段と、施設の創設時期を示す情報である創設時期情報が、当該施設についての前記施設情報と対応付けられた状態で記憶された創設時期情報記憶手段と、施設の検索条件を入力可能とされた検索条件入力画面として、検索される施設の最古の創設時期および最新の創設時期の少なくとも一方を特定する旨の検索条件である創設時期特定条件を入力可能とされた検索条件入力画面を表示部に表示する検索条件入力画面表示手段と、この検索条件入力画面表示手段によって表示された前記検索条件入力画面に入力された前記創設時期特定条件を満足する施設を、前記創設時期情報記憶手段に記憶された前記創設時期情報および前記地図データ記憶手段に記憶された前記施設情報を用いて検索する施設検索手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
そして、このような構成によれば、施設検索手段により、検索条件入力画面に入力された創設時期特定条件を満足する施設を、創設時期情報記憶手段に記憶された創設時期情報および地図データ記憶手段に記憶された施設情報を用いて検索することができるので、施設の創設時期を考慮した施設の検索の自由度を高めることができる。
【0010】
また、前記地図データ記憶手段に記憶されている前記地図データを更新する地図データ更新手段と、この地図データ更新手段による前記地図データの更新の際に、更新前の地図データとこの地図データの更新に用いられる更新データとを比較することによって、前記更新前の地図データ中に存在しない新たな施設を前記更新データから抽出し、抽出された新たな施設について、前記地図データの更新時期を当該新たな施設の創設時期と決定する創設時期決定手段と、この創設時期決定手段によって決定された前記創設時期を示す情報を、前記新たな施設の創設時期情報として前記新たな施設の前記施設情報と対応付けられた状態で前記創設時期情報記憶手段に記録する創設時期情報記録手段とを備えるようにしてもよい。
【0011】
そして、このような構成によれば、地図データの更新時期を、地図データの更新によって地図データに追加される新たな施設の創設時期と決定し、決定された創設時期を示す情報を、新たな施設の創設時期情報として創設時期情報記憶手段に記録することができるので、創設時期情報を簡便かつ確実に拡充させることができ、創設時期を考慮した施設の検索をさらに適切に行うことができる。
【0012】
さらに、前記検索条件入力画面表示手段は、前記検索条件入力画面として、検索される施設の属性であって前記施設情報に示されているものを特定する旨の条件である属性特定条件を前記創設時期特定条件以外の施設の検索条件として入力可能とされた検索条件入力画面を表示可能とされ、前記施設検索手段は、前記検索条件入力画面に入力された前記属性特定条件を満足する施設を、前記地図データ記憶手段に記憶された前記施設情報を用いて検索するようにしてもよい。
【0013】
そして、このような構成によれば、創設時期特定条件と属性特定条件とを複合させた検索条件の下での施設の検索も可能となり、所望の施設をさらに確実に検索することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、施設の創設時期を考慮した施設の検索の自由度を高めることができ、ひいては、所望の目的地を簡便かつ確実に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態において、車載用ナビゲーション装置を示すブロック図
【図2】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態において、施設情報と創設年度情報との対応状態を説明するための説明図
【図3】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態において、施設検索の際における画面の遷移状態の一例を説明するための説明図
【図4】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態において、ジャンル入力画面を示す図
【図5】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態において、絞り込み項目画面を示す図
【図6】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態において、地図データの更新の際における新たな施設の創設年度の決定方法を説明するための説明図
【図7】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るナビゲーション装置の実施の形態について、図1乃至図7を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るナビゲーション装置の実施形態として、車両に搭載される車載用ナビゲーション装置1の実施形態を示したものである。この図1に示すように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1は、大別して、ナビゲーションメインユニット2と、このナビゲーションメインユニット2にそれぞれ接続されたGPSレシーバ3、自律航法センサ4、入力操作部5、表示部としてのディスプレイ6およびスピーカ7とによって構成されている。
【0018】
GPSレシーバ3は、図示しないGPS衛星から配信されるGPS情報(時刻や軌道に関する情報)を受信し、受信したGPS情報をナビゲーションメインユニット2側に出力するようになっている。
【0019】
自律航法センサ4は、自車両の加速度、車速および自車方位等を検出し、検出結果をナビゲーションメインユニット2側に出力するようになっている。この自律航法センサ4は、ジャイロセンサ等からなるものであってもよい。
【0020】
入力操作部5は、車載用ナビゲーション装置1に対する種々の入力操作に用いられるようになっている。この入力操作部5は、リモコン、ディスプレイ6のタッチパネル、リニアエンコーダまたはロータリエンコーダ等であってもよい。
【0021】
次に、ナビゲーションメインユニット2について詳述すると、図1に示すように、ナビゲーションメインユニット2は、システムバス10にそれぞれ接続されたナビCPU11、ROM12、RAM14、ハードディスクドライブ(HDD)15および更新データ用インターフェース(I/F)16によって構成されている。
【0022】
ここで、ナビCPU11は、施設検索機能、経路探索機能、経路誘導機能および地図表示機能等の車載用ナビゲーション装置1の諸機能を実行するようになっている。
【0023】
また、ROM12には、ナビCPU11の実行プログラムが記憶されており、ナビCPU11は、この実行プログラムを実行することによって車載用ナビゲーション装置1の機能を実行するようになっている。
【0024】
さらに、RAM14は、ナビCPU11による処理結果等のデータの一時的な保存等に用いられるようになっている。
【0025】
さらにまた、ハードディスクドライブ15は、地図データ記憶手段として機能するようになっており、図2に示すように、ハードディスクドライブ15には、地図データベース(地図DB)が記憶されている。この地図データベースには、施設の属性を示す情報である施設情報を含む地図データが格納されて管理されている。図2には、複数の施設(施設A、施設B、施設C・・・)ごとに図示しない個別の識別コードが付与されて管理された各施設のそれぞれの施設情報として、各施設の名称、住所、電話番号およびジャンルの各属性を示す施設情報が示されている。なお、図示はしないが、地図データには、道路データ(リンク、ノード、セグメントおよび形状補間点等)や背景データ(点、ポリライン、ポリゴンおよびテキスト等)等のデータも含まれている。
【0026】
また、本実施形態において、ハードディスクドライブ15は、創設時期情報記憶手段としても機能するようになっている。すなわち、図2に示すように、ハードディスクドライブ15には、創設年度データベース(創設年度DB)が記憶されており、この創設年度データベースには、創設時期情報として、施設の創設時期としての施設の創設年度を示す情報である創設年度情報が、各施設(施設A、施設B、施設C・・・)ごとに、各施設についての施設情報と対応付けられた状態で格納されて管理されている。なお、施設情報と創設年度情報との対応付けについては、互いに対応する識別コードを付与すること等によって実現すればよい。
【0027】
次に、ナビCPU11についてさらに詳述すると、図1に示すように、ナビCPU11は、その機能ブロックの1つとして、検索条件入力画面表示手段としての検索条件入力画面描画部17を有している。この検索条件入力画面描画部17は、入力操作部5を介して施設の検索条件が入力可能とされた検索条件入力画面の描画データを生成し、生成された当該描画データをディスプレイ6に出力することによって、検索条件入力画面をディスプレイ6に表示可能とされている。
【0028】
本実施形態において、検索条件入力画面描画部17は、ナビゲーションのメニュー画面等の操作画面に対する入力操作部5の入力操作によって施設の検索への移行が指示された場合に、検索条件入力画面の初期画面として、まず、図3のステップ1(ST1)に示すような条件項目画面18を表示するようになっている。ここで、図3のステップ1(ST1)に示すように、条件項目画面18には、入力操作部5による選択操作が可能とされた5個の項目ボタン19として、施設情報に示されている各属性を表す文字(「名称」、「住所」、「電話番号」または「ジャンル」)または「年度別」の文字がそれぞれ表記された項目ボタン19が含まれている。このような条件項目画面18においては、いずれか1個の項目ボタン19を入力操作部5を用いて選択することによって、選択された項目ボタン19に表記された文字に対応する検索条件に関するさらに詳細な条件設定に移行することができるようになっている。
【0029】
例えば、検索条件入力画面描画部17は、条件項目画面18において「年度別」の文字が表記された項目ボタン19が入力操作部5を用いて選択された場合には、条件項目画面18に対する下階層側の検索条件入力画面として、図3のステップ2(ST2)に示すような創設年度条件入力画面21を表示するようになっている。ここで、創設年度条件入力画面21は、施設の検索条件として、検索される施設の最古の創設年度および最新の創設年度の少なくとも一方を特定する旨の条件である創設年度特定条件を入力可能とされた検索条件入力画面となっている。具体的には、図3のステップ2(ST2)に示すように、創設年度条件入力画面21には、年度入力欄22が含まれており、この年度入力欄22には、入力操作部5を用いて2つの年度をハイフンを挟むようにして入力することが可能とされている。また、創設年度条件入力画面21には、入力操作部5による操作が可能とされた3個の操作ボタン23として、「年度以前」、「年度以後」または「年度範囲指定」の文字がそれぞれ表記された操作ボタン23が含まれている。このような創設年度条件入力画面21においては、例えば、年度入力欄22に「2000-2000」と同じ年度を2度入力した上で、「年度以前」の文字が表記された操作ボタン23を操作することにより、2000年度以前に創設された施設を検索する旨の創設年度特定条件が入力されることになる。また、年度入力欄22に「2000-2000」と入力した上で、「年度以後」の文字が表記された操作ボタン23を操作することにより、2000年度以後に創設された施設を検索する旨の創設年度特定条件が入力されることになる。さらに、年度入力欄22に「2000-2009」と入力した上で、「年度範囲指定」の文字が表記された操作ボタン23を操作することにより、2000年度以後であって2009年度以前に創設された施設を検索する旨の創設年度特定条件が入力されることになる。
【0030】
また、創設年度条件入力画面21以外の条件項目画面18に対する下階層側の検索条件入力画面の例として、検索条件入力画面描画部17は、条件項目画面18において「ジャンル」の文字が表記された項目ボタン19が入力操作部5を用いて選択された場合には、検索条件入力画面として、図4に示すジャンル入力画面24を表示するようになっている。図4に示すように、ジャンル入力画面24には、入力操作部5を用いた選択操作が可能とされた複数個の項目ボタン25として、施設のジャンルを示す文字(「コンビニ」、「ガソリンスタンド」、「ファミレス」または「駐車場」等)がそれぞれ表記された項目ボタン25が含まれている。このようなジャンル入力画面24においては、入力操作部5を用いて特定の項目ボタン25を選択すると、選択された項目ボタン25に表記された文字が示すジャンルに属する施設を検索する旨の属性特定条件が入力されることになる。ここで、属性特定条件とは、検索される施設の属性であって施設情報(図2参照)に示されているものを特定する旨の施設の検索条件のことをいう(以下、同様)。
【0031】
図1に戻って、ナビCPU11は、その機能ブロックの1つとして、施設検索手段としての施設検索部27を有している。施設検索部27は、創設年度条件入力画面21に入力された創設年度特定条件を満足する施設を、ハードディスクドライブ15に記憶された創設年度情報および施設情報を用いて検索するようになっている。すなわち、施設検索部27は、施設年度データベースから創設年度特定条件を満足する創設年度情報を抽出した上で、抽出された創設年度情報に対応する施設情報を地図データベースから抽出することによって、創設年度特定条件を満足する施設を検索するようになっている。また、これ以外にも、施設検索部27は、ジャンル入力画面24等の条件項目画面18に対する下階層側の検索条件入力画面に入力された属性特定条件を満足する施設を、施設情報を用いて検索するようになっている。
【0032】
また、ナビCPU11は、その機能ブロックの1つとして、検索結果描画部28を有しており、この検索結果描画部28は、施設検索部27の検索結果の描画データを生成し、生成された当該描画データをディスプレイ6に出力することによって、施設検索部27の検索結果をディスプレイ6に表示するようになっている。例えば、検索結果描画部28は、検索結果として、図3のステップ3(ST3)に示すような施設一覧表示画面29をディスプレイ6に表示するようになっている。ここで、施設一覧表示画面29には、施設検索部27によって検索された施設(図3においては複数の施設)の名称(施設a〜d)が表記された表示項目30が含まれており、この表示項目30は、入力操作部5を用いて選択可能とされている。また、施設一覧表示画面29には、目的地設定ボタン32が含まれており、この目的地設定ボタン32も、入力操作部5を用いた操作が可能とされている。さらに、施設一覧表示画面29には、絞り込み検索指示ボタン33が含まれており、この絞り込み検索指示ボタン33も、入力操作部5を用いた操作が可能とされている。
【0033】
そして、このような施設一覧表示画面29において、入力操作部5を用いて特定の表示項目30が選択された上で目的地設定ボタン32が操作された場合には、選択された表示項目30に対応する施設が目的地として設定されることになる。なお、経由地についても、例えば、施設一覧表示画面29上に経由地設定ボタン(選択された表示項目30を経由地として設定可能な操作ボタン)を表示する等の画面構成を採用することによって、創設年度を考慮した施設の検索を経た上での経由地の設定を行うことができる。
【0034】
一方、施設一覧表示画面29において絞り込み検索指示ボタン33が操作された場合には、検索条件入力画面描画部17は、図5に示すような絞り込み項目画面36をディスプレイ6に表示するようになっている。図5に示すように、絞り込み項目画面36には、施設一覧表示画面29に表示された施設の検索に用いられた検索条件(図5においては創設年度特定条件)以外の検索条件(図5においては属性特定条件)を示す文字が表記された項目ボタン37が含まれており、この項目ボタン37は、入力操作部5によって選択可能とされている。そして、検索条件入力画面描画部17は、絞り込み項目画面36において入力操作部5を用いて特定の項目ボタン37が選択された場合には、選択された項目ボタン37に表記された検索条件の入力が可能とされた絞り込み検索用の検索条件入力画面をディスプレイ6に表示するようになっている。例えば、絞り込み項目画面36において「ジャンル」の文字が表記された項目ボタン37が選択された場合には、検索条件入力画面描画部17は、絞り込み検索用の検索条件入力画面として、図4に示したジャンル入力画面24のようなジャンル(属性特定条件)の入力が可能とされた入力画面を表示することになる。そして、絞り込み検索用の検索条件入力画面に対して入力操作部5を用いた絞り込み用の検索条件の入力が行われた場合には、施設検索部27は、現在の施設の検索結果の中から絞り込み用の検索条件を満足する施設を絞り込む絞り込み検索を行い、その検索結果をディスプレイ6に表示するようになっている。なお、絞り込み検索の検索結果は、図3のステップ3に示した施設一覧表示画面29と同様な画面であってもよい。
【0035】
図1に戻って、ナビCPU11は、その機能ブロックの1つとして、目的地設定部34を有しており、この目的地設定部34は、目的地設定用の操作画面(例えば、前述した施設一覧表示画面29)に対する入力操作部5の入力操作に応じたナビゲーションの目的地を設定するようになっている。
【0036】
また、ナビCPU11は、その機能ブロックの1つとして、経由地設定部35を有しており、この経由地設定部35は、経由地設定用の操作画面に対する入力操作部5の入力操作に応じたナビゲーションの経由地を設定するようになっている。
【0037】
このような構成によれば、施設検索部27により、検索条件入力画面描画部17によって表示された創設年度条件入力画面21に入力された創設年度特定条件を満足する施設を、創設年度情報および施設情報を用いて検索することができるので、施設の創設年度を考慮した施設の検索の自由度を高めることができる。また、検索条件入力画面描画部17により、検索条件入力画面として、属性特定条件が入力可能とされた検索条件入力画面を表示することができるので、創設年度特定条件と属性特定条件とを複合させた検索条件の下での施設の検索(絞り込み検索)も可能となり、所望の施設をさらに確実に検索することができる。
【0038】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、ナビCPU11は、その機能ブロックの1つとして、地図データ更新手段としての地図データ更新部39を有している。この地図データ更新部39は、更新データ用インターフェース16を介して地図データの更新に用いられる更新データを外部機器(コンピュータやSDメモリカード)から取得し、取得された更新データを用いることによって、ハードディスクドライブ15に記憶されている地図データを更新するようになっている。なお、更新データは、現在ハードディスクドライブ5に記憶されている地図データに対する変更部分を示す差分データであってもよい。
【0039】
また、ナビCPU11は、その機能ブロックの1つとして、創設時期決定手段としての創設年度決定部40を有している。この創設年度決定部40は、地図データ更新部39による地図データの更新の際に、図6に示すように、ハードディスクドライブ15に現在記憶されている更新前の地図データとこの地図データの更新に用いられる更新データとを比較するようになっている。そして、この比較の結果、更新前の地図データ中に存在しない新たな施設を更新データから抽出するようになっている。なお、図6においては、施設Eが新たな施設として抽出されることになる。そして、創設年度決定部40は、抽出された新たな施設について、地図データの更新時期としての地図データの更新日が属する年度を当該新たな施設の創設年度と決定するようになっている。なお、創設年度の決定に用いられる地図データの更新日については、例えば、地図データの更新の際に、更新データとともに更新日を示す更新日情報を車載用ナビゲーション装置1に手動で入力し、入力した更新日情報に基づいて更新日を創設年度決定部40に把握させるようにしてもよい。あるいは、車載用ナビゲーション装置1に備えられたインターネット接続機能や車載用ナビゲーション装置1に接続されたラジオ受信機を介して創設年度決定部40が更新日情報を自動的に取得することによって、更新日を把握するようにしてもよい。
【0040】
なお、創設年度決定部40は、更新データ中に、更新データの付加情報として、更新データの作成年月日が記述されているような場合には、更新データの作成年月日が属する年度を創設年度と決定するようにしてもよい。
【0041】
さらに、図1に示すように、ナビCPU11は、その機能ブロックの1つとして、創設時期情報記録手段としての創設年度記録部41を有している。創設年度記録部41は、創設年度決定部40によって決定された創設年度を示す情報を、新たな施設の創設年度情報として新たな施設の施設情報と対応付けられた状態でハードディスクドライブ15に記録するようになっている。
【0042】
このような構成によれば、地図データの更新日が属する年度を、地図データの更新によって地図データベースに施設情報が追加される新たな施設の創設年度と決定し、決定された創設年度を示す情報を、新たな施設の創設年度情報としてハードディスクドライブ15に記録することができるので、創設年度情報を簡便かつ確実に拡充させることができる。
【0043】
上記構成の他にも、車載用ナビゲーション装置1は、ナビゲーションのための種々の構成を有している。
【0044】
すなわち、図1に示すように、ナビCPU11は、その機能ブロックの1つとして、自車位置算出部42を有しており、この自車位置算出部42には、GPSレシーバ3から出力されたGPS情報および自律航法センサ4から出力された検出結果が入力されるようになっている。そして、自車位置算出部42は、GPSレシーバ3側から入力されたGPS情報に基づいて、自車位置を絶対座標として算出(検出)する衛星航法を行うようになっている。また、自車位置算出部42は、自律航法センサ4側から入力された検出結果に基づいて、自車位置を前回の測位位置からの変化分である相対位置として算出(検出)する自律航法を行うようになっている。さらに、自車位置算出部42は、ハードディスクドライブ15に記憶されている地図データを用いることによって、衛星航法または自律航法によって算出された自車位置を地図データにおける該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うようになっている。そして、自車位置算出部42は、マップマッチング処理が適正に行われた場合には、マップマッチング処理後の自車位置を最終的な算出結果とするようになっている。
【0045】
また、ナビCPU11は、その機能ブロックの1つとしての経路探索部43を有しており、この経路探索部43は、ハードディスクドライブ15に記憶されている地図データを用いることによって、自車位置算出部42によって算出された自車位置から目的地設定部34によって設定された目的地までの経路(例えば、推奨経路)を探索するルート計算を行うようになっている。
【0046】
さらに、ナビCPU11は、その機能ブロックの1つとしての経路誘導部45を有しており、この経路誘導部45は、経路探索部43によって探索された経路に沿って自車両を目的地へと誘導する経路誘導(換言すればルート案内)を行うようになっている。この経路誘導は、例えば、ディスプレイ6に交差点拡大図を表示することや、スピーカ7を介して交差点右左折案内用の音声を出力すること等によって行うようになっている。
【0047】
次に、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1の作用の一例について説明する。
【0048】
本実施形態においては、まず、図7のステップ11(ST11)に示すように、入力操作部5を用いて施設の検索への移行が指示されたか否かを判定し、指示された場合にはステップ12(ST12)に進み、指示されていない場合にはステップ11(ST11)を繰り返す。
【0049】
次いで、ステップ12(ST12)においては、検索条件入力画面描画部17により、図3のステップ1(ST1)に示した検索条件入力画面における条件項目画面18を表示する。
【0050】
次いで、ステップ13(ST13)においては、検索条件入力画面描画部17により、条件項目画面18においていずれか1個の項目ボタン19が入力操作部5を用いて選択されたか否かを判定し、選択された場合には、ステップ14(ST14)に進み、選択されていない場合には、ステップ13(ST13)を繰り返す。
【0051】
次いで、ステップ14(ST14)においては、検索条件入力画面描画部17により、ステップ13(ST13)において選択された項目ボタン19が「年度別」の文字が表記された項目ボタン19であるか否かを判定し、その通りである場合にはステップ15(ST15)に進み、「年度別」以外の文字が表記された項目ボタン19である場合にはステップ23(ST23)に進む。
【0052】
次いで、ステップ15(ST15)においては、検索条件入力画面描画部17により、図3のステップ2(ST2)に示した創設年度条件入力画面21を表示してステップ16(ST16)に進む。
【0053】
一方、ステップ23(ST23)においては、検索条件入力画面描画部17により、ステップ14(ST14)において選択された「年度別」以外の項目に応じた検索条件入力画面(例えば、図4に示したジャンル入力画面24)を表示してステップ24(ST24)に進む。
【0054】
次いで、ステップ16(ST16)においては、施設検索部27により、創設年度条件入力画面21を用いて創設年度特定条件が入力されたか否かを判定し、入力された場合にはステップ17(ST17)に進み、入力されていない場合には、ステップ16(ST16)を繰り返す。なお、図示はしないが、創設年度条件入力画面21において前の画面に戻るための入力操作が行われた場合には、検索条件入力画面描画部17によって条件項目画面18を再度表示する。
【0055】
一方、ステップ24(ST24)においては、施設検索部27により、ステップ23(ST23)において表示された検索条件入力画面に対して属性特定条件が入力されたか否かを判定し、入力された場合にはステップ17(ST17)に進み、入力されていない場合には、ステップ23(ST23)を繰り返す。なお、図示はしないが、ステップ23(ST23)において表示された検索条件入力画面において前の画面に戻るための入力操作が行われた場合には、検索条件入力画面描画部17によって条件項目画面18を再度表示する。
【0056】
次いで、ステップ17(ST17)においては、施設検索部27により、入力された検索条件にしたがった施設の検索を行う。
【0057】
次いで、ステップ18(ST18)においては、検索結果描画部28により、施設検索部27の検索結果として、図3のステップ3(ST3)に示した施設一覧表示画面29を表示する。
【0058】
次いで、ステップ19(ST19)においては、施設検索部27により、施設一覧表示画面29において絞り込み検索指示ボタン33の操作により絞り込み検索が指示されたか否かを判定し、指示された場合にはステップ25(ST25)に進み、指示されていない場合にはステップ20(ST20)に進む。なお、図示はしないが、施設一覧表示画面29において前の画面に戻るための入力操作が行われた場合には、検索条件入力画面描画部17によってステップ15(ST15)またはステップ23(ST23)に示した検索条件入力画面を再度表示する。
【0059】
ここで、ステップ20(ST20)以後の工程について先に説明すると、ステップ20(ST20)においては、目的地設定部34により、施設一覧表示画面29において特定の表示項目30が選択されたか否かを判定し、選択された場合には、ステップ21(ST21)に進み、選択されていな場合には、ステップ20(ST20)を繰り返す。
【0060】
次いで、ステップ21(ST21)においては、目的地設定部34により、目的地設定ボタン32が操作されたか否かを判定し、操作された場合にはステップ22(ST22)に進み、操作されていない場合にはステップ21(ST21)を繰り返す。
【0061】
次いで、ステップ22(ST22)においては、目的地設定部34により、ステップ20(ST20)において選択された表示項目30に対応する施設を目的地として設定して処理を終了する。
【0062】
一方、ステップ25(ST25)においては、検索条件入力画面描画部17により、図5に示した絞り込み項目画面36を表示してステップ26(ST26)に進む。
【0063】
次いで、ステップ26(ST26)においては、施設検索部27により、ステップ25(ST25)において表示された絞り込み項目画面36において絞り込み項目(項目ボタン37)が選択されたか否かを判定し、選択された場合にはステップ27(ST27)に進み、選択されていない場合にはステップ26(ST26)を繰り返す。
【0064】
次いで、ステップ27(ST27)においては、検索条件入力画面描画部17により、ステップ26(ST26)において選択された絞り込み項目に応じた絞り込み検索用の検索条件入力画面を表示してステップ28(ST28)に進む。
【0065】
次いで、ステップ28(ST28)においては、施設検索部27により、ステップ27(ST27)において表示された絞り込み検索用の検索条件入力画面に対して絞り込み検索用の検索条件が入力されたか否かを判定し、入力された場合にはステップ17(ST17)に進み、入力されていない場合にはステップ28(ST28)を繰り返す。
【0066】
以上述べたように、本実施形態によれば、施設検索部27により、創設年度条件入力画面21に入力された創設年度特定条件を満足する施設を、ハードディスクドライブ15に記憶された創設年度情報および施設情報を用いて検索することができるので、施設の創設年度を考慮した施設の検索の自由度を高めることができ、ひいては、所望の目的地を簡便かつ確実に設定することができる。
【0067】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能なものである。
【0068】
例えば、図7に示したフローチャートは、経由地の設定を行う場合にも適用可能なものであり、このような場合には、所望の経由地を簡便かつ確実に設定することができる。
【0069】
また、本発明は、車載用ナビゲーション装置以外の移動体用(例えば、携帯電話用)のナビゲーション装置にも適用可能なものである。
【符号の説明】
【0070】
1 車載用ナビゲーション装置
15 ハードディスクドライブ
17 検索条件入力画面描画部
27 施設検索部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の属性を示す情報である施設情報を含む地図データが記憶された地図データ記憶手段と、
施設の創設時期を示す情報である創設時期情報が、当該施設についての前記施設情報と対応付けられた状態で記憶された創設時期情報記憶手段と、
施設の検索条件を入力可能とされた検索条件入力画面として、検索される施設の最古の創設時期および最新の創設時期の少なくとも一方を特定する旨の検索条件である創設時期特定条件を入力可能とされた検索条件入力画面を表示部に表示する検索条件入力画面表示手段と、
この検索条件入力画面表示手段によって表示された前記検索条件入力画面に入力された前記創設時期特定条件を満足する施設を、前記創設時期情報記憶手段に記憶された前記創設時期情報および前記地図データ記憶手段に記憶された前記施設情報を用いて検索する施設検索手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記地図データ記憶手段に記憶されている前記地図データを更新する地図データ更新手段と、
この地図データ更新手段による前記地図データの更新の際に、更新前の地図データとこの地図データの更新に用いられる更新データとを比較することによって、前記更新前の地図データ中に存在しない新たな施設を前記更新データから抽出し、抽出された新たな施設について、前記地図データの更新時期を当該新たな施設の創設時期と決定する創設時期決定手段と、
この創設時期決定手段によって決定された前記創設時期を示す情報を、前記新たな施設の創設時期情報として前記新たな施設の前記施設情報と対応付けられた状態で前記創設時期情報記憶手段に記録する創設時期情報記録手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記検索条件入力画面表示手段は、前記検索条件入力画面として、検索される施設の属性であって前記施設情報に示されているものを特定する旨の条件である属性特定条件を前記創設時期特定条件以外の施設の検索条件として入力可能とされた検索条件入力画面を表示可能とされ、
前記施設検索手段は、前記検索条件入力画面に入力された前記属性特定条件を満足する施設を、前記地図データ記憶手段に記憶された前記施設情報を用いて検索すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−230530(P2010−230530A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79043(P2009−79043)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】