説明

ナフタレン誘導体

【課題】優れた抗体産生抑制作用およびDHODH阻害作用を有し、医薬品として有用な化合物を提供する。
【解決手段】式(I):


(式中、XはNまたはCRであり、Xは単結合またはOであり、R、RおよびRは各々独立して水素、ハロゲン等であり、A環は置換基を有してもよいベンゼン環、2−オキシピリジン環、ピラゾール環であり、B環は、置換基を有してもよいフェニル等である。)で示される化合物および本化合物を含有する医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ナフタレン誘導体およびそれを含有する医薬組成物、特に抗体産生抑制剤、および/またはジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年数多く行なわれるようになった組織、臓器等の移植手術の大きな問題点は、術後の移植部分を排斥しようとする拒絶反応である。それを回避することが移植手術を成功させる上で非常に重要となっている。
アザチオプリン、コルチコイド、シクロスポリンAやタクロリムス等種々の免疫抑制剤が開発・実用化され、臓器または組織移植に対する拒絶反応、骨髄移植によって起こる移植片対宿主反応の予防および治療に用いられている。しかし、これらは効果や副作用の点で必ずしも満足できるものではない。
一方、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎等のアレルギー性疾患も近年世界的に増加の傾向にあり、大きな問題となっている。従来の抗アレルギー剤は、肥満細胞からの化学伝達物質の遊離抑制剤、遊離した化学伝達物質の受容体阻害剤またはアレルギー性炎症反応の抑制剤等であるが、これらはいずれも対症療法であり、根本的なアレルギー性疾患の治療薬となっていない。
【0003】
ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(以下、DHODH)は、ピリミジン生合成の第4番目に位置する酸化還元ステップを触媒する酵素である。急速な細胞増殖のためには、DNAやRNAの合成、タンパク質のグリコシレーション、膜脂質の生合成、核酸鎖の修復のための新たなピリミジン生合成が必要であるが、DHODHが触媒するステップは、ピリミジン生合成の律速段階である。
DHODHは、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患、ぶどう膜炎、重症筋無力症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、乾癬、ウイルス感染症、細菌感染症、バクテリア感染症、寄生虫感染症、癌、移植における拒絶反応、移植片対宿主病に関連していることが知られており、DHODH阻害剤は上記の疾患の治療または予防に有用である(非特許文献1〜5参照)。
【0004】
特許文献1には、角化疾患に関連した皮膚病状態の処置、炎症及び/又は免疫アレルギー成分を有する皮膚病状態等の処置、結合組織の変性疾患に用いることができ、抗腫瘍活性を有する化合物が記載されている。しかし、具体的に開示されている化合物はいずれもアダマンチルフェニルナフチル酸骨格またはフェニルプロペニル安息香酸骨格を有するものであり、本発明化合物は記載も示唆もされていない。特許文献2および特許文献3には慢性間接リウマチ、乾癬、固形腫瘍等の治療に用いることができるナフタレン誘導体が開示されているが、本発明化合物は記載も示唆もされていない。
【特許文献1】国際公開第92/19583号パンフレット
【特許文献2】特開2001−72653号公報
【特許文献3】特開2001−193800号公報
【非特許文献1】イムノファーマコロジー(Immunopharmacology) 2000年、第47巻、p. 63-83
【非特許文献2】イムノファーマコロジー(Immunopharmacology) 2000年、第47巻、p. 273-289
【非特許文献3】キャンサー リサーチ(Cancer Research) 1986年、第46巻、p. 5014-5019
【非特許文献4】バイオケミストリー(Biochemistry) 1994年、第33巻、p. 5268-5274
【非特許文献5】バイオケミカル ファーマコロジー(Biochemical Pharmacology) 2000年、第60巻、p. 339-342)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は新規誘導体およびそれを含有する医薬組成物、抗体産生抑制剤およびDHODH阻害剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
1)式(I):
【化1】

(式中、XはNまたはCRであり、Xは単結合またはOであり、
、RおよびRは各々独立して水素、ハロゲン、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよいアシル、カルボキシまたは置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニルであり、
【化2】


【化3】

であり、
、RおよびRは各々独立して水素、ハロゲン、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよいアシル、カルボキシまたは置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニルであり、
Yは
【化4】

であり、
、RおよびRは各々独立して水素または低級アルキルであり、
およびRは各々独立して水素、置換基を有していてもよい低級アルキルであり、RおよびRは一緒になって隣接する炭素原子を含む炭素環を形成してもよく、
は水素、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいシクロアルケニル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいアミジノ、シアノ、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいヘテロ環であり、
は置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいヘテロ環であり、
およびRは各々独立して水素、置換基を有していてもよい低級アルキル、カルボキシまたは置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニルであり、
pは1または2であり、
環Bは
【化5】

であり、
はO、SまたはNR13であり、
はCRまたはNであり、XはCRまたはNであり、XはCRまたはNであり、XはCR10またはNであり、X〜Xの少なくとも1個はNであり、かつ少なくとも1個はN以外でありR〜R12は各々独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アシル、アシルオキシ、低級アルキルスルホニルオキシまたはアリールスルホニルオキシであり、
13およびR14は各々独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシカルボニルまたはアリール低級アルキルであり、
Wは水素、置換基を有していてもよい低級アルキル、ニトロ、NR1516、OR17、SR18、COR19またはCONR2021であり、
15およびR16は各々独立して水素、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいカルバモイル、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニル、置換基を有していてもよいアリールスルホニル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいヘテロ環であり、
17、R18、R19、R20およびR21は各々独立して水素、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいヘテロ環である。但し、
【化6】

が(A2)または(A3)であるとき、XはCRである。)
で示される化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【0007】
2)環Bが、式
【化7】

である、上記1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
3)WがニトロまたはNR1516である、上記1)または2)に記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
4)R、RおよびRがいずれも水素である、上記1)〜3)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
5)R、RおよびR10がいずれも水素である、上記1)〜4)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
6)Yが、式
【化8】

である、上記1)〜5)に記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【0008】
7)Xが単結合であり、
環Bが、式
【化9】

である、上記1)〜6)に記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
8)R15およびR16が各々独立して水素、置換基を有していてもよい低級アルキルまたは置換基を有していてもよいシクロアルキルである、上記1)〜7)に記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
9)Xが単結合であり、
環Bが、式
【化10】

であり、
WがニトロまたはNR1516であり、R15およびR16が各々独立して水素、置換基を有していてもよい低級アルキルまたは置換基を有していてもよいシクロアルキルであり、
、R、R、R、RおよびR10がいずれも水素であり、
Yが、式
【化11】

である、上記1)〜8)に記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
10)上記1)〜9)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有することを特徴とする医薬組成物。
11)上記1)〜9)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有することを特徴とする抗体産生抑制剤。
を提供するものである。
【0009】
別の態様として、本願は化合物(I)を投与することを特徴とする、免疫反応の抑制方法並びにアレルギー性疾患および/または腫瘍の治療方法および/または予防方法を提供する。
さらに別の態様として免疫反応の抑制並びにアレルギー性疾患および/または腫瘍の治療および/または予防のための医薬を製造するための、化合物(I)の使用を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明化合物は強い抗体産生抑制作用および/またはDHODH阻害作用を示し、免疫抑制剤、抗アレルギー剤および/または抗腫瘍剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本明細書中において、「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する。特にフッ素または塩素が好ましい。
「低級アルキル」とは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜3の直鎖または分枝状のアルキルを包含し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、n−へプチル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−ノニルおよびn−デシル等が挙げられる。
【0012】
「置換基を有していてもよい低級アルキル」の置換基としては、ハロゲン;ヒドロキシ;低級アルコキシ;低級アルケニルオキシ;低級アルケニルチオ;低級アルキニルオキシ;低級アルキニルチオ;アシル;アシルオキシ;カルボキシ;低級アルコキシカルボニル;メルカプト;低級アルキルチオ;アミノ;低級アルキルアミノ;アシルアミノ;低級アルコキシカルボニルアミノ;アミジノ;ヒドロキシアミジノ;イミノ;カルバモイル;低級アルキルカルバモイル;アリールカルバモイル;チオカルバモイル;低級アルキルチオカルバモイル;アリールチオカルバモイル;低級アルキルまたは低級アルコキシで置換されていてもよいシクロアルキル;低級アルキルまたは低級アルコキシで置換されていてもよいシクロアルケニル;シアノ;ニトロ;低級アルキルスルホニルオキシ;アリールスルホニルオキシ;ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、アシル、カルボキシおよび低級アルコキシカルボニルから選択される1以上の基で置換されていてもよいフェニル;ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、アシル、カルボキシおよび低級アルコキシカルボニルから選択される1以上の基で置換されていてもよく、ベンゼン環と縮合していてもよいヘテロ環(特にフラン環、チオフェン環、テトラヒドロピラン環、ジオキサン環等)等が挙げられ、好ましくはハロゲン;ヒドロキシ;アシル;カルボキシ;アミノ;アシルアミノ;低級アルコキシカルボニルアミノ;ヒドロキシアミジノ;低級アルキルカルバモイル;シクロアルキル;シアノ;ヒドロキシで置換されていてもよいフェニル;低級アルキルで置換されていてもよいヘテロ環である。任意の位置が1以上のこれらの置換基で置換されていてもよい。
における「置換基を有していてもよい低級アルキル」の置換基としては、好ましくはヒドロキシ、フェニル、アシルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、アシル、シアノおよびヒドロキシアミジノから選択される1または2個の基である。
【0013】
「低級アルコキシ」、「低級アルコキシカルボニル」、「低級アルコキシカルボニルアミノ」、「低級アルキルスルホニル」、「低級アルキルスルホニルオキシ」、「低級アルキルチオ」、「低級アルキルアミノ」、「低級アルキルカルバモイル」、「低級アルキルチオカルバモイル」、「低級アルキルスルファモイル」、「アリール低級アルキル」、「低級アルコキシ低級アルキル」および「低級アルキレンジオキシ」の低級アルキル部分は上記「低級アルキル」と同様である。
「置換基を有していてもよい低級アルコキシ」、「置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニル」、「置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニル」および「置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルオキシ」の置換基は上記「置換基を有していてもよい低級アルキル」の置換基と同様である。
【0014】
「低級アルケニル」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数3〜6の直鎖または分枝状のアルケニルを包含する。具体的にはビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、プレニル、ブタジエニル、ペンテニル、イソペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、イソヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニルおよびデセニル等を包含する。
「置換基を有していてもよい低級アルケニル」の置換基は上記「置換基を有していてもよい低級アルキル」の置換基と同様である。非置換低級アルケニルが好ましい。
「低級アルケニルオキシ」、「低級アルケニルチオ」および「低級アルケニルオキシカルボニル」の低級アルケニル部分は上記「低級アルケニル」と同様である。
【0015】
「低級アルキニル」とは、炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数3〜6の直鎖状または分枝状のアルキニルを包含し、具体的には、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニルおよびデシニル等が挙げられる。これらは任意の位置に1以上の三重結合を有しており、さらに二重結合を有していてもよい。
「低級アルキニルオキシ」、「低級アルキニルチオ」の低級アルキニル部分も上記「低級アルキニル」と同様である。
【0016】
「アシル」とは炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分枝の鎖状脂肪族アシル、炭素数4〜9、好ましくは炭素数4〜7の環状脂肪族アシルおよびアロイルを包含する。具体的には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、アクリロイル、プロピオロイル、メタクリロイル、クロトノイル、シクロプロピルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロオクチルカルボニルおよびベンゾイル等を包含し、好ましくはアセチルである。
「置換基を有していてもよいアシル」の置換基は上記「置換基を有していてもよい低級アルキル」の置換基と同様であり、さらにアロイルは低級アルキルを置換基として有していてもよい。好ましくは非置換のアシルである。
「アシルアミノ」および「アシルオキシ」のアシル部分は上記「アシル」と同様である。
【0017】
「シクロアルキル」とは炭素数3〜8、好ましくは炭素数3〜6の炭素環であり、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル等を包含する。
「置換基を有していてもよいシクロアルキル」の置換基としては、低級アルキルおよび上記「置換基を有していてもよい低級アルキル」の置換基と同様のものが挙げられ、1以上の任意の位置が置換されていてもよい。好ましくは低級アルキル、ハロゲンまたはヒドロキシ等である。
「シクロアルケニル」とは、上記シクロアルキルの環中の任意の位置に1以上の二重結合を有しているものを包含し、具体的にはシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロへプチニル、シクロオクチニルおよびシクロヘキサジエニル等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいシクロアルケニル」の置換基としては、上記「置換基を有していてもよいシクロアルキル」の置換基と同様である。
【0018】
「置換基を有していてもよいアミノ」の置換基としては、ヒドロキシ;低級アルキル;低級アルケニル;低級アルキニル;アシル;シクロアルキル;カルバモイル;低級アルキルカルバモイル;低級アルキル、カルボキシ、アシルまたは低級アルコキシカルボニルで置換されていてもよいアリール;スルファモイル;低級アルキルスルファモイル、低級アルコキシカルボニル;低級アルキルスルホニル;およびシアノ等が挙げられる。好ましくは低級アルキル、アシル、カルバモイル、低級アルコキシカルボニルまたは低級アルキルスルホニルである。
「置換基を有していてもよいアミジノ」の置換基は、上記「置換基を有していてもよいアミノ」の置換基と同様である。好ましくは無置換アミジノ、ヒドロキシ置換アミジノまたはシアノ置換アミジノである。
「置換基を有していてもよいカルバモイル」とは、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、アリール等で置換されていてもよいカルバモイル等を包含する。
【0019】
「アリール」とは、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルおよびインデニル等を包含し、特にフェニルが好ましい。
「置換基を有していてもよいアリール」の置換基としては、ハロゲン;ヒドロキシ;それぞれ後述の置換基群αから選択される1以上の基で置換されていてもよい低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルケニル、低級アルケニルオキシ、低級アルケニルチオ、低級アルキニル、低級アルキニルオキシ、低級アルキニルチオ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、アシル、アシルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルケニルオキシカルボニル、アシル、アミノ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルホニルオキシ;カルボキシ;アミジノ;グアニジノ;ニトロ;置換基群αから選択される1以上の基および/または低級アルキルで置換されていてもよいアリールスルホニル;置換基群αから選択される1以上の基および/または低級アルキルで置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ;置換基群αから選択される1以上の基および/または低級アルキルで置換されていてもよいアリール;置換基群αから選択される1以上の基および/または低級アルキルで置換されていてもよいヘテロ環;または低級アルキレンジオキシ等が挙げられ、1以上の任意の位置がこれらの置換基で置換されていてもよい。好ましくは無置換フェニルまたはアミノフェニルである。
ここで置換基群αとはハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アシル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シクロアルキルおよびフェニルからなる群である。
「アリールスルホニル」、「アリールスルホニルオキシ」、「アリール低級アルキル」、「アリールカルバモイル」および「アリールチオカルバモイル」のアリール部分も上記「アリール」と同様である。
「置換基を有していてもよいアリールスルホニル」の置換基も上記「置換基を有していてもよいアリール」のものと同様である。
【0020】
「ヘテロ環」とは、O、SおよびNから任意に選択されるヘテロ原子を環内に1以上有する5員または6員のヘテロ環を包含し、具体的にはピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環(4−ピリジル等)、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアゾール環、テトラゾール環、トリアジン環、イソキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、フラン環(2−フリルおよび3−フリル等)およびチオフェン環(3−チエニル等)等の芳香族ヘテロ環、テトラヒドロピラン環、ジヒドロピリジン環(1,2−ジヒドロピリジル等)、ジヒドロピリダジン環(2,3−ジヒドロピリダジニル等)、ジヒドロピラジン環(1,2−ジヒドロピラジニル等)、ジオキサン環、オキサチオラン環、チアン環、ピロリジン環、ピロリン環、イミダゾリジン環、イミダゾリン環、ピラゾリジン環、ピラゾリン環、ピペリジン環、ピペラジン環およびモルホリン環等の脂環式ヘテロ環等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいヘテロ環」の置換基は、上記「置換基を有していてもよいアリール」と同様であり、好ましくは低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキルまたはカルボキシ等である。
【0021】
「RおよびRは一緒になって隣接する炭素原子を含む炭素環を形成」するとは、RとRが、それら結合している炭素原子と一緒になって、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンまたはシクロヘプタン等を形成する場合を包含する。
【0022】
【化12】

が(A2)であり、Rが水素である場合において、
【化13】

で表される基は、
【化14】

でも表される。
【0023】
本明細書中において「化合物(I)」という場合には、生成可能な、各々の化合物の製薬上許容される塩も包含する。「製薬上許容される塩」としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸等の鉱酸の塩;ギ酸、酢酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、フマール酸、マレイン酸、コハク酸等の有機酸の塩;アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム等の有機塩基の塩;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩またはカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩等を挙げることができる。
本発明化合物はその溶媒和物(好ましくは水和物)を包含する。溶媒和物としては有機溶媒および/または水との溶媒和物が挙げられる。水和物を形成するときは、任意の数の水分子と配位していてもよい。
本発明化合物はその全ての異性体(ケト−エノール異性体、ジアステレオ異性体、光学異性体、回転異性体等)を包含する。
【0024】
以下に化合物(I)の製造方法を説明する。
A法
【化15】

(式中、LおよびZは一方がジヒドロキシボリル、ジ低級アルキルボリルまたはジ低級アルコキシボリルであり、他方はハロゲンまたは−OSO(C2q+1)(qは1〜4の整数)であり、その他の記号は前記と同義である)
【0025】
(第1工程)
公知化合物または公知化合物から常法により得た(II)を化合物(III)と反応させ、本発明化合物(I−1)を得る。
本反応は通常の鈴木反応の条件に従って反応させればよい。例えば、化合物(II)および化合物(III)を適当な溶媒(例えばベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エタノールまたはメタノール等)と水との混合系または無水系でパラジウム触媒(例えばPd(PPh、PdCl(PPh、PdCl(OAc)またはPdCl(CHCN)等、好ましくはPd(PPh)の存在下、塩基性条件(塩基としては例えばリン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムエトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化バリウム、炭酸セシウム、フッ化セシウム、水酸化ナトリウムまたは炭酸銀等)で室温〜加熱下、好ましくは約0℃〜約180℃で約5分〜約48時間、好ましくは約0.5時間〜約18時間反応させて本発明化合物(I−1)を得る。
互いに反応させる化合物における置換基LおよびZの一方は、鈴木反応(Chemical Communication 1979,866、有機合成化学協会誌、1993年、第51巻、第11号、第91頁〜第100頁)に適用可能なボリル基であればいずれでもよく、好ましくはジヒドロキシボリルである。また、他方は鈴木反応に適用可能な脱離基であればいずれでもよく、例えばハロゲンまたは−OSO(C2q+1)(ここでqは1〜4の整数)等を用いることができる。特にハロゲンまたはトリフルオロメタンスルホニルオキシ等が好ましく、最も好ましくは臭素、ヨウ素またはトリフルオロメタンスルホニルオキシである。
およびZ以外の置換基は、鈴木反応に悪影響を与えない基、例えばハロゲンおよび−OSO(C2q+1)(ここでqは1〜4の整数)以外の基であればいずれでもよい。
およびZ以外の置換基がハロゲンであっても、置換基Lの置換基Zとの反応性がそれらよりも高ければ本反応は支障なく進めることが可能である。
また、LおよびZ以外の置換基がヒドロキシであっても上記反応は可能であるが、その場合には好ましくは通常用いられるヒドロキシ保護基(例えばメトキシメチル、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル、メタンスルホニルまたはp−トルエンスルホニル等)で保護した後、上記反応に付し、その後で通常の脱保護反応を行う。
【0026】
B法
【化16】

(式中、Lはハロゲン、低級アルキルスルホニルオキシまたは−OSO(C2r+1)(rは1〜4の整数)であり、その他の記号は前記と同義である)
【0027】
(第1工程)
公知化合物または公知化合物から常法により得た(IV)を化合物(V)と常法によりエーテル化させ、本発明化合物(I−2)を得る。
例えば、化合物(IV)および化合物(V)を適当な溶媒(例えばベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはアセトニトリル等)中で塩基(例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドまたは水素化ナトリウム等)の存在下に−78℃〜200℃、好ましくは約0℃〜約100℃で約10分〜約24時間、好ましくは約1時間〜約6時間反応させて本発明化合物(I−2)を得る。
はエーテル化に適用可能な脱離基であればいずれでもよく、例えばハロゲン、低級アルキルスルホニルオキシまたは−OSO(C2r+1)(ここでrは1〜4の整数)等を用いることができる。特にハロゲン、メタンスルホニルオキシまたはトリフルオロメタンスルホニルオキシ等が好ましく、最も好ましくは塩素、臭素、ヨウ素またはトリフルオロメタンスルホニルオキシである。
以外の置換基がヒドロキシであっても上記反応は可能であるが、その場合には好ましくは通常用いられるヒドロキシ保護基(例えばメトキシメチル、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル、メタンスルホニルまたはp−トルエンスルホニル等)で保護した後、上記反応に付し、その後で通常の脱保護反応を行う。
【0028】
本発明化合物中、特に以下の化合物が好ましい。
1)XがCRであり、Xが単結合であり、
【化17】


【化18】

(式中、各記号は上記1)と同義)である化合物(以下、XがX−aであるとする)、
がCRであり、Xが単結合であり、
【化19】


【化20】

(式中、各記号は上記1)と同義)である化合物(以下、XがX−bであるとする)、
がCRであり、Xが単結合であり、
【化21】


【化22】

(式中、各記号は上記1)と同義)である化合物(以下、XがX−cであるとする)、
がNであり、Xが単結合であり、
【化23】


【化24】

(式中、各記号は上記1)と同義)である化合物(以下、XがX−dであるとする)、
がNであり、XがOであり、
【化25】


【化26】

(式中、各記号は上記1)と同義)である化合物(以下、XがX−eであるとする)、
【0029】
2)R〜Rが各々独立して水素、ハロゲン、低級アルキルまたは低級アルコキシである(ただし、R〜Rの全てが同時に水素ではない)化合物、(以下、R〜RがR−aであるとする)、
〜Rが各々独立して水素、フルオロ、クロロ、メチルまたはメトキシである(ただし、R〜Rの全てが同時に水素ではない)化合物(以下、R〜RがR−bであるとする)、
〜Rが全て水素である化合物(以下、R〜RがR−cであるとする)、
【0030】
3)Yが
【化27】

であり、Rが水素である化合物(以下、YがY−aであるとする)、
Yが
【化28】

であり、Rが水素または低級アルキルであり、Rが水素であり、RおよびRが各々独立して水素または低級アルキルである化合物(以下、YがY−bであるとする)、
Yが
【化29】

であり、RおよびRがいずれも水素である化合物(以下、YがY−cであるとする)、
Yが
【化30】

であり、Rが水素であり、Rが水素、低級アルキルまたはシクロアルキルである化合物(以下、YがY−dであるとする)、
【0031】
4)環Bが
【化31】

であり、WはNR1516であり、R15およびR16は各々独立して水素、低級アルキルまたはシクロアルキルであり、R〜R10は各々独立して水素、ハロゲンまたは低級アルキルである化合物(以下、BがB−aであるとする)、
環Bが
【化32】

であり、WはNR1516であり、R15およびR16はいずれも水素であり、R〜R10は各々独立して水素、ハロゲンまたは低級アルキルである化合物(以下、BがB−bであるとする)、
環Bが
【化33】

であり、WはニトロまたはNR1516であり、R15およびR16は各々独立して水素、低級アルキルまたはシクロアルキルであり、R〜R10は各々独立して水素、ハロゲンまたは低級アルキルである化合物(以下、BがB−cであるとする)、
【0032】
〜Xおよび
【化34】


〜R、Yならびに環Bの組合わせ(X、R、Y、B)がそれぞれ以下のものである化合物。
(X,R,Y,B)=(X-a,R-a,Y-a,B-a),(X-a,R-a,Y-a,B-b),(X-a,R-a,Y-a,B-c),(X-a,R-a,Y-b,B-a),(X-a,R-a,Y-b,B-b),(X-a,R-a,Y-b,B-c),(X-a,R-a,Y-c,B-a),(X-a,R-a,Y-c,B-b),(X-a,R-a,Y-c,B-c),(X-a,R-a,Y-d,B-a),(X-a,R-a,Y-d,B-b),(X-a,R-a,Y-d,B-c),(X-a,R-b,Y-a,B-a),(X-a,R-b,Y-a,B-b),(X-a,R-b,Y-a,B-c),(X-a,R-b,Y-b,B-a),(X-a,R-b,Y-b,B-b),(X-a,R-b,Y-b,B-c),(X-a,R-b,Y-c,B-a),(X-a,R-b,Y-c,B-b),(X-a,R-b,Y-c,B-c),(X-a,R-b,Y-d,B-a),(X-a,R-b,Y-d,B-b),(X-a,R-b,Y-d,B-c),(X-a,R-c,Y-a, B-a),(X-a,R-c,Y-a,B-b),(X-a,R-c,Y-a,B-c),(X-a,R-c,Y-b,B-a),(X-a,R-c,Y-b,B-b),(X-a,R-c,Y-b,B-c),(X-a,R-c,Y-c,B-a),(X-a,R-c,Y-c,B-b),(X-a,R-c,Y-c,B-c),(X-a,R-c,Y-d,B-a),(X-a,R-c,Y-d,B-b),(X-a,R-c,Y-d,B-c),(X-b,R-a,Y-a,B-a),(X-b,R-a,Y-a,B-b),(X-b,R-a,Y-a,B-c) ,(X-b,R-a,Y-b,B-a),(X-b,R-a,Y-b,B-b),(X-b,R-a,Y-b,B-c),(X-b,R-a,Y-c,B-a),(X-b,R-a,Y-c,B-b),(X-b,R-a,Y-c,B-c),(X-b,R-a,Y-d,B-a),(X-b,R-a,Y-d,B-b),(X-b,R-a,Y-d,B-c),(X-b,R-b,Y-a,B-a),(X-b,R-b,Y-a,B-b),(X-b,R-b,Y-a,B-c),(X-b,R-b,Y-b,B-a),(X-b,R-b,Y-b,B-b),(X- b,R-b,Y-b,B-c),(X-b,R-b,Y-c,B-a),(X-b,R-b,Y-c,B-b),(X-b,R-b,Y-c,B-c),(X-b,R-b,Y-d,B-a),(X-b,R-b,Y-d,B-b),(X-b,R-b,Y-d,B-c),(X-b,R-c,Y-a,B-a),(X-b,R-c,Y-a,B-b),(X-b,R-c,Y-a,B-c),(X-b,R-c,Y-b,B-a),(X-b,R-c,Y-b,B-b),(X-b,R-c,Y-b,B-c),(X-b,R-c,Y-c,B-a),(X-b,R- c,Y-c,B-b),(X-b,R-c,Y-c,B-c),(X-b,R-c,Y-d,B-a),(X-b,R-c,Y-d,B-b),(X-b,R-c,Y-d,B-c),(X-c,R-a,Y-a,B-a),(X-c,R-a,Y-a,B-b),(X-c,R-a,Y-a,B-c),(X-c,R-a,Y-b,B-a),(X-c,R-a,Y-b,B-b),(X-c,R-a,Y-b,B-c),(X-c,R-a,Y-c,B-a),(X-c,R-a,Y-c,B-b),(X-c,R-a,Y-c,B-c),(X-c,R-a,Y- d,B-a),(X-c,R-a,Y-d,B-b),(X-c,R-a,Y-d,B-c),(X-c,R-b,Y-a,B-a),(X-c,R-b,Y-a,B-b),(X-c,R-b,Y-a,B-c),(X-c,R-b,Y-b,B-a),(X-c,R-b,Y-b,B-b),(X-c,R-b,Y-b,B-c),(X-c,R-b,Y-c,B-a),(X-c,R-b,Y-c,B-b),(X-c,R-b,Y-c,B-c),(X-c,R-b,Y-d,B-a),(X-c,R-b,Y-d,B-b),(X-c,R-b,Y-d,B- c),(X-c,R-c,Y-a,B-a),(X-c,R-c,Y-a,B-b),(X-c,R-c,Y-a,B-c),(X-c,R-c,Y-b,B-a),(X-c,R-c,Y-b,B-b),(X-c,R-c,Y-b,B-c),(X-c,R-c,Y-c,B-a),(X-c,R-c,Y-c,B-b),(X-c,R-c,Y-c,B-c),(X-c,R-c,Y-d,B-a),(X-c,R-c,Y-d,B-b),(X-c,R-c,Y-d,B-c),(X-d,R-a,Y-a,B-a),(X-d,R-a,Y-a,B-b),( X-d,R-a,Y-a,B-c),(X-d,R-a,Y-b,B-a),(X-d,R-a,Y-b,B-b),(X-d,R-a,Y-b,B-c),(X-d,R-a,Y-c,B-a),(X-d,R-a,Y-c,B-b),(X-d,R-a,Y-c,B-c),(X-d,R-a,Y-d,B-a),(X-d,R-a,Y-d,B-b),(X-d,R-a,Y-d,B-c),(X-d,R-b,Y-a,B-a),(X-d,R-b,Y-a,B-b),(X-d,R-b,Y-a,B-c),(X-d,R-b,Y-b,B-a),(X-d, R-b,Y-b,B-b),(X-d,R-b,Y-b,B-c),(X-d,R-b,Y-c,B-a),(X-d,R-b,Y-c,B-b),(X-d,R-b,Y-c,B-c),(X-d,R-b,Y-d,B-a),(X-d,R-b,Y-d,B-b),(X-d,R-b,Y-d,B-c),(X-d,R-c,Y-a,B-a),(X-d,R-c,Y-a,B-b),(X-d,R-c,Y-a,B-c),(X-d,R-c,Y-b,B-a),(X-d,R-c,Y-b,B-b),(X-d,R-c,Y-b,B-c),(X-d,R-c, Y-c,B-a),(X-d,R-c,Y-c,B-b),(X-d,R-c,Y-c,B-c),(X-d,R-c,Y-d,B-a),(X-d,R-c,Y-d,B-b),(X-d,R-c,Y-d,B-c),(X-e,R-a,Y-a,B-a),(X-e,R-a,Y-a,B-b),(X-e,R-a,Y-a,B-c),(X-e,R-a,Y-b,B-a),(X-e,R-a,Y-b,B-b),(X-e,R-a,Y-b,B-c),(X-e,R-a,Y-c,B-a),(X-e,R-a,Y-c,B-b),(X-e,R-a,Y-c, B-c),(X-e,R-a,Y-d,B-a),(X-e,R-a,Y-d,B-b),(X-e,R-a,Y-d,B-c),(X-e,R-b,Y-a,B-a),(X-e,R-b,Y-a,B-b),(X-e,R-b,Y-a,B-c),(X-e,R-b,Y-b,B-a),(X-e,R-b,Y-b,B-b),(X-e,R-b,Y-b,B-c),(X-e,R-b,Y-c,B-a),(X-e,R-b,Y-c,B-b),(X-e,R-b,Y-c,B-c),(X-e,R-b,Y-d,B-a),(X-e,R-b,Y-d,B-b) ,(X-e,R-b,Y-d,B-c),(X-e,R-c,Y-a,B-a),(X-e,R-c,Y-a,B-b),(X-e,R-c,Y-a,B-c),(X-e,R-c,Y-b,B-a),(X-e,R-c,Y-b,B-b),(X-e,R-c,Y-b,B-c),(X-e,R-c,Y-c,B-a),(X-e,R-c,Y-c,B-b),(X-e,R-c,Y-c,B-c),(X-e,R-c,Y-d,B-a),(X-e,R-c,Y-d,B-b),(X-e,R-c,Y-d,B-c)。
【0033】
本発明化合物は抗体産生抑制作用、特にIgE産生抑制作用を有し、例えば臓器または組織移植に対する拒絶反応、移植免疫(急性または慢性GVHD)、自己免疫疾患(特に臓器非特異的自己免疫疾患)、混合型結合組織病(MCTD)、虚血再潅流における傷害、潰瘍性大腸炎、全身性エリトマトーデス、重症筋無力症、全身性進行性強皮症、慢性関節リウマチ、間質性膀胱炎、橋本病、バセドウ病、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症紫斑病、グッドパスチャー症候群、萎縮性胃炎、悪性貧血、アジソン病、天疱瘡、類天疱瘡、水晶体ぶどう膜炎、交感性眼炎、原発性胆汁性肝硬変、活動性慢性肝炎、シューグレン症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、結節性多発性動脈炎、リウマチ熱、糸球体腎炎(ループス腎炎、IgA腎症、膜性腎症等)、アレルギー性脳炎、アトピー性アレルギー疾患(例えば気管支喘息、アレルギ−性鼻炎、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、蕁麻疹、食物アレルギー等)、乾癬、オーメン症候群、春季カタルおよび高好酸球症候群等)等の予防または治療に有用であると考えられる。さらに、免疫抑制剤が、非免疫学的機序が引き金となって誘発された慢性腎不全の治療薬として用いることができると考えられており(Kidney International vol.54 (1998), pp. 1510-1519、Kidney International vol.55 (1999), pp. 945-955)、本発明化合物も非免疫型慢性腎不全治療薬となり得る。
また、本発明化合物はDHODH阻害作用を有しているため、DHODHの作用に関連する疾患、例えば慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患、水晶体ぶどう膜炎、重症筋無力症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、乾癬、ウイルス感染症、細菌感染症、バクテリア感染症、寄生虫感染症、移植における拒絶反応、移植片対宿主病、癌(骨髄腫(例えば多発性骨髄腫)、リンパ腫、白血病等)等の予防または治療に有用であると考えられる。
【0034】
本発明化合物を抗体産生抑制剤、DHODH阻害剤、抗アレルギー剤、免疫抑制剤または抗癌剤として投与する場合、経口的、非経口的のいずれの方法でも投与することができる。経口投与は常法に従って錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、丸剤、液剤、シロップ剤、バッカル剤または舌下剤等の通常用いられる剤型に調製して投与すればよい。非経口投与は、例えば筋肉内投与、静脈内投与等の注射剤、坐剤、経皮吸収剤、吸入剤等、通常用いられるいずれの剤型でも好適に投与することができる。特に経口投与が好ましい。
本発明化合物の有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤等の各種医薬用添加剤とを必要に応じて混合し医薬製剤とすることができる。注射剤の場合には適当な担体と共に滅菌処理を行なって製剤とすればよい。
具体的には、賦形剤としては乳糖、白糖、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウムもしくは結晶セルロ−ス等、結合剤としてはメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ゼラチンもしくはポリビニルピロリドン等、崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末もしくはラウリル硫酸ナトリウム等、滑沢剤としてはタルク、ステアリン酸マグネシウムもしくはマクロゴ−ル等が挙げられる。坐剤の基剤としてはカカオ脂、マクロゴ−ルもしくはメチルセルロ−ス等を用いることができる。また、液剤もしくは乳濁性、懸濁性の注射剤として調製する場合には通常使用されている溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、保存剤、等張剤等を適宜添加しても良く、経口投与の場合には嬌味剤、芳香剤等を加えても良い。
【0035】
本発明化合物の抗体産生抑制剤、DHODH阻害剤、抗アレルギー剤、免疫抑制剤または抗癌剤としての投与量は、患者の年齢、体重、疾病の種類や程度、投与経路等を考慮した上で設定することが望ましいが、成人に経口投与する場合、通常0.05〜100mg/kg/日であり、好ましくは0.1〜10mg/kg/日の範囲内である。非経口投与の場合には投与経路により大きく異なるが、通常0.005〜10mg/kg/日であり、好ましくは0.01〜1mg/kg/日の範囲内である。これを1日1回〜数回に分けて投与すれば良い。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0036】
化合物1および2の合成
【化35】

【0037】
(第1工程)化合物(b)の合成
2,6−ジブロモナフタレン(a)5g(17.4mmol)を75mlのテトラヒドロフランに溶解した。反応液を−78℃に冷却後、ブチルリチウム(1.6M)12.3ml(19.2mmol)を滴下した。−78℃で0.5時間反応後、ドライアイスを加えた。室温まで昇温後、水100mlを加え、ジエチルエーテルで抽出した。水層を2mol/L塩酸でpH=3に調整後、析出した結晶を濾過し、水洗後、乾燥させて化合物(b)(4.2g;収率95%)を得た。
(第2工程)化合物(c)の合成
化合物(b)1.0g(3.98mmol)を20mlのジメチルホルムアミドに溶解し、10mlの水を加えた。さらに炭酸カリウム2.75g(20.0mmol)と2−フルオロー4−アミノフェニルボロン酸1.2g(4.78mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム160mg(0.2mmol)を加えた。この反応懸濁液をアルゴン雰囲気下、100℃で4時間加熱した。冷却後、水を加え、さらに2mol/L塩酸でpH=6に調整後、析出した結晶を濾過し、水洗後、乾燥させ化合物(c)(375mg;収率33%)を得た。
(第3工程)化合物(1)の合成
化合物(c)370mg(1.3mmol)を5mlのジクロロメタンに溶解し、2.94mlのアセトン(40.0mmol)、0.38mlの酢酸(6.7mmol)を加えた。さらにナトリウムトリアセトキシボロハイドライド1.12g(5.3mmol)を加え、18時間攪拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を、水で洗浄し、乾燥、濃縮した。析出した結晶を濾過し、ヘキサンで洗浄後、乾燥させ化合物(1)(220mg;収率51%)を得た。
(第4工程)化合物(2)の合成
化合物(1)100mg(0.3mmol)を10mlのテトラヒドロフランに溶解し、0.06mlのジイソプロピルアミン(0.6mmol)、0.18mlのトリエチルアミン(1.25mmol)を加え、さらにジエチルリン酸シアニド0.073ml(0.46mmol)を加え、2時間攪拌した。反応液に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を、水で洗浄し、乾燥、濃縮した。析出した結晶を濾過し、ヘキサンで洗浄後、乾燥させ化合物(2)(72mg;収率65%)を得た。
【0038】
上記と同様の方法で化合物3〜14を合成した。以下に構造式を示す。
【0039】
【表1】

【表2】

【実施例2】
【0040】
化合物15、16および17の合成
【化36】

【0041】
(第1工程)化合物(e)の合成
2−クロロ−6−ブロモキノリン(d)2.9g(12.0mmol)を40mlのテトラヒドロフランに溶解した。反応液を−78℃に冷却後、ブチルリチウム(1.6M)8.3ml(13.2mmol)を滴下した。−78℃で0.5時間反応後、ドライアイスを加えた。室温まで昇温後、水100mlを加えた。水層を2mol/L塩酸でpH=5に調整後、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を、水で洗浄し、乾燥、濃縮した。析出した結晶を濾過し、ヘキサンで洗浄後、乾燥させて化合物(e)(1.55g;収率62%)を得た。
(第2工程)化合物(f)の合成
化合物(e)495mg(2.4mmol)を5mlのジメチルホルムアミドに溶解し、0.406mlのジイソプロピルアミン(4.8mmol)、1.3mlのトリエチルアミン(9.6mmol)を加え、さらにジエチルリン酸シアニド0.6ml(3.6mmol)を加え、4時間攪拌した。反応液に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を、水で洗浄し、乾燥、濃縮した。析出した結晶を濾過し、ヘキサンで洗浄後、乾燥させ化合物(f)(446mg;収率75%)を得た。
(第3工程)化合物(15)の合成
化合物(f)150mg(0.6mmol)を2mlのジメチルホルムアミドに溶解し、p−ニトロフェノール252mg(0.9mmol)、250mgの炭酸カリウム(1.2mmol)を、18時間攪拌した。反応液に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を、水で洗浄し、乾燥、濃縮した。析出した結晶を濾過し、酢酸エチルで再結晶した。乾燥させ化合物(15)(156mg;収率56%)を得た。
(第4工程)化合物(16)の合成
化合物(15)150mg(0.3mmol)を4mlのテトラヒドロフラン、2mlのメタノールに溶解し、5%Pd炭素30mgを加え、水素雰囲気下で3時間攪拌した。反応液をセライトろ過後、濃縮、得られた結晶を濾過し、乾燥させ化合物(16)(92mg;収率67%)を得た。
(第5工程)化合物(17)の合成
化合物(16)87mg(0.27mmol)を5mlのジクロロメタンに溶解し、0.2mlのアセトン(5.4mmol)、0.08mlの酢酸(1.3mmol)を加えた。さらにナトリウムトリアセトキシボロハイドライド114mg(0.54mmol)を加え、18時間攪拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を、水で洗浄し、乾燥、濃縮した。析出した結晶を濾過し、酢酸エチル:ヘキサンで再結晶後、乾燥させ化合物(17)(89mg;収率90%)を得た。
【0042】
上記と同様の方法で化合物18〜20を合成した。以下に構造式を示す。
【0043】
【表3】

【0044】
試験例1 ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ阻害試験方法
ヒトU-937細胞(human histiocytic lymphoma cell line)をhomogenizing buffer (20 mM Tris-HCl, pH 7.4, containing 2 mM EDTA and protease inhibitor cocktail)中にて超音波で破砕した後、1,200 x gで15分間、4ーCで遠心してcell debrisを除去した。さらに120,000 x gで60分間、4ーCで超遠心を2回行い、mitochondrial / microsomal画分を調製した。得られた画分はタンパク定量を行った後、10 mg/mlに調製し測定時まで-40℃庫で冷凍保存した。反応液(50 mM Tris-HCl,p H 7.4,containing 0.1 % Triton X-100,1 mM KCN,100 μM coenzyme Q10,200 μM DCIP)150 μlに化合物の希釈列10 μlおよびmitochondrial / microsomal画分0.2 mgを添加して、37℃で30分間プレインキュベートした。次に基質である5 mM DHO溶液20 μl(終濃度500 μM)を添加して37℃で120分間インキュベートした後、測定波長620 nmにおける吸光度を測定した。酵素反応による吸光度の変化に対する各濃度の化合物の抑制率を求め、50 %阻害を示す濃度(IC50値)を算出して、化合物の阻害活性を評価した。
結果を表3に示す。
【0045】
【表4】

【0046】
試験例2 抗卵白アルブミン(OVA)に対するIgE抗体産生抑制効果
1)動物
日本チャールス・リバー(神奈川)より購入したBALB/cマウス(雌、8〜10週令)および日本エスエルシー(静岡)より購入したWistar系ラット(雌、8〜10週令)を使用した。
2)免疫方法
BALB/cマウスに卵白アルブミン(OVA)2μgと水酸化アルミニウムゲル(1mg)を生理食塩水に懸濁させた溶液0.2mlを腹腔内に注射して免疫した。その10日後心臓より採血し、血清を分離し、IgE抗体価を測定した。
3)化合物
本発明化合物は0.5%メチルセルロースに懸濁し,マウス一匹当たり0.1ml経口投与した(用量40mg/kg)。投与は免疫した日から採血の前日まで連続10日間行った。
4)抗OVA IgE抗体価(PCA力価)の測定
得られたマウス血清を生理食塩水にて2倍希釈系列を作成し、これをあらかじめ毛刈りしたWistar系ラットの背部皮内に50μlずつ注射した。24時間後にOVA1mgとエバンスブルー色素5mgを含む生理食塩水溶液0.5mlを静脈内に注射して受動皮膚アナフィラキシー反応(PCA)を惹起した。その30分後に、色素斑が直径5mm以上のPCA反応陽性を示す血清の最大希釈倍率を判定し、その希釈倍率のLogをPCA力価とした。例えばある血清が2倍希釈までPCA反応陽性となればそのマウスの抗OVA IgE抗体価は7とした。結果を表4に示す。
【0047】
【表5】

【0048】
製剤例1 錠剤
本発明化合物 1 15mg
デンプン 15mg
乳糖 15mg
結晶性セルロース 19mg
ポリビニルアルコール 3mg
蒸留水 30ml
ステアリン酸カルシウム 3mg
ステアリン酸カルシウム以外の成分を均一に混合し、破砕造粒して乾燥し、適当な大きさの顆粒剤とした。次にステアリン酸カルシウムを添加して圧縮成形して錠剤とした。
【産業上の利用可能性】
【0049】
上記試験例より明らかな通り、本発明化合物は抗体産生抑制剤、DHODH阻害剤、抗アレルギー剤、免疫抑制剤および/または抗癌剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、XはNまたはCRであり、Xは単結合またはOであり、
、RおよびRは各々独立して水素、ハロゲン、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよいアシル、カルボキシまたは置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニルであり、
【化2】


【化3】

であり、
、RおよびRは各々独立して水素、ハロゲン、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよいアシル、カルボキシまたは置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニルであり、
Yは
【化4】

であり、
、RおよびRは各々独立して水素または低級アルキルであり、
およびRは各々独立して水素、置換基を有していてもよい低級アルキルであり、RおよびRは一緒になって隣接する炭素原子を含む炭素環を形成してもよく、
は水素、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいシクロアルケニル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいアミジノ、シアノ、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいヘテロ環であり、
は置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいヘテロ環であり、
およびRは各々独立して水素、置換基を有していてもよい低級アルキル、カルボキシまたは置換基を有していてもよい低級アルコキシカルボニルであり、
pは1または2であり、
環Bは
【化5】

であり、
はO、SまたはNR13であり、
はCRまたはNであり、XはCRまたはNであり、XはCRまたはNであり、XはCR10またはNであり、X〜Xの少なくとも1個はNであり、かつ少なくとも1個はN以外でありR〜R12は各々独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アシル、アシルオキシ、低級アルキルスルホニルオキシまたはアリールスルホニルオキシであり、
13およびR14は各々独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシカルボニルまたはアリール低級アルキルであり、
Wは水素、置換基を有していてもよい低級アルキル、ニトロ、NR1516、OR17、SR18、COR19またはCONR2021であり、
15およびR16は各々独立して水素、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいカルバモイル、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニル、置換基を有していてもよいアリールスルホニル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいヘテロ環であり、
17、R18、R19、R20およびR21は各々独立して水素、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよいヘテロ環である。但し、
【化6】

が(A2)または(A3)であるとき、XはCRである。)
で示される化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項2】
環Bが、式
【化7】

である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項3】
WがニトロまたはNR1516である、請求項1に記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項4】
、RおよびRがいずれも水素である、請求項1に記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項5】
、RおよびR10がいずれも水素である、請求項1に記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項6】
Yが、式
【化8】

である、請求項1に記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項7】
が単結合であり、
環Bが、式
【化9】

である、請求項1に記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項8】
15およびR16が各々独立して水素、置換基を有していてもよい低級アルキルまたは置換基を有していてもよいシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項9】
が単結合であり、
環Bが、式
【化10】

であり、
WがニトロまたはNR1516であり、R15およびR16が各々独立して水素、置換基を有していてもよい低級アルキルまたは置換基を有していてもよいシクロアルキルであり、
、R、R、R、RおよびR10がいずれも水素であり、
Yが、式
【化11】

である、請求項1に記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有することを特徴とする医薬組成物。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有することを特徴とする抗体産生抑制剤。

【公開番号】特開2007−15952(P2007−15952A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−197194(P2005−197194)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【Fターム(参考)】