説明

ニッケルアルミナイドコーティングの形成方法

金属基材用のニッケルアルミナイド系コーティングシステムは、コーティング前駆体(22)から成り、コーティング前駆体(22)は、第1のソースから得た金属基材(20)に重層させたニッケル及び合金元素から成る層(24a)と、第2のソースから得た金属基材(20)に重層させたアルミニウム層(26)とを含み、該コーティング前駆体の適切な処理の後に形成されたコーティングに重層させた、セラミック遮熱コーティングを含む。ニッケルアルミナイド系コーティングを形成する方法は、コーティング前駆体のアルミニウム含有量の大半部分を提供するソースと、ほぼ全てのニッケルを提供する個別のニッケル合金ソースと、コーティング前駆体の追加の合金元素とを設けるステップを含む。陰極アーク(イオンプラズマ)蒸着法を用いてもよい。コーティング前駆体は、個別の層の形で、又は共蒸着処理により設けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して金属基材用コーティングに関し、より詳細には金属基材上にニッケルアルミナイド系コーティングを設けるプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
NiAl系コーティングを設けるプロセスは、米国特許第6,620,524号及び第6,933,058号、並びに米国特許出願公開第20070207339号において論じられている。NiAl系の重層コーティングを設けるためのプロセスの一例に、概して均質な組成を有するソースを用いた陰極アーク(イオンプラズマ)蒸着法がある。このプロセスにより、コーティング厚さ全体に及んで化学的性質が均一となるが、マクロ粒子の転移とこれに伴う陰影現象に関連する欠陥がコーティングに生じる。陰極アーク処理に因るマクロ粒子に関する考察が、A.Anders著「Cathodic Arcs: From Fractal Spots to Energetic Condensation(陰極アーク:フラクタルスポットからエネルギー凝縮まで)」Springer社(2008年)に見られる。
【0003】
陰極アーク蒸着NiAlコーティングは、酸化特性を低下させると考えられているマクロ粒子によって損なわれる場合がある。その上、蒸着プロセスで使用する消耗型のソース(即ち、陰電極)は、NiAl材料の溶解温度の高さ、凝固温度域の広さ、延性の低さ(即ち、脆弱性)といった理由から、製造が難しい。
【0004】
米国特許第6,964,791号は、金属基材にコーティングを供給する2段階の方法を開示している。この方法は、ニッケル、ジルコニウム、及びアルミニウムから成る基材上に第1の層を配置した後、その第1のコーティング層上に、原子百分率が少なくとも90のアルミニウムから成る第2のコーティング層を配置するステップを含む。後処理により、B2構造のニッケルアルミナイドから成るコーティング層を実質的に単相反応により形成する。この反応コーティング層は、外表面のアルミニウム濃度が高く、コーティング/基質の界面付近のアルミニウム濃度が低い。
【0005】
米国特許第6,964,791号の教示は、NiAl(CrZr)コーティング層上に蒸着されたほぼ純粋なアルミニウムを1079℃(1975°F)まで加熱すると、相互拡散が活発になることから、上述のマクロ粒子がコーティングされることを示唆している。しかし、このコーティングにより、コーティングの厚さ全体に亘りアルミニウムの表面高が高くなり、アルミニウムの組成勾配が大きくなる。
【0006】
コーティング及びコーティングプロセスにおける更なる改善は、特に、コスト削減、製造の簡略化、コーティング時間の短縮において、依然として模索段階である。また、NiAl材料が脆弱な性質なので、合金性能の改善も模索中である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第1944387号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の必要性は、金属基材上にニッケルアルミナイド系コーティングを形成する方法をもたらす実施例によって満たすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
例示的な方法は、ニッケルアルミナイド系コーティングにアルミニウム成分を供給可能な第1のソースを設けるステップと、ニッケルアルミナイド系コーティングにニッケル及び少なくとも1種類の合金元素成分を供給可能な第2のソースを設けるステップと、金属基材を設けるステップと、第1のソースから得られるアルミニウム成分と、第2のソースから得られるニッケル及び少なくとも1種類の合金元素成分とから成る金属基材の少なくとも一部分に、ニッケルアルミナイド系コーティングの前駆体を配置するステップと、コーティング前駆体からニッケルアルミナイド系コーティングを形成するステップを含む。
【0010】
コーティング前駆体の層を十分な相対厚さで配置することにより、これに続く後処理において、金属基材上にニッケルアルミナイド系コーティングを設けることができる。
【0011】
消耗陰電極のコーティング組成の残成分からアルミニウムの大部分を分離することで、脆弱なNiAl陰極に関連する問題点が解消する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】例示的なコーティング前駆体を上面に配置した金属基材の概略断面図である。
【図2】例示的なコーティングを上面に配置した、図1の金属基材の概略断面図である。
【図3】本明細書に開示の実施形態に従ってコーティングを形成するための例示的なプロセスを図示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書の結びの部分において、本発明とみなされる主題を特に指摘し、明確にクレームする。しかし、添付図面に関連する下記の記述を参照することにより、本発明を最もよく理解できよう。
【0014】
本明細書では、図面を参照しながら実施例を説明する。一般的には、所望のコーティング組成物を少なくとも2箇所に供給してコーティング前駆体を施すことで、例示的なコーティングを金属基材上に配置する。その後、コーティング前駆体を処理して、所望のコーティングを設ける。
【0015】
図1は、コーティング前駆体22が上面に層状に配置された基材20を含む、例示的な物質10を示す。一実施例では、コーティング前駆体22が、ニッケル合金(NiX)から成る層24a、実質的にアルミニウムから成る層26、及びこれもまたニッケル合金(Nix)から成る層24bを、少なくとも1つ含む。図示の実施形態では、層26が、層24aと24bの間に配置されている。また、追加の層(NiX又はアルミニウム)を設けることによっても、適切なコーティング前駆体22を設けることができる。他の実施例では、コーティング前駆体に、NiX層24a及びアルミニウム層26を含めることにより、所望のコーティングの要件を満たすことができる。
【0016】
一実施例では、コーティング組成物を、蒸着前に、少なくとも2つの部分に分離し、個別の「消耗材」、例えば陰極アーク(イオンプラズマ)蒸着用の陰電極によって提供する。一実施例では、消耗材から成るコーティング組成物は、部分ごとに組成が大きく異なる。一部分は、ほぼ純粋なアルミニウム(即ち、アルミニウムソース)であり、他の部分は、ニッケル+他の合金元素(即ち、NiXソース)である。例えば、他の合金元素は、環境抵抗性、強化等の観点から望ましいものであり、理論上アルミニウムを殆ど含有しない元素であればよい。例えば、第2の部分は、ニッケルの他に、クロミウム、ジルコニウム、ハフニウム、シリコン、イットリウム、又はそれらの組合せ等の合金元素を含んでもよい。追加的な合金元素は、最終コーティングで所望の特性を得るために、チタン、タンタル、レニウム、ランタン、セリウム、カルシウム、鉄、ガリウム等であってよい。ここでは、第2の部分を「NiX」とし、このXは1種類以上の任意の合金元素を表す。
【0017】
他の実施例では、他の部分(即ち、NiX)は、これまでの消耗材よりも少ない含有量で、且つ、アルミニウムの第1のソースでは存在しないことが望ましいと思われるアルミニウム含有量未満であれば、アルミニウムをある程度含んでもよい。NiXソース中のアルミニウムが減少しても尚、製造の容易さは所望通りであり、アルミニウムが拡散してマクロ粒子等が加熱される。NiX部分に、所要のある程度のアルミニウム成分を供給することで、目標組成物の完成に要する第1の部分のアルミニウムソースのアルミニウム量が減少するので、処理に柔軟性がでる。
【0018】
一実施例では、コーティング組成物を、多層化陰極アーク(イオンプラズマ)蒸着処理により、基材上に配置する。後処理及び/又は熱処理を行うことで、アルミニウム含有量を表面に集中させず、少なくともアルミニウムがコーティング厚さ全体に分布した、高密度のコーティングを設ける。好ましくは、このコーティングでは、合金元素がほぼ一様に分散している。一実施例では、3層コーティング処理を用いる。第1の層にNiX消耗材を用い、アルミニウム蒸着を行った後に、もう1つのNiX層を設けてもよい。各蒸着層の厚さは、所望の最終コーティングの組成によって異なる。蒸着層に所定の温度で十分な時間をかけて均質化熱処理を行うことで、層状のコーティング前駆体を、高密度なコーティングの内部に拡散させることができる。一実施例では、熱処理を約1,079℃(1,975°F)で行う。
【0019】
他の実施例では、追加のアルミニウム層及び/又はNiX層を用いて、層状にコーティング前駆体を形成し、後処理を行って所望のコーティングを設けてもよい。一実施例では、十分な厚さの層状のコーティング前駆体を設け、総コーティング厚さを公称値約12.7〜254ミクロン(約0.5〜10.0ミル)とする。他の実施例では、総コーティング厚さが、12.7〜76.2ミクロン(約0.5〜3.0ミル)である。所望のコーティングを得るにあたり、個別のソース各々から作製される層の厚さを一様にしてもよいが、異ならせてもよい。
【0020】
層状のコーティング前駆体を設ける観点から説明したが、当業者には明らかなように、NiX及びアルミニウムを共蒸着することで、ほぼ無限数の極微細層を有するコーティング前駆体がもたらされる。このように、目標組成物の要件が成立している限り、任意数の層が可能となる。最小の層数は、層24aと層26の2つである。最大の層数は、例えば、NiX及びアルミニウムを共蒸着して、同時にほぼ無数の極微細層を作製する場合は、無限であり得る。最終的な組成物の要件が成立している限り、中間に層を幾つでも配置できる。
【0021】
図2は、層状のコーティング前駆体から形成された基材20及びコーティング30を含む被覆物12を示す。被覆物12上には、点線で示した任意選択のセラミック層40を含めてもよい。
【0022】
本明細書に開示する例示的なコーティング組成物は、基材上にNiX及びアルミニウムの層を配置することによって得られた目標組成物又は名目上の組成物である。表Iでは、蒸着直後のコーティングの例示的な組成物について列挙している。ここでは、アルミニウム部分の多くが、第1の消耗ソース(例えば、陰電極)から供給され、残りの部分が、1種類以上の追加的な消耗ソース(例えば、陰電極)から得られる。表Iに示す例示的なコーティング組成物は、概して、その内容全体が本明細書に援用されている米国特許第6,153,313号に記載のコーティング組成物に相当するものである。
【0023】
一実施例では、少なくとも2つの異なる消耗材(例えば、アルミニウム及びNiX)を用いて塗布される蒸着直後のコーティングは、ニッケル及びアルミニウムの他に、原子百分率が少なくとも0.2のジルコニウム成分を含む。他の実施例では、その内容の全体が本明細書に援用されている米国特許第6,255,001号に記載のように、ジルコニウム成分の原子百分率が0.2〜0.5%の範囲である。
【0024】
【表1】

一実施例において、少なくとも2つの異なる消耗材(例えば、アルミニウム及びNiX)を用いて塗布される蒸着直後のコーティングは、その内容全体が本明細書に援用される米国特許第6,291,084号に記載のように、原子百分率が約2〜15の範囲のクロム成分と、原子百分率が約0.1〜1.2のジルコニウム成分と、残成分のニッケルから成る。この残成分は、蒸着直後のコーティングの原子百分率が30〜60、好ましくは原子百分率が30〜50、より好ましくはニッケル成分との原子比率が1:1のアルミニウム成分を含む。
【0025】
一実施例では、少なくとも2つの異なる消耗材(例えば、アルミニウム及びNiX)を用いて塗布される蒸着直後のコーティングが、アルミニウムとニッケルに加え、ジルコニウム、ハフニウム、イットリウム、及びシリコンから選択される少なくとも2種類の修飾元素を含む。一実施例では、当該選択された修飾元素の少なくとも1種類が、ジルコニウムである。一実施例では、修飾元素が存在する場合、これが蒸着直後のコーティング組成物の約0.1〜約5重量パーセント、より好ましくは約0.1〜約3重量パーセント、最も好ましくは約0.1〜約1重量パーセントを成す。一実施例では、イットリウムが存在する場合、約0.1〜約1重量パーセントの量が、蒸着直後のコーティングに含まれ得る。例示的なコーティング組成物は、その内容全体が本明細書に援用されている米国特許第6,579,627号に記載されている。
【0026】
図3は、被覆物を設けるための例示的な処理を図示している。ステップ100では、アルミニウムソース(例えば、消耗陰電極)を設ける。ステップ110では、ニッケル合金(NiX)ソース(例えば、消耗陰電極)を設ける。ステップ120では、アルミニウム及びNiXを、層状のコーティング前駆体の形態で基材表面上に設ける。基材/コーティング前駆体に、例えば熱処理等の後処理を十分な時間をかけて十分な温度条件下で行うことで(ステップ130)、基材上にニッケルアルミナイドコーティングを形成する(ステップ140)。
【0027】
本明細書に開示する例示的なコーティングは、任意選択のステップ150に示すように、基材と重層させた遮熱コーティングとの間に配置される接着コーティングとして特に適切なもの、例えば7YSZ等である。或いは、当業者には明らかなように、本明細書に開示の例示的なコーティングが、(遮熱コーティングを重層させない)耐環境コーティングとしての使用に適切なものであってもよい。例示的な金属基材には、ニッケル系超合金、コバルト系超合金、及び鉄系超合金がある。
【0028】
このように、適切な厚さの蒸着層と後処理(例えば、拡散熱処理)により、金属基材上にニッケルアルミナイド系コーティングを設けることができる。本明細書に開示のように、コーティング組成物の残成分からアルミニウムの大部分を分離することで、脆弱なNiAl陰電極に関連する問題点が解消し、製造上の問題が減り、コーティング時間が短縮される。
【0029】
本明細書では、最適な態様を含め、例を用いて本発明を開示し、これによってまた、当業者は、本発明を構成及び使用できる。本発明の特許請求の範囲は、請求項に記載されているが、これには当業者に想到されるその他の例も含み得る。こうしたその他の例は、請求項の文言と相違ない構成要素を有する場合、又は請求項の文言と実質的に異ならない、等価の構成要素を有する場合、特許請求の範囲に含まれることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニッケルアルミナイド系コーティング用のアルミニウム成分を供給可能な第1のソースを設けるステップと、
前記ニッケルアルミナイド系コーティング用のニッケル及び少なくとも1種類の合金元素成分を供給可能な第2のソースを設けるステップと、
金属基材を設けるステップと、
前記第1のソースから得たアルミニウム成分と前記第2のソースから得たニッケル及び少なくとも1種類の合金元素成分とから成る前記金属基材の少なくとも一部分に、ニッケルアルミナイド系のコーティング前駆体を配置するステップと、
前記コーティング前駆体から前記ニッケルアルミナイド系コーティングを形成するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1のソースが、陰極アーク蒸着法に用いる消耗陰電極から成る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のソースが、陰極アーク蒸着法に用いる消耗陰電極から成る、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コーティング前駆体を配置するステップが、前記第2のソースを用いて一定量のニッケル及び少なくとも1種類の合金元素を前記金属基材に重層させて配置するステップと、前記第1のソースを用いて一定量のアルミニウムを前記金属基材に重層させて配置するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記一定量のニッケル及び少なくとも1種類の合金元素を配置するステップが、少なくとも2つの蒸着作業において遂行され、前記ニッケル及び少なくとも1種類の合金元素から成る第1の層を前記金属基材と接触させて配置した後、アルミニウムの中間層を、前記第1の層に重層して接触させ、その後、前記ニッケル及び少なくとも1種類の合金元素から成る第2の層を、前記中間アルミニウム層に接触及び重層させて配置する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記一定量のニッケル及び少なくとも1種類の合金元素を配置するステップと前記一定量のアルミニウムを配置するステップが、前記第2のソースからの前記ニッケル及び少なくとも1種類の合金元素成分と、前記第1のソースからのアルミニウム成分とを共蒸着することによって遂行される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ニッケルアルミナイド系コーティングを形成するステップが、前記基材及び前記コーティング前駆体に適切な熱処理を行うステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基材及び前記コーティング前駆体に適切な熱処理を行うステップが、十分な時間をかけて約1079℃(1975°F)まで加熱するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のソースを設けるステップが、クロミウム、ジルコニウム、ハフニウム、シリコン、イットリウム、チタン、タンタル、レニウム、ランタン、セリウム、カルシウム、鉄、ガリウム、及びそれらの組合せから成る群より選択される少なくとも1種類の合金元素を設けるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記コーティング前駆体を配置するステップが、前記ニッケルアルミナイド系コーティングが約12.7ミクロン以上254ミクロン以下のコーティング厚さを有するように、十分量のニッケル及び少なくとも1種類の合金と、十分量のアルミニウムを配置するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
遮熱セラミック層を前記ニッケルアルミナイド系コーティング上に重層させて配置するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記部品を設けるステップが、タービンエアフォイル、タービンディスク、及び燃焼器のうちの少なくとも1つを設けるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
コーティング前駆体を含む、金属基材用コーティングシステムであって、前記コーティング前駆体が、第1のソースからの金属基材に重層させた一定量のニッケル及び少なくとも1種類の合金元素と、第2のソースからの金属基材に重層させた一定量のアルミニウムと、任意選択的に、コーティング前駆体の適切な処理の後に形成されるコーティング上に重層させたセラミック遮熱コーティングとを含む、コーティングシステム。
【請求項14】
前記第1のソースが、陰極アーク蒸着法に用いる消耗陰電極から成る、請求項13に記載のコーティングシステム。
【請求項15】
前記第2のソースが、陰極アーク蒸着法に用いる消耗陰電極から成る、請求項13に記載のコーティングシステム。
【請求項16】
前記コーティング前駆体が、少なくとも、前記金属基材と接触して配置された前記ニッケル及び少なくとも1種類の合金元素から成る第1の層と、前記第1の層に重層及び接触して配置されたアルミニウム中間層と、前記中間アルミニウム層に接触及び重層して配置された前記ニッケル及び少なくとも1種類の合金元素から成る第2の層を含む、請求項13に記載のコーティングシステム。
【請求項17】
前記コーティング前駆体が、ニッケルを内部分散させた複数の微細層と、前記第2のソースからの前記ニッケル及び少なくとも1種類の合金元素成分と、第1のソースからのアルミニウム成分との共蒸着によって得られる少なくとも1種類の合金元素及びアルミニウムとを含む、請求項13に記載のコーティングシステム。
【請求項18】
前記第2のソースが、クロミウム、ジルコニウム、ハフニウム、シリコン、イットリウム、チタン、タンタル、レニウム、ランタン、セリウム、カルシウム、鉄、ガリウム、及びそれらの組合せの群より選択された少なくとも1種類の合金元素を含む、請求項13に記載のコーティングシステム。
【請求項19】
金属基材とコーティング前駆体から形成されたコーティングから成り、前記コーティング前駆体が、第1のソースから得た、前記金属基材に重層させた一定量のニッケル及び少なくとも1種類の合金元素と、第2のソースから得た、前記金属基材に重層させた一定量のアルミニウムとを含む、被覆物。
【請求項20】
前記金属基材が、ガスタービンアセンブリの部品から成る、請求項19に記載の被覆物。
【請求項21】
前記部品が、タービンエアフォイル、タービンディスク、及び燃焼器のうちの少なくとも1つである、請求項19に記載の被覆物。
【請求項22】
前記金属基材が、ニッケル系超合金、コバルト系超合金、及び鉄系超合金から成る群の一部から成る、請求項19に記載の被覆物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−515173(P2013−515173A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546054(P2012−546054)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/060702
【国際公開番号】WO2011/084573
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】