説明

ハイブリッド車両の排気制御装置

【課題】モータリング制御中の駆動力の低下と、モータリング制御から内燃機関を再始動した場合の排気性能の悪化を防止する。
【解決手段】駆動源として内燃機関1と電動モータ12を備え、運転状態に応じて内燃機関1及び電動モータ12の駆動、停止を切り替えるハイブリッド車両の排気制御装置において、内燃機関1の排気浄化用の触媒20を担持する触媒コンバータ7と、触媒コンバータ7内部の排気の流れを切り替える流路切り替え手段18と、を備え、流路切り替え手段18は、内燃機関1と電動モータ12を接続した状態で内燃機関1を停止して電動モータ12の出力で走行する場合に、触媒コンバータ7が担持する触媒20の一部分のみが内燃機関1を通過した空気の流路となるよう流路を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源として内燃機関と電動機を備えるハイブリッド車両の排気制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動源として内燃機関と電動機とを備え、内燃機関のエネルギー変換効率が高い領域では内燃機関を優先的に運転し、内燃機関のエネルギー変換効率が低い領域では電動機を優先的に運転または電動機によるアシストを行うハイブリッド車両が知られている。
【0003】
ハイブリッド車両において、内燃機関による走行から電動機による走行へ切り替える際に、内燃機関の燃料供給を停止すると機関回転速度が急激に低下する、いわゆるトルクショックが発生して運転者に違和感を与えるという問題がある。トルクショックを防止するための制御として、内燃機関への燃料供給を停止した後も電動機の出力軸と内燃機関の出力軸とを連結しておき、内燃機関が完全に停止するまで電動機の出力によって機関回転速度を徐々に低下させるモータリング制御が知られている。
【0004】
しかし、モータリング制御を行うと、吸気通路内の空気がそのまま燃焼室を通過して排気浄化用触媒に流入するので、排気浄化用触媒の酸素ストレージ量が増大してしまい、次回の内燃機関始動時に、排気浄化用触媒から多量の酸素が放出されて、排気中のNOx量が増大するという問題がある。この問題を解決するため、特許文献1には、モータリング制御中にスロットルバルブを絞ることで、排気浄化用触媒へ流入する新気量を低減する制御が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−19519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の制御では酸素ストレージ量の増加は防止できるが、スロットルバルブを絞ることで内燃機関のポンピングロスが発生するので、ポンピングロスの分だけ車両の駆動力が低下してしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明では、内燃機関の出力軸と電動機の出力軸とを接続した状態で電動機による走行を行う場合の、車両の駆動力の低下を防止しつつ、内燃機関を再始動した場合の排気性能の悪化を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のハイブリッド車両の排気制御装置は、駆動源として内燃機関と電動モータを備え、運転状態に応じて前記内燃機関及び前記電動モータの駆動、停止を切り替える。そして、内燃機関の排気浄化用の触媒を担持する触媒コンバータと、触媒コンバータ内部の排気の流れを切り替える流路切り替え手段と、を備える。さらに、流路切り替え手段は、内燃機関と電動モータを接続した状態で内燃機関を停止して電動モータの出力で走行する場合に、触媒コンバータが担持する触媒の一部分のみが内燃機関を通過した空気の流路となるよう流路を切り替える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、モータリング制御中は内燃機関を通過した空気が触媒の一部分しか通過しないので、スロットルバルブを絞らなくても、触媒の酸素ストレージ量の増加を抑制することができるので、車両の駆動力の低下を防止できる。また、酸素ストレージ量の増加が抑制されることにより、内燃機関を再始動したときの排気性能の悪化も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態を適用するシステムの構成図である。
【図2】触媒コンバータの断面図である。
【図3】(A)はメインバルブ閉状態における図2のIII−III線に沿った断面図、(B)はメインバルブ開状態における図2のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】(A)はサブバルブ閉状態における図2のVI−VI線に沿った断面図、(B)はサブンバルブ開状態における図2のVI−VI線に沿った断面図である。
【図5】ECUが実行するバルブ開閉制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】ECUが実行するバルブ開閉制御のサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の第1実施形態を適用するハイブリッド車両のシステム構成図である。
【0013】
車両の駆動源としての内燃機関1と電動モータ12は直列に配置されており、内燃機関1の出力軸10と電動モータ12との間には第1クラッチ11が、電動モータ12の出力軸13とファイナルギア15の間には第2クラッチ14が介装されている。
【0014】
内燃機関1は、吸気通路2にスロットルバルブ4を備え、これにより吸気量を調整する。吸気は吸気通路2から吸気マニホールド3を経て内燃機関1に流入する。
【0015】
一方、内燃機関1の各気筒の排気は、排気マニホールド5で合流して排気通路6を流れる。排気通路6には、排気浄化用の触媒20を担持した触媒コンバータ7が介装されている。触媒コンバータ7の構成については後述する。
【0016】
また、触媒コンバータ7には、排気の一部を吸気通路2に還流させるための排気還流通路(以下、EGR通路という)8が接続されている。EGR通路8には排気還流量を調節するためのEGRバルブ9が介装されている。
【0017】
内燃機関1及び電動モータ12の運転制御、及び第1クラッチ11及び第2クラッチ14の締結、解放制御は、車速センサ、クランク角センサ、アクセル開度センサ等の各種センサ19の検出値に基づいてコントローラ(以下、ECUという)18により行われる。
【0018】
ECU18は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。ECU18を複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
【0019】
上記のようなハイブリッド車両において、ECU18は、各種センサ19の検出値に基づいて、EGRバルブ9の開閉制御や、内燃機関1や電動モータ12の出力制御等の他に、内燃機関1または電動モータ12のいずれを用いて走行するかの決定も行う。具体的には、内燃機関1のエネルギー変換効率が相対的に低い領域は電動モータ12により走行し、内燃機関1のエネルギー変換効率が相対的に高い領域は内燃機関1により走行し、加速時等は内燃機関1及び電動モータ12により走行する。
【0020】
内燃機関1により走行する際には、ECU18は第1クラッチ11及び第2クラッチ14を締結する。これにより内燃機関1の出力は内燃機関1の出力軸10、電動モータ12の出力軸13、ファイナルギア15、ドライブシャフト16を介して駆動輪17に伝達される。電動モータ12によるアシストが必要な場合には、この状態で電動モータ12を駆動する。
【0021】
一方、電動モータ12のみにより走行する際には、ECU18は原則として第1クラッチ11を解放し、第2クラッチ14を締結する。これにより、電動モータ12の出力を出力軸13、ファイナルギア15、及びドライブシャフト16を介して駆動輪17に伝達する。
【0022】
ただし、内燃機関1による走行から電動モータ12による走行へ切り替える際に、内燃機関1の燃料噴射を停止すると、機関回転速度が急激に低下することでトルクショックが発生するので、内燃機関1が完全に停止するまでは第1クラッチ11を締結しておく。これにより、内燃機関1の回転速度を徐々に低下させてトルクショックの発生を防止する。
【0023】
また、電動モータ12のみで走行する領域であっても、直ちに再加速することが予測されるような場合には、第1クラッチ11を断接する際に発生するショック発生を回避するため、内燃機関1が停止した後も第1クラッチ11を締結したまま走行する場合がある。
【0024】
このように、第1クラッチ11を締結したまま内燃機関1を停止して電動モータ12により走行する制御を、モータリング制御とよぶ。
【0025】
第1クラッチ11を締結したまま電動モータ12により走行すると、吸気通路2にある新気が内燃機関1の各気筒をそのまま通過して排気として触媒コンバータ7に流入する。
【0026】
以下、新気が内燃機関1を燃焼せずに通過したものは、内燃機関1から排出されたという観点からは「排気」であるが、通常運転時の排気と区別するため「新気」と呼ぶ。
【0027】
従来の排気浄化システムでは、触媒20の酸素ストレージ能力によって、触媒20に多量の酸素が溜められ、溜められた酸素が内燃機関1の再始動によって放出されて、排気中のNOx量が増大するという問題があった。一方、触媒20への新気の流入を抑制するためにスロットルバルブ4を閉じると、ポンピングロスが増大することによって、電動モータ12の負荷が増大、つまり走行駆動力が低下するという問題もあった。
【0028】
しかし、本実施形態の触媒コンバータ7によれば、上記の問題、つまり内燃機関1を再始動したときのNOx量の増加及び走行駆動力の低下、を解決できる。
【0029】
ここで、触媒コンバータ7の構成について説明する。
【0030】
図2は触媒コンバータ7の排気流れ方向に沿った断面図である。なお、触媒20は図2の右端に接するように配置されるが、図2では省略している。図3(A)は後述するメインバルブ23が閉じた状態の図2のIII−III線に沿った断面図、図3(B)は同じくメインバルブ23が開いた状態の、図2のIII−III線に沿った断面図である。図4(A)は後述するサブバルブ24が閉じた状態の図2のVI−VI線に沿った断面図、図4(B)は同じくサブバルブ24が閉じた状態の図2のVI−VI線に沿った断面図である。
【0031】
触媒コンバータ7の内部は、触媒20より下流側で中心側のメイン通路21とメイン通路21の外周側のサブ通路22とからなる2重管構造となっており、サブ通路22にはEGR通路8が接続されている。
【0032】
メイン通路21の下流端には、メイン通路21を開閉し得るメインバルブ23が配置されている。メインバルブ23は、図3(A)、図3(B)に示すように、2枚が並ぶことでメイン通路21を閉鎖する形状となる弁体30と、それぞれの弁体30の回転軸となるシャフト31とを有し、シャフト31を電動モータ等のアクチュエータにより回転駆動することで、メイン通路21を開閉する。
【0033】
サブ通路22には、一部に連通孔を有する隔壁42が設けられ、連通孔をサブバルブ24で開閉する構成となっている。サブバルブ24は、図4(A)、図4(B)に示すように、連通孔を閉鎖し得る形状の弁体40と、弁体40の回転軸となるシャフト41とを有し、シャフト41を電動モータ等のアクチュエータにより回転駆動される。
【0034】
メインバルブ23及びサブバルブ24の駆動は、ECU18により後述するように制御される。
【0035】
次に、ECU18が実行するメインバルブ23、サブバルブ24、及びEGRバルブ9の開閉制御について説明する。
【0036】
内燃機関1による走行(以下、内燃機関走行モードという)から電動モータ12による走行(以下、モータ走行モードという)への移行時及びモータ走行モードから内燃機関走行モードへの移行時を除く通常走行時には、メインバルブ23及びサブバルブ24を開弁状態とする。これにより、排気はメイン通路21及びサブ通路22を流れる。一方、内燃機関走行モードとモータ走行モードの移行時には、以下のような制御ルーチンによりメインバルブ23及びサブバルブ24を制御する。
【0037】
図5は、ECU18が実行するメインバルブ23及びサブバルブ24の開閉制御ルーチンを示すフローチャートである。図6はECU18が実行する図5のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0038】
ステップS100で、ECU18は各種センサ19の検出信号を読み込む。
【0039】
ステップS110で、ECU18はステップS100で読み込んだ検出信号に基づいて、内燃機関走行モードからモータ走行モードへの移行タイミングであるか否かを判定する。例えば、運転領域を内燃機関1のエネルギー変換効率に基づいて内燃機関走行モード領域とモータ走行領域に分割したマップを格納しておき、読み込んだ検出信号に基づいて、移行タイミングであるか否かを判断する。
【0040】
移行タイミングである場合はステップS120の処理を実行し、そうでない場合は本制御ルーチンを抜ける。
【0041】
ステップS120で、ECU18はメインバルブ23、サブバルブ24の開閉状態を設定する。具体的には、メインバルブ23を閉弁状態、かつサブバルブ24を開弁状態に設定する。
【0042】
このように設定すると、メイン通路21がメインバルブ23により閉鎖されるので、モータリング制御中に触媒コンバータ7に流入した新気はメイン通路21を流れず、サブ通路22のみを流れる。このとき、新気はサブ通路22に流れ込もうとするので、触媒20の外周側部分、つまりサブ通路22に対応する部分のみを通過する。
【0043】
したがって、モータリング制御中に触媒20で酸素ストレージ量が増加するのはサブ通路22に対応する部分のみで、メイン通路21に対応する部分の酸素ストレージ量は増加しない。そして、触媒20のサブ通路22に対応する部分の酸素ストレージ能力を超える酸素はストレージされずに吸気通路2へ戻されるので、触媒20全体としてみた場合の酸素ストレージ量はメイン通路21及びサブ通路22を開弁状態にした場合より少なくなる。
【0044】
また、新気がサブ通路22、つまり触媒コンバータ7の外周側の通路を通過するので、触媒コンバータ7からの放熱を抑制できる。
【0045】
なお、メインバルブ23及びサブバルブ24を閉弁し、EGRバルブ9を開弁してもよい。この場合、新気が吸気通路2へ還流して再び内燃機関1を通過することになるので、触媒20の温度低下を抑制することができる。
【0046】
ステップS130で、ECU18はステップS120で設定した状態になるようメインバルブ23及びサブバルブ24の開閉制御を実行し、かつモータリング制御を実行する。
【0047】
ステップS140で。ECU18は図6のサブルーチンを開始する。
【0048】
図6のステップS200で、ECU18は各種センサ19の検出信号に基づいて、内燃機関1を再始動するタイミングであるか否かを判定する。
【0049】
再始動するタイミングである場合はステップS210の処理を実行し、そうでない場合は再始動するタイミングになるまでステップS200の判定を繰り返す。
【0050】
ステップS210で、ECU18はメインバルブ23、サブバルブ24及びEGRバルブ9の開閉状態を設定する。具体的には、メインバルブ23を開弁状態、サブバルブ24を閉弁状態、EGRバルブ9を開弁状態に設定する。
【0051】
このように設定すると、メイン通路21は開通し、サブ通路22はEGRバルブ9が開弁していることでEGR通路8を介して吸気通路2に連通するので、内燃機関1を再始動した場合に、排気は触媒20の全面を通過する。このとき、触媒20のサブ通路22に対応する部分にストレージされた酸素が放出されて排気中のNOx量が増大するが、NOx量が増大した排気はサブ通路22からEGR通路8を介して吸気通路2へ還流され、内燃機関1で再燃焼する。すなわち、NOx量が増大した排気は触媒コンバータ7より下流へは流れずに内燃機関1へ還流されるので、内燃機関1が再始動した場合の排気性能の悪化を防止することができる。
【0052】
ステップS220で、ECU18は、ステップS210で設定した状態となるようにメインバルブ23、サブバルブ24及びEGRバルブ9の開閉制御を実行し、かつ、モータリング制御を実行し、サブルーチンを抜けて図5の制御ルーチンに戻り、処理を終了する。
【0053】
なお、内燃機関1が再始動して、モータリング制御中に触媒20にストレージされた酸素の全量が放出されたら、サブバルブ24を開弁する。モータリング制御中にストレージされた酸素の全量が放出されたか否かは、予め所定時間を設定しておいてもよいし、モータリング制御の実行時間と実行中の内燃機関1の回転速度に基づいて推定してもよい。
【0054】
上記のように、モータリング制御中に触媒コンバータ7に新気が流入することで触媒20の酸素ストレージ量が増大するが、内燃機関1が再始動したときに、酸素が放出されてNOx量が増大した排気はEGR通路8を介して吸気通路2に還流される。したがって、モータリング制御中にスロットルバルブ4を絞ることなく排気性能の悪化を防止でき、ポンピングロスによるモータリング制御中の駆動出力低下の問題も生じない。
【0055】
以上のように、本実施形態によれば次の効果が得られる。
【0056】
(1)ECU18は、モータリング制御中に触媒20の一部分のみが新気の流路となるよう触媒コンバータ7内の流路を切り替えるので、モータリング制御中の触媒20の酸素ストレージ量増加を抑制することができる。
【0057】
(2)新気の流路となるのは、触媒20の外周付近の一部分なので、モータリング制御中の触媒コンバータ7からの放熱を抑制できる。
【0058】
(3)ECU18は、触媒20の一部分を通過した空気を、EGR通路8を介して吸気通路2に還流させるので、モータリング制御中の触媒20の温度低下を抑制することができる。
【0059】
(4)ECU18は、モータリング制御の後で内燃機関1を再始動した場合に、触媒20の全体を排気が流れ、かつ触媒20の一部分を通過した排気が吸気通路2に還流するよう流路を切り替えるので、内燃機関1の再始動後に触媒20からの酸素放出によるNOx排出量増大を抑制できる。
【0060】
(5)ECU18は、モータリング制御中にスロットルバルブ4を開状態にするので、ポンピングロスが増大することがなく、これにより駆動出力の低下を回避することができる。
【0061】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0062】
1 内燃機関
2 吸気通路
3 吸気マニホールド
4 スロットルバルブ
5 排気マニホールド
6 排気通路
7 触媒コンバータ
8 排気還流通路(EGR通路)
9 EGRバルブ
10 出力軸
11 第1クラッチ
12 電動モータ
13 出力軸
14 第2クラッチ
15 ファイナルギア
16 ドライブシャフト
17 駆動輪
20 触媒
21 メイン通路
22 サブ通路
23 メインバルブ
24 サブバルブ
30 弁体
31 シャフト
40 弁体
41 シャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源として内燃機関と電動モータを備え、運転状態に応じて前記内燃機関及び前記電動モータの駆動、停止を切り替えるハイブリッド車両の排気制御装置において、
前記内燃機関の排気浄化用の触媒を担持する触媒コンバータと、
前記触媒コンバータ内部の排気の流れを切り替える流路切り替え手段と、
を備え、
前記流路切り替え手段は、前記内燃機関と前記電動モータを接続した状態で前記内燃機関を停止して前記電動モータの出力で走行する場合に、前記触媒コンバータが担持する触媒の一部分のみが前記内燃機関を通過した空気の流路となるよう流路を切り替えることを特徴とするハイブリッド車両の排気制御装置。
【請求項2】
前記内燃機関を通過した空気の流路となるのは、前記触媒の外周付近の一部分である請求項1に記載のハイブリッド車両の排気制御装置。
【請求項3】
前記触媒の下流側と吸気通路とを連通する配管を備え、
前記流路切り替え手段は、前記触媒の一部分を通過した空気を、前記配管を介して吸気通路に還流させる請求項1または2に記載のハイブリッド車両の排気制御装置。
【請求項4】
前記流路切り替え手段は、前記内燃機関と前記電動モータを接続した状態で前記内燃機関を停止して前記電動モータの出力で走行した後で前記内燃機関を再始動した場合に、前記触媒の全体を排気が流れ、かつ前記触媒の一部分を通過した排気が前記吸気通路に還流するよう流路を切り替える請求項3に記載のハイブリッド車両の排気制御装置。
【請求項5】
前記触媒コンバータは、前記触媒の下流側の流路が2重管構造となっており、内周側の流路を開閉する内周側弁と、外周側の流路を開閉する外周側弁と、前記内周側の流路と吸気通路を連通する配管と、を備え、
前記流路切り替え手段は、前記内燃機関と前記電動モータを接続した状態で前記内燃機関を停止して前記電動モータの出力で走行する場合に、前記内周側弁を閉弁し、前記外周側弁を開弁する請求項1から4のいずれかに記載のハイブリッド車両の排気制御装置。
【請求項6】
前記流路切り替え手段は、前記内燃機関と前記電動モータを接続した状態で前記内燃機関を停止して前記電動モータの出力で走行した後で前記内燃機関を再始動した場合に、前記内周側弁を開弁し、前記外周側弁を閉弁する請求項5に記載のハイブリッド車両の排気制御装置。
【請求項7】
前記内燃機関の吸気量を調整するスロットルバルブと、
前記スロットルバルブの開度を制御するスロットルバルブコントローラと、
を備え、
前記スロットルバルブコントローラは、前記内燃機関と前記電動モータを接続した状態で前記内燃機関を停止して前記電動モータの出力で走行する場合に、前記スロットルバルブを開状態にする請求項1から6のいずれかに記載のハイブリッド車両の排気制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−41841(P2012−41841A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182393(P2010−182393)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】