説明

ハニカム構造体及びハニカム構造体を用いたリアクタ

【課題】ハニカム構造体の外周部を目封じすることで、構造自体の断熱性が高まり断熱性を向上させることができ、導入ガス温度を上昇できるハニカム構造体を提供するものである。さらに、触媒を担持する場合には、担持触媒を早期活性化できる。とりわけ、コールドスタート時(エンジン冷間始動)においても、導入ガス温度を上昇させやすく、担持触媒を早期活性化させやすくできる。大量の水素を生成させることができ、電極の耐久性も高いプラズマリアクタを提供する。
【解決手段】一の端面から他の端面まで連通しガスの流路となる複数のセル3を区画形成している、隔壁4を含むセル構造部と、前記セル構造部の外周部7の両端面が、目封じされた目封じ部9を有するセル3を備えているハニカム構造体1であって、前記目封じ部9のセル面積が、全セル面積の10%以上であるハニカム構造体1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造体及びハニカム構造体を用いたリアクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、年々強化される自動車排ガス規制に対応すべく、自動車排ガス中に含まれる窒素酸化物、硫黄酸化物、塩化水素、炭化水素及び一酸化炭素等を除去するため、触媒を担持したハニカム構造体が使用されている。このセル構造体は、その隔壁に担持された触媒によって、自動車排ガス中に含まれる上記有害物質を吸着、分解し、自動車排ガスを浄化するものである。とりわけ、ディーゼルエンジンから排出される微粒子を捕捉するフィルタとしても、ハニカム構造体が使用されている。
【0003】
さらに、内燃機関、ボイラー、化学反応樹、改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体、排ガス中の微粒子(特にディーゼルエンジンからの排気ガス中の微粒子物質(PM)の捕集フィルタ(以下、適宜「DPF」という)等には、セラミックス製のハニカム構造体の表面に触媒金属(貴金属)をもつ排ガス浄化用触媒が用いられている。
【0004】
ところで、上記触媒を担持したハニカム構造体において使用される触媒は、通常、高温領域において触媒活性が高くなるため、自動車の運転開始からハニカム構造体の温度が上昇するまでは、触媒活性の低い状態で運転され、浄化不十分な排ガスが排出されることになる。とりわけ、コールドスタート時の低温状態では、触媒活性が十分発揮できず、浄化不十分な排ガスが排出されやすい。そのため、ハニカム構造体の内部の温度をできるだけ短時間に上昇させるかは、触媒の浄化処理効率を向上させることにつながり、従来から一つの課題となっていた。
【0005】
また、このような課題は、前述のようなハニカム構造体が組み込まれている改質器においても、同様の課題となっていた。すなわち、ハニカム構造体が組み込まれている改質器は、近年環境に優しいクリーンなエネルギーとして注目されているが、たとえば、炭化水素等の改質反応などに用いられる改質器等では、一般に炭化水素の改質反応には700〜900℃の高温が必要である。そのため、改質器内の改質反応を進行させるためには、大きな起動エネルギーや長い起動時間を必要とし、改質器内部の温度をできるだけ短時間に上昇させるかは、改質器の処理効率に大きな影響を及ぼすため、重要な課題となっている。
【0006】
このような課題に対し、ハニカム構造体の隔壁の厚さを薄くしたり、気孔率を高くしたりして、セル構造体の熱容量を小さくし、自動車の運転開始から短時間でハニカム構造体の温度を上昇させようとするものがある。しかし、この方法では、隔壁の薄壁化や気孔率の増加による嵩密度化は、ハニカム構造体の機械的強度低下の原因となり、解決策としては不十分なものであった。
【0007】
さらに、これまで下記の特許文献1〜3がある。
【0008】
特許文献1では、内周部の熱を放熱されにくくするために、ハニカム構造体の外周部に、低熱伝導率となるような外周部を形成し、外周部を介して内周部の熱伝導を阻害させるハニカム構造体が開示されている。しかし、このような外周部を形成することは、成形工程が増えるばかりか、外周部と内周部との温度差を生じさせやすく、その温度差に起因するクラックを生じさせやすい。つまり、ハニカム構造体の特性を低減させてしまうおそれが高く、更に、十分な断熱性を保つことができず、解決策として不十分である。
【0009】
特許文献2では、排気ガス浄化装置は、多数の貫通孔が長手方向に併設され、上記貫通孔を隔てる隔壁が、フィルタとして機能するように構成された多孔質セラミックス焼結体からなる排気ガス浄化用のハニカムフィルタが、内燃機関の排気通路に接続されたケーシング内に配置され、上記ハニカムフィルタと上記ケーシングとの間に、保持シール体が介装された排気ガス浄化装置であって、上記保持シール体の800℃における熱伝導率が0.1W/m・K以下であることを特徴とするハニカム構造体が開示されている。しかし、このようなケーシングを設けることは部品点数を増やし、徒に成形工程を増加させることになる。加えて、十分な断熱性を保つことができず、解決策として不十分である。
【0010】
特許文献3では、セル構造体によれば、外壁部を設けることにより、ハニカム構造体の機械的強度を向上させるため、セル構造部の昇温速度の低下を抑制することができ得るものであり、一定の評価を得るものである。しかし、成形工程が増えることになり、外周部と内周部との温度差も生じやすく、その温度差に起因するクラックを生じさせやすい。更に、十分な断熱性を保つという点では、未だ改良の余地がある。
【0011】
以上のように特許文献1〜3のいずれにおいても十分な対応はなされておらず、未だ解決に至っておらず、更なる改良が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2008−43850号公報
【特許文献2】特開2002−70529号公報
【特許文献3】特開2005−199179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、ハニカム構造体の外周部を目封じすることで、構造自体の断熱性が高まり断熱性を向上させることができ、導入ガス温度を上昇できるハニカム構造体を提供するものである。さらに、触媒を担持する場合には、担持触媒を早期活性化できる。とりわけ、コールドスタート時(エンジン冷間始動)においても、導入ガス温度を上昇させやすく、担持触媒を早期活性化させやすくできる。
【0014】
とりわけ、プラズマリアクタに好適に用いることができる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、前記の従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、ハニカム構造体の外周部を目封じすることで、前記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下のハニカム構造体が提供される。
【0016】
[1] 一の端面から他の端面まで連通しガスの流路となる複数のセルを区画形成している、隔壁を含むセル構造部と、前記セル構造部の外周部の両端面が、目封じされた目封じ部を有するセルを備えているハニカム構造体であって、前記目封じ部のセル面積が、全セル面積の10%以上であるハニカム構造体。
【0017】
[2] 前記目封じ部のセル方向における長さが、セル全体の長さに対して短い[1]に記載のハニカム構造体。
【0018】
[3] 前記目封じ部のセル方向における長さが、セル全体の長さに対して1/6〜1/3である[1]又は[2]に記載のハニカム構造体。
【0019】
[4] 前記ハニカム構造体がセラミックス材料又は金属材料を主成分とする[1]〜[3]のいずれかに記載のハニカム構造体。
【0020】
[5] 前記セラミックス材料が炭化珪素を含む[4]に記載のハニカム構造体。
【0021】
[6] 前記ハニカム構造体に触媒が担持されている[1]〜[5]のいずれかに記載のハニカム構造体。
【0022】
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載のハニカム構造体を用いたハニカム電極を備えるプラズマリアクタであって、被改質ガスの導入口及び改質ガスの排出口が形成された改質反応器と、前記改質反応器の内部空間に、相対向するように配置された一対の電極と、前記一対の電極に対してパルス電圧を印加するパルス電源とを備え、前記一対の電極の一方が線状電極であるとともに、前記一対の電極の他方は導電性セラミックスからなるプラズマリアクタ。
【0023】
[8] 前記ハニカム構造体に触媒が担持されている[7]に記載のプラズマリアクタ。
【0024】
[9] 前記触媒は前記被改質ガスの改質反応を促進する触媒であって、前記ハニカム電極の前記隔壁に担持されている[8]に記載のプラズマリアクタ。
【0025】
[10] 前記触媒が、貴金属、アルミニウム、ニッケル、ジルコニウム、チタン、セリウム、コバルト、マンガン、亜鉛、銅、スズ、鉄、ニオブ、マグネシウム、ランタン、サマリウム、ビスマス、及びバリウムからなる群から選択された少なくとも一種の元素を含有する物質からなる[8]又は[9]に記載のプラズマリアクタ。
【0026】
[11] 前記触媒が、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、インジウム、銀及び金からなる群より選択された少なくとも一種の元素を含有する物質からなる[8]〜[10]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【0027】
[12] 前記ハニカム電極が、炭化珪素を含む導電性セラミックスからなる[7]〜[11]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【0028】
[13] 前記ハニカム電極の熱伝導率が10〜300W/mKのものである[7]〜[12]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【0029】
[14] 前記パルス電源が、静電誘導型サイリスタを用いた高電圧パルス電源である[7]〜[13]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【発明の効果】
【0030】
本発明のハニカム構造体は、ハニカム構造体の外周部を目封じすることで、構造自体の断熱性が高まり断熱性を向上させることができ、導入ガス温度を上昇できるといった優れた効果を奏することができる。さらに、触媒を担持する場合には、担持触媒を早期活性化できる。とりわけ、コールドスタート時(エンジン冷間始動)においても、導入ガス温度を上昇させやすく、担持触媒を早期活性化させやすくできる。
【0031】
また、プラズマリアクタとして用いる場合には、前述の効果に加え、改質反応の起動性や反応効率に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のハニカム構造体の一の実施形態を示す斜視図であって、模式的に示した図である。
【図2】図1のハニカム構造体の正面図であって、模式的に示した図である。
【図3】図1のハニカム構造体の断面を模式的に示した図であって、一部省略した図である。
【図4】本発明のハニカム構造体の別の実施形態を示す斜視図であって、模式的に示した図である。
【図5A】図4のハニカム構造体の平面図であって、模式的に示した図である。
【図5B】本発明のハニカム構造体の別の実施形態であって、図5Aのハニカム構造体に更に1セル分外周部を設けた状態を示した平面図であって、模式的に示した図である。
【図6】ハニカム構造体固定容器に本発明のハニカム構造体を取り付けた状態を示した模式図である。
【図7】ハニカム構造体の出口温度のグラフである。
【図8】本発明のプラズマリアクタの一の実施形態を示す斜視図であって、模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明のハニカム構造体を実施するための形態について説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備えるハニカム構造体を広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0034】
[1]本発明のハニカム構造体の特徴:
本発明のハニカム構造体は、図1、2に示すハニカム構造体のように、一の端面から他の端面まで連通しガスの流路となる複数のセル3を区画形成している、隔壁4を含むセル構造部と、前記セル構造部の外周部7の両端面が、目封じされた目封じ部9を有するセル3を備えているハニカム構造体1であって、前記目封じ部9のセル面積が、全セル面積の10%以上であるハニカム構造体に特徴がある。
【0035】
[1−1]外周部:
図1〜3に示されるように、本実施形態のハニカム構造体1における外周部7は、一の端面13から他の端面15まで連通しガスの流路となる複数のセル3を区画形成している、隔壁を含むセル構造部の外周部7に形成され、さらに、外周部7の両端面が、目封じされた目封じ部9を有するセル3を備えている。このように、隔壁4を含むセル構造部の外周部7に、目封じ部9を設けるのは、外周部7に、いわゆる空気断熱層を形成するためである。具体的には、隔壁4を含むセル構造部の外周部7に形成されるセル3の両端に、目封じ部9を設けると、外周部7のセル3内の空気の流入流出を妨げやすくなって、その外周部内の空気が(外周部の)セル内に留まりやすくなる。さらに、外周部よりハニカム構造体の内部の流体を、ハニカム構造体の外部に曝すことなく、確実に遮断できる。したがって、その留まった空気、すなわち、空気断熱層が外周部に形成されることにより、ハニカム構造体の内部からハニカム構造体の外部へ流体の放熱を断熱するとともに、ハニカム構造体の外部に取り巻く外気等の温度も遮断することができる。換言すれば、ハニカム構造体の外部に、前述のように、ハニカム構造体の外部と、ハニカム構造体の外周部を除いた領域である、ハニカム構造体の内周部(ハニカム構造体の軸方向に形成される領域或いは、ハニカム構造体の長さ方向を断面した際にハニカム構造体の外周部を除いた内部の領域)との間に、遮断層としての空気断熱層11が形成される。このように、外周部に空気断熱層としての遮断層が形成されることによって、ハニカム構造体の外周部を除いた領域である、内周部17の流体の放熱を阻止し、断熱効果を奏することができる。
【0036】
ここで、「空気断熱層」とは、図3に示されるように、セル3の両端が目封じ部9によって、目封じされて閉鎖されたセル3内の雰囲気である空気層を意味する(図3の符号11)。この空気層が、外周部を除いたハニカム構造体内部を流入する流体の放熱を遮断するとともに、ハニカム構造体の外部を取り巻く外気の温度から遮断する役目を果たしている。
【0037】
なお、外周部7のセル3内の空気は、前述のように目封じ部を形成することで、流入流出を妨げやすくなるが、完全に、外周部7のセル3内の空気の流入流出がないという意味ではない。本実施形態では、ハニカムの隔壁に多数の細孔が形成されているため、その細孔を介して、外周部内の空気が(外周部の)隣接するセル内に流入することはあるからである。
【0038】
また、この外周部に形成される目封じ部のセル面積は、全セル面積の10%以上であることが望ましい。外周部に形成される目封じ部のセル面積が、所望範囲内に形成されることにより、空気断熱層を確実に形成できるため好ましい。他方、外周部に形成される目封じ部のセル面積が、全セル面積の10%より小さいと、ハニカム構造体の外部と、ハニカム外周部を除いたハニカム内周部とを、この外周部に形成される空気断熱層で十分に断熱できないから好ましくない。より好ましいのは、外周部に形成される目封じ部のセル面積が、全セル面積の10〜20%の範囲である。このような好適な所望範囲内のセル面積になるように、外周部に形成される目封じ部が調整されて形成されると、ハニカム構造体全体での再生効率や改質効率を低減させることなく、断熱効果を奏することができるから好ましい。
【0039】
たとえば、縦20mm、横30mm、長さ30mmで、直方体の形状とするハニカム構造体の場合であって、外周部から1つのセルを目封じする場合には、目封じ部のセル面積が10%程度、外周部から2つのセルを目封じする場合には、20%程度になるものを一例としてあげることができる。ただし、このようなもののみに限定されるものではない。
【0040】
具体的には、図1〜3に示されるように、外周部7の両端に目封じ部9が形成されているハニカム構造体1を挙げることができる。なお、外周部とは、図1〜3に示されるように、最も外周に配置される(最外周に配置される)セルのみに限定されるものではなく、最外周から2つ目までのセル、或いは、最外周から3つ目までのセルといったように、ハニカム構造体の寸法や形状など、必要に応じて適宜決定されることが好ましい。ただし、それらの外周部の面積は、前述のように、全セル面積に対して所望面積内であることが好ましい。ただし、最外周部に配置されるセルは、少なくとも目封じ部が形成される必要がある。
【0041】
なお、全面積に対して過度に、外周部に形成される目封じ部の面積が大きいと、浄化効率を低減させることにもなり好ましくなく、さらに、全面積に対して過度に、外周部に形成される目封じ部の面積が小さいと、断熱効果を十分に発揮できないため好ましくない。
【0042】
また、目封じ部のセル方向における長さが、セル全体の長さに対して短いことが好ましく、より好ましくは、1/6〜1/3である。すなわち、本実施形態のハニカム構造体における外周部であって、セル構造部の外周部の両端面に形成される目封じ部の、セル方向への長さが、セル方向への長さ全体に比べて短くすることにより、セルの両端に形成される目封じ部に挟まれるように空気層を形成することができ、その空気層が、いわゆる空気断熱層を形成することができるからである。より好ましいのは、目封じ部のセル方向における長さが、セル全体の長さに対して1/6〜1/3であるように形成されることであり、両端の目封じの合計の長さが、1/3〜2/3であることがさらに好ましい。このように構成することにより、セル構造部の外周部の両端面の間に形成される空気断熱層が、所望の領域を形成できる。換言すれば、空気断熱層の長さを所望領域に形成することで、ハニカム構造体の内部を、その空気断熱層で、いわば覆うことができ、断熱効果を向上させることができる。したがって、ハニカム内部の昇温を容易に行うことができ、さらに、ハニカム外部への放熱を防ぐことができ、本願の効果をより奏することができる。
【0043】
ここで、「目封じ部のセル方向における長さ」とは、ハニカム構造体の長さ方向(ハニカム構造体の軸方向)の長さを意味し、「セル全体の長さ」とは、ハニカム構造体の長さ方向に形成される(一つの)セルの全長を意味する。
【0044】
たとえば、縦20mm、横30mm、長さ30mmで、直方体の形状とするハニカム構造体の場合には、ハニカム構造体の両側端面から、5mm〜10mm程度の長さ(深さ)に、目封じ部のセル方向における長さが形成されることが好ましい。
【0045】
具体的には、目封じ部のセル方向における長さとは、図3で示されるように、一の端面13から他の端面15まで連通しガスの流路となる複数のセル3の長さ方向に対して、形成される目封じ部9の長さを意味する。
【0046】
また、ハニカム構造体がセラミックス材料又は金属材料を主成分とすることが好ましい。
【0047】
より好ましいのは、セラミックス材料が炭化珪素を含むことである。
【0048】
[1−2]その他のハニカム構造体の構成:
本実施形態のハニカム構造体は、図1〜3に示されるように、一方の端部13から他方の端部15まで、内部を排ガスが通過することが可能に形成されている。図1〜3に示されるハニカム構造体1は、四角柱形状のハニカム構造体であるが、形状としては、これに限定されるものではなく、たとえば、図4及び図5Aに示されるように、円筒状等の他の形状のハニカム構造体であってもよい。材質としては、使用環境を考慮すると、耐熱性に優れるセラミックスを用いることが好ましく、特に伝熱性も有する炭化珪素が好ましい。
【0049】
四角柱形状以外のハニカム構造体としては、図4及び図5Aに示されるように、外周部のセルを目封じした目封じ部を設けて、一の端面Aから他の端面Bまで連通しガスの流路となる複数のセル3を区画形成している、隔壁4を含むセル構造部と、前記セル構造部の外周部7の両端面が、目封じされた目封じ部9を有するセル3を備えているハニカム構造体1Aであって、前記目封じ部9のセル面積が、全セル面積の10%以上とする、円柱状からなるハニカム構造体を例示できる。
【0050】
なお、四角柱形状以外のハニカム構造体としては、図5Aのような形状のハニカム構造体を成型する場合には、たとえば、図5Aよりも1セル分多く目封じ部を設けた図5Bのような外周部を形成したものを例示できる。このように四角柱形状以外の所望のハニカム構造体として構成しても、確実に空気断熱という効果を奏することができるため、好ましい形態の一つである。
【0051】
また、本実施形態のハニカム構造体を、改質器として用いる場合には、たとえば、隔壁によってガスの流路となる複数のセルが区画形成された絶縁体ハニカムと、絶縁体ハニカムに熱伝達可能に配置された導電体ハニカムと、導電体ハニカムと対向するように配置されて導電体ハニカムと一対の電極を形成する放電電極と、一対の電極に対してパルス電圧を印加するパルス電源とを備えさせることが好ましい。
【0052】
但し、必ずしも導電性ハニカム全体が炭化珪素で構成されている必要はない。即ち、本発明においては、導電性ハニカムが炭化珪素を含む、導電性セラミックスからなるものであることが好ましい。物性として、体積抵抗1×10Ωcm以下、室温における熱伝導率300w/mk以下が好ましいが、これに限定されるものではない。
【0053】
[1−2−1]ハニカム構造体及びセル密度:
本実施形態におけるハニカム構造体の構造は、隔壁によってガスの流路となる複数のセルが区画形成された、所謂ハニカム構造体であればよく、その他の部分について特に制限はない。例えば、セル形状は、円形、楕円形、三角形、四角形、その他の多角形等の中から、所望の形状を適宜選択すればよい。また、たとえば、本実施形態のハニカム構造体を、改質器として用いる場合には、所望の形状を絶縁体ハニカムのセル形状に合わせて、適宜選択すればよい。但し、絶縁体ハニカムのセル形状に合わせた方がより好ましい。導電性ハニカムのセル密度(即ち、単位断面積当たりのセルの数)については、特に制限がなく、目的に応じて適宜設計すればよいが、絶縁体ハニカムのセル密度と同じにした方がより好ましい。この場合、25〜2000セル/平方インチ(4〜320セル/cm)の範囲であることが好ましい。セル密度が25セル/平方インチより小さくなると、隔壁の強度、ひいては導電性ハニカム自体の強度及び有効GSA(幾何学的表面積)が不足するおそれがある。一方、セル密度が2000/平方インチを超えると、排ガスが流れる際の圧力損失が大きくなるおそれがある。
【0054】
また、ハニカム構造体の長さ(流体(ガス)の流れ方向の長さ)は、特に限定されるものではないが、たとえば、本実施形態のハニカム構造体を、改質器等に用いる場合には、絶縁体ハニカムの長さ(ガスの流れ方向の長さ)に対して、5〜40%(=導電体ハニカムの長さ/絶縁体ハニカムの長さ)であることが好ましく、10〜30%であることが更に好ましい。5%より短いと、導電体ハニカムから絶縁体ハニカムへの熱伝達量が少なく、このため、絶縁体ハニカム自体の温度上昇が小さく、触媒着火の効果が薄れてしまう場合がある。一方、40%より長いと、ハニカム構造体中の導電体ハニカムの体積割合が絶縁体ハニカムに対して大きくなり、絶縁体ハニカムの排ガス浄化機能が低下する可能性がある。
【0055】
[1−3]触媒:
また、ハニカム構造体には、触媒が担持されていることが好ましい。これは、排ガス浄化の役割、或いは改質器として、本実施形態のハニカム構造体を用いる場合には、プラズマと触媒の複合反応による効率的な排ガス浄化の一躍を担うことが可能になるためである。担持する触媒金属としては、貴金属(白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、インジウム、銀、及び金)、アルミニウム、ニッケル、ジルコニウム、チタン、セリウム、コバルト、マンガン、亜鉛、銅、亜鉛、スズ、鉄、ニオブ、マグネシウム、ランタン、サマリウム、ビスマス及びバリウムからなる群から選択された元素が少なくとも一種を含有することが好ましい。これらは金属、酸化物、及びそれ以外の化合物であっても良い。また、触媒金属を担持する担持体はアルミナ、セリア、ジルコニアからなる群から選択されたものを少なくとも一種を含有することが好ましい。
【0056】
ハニカム構造体に担持される触媒(触媒金属+担持体)の担持量としては、10〜400g/Lであることが好ましく、貴金属であれば0.1〜5g/Lであることが更に好ましい。触媒(触媒金属+担持体)の担持量を10g/L未満とすると、触媒作用が発現し難いおそれがある。一方、400g/Lを超えると、圧損が大きくなる他、製造コストが上昇するおそれがある。
【0057】
[1−4]製造方法:
本発明のハニカム構造体は、以下のようにして製造することができる。従来公知の押出成形法により、ハニカム構造体を得る。具体的には、セラミックス粉末を含む坏土を所望の形状に押し出した後、乾燥し、焼成することによって、ハニカム形状のハニカム構造体を得る。この際、材料の炭化珪素等を原料セラミックスとして用いる。
【0058】
必要に応じて、ハニカム構造体の隔壁に触媒を担持させる。予め、担体微粒子となるセラミックス粉末に触媒成分を含む水溶液を含浸させた後、乾燥し、焼成することにより触媒コート微粒子を得る。この触媒コート微粒子に分散媒(水等)、その他の添加剤を加えてコーティング液(スラリー)を調製し、このスラリーをハニカム構造体の隔壁にコーティングした後、乾燥し、焼成することによって、ハニカム構造体の隔壁に触媒を担持する。
【0059】
[2]プラズマリアクタ:
本発明の別の実施形態として、前述まで説明したハニカム構造体を用いたプラズマリアクタがある。具体的には、図8に示すプラズマリアクタのように、これまで説明したハニカム構造体を用いたハニカム電極52bを備えるプラズマリアクタ50であって、被改質ガス66の導入口54及び改質ガス66の排出口68が形成された改質反応器70と、前記改質反応器70の内部空間に、相対向するように配置された一対の電極52と、前記一対の電極52に対してパルス電圧を印加するパルス電源64とを備え、前記一対の電極の一方が線状電極52aであるとともに、前記一対の電極の他方は導電性セラミックスからなるプラズマリアクタ50に特徴がある。
【0060】
[2−1]プラズマリアクタの構成部材:
本発明のプラズマリアクタの構成部材としては、ハニカム電極、線状電極、触媒、改質反応器、パルス電源等が挙げられる。
【0061】
[2−1−1]ハニカム電極:
本発明のプラズマリアクタは、改質反応器の内部空間に、相対向するように一対の電極を配置し、その一方の電極をハニカム電極としたものである。本明細書にいう「ハニカム電極」とは、導電性セラミックスからなり、隔壁によってガスの流路となる複数のセルが区画形成されたハニカム構造の電極を意味する。
【0062】
ハニカム電極の構造は、隔壁によってガスの流路となる複数のセルが区画形成された、所謂ハニカム構造体であればよく、その他の部分について特に制限はない。例えば、セル形状は、円形、楕円形、三角形、四角形、その他の多角形等の中から所望の形状を適宜選択すればよい。
【0063】
本発明において、ハニカム電極のセル密度(即ち、単位断面積当たりのセルの数)については特に制限はなく、目的に応じて適宜設計すればよい。但し、6〜2000セル/平方インチ(1.0〜320セル/cm)の範囲であることが好ましい。セル密度が6セル/平方インチより小さくなると、隔壁の強度、ひいてはハニカム電極自体の強度及び有効GSA(幾何学的表面積)が不足するおそれがある。一方、セル密度が2000セル/平方インチを超えると、被改質ガスが流れる際の圧力損失が大きくなるおそれがある。
【0064】
特に、炭化水素の改質による水素生成に用いる場合には、ハニカム電極のセル密度を25〜1163セル/平方インチ(4〜186セル/cm)とすることが好ましい。セル密度を4セル/cm未満とすると、各セルの隔壁の表面において沿面放電するプラズマの発生領域が疎らとなり、被改質ガスの改質効率が低下する場合がある。一方、186セル/cmを超えると、ハニカム構造体の背圧抵抗が増加することがある。
【0065】
また、隔壁の厚さ(壁厚)についても、目的に応じて適宜設計すればよく、特に制限はない。例えば、炭化水素の改質による水素生成に用いる場合には、壁厚を50μm〜2mmとすることが好ましく、60μm〜500μmとすることが更に好ましい。壁厚を50μm未満とすると、機械的強度が低下して衝撃や温度変化による熱応力によって破損することがある。一方、2mmを超えると、ハニカム電極に占めるセル容積の割合が低くなり、被改質ガスが透過する際の圧力損失が大きくなりすぎるという不具合が発生するおそれがある。
【0066】
また、ハニカム電極の長さ(ガスの流れ方向の長さ)は、5mm〜40mmであることが好ましく、10mm〜30mmであることが更に好ましい。5mmより短いと、沿面放電によるプラズマの発生領域が狭すぎて、被改質ガスに含まれる炭化水素の大部分が改質されないまま改質反応器から流出してしまう場合がある。一方、40mmより長いと、プラズマを発生させるための電力が大量に必要となる他、プラズマリアクタ全体が大型化し、小型で軽量であることが要求される車載用燃料改質器等の用途にはそぐわしくなくなる可能性がある。
【0067】
ハニカム電極を構成する「導電性セラミックス」としては炭化珪素が好ましい。但し、ハニカム電極が導電性を有する限り、必ずしも電極全体が炭化珪素で構成されている必要はない。即ち、本発明のプラズマリアクタにおいては、ハニカム電極が炭化珪素を含む導電性セラミックスからなるものであることが好ましい。この場合、ハニカム電極中の炭化珪素の含有率は、導電性の低下を抑制するという理由から、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることが更に好ましい。
【0068】
また、ハニカム電極は、気孔率30〜60%の多孔体であることが好ましく、40〜50%の多孔体であることが更に好ましい。30%未満であると、セラミックス粒子間の空隙での微小放電の効果が少なくなるおそれがある。一方、60%超では隔壁の強度不足等の不具合を生じるおそれがある。
【0069】
ハニカム電極は、導電性を確保する観点から、その電気抵抗は180℃で3.5Vの電圧印加の時に2Ω以下のものが好ましく、0.3Ω以下のものが更に好ましい。このような電気抵抗とするためには、導電性セラミックスとして炭化珪素を用い、これに金属珪素を混合する、或いは炭化珪素と金属珪素を複合化する等の処理をすることが好ましい。
【0070】
なお、ここにいう「電気抵抗」とは、ハニカム電極のガスが流れる方向(セル形成方向)に沿って、長さ3.3cm、断面積1.1cm(ガスの流れ方向に垂直な断面の断面積)の直方体を切り出し、直流電源による定電流4端子法にて電圧端子間2.3cmで測定(180℃)した値を意味するものとする。
【0071】
ハニカム電極は、担持触媒の活性化という観点から、その熱伝導率が10〜300W/mKのものが好ましく、10〜200W/mKのものが更に好ましく、20〜100W/mKのものが特に好ましい。熱伝導率を10W/mK未満とすると、担持触媒の活性化に時間を要するおそれがある。一方、300W/mKを超えると、外部への放熱が大きくなり、担持触媒が十分に活性化しないおそれがある。このような熱伝導率を有する導電性セラミックスとしては、例えば、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等を挙げることができる。
【0072】
ハニカム電極は、線状電極との電極間距離が1〜30mmとなるように配置されていることが好ましく、5〜10mmとなるように配置されていることが更に好ましい。電極間距離を1mm未満とすると、電界集中が起こり易く、これを起点として短絡し易くなることがある。また、電極間でプラズマ放電するものの、炭化水素の改質反応に伴う水素生成量が少なくなる場合がある。一方、30mmを超えると、プラズマ放電が安定し難くなり、プラズマの発生効率が低下することがある。
【0073】
[2−1−2]線状電極:
本発明のプラズマリアクタは、一対の電極のうち、ハニカム電極以外の電極を線状電極としたものである。本明細書にいう「線状電極」とは、棒状の電極を意味し、例えば、棒状電極の他、針状電極等を挙げることができる。「棒状」とは、直線的な円柱状であって、長手方向に向かって外径が均一な形状、「針状」とは、直線的な形状であって、先端が尖った形状を意味する。但し、線状電極は棒状電極、針状電極のように必ずしも直線的な形状に限定にされず、例えば、L字型等を含めて折れ曲がった形状であってもよい。線状電極を配置する数は、少なくとも1本以上配置されていればよく、複数本配置されていてもよい。
【0074】
線状電極の長さは、プラズマリアクタのサイズを小さくするという理由から、3〜50mmであることが好ましく、5〜30mmであることが更に好ましい。長さを3mm未満とすると、プラズマリアクタの製造時に、線状電極のハンドリングが不安定になり、線状電極の固定が困難となるおそれがある。一方、50mmを超えると、流動する被改質ガスとの接触により線状電極が曲がり易くなるおそれがある。
【0075】
また、線状電極の外径は、0.1〜5mmであることが好ましく、0.5〜3mmであることが更に好ましい。外径を0.1mm未満とすると、流動する被改質ガスとの接触により線状電極が曲がり易くなり、プラズマ放電が不安定になるおそれがある。一方、5mmを超えると、プラズマ放電が制御し難くなるおそれがある。
【0076】
線状電極は導電性を確保する観点から、導電性が高い材質、具体的には、金属、合金、導電性セラミックス等によって構成されていることが好ましい。導電性の高い金属としては、ステンレス、ニッケル、銅、アルミニウム、鉄等を、導電性の高い合金としては、アルミニウム−銅合金、チタン合金、インコネル(商品名)等を、導電性セラミックスとしては、炭化珪素等を、その他の材質としては、炭素等を挙げることができる。
【0077】
[2−1−3]触媒:
本発明のプラズマリアクタは、被改質ガスの改質反応を促進する触媒を備えていることが好ましい。触媒は、前記触媒作用を有する物質であれば特に制限なく使用することができる。例えば、貴金属(白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、インジウム、銀、金等)、アルミニウム、ニッケル、ジルコニウム、チタン、セリウム、コバルト、マンガン、亜鉛、銅、スズ、鉄、ニオブ、マグネシウム、ランタン、サマリウム、ビスマス、及びバリウムからなる群より選択された少なくとも一種の元素を含有する物質を挙げることができる。前記元素を含有する物質としては、金属単体、金属酸化物、それ以外の化合物(塩化物、硫酸塩等)等の各種形態が含まれる。これらの物質は一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0078】
触媒はハニカム電極の隔壁に担持されていることが好ましい。被改質ガスが通過するハニカム電極のセル内部に触媒を担持しておくことにより、反応効率の向上を図ることができる。また、粒状触媒が充填されるパックドベッド方式とは異なり、ガスの流路となるセルが確保されているため、被改質ガスの通過を妨げることが少ない。そして、担体となるハニカム電極に触媒成分が担持されているため、触媒間の熱伝達も良好である。
【0079】
触媒の担持量としては、0.05〜70g/Lであることが好ましく、0.1〜40g/Lであることが更に好ましい。担持量を0.05g/L未満とすると、触媒作用が発現し難いおそれがある。一方、70g/Lを超えると、プラズマリアクタの製造コストが上昇するおそれがある。
【0080】
触媒は担体微粒子に担持された触媒コート微粒子の状態でハニカム電極の隔壁に担持されていることが好ましい。このような形態は、被改質ガスの触媒に対する反応効率を高めるという利点がある。担体微粒子としては、例えば、セラミックス粉末を用いることができる。セラミックスの種類は特に限定されないが、例えば、金属酸化物、特にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、ゼオライト、モルデナイト、シリカアルミナ、金属シリケート、コージェライト等の粉末を好適に用いることができる。これらのセラミックスは一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。このような触媒コート微粒子をハニカム電極の隔壁にコーティングすることにより、担持させることができる。
【0081】
これらの粉末の平均粒子径は0.01〜50μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることが更に好ましい。平均粒子径を0.01μm未満とすると、触媒が担体微粒子の表面に担持され難くなるおそれがある。一方、50μmを超えると、触媒コート微粒子がハニカム電極から剥離し易くなるおそれがある。
【0082】
担体微粒子に対する触媒の質量比率は、0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましい。触媒の質量比率を0.1質量%未満とすると、改質反応が進行し難いおそれがある。一方、20質量%を超えると、触媒が均一に分散されずに互いに凝集し易くなるために、担体微粒子に均一に担持され難くなる。従って、20質量%を超える量の触媒を加えても、その量に見合った触媒添加効果を得られず、改質反応が促進されないおそれがある。
【0083】
触媒コート微粒子は、例えば、担体微粒子となるセラミックス粉末に触媒成分を含む水溶液を含浸させた後、乾燥し、焼成することにより得ることができる。この触媒コート微粒子に分散媒(水等)、その他の添加剤を加えてコーティング液(スラリー)を調製し、このスラリーをハニカム電極の隔壁にコーティングすることによって、ハニカム電極の隔壁に触媒を担持することができる。
【0084】
[2−1−4]改質反応器:
本発明において、改質反応器とは、被改質ガスの導入口及び改質ガスの排出口が形成された管状の構造体である。ガスを通過させる必要から中空形状であることが必要であるが、形状について他の制限はなく、例えば、円筒状、角筒状等の構造のものを用いることができる。改質反応器の最大内径についても特に制限はなく、プラズマリアクタの用途により適宜サイズを決定すればよい。
【0085】
また、改質反応器を構成する材質は特に限定されないが、容器部分については、加工性が良好な金属(例えば、ステンレス等)で構成することが好ましい。また、短絡を防止する必要から、容器内の電極の設置部分等については、絶縁性材料で構成されていることが好ましい。また、熱の放熱を更に少なくするために、絶縁性材料の周りに断熱性材料を設置しても良い。
【0086】
前記絶縁性材料としては、セラミックスを好適に用いることができる。セラミックスとしては、例えば、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、窒化アルミニウム、サイアロン、ムライト、シリカ、コーディエライト等を用いることが好ましい。これらのセラミックスは一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0087】
前記断熱性材料としては、多孔質セラミックスを好適に用いることができるが、特に限定されるのではない。
【0088】
[2−1−5]パルス電源:
パルス電源とは、一対の電極に対してパルス電圧を印加する電源である。周期的に電圧を加えられる電源であれば用いることができる。中でも、(a)ピーク電圧が1kV以上で、かつ1秒当たりのパルス数が1以上のパルス波形、(b)ピーク電圧が1kV以上で、かつ周波数が1以上の交流電圧波形、(c)電圧が1kV以上の直流波形、又は、(d)これらのいずれかを重畳してなる電圧波形、を供給することができる電源であることが好ましい。そして、ピーク電圧が1〜20kVの電源であることが好ましく、ピーク電圧が5〜10kVの電源を用いることが更に好ましい。このような電源としては、例えば、静電誘導型サイリスタ(SIサイリスタ)を用いた高電圧パルス電源(日本ガイシ社製)等を挙げることができる。
【0089】
[3]製造方法:
本発明のプラズマリアクタは、以下のようにして製造することができる。従来公知の押出成形法により、改質反応器、及びハニカム電極を得る。具体的には、セラミックス粉末を含む坏土を所望の形状に押し出した後、乾燥し、焼成することによって、管状(筒状)の改質反応器及びハニカム形状のハニカム電極を得る。この際、改質反応器については、絶縁性材料のアルミナ等を、ハニカム電極については導電性材料の炭化珪素等を原料セラミックスとして用いる。
【0090】
ハニカム電極の隔壁には触媒を担持させる。予め、担体微粒子となるセラミックス粉末に触媒成分を含む水溶液を含浸させた後、乾燥し、焼成することにより触媒コート微粒子得る。この触媒コート微粒子に分散媒(水等)、その他の添加剤を加えてコーティング液(スラリー)を調製し、このスラリーをハニカム電極の隔壁にコーティングした後、乾燥し、焼成することによって、ハニカム電極の隔壁に触媒を担持する。
【0091】
このようにして得られたハニカム電極を改質反応器の内部空間に設置する。この際、ハニカム電極は線状電極と相対向するように所定の距離だけ離隔させて配置する。そして、ハニカム電極及び線状電極をパルス電源と電気的に接続することにより、プラズマリアクタを構成する。
【0092】
[4]使用方法:
本発明のプラズマリアクタは、改質反応、特に、炭化水素系化合物やアルコール類を被改質ガスとし、水素含有改質ガスを得る改質反応に好適に用いることができる。
【0093】
「炭化水素系化合物」としては、例えば、メタン、プロパン、ブタン、ヘプタン、ヘキサン等の軽質炭化水素、イソオクタン、ガソリン、灯油、軽油、ナフサ等の石油系炭化水素等を挙げることができる。「アルコール類」としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等を挙げることができる。これらの被改質ガスは、一種を単独で、また、二種以上を混合して用いることができる。
【0094】
改質の方法についても特に限定されるものではない。例えば、酸素を用いる部分改質、水を用いる水蒸気改質、酸素、水を用いるオートサーマル等のいずれの方法にも用いることができる。
【0095】
改質反応は、本発明のプラズマリアクタを用い、被改質ガスを改質反応器の内部空間に導入し、パルス電源から電極に対して、(a)ピーク電圧が1kV以上で、かつ1秒当たりのパルス数が1以上のパルス波形、(b)ピーク電圧が1kV以上で、かつ周波数が1以上の交流電圧波形、(c)電圧が1kV以上の直流波形、及び、(d)これらのいずれかを重畳してなる電圧波形のうちの一種の電圧波形を有するパルス電圧を印加することにより行うことができる。
【実施例】
【0096】
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例における「部」および「%」は特に断りのない限り質量部および質量%を意味する。また、実施例における各種の評価、測定は、下記方法により実施した。
【0097】
[1]ガス温度昇温試験:
まず、ガス温度昇温試験を行った。具体的には、ハニカム構造体を作製し、以下のように試験した。
【0098】
(目封じ炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体の作製)
本実施例として、まず、炭化ケイ素(SiC)からなり、エンジン排ガス等に含有される粒子状物質を捕集するための炭化ケイ素(SiC)−DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)(日本ガイシ株式会社製、ピッチ1mm)であって、隔壁によってガスの流路となる複数のセルが区画形成されたハニカム構造体を作製した。次に作製したハニカム構造体を切出して、外周部の1又は2セルが両側目封じされたものを用いた。この時、目封じ面積は、ガス注入口面積に対して、1セル目封じの場合に10%、2セル目封じの場合に20%になっている。ハニカム構造体のサイズは、縦20mm、横30mm、長さ30mmで、直方体の形状とした。目封じ材は、ハニカム構造体と同一組成の炭化ケイ素(SiC)である。目封じ材は、ハニカム構造体の両側端面から、5mm、10mmとした。なお、図1に、外周部1セル目封じされた炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体を示す。
【0099】
(実施例1〜3)
このようにして作製した目封じ炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体のうち、目封じ深さ5mmのもの(空気断熱有り)を実施例1とし、目封じ深さ10mmのもの(空気断熱有り)を実施例2とした。また、両側端面の外周部を2セル目封じ(目封じ深さ5mm、空気断熱有り)のものを実施例3とした。尚、平板ヒーターへの投入電力は50Wとした。
【0100】
(比較例1)
前述の実施例1〜3と同様のハニカム構造体を切出して、縦20mm、横30mm、長さ30mmで、直方体の形状とした、目封じ無しの炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体を作製し比較例1とした。なお、空気断熱無しに成型した以外は、実施例1と同様に成型した。
【0101】
(比較例2)
比較例2として、前述の実施例1〜3と同様のハニカム構造体を切出して、縦20mm、横30mm、長さ30mmで、直方体の形状とした。さらに、外周部を完全に目封じせず、1セル毎に目封じ(両側)した炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体を用い、比較例2とした。具体的には、1セル毎に目封じ(両側)した「目封じ箇所」として目封じ深さ5mmとし、空気断熱性有りとした。
【0102】
(比較例3)
比較例3として、前述の実施例1〜3と同様のハニカム構造体を切出して、縦20mm、横30mm、長さ30mmで、直方体の形状とした。さらに、片側を目封じした片側目封炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体を用い、比較例3とした。なお、比較例3では、片側目封じのため空気断熱無しである。
【0103】
(比較例4)
比較例4として、前述の実施例1〜3と同様のハニカム構造体を切出して、縦20mm、横30mm、長さ30mmで、直方体の形状とした。さらに、目封じでセル埋めした炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体を用いた。
【0104】
(ハニカム構造体固定容器)
実施例1〜3、及び比較例1〜4のハニカム構造体を固定する容器として、ステンレスからなる容器を用意した。具体的には、縦40mm、横50mm、長さ70mm、厚さ5mmの四角柱を用いた。このステンレス四角柱の内部に、絶縁体としてアルミナを配置し、その絶縁体にハニカム構造体を設置した。
【0105】
(平板ヒーター)
実施例1〜3、及び比較例1〜4のハニカム構造体自体の温度を上げるために、平板ヒーター(坂口電熱社製)をハニカム構造体の片側に設置するようにした。平板ヒーターのサイズは、縦25mm、横25mm、厚さ2mmである。
【0106】
前述のように作製した実施例1〜3、及び比較例1〜4のハニカム構造体と、図6に示すハニカム構造体固定容器を用いて、ガス温度昇温試験を行った。試験にはNガスを用いた。Nガスの空間速度(SV)は触媒担持目封じSiCハニカム構造体容積に対して8万h−1とした。Nガス導入時間を開始時間として、時間に対するガス温度を測定した。この時、ガス温度を測定するために、両側目封じ炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体のガス出口より5mm後方に熱電対を設置した。
【0107】
以上の実施例1〜3、及び比較例1〜4のハニカム構造体の実験結果を表1及び図7に示す。
【0108】
【表1】

【0109】
(考察)
表1、及び図7に示すように、実施例1〜3の方が、比較例1〜4に比べて経過時間に対する温度上昇が大きいことが判った。これはハニカム構造体に目封じをすることにより、目封じ部分に空気断熱層ができ、これによりハニカム構造体自体の放熱が小さくなったことが要因と考えられる。また、実施例1と実施例2を比較すると、両端の目封じ深さが浅い方が、つまり、空気断熱容積が大きい方が、温度上昇が大きく、放熱が小さくなることが判った。一方、実施例1と実施3では、実施例3の方が温度上昇は大きく、これは目封じしたセルが増えたことにより、空気断熱容積が増え、断熱効果が更に上がったことを示唆すると考えられる。比較例では、空気断熱層が形成されていないため、又は空気断熱層が不十分となっているために、ハニカム構造体自体の断熱が悪く、実施例ほどに温度上昇が見られなかったと考えられる。
【0110】
[2]プラズマ放電による炭化水素改質試験:
次に、プラズマ放電による炭化水素改質試験を行った。具体的には以下のように試験した。
【0111】
(触媒担持目封じ炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体の作製)
硝酸ニッケル(Ni(NO)溶液に微粉アルミナ(比表面積107m/g)を含浸させ、120℃乾燥後、大気中550℃で3時間焼成して、アルミナに対してニッケル(Ni)を20wt%含有するNi/アルミナ粉末を得た。これにアルミナゾルと水を加えた後、硝酸溶液でpH4に調整してスラリーを得た。前記スラリーに目封じ炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体を浸潰させ、120℃乾燥後、窒素雰囲気中550℃で1時間焼成を経て触媒担持した両側目封じ炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体(目封じ深さ5mm)を作製した。この時、目封じ炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体に担持したNi量は50(g/L)とした。
【0112】
(プラズマ発生電源)
プラズマ発生電源は、スイッチング素子として静電誘導型(SI)サイリスタを用いた高電圧パルス電源(日本ガイシ株式会社製)を使用した。
【0113】
(線状電極)
線状電極として、径が0.5mmΦ、長さが約10mmであり、材質はステンレスを用いた。ただし、材質として、その他、インコネル等を含む耐腐食性導電材料を使用することができる。線状電極は正極側に使用した。尚、線状電極は先端が針のように尖っている必要はなく、棒状、板状などの形状であっても構わない。電極の形状は特に限定されない。
【0114】
(プラズマリアクタ)
容器はステンレスからなり、内径30mm、厚さ5mm、長さ70mmの円筒体を用いた。このステンレス円筒体の内部に、絶縁体としてアルミナを配置し、その絶縁体に触媒担持目封じ炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体を設置した。線状電極、触媒担持目封じ炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体(電極としても使用)、及びプラズマ発生電極を図8に示すように配置し、プラズマ発生(パルス)電源を、線状電極(正極)及び触媒担持目封じSiCハニカム構造体(負極)に導電線により電気的に接続した。線状電極(正極)は、触媒担持目封じSiCハニカム構造体(負極)の入口側端部から5mm離して配設した。線状電極(正極)が0mmより大きく、5mm未満である場合、電極間でプラズマ放電するものの、炭化水素の改質反応に伴う水素生成量が少なくなるため、より好ましくは5mm以上10mm以下が良い。電極間距離が10mmより大きくとも炭化水素の改質は可能であるが、プラズマ放電が安定し難くなるため、前記範囲が好ましいといえる。
【0115】
(プラズマリアクタの構成部材)
プラズマリアクタの構成部材としては、ハニカム構造体(実施例では電極としても使用:負極)、線状電極(正極)、触媒、改質反応器、パルス電源等になる。また、ハニカム構造体を電極として使用する場合は、「導電性セラミックス」として炭化珪素が好ましい。但し、ハニカム構造体が導電性を有する限り、必ずしもハニカム構造体自体が炭化珪素で構成されている必要はない。即ち、プラズマリアクタにおいては、ハニカム構造体が炭化珪素を含む導電性セラミックスからなるものであることが好ましい。この場合、ハニカム構造体中の炭化珪素の含有率は、導電性の低下を抑制するという理由から、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることが更に好ましい。
【0116】
(実施例4)
実施例4として、図8に示すプラズマリアクタを用いて炭化水素の改質試験を行った。この時、炭化水素にはイソオクタン(i−C18)を用いた。改質方法は、i−C18の部分酸化反応である。i−C18は液体のため、予めプラズマリアクタに導入するガスを250℃に加熱し、その中に高圧マイクロフィーダー(古江サイエンス(株)製JP−H型)を使って規定量のi−C18を注入、気化させた。モデルガスは、i−C18:2000ppm、O:16000ppm、残部Nガスで構成されるものを使用した。この時、モデルガスの空間速度(SV)は触媒担持目封じSiCハニカム電極中のプラズマ発生空間に対して8万h−1とした。前記モデルガスをプラズマリアクタに導入し、排出されるガス中のH量についてTCD(熱伝導検出器)を備えたガスクロマトグラフィー(GC、ジーエルサイエンス(株)製GC3200、キャリヤーガスにアルゴンガス使用)で測定し、H生成率を算出した。尚、プラズマを発生させるためのパルス電源の条件は、繰返し周期3kHzとし、ピーク電圧3kVを電極間に引加した。また、プラズマリアクタ本体内が600℃設定となるようにプラズマリアクタを電気炉の中に設置して温度調整した。
【0117】
生成率(%)=H発生量から計算したi−C18量/モデルガス中のi−C18量 (式1)
【0118】
併せて、触媒担持目封じ無しSiCハニカム電極を用いて、同一条件で水素生成実験を行った。
【0119】
ただし、本実施例では円柱タイプを評価したが、プラズマリアクタの形状は線状電極(正極)、目封じ炭化ケイ素(SiC)ハニカム構造体(負極)、パルス電源の構成であれば特に限定されるものでない。
【0120】
(比較例4)
比較例4として、触媒担持目封じ無しSiCハニカム構造体(負極)の代わりに同様の線状電極を設置し、一対の線状電極を用いたプラズマリアクタを作製すると共に、本実施例と同一条件でi−C18の改質試験を行った。この時、電極間距離を5mmとした。
【0121】
以下の表2に、実施例4、比較例4で生成した水素生成率の結果を示す。
【0122】
【表2】

【0123】
実施例4の方が、比較例4と比べて高い水素生成率を示した。これらの結果から、ハニカム構造体の外周部に両側目封じすることで、ハニカム構造体自体の断熱性が高まり、効率的にiso−C18から水素生成することがわかった。
【0124】
以上の結果より、本発明のように、外周部のセルが両側目封じされたハニカム構造体を用いると、それ自体の断熱性が高くなり、それをリアクタの反応部分に使用すると、従来と比べてより効率的なリアクタを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明のプラズマリアクタは、炭化水素系化合物やアルコール類の改質反応、特に水素生成反応に好適に用いることができる。そして、長期間にわたって安定的に大量の改質ガスを供給することができるので、車載用燃料改質器等の用途にも好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0126】
1、1A:ハニカム構造体、3:セル、4:隔壁、7:外周部、9:目封じ部、11:空気断熱層、13:一の端面、15:他の端面、17:内周部、50:プラズマリアクタ、52:電極、52a:線状電極、52b:ハニカム電極、54:導入口、62:被改質ガス、64:パルス電源、66:改質ガス、68:排出口、70:改質反応器、76:セル、81:ハニカム構造体固定容器、A:一の端面、B:他の端面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の端面から他の端面まで連通しガスの流路となる複数のセルを区画形成している、隔壁を含むセル構造部と、
前記セル構造部の外周部の両端面が、目封じされた目封じ部を有するセルを備えているハニカム構造体であって、
前記目封じ部のセル面積が、全セル面積の10%以上であるハニカム構造体。
【請求項2】
前記目封じ部のセル方向における長さが、セル全体の長さに対して短い請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項3】
前記目封じ部のセル方向における長さが、セル全体の長さに対して1/6〜1/3である請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
【請求項4】
前記ハニカム構造体がセラミックス材料又は金属材料を主成分とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハニカム構造体。
【請求項5】
前記セラミックス材料が炭化珪素を含む請求項4に記載のハニカム構造体。
【請求項6】
前記ハニカム構造体に触媒が担持されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のハニカム構造体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のハニカム構造体を用いたハニカム電極を備えるプラズマリアクタであって、被改質ガスの導入口及び改質ガスの排出口が形成された改質反応器と、前記改質反応器の内部空間に、相対向するように配置された一対の電極と、前記一対の電極に対してパルス電圧を印加するパルス電源とを備え、
前記一対の電極の一方が線状電極であるとともに、
前記一対の電極の他方は導電性セラミックスからなるプラズマリアクタ。
【請求項8】
前記ハニカム構造体に触媒が担持されている請求項7に記載のプラズマリアクタ。
【請求項9】
前記触媒は前記被改質ガスの改質反応を促進する触媒であって、前記ハニカム電極の前記隔壁に担持されている請求項8に記載のプラズマリアクタ。
【請求項10】
前記触媒が、貴金属、アルミニウム、ニッケル、ジルコニウム、チタン、セリウム、コバルト、マンガン、亜鉛、銅、スズ、鉄、ニオブ、マグネシウム、ランタン、サマリウム、ビスマス、及びバリウムからなる群から選択された少なくとも一種の元素を含有する物質からなる請求項8又は9に記載のプラズマリアクタ。
【請求項11】
前記触媒が、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、インジウム、銀及び金からなる群より選択された少なくとも一種の元素を含有する物質からなる請求項8〜10のいずれか1項に記載のプラズマリアクタ。
【請求項12】
前記ハニカム電極が、炭化珪素を含む導電性セラミックスからなる請求項7〜11のいずれか1項に記載のプラズマリアクタ。
【請求項13】
前記ハニカム電極の熱伝導率が10〜300W/mKのものである請求項7〜12のいずれか1項に記載のプラズマリアクタ。
【請求項14】
前記パルス電源が、静電誘導型サイリスタを用いた高電圧パルス電源である請求項7〜13のいずれか1項に記載のプラズマリアクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−131589(P2010−131589A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238373(P2009−238373)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】