説明

パターン検査方法及び装置

【課題】パターン検査において、膜厚の違いやパターンの太さの違いなどから生じる比較画像間の明るさむらを低減し、ノイズや検出する必要のない欠陥に埋没した、ユーザが所望する欠陥を高感度、かつ高速に検出するパターン検査技術を実現する。
【解決手段】同一パターンとなるように形成されたパターンの対応する領域の画像を比較して画像の不一致部を欠陥と判定するパターン検査装置において、並列に動作する複数のCPUを実装した処理システムを用いて構成される画像比較処理部18を備えて、膜厚の違いやパターンの太さの違いなどから生じる比較画像間の明るさむらの影響を低減し、高感度なパターン検査をパラメータ設定なしで行えるようにした。また、比較画像間で各画素の特徴量を算出し、複数の特徴量を比較することにより、輝度値からでは不可能は欠陥とノイズの判別を高精度に行えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光もしくはレーザもしくは電子線などを用いて得られた対象物の画像と、参照画像を比較して、その比較結果に基づいて微細パターン欠陥や異物等を検出する検査に係り、特に半導体ウェハ、TFT、ホトマスクなどの外観検査を行うのに好適なパターン検査方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
検査対象画像と参照画像とを比較して欠陥検出を行う従来の技術としては、特開平5−264467号公報(特許文献1)に記載の方法が知られている。
【0003】
これは、繰り返しパターンが規則的に並んでいる検査対象試料をラインセンサで順次撮像し、繰り返しパターンピッチ分の時間遅れをおいた画像と比較し、その不一致部を欠陥として検出するものである。このような従来の検査方法を半導体ウェハの欠陥検査を例に説明する。検査対象となる半導体ウェハには図2(a)に示すように同一パターンのチップが多数、規則的に並んでいる。DRAM等のメモリ素子では、各チップは図2(b)に示すようにメモリマット部20−1と周辺回路部20−2に大別することができる。メモリマット部20−1は小さな繰り返しパターン(セル)の集合であり、周辺回路部20−2は基本的にランダムパターンの集合である。一般的にはメモリマット部20−1はパターン密度が高く、明視野照明光学系で得られる画像は暗くなる。これに対し、周辺回路部20−2はパターン密度が低く、得られる画像は明るくなる。
【0004】
従来のパターン検査では、周辺回路部20−2は隣接するチップの同じ位置、例えば図2の領域22と領域23等での画像の輝度値を比較し、その差がしきい値よりも大きい部分を欠陥として検出する。以下、このような検査をチップ比較と記載する。メモリマット部20−1はメモリマット部内の隣接するセルの画像の輝度値を比較し、同様にその差がしきい値よりも大きい部分を欠陥として検出する。以下、このような検査をセル比較と記載する。これらの比較検査は高速に行われる必要がある。
【特許文献1】特開平5−264467号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、検査対象となる半導体ウェハでは隣接チップと言えどもパターンに膜厚の微妙な違いが生じ、チップ間の画像には局所的に明るさの違いがある。従来方式のように、輝度差が特定のしきい値TH以上となる部分を欠陥とするならば、このような膜厚の違いにより明るさが異なる領域も欠陥として検出されることになる。これは本来、欠陥として検出されるべきものではない。つまり虚報であるが、従来は虚報発生を避けるための1つの方法として、欠陥検出のためのしきい値を大きくしていた。しかし、これは感度を下げることになり、同程度以下の差分値の欠陥は検出できない。また、膜厚の違いによる明るさの違いは、図2に示した配列チップのうち、ウェハ内の特定チップ間でのみ生じる場合や、チップ内の特定のパターンでのみ生じる場合があるが、これらのローカルなエリアにしきい値を合わせてしまうと全体の検査感度を著しく低下させることになる。
【0006】
また、感度を阻害する要因として、パターンの太さのばらつきを起因とするチップ間の明るさの違いがある。従来の明るさによる比較検査では、このような明るさばらつきがある場合、検査時のノイズとなる。
【0007】
一方、欠陥の種類は多様であり、検出する必要のない欠陥(ノイズと見なしてよいもの)と検出すべき欠陥に大別できる。外観検査には、膨大な数の欠陥の中からユーザが所望する欠陥のみを抽出することが求められているが、上記輝度差としきい値との比較では、これを実現することは難しい。これに対し、材質、表面粗さ、サイズ、深さなど検査対象に依存したファクタと、照明条件など検出系に依存したファクタとの組合せにより、欠陥の種類により見え方が変わることが多い。
【0008】
そこで、本発明の目的は、このような従来検査技術の問題を解決して、同一パターンとなるように形成されたパターンの対応する領域の画像を比較して画像の不一致部を欠陥と判定するパターン検査において、膜厚の違いやパターンの太さの違いなどから生じる比較画像間の明るさむらを低減し、ノイズや検出する必要のない欠陥に埋没した、ユーザが所望する欠陥を高感度、かつ高速に検出するパターン検査技術を実現することにある。
【0009】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明では、同一パターンとなるように形成されたパターンの対応する領域の画像を比較して画像の不一致部を欠陥と判定するパターン検査技術(パターン検査方法及び装置)において、並列に動作する複数のCPUを実装した処理システムを用いて、膜厚の違いやパターンの太さの違いなどから生じる比較画像間の明るさむらの影響を低減し、高感度なパターン検査をパラメータ設定なしで行えるようにしたものである。
【0012】
また、本発明では、パターン検査技術において、比較画像間で各画素の特徴量を算出し、複数の特徴量を比較することにより、輝度値からでは不可能な欠陥とノイズの判別を高精度に行えるようにしたものである。
【0013】
また、複数の特徴量で比較し、欠陥を検出する際に必要となる複数の欠陥判定しきい値を、自動で算出することにより、ユーザによるしきい値設定を皆無としたものである。これは、ユーザが欠陥、非欠陥の画像の例を指定することにより行う。
【0014】
また、本発明では、複数の照明条件や複数の検出系から出力される画像の特徴量を特徴空間上で統合し、欠陥判定を行うことにより、検出する欠陥種を拡大でき、各種の欠陥を高感度に検出できるようにしたものである。
【0015】
また、同一画像内にある類似パターンを比較して欠陥を検出することにより、明るさ変動の大きいチップの検査と、システマティック欠陥の検出を可能にしたものである。
【0016】
更に、画像内のパターンの形状に応じて、異なる欠陥判定処理を行うことにより、高感度に欠陥を検出できるようにしたものである。
【0017】
また、欠陥検出における処理部のシステム構成を、並列に動作する複数のCPUからなるものとすることにより、高速、かつ各処理のCPUへの割り当てが自由な高感度なパターン検査を行えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0018】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0019】
本発明によれば、ノイズに埋没した欠陥を検出するのに最適な特徴量を複数の特徴量から自動選択することにより、ノイズの中から欠陥を高感度に検出することが可能となる。
【0020】
また、パラメータの設定なしで高感度検査が実現可能となる。
【0021】
更に、複数光学系から得られる情報を各処理段階で統合することにより、多様な欠陥種を高感度に検出することが可能となる。
【0022】
更に、各チップの同じ位置に発生するシステマティック欠陥を検出可能とするとともに、ウェハの端にある欠陥も検出可能となる。
【0023】
また、これらの高感度検査を高速に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】
以下において、本発明のパターン検査技術(パターン検査方法及び装置)の一実施の形態を図1から図19により、詳細に説明する。
【0026】
本発明のパターン検査技術の一実施の形態として、半導体ウェハを対象とした暗視野照明による欠陥検査装置における欠陥検査方法を例にとって説明する。
【0027】
図1は本実施の形態の暗視野照明による欠陥検査装置の構成の一例を示したものである。本実施の形態の欠陥検査装置は、試料11、ステージ12、メカニカルコントローラ13、光源14、照明光学系15、上方検出系16、イメージセンサ17、画像比較処理部18(前処理部18−1、画像メモリ18−2、欠陥検出部18−3、欠陥分類部18−4、パラメータ設定部18−5)、全体制御部19(ユーザインターフェース部19−1、記憶装置19−2)などから構成される。
【0028】
試料11は半導体ウェハなどの被検査物である。ステージ12は試料11を搭載してXY平面内の移動及び回転(θ)とZ方向への移動が可能である。メカニカルコントローラ13はステージ12を駆動するコントローラである。光源14及び照明光学系15において、光源14から出射した光を照明光学系15で試料11に照射し、試料11からの散乱光を上方検出系16で結像させ、結像された光学像をイメージセンサ17で受光して、画像信号に変換する。このとき、試料11をX−Y−Z−θ駆動のステージ12に搭載し、該ステージ12を水平方向に移動させながら異物散乱光を検出することで、検出結果を2次元画像として得る。
【0029】
ここで、光源14として、図1に示した例では、レーザを用いた場合を示しているが、ランプを用いてもよい。また、光源14から発した光の波長としては短波長であっても良く、また、広帯域の波長の光(白色光)であってもよい。短波長の光を用いる場合、検出する画像の分解能を上げる(微細な欠陥を検出する)ために、紫外領域の波長の光(Ultra Violet Light:UV光)を用いることもできる。レーザを光源として用いる場合、それが短波長のレーザである場合には、図示していない可干渉性を低減する手段を照明光学系15の内部又は光源14と照明光学系15との間に備えることも可能である。
【0030】
また、イメージセンサ17に複数の1次元イメージセンサを2次元に配列して構成した時間遅延積分型のイメージセンサ(Time Delay Integration Image Sensor:TDIイメージセンサ)を採用し、ステージ12の移動と同期して各1次元イメージセンサが検出した信号を次段の1次元イメージセンサに転送して加算することにより、比較的高速で高感度に2次元画像を得ることが可能になる。このTDIイメージセンサとして複数の出力タップを備えた並列出力タイプのセンサを用いることにより、センサからの出力を並列に処理することができ、より高速な検出が可能になる。また、イメージセンサ17に、裏面照射型のセンサを用いると表面照射型のセンサを用いた場合と比べて検出効率を高くすることができる。
【0031】
試料11であるウェハ内の欠陥候補を抽出する画像比較処理部18は、検出された画像信号に対してシェーディング補正、暗レベル補正等の画像補正を行う前処理部18−1、補正された画像のデジタル信号を格納しておく画像メモリ18−2、画像メモリ18−2に記憶された対応する領域の画像を比較し、欠陥候補を抽出する欠陥検出部18−3、検出された欠陥を複数の欠陥種に分類する欠陥分類部18−4、画像処理のパラメータをセットするパラメータ設定部18−5からなる。この画像比較処理部18は、詳細は後述するが、並列に動作する複数のCPUを実装した処理システムを用いて構成される。
【0032】
まず、補正され、画像メモリ18−2に記憶された被検査領域の画像(以下、検出画像と記載)と対応する領域の画像(以下、参照画像と記載)のデジタル信号を読み出し、欠陥検出部18−3において位置を合わせるための補正量を算出し、算出された位置の補正量を用いて、検出画像と参照画像の位置合せを行い、対応する画素の特徴量を用いて特徴空間上ではずれ値となる画素を欠陥候補として出力する。パラメータ設定部18−5は、外部から入力される、欠陥候補を抽出する際の特徴量の種類やしきい値などの画像処理パラメータを設定し、欠陥検出部18−3に与える。そして欠陥分類部18−4にて、各欠陥候補の特徴量から真の欠陥を抽出し、分類を行う。
【0033】
全体制御部19は、各種制御を行うCPU(全体制御部19に内蔵)を備え、ユーザからの検査パラメータ(はずれ値抽出に用いられる特徴量の種類、しきい値など)の変更を受け付けたり、検出された欠陥情報を表示したりする表示手段と入力手段を持つユーザインターフェース部19−1、検出された欠陥候補の特徴量や画像などを記憶する記憶装置19−2と接続されている。メカニカルコントローラ13は、全体制御部19からの制御指令に基づいてステージ12を駆動する。尚、画像比較処理部18、光学系等も全体制御部19からの指令により駆動される。
【0034】
検査対象となる試料(半導体ウェハ、ウェハとも記す)11は、図2に示すように、メモリマット部20−1と周辺回路部20−2からなる同一パターンのチップ20が多数、規則的に並んでいる。全体制御部19では試料である半導体ウェハ11をステージ12により連続的に移動させ、これに同期して、順次、チップの像をイメージセンサ17より取り込み、検出画像に対し、規則的に配列されたチップの同じ位置、例えば図2の検出画像の領域23に対し、領域21、22、24、25のデジタル画像信号を参照画像とし、参照画像の対応する画素や、検出画像内の他の画素と比較し、差異の大きな画素を欠陥候補として検出する。
【0035】
図3は、図2に示した検査対象となるチップの画像(領域23)について、欠陥検出部18−3の処理フローの例を示したものである。まず検査対象となるチップの像(検出画像31)と対応する参照画像32(ここでは、隣接するチップの像、図2の22とする)を画像メモリ18−2から読み出し、位置のずれを検出し、位置合せを行う(303)。次に位置合せを行った検出画像31の各画素に対して、参照画像32の対応する画素との間で複数の特徴量を演算する(304)。特徴量は、その画素の特徴を表すものであればよい。その一例としては、(1)明るさ、(2)コントラスト、(3)濃淡差、(4)近傍画素の明るさ分散値、(5)相関係数、(6)近傍画素との明るさの増減、(7)2次微分値などがある。
【0036】
これらの特徴量の一例は、検出画像の各点の明るさをf(x、y)、対応する参照画像の明るさをg(x,y)とすると以下の式で表される。
(1)明るさ; f(x,y)、もしくは {f(x,y)+g(x,y)}/2 (式1)
(2)コントラスト;max{f(x,y)、f(x+1,y)、f(x,y+1)、f(x+1,y+1)}−
min{f(x,y)、f(x+1,y)、f(x,y+1)、f(x+1,y+1)} (式2)
(3)濃淡差; f(x,y)−g(x,y) (式3)
(4)分散値; [Σ{f(x+i,y+j)2}−{Σf(x+i,y+j)}2/M]/(M-1) i,j=-1、0,1 M=9
(式4)
そして、これらの特徴量のうちのいくつか、あるいは全ての特徴量を軸とする空間に各画素をプロットすることにより特徴空間を形成する(305)。そして、この特徴空間におけるデータの分布の外側にプロットされる画素、すなわち特徴的はずれ値となる画素を欠陥候補として検出する(306)。
【0037】
ここで、検査対象となるチップの画像は図1のステージ12の移動に伴い、連続的に得られるため、特定の長さに切出し、欠陥検出処理を行う。図4(a)は、検査対象となる半導体ウェハ11内のチップ40を検査対象とし、センサで画像を入力している例である。チップ40の入力画像は、41〜46の6つ(6画像)に切出されることを示している。図4(b)は、このような画像に対し、図3に示した欠陥検出処理を行う画像比較処理部18のシステム構成の例を示す。
【0038】
まず、欠陥検出を行う画像処理システムは400、410、420、430、440の通り、複数の演算CPUから構成される。このうちの1つの演算CPU400は、それ以外の演算CPUと同様の演算を行うとともに、他の演算CPUへの画像データ転送、演算実行の命令、外部とのデータ受渡しなどを行うCPUである。この演算CPU400を以下、親CPUと記載する。また、それ以外の複数個の演算CPU410〜440(以下、子CPUと記載)は、親CPU400からの命令を受け、演算の実行や他の子CPUとのデータの送受信などを行う。子CPUは互いに、他の子CPUと同じ処理を並列に実行することができる。また、子CPUは互いに、他の子CPUと別の処理を並列に実行することもできる。親CPU400から子CPUへのデータの送受信は、データ通信バスを介して行われる。
【0039】
図4(a)で示した6画像41〜46に対する処理の流れの例を図5に示す。図5(a)は検査対象となる画像41〜46、及び対応する参照画像が撮像され、画像メモリ18−2に入力された後の一般的な並列処理の流れである。横軸tは時間である。50-1〜50−4は、画像単位で行われる欠陥検出部18−3の処理時間である。このように、通常の並列処理では、画像が入力されると同時に、親CPUから子CPUに順次、画像が振り分けられ、子CPUは同一の処理を並列に行う。子CPUには一連の処理が終わると次の画像が入力される。
【0040】
図5(b)は同画像に対するパイプライン処理の流れである。図3の欠陥検出処理に示した、位置ずれ検出処理〜位置合せ処理(303)を斜めの網掛けで、特徴量演算〜特徴空間形成処理(304、305)までを黒で、欠陥候補のはずれ画素検出処理(306)を白で処理時間に対応させて示したものである。それぞれの処理には専用の子CPUが割り当てられ、それぞれの子CPUは割り当てられた処理を繰返し行う。この例では、データは順次、上段の子CPUの処理を経て送信されるため、上段の処理が終わらないとデータが転送されてこない。
【0041】
例えば、位置合せ処理(303)(子CPU410の行う斜めの網掛け)が他の処理の2倍の時間を要する場合、図5(c)に示すように、後の処理304〜306(子CPU420、430の処理)は子CPU410の処理待ちの時間(図中の破線で示す)が多くなり、全体として処理速度の低下となる。例えば画像43の欠陥候補が抽出されるのは、画像43が入力されてから時間t2が経った後となる。このような遅延が起きないように、本システム構成では、各処理の演算時間に応じて、担当する子CPUの数を自由に変えられるようにし、CPUの演算待ち時間が極力生じないようにする。
【0042】
図6は図5(c)に対して、演算待ち時間を低減させる例である。これによると、斜めの網掛けで示す位置合せ処理(303)の演算負荷が他の処理の約2倍あることから、位置合せ処理(303)を2つの子CPU410、420で行うようにする。このとき、演算待ちの時間が発生しないように、連続して入力される画像41〜44の処理を子CPU410と420で交互に行うようにする。また演算負荷の小さい特徴量演算処理から欠陥候補抽出処理(304〜306)までを1つの子CPU430で行うようにする。これにより、図5(c)と同じCPU数で処理の高速化が可能となる。
【0043】
図7は、本システム構成による効果の別の例である。図7(a)は、連続的に入力される画像41〜45に対し、6つの子CPU410〜460でパイプライン処理する例である。この例によると、処理303〜306は各2つの子CPUで並列に処理される。また、各処理の演算負荷にはかなりのばらつきがある。これにより、演算負荷の軽いCPU(子CPU450、460)では図中の破線枠で示す演算待ち時間が長くなる。このような場合、本システム構成では図7(b)に示す通り、最も演算負荷の重い処理303を3つの子CPU410、420、430で、処理304、305を2つの子CPU440、450で、最も演算負荷の軽い処理306を子CPU460で行うようにする。このように、効率的なCPUの使い方により、高速化を実現する。処理内容の変更などにより、欠陥検出部18−3の各処理の演算負荷が適宜、変化するような場合、本システム構成では容易に負荷の平準化が可能である。
【0044】
図8(a)は負荷平準化処理の流れである。まず、欠陥検出処理の内容の一部(例えば、303〜306のいずれか)が変更になった場合、その個々の詳細処理を子CPUで実行し(81)、図8(b)のように各処理の演算負荷比率を計測する(82)。そして、各処理の負荷の比率に応じて、1つの子CPUに割当てるプロセスを定義し、定義したプロセスを実行する子CPUの数を割当てる(83)。これは、最終的に子CPUの演算待ち時間が短くなるように考慮して決定する。図8(c)はその例である。ここでは、処理303、処理304、処理305〜306の3つのプロセスを定義し、演算のための子CPUを各2、1、3個ずつ割当てたことを示している。これにより、処理内容の変更によるCPU割当ての設定は終了である。そして、処理の制御を行う親CPUが、個別処理内容を示すアルゴリズムと画像をセットで子CPUへ転送することにより、設定した欠陥検出処理を実行する。
【0045】
以上、図3に示した欠陥検出処理を高速に実行する例を示したが、実際には、チップの比較による欠陥検出が困難な場合がある。その例を図9に示す。(a)は試料11の半導体ウェハの例である。8個のチップD1〜D8が配列されている。(b)はチップD3、D4の画像の比較により、D4の欠陥を検出する例である。D4に欠陥がある。91はD3とD4の対応画素の明るさの差の絶対値dを示す差画像である。
【0046】
差の絶対値 d(x、y)=|D4(x、y)−D3(x、y)|
差の値が大きい画素ほど明るく表示している。波形は各画像のA−A’上の明るさ信号である。D3とD4のようにチップ間の明るさがほぼ同じ場合、明るさの違いが大きい部分を欠陥として容易に検出できる。(c)は端のチップD7、D8の画像の比較により、D8の欠陥を検出する例である。チップD8のように半導体ウェハの端では膜厚のばらつきにより、隣接チップの画像に対し、明るさの違いが大きくなりやすい。(c)の例では、波形が示すように、D7に対し、非欠陥部は D8の方が暗い。一方、欠陥部は明るい。この場合、明るさの差の絶対値dは、欠陥部と非欠陥部でほぼ同じとなり、欠陥を検出するのは困難となる。(d)はチップD3とD4の同じ位置に欠陥がある。チップのパターンを形成するマスクに不良があると、このようにチップの同じ位置に欠陥が発生しやすい。(d)の例では、欠陥部の明るさの差の絶対値dは、小さくなり、検出するのは困難である。
【0047】
このようにチップ間の明るさばらつきが大きい場合や、チップの同じ位置に欠陥が発生する場合など、チップの比較では検出できない欠陥に対し、本発明では単一の画像から欠陥を検出可能とする。図10は、チップ単一の画像から欠陥を検出する処理の例を示す。本例では、処理内容はほぼ図3と同じである。まず、検査対象となるチップの像(検出画像31)を画像メモリ18−2から読み出す。次に入力された画像を小領域に分解し、各小領域について、領域内に含まれるパターンと類似するパターンを含む小領域を探索する(101)。以下、小領域のことをパッチと記述する。類似パターンを含むか否かの探索は、パッチ内の特徴の分布、例えば、前述の(1)明るさ、(2)コントラスト、(4)近傍画素の明るさ分散値、(5)相関係数、(6)近傍画素との明るさの増減、(7)2次微分値特徴量の他に、テクスチャ情報を示す方向成分などを各画素について求め、パッチ内の特徴量の分布形状誤差を見ればよい。
【0048】
ここで、類似パターンが含まれるパッチが見つかった場合でも、パターンに対して、パッチとして切出す位置のずれが生じている可能性が高い。このため、パッチ間で位置のずれを検出し、位置合せを行う(102)。次に位置合せを行ったパッチ画像の各画素に対して、複数の特徴量を演算する(103)。ここでの特徴量は、チップを比較する場合と同様のものでよい。そして、これらの特徴量のうちのいくつか、あるいは全ての特徴量を軸とする空間に各画素をプロットすることにより特徴空間を形成し(104)、この特徴空間におけるデータの分布の外側にプロットされる画素、すなわち特徴的はずれ値となる画素を欠陥候補として検出する(105)。なお、本例に限らず、チップ単体から欠陥を検出可能な処理であればいかなるものでもよい。
【0049】
図11(a)は検査対象となる検出画像31である。(b)は検出画像31の中の類似パッチの一例である。パッチ11aと11bは類似パッチとなり、比較による欠陥検出が行われる。同様に11c、11d、11e、11f、11gが類似パッチ、11j、11k、11l、11mが類似パッチ、11h、11iが類似パッチとなり、それぞれ比較による欠陥検出が行われる。
【0050】
本例による欠陥検査装置においては、上記チップ単体からの欠陥検出処理を単独で行ってもよいし、チップの比較による欠陥検出処理と同時に行ってもよい。また、ウェハ上の端のチップなど特定のチップにおいてのみ、チップの比較による欠陥検出処理と切替えて行ってもよいし、同時に行ってもよい。図3で説明したチップの比較による処理とチップ単体による処理を本画像処理システムによって実行する場合の処理フローを図12に示す。
【0051】
図12は図7(b)に示した処理とチップ単体による欠陥検出処理(図中、縦縞で示す)を同時に行う例である。本システム構成では、最も演算負荷の重い処理303を3つの子CPU410、420、430で、処理304、305を1つの子CPU440で行う。また、最も演算負荷の軽い処理306を子CPU450で行うようにする。さらにチップ単体による処理を1つの子CPU460で行う。このとき、画像メモリに画像が入力されると同時に、親CPUは、処理303を行う子CPU410、420、430に画像を転送すると同時に、チップ単体処理を行う子CPU460にも画像を転送する。これにより、欠陥検出部18−3の処理とチップ単体処理は並列で処理することが可能となる。また、最終的には欠陥検出部18−3の処理により検出される欠陥と、チップ単体処理から検出される欠陥とを統合し、欠陥情報として出力する必要があるが、この統合処理を演算待ちの多い子CPU450で実行する。これは、子CPU460によるチップ単体処理の結果を、子CPU450に戻すことにより行う。このようにして、負荷の平準化を考慮して、効率的なCPUの割振りにより、時間的に大きな遅れを生じることなく、なおかつ、システムの規模を増やすことなく、異なるアルゴリズムの追加や、並列処理を実現可能とする。
【0052】
次に異なるアルゴリズムを複数、並列に処理する例を図19に示す。図19(a)は入力される画像である。この画像はパターン形状に応じて、大きく、横縞のパターン領域、縦縞のパターン領域、パターンのない領域、ランダムパターン領域の4つに分けられる。このような場合、4つの異なる比較方式で並列の処理を行う。まず横縞のパターン領域((b)の191a、191b)では画像のY方向に繰返して類似パターンがあるので、パターンピッチ分だけY方向にずれた画素との間で明るさの比較を行う。また、縦縞のパターン領域((b)の192a、192b)では画像のX方向に繰返して類似パターンがあるので、パターンピッチ分だけX方向にずれた画素との間で明るさの比較を行う。また、パターンのない領域((b)の190a、190b、190c、190d)では単純にしきい値との比較を行う。また、中央のランダムパターン領域((b)の193)では隣接チップとの比較を行う。この際、親CPUは、4つの処理を子CPUそれぞれに割当て、パターン形状に応じて切出した矩形画像と処理を実行するためのアルゴリズムを、処理を割当てた子CPUに各々転送することで、容易に4つの異なる処理を並列に実行することができる。
【0053】
次に、上記説明したシステム構成の画像処理系をもつ本パターン検査方式の別の例を、画像を検出する検出光学系が複数ある場合で説明する。図13は図1に示した暗視野照明による欠陥検査装置において検出光学系が2つになった例である。図13の130は斜方検出系であり、上方検出系16と同様に、試料11からの散乱光を結像させ、光学像をイメージセンサ131で受光して、画像信号に変換する。得られた画像信号は、上方検出系と同じ画像比較処理部18に入力され、処理される。ここで、2つの異なる検出系で撮像される画像は当然のことながら画質が異なり、検出される欠陥種も一部で異なる。このため、各検出系の情報を統合して欠陥の検出を行うことにより、より多様な欠陥種の検出が可能となる。
【0054】
複数検出系による情報の統合の例としては、前処理部18−1で補正され、画像メモリ18−2に入力される検出系毎の画像信号それぞれについて、図14(a)に示すように欠陥候補の抽出〜分類処理を図14の欠陥検出・分類部140にて順番に行い、最終結果を検出系毎に個別に表示することも可能であるし、各々の検出系から抽出される欠陥について、欠陥情報統合処理部(図14の141)において半導体ウェハ内での座標から照合し、論理積(異なる検出系で共通に抽出されたもの)や論理和(異なる検出系の共通、もしくはいずれかで抽出されたもの)をとることにより、結果を統合して表示することも可能である。また、検出系毎の画像信号それぞれについて、図14(b)に示すように欠陥候補の抽出〜分類処理を図14の欠陥検出・分類部140−1、140−2にて並列に行い、最終結果を欠陥情報統合処理部141にて統合して表示することも可能である。
【0055】
また、複数の検出光学系で抽出した結果を単に統合、表示するのではなく、それぞれの検出系による情報を統合して欠陥検出処理を行うことも可能である。各検出光学系の撮像倍率が同じ場合について説明する。図15(a)は2つの検出光学系の画像を同時に、同倍率で取得する例を示したものである。2つのイメージセンサ17、131より同じタイミングで取得される各々の画像を、前処理部18−1で補正し、画像メモリ18−2へ入力する。そして、2つの異なる検出系で撮像された検査対象画像と参照画像のセットを用いて欠陥検出部18−3bにて欠陥候補を抽出し、欠陥分類部18−4で分類後、表示部110に結果を表示する。
【0056】
図15(b)は欠陥検出部18−3bの処理フローの一例である。まず一方の検出系(ここでは上方検出系)から得られた検出画像31と対応する参照画像32を画像メモリ18−2から読み出し、位置のずれを検出し、位置合せを行う(303)。次に位置合せを行った検出画像31の各画素に対して、参照画像32の対応する画素との間で特徴量を演算する(304)。同様に別の検出系(ここでは斜方検出系)から得られた検出画像31−2と参照画像32−2も画像メモリ18−2から読み出し、位置合せ、特徴量演算までを行う。そして、これらの特徴量全て、あるいは、いくつかを選択し、特徴空間を形成する(305)。これにより、異なる検出系の画像の情報を統合する。そして、形成した特徴空間からはずれ値を検出することにより、欠陥候補を抽出する(306)。
【0057】
特徴量は前述の(1)明るさ、(2)コントラスト、(3)濃淡差、(4)近傍画素の明るさ分散値、(5)相関係数、(6)近傍画素との明るさの増減、(7)2次微分値などを、それぞれの画像のセットから算出する。加えて、各画像の明るさそのもの(31、32、31−2、32−2)も特徴量とする。また、各検出系の画像を統合して、例えば、31と31−2、32と32−2の平均値から(1)〜(7)の特徴量を求めるなどでも構わない。ここで、特徴空間上で情報を統合するためには、異なる検出系の画像間でパターンの位置の対応が取れている必要がある。位置の対応は、あらかじめキャリブレーションしておくか、得られた画像から算出してもよい。
【0058】
以上に2つの異なる検出条件による同一領域の画像の統合について説明したが、2つ以上の複数の検出系の画像の統合をすることも可能である。また、異なるのは検出条件に限らず、異なる照明条件による同一領域の画像を統合して処理することも可能である。図16にその処理の一例を示す。図16(a)はある光学条件(ここでは光学条件1)で画像を取得することを示している。(b)は(a)とは別の光学条件(ここでは光学条件2)で同一領域の画像を取得することを示している。そして、欠陥検出部18−3bにてこれらの画像の情報を統合し、欠陥検出処理を行う。本例では、光学条件1で得られた画像から2つの特徴量を演算し、特徴空間(c)を形成する。一方、光学条件2で得られた画像からも同じ特徴量を演算し、特徴空間(d)を形成する。そして、これらの見え方の異なる画像から算出した共通の特徴量の変化量を軸とする特徴空間へ各画素をプロットし(e)、この変化ベクトル空間におけるはずれ値を欠陥として抽出する。この処理を検出系毎に行う。これにより、欠陥をノイズ(正常パターン)と分離し、多種の欠陥検出を高感度に実現する。
【0059】
ここで、図16(e)のはずれ値検出のためのしきい値設定をユーザが行うのは難しい。このため、本検査装置では、特徴空間におけるしきい値を自動で設定する。図17(a)は、明るさの差を特徴とする1次元特徴空間である。従来は、この1次元特徴空間において、明らかに正常という範囲をユーザがしきい値として設定し(図中の171、172)、その外側にあるものを欠陥として検出する(図中の173)。しきい値の内側の網掛けで示した領域にも欠陥が含まれる可能性があるが、明るさの差のみでは、欠陥とノイズの判別が困難であり、かつ、大多数はノイズであることが多いため、ノイズを検出しないようにすると、その中にある欠陥は見逃すことになる。しかし、前述の通り、特徴量を増やすことにより、欠陥とノイズを分離し、しきい値を引くことにより欠陥のみを抽出することが可能となる。図17(b)は(a)で示した1次元特徴空間を3次元の特徴空間に変換したものである。(a)の網掛け領域にあった欠陥とノイズが分離され、図中174に示すような多角形のしきい値が設定できれば、欠陥の検出が可能となる。しかし、ユーザが多次元の特徴空間において、174のような多角形のしきい値を設定するのは困難である。
【0060】
このため、本発明では、ユーザが画像上で検出するか、否かを入力することにより、しきい値の設定を不要とした。図18(a)は多角形しきい値174の設定手順の一例である。まず、適当なパラメータ(通常では、チップ間の明るさの差に対する欠陥判定しきい値)を設定し、試し検査を行う(181)。試し検査とは、図18(b)の黒で示すように、検査対象チップを限定し、短時間で行う検査のことである。この結果を元にパラメータを自動調整する。まず、試し検査で検出された欠陥候補を含む周辺部を切出した欠陥画像、及び対応する隣接チップの画像(参照画像)をモニタに表示する(182)。ユーザは、表示された画像から欠陥かノイズかを確認し(183)、その画像による判定結果を入力する(184)。これを数点の欠陥候補について行う。この作業をノイズがある程度、抑制されるまで行う。本システムでは、ユーザの入力情報に基づき、特徴空間上でノイズと欠陥の間に多角形のしきい値を演算し、パラメータを更新する。このように、ユーザは画像を見て、欠陥かノイズかを入力するだけで、複雑なパラメータの設定を行わなくても、欠陥とノイズが分離可能な感度パラメータを設定することが可能となる。
【0061】
以上のように、本発明の各実施の形態で説明した検査装置によれば、画像比較処理部のシステム構成を、親CPUと複数の子CPUからなり、互いに逆向きのデータ転送バスをもつ構成とすることにより、高速、かつ各処理のCPUへの割り当てが自由な欠陥検出方法及びその装置を提供することが可能となる。また、特徴空間におけるはずれ値を検出することにより、ノイズに埋没した欠陥を高感度に検出することが可能となる。また、ユーザが試し検査で検出される欠陥候補の画像を確認し、欠陥かノイズかを入力すると、その情報に基づいて欠陥とノイズを判別するための多角形しきい値を算出することにより、ユーザはパラメータ設定を一切行わずに、高感度な感度設定を行うことができる。また、複数の検出光学系、もしくは複数の照明条件で検出される同一領域の複数の画像に対して、情報を統合して、欠陥検出処理を行うことにより、多様な欠陥を高感度に検出することができる。
【0062】
なお、本例では、参照画像は隣接するチップの画像(図2の22)として、比較検査を行う例を示したが、参照画像は、複数のチップ(図2の21、22、24、25)の平均値などから1つ生成するのもかまわないし、23と21、23と22、・・・、23と25といったように1対1の比較を複数領域で行い、全ての比較結果を統計的に処理し、欠陥を検出することも本方式の発明の範囲である。
【0063】
これまでチップの比較処理を例にとって説明したが、図2(b)に示すような被検査対象チップに周辺回路部とメモリマット部が混在している場合にメモリマット部で行われるセル比較も本発明の適用範囲になる。
【0064】
また、CMPなど平坦化プロセス後のパターンの膜厚の微妙な違いや、照明光の短波長化により比較するチップ間に大きな明るさの違いがあっても、本発明により、20nm〜90nm欠陥の検出が可能となる。
【0065】
さらに、SiO2をはじめ、SiOF、BSG、SiOB、多孔質シリア膜、などの無機絶縁膜や、メチル基含有SiO2、MSQ、ポリイミド系膜、パレリン系膜、テフロン(登録商標)系膜、アモルファスカーボン膜などの有機絶縁膜といったlow k膜の検査において、屈折率分布の膜内ばらつきによる局所的な明るさの違いがあっても、本発明により、20nm〜90nm欠陥の検出が可能となる。
【0066】
以上、本発明の一実施の形態を半導体ウェハを対象とした暗視野検査装置における比較検査画像を例にとって説明したが、電子線式パターン検査における比較画像にも適用可能である。また、明視野照明のパターン検査装置にも適用可能である。
【0067】
検査対象は半導体ウェハに限られるわけではなく、画像の比較により欠陥検出が行われているものであれば、例えばTFT基板、ホトマスク、プリント板などでも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明のパターン検査方法及び装置は、光もしくはレーザもしくは電子線などを用いて得られた対象物の画像と、参照画像を比較して、その比較結果に基づいて微細パターン欠陥や異物等を検出する検査に係り、特に半導体ウェハ、TFT、ホトマスクなどの外観検査を行うのに好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施の形態において、欠陥検査装置の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態において、(a)(b)はチップの構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態において、欠陥候補抽出処理フローの一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態において、(a)(b)は画像処理システムのCPU構成の例を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態において、(a)(b)(c)は図4のCPU構成による処理の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態において、図4のCPU構成による処理の一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態において、(a)(b)は図4のCPU構成による処理の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態において、(a)(b)(c)は演算負荷の平準化処理の一例を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態において、(a)(b)(c)(d)はチップ間の明るさ比較不具合の例を示す図である。
【図10】本発明の一実施の形態において、チップ単体による欠陥検出処理の例を示す図である。
【図11】本発明の一実施の形態において、(a)(b)はチップ単体画像内の類似パターンの例を示す図である。
【図12】本発明の一実施の形態において、図4のCPU構成によるチップ単体画像の処理とチップ間の比較処理の実現例を示す図である。
【図13】本発明の一実施の形態において、複数の検出光学系からなる欠陥検査装置の例を示す図である。
【図14】本発明の一実施の形態において、(a)(b)は複数の検出光学系から得られた情報の統合方法の例を示す図である。
【図15】本発明の一実施の形態において、(a)(b)は複数の検出光学系から得られた情報の統合方法の例を示す図である。
【図16】本発明の一実施の形態において、(a)(b)(c)(d)(e)は複数の光学条件により得られた情報の統合処理の例を示す図である。
【図17】本発明の一実施の形態において、(a)(b)は多次元特徴空間において欠陥とノイズが判別可能となる例を示す図である。
【図18】本発明の一実施の形態において、(a)(b)はユーザによる感度調整手順の例を示す図である。
【図19】本発明の一実施の形態において、(a)(b)は複数のパターン形状が混在する画像の例を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
11…試料、12…ステージ、13…メカニカルコントローラ、14…光源、15…照明光学系、16…上方検出系、17…イメージセンサ、18…画像比較処理部、18−1…前処理部、18−2…画像メモリ、18−3…欠陥検出部、18−4…欠陥分類部、18−5…パラメータ設定部、19…全体制御部、19−1…ユーザインターフェース部、19−2…記憶装置、
20…チップ、20−1…メモリマット部、20−2…周辺回路部、
110…表示部、
130…斜方検出系、131…イメージセンサ、
140、140−1、140−2…欠陥検出・分類部、141…欠陥情報統合処理部、
400、410、420、430、440…演算CPU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料上の同一パターンとなるように形成された複数のパターンの対応する領域の画像を撮像し、比較して欠陥を検出するパターン検査方法であって、
検査対象となる試料上のパターンを撮像して検査対象パターンの画像と対応する参照パターンの画像を連続して得、
得られた検査対象画像と参照画像の各画素について、並列に動作する複数のCPUを実装した処理システムを用いて、複数の特徴量を算出し、
検査対象画像と参照画像の対応する各画素の特徴量を比較して欠陥を検出する
ことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項2】
請求項1記載のパターン検査方法であって、
連続して得られ、順次入力される複数の検査対象画像に対して、
前記処理システムは、時系列、もしくは並列に欠陥検出処理を行う
ことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項3】
請求項1記載のパターン検査方法であって、
前記検査対象パターンの画像と対応する参照パターンの画像の比較による欠陥の検出は、
前記検査対象パターンの画像内での座標と、対応する参照パターンの画像内での座標を一致させるための位置補正を行い、
位置補正を行った検査対象パターンの画像と参照パターンの画像の対応する各画素から複数の特徴量を算出し、
算出した複数の特徴量を軸とする特徴空間において、正常範囲の分布からはずれた画素を欠陥候補として抽出し、
抽出した欠陥候補を複数の欠陥種に分類する
ことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項4】
請求項3記載のパターン検査方法であって、
前記特徴空間における正常範囲の設定は、ユーザが欠陥と正常パターンを画像から指定することにより行う
ことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項5】
請求項3記載のパターン検査方法であって、
前記特徴空間において、正常範囲の分布からはずれた画素を抽出するためのしきい値を自動で算出する
ことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項6】
請求項1記載のパターン検査方法であって、
欠陥判定を行うための、ユーザが設定するしきい値はない
ことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項7】
請求項1記載のパターン検査方法であって、
ユーザが非欠陥部の画像を指定すると、指定された非欠陥部分の画素について複数の特徴量を算出し、
算出された特徴量を軸とする特徴空間上に非欠陥部の分布を基に欠陥判定しきい値を算出し、
算出された非欠陥部分の分布に対し、欠陥判定しきい値より離れた距離にある画素を欠陥として検出する
ことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項8】
請求項7記載のパターン検査方法であって、
前記複数の特徴量から1つ以上の複数の特徴を選択し、
選択した特徴を軸とする特徴空間上で欠陥判定を行う
ことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項9】
試料上の同一パターンとなるように形成された複数のパターンの対応する領域の画像を撮像し、比較して欠陥を検出するパターン検査方法であって、
検査対象となる試料上のパターンを複数の検出系で撮像し、
検出系の異なる複数の検査対象パターンの画像と対応する複数の参照パターンの画像を得、
各検出系から得られた検査対象画像と参照画像の各画素について、複数の特徴量を算出し、
異なる検出系の画像から算出した複数の特徴量を軸とする特徴空間において、欠陥を検出する
ことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項10】
請求項9記載のパターン検査方法であって、
比較して欠陥判定を行うための特徴量は、異なる照明条件により取得した対応する箇所の画像から算出する
ことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項11】
試料上の同一パターンとなるように形成された複数のパターンの対応する領域の画像を撮像し、比較して欠陥を検出するパターン検査方法であって、
検査対象となる試料上のパターンを複数の照明条件で撮像し、照明条件の異なる複数の検査対象パターンの画像と対応する複数の参照パターンの画像を得、
各照明条件により得られた検査対象パターンの画像と参照パターンの画像の対応する各画素から特徴量を算出し、
照明条件の異なる画像から算出した複数の特徴量を軸とする特徴空間において、欠陥を検出する
ことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項12】
試料上の同一パターンとなるように形成された複数のパターンの対応する領域の画像を撮像し、比較して欠陥を検出するパターン検査方法であって、
検査対象となる試料上のパターンを撮像して検査対象パターンの画像と対応する参照パターンの画像を得、
得られた検査対象画像と参照画像の各画素について、並列に動作する複数のCPUを実装した処理システムを用いて、画像を複数の領域に分割し、
該処理システムを用いて、分割された領域毎に異なる欠陥判定処理を並列に行い、
欠陥を検出する
ことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項13】
試料上の同一パターンとなるように形成された複数のパターンの対応する領域の画像を撮像し、欠陥を検出するパターン検査方法であって、
検査対象となる試料上のパターンを撮像して検査対象パターンの画像と対応する参照パターンの画像を得、
得られた検査対象画像から欠陥を検出する処理と、得られた検査対象画像と参照画像から欠陥を検出する処理とを行い、
欠陥を検出する
ことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項14】
試料上に形成されたパターンの欠陥を検査する装置であって、
複数の照明条件でパターンの光学像を照明する照明手段と、
複数の検出条件でパターンの光学像を検出する検出手段と、
欠陥部、もしくは非欠陥部をユーザが指定して入力する手段と、
ユーザの入力に応じて、欠陥判定のためのしきい値を演算し、欠陥候補を抽出する欠陥抽出手段と、
を備えたことを特徴とするパターン検査装置。
【請求項15】
試料上に形成されたパターンの欠陥を検査する装置であって、
複数の照明条件でパターンの光学像を照明する照明手段と、
複数の検出条件でパターンの光学像を検出する検出手段と、
検査対象画像と対応する参照画像を比較して欠陥を検出する手段と、
検査対象画像単体から欠陥を検出する手段と、
を備えたことを特徴とするパターン検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図4】
image rotate

【図9】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2008−286586(P2008−286586A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130433(P2007−130433)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】