説明

パワープラント機械の過速度保護システムを試験する方法およびシステム

【課題】トリップの機会を低減させる過速度保護システムを試験する方法を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態は、少なくとも1つのシャフト(137)を備えるパワープラント機械(105、145)の過速度保護システムを自動的に試験する(200)という技術的な効果を有する。本発明の一実施形態では、パワープラント機械(105、145)が無負荷定格速度(FSNL)から減速している間に過速度保護システムを自動的に試験することができる。本発明の別の実施形態では、パワープラント機械がFSNLへ加速している間にパワープラント機械(105、145)の過速度保護システムを自動的に試験することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワープラント機械の保護システムに関し、より詳細には、パワープラント機械のための自動化された過速度保護システムに関する。この出願は、本発明の譲受人に譲渡された2006年10月10日出願の米国特許出願第11/584,095号および2006年10月30日出願の米国特許出願第11/589,579号に関する。
【背景技術】
【0002】
パワープラント機械上のシャフトの速度が指定の範囲を超過した後は、過速度状態が発生する。過速度状態中、パワープラント機械は通常、破局故障を引き起こしうる深刻な機械的および熱的応力を受ける。
【0003】
通常、パワープラント機械は、過速度状態の影響を低減しようとする保護システムを装備する。通常、調速機システムが1次的な保護線として働く。過速度状態を検出すると、調速機は、シャフトの減速を試みる。また、2次的なまたは独立した保護線、すなわち過速度保護システムが存在することもある。通常、過速度保護システムは、パワープラント機械を守るために機械的構成要素、電気的構成要素、およびソフトウェア構成要素を組み込む。過速度保護システムは、過速度イベント発生中、緊急シャットダウン(一般にトリップと呼ばれる)を開始することによってパワープラント機械を保護する。
【0004】
パワープラントの操作者は、過速度保護システムを定期的に試験して、システムが正しく機能しているかどうかを判断する。過速度保護システムを試験する前、パワープラント機械は通常、無負荷定格速度(FSNL)状態で動作している。FSNLとは、パワープラント機械が正常の動作速度にあり、負荷に対してエネルギーを搬出していない状態である。過速度試験では通常、正常の動作範囲を上回るようにシャフトの速度を手動で上昇させる必要がある。たとえば、それだけに限定されるものではないが、過速度試験中、操作者は、シャフトの速度を正常の動作速度の110%まで上昇させることができ、その後過速度保護システムは、パワープラント機械をトリップさせるはずである。
【0005】
現在の過速度試験方法には、いくつかの問題がある。シャフト速度を手動で調整することで、高い熱過渡をもたらすことがある。正常の動作速度付近またはそれを上回る速度でのトリップは、パワープラント機械の構成要素上に大きな機械的、電気的、および熱的応力をもたらす可能性がある。これらの応力は、保守間隔を低減させる。さらに、トリップ後はパワープラント機械を再始動する必要があり、これにより、エネルギーの搬出を遅延させる。さらに、現在の過速度試験方法では通常、パワープラント機械がFSNLで動作する必要がある。これは、利益を生むのではなく、燃料および電気を消費する。これらの問題により、パワープラント機械の操作者は、手動の速度調整、トリップ、FSNL動作、および過速度試験を回避せざるをえなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0013365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の理由で、トリップの機会を低減させる過速度保護システムを試験する方法が必要とされている。この方法は、他のパワープラント機械と一体化されたものを含めて、多種多様なパワープラント機械に適応できるはずである。この方法は、パワープラント機械が始動モードから加速しているとき、またはFSNLから減速しているときに、過速度保護システムの試験を可能にするべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、パワープラントの過速度保護システムを試験する方法(200)であって、パワープラント機械(105、145)、シャフト(137)、および動作制御システム(170)を備えるパワープラント(100)を用意するステップであり、動作制御システム(170)が、パワープラント機械(105、145)を動作させるように構成されており、動作制御システム(170)が、シャフト(137)に関連する過速度イベントを検出するように構成された過速度保護システムを備える、ステップと、シャフトの速度が試験範囲内であるかどうかを判断するステップ(220)と、過速度トリップ値を試験範囲内の値に変更するステップ(240)と、過速度保護システムがパワープラント機械をトリップさせるように動作するかどうかを判断するステップ(245、250)とを含み、過速度保護システムの試験中にトリップが発生する可能性を低減させる、方法(200)が提供される。
【0009】
さらに、パワープラント(100)は、複数のパワープラント機械(105、145)を備えることができる。複数のパワープラント機械(105、145)は、ガスタービン(105)および蒸気タービン(145)を備えることができ、シャフト(137)は、ガスタービン(105)と蒸気タービン(145)を一体化させて、蒸気およびガス伝動装置(STAG)を形成する。
【0010】
方法(200)は、ほぼパージ速度からほぼ無負荷定格速度(FSNL)速度までの試験範囲を有することができる。
【0011】
方法(200)は、過速度保護システムを試験する方法論を選択するステップ(215)をさらに含むことができ、この方法論は、パワープラント機械(105、145)がシャットダウンモードで動作しているときに使用するように適合されたシャットダウンモード手順と、パワープラント機械(105、145)が始動モードで動作しているときに使用するように適合された始動モード手順とを含む。
【0012】
シャットダウンモード手順では、試験許容度が満足されるかどうかを判断するステップ(225)と、燃焼シャットダウン過速度試験を開始するステップ(240)と、過速度トリップ設定点をシャットダウントリップ設定点に変更するステップ(240)とを実行することができる。
【0013】
始動モード手順では、パワープラント機械の始動が開始されたかどうかを判断するステップ(215)と、試験許容度が満足されるかどうかを判断するステップ(225)と、過速度トリップ設定点を始動トリップ設定点に変更するステップ(240)とを実行することができる。
【0014】
緊急保護システム(170)は、パワープラント機械(105、145)に関連する調速機システム(150、152、154)を制御することができ、調速機システム(150、152、154)は、シャフト(137)の速度を部分的に制御する。ここでは、方法(200)は、緊急保護システムがパワープラント機械(105、145)の動作を制御するかどうかを判断するステップ(250)をさらに含むことができる。
【0015】
方法(200)は、試験許容度が維持されない場合、始動モード手順を中断するステップ(235)をさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態が動作する環境を示す概略図である。
【図2A】本発明の一実施形態による過速度保護システムを試験する方法の一例を示す流れ図である。
【図2B】本発明の一実施形態による過速度保護システムを試験する方法の一例を示す流れ図であり、図2の続きである。
【図3】本発明の一実施形態による使用中の図2の方法を示す概略図である。
【図4】本発明の代替実施形態による使用中の図2の方法を示す概略図である。
【図5】本発明の実施形態による過速度保護システムを試験する例示的なシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、少なくとも1つのシャフトを備えるパワープラント機械の過速度保護システムを自動的に試験するという技術的な効果を有する。本発明の一実施形態では、パワープラント機械がFSNLから減速している間に過速度保護システムを自動的に試験することができる。本発明の別の実施形態では、パワープラント機械がFSNLへ加速している間にパワープラント機械の過速度保護システムを自動的に試験することができる。
【0018】
本明細書では、詳細な例示的な実施形態を開示する。しかし、本明細書に開示される特有の構成上および機能上の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的として、単に代表的なものである。しかし、例示的な実施形態は、多くの代替の形態で実施することができ、本明細書に記載の実施形態のみに限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0019】
したがって、例示的な実施形態では、様々な修正および代替の形態が可能であるが、これらの実施形態は、例として図面に示し、本明細書で詳細に説明する。しかし、例示的な実施形態は開示した特定の形態に限定されるものではなく、逆に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲内に入るすべての修正形態、均等物、および代替形態を包含するものであることを理解されたい。
【0020】
本明細書で第1、第2などの用語を使用して様々な要素について説明することがあるが、これらの要素はこれらの用語に限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。たとえば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書では、「および/または」という用語は、1つまたは複数の関連する記載項目のあらゆる組合せを含む。
【0021】
本明細書で使用される術語は、特定の実施形態について説明することのみを目的とし、例示的な実施形態を限定しようとするものではない。本明細書では、単数形、数詞がないことや定冠詞は、文脈上別段の明示がない限り、複数形も同様に含むものとする。「備える、含む(comprises)」、「備える、含む(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「含む(including)」という用語は、本明細書で使用するとき、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0022】
いくつかの代替の実装形態では、記載の機能/動作は、図に示す順序以外で行いうることにも留意されたい。たとえば、2つの連続する図は、関係する機能/動作に応じて、実質上同時に実行することができ、または時には逆の順序で実行することもできる。
【0023】
本発明は、多くの形態のパワープラント機械に適用することができる。パワープラント機械は、部分的にはシャフトを回転させることによってエネルギーを伝達する機械と見なすことができる。パワープラントの中には、それだけに限定されるものではないがターボ機械など複数のパワープラント機械で構成されるものもあれば、回転シャフトで構成されるものもある。パワープラントの構成は、それだけに限定されるものではないが、単一のシャフトによって一体化された蒸気タービンとガスタービン(一般に一軸型STAGと呼ぶ)、または複数のシャフトを介して一体化された複数のタービンを含むことができる。シャフトは複数のパワープラント機械を一体化させ、それによって各パワープラント機械は、シャフトを回転させるトルクに寄与することができる。したがって、本発明の実施形態は、単一のシャフトを備える単一のパワープラント機械、複数のシャフトを備える単一のパワープラント機械、STAG構成で一体化された複数のパワープラント機械、または複数のシャフトを介して一体化された複数のパワープラント機械に適用することができる。
【0024】
本発明の実施形態は、それだけに限定されるものではないが、開放および/または閉鎖システム内の半径流機、軸流機、遠心機など、回転式機械の形態を有する多種多様なパワープラント機械に適用することができる。これは、それだけに限定されるものではないが、軸流タービン、軸流圧縮機、遠心圧縮機、螺旋状のねじ圧縮機、半径流タービン、トルクコンバータ、ポンプ、ファン、ブロワ、水力タービン、船舶用プロペラ、風力タービン、またはこれらの任意の組合せを含むことができる。
【0025】
パワープラント機械はまた、電力を生成および/または消費するように構成されたターボ機械の形態を有することができる。これらのターボ機械は、それだけに限定されるものではないが、燃焼タービンおよび蒸気タービンを含むことができる。これらのターボ機械は主に、作動流体の圧力を増大させるように機能することができる。作動流体の非限定的な例には、空気、水、ガス、物理的物質、またはこれらの任意の組合せが含まれる。これらのターボ機械は、それだけに限定されるものではないが、ガス、液体燃料、空気、水、蒸気、風、電気、熱、蒸気、またはこれらの任意の組合せなど、多種多様なエネルギー源を消費することができる。
【0026】
本発明の実施形態は、それだけに限定されるものではないが、航空宇宙、自動車、冷却、加熱、工業、発電、海洋、化学、農業、石油化学用の機械的駆動装置、ポンプ、ファン、ブロワ、圧縮器などを含めて、多種多様な応用例で動作するパワープラント機械に適用することができる。
【0027】
図を次に参照すると、図1は、本発明の一実施形態が動作できる環境を示す概略図である。図では、いくつかの図全体にわたって、様々な番号が同じ要素を表す。図1は、ガスタービン105および蒸気タービン160を有する、コンバインドサイクル構成のパワープラント100を示す。シャフト137が、ガスタービン105と蒸気タービン160を一体化させる。この構成は、一軸型STAG伝動装置と見なされる。本発明の実施形態について、本明細書では一軸型STAGの応用例を参照して説明するが、本発明は、他のパワープラントの構成に適用することもできる。本発明の実施形態はまた、単一のシャフトを備える単一のパワープラント機械、複数のシャフトを備える単一のパワープラント機械、または複数のシャフトを介して一体化された複数のパワープラント機械に適用することができる。
【0028】
ガスタービン105は通常、圧縮器部110、燃焼システム120、タービン部125、および排気部130を備える。通常、圧縮器110は、図1に矢印で表すように、吸気を取り入れて圧縮する。圧縮空気は、燃焼システム120まで下流へ流れることができ、燃焼システム120で圧縮空気は、ガス燃料システム150から受け取った、それだけに限定されるものではないが天然ガスなどの燃料と混合され、次いで燃焼される。燃焼プロセス中に解放されたエネルギーは、下流へ流れ、タービン部125を駆動する。ガスタービン105にはシャフト137を介して、それだけに限定されるものではないが、発電機167などの負荷を結合することができる。ここでは、タービン部125内で生成される機械的トルクが、発電機167を駆動する。
【0029】
ガスタービン105の動作中に生成される排気135は、排気部130を通って下流へ流れることができ、排熱回収蒸気発生器(HRSG)140によって受け取ることができる。HRSG140は、熱交換プロセスを利用して、排気135中の熱の一部を凝縮水または給水147へ伝達し、蒸気145を生じさせる。蒸気145は、シャフト137を介して、ガスタービン105に結合された蒸気タービン160まで下流へ流れることができる。蒸気タービン160を通って流れた後、蒸気145は復水器165内で凝縮し、凝縮水147を形成することができる。次いで復水または給水ポンプ(図示せず)は、凝縮水または給水147をHRSG140内へ運ぶことができ、HRSG140で前述のプロセスを繰り返すことができる。HRSG140を通って流れた後、排気135は、排気筒(図示せず)へ流れることができる。蒸気145が蒸気タービン160を通って流れると、蒸気145のエネルギーが機械的トルク内に伝達されてシャフト137を駆動する。
【0030】
動作制御システム170が、パワープラント100の動作を監視および制御することができる。本発明の実施形態によれば、動作制御システム170は、下記の過速度試験システムを実施することができる。
【0031】
理解されるように、本発明は、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として実施することができる。したがって、本発明は、全面的にハードウェアの実施形態、全面的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせる一実施形態の形態をとることができる。これらをすべて、本明細書では概して「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ぶ。さらに、本発明は、コンピュータ使用可能記憶媒体上でコンピュータプログラム製品の形態をとることができ、媒体内で実施されるコンピュータ使用可能プログラムコードを有する。本明細書では、「ソフトウェア」および「ファームウェア」という用語は交換可能であり、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、および不揮発性RAM(NVRAM)メモリを含めて、プロセッサによって実行するためにメモリ内に記憶された任意のコンピュータプログラムを含む。上記のメモリタイプは例示のみを目的としており、したがって、コンピュータプログラムの記憶に使用可能なメモリのタイプを限定するものではない。任意の適切なコンピュータ読取り可能媒体を利用することができる。
【0032】
コンピュータ使用可能またはコンピュータ読取り可能媒体は、たとえば、それだけに限定されるものではないが、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体のシステム、装置、デバイス、または伝搬媒体とすることができる。コンピュータ読取り可能媒体のより具体的な例(排他的でないリスト)には、1つもしくは複数のワイアを有する電気的接続、携帯型のコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能な読取り専用メモリ(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型のコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)、光記憶デバイス、インターネットもしくはイントラネットに対応するものなどの伝送媒体、または磁気記憶デバイスが含まれるであろう。コンピュータ使用可能またはコンピュータ読取り可能媒体は、たとえば紙または他の媒体の光走査を介してプログラムを電子的に捕獲し、次いでコンパイルし、解釈し、または必要に応じてその他の方法で適切に処理し、次いでコンピュータメモリ内に記憶できるため、紙またはプログラムが印刷された別の適切な媒体でも可能であることに留意されたい。本明細書では、コンピュータ使用可能またはコンピュータ読取り可能媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによってまたはこれらと接続して使用するためのプログラムを収容、記憶、通信、伝搬、または輸送できる任意の媒体とすることができる。
【0033】
本明細書では、プロセッサという用語は、本明細書に記載の機能を実行することが可能な中央演算処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、および任意の他の回路またはプロセッサを指す。
【0034】
本発明の動作を実施するコンピュータプログラムコードは、Java(商標)7、Smalltalk、またはC++などのオブジェクト指向プログラミング言語で書き込むことができる。しかし、本発明の動作を実施するコンピュータプログラムコードはまた、「C」プログラミング言語などの従来の手続き的プログラミング言語または類似の言語で書き込むこともできる。プログラムコードは、全面的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、そして部分的に遠隔のコンピュータ上で、または全面的に遠隔のコンピュータ上で、実行することができる。後者の場合、遠隔のコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を通じてユーザのコンピュータに接続することができ、または外部のコンピュータへ(たとえば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)接続することもできる。
【0035】
本発明について、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/またはブロック図を参照して以下に説明する。流れ図および/またはブロック図の各ブロック、ならびに流れ図および/またはブロック図内のブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実施できることが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供して、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、流れ図および/またはブロック図の1つまたは複数のブロック内に指定の機能/動作を実施する手段を作り出すような機械を生成することができる。
【0036】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ読取り可能メモリ内に記憶することができる。これらの命令は、特定の形で機能するようにコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に指示することができる。これは、コンピュータ読取り可能メモリ内に記憶された命令が、流れ図および/またはブロック図の1つまたは複数のブロック内に指定の機能/動作を実施する命令手段を含む製造品を作るような形で行われる。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上へロードすることもできる。これらの命令により、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で一連の動作ステップを実行して、コンピュータ実装プロセスを作ることができる。ここでは、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令は、流れ図および/またはブロック図のブロック内に指定の機能/動作を実施するステップを提供する。
【0037】
図を再び参照すると、図2A〜2B(集合的に図2)は、本発明の一実施形態による過速度保護システムを試験する方法200の一例を示す流れ図である。本発明の一実施形態では、操作者は、動作制御システム170を使用して、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)などを介して方法200の動作を監視および/または制御することができる。
【0038】
方法200の実施形態により、ユーザは、試験範囲と見なしうる広い速度範囲内でシャフトが回転している間に過速度保護システムを試験することができる。たとえば、それだけに限定されるものではないが、本発明の一実施形態では、試験範囲は、パージ速度前後からFSNL前後の範囲とすることができる。
【0039】
本発明の重要な利益は、2つの方法論を介して過速度保護システムを試験できることである。シャットダウン方法論では、ユーザは、パワープラント機械がたとえばそれだけに限定されるものではないがFSNLから減速している間に、過速度保護システムを試験することができる。始動方法論では、ユーザは、パワープラント機械がたとえばそれだけに限定されるものではないがFSNLへ加速している間に、過速度保護システムを試験することができる。各方法論の特徴および利点について、以下に論じる。
【0040】
ステップ205では、方法200は、過速度保護システムの試験が望ましいと判断することができる。ここでは、操作者は、GUIを使用して、過速度保護システムの試験が望ましいことを示すことができる。
【0041】
ステップ210では、方法200は、過速度試験許容度が満足されるかどうかを判断することができる。ユーザは、試験に不可欠な複数の許容度を構成することができる。これらの許容度を使用して、試験前に特有の動作状態を確保することができる。たとえば、それだけに限定されるものではないが、過速度試験許容度は、入口案内羽根の位置、圧縮器保護システムの状態、および吸気システムの状態、入口抽気熱などを含むことができる。過速度試験許容度が満足されない場合、方法200はステップ234へ進むことができ、そうでなければ方法500はステップ215へ進むことができる。
【0042】
ステップ215では、方法200は、どちらの過速度試験が選択されるかを判断することができる。ここでは、ユーザは、前述の試験方法論のどちらがパワープラント機械の動作状態に適しているかを選択することができる。
【0043】
ステップ220では、方法200は、シャフト137の速度が試験範囲内であるかどうかを判断することができる。論じたように、方法200の一実施形態では、試験範囲は、パージ速度前後からFSNL前後の値とすることができる。たとえば、それだけに限定されるものではないが、パージ速度はシャフト137の正常の動作速度の16%前後とすることができ、FSNLは100%前後とすることができる。ここでは、試験範囲は、16%前後から95%前後とすることができる。シャフト137の速度が試験範囲内である場合、方法200はステップ225へ進むことができ、そうでなければ方法200はステップ235へ進むことができる。
【0044】
ステップ225では、方法200は、ステップ210の試験許容度が維持されるかどうかを判断することができる。動作イベントにより、試験許容度が状態を変化させることがある。たとえば、燃料システムの問題により、早過ぎるフレームアウトおよび試験許容度の不足を招くことがある。試験許容度が維持されない場合、方法200はステップ235へ進むことができ、そうでなければ方法200はステップ230へ進むことができる。
【0045】
ステップ230では、ユーザは、試験を手動で中断することができる。ユーザは、動作上またはその他の点で、試験を中断する理由を発見することがある。たとえば、ユーザは、火炎検出器が信頼性の高い火炎状態の表示を提供していないことを発見することがあり、また火炎状態が重要な試験要件となることがある。ユーザが試験を中断した場合、方法200はステップ235へ進むことができ、そうでなければ方法200はステップ240へ進むことができる。
【0046】
ステップ235では、方法200は、過速度保護システムの試験を中断することができる。試験を中断した後、ガスタービン105の動作は、燃焼シャットダウンシーケンスへ戻ることができる。ユーザは、試験を中断したという通知を提供するように、方法200を構成することができる。通知は、それだけに限定されるものではないが、音声信号、グラフィック、または文字メッセージなど、様々な形態の警報とすることができる。
【0047】
図2Bに示すステップ240では、過速度トリップ設定点のデフォルト値が、試験範囲内の値に調整される。新しい値は、様々な機械、動作、および信頼性の要因の影響を受けることがある。これらの要因は、パワープラント機械タイプ、燃焼システム、動作状態、燃料タイプなどの間で変動することがある。この値は、トリップに関連する熱過渡を最小にする目的で設定することができる。本発明の一実施形態では、ユーザは、代替の過速度トリップ値を入力し、それによって特有の状態に対する調整手段を提供することができる。別法として、本発明は、代替の過速度トリップ値に対する値を自動的に生成および入力するように構成することができる。
【0048】
過速度トリップ設定点を変更した後、方法200はステップ245へ進むことができる。ここでは、ガスタービン105は、燃焼シャットダウン過速度トリップを受けることがある。トリップは、ガスタービン105の実際の速度が燃焼シャットダウン過速度設定点付近になった後に発生することがある。
【0049】
次いで方法200は、ステップ250で、緊急保護システムが正確に機能したかどうかを判断することができる。燃焼タービンでは、緊急保護システムは通常、燃焼システムへの燃料の流れを急速に停止し、それによって燃焼を消すように動作する。通常、データ記録手段を使用して、緊急保護システムの構成要素が正確に動作したことを検証する。緊急保護システムが正確に機能した場合、方法200はステップ260へ進むことができ、ステップ260で燃焼シャットダウン試験は成功し、そうでなければ方法200はステップ255へ進むことができ、ステップ255で燃焼シャットダウン試験は失敗する。本発明は、緊急保護システムが正確に機能したか否かをユーザに通知する警報システムと一体化させることができる。
【0050】
図3A〜3C(集合的に図3)は、本発明の一実施形態による使用中の図2の方法200を示す概略図である。図3は、シャットダウン方法論を適用する方法200を示す。ここでは、ガスタービン105は、FSNLから減速していることがある。
【0051】
話を簡単にするために、図3は、図1に示すパワープラント100のガスタービン105を主に示す。図3はまた、ガスタービン105の関連する動作パラメータを示す。これらのパラメータは、実際のタービン速度310(正常の動作速度の百分率として)、過速度トリップ設定点(正常の動作速度の百分率として)320、および燃焼システム120の火炎検出器を含む。図3はまた、停止/速度比バルブ152および複数のガス制御バルブ154を持つガス燃料システム150を示す。
【0052】
具体的に図3Aを参照すると、実際のタービン速度310が100%であり、過速度トリップ設定点320が110%であり、火炎検出器が火炎を示していることを示す。これらのパラメータは、タービン105がFSNL状態で動作していることを示唆する。
【0053】
燃焼シャットダウンが開始されて試験許容度(複数可)が満足された後、ユーザは、燃焼シャットダウン過速度試験を開始することができる。図3Bは、ガスタービン105が燃焼シャットダウンを受け、実際のタービン速度310が50%であり、火炎検出器が火炎を示していることを示す。本発明では、ユーザは、試験を手動で中断し、それによってガスタービン105上の燃焼シャットダウンを再開することができる。
【0054】
過速度試験は、過速度トリップ設定点320を自動的に調整する。ここでは、設定点320を48%まで下げる。
【0055】
設定点320を変更した後すぐ、過速度保護システムは、図3Cに示すようにガスタービン105をトリップさせなければならない。ガスタービン105のトリップにより、ガスタービン105へのガス燃料の流れが急速に停止し、それによって火炎を消す。図3Cは、火炎検出器130が火炎の存在を示していないことを示す。ガスタービン105がトリップした後、過速度トリップ設定点320は、デフォルト値に自動的にリセットすることができる。
【0056】
図4A〜4C(集合的に図4)は、本発明の代替実施形態による使用中の図2の方法200を示す概略図である。図4は、始動方法論を適用する方法200を示す。ここでは、ガスタービン105は、FSNLへ加速していることがある。
【0057】
話を簡単にするために、図4は、図1に示すパワープラント100のガスタービン105を主に示す。図4はまた、ガスタービン105の関連する動作パラメータを示す。これらのパラメータは、実際のタービン速度410(正常の動作速度の百分率として)、過速度トリップ設定点(正常の動作速度の百分率として)420、および燃焼システム120の火炎検出器を含む。図4はまた、停止/速度比バルブ152および複数のガス制御バルブ154を持つガス燃料システム150を示す。
【0058】
具体的に図4Aを参照すると、実際のタービン速度410が0%であり、過速度トリップ設定点420が110%であり、火炎検出器が火炎を示していないことを示す。これらのパラメータは、タービン105が始動モードで動作をすぐに開始できることを示唆する。
【0059】
始動が開始されて試験許容度(複数可)が満足された後、ユーザは、過速度試験を開始することができる。図4Bは、ガスタービン105が始動を受け、実際のタービン速度410が22%であり、燃焼システム120の火炎検出器が火炎を示していることを示す。本発明では、ユーザは、試験を手動で中断し、それによってガスタービン105上の始動を再開することができる。
【0060】
過速度試験は、過速度トリップ設定点420を自動的に調整する。ここでは、設定点420を20%まで下げる。
【0061】
設定点420を変更した後すぐ、過速度保護システムは、図4Cに示すようにガスタービン105をトリップさせなければならない。ガスタービン105のトリップにより、ガスタービン105へのガス燃料の流れが急速に停止し、それによって火炎を消す。図4Cは、燃焼システム120の火炎検出器が火炎の存在を示していないことを示す。ガスタービン105がトリップした後、過速度トリップ設定点420は、デフォルト値に自動的にリセットすることができる。
【0062】
図5は、本発明の実施形態による過速度保護システムを自動的に試験するための例示的なシステム500のステップ図である。方法200の要素を、システム500内で実施することができ、またシステム500によって実行することができる。システム500は、1つまたは複数のユーザもしくはクライアント通信デバイス502または類似のシステムもしくはデバイス(図5には2つ示す)を含むことができる。各通信デバイス502は、コンピュータシステム、携帯情報端末、セルラ電話、または電子メッセージの送受信が可能な類似のデバイスとすることができる。
【0063】
通信デバイス502は、システムメモリ504またはローカルファイルシステムを含むことができる。システムメモリ504は、読取り専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。ROMは、基本入出力システム(BIOS)を含むことができる。BIOSは、通信デバイス502の要素または構成要素間で情報を伝達するのを助ける基本ルーチンを収容することができる。システムメモリ504は、通信デバイス502の全体的な動作を制御する動作システム506を収容することができる。システムメモリ504はまた、ブラウザ508またはウェブブラウザを含むことができる。システムメモリ504はまた、方法200の要素と類似であり、またはこれらの要素を含みうる、過速度保護システムを自動的に試験するデータ構造510またはコンピュータ実行可能コードを含むことができる。システムメモリ504は、方法200と一緒に使用して直前の試験からのデータを自動的に記憶できるテンプレートキャッシュメモリ512をさらに含むことができる。
【0064】
通信デバイス502はまた、通信デバイス502の他の構成要素の動作を制御するプロセッサまたは処理ユニット514を含むことができる。動作システム506、ブラウザ508、データ構造510は、プロセッサ514上で動作可能とすることができる。プロセッサ514は、システムバス516によって通信デバイス502のメモリシステム504および他の構成要素に結合することができる。
【0065】
通信デバイス502はまた、複数の入力デバイス、出力デバイス、または組合せ入出力デバイス518を含むことができる。各入出力デバイス518は、入出力インターフェース(図5には図示せず)によってシステムバス516に結合することができる。入力および出力デバイスまたは組合せ入出力デバイス518により、ユーザは、通信デバイス502を操作し、通信デバイス502とインターフェースし、またブラウザ508およびデータ構造510の動作を制御して、ソフトウェアにアクセス、動作、および制御し、過速度保護システムを自動的に試験することができる。入出力デバイス518は、本明細書に論じた動作を実行するために、キーボードおよびコンピュータポインティングデバイスなどを含むことができる。
【0066】
入出力デバイス518はまた、ディスクドライブ、光学、機械、磁気、または赤外線入出力デバイス、モデムなどを含むことができる。入出力デバイス518を使用して、媒体520にアクセスすることができる。媒体520は、通信デバイス502などのシステムによって、またはシステムと接続して使用するためのコンピュータ読取り可能もしくはコンピュータ実行可能命令または他の情報を収容、記憶、通信、または輸送することができる。
【0067】
通信デバイス502はまた、ディスプレイまたはモニタ522などの他のデバイスを含むことができ、またはこれらに接続することができる。モニタ522を使用して、ユーザは、通信デバイス502と接続することができる。モニタ522は、過速度保護システムを自動的に試験するデータ構造510によって生成できる画像、グラフィックなどを提示する。
【0068】
通信デバイス502はまた、ハードディスクドライブ524を含むことができる。ハードドライブ524は、ハードドライブインターフェース(図5には図示せず)によってシステムバス516に結合することができる。ハードドライブ524はまた、ローカルファイルシステムまたはシステムメモリ504の一部を形成することができる。通信デバイス502の動作のために、システムメモリ504とハードドライブ524の間でプログラム、ソフトウェア、およびデータを伝達および交換することができる。
【0069】
通信デバイス502は、遠隔サーバ526と通信することができ、またネットワーク528を介して他のサーバまたは通信デバイス502に類似の他の通信デバイスにアクセスすることができる。システムバス516は、ネットワークインターフェース530によってネットワーク528に結合することができる。ネットワークインターフェース530は、ネットワーク528に結合するモデム、イーサネット(商標)カード、ルータ、ゲートウェイなどとすることができる。この結合は、有線接続であっても無線であってもよい。ネットワーク528は、インターネット、プライベートネットワーク、イントラネットなどとすることができる。
【0070】
サーバ526はまた、システムメモリ532を含むことができ、システムメモリ532は、ファイルシステム、ROM、RAMなどを含むことができる。システムメモリ532は、通信デバイス502内の動作システム506と類似の動作システム534を含むことができる。システムメモリ532はまた、過速度保護システムを自動的に試験するデータ構造536を含むことができる。データ構造536は、過速度保護システムを自動的に試験する方法200に関して記載のものと類似の動作を含むことができる。サーバシステムメモリ532はまた、他のファイル538、アプリケーション、モジュールなどを含むことができる。
【0071】
サーバ526はまた、サーバ526内の他のデバイスの動作を制御するプロセッサ542または処理ユニットを含むことができる。サーバ526はまた、入出力デバイス544を含むことができる。入出力デバイス544は、通信デバイス502の入出力デバイス518と類似のものとすることができる。サーバ526は、入出力デバイス544とともにサーバ526へのインターフェースを提供するモニタなどの他のデバイス546をさらに含むことができる。サーバ526はまた、ハードディスクドライブ548を含むことができる。サーバ526の異なる構成要素を、システムバス550が接続することができる。システムバス550を介して、ネットワークインターフェース552がサーバ526をネットワーク528に結合することができる。
【0072】
図中の流れ図およびステップ図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点で、流れ図またはステップ図内の各ステップは、指定の論理機能(複数可)を実施する1つまたは複数の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント、または部分を表すことができる。いくつかの代替実装形態では、ステップ内に記載の機能は、図に記載の順序以外で行いうることにも留意されたい。たとえば、連続して示す2つのステップは実際には、関係する機能に応じて、実質上同時に実行することができ、または時には、これらのステップを逆の順序で実行することもできる。ブロック図および/または流れ図の各ステップ、ならびにブロック図および/または流れ図内のステップの組合せは、専用のハードウェアおよびコンピュータ命令の指定の機能もしくは動作または組合せを実行する専用のハードウェアベースのシステムによって実施できることにも留意されたい。
【0073】
当業者には理解されるように、いくつかの例示的な実施形態に関連して上記で記載の多くの様々な特徴および構成をさらに選択的に適用して、本発明の他の可能な実施形態を形成することができる。下記のいくつかの請求項によってまたはその他の形で包含されるすべての組合せおよび可能な実施形態を本出願の一部であるものとするが、本発明のすべての可能な反復が提供されているわけでも詳細に論じられているわけでもないことが、当業者にはさらに理解されるであろう。さらに、本発明のいくつかの例示的な実施形態の上記の説明から、改善形態、変更形態、および修正形態が、当業者には理解されるであろう。当技術分野の範囲内のそのような改善形態、変更形態、および修正形態はまた、添付の特許請求の範囲によって包含されるものとする。さらに、上記は、本出願の記載の実施形態のみに関すること、そして以下の特許請求の範囲によって定義する本出願の精神および範囲ならびにその均等物から逸脱することなく、多数の変更および修正を本明細書に加えうることが、明らかになるはずである。
【符号の説明】
【0074】
100 パワープラント
105 ガスタービン
110 圧縮器部
120 燃焼システム
125 タービン部
130 排気部
135 排気
137 シャフト
140 HRSG
145 蒸気
147 凝縮水
150 ガス燃料システム
152 停止/速度比バルブ
154 複数のガス制御バルブ
160 蒸気タービン
165 復水器
167 発電機
170 動作制御システム
200 方法
310 実際のタービン速度
320 過速度トリップ設定点
410 実際のタービン速度
420 過速度トリップ設定点
500 システム
502 通信デバイス
504 システムメモリ
506 動作システム
508 ブラウザ
510 データ構造
512 テンプレートキャッシュメモリ
514 プロセッサ、処理ユニット
516 システムバス
518 入出力デバイス
520 媒体
522 モニタ
524 ハードディスクドライブ
526 遠隔サーバ
528 ネットワーク
530 ネットワークインターフェース
532 システムメモリ
534 動作システム
536 データ構造
538 他のファイル
542 プロセッサ
544 入出力デバイス
546 他のデバイス
548 ハードディスクドライブ
550 システムバス
552 ネットワークインターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワープラントの過速度保護システムを試験する方法(200)であって、
パワープラント機械(105、145)、シャフト(137)、および動作制御システム(170)を備えるパワープラント(100)を用意するステップであり、前記動作制御システム(170)が、前記パワープラント機械(105、145)を動作させるように構成されており、前記動作制御システム(170)が、前記シャフト(137)に関連する過速度イベントを検出するように構成された過速度保護システムを備える、ステップと、
前記シャフトの速度が試験範囲内であるかどうかを判断するステップ(220)と、
過速度トリップ値を前記試験範囲内の値に変更するステップ(240)と、
前記過速度保護システムが前記パワープラント機械をトリップさせるように動作するかどうかを判断するステップ(245、250)とを含み、
前記過速度保護システムの試験中にトリップが発生する可能性を低減させる、方法(200)。
【請求項2】
前記パワープラント(100)が複数のパワープラント機械(105、145)を備える、請求項1記載の方法(200)。
【請求項3】
前記複数のパワープラント機械(105、145)がガスタービン(105)および蒸気タービン(145)を備え、前記シャフト(137)が、前記ガスタービン(105)と前記蒸気タービン(145)を一体化させて、蒸気およびガス伝動装置(STAG)を形成する、請求項2記載の方法(200)。
【請求項4】
前記試験範囲が、ほぼパージ速度からほぼ無負荷定格速度(FSNL)速度までを含む、請求項1記載の方法(200)。
【請求項5】
前記過速度保護システムを試験する方法論を選択するステップ(215)をさらに含み、前記方法論が、前記パワープラント機械(105、145)がシャットダウンモードで動作しているときに使用するように適合されたシャットダウンモード手順と、前記パワープラント機械(105、145)が始動モードで動作しているときに使用するように適合された始動モード手順とを含む、請求項1記載の方法(200)。
【請求項6】
前記シャットダウンモード手順が、
a.試験許容度が満足されるかどうかを判断するステップ(225)と、
b.燃焼シャットダウン過速度試験を開始するステップ(240)と、
c.過速度トリップ設定点をシャットダウントリップ設定点に変更するステップ(240)とを実行する、請求項5記載の方法(200)。
【請求項7】
前記始動モード手順が、
a.前記パワープラント機械の始動が開始されたかどうかを判断するステップ(215)と、
b.試験許容度が満足されるかどうかを判断するステップ(225)と、
c.過速度トリップ設定点を始動トリップ設定点に変更するステップ(240)と
を実行する、請求項5記載の方法(200)。
【請求項8】
緊急保護システム(170)が、前記パワープラント機械(105、145)に関連する調速機システム(150、152、154)を制御し、前記調速機システム(150、152、154)が、前記シャフト(137)の速度を部分的に制御する、請求項1記載の方法(200)。
【請求項9】
前記試験許容度が維持されない場合、前記始動モード手順を中断するステップ(235)をさらに含む、請求項1記載の方法(200)。
【請求項10】
前記緊急保護システムが前記パワープラント機械(105、145)の動作を制御するかどうかを判断するステップ(250)をさらに含む、請求項1記載の方法(200)。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−197007(P2011−197007A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62674(P2011−62674)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】