説明

ビデオ画像を表示するための装置及び方法

ビデオ画像を表示する方法は、処理装置においてシーケンシャルな画像フレームを受け取ることを含む。各画像フレームが処理されて、キノフォームを得る。SLMなどのプログラム可能な回折素子が、キノフォームのシーケンスを表示し、それによって適当な照明ビームを用いた画像の再生を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ホログラフィ技術を用いて、ビデオ画像を表示するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラフィ、例えば、コンピュータ生成ホログラム(CGH)を用いて画像を表示する様々な構成が知られている。既に知られているかかる構成の1つが、米国特許第6437919号に記載されており、この特許では、電子的にアドレス可能な空間光変調器(SLM)がアドレスされて、画像の3Dホログラフィ表示を実現している。このSLMが適当な照明源によって照明されると、結果として、画像が再生領域(RPF)に再構築される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ホログラフィ表示装置等の既存の投影表示装置に伴う問題は、光効率が低く、また、3D表示装置が多数の画素を必要とすることである。
【0004】
更に、ホログラフィ的に生成される2Dビデオ画像が、特に精細度及び効率の点において、従来の投影された相当物(projected counterpart)に優る大きな利点を有することが知られている。しかし、現在のホログラム生成アルゴリズムの計算の複雑性は、リアルタイム・アプリケーションにおけるそれらのアルゴリズムの使用を妨げている。更に、既存のアルゴリズムが十分に高速であったとしても、それらのアルゴリズムによって生成される画像は、表示装置に応用するのに十分なほどの質のものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、特許請求の範囲に記載されている。
【0006】
位相限定変調(phase only modulation)用に構成されたLCOS(リキッド・クリスタル・オーバー・シリコン)デバイス等の、プログラム可能な回折素子にプログラム可能なキノフォームを使用するので、この表示装置の効率は、照明ビームの振幅変調に依存する既存のシステムに比べて遙かに増大される。その結果、最小の光損失を有するリアルタイム・ビデオが実現され得る。更に、本発明は、最適化アルゴリズムの間に生成されるキノフォームの時間多重化多反復によって、改善されたノイズ軽減技術を提供することができる。
【0007】
更に、再構築されたキノフォーム画像は、キノフォームをビデオ・フレーム・レートで動的に表示するデバイスと、必要な位相分布をリアルタイムに計算するハードウェアと共に、特に効率及び画素損失に対する堅牢性の点において、従来の投影された相当物に優る大きな利点を有する。
【0008】
LCOSデバイス上に電子的に書き込まれるキノフォームの場合、用語「キノフォーム」は、対象物の波面の位相変調だけが計算される位相ホログラムを表すどんな位相分布も包含することが理解されるであろう。表現しやすいように、用語「キノフォーム」及び「ホログラム」は、本明細書では互いに置き換え可能に使用される。ビデオへの言及については、特定の任意の種類の画像内容を表すデータに限られるものではなく、1つ又は複数の静止画像を表すデータも含み、これらのデータは、周期的又は定期的にリフレッシュされる。
【0009】
次に、本発明の実施形態が、図面を参照して説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下の説明では、同様の参照符号はそれぞれの図にわたって同様の部品を参照する。
【0011】
概括的には、本願は、コンピュータ生成位相限定ホログラム(一般にキノフォームとして知られる)からビデオ画像を投影するための装置を対象とする。こうしたキノフォームは、それらのキノフォームが、位相限定変調器として効率的に動作するように構築された、画素化リキッド・クリスタル・オーバー・シリコン(LCOS)空間光変調器に表示されるように、迅速に再構成されることが可能でなければならない。このLCOS位相限定SLMは、部分的にコヒーレントな光源(レーザ又はスーパー・ルミネッセント発光ダイオード、すなわちLED等)から適切に拡大されたビームによって照明され、その位相限定キノフォームは、遠視野における実強度画像に変換される。この遠視野は、このフーリエ変換を実行するため投影レンズを用いてより近くに移されることができる。ビデオ画像を形成するビデオ・フレーム又はサブフレームは、ハードウェア・ベースの高速処理装置(例えばFFT、FPGA、及びDS処理装置)を用いてそれらのフレームのフーリエ変換を高速で計算することによって、且つ(例えば)位相回復のためのGerchberg−Saxtonアルゴリズム(参照J.R.Fienup著「Phase retrieval algorithms:a comparison(位相回復アルゴリズム:比較)」Applied Optics 21巻(15)2758〜2765頁(1982年)、並びにR.W.Gerchberg及びW.O.Saxton著「A practical algorithm for the determination of phase from image and diffraction plane figures(画像及び回折平面像からの位相決定のための実際的なアルゴリズム)」Optik 35 237〜246頁(1971年)、これらは共に参照により本明細書に組み込まれる)に関連する方法を使用することによって、キノフォームに変換される。
【0012】
図1を参照すると、ビデオ表示装置が、全体が10で示されるホログラフィ・ビデオ投影装置を含む。投影されるべきビデオ画像を含む対象物12が、処理装置14によって受け取られ、処理されて、プログラム可能な回折素子16、例えば空間光変調器においてキノフォームを形成する。このキノフォーム16は、照明源18によって照明されて画像20を形成する。スクリーン上に再生を投影するため、並びに、例えば、0次影響を除去する、又は画像のノイズを軽減するために、光学系22が、キノフォーム16と画像20との間に設けられる。
【0013】
処理装置14内で生成され、且つSLM16によって表示されるようにプログラムされるべきこのキノフォームは、位相ホログラムの表示、例えば、L.B.Lesem、P.M.Hirsch、J.A.Jordan著「The kinoform:a new wavefront reconstruction device(キノフォーム:新しい波面再生デバイス)」IBM J.Res.Devel.150〜5頁(1969年3月)に記載されている種類のものを含む。この技術は位相限定変調に依存するので、振幅変調による光損失がない。更に、このSLMは、画像化(imaging)と言うよりも、回折である。これらの処理ステップは、以下でより詳細に説明されるように、キノフォームの生成ステップと、キノフォームのSLMへの符号化ステップと、ノイズ軽減ステップとを含む。その結果、複雑な時間変動画像、又は、迅速にリフレッシュする画像の、高品質、高空間及び時間分解能の投影が実現される。
【0014】
図2〜5は、本発明の第1〜第4の実施形態による単段式構成を示す。図2は、図1のブロック図の様々な構成部品をより詳細に示す。例えば、照明光学系は、レーザ200をビーム・エクスパンダ202と共に含む。プログラム可能な回折素子は、スクリーン208上に投影するSLM206を含む。偏光ビーム・スプリッタ204を含む中間光学素子が、反射/透過モードで設けられ、照明ビームをSLM206上に反射し、このSLM206は、次いで、そのミラーを介して変調されたビームをスクリーン208上に反射する。個々の構成部品は、適当な任意の構成部品でよく、例えば、レーザ、ビーム・エクスパンダ、及び偏光ビーム・スプリッタは、システムの光学的要件に従って選択されることができる。位相限定変調用に改変される場合、例えば、Holoeye社やCRLO Displays社によって供給されるような、従来型のLCOSデバイスがSLMに適している。かかる改変形態は、位相変調に45度から90度まで増大させた理想的なスイッチング角度を用いる、位相変調用の強誘電性液晶LCoSデバイスを用いた2値位相を含むことができる。その場合、偏光子又は検光子は必要とされない。或いは、光軸が液晶層の平面において回転する液晶電気光学効果、例えばネマチック液晶におけるエレクトロクリニック効果、V形スイッチング又はフレキソエレクトリック効果を使用する高速アナログLCoSデバイスが導入されてもよい。また、これらのどの場合でも、理想的なスイッチング角度は45度であり、この角度は、LCoSデバイスのミラー(図示せず)を覆って1/4波長板(QWP)を組み込むことによって近似される。ミラーとQWPとの組合せは、有効スイッチング角度を2倍にし、45度に近いスイッチング角度を有する電気光学効果が使用されることを可能とする。代替実装形態は、ネマチック液晶を使用し、画素電圧に対するアナログ応答を有するLCoSデバイスである。これらのデバイスは、強度限定投影(intensity only projection)に使用されるこの種の従来型ネマチックLCoSデバイスとは異なる。この液晶の構成は、より優れたアナログ位相応答を生じるように改変されることができ、LCoSデバイスの、入射デバイスの偏光状態に対する構成は変更される。その場合、位相限定投影に検光子は必要とされない。LCoSデバイスの製造が、H.C.Stauss著「The resurgence of LCOS displays(LCOS表示装置の再起)」、Information Display(2004年11月、20巻(11)、16〜20頁)に更に記載されている。
【0015】
図8を参照すると、2値SLM(100)の一実施形態の部分断面図が示されている。SLM(100)は、図面では複数の画素(120〜123)を有するが、これらの画素は、実際には2次元のマトリックスに配置されることが理解されるであろう。各画素(120〜123)は、0又はπの位相シフトをもたらすように電気的に制御されることが可能である。SLMの各画素(120〜123)は、その上に重なり、且つその各画素に対応して配設されたそれぞれの位相マスク画素(130〜133)を有する。図で分かるように、第1、第3、及び第4の位相マスク画素(130、132、133)は、比較的薄い厚さを有し、一方、第2の位相マスク画素(131)は、比較的厚い厚さを有する。こうした厚さの差は、位相マスクの材料、及び使用される光の波長に基づいて選択される。この選択は、より厚い画素(131)を通過する光が、より薄い画素(130、132、133)を通過する光よりもπ位相シフトの影響を受けやすくするものである。
【0016】
SLM又は同様のデバイスが反射型である場合、光は、位相マスクを2回通過することになり、それに対応して厚さの変更が必要とされることになる。
【0017】
本実施形態では、位相マスクはSLM(100)上の被覆として形成される。当然ながら、他の構成を使用すること、例えば、2つのほぼ同一のSLMを使用し、一方でデータの表示を行い、他方で位相マスクを形成することも可能である。
【0018】
図2に示される構成の特有の利点は、キノフォームの形の位相分布を使用するので、投影光学系のいくつか、又は全てが、例えばフレネル型オン・アクシス・ホログラムをもたらすマイクロ投影装置等の低コスト・システム用の2次位相項として、LCOSデバイスのキノフォームに組み込まれることができることである。
【0019】
図3を参照すると、追加のレンズ210が組み込まれて、投影光学系を形成する、フラウンホーファ(又はフーリエ)・ホログラムを使用した代替実施形態が示されている。
【0020】
投影の際に主要なノイズ源となる、ホログラム内の0次スポットを除去するために、ホログラムに線形位相項が加えられる場合、次いで、図4及び5にそれぞれ示されるように、フレネル型又はフラウンホーファ型オフ・アクシス構成が採用され得、これらの構成では、スクリーン208と、適切には、投射光学系210とがオフ・アクシスに設けられ、従って、0次スポットがなくなる。
【0021】
図6及び7を参照すると、第5及び第6の実施形態の2段式構造体が示されている。これらの構造体によれば、追加の中間光学系が、光学的にアドレス可能な空間光変調器(OASLM)を含み、それによって追加のノイズ軽減を実現している。
【0022】
まず図6を参照すると、キノフォームがSLM600上に表示され、複製光学系602を介してOASLM604上に多重化される。その結果、同一又は異なる位相ホログラムの多バージョンが、OASLM上で空間的に多重化され、これらのホログラムは、米国特許第6437919号に記載されているような振幅ホログラムに使用される方式に従って、変換投影光学系を介してスクリーン608上に投影され、前記特許の内容は参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0023】
投影される画像のスポット寸法は、照明ビームの開口に反比例し、且つフーリエ投影システムの有効焦点距離に比例する。LCOS等の従来型のSLMによってもたらされる小開口(対角線で12〜32mm)は、画像をより大きいOASLM上に空間多重化することによって増大される。その結果、既存のSLMは、改変せずに使用されることができ、これは、高品質の変調画像が、OASLM光センサにリアルタイムで光学的に書き込むのに理想的であるからである。SLM上の多数の画素からの回折損失は、OASLM上の隣接したタイル上に画像を多重化することによって低減され、従って、SLMによって回折された1次(first order)を効果的に増幅させることになる。投影される画像のスポット寸法は、結果として得られるシステムのより広い光学開口によってより小さくなり、更に、OASLM構造体は、この実装形態に良く適しており、その理由は、それがある場合にはより高次(order)に回折損失を生じることになる微細な画素化がないため、また、この構造体が強誘電性液晶を駆動するのに適しているため、参照により本明細書に組み込まれる参照文献S.Mias、I.G.Manolis、N.Collings、T.D.Wilkinson、及びW.A.Crossland著「Phase−modulating bistable optically addressed spatial light modulators using wide−switching−angle ferroelectric liquid crystal layer(広スイッチング角度強誘電性液晶層を使用した、位相変調双安定光学アドレス化空間光変調器)」、Optical Engineering44巻(1)(2005年)に記載されるような堅牢な位相変調をもたらすことになるからである。その結果、高いコントラストの画像が実現される。
【0024】
図7は、SLM610の多ビット・フレームが、OASLM上で空間多重化する多値ホログラム(multilevel hologram)をもたらす代替の2段式構造体を示し、例えば、以下でより詳細に説明されるように、カラー、グレー・スケール、又はその他の方法によるキノフォームのそれぞれの分解が、次いで組み合わされて最終画像を形成する。
【0025】
・キノフォームの符合化:2値及び多値キノフォーム
複製及び変換投影光学系は、適当な任意の種類のものでよく、例えば、変換投影光学系は、フーリエ変換レンズでよいことが理解されるであろう。同様に、OASLMも適当な任意の種類のものでよく、例えば参照により本明細書に組み込まれる、S.Mias等のOpt Eng2005年1月に記載されたようなものでよい。
【0026】
例えば2値又は多値量子化等の、適当な任意の符合化方式も採用され得ることが理解されよう。図9aに示される2値方式によれば、SLM900は、複数の画素又は最大スイッチング角度θ=90°を有するスイッチング素子902を含む。LCOSデバイスの4分の1波の厚さの結果として、遠視野906において0次スポットは形成されない。
【0027】
LCOSデバイスを含む代替のSLMが図9bに示されており、このSLM900は、90°未満の最大スイッチング角度を有するスイッチング素子902を含む。従って、Eout904の対称分布を示すグラフから分かるように、遠視野906に0次スポットが形成され、その結果、例えば、図4及び5を参照して説明されたオフ・アクシス技術が実施され得ることになる。
【0028】
代替の符号化/量子化方式では、2値位相デバイスに優る更なる利点が実現され得る(下記参照)。この代替実施形態によれば、多値量子化が採用され、この場合、より多くの光が所望の画像の方に送られる。多値量子化を実現するデバイスは、正の誘電異方性を有する0ツイスト・ネマチックLCOSデバイス(E Hallstig、T Martin、L Sjoqvist、M Lindgren著「Polarisation properties of nematic liquid crystal spatial light modulators for phase modulation(位相変調のためのネマチック液晶空間光変調器の偏光特性)」Jnl.Opt.Soc.Am.A.、2004年8月)を含む。また、パイ・セル・ネマチック液体デバイスが使用されてもよく、同様に、垂直に配置されたネマチック液晶デバイス、及び2周波ネマチック・デバイス(K.Bauchert、S.Serati、A.Furman著「Dual frequency nematic SLMs for phase modulation(位相変調のための2周波ネマチックSLM)」、Proc SPIE 4734 35〜43頁(2002年))も使用され得る。使用され得るより高速なスイッチング速度を有し得るスメクチック液体デバイスは、エレクトロクリニックLCOSと、ねじれ螺旋型(deformed helix)LCOSと、タンデム2値LCOSと、V形スイッチングLCOS(M.O’Callaghan著「Switching dynamics and surface forces in thresholdless V−shaped switching ferroelectric liquid crystals(閾値のないV形スイッチング強誘電性液晶におけるスイッチング力学及び表面力)」Phys Rev.E67、011710(2003年))とを含む。多値位相を使用する主な利点は、2値キノフォームの場合には強度がプラスとマイナスとに対称次(symmetric order)で同等に分布するのとは違って、このキノフォームは全ての光を1つの回折次に向けて送ることが可能であることである。更に、このキノフォームは、量子化誤差が低減されて表示され得、その結果、再生領域においてノイズがより低くなる。キノフォームのより高い情報量が、より高度な忠実度での再構築を実現する。
【0029】
リアルタイムでのキノフォームの計算
次に、上で説明された装置が、リアルタイム・ビデオ・ホログラフィ投影を生成するのに使用され得る対応(manner)が以下で説明される。図10を参照すると、第1の方法実施形態では、ビデオ信号から直接生成された、m×m画素の入力強度領域Txyを表す信号(802)が、第1の処理ブロック(801)を有する処理装置(820)に入力される。この実施形態では、処理装置(20)は、所望の関数を実施することを可能とするコードを実行するフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)を含む。他の実施形態ではASICが使用され、更に他の実施形態では、プログラム化汎用コンピュータが使用される。各前記複数の画素化ホログラムを得るための第1の処理ブロック(801)は、出力(803)において、次式
【数1】

で表現される第1のデータ・セット
【数2】

を生成し、従って、第1のデータ・セット
【数3】

は、所望の画素の振幅に等しい振幅と、同様に分布された(i.i.d.)一様にランダムな位相とを有する。
【0030】
第1のデータ・セット(803)は、第2の処理ブロック(804)に当てはめられ、それによって、出力(5)において、
【数4】

(但し、F−1は2次元逆フーリエ変換を表す)を満たす第2のデータ・セット
【数5】

を生成する。
【0031】
次いで、第2のデータ・セットは、第3の処理ブロック(806)によって、複素平面の実数の方向に(すなわち右に)十分シフトされて、第3のデータ・セット(807)を生成し、このデータ・セットでは、各データ点の位相は小さくなる。第3の処理ブロック(806)は、Rを
【数6】

を満たす最小の正の実数として生成し、且つ、第2のセットの各データ項目に実数α(但しα>>R)を加算して、出力(807)において第3のセット
【数7】

を生成する。
【0032】
出力(807)における第3のデータ・セットは、関数
【数8】

を実行する、振幅生成用の第5の処理ブロック(808)に当てはめられ、それによって
【数9】

が第4のデータ・セット(809)として出力される。
【0033】
次いで、この第4のデータは、関数
【数10】

(但し
【数11】

)を実行する2値化ステージ(810)に供給されて、第5のデータ・セット(811)を生成し、前記ホログラムとして表示されることになる。
【0034】
第5のデータ・セット(11)は、強誘電性液晶SLM(12)に供給されて表示され観察(viewing)されることになる。この実施形態では、強誘電性液晶空間光変調器が使用されているが、DMD等のMEMSデバイス等の非液晶技術に加えて、他のデバイス、例えばネマチックSLM、OASLM(光学アドレス化空間光変調器)、及び、例えば、エレクトロクリニック、パイセル、フレキソエレクトリック、アンチフェロエレクトリック、フェリエレクトリック、V形スイッチング・セル、及びゲスト・ホスト色素セル等を含む、より新型(exotic type)の液晶表示装置が代用されてもよい。このデバイスは、透過型でも反射型でもよい。
【0035】
単一の計算集中ステップ、すなわち逆フーリエ変換しか存在しないので、現在のハードウェアでも、ビデオ・フレーム当たり複数、例えば40のホログラムをリアルタイムに生成することが可能となる。
【0036】
第2の方法実施形態では、改変されたプロセスが、2N個の互いに異なる(distinct)m×m2値位相ホログラム
【数12】

の組を生成し、これらは、同一の目標画像に近似する再生領域をそれぞれ生成する。このプロセスの鍵となる特徴は、各ホログラムによって生成されるノイズ領域はi.i.d.となり、従って、上の条件を満たすことである。
【0037】
このプロセスは、目標強度画像Txyの特定化(specification)から始まり、以下のように進む。
1.
【数13】

とし、但し
【数14】

は、1≦n≦N、1≦x、y≦mに対して0から2πの範囲で一様に分布される。
2.
【数15】

とし、但し、1≦n≦Nに対して、F−1は2次元逆フーリエ変換操作を表す。
3.
【数16】

とし、但し1≦n≦Nである。
4.
【数17】

とし、但し1≦n≦Nである。
5.
【数18】

とし、但し
【数19】

且つ1≦n≦2Nである。
【0038】
このプロセスのステップ3及び5は、第1の実施形態のステップ3、4及び5と全く等しいが、追加ステップ(このプロセスでは4番目)が加えられている。従って、ここで生成されるホログラム
【数20】

は、元のアルゴリズムによって生成されるホログラム
【数21】

と厳密に同一であり、この場合のみ、ホログラム
【数22】

もまた、「無償で(for free)」すなわち、更なるフーリエ変換ステップの必要なく得られる。
【0039】
ステップ1は、供給された強度目標Txyの振幅に等しいが、i.i.d.一様ランダム位相を有するN個の目標
【数23】

を生成する。ステップ2は、完全複素フーリエ変換ホログラム
【数24】

に対応するNを計算する。ステップ3、4は、これらのホログラムの実数部及び虚数部をそれぞれ計算する。次いで、これらのホログラムの実数及び虚数部の2値化が、ステップ5でそれぞれ実施され、すなわち、
【数25】

の中央値付近を閾値とする(threshold)ことによって、同じ数の−1及び1点がホログラム内に存在することが確実となり、従って、(定義上)DCバランス、更には、最小の再構築誤差を実現する。従って、第1の実施形態のプロセスを使用すると、1つのホログラムが得られたが、それに対し、Txyに1回のフーリエ変換を実施すると、2つの2値位相ホログラムHxyが得られる。
【0040】
どんな純粋にリアルなホログラム(2値位相ホログラム等)も、再生領域に共役像を生成し、それによって利用可能な領域を減少させ、従って、その効率が半分までに低減することになる。
【0041】
この共役像は、各画素が値[1、j、−1、−j]の1つをとる4位相ホログラムを生成することによって除去され得るが、かかるホログラムは、強誘電性SLM等の本質的に2値のデバイス上には表示されることができない。ネマチック液晶デバイスでは、3つ以上の位相値が表示され得るが、これらの位相値は、現時点では、上述されたアルゴリズムによって実現されるような高速のフレーム・レートに応用するには低速すぎる。
【0042】
しかし、2値位相SLMの頂部表面において、画素値1及びjの画素化位相マスクをエッチングすることによって、(すなわち、0及びπ/2の位相シフトをそれぞれに課すことによって)、共役像は、除去され得る。上記は、SLMと位相マスクとの組合せによって課される正味の変調が、[1、j、−1、−j]の組に存在するように、マスクの画素値をランダムに設定することによって実現され、このことが、SLM自体が2値であるという事実にも関わらず、(追加のRPFノイズを犠牲にして)共役像を除去するのに必要とされる追加の自由度をもたらす。この技術は、相関器設計において使用されてきており、本明細書では表示装置の用途に応用される。マスクの画素値はランダムであり、従って統計学的に等しい数の各位相シフト値があるという点で「dcバランス」を有するが、このマスク自体は固定されており、各位相シフト値の画素位置は知られている。
【0043】
他の実施形態では、完全にランダムではない位相シフト分布が使用される。
【0044】
位相マスクを使用するために上述されたアルゴリズムを改変するには、第2のブロック(4)が改変されて
【数26】

を満たす
【数27】

をもたらし、但し、Pxyはランダムに生成された位相マスクを定義し、従って、各画素は、値1又はjをとる等しい確率を有することになる。
【0045】
この技術の有効性をシミュレーションにおいて評価するために、2つのテスト・パターンでホログラムが生成され、各ホログラムは2回複製され、この複製ステップは、アルゴリズムのステップ2と3との間で実施された。形成された再生領域は、共役像が効果的に除去されることを示し、また、シミュレーションは、位相マスクの使用が、生成されたRPFの信号対雑音比(SN比)をそれほどは劣化させないことを示した。
【0046】
前述の考察は、フーリエ・ホログラムを使用して遠視野に所望の2D構造体を生成することに関する。また、この方法は、近視野にある構造体を生成するフレネル・ホログラムを生成するのにも拡張されることができ、この方法は、特に、レンズのない光学構成に有用である。上で議論されたように、ホログラム自体が集光要素(focussing element)を符合化するので、フレネル・ホログラフィは、レンズのない投影を可能にするという利点を提供し、従来型の投影表示システムに優る、明白な重量、費用、及び寸法節減をもたらす。
【0047】
この離散フレネル変換は、フーリエ変換と密接に関連し、波長λのコヒーレント光で照明されたときに、(寸法X×Y、且つ画素寸法Δ及びΔに相当する)ホログラムGxyによって距離fに生成された近視野Txyを表す。ホログラムにそれほど近すぎずに画像化(imaging)する場合、その変換は、
【数28】

で与えられ、対応する逆変換は、
【数29】

である。
【0048】
従って、処理ブロック(4)が
【数30】

を満たす
【数31】

をもたらす場合、フレネル・ホログラムは、ホログラムから指定された距離fに目標画像を形成するように生成される。
【0049】
説明されたこの技術は、3Dホログラフィ・ビデオ表示装置における3Dホログラム生成用に改変され得る。対象物の3Dホログラムとは、対象物の前にある平面の、(その対象物によって散乱された光によって生成される)複雑な電磁界の単なる記録である。ホイヘンスの原理により、平面P上のEM界の分布が分かっている場合、ホイヘンス小波が空間を通って伝播されて、3D空間の任意の点においてそのEM界を評価することができる。従って、この平面ホログラムは、平面の前のどんな位置及び角度からもその対象物を見るのに必要な全ての情報を符合化し、従って、理論的には、その対象物と工学的に見分けが付かない。実際には、記録媒体の画素解像度における制約が、視角θを制限し、この視覚は、2Dの場合と同様に、画素寸法Δに反比例して変動する。
【0050】
z軸に垂直で、原点と交差する平面、及びその背後にある、位置(X、Y、Z)における波長λ及び振幅Aのソース・エミッタの1つの点について考慮する。平面上の位置(x、y)に存在する領域F、すなわちホログラムは、
【数32】

(但し
【数33】

)で与えられる。
【0051】
3Dシーンが(X、Y、Z)における振幅AのM源として考えられる場合、EM伝播の線形性質によって、全領域ホログラム(total field hologram)Fは、
【数34】

(但し
【数35】

)となる。
【0052】
F(x、y)が、xmin≦x≦xmax、ymin≦y≦ymaxの領域にわたってサンプリングされてm×mのホログラムFxyを形成する場合、
【数36】

(但し
【数37】

)が得られる。
【0053】
従って、上記のように、点源の所与のアレイに関し、N個のフル・パララックス3Dホログラム
【数38】

を生成する、(SLM位相マスクを用いた)アルゴリズムが提示される。
【数39】

とし、但しrは上記通りで、
【数40】

は1≦n≦N、1≦i≦Mに対して0から2πの範囲で一様に分布される。
【数41】

とし、但しPxyは先のセクションで説明されたように、予め計算された[1、j]位相マスクである。
【0054】
Rを
【数42】

を満たす最小の正の実数とする。Rは、
【数43】

によって取られる各値が有限であるため存在し、従って
【数44】

はコンパクト・サポートを有する。
【数45】

とし、但しαは実数で、且つRよりも遙かに大きい。
【数46】

とし、但し
【数47】

である。
【0055】
このアルゴリズムをテストするために、解像度512×512、寸法が平面Pの原点を中心に2mm×2mm、画素寸法Δ=4μm、従って、コヒーレントな赤色照明(λ=632nm)下での視覚角度が約9度の、N=8のホログラムの計算について考察される。使用された3Dシーンは、平面から1.91m離れた位置に、寸法12cm×12cm×18cmのワイヤーフレーム直方体を形成した944の点源の一組であった。
【0056】
シミュレートされた生成RPFは、ホイヘンス小波を、N個のホログラムから次いでピンホール開口Kを介して仮想スクリーン(立方体の中心からピンホールまでのラインに垂直な平面)上に伝播させ、スクリーン上の時間平均された強度分布を記録することによって計算された。
【0057】
遺憾ながら、2D用に記述されたアルゴリズムとは異なり、上記の3Dアルゴリズムにおけるステップ1の計算は、現在の消費者ハードウェアでは、非常に少ない数の点源のシーン以外はリアルタイムに実現可能ではないと考えられる。しかし、このアルゴリズムによって生成される、必要とされるホログラムは、計算且つ記憶されて、リアルタイムに呼び出されることができる。リアルタイム3次元ホログラムの生成には、遙かに強力な計算が必要とされることがあるが、かかる計算が必要とされないように提案する形でこの計算を最適化することが可能であることが判明してきている。
【0058】
上で詳細化されたホログラフィ投影方法は、ハードウェアにおいて実現可能である。書込み時には、市販のFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)が、512×512フーリエ変換を少なくとも2400フレーム/秒の速度で計算する市販のコードを使用してプログラムされ得、この速度はフル・カラー映像(25フレーム/秒、3色平面、N=32)に十分である。表示装置には、市販のSLMが、少なくとも512×512の解像度で、十分なフレーム・レートを表示することができる。複数のカラーが必要とされる、例えばフル・カラー表示の場合、別々の照明装置を使用することが可能である。或いは、複数のカラー出力が可能な単一の装置がその代わりに使用されてもよい。
【0059】
2つの重要な設計問題が認識されてきている。
【0060】
第1に、位相ホログラフィ素子における光損失は小さく、全体のエネルギーが保存されるので、入射する光エネルギーのほぼ全てがRPFに送られる。
【0061】
従って、全エネルギーが、目標RPF内の各「オン」画素間でほぼ均等に分配されると想定すると、より少ない「オン」ポイントを有するRPFが、多数の点を有するものより明るく見えることになる。その結果、制御器によって、フレーム間での全体的な輝度が均質となるように、各フレーム内の「オン」ポイントの数に応じて「点源」の強度が変調されることになる。レーザの直接の振幅変調は、非線形性のため望ましくなく、従って、ある実施形態では、かかる振幅変調は、各400μsパルスの間隔内で、所望の輝度に比例するデューティ・サイクルを用いたパルス幅変調によって置き換えられ、それによって必要とされる平均強度を実現する。
【0062】
第2に、ある設計問題が、RPF寸法と照明波長との関係から生じる。この問題は、一実施形態において、光源(source)の3つの波長において色収差用に補正されたレンズ系によって、また別法としては、フレネル・ホログラフィを用いてこの影響の補償をホログラム内に直接構築することによって克服される。
【0063】
本発明の手法の結果は、シミュレーションにおいて、RPFが、6桁高速な計算時間で、DBSよりも2桁低いノイズ・エネルギーを呈することを示している。実験の結果は、理論と一致しており、テスト装置に強誘電性SLMの非常に古い設計を用いた場合でさえも、ホログラフ的に生成された画像の、これまでに実証されていないレベルのコントラストと、正確さとを示している。
【0064】
ハードワイヤード式(hard wired)高速フーリエ変換処理装置を利用することができる、代替クラスのアルゴリズムは、Gerchberg Saxtonアルゴリズム等の方向性反復最適化アルゴリズムである。これらのアルゴリズムについては、以下でより詳細に論じられ、集合的にピンポン・アルゴリズムとして知られるクラスに属し、また、例えば、当業者に知られているタイプのIFTA、入出力アルゴリズムも含む。かかるアルゴリズムでは、開始点はランダム位相分布又は他の決定性位相分布、例えば、いくつかの2値化された所定の位相分布であり、この位相分布に対して高速フーリエ変換(FFT)が実施されて、初期の位相分布に置き換わる改善された位相分布をもたらす。このサイクルは、FFT2値化位相分布が所望の目標分布に近似するまで繰り返される。或いは、ランダム位相分布は、一般に、GSアルゴリズムの開始時に、先行するフレームから継承された位相分布に置き換えられることができると想定される。
【0065】
これは、良好なキノフォームを実現するのに必要な反復の数を最小にすることを試みるときに特に重要である。ビデオ・フレームがシーケンシャルな一連のサブフレームを含む場合、このことはまた、これらのサブフレームにも当てはまる。
【0066】
或いは、例えば直接二分探索(direct binary search)やシミュレーティッド・アニーリング等の一方向性反復最適化アルゴリズム(一回の画素変更及び費用関数テスト)等のアルゴリズムが実施され得、これらの技術もやはり当業者には良く知られており、本明細書では詳細には説明されない。
【0067】
キノフォームは、ある程度はリアルタイムに生成されることができ、次に、代替の改善された対応について説明される。上で論じられたように、M×リアルタイムでホログラムを生成することが望ましく、Mは、以下でより詳細に論じられるように、ノイズ低減、及びグレー・スケール/カラー表示のための時間多重化要因を表す。アルゴリズムの実施は、ある程度加速されることができる。
【0068】
ホログラム細分化(segmentation)を含む第1の手法では、初期の最適化されていないホログラムが、同等の領域に更に分割され、これらの領域は、本明細書において説明されたアルゴリズムに従ってそれぞれ独立に並行して最適化される。多くの例では、処理時間は画素数の2乗に比例するので、この細分化は、それに対応して並列処理装置の間で分配される処理時間を低減させる。空間細分化に加えて、ホログラムはどんな適切な対応でも分解されることができる。
【0069】
更に、複素ホログラムが画定された後に、誤差拡散、及び拘束された組への投影(projection onto constrained sets)(POCS)等の量子化手順が施されることができ、やはり当業者には良く知られている。どの場合も、並列処理を最適化するためのホログラムの細分化又はその他の分解に続いて、これらの分解された部分は、合わせられて(sum)完全に再構築された画像を生じることが理解されるであろう。
【0070】
これらのアルゴリズムは全て、最適化を実施するための処理装置内の専用ハードウェア、例えば、適当な知られた任意の種類のFFT処理装置、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)ボード、DCT処理装置(離散コサイン変換)、又はDSP(デジタル信号処理)ボードを用いて実施され、且つ高速化されることができる。
【0071】
変調方式及びキノフォームの生成
SLM上にキノフォームを表示するのに、上で論じられた2値又は多値量子化を使用した様々な変調方式が可能であることが理解されるであろう。特に、変調方式は、シーケンシャルな赤、緑、及び青の照明下でのホログラム再構築が、カラーの(coloured)グレー・スケール画像を生じるように採用されることができる。
【0072】
直接変調方式によれば、SLMは、直接変調されて、カラー及び/又はグレー・スケールをもたらす。特に、2値又は多値ホログラムのフレーム・シーケンシャル多重化を実現して、向上されたグレー・スケール、及びフレーム・シーケンシャル・カラーをもたらし、且つ以下でより詳細に論じられるように、ノイズ低減の可能性をもたらすのに、高速SLMデバイスが使用される。或いは、照明源が変調され得、SLMは、光変調滞留時間(dwell time)又は光強度が、例えばフレーム・シーケンシャル・グレー・スケール(FSGS)方式に従って、ビット平面の重み(significance)に応じて変動するように2値ビット平面に再生するホログラムを使用することができる。或いはこの場合も、フレーム・シーケンシャル・カラー(FSC)方式に従って、表示装置は、赤、緑、青(RGB)のシーケンシャルな照明を使用する変調方式を採用すること、又は白色光源以外の他のカラー方式発光ダイオード(LED)を採用することもでき、この場合、これらのダイオードは所与の色専用のホログラムと同期される。こうした方式は、当業者には良く知られており、本明細書では詳細には説明されない。
【0073】
更に、投影又は表示された画像のノイズを低減させることが望ましい。ノイズ源は、系統的なものと非系統的なものとに分類されることができる。系統的ノイズ源は、SLM内の位相表示誤差と不均質性とを含む。非系統的ノイズ源は、最適化アルゴリズムの実施から生じるノイズと、二値化誤差とを含む。上で論じられたように、SLMにおける多値量子化の使用は、2値化ノイズを著しく低減し、且つ、最適化アルゴリズムによって導入されるノイズもやはり低減するが、これは、アルゴリズムに対する制約が低減されて、大きな検索空間がもたらされるからである。更なる多値量子化が、位相表示誤差からノイズを低減させる。更に、ノイズ平均化又はノイズ消去技術が使用され、ノイズ平均化は、低減を犠牲にしてノイズの影響を分散させ、一方、ノイズ消去は、コントラストを低下させずにノイズを低減させるが、処理負担の増大を伴う。
【0074】
第1のノイズ平均化手法は、上でより詳細に説明されたアルゴリズムを含み、このアルゴリズムでは、それぞれ独立したノイズ領域を有する一連のサブフレームがノイズの低減を実現する。代替手法は、反復の幾らか、又は全てをサブフレームとして扱う、上述されたGerchberg Saxtonアルゴリズム等の反復最適化アルゴリズムを実施することである。各サブフレームは、サブフレームをシーケンシャルに表示することでノイズ低減を実現するように、統計的ノイズを独立に表示する。当業者なら、Gerchberg Saxtonアルゴリズムの実施には十分精通しているであろう。特に、各サブフレームが単一の反復、又は、先の「パス」によって生成された位相分布に基づくアルゴリズムの「パス」の結果であることが分かるであろう。このアルゴリズムは、サブフレームを生成し、各反復がサブフレームにわたって表示されて、サブフレーム・レベルでのノイズ低減を実現するように使用され得、又は、これらの反復は、フレームを生成させるように使用され、フレームにわたって同様に表示され得ることが分かるであろう。シーケンシャルなビット平面と、カラー・サブフレームとが、位相分布を継承する目的で使用されることができ、それによって各サブフレーム用のランダム位相分布を想定するよりも優れた結果が得られる。サブフレームが他の目的で使用される場合、(例えばそれらのサブフレームがホログラムの計算を容易にするという理由で)この原理は、この場合でも適用され得る。
【0075】
また或いは、ノイズ平均化は、再生画像全体のシーケンシャルな分解にわたって平均化することによって実現され得る。例えば、画像は、上で論じられたように色によって分解されることができ、多重化又は合わせられて完全な画像を生じ、この場合、ノイズが低減されることになる。全体の画像を生じるのに、代替のサブフレーム・シーケンシャル・ビット平面が実施されることができ、又は、実際に、完全な組の画素のサブセットのどんな群も使用されることができるが、ノイズ平均化を実現するためにシーケンシャルに表示される。
【0076】
一般に、ビデオ画像を生成するためにかかるシーケンシャルなフレームを投影するときに、ノイズ平均化が生じる。このノイズ平均化は、個々のフレームに存在するノイズの目に見えるどんな衝撃も低減させる。このことは、それらのフレームがキノフォームから生成されたか否かに関わらず当てはまるが、(この場合、各フレーム内に通常存在するノイズ・レベルのため)それらのフレームが存在するときは特に有利である。このことは、それらのフレームがシーケンシャルに提示されるサブフレームからなる場合、更に当てはまり、その理由は、多値量子化されたフレーム又はサブフレームが生成される場合、今やノイズはフレームとサブフレームとにわたって平均化され最適化されるので、画像フレーム又はサブフレーム内のノイズ量を最小にし、且つ投影されるときの効率を最大にすることによって、最上質のコンピュータ生成キノフォームが実現されるからである。
【0077】
第1のフレーム又はサブフレームにおいて上記が実施され得る様式(way)の例は、以下のステップを含む。
1)実像における全ての実画素にわたってランダム位相分布を想定する。
2)完全な離散高速フーリエ変換(FFT)を行う。
3)実数部を排除(reject)し虚数部のFFTを行う。
4)これは、(我々が排除することになる)実像の第1の反復を、それに関連するP1と呼ばれる改善された位相分布と共に生じる。
5)実像に加えて新たな虚数部のFFTを行う。
6)実数部を排除する。虚数部は、ここでは、フレーム1のための位相ホログラムとして受け入れられる。
【0078】
次のフレーム又はサブフレームでは、この様式は、第1のものと非常によく似ている。従って、位相分布P1は、ここで次のフレームと関連し、実際の次のフレームとP1とを使用してFFTが行われる。
【0079】
これは、フレームが相似している傾向にあるという想定に基づいていくつかのフレームで継続され得る。
【0080】
間隔を置いて、この全プロセスが、ステップ1に戻ることによって絶え間なく繰り返される(しかし、一般に、このシーケンスを再開する際、継承されるどんな位相分布も同じ程度に優れているので、ランダム位相分布の使用は必ずしも必要ではない)。
【0081】
シーケンスを繰り返すことの理由の1つは、最終的にはシーンが変わることになり得、継承される位相分布がもはや適用可能でなくなり、従って、ステップ2及び3で再生成する必要があり得るためである。
【0082】
或いは、このプロセスは、シーンが実質的に変化しない場合であっても、継承される位相分布が絶え間なく改善されるように、これよりも頻繁にステップ1に戻ってもよい。従って、一般に、このプロセスは、可能な限り頻繁にステップ1に戻って反復される場合もあり、その制限フィーチャ(limiting feature)は、高速フーリエ変換を実行するために必要とされる時間である。
【0083】
これは特に、良好なキノフォームを実現するのに必要な反復の数を最小にしようと試みるときに特に重要である。同じ原理が、それぞれの完全なビデオ・フレームを作り上げるためにシーケンスに投影され得るいくつかの種類のサブフレームにも適用され得る。かかるサブフレームの例は、フレーム・シーケンシャル・カラー投影系における赤、緑、及び青のサブフレームを含み得る(これらは、眼によって一体化されてフル・カラー画像を生じる)。また、それらのサブフレームは、(例えば各カラー用の)グレー・レベル画像を実現するようにシーケンスに投影され得る(2値)ビット平面を含み得る。この場合、投影光源の強度を変えることによって、適当な2進重み付け(binary weighting)が、投影されている各ビット平面にもたらされる。
【0084】
上記又はその他の方法で計算されたキノフォームは、キノフォームの、たった1つの複製ではなく、複数の周期的な複製が投影装置レーザ光源によって照明される場合、改善されることになる。
【0085】
ノイズ消去の場合、生成されたホログラムは、目標画像よりも高い解像度のものとなり得る。このことが、キノフォーム最適化アルゴリズムの結果として、準周期パターンが導入される結果を生じ得、各パターンは、その隣合うパターンとは僅かに異なる特性(feature)を有し、その結果ノイズ低減をもたらすことになる。
【0086】
更なる代替ノイズ消去技術は、SLM上でのホログラム又はホログラムの組の空間多重化、又はOASLM上への単一ホログラムの空間多重化を含む。この技術もやはり、再生画質を向上させるキノフォームに、より多くの画素をもたらす。かかる手法の1つが、L.B.Lesem、P.M.Hirsch、J.A.Jordan著「Computer synthesis of holograms for 3−D display(3D表示装置用のホログラムのコンピュータ・シンセシス)」、Commun.ACM、11、661〜674頁(1968年)に記載されている。例えば、上述されたように生成されたサブフレームは、空間的に多重化され得る、すなわち、それぞれのサブフレームは、OASLM上に並置されることができ、次いで、単一フレームとして再び組み合わせられて、更に向上されたノイズ低減及び画質を実現することが理解されるであろう。
【0087】
特に系統的ノイズ源に適用可能な更なる手法は、既に知られている系統的誤差を補償するための、照明源からのビーム波面の適当な成形を含む。それらの誤差は、較正(calibration)段階において識別されることができ、それに応じて、適当な波面成形光学系が実施され得る。
【0088】
上述された実施形態の個々の構成部品は、適切などんな光学又は他の素子でもよいことが理解されるであろう。例えば、処理デバイスは、必要とされる関数を実行することを可能とするコードを実行するフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)を含む。他の実施形態では、ASICが使用され、更に他の実施形態では、プログラム化汎用コンピュータが使用される。LCOSは、個別の処理装置によって駆動される変調可能な画素アレイを含むことができる。代替の構成では、処理ハードウェアはLCOS背面に組み込まれることができ、従って、単にビデオ入力だけを必要とする完全に一体化されたデバイスを提供することができる。
【0089】
上述された実施形態の結果、高い光効率及び画質を備えた、高速で、ノイズが低減された、リアルタイムのビデオ・ホログラフィ投影装置が提供される。
【0090】
本発明の更なる実施形態によれば、図11に示されるように位相限定画像を使用して、光無損失投影が実現される。平行光ビーム1102が、変調された位相を示す位相限定SLM1104を照明し、画像の(非ホログラフィ的)表示を送る。位相変調された出力ビームは、光学系1106によって位相コントラスト・フィルタ1108上のフーリエ平面で集光され、次いで、更なる光学系1110を介して像平面1112上に集光される。その結果、対象物の位相画像がSLM上に表示される場合、従って、図示の4f結像系を介した投影が、高いスループット効率を有する振幅変調画像をもたらすことになる。スペクトルが鋭く、狭帯域の適当などんな照明も実現され得、また、コヒーレンシが必要とされないので、レーザに代替の光源が使用されてもよく、これはスペックルに起因するノイズを低減させることになる。好ましい実施形態では、グレー・スケール画像を実現するように多値変調が実施される。
【0091】
上述された実施形態は、背面及び前面投影を含むどんな表示装置又は投影の用途にも使用され得、且つ、特に、キノフォームのシーケンスに対応するリアルタイム処理が要求される、定期的にリフレッシュされるどんな画像に関しても使用され得ることが理解されるであろう。
【0092】
上述された説明では、用語「画素」の使用は、どんな形状又は分布の適当などんな変調可能で且つアドレス可能な素子も包含することが理解されるであろう。本明細書では、用語「画素」が使用される場合、直接目に見えるあらゆる画像内容が、関連する素子上で見られることを意味するものではない。
【0093】
本発明は、処理ステップを実施するコンピュータ・プログラム製品に及び、それらのステップを実施するどんなコンピュータ又は処理装置、及びコンピュータ・プログラムを保存又は他の方法で供給することが可能などんなコンピュータ可読媒体、例えばCD−ROM等の媒体記憶デバイス、又は遠隔サーバ・コンピュータからワイヤード又はワイヤレスにダウンロード可能な形態にも及ぶことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明による表示装置の構造(architecture)を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の構成部品を概略的に示す。
【図3】本発明の第2の実施形態の構成部品を概略的に示す。
【図4】本発明の第3の実施形態の構成部品を概略的に示す。
【図5】本発明の第4の実施形態の構成部品を概略的に示す。
【図6】本発明の第5の実施形態の構成部品を概略的に示す。
【図7】本発明の第6の実施形態の構成部品を概略的に示す。
【図8】SLMの部分断面図を示す。
【図9a】代替の2値位相変調方式を示すSLMそれぞれの図である。
【図9b】代替の2値位相変調方式を示すSLMそれぞれの図である。
【図10】本発明による処理装置の構成部品の概略ブロック図を示す。
【図11】本発明の第7の実施形態の構成部品を概略的に示す。
【符号の説明】
【0095】
10 ホログラフィ・ビデオ投影装置
12 対象物
14 処理装置
16 プログラム可能な回折素子(SLM、キノフォーム)
18 照明源
20 画像
22 光学系
100 2値SLM
120〜123 画素
130〜133 位相マスク画素
200 レーザ
202 ビーム・エクスパンダ
204 偏光ビーム・スプリッタ
206 SLM
208 スクリーン
210 追加のレンズ(投射光学系)
600 SLM
602 複製光学系
604 OASLM
608 スクリーン
801 第1の処理ブロック
802 信号
803 出力(第1のデータ・セット)
804 第2の処理ブロック
805 出力(第2のデータ・セット)
806 第3の処理ブロック
807 出力(第3のデータ・セット)
808 第5の処理装置
809 第4のデータ・セット
810 2値化ステージ
811 第5のデータ・セット
812 強誘電性液晶SLM
820 処理装置
900 SLM
902 スイッチング素子
904 Eout
906 遠視野
1102 平行光ビーム
1104 位相限定SLM
1106 光学系
1108 位相コントラスト・フィルタ
1110 光学系
1112 像平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理装置でシーケンシャルな画像フレームを受け取るステップと、各画像フレームを処理して1つ又は複数のそれぞれのキノフォームを得るステップと、プログラム可能な回折素子をプログラミングして、各前記キノフォームをシーケンシャルに表示するステップとを含む、ビデオ画像を表示する方法。
【請求項2】
前記ビデオ画像が、時変又は静止画像の1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像が、投影されたもの、又は直接観察されたものの少なくとも1つである、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記画像フレームがリアルタイムに処理される、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
最適化されたサブセットを得、且つ前記最適化されたサブセットを再び組み合わせるための、初期キノフォームのそれぞれのサブセットの並行処理を更に含む、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記初期キノフォームのサブセットが、初期キノフォームのセグメントを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記初期キノフォームが、ランダムに生成されたもの、又は所定のもの、又は初期FFTの結果、又は再生された位相分布である、請求項5又は請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記画像フレームが、それぞれのキノフォームを得るために、双方向性反復最適化アルゴリズム、一方向性反復最適化アルゴリズム、又は、双方向性反復量子化手順、又は一方向性非反復手順のいずれか1つを使用して処理される、請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
演算のパラメータを制御して、グレー・スケール及びカラーの少なくとも1つをもたらすことを更に含む、請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記プログラム可能な回折素子が直接変調されて、カラー、又はグレー・スケール、或いはカラー及びグレー・スケールをもたらす、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プログラム可能な回折素子が、2値量子化方式を実現し、且つ、カラー、又はグレー・スケール、或いはカラー及びグレー・スケールをもたらすようにシーケンシャルに多重化されたフレームである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プログラム可能な回折素子が、多値量子化方式を実現して、カラー、又はグレー・スケール、或いはカラー及びグレー・スケールをもたらす、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
キノフォーム照明源が時間領域において変調されて、カラー、又はグレー・スケール、或いはカラー及びグレー・スケールをもたらす、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
キノフォーム照明源がカラー領域において変調されて、カラー、又はグレー・スケール、或いはカラー及びグレー・スケールをもたらす、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記得られたキノフォームが、それぞれが前記画像フレームの空間又は強度分解を再構築する複数のキノフォームの1つを含む、請求項1乃至14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記複数のキノフォームが合わさって実像を生じる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ノイズ低減ステップを更に含む、請求項1乃至16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記ノイズ低減が、多値量子化方式に従ってキノフォームを表示するように、前記プログラム可能な回折素子をプログラムすることによって実現される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ノイズ低減が、複数の画像フレームにわたるノイズ平均化によって実現される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記ノイズ低減が、各画像フレームの複数のサブフレームにわたるノイズ平均化によって実現される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
各サブフレームが、最適化アルゴリズムにおいて生成される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記最適化アルゴリズムが、Gerchberg Saxtonアルゴリズムである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記画像フレーム及びキノフォームが画素化され、前記キノフォームが前記画像フレームに対して過剰な画素を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記ノイズ低減が、各位相ホログラムの空間多重化によって実現される、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記位相ホログラムが、前記プログラム可能な回折素子において空間的に多重化される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記位相ホログラムが、光学的にアドレス可能な空間光変調器において空間的に多重化される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
各画像フレームが、複数のシーケンシャルな画像サブフレームを含み、前記空間多重化ステップが、シーケンシャルなサブフレームを並置することを含む、請求項20乃至23のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記ノイズ低減が、系統的ノイズを軽減するように照明源波面を成形することによって実現される、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記プログラム可能な回折素子又は前記光学的にアドレス可能な空間光変調器の1つにおいて、前記キノフォームを空間的に多重化することを更に含む、請求項1乃至28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
画像処理装置と、プログラム可能な回折素子とを含み、前記画像処理装置が、シーケンシャルな画像フレームを受け取り、且つ処理して、それぞれのキノフォームを得、且つ、前記キノフォームをシーケンシャルに表示するように前記プログラム可能な回折素子をプログラムするように構成される、ビデオ表示要素。
【請求項31】
前記ビデオ画像が、時変及び静止画像の少なくとも1つを含む、請求項30に記載の表示要素。
【請求項32】
前記プログラム可能な回折素子が、空間光変調器を含む、請求項30又は請求項31に記載の表示要素。
【請求項33】
前記プログラム可能な回折素子が、2値量子化を実現する、請求項30乃至32のいずれかに記載の表示要素。
【請求項34】
前記プログラム可能な回折素子が、1つ又は複数の変調素子を含む、請求項33に記載の表示要素。
【請求項35】
前記プログラム可能な回折素子が、多値量子化を実現する、請求項30乃至32のいずれかに記載の表示要素。
【請求項36】
前記プログラム可能な回折素子が、プログラム可能な構成要素として、ネマチック・リキッド・クリスタル・オン・シリコン(LCOS)と、エレクトロクリニックLCOSと、ねじれ螺旋型LCOSと、V形スイッチングLCOSとのいずれか1つを含む、請求項30乃至35のいずれかに記載の表示要素。
【請求項37】
前記プログラム可能な回折素子に関連する結像光学系を更に含む、請求項30乃至36のいずれかに記載の表示要素。
【請求項38】
前記結像光学系が、前記キノフォームにプログラムされる、請求項30乃至36のいずれかに記載の表示要素。
【請求項39】
前記処理装置が、FFT処理装置、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ処理装置、又はデジタル信号処理装置の少なくとも1つを含む、請求項30乃至38のいずれかに記載の表示要素。
【請求項40】
請求項30乃至39のいずれかに記載の表示要素と、部分的にコヒーレントな照明源とを含む、ビデオ表示装置。
【請求項41】
前記照明源が、カラー、又はグレー・スケール、或いはカラー及びグレー・スケールをもたらすように変調されるように構成される、請求項40に記載の表示装置。
【請求項42】
前記表示装置内の系統的ノイズを軽減するように照明ビームを成形するように構成された照明源波面成形光学系を更に含む、請求項40又は請求項41に記載の表示装置。
【請求項43】
光学的にアドレス可能な空間光変調器(OASLM)を更に含む、請求項40乃至42のいずれかに記載の表示装置。
【請求項44】
前記キノフォームを前記OASLM上に空間的に多重化するように構成された空間多重化光学系を更に含む、請求項43に記載の表示装置。
【請求項45】
前記空間変調光学系が、時間的に変動するキノフォームを空間的に多重化するように更に構成される、請求項43に記載の表示装置。
【請求項46】
表示スクリーンを更に含む、請求項40乃至45のいずれかに記載の表示装置。
【請求項47】
前記表示スクリーンが、光学的にオフ・アクシスに配置される、請求項46に記載の表示装置。
【請求項48】
請求項1乃至30のいずれかに記載の方法に従って、シーケンシャルな画像フレームを受け取り、且つ処理するように構成される、請求項30乃至47のいずれかに記載の表示装置用のビデオ表示要素用の処理装置。
【請求項49】
請求項48に記載の前記処理装置の演算を実施するように構成された一連のステップを含む、コンピュータ・プログラム。
【請求項50】
請求項49に記載の前記コンピュータ・プログラムを記憶するように構成される、コンピュータ可読媒体。
【請求項51】
処理装置においてシーケンシャルな画像フレームを受け取るステップと、各画像フレームを処理してそれぞれの位相表示を得るステップと、前記位相表示を空間光変調器に当てはめるステップとを含む、ビデオ画像を表示する方法。
【請求項52】
前記位相表示が、キノフォームを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記位相表示が、画像表示を含み、位相コントラスト・フィルタを介して前記表示画像を渡すステップを更に含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
画像処理装置と、プログラム可能な回折素子とを含み、前記画像処理装置が、シーケンシャルな画像フレームを受け取り、且つ処理して、それぞれの位相表示を得、且つ、前記位相表示をシーケンシャルに表示するように前記プログラム可能な回折素子をプログラムするように構成される、ビデオ表示要素。
【請求項55】
位相コントラスト・フィルタを更に含む、請求項54に記載の表示要素。
【請求項56】
処理装置において画像フレームを受け取るステップと、反復アルゴリズムに従ってキノフォームを生成するステップと、前記キノフォームの各反復を表示するステップとを含む、画像を表示する方法。
【請求項57】
前記アルゴリズムがGerchberg Saxtonアルゴリズムである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記画像がビデオ画像である、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項59】
前記請求項のいずれかに記載の表示装置又は表示方法のための、1つ又は複数のキノフォームを得るための画像フレームを処理する方法。
【請求項60】
実質的に、図面を参照して本明細書において説明された、方法、表示要素、又は表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−523359(P2007−523359A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544547(P2006−544547)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【国際出願番号】PCT/GB2004/005257
【国際公開番号】WO2005/059881
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(501484851)ケンブリッジ・エンタープライズ・リミテッド (40)
【氏名又は名称原語表記】CAMBRIDGE ENTERPRISE LIMITED
【Fターム(参考)】