説明

フィタン酸またはその誘導体を含む局所用薬剤

本発明は、式(I):(CHCH−(CH−CH(CH)−(CH−CH(CH)−(CH−C(A)(CH)−C(B)−C(O)−Rの化合物を局所適用するための薬剤に関し、式中、Rは、水素、OR、N(OH)R、またはNRであり、R、R、およびRは、独立に、水素、C〜C22−アルキル、C〜C22−アルケニル、C〜C12−アリールアルキル(特に、ベンジル、フェネチル、およびフェニルプロピル)、レチニル、トコフェリル、アスコルビル、またはアミノ酸もしくはペプチドに由来する基であり、AおよびBは水素原子を表し、あるいはAおよび一方の基Bは二重結合を形成し他方の基Bは水素原子を表し、あるいは基Aは水素原子であり基Bは一緒になって酸素原子を形成し、あるいは基Bの一方は水酸基であり他方の基Bおよび基Aは水素原子である。前記薬剤は、式(I)の化合物および製薬上および/または化粧用に許容される担体を含むが、ただしレチノイドを含まない。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、フィタン酸またはその誘導体を含む局所適用のための製剤に関する。本製剤は、セルライトおよび/または皮下脂肪パッドの処置に特に適するが、皮膚の老化、または破壊されもしくは正常に機能しない表皮バリアの処置にも適する。
【0002】
オレンジ肌またはセルライトは、多くの女性の悩みとなる普遍的な美容上の問題である。セルライトは、局所性脂肪栄養障害とも呼ばれ、最初はリンパおよび血液循環の変化の結果として発症し、次にリンパおよび血液循環の変化は次に皮下脂肪組織および周囲のコラーゲン基質の構造上の再構成をもたらす。これらのプロセスのために、脂肪細胞は栄養および排泄経路から切り離され、膨張してミリメートル範囲の結節を形成し、この結節は固いコラーゲン組織に取り囲まれる。これらの結節は、その後合わさって最大直径20mmのより大きな集合体を形成し、真皮内に強引に入る。皮下組織に固定されている周囲のコラーゲン線維のために収縮が起こり、これが美容上の問題の原因になると考えられている。結節が神経末端を圧して刺激するため、後の段階では、特殊な痛覚があることもある。
【0003】
セルライトは、通常美容上の問題と考えられているが、セルライトは治療を必要とする疾患と考えることもできる。これは、特にリンパ管の部位で、高度に脂肪質である皮下組織が痛みを生じることもあり、これが医薬品による処置を必要とするという事実に基づいている。セルライトは、それに悩む者には大きな精神的負担であることもあり、対応する処置が必要である。
【0004】
基本的に、最新技術では、セルライトを予防し処置するための2つの方法が区別されている。一方では、マッサージなどの機械的処置を用い、他方ではある種の製剤を皮膚に適用する。皮膚に適用するものは、3つのグループに分けることができる。第1のグループは、タンパク質の網状組織の再構成を促進するのに適する有効物質を有する製剤が含まれる。これには、例えばレチノイドが含まれる(A.Kligmanら、Topical retinol improves cellulite、J.Dermatol.Treat.10、119〜126、1999、およびJ.Invest.Dermatol.96、975、1991、Topical all−trans retinoic acid stimulates collagen synthesis)。しかし、これらの製剤は、脂肪パッドの大きさによい影響を及ぼすには適当ではなく、レチノイドを局所適用した場合多くの患者は良好な耐容性を示さない。
【0005】
第2のグループの製剤は、血液の供給を改善する有効物質を含む。このグループでは、とりわけカフェインを含む製剤が知られている。これらの製剤は、血管が皮下脂肪組織を十分に通っている限り、セルライトの初期段階に特に効果的である。しかし、状態が進むとともに膨張した脂肪組織では血管の数が大幅に減少し、こういった製剤の有効性は失われる。
【0006】
第3のグループの方法では、脂肪代謝によい影響を及ぼそうとする。脂肪分解と脂肪形成との間のバランスで脂肪パッドの大きさが決まり、したがって脂肪形成のためにバランスが失われる場合に、このバランスがセルライトの発生を助ける必要不可欠な要因となる。例えば、国際公開第03/009826号パンフレットでは、このバランスを回復するためのステロイドの使用について記載している。しかし、ステロイドの使用により重大な副作用が起こることがある。
【0007】
皮膚の老化に対し、または表皮のバリア機能が破壊された場合(皮膚のバリアの破壊または損傷)に使用可能な製剤は、例えば国際公開第01/43704号パンフレットまたは国際公開第98/32444号パンフレットなどから、いくつか知られている。
【0008】
国際公開第01/43704号パンフレットは、皮膚に局所適用することができ、内因性の化学物質の生合成および/または生物活性を支持するいくつかの化合物を開示している。具体的に、これらの化合物は、細胞の活性を向上させる遺伝子の発現を活性化することにより、ケラチン生成細胞、線維芽細胞、および皮膚の他の細胞型の間の伝達をもたらす。国際公開第01/43704号パンフレットは、このような活性を有するいくつかの化合物を記載しており、その中にフィトールおよびその誘導体がある。この刊行物は、フィタン酸にも、セルライトおよび皮下脂肪パッドの処置にも関するものではない。
【0009】
国際公開第98/32444号パンフレットは、表皮のバリア機能が破壊された患者の表皮を処置する方法に関し、有効物質としてある種の受容体を活性化する物質を提案している。この刊行物では、フィタン酸についてもその誘導体についても開示されておらず、セルライトおよび/または皮下脂肪パッドの処置も、この国際公開刊行物の主題ではない。
【0010】
国際公開第01/64177号パンフレットは、セルライトの処置のためのフラボンまたはイソフラボンの使用について記載している。
【0011】
DE19940415では、健康食品製品、ならびに食料品および半贅沢品に添加するものとして、メチルおよびエチル分枝、ならびに合成分枝鎖脂肪酸を有するイソプレノイドおよびアセトゲニン型の天然脂肪酸が、ヒトにおける脂肪異化を促進することがあると記載されている。この刊行物は、有効物質の全身的吸収にのみ関し、そこに記載された発明は、有効物質が処置の標的すなわち皮膚から離れた結合部位と相互作用をするという事実に基づいている。この刊行物には、局所適用について記載されていない。全身的吸収を必要とする医薬品は、通常は皮膚の状態の局所的処置にまったく適さない。一方では、全身的吸収は、有効物質と処置の標的から離れた結合部位との好ましい相互作用をもたらし、非選択的な相互作用がまた、望ましくない副作用を引き起こすが、他方では、例えば肝臓の酵素系とは異なり皮膚の酵素系は活性なので、有効物質が皮膚ではまったく異なる方法で代謝される。
【0012】
国際公開第01/66080号パンフレットは、フィトールがレチノイドの作用を支持し皮膚の状態を改善することがあることを開示している。特に、フィトールによって支持されたレチノイドは、表皮および真皮における老化プロセスの影響を阻止する。この刊行物では、フィトールは、皮膚に適用された後にフィタン酸に変換されると仮定している。確かに、この変換は、経口摂取後に、肝臓である程度起こる可能性がある。しかし、最近の研究では、フィトールを皮膚に局所適用した場合には、この変換は起こらないことが示されている。したがって、フィトールは、皮膚に局所適用した場合、国際公開第01/66080号パンフレットの開示とは異なり、フィタン酸の前駆体医薬品(プロドラッグ)とはならない。
【0013】
国際公開第01/66080号パンフレットに記載されているように、フィタン酸は潜在的なRXR作用薬であることが知られている。しかし、結合親和性はレチノイン酸の200分の1であり、したがってRXR結合が非常に弱いので、レチノイン酸で知られている抗しわ作用などの美容上の効果はフィタン酸にはもはや期待することができない。RXR結合部位を競合する場合、天然に存在するリガンド、すなわちレチノイン酸に比べるとフィタン酸に勝ち目はない。
【0014】
国際公開第01/66080号パンフレットも、セルライトの治療に関するものではなく、局所適用した場合のレチノイドとは独立した独自のフィトールの有効性について開示するものでもない。しかし、レチノイドで皮膚疾患を処置すると望ましくない副作用を生じることがある。
【0015】
したがって、化粧用にも製薬上にも使用することができ、続く局所適用がセルライトおよび/または皮下脂肪パッドを処置するのに特に有効である新規の製剤が必要とされている。製剤は、また、皮膚の老化の速度を緩め、または好ましくは皮膚の老化を逆行させる、すなわち、特に皮膚のしわおよび小じわを滑らかにし、年齢によるしみを縮小させ、滑らかさ、きめ、張りなどの皮膚の物理的特性を向上させ、皮膚の色調および色ムラを改善する。本発明による製剤が、また、損なわれもしくは損傷を受けた皮膚のバリアをできるだけ速やかに修復し、それにより皮膚の水分を向上させ、すなわち特に乾燥肌も処置し、乾燥肌が生じるのを予防することが好ましい。
【0016】
本発明の目的は、さらに、可能性のある副作用が最小であり、従来技術の製剤に知られた欠点のない製剤を提供することである。
【0017】
この目的は、次式のフィタン酸およびその誘導体:
【化1】


[式中、
Rは、水素、OR、N(OH)R、またはNRであり、
、R、およびRは、独立に、水素、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C12アリールアルキル(特に、ベンジル、フェネチル、およびフェニルプロピル)、レチニル、トコフェリル、アスコルビル、またはアミノ酸もしくはペプチドに由来する基であり、AおよびBは水素原子であり、あるいはAと一方の基Bとは二重結合を形成し他方の基Bは水素原子であり、あるいは基Aは水素原子であり基Bは一緒になって酸素原子を形成し、あるいは基Bのうち一方は水酸基であり他方の基Bおよび基Aは水素原子である]
を皮膚に局所適用する場合、セルライトおよび/または皮下脂肪パッドを予防することができ、セルライトおよび/または皮下脂肪パッドを処置するのにも効果的であり、以下に定義する皮膚の状態の化粧上および医薬上の処置にすぐれた特性を有するという驚くべき発見に基づいて達成される。
【0018】
特定の一実施形態では、基RおよびRのうち1つは水素原子であり、第2の基は上記で定義したとおりである。
【0019】
さらなる好ましい実施形態では、基Bの一方は水酸基である。
【0020】
さらなる好ましい実施形態では、両方の基Bは酸素原子を形成する。
【0021】
アリールアルキル基は、アルキル単位を介して結合している。
【0022】
特に好ましい実施形態では、本発明は次式の化合物の使用に関する
【化2】


[式中、
Rは、水素、OR、NHRまたはN(OH)Rであり、
は、水素、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、ベンジル、フェネチル、フェンプロピル、レチニル、トコフェリル、アスコルビル、またはアミノ酸もしくはペプチドに由来する基であり、AおよびBは両方とも水素原子であるか、または一緒になって二重結合を形成する]。
【0023】
式IおよびIIの化合物の特定の一実施形態では、Rは、水素、OR、NHR、またはN(OH)Rであり、Rは、水素、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、ベンジル、フェネチル、フェンプロピル、レチニル、トコフェリル、アスコルビル、またはアミノ酸もしくはペプチドに由来する基であり、AおよびBは両方とも水素原子であるか、または一緒になって二重結合を形成する。
【0024】
本発明による製剤は、フィタン酸またはその誘導体が化粧用に適合性のある添加物とともに製剤化された化粧用の製剤、およびフィタン酸またはその誘導体が製薬上適合性のある添加物とともに製剤化された製薬上の製剤である。本出願において別段の記載がない限り、開示されている添加物は、化粧用に適合性のある添加物および製薬上適合性のある添加物である。
【0025】
本発明は、また、セルライト、皮下脂肪パッド、皮膚の老化を予防および/または処置するための、特に、皮膚のしわおよび小じわを滑らかにし、年齢によるしみを縮小させ、滑らかさ、きめ、張りなどの皮膚の物理的特性を向上させ、皮膚の色調および色ムラを改善するための局所用の化粧用の製剤を製造するための、および局所用製剤を製造するための、ならびに損害または損傷を受けた皮膚のバリアを処置または修復するための、上記に定義したフィタン酸およびその誘導体の使用を提供する。
【0026】
本発明は、また、セルライト、皮下脂肪パッド、皮膚の老化を処置するための、特に、皮膚のしわおよび小じわを滑らかにし、年齢によるしみを縮小させ、滑らかさ、きめ、張りなどの皮膚の物理的特性を向上させ、皮膚の色調および色ムラを改善するための、ならびに損害または損傷を受けた皮膚のバリアを処置および/または修復するための、上記に定義したフィタン酸およびその誘導体の化粧用の使用を提供する。
【0027】
上記に定義したフィタン酸またはその誘導体は、例えば、乾燥肌を処置し積極的に予防し、皮膚のバリア機能を強化するために、敏感肌を処置し手入れし予防するために、および/または健康な皮膚の生理学的恒常性の徴候もしくは負の変化、特に適応性に欠け敏感なもしくは機能の低下した皮膚の状態、または適応性に欠け敏感なもしくは機能の低下した皮膚の付属物の状態、炎症を起こした皮膚の状態、およびアトピー性湿疹、多形性光線皮膚症、乾癬、白斑、敏感な痒みのあるもしくは刺激された肌、正常な脂質過酸化の変化、健康な肌のセラミド、脂質およびエネルギー代謝の変化、生理的経表皮水分喪失の変化、皮膚の水分補給の低下および皮膚の水分含量の低下、天然保湿因子含量の変化、細胞間の伝達の低下、細胞内DNA合成の欠如徴候、DNA損傷および内因性のDNA修復機序の減退、金属プロテイナーゼおよび/または他のプロテアーゼの活性化あるいは対応する内因性DNA修復機序の阻害、および結合組織成分の正常な翻訳後修飾からの逸脱を処置し予防するのに有用である。
【0028】
フィタン酸は、皮膚の皮脂生成を調節し、皮脂の過度に強力な生成を予防する。頭皮部位では、洗髪後に毛髪の脂っぽさは減少する。そこで、フィタン酸含有のヘアケア製品は、容易に脂っぽくなる毛髪、または非常に速く脂っぽくなる可能性のある短いヘアスタイルに非常によく適している。皮膚の脂肪を調節することでもフケの形成を防ぐので、頭皮に好都合な影響を及ぼす。フケは、特に乾燥肌の助けがあって形成される。したがって、本発明によると、フィタン酸をフケを処置し予防するために用いることもできる。
【0029】
したがって、本発明は、また、上記に定義したように、特に脂性の毛髪および/またはフケの形成を処置および/または予防するために、ディープコンディショナーまたはシャンプーなどの永久的なまたは洗い流せるヘアケア製品としてフィタン酸または誘導体を使用することに関する。
【0030】
本発明によると、フィタン酸およびその誘導体はレチノイドと一緒に使用することはなく、フィタン酸はレチノイドなどの他の成分を増強することはない。本発明による製剤は、レチノイドを含まないのが好ましい。本発明によると、また、セルライトおよび/または皮下脂肪パッドを処置するために、フィタン酸またはその誘導体を単一の有効物質として使用することが好ましい。
【0031】
本発明によると、フィタン酸を:
カフェイン
フラボンおよびイソフラボン、例えばゲニステイン
カルニチン
エスシン(aescine)
ステロイド、例えば国際公開第03/009826号パンフレットに記載されているもの
ルスコゲニン
デクスパンテノール(dexpanthenol)、パンテノール
ニコチネート、例えばビタミンEニコチネート、およびベンジルニコチネート
ナイアシンアミド
ビタミン、アスコルビン酸配糖体、またはリン酸アルコルビルナトリウム
メントール
サリチル酸
ルチニル二硫酸二ナトリウム(disodium rutinyl disulfate)
フロリジン
コエンザイムA
ヘスペリジンメチルカルコン
マンヌロン酸メチルシラノール
植物抽出物、例えば:
fucus vesiculosus抽出物などの藻類抽出物、緑茶またはマテ茶抽出物、Centella asiatica抽出物、
Hedera helix、Hieracium pilosella、Malva sylvestris、Panax ginseng、
Citrus aurantium amara(ビターオレンジ)花部抽出物、
リンゴ抽出物(pyrus malus)、ガラナ(paullinia cupana)抽出物、コーラの木抽出物、セイヨウトチノキ抽出物(Aesculus hippocastanum抽出物)、イチョウ葉
から選択される1つまたは複数のさらなる有効物質とともに用いることも好ましい。
【0032】
本記載において「製剤」と述べられているものは、後により詳しく特定されない限りでは、化粧用の製剤であり医薬品である。化粧用の製剤と医薬品とを区別するには、例えば、Roempp、Chemielexikon、第10版、および本明細書に引用された文献などを参照することができる。
【0033】
「レチノイド」の定義に関しては、国際公開第01/66080号パンフレットを参照されたい。本出願では、「レチノイド」は国際公開第01/66080号パンフレットと同様に定義される。
【0034】
本記載において用いられる「フィタン酸」は、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカン酸を意味する。もちろん、この酸は2つの形態、すなわち3R、7R、11Rの形態、および3S、7R、11Rの形態で存在する。本発明によると「フィタン酸」は、単独にまたは混合物として天然に存在するあらゆる形態、フィタン酸の他の形態、および場合により一方または両方が天然に存在する形態の混合物における1種または複数の天然に存在しない形態のフィタン酸の混合物を意味する。本発明によれば、フィタン酸は、天然に存在する形態で、または両方が天然に存在する形態の混合物で用いることが好ましい。フィタン酸は周知の化合物であり、市販されている。フィタン酸のエピマーがすべて含まれる。
【0035】
フィタン酸の使用とともに、本発明によると上記に定義したフィタン酸の誘導体、特に、皮膚上もしくは皮膚中で、または適用前もしくは適用中に、完全にまたは部分的にフィタン酸に変換される誘導体を使用することも好ましい。本発明にしたがって用いられるフィタン酸誘導体が、フィタン酸エステル、特に、フィタン酸C〜C10アルキルエステルなどのアルキルエステルであるのが特に好ましい。C〜Cアルキルエステル、特にメチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、n−プロピルエステル、n−ブチルエステル、およびtert−ブチルエステルを、特に好ましいものとして挙げることができる。フィタン酸エステルは、フィタン酸から既知のようにして標準法に従い得ることができる。フィタン酸の好ましいエステルを製造する適切な方法を、実施例に記載する。
【0036】
本発明によると、基RがC〜C10アルケニル基、特にC〜Cアルケニル基である、上記で定義した式(I)の化合物も好ましい。アルケニル基の二重結合は3個より少なく、特に二重結合が1または2個であることが好ましい。基Rがアスコルビル基を表す、上記で定義した式(I)の化合物も特に好ましい。基Rは、アミノ酸またはペプチド基であることも可能である。このような化合物は、このような化合物をフィタン酸に変換するプロテアーゼまたはアミダーゼの基質であるので、フィタン酸の典型的なプロフォームである。基Rが水素原子である場合、式(I)の化合物はフィタールであり、本発明によるとフィタールのエピマーもすべて含まれる。基AおよびBが一緒になって二重結合を形成する場合、形成されるものはフィテン酸誘導体であり、これらの化合物のすべてのエピマーならびにE体およびZ体が含まれる。しかし、AおよびBは好ましくは水素原子であり、AおよびBが一緒になって二重結合を形成する場合、基Rが水酸基であるのが好ましく、その場合この化合物がフィテン酸自体を表す。この化合物は、例えばフィタン酸をもとにして、標準化学的方法を用いて既知の方法で製造することができる。
【0037】
RはORを表し、Rはn−プロピル基であり、またはC〜C22アルキル基である、先に定義した式(II)の化合物も新規であり、本発明はまた、これらの新規な化合物自体にも関する。
【0038】
フィタン酸の誘導体は、セルライトおよび/または皮下脂肪パッドそれ自体に対して活性があり、または局所適用前、適用中、もしくは適用後に活性なフィタン酸に変換される。
【0039】
本発明による製剤は、セルライトまたは皮下脂肪パッドの化粧上または医薬上の処置に特に適する。さらに、これらは皮膚の老化の予防および処置のために、特に、皮膚のしわおよび小じわを滑らかにするために、年齢によるしみを縮小させるために、滑らかさ、きめ、および張りなどの皮膚の物理的特性を向上させるために、際立った効果があり、さらに皮膚の色調および色ムラを改善する。本発明による製剤はまた、国際公開第98/32444号パンフレットに述べられているように、破壊または損傷した皮膚のバリア(表皮バリア)ならびにそのために引き起こされた状態、例えば、特に体液もしくは電解質異常、週齢33週未満の乳児の皮膚を介した低体温症および感染;粘膜の炎症、例えば、口唇炎、唇のひび割れ、鼻の炎症、および外陰膣炎;湿疹性皮膚炎、例えば、アトピー性もしくは脂漏性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、または非アレルギー性接触性皮膚炎;ひび割れ湿疹、光アレルギー性皮膚炎、光毒性皮膚炎、植物性皮膚炎、放射線皮膚炎、および定常性皮膚炎;外傷、熱傷、水疱性疾患もしくは皮膚または粘膜虚血により引き起こされた潰瘍および表面皮膚欠損;いくつかの形態の魚鱗癬、表皮水疱症、乾癬、肥厚性瘢痕およびケロイド、光加齢の内因性老化の皮膚の変化、皮膚を機械的に切断した結果として摩擦により起こる水疱の形成、ならびにコルチコステロイドの局所使用による皮膚の萎縮の化粧上または医薬上の処置にも特別有益である。
【0040】
処置すべき疾患に関しては、国際公開第98/32444号パンフレットの全内容を参照されたい。
【0041】
本発明による製剤は、フィタン酸および/またはフィタン酸の誘導体、ならびに適切な化粧用および/または製薬上適合性のある添加物を含む。
【0042】
有効物質、すなわちフィタン酸またはフィタン酸の誘導体が、本発明による製剤に組成物の総重量に対して0.0001重量%〜約50重量%の量で含まれることが特に好ましい。より好ましくは、フィタン酸またはフィタン酸の誘導体が組成物の総重量に対して0.01重量%〜約20重量%の量で、さらにより好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、例えば1〜約5%の量で含まれる。
【0043】
本発明による製剤は、1つまたは複数の化粧用に適合性のある、もしくは製薬上適合性のある担体、および/またはこのような製剤に通常用いられる添加物もしくは有効物質を含む。これには、例として、脂肪、油、ワックス、シリコン、乳化剤、アルコール、多価アルコール、増粘剤、湿潤剤および/または湿度保持物質、界面活性剤、可塑剤、泡沫抑制剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、もしくは両性ポリマー、アルカリ化剤もしくは酸性化剤、柔軟剤、吸収剤、光安定化剤、電解質、マスキング剤、有機溶剤、保存剤、殺菌剤、抗酸化剤、ビタミン、芳香性物質、香料、甘味剤、染料および色素を挙げることができる。
【0044】
適切な組成物は、例えば、液体または固体の水中油型乳剤、油中水型乳剤、多層乳剤、マイクロエマルジョン、PITエマルジョン、ピカリングエマルジョン、ヒドロゲル、アルコール性ゲル、リポゲル、単相もしくは多相溶液、フォーム剤、軟膏、硬膏、懸濁剤、粉末剤、クリーム、または他の従来型の製剤である。本発明による製剤は、油または香膏(例えば、担体物質として植物油もしくは動物性油、鉱油、合成油、またはこれらの混合物とともに)などの無水の形態に製剤化することもできる。
【0045】
国際公開第01/64177号パンフレットには、セルライトを処置するのに適した製剤として、有効物質のフラボンおよびイソフラボンについて記載されている。この中に記載されているセルライトを処置するための局所用製剤は、原則として、フィタン酸およびその誘導体を製剤化するのにも適しており、国際公開第01/64177号パンフレットの製剤からの有効物質または植物抽出物はフィタン酸またはその誘導体により置き換えられている。この点に関して、国際公開第01/64177号パンフレットの開示を参照されたい。
【0046】
本発明による製剤は、好ましくは1つまたは複数の従来型の脂肪性物質、例えば、植物油、流動パラフィン油、イソパラフィン油、合成炭化水素、ジ−n−アルキルエステル、脂肪酸、脂肪アルコール、エステル油、ヒドロキシカルボン酸アルキルエステル、ジカルボン酸、ジオールエステル、カルボン酸と脂肪アルコールの対称、非対称、もしくは環状エステル、飽和および/または不飽和直鎖および/または分枝脂肪酸とグリセロールとのモノ、ジ、およびトリ脂肪酸エステル、ワックス、ならびにシリコン化合物を含む。こういった脂肪物質の適切な例は、国際公開第01/64177号パンフレットに開示されており、この点に関して参照されたい。
【0047】
脂肪物質は通常、本発明による製剤中に(それぞれ製剤全体に対して)0.1〜50重量%、好ましくは0.1〜20重量%、特に0.1〜15重量%の量で存在する。
【0048】
国際公開第01/64177号パンフレットの製剤同様、本発明による製剤は、乳化剤または分散剤として1つまたは複数の界面活性物質を含むことができる。こういった乳化剤または分散剤の適切な例は、国際公開第01/64177号パンフレットに記載されており、この点に関して参照されたい。
【0049】
本発明による製剤は、乳化剤を製剤全体に対して、例えば0.1〜25重量%、より好ましくは0.5〜15重量%の比率で含むことができる。
【0050】
本発明による製剤は、また、従来型の光安定化剤、例えば従来型のUV−Aおよび/またはUV−Bフィルターを含むことができる。本発明による製剤に用いることもできる従来型のUV−Aおよび/またはUV−Bフィルターの一覧は、例えばEP−A−1 081140に見られる。本発明によれば、この刊行物に初めて開示された新規のダークフィルターを、もちろん、本発明による製剤にも用いることができる。
【0051】
適切な有機物の、無機物の、または一部変更された無機物の光安定化フィルターもまた、国際公開第01/64177号パンフレットに記載されており、この点に関して参照されたい。
【0052】
所望により、本発明による製剤は、国際公開第01/64177号パンフレットに開示されているように、タンパク質加水分解物またはその誘導体、および適切な単糖類、オリゴ糖類、もしくは多糖類またはそれらの誘導体も含むことができる。さらなる適切な補助物質および添加物、例えば、ビタミン、プロビタミンおよびビタミン前駆物質、アラントピン(alantopine)、ビサボロール、抗酸化剤、セラミドおよび擬似セラミド、トリテルペン、モノマー性カテキン、増粘剤、植物配糖体、構造付与剤(構造化剤)、ジメチルイソソルビド、溶媒、膨張および浸潤助剤、香油、製剤を着色するための色素および染料、pHを調整するための物質、錯化剤、乳白剤、パール光沢剤、発泡剤;皮膜形成性、乳化安定性、増粘性、もしくは接着性ポリマー;特にカチオン性、アニオン性、および非イオン性ポリマーも、国際公開第01/64177号パンフレットに開示されており、この点に関して参照されたい。
【0053】
本発明による製剤は、通常通りに製剤化される。以下の実施例は、O/W型乳剤の製品を例示するものである。これらの製剤およびその他のものの製造方法は、当業者には知られており、ここで従来の製剤の教科書を参照することができる。
【0054】
本発明による製剤は、局所適用に適するように製剤化される。局所適用は、少なくとも1日1回、例えば1日2または3回なされる。処置期間は、望ましい効果が達成されるまで、通常少なくとも2日である。処置期間は、数週間または数カ月であることもできる。損傷を受けた皮膚のバリアの処置は、比較的短期間、例えば1日〜1週間の後にすでに首尾よく完了してしまう可能性もあるが、セルライトおよび皮膚の老化の処置は通常1〜2カ月かかる。
【0055】
適用する製剤の量は、製剤中の有効物質の濃度、および治療する疾患の重症度、もしくは望まれる化粧上の結果に依存する。概して、適用ごとに薬剤的使用のために適用する有効物質の量は、化粧用の使用の量より多くなる。適用するのに適する量は、皮膚の質、治療するヒト、および治療するセルライトの重症度、ならびに医師または美容専門家に周知の他の要因に依存する。例えば、クリームが皮膚上に適用される方法で、適用を行うことができる。クリームは、通常皮膚1cmあたり2mgの量で適用される。セルライトまたは皮下脂肪パッドを処置するには、使用する有効物質の量は、皮膚1cmあたり約10μg〜1mgであるべきである。セルライトまたは皮下脂肪パッドを処置するためのクリームは、したがって、式Iの有効物質を0.5重量%〜50重量%含むべきである。皮膚のバリア機能を修復するには、皮膚1cmあたり2μgなど、より少ない有効物質の量で十分なことが多く、局所用の製剤の有効物質濃度がそれに対応してより少なくなることがある。しかし、適用する量は重要ではなく、適用された有効物質のある量で処置が成功しない場合は、例えば、より濃度の高い局所用製剤を用いることにより、適用量を容易に増やすことができる。
【0056】
本発明による製剤は、通常0.05〜50重量%、より好ましくは0.1〜40重量%、例えば0.5〜40重量%の式Iを含む。有効物質の濃度は、一般量の製剤を皮膚に適用する場合に、皮膚1cmあたり有効物質1μg〜2mg、より好ましくは皮膚1cmあたり有効物質2μg〜有効物質1mg、例えば1cmあたり有効物質10μg〜500μgが提供されるように選択することが好ましい。
【0057】
本発明による製剤の特に有利な点は、皮膚の健康な状態を特に速やかに回復させることができることである。特に、ボディローションはバリアの脂質を溶かし出すことによる皮膚のバリアの破壊を伴う皮膚の洗浄後に適用され、有益である。この問題についても、例えば国際公開第98/32444号パンフレットに明白に記載されている。
【0058】
本発明によると、式Iの有効物質は、そのまま、またはリポソームの形でも使用することができる。リポソームは、レシチンを使って、ステロールまたは植物ステロールを加えてまたは加えずに形成すると有利である。式Iの有効物質は、そのままで、または他の有効物質とともに封入することができる。
【0059】
本発明による製剤は、ヒトを処置するのに特に適しているが、動物を処置するために用いることもできる。
【0060】
以下の実施例により、本発明を説明する。
【0061】
実施例1
フィタン酸エチルエステルの製造
3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカン酸エチルエステル
3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカン酸(28.9g、90.0mmol)を、乾燥CHCl(100ml)中に溶解する。過量のエタノール(157.5mmol)を濃HSO(450mg)とともに加え、溶液を、4日間分子ふるい(4Å)とともにソックスレー装置上で還流する。次いで反応混合液を、分液漏斗中、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄する(2×100ml)。合わせた水相を再度酢酸エチルで抽出する(2×100ml)。次いで、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で蒸留除去する。残渣を140℃、3.0×10−1mbarで蒸留する。収量:純粋物質28.6g、収率93%。−R(n−ヘキサン/酢酸エチル9:1)=0.78;H−NMR(400MHz,CDCl):δ=4.12(q,J=7.2,2H)、2.33〜2.27(m,1H)、2.15〜2.06(m,1H)、2.02〜1.89(m,1H)、1.59〜1.46(m,1H)、1.44〜1.02(m,24H)、0.98〜0.80(m,14H);MS(EI):340(12)[M]、115(100)[C11];IR(フィルム)cm−1:ν=2925、1737、1462、1376、1165、1033、930、847。
【0062】
実施例2
フィタン酸n−ブチルエステルの製造
3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカン酸n−ブチルエステル
3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカン酸(10.0g、32.0mmol)を過量のn−ブタノール(160.0mmol)中に溶解する。次いで、濃硫酸(345mg)を加え、溶液を、4日間分子ふるい(4Å)とともにソックスレー装置上で還流する。次いで、反応混合液を、分液漏斗中、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄する(2×100ml)。水相を混合し、もう一度酢酸エチルで抽出する(2×100ml)。次いで有機相を混合し硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で蒸留してとばす。残渣を142℃、4.4×10−1mbarで蒸留する。収量:純粋物質9.8g、収率83%。−R(n−ヘキサン/酢酸エチル49:1)=0.48;H−NMR(400MHz,CDCI):δ=4.07(t,J=6.8Hz,2H)、2.32〜2.26(m,1H)、2.18〜2.06(m,1H)、1.99〜1.90(m,1H)、1.66〜1.57(m,2H)、1.55〜1.46(m,1H)、1.43〜1.01(m,22H)、0.97〜0.90(m,6H)、0.88〜0.82(m,12H);MS(EI):368(20)[M]、143(100)[C15]:IR(フィルム)cm−1;ν=2925、2869、1736、1462、1378、1166、1022。
【0063】
以下の製剤の実施例では、組成物の全重量に対する重量%を表示している。
【0064】
【表1】

【0065】
製造上の指示
A成分とB成分とを別々に80℃に加熱する。Ultraturaxを用い13000rpmで激しく攪拌しながらA成分をB成分にゆっくりと加え、2分間ホモジェナイズする。乳液を45℃に放冷し、ゆっくりと攪拌しながらC成分の成分を加える。次いでD成分を用いてpHを6.0に調整する。
【0066】
【表2】

【0067】
製造上の指示
A成分とB成分とを別々に80℃に加熱する。Ultraturaxを用い13000rpmで激しく攪拌しながらA成分をB成分にゆっくりと加え、2分間ホモジェナイズする。乳液を45℃に放冷し、ゆっくりと攪拌しながらC成分の添加物を加える。その後D成分を用いてpHを6.0に調整する。
【0068】
【表3】

【0069】
製造上の指示
A成分とB成分とを別々に80℃に加熱する。Ultraturaxを用い13000rpmで激しく攪拌しながらA成分をB成分にゆっくりと加え、2分間ホモジェナイズする。乳液を45℃に放冷し、ゆっくりと攪拌しながらC成分の添加物を加える。その後D成分を用いてpHを7.5に調整する。
【0070】
【表4】

【0071】
製造上の指示
A成分を攪拌しながら85℃に加熱する。すべて溶解したらすぐにB成分を加える。次いでUltraturaxを用い13000rpmで激しく攪拌しながら、80℃に加熱したC成分をゆっくりと導入する。D成分もゆっくりと加える。1分間ホモジェナイズする。乳液を40℃に放冷し、ゆっくりと攪拌しながらE部分の添加物を加える。その後水酸化カリウム溶液を用いてpHを6.0に調整する。
【0072】
【表5】

【0073】
【表6】

【0074】
【表7】

【0075】
【表8】

【0076】
製剤実施例5および6は、抗しわ作用を有するフェイスクリームであり、製剤実施例7および8は、敏感肌用クリーム、製剤実施例9および10は皮膚保護ボディローションを示し、製剤実施例11および12はアイコントゥアージェルである。
【0077】
本発明による製剤の効果は、例えば適切な量の製剤1または2を、セルライトおよび/または皮下脂肪パッドに悩む被験者に局所的に適用することにより確認することができる。適用は、例えば製剤実施例2から皮膚10cmあたり製剤の20mgの量を、例えば1日3回行われる。適切な処置期間の後、例えば2カ月後、被験者はセルライトにはっきりと認識できる改善を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式の化合物を局所適用するための製剤であって、
【化1】


[式中、
Rは、水素、OR、N(OH)R、またはNRであり、
、R、およびRは、独立に、水素、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C12アリールアルキル(特に、ベンジル、フェネチル、およびフェニルプロピル)、レチニル、トコフェリル、アスコルビル、またはアミノ酸もしくはペプチドに由来する基であり、AおよびBは水素原子を表し、あるいはAと一方の基Bとは二重結合を形成し他方のBは水素原子を表し、あるいは基Aは水素原子であり基Bは一緒になって酸素原子を形成し、あるいは基Bの一方は水酸基であり他方の基Bおよび基Aは水素原子である]
式(I)の化合物および製薬上および/または化粧用に適合性のある担体を含み、ただしレチノイドを含まない製剤。
【請求項2】
式Iの化合物が式IIの化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の製剤
【化2】


[式中、
Rは、水素、ORまたはNHR、N(OH)Rであり、
は、水素、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、ベンジル、フェネチル、フェンプロピル、レチニル、トコフェリル、アスコルビル、またはアミノ酸もしくはペプチドに由来する基であり、AおよびBは両方とも水素原子であるか、または一緒になって二重結合を形成する]。
【請求項3】
Rが水素原子または基ORであり、Rが水素原子もしくはC〜Cアルキル基であり、AおよびBが両方とも水素原子であることを特徴とする、請求項2に記載の製剤。
【請求項4】
フィタン酸が関わることを特徴とする、請求項1に記載の製剤。
【請求項5】
製剤が化粧用の製剤であり、担体が化粧用に適合性のある担体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の製剤。
【請求項6】
製剤が、カフェイン、フラボン、およびイソフラボンから選択される他の有効物質を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の製剤。
【請求項7】
ヘアケア製品が関わることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の製剤。
【請求項8】
シャンプーまたはディープコンディショナーが関わることを特徴とする、請求項7に記載の製剤。
【請求項9】
製剤が医薬品であり、担体が製薬上適合性のある担体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の製剤。
【請求項10】
セルライト、皮下脂肪パッド、皮膚の老化、皮膚のバリアが損傷または損害を受けることにより引き起こされる状態を予防および/または処置するために、毛髪および頭皮を処置するために、乾燥肌を処置し積極的に予防するために、皮膚のバリア機能を強化するために、敏感肌を処置し手入れし予防するために、かつ/または健康な皮膚の生理学的恒常性の負の変化の徴候、特に適応性に欠け敏感なもしくは機能の低下した皮膚の状態、または適応性に欠け敏感なもしくは機能の低下した皮膚の付属物の状態、炎症を起こした皮膚の状態およびアトピー性湿疹、多形性光線皮膚症、乾癬、白斑、敏感な痒みのあるもしくは刺激された皮膚、正常な脂質過酸化の変化、健康な肌のセラミド、脂質およびエネルギー代謝の変化、生理的経表皮水分喪失の変化、皮膚の水分補給の低下および皮膚の水分含量の低下、天然保湿因子含量の変化、細胞間の伝達の低下、細胞内DNA合成の欠如徴候、DNA損傷および内因性のDNA修復機序の減退、金属プロテイナーゼおよび/または他のプロテアーゼの活性化あるいは対応する内因性DNA修復機序の阻害、および結合組織成分の正常な翻訳後修飾からの逸脱を処置し予防するために、局所適用する医薬品または化粧用の製剤を製造するための、請求項1〜4のいずれかで定義された式(I)の化合物の使用。
【請求項11】
前記医薬品または化粧用の製剤が、セルライトおよび/または皮下脂肪パッドを処置または予防するための製剤である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記医薬品または化粧用の製剤が、脂性の毛髪および/またはフケの形成を処置または予防するための製剤である、請求項10に記載の使用。
【請求項13】
セルライト、皮下脂肪パッド、皮膚の老化、皮膚のバリアが損傷または損害を受けることにより引き起こされる状態を処置し予防するために、毛髪および頭皮を処置するために、乾燥肌を処置し積極的に予防するために、皮膚のバリア機能を強化するために、敏感肌を処置し手入れし予防するために、かつ/または健康な皮膚の生理学的恒常性の負の変化の徴候、特に適応性に欠け敏感なもしくは機能の低下した皮膚の状態、または適応性に欠け敏感なもしくは機能の低下した皮膚の付属物の状態、炎症を起こした皮膚の状態およびアトピー性湿疹、多形性光線皮膚症、乾癬、白斑、敏感な痒みのあるもしくは刺激された皮膚、正常な脂質過酸化の変化、健康な肌のセラミド、脂質およびエネルギー代謝の変化、生理的経表皮水分喪失の変化、皮膚の水分補給の低下および皮膚の水分含量の低下、天然保湿因子含量の変化、細胞間の伝達の低下、細胞内DNA合成の欠如徴候、DNA損傷および内因性のDNA修復機序の減退、金属プロテイナーゼおよび/または他のプロテアーゼの活性化または対応する内因性DNA修復機序の阻害、および結合組織成分の正常な翻訳後修飾からの逸脱を処置し予防するための、その処置が化粧用処置である、請求項1〜4のいずれかで定義された式(I)の化合物の使用。
【請求項14】
セルライトおよび/または皮下脂肪パッドを処置し予防するための、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
脂性の毛髪および/またはフケの形成を処置し予防するための、請求項13に記載の使用。
【請求項16】
基RがORを表し、Rがn−プロピル基またはC〜C22アルキル基である、請求項1で定義した式(I)の化合物。

【公表番号】特表2006−527725(P2006−527725A)
【公表日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515970(P2006−515970)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006520
【国際公開番号】WO2004/110396
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】