説明

プリンタ装置

【課題】意図しない印刷設定が原因で再印刷をする場合に便利なプリンタ装置を提供する。
【解決手段】プリンタ装置は、パソコンから送られた印刷ジョブを受け付けて、印刷ジョブを実行する印刷ジョブ実行部と、印刷ジョブ実行部で印刷ジョブが実行されて排紙が開始されることにより操作可能となり、印刷設定の操作及びその印刷設定に基づいて印刷ジョブ実行部に対して印刷ジョブの実行のしなおしを命令する操作に用いられる再印刷操作部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコンから送られた印刷ジョブを実行するプリンタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコンをプリンタに接続することで、パソコンに記憶されているファイルを印刷することができる。これについて簡単に説明する。パソコンの画面上で印刷を選択してプリンタドライバを立ち上げ、パソコンに表示された印刷画面上で印刷設定をし、印刷OKのボタンをクリックする。これにより、ファイルの印刷ジョブがプリンタに送られてプリンタで印刷ジョブが実行され、ファイルが用紙に記録されて排紙される。
【0003】
ユーザは、プリンタから排紙された用紙を見て、意図した印刷設定でないことが分かれば(例えば両面印刷を意図していたが片面印刷されている)、印刷をしなおす(再印刷)ことがある。この場合、ユーザはパソコンのところに戻り、上述した一連の操作を再び行う必要がある。
【0004】
印刷装置で印刷ジョブ実行中に印刷部数を変更する操作を、その印刷装置で行える技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2007−8080号公報(段落0028〜段落0030、第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、意図しない印刷設定が原因で再印刷をする場合に便利なプリンタ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るプリンタ装置は、パソコンから送られた印刷ジョブを受け付けて、前記印刷ジョブを実行する印刷ジョブ実行部と、前記印刷ジョブ実行部で前記印刷ジョブが実行されて排紙が開始されることにより操作可能となり、印刷設定の操作及び前記印刷設定に基づいて前記印刷ジョブ実行部に対して前記印刷ジョブの実行のしなおしを命令する操作に用いられる再印刷操作部と、を備える。
【0008】
本発明に係るプリンタ装置において、前記印刷ジョブ実行部は、前記印刷ジョブの実行において、複数ページ分の画像データの蓄積が可能な画像メモリと、画像データを最初のページから順に前記画像メモリに蓄積していく制御をし、かつ前記画像メモリに蓄積された前記最初のページを含む複数ページ分の画像データが消去されれば前記印刷ジョブに対する前記再印刷操作部の操作の受け付けを禁止する制御をする制御部と、を含むようにすることができる。
【0009】
これによれば、画像データを最初のページから順に画像メモリに蓄積していく制御をするので、最初のページを含む複数ページ分の画像データを再印刷に利用することができる。この蓄積された画像データが消去されれば、最初のページを含む複数ページ分の画像データが失われる。よって、その印刷ジョブについては再印刷に必要なデータがプリンタ装置に揃わず、再印刷することができないので、その印刷ジョブに対する再印刷操作部の操作の受け付けを禁止している。
【0010】
本発明に係るプリンタ装置は、前記印刷ジョブ実行部で前記印刷ジョブが実行されて排紙が開始されることにより、前記印刷ジョブについて再印刷が可能なことを報知し、かつ前記制御部で前記印刷ジョブに対する前記再印刷操作部の操作の受け付けを禁止する制御がされることにより、前記報知を終了する報知部を、さらに備えるようにすることができる。
【0011】
これによれば、その印刷ジョブについて再印刷が可能な期間中に再印刷ができることを報知することができる。
【0012】
本発明に係るプリンタ装置において、前記印刷ジョブが終了してから所定時間が経過するまで、前記印刷ジョブに対する前記再印刷操作部の操作が受け付けられる、ようにすることができる。
【0013】
これによれば、印刷ジョブ終了後でも再印刷ができるので、印刷するページ数が少ない印刷ジョブについて有効となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザは、パソコンから送られた印刷ジョブが実行されて排紙された用紙を見て、意図しない印刷設定であることが分かれば、プリンタ装置の再印刷操作部を操作することで、その印刷ジョブについて再印刷(印刷のしなおし)をすることができる。したがって、意図しない印刷設定で印刷ジョブが実行されても、その印刷ジョブを送ったパソコンのところまで戻り、パソコンを操作して再印刷をする必要がなくなる。よって、本発明に係るプリンタ装置によれば、意図しない印刷設定が原因で再印刷をする場合に便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタ装置としての機能を有する複合機1の構成を示すブロック図である。複合機1は、プリンタ装置としての機能の他に、コピー装置、ファクシミリ装置及びスキャナ装置としての機能を有する。
【0016】
複合機1は、MPU(Micro Processing Unit)3、画像読取部5、画像記録部7、表示部9、操作部11、モデム13、NCU(Network Control Unit)15、ROM(Read Only Memory)19、RAM(Random Access Memory)21、画像メモリ23、ハードディスク25、コーデック27、LAN(Local Area Network)インターフェース29等が相互にバス33で接続された構成を有する。MPU3は、複合機1を構成する上記ハードウェアを制御すると共に複合機1の動作に必要なソフトウェアを実行する。
【0017】
画像読取部5は、CCD(Charge Coupled Device)等によって画像(文字、図、写真等)を読み取って画像データとして出力する。画像記録部7は、感光ドラム、帯電器、露光器、現像器及び定着器等により構成され、電子写真方式によって印刷(画像を用紙に記録して排紙)をする。
【0018】
表示部9は、複合機1の動作状態、各種設定内容等を表示する。表示部9は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等で実現される。操作部11は、複合機1の操作に必要なキー(テンキー、スタートキー、リセットキー、各種のファンクションキー等)を備える。
【0019】
モデム13は、通常のファクシミリ通信用のファクシミリモデムの機能を有する。また、モデム13は、NCU15と直接に接続されている。NCU15は、公衆交換電話網(PSTN)17に接続される電話回線と複合機1との接続を制御する機能の他に、通信相手の電話番号に応じたダイヤルパルスを送出する機能及び着信を検出する機能を有する。
【0020】
ROM19は、フラッシュメモリ等により実現されており、複合機1の動作に必要なソフトウェアを記憶している。RAM21は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により実現されている。RAM21は、ソフトウェアの実行時に発生するデータの一時的な記憶及びアプリケーションソフトの記憶等に利用される。
【0021】
画像メモリ23は、DRAM等で実現されており、送信すべき画像データ、受信した画像データ及び画像読取部5から出力された画像データ等を一時的に記憶する。ハードディスク25は、ファクシミリ通信の対象となる画像データ等を記憶する。複合機1ではファクシミリの通信管理記録に通信対象となる画像を含めている。この画像を形成するのにハードディスク25に記憶されている上記画像データを利用する。
【0022】
コーデック27は、画像データを符号化圧縮すると共に符号化圧縮されている画像データを復号する。LANインターフェース29は、複合機1がLAN31と通信可能に接続するインターフェースである。LAN31は、複数のパソコン35と接続されていると共にルータ37を経由してインターネット39と接続されている。
【0023】
図2は、複合機1に備えられる操作パネル41の平面図である。操作パネル41は、タッチパネル43及び各種のキー(モード選択キー45、テンキー47、スタートキー49、クリアキー51、割込みキー53、リセットキー55等)を備える。操作パネル41は、図1の表示部9及び操作部11として機能する
【0024】
各キーは、通常の複合機に備えられるそれらの名称のキーと同様の目的で使用される。例えば、モード選択キー45は、ファクシミリ、コピー、プリンタ、スキャナのモードを切り替える際に操作する。
【0025】
複合機1で実行される印刷ジョブについて、図1のパソコン35Aに記憶されているファイルを例にして説明する。ユーザは、印刷したいファイルをパソコン35Aの画面上に開いて印刷を選択する。これにより、パソコン35Aにインストールされているプリンタドライバが立ち上がり、パソコン35Aに印刷画面が表示される。印刷画面上で印刷設定をした後、印刷OKのボタンをクリックすることにより、選択したファイルがPDL(Page Description Language)で記述された印刷データ(以下、PDLデータと称する)に変換される。このPDLデータからなる印刷ジョブがLAN31を経由して複合機1に送られる。
【0026】
複合機1に送られた印刷ジョブ(PDLデータ)は、解析されて画像データとしてページ毎に画像メモリ23に蓄積する処理がされる。この蓄積された画像データは圧縮された状態にある。図3は、この処理を説明するフローチャートである。図4〜図8は上記処理でのPDLデータ61と画像メモリ23の関係を示す図である。上記選択したファイルのページ数をkとする。画像メモリ23は、印刷ジョブの実行において、複数ページ分の画像データの蓄積が可能にされている。
【0027】
図4は、複合機1で印刷ジョブが受け付けられたときのPDLデータ61と画像メモリ23の関係を示している。画像メモリ23には、画像データが未だ蓄積されていない。第1ページの画像データのデータ量を演算する(ステップS1)。
【0028】
画像メモリ23のメモリ残量とステップS1で演算したデータ量の差分が所定の閾値より大きいか判断する(ステップS3)。差分が所定の閾値より大きければ(ステップS3でYes)、画像メモリ23には第1ページの画像データが蓄積できる容量が残っていると見なして、第1ページの画像データを画像メモリ23に蓄積する(ステップS5、図5)。この蓄積された画像データを伸長して図示しない展開用メモリに展開し、電子写真方式により第1ページを用紙に記録して排紙する印刷ジョブが実行される。
【0029】
第1ページの排紙後も、第1ページの画像データを画像メモリ23から消去せずに記憶する。このように本実施形態では、画像データを蓄積しておき、再印刷の際に利用できるようにしている。
【0030】
第1ページが最後のページか判断する(ステップS7、ステップS9)。最後のページであれば(ステップS9でYes)、PDLデータ61をページ毎に画像データとして画像メモリ23に蓄積する処理が終了する。一方、最後のページではなく、第2ページがあれば(ステップS9でNo)、ステップS1へ戻り、第1ページと同様にして第2ページの処理がされる。
【0031】
本実施形態では、図6に示すように第7ページにおいて、画像メモリ23のメモリ残量とステップS1で演算したデータ量の差分が所定の閾値より大きくないと判断されたとする(ステップS3がNo)。第7ページの画像データを画像メモリ23に蓄積するために、画像メモリ23に蓄積されていた第1〜第6ページの画像データを消去する(ステップS11、図7)。なお、第1〜第6ページは、すでに用紙に記録されて排紙されている。
【0032】
そして、第7ページの画像データを画像メモリ23に蓄積する(ステップS5、図8)。第7ページについても上述した第1ページと同様の処理がされる。
【0033】
複合機1から排紙された用紙を見て、意図した印刷設定でないことが分かり、再印刷をしなければならないことがある。本実施形態では、複合機1の操作パネル41を操作することで、パソコン35からの印刷ジョブについて再印刷をできるようにしている。
【0034】
図9は、本実施形態に係る複合機1での再印刷を説明するフローチャートである。図10〜図15は、操作パネル41の平面図であり、再印刷においてタッチパネル43に表示される操作画面57の切り替わりを示している。
【0035】
図1の複合機1は、パソコン35から送られた印刷ジョブを受け付けて、印刷ジョブを実行する(ステップS21)。排紙が開始、すなわちファイルの第1ページが用紙に記録されて排紙されたか判断される(ステップS23)。排紙が未だ始まっていなければ(ステップS23でNo)、ステップS23の処理が繰り返される。
【0036】
排紙が開始されることにより(ステップS23でYes)、図10に示すように、タッチパネル43には、再印刷キー71を含む操作画面57が表示される(ステップS25)。印刷ジョブは継続されており、第2ページ、第3ページ、・・・が用紙に記録されて排紙される。
【0037】
その印刷ジョブについて最初のページを含む複数のページ分の画像データがすでに画像メモリ23から消去されているか判断される(ステップS27)。図3で説明したように、本実施形態では、画像データを最初のページから順に画像メモリ23に蓄積していく制御をしている。
【0038】
例えば図7に示すように、第7ページの画像データを画像メモリ23に蓄積するために、第1〜第6ページの画像データは画像メモリ23から消去されている。画像メモリ23が図7に示す状態であれば、ステップS27がYesとなる。これに対して、画像メモリ23が例えば図5や図6に示す状態であれば、ステップS27がNoとなる。
【0039】
ステップS27がNoの場合から説明する。排紙された用紙をユーザが見て、意図しない印刷設定であることが分かり、再印刷をするときは、再印刷キー71を操作する(ステップS29でYes)。これにより、複合機1は印刷ジョブを中断し(印刷を途中で止め)、かつ図11に示すように、タッチパネル43には印刷設定の操作画面57が表示される(ステップS31)。なお、再印刷キー71を操作しなければ(ステップS29でNo)、ステップS27に戻る。
【0040】
印刷設定の項目は印刷パラメータとも称され、図11に示すように、パソコン35でプリンタドライバを立ち上げることによりパソコン35に表示される印刷画面上の印刷設定の項目と同様の内容である。図11では、給紙方法、印刷方法、N in 1、印刷範囲の項目がタブ73で示されている。印刷設定の操作画面57には、印刷項目のタブ73の他にボタン75が含まれる。再印刷キー71を操作したが、印刷設定を変更する必要がないと考えれば、ボタン75を操作する。これにより、ステップS31で中断された印刷ジョブが再開されて、残りのページが用紙に記録されて排紙される。
【0041】
本実施形態では、給紙方法として、自動給紙、カセット1、カセット2、手差しの中から選択できる。印刷方法として、片面印刷、両面印刷の中から選択できる。N in 1とは一枚の用紙に記録するページ数であり、本実施形態では、1 in 1、2 in 1、4 in 1の中から選択できる。印刷範囲として、全ページ、指定したページの中から選択できる。
【0042】
例えば、ユーザは手差しで印刷をしたかったが、自動給紙で印刷されたとする。この場合は、「給紙方法」のタブ73を操作することにより、図12に示すように、タッチパネル43には、給紙方法を設定する操作画面57が表示される。この操作画面57は、自動給紙が選択されていることを示している。「手差し」のボタン77を操作することにより、図13に示すように、「手差し」が選択される。「閉じる」のボタン79を操作すれば、図14に示すように印刷設定の操作画面57に切り替わる。給紙方法として手差しが選択されていることが示されている。
【0043】
スタートキー49が操作されれば(ステップS33でYes)、複合機1は印刷ジョブの実行をしなおす(ステップS35)。これにより、その印刷ジョブについて再印刷(印刷のしなおし)がされる。再印刷においても、ステップS23以降の処理がされるので、意図した印刷設定でないことが分かれば、再印刷をすることができる。
【0044】
例えば、図6に示す状態で再印刷をするときは、第1〜第6ページは画像メモリ23に蓄積された画像データを利用し、残りのページはPDLデータ61を利用する。本実施形態では、画像データを最初のページから順に画像メモリ23に蓄積していく制御をするので、最初のページを含む複数ページ分の画像データを再印刷に利用することができる。なお、本実施形態において、PDLデータ61をコピーしておいて、これを再印刷に利用してもよい。このようにすれば、画像メモリ23で画像データを蓄積する制御が不要となる。
【0045】
再印刷をしないときは(ステップS33でNo)、「再印刷しない」のボタン75を操作する(ステップS37)。これにより、ステップS31で中断した印刷ジョブが再開されて(ステップS39)、ステップS25へ戻る。
【0046】
ステップS27がYesの場合、その印刷ジョブについて最初のページを含む複数のページの画像データがすでに画像メモリ23から消去されている(例えば、図7)。したがって、最初のページを含む複数ページ分については、PDLデータ61、画像データのいずれも失われているので、その印刷ジョブについては再印刷に必要なデータが複合機1に揃わず、再印刷することができない。
【0047】
よって、その印刷ジョブに対する再印刷の操作の受け付けを禁止する(ステップS41)。図15に示すように、タッチパネル43には再印刷キー71が消された操作画面57が表示され(ステップS43)、印刷ジョブが継続される(ステップS45)。印刷ジョブが終了すれば(ステップS47でYes)、図9に示す一連の処理が終わり、印刷ジョブが終了しなければ、ステップS45に戻る。
【0048】
以上のように、本実施形態によれば、パソコン35から送られた印刷ジョブが実行されて排紙された用紙を見て、意図しない印刷設定であることが分かれば、複合機1の操作パネル41を操作することにより、その印刷ジョブについて再印刷をすることができる。したがって、意図しない印刷設定で印刷ジョブが実行されても、その印刷ジョブを送ったパソコン35のところまで戻り、パソコン35を操作して再印刷をする必要がない。よって、本実施形態は、意図しない印刷設定が原因で再印刷をする場合に便利である。
【0049】
また、印刷ジョブが実行されて排紙が開始されることにより、再印刷キー71を表示し(ステップS23,S25)、かつその印刷ジョブに対する再印刷の操作の受け付けが禁止されることにより、再印刷キー71の表示を消している(ステップS41,S43)。したがって、本実施形態によれば、その印刷ジョブについて再印刷が可能な期間中に再印刷ができることをユーザに報知することができる。なお、再印刷キー71を表示せずに、再印刷が可能なことを音声で報知する態様でもよい。この態様では、音声ガイダンスにしたがって、印刷設定の操作画面57を呼び出すようにする。
【0050】
ところで、印刷するページ数が少なければ、再印刷キー71を操作する前に印刷ジョブが終了してしまうことがある。印刷ジョブ終了後、所定時間(例えば2〜3分)が経過するまで、印刷ジョブが終了した件について画像メモリ23に全ページの画像データを蓄積しておき、再印刷できるようにしてもよい。図16は、印刷ジョブ終了後の再印刷について説明するフローチャートである。
【0051】
印刷するページ数が少ない場合、その印刷ジョブの全ページの画像データが画像メモリ23に蓄積された状態で印刷ジョブが終了する。例えば、印刷ジョブのページ数が4であれば、図17に示すように、第1〜第4ページの画像データが画像メモリ23に蓄積された状態で印刷ジョブが終了する。
【0052】
印刷ジョブ終了後もその印刷ジョブの全ページの画像データを画像メモリ23に蓄積し(ステップS61)、図18に示すようにタッチパネル43には再印刷キー71を含む操作画面57が表示される(ステップS63)。
【0053】
印刷ジョブ終了後に再印刷可能な時間として、予め設定された所定時間が経過したか判断される(ステップS65)。所定時間が経過していなければ(ステップS65でNo)、再印刷キー71が操作されたか判断される(ステップS67)。再印刷キー71を操作しなければ(ステップS67でNo)、ステップS65へ戻る。
【0054】
排紙された用紙を見て、意図しない印刷設定であることが分かり、再印刷キー71を操作すれば(ステップS67でYes)。ステップS31で説明した図11に示す印刷設定の操作画面57がタッチパネル43に表示される(ステップS69)。
【0055】
ステップS33と同様に、印刷設定してからスタートキー49を操作することにより(ステップS71でYes)、印刷ジョブを実行しなおす(ステップS35)。これにより、印刷ジョブが終了したものについて再印刷をすることができる。「再印刷しない」のボタン75を操作すれば(ステップS71でNo)、ステップS63へ戻る。
【0056】
一方、印刷ジョブが終了してから所定時間が経過した場合(ステップS65でYes)、印刷ジョブが終了したものについて再印刷の操作の受け付けを禁止する(ステップS73)。そして、図19に示すように、再印刷キー71を消した操作画面57をタッチパネル43に表示する(ステップS75)。
【0057】
以上説明したように、印刷ジョブが終了してから所定時間が経過するまで、印刷ジョブに対する再印刷の操作を受け付けるようにすることで、印刷ジョブ終了後でも再印刷を可能にしている。したがって、印刷するページ数が少ない印刷ジョブについて有効となる。
【0058】
本実施形態において、図9のステップS21、ステップS35等は印刷ジョブ実行部で処理される。印刷ジョブ実行部は、図1に示すMPU3、画像記録部7、ROM19、RAM21、画像メモリ23等により構成される。
【0059】
図9のステップS33、図16のステップS71等は再印刷操作部で処理される。再印刷操作部は、印刷ジョブ実行部で印刷ジョブが実行されて排紙が開始されることにより操作可能となり、印刷設定の操作及び印刷設定に基づいて印刷ジョブ実行部に対して印刷ジョブの実行のしなおしを命令する操作に用いられる。再印刷操作部は、MPU3、ROM19、RAM21、操作パネル41等により構成される。
【0060】
図3に示す各ステップ、図9のステップS41、図16のステップS73等は制御部で処理される。制御部は、画像データを最初のページから順に画像メモリ23に蓄積していく制御をする。制御部は、また、画像メモリ23に蓄積された最初のページを含む複数ページ分の画像データが消去されれば印刷ジョブに対する再印刷操作部の操作の受け付けを禁止する制御をする。制御部は、図1に示すMPU3、ROM19、RAM21等により構成される。
【0061】
図9のステップS25、ステップS43、図16のステップS63、ステップS75等は報知部で処理される。報知部は、MPU3、ROM19、RAM21、タッチパネル43等により構成される。
【0062】
本実施形態は、プリンタ装置として複合機1を例に説明したが、プリンタ専用機でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態に係るプリンタ装置としての機能を有する複合機1の構成を示すブロック図である。
【図2】複合機1に備えられる操作パネル41の平面図である。
【図3】複合機1においてPDLデータを画像データとして蓄積する処理を説明するフローチャートである。
【図4】図3の処理でのPDLデータ61と画像メモリ23の関係(第1の関係)を示す図である。
【図5】同第2の関係を示す図である。
【図6】同第3の関係を示す図である。
【図7】同第4の関係を示す図である。
【図8】同第5の関係を示す図である。
【図9】複合機1での再印刷を説明するフローチャートである。
【図10】複合機1での再印刷において、操作画面57の第1例がタッチパネル43に表示されている操作パネル41の平面図である。
【図11】同第2例がタッチパネル43に表示されている操作パネル41の平面図である。
【図12】同第3例がタッチパネル43に表示されている操作パネル41の平面図である。
【図13】同第4例がタッチパネル43に表示されている操作パネル41の平面図である。
【図14】同第5例がタッチパネル43に表示されている操作パネル41の平面図である。
【図15】同第6例がタッチパネル43に表示されている操作パネル41の平面図である。
【図16】複合機1において、印刷ジョブ終了後にその印刷ジョブについて再印刷をする態様のフローチャートである。
【図17】図16で説明する態様での画像メモリ23の状態の一例を示す図である。
【図18】図16で説明する態様において、操作画面57の第1例がタッチパネル43に表示されている操作パネル41の平面図である。
【図19】同第2例がタッチパネル43に表示されている操作パネル41の平面図である。
【符号の説明】
【0064】
1・・・複合機、3・・・MPU、5・・・画像読取部、7・・・画像記録部、9・・・表示部、11・・・操作部、13・・・モデム、15・・・NCU、17・・・公衆交換電話網、19・・・ROM、21・・・RAM、23・・・画像メモリ、25・・・ハードディスク、27・・・コーデック、29・・・LANインターフェース、31・・・LAN、33・・・バス、35(35A)・・・パソコン、37・・・ルータ、39・・・インターネット、41・・・操作パネル、43・・・タッチパネル、45・・・モード選択キー、47・・・テンキー、49・・・スタートキー、51・・・クリアキー、53・・・割込みキー、55・・・リセットキー、57・・・操作画面、61・・・PDLデータ、71・・・再印刷キー、73・・・タブ、75,77,79・・・ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パソコンから送られた印刷ジョブを受け付けて、前記印刷ジョブを実行する印刷ジョブ実行部と、
前記印刷ジョブ実行部で前記印刷ジョブが実行されて排紙が開始されることにより操作可能となり、印刷設定の操作及び前記印刷設定に基づいて前記印刷ジョブ実行部に対して前記印刷ジョブの実行のしなおしを命令する操作に用いられる再印刷操作部と、を備えたプリンタ装置。
【請求項2】
前記印刷ジョブ実行部は、
前記印刷ジョブの実行において、複数ページ分の画像データの蓄積が可能な画像メモリと、
画像データを最初のページから順に前記画像メモリに蓄積していく制御をし、かつ前記画像メモリに蓄積された前記最初のページを含む複数ページ分の画像データが消去されれば前記印刷ジョブに対する前記再印刷操作部の操作の受け付けを禁止する制御をする制御部と、を含む請求項1に記載のプリンタ装置。
【請求項3】
前記印刷ジョブ実行部で前記印刷ジョブが実行されて排紙が開始されることにより、前記印刷ジョブについて再印刷が可能なことを報知し、かつ前記制御部で前記印刷ジョブに対する前記再印刷操作部の操作の受け付けを禁止する制御がされることにより、前記報知を終了する報知部を備えた請求項2に記載のプリンタ装置。
【請求項4】
前記印刷ジョブが終了してから所定時間が経過するまで、前記印刷ジョブに対する前記再印刷操作部の操作が受け付けられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプリンタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−255328(P2009−255328A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104934(P2008−104934)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】