プリント配線板、プリント回路板及びその製造方法
【課題】表面実装部品を半田付けするためにレーザビームを照射しても表面実装部品が熱で損傷することのないプリント配線板を提供する。
【解決手段】プリント配線板1は、透明基板3と、表面配線パターン4と、裏面配線パターン5とを備える。表面配線パターン4は、透明基板3の表面上に形成される。裏面配線パターン5は、透明基板3の裏面上に形成される。表面配線パターン4における複数のランド41は、透明基板3の表面上に実装される表面実装部品2に沿って所定領域100内に並べられ、表面実装部品2の複数のリード端子7がそれぞれ半田付けされる。裏面配線パターン5の配線は、所定領域100のうちランド41の間の領域以外にランド41に対向するように配置される。レーザビームがランド41の間の領域に照射され、透明基板3を透過しても、裏面配線パターン5で反射することなく、裏面側まで通り抜ける。
【解決手段】プリント配線板1は、透明基板3と、表面配線パターン4と、裏面配線パターン5とを備える。表面配線パターン4は、透明基板3の表面上に形成される。裏面配線パターン5は、透明基板3の裏面上に形成される。表面配線パターン4における複数のランド41は、透明基板3の表面上に実装される表面実装部品2に沿って所定領域100内に並べられ、表面実装部品2の複数のリード端子7がそれぞれ半田付けされる。裏面配線パターン5の配線は、所定領域100のうちランド41の間の領域以外にランド41に対向するように配置される。レーザビームがランド41の間の領域に照射され、透明基板3を透過しても、裏面配線パターン5で反射することなく、裏面側まで通り抜ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板、プリント回路板及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、レーザリフロー法に用いられるプリント配線板、レーザリフロー法で半田付けされた表面実装部品を備えるプリント回路板、及びレーザリフロー法によるプリント回路板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面実装部品(SMD; Surface Mount Device)をプリント配線板上に直接半田付けする表面実装技術(SMT; Surface Mount Technology)において、近年、無鉛半田の使用が要求されている。無鉛半田の融点は約220℃と、有鉛半田のそれよりも高いため、通常のリフロー法で半田付けを行うと、表面実装部品が熱で損傷するという問題がある。
【0003】
この問題を解決する方法の1つとして、レーザリフロー法が注目されている。レーザリフロー法は、レーザビームを照射して半田を溶融させることにより表面実装部品を半田付けする方法である。レーザビームは半田付け箇所だけに照射されるため、表面実装部品はほとんど加熱されない。
【0004】
特開2008−166489号公報(特許文献1)には、レーザユニット内に設けられたレーザ光源からのレーザビームを光ファイバを介して一対の照射ユニットに光伝送し、各照射ユニットからプリント基板上に載置された表面実装部品の両側縁部の端子部に向けてレーザビームを照射するレーザリフロー装置が記載されている。
【0005】
特許第2859978号公報(特許文献2)には、電子部品の外部リードを基板上の回路パターンに光ビームを用いて接合する電子部品の半田付け方法が記載されている。この方法は、外部リードの先端部から基端部に向かってリード幅程度に集光されたレーザビームを走査する。この方法はさらに、多数の外部リードに対して外部リード幅程度に集光された光ビームを順次操作する。
【0006】
特開2004−103920号公報(特許文献3)には、加熱対象部品を載置する表面と反対側の裏面に対して加熱光を照射する光加熱装置が記載されている。
【0007】
特開2006−40920号公報(特許文献4)には、フレキシブル基板を保持する基板保持板に対して赤外線を放射し、基板保持板を貫通して設けられる貫通穴を介して弱耐熱部品における被半田付け部分を直接加熱するリフロー半田付け装置が記載されている。
【0008】
特公平7−19683号公報(特許文献5)には、表側の導体パターンのランドが裏側に露出するように開口部を形成したフレキシブル配線基板を用意し、導体パターンのランドを表側から加熱して半田を溶融させることにより導体パターンのランドと電子部品の端子とを電気的に接続する電子部品の半田付け方法が記載されている。
【0009】
特開平5−48260号公報(特許文献6)には、プリント基板上の半田付けを行わない部分に、光ビームを反射させるマーキングインキ(材質:エポキシ)白色を印刷し、プリント基板に熱的ダメージを与えないで、光ビームにより加熱して半田付けすることが記載されている。
【0010】
特開2001−111207号公報(特許文献7)には、電熱ヒータ内蔵コテによって、電子部品が実装される実装基板の実装面の裏側から実装基板を局所的に加熱し、その熱によって半田ペーストを溶解させて電子部品を実装基板に半田付けする電子部品実装方法が記載されている。
【0011】
特開平6−262743号公報(特許文献8)には、ガラスパネルとICチップの接合において、接合面に直接光ビームを照射し加熱するとともに、IC上面からも光ビームを照射し加熱する接合装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2008−166489号公報
【特許文献2】特許第2859978号公報
【特許文献3】特開2004−103920号公報
【特許文献4】特開2006−40920号公報
【特許文献5】特公平7−19683号公報
【特許文献6】特開平5−48260号公報
【特許文献7】特開2001−111207号公報
【特許文献8】特開平6−262743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明者らは、両面フレキシブルプリント配線板に表面実装部品をレーザリフロー法で半田付けすると、表面実装部品が熱で損傷するという問題を新たに見出した。両面フレキシブルプリント配線板は、PI(ポリイミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの薄いフィルム基板と、その両面に形成される配線パターンとを備えた可撓性のプリント配線板である。このフィルム基板は透明であるため、表面実装部品を半田付けするために表面側から照射されたレーザビームはフィルム基板を透過し、裏面に形成されている配線パターンに当たる。フィルム基板と配線パターンとの界面には、剥離強度を大きくするために凹凸が形成されている。そのため、フィルム基板を透過したレーザビームは裏面に形成されている配線パターンで乱反射して表面側に戻ってくる。この反射レーザビームが表面実装部品に当たると、表面実装部品が熱で損傷してしまう。
【0014】
本発明の目的は、表面実装部品を半田付けするために光ビームを照射しても表面実装部品が熱で損傷することのないプリント配線板、プリント回路板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0015】
本発明によるプリント配線板は、透明基板と、表面配線パターンと、裏面配線パターンとを備える。表面配線パターンは、透明基板の表面上に形成される。裏面配線パターンは、透明基板の裏面上に形成される。表面配線パターンは、透明基板の表面上に実装されるべき表面実装部品に沿って所定領域内に並べられ、表面実装部品の複数のリード端子がそれぞれ半田付けされるべき複数のランドを含む。裏面配線パターンは、所定領域のうちランドの間の領域以外にランドに対向するように配置される配線を含む。ここでいう透明は無色透明及び有色透明を含む。
【0016】
本発明によるプリント回路板は、上記プリント配線板と、表面実装部品とを備える。表面実装部品は、透明基板の表面上に実装され、複数のリード端子を有する。
【0017】
本発明によるプリント回路板の製造方法は、上記プリント配線板を準備する工程と、ランド及び/又はリード端子に半田を塗布する工程と、表面実装部品をプリント配線板上に配置する工程と、光ビームを所定領域内で連続的にかつランド及び/又リード端子に順番に照射することによりリード端子をランドに半田付けする工程とを備える。
【0018】
本発明によれば、裏面配線パターンの配線がランドの間の領域以外にランドに対向するように配置されているため、光ビームがランドの間の領域に照射され、透明基板を透過しても、裏面配線パターンで反射することなく、裏面側まで通り抜ける。その結果、表面実装部品が熱で損傷することはない。
【0019】
本発明によるもう1つのプリント配線板は、透明基板と、表面配線パターンと、裏面配線パターンと、不透明層とを備える。表面配線パターンは、透明基板の表面上に形成される。裏面配線パターンは、透明基板の裏面上に形成される。不透明層は、透明基板と表面配線パターンとの間、透明基板と裏面配線パターンとの間、又は透明基板の中に形成される。表面配線パターンは、プリント配線板に実装されるべき表面実装部品に沿って並べられ、表面実装部品の複数のリード端子がそれぞれ半田付けされるべき複数のランドを含む。
【0020】
本発明によるもう1つのプリント回路板は、上記もう1つのプリント配線板と、上記表面実装部品と、上記不透明層とを備える。
【0021】
本発明によるもう1つのプリント回路板の製造方法は、上記もう1つのプリント配線板を準備する工程と、ランド及び/又はリード端子に半田を塗布する工程と、表面実装部品をプリント配線板上に配置する工程と、光ビームをランド及び/又リード端子に順番にかつ連続的に照射することによりリード端子をランドに半田付けする工程とを備える。
【0022】
本発明によれば、不透明層が透明基板と表面配線パターンとの間、透明基板と裏面配線パターンとの間、又は透明基板の中に形成されているため、光ビームがランドの間の領域に照射され、透明基板を透過しても、裏面配線パターンで反射することなく、不透明層で吸収される。その結果、表面実装部品が熱で損傷することはない。
【0023】
本発明によるさらにもう1つのプリント回路板は、上記もう1つのプリント配線板と、上記表面実装部品とを備える。表面実装部品は、側面と、その側面から延びる複数のリード端子とを有する。ランドの各々は、表面実装部品に近い方の端を有する。表面実装部品の側面とランドの端との間の距離は150μm以上である。
【0024】
本発明によるさらにもう1つのプリント回路板の製造方法は、上記もう1つのプリント配線板を準備する工程と、ランド及び/又はリード端子に半田を塗布する工程と、表面実装部品をプリント配線板上に配置する工程と、光ビームをランド及び/又リード端子に順番にかつ連続的に照射することによりリード端子をランドに半田付けする工程とを備える。
【0025】
本発明によれば、表面実装部品の側面とランドの端との間の距離が150μm以上であるため、光ビームがランドの間の領域に照射され、透明基板を透過し、裏面配線パターンで乱反射しても、表面実装部品に当たらない。その結果、表面実装部品が熱で損傷することはない。
【0026】
本発明の説明においては、JIS C 5603及びIEC60914に従い、「プリント配線板」(printed wiring board)は、基板と、基板上に形成される配線パターンとを含み、表面実装部品を含まない。「プリント回路板」(printed circuit board)は、プリント配線板と、表面実装部品とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるプリント回路板を示す斜視図である。
【図2】図1に示したプリント回路板の拡大斜視図である
【図3】図2中のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図2に示したプリント回路板の平面図である。
【図5】図2に示したプリント配線板の平面図である。
【図6】図1に示したプリント回路板の平面図である。
【図7】図1に示したプリント回路板の製造装置の全体構成を示す正面図である。
【図8】図7に示したキャリア、並びにその上に載せられたプリント回路板中のプリント配線板及びリード端子の断面図である。
【図9】図7に示した製造装置による製造方法を示すフロー図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態によるプリント回路板を示す断面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態によるプリント回路板を示す断面図である。
【図12】図11に示した両面フレキシブルプリント配線板を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0029】
[第1の実施の形態]
[プリント回路板の構成]
図1を参照して、第1の実施の形態による両面フレキシブルプリント配線板1は、透明基板3と、表面配線パターン4と、裏面配線パターン5とを備える。透明基板3は、可撓性の薄いフィルム基板であり、PI、PEN、PETなどからなる。表面配線パターン4は、透明基板3の表面上に形成される。裏面配線パターン5は、透明基板3の裏面上に形成される。
【0030】
両面フレキシブルプリント配線板1には表面実装部品2が半田付けにより実装される。両面フレキシブルプリント配線板1及び表面実装部品2によりプリント回路板10が構成される。表面実装部品2は、複数のリード端子7を有する。半数のリード端子7は表面実装部品2の一方側面21から延び出し、残り半数のリード端子7は表面実装部品2の他方側面から延び出す。
【0031】
表面実装部品2としては、特に限定されないが、CSP(Chip Size Package)、MCP(Multi Chip Package)、PoP(Package on Package)、SOP(Small Outline Package)、QFP(Quad Flat Package)、コネクタなどが用いられる。半田としては、好ましくは無鉛半田が用いられるが、有鉛半田が用いられてもよい。
【0032】
表面配線パターン4は、複数のランド41を含む。複数のランド41は、プリント配線板1の表面上に実装されるべき表面実装部品2に沿って所定領域100内に並べられる。複数のランド41には、表面実装部品2の複数のリード端子7がそれぞれ半田付けされる。裏面配線パターン5は、所定領域100のうちランド41の間の領域以外にランド41に対向するように配置される配線を含む。詳細は後述する。表面配線パターン4及び裏面配線パターン5以外の領域には、半田が付着しないようにレジストマスク6が形成される。表面配線パターン4及び裏面配線パターン5は、銅などの金属、その他の導電性材料からなる。
【0033】
リード端子7はレーザリフロー法によりランド41に半田付けされる。より具体的には、図2及び図3を参照して、半田ペースト8がランド41上に塗布され、リード端子7及びランド41の間に挟まれる。レーザビーム500が表面側から所定領域100内で連続的にかつリード端子7に順番に照射される。これにより、半田ペースト8が溶融し、リード端子7がランド41に固定される。レーザビーム500のような光ビームに代えて、レンズ等で集光された光ビームが用いられてもよい。
【0034】
レーザビーム500はリード端子7及び表面配線パターン4を透過しない。しかし、レーザビーム500は透明基板3を透過する。そのため、もしランド41の間の領域に裏面配線パターン5が形成されていると、透明基板3を透過したレーザビーム500がその裏面配線パターン5で乱反射して表面側に戻り、その反射レーザビームが表面実装部品2に照射されてしまう場合がある。その場合、表面実装部品2は熱で損傷する。
【0035】
これに対し、図3に示したプリント配線板1では、裏面配線パターン5の配線51がランド41に対向するように配置され、ランド41の間の領域には配置されていない。より具体的には、図4及び図5に示されるように、裏面配線パターン5は、真っ直ぐに延びるのではなく、レーザビーム500が照射される所定領域100において、ランド41の下方へ迂回する。そのため、図3に示されるように、透明基板3を透過したレーザビーム500は裏面側まで通り抜ける。
【0036】
レーザビーム500がプリント配線板1上に照射されると、図6に示されるように、ビームスポット501が形成される。レーザビーム500がランド41全体に照射されるように、ビームスポット501の直径2rはランド41の長辺の長さLとほぼ同じにされる。ランド41の間隔dがビームスポット501の半径rよりも短い場合、ビームスポット501の中心がランド41を超えると、ビームスポット501は隣接する次のランド41に照射され始める。そのため、ランド41の間の領域でレーザビーム500の照射を一時的に停止するのは好ましくない。したがって、レーザビーム500は連続的に照射される。
【0037】
もしビームスポット501の直径2rがランド41の短辺の長さとほぼ同じであれば、次の方法でレーザビーム500を照射することが考えられる。すなわち、ビームスポット501をランド41の長辺方向に沿って一端から他端へ移動させることによりレーザビーム500を1つのランド41全域に照射する。その後、照射を一旦停止する。そして、その隣のランド41全域にレーザビーム500を同じ方法で照射する。このような照射を繰り返せば、従来のプリント配線板のように、たとえ裏面配線パターンがランド41の間の領域に配置されていたとしても、レーザビーム500が裏面配線パターンで乱反射することはない。しかしながら、この方法はレーザビーム500の照射位置を正確に制御しなければならない。照射位置が少しでもずれると、半田付け不良が生じるからである。また、ランド41を1つずつ順番に照射するため、半田ペースト8は順番に溶融され、決して同時には溶融されない。そのため、セルフアライメント作用が働かず、表面実装部品2が正しく位置決めされない。したがって、上述したとおり、表面実装部品2に沿ってレーザビーム500を走査する方が望ましい。
【0038】
また、ビームスポット501の直径2rを小さくすると、エネルギ密度が高くなる。そのため、表面配線パターン4が形成されていない領域にレーザビーム500が直接照射されると、透明基板3が熱で損傷するおそれがある。また、レーザビーム500が半田ペースト8に照射されると、半田ペースト8が突沸し、半田粒子が飛散するおそれがある。したがって、ビームスポット501の直径2rは可能な限り大きい方が望ましい。
【0039】
[プリント回路板の製造装置の構成]
次に、上述したプリント回路板10の製造装置の構成を説明する。
【0040】
図7を参照して、プリント回路板10の製造装置は、半田ペースト印刷機11と、表面実装機(チップマウンタ)12と、ジェットディスペンサ13と、レーザ照射機14と、キャリア15とを備える。
【0041】
半田ペースト印刷機11は、図3に示したように、ランド41に半田ペースト8を印刷する。表面実装機12は、各リード端子7が対応するランド41上に来るように、表面実装部品2を両面フレキシブルプリント配線板1上の所定位置に配置する。ジェットディスペンサ13は、半田ペースト8を吐出し、ランド41に追加する。レーザ照射機14は、レーザビーム500を所定領域100内で連続的にかつ複数のリード端子7に順番に照射する。キャリア15は、その上に載せられた両面フレキシブルプリント配線板1を図7上において左から右へ搬送する。
【0042】
一般に用いられるキャリアは金属製である。本実施の形態において、もし金属製キャリアが用いられると、両面フレキシブルプリント配線板1を透過したレーザビーム500が金属製キャリアで反射し、表面実装部品2が熱で損傷してしまう可能性がある。そのため、キャリア15はレーザビーム500を透過するように透明である。キャリア15は、たとえばガラス、石英、アクリル、塩化ビニール、ポリカーボネート、ウレタン、エポキシ、ガラスエポキシ、サファイアガラスからなる。
【0043】
図8に示されるように、両面フレキシブルプリント配線板1を透過したレーザビーム500はキャリア15も透過する。レーザ照射機14の下方にはターミネータ9が設けられる。ターミネータ9は、キャリア15を透過したレーザビーム500を終端させる。
【0044】
[プリント回路板の製造方法]
次に、図7に示した製造装置を用い、プリント回路板10を製造する方法を説明する。
【0045】
図9を参照して、まず、両面フレキシブルプリント配線板1を準備し、キャリア15上に載せる(S1)。
【0046】
キャリア15は、載せられた両面フレキシブルプリント配線板1を半田ペースト印刷機11の下方まで搬送する。半田ペースト印刷機11は、搬送された両面フレキシブルプリント配線板1のランド41に半田ペースト8を印刷する(S2)。
【0047】
続いて、キャリア15は、半田ペースト8が印刷された両面フレキシブルプリント配線板1を表面実装機12の下方まで搬送する。表面実装機12は、表面実装部品2を両面フレキシブルプリント配線板1上に載せる(S3)。
【0048】
続いて、キャリア15は、表面実装部品2が載せられた両面フレキシブルプリント配線板1をジェットディスペンサ13の下方まで搬送する。ジェットディスペンサ13は、半田ペースト8を追加する(S4)。
【0049】
続いて、キャリア15は、半田ペースト8が追加された両面フレキシブルプリント配線板1をレーザ照射機14の下方まで搬送する。レーザ照射機14は、所定領域100内で連続的にかつ複数のランド41に順番にレーザビーム500を照射する(S5)。その結果、プリント回路板10が製造される。
【0050】
[第1の実施の形態の効果]
以上、第1の実施の形態によれば、裏面配線パターン5の配線51がランド41の間の領域以外にランド41に対向するように配置されているため、レーザビーム500がランド41の間の領域に照射され、透明基板3を透過しても、裏面配線パターン5で反射することなく、裏面側まで通り抜ける。その結果、表面実装部品2が熱で損傷することはない。
【0051】
[第2の実施の形態]
図10を参照して、第2の実施の形態による両面フレキシブルプリント配線板1は、図3に示したものに加えて、不透明層20を含む。不透明層20は、透明基板3と裏面配線パターン5との間に形成される。不透明層20は、特に限定されないが、有色PIからなる。有色PIの代わりに、有色PET、有色PEN、カーボンブラックなど、レーザビーム500を吸収する材料が用いられてもよい。すなわち、所定の波長を有するレーザビーム500に対し、透明基板3は高い透過率を有し、不透明層20は低い透過率を有する。
【0052】
透明基板3を透過したレーザビーム500は、裏面配線パターン5に到達する前に、不透明層20で吸収され、熱に変換される。その熱は、裏面配線パターン5、金属製キャリアなどを介して外部に放出される。透明基板3を透過したレーザビーム500が裏面配線パターン5で反射することはないので、表面実装部品2が熱で損傷することはない。
【0053】
波長200〜514.5nmのレーザビームを発振するエキシマレーザ、アルゴンイオンレーザ又はHe−Cd混合ガスレーザを用いた場合、橙色の有色PIをそのまま用いればよく、着色の必要はない。波長480〜540nmのレーザビームを発振するアルゴンイオンレーザ又はNd−YAG(SHG)個体レーザを用いた場合、PIと裏面配線パターン5との間に形成されるエポキシの接着層に赤発色剤を添加する。波長632.8nmのレーザビームを発振する半導体レーザ、又は波長760〜850nmのレーザビームを発振するHe−Ne混合ガスレーザを用いた場合、PIと裏面配線パターン5との間に形成されるエポキシの接着層に青発色剤を添加する。波長980nmのレーザビームを発振する半導体レーザ、又は波長1064nmのレーザビームを発振するNd−YAG固体レーザを用いた場合、PIと裏面配線パターン5との間に形成されるエポキシの接着層に緑発色剤を添加する。波長200〜1064nmのレーザビームを発振する上記レーザを用いた場合、PI、又はPIと裏面配線パターン5との間に形成されるエポキシの接着層に二酸化ケイ素、雲母、酸化アルミニウムを添加する(特開2004−216870号公報参照)。
【0054】
不透明層20は、透明基板3と裏面配線パターン5との間の代わりに、透明基板3と表面配線パターン4との間又は透明基板3の中に形成されてもよい。
【0055】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態によるプリント回路板においては、図11に示されるように、表面実装部品2の側面21とランド41の表面実装部品2に近い方の端42との間の距離は150μm以上である。
【0056】
図12に示されるように、一般的に用いられる両面フレキシブルプリント配線板1においては、PI製の透明基板3の厚さt1が80μm、銅箔の表面配線パターン4及び裏面配線パターン5の厚さt2が100μm、PI製のカバーレイ30の厚さt3が80μmである。カバーレイ30は、レジストマスク6と同様に、半田の付着を防止するために、ランド等以外の領域上に形成される。透明基板3と表面配線パターン4又は裏面配線パターン5との界面には、JIS(日本工業規格)に規定された剥離強度を得るために、凹凸が形成されている。したがって、レーザビーム500が両面フレキシブルプリント配線板1に対して垂直に入射すると、透明基板3と裏面配線パターン5との界面で乱反射する。レーザビーム500の波長が典型的な980nmの場合、乱反射したレーザビームの散乱角θは約64度である。tan(θ/2)=R/(t1+t2+t3)の関係式より、カバーレイ30上の散乱半径Rは150μmである。透明基板3の厚さt1が厚くなると、散乱半径Rは大きくなる。
【0057】
第3の実施の形態によれば、表面実装部品2の側面21とランド41の端42との間の距離が150μm以上であるため、レーザビーム500がランド41の間の領域に照射され、透明基板3を透過し、裏面配線パターン5で乱反射しても、表面実装部品2に当たらない。その結果、表面実装部品2が熱で損傷することはない。
【0058】
本発明は、上述したフレキシブルプリント配線板だけでなく、リジッドなプリント配線板にも適用可能である。
【0059】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 両面フレキシブルプリント配線板
2 表面実装部品
3 透明基板
4 表面配線パターン
5 裏面配線パターン
7 リード端子
8 半田ペースト
10 プリント回路板
20 不透明層
21 表面実装部品の側面
41 ランド
42 ランドの端
51 裏面配線パターンの配線
100 所定領域
500 レーザビーム
501 ビームスポット
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板、プリント回路板及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、レーザリフロー法に用いられるプリント配線板、レーザリフロー法で半田付けされた表面実装部品を備えるプリント回路板、及びレーザリフロー法によるプリント回路板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面実装部品(SMD; Surface Mount Device)をプリント配線板上に直接半田付けする表面実装技術(SMT; Surface Mount Technology)において、近年、無鉛半田の使用が要求されている。無鉛半田の融点は約220℃と、有鉛半田のそれよりも高いため、通常のリフロー法で半田付けを行うと、表面実装部品が熱で損傷するという問題がある。
【0003】
この問題を解決する方法の1つとして、レーザリフロー法が注目されている。レーザリフロー法は、レーザビームを照射して半田を溶融させることにより表面実装部品を半田付けする方法である。レーザビームは半田付け箇所だけに照射されるため、表面実装部品はほとんど加熱されない。
【0004】
特開2008−166489号公報(特許文献1)には、レーザユニット内に設けられたレーザ光源からのレーザビームを光ファイバを介して一対の照射ユニットに光伝送し、各照射ユニットからプリント基板上に載置された表面実装部品の両側縁部の端子部に向けてレーザビームを照射するレーザリフロー装置が記載されている。
【0005】
特許第2859978号公報(特許文献2)には、電子部品の外部リードを基板上の回路パターンに光ビームを用いて接合する電子部品の半田付け方法が記載されている。この方法は、外部リードの先端部から基端部に向かってリード幅程度に集光されたレーザビームを走査する。この方法はさらに、多数の外部リードに対して外部リード幅程度に集光された光ビームを順次操作する。
【0006】
特開2004−103920号公報(特許文献3)には、加熱対象部品を載置する表面と反対側の裏面に対して加熱光を照射する光加熱装置が記載されている。
【0007】
特開2006−40920号公報(特許文献4)には、フレキシブル基板を保持する基板保持板に対して赤外線を放射し、基板保持板を貫通して設けられる貫通穴を介して弱耐熱部品における被半田付け部分を直接加熱するリフロー半田付け装置が記載されている。
【0008】
特公平7−19683号公報(特許文献5)には、表側の導体パターンのランドが裏側に露出するように開口部を形成したフレキシブル配線基板を用意し、導体パターンのランドを表側から加熱して半田を溶融させることにより導体パターンのランドと電子部品の端子とを電気的に接続する電子部品の半田付け方法が記載されている。
【0009】
特開平5−48260号公報(特許文献6)には、プリント基板上の半田付けを行わない部分に、光ビームを反射させるマーキングインキ(材質:エポキシ)白色を印刷し、プリント基板に熱的ダメージを与えないで、光ビームにより加熱して半田付けすることが記載されている。
【0010】
特開2001−111207号公報(特許文献7)には、電熱ヒータ内蔵コテによって、電子部品が実装される実装基板の実装面の裏側から実装基板を局所的に加熱し、その熱によって半田ペーストを溶解させて電子部品を実装基板に半田付けする電子部品実装方法が記載されている。
【0011】
特開平6−262743号公報(特許文献8)には、ガラスパネルとICチップの接合において、接合面に直接光ビームを照射し加熱するとともに、IC上面からも光ビームを照射し加熱する接合装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2008−166489号公報
【特許文献2】特許第2859978号公報
【特許文献3】特開2004−103920号公報
【特許文献4】特開2006−40920号公報
【特許文献5】特公平7−19683号公報
【特許文献6】特開平5−48260号公報
【特許文献7】特開2001−111207号公報
【特許文献8】特開平6−262743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明者らは、両面フレキシブルプリント配線板に表面実装部品をレーザリフロー法で半田付けすると、表面実装部品が熱で損傷するという問題を新たに見出した。両面フレキシブルプリント配線板は、PI(ポリイミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの薄いフィルム基板と、その両面に形成される配線パターンとを備えた可撓性のプリント配線板である。このフィルム基板は透明であるため、表面実装部品を半田付けするために表面側から照射されたレーザビームはフィルム基板を透過し、裏面に形成されている配線パターンに当たる。フィルム基板と配線パターンとの界面には、剥離強度を大きくするために凹凸が形成されている。そのため、フィルム基板を透過したレーザビームは裏面に形成されている配線パターンで乱反射して表面側に戻ってくる。この反射レーザビームが表面実装部品に当たると、表面実装部品が熱で損傷してしまう。
【0014】
本発明の目的は、表面実装部品を半田付けするために光ビームを照射しても表面実装部品が熱で損傷することのないプリント配線板、プリント回路板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0015】
本発明によるプリント配線板は、透明基板と、表面配線パターンと、裏面配線パターンとを備える。表面配線パターンは、透明基板の表面上に形成される。裏面配線パターンは、透明基板の裏面上に形成される。表面配線パターンは、透明基板の表面上に実装されるべき表面実装部品に沿って所定領域内に並べられ、表面実装部品の複数のリード端子がそれぞれ半田付けされるべき複数のランドを含む。裏面配線パターンは、所定領域のうちランドの間の領域以外にランドに対向するように配置される配線を含む。ここでいう透明は無色透明及び有色透明を含む。
【0016】
本発明によるプリント回路板は、上記プリント配線板と、表面実装部品とを備える。表面実装部品は、透明基板の表面上に実装され、複数のリード端子を有する。
【0017】
本発明によるプリント回路板の製造方法は、上記プリント配線板を準備する工程と、ランド及び/又はリード端子に半田を塗布する工程と、表面実装部品をプリント配線板上に配置する工程と、光ビームを所定領域内で連続的にかつランド及び/又リード端子に順番に照射することによりリード端子をランドに半田付けする工程とを備える。
【0018】
本発明によれば、裏面配線パターンの配線がランドの間の領域以外にランドに対向するように配置されているため、光ビームがランドの間の領域に照射され、透明基板を透過しても、裏面配線パターンで反射することなく、裏面側まで通り抜ける。その結果、表面実装部品が熱で損傷することはない。
【0019】
本発明によるもう1つのプリント配線板は、透明基板と、表面配線パターンと、裏面配線パターンと、不透明層とを備える。表面配線パターンは、透明基板の表面上に形成される。裏面配線パターンは、透明基板の裏面上に形成される。不透明層は、透明基板と表面配線パターンとの間、透明基板と裏面配線パターンとの間、又は透明基板の中に形成される。表面配線パターンは、プリント配線板に実装されるべき表面実装部品に沿って並べられ、表面実装部品の複数のリード端子がそれぞれ半田付けされるべき複数のランドを含む。
【0020】
本発明によるもう1つのプリント回路板は、上記もう1つのプリント配線板と、上記表面実装部品と、上記不透明層とを備える。
【0021】
本発明によるもう1つのプリント回路板の製造方法は、上記もう1つのプリント配線板を準備する工程と、ランド及び/又はリード端子に半田を塗布する工程と、表面実装部品をプリント配線板上に配置する工程と、光ビームをランド及び/又リード端子に順番にかつ連続的に照射することによりリード端子をランドに半田付けする工程とを備える。
【0022】
本発明によれば、不透明層が透明基板と表面配線パターンとの間、透明基板と裏面配線パターンとの間、又は透明基板の中に形成されているため、光ビームがランドの間の領域に照射され、透明基板を透過しても、裏面配線パターンで反射することなく、不透明層で吸収される。その結果、表面実装部品が熱で損傷することはない。
【0023】
本発明によるさらにもう1つのプリント回路板は、上記もう1つのプリント配線板と、上記表面実装部品とを備える。表面実装部品は、側面と、その側面から延びる複数のリード端子とを有する。ランドの各々は、表面実装部品に近い方の端を有する。表面実装部品の側面とランドの端との間の距離は150μm以上である。
【0024】
本発明によるさらにもう1つのプリント回路板の製造方法は、上記もう1つのプリント配線板を準備する工程と、ランド及び/又はリード端子に半田を塗布する工程と、表面実装部品をプリント配線板上に配置する工程と、光ビームをランド及び/又リード端子に順番にかつ連続的に照射することによりリード端子をランドに半田付けする工程とを備える。
【0025】
本発明によれば、表面実装部品の側面とランドの端との間の距離が150μm以上であるため、光ビームがランドの間の領域に照射され、透明基板を透過し、裏面配線パターンで乱反射しても、表面実装部品に当たらない。その結果、表面実装部品が熱で損傷することはない。
【0026】
本発明の説明においては、JIS C 5603及びIEC60914に従い、「プリント配線板」(printed wiring board)は、基板と、基板上に形成される配線パターンとを含み、表面実装部品を含まない。「プリント回路板」(printed circuit board)は、プリント配線板と、表面実装部品とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるプリント回路板を示す斜視図である。
【図2】図1に示したプリント回路板の拡大斜視図である
【図3】図2中のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図2に示したプリント回路板の平面図である。
【図5】図2に示したプリント配線板の平面図である。
【図6】図1に示したプリント回路板の平面図である。
【図7】図1に示したプリント回路板の製造装置の全体構成を示す正面図である。
【図8】図7に示したキャリア、並びにその上に載せられたプリント回路板中のプリント配線板及びリード端子の断面図である。
【図9】図7に示した製造装置による製造方法を示すフロー図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態によるプリント回路板を示す断面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態によるプリント回路板を示す断面図である。
【図12】図11に示した両面フレキシブルプリント配線板を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0029】
[第1の実施の形態]
[プリント回路板の構成]
図1を参照して、第1の実施の形態による両面フレキシブルプリント配線板1は、透明基板3と、表面配線パターン4と、裏面配線パターン5とを備える。透明基板3は、可撓性の薄いフィルム基板であり、PI、PEN、PETなどからなる。表面配線パターン4は、透明基板3の表面上に形成される。裏面配線パターン5は、透明基板3の裏面上に形成される。
【0030】
両面フレキシブルプリント配線板1には表面実装部品2が半田付けにより実装される。両面フレキシブルプリント配線板1及び表面実装部品2によりプリント回路板10が構成される。表面実装部品2は、複数のリード端子7を有する。半数のリード端子7は表面実装部品2の一方側面21から延び出し、残り半数のリード端子7は表面実装部品2の他方側面から延び出す。
【0031】
表面実装部品2としては、特に限定されないが、CSP(Chip Size Package)、MCP(Multi Chip Package)、PoP(Package on Package)、SOP(Small Outline Package)、QFP(Quad Flat Package)、コネクタなどが用いられる。半田としては、好ましくは無鉛半田が用いられるが、有鉛半田が用いられてもよい。
【0032】
表面配線パターン4は、複数のランド41を含む。複数のランド41は、プリント配線板1の表面上に実装されるべき表面実装部品2に沿って所定領域100内に並べられる。複数のランド41には、表面実装部品2の複数のリード端子7がそれぞれ半田付けされる。裏面配線パターン5は、所定領域100のうちランド41の間の領域以外にランド41に対向するように配置される配線を含む。詳細は後述する。表面配線パターン4及び裏面配線パターン5以外の領域には、半田が付着しないようにレジストマスク6が形成される。表面配線パターン4及び裏面配線パターン5は、銅などの金属、その他の導電性材料からなる。
【0033】
リード端子7はレーザリフロー法によりランド41に半田付けされる。より具体的には、図2及び図3を参照して、半田ペースト8がランド41上に塗布され、リード端子7及びランド41の間に挟まれる。レーザビーム500が表面側から所定領域100内で連続的にかつリード端子7に順番に照射される。これにより、半田ペースト8が溶融し、リード端子7がランド41に固定される。レーザビーム500のような光ビームに代えて、レンズ等で集光された光ビームが用いられてもよい。
【0034】
レーザビーム500はリード端子7及び表面配線パターン4を透過しない。しかし、レーザビーム500は透明基板3を透過する。そのため、もしランド41の間の領域に裏面配線パターン5が形成されていると、透明基板3を透過したレーザビーム500がその裏面配線パターン5で乱反射して表面側に戻り、その反射レーザビームが表面実装部品2に照射されてしまう場合がある。その場合、表面実装部品2は熱で損傷する。
【0035】
これに対し、図3に示したプリント配線板1では、裏面配線パターン5の配線51がランド41に対向するように配置され、ランド41の間の領域には配置されていない。より具体的には、図4及び図5に示されるように、裏面配線パターン5は、真っ直ぐに延びるのではなく、レーザビーム500が照射される所定領域100において、ランド41の下方へ迂回する。そのため、図3に示されるように、透明基板3を透過したレーザビーム500は裏面側まで通り抜ける。
【0036】
レーザビーム500がプリント配線板1上に照射されると、図6に示されるように、ビームスポット501が形成される。レーザビーム500がランド41全体に照射されるように、ビームスポット501の直径2rはランド41の長辺の長さLとほぼ同じにされる。ランド41の間隔dがビームスポット501の半径rよりも短い場合、ビームスポット501の中心がランド41を超えると、ビームスポット501は隣接する次のランド41に照射され始める。そのため、ランド41の間の領域でレーザビーム500の照射を一時的に停止するのは好ましくない。したがって、レーザビーム500は連続的に照射される。
【0037】
もしビームスポット501の直径2rがランド41の短辺の長さとほぼ同じであれば、次の方法でレーザビーム500を照射することが考えられる。すなわち、ビームスポット501をランド41の長辺方向に沿って一端から他端へ移動させることによりレーザビーム500を1つのランド41全域に照射する。その後、照射を一旦停止する。そして、その隣のランド41全域にレーザビーム500を同じ方法で照射する。このような照射を繰り返せば、従来のプリント配線板のように、たとえ裏面配線パターンがランド41の間の領域に配置されていたとしても、レーザビーム500が裏面配線パターンで乱反射することはない。しかしながら、この方法はレーザビーム500の照射位置を正確に制御しなければならない。照射位置が少しでもずれると、半田付け不良が生じるからである。また、ランド41を1つずつ順番に照射するため、半田ペースト8は順番に溶融され、決して同時には溶融されない。そのため、セルフアライメント作用が働かず、表面実装部品2が正しく位置決めされない。したがって、上述したとおり、表面実装部品2に沿ってレーザビーム500を走査する方が望ましい。
【0038】
また、ビームスポット501の直径2rを小さくすると、エネルギ密度が高くなる。そのため、表面配線パターン4が形成されていない領域にレーザビーム500が直接照射されると、透明基板3が熱で損傷するおそれがある。また、レーザビーム500が半田ペースト8に照射されると、半田ペースト8が突沸し、半田粒子が飛散するおそれがある。したがって、ビームスポット501の直径2rは可能な限り大きい方が望ましい。
【0039】
[プリント回路板の製造装置の構成]
次に、上述したプリント回路板10の製造装置の構成を説明する。
【0040】
図7を参照して、プリント回路板10の製造装置は、半田ペースト印刷機11と、表面実装機(チップマウンタ)12と、ジェットディスペンサ13と、レーザ照射機14と、キャリア15とを備える。
【0041】
半田ペースト印刷機11は、図3に示したように、ランド41に半田ペースト8を印刷する。表面実装機12は、各リード端子7が対応するランド41上に来るように、表面実装部品2を両面フレキシブルプリント配線板1上の所定位置に配置する。ジェットディスペンサ13は、半田ペースト8を吐出し、ランド41に追加する。レーザ照射機14は、レーザビーム500を所定領域100内で連続的にかつ複数のリード端子7に順番に照射する。キャリア15は、その上に載せられた両面フレキシブルプリント配線板1を図7上において左から右へ搬送する。
【0042】
一般に用いられるキャリアは金属製である。本実施の形態において、もし金属製キャリアが用いられると、両面フレキシブルプリント配線板1を透過したレーザビーム500が金属製キャリアで反射し、表面実装部品2が熱で損傷してしまう可能性がある。そのため、キャリア15はレーザビーム500を透過するように透明である。キャリア15は、たとえばガラス、石英、アクリル、塩化ビニール、ポリカーボネート、ウレタン、エポキシ、ガラスエポキシ、サファイアガラスからなる。
【0043】
図8に示されるように、両面フレキシブルプリント配線板1を透過したレーザビーム500はキャリア15も透過する。レーザ照射機14の下方にはターミネータ9が設けられる。ターミネータ9は、キャリア15を透過したレーザビーム500を終端させる。
【0044】
[プリント回路板の製造方法]
次に、図7に示した製造装置を用い、プリント回路板10を製造する方法を説明する。
【0045】
図9を参照して、まず、両面フレキシブルプリント配線板1を準備し、キャリア15上に載せる(S1)。
【0046】
キャリア15は、載せられた両面フレキシブルプリント配線板1を半田ペースト印刷機11の下方まで搬送する。半田ペースト印刷機11は、搬送された両面フレキシブルプリント配線板1のランド41に半田ペースト8を印刷する(S2)。
【0047】
続いて、キャリア15は、半田ペースト8が印刷された両面フレキシブルプリント配線板1を表面実装機12の下方まで搬送する。表面実装機12は、表面実装部品2を両面フレキシブルプリント配線板1上に載せる(S3)。
【0048】
続いて、キャリア15は、表面実装部品2が載せられた両面フレキシブルプリント配線板1をジェットディスペンサ13の下方まで搬送する。ジェットディスペンサ13は、半田ペースト8を追加する(S4)。
【0049】
続いて、キャリア15は、半田ペースト8が追加された両面フレキシブルプリント配線板1をレーザ照射機14の下方まで搬送する。レーザ照射機14は、所定領域100内で連続的にかつ複数のランド41に順番にレーザビーム500を照射する(S5)。その結果、プリント回路板10が製造される。
【0050】
[第1の実施の形態の効果]
以上、第1の実施の形態によれば、裏面配線パターン5の配線51がランド41の間の領域以外にランド41に対向するように配置されているため、レーザビーム500がランド41の間の領域に照射され、透明基板3を透過しても、裏面配線パターン5で反射することなく、裏面側まで通り抜ける。その結果、表面実装部品2が熱で損傷することはない。
【0051】
[第2の実施の形態]
図10を参照して、第2の実施の形態による両面フレキシブルプリント配線板1は、図3に示したものに加えて、不透明層20を含む。不透明層20は、透明基板3と裏面配線パターン5との間に形成される。不透明層20は、特に限定されないが、有色PIからなる。有色PIの代わりに、有色PET、有色PEN、カーボンブラックなど、レーザビーム500を吸収する材料が用いられてもよい。すなわち、所定の波長を有するレーザビーム500に対し、透明基板3は高い透過率を有し、不透明層20は低い透過率を有する。
【0052】
透明基板3を透過したレーザビーム500は、裏面配線パターン5に到達する前に、不透明層20で吸収され、熱に変換される。その熱は、裏面配線パターン5、金属製キャリアなどを介して外部に放出される。透明基板3を透過したレーザビーム500が裏面配線パターン5で反射することはないので、表面実装部品2が熱で損傷することはない。
【0053】
波長200〜514.5nmのレーザビームを発振するエキシマレーザ、アルゴンイオンレーザ又はHe−Cd混合ガスレーザを用いた場合、橙色の有色PIをそのまま用いればよく、着色の必要はない。波長480〜540nmのレーザビームを発振するアルゴンイオンレーザ又はNd−YAG(SHG)個体レーザを用いた場合、PIと裏面配線パターン5との間に形成されるエポキシの接着層に赤発色剤を添加する。波長632.8nmのレーザビームを発振する半導体レーザ、又は波長760〜850nmのレーザビームを発振するHe−Ne混合ガスレーザを用いた場合、PIと裏面配線パターン5との間に形成されるエポキシの接着層に青発色剤を添加する。波長980nmのレーザビームを発振する半導体レーザ、又は波長1064nmのレーザビームを発振するNd−YAG固体レーザを用いた場合、PIと裏面配線パターン5との間に形成されるエポキシの接着層に緑発色剤を添加する。波長200〜1064nmのレーザビームを発振する上記レーザを用いた場合、PI、又はPIと裏面配線パターン5との間に形成されるエポキシの接着層に二酸化ケイ素、雲母、酸化アルミニウムを添加する(特開2004−216870号公報参照)。
【0054】
不透明層20は、透明基板3と裏面配線パターン5との間の代わりに、透明基板3と表面配線パターン4との間又は透明基板3の中に形成されてもよい。
【0055】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態によるプリント回路板においては、図11に示されるように、表面実装部品2の側面21とランド41の表面実装部品2に近い方の端42との間の距離は150μm以上である。
【0056】
図12に示されるように、一般的に用いられる両面フレキシブルプリント配線板1においては、PI製の透明基板3の厚さt1が80μm、銅箔の表面配線パターン4及び裏面配線パターン5の厚さt2が100μm、PI製のカバーレイ30の厚さt3が80μmである。カバーレイ30は、レジストマスク6と同様に、半田の付着を防止するために、ランド等以外の領域上に形成される。透明基板3と表面配線パターン4又は裏面配線パターン5との界面には、JIS(日本工業規格)に規定された剥離強度を得るために、凹凸が形成されている。したがって、レーザビーム500が両面フレキシブルプリント配線板1に対して垂直に入射すると、透明基板3と裏面配線パターン5との界面で乱反射する。レーザビーム500の波長が典型的な980nmの場合、乱反射したレーザビームの散乱角θは約64度である。tan(θ/2)=R/(t1+t2+t3)の関係式より、カバーレイ30上の散乱半径Rは150μmである。透明基板3の厚さt1が厚くなると、散乱半径Rは大きくなる。
【0057】
第3の実施の形態によれば、表面実装部品2の側面21とランド41の端42との間の距離が150μm以上であるため、レーザビーム500がランド41の間の領域に照射され、透明基板3を透過し、裏面配線パターン5で乱反射しても、表面実装部品2に当たらない。その結果、表面実装部品2が熱で損傷することはない。
【0058】
本発明は、上述したフレキシブルプリント配線板だけでなく、リジッドなプリント配線板にも適用可能である。
【0059】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 両面フレキシブルプリント配線板
2 表面実装部品
3 透明基板
4 表面配線パターン
5 裏面配線パターン
7 リード端子
8 半田ペースト
10 プリント回路板
20 不透明層
21 表面実装部品の側面
41 ランド
42 ランドの端
51 裏面配線パターンの配線
100 所定領域
500 レーザビーム
501 ビームスポット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンとを備え、
前記表面配線パターンは、
前記透明基板の表面上に実装されるべき表面実装部品に沿って所定領域内に並べられ、前記表面実装部品の複数のリード端子がそれぞれ半田付けされるべき複数のランドを含み、
前記裏面配線パターンは、
前記所定領域のうち前記ランドの間の領域以外に前記ランドに対向するように配置される配線を含む、プリント配線板。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント配線板であって、
前記リード端子を前記ランドに半田付けするために光ビームが前記所定領域内で連続的にかつ前記ランド及び/又は前記リード端子に順番に照射される、プリント配線板。
【請求項3】
請求項2に記載のプリント配線板であって、
前記ランドの間隔は前記光ビームにより形成されるスポットの半径よりも短い、プリント配線板。
【請求項4】
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンと、
前記透明基板の表面上に実装され、複数のリード端子を有する表面実装部品とを備え、
前記表面配線パターンは、
前記表面実装部品に沿って所定領域内に並べられ、前記複数のリード端子がそれぞれ半田付けされる複数のランドを含み、
前記裏面配線パターンは、
前記所定領域のうち前記ランドの間の領域以外に前記ランドに対向するように配置される配線を含む、プリント回路板。
【請求項5】
プリント回路板の製造方法であって、
プリント配線板を準備する工程を備え、
前記プリント配線板は、
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンとを含み、
前記表面配線パターンは、
前記プリント配線板の表面上に実装されるべき表面実装部品に沿って所定領域内に並べられ、前記表面実装部品の複数のリード端子がそれぞれ半田付けされるべき複数のランドを含み、
前記裏面配線パターンは、
前記所定領域のうち前記ランドの間の領域以外に前記ランドに対向するように配置される配線を含み、
前記製造方法はさらに、
前記ランド及び/又は前記リード端子に半田を塗布する工程と、
前記表面実装部品を前記プリント配線板上に配置する工程と、
光ビームを前記所定領域内で連続的にかつ前記ランド及び/又前記リード端子に順番に照射することにより前記リード端子を前記ランドに半田付けする工程とを備える、プリント回路板の製造方法。
【請求項6】
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンと、
前記透明基板と前記表面配線パターンとの間、前記透明基板と前記裏面配線パターンとの間、又は前記透明基板の中に形成される不透明層とを備え、
前記表面配線パターンは、
前記プリント配線板に実装されるべき表面実装部品に沿って並べられ、前記表面実装部品の複数のリード端子がそれぞれ半田付けされるべき複数のランドを含む、プリント配線板。
【請求項7】
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンと、
前記透明基板の表面上に実装され、複数のリード端子を有する表面実装部品と、
前記透明基板と前記表面配線パターンとの間、前記透明基板と前記裏面配線パターンとの間、又は前記透明基板の中に形成される不透明層とを備え、
前記表面配線パターンは、
前記表面実装部品に沿って並べられ、前記複数のリード端子がそれぞれ半田付けされる複数のランドを含む、プリント回路板。
【請求項8】
プリント回路板の製造方法であって、
プリント配線板を準備する工程を備え、
前記プリント配線板は、
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンと、
前記透明基板と前記表面配線パターンとの間、前記透明基板と前記裏面配線パターンとの間、又は前記透明基板の中に形成される不透明層とを備え、
前記表面配線パターンは、
前記プリント配線板に実装されるべき表面実装部品に沿って並べられ、前記表面実装部品の複数のリード端子がそれぞれ半田付けされるべき複数のランドを含み、
前記製造方法はさらに、
前記ランド及び/又は前記リード端子に半田を塗布する工程と、
前記表面実装部品を前記プリント配線板上に配置する工程と、
光ビームを前記ランド及び/又前記リード端子に順番にかつ連続的に照射することにより前記リード端子を前記ランドに半田付けする工程とを備える、プリント回路板の製造方法。
【請求項9】
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンと、
前記透明基板の表面上に実装され、側面と、その側面から延びる複数のリード端子とを有する表面実装部品とを備え、
前記表面配線パターンは、
前記表面実装部品に沿って並べられ、前記複数のリード端子がそれぞれ半田付けされる複数のランドを含み、
前記ランドの各々は、前記表面実装部品に近い方の端を有し、
前記表面実装部品の前記側面と前記ランドの前記端との間の距離は150μm以上である、プリント回路板。
【請求項10】
プリント回路板の製造方法であって、
プリント配線板を準備する工程を備え、
前記プリント配線板は、
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンと、
前記透明基板の表面上に実装され、側面と、その側面から延びる複数のリード端子とを有する表面実装部品とを含み、
前記表面配線パターンは、
前記表面実装部品に沿って並べられ、前記複数のリード端子がそれぞれ半田付けされるべき複数のランドを含み、
前記ランドの各々は、前記表面実装部品に近い方の端を有し、
前記表面実装部品の前記側面と前記ランドの前記端との間の距離は150μm以上であり、
前記製造方法はさらに、
前記ランド及び/又は前記リード端子に半田を塗布する工程と、
前記表面実装部品を前記プリント配線板上に配置する工程と、
光ビームを前記ランド及び/又前記リード端子に順番にかつ連続的に照射することにより前記リード端子を前記ランドに半田付けする工程とを備える、プリント回路板の製造方法。
【請求項1】
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンとを備え、
前記表面配線パターンは、
前記透明基板の表面上に実装されるべき表面実装部品に沿って所定領域内に並べられ、前記表面実装部品の複数のリード端子がそれぞれ半田付けされるべき複数のランドを含み、
前記裏面配線パターンは、
前記所定領域のうち前記ランドの間の領域以外に前記ランドに対向するように配置される配線を含む、プリント配線板。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント配線板であって、
前記リード端子を前記ランドに半田付けするために光ビームが前記所定領域内で連続的にかつ前記ランド及び/又は前記リード端子に順番に照射される、プリント配線板。
【請求項3】
請求項2に記載のプリント配線板であって、
前記ランドの間隔は前記光ビームにより形成されるスポットの半径よりも短い、プリント配線板。
【請求項4】
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンと、
前記透明基板の表面上に実装され、複数のリード端子を有する表面実装部品とを備え、
前記表面配線パターンは、
前記表面実装部品に沿って所定領域内に並べられ、前記複数のリード端子がそれぞれ半田付けされる複数のランドを含み、
前記裏面配線パターンは、
前記所定領域のうち前記ランドの間の領域以外に前記ランドに対向するように配置される配線を含む、プリント回路板。
【請求項5】
プリント回路板の製造方法であって、
プリント配線板を準備する工程を備え、
前記プリント配線板は、
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンとを含み、
前記表面配線パターンは、
前記プリント配線板の表面上に実装されるべき表面実装部品に沿って所定領域内に並べられ、前記表面実装部品の複数のリード端子がそれぞれ半田付けされるべき複数のランドを含み、
前記裏面配線パターンは、
前記所定領域のうち前記ランドの間の領域以外に前記ランドに対向するように配置される配線を含み、
前記製造方法はさらに、
前記ランド及び/又は前記リード端子に半田を塗布する工程と、
前記表面実装部品を前記プリント配線板上に配置する工程と、
光ビームを前記所定領域内で連続的にかつ前記ランド及び/又前記リード端子に順番に照射することにより前記リード端子を前記ランドに半田付けする工程とを備える、プリント回路板の製造方法。
【請求項6】
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンと、
前記透明基板と前記表面配線パターンとの間、前記透明基板と前記裏面配線パターンとの間、又は前記透明基板の中に形成される不透明層とを備え、
前記表面配線パターンは、
前記プリント配線板に実装されるべき表面実装部品に沿って並べられ、前記表面実装部品の複数のリード端子がそれぞれ半田付けされるべき複数のランドを含む、プリント配線板。
【請求項7】
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンと、
前記透明基板の表面上に実装され、複数のリード端子を有する表面実装部品と、
前記透明基板と前記表面配線パターンとの間、前記透明基板と前記裏面配線パターンとの間、又は前記透明基板の中に形成される不透明層とを備え、
前記表面配線パターンは、
前記表面実装部品に沿って並べられ、前記複数のリード端子がそれぞれ半田付けされる複数のランドを含む、プリント回路板。
【請求項8】
プリント回路板の製造方法であって、
プリント配線板を準備する工程を備え、
前記プリント配線板は、
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンと、
前記透明基板と前記表面配線パターンとの間、前記透明基板と前記裏面配線パターンとの間、又は前記透明基板の中に形成される不透明層とを備え、
前記表面配線パターンは、
前記プリント配線板に実装されるべき表面実装部品に沿って並べられ、前記表面実装部品の複数のリード端子がそれぞれ半田付けされるべき複数のランドを含み、
前記製造方法はさらに、
前記ランド及び/又は前記リード端子に半田を塗布する工程と、
前記表面実装部品を前記プリント配線板上に配置する工程と、
光ビームを前記ランド及び/又前記リード端子に順番にかつ連続的に照射することにより前記リード端子を前記ランドに半田付けする工程とを備える、プリント回路板の製造方法。
【請求項9】
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンと、
前記透明基板の表面上に実装され、側面と、その側面から延びる複数のリード端子とを有する表面実装部品とを備え、
前記表面配線パターンは、
前記表面実装部品に沿って並べられ、前記複数のリード端子がそれぞれ半田付けされる複数のランドを含み、
前記ランドの各々は、前記表面実装部品に近い方の端を有し、
前記表面実装部品の前記側面と前記ランドの前記端との間の距離は150μm以上である、プリント回路板。
【請求項10】
プリント回路板の製造方法であって、
プリント配線板を準備する工程を備え、
前記プリント配線板は、
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成される表面配線パターンと、
前記透明基板の裏面上に形成される裏面配線パターンと、
前記透明基板の表面上に実装され、側面と、その側面から延びる複数のリード端子とを有する表面実装部品とを含み、
前記表面配線パターンは、
前記表面実装部品に沿って並べられ、前記複数のリード端子がそれぞれ半田付けされるべき複数のランドを含み、
前記ランドの各々は、前記表面実装部品に近い方の端を有し、
前記表面実装部品の前記側面と前記ランドの前記端との間の距離は150μm以上であり、
前記製造方法はさらに、
前記ランド及び/又は前記リード端子に半田を塗布する工程と、
前記表面実装部品を前記プリント配線板上に配置する工程と、
光ビームを前記ランド及び/又前記リード端子に順番にかつ連続的に照射することにより前記リード端子を前記ランドに半田付けする工程とを備える、プリント回路板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−119561(P2011−119561A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277207(P2009−277207)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】
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