説明

プログラム、情報記憶媒体及び図形類似度判定装置

【課題】 画像認識に係る処理を簡単に行い得ることができるプログラム等を提供すること。
【解決手段】 手本図形(図(a))に基づいた評価テーブル(図(b))を生成する。具体的には、評価テーブルのセルのうち、手本図形を構成するドット位置には評価点「2」が設定され、評価点「2」が設定されているセルの周囲のセルには評価点「1」が設定される。そして、手書き図形(図(c))を構成するドット位置に対応する評価テーブルのセルから評価点を読み出し、合計することにより類似点数を算出する。そして、算出された類似点数に応じて、手書き図形と手本図形との類似度を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及び図形類似度判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、手書き入力された図形(以下、適宜「手書き図形」という。)がどのような種類の図形であるのかを特定・識別する画像認識に関する研究が盛んに行われており、工学、医学等の分野において広く利用されている。
【0003】
特に、最近では画像認識の技術を応用し、タッチペン等のツールにより手書き入力された手書き図形を用いてゲームを進行させるゲーム装置の発明が知られている。このような、ゲーム装置の中には、プレーヤにより手書き入力された手書き図形の種類を特定・識別した上で、当該画像を表示画面中で適宜変形・移動させる等の工夫を施し、娯楽性を高めたものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−282541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すゲーム装置等で用いられている従来の画像認識においては、手書き図形の種類を特定・識別するために、当該手書き図形と予め記憶されている手本の図形との類似度を判別する必要がある。ここで、類似度を判別するためには、手書き図形のデータと手本図形のデータとの相関の大きさを計算する等の手法が用いられるのが一般的であった。しかし、これは膨大な量の計算を必要とするめ、処理が比較的重く、迅速に判定するためには、高い処理能力が要求されていた。
【0005】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは画像認識に係る処理を簡単に行い得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するための第1の発明は、
コンピュータを、
ユーザの手書き操作によりタッチパネルに入力された手書き図形(例えば、図6の手書き図形444)と、予め定められた手本図形(例えば、図6の手本図形440a)との類似度を、前記手書き図形を構成する各ドットの前記手書き図形における相対的な位置と、前記手本図形を構成する各ドットの前記手本図形における相対的な位置との異同に基づいて判定する類似度判定手段(例えば、図6の類似点数算出部524)として機能させるためのプログラムである。
【0007】
また、第12の発明は、
ユーザの手書き操作によりタッチパネルに入力された手書き図形と、予め定められた手本図形との類似度を、前記手書き図形を構成する各ドットの前記手書き図形における相対的な位置と、前記手本図形を構成する各ドットの前記手本図形における相対的な位置との異同に基づいて判定する類似度判定手段(例えば、図6の類似点数算出部524)を備えた図形類似度判定装置である。
【0008】
この第1の発明又は第12の発明によれば、手書き図形のドット位置と、手本図形のドット位置との相対関係から図形の類似度を判定する。すなわち、手書き図形を線分に分解して、各線分の長さや角度を算出して手本図形と比較するといった複雑な計算を行う必要がなく、図形同士を構成する各ドットの位置の異同でもって類似度を判定することができるため、比較的簡単な処理で類似度を判定し得る。また、手書き図形は、タッチパネルに入力されるものである。このため、手書き図形を、タッチ操作したドットの集合体として認知できるため、そのまま類似度の判定に用いることができ、合理的な判定方法と言える。
【0009】
第2の発明は、第1の発明のプログラムであって、
前記手本図形を表示制御する手本図形表示制御手段(例えば、図6のゲーム演算部520;図9のステップA12、A16)として前記コンピュータを機能させ、
前記類似度判定手段が、前記表示制御された手本図形に対して前記タッチパネルに入力された手書き図形と、当該手本図形との類似度を判定するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0010】
この第2の発明によれば、手本図形が表示制御されるため、ユーザは、表示制御された手本図形を真似て手書き図形を入力するといったことができる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明のプログラムであって、
前記タッチパネル(例えば、図6のタッチパネル150)は表示装置(例えば、図6のサブ表示部220)と一体的に構成されるタッチスクリーンであり、
前記手本図形表示制御手段が、前記手本図形を前記タッチスクリーンの表示装置に表示制御するように前記コンピュータを機能させ、
前記類似度判定手段が、前記表示制御された手本図形上に手書き操作により入力された手書き図形と、当該手本図形との類似度を判定するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0012】
この第3の発明によれば、タッチスクリーンに手本図形が表示制御されるため、ユーザは、その手本図形の上をなぞるようにして手書き図形を入力するといったことができるようになる。
【0013】
第4の発明は、第1から第3の何れかの発明のプログラムであって、
前記類似度判定手段が、少なくとも、1)前記手書き図形を構成する各ドットの前記手書き図形における相対的な位置と、前記手本図形を構成する各ドットの前記手本図形における相対的な位置とが同一位置のドットの数、2)前記手書き図形を構成する各ドットの前記手書き図形における相対的な位置と、前記手本図形を構成する各ドットの前記手本図形における相対的な位置とが所定の近距離条件を満たすドットの数、に基づいて類似度を判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0014】
この第4の発明によれば、手本図形のドット位置から近距離条件を満たす範囲内で離れた位置にドットがある場合には、そのドットの数が類似度を判定する際に参酌されることとなる。従って、近距離条件を満たすドットが類似度の判定に有利な方向に働く場合には、この近距離条件を満たす範囲で微妙にズレた手書き操作入力であっても有利な判定結果を取得し得る。一方、近距離条件を満たすドットが類似度の判定に不利な方向に働く場合には、手書き入力による微妙なズレも許さない、より正確な手書き入力を要求することとなり得る。
【0015】
第5の発明は、第4の発明のプログラムであって、
複数の手本図形の中から前記類似度判定手段による類似度判定の対象とする手本図形を選択する手本図形選択手段として前記コンピュータを機能させ、
前記選択された手本図形に応じて前記近距離条件を可変する条件可変手段として前記コンピュータを機能させ、
前記類似度判定手段が、前記選択された手本図形と、前記手書き図形との類似度を、前記条件可変手段により可変された近距離条件に従って判定するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0016】
この第5の発明によれば、例えば、近距離条件を緩く(範囲を広く)することにより、手書き図形のドット位置が手本図形のドット位置から外れたとしても類似と判定されやすくするといったことが可能である。また、近距離条件を厳しく(範囲を狭く)することにより、手書き図形のドット位置が手本図形のドット位置から離れた場合には、類似でないとの判定をし易くするといったことが可能である。このように、近距離条件を可変することにより、手書き入力の難易度を可変するといったことが可能となる。
【0017】
第6の発明は、第1から第5の何れかの発明のプログラムであって、
前記類似度判定手段が、前記手書き図形を構成するドット数と、前記手本図形を構成するドット数との差に応じて類似度を調整する調整手段(例えば、ゲーム演算部520;図11のステップC18)を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0018】
この第6の発明によれば、入力された手書き図形を構成するドット数と、手本図形を構成するドット数とに差に応じて、類似度が調整されることとなる。したがって、ユーザが無闇にドット数の多い手書き図形を入力したとしても、類似度を低くする調整により、より正確な判定を行うことができるようになる。
【0019】
第7の発明は、第1から第6の何れかの発明のプログラムであって、
前記類似度判定手段が、更に、前記手書き図形を構成する各ドットの色と、前記手本図形を構成する各ドットの色との異同を加味して類似度の判定を行うように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0020】
この第7の発明によれば、手書き図形と手本図形との類似度が、各ドットの色の異同を加味して判定されるため、図形形状のみから類似度を判定するといった従来の画像認識処理に比べて、より興趣性のある類似度判定を行い得る。
【0021】
第8の発明は、第1から第7の何れかの発明のプログラムであって、
前記手書き図形及び前記手本図形の一方の図形を、他方の図形の大きさに合った大きさに拡縮する拡縮手段(例えば、図6のゲーム演算部520;図21のステップD22)として前記コンピュータを機能させ、
前記類似度判定手段が、前記拡縮手段により拡縮された図形を用いて類似度の判定を行うように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0022】
この第8の発明によれば、手書き図形が手本図形の大きさに、又は手本図形が手書き図形の大きさに拡縮されるため、ユーザは図形の大きさを気にすることなく、手本図形と同じ形状の手書き図形を入力すれば良い。
【0023】
第9の発明は、第1から第8の何れかの発明のプログラムであって、
前記手本図形は複数の部品図形(例えば、図24の部品図形群470a)から成り、
前記手本図形を構成する部品図形の配置構成について定められた配置構成情報に基づいて、前記類似度判定手段による類似度の判定対象の手本図形を作成する手本図形作成手段(例えば、図6のゲーム演算部520;図28のステップE14)として前記コンピュータを機能させ、
前記類似度判定手段が、前記手本図形作成手段により作成された手本図形と、前記手書き図形との類似度を判定するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0024】
この第9の発明によれば、部品図形を組み合わせることにより手本図形を作成することができる。したがって、例えば、膨大な手本図形それぞれと手書き図形との類似度を判定する場合に、各手本図形の全体画像データを記憶する記憶容量を確保しておく必要がなく、手本図形を構成する部品図形のデータと、当該部品図形の配置構成情報とを記憶する容量で済む。
【0025】
第10の発明は、第1から第9の何れかの発明のプログラムであって、
前記類似度判定手段が、予め定められた複数の手本図形それぞれと、前記手書き図形との類似度を判定するように前記コンピュータを機能させ、
前記類似度判定手段により判定された類似度に基づいて、前記手書き図形に類似する手本図形を前記複数の手本図形の中から選択する類似図形選択手段として前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0026】
この第10の発明によれば、複数の手本図形のうち、手書き入力された手書き入力図形に類似する手本図形を選択することができる。したがって、ユーザが何れの図形(手本図形)を模倣して手書き図形を入力したのかを認識することができる。
【0027】
第11の発明は、第1から第10の何れかの発明の情報記憶媒体であって、
第1から第10の何れかの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0028】
この第11の発明によれば、第1から第10の何れかの発明と同様の作用効果を奏する情報記憶媒体を実現することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、手書き図形を線分に分解して、各線分の長さや角度を算出して手本図形と比較するといった複雑な計算を行う必要がなく、図形同士を構成する各ドットの位置の異同でもって類似度を判定することができるため、比較的簡単な処理で類似度を判定し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を携帯用のゲーム装置に適用した場合の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
〔外観〕
図1は、本発明を適用した携帯用のゲーム装置1の概略外観図である。同図によれば、操作キー3と、メインディスプレイ5a及びサブディスプレイ5bを含むディスプレイ5と、スピーカ7とを具備し、筐体側面には、ゲーム装置1の外部記憶媒体であるゲームカセットGCが着脱自在に装着されるカードスロットSLの他、不図示であるが、ゲーム装置1の電源をON/OFFするための電源スイッチや、スピーカ7の出力音を調整するための音量スイッチ、、他のゲーム装置等の外部機器と無線通信するための通信装置等を具備している。
【0032】
ディスプレイ5は、TFT(Thin Film Transistor)等のカラー液晶ディスプレイで構成されている。また、サブディスプレイ5bには、図2に示すように、その上面(あるいは下面)にタッチパネル4が一体的に形成されており、サブディスプレイ5bとタッチパネル4とでタッチスクリーンが構成されている。タッチパネル4は、感圧式や光学式、静電式、電磁誘導式等の検出方式によってサブディスプレイ5b上のタッチされた位置(タッチペン9が当接した位置)を、例えばサブディスプレイ5bを構成するドット単位で検出し、検出した位置(以下、適宜「タッチ位置」という。)Pの信号(タッチ操作信号)を出力する。タッチ位置Pは、タッチパネル4の検出面の座標系として設定されているXY座標系で表現される。ユーザは、付属のタッチペンPNや、指等を用いてサブディスプレイ5b上でのタッチ操作により各種の操作入力を行うことができる。
【0033】
また、ゲーム装置1の筐体内部には、CPUやICメモリ等を搭載した制御ユニットが内蔵される。CPUは、ICメモリ等から読み出したプログラムデータ、操作キー3から入力された操作信号、タッチパネル4から入力されたタッチ操作信号等に基づいて種々のゲーム処理を実行し、ゲーム画面の画像信号及びゲーム音の音信号を生成する。そして、生成した画像信号をディスプレイ5に出力して、ゲーム画面を表示させるとともに、生成した音信号をスピーカ7に出力してゲーム音を出力させる。
【0034】
尚、ゲーム装置1がゲームを実行するために必要な情報(システムプログラム、ゲームプログラム、ゲームデータ等)は、筐体内の制御ユニットに搭載されているICメモリやゲーム装置1に着脱自在な外部情報記憶媒体であるゲームカセットGCに格納されている。
【0035】
〔第1実施形態〕
まず、第1実施形態について、説明する。第1実施形態は、手本となる図形がディスプレイ5b上に表示され、この手本図形上をなぞるようにタッチ操作することにより図形を手書き入力するゲームに関する実施形態である。
【0036】
[1.1 類似点数算出方法の原理]
まず、類似点数の算出方法の原理について説明する。ここで、類似点数とは、ユーザにより手書き入力された図形(以下、適宜「手書き図形」という。)と、ゲーム装置1に手本として記憶されている図形(以下、適宜「手本図形」という。)とがどれだけ類似しているかを示す類似度を表すものであり、類似点数が高いほど手書き図形と手本図形とが類似していることを示している。なお、本明細書中における図形とは、線画、絵画等の絵に限られず、文字、数字、記号等であってもよい。
【0037】
図3(a)は、「人」という文字を象った手本図形を表示した表示画面GS10を説明するための図である。尚、説明の簡明化のため、表示画面のドット数を簡略化し、横(X方向)に5ドット分、縦(Y方向)に5ドット分のドットを備える表示画面として説明する。また、X方向(列方向)をアルファベットで、Y方向(行方向)を数字で表し、各ドットの位置はアルファベットと数字との組合せで表すこととする。例えば、C列1行目のドットはドットC1と表す。表示画面GS10では、ドットC1、C2、C3、B4、A5、D4及びE5が点灯表示されている。以下、この点灯表示されているドットのことを表示ドットという。
【0038】
この手本図形の表示ドットに対応する評価点について説明する。図3(b)は、手本図形「人」の評価点を説明するための図である。表示画面の各ドットに対応して評価点が設定されている。以下、この表示画面の各ドットに対応して設定された評価点の集合を「評価テーブル」といい、各評価点が配置されている位置を「セル」という。すなわち、図3(b)において、表示画面GS10のX方向(列方向)及びY方向(行方向)と、評価テーブルGS20のX方向及びY方向とは対応しており、表示画面GS10の各ドットは、テーブルGS20の各セルに対応している。例えば、ドットA1と、セルA1とが対応している。さらに、テーブルGS20の各セルには、「0」の評価点が記憶されている。
【0039】
表示画面GS10の表示ドットに対応するセルには、評価点として「2」が設定されている。具体的には、表示画面GS10の表示ドットに対応するセルC1、C2、C3、B4、A5、D4、E5にはそれぞれ「2」が設定されている。
【0040】
また、表示画面GS10の表示ドットと、所定の近距離条件を満たすセルには「1」が設定される。本実施形態では、表示画面GS10の表示ドットに対応するセル(評価点として「2」が設定されているセル)から“1つ”離れたセルを近距離条件としている。従って、評価点として「2」が設定されているセルの周囲のセルで、評価点が「2」以外のセルが近距離条件を満たすセルとなって、当該セルに評価点「1」が設定されている。例えば、セルC3の周囲のセルとは、セルB2、C2、D2、B3、D3、B4、C4、D4の8つのセルである。なお、近距離条件として、“2つ以内”離れたセル等としてもよい。この近距離条件によって、手書き操作による多少のズレやぶれを考慮した類似判定を行い得る。
【0041】
続いて、図3(c)は、手書き図形が表示された表示画面GS30を説明するための図である。表示画面GS30のX方向(列方向)及びY方向(行方向)は、テーブルGS20のX方向及びY方向に対応しており、表示画面GS30の各ドットは、テーブルGS20の各セルに対応している。
【0042】
ユーザがタッチ操作を行い、タッチ操作された位置のドットが点灯表示され、手書き図形が構成されている。表示画面GS30において、ドットD1、D2、C3、B4、A5、D4及びE4が点灯表示されている。以下、このタッチ位置に対応して点灯表示されたドットを描画ドットという。
【0043】
各描画ドットに対応する評価点をテーブルGS20から読み出して合計することにより、類似点数が算出される。例えば表示画面GS30において点灯表示されているドットD1に対応する評価点はセルD1「1」である。以下同様に描画ドットに対応する評価点をテーブルGS20の各セルから読み出し、合計する。図3(c)の手書き図形の場合、評価点の合計は「11」となり、類似点数は「11」点となる。
【0044】
次に、この評価点の合計値の調整を行う。この調整は、例えば、図4の表示画面GS40に示すような手書き図形の場合、描画ドットに対応する評価点を単純にセルから読み出して合計すると、評価点の合計は「19」点と算出されてしまうため、これを補正するものである。
【0045】
調整方法は複数通り考えられる。例えば、手書き図形の描画ドットの数が、手本図形に基づいた表示ドットの数を超えた場合には、その超えた数分の点数を、評価点数の合計から減点する方法である。例えば、描画ドットの数が、表示ドットの数を1つ超える毎に「2」点減点する。
【0046】
他の調整方法でも勿論良い。例えば、描画ドットの数が、手本図形の表示ドット数の所定の割合を超えた場合に、超えた割合に応じて減点することとしてもよい。例えば、表示ドット数の「±30%」以内の範囲であれば、超えたドット数に「1.5」を乗じた点数を減点し、「±30%」を超えた場合には、超えたドット数に「2.0」を乗じた点数を減点する。
【0047】
なお、実際には、手本図形が表示される領域及び手書き図形が入力される領域は、図3に示したような縦横のドット数が決まった固定的な範囲、位置であるわけではない。タッチ操作によって入力された手書き図形のタッチパネル4上の位置、範囲に基づいて、手書き図形が切り出され、適宜、手本図形と対比可能なサイズに拡縮するといったこともなされ得る。従って、本原理の説明においては、手本図形を構成する各ドットの位置と、手書き図形を構成する各ドットの位置とを対比することとして簡単に説明したが、これを正確に表現すると、手本図形を構成する各ドットの当該手本図形における相対的な位置と、手書き図形を構成する各ドットの当該手書き図形における相対的な位置とを対比するということになる。
【0048】
[1.2 画面例]
図5は、本実施形態におけるサブディスプレイ5bに表示されるゲーム画面の一例を示す図である。図5(a)に示すゲーム画面GW10には、手書き入力エリアNA10が備えられており、手書き入力エリアNA10の中には手本図形NZ10が淡く表示されている。また、ユーザに対し指示を与えるコメントCA10「線をなぞってね」が表示されており、また、手書き入力の終了を検知する終了ボタンBA10が表示されている。
【0049】
ユーザがタッチペンPNを用いてサブディスプレイ5b(タッチパネル4)上をタッチ操作すると、タッチペンPNの当接した位置がタッチ位置として検出される。この検出された位置が手書き入力エリアNA10内の場合、タッチ位置に描画ドットが表示される。さらに、表示されている手本図形NZ10を上書きするようにタッチペンPNでタッチ操作(摺動タッチ操作)することにより、タッチペンPNが通過した軌跡が連続する描画ドットによって表示される。また、終了ボタンBA10をタッチ操作すると、手書き入力が終了する。
【0050】
図5(b)は、ユーザにより手書き図形が入力されている状態を示すゲーム画面GW12の一例を示す図である。ゲーム画面GW12の手書き入力エリアNA10に、入力された手書き図形KZ10が手本図形NZ10に重ねて表示されている。そして、タッチペンPNにより、終了ボタンBA10がタッチされると、手書き図形KZ10の類似点数が算出される。
【0051】
類似点数が算出された後のゲーム画面を表したのが図5(c)のゲーム画面GW14である。ゲーム画面GW14には、手書き図形KZ14が表示されており、この手書き図形の類似点数と、類似点数に応じたコメントCA12「もう少しだよ!」が、評価結果として表示されている。
【0052】
[1.3 機能構成]
図6は、第1実施形態でのゲーム装置1の機能構成を示すブロック図である、同図に示すように、ゲーム装置1は、操作入力部100と、メイン表示部200と、サブ表示部220と、音出力部300と、記憶部400と、処理部500とを備えて構成されている。
【0053】
操作入力部100は、ユーザによる操作指示を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部500に出力する。この機能は例えばボタンスイッチや、レバー、ダイヤル、マウス、キーボード等によって実現される。図1では、操作キー3がこれに該当する。また、操作入力部100は、タッチパネル150を含み、タッチパネル150により検出されたタッチ操作信号を処理部500に出力する。
【0054】
メイン表示部200及びサブ表示部220は、画像生成部540からの画像信号に基づいて、例えば、1/60秒毎に1フレームの画面を再描画しながら画面を表示する。この機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、ELD(ElectroLuminescent Display)、PDP(Plasma Display Panel)等のハードウェアによって実現される。図1では、メインディスプレイ5aがメイン表示部200に、サブディスプレイ5bがサブ表示部220に相当する。
【0055】
音出力部300は、音生成部560からの音信号に基づいて、BGMや効果音のゲーム音声を出力する。この機能は、例えばスピーカ等によって実現される。図1では、スピーカ7がこれに相当する。
【0056】
記憶部400は、処理部500がゲーム装置1を統合的に制御するための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部500の作業領域として用いられ、処理部500が各種プログラムに従って実行した演算結果や、操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えば各種ICメモリ(RAM)やハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MO(Magneto-Optical disk)等によって実現される。図1では、ゲーム装置1に内蔵された制御ユニットに搭載されたICメモリや、ゲームカセットGC等の外部情報記憶媒体がこれに相当する。
【0057】
また、記憶部400は、処理部500をゲーム演算部520として機能させるための第1ゲームプログラム420と、問題データ440と、表示サイズ図形442と、手書き図形444と、評価テーブル446とが格納される。第1ゲームプログラム420は、評価テーブル生成プログラム422と、類似点数算出プログラム424とを更に含んでいる。評価テーブル生成プログラム422は、表示サイズ図形442から評価テーブル446を作成するためのプログラムであって、ゲーム演算部520を評価テーブル生成部522として機能させる。また、類似点数算出プログラム424は、手書き図形444の類似点数を評価テーブル446に基づいて算出するためのプログラムであって、ゲーム演算部520を類似点数算出部524として機能させる。
【0058】
問題データ440は、複数の手本図形440aを記憶しているデータであり、ゲーム進行状況に応じて次に出題する手本図形を適宜に選択可能な構造となっている。図7にその手本図形間のリンク構造の一例を示す。図7に示すように、第1手本図形には、第2手本図形と第3手本図形とが、第2手本図形には第4手本図形と第5手本図形とが、…といった具合に分岐構造のようなリンクが各手本図形間に張られている。ゲームの最初の手本図形は、第1手本図形である。そして、ユーザにより入力された手書き図形の評価結果が良ければ(類似点数が高ければ)、難易度の高い図形(難しい図形)である第2手本図形が選択される。逆に、手書き図形の評価結果が悪ければ(類似点数が低ければ)、難易度の低い図形(易しい図形)である第3手本図形が選択される。以降同様に、ゲーム進行状況に応じて、次に出題される手本図形が変更される。
【0059】
なお、図7においては、説明を簡易にするために、分岐先として「難」と「易」の2段階を図示・説明したが、評価の内容に応じて3段階や4段階等と複数分岐させることとしても良いことは勿論である。
【0060】
表示サイズ図形442は、手本図形を表示する領域のサイズに適した大きさに、手本図形440aを拡縮し、表示領域のドット密度に応じたドット数とした図形である。ゲーム演算部520は、表示サイズ図形442を利用して、手書き図形444と手本図形440aとが類似するか否かを判定する。また、手書き図形444は、ユーザにより手書き入力された図形である。
【0061】
評価テーブル446は、評価テーブル生成部522によって、表示サイズ図形442から生成される評価テーブルであり、図8に示すように、各セルに評価点が設定されている。表示サイズ図形442を構成するドット(以下、適宜「表示サイズ図形ドット」という。)に対応するセルには、評価点「2」が設定されており、表示サイズ図形ドットの周辺のセル(1セル分)に評価点「1」が設定されている。なお、評価テーブル446の評価点を変えることによりゲームの難易度を変えるといった様々な興趣を与えることができる。例えば、表示サイズ図形ドットに対応するセルに評価点「4」を設定し、他のセルの評価点を「−1」とすることで、手本図形上をより正確になぞらせることを目的としたゲームとしたりすることができる。
【0062】
処理部500は、ゲーム装置1の全体制御やゲームの進行、画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPU(CISC型、RISC型)、ASIC(ゲートアレイ等)等の演算装置やその制御プログラムにより実現される。
【0063】
また、処理部500は、主にゲームの実行にかかる演算処理を行うゲーム演算部520と、ゲーム演算部520の処理結果等に基づいてゲーム画像を生成する画像生成部540と、効果音やBGM等のゲーム音を生成する音生成部560とを含んでいる。
【0064】
ゲーム演算部520は、操作入力部100から入力された操作信号や、タッチパネル150から入力されたタッチ操作信号、記憶部400から読み出したプログラム及びデータ等に基づいて種々のゲーム処理を実行する。具体的には、問題データ440から読み出した手本図形440aに基づいて表示サイズ図形442を作成し、サブ表示部220に所定の淡色で表示する。さらに、評価テーブル446を利用して、ユーザにより入力された手書き図形を手本図形と比較し、類似点数を算出し、算出結果に応じた評価を行う。
【0065】
画像生成部540は、ゲーム演算部520の処理結果に基づいてゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を、メイン表示部200及びサブ表示部220に出力する。音生成部560は、ゲーム演算部520の処理結果に基づいて、ゲームの実行中における効果音や、BGMといったゲーム音を生成し、生成したゲーム音の音信号を音出力部300に出力する。
【0066】
また、上述した、ゲーム演算部520は、評価テーブル生成部522と、類似点数算出部524とを含んでいる。
【0067】
評価テーブル生成部522は、表示サイズ図形442に基づいて、評価テーブル446を生成する処理を行う。具体的には、評価テーブル生成部522は、表示サイズ図形ドットに対応するセルに評価点「2」を、当該セルに隣接するセルに評価点「1」を設定することにより評価テーブル446を生成する。
【0068】
類似点数算出部524は、評価テーブル446を利用することにより、手書き図形444の類似点数を算出する処理を行う。具体的に、類似点数算出部524は、手書き図形444を構成するドット(以下、適宜「手書き図形ドット」という。)に対応する評価点を評価テーブル446から読み出して合計することにより、類似点数を算出する。ここで、手書き図形ドットの数が、表示サイズ図形ドットの数を超えている場合には、超えたドット差に基づいて、算出された類似点数を調整する処理を行う。
【0069】
[1.4 処理の流れ]
次に、図9〜11を参照して、処理の流れについて説明する。各処理は、ゲーム演算部520が第1ゲームプログラム420を読み出して実行することによって実現される。
【0070】
図9は、第1ゲーム処理の流れを説明するためのフローチャートである。ゲーム演算部520は、問題データ440に記憶されている手本図形440aを選択する(ステップA10)。ここでは、最初の選択であることから、第1手本図形が選択される。
【0071】
つづいて、ゲーム演算部520は、選択された手本図形440aから表示サイズ図形442を作成する(ステップA12)。そして、評価テーブル生成部522が評価テーブル作成処理を実行する(ステップA14)。図10は、評価テーブル生成処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0072】
図10に示すように、評価テーブル生成部522は、表示サイズ図形ドットに対応する評価テーブル446のセルに評価点「2」を設定する(ステップB10)。つづいて、評価点「2」を設定したセルの周囲のセルのうち、評価点が「2」以外のセルに「1」を設定する(ステップB12)。そして、評価テーブル生成部522は、本処理を終了する。
【0073】
図9に戻り、評価テーブル作成処理が終了したならば、表示サイズ図形442を、サブ表示部220に所定の淡色で表示し(ステップA16)、「線をなぞってね!」といった文章を表示することにより、ユーザに手書き図形444の手書き操作入力を促す(ステップA18)。手書き入力の終了を検知すると(ステップA20;Yes)、類似点数算出部524が類似点数算出処理を実行する(ステップA22)。図11は、類似点数算出処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0074】
図11において、類似点数算出部524は、手書き図形ドットの数と、表示サイズ図形ドットの数との差をドット差として算出する(ステップC10)。次に、類似点数算出部524は、ドット差が表示サイズドットの数の±30%以内であるかを判定する(ステップC12)。ここで、ドット差が表示サイズ図形ドットの数の±30%以内に無い場合には(ステップC12;No)、類似点数が「−1」とされ(ステップC20)、類似点数算出処理を終了する。
【0075】
また、ドット差が表示サイズドットの数の±30%以内に入っている場合には(ステップC12;Yes)、手書き図形ドットに対応する評価点を、評価テーブル446から読み出して合計し類似点数とする(ステップC14)。ここで、類似点数算出部524は、ステップC10で算出されたドット差が「0」より大きい場合には(ステップC16;Yes)、「ドット差×2」分の点数を、ステップC14において算出した類似点数から減算して類似点数を更新し(ステップC18)、類似点数算出処理を終了する。
【0076】
図9に戻り、類似点数算出処理が終了すると、ゲーム演算部520は、類似点数算出処理において算出された類似点数に基づいて評価し、評価結果に応じた演出を実行する(ステップA24)。
【0077】
例えば、類似点数が「90点」以上であれば、コメントとして「とても上手にかけました!」をサブ表示部220に表示する。また、類似点数が「60」点以上「90」点未満であれば、「もう少しだよ!」を、類似点数が「60点」未満であれば、「ちゃんとなぞってね…。」をコメントとして表示する。また、上述したコメントと共に、効果音を出力したり、アニメーションを表示することとしてもよい。さらに、算出された類似点数を得点として表示させることとしても良い。
【0078】
ここで、ユーザから第1ゲーム処理を終了する操作が検知されない場合には(ステップA26;NO)、ゲーム演算部520は、次の手本図形440aを選択する。このとき、類似点数が「60点以上」の場合には現在の手本図形より難しい手本図形を、類似点数が「60点未満」の場合には現在の手本図形より易しい手本図形を問題データ440より選択する(ステップA28)。
【0079】
例えば、図7に示す問題データ440の場合において、現在出題されている手本図形が第1手本図形であったとする。類似点数が「60点以上」であれば、ゲーム演算部520は、第2手本図形(tehon2.bmp)を選択する。また、類似点数が「60点未満」であれば、ゲーム演算部520は、第3手本図形(tehon3.bmp)を選択する。
【0080】
なお、第1ゲーム処理において、手本図形440aはゲーム演算部520が自動的に選択して出題することとして説明したが、例えば、一覧表示された手本図形から、ユーザが任意に選択した図形を出題することとしても良いことは勿論である。
【0081】
[1.5 ハードウェア構成]
次に、本実施形態におけるゲーム装置1を実現するためのハードウェア構成の一例について、図12を参照して説明する。図12に示す装置では、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、画像生成IC1008、1012、音生成IC1020、I/Oポート1012、1024、1028がシステムバス1032により相互にデータが入出力可能に接続されている。I/Oポート1016にはタッチパネル1018が、I/Oポート1024にはコントロール装置1026が、I/Oポート1028には通信装置1030が、それぞれ接続されている。
【0082】
CPU1000は、情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(ゲーム装置本体の初期化情報等)、コントロール装置1026によって入力される信号等に従って、ゲーム装置全体の制御や各種データ処理を行う。
【0083】
RAM1004は、CPU1000の作業領域等として用いられる記憶手段であり、CPU1000の演算結果等が格納される。尚、このRAM1004は、図6に示す記憶部400に相当するものである。
【0084】
情報記憶媒体1006は、プログラム、画像データ、音データ、プレイデータ等が主に格納されるものであり、情報記憶媒体として、ROM等のメモリやハードディスク、或いはゲームカセット、ICカード、磁気ディスク、光ディスク等が用いられる。尚、この情報記憶媒体1006は、図6に示す記憶部400に相当するものである。
【0085】
また、この装置に設けられている画像生成IC1008、1012と音生成IC1020により、音や画像の好適な出力が行えるようになっている。
【0086】
画像生成IC1008、1012は、CPU1000の命令によって、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006等から送られる情報に基づいて画素情報を生成する集積回路であり、生成される表示信号は接続されている各表示装置にそれぞれ出力される。ここで、画像生成IC1008にはメイン表示装置1010が、画像生成IC1012にはサブ表示装置1014がそれぞれ接続されている。メイン表示装置1010及びサブ表示装置1014は、CRTやLCD、TV、プラズマディスプレイ、或いはプロジェクター等により実現され、メイン表示装置1010は、図6に示すメイン表示部200に、サブ表示装置1014はサブ表示部220に相当する。
【0087】
また、音生成IC1020は、CPU1000の命令によって、情報記憶媒体1006やROM1002に格納される情報、RAM1004に格納される音データに応じた音信号を生成する集積回路であり、生成される音信号はスピーカ1022によって出力される
。尚、このスピーカ1022は、図6に示す音出力部300に相当するものである。
【0088】
タッチパネル1018は、サブ表示装置1014と一体となって構成されているもの(タッチスクリーン)であり、ユーザによりタッチされた位置を感圧式や光学式、静電式、電磁誘導式等の検出方式によって検出し、検出された座標をCPU1000に出力するための装置であって、図6に示すタッチパネル150に相当するものである。
【0089】
コントロール装置1026は、ユーザがゲームに係る操作を入力するための装置であって、図6に示す操作入力部100に相当するものである。より具体的には、キー等の入力装置、ゲームコントローラ等により実現される。
【0090】
通信装置1030は装置内部で利用される情報を外部とやりとりするものであり、他の装置と通信回線を介して接続されてプログラムに応じた所与の情報を送受すること等に利用される。
【0091】
そして、ゲーム処理等の上記した処理は、図6に示す第1ゲームプログラム420等を格納した情報記憶媒体1006と、これらプログラムに従って動作するCPU1000、画像生成IC1008、1012、音生成IC1020等によって実現される。CPU1000、画像生成IC1008、1012及び音生成IC1020は、図6に示す処理部500に相当するものであり、主にCPU1000が図6に示すゲーム演算部520に、画像生成IC1008、1012が図6に示す画像生成部540に、音生成IC1020が図6に示す音生成部560に相当する。
【0092】
尚、画像生成IC1008、1012、音生成IC1020等で行われる処理は、CPU1000或いは汎用のDSP等によりソフトウェア的に行ってもよい。この場合には、CPU1000が、図6に示す処理部500に相当することとなる。
【0093】
[1.6 作用・効果]
このように、第1実施形態によれば、手本図形を構成するドットの位置と、手書き図形を構成するドットの位置とを比較することで、類似点数を求めることができる。従って、手書き図形444を線分に分解して、各線分の長さや角度等を比較するといった従来行っていた画像認識に係る複雑な計算を行う必要がなく、簡単な処理で類似度を判定できる。また、手本図形440aがサブ表示部220に表示されることから、ユーザは表示された手本図形440a上をなぞるようにスライド操作することで、手書き図形444を入力することができる。
【0094】
[1.7 変形例]
なお、類似点数に基づく評価に応じて次に出題される手本図形440a選択することとして説明したが、更に評価テーブル生成部552が設定する評価テーブル446の評価点を変更することとしても良い。具体的には、評価テーブル生成部522は、評価点数が低かった場合には、評価点「1」を設定する周辺セルの範囲を1セル分から2セル分に拡げることとする。この場合、手書き図形444が手本図形440aからずれてしまっても、より多くの評価点を得ることができる。
【0095】
また、類似点数が高かった場合には、表示サイズ図形ドットに対応するセルの評価点を「4」とし、他のセルの評価点を総て「1」としても良い。この場合、類似点数が高い場合の次の出題時には、さらに正確な手書き図形を要求するように仕向けることができる。このように、手書き図形444の評価(類似点数)に応じて評価テーブル446に設定する評価点の位置、評価点の値を変更することにより、多様なゲーム進行を実現し得る。
【0096】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、手書き入力された手書き図形が、複数の手本図形(以下、適宜「候補図形」という。)のうち、どの候補図形に最も類似するかを識別する実施形態である。また、第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0097】
[2.1 画面例]
図13は、サブディスプレイ5bに表示されるゲーム画面の一例を示す図である。図13に示すゲーム画面GW20には、問題画像MZ20が表示されており、併せて手書き入力エリアNA20が設定されている。また、ユーザに対し手書き操作の入力を促す問題コメントCA20「帽子を描いてみよう!」が表示されている。また、手書き入力の終了を検知するための終了ボタンBA20が表示されている。
【0098】
ユーザが入力エリアNA20をスライド操作することで、手書き図形を入力すると、ゲーム画面GW20には、描画ドットにより手書き図形KZ20が表示されている。
【0099】
この手書き図形KZ20をドット単位に拡大表示した概略図が図14である。ここで、網がけ部分が手書き図形KZ20における描画ドットである。ゲーム装置1は、入力された手書き図形KZ20の図形が、ゲーム装置1に記憶されている複数の候補図形のうち、どの候補図形に最も類似するかを、各候補図形に対する類似点数を算出することで判断することで、手書き図形KZ20の図形を認識するする。
【0100】
候補図形と、当該候補図形に対する評価テーブルの一例を図15に示す。例えば、図15(a)は、候補図形SZ20と、候補図形SZ20に対応する評価テーブルHT20とを示している。同様に、図15(b)は、候補図形SZ22と、対応する評価テーブルHT22とを示しており、図15(c)は、候補図形SZ24と、対応する評価テーブルHT24とを示している。
【0101】
各候補図形SZ20,SZ22,SZ24に対する手書き図形KZ20の類似点数を、図15の各評価テーブルを参照して算出すると、候補図形SZ20の場合は「34」点、候補図形SZ22の場合は「70」点、候補図形SZ24の場合は「44」点と算出される。したがって、類似点数が最大の候補図形SZ22を手書き入力したと認識する。
【0102】
図16は、手書き図形が認識され、評価された場合におけるゲーム装置1に表示されたゲーム画面の一例について示す図である。ゲーム装置1は、メインディスプレイ5aにゲーム画面GW22が、サブディスプレイ5bにゲーム画面GW24が表示されている。ゲーム画面GW24には、問題画像MZ22が表示されており、手書き入力領域NA22には、手書き図形KZ22が表示されている。また、ゲーム画面GW22には、問題画像MZ22が同様に表示されており、手書き図形KZ22に類似する候補図形NZ22が表示されている。ユーザは、候補画像NZ22を視認することにより、手書き図形KZ22の認識結果を確認することができる。
【0103】
さらに、ゲーム画面GW24には、決定された候補図形に対応するコメント(以下、適宜「候補図形コメント」という。)及び類似点数の範囲に応じたコメント(以下、適宜「類似点数コメント」という。)がコメントCA22として表示されている。例えば、図15(a)の候補図形SZ20と認識された場合には「立派な帽子だね!」と、図15(b)の候補図形SZ22と認識された場合には「かっこいい帽子だね!」と、図15(c)の候補図形SZ24と認識された場合には「変わった帽子じゃない?」と表示される。また、決定された候補図形の類似点数によって類似点数コメントが表示される。例えば、類似点数が「80」点以上である場合には「すごく上手にかけているね!どんな帽子か直ぐに分かったよ!」が、類似点数が「60」点以上「80」点未満の場合には「ちょっと悩んだけど、この帽子だよね?」が、「40」点以上「60」点未満の場合には「絵の雰囲気からして、この帽子にしちゃった!」が、「40」点未満の場合は「想像できない帽子だったから、勝手にこの帽子にしちゃったよ!」が表示される。手書き図形KZ22は、候補図形SZ22と認識されており、類似点数として「70」点が算出されていることから、コメント「ちょっと悩んだけど、これを描いたんだよね?格好良くなったんじゃない?」が表示されている。
【0104】
[2.2 機能構成]
第2実施形態におけるゲーム装置1の機能構成は、第1実施形態において図6に示して説明したゲーム装置1の機能構成において、記憶部400を図17に示す記憶部400bに置き換えた構成と同様であり、以下、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0105】
図17に示すように、記憶部400bは、第2ゲームプログラム420bと、問題データ450と、表示サイズ図形442と、手書き図形444と、評価テーブル446と、類似点数データ452と、類似点数コメント454とが格納される。第2ゲームプログラム420bは、評価テーブル生成プログラム422と、類似点数算出プログラム424とを含んでいる。
【0106】
第2ゲームプログラム420bは、ゲーム演算部520により実行されるプログラムである。ゲーム演算部520がこの第2ゲームプログラム420bを実行することにより、手書き入力された手書き図形444と、候補図形群450bの各候補図とを対比して類似点数を算出する。そして、類似点数の最も高い候補図形を、ユーザが手書き入力したものと認識し、認識した候補図形及び類似点数に応じた演出を行う。
【0107】
問題データ450は、図18に示すように、問題番号(例えば「1」)と、問題コメント(例えば、「帽子を描いてみよう!」)と、問題画像450a(例えば、「syutu1.bmp」)と、複数の候補図形を有する候補図形群450bとを含んで構成されている。さらに、候補図形が選択された際に表示される候補図形コメントを併せて記憶している。なお、本実施形態における候補図形群には、第1候補図形から第3候補図形の3つの候補図形が含まれているものとして説明するが、候補図形の数がこれ以上であってもよいし、問題番号毎に候補図形の数が異なっていてもよい。
【0108】
類似点数データ452は、類似点数算出部524が算出した候補図形毎の類似点数のデータである。図19に示すように、類似点数データ452は、各候補図形(例えば、「第1候補図形」)に対応付けて類似点数(例えば、「34」)を記憶している。
【0109】
類似点数コメント454は、類似点数に応じた類似点数コメントを記憶している。例えば、図20に示すように、決定した候補図形の類似点数が「80点以上」の場合には、「すごく上手にかけているね!何を描いたかすぐに分かったよ!」が類似点数コメントとして記憶されている。
【0110】
[2.3 処理の流れ]
次に、図21を参照して第2ゲーム処理の流れについて説明する。ここで説明する処理は、ゲーム演算部520が第2ゲームプログラム420bを読み出して実行することによって実現される処理である。
【0111】
ゲーム演算部520は、問題データ450から問題データを1つ選択する(ステップD10)。続いて、問題画像450aをサブ表示部220に表示する(ステップD12)。続いて、ユーザに手書き図形444の手書き操作入力を促す(ステップD14)。手書き図形の入力終了を検知すると(ステップD16;Yes)、ゲーム演算部520は、問題データに対応する候補図形群450bから候補図形を選択する(ステップD18)。そして、候補図形から表示サイズ図形442を作成する(ステップD20)。
【0112】
つづいて、ゲーム演算部520は、手書き図形444を表示サイズ図形442に応じたサイズに拡縮する(ステップD22)。例えば、手書き図形444が入力されたタッチパネル4上の位置、領域(サイズ)を検出する。そして、表示サイズ図形442が表示されている領域に手書き図形と略一致する大きさとなるように、手書き図形444を拡大又は縮小する。例えば、手書き図形を内接する矩形の縦横のドット数と、手書き図形4を内接する矩形の縦横のドット数とが同じとなるように拡縮する。この際、縦横比を一定とする方が好適であるが、縦横比を可変として手本図形の縦横比に一致させるとしてもよい。
【0113】
そして、評価テーブル生成部522が、評価テーブル生成処理を実行することにより、表示サイズ図形442に基づいた評価テーブル446を生成する(ステップD24)。次に、類似点数算出部524が、類似点数算出処理を実行することにより、生成された評価テーブルに従った手書き図形444の類似点数を算出する(ステップD26)。
【0114】
そして、類似点数算出処理が終了すると、ゲーム演算部520は、算出された類似点数を類似点数データ452に記憶する(ステップD28)。そして、現在選択されている問題データ450の候補図形群450bの類似点数が総て算出されていない場合には(ステップD30;No)、再度ステップD18から処理を繰り返し実行する。
【0115】
選択された問題に含まれる総ての候補図形に対する類似点数を算出した場合には(ステップD30;Yes)、類似点数データ452に記憶されている類似点数が最大値の候補図形を決定する(ステップD32)。そして、ゲーム演算部520は、決定された候補図形に対応する候補図形コメントを問題データ450から読み出し、類似点数に対応する類似点数コメントを類似点数コメント454から読み出す。そして、読み出した類似点数コメントと、候補図形コメントとを併せてサブ表示部220に表示する(ステップD34)。また、決定した候補図形をメイン表示部200の所定位置に表示する(ステップD36)。
【0116】
ここで、第2ゲーム処理の終了がタッチ操作された場合には、第2ゲーム処理を終了し、継続する場合には、ステップD10から繰り返し処理を実行する。
【0117】
[2.4 作用・効果]
このように、第2実施形態によれば、手書き図形に最も類似する候補図形を選択することができる。このため、本実施形態では候補図形の数を3つに限って説明したため伝わり難いかもしれないが、この候補図形の数を多数揃えて本実施形態と同様の処理を行うことにより、手書き図形の入力の際にユーザが想定した図形を認識することができる。また、手書き図形は、タッチパネル4の座標系から切り出され、手本図形との対比に適したサイズに拡縮されるため、ユーザはタッチパネル4上でタッチ操作する位置や、手書き入力する図形の大きさを気にすることなく自由に手書き図形を入力することができる。
【0118】
[2.5 変形例]
なお、本実施形態においては、手書き入力された図形に最も類似する候補図形を必ず1つ決定することとして説明したが、類似点数に応じて類似する候補図形がないと決定してもよい。具体的には、図21のステップD32において、類似点数データ452に記憶された類似点数の最大値が「40」点未満の場合には、手書き図形に類似するといえる候補図形が認識できないため、手書き図形を認識できなかった旨を候補図形コメント(例えば、「何を書いたかわからないよ!」)としてもよい。その場合には、再度ステップD14から処理を実行することによりユーザに手書き図形を再入力させる。
【0119】
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、手本図形をメイン表示部に表示し、ユーザに手本図形を模倣した手書き図形を入力させる実施形態である。また、第3実施形態において、上述した第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0120】
[3.1 画面例]
図22は、本実施形態のゲーム画面例を示す図である。ゲーム装置1は、上側のメインディスプレイ5aにゲーム画面GW30が、下側のサブディスプレイ5bにゲーム画面GW32が表示されている。ゲーム画面GW30には、手本図形NZ30が表示されている。また、ユーザに対し手書き操作の入力を促すコメントCA30「この図をまねて描いてね!」が表示されている。
【0121】
本実施形態において、手本図形は、複数の部品図形によって構成されている。例えば、図22において手本図形NZ30は、ひし形の部品図形BZ30と、直線の部品図形BZ32と、長方形の部品図形BZ34と3つの部品図形から構成されている。また、手本図形は、当該手本図形を構成する部品図形が何か、各部品図形をどの位置にどの大きさでどの角度で配置するか、といった部品配置条件によって定義される。
【0122】
図23は、ユーザが手書き図形の入力を終了した際のゲーム画面例を示す図である。ゲーム画面GW34には手本図形NZ34が表示されており、ゲーム画面GW36には、手書き図形KZ36が表示されている。さらに、手書き図形36と手本図形NA34との類似点数が算出され、類似点数に応じたコメントがゲーム画面GW34に表示されている。例えば、類似点数が「80」以上である場合には、コメントCA34「そっくりにまねできたね!」が表示される。
【0123】
[3.2 機能構成]
第3実施形態におけるゲーム装置1の機能構成は、第1実施形態において図6に示して説明したゲーム装置1の機能構成において、記憶部400を図24に示す記憶部400cに置き換えた構成と同様であり、以下、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0124】
図24に示すように、記憶部400cは、第3ゲームプログラム420cと、問題データ470と、表示サイズ図形442と、手書き図形444と、評価テーブル446とが格納される。第3ゲームプログラム420cは、評価テーブル生成プログラム422と、類似点数算出プログラム424とを含んでいる。
【0125】
第3ゲームプログラム420cは、ゲーム演算部520が実行することにより、部品図形群470aから部品図形を読み出し、手本図形部品構成データ470bに従って手本図形を作成する。そして、手本図形をメイン表示部200に表示し、サブ表示部220と一体に構成されているタッチパネル150から手書き図形444が入力されると、手本図形と手書き図形444との類似点数を算出し、類似点数の評価に応じた演出を行う。
【0126】
問題データ470は、手本図形のデータ群であって、ゲーム進行状況に応じて次に出題する手本図形を適宜選択可能な構造としてもっているデータである。図25にその手本図形間のリンク構造の一例を示す。図25に示すように、第1手本図形には、第2手本図形と第3手本図形とが、第2手本図形には第4手本図形と第5手本図形とが、…といった具合に分岐構造のようなリンクが各手本図形間に張られている。ゲーム最初の手本図形は、第1手本図形である。そして、ユーザにより入力された手書き図形の評価結果が良ければ(類似点数が高ければ)、難易度の高い図形(難しい図形)である第2手本図形が選択される。逆に、手書き図形の評価結果が悪ければ(類似点数が低ければ)、難易度の低い図形(易しい図形)である第3手本図形が選択される。以下同様に、ゲーム進行状況に応じて、次に出題される手本図形が変更される。
【0127】
ここで、手本図形は、部品図形群470aに記憶されている部品図形を用いて手本図形部品構成データ470bに基づいて作成される。図26は、記憶部400cに記憶されている部品図形群470aの一例を示す図である。、部品図形群470aには、部品図形の名称と図形とが対応付けて記憶されている。本図においては、直線と、正方形と、長方形と、ひし形と、円とが記憶されている。
【0128】
図27は、手本図形部品構成データ470bのデータ構成の一例を示す図であり、手本図形の番号に対応付けて使用する部品図形(例えば、「ひし形」)と、部品図形配置条件を記憶している。部品図形配置条件は、手本図形全体における当該部品図形の代表点の位置(例えば、「(40,10)」)と、当該部品図形の拡縮率(例えば、「1.0」)と、当該部品図形を手本図形として配置する際の配置角度(例えば「0」)とが記憶されている。ゲーム演算部520は、手本図形に使用される部品図形を部品図形群470aから読み出し、部品図形配置条件に従って部品図形をゲーム画面中に配置する。例えば、拡縮率が「1.0」であれば、部品図形と等倍で配置し、拡縮率が「0.8」であれば、部品図形の縦横のサイズをそれぞれ「0.8」倍して配置する。また、角度が「90」であればは、時計回り(又は反時計回り)に「90度」回転させて部品図形を配置する。
【0129】
[3.3 処理の流れ]
次に、図28を参照して第3ゲーム処理の流れについて説明する。ここで説明する処理は、ゲーム演算部520が第3ゲームプログラム420cを読み出して実行することによって実現される処理である。
【0130】
ゲーム演算部520は、問題データ470に記憶されている手本図形を選択する(ステップE10)。ここで、最初に選択される手本図形は、例えば第1手本図形である。
【0131】
続いて、ゲーム演算部520は、手本図形を作成する(ステップE12)。具体的には、手本図形部品構成データ470bに従って、部品図形を配置することにより手本図形を作成する。
【0132】
つづいて、ゲーム演算部520は、作成された手本図形を表示画像に表示するが、表示用の一時データとして表示サイズ図形442を作成する(ステップE14)。そして、評価テーブル生成部522が評価テーブル作成処理を実行することにより、評価テーブル446を作成する(ステップE16)。
【0133】
次に、表示サイズ図形442をメイン表示部200に表示し(ステップE18)、ユーザに手書き図形444の手書き操作入力を促す(ステップE20)。手書き図形の入力の終了を検知すると(ステップE22;Yes)、手書き図形444を表示サイズ図形442の大きさに調整する(ステップE24)。例えば、手書き図形444が入力されたタッチパネル4上の位置、領域(サイズ)を検出し、表示サイズ図形442が表示されている領域に手書き図形と略一致する大きさとなるように、手書き図形444を拡大又は縮小する。
【0134】
そして、類似点数算出部524が類似点数算出処理を実行することにより、類似点数を算出する(ステップE26)。そして、ゲーム演算部520は、算出された類似点数に基づいて、手本図形に対する手書き図形の出来を評価し、評価結果に応じた演出を実行する(ステップE28)。例えば、類似点数が「80」点以上であれば、コメントとして「そっくりにまねできたね!」をメイン表示部200に表示する。また、類似点数が「80」点未満であれば、コメントとして「お手本をよく見てね。」とメイン表示部200に表示する。
【0135】
ここで、ユーザから第3ゲーム処理を終了する操作が検知されない場合には(ステップE30;NO)、ゲーム演算部520は、次の手本図形を選択する。このとき、類似点数が「60点以上」の場合には現在の手本図形より難しい手本図形を、類似点数が「60点未満」の場合には現在の手本図形より易し手本図形を問題データ470よりそれぞれ選択する(ステップE32)。
【0136】
[3.4 作用・効果]
このように、第3実施形態によれば、手本図形は、部品図形の組み合わせで構成される。したがって、各手本図形の全体図形を記憶する記憶容量を記憶部400に確保する必要が無くなり、より多くの種類の手本図形を記憶することができる。例えば第2実施形態のように、手書き図形に最も類似する手本図形を判定するといった場合には、できるだけ多くの手本図形を格納していた方が良い。
【0137】
さらに、手本図形は、ユーザが手書き入力するサブ表示部220とは異なるメイン表示部200に表示される。このため、ユーザは、手本図形を見ながら、その手本図形をまねするようにして手書き図形444を入力することといった操作になる、手本図形の入力形態に新たな興趣を与えることができる。
【0138】
[3.5 変形例]
なお、本実施形態においては、ユーザが手書き図形444を入力している際に、手本図形がメイン表示部200に表示されていることとして説明したが、例えば、手書き図形444の入力が開始された後に、手本図形を非表示とすることとしても良い。この場合、ユーザは表示された手本図形を覚える必要がある。いわゆる記憶力の要素をゲームに持ち込むことができ、新たな面白さをゲームに加えることができる。
【0139】
〔変形例〕
以上、本発明についての好適な実施形態について説明したが、本発明は上述したものに限らず、本発明の趣旨に逸脱しない限りにおいて適宜変更可能である。
【0140】
上述した実施形態のゲーム装置は、表示装置としてメインディスプレイ5aと、サブディスプレイ5bとを有することとして説明したが、表示装置はタッチパネルと一体として構成される1つのディスプレイのみであってもよいことは勿論である。この場合、ディスプレイを上下(又は左右)に分割させることにより、メインディスプレイ5aに表示されたゲーム画面を一方に、サブディスプレイ5bに表示されたゲーム画面を他方に表示することとすればよい。
【0141】
また、評価テーブル446は、評価テーブル生成部522がその都度生成することとして説明したが、予め記憶されていることとしても良い。例えば、第1実施形態を例にとって説明すると、記憶部400に、手本図形440aに対応する評価テーブル446を予め記憶させておく。そして、ゲーム演算部520は、入力された手書き図形444の類似点数を予め記憶されている評価テーブル446を利用して算出する。この場合、手本図形440aが選択された場合に、その都度評価テーブル446を生成する必要が無く、より高速な動作を期待できる。
【0142】
[4.1 手書き入力の終了判定]
また、ユーザによる終了ボタンに対するタッチ操作入力が為されると、手書き入力を終了させることとして説明したが所定の条件を満たした場合に、自動的に手書き入力を終了させることとしても良い。以下、その具体例を第1実施形態を基にして説明する。
【0143】
[4.1.1 手書き図形のドット数による終了判定]
例えば、図9のステップA20において、手書き図形ドットの数が表示サイズ図形ドットの数と同じとなった場合に手書き入力を終了させることとする。この場合、ユーザはより丁寧に書かないと手書き図形444を最後まで手書き入力することができないため、より丁寧に手書き入力しようとする。
【0144】
例えば、図29(a)はサブディスプレイ5bに表示されるゲーム画面GW40の一例を示す図である。ゲーム画面GW40には、手本図形NZ40が表示されている。ユーザが、タッチペンPNでサブディスプレイ5b上をタッチ操作することにより手書き図形KZ40を入力する。ゲーム画面GW40では、手書き図形KZ40は、手本図形NZ40とほぼ同じ大きさで書かれている。
【0145】
一方、図29(b)のゲーム画面GW42の場合、手本図形NZ42に対して手書き図形KZ42が大きな図形となっている。そして、表示サイズ図形ドットの数と同じ数の描画ドットが表示されると、手書き入力は終了してしまう。したがって、図29(b)のゲーム画面GW42においては、手書き図形KZ42の入力は途中で受け付けられなくなり、途中終了となる。
【0146】
[4.1.2 ゲーム時間による終了判定]
また、所定のゲーム時間が経過したときに手書き入力を終了させることとしても良い。具体的には手本図形440a毎に課題時間をそれぞれ対応づけておく。そして、第1ゲーム処理のステップA18において手書き入力が開始されると、手書き入力の時間を計時し始める。そして、計時時間が、課題時間と一致したときに、手書き入力を終了させる。この場合、ユーザは丁寧にゆっくり図形を書こうとすると課題時間を経過してしまい最後まで手書き図形を書くことができない。また、早く書こうとすると図形が雑になる可能性がある。このように、制限時間を設けることによりゲームの趣向性をより高めることができる。
【0147】
[4.2 図形は色情報を有する]
また、手本図形は色情報を有することとしても良い。以下、色情報を有する場合について第3実施形態を基に説明する。
【0148】
例えば、手本図形部品構成データ470bは、部品図形配置条件として、図27に示された条件の他に「色」を有しているとする。例えば、色には「黒色」、「赤色」、「青色」、「黄色」等があり、それぞれ使用部品図形ごとに対応付けて記憶されている。
【0149】
図30は、ゲーム装置1に表示されたゲーム画面の一例について示す図である。ここで、ゲーム画面GW44には、手本図形NZ44が表示されている。手本図形NZ44は4つの部品図形から構成されており、各部品図形にはそれぞれ色が付されている。例えば、円NZ44aは黒色、直線NZ44bは赤色、直線NZ44cは青色、長方形NZ44dは黄色の各色に着色されて表示されている。
【0150】
そして、ユーザはゲーム画面GW46に手書き図形KZ46を入力する。ここで、ゲーム画面GW46の右側には、各色を示す色パレットCP46が表示されている、タッチペンPNにより、色パレットCP46の各色をタッチ操作すると、色パレットCP46をタッチ総亜した以降に入力される手書き図形には当該タッチした色で表示される。例えば、黒パレットCP46aをタッチすると黒色に、赤パレットCP46bをタッチすると赤色に、青パレットCP46cをタッチすると青色に、黄パレットCP46dをタッチすると黄色に着色されて図形が入力される。ゲーム画面GW46に表示されている手書き図形KZ46は、図形KZ46aが黒色、図形KZ46bが赤色、図形KZ46cが青色に着色されてそれぞれ表示されている。
【0151】
そして、類似点数算出部524が類似点数を算出する際に、手本図形のドットの色と入力図形のドットの色とが一致している場合には、例えば評価点の2倍の点数を類似点数に加算する。このようにすることにより、ユーザは色を付して手書き図形を入力することができ、また着色した色に応じて類似度が変化するため、ゲームの興趣性が向上する。
【0152】
[4.3 ゲーム時間による類似点数の変化]
また、手書き入力を行っている時間に応じて類似点数を加算することとしても良い。例えば、第3実施形態を基に説明すると、ステップE20において手書き入力に要した時間を計時する。そして、計時された時間に応じて、類似点数にボーナス点を付加する。例えば、手書き入力されていた時間が「10」秒未満の場合には類似点数に「20」点を加算し、「30秒」未満の場合には類似点数に「10」点を加算する。このように手書き入力された時間に応じてボーナス点が加算されることにより、ユーザは手書き図形を早く入力しようとするが、丁寧に入力しないとボーナス点を除くそもそもの類似点数が高得点にならない。こういった時間的要素をゲームに不可することができるため、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0153】
さらに、類似点数の多少に応じて、次回のゲームの際の課題時間を変化させてもよい。例えば、類似点数が高かった場合には、課題時間を短くして難易度を上げ、類似点数が低かった場合には、課題時間を長くして難易度を下げる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】携帯用ゲーム装置の概観図。
【図2】ディスプレイとタッチパネルとの関係を説明するための図。
【図3】評価点数算出方法の原理を説明するための図。
【図4】評価点数算出方法の原理を説明するための図。
【図5】第1実施形態のゲーム画面の一例を示す図。
【図6】第1実施形態におけるゲーム装置の機能構成を説明するための図。
【図7】第1実施形態における問題データの一例を示す図。
【図8】第1実施形態における評価テーブルの一例を示す図。
【図9】第1実施形態における第1ゲーム処理の動作フローを示す図。
【図10】第1実施形態における評価テーブル生成処理の動作フローを示す図。
【図11】第1実施形態における点数算出処理の動作フローを示す図。
【図12】第1実施形態のゲーム装置を実現するためのハードウェア構成の一例を示す図。
【図13】第2実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図。
【図14】第2実施形態のおける入力図形の描画ドットを説明する図。
【図15】第2実施形態における手本図形と、対応する評価テーブルとの一例を示す図。
【図16】第2実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図。
【図17】第2実施形態におけるゲーム装置の機能構成を説明するための図。
【図18】第2実施形態における出題データの一例を示す図。
【図19】第2実施形態における類似点数データの一例を示す図。
【図20】第2実施形態における類似点数コメントの一例を示す図。
【図21】第2実施形態における第2ゲーム処理の動作フローを示す図。
【図22】第3実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図。
【図23】第3実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図。
【図24】第3実施形態におけるゲーム装置の機能構成を説明するための図。
【図25】第3実施形態における問題データの一例を示す図。
【図26】第3実施形態における部品図形の一例を示す図。
【図27】第3実施形態における手本図形部品構成データの一例を示す図。
【図28】第3実施形態における第3ゲーム処理の動作フローを示す図。
【図29】変形例におけるゲーム画面の一例を示す図。
【図30】変形例におけるゲーム画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0155】
1 ゲーム装置
100 操作入力部
200 メイン表示部
220 サブ表示部
300 音出力部
400 記憶部
420 第1ゲームプログラム
422 評価テーブル作成プログラム
424 点数算出プログラム
440 問題データ
440a 手本図形
442 表示サイズ図形
444 入力図形
446 評価テーブル
500 処理部
520 ゲーム演算部
522 評価テーブル生成部
524 点数算出部
540 画像生成部
560 音生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの手書き操作によりタッチパネルに入力された手書き図形と、予め定められた手本図形との類似度を、前記手書き図形を構成する各ドットの前記手書き図形における相対的な位置と、前記手本図形を構成する各ドットの前記手本図形における相対的な位置との異同に基づいて判定する類似度判定手段として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記手本図形を表示制御する手本図形表示制御手段として前記コンピュータを機能させ、
前記類似度判定手段が、前記表示制御された手本図形に対して前記タッチパネルに入力された手書き図形と、当該手本図形との類似度を判定するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記タッチパネルは表示装置と一体的に構成されるタッチスクリーンであり、
前記手本図形表示制御手段が、前記手本図形を前記タッチスクリーンの表示装置に表示制御するように前記コンピュータを機能させ、
前記類似度判定手段が、前記表示制御された手本図形上に手書き操作により入力された手書き図形と、当該手本図形との類似度を判定するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記類似度判定手段が、少なくとも、1)前記手書き図形を構成する各ドットの前記手書き図形における相対的な位置と、前記手本図形を構成する各ドットの前記手本図形における相対的な位置とが同一位置のドットの数、2)前記手書き図形を構成する各ドットの前記手書き図形における相対的な位置と、前記手本図形を構成する各ドットの前記手本図形における相対的な位置とが所定の近距離条件を満たすドットの数、に基づいて類似度を判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
複数の手本図形の中から前記類似度判定手段による類似度判定の対象とする手本図形を選択する手本図形選択手段として前記コンピュータを機能させ、
前記選択された手本図形に応じて前記近距離条件を可変する条件可変手段として前記コンピュータを機能させ、
前記類似度判定手段が、前記選択された手本図形と、前記手書き図形との類似度を、前記条件可変手段により可変された近距離条件に従って判定するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記類似度判定手段が、前記手書き図形を構成するドット数と、前記手本図形を構成するドット数との差に応じて類似度を調整する調整手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記類似度判定手段が、更に、前記手書き図形を構成する各ドットの色と、前記手本図形を構成する各ドットの色との異同を加味して類似度の判定を行うように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記手書き図形及び前記手本図形の一方の図形を、他方の図形の大きさに合った大きさに拡縮する拡縮手段として前記コンピュータを機能させ、
前記類似度判定手段が、前記拡縮手段により拡縮された図形を用いて類似度の判定を行うように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記手本図形は複数の部品図形から成り、
前記手本図形を構成する部品図形の配置構成について定められた配置構成情報に基づいて、前記類似度判定手段による類似度の判定対象の手本図形を作成する手本図形作成手段として前記コンピュータを機能させ、
前記類似度判定手段が、前記手本図形作成手段により作成された手本図形と、前記手書き図形との類似度を判定するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記類似度判定手段が、予め定められた複数の手本図形それぞれと、前記手書き図形との類似度を判定するように前記コンピュータを機能させ、
前記類似度判定手段により判定された類似度に基づいて、前記手書き図形に類似する手本図形を前記複数の手本図形の中から選択する類似図形選択手段として前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜9の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項12】
ユーザの手書き操作によりタッチパネルに入力された手書き図形と、予め定められた手本図形との類似度を、前記手書き図形を構成する各ドットの前記手書き図形における相対的な位置と、前記手本図形を構成する各ドットの前記手本図形における相対的な位置との異同に基づいて判定する類似度判定手段を備えた図形類似度判定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2006−133888(P2006−133888A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−319594(P2004−319594)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000134855)株式会社ナムコ (1,157)
【Fターム(参考)】