説明

プローバシステム

【課題】プローバシステムにおける設置スペース低減方法の提供。
【解決手段】チップが形成されたウエハ100を保持し、テスタ5の端子に接続されたプローブに、チップの電極を接触させるプローバ10と、プローバ10で検査するウエハ100および検査済みウエハを収容するウエハカセット32を載置するロードポートと、プローバ10とウエハカセット32の間でウエハ100を搬送するウエハ搬送ユニット31と、を備えるプローバシステムであって、ロードポートは、プローバ10の上部または下部に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハ上に形成された複数の半導体装置(チップ)をテスタで検査するために使用するプローバシステムに関し、特にプローバシステムの設置面積の低減に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程は、多数の工程を有し、品質保証及び歩留まりの向上のために、各種の製造工程で各種の検査が行われる。例えば、半導体ウエハ上に半導体装置の複数のチップが形成された段階で、各チップの半導体装置の電極パッドをテスタに接続し、テスタから電源及びテスト信号を供給し、半導体装置の出力する信号をテスタで測定して、正常に動作するかを電気的に検査するウエハレベル検査が行われている。
【0003】
ウエハレベル検査の後、ウエハはフレームに貼り付けられ、ダイサで個別のチップに切断される。切断された各チップは、正常に動作することが確認されたチップのみが次の組み立て工程でパッケージ化され、動作不良のチップは組み立て工程から除かれる。更に、パッケージ化された最終製品は、出荷検査が行われる。
【0004】
図1は、ウエハレベル検査を行うシステムの概略構成を示す図である。ウエハレベル検査を行うシステムは、ウエハ上の各チップの電極パッドにプローブ11を接触させるプローバと、プローブに電気的に接続され、電気的検査のために各チップに電源及びテスト信号を供給すると共に各チップからの出力信号を検出して正常に動作するかを測定するテスタ5とで構成される。参照番号1から4はプローバの筐体を構成する部分である。筐体の上板4には、電極パッドに接触するプローブ11を有するプローブカード12と、ウエハアライメントカメラ13とが取り付けられる。基部1には、ステージ22を移動させる移動機構24が設けられる。ステージ22には、ウエハ100を真空吸着などにより保持するウエハチャック21と、プローブカード12のプローブ11の位置を検出するプローブ位置カメラ23が設けられる。ウエハチャック21は、移動機構24により3軸方向に移動可能なだけではなく、上下方向の軸を中心として回転可能である。ウエハアライメントカメラ13は、筐体の支持板3に取り付けられる場合もある。
【0005】
テスタ5は、プローバの筐体の上板4に載置される。テスタ5の電気端子は、プローブカード12の端子に接続され、プローブ11に電気的に接続される。テスタ5とプローバは、別々の製品であり、ユーザは、ウエハに形成されるチップに応じて、テスタ5とプローバを適宜組み合わせてウエハレベル検査システムを構成する。また、プローブカード12は、検査するチップの電極パッドに対応して配置されたプローブ11を備える必要があり、チップ(半導体装置)に応じて適宜交換される。
【0006】
ウエハアライメントカメラ13及びプローブ位置カメラ23の撮影した画像から各チップの電極パッドの位置およびプローブ11の位置を検出し、検出した位置関係に基づいて、電極パッドの所定位置をプローブ11に接触させるように、ステージ22を移動させる。
【0007】
プローバについては、例えば、特許文献1および2などに記載されているので、ここではこれ以上の説明は省略する。
【0008】
プローバでウエハを検査する場合、検査するウエハをプローバに供給(ロード)し、検査済みのウエハをプローバから回収(アンロード)する必要がある。ウエハの供給および回収はウエハカセットで行われる。
【0009】
図2は、プローバ10に、ウエハの供給および回収を行うローダ部30を付属させた構成を示す図であり、(A)が上面図であり、(B)が側面図である。ここでは、プローバ10とローダ部30を合わせてプローバシステムと称し、これにはテスタ5は含まれない。
【0010】
図2に示すように、ローダ部30は、ウエハカセット32が載置されるロードポートと、プローバ10とウエハカセット32との間でウエハを搬送するウエハ搬送ユニット31と、を有する。ウエハ搬送ユニット31は、多関節のロボットアーム33と、ロボットアーム33を上下移動する移動機構34と、を有する。ウエハ搬送ユニット31は、ロボットアーム33の先端をウエハカセット32内に挿入してウエハを取り出し、プローバ10のウエハチャック21上に搬送する。また、検査の終了した検査済みウエハは逆の経路でプローバ10からウエハカセット32に戻される。ローダ部30、ウエハ搬送ユニット31およびウエハカセット32の構成については広く知られているので、説明は省略する。
【0011】
【特許文献1】特開公平7−13990号公報
【特許文献2】特開2004−63877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来のプローバシステムでは、図2に示すように、プローバ10と、ウエハ搬送ユニット31と、ウエハカセット32が載置されるウエハカセットが、平面上に配置されていた。
【0013】
近年、半導体製造工場の建設コスト低減および生産効率向上のため、各装置の設置スペースを低減することが求められている。
【0014】
本発明は、プローバシステムの設置スペースを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を実現するため、本発明のプローバシステムは、ロードポートをプローバの上部または下部に配置することを特徴とする。
【0016】
ウエハ搬送ユニットは、プローバおよびロードポートにアクセスする必要があるため、プローバおよびロードポートと上下で重なるように配置することはできない。しかし、ロードポートとプローバ上下で重なるように配置することは可能であり、そのように配置することで設置スペースを小さくできる。
【0017】
もちろん、ウエハ搬送ユニットは、上下に配置されたプローバおよびロードポートにアクセスするため、上下方向に長い距離移動できるように構成する必要がある。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、プローバシステムの設置スペースを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図3は、本発明の第1実施形態のプローバシステムの概略構成を示す図であり、(A)が上面図を、(B)が側面図を示す。
【0020】
第1実施形態のプローバシステムは、従来例と配置が異なるだけで、ほかの部分は従来例と同じである。したがって、プローバ10は、図1に示した従来例に類似の構成を有する。ここでは、図2の従来例と同じ部分については同じ参照符号を付している。
【0021】
図3に示すように、第1実施形態のプローバシステムでは、ロードポートをプローバの上部に配置している。したがって、設置スペースは従来例に比べて低減される。
【0022】
ウエハ搬送ユニット31は、上部のロードポートに載置するウエハカセット32からウエハを取り出し、ウエハを保持した状態で下方に移動し、下部に配置されたプローバ10のウエハチャック21上にウエハを搬送する。検査が終了したウエハを搬送する時には逆の経路を搬送する。したがって、ウエハ搬送ユニット31の移動機構34は、上下方向に長い距離移動できるように構成する必要がある。
【0023】
ウエハ搬送ユニット31は、単にウエハを搬送するだけで、高い移動精度は要求されない。そのため、移動機構34の移動距離を長くしてもコストはほとんど増加しない。
【0024】
図4は、本発明の第2実施形態のプローバシステムの概略構成を示す図であり、(A)が上面図を、(B)が側面図を示す。第2実施形態のプローバシステムでは、ロードポートをプローバの下部に配置している。ほかの部分は第1実施形態と同じなので、説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、ウエハの検査を行う場合に使用するプローバとそれに付属したローダ部を有するシステムであれば、どのようなものにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来のウエハレベル検査システムの全体構成を示す図である。
【図2】プローバ10に、ウエハの供給および回収を行うローダ部30を付属させた構成を示す図であり、(A)が上面図であり、(B)が側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態のプローバシステムの概略構成を示す図であり、(A)が上面図を、(B)が側面図を示す。
【図4】本発明の第2実施形態のプローバシステムの概略構成を示す図であり、(A)が上面図を、(B)が側面図を示す。
【符号の説明】
【0027】
1〜4 筐体
5 テスタ
10 プローバ
11 プローブ
12 プローブカード
13 ウエハアライメントカメラ
21 ウエハチャック
22 ステージ
23 プローブ位置カメラ
30 ローダ部
31 ウエハ搬送ユニット
32 ウエハカセット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップが形成されたウエハを保持し、テスタの端子に接続されたプローブに、前記チップの電極を接触させるプローバと、
前記プローバで検査するウエハおよび検査済みウエハを収容するウエハカセットを載置するロードポートと、
前記プローバと前記ウエハカセットの間で前記ウエハを搬送するウエハ搬送ユニットと、を備えるプローバシステムであって、
前記ロードポートは、前記プローバの上部または下部に配置されていることを特徴とするプローバシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−224672(P2009−224672A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69394(P2008−69394)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000151494)株式会社東京精密 (592)
【Fターム(参考)】