説明

ベルト用補強布の識別方法

【課題】 伝動用又は搬送用ベルトの表面に被覆される補強布を容易且つ低コストで識別する方法を提供する。
【解決手段】 伝動用又は搬送用ベルトの動力伝達面或いは搬送面、その他の面を被覆する補強布を識別する補強布の識別方法に関する。補強布12の表面に対して入射角度θ1で光波λを入射させる。前記光波λが入射した補強布12の表面領域を撮像する。前記撮像された画像の濃淡度を測定することによって表面の凹凸状態が異なる二種以上の補強布12を識別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝動用又は搬送用ベルトの動力伝達面或いは搬送面、その他の面を被覆する補強布を識別する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、伝動用又は搬送用ベルトの使用環境が厳しくなっており、これらのベルトには、更なる耐久性が要求されている。自動車用エンジンのカム軸又はインジェクションポンプ等を駆動する歯付ベルトを例にとってみても、エンジンの高出力化に伴ってベルトへの負荷が増大し、使用環境が著しく厳しくなってきている。又、一般産業用に使用される歯付ベルトについても、射出成形機等の高負荷駆動用等取替周期の延長が要求されている。
【0003】
ここで、伝動用又は搬送用ベルトの例として歯付ベルト及び伝動用ベルトの構成について、それぞれ、図7及び図8を参照しつつ簡単に説明する。図7は一般的な歯付ベルトの全体斜視概略図、図8は伝動用ベルトの部分正面図である。
【0004】
図7において、歯付ベルト20は、長手方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部23と、歯部23と連続する背部22と、背部22に埋設された心線21と、歯部23の表面に被覆された歯布24とを有する。背部22と歯部23は、ゴム層27で形成されたベルト本体を構成する。又、歯布24は、ベルトの長手方向に延在する緯糸25と、ベルトの幅方向に延在する経糸26とを織成してなる繊維材料を基材として構成される。なお、繊維材料としては、アラミド繊維及びナイロン繊維が一般的に用いられる。
【0005】
図8において、伝動用ベルト28は、接着ゴム層29内にポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等のコードからなる心線30が埋め込まれ、接着ゴム層29の上部、下部にはそれぞれ補強布31とゴム層32を積層した伸張ゴム層33と、また同様に補強布31とゴム層32を積層した圧縮ゴム層34がある。圧縮ゴム層34は、2層のゴム層35a・35bから形成されると共に、それぞれ一定ピッチでベルト長手方向に沿ってコグ谷間36とコグ山部37とを交互に配した下コグ部38が設けられている。
【0006】
上記のとおり、伝動用又は搬送用ベルトのさらなる耐久性の向上及び取替周期の延長が要求されていることから、これらの動力伝達面或いは搬送面、その他の面を被覆する補強布の摩擦係数を下げることによって耐久性を向上させた伝動用又は搬送用ベルトが開発されている。例えば、歯付ベルトにおいて、歯部23の表面に被覆される歯布24の摩擦係数を下げることによって耐歯欠け性を向上させた歯付ベルトが開発されている(例えば、特許文献1参照)。この耐歯欠け性を向上させた歯付ベルトの歯部23の表面に被覆される歯布24(以下、「低摩擦処理歯布」という)は、糊ゴムに粒子径が小さい減摩材を含有することによって、従来の歯布(以下、「通常処理歯布」という)よりも摩擦係数が小さくなるようにされている。このように、摩擦係数が異なる二種類の補強布は、使用される環境等を考慮して、用途に応じて使い分けられている。なお、補強布の種類は、今後さらに増加する可能性もある。
【0007】
【特許文献1】特開2003−156101号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、このように用途が異なる複数種類の補強布が存在すると、ベルトの生産工程において、本来、ベルトの表面に被覆されるべき補強布とは異なる補強布が誤って使用される場合がある。従って、このように誤って使用されることを防止するために、ベルトの表面に補強布を被覆する前に、被覆しようとする補強布がいずれの補強布であるか識別する必要がある。補強布の識別は、補強布を平ベルトに被覆したのち、かかる平ベルトのスリップ率を測定することによって行うことも考えられる。しかしながら、平ベルトを作成すること、平ベルトに補強布を被覆すること及びスリップ率を測定するための装置が必要となり、多大な時間、工数及びコストがかかってしまう。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、伝動用又は搬送用ベルトの表面に被覆される補強布を容易且つ低コストで識別する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0010】
本発明において、以下の特徴は単独で、若しくは、適宜組合わされて備えられている。前記課題を解決するための本発明に係る補強布の識別方法は、伝動用又は搬送用ベルトの動力伝達面或いは搬送面、その他の面を被服する補強布を識別する補強布の識別方法であって、前記補強布の表面に対して所定の入射角度で光波を入射させ、前記光波が入射した補強布の表面領域を撮像し、前記撮像された画像の濃淡度を測定することによって表面の凹凸状態が異なる二種以上の補強布を識別することを特徴とする。
【0011】
この方法によると、伝動用又は搬送用ベルトの動力伝達面或いは搬送面、その他の面に被覆される補強布表面の凹凸状態が異なれば、照射された光波の反射態様が異なる。従って、光波が照射された領域を撮像し、その撮像画像の濃淡度を測定することによって、表面の凹凸状態が異なる二種以上の補強布をこれらのベルト表面に被覆される前に識別することが可能となる。また、補強布表面の凹凸状態の検出は、補強布の表面に照射した光の反射量を検出するというごく簡易な方法なので、平ベルト作成及びスリップ率の測定と比べて容易且つ低コストで行うことができる。
【0012】
とくに、補強布の表面に対して入射角度をθ1で光波を入射させると共に、光波が入射した補強布の表面の領域を反射角度θ1とは異なる方向から撮像すると、補強布表面の凹凸が顕著であれば濃淡度が小さくなり、補強布の表面が比較的平滑であれば濃淡度が大きくなる。従って、表面の凹凸状態が異なる二種以上の補強布を容易に識別できる。
【0013】
また、「前記撮像された画像の濃淡度を測定」とは、例えば、撮像されたアナログ画像信号を2値化レベルを用いて白と黒とのディジタル画像信号に変換し、かかるディジタル画像信号のうち「黒」と表示される画素数を数えることによって測定することができる。
【0014】
本発明の補強布の識別方法において、前記二種以上の補強布が減摩材の含有量が異なる補強布であって、且つ前記所定の入射角度で光波が入射される補強布が、0.1〜2.5MPaの範囲内で加硫加圧されたものであることが好ましい。
【0015】
この方法によれば、減摩材が含まれた補強布を0.1〜2.5MPaの範囲内で加硫加圧すると補強布の表面から減摩材の一部が露出するので、減摩材の含有量が異なる二種以上の補強布表面の凹凸状態が顕著に異なることとなる。従って、0.1〜2.5MPaの範囲内で補強布を加硫加圧し、前記加硫加圧された補強布の表面に対して所定の入射角度で光波を入射させることによって、減摩材の含有量が異なる二種以上の補強布を容易に識別することが可能となる。
【0016】
本発明の補強布の識別方法において、前記所定の入射角度が15〜60°の範囲内であって、前記光波が入射した前記補強布の表面領域を前記補強布の表面と対向する方向から撮像することが好ましい。
【0017】
この方法によれば、表面の凹凸が多い補強布に入射した光波は乱反射するので、撮像された画像の濃淡度が小さくなる。また、表面の凹凸が少ない補強布に入射した光波は反射角度θ1で反射しやすい。従って、表面の凹凸状態が異なる補強布を容易に識別することができる。
【0018】
本発明の補強布の識別方法において、かかる識別方法が、表面の凹凸状態が異なる二種類の補強布を識別する方法であって、前記撮像された画像の濃淡度と予め定められた所定の濃淡度とを比較することによって、前記二種類の補強布のうちいずれの補強布であるかを識別することが好ましい。
【0019】
この方法によれば、濃淡度を測定した補強布が二種類の補強布のうちいずれの補強布であるか容易に識別することができる。
【0020】
本発明の補強布の識別方法において、前記二種類の補強布が、補強布表面の減摩材の有無によって表面の凹凸が異なるものである。また、かかる減摩材がグラファイトであることが好ましい。
【0021】
この方法によれば、補強布表面のグラファイトが、補強布表面の摩擦係数を小さくすると共に補強布表面に入射した光波を乱反射させる作用を発揮する。
【0022】
本発明の補強布の識別方法は、伝動用又は搬送用ベルトの動力伝達面或いは搬送面、その他の面を被覆する補強布を識別する補強布の識別方法であって、前記補強布を0.1〜2.5MPaの範囲内で加硫加圧し、加硫加圧された前記補強布の表面に対して入射角度θ1で光波を入射させ、前記補強布の表面から所定の角度θ2で反射した前記光波の反射強度を測定し、前記補強布の表面に対して前記入射角度θ1で入射した光波の強度と前記反射強度とを比較することによって、表面の凹凸状態が異なる二種以上の補強布を識別することを特徴とする。
【0023】
この方法によると、補強布を加硫加圧したとき、減摩材の含有量によって表面の凹凸状態が異なる。表面の凹凸状態が異なれば、補強布の表面に対して入射角度θ1で入射させた光波の反射態様が異なる。より具体的にいえば、比較的平滑な表面であれば、入射光波は反射角度θ1で反射しやすく、凹凸が多い表面であれば入射光波は乱反射する。従って、補強布の表面に対して入射角度θ1で入射した光波の強度と補強布の表面から所定の角度θ2で反射した光波の反射強度とを比較することによって、表面に凹凸が多い補強布と比較的平滑な表面の補強布とを識別することが可能となる。
【0024】
本発明の識別方法において、前記伝動用又は搬送用ベルトが、長手方向に沿った歯部を有する歯付ベルトであって、前記補強布が、前記歯付ベルトの歯部に被覆される歯布であることが好ましい。
【0025】
この方法によると、歯付ベルトの歯部に被覆される歯布の識別方法において、低摩擦処理歯布と通常処理歯布とを容易且つ低コストで識別することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る伝動用又は搬送用ベルトの動力伝達面或いは搬送面、その他の面を被覆する補強布の識別方法の好適な実施の形態の例について説明する。なお、本実施形態において、伝動用又は搬送用ベルトの動力伝達面或いは搬送面、その他の面を被覆する補強布の具体例として、長手方向に沿った歯部を有する歯付ベルトの歯部に被覆される歯布の識別方法を例として説明する。
【0027】
先ず、歯付ベルト用歯布の表面状態を検出可能な検出装置について、図1を参照しつつ説明する。なお、図1は、かかる検出装置の概略構成図である。図1において、本実施形態に係る検出装置1は、載置台2と、照明器具3と、カメラ4と、画像処理装置5とを備えている。
【0028】
載置台2には、歯布のサンプル12が、歯布の横糸方向が予め定められた方向となるように載置される。なお、サンプル12が載置台2に固定されるようにしてもよい。
【0029】
照明器具3は、可視光線を発光する2台のLED3a・3bからなり、載置台2に載置されたサンプル12の表面の測定対象とする領域(以下、「撮像領域」という。)に対するLED3a・3bからの可視光線の光波λの入射角度θが15〜60°の範囲内となるように配置される。また、本実施形態においては、照明方向についてのLED3a・3bとサンプル12との距離L1が100mmとなるように設置されているが、これに限られるものではない。
【0030】
カメラ4は、載置台2に載置されたサンプル12の撮像領域の撮像が可能となるように配置される。より具体的にいえば、LED3a・3bからの光波λが入射した撮像領域の撮像が可能であって、撮像領域に対向して配置される。ここで、カメラ4は、サンプル12の撮像領域からカメラ4までの距離L2が110mmとなるように設置されるが、これに限られるものではない。
【0031】
画像処理装置5は、カメラ4で撮像されたサンプル12の撮像領域の撮像画像の処理を行う装置である。ここで、画像処理装置5の構成について、図2を参照しつつ説明する。図2は、画像処理装置5のブロック図の概略図である。
【0032】
図2に図示されるように、画像処理装置5は、A/D変換器6と、制御部7と、表示器11とを備えている。A/D変換器6は、カメラ4及び制御部7と電気的に接続され、カメラ4から出力された撮像画像のアナログ画像信号をディジタル画像信号に変換したのち制御部7に出力する。制御部7は、CPU(Central Processing Unit)8、ROM(Read Only Memory)9及びRAM(Random Access Memory)10を備えている。CPU8は、A/D変換器6から出力されたアナログ信号の画像データやROM9内のプログラム等に基づいて各種データを演算する。ROM9は、読み出し専用の記憶装置であって、CPU8での処理を行うために用いられる各種プログラムが格納されている。RAM10は、読み出し・書き込み可能な揮発性記憶装置であって、A/D変換器6から出力されたアナログ信号の画像データやCPU8での各種演算結果等が記憶される。表示器11は、制御部7と電気的に」接続され、A/D変換器6によってディジタル画像信号に変換された撮像領域の画像データ、及びかかる画像データに基づく濃淡度等を表示する。
【0033】
次に、画像処理装置5における処理について、図2及び図3を参照しつつ説明する。図3は、アナログ画像信号と、そのアナログ画像信号を変換したディジタル画像信号の例を表した図である。カメラ4が撮像したサンプル12の撮像領域の画像は、図3に例示される濃淡のアナログ画像信号として表される。このアナログ画像信号が、カメラ4からA/D変換器6に出力される。A/D変換器6は、カメラ4から出力されたアナログ画像信号を、2値化レベルを用いて図3に例示されるように白と黒のディジタル信号に変換する。ここで、「2値化」とは、カメラ4から出力されたアナログ信号を2値化レベルを用いて白と黒のディジタル信号に変換する方法をいう。本実施形態における画像処理装置5では、上限と下限の2つの2値化レベルを用いている。即ち、上限よりも明るい領域及び下限よりも暗い領域を黒に、上限と下限との間の中間色を白にしている。
【0034】
A/D変換器6でアナログ画像信号からディジタル画像信号に変換されたデータは制御部7に出力される。このディジタル画像信号は、制御部7のRAM10に記憶される。制御部7のCPU8は、ROM9内のプログラム等に基づいて、RAM10に記憶されたディジタル画像信号に変換された画像データの濃淡度を演算によって算出する。かかる演算は、「黒」とされた画素の数を数えることによって行われる。即ち、「黒」とされた画素数が多ければ、濃淡度が大きいということになる。このように算出されたディジタル画像データの濃淡度は、RAM10に記憶される。RAM10に記憶されたディジタル画像信号及び画像データの濃淡度(画素数)は表示器11に出力される。即ち、表示器11には、カメラ4で撮像された撮像領域のディジタル画像とかかる画像データに基づく濃淡度とが表示される。本実施形態において、画像処理装置5として高速カラーセンサ(キーエンス社製CV−700)を用いたが、モノクロセンサ(キーエンス社製CV−100等)を用いても良い。
【0035】
次に、通常処理歯布又は低摩擦処理のいずれであるかを識別するための方法について説明する。
【0036】
(前処理工程)
先ず、対象となるサンプル12の表裏面からプレス加硫を行う。加硫条件は、温度が150〜180℃、時間5〜60分、圧力0.1〜2.5MPaの範囲内で行われる。このようにサンプル12のプレス加硫を行うと、低摩擦処理歯布の糊ゴムに含有された微小な減摩材の一部がサンプル12の表面から露出する。即ち、糊ゴムに減摩材が含有された低摩擦処理歯布の表面には、減摩材の微粒子による微細な凹凸が多数形成されることとなる。従って、通常処理歯布と低摩擦処理歯布とではプレス加硫後の表面の凹凸状態が異なることとなる。通常処理歯布には、一般的に糊ゴムに減摩材が含有されていないからである。ただし、低摩擦処理歯布と比較して極少量の減摩材が糊ゴムに含有されていてもよい。なお、減摩材は、一般的にグラファイトが用いられる。また、サンプル12の表面の凹凸状態を顕著にするためには、0.5MPa以上の圧力でサンプル12をプレス加硫することが好ましい。
【0037】
次に、プレス加硫されたサンプル12の洗浄処理を行う。洗浄処理は、トルエン若しくはIPA(イソプロピルアルコール)の薬剤が用いられる。プレス加硫及び洗浄処理が施されたサンプル12を検出装置1の載置台2に載置すると共に、サンプル12に対するLED3a・3bの照射角度θが15〜60°となるように、照明器具3の調整を行う。なお、プレス加硫が行われたサンプル12は、気温25±5℃、湿度40〜50%の条件下において24時間以上放置することが好ましい。
【0038】
(歯布識別工程)
歯布の識別は、前処理工程においてプレス加硫された歯布のサンプル12を載置台2に載置することによって行われる。歯布識別工程は、さらに、光波照射工程と、撮像工程と、濃淡度測定工程とに細分化される。
【0039】
光波照射工程は、載置台2に載置されたサンプル12表面の撮像領域に、LED3a・3bから発光される光波λ(図1参照)を照射する工程である。前記の前処理工程に記載とおり、サンプル12の撮像領域に対する入射角度θ1が15〜60°の範囲内となるように、LED3a・3bの角度を調整する。
【0040】
撮像工程は、撮像領域(即ち、サンプル12の表面のうち光波λが入射された領域)をカメラ4で撮像する工程である。ここで、プレス加硫が行われた歯布のサンプル12が低摩擦処理歯布である場合、上述のとおり、サンプル12の表面にグラファイトによる微細な凹凸が多数形成されている。従って、LED3a・3bからサンプル12に対して入射角度θ1で入射した光波λは乱反射する。即ち、撮像領域をカメラ4で撮像した場合、乱反射した多くの光波λがカメラ4に入射する。一方、サンプル12が通常処理歯布である場合、又はプレス加硫が行われていない低摩擦処理歯布である場合には、サンプル12の表面が平滑であることから、サンプル12の表面に入射した光波λの大部分は、反射角度θ1で反射する。
【0041】
濃淡度測定工程は、カメラ4で撮像されたサンプル12の撮像領域の画像をA/D変換器6によってアナログ画像信号からディジタル画像信号に変換すると共に、かかるディジタル画像の濃淡度を演算によって算出する工程である。上述のとおり、プレス加硫後の通常処理歯布と低摩擦処理歯布とでは、減摩材の有無に起因して表面の凹凸状態が異なる。従って、サンプル12が通常処理歯布の場合には、サンプル12の表面に対して入射角度θ1で入射した光波λの大部分は反射角度θ1で反射する。一方、サンプル12が低摩擦処理歯布の場合には、サンプル12の表面に対して入射角度θ1で入射した光波λは乱反射する。よって、カメラ4で撮像したサンプル12が通常処理歯布であれば、カメラ4に入射するサンプル12からの反射光波の強度が小さいため濃淡度が大きくなる。一方、カメラ4で撮像したサンプル12が低摩擦処理歯布であれば、カメラ4に入射するサンプル12からの反射光波の強度が通常摩擦処理歯布の場合よりも大きいため濃淡度が小さくなる。
【0042】
濃淡度が測定されたサンプル12は、かかるサンプル12の濃淡度測定結果と予め定められた閾値とを比較することによって、通常処理歯布であるか低摩擦処理歯布であるか識別される。即ち、濃淡度測定結果が予め定められた閾値よりも大きい場合は低摩擦処理歯布、かかる閾値よりも小さい場合は通常処理歯布であると識別できる。なお、好ましい閾値については後述する。
【0043】
また、サンプル12の表面の濃淡度測定は、信頼性を高める観点から、撮像領域を適宜変更して複数個所の濃淡度を測定することが好ましい。さらに、このように測定された複数個所の濃淡度測定結果の平均値を算出して、サンプル12が通常処理歯布であるか低摩擦処理歯布であるか識別することが好ましい。この場合、画像処理装置5のCPU8が演算を行うことによって複数個所測定された濃淡度測定結果の平均値を算出し、その平均値を表示器11に表示することが好ましい。ただし、必ずしもかかる平均値を表示器11表示する必要はなく、測定者がデータを知ることができればその態様は限定されるものではない。
【実験例】
【0044】
次に、上述した検出装置1及び検出方法に基づいて、アラミド繊維の通常処理歯布及び低摩擦処理歯布、及びナイロン繊維の通常処理歯布及び低摩擦処理歯布のそれぞれの表面を本実施形態におけるカメラ4で撮像して、撮像画像の濃淡度を測定する実験を行った。かかる実験結果について、図4〜図6を参照しつつ以下に説明する。なお、本実験において使用した低摩擦処理歯布には、粒子径8±3μmのグラファイトが減摩材として含有されている。
【0045】
(実験1)
図4は、実験結果より得られたアラミド繊維の通常処理歯布及び低摩擦処理歯布についての濃淡度(「黒」の画素数)を示している。サンプル作成は、アラミド繊維の通常処理歯布及び低摩擦処理歯布のそれぞれについて、Lot.A〜Cの3つのロットから歯布を取得して行われた。即ち、ロットが異なる通常処理歯布のサンプルを3つ(Lot.A〜Cについて各1つ)、及びロットが異なる低摩擦処理歯布のサンプルを3つ(Lot.A〜Cについて各1つ)の計6つのサンプルを作成した。
【0046】
加硫条件は、加硫温度T=153℃、加硫時間t=30分、プレス圧P=1.5MPaとした。そして、プレス加硫されたサンプルを、気温25±5℃、湿度40〜50%の条件下において24時間以上放置した。
【0047】
上記条件下で得られた6つのサンプルのそれぞれを検出装置1の載置台2に載置して撮像領域に光波λを照射し、かかる撮像領域と対向して配置されたカメラ4で撮像した。ここで、照明器具3として2台のLED3a・3bを用い、カメラ4及び画像処理装置5として高速カラーセンサ(キーエンス社製CV−700)を用いた。従って、カメラ4で撮像されたアナログ画像がディジタル画像として表示器11に表示される共に、かかるディジタル画像の濃淡度が表示器11に表示される。なお、2台のLED3a・3bは、サンプルの撮像領域に対する照射角度θが45°となるように設置した。また、データの取得は、各サンプルについてそれぞれ任意に選択された5個所の撮像領域について行い、その5個所の平均値を図4に図示した。
【0048】
図4に図示されるように、通常処理歯布の濃淡度は、Lot.Aが36,420画素、Lot.Bが31,023画素、Lot.Cが23,320画素であった。一方、低摩擦処理歯布の画素は、Lot.Aが396画素、Lot.Bが3660画素、Lot.Cが1,100画素であった。これは、加硫処理された低摩擦処理歯布の表面にグラファイト粒子が露出することによって撮像領域に入射された光波λが乱反射し、濃淡度が低くなったものと思われる。
【0049】
このように、各ロットとも、通常処理歯布の濃淡度と低摩擦処理歯布の濃淡度とが大きく異なる値を示すので、いずれの歯布であるか容易に識別することができる。なお、アラミド繊維の歯布については、5,000〜20,000画素の範囲で閾値を任意に決定することができる。ただし、いずれの歯布であるかをより確実に識別するためには、15,000画素前後の値を閾値とすることが好ましい。
【0050】
(実験2)
図5は、実験結果より得られたアラミド繊維の通常処理歯布及び低摩擦処理歯布についての加硫条件を変えた場合の濃淡度(「黒」の画素数)を示している。なお、アラミド繊維の通常処理歯布及び低摩擦処理歯布のそれぞれについて、1つのロットから各3つの歯布を取得し、加硫条件を変えてサンプルを作成した。即ち、加硫条件が異なる通常処理歯布のサンプルを3つ、及び加硫条件が異なる低摩擦処理歯布のサンプルを3つの計6つのサンプルを作成した。
【0051】
具体的には、アラミド繊維の通常処理歯布及び低摩擦処理歯布のそれぞれについて、第1のサンプルを加硫なしサンプルとし、第2及び第3のサンプルを加硫条件が異なるサンプルとした。第2のサンプルの加硫条件は、加硫温度T=153℃、加硫時間t=30分、プレス圧P=0.5MPa、第3のサンプルの加硫条件は、加硫温度T=153℃、加硫時間t=30分、プレス圧P=1.5MPaのサンプルとした。そして、加硫された第2及び第3のサンプルを、気温25±5℃、湿度40〜50%の条件下において24時間以上放置した。
【0052】
上記条件下で得られた6つのサンプルのそれぞれについて、実験1と同様の方法で、任意に選択された5個所の撮像領域の濃淡度を測定し、その平均値を図5に図示した。
【0053】
図5に図示されるように、通常処理歯布の濃淡度は、加硫なしの第1のサンプルが32,490画素、プレス圧P=0.5MPaの第2のサンプルが27,760画素、プレス圧P=1.5MPaの第3のサンプルが31,023画素であった。一方、低摩擦処理歯布の濃淡度は、加硫なしの第1のサンプルが34,500画素、プレス圧P=0.5MPaの第2のサンプルが14,860画素、プレス圧P=1.5MPaの第3のサンプルが3,660画素であった。
【0054】
このように、加硫なしの第1のサンプルにおいては、通常処理歯布と低摩擦処理歯布との濃淡度に差が見られず、いずれの歯布であるかを識別することが困難であることが分かった。
【0055】
また、プレス圧P=0.5MPaの第2のサンプルにおいては、通常処理歯布と低摩擦処理歯布との間に濃淡度の差が現れ、いずれの歯布であるかを識別することは可能であると考える。この場合、濃淡度15,000〜25,000画素の範囲で閾値を任意に決定することができる。ただし、いずれの歯布であるかをより確実に識別するためには、20,000画素前後の値を閾値とすることが好ましい。
【0056】
さらに、プレス圧P=1.5MPaの第3のサンプルにおいては、通常処理歯布と低摩擦処理歯布との間の濃淡度の差がより大きくなり、いずれの歯布であるかを容易に識別することが可能となる。この場合、濃淡度4,000〜30,000画素の範囲で閾値を任意に決定することができる。ただし、いずれの歯布であるかをより確実に識別するためには、15,000〜20,000画素の範囲で閾値を決定することが好ましい。
【0057】
このように、サンプルの加硫処理を行わなければ、通常処理歯布と低摩擦処理歯布との識別は困難であり、加硫時のプレス圧を大きくすることによって、通常処理歯布と低摩擦処理歯布との識別が容易になることが分かった。これは、プレス加圧力が大きくなると、歯布の表面からグラファイトの微粒子がより鮮明に露出するからであると思われる。なお、通常処理歯布と低摩擦処理歯布との識別を確実に行うためには、加硫時のプレス圧PはP=0.5MPa以上であることが好ましいと考えられる。
(実験3)
図6は、実験結果より得られたナイロン繊維の通常処理歯布及び低摩擦処理歯布についての濃淡度(「黒」の画素数)を示している。サンプル作成は、ナイロン繊維の通常処理歯布及び低摩擦処理歯布のそれぞれについて、Lot.A〜Cの3つのロットから歯布を取得して行われた。即ち、ロットが異なる通常処理歯布のサンプルを3つ(Lot.A〜Cについて各1つ)、及びロットが異なる低摩擦処理歯布のサンプルを3つ(Lot.A〜Cについて各1つ)の計6つのサンプルを作成した。
【0058】
加硫条件は、加硫温度T=153℃、加硫時間t=30分、プレス圧P=1.5MPaとした。そして、プレス加硫されたサンプルを、気温25±5℃、湿度40〜50%の条件下において24時間以上放置した。
【0059】
上記条件下で得られた6つのサンプルのそれぞれについて、実験1と同様の方法で、任意に選択された5個所の撮像領域の濃淡度を測定し、その平均値を図6に図示した。
【0060】
図6に図示されるように、通常処理歯布の濃淡度は、Lot.Aが39,120画素、Lot.Bが40,200画素、Lot.Cが43,560画素であった。一方、低摩擦処理歯布の濃淡度は、Lot.Aが2,144画素、Lot.Bが740画素、Lot.Cが1,236画素であった。
【0061】
このように、ナイロン繊維においてもアラミド繊維と同様に、各ロットとも、通常処理歯布の濃淡度と低摩擦処理歯布の濃淡度とが大きく異なる値を示すので、いずれの歯布であるか容易に識別することができる。なお、ナイロン繊維の歯布については、濃淡度3,000〜35,000画素の範囲で閾値を任意に決定することができる。ただし、いずれの歯布であるかをより確実に識別するためには、10,000〜20,000画素の範囲で閾値を決定することが好ましい。
【0062】
以上のように、本実施の形態では、サンプル12の撮像領域に対して入射角度θ1で光波λを入射させ、この光波λが入射した撮像領域をアナログ画像として撮像し、撮像されたアナログ画像をディジタル画像に変換し、かかるディジタル画像の濃淡度を測定している。この場合、表面の凹凸状態によって測定される濃淡度の大きさが異なる。従って、通常処理歯布と低摩擦処理歯布とを容易に識別することが可能となる。また、検出装置1が、載置台2と、2個のLED3a・3bと、カメラ4と、画像処理装置5とからなる簡易な構成なので、容易且つ低コストでサンプル12が通常処理歯布であるか低摩擦処理歯布であるかを識別することができる。
【0063】
また、本実施の形態では、歯布を0.5MPa以上でプレス加硫すると、糊ゴムにグラファイトが含有されていない通常処理歯布と糊ゴムにグラファイトが含有された歯布とでは、表面の凹凸状態が顕著に異なる。即ち、グラファイトが含有された歯布をプレス加硫すると、グラファイトの一部が表面から露出するので、より一層、通常処理歯布と低摩擦処理歯布とを容易に識別できる。
【0064】
また、本実施の形態では、サンプル12の撮像領域に対する入射角度θ1が45°となるように光波λを入射し、撮像領域と対向して配置されたカメラ4で撮像しているので、サンプル12が低摩擦処理歯布であれば通常処理歯布の場合と比べて濃淡度が小さくなる。
【0065】
また、所定の閾値を予め決め、サンプル12から得られた濃淡度とかかる閾値とを比較することによって、通常処理歯布と低摩擦処理歯布とをより容易に識別することができる。
【0066】
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な変更を行うことが可能である。例えば、本実施形態では、歯付ベルトの歯部に被覆される歯布について説明したが、これに代えて、伝動用又は搬送用ベルトの動力伝達面或いは搬送面、その他の面に被覆される補強布であってもよい。
【0067】
また、上述の実施の形態では、サンプル12の撮像領域に対して入射角度θ1で光波λを入射させ、この撮像領域をサンプル12の表面と対向して配置されたカメラ4で撮像し、撮像された画像が濃淡のアナログ画像信号として出力され、これがA/D変換器6によってディジタル画像信号に変換されて濃淡度が算出される。しかし、これに代えて、サンプル12の撮像領域に対して入射角度θ1で光波λを入射させ、サンプル12の表面から所定の角度θ2で反射した反射光波の強度を測定するようにしてもよい。この場合、サンプル12の表面に対して入射角度θ1で入射した光波λの強度と、サンプル12の表面から所定の角度θ2で反射した反射光波の強度とを比較することによって、表面の凹凸状態が異なる二種以上の歯布を識別することができる。この場合、所定の角度θ2が反射角度θ1と略同じであっても異なっていても、二種以上の歯布を識別することは可能である。例えば、所定の角度θ2と反射角度θ1とが略同じ場合において、サンプル12が通常処理歯布であれば入射光波λの強度と所定の角度θ2で反射された光波の強度とが略同じ強度になると考えられ、サンプル12が低摩擦処理歯布であれば入射光波λの強度と所定の角度θ2で反射された光波の強度とが異なる強度になると考えられる。また、所定の角度θ2と反射角度θ1とが異なる場合において、サンプル12が通常処理歯布であれば入射光波λの強度と所定の角度θ2で反射された光波の強度とが異なる強度になると考えられ、サンプル12が低摩擦処理歯布であれば入射光波λの強度と所定の角度θ2で反射された光波の強度とが略同じ強度になると考えられる。なお、この場合においても、サンプル12を0.1〜2.5MPaの範囲内でプレス加硫することによって、サンプル12が低摩擦処理歯布であれば減摩材の微粒子によって微細な凹凸が表面に形成される。
【0068】
また、上述の実施の形態では、カメラ4がサンプル12の撮像領域に対向して配置されているが、これに限られるものではなく、例えば、カメラ4がサンプル12にの撮像領域に対して傾斜を有して配置されていてもよい。ただし、測定誤差を小さくするという観点からいえば、サンプル12の撮像領域と対向するようにカメラ4が配置されることが好ましい。
【0069】
尚、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることができることは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】歯付ベルト用歯布の表面状態を検出可能な検出装置の概略構成図である。
【図2】画像処理装置の本体部の制御ブロックの概略図である
【図3】アナログ画像信号と、そのアナログ画像信号を変換したディジタル画像信号の例を表した図である。
【図4】実験結果より得られたアラミド繊維の通常処理歯布及び低摩擦処理歯布についての濃淡度を示す図である。
【図5】実験結果より得られたアラミド繊維の通常処理歯布及び低摩擦処理歯布についての加硫条件を変えた場合の濃淡度を示す図である。
【図6】実験結果より得られたナイロン繊維の通常処理歯布及び低摩擦処理歯布についての濃淡度を示す図である。
【図7】一般的な歯付ベルトの全体斜視概略図である。
【図8】伝動用ベルトの部分正面図である。
【符号の説明】
【0071】
1 検出装置
2 載置台
3a、3b LED(照明器具)
4 カメラ
5 画像処理装置
6 A/D変換器
7 制御部
8 CPU
9 ROM
10 RAM
11 表示器
12 サンプル
20 歯付ベルト
21 心線
22 背部
23 歯部
24 歯布
25 緯糸
26 経糸
27 ゴム層
28 伝動用ベルト
29 接着ゴム層
30 心線
31 補強布
32 ゴム層
33 伸張ゴム層
34 圧縮ゴム層
35a・35b ゴム層
36 コグ谷間
37 コグ山部
38 下コグ部λ 入射光波

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝動用又は搬送用ベルトの動力伝達面或いは搬送面、その他の面を被服する補強布を識別する補強布の識別方法であって、
前記補強布の表面に対して所定の入射角度で光波を入射させ、
前記光波が入射した補強布の表面領域を撮像し、
前記撮像された画像の濃淡度を測定することによって表面の凹凸状態が異なる二種以上の補強布を識別することを特徴とする補強布の識別方法。
【請求項2】
前記二種以上の補強布が減摩材の含有量が異なる補強布であって、
且つ前記所定の入射角度で光波が入射される補強布が、0.1〜2.5MPaの範囲内で加硫加圧されたものであることを特徴とする請求項1に記載の補強布の識別方法。
【請求項3】
前記所定の入射角度が15〜60°の範囲内であって、
前記光波が入射した前記補強布の表面領域を前記補強布の表面と対向する方向から撮像することを特徴とする請求項1又は2に記載の補強布の識別方法。
【請求項4】
前記補強布の識別方法が、表面の凹凸状態が異なる二種類の補強布を識別する方法であって、
前記撮像された画像の濃淡度と予め定められた所定の濃淡度とを比較することによって、前記二種類の補強布のうちいずれの補強布であるかを識別することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の補強布の識別方法。
【請求項5】
前記二種類の補強布が、補強布表面の減摩材の有無によって表面の凹凸が異なることを特徴とする請求項4に記載の補強布の識別方法。
【請求項6】
前記減摩材がグラファイトであることを特徴とする請求項5に記載の補強布の識別方法。
【請求項7】
伝動用又は搬送用ベルトの動力伝達面或いは搬送面、その他の面を被覆する補強布を識別する補強布の識別方法であって、
前記補強布を0.1〜2.5MPaの範囲内で加硫加圧し、
加硫加圧された前記補強布の表面に対して入射角度θ1で光波を入射させ、
前記補強布の表面から所定の角度θ2で反射した前記光波の反射強度を測定し、
前記補強布の表面に対して前記入射角度θ1で入射した光波の強度と前記反射強度とを比較することによって、表面の凹凸状態が異なる二種以上の補強布を識別することを特徴とする補強布の識別方法。
【請求項8】
前記伝動用又は搬送用ベルトが、長手方向に沿った歯部を有する歯付ベルトであって、
前記補強布が、前記歯付ベルトの歯部に被覆される歯布であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の歯布の識別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−10661(P2006−10661A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211230(P2004−211230)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】