説明

ペプチドを安定に含有する組成物

【課題】 特定のアミノ酸配列からなるペプチドを安定に含有する組成物を提供すること。
【解決手段】 本発明は、(A)ムコ多糖類より選択される一種以上と、(B)式I:Leu−Glu−His−Alaで表されるペプチド、その誘導体及びこれらの塩からなる群より選択される一種以上とを含有する組成物等を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のアミノ酸配列からなるペプチドを安定に含有する組成物、並びにそれに関連する発明に関する。
【背景技術】
【0002】
特定のアミノ酸配列からなるペプチド(特許文献1)やダイズタンパク質をプロテアーゼ(好ましくは、サーモリシン)で分解して得られる産物(特許文献2)が、コラーゲン及びヒアルロン酸からなる群より選択される少なくとも一種の産生促進能を有し、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸量の低下に起因する疾患の治療剤又は予防剤;コラーゲン及び/又はヒアルロン酸量の低下に起因する状態の改善用又は予防用の食品;紫外線曝露、加齢等による皮膚のシワもしくはタルミの予防及び/又は改善のための化粧料;皮膚の弾力性もしくはハリの低下に対する予防及び/又は改善のための化粧料;等として有用であることが記載されている。さらに、特許文献1には、当該特定のアミノ酸配列からなるペプチドの好ましい調製方法として、ダイズタンパク質をサーモリシンという特定のプロテアーゼで処理する方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1及び2においては、有用な特定のアミノ酸配列からなるペプチドや、ダイズタンパク質をプロテアーゼで分解して得られる産物の組成物中での当該特定ペプチドの安定性は一切考慮されていない。
【0003】
ところで、タンパク質、ペプチド又はアミノ酸は、食品、医薬品、医薬部外品、化粧品等の添加物として使用され得る還元糖(例えば、ブドウ糖、果糖等)の共存下において、メイラード反応(褐変反応)等により分解されて、その含量が低下することが知られている。メイラード反応は、タンパク質、ペプチド又はアミノ酸中に存在する遊離アミノ基と還元糖のカルボニル基との反応により開始する一連の反応である。タンパク質、ペプチド又はアミノ酸の分解を抑制する方法としては、例えば、糖の還元基を酸化し得る酵素を添加することにより、食品中から還元糖を酸化して除去する方法(特許文献3);酸性環境中のペプチドに高エステルペクチンを添加する方法(特許文献4);等が知られているが、ムコ多糖類によりタンパク質、ペプチド又はアミノ酸の分解を抑制する方法については知られていない。
【0004】
例えば、特許文献5には、ダイズ等の豆類の種子あるいはそれらの加工品の水抽出物をタンパク質分解酵素で加水分解し、その分子量10000以下の画分を有効成分とすることを特徴とする皮膚外用剤が記載されている。より具体的には、加水分解酵素によるダイズタンパク質分解物、ムコ多糖類の一種であるヒアルロン酸等を含有するエッセンス(処方例6)が記載されている。特許文献6には、加水分解されたタンパク質等;少なくとも1つの有機パウダーあるいは表面処理された有機パウダー;並びに皮膚科学的に許容可能なキャリアであって、このキャリアがエマルジョンの形態であるキャリア;を特徴とする局所用パーソナルケア組成物が記載されている。より具体的には、ムコ多糖類の一種であるヒアルロン酸ナトリウム、加水分解されたダイズタンパク質等を含有する局所用クリーム(表5)が記載されている。
しかしながら、特許文献5に記載の皮膚外用剤及び特許文献6に記載の組成物において、加水分解ダイズタンパク質及びそれに含有されるペプチドの安定性は一切考慮されておらず、当然、これら加水分解ダイズタンパク質やこれに含有されるペプチドの分解をムコ多糖類により抑制する方法については一切記載も示唆もされていない。
【0005】
【特許文献1】国際公開第2006/101187号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2007/049400号パンフレット
【特許文献3】国際公開第02/39828号パンフレット
【特許文献4】特開2005−192557号公報
【特許文献5】特開平9−025225号公報
【特許文献6】特表2005−516048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、特定のアミノ酸配列からなるペプチドや、これを含有するタンパク質をプロテアーゼで分解して得られる産物を、食品、医薬品、医薬部外品、化粧品などに配合すべく鋭意検討していたところ、特定のアミノ酸配列からなるペプチドや、これを含有するタンパク質をプロテアーゼで分解して得られる産物が経時的に分解されて、その含量が低下することを見出した。そして、特定のアミノ酸配列からなるペプチドの分解が、食品、医薬品、医薬部外品、化粧品などの添加物として使用され得る、糖(例えば、ブドウ糖、白糖、果糖等)や糖アルコール(例えば、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール等)の共存下において、さらに加速されることを見出した。
各種の有用作用を示す特定のアミノ酸配列からなるペプチドを、食品、医薬品、医薬部外品、化粧品等に配合する際、その分解を抑制することは重要である。従って、本発明は特定のアミノ酸配列からなるペプチドの分解を抑制し、その含量低下を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、特定のアミノ酸配列からなるペプチドの分解を抑制し、その含量低下を抑制すべく鋭意検討した結果、ムコ多糖類より選択される一種以上を併用することにより、特定のアミノ酸配列からなるペプチドの含量低下を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
従って、本発明は以下を提供する。
(1)(A)ムコ多糖類より選択される一種以上と、
(B)式I:Leu−Glu−His−Alaで表されるペプチド、その誘導体及びこれらの塩からなる群より選択される一種以上
とを含有する組成物。
(2)(A)ムコ多糖類より選択される一種以上と、
(B)式I:Leu−Glu−His−Alaで表されるペプチド、その誘導体及びこれらの塩からなる群より選択される一種以上を含有する、タンパク質のプロテアーゼ加水分解物
とを含有する組成物。
(3)タンパク質がダイズタンパク質である、上記(2)に記載の組成物。
(4)プロテアーゼがサーモリシンである、上記(2)又は(3)に記載の組成物。
(5)さらに、糖及び糖アルコールからなる群より選択される一種以上を含有する、上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特定のアミノ酸配列からなるペプチドの含量低下が抑制されるので、当該ペプチドを含有する安定な組成物を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書中において使用される用語は、特に他に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられていることが理解されるべきである。
【0011】
本発明は、(A)ムコ多糖類より選択される一種以上と、(B)式I:Leu−Glu−His−Ala(配列番号1)で表されるペプチド、その誘導体及びこれらの塩からなる群より選択される一種以上とを含有する組成物である。
【0012】
別の態様において、本発明は、(A)ムコ多糖類より選択される一種以上と、(B)式I:Leu−Glu−His−Alaで表されるペプチド、その誘導体及びこれらの塩からなる群より選択される一種以上を含有する、タンパク質のプロテアーゼ加水分解物とを含有する組成物である。
【0013】
本発明には、ムコ多糖類より選択される一種以上が用いられる。
ムコ多糖類は、その基本骨格にアミノ糖とウロン酸とを含有する多糖類であって、動物の組織から得られる。ムコ多糖類の具体例としては、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸I及びII等、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩が挙げられる。
【0014】
ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸I及II等及びこれらの誘導体の塩としては、薬学的・生理学的に許容される塩が好ましい。例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン等のアルカノールアミン塩;等を挙げることができ、好ましくはナトリウム塩などのアルカリ金属塩である。
【0015】
本発明に用いるムコ多糖類の由来は特に制限されず、医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品の分野において通常用いられ得るものを特に限定されず用いることができる。
本発明において、ムコ多糖類は、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、ムコ多糖類は、市販品がある場合、市販品をそのまま使用してもよい。
【0016】
ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸I及びII等の誘導体としては、カルボキシル基の水素原子が、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたエステル誘導体;水酸基の水素原子が、アシル基で置換されたエステル誘導体や、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたエーテル誘導体;アミノ基の水素原子が、アシル基で置換されたアミド誘導体や、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたアミン誘導体;等が挙げられる。これらの誘導体は、構成単位(2糖)あたりの置換数が1〜6のものが通常使用され、置換数2〜4のものが好ましい。
【0017】
エステル誘導体としては、カルボキシル基の水素原子が、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたもの;水酸基の水素原子がアルカノイル基、アリールカルボニル基等のアシル基で置換されたもの;等が挙げられる。
【0018】
アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数2〜12のアルケニル基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基である。具体例としては、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
これらアルキル基及びアルケニル基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0019】
アリール基としては、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。具体例としては、フェニル基、ナフチル基(1−ナフチル基、2−ナフチル基)等が挙げられる。また、アリール基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0020】
アルカノイル基としては炭素数1〜12のアルカノイル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜7のアルカノイル基である。具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。また、アルカノイル基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
アリールカルボニル基としては炭素数7〜15のアリールカルボニル基が挙げられ、好ましくは炭素数7〜12のアリールカルボニル基である。具体例としては、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基(1−ナフチルカルボニル基、2−ナフチルカルボニル基)等が挙げられる。また、アリールカルボニル基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0021】
エーテル誘導体としては、水酸基の水素原子がアルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたものなどが挙げられる。
エーテル誘導体の置換基として例示した「アルキル基」、「アルケニル基」及び「アリール基」としては、前記エステル誘導体の置換基として例示した「アルキル基」、「アルケニル基」及び「アリール基」とそれぞれ同様のものが挙げられる。
【0022】
アミド誘導体としては、アミノ基の水素原子が、アルカノイル基、アリールカルボニル基等のアシル基で置換されたものなどが挙げられる。
アミド誘導体の置換基として例示した「アルカノイル基」及び「アリールカルボニル基」としては、前記エステル誘導体の置換基として例示した「アルカノイル基」及び「アリールカルボニル基」とそれぞれ同様のものが挙げられる。
【0023】
アミン誘導体としては、アミノ基の水素原子が、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたものなどが挙げられる。
アミン誘導体の置換基として例示した「アルキル基」、「アルケニル基」及び「アリール基」としては、前記エステル誘導体の置換基として例示した「アルキル基」、「アルケニル基」及び「アリール基」とそれぞれ同様のものが挙げられる。
【0024】
本発明の組成物において、ムコ多糖類の平均分子量は特に制限されないが、通常は1000〜400万、好ましくは1000〜120万であり、より好ましくは5000〜100万、特に好ましくは5000〜40万である。
【0025】
本発明に用いられるムコ多糖類としては、具体的には、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸マグネシウム、ヒアルロン酸カルシウム、アセチル化ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸カリウム、アセチル化ヒアルロン酸マグネシウム、アセチル化ヒアルロン酸カルシウム、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム等や、これらの混合物等が用いられ得る。
本発明に用いられるムコ多糖類としては、好ましくは、溶解度及び安定性の観点から、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0026】
本発明の組成物に配合するムコ多糖類の配合量は、本願効果を奏し得る限り特に制限されないが、組成物全体に対して、通常は0.0005重量%以上、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.01重量%以上、さらに好ましくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上であり、配合上限は好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0.25重量%以下とするのがよい。
【0027】
本発明にはさらに、式I:Leu−Glu−His−Alaで表されるペプチド、その誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される一種以上が用いられる〔以下、本明細書においてこれらを総称して「特定ペプチド類」ということがある〕。
また、本明細書では、ペプチド配列をアミノ酸の一文字略号により表記する場合があり、例えば前記式Iで表されるペプチドをLEHAという場合がある。
【0028】
本明細書中において、「ペプチドの誘導体」とは、例えば、ペプチドをアセチル化、パルミトイル化、ミリスチル化、アミド化、アクリル化、ダンシル化、ビオチン化、リン酸化、サクシニル化、アニリド化、ベンジルオキシカルボニル化、ホルミル化、ニトロ化、スルフォン化、アルデヒド化、環状化、グリコシル化、モノメチル化、ジメチル化、トリメチル化、グアニジル化、アミジン化、マレイル化、トリフルオロアセチル化、カルバミル化、トリニトロフェニル化、ニトロトロポニル化、またはアセトアセチル化した誘導体等をいう。この中でもパルミトイル化は、細胞への浸透性が高くなることが期待されるので好ましく、またN末端のアセチル化、C末端のアミド化、C末端のメチル化は、末端からペプチドを分解するエキソペプチダーゼに対する抵抗性が付与され、生体中における安定性が高くなることが期待されるので好ましい。
【0029】
本明細書において、ペプチドまたはその誘導体の塩としては、ペプチドまたはその誘導体の薬理学的・生理学的に許容される塩が好ましい。例えば、ペプチドまたはその誘導体のナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの無機酸との塩;酢酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、蟻酸塩、安息香酸塩、ピクリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などの有機酸との塩;等が挙げられ、好ましくは、アンモニウム塩、塩酸塩、硫酸塩および酢酸塩であり、より好ましくはアンモニウム塩および酢酸塩である。
【0030】
本発明に用いられるペプチドは、当該分野で公知の方法により作製され得る。例えば、本発明のペプチドは、化学合成方法(例えば、固相法(例えば、Fmoc法)、液相法等)により合成されてもよく、また遺伝子組換え発現等の方法により作製されてもよい。なお本発明のペプチドを構成するアミノ酸は、L体であってもD体であってもよいが、好ましくはL体である。
【0031】
さらに本発明のペプチドは、目的のアミノ酸配列を含むタンパク質のアミノ酸配列中から、目的のアミノ酸配列からなるペプチドをプロテアーゼ処理等の公知の手段によって切り出すことによっても調製され得る。例えば、LEHA配列を含むタンパク質としては、以下の表1に示すようなタンパク質が挙げられる。
【0032】
【表1】

【0033】
当業者は、プロテアーゼの配列特異性等を考慮して、目的のアミノ酸配列を含むタンパク質のアミノ酸配列中から、目的のアミノ酸配列からなるペプチドを切り出すために適切なプロテアーゼを適宜選択し得る。
【0034】
本発明で使用されるプロテアーゼとしては、特に限定されず、例えば、サーモリシン、パパイン、ブロメライン、トリプシン、キモトリプシン、パンクレアチン、スブリチン、プロテアーゼM「アマノ」G(Aspergillus oryzae 由来:天野エンザイム(株)製)などが挙げられる。本発明に用いられるプロテアーゼは、1種類のみでもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、より高いコラーゲンまたはヒアルロン酸産生促進効果を得る観点から、サーモリシンが好ましい。
【0035】
サーモリシン(EC3.4.24.27)は、Bacillus thermoproteolyticusという耐熱性菌によって生産される耐熱性のプロテアーゼである。サーモリシンは一般に、大きな側鎖をもった疎水性のアミノ酸残基(例えば、イソロイシン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、アラニンなど)のアミノ基側のペプチド結合を切断することが知られている。
【0036】
プロテアーゼは、市販品も好適に用いられ得、例えば、サーモリシンは大和化成(株)などの製造業者から容易に入手可能である。また、本発明においては、サーモリシンと同等のペプチド切断特性(切断配列特異性など)を有するプロテアーゼとして当該分野で公知のプロテアーゼを、サーモリシンとして用いることができる。
【0037】
例えば、上記ニンジン由来の配列からLEHA配列を切り出すためには、サーモリシン(Bacillus thermoproteolyticus由来)とキモトリプシン(ウシ膵臓由来)とを併用することなどが挙げられる。また、例えば、上記ジャガイモ由来の配列からLEHA配列を切り出すためには、プロテアーゼM「アマノ」G(Aspergillus oryzae 由来:天野エンザイム(株)製)と前記サーモリシンとを併用することなどが挙げられる。また、例えば、上記イネ由来の配列からLEHA配列を切り出すためには、前記プロテアーゼM「アマノ」Gと前記サーモリシンとを併用することなどが挙げられる。また、例えば、上記ダイズ由来の配列からLEHA配列を切り出すためには、前記サーモリシンを使用することなどが挙げられる。また、例えば、上記インゲンマメ由来の配列からLEHA配列を切り出すためには、前記キモトリプシンと前記サーモリシンとを併用することなどが挙げられる。また、例えば、上記キャッサバ由来の配列からLEHA配列を切り出すためには、前記キモトリプシンと前記サーモリシンとを併用することなどが挙げられる。また、例えば、上記カワヤツメ由来の配列からLEHA配列を切り出すためには、トリプシン(ブタ膵臓由来)と前記サーモリシンとを併用することなどが挙げられる。目的のアミノ酸配列を含むタンパク質とプロテアーゼの組合せは、上記の組合せに限定されないが、好ましい組合せとしては、ダイズタンパク質とサーモリシンの組合せが挙げられる。
【0038】
ダイズ(Glycin max)は、背丈約60〜70cm程度となるマメ科の一年草植物である。その種子は、枝豆などとして、あるいは豆腐や味噌、醤油などに加工されて、食用に供されることが多いことで知られる。
【0039】
本発明に用いられるダイズタンパク質は、上述のダイズ植物に由来する任意のタンパク質であり得るが、好ましくは、ダイズ植物の種子に由来する任意のタンパク質であり得る。
【0040】
従って、本発明においては、ダイズ植物そのものやダイズ植物の種子そのもの、該植物や該種子の破砕物又は粉砕物等を、ダイズタンパク質として用いてもよいが、好ましくはダイズ植物中の全成分からタンパク質成分を分離・精製したもの、より好ましくは、ダイズ植物の種子中の全成分からタンパク質成分を分離・精製したものが用いられる。このように分離・精製して得られたダイズタンパク質は、そのプロテアーゼ加水分解物がコラーゲンまたはヒアルロン酸産生促進能を有する限り、ダイズ植物またはダイズ植物の種子中に含まれる実質的に全種類のタンパク質を含むものでもよく、また、一部の種類のタンパク質を含むものであってもよい。
【0041】
ダイズタンパク質としては、市販品も好適に用いられ得、例えば、日清コスモフーズ(株)、ADMファーイースト(株)、昭和産業(株)、不二製油(株)、(株)光洋商会などの製造業者または供給業者から容易に入手可能である。
【0042】
なお、本明細書において、ダイズ植物の種子とは、ダイズ種子と通常呼ばれる構造物全体を指すのみならず、例えば、脱皮ダイズ種子、脱脂ダイズ種子(粉末)、ダイズ種子全体より得られる雪花菜(オカラ)等でもあり得る。
【0043】
タンパク質をプロテアーゼで加水分解する場合に用いられる反応条件は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。例えば、市販のプロテアーゼを使用する場合には、その使用説明書に従って反応条件を選択することができる。一般的には、30〜80℃、好ましくは40〜70℃、より好ましくは50〜60℃の反応温度が使用され得る。また一般的には、2〜30時間、好ましくは3〜24時間、より好ましくは10〜20時間、特に好ましくは12〜18時間の反応時間が使用され得る。反応pHとしては、使用するプロテアーゼの至適pH付近であることが好ましい。反応の停止手段についても、特に制限はなく、公知の手段を用いることができる。かかる手段としては、例えば、85℃で15分間加熱や100℃で5分間加熱等の加熱処理等が挙げられる。
【0044】
プロテアーゼによる加水分解処理後には、当該分野で公知の手段によって精製することにより、目的のペプチドを得ることができる。かかる公知の手段としては、例えば、強酸性イオン交換樹脂やオクタデシルシリカ(ODS)樹脂などが利用され得る。例えば、プロテアーゼ処理後のペプチド水溶液をODS樹脂に吸着させて任意の濃度の有機溶媒(例えば、アセトニトリル等)で溶出することにより、目的のペプチドを精製することができる。あるいは、例えば、プロテアーゼ処理後のペプチド水溶液を強酸性イオン交換樹脂に吸着させて、約0.18M〜0.25M塩濃度の溶出液(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等)、より好ましくは約0.20M〜0.23M塩濃度の溶出液で溶出することにより、目的のペプチドを精製することができる。
【0045】
このように、天然のタンパク質をプロテアーゼで加水分解して得られるペプチドは、化学合成方法で製造する場合よりもコスト面から有利となる。さらに、天然のタンパク質をプロテアーゼで加水分解して得られるペプチドは、生体に対してより安全であると考えられる。従って、このようにして得られたペプチドは、生体への適用に対しより高い安全性が求められる医薬組成物や食品、敏感肌用化粧品、飼料などに好適に使用され得る。
【0046】
本発明のペプチドの誘導体は、Fmoc法による固相合成法(L.A.Carpino, G.Y.Han, J.Am.Chem.Soc., 92, 5748 (1970))等に従って、当該分野で公知の方法により作製され得る。
【0047】
本発明のペプチドの塩もまた、当該分野で公知の任意の方法により、当業者によって作製され得る。
【0048】
本発明において、上述のような特定ペプチド類は、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0049】
本発明の組成物に配合する特定ペプチド類の配合量は、特に制限されないが、組成物全体に対して、通常は0.0001重量%以上、好ましくは0.00025重量%以上、より好ましくは0.0005重量%以上、さらに好ましくは0.00075重量%以上、特に好ましくは0.001重量%以上であり、配合上限は好ましくは0.01重量%以下、より好ましくは0.0075重量%以下、さらに好ましくは0.005重量%以下、特に好ましくは0.0025重量%以下とするのがよい。
【0050】
また、本発明の組成物におけるムコ多糖類と特定ペプチド類との重量比は、本願効果を奏し得る限り特に制限されないが、ムコ多糖類1重量部に対して、特定ペプチド類が、通常は0.0002〜20重量部、好ましくは0.002〜5重量部、より好ましくは0.02〜1重量部、さらに好ましくは0.2〜0.5重量部の範囲内とするのがよい。
【0051】
本発明の別の態様において、本発明の組成物は、特定ペプチド類に代えて、特定ペプチド類を含有する、タンパク質のプロテアーゼ加水分解物〔以下、本明細書においてこれを単に「特定ペプチド類を含有するプロテアーゼ分解物」ということがある〕を含有する。
特定ペプチド類を含有するプロテアーゼ分解物は、上記した特定ペプチド類の調製方法の1つである、目的のアミノ酸配列を含むタンパク質のアミノ酸配列中から、目的のアミノ酸配列からなるペプチドをプロテアーゼ処理等の公知の手段によって切り出す方法によって調製され得る。このようにして調製されたプロテアーゼ分解物は、特定ペプチド類を単離することなくそのまま本発明の組成物に含有され得る。
特定ペプチド類を含有するプロテアーゼ分解物としては、より高いコラーゲンまたはヒアルロン酸産生促進効果を得る観点から、ダイズタンパク質のサーモリシン分解物が好ましい。
【0052】
上記のような加水分解反応により得られる特定ペプチド類を含有するプロテアーゼ分解物は、必要に応じて、当業者に公知の任意の方法によりさらに処理され得る。例えば、ろ過等の処理により、該加水分解物中の大きな固体粒子を取り除くことが好ましい。ろ過条件等は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。例えば、ろ紙が目詰まりを起こしやすい場合等には、ろ過助剤等も好適に用いられ得る。
【0053】
また、前記加水分解物を減圧濃縮し、次いで凍結乾燥することにより、粉末化することもできる。減圧濃縮および凍結乾燥の際に使用される条件や機器類は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。このようにして粉末化された加水分解物は、そのまま又は水などの溶媒に溶かして、用いることができる。
【0054】
本発明に用いられる、特定ペプチド類を含有するプロテアーゼ分解物は、タンパク質をプロテアーゼで加水分解することにより生じた多種多様なペプチドを実質的に全て含んだ状態であってもよいし、又は、そのような多種多様なペプチドを、特定ペプチド類の有無を指標として、公知の方法で、さらに分画・精製して得られる一部分(例えば、コラーゲンおよびヒアルロン酸産生促進能を殆ど増加させないようなペプチドを除いたもの等)であってもよい。しかし簡便には、ダイズタンパク質をプロテアーゼで加水分解して得られる多種多様なペプチドを実質的に全て含んだ状態でそのまま用いる。
【0055】
本発明に用いられる、特定ペプチド類を含有するプロテアーゼ分解物の平均分子量は、好ましくは300〜10000である。該平均分子量は、細胞への浸透性を高めてより高い効果を得るとの観点から、より好ましくは400〜5000であり、さらに好ましくは500〜3500であり、さらにより好ましくは550〜3200である。従って、該平均分子量は、例えば、1000〜2000であり得る。加水分解物の平均分子量は、当業者に公知の任意の方法により測定され得、例えば、下記実施例に記載のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により容易に測定され得る。
【0056】
本発明に用いられる特定ペプチド類を含有するプロテアーゼ分解物中に含有される特定ペプチド類の量は、特に制限されないが、プロテアーゼ分解物全体に対して、通常は0.01重量%以上、好ましくは0.025重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.075重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上であり、上限は好ましくは1.0重量%以下、より好ましくは0.75重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0.25重量%以下である。
【0057】
本発明の組成物に配合する特定ペプチド類を含有するプロテアーゼ分解物の配合量は、特に制限されないが、組成物全体に対して、通常は0.1重量%以上、好ましくは0.25重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは0.75重量%以上、特に好ましくは1.0重量%以上であり、配合上限は好ましくは10重量%以下、より好ましくは7.5重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2.5重量%以下とするのがよい。
【0058】
また、本発明の組成物におけるムコ多糖類と特定ペプチド類を含有するプロテアーゼ分解物との重量比は、本願効果を奏し得る限り特に制限されないが、ムコ多糖類1重量部に対して、タンパク質のプロテアーゼ分解物が通常は0.02〜20000重量部、好ましくは0.2〜2000重量部、より好ましくは2〜200重量部、さらに好ましくは20〜50重量部の範囲内とするのがよい。
【0059】
糖又は糖アルコールの存在下において、特定ペプチド類の分解がさらに加速されるので、特定ペプチド類又は特定ペプチド類を含有するプロテアーゼ分解物を、糖及び糖アルコールからなる群より選択される一種以上〔以下、本明細書においてこれらを総称して「糖類」ということがある〕と併用する場合に、ムコ多糖類をさらに配合することは特に有用である。
【0060】
糖及び糖アルコールは、医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品の分野において通常用いられ得るものを特に限定されず用いることができる。
【0061】
本発明に用いる糖としては、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、高果糖液糖、白糖(ショ糖)等が挙げられる。
【0062】
本発明に用いる糖アルコールとは、糖のカルボニル基が還元された多価アルコールを意味し、具体例としては、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、還元パラチノース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール等が挙げられる。
【0063】
本発明において、糖類は、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、糖類は、市販品がある場合、市販品をそのまま使用してもよい。
【0064】
本発明の組成物に配合する糖類の配合量は、本願効果を奏し得る限り特に制限されないが、組成物全体に対して、通常は1重量%以上、好ましくは2.5重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは7.5重量%以上、特に好ましくは10重量%以上であり、配合上限は好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%以下とするのがよい。
【0065】
本発明の組成物におけるムコ多糖類と糖類との重量比は、本願効果を奏し得る限り特に制限されないが、糖類1重量部に対して、ムコ多糖類が通常は0.000017〜5重量部、好ましくは0.0017〜2.5重量部、より好ましくは0.017〜1重量部、さらに好ましくは0.17〜0.5重量部の範囲内とするのがよい。
【0066】
本発明の組成物における特定ペプチド類と糖類との重量比は、本願効果を奏し得る限り特に制限されないが、糖類1重量部に対して、特定ペプチド類が通常は0.0000033〜0.01重量部、好ましくは0.000033〜0.009重量部、より好ましくは0.00033〜0.008重量部、さらに好ましくは0.0033〜0.0067重量部の範囲内とするのがよい。
【0067】
本発明の組成物における特定ペプチド類を含有するプロテアーゼ分解物と糖類との重量比は、本願効果を奏し得る限り特に制限されないが、糖類1重量部に対して、特定ペプチド類を含有するプロテアーゼ分解物が通常は0.0033〜10重量部、好ましくは0.033〜5重量部、より好ましくは0.33〜2.5重量部、さらに好ましくは0.67〜1重量部の範囲内とするのがよい。
【0068】
本発明の組成物には、前述したようなムコ多糖類、及び特定ペプチド類又は特定ペプチド類を含有するプロテアーゼ分解物に加えて、ムコ多糖類或いは特定ペプチド類又は特定ペプチド類を含有するプロテアーゼ分解物の作用を増強又は補足する目的で、あるいは本願組成物に他の有用な作用を付加するため、美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、ニキビ改善成分、ヒアルロン酸等の生体成分合成促進成分、血行促進成分、保湿成分、老化防止成分等の各種成分を1種又は2種以上組み合わせて配合することができる。好ましくは美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分又は保湿成分の1種又は2種以上の成分である。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、食品又は化粧品分野において使用され得るものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。
【0069】
本発明の組成物は、上記各成分に加えて組成物の用途あるいは剤形に応じて、医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品の分野に通常使用される成分を適宜配合しても良い。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、アミノ酸類、アルコール類(糖アルコールを除く)、多価アルコール類(糖アルコールを除く)、ガム質・多糖類などの高分子化合物(ムコ多糖類を除く)、界面活性剤、可溶化成分、油脂類、経皮吸収促進成分、防腐・抗菌・殺菌剤、pH調整剤、キレート剤、抗酸化剤、酵素成分、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、清涼化剤の他、ミネラル類、細胞賦活剤、滋養強壮剤、賦形剤、増粘剤、安定化剤、保存剤、等張化剤、分散剤、吸着剤、崩壊補助剤、湿潤剤又は湿潤調節剤、防湿剤、着色料、着香剤又は香料、芳香剤、還元剤、可溶化剤、溶解補助剤、発泡剤、粘稠剤又は粘稠化剤、溶剤、基剤、乳化剤、可塑剤、緩衝剤、光沢化剤、甘味料、酸味料、食物繊維、果汁粉末、有機酸、調味料、旨味成分、膨張剤、漂白剤、発色剤などをあげることができる。
【0070】
本発明の組成物は、その用途に応じて、医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品に通常使用される剤形をとることができ、通常、固形剤、半固形剤又は液剤である。具体的には、錠剤(口腔内速崩壊錠、咀嚼可能錠、発泡錠、トローチ剤、ゼリー状ドロップ剤、コーティング錠、チュアブル錠などを含む)、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤(ドリンク剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)、ゲル剤、リポソーム剤、エキス剤、チンキ剤、レモネード剤、軟膏剤、ゼリー剤などの公知の形態をとることができる。また、必要に応じてその他の溶媒や通常使用される基剤等を配合することによって、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状などの各種所望の形態に調製することができる。
これらの剤形は当該分野の通常の方法にて製造することができる。
【0071】
本発明の組成物は、内服用組成物又は外用組成物とすることができる。
内服用組成物としては、内服用医薬品(医薬部外品を含む)の他に、菓子、飲料、健康食品、栄養補助食品(バランス栄養食、サプリメント等を含む)、栄養機能食品、特定保健用食品等の食品が含まれる。食品では、具体的には、牛乳、乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、菜汁飲料、茶飲料、イオン飲料、スポーツ飲料、機能性飲料、ビタミン補給飲料、栄養補給バランス飲料、ゼリー飲料、アルコール飲料、スープ類等の飲料;カスタードプリン、ミルクプリン及び果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー類、ドレッシング類、クリーム類等のゲル状食品;チューインガム、風船ガム等のガム類(板ガム、糖衣状粒ガム等)、チョコレート類(無垢チョコレート、コーティングチョコレートや、イチゴチョコレート、ブルーベリーチョコレート、メロンチョコレート等の風味を付加したチョコレート等)、ソフトキャンディ(キャラメル、ヌガー、グミキャンディ、マシュマロ等を含む)、タフィ等のキャラメル類、ビスケット類(ハードビスケット、ソフトビスケット、ソフトクッキー、クラッカー、半生ビスケット等)、ケーキ類等の菓子類;アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等の冷菓類;パン類;麺類;液体(水、牛乳、ジュース等)を加えることにより容易に飲料となる、粉末飲料、ペースト、錠剤等の再形成用食品;粉末、カプセル、錠剤等の形態を有するサプリメント類などとすることができる。
【0072】
また、外用組成物としては、外用医薬品(医薬部外品を含む)の他に、化粧品が含まれる。化粧品では、具体的には、ファンデーション、口紅、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、眉墨及び美爪料等のメーキャップ化粧料;乳液、クリーム(マッサージクリーム、パッククリームなどを含む)、ローション、美容液、オイル及びパックなどの基礎化粧料;洗顔料やクレンジング、ボディ洗浄料などの洗浄料、入浴剤などとすることができる。
【0073】
本発明の組成物は、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸量の低下に起因する疾患の治療剤又は予防剤;コラーゲン及び/又はヒアルロン酸量の低下に起因する状態の改善用又は予防用の食品;紫外線曝露、加齢等による皮膚のシワもしくはタルミの予防及び/又は改善のための化粧料;皮膚の弾力性もしくはハリの低下に対する予防及び/又は改善のための化粧料;等として好適に用いることができる。
【実施例】
【0074】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0075】
実施例1
LEHAペプチドの調製
ペプチドを、ペプチド自動合成装置(島津製作所社製:PSSM8)を用いて、Fmoc法による固相合成法により合成した。次いで、分取HPLCで未反応物を除去して精製することにより、LEHAペプチドを得た。
得られた精製物を分析用逆相高速液体クロマトグラフィー[カラム:μBondasphere 5μ C18−100Å (内径: 3.9mm、長さ: 150mm) 、Waters社製、;移動相:溶媒A(0.1%トリフルオロ酢酸)および溶媒B(0.1%トリフルオロ酢酸、90%アセトニトリル)のグラジエント(0分(溶媒B=12%)〜20分(溶媒B=17%));流速:1 ml/分;検出法:波長 220nmにおける吸光度]に付したところ、12.8分に単一の鋭いピークが示され、純度は99%であった。
【0076】
実施例2
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物の調製
脱脂ダイズ粉末(商品名プロファム974、ADMファーイースト株式会社製)50gを2Lの蒸留水に分散し、0.1N NaOHでpH8.5に調整した。これに500mgのサーモリシン(製品名「サモアーゼPC10F」、大和化成株式会社製)を添加して、60℃で15時間での分解を行った。反応後、100℃で10分間煮沸してサーモリシンを失活させた。放冷後、25gのろ過助剤(ラジオライト500、昭和化学工業株式会社)を添加し、撹拌した後、ろ過を行った。
【0077】
上述のようにして得られたろ液を、強酸性イオン交換樹脂(商品名「Dowex 50W×2,H+form,50−100mesh」、ダウケミカルカンパニー製)を充填したカラムに通した後、カラムの5倍容の脱イオン水で洗浄し、非ペプチド成分を除去した。2Mのアンモニア溶液を通液し、カラム吸着成分を溶出させて、ペプチド画分を回収した。エバポレーターを用いてアンモニアを除去し、更に濃縮して乾固させた。そこに水を加えて乾固物を溶解した後、遠心分離(10,000rpm、30分間)を行い、不溶物を除去した。その上清を凍結乾燥した結果、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物として、最終的に約26gのダイズタンパク質サーモリシン分解物が得られた。
【0078】
このようにして得られた分解物の平均分子量をGPC法により測定した。凍結乾燥後のダイズタンパク質のサーモリシン分解物100mgを、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)2.0ml中に溶解し、被験溶液とした。Sephadex G25(Mediumタイプ、Amersham Biosciences社製)を充填したカラム(φ2.6×100cm)を、同じ0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で平衡化した。このカラムに被験溶液を2.0ml負荷して、流速1.0ml/分で溶出した。分子量既知のペプチド標品として、Insulin(ウシ膵臓由来、シグマ社製、分子量5733)、Insulin A chain(ウシ膵臓由来、シグマ社製、分子量2532)、及びBradykinin(シグマ社製、分子量1050)を用いた。214nmでペプチドを検出し、溶出時間から分子量分布及び平均分子量を推定した。その結果、上記方法により得られたダイズタンパク質のサーモリシン分解物の平均分子量は、約1500であることが推定された。
【0079】
上記方法により得られたダイズタンパク質のサーモリシン分解物のLEHAペプチドの含有量を、液体クロマトグラフ法(測定条件は、前記実施例1に記載の通り)により測定した。
その結果、上記方法により得られたダイズタンパク質のサーモリシン分解物約26g中のLEHAペプチドの含有量は約30mgであることが推定された。
【0080】
実施例3
LEHAペプチドの安定性評価
1.試験溶液の調製
表2に記載の処方に従い、実施例2で得られたダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量1500)、ヒアルロン酸(商品名:ヒアルロンサンHA−F、キューピー(株)製)又はコンドロイチン硫酸ナトリウム(マルハ(株)製)、及び糖類を精製水に溶解し、全量を調整した後、クエン酸でpHを調整して、各試験溶液を調製した。
【0081】
【表2】

【0082】
2.LEHAペプチドの安定性評価
試験例・比較例6〜7については、121℃で20分間加熱後のLEHAペプチドの残存率を、試験例・比較例1〜4、及び8〜10については125℃1時間加熱後のLEHAペプチドの残存率を、試験例・比較例5については60℃20日保存後のLEHAペプチドの残存率をそれぞれ測定した。
具体的には、各試験溶液中のLEHAペプチドの含量を液体クロマトグラフ法(測定条件は、前記実施例1に記載の通り)によって定量した。表3に調製直後に対する加熱処理後のLEHAペプチドの残存率(%)を示す。また、以下の式により分解抑制率(%)を計算した。
分解抑制率(%)=(1−(100−A)/(100−A’))×100
A;試験例の残存率
A’;比較例の残存率
【0083】
【表3】

【0084】
以上の結果から、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸ナトリウム等のムコ多糖類を配合することにより、LEHAペプチドの分解が顕著に抑制されることがわかる。
【0085】
以下に製剤実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
【0086】
製剤実施例1:乳液
〔成分〕 〔比率〕
ヒアルロン酸 0.1
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.5
スクワラン 2.0
流動パラフィン 5.0
セタノール 0.5
モノステアリン酸グリセリル 2.0
POE(25)セチルエーテル 2.0
トリエタノールアミン 0.8
グリセリン 4.0
1,3−ブチレングリコール 6.0
防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン) 適量
香料 適量
精製水 適量
100.0重量%
【0087】
製剤実施例2:クリーム
〔成分〕 〔比率〕
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.3
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 1.0
ワセリン 1.0
スクワラン 5.0
流動パラフィン 10.0
ステアリン酸 1.5
ステアリルアルコール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 2.0
POE(20)セチルエーテル 3.0
トリエタノールアミン 1.0
グリセリン 6.0
1,3-ブチレングリコール 8.0
防腐剤(エチルパラベン、プロピルパラベン) 適量
香料 適量
精製水 適量
100.0重量%
【0088】
製剤実施例3:化粧水
〔成分〕 〔比率〕
アセチル化ヒアルロン酸 0.05
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.5
POE(20)ソルビタンモノイソステアリン酸エステル 0.3
コハク酸 0.2
コハク酸ナトリウム 0.5
エデト酸三ナトリウム 0.05
1,3−ブチレングリコール 6.0
防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン) 適量
香料 適量
精製水 適量
100.0重量%
【0089】
製剤実施例4:ソフトカプセル
〔成分〕 〔比率〕
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 7.5
メロン抽出物 5.0
セラミド含有物 1.0
ヘマトコッカス藻色素抽出物(アスタキサンチン含有) 1.0
ゼラチン 30.0
グリセリン 15.0
サフラワー油 残量
100.0重量%
【0090】
製剤実施例5:飲料
〔成分〕 〔比率〕
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 2.0
ローヤルゼリー抽出物 1.0
レモン果汁 1.0
ビタミンB2 0.005
ビタミンB6 0.05
ビタミンC 0.5
エリスリトール 5.0
還元麦芽糖水飴 5.0
安定剤(ペクチン) 0.2
甘味料(アセスルファムカリウム、スクラロース) 0.008
乳酸カルシウム 0.05
塩化マグネシウム 0.015
塩化カリウム 0.015
香料 0.025
防腐剤(安息香酸ナトリウム、ブチルパラベン) 適量
酸味料 適量
(pHを3.5に調整)
精製水 残量
100.0重量%
【0091】
製剤実施例6:飲料
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 2.0
サメ軟骨抽出物(コンドロイチン硫酸40%含有) 0.8
メチルスルフォニルメタン 2.0
フィッシュコラーゲン 0.1
グルコサミン 1.0
ハチミツ 6.0
マルチトール 4.0
グルコン酸カルシウム 0.3
甘味料(アセスルファムカリウム、スクラロース) 0.02
防腐剤(安息香酸ナトリウム、ブチルパラベン) 0.05
酸化防止剤(ヤマモモ抽出物、酵素処理ルチン) 0.04
ビタミンB2 0.005
香料 0.025
酸味料 適量
(pHを3.6に調整)
精製水 残量
100.0重量%
【0092】
製剤実施例7:飲料
〔成分〕 〔比率〕
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
LEHAペプチド 0.002
ヘマトコッカス藻色素抽出物(アスタキサンチン含有) 0.15
グレープフルーツ果汁 2.0
ビタミンC 0.5
エリスリトール 8.0
水溶性食物繊維 5.0
安定剤(大豆多糖類) 0.2
甘味料(スクラロース) 0.010
香料 0.020
酸味料 適量
pHを3.0に調整)
精製水 残量
100.0重量%
【0093】
製剤実施例8:化粧水
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.5
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
1,3−ブチレングリコール 30.0
D−ソルビトール 5.0
(メタクリル酸グリセリルアミドエチル/
メタクリル酸ステアリル)コポリマー 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50 0.4
防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン) 適量
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
【0094】
製剤実施例9:化粧水
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 1.0
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
ホエイ・BG混液 2.0
ポリエチレングリコール1500 0.4
海藻エキス 0.05
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・
メタクリル酸ブチル共重合体(BG) 0.5
防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン) 適量
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
【0095】
製剤実施例10:乳液
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 1.5
ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
濃グリセリン 10.0
デオキシリボ核酸ナトリウム 0.5
流動パラフィン 15.0
スクワラン 10.0
ポリソルベート60 4.0
モノステアリン酸グリセリン 1.0
防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン) 適量
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
【0096】
製剤実施例11:クリーム
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.4
ヒアルロン酸 0.2
中鎖脂肪酸トリグリセリド 6.0
ベヘニルアルコール 2.5
アロエエキス 0.005
オウバクエキス 0.01
モノステアリン酸グリセリン 1.2
防腐剤(エチルパラベン、プロピルパラベン) 適量
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
【0097】
製剤実施例12:クリーム
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.8
LEHAペプチド 0.002
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
濃グリセリン 8.0
スクワラン 6.0
トリ(カプリル・カプリン・ミスチリン・ステアリン酸)
グリセリド 0.7
塩酸グルコサミン 0.1
カイネチン 0.02
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 0.2
(アクリル酸ヒドロキシエチル/
アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー 1.5
防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン) 適量
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
【0098】
製剤実施例13:ソフトカプセル
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 5.0
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 2.0
エラスチン 1.0
リコピン 2.0
月見草油 4.0
ゼラチン 35.0
グリセリン 10.0
二酸化チタン 0.5
サフラワー油 残量
100.0重量%
【0099】
製剤実施例14:飲料
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 2.5
ヒアルロン酸 0.75
ローヤルゼリー 0.5
ビタミンC 0.5
ビタミンB1 0.01
ビタミンB6 0.05
バラ花びら抽出物 0.25
甘味料(スクラロース) 0.05
クエン酸 0.5
クエン酸三ナトリウム 0.02
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
【0100】
製剤実施例15:錠剤
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 5.0
ヒアルロン酸ナトリウム 5.0
グルタチオン含有酵母 7.0
システインペプチド 3.0
ビタミンB2 0.5
ビタミンB6 2.0
ステアリン酸カルシウム 1.0
結晶セルロース 残量
100.0重量%
【0101】
製剤実施例16:コーティング錠
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
ビタミンE 1.5
リポ酸 1.0
コエンザイムQ10 1.2
ショ糖脂肪酸エステル 3.0
結晶セルロース 35.0
シェラック 3.0
乳糖 残量
100.0重量%
【0102】
製剤実施例17:チュアブル錠
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 1.0
ヒアルロン酸 0.1
コラーゲンペプチド 5.0
エラスチン 3.0
甘味料 0.1
香料 微量
ステアリン酸マグネシウム 0.5
キシリトール 30.0
マンニトール 残量
100.0重量%
【0103】
製剤実施例18:顆粒剤
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 3.0
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
パントテン酸カルシウム 5.0
ルチン 0.3
ビタミンC 0.1
甘味料 0.1
クエン酸 0.3
香料 微量
乳糖 35.0
結晶セルロース 残量
100.0重量%
【0104】
製剤実施例18:炭酸飲料
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 5.0
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
ツバメの巣抽出物 0.2
アルギン酸 0.5
L−ロイシン 0.15
L−バリン 0.10
L−イソロイシン 0.12
果糖ぶどう糖液糖 9.0
エリスリトール 5.0
リンゴ酸 0.3
クエン酸 0.3
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
【配列表フリーテキスト】
【0105】
配列番号1:本発明において用いられ得るペプチドである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ムコ多糖類より選択される一種以上と、
(B)式I:Leu−Glu−His−Alaで表されるペプチド、その誘導体及びこれらの塩からなる群より選択される一種以上
とを含有する組成物。
【請求項2】
(A)ムコ多糖類より選択される一種以上と、
(B)式I:Leu−Glu−His−Alaで表されるペプチド、その誘導体及びこれらの塩からなる群より選択される一種以上を含有する、タンパク質のプロテアーゼ加水分解物
とを含有する組成物。
【請求項3】
タンパク質がダイズタンパク質である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
プロテアーゼがサーモリシンである、請求項2又は3に記載の組成物。
【請求項5】
さらに、糖及び糖アルコールからなる群より選択される一種以上を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。

【公開番号】特開2009−79045(P2009−79045A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226719(P2008−226719)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】