説明

ポルフィラを含む組成物およびその製造および使用方法

ポルフィラを含む組成物、およびかかる組成物を製造および使用する方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願とのクロスリフェエンス
本出願は2006年3月24日出願の米国特許出願第 11/388,574号からの優先権を主張し、米国特許出願第11/388,574号は、引用によりその内容全体を本明細書に含める。
【0002】
分野
開示される主題は一般にポルフィラ(Porphyra)を含む組成物、およびかかる組成物を製造および使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
赤色海藻であるポルフィラは、タンパク質、ビタミン、ミネラルおよび可溶性繊維に富み、世界中でもっとも広く食され、商業的に価値のある海藻である。一般に「ノリ」と称され、それは日本、中国、韓国、および台湾の海岸沖の公海上で商業的に、70,000 ヘクトエーカー近くを覆う網上で栽培されている。年間収穫量は130,000トンを超え、売り上げは合計60億米ドルを超える。ノリシートの市場は米国だけで毎年少なくとも5000万ドルに値すると見積もられ、17%/年を超える速度で成長している。
【0004】
コストを削減し、収量を増加させ、ノリの様々な栄養素のレベルを上げるための栽培技術の開発が非常に重要である。ノリ栽培の技術的側面に対してなされてきた改良には、陸上の海水池を用いる制御された栽培技術の開発および栽培網上への胞子の人工播種のための技術の開発が含まれ、網は海洋に配置されるまで保存されうる。
【0005】
ポルフィラは世界中でおよそ70種あるので、栽培種の遺伝的改良は、収量を最大にし、コスト効率のよい栽培プログラムを開発するために重要である。この目的のために、古典的育種方法、特に株選択が海藻栽培技術の改善においてもっとも成功してきた。例えば、株選択の努力の結果として、日本で栽培されている2つのポルフィラ種、ポルフィラ・エゾエンシス および ポルフィラ・テネラの数十種の栽培品種が存在する。これら栽培品種は日本における熱心な株選択プログラムの結果として主に開発された。長年にわたる選択の繰り返しにより、これら2種の葉状体の平均長および栽培季節の長さの延長における改善がなされた。
【0006】
栽培技術を改良するためのこのような努力の成功にも拘わらず、いまだに多数の課題、不利および制限が存在する。具体的には、株選択の繰り返しは通常長年の熱心な努力を必要とし、非常に労力がかかる。したがって様々な栄養素の所望のレベルを生産するポルフィラの特定の株の選択は困難であり得る。さらに、目的の1以上の集団における既存の遺伝的可変性は株選択の目的のために十分でない場合があり得る。これは株選択技術を遺伝的可変性の高い品種のものに制限し得、望ましい栄養素レベルを含有しうるが、株選択に好適な遺伝的可変性を有し得ない株の使用を排除する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数株のポルフィラを栽培する必要無しに複数タイプのポルフィラの組成物を得ることを可能とする方法が要求されている。また、特定の所望のポルフィラ組成物を生産するのに利用できるが、特別の栽培または株選択技術の使用を最小にする方法が望まれている。かかる方法により調製される組成物およびかかる組成物を使用する方法もまた望まれている。本明細書においてこれらおよびその他の要求を満たす組成物および方法が開示される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
開示される材料、複合物(compound)、組成物、物品、および方法の目的にしたがって、本明細書に具体化および広く記載されているように、開示される主題は、一つの側面において、複合物および組成物ならびにかかる複合物および組成物を製造および使用する方法に関する。一つの側面において、開示される主題は、ポルフィラを含む組成物、およびかかる組成物を含む栄養補助食品、食品および医薬組成物に関する。さらに別の側面において、開示される主題は、かかるポルフィラ含有組成物の調製方法に関する。さらに、開示される主題は、かかる組成物を含む送達デバイスおよび送達デバイスを調製する方法に関する。さらに別の側面において、開示される主題は、記載される組成物を使用する方法に関する。
【0009】
以下の記載においてさらなる利点が部分的には示され、部分的には記載から明らかであり、あるいは以下に記載する側面の慣行により理解されうる。以下に記載する利点は添付の請求の範囲に具体的に示す要素および組合せによって実現および達成されるであろう。上記の一般的記載および以下の詳細な記載はともに例示および説明のためのみであって、限定するためのものではないことを理解されたい。
【0010】
図面の簡単な説明
組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、以下に記載するいくつかの側面を図示する。
図 1は、本明細書に開示する組成物の生産のための混合手順を示す模式図である。
【0011】
図 2は、3T3-L1 前脂肪細胞によるグルコース取り込みに対するノリ抽出物の刺激作用を示すヒストグラムである。
【0012】
図 3 Aは、生理食塩水 (対照)またはノリ抽出物 (100 mg/kg 体重)の腹腔内注射の後のマウスにおける血糖値(mM)のグラフである。図 3Bは、生理食塩水 (対照)またはノリ抽出物 (100 mg/kg 体重)の経口経管栄養を介する投与の後のマウスにおける血糖値 (mM)のグラフである。
【0013】
図 4は、ノリ抽出物、Chlorella pyrenoidosa 抽出物 (CPE; RESPONDIN(商標) 、Ocean Nutrition Canada、Dartmouth Canada)、およびリポ多糖 (LPS)により処理されたRAW264.7 マクロファージ細胞における一酸化窒素産生 (μM)の比較を示すヒストグラムである。
【0014】
図 5は、ノリ抽出物、Chlorella pyrenoidosa 抽出物 (CPE; RESPONDIN(商標))、およびリポ多糖 (LPS)のマウス脾細胞増殖に対する効果を示すヒストグラムである。
【0015】
詳細な説明
本明細書に記載する材料、複合物、組成物、物品および方法は開示される主題の特定の側面の以下の詳細な説明およびそこに含まれる実施例および図を参照することにより、より容易に理解されうる。
【0016】
本発明の材料、複合物、組成物、物品および方法が開示および記載される前に、以下に記載する側面は特定の合成方法または特定の試薬など自体に限定されるわけではなく、もちろん変動しうることを理解されたい。本明細書にて用いられる用語は単に特定の側面を記載する目的のものであり、限定する意図はないことも理解されたい。
【0017】
また明細書中にわたり、様々な刊行物が引用される。開示される主題が関係する技術水準をより完全に説明するために、かかる刊行物の開示はその全体を引用により本明細書に組み込まれる。開示される引用文献は引用文献が依存する文章において議論されるそれらに含まれる材料について本明細書に引用により個別具体的に組み込まれる。
【0018】
一般的定義
本明細書および請求の範囲において、以下の意味を有すると定義される多数の用語に注意されたい:
明細書および請求の範囲において、「含む」なる用語およびかかる用語のその他の形態、例えば、「含んでいる」等は、限定的ではないが含んでいることを意味し、例えば、その他の添加剤、成分、数または工程を排除する意図ではない。明細書および請求の範囲において用いられる、単数形「ある」、「1つの」および「その」とは、特に断りのない限り複数の対象も含む。したがって、例えば、「1つの組成物」という言及は2以上のかかる組成物の混合物を含み、「1つの抽出物」という言及は2以上のかかる抽出物の混合物を含み、「その成分」という言及は2以上のかかる成分の混合物を含む、といった意味である。
【0019】
「任意の」または「所望により」とは、その後に記載される事象または状況が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、かかる記載はかかる事象または状況が起こる例および起こらない例を含む。
【0020】
範囲は本明細書において「約」特定の値から、および/または、「約」特定の別の値まで、として表現されることがある。範囲がそのように表現される場合、別の側面はその一方の特定の値からおよび/または他方の特定の値までを含む。同様に、値が「約」が先行する近似値として表される場合、その特定の値は別の側面を形成することが理解される。さらに範囲のそれぞれの終点は、他方の終点との関係で、および他方の終点とは独立に、意味をもつことが理解される。本明細書に開示される値は多数あり、各値はまた値それ自体に加えて「約」その特定の値としても本明細書に開示されることが理解される。例えば、値「10」が開示されると、「約10」も開示されることになる。値がある値「以下」であるとして開示される場合、値「以上」および値の間の可能な範囲も開示されることが理解され、当業者に適宜理解される通りである。例えば、値「10」が開示される場合、「10以下」および「10以上」も開示されることになる。本出願にわたってデータは多数の異なる形式で提供され、かかるデータは終点および始点およびデータ地点のあらゆる組合せについての範囲を表すことが理解される。例えば、特定のデータ地点「10」および特定のデータ地点「15」が開示される場合、10および15より大、10および15以上、10および15未満、10および15以下および10および15が、10と15との間と同様に開示されていると考えられると理解される。2つの特定の単位の間の各単位も開示されていると理解される。例えば、10および15が開示されている場合、11、12、13、および14も開示されている。
【0021】
組成物における特定の要素または成分の重量部に関する明細書および請求の範囲における言及は重量部が表現される組成物または物品におけるその要素または成分とあらゆるその他の要素または成分との間の重量における関係を示す。したがって2 重量部の成分 X と5 重量部の成分 Yを含む複合物において、XおよびYは2:5の重量比で存在し、複合物においてさらなる成分が含まれるか否かにかかわらず、かかる比で存在する。
【0022】
成分の重量パーセントは、特に断りのない限り、成分が含まれる製剤または組成物の全重量に基づくものである。
【0023】
本明細書にて用いられる場合、「対象」とは個体を意味する。したがって「対象」はペット (例えば、ネコ、イヌ等)、家畜 (例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ等)、実験動物 (例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット等)および鳥類を含みうる。「対象」はまた、哺乳類、例えば、霊長類またはヒトを含みうる。
【0024】
以下開示される材料、複合物、組成物、物品および方法の特定の側面についてより詳細に言及し、それらの例は、実施例および図面において示されている。
【0025】
材料および組成物
開示された方法および組成物のために利用できる、それと共に利用できる、その調製のために利用できるまたはその生成物でありうる材料、複合物、組成物および成分が本明細書に開示される。これらおよびその他の材料が本明細書に開示され、かかる材料の組合せ、サブセット、相互作用、群等が開示される場合、かかる複合物の各様々な個々のおよび集合的組合せおよび順列の特定の言及が明示的に開示されていない場合も、それぞれが具体的に考慮され本明細書に記載されていると理解される。例えば、ある複合物が開示され、該複合物の多数の成分または残基に対してなされうる多数の改変が議論される場合、可能な各個々の組合せおよび順列は特に断りのない限り具体的に考慮される。したがって、成分または残基のクラス、A、B、および Cが開示され、成分または残基のクラス D、E、およびFも開示され、組合せ複合物の例A-Dが開示される場合、それぞれが個々に言及されていなくても、それぞれが個々におよび集合的に考慮される。したがってこの例において、組合せ A-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-E、および C-Fのそれぞれが具体的に考慮され、A、Bおよび C; D、E、およびF ;および例示的組合せ A-Dの開示から開示されているとみなすべきである。同様に、これらのあらゆるサブセットまたは組合せも具体的に考慮され開示されている。したがって、例えば、A-E、B-F、およびC-Eの亜群が具体的に考慮され、A、B、およびC; D、E、およびF;および例示的組合せ A-Dの開示から開示されているとみなすべきである。この概念は本開示のあらゆる側面に適用され、例えばこれらに限定されないが、開示された組成物の製造および使用の方法における工程に適用される。したがって、実行しうるさらなる工程が多数ある場合、かかるさらなる工程のそれぞれが開示された方法のあらゆる特定の側面または側面の組合せにより実行でき、かかる組合せそれぞれが具体的にに考慮されると考えられ、開示されているとみなすべきである。
【0026】
本明細書に開示される特定の材料、複合物、組成物および成分は、市販源から入手でき、あるいは当業者に一般的に知られた技術を用いて容易に合成できる。例えば、開示された複合物および組成物の調製に用いられる出発材料および試薬は市販源、例えば、 Ocean Nutrition Canada (Dartmouth、NS、Canada); Noritech Seaweed Biotechnologies Ltd (Yokneam; Israel)、Aldrich Chemical Co.、(Milwaukee、Wis.)、Acros Organics (Morris Plains、N.J.)、Fisher Scientific (Pittsburgh、Pa.)、または Sigma (St. Louis、Mo.)から入手できるし、あるいは当業者に知られた方法により、例えば以下の参考文献に示された手順にしたがって調製される;Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis、Volumes 1-17 (John Wiley and Sons、1991); Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds、Volumes 1-5 and Supplementals (Elsevier Science Publishers、1989); Organic Reactions、Volumes 1-40 (John Wiley and Sons、1991); March’s Advanced Organic Chemistry、(John Wiley and Sons、4th Edition);およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc.、1989)。
【0027】
一つの側面において、ポルフィラ(Porphyra)を含む組成物が本明細書に開示される。例えば、ポルフィラおよびポルフィラの抽出物のブレンドを含む組成物が本明細書に開示される。別の例において、ポルフィラの抽出物を含む組成物が本明細書に開示される。「ポルフィラ」という用語は、ポルフィラ属の海藻に属するあらゆるメンバー(例えば、種、亜種、品種、形態)を意味し、選択されたおよび遺伝子操作された株を含み、その起源、栽培場所、生活環における特定の段階 (例えば、不動精子、果胞子、貝殻様細胞(conchocell)、貝殻様胞子(conchospore)、不動胞子、タルス(thalus)、小植物等)、またはそれが加工されているか未加工であるかを問わない。さらに「ポルフィラ」という用語は本明細書において「ノリ」という用語と互換的に用いる。ポルフィラの別の市販名は、アマノリ、アナアマノリ、アサクサノリ、ベニタサ、カリフォルニア・ラバー(California laver)、カソグ(Casog)、チャイ・チョイ(Chi Choy)、チャイ・ツァイ(Chi Tsai)、およびチシマクロノリである。ポルフィラおよびポルフィラの抽出物のブレンドの調製によって、株選択または栽培技術のみでは入手不可能な特別に設計された栄養素/成分プロファイルを有する組成物に到達することが出来る。さらに、開示された方法は一定の栄養素/成分プロファイルを有する組成物の提供に利用でき、それによってその他の方法によって調製されたポルフィラに基づく組成物にみられる変動性が低減される。
【0028】
ポルフィラ
本明細書に開示されるいくつかの例において、ポルフィラは、ポルフィラ・アボタエ(P. abbotae)、ポルフィラ・アカントフォラ(P. acanthophora)、ポルフィラ・アトロパープラエ(P. atropurpurae)、ポルフィラ・コランビナ(P. columbina)、ポルフィラ・クリスパタ(P. crispata)、ポルフィラ・ファラックス(P. fallax)、ポルフィラ・ロイコスティカ(P. leucostica)、ポルフィラ・ペルフォラータ(P. perforata)、ポルフィラ・シュードランセオラタ(P. pseudolanceolata)、ポルフィラ・スピリリス(P. spirilis)、ポルフィラ・スボルチクラタ(P. suborticulata)、ポルフィラ・トルタ(P. torta)、ポルフィラ・ウンビリカリス(P. umbilicalis)、または ポルフィラ・ヴィエトナメンシス(P. vietnamensis)であり、それらの混合物を含む。その他の例としてはこれらに限定されないが、ポルフィラ・テネラ(P. tenera)、ポルフィラ・ハイタネンシス(P. haitanensis)、ポルフィラ・シュードリネアリス(P. pseudolinearis)、ポルフィラ・クニエダエ(P. kuniedae)、ポルフィラ・アラサキ(P. arasaki)、ポルフィラ・パープレア(P. purpurea)および ポルフィラ・セリアタ(P.seriata)が挙げられ、それらの混合物を含む。WO 99/29160に開示のポルフィラ種および変異体も本明細書に開示される方法および組成物に利用できる。具体例において、ポルフィラは、 ポルフィラ・エゾエンシス(P. yezoensis)、ポルフィラ・エス・ピー・タイワネゼ(P. sp. Taiwanese)、またはそれらの混合物である。
【0029】
本明細書に開示されるポルフィラは市販源から得ることが出来、あるいは、例えば、Bold and Wynne、Introduction to the Algae: Structure and Reproduction、Prentice-Hall、Inc.、1978; Lobban and Wynne、“The Biology of Seaweeds,” University of California Press、1981; Lubchenco and Cubit、“The heteromorphic life histories of certain algae as adaptations to variations in herbivory,” Ecology 61(3):676-687、1980; Waaland et al.、“Conchocelis growth and photoperiodic control of conchospore release in Porphyra torta,” J. Phycology. 23:406-414、1987; 米国特許3,195,271、米国特許6,056,476、および公開 WO 99/29160に開示の方法により栽培および収穫できる。これらの文献は少なくともポルフィラおよびその栽培方法の教示について本明細書に引用により含まれる。
【0030】
いくつかの具体例において、本明細書に開示される組成物および方法に利用できるポルフィラは、NoriTech Seaweed Biotechnologies (Yoqneam、Israel)の公開 WO 05/051073に開示の方法により得ることが出来、それは特定のポルフィラ種およびその栽培方法の教示について本明細書に引用により含まれる。例えば、ポルフィラは、培養中で胞子およびスポアリング(sporling)の産生に好適な実験室施設、スポアリング(sporling)の成熟を可能とする複数のスリーブ、複数の栄養素に富む海水を含む小接種タンクであって最適条件下でスポアリング(sporling)の海藻片へと成熟する成長を可能とするもの、および複数の海藻片から完全サイズまでの生育を可能とする大栽培タンクを含む、海藻の陸上栽培のためのシステムにおいて調製できる。別の具体例において、開示された組成物および方法での使用に好適なポルフィラは、実験室施設に維持された培養中で胞子およびスポアリング(sporling)を産生すること、スポアリング(sporling)を懸濁培養中で最適生育条件下で生育させること、成熟したスポアリング(sporling)を大栽培タンクに移し迅速な成長を可能とすること、完全に生育した海藻片を収集すること、収集した海藻を乾燥および粉砕することおよび結果として得られた海藻をヒトの消費のために調製すること、によって調製できる。
【0031】
また以下の海藻もポルフィラの代わりにまたはそれに加えて開示された方法に利用できる: Laminaria、Undaria、Eucheuma、Gracilaria、Ulva、Sargassum、Codium、Cladophora、Ascophyllum、Palmaria、Furcellaria、Fucus、Enteromorpha、Nemacystus、Kjellmaniella、Hizikia、Gelidium、Gloiopeltis、Hemineura、Spirogyra、および Acetabularia、それらの混合物。
【0032】
ポルフィラの抽出物
ポルフィラの抽出物は、本明細書に開示されるいずれのポルフィラからも得ることが出来る。具体的には、この抽出物は、ポルフィラの水性および/または有機抽出により得ることが出来る。利用可能な好適な抽出溶媒としては、これらに限定されないが、水、酸性水溶液(例えば、HCl、H2SO4、H3PO4、HNO3、または酢酸の溶液)、塩基性水溶液(例えば、KOH、NaOH、Na2CO3、K2CO3、NaHCO3 等の溶液)、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ヘキサン、およびそれらの混合物、例えば、 メタノール:水、およびエタノール:水が挙げられる。特定の例において、ポルフィラ抽出物は、ポルフィラと、抽出溶媒、例えば、水、水性溶媒、または有機溶媒とを接触させることによって得ることが出来る。その結果得られた混合物は所望により加熱および/または撹拌してもよい。一般に、より高温および/または撹拌は抽出の効率を上昇させうる。典型的には、抽出溶媒が 水または水溶液である場合、混合物を少なくとも 約 80℃、70℃、60℃、50℃、40℃、30℃、または20℃に加熱するとよく、ここで示した値のいずれも適宜上限または下限を形成しうる。具体例において、抽出は、約60〜約 95℃で行うとよい。有機溶媒を抽出溶媒として用いる場合、混合物はその有機抽出溶媒の沸点より低い温度に加熱するとよい。混合物の撹拌は当該技術分野において知られたあらゆる方法により達成でき、例えば、機械的スターラー、磁気スターラーバー、振盪、超音波処理、混合物への通気等が挙げられる。
【0033】
ポルフィラと抽出溶媒との混合物は様々な方法によって分離することが出来る。例えば、ろ過 (例えば、濾紙、フリット、ゲルろ過、および限外ろ過)、クロマトグラフィー、逆浸透、透析、または遠心分離を用いて抽出溶媒を抽出されたポルフィラ残渣から分離することが出来る。抽出されたポルフィラ残渣は上記の1以上のさらなる抽出に供することが出来ると考えられる。続く抽出はいずれも上記のものと同一であっても異なってもよいと考えられる。例えば、第一の抽出では水性抽出溶媒を高温で用いることが出来、続く抽出を有機溶媒を低温で用いて行うことが出来、逆もまた同様である。特定の抽出溶媒および抽出の回数およびタイプは研究者の好み、コスト、得られることが望まれる具体的な栄養素等に依存する。
【0034】
一例において、ノリ抽出物はノリの1以上の水抽出によって得られ、ここで様々な抽出物が一緒にされ得、所望により乾燥される。別の例において、ノリ抽出物は、ノリ (例えば、ノリ粉末、Norotech Seaweed Biotechnologies Ltd (Yokneam; Israel))のヘキサンによる第一の抽出により得られる。残りの残渣は再びエタノール (95%)により抽出できる。この抽出からの残渣は次いで水により室温で抽出されうる。室温水抽出からの残渣は次いで水で高温で (例えば、約 80℃) 抽出されうる。
【0035】
本明細書に開示される特定の例において、ポルフィラの各抽出から得られた抽出物は一緒にされ得、次いで例えば、 噴霧乾燥、凍結乾燥、蒸発等のような方法によって乾燥されうる。
【0036】
組成物
本明細書に開示される様々な組成物は上記のようにポルフィラを含み、また上記のようにポルフィラの抽出物を含む。開示された組成物はポルフィラとポルフィラ抽出物とをブレンドすることによって調製できる。ブレンドは液性抽出溶媒または乾燥抽出物とポルフィラとの混合によって達成できる。いくつかの例において、ポルフィラは乾燥製粉されうる。ポルフィラとポルフィラ抽出物とのブレンドはさらに粉砕 および/または 製粉を含み得、微細粉末が産生される。
【0037】
開示された組成物におけるポルフィラとポルフィラ抽出物との比は、約 1:10 〜10:1 重量部でありうる。特定の例は約 1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、または 10:1 重量部のポルフィラ対ポルフィラ抽出物を含む組成物を含む。さらに別の例は、約 1 〜約10、約 2 〜約8、または約 4 〜約6 重量部のポルフィラ対 約1 〜約10、約 2 〜約8、または約 4 〜約6 重量部のポルフィラ抽出物を含む組成物を含む。一つの具体例において、組成物は約1:1 重量部のポルフィラ対ポルフィラ抽出物を含みうる。
【0038】
開示された組成物において、ポルフィラとポルフィラ抽出物とは、ポルフィラの同じ種、株または変異体からえられうる。例えば、本明細書に開示されるように抽出されるポルフィラ 種、株、または変異体は、抽出物と一緒にされて本明細書に開示される組成物とされるポルフィラと同一であってよい。別の例において、ポルフィラとそれにブレンドされるポルフィラ抽出物はポルフィラの1以上の異なる種、株または変異体由来であってもよい。異なるポルフィラ種、株、および/または 変異体のこのような使用は異なるポルフィラ源のそれぞれの特性(例えば、栄養素レベル)を有する組成物の調製を可能としうる。したがって、所望のレベルの栄養素を含むよう組成物をテイラーメードできる。例えば、特定の栄養素に富む1つのポルフィラ 種からの抽出物 と別の栄養素に富む別のポルフィラ 種をブレンドすることができ、それにより両方のポルフィラ 種からの栄養素を含む組成物が得られる。
【0039】
開示されたポルフィラ組成物は自由流動性紫色粉末であり得、塩気のあるよい風味の香りおよび味を示す。一般に、開示された組成物の水分含量は、約6%未満、約 5%未満、または約 4%未満であり得る。ある特定の例において、開示された組成物は水分含量約 4.5%を有しうる。水分含量は Official Methods of Analysis of AOAC INTERNATIONAL、15th Edition、1990、950.46、p. 931に記載されるように測定でき、水分含量に関する分析方法の教示についてそれは本明細書に引用により含まれる。
【0040】
開示された組成物の強熱残分 (Ash)は組成物の総重量に基づいて約 40%未満、約 35%未満、約 30%未満、または約 25%未満であり得る。ある特定の例において、開示された組成物は強熱残分 (Ash)約 29%を有しうる。 Ash 含量はOfficial Methods of Analysis of AOAC INTERNATIONAL、15th Edition、1990、920.155c、p. 947に記載のように測定でき、Ash含量に関する分析方法の教示についてそれは本明細書に引用により含まれる。
【0041】
開示された組成物の総食物繊維は組成物の総重量に基づいて約 25%、約 30%、約 35%、または約 40%を超え得る。ある特定の例において、開示された組成物は約 35%の総食物繊維を有しうる。食物繊維含量 はOfficial Methods of Analysis of AOAC INTERNATIONAL、15th Edition、1990、993.19/991.42に記載されるように測定でき、食物繊維含量に関する分析方法の教示についてそれは本明細書に引用により含まれる。
【0042】
開示された組成物の総脂質は約 0.5%、約1.0%、約1.5%、または約 2.0%を超えうる。ある特定の例において、開示された組成物は約1.8%の総脂質を有しうる。総脂質含量はOfficial Methods of Analysis of AOAC INTERNATIONAL、15th Edition、1990、963.15(soxhlet)に記載されるように測定でき、総脂質含量に関する分析方法の教示についてそれは本明細書に引用により含まれる。
【0043】
開示された組成物はいくつかの色素を含みうる。例えば、開示された組成物は約 7.0 〜約11.0、約8.0 〜約10.0、または約 9.0 (例えば、9.11) mg/g のフィコエリトリンを含みうる。別の例において、開示された組成物は約 3.0 〜約6.0、約 4.0 〜約5.0、または約 4.5 (例えば、4.63) mg/gのフィコシアニンを含みうる。さらに別の例において、開示された組成物は約 0.1 〜約0.5、約0.15 〜約0.35、または約0.25 (例えば、0.29) mg/gのクロロフィル aを含みうる。さらに別の例において、開示された組成物は約0.001 〜約0.100、約0.050 〜約0.075、または約0.060 (例えば、0.054) mg/g のルテインを含みうる。さらなる例において、開示された組成物は約0.010 〜約0.050、約0.015 〜約0.035、または約0.025 (例えば、0.027) mg/gのベータカロテンを含みうる。フィコエリトリンおよびフィコシアニンの量の測定方法は、Zhang et al.、“Analytical approach to the discoloration of edible laver ‘Nori’ in the Ariake Sea,” Anal. Sci.、20:37-43、2004に記載されている。クロロフィル a、ルテイン、およびベータカロテンの量の測定方法は Li et al.、“Phytoplankton pigment analysis by HPLC and its applications in algal community investigations,”Bot. Bull. Acad. Sin.、43:283-290、2002に記載されている。これら参考文献は色素分析の教示について本明細書に引用により含まれる。
【0044】
また、開示された組成物は抗酸化活性 (即ち、Oxygen Radical Absorbance Capacity (ORAC) アッセイ)を約 40 〜約60、約 45 〜約55、または約50 (例えば、53) μmole TE/g有しうる。抗酸化活性 (ORAC)の測定方法はHuang et al.、“High-throughput assay of oxygen radical absorbance capacity (ORAC) using a multichannel liquid handling system coupled with a microplate fluorescence reader in 96-well format,” J. Agr. Food Chem.、50:4437-4444、2002に記載されており、これは抗酸化活性の測定方法の教示について本明細書に引用により含まれる。
【0045】
開示された組成物は様々なアミノ酸およびタンパク質を含みうる。例えば、開示された組成物の総タンパク質含量は組成物の総重量に基づいて約 25 〜約50、約 30 〜約40、または 約 35% (例えば、32.5%)でありうる。総タンパク質含量はOfficial Methods of Analysis of AOAC INTERNATIONAL、15th Edition、1990、981.10、p. 973に記載のように測定でき、タンパク質含量の測定に関する分析方法の教示について本明細書に引用により含まれる。
【0046】
別の例において、開示された組成物の総必須アミノ酸 含量は組成物の総重量に基づいて約 7.0 〜約10、約8 〜約9、または 約8.5% (例えば、8.3%)であり得る。さらに別の例において、開示された組成物は組成物の総重量に基づいて約10 〜約 30、約15 〜約 25、または約 20% (例えば、22.02%)の総条件的必須または非必須 アミノ酸を有しうる。
【0047】
開示された組成物に存在しうる具体的なアミノ酸としては、これらに限定されないが以下が挙げられる:イソロイシン、これは少なくとも 約6、少なくとも 約 7、少なくとも 約8、または少なくとも 約 9 mg/g (例えば、約8.91 mg/g) の量で存在しうる; ロイシン、これは少なくとも 約14、少なくとも 約16、少なくとも 約17、または少なくとも 約18 mg/g (例えば、約17.20 mg/g) の量で存在しうる; リジン、これは少なくとも 約10、少なくとも 約11、少なくとも 約12、または 少なくとも 約13 mg/g (例えば、約12.61 mg/g) の量で存在しうる; メチオニン、これは少なくとも 約 2、少なくとも 約 3、少なくとも 約 4、または少なくとも 約5 mg/g (例えば、約 4.30 mg/g) の量で存在しうる; フェニルアラニン、これは少なくとも 約6、少なくとも 約 7、少なくとも 約8、または少なくとも 約 9 mg/g (例えば、約8.73 mg/g) の量で存在しうる; トレオニン、これは少なくとも 約10、少なくとも 約12、少なくとも 約14、または少なくとも 約16 mg/g (例えば、約14.62 mg/g) の量で存在しうる; トリプトファン、これは少なくとも 約0.1、少なくとも 約1、少なくとも 約1.5、または 少なくとも 約 2.0 mg/g (例えば、約1.67 mg/g) の量で存在しうる; バリン、これは少なくとも 約10、少なくとも 約12、少なくとも 約14、または少なくとも 約16 mg/g (例えば、約14.95 mg/g) の量で存在しうる; アラニン、これは少なくとも 約 25、少なくとも 約 30、少なくとも 約 35、または少なくとも 約 40 mg/g (例えば、約 36.09 mg/g) の量で存在しうる; アルギニン、これは少なくとも 約 20、少なくとも 約 25、少なくとも 約 30、または 少なくとも 約 35 mg/g (例えば、約 30.39 mg/g) の量で存在しうる; アスパラギン酸、これは少なくとも 約15、少なくとも 約 20、少なくとも 約 25、または少なくとも 約 30 mg/g (例えば、約 25.41 mg/g) の量で存在しうる; シスチン、これは少なくとも 約5、少なくとも 約6、少なくとも 約 7、または少なくとも 約8 mg/g (例えば、約 7.20 mg/g) の量で存在しうる; グルタミン酸、これは少なくとも 約 25、少なくとも 約 30、少なくとも 約 35、または少なくとも 約 40 mg/g (例えば、約 37.94 mg/g) の量で存在しうる; グリシン、これは少なくとも 約12、少なくとも 約15、少なくとも 約17、または少なくとも 約 20 mg/g (例えば、約17.46 mg/g) の量で存在しうる; ヒスチジン、これは少なくとも 約1、少なくとも 約 2、少なくとも 約 3、または少なくとも 約 4 mg/g (例えば、約 3.39 mg/g) の量で存在しうる; プロリン、これは少なくとも 約 7、少なくとも 約 9、少なくとも 約11、または少なくとも 約13 mg/g (例えば、約11.26 mg/g) の量で存在しうる; チロシン、これは少なくとも 約5、少なくとも 約6、少なくとも 約 7、または少なくとも 約8 mg/g (例えば、約 7.04 mg/g) の量で存在しうる; またはタウリン、これは少なくとも 約 9、少なくとも 約10、少なくとも 約11、または少なくとも 約12 mg/g (例えば、約11.49 mg/g) の量で存在しうる。アミノ酸含量の測定方法はBidlingmeyer et al.、“Rapid analysis of amino acids using pre-column derivatization,” J. Chromatography 336:93-104、1984; Heinrikson and Meredith、“Amino acid analysis by reverse phase HPLC: pre-column derivatization with phenylisothiocyanate,” Anal. Biochem. 136:65-74、1984;およびCohen and Strydom、“Amino acid analysis utilizing phenylisothiocyanate derivatives,” Anal. Biochem. 174:1-16、1988に記載されており、これらはすべてアミノ酸含量の測定方法の教示について本明細書に引用により含まれる。
【0048】
開示された組成物に存在しうる具体的なビタミンとしては、これらに限定されないが以下が挙げられる:ビタミン C、これは少なくとも 約0.1、少なくとも 約0.2、少なくとも 約0.3、または 少なくとも 約0.4 mg/g (例えば、約0.39 mg/g) の量で存在しうる; B1 (チアミン)、これは少なくとも 約15、少なくとも 約17、少なくとも 約19、または少なくとも 約 21 μg/g (例えば、約19.04 μg/g) の量で存在しうる; B2 (リボフラビン)、これは少なくとも 約 35、少なくとも 約 40、少なくとも 約 45、または少なくとも 約50 μg/g (例えば、46.02 μg/g) の量で存在しうる; B3 (ナイアシン)、これは少なくとも 約115、少なくとも 約130、少なくとも 約145、または少なくとも 約160 μg/g (例えば、141.24 μg/g) の量で存在しうる; B6 (ピリドキシン)、これは少なくとも 約 9、少なくとも 約10、少なくとも 約11、または少なくとも 約12 μg/g (例えば、11.11 μg/g) の量で存在しうる;または葉酸、これは少なくとも 約 7、少なくとも 約8、少なくとも 約 9、または 少なくとも 約10 μg/g (例えば、9.20 μg/g) の量で存在しうる。
【0049】
ビタミン C 含量の測定方法は、 Official Methods of Analysis of AOAC INTERNATIONAL、17th Edition、2000、967.22に記載されている。 ビタミン B1 含量の測定方法はOfficial Methods of Analysis of AOAC INTERNATIONAL、17th Edition、2000、942.23 および986.27、およびReyes and Subryan、“An improved method of simultaneous HPLC and thiamin in selected cereal products,” J. Food Composition & Anal.、2(1):41-47、1989に記載されている。ビタミン B2 含量の測定方法はOfficial Methods of Analysis of AOAC INTERNATIONAL、17th Edition、2000、970.65、981.15、および 985.31、およびReyes and Subryan、“An improved method of simultaneous HPLC and thiamin in selected cereal products,” J. Food Composition & Anal.、2(1):41-47、1989に記載されている。 ビタミン B3 含量 の測定方法は Official Methods of Analysis of AOAC INTERNATIONAL、17th Edition、2000、960.46、944.13、および985.34、およびUSFDA、“Methods for Microbiological Analysis of Selected Nutrients,” AOAC、1996に記載されている。これら引用文献はビタミン分析の教示についてすべて本明細書に引用により含まれる。
【0050】
開示された組成物に存在しうる具体的なミネラルとしてはこれらに限定されないが以下が挙げられる:カルシウム、これは少なくとも 約1、少なくとも 約 2、少なくとも 約 3、または少なくとも 約 4 mg/g (例えば、3.48 mg/g) の量で存在しうる; カリウム、これは少なくとも 約50、少なくとも 約55、少なくとも 約60、または少なくとも 約65 mg/g (例えば、62.1 mg/g) の量で存在しうる; マグネシウム、これは少なくとも 約 4、少なくとも 約5、少なくとも 約6、または 少なくとも 約 7 mg/g (例えば、6.3 mg/g) の量で存在しうる; マンガン、これは少なくとも 約0.0075、少なくとも 約0.010、少なくとも 約0.025、または 少なくとも 約0.050 mg/g (例えば、0.026 mg/g) の量で存在しうる; ナトリウム、これは少なくとも 約6、少なくとも 約8、少なくとも 約10または少なくとも 約12 mg/g (例えば、10 mg/g) の量で存在しうる; リン、これは少なくとも 約6、少なくとも 約 7、少なくとも 約8、または少なくとも 約 9 mg/g (例えば、8.45 mg/g) の量で存在しうる; または亜鉛、これは少なくとも 約0.0075、少なくとも 約0.01、少なくとも 約0.025、または 少なくとも 約0.05 mg/g (例えば、0.033 mg/g) の量で存在しうる。
【0051】
開示された組成物は低レベルの重金属を有し得、その多くは高いレベルで存在すると健康に有害作用を与える。例えば、開示された組成物は、約 7未満、約6未満、約5未満、または約 4 ppm未満(例えば、5.6 ppm)のヒ素、約0.75未満、約0.5未満、約0.25未満、または約0.1 ppm未満(例えば、0.2 ppm)のカドミウム、約 3未満、約 2未満、約1未満、または約0.5 ppm未満(例えば、1.7 ppm) の鉛、または約0.1未満、約0.05未満、約0.01未満、または約0.005 ppm未満(例えば、<0.01 ppm)の水銀を有しうる。
【0052】
補助食品
開示された組成物は特に栄養補助食品として有用であり得る。したがって、本明細書に開示される組成物を含む栄養補助食品が本明細書に開示される。栄養補助食品は栄養素 (例えば、ビタミン、ミネラル、必須微量元素、アミノ酸、ペプチド、核酸、オリゴヌクレオチド、脂質、コレステロール、ステロイド、炭水化物等)を提供、補給または増加させるために対象に投与または対象に摂取されうるあらゆる組成物である。
【0053】
栄養補助食品は本明細書に開示される組成物をいずれの量含んでいてもよいが、典型的には開示された組成物にみられる特定の栄養素の所望の用量を対象に供給するよう決定された量を含む。栄養補助食品に必要とされる開示された組成物の正確な量は、対象の種、年齢、体重および全体的状況 、処置される栄養欠陥の重篤度、特定の投与様式等に依存して対象によって変動する。したがって各栄養補助食品の正確な量を特定するのは不可能である。しかし、適当な量は本明細書の開示を与えられると常套の実験を用いるだけで当業者に決定できる。
【0054】
栄養補助食品は、開示されたポルフィラ組成物の他に添加されるその他の栄養素、例えば、 ビタミン、ミネラル、タンパク質、アミノ酸、その他の微量元素等を含んでいてもよい。さらに栄養補助食品はその他の成分、 例えば、 保存料、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、増粘剤、香味料、希釈剤、乳化剤、分散補助剤または結合剤を含みうる。
【0055】
栄養補助食品は一般に経口摂取され、経口投与に好適なあらゆる形態であり得る。例えば、栄養補助食品は典型的には錠剤、ゲルキャップ、カプセル、液体、サシェまたはシロップ の形態であり得る。
【0056】
医薬製剤
医薬製剤も本明細書に開示される。一つの側面において、医薬製剤は本明細書に開示される組成物を医薬上許容される担体とともに含みうる。例えば、医薬製剤はポルフィラおよび乾燥水性ポルフィラ抽出物のブレンドおよび医薬上許容される担体を含む組成物を含みうる。開示される医薬製剤は治療的にまたは予防的に利用できる。
【0057】
「医薬上許容される」とは、生物学的またはその他の望ましくないものではない材料を意味し、即ち、かかる材料は望ましくない生物学的作用を与えずにまたはそれが含まれる医薬製剤のその他の成分のいずれとも有害に相互作用しないで対象に投与されうるものである。担体は通常、活性成分の分解を最小化し、対象における有害な副作用を最小化するよう選択され、当業者に周知の通りである。
【0058】
医薬用担体は当業者に知られている。これらはもっとも一般的には ヒトに薬剤を投与するための標準的担体であり、溶液、 例えば、 滅菌水、生理食塩水、および生理的pHの緩衝溶液が挙げられる。好適な担体およびその剤形はRemington: The Science and Practice of Pharmacy、21st ed.、Lippincott Williams & Wilkins、Philadelphia、PA、2005に記載されており、これは担体および医薬製剤の教示について本明細書に引用により含まれる。典型的には、適当な量の医薬上許容される塩が製剤に使用され、 製剤を等張性にする。医薬上許容される担体の例としては、これらに限定されないが、生理食塩水、リンゲル液およびデキストロース溶液が挙げられる。溶液のpHは好ましくは約5 〜約8であり、より好ましくは約 7 〜約 7.5である。さらなる担体には、徐放調製剤、例えば、開示された化合物を含む固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックス、そのマトリックスは成形品、例えば、フィルム、リポソーム、微小粒子、またはマイクロカプセルの形態である、が含まれる。当業者には特定の担体が、例えば、投与経路および投与される組成物の濃度に応じてより好ましいことがあり得ることが明らかであろう。その他の化合物も当業者に用いられる標準手順に従って投与できる。
【0059】
医薬製剤はさらなる担体、および増粘剤、希釈剤、緩衝剤、保存料、界面活性剤等を本明細書に開示される化合物に加えて含みうる。医薬製剤は1以上のさらなる活性成分、例えば、 抗菌剤、抗炎症剤、麻酔等も含みうる。
【0060】
医薬製剤は局所または全身処置が望まれるか、処置すべき領域に応じて様々な方法で投与しうる。投与は局所的 (例えば経眼的、経腟的、直腸、経鼻的)、経口的、吸入、非経口的、例えば、静脈内点滴、皮下、腹腔内または筋肉内注射でありうる。開示された組成物は静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、腔内、または経皮的に投与できる。
【0061】
非経口投与のための調製物は、滅菌水性または非水性溶液、懸濁液および乳濁液を含む。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えば、 オリーブ油、魚油、および注射可能有機エステル、例えば、オレイン酸エチルである。水性担体としては、水、アルコール/水溶液、乳濁液または懸濁液、例えば生理食塩水および緩衝媒体が挙げられる。 非経口媒体としては、塩化ナトリウム 溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンゲルまたは固定油が挙げられる。静脈内媒体としては液体および栄養素補充液、電解質補充液 (例えば、リンゲルデキストロースに基づくもの)等が挙げられる。保存料およびその他の添加剤が存在してもよく、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤および不活性ガス等が挙げられる。
【0062】
局所投与のための医薬製剤には、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐薬、スプレー、液剤および散剤が挙げられる。常套の医薬用担体、水性、粉末または油性基材、増粘剤等も必要または所望である場合がある。
【0063】
経口投与のための医薬製剤は、これらに限定されないが、散在または顆粒剤、水または非水性媒体中の懸濁液または溶液、カプセル、サシェまたは錠剤が挙げられる。増粘剤、香味料、希釈剤、乳化剤、分散補助剤または結合剤が望ましいこともある。
【0064】
食品
本明細書に開示される組成物のいずれかを含む食品も本明細書に開示される。「食品」とは、対象に消費 されうる(例えば、食べられ、飲まれ、または消化される)製品を意味する。一つの側面において、開示された組成物は食品中で栄養補助食品として利用されうる。例えば、開示された組成物は健康利益を提供する化合物を充填され得、それらは様々な食品に組み込まれうる。別の例において、食品は焼かれた製品、パスタ、肉製品、冷凍乳製品、乳製品、チーズ製品、卵製品、調味料、スープミックス、スナックフード、ナッツ製品、植物タンパク質製品、ハードキャンディー、ソフトキャンディー、鶏製品、加工果汁、グラニュー糖 (例えば、白色またはブラウン)、ソース、グレービー、シロップ、栄養バー、飲料、乾燥飲料粉末、ジャムまたはゼリー、魚製品、またはペットフードである。別の例において、食品は、パン、トルティーヤ、シリアル、ソーセージ、チキン、アイスクリーム、ヨーグルト、ミルク、サラダドレッシング、米糠、果汁、乾燥飲料粉末、ロールパン、クッキー、クラッカー、フルーツパイ、またはケーキである。また、 開示された組成物は サシェ中に提供できる(例えば、ティーバッグ)。
【0065】
使用方法
開示された組成物は多くの用途を有しうる。例えば、開示された組成物は抗ウイルス活性、抗細菌活性、抗ミコバクテリア活性、抗寄生虫活性、抗潰瘍活性、抗炎症活性、内分泌作用、金属キレート特性、創傷および火傷治癒特性、抗老化特性、抗酸化剤特性、抗アテローム硬化特性、免疫調節特性を有し得、およびUV 照射からの保護を与えうる。開示された組成物についての特定の用途は抗糖尿病薬としてものである。
【0066】
一つの具体例において、本明細書に開示されるポルフィラ組成物を含む有効量の組成物を投与することにより対象に栄養素を補助する方法が本明細書に開示される。さらに別の例において、本明細書に開示される 有効量のポルフィラ組成物を投与することによる対象におけるインスリン感受性の改善方法が本明細書に開示される。さらなる例において、有効量の本明細書に開示されるポルフィラ組成物を投与することによる対象における高血糖を軽減する方法が本明細書に開示される。さらに別の例において、本明細書に開示されるポルフィラ組成物を含む有効量の組成物を投与することによる対象における免疫応答の調節方法が本明細書に開示される。さらに別の例において、本明細書に開示されるポルフィラ組成物を含む有効量の組成物を投与することによる対象における脾細胞増殖の調節方法が本明細書に開示される。さらに別の例において、本明細書に開示されるポルフィラ組成物を含む有効量の組成物を投与することによる対象におけるウイルス感染の阻害方法が本明細書に開示される。
【0067】
本明細書に開示される方法は様々な形態の開示された組成物を投与することによって達成できると考えられる。例えば、医薬製剤を本明細書に開示される食品とともに投与することが出来る。別の例において、錠剤またはカプセル を本明細書に開示される栄養補助食品とともに投与することが出来る。さらに別の例において、あらゆる送達装置を備えた医薬製剤および本明細書に開示される栄養補助食品を投与することが出来る、等である。
【0068】
用量および送達
上記方法またはその他の処置、または本明細書に開示される栄養補助食品、医薬製剤または食品において用いる場合、開示された組成物の「有効量」は、純粋な形態で用いられることもあるが、かかる形態が存在する場合、医薬上許容される塩形態、および医薬上許容される賦形剤、担体、またはその他の添加剤をともなってまたはともなわずに用いられることもある。
【0069】
特定の対象のための特定の有効用量レベルは様々な因子に依存し、かかる因子としては、処置すべき障害および障害の重篤度;用いる特定の組成物の実体および活性; 患者の年齢、体重、全体的健康、性別および食餌; 投与時期;投与経路;特定の使用される組成物の排出速度; 処置の持続時間;用いる特定の組成物と組み合わせてまたは同時に使用される薬剤および医薬分野で周知の因子が挙げられる。例えば、組成物の用量を所望の治療効果の達成に必要なものより低いレベルから開始して徐々に用量を所望の効果が達成されるまで上げることは当業者の技術範囲内である。所望の場合、有効一日用量は投与目的のために複数用量に分割できる。その結果、単一用量組成物はかかる量または一日用量を構成するその約数を含みうる。
【0070】
用量は個々の医師または対象によって逆の指示がある場合に調整できる。用量は変動し得、毎日1または数用量投与にて1から数日間投与してもよい。ガイダンスは所与のクラスの医薬製品のための適当な用量についての文献にみることができる。
【0071】
さらに、本明細書に開示される栄養補助食品、医薬製剤、送達装置、および/または 食品を対象に投与することによる対象への開示された組成物の送達方法が開示される。開示された組成物 (栄養補助食品、送達装置および医薬製剤を含む)は典型的には経口投与することが出来る。
【0072】
実施例
以下の実施例を、開示された主題による方法および結果を例示するために以下に示す。これら実施例は本明細書に開示される主題のすべての側面を包括的に示すのもではなく、むしろ代表的な方法および結果を例示するものである。これらの実施例は当業者に明らかな本発明の均等物および改変を排除する意図ではない。
【0073】
数値 (例えば、量、温度等)についての正確さを保証するために努力を払っているがいくらかの誤差および偏差が説明されるべきである。特記しない場合、部分は重量部であり、温度は℃であるかまたは周囲温度であり、圧力は大気圧かその周囲である。反応条件、例えば、成分濃度、望ましい溶媒、溶媒混合物、温度、圧力および、記載した方法から得られる生成物の純度および収率を最適にするために用いられ得るその他の反応範囲および条件の様々な改変および組合せが存在する。合理的および常套的な実験のみがかかる方法の条件を最適化することに必要とされる。
【0074】
実施例 1: ポルフィラ組成物
本明細書に開示されるように、ポルフィラ組成物を乾燥製粉したノリとノリ抽出物とを図1に示すようにブレンドすることにより調製した。簡単に説明すると、Noritech Seaweed Biotechnologies Ltd (Yokneam; Israel)から得たノリ海藻を洗浄して付着している塩類を除き、乾燥し、粉砕して微細粉末 (「乾燥製粉ノリ」と称する)とした。
【0075】
乾燥製粉ノリ粉末を次いで水と混合し、40℃で4 時間撹拌し、15 分間遠心分離した。水相を収集した。残った残渣を再び水と混合して第二抽出を上記と同じ条件下で行った。この第二抽出からの水相を第一抽出からの水相と合わせた。合わせた水相の噴霧乾燥後、結果として得られた乾燥ノリ抽出物をさらなる乾燥製粉ノリ粉末とブレンドした。このポルフィラ組成物の特徴を表1に示す。
【0076】
表1: ポルフィラ組成物
【表1−1】

【表1−2】

【0077】
乾燥製粉ノリと乾燥ノリ抽出物との様々な比でのブレンドは、一定の栄養素レベルを保証する手段であり得る。結果として得られた組成物は、ビタミン、ミネラル、タンパク質、および可溶性繊維の栄養海草源として組織的に保証されうる。結果として得られる組成物はまた、必須アミノ酸、抗酸化色素、ビタミンB、およびミネラル、例えば、 カルシウム、亜鉛およびマグネシウムの良好な源でもあり得る。さらなる性質はその低いナトリウムおよび高いカリウム含量である。さらにそれは低脂肪であり得、存在する脂肪は主にポリ不飽和オメガ-3 脂肪酸であるエイコサペンタエン酸である。
【0078】
実施例 2: 糖尿病細胞モデル
American Type Tissue Culture Collection (Manassas、VA)から得た3T3-L1 細胞株はよく特徴づけられた、脂肪細胞のインスリン媒介事象の研究のためのモデルである(例えば、Pessin and Bell、“Mammalian facilitative glucose transporter family: structure and molecular regulation,” Annu. Rev. Physiol.、54:911-930、1992参照)。 分化すると、これら細胞は成熟脂肪細胞の多くの生化学的および形態学的特徴を共有し、インスリン感受性グルコース取り込みが含まれる。分化した 3T3-L1 脂肪細胞を37℃で20 分間インスリン(100 nM)とともにまたはインスリン無しで、様々な濃度のノリ抽出物およびその画分を含めてまたは含めずにインキュベートした。処理は培地の除去により停止し、次いで1 mLの取り込みバッファー (PBS pH 7.4、0.5 mM MgCl2、1 mM CaCl2、2.5 mM KCl)による洗浄工程を行った。細胞を次いで50 μM デオキシ-グルコース (50 μM)および[3H]-デオキシ-グルコース (1 μCi/mL)を含む取り込みバッファー中で28℃ でインキュベートした。非トランスポーター媒介 2-デオキシグルコース取り込みをサイトカラシン B (75 μM)の存在下で並行して測定し、基底および刺激取り込み測定値の両方から差し引いた。取り込みを取り込みバッファー溶液の吸引により10 分後に停止しウェルを迅速に 1 mL 氷冷0.9% NaClで2回洗浄した。細胞を0.05 M NaOH (1 mL/ウェル)中で溶解し、800 μL の溶解液を3 mLのシンチレーション液と混合し、放射能を測定した。残った溶解液 を標準としてウシ血清アルブミンを用いるクーマシータンパク質アッセイを用いる細胞タンパク質含量の測定のために保存した。代表的実験を図2に示し、ここで300 μg/mL のノリ抽出物を(5 nM) インスリンとともにまたはインスリン無しで用いた。これらの知見は、ノリ抽出物が、グルコースの脂肪細胞への輸送を刺激する成分を含むことを示す。
【0079】
この実施例に用いたノリ抽出物はNoritech Seaweed Biotechnologies Ltd (Yokneam; Israel) からのノリ粉末のヘキサンによる第一抽出により得られたものであった。残っている残渣を次にエタノール (95%)により抽出した。この抽出からの残渣を室温で水で抽出した。最後に室温-水 抽出からの残渣 を水で80℃で抽出した。この最後の熱水抽出物がこの実施例で用いたノリ抽出物であった。
【0080】
実施例 3: 2型糖尿病 マウスモデル
2型糖尿病をストレプトゾシン (35 mg/kg 体重、クエン酸ナトリウム緩衝液、pH 4.5に溶解)の毎日 5日間の低用量注射によりマウスにおいて生じさせた。ストレプトゾシン は膵臓のインスリン-酸性β-細胞を破壊する。用いたプロトコールは以下の通り。 C57BL/6J マウスに脂肪およびスクロースに富む食餌を与えた (No. D12451、Research Diets Inc.、New Brunswick、NJ)。ストレプトゾシン処理と高脂肪/高スクロース食餌との組合せにより2型糖尿病状態が生じた。グルコースレベルをグルコメーター(glucometer)を用いて伏在静脈から得た1滴の血液について測定した。その血中グルコースレベルが15から30 mMであればマウスを研究に用いた。マウスを実験開始前約 2 時間飢餓させた。最初の血中グルコースレベル を測定し(時間0)、次いでリン酸緩衝食塩水 (PBS)に溶解したノリ抽出物 (ノリ抽出物 217.4)を腹腔内 注射 (100 mg/ kg 体重) または経口経管栄養 (500 mg/kg 体重)により投与した。 対照動物にはPBSのみを与えた(対照)。 血中グルコースは投与後1、3、および6 時間に測定した。これら調査の結果を図 3Aおよび3Bに示す。
【0081】
この実施例に用いたノリ抽出物 (ON0217.4)はNoritech Seaweed Biotechnologies Ltd (Yokneam; Israel)からのノリ粉末のヘキサンによる第一抽出により得たものであった。残った残渣を次いで エタノール (95%)で抽出した。この抽出からの残渣を次いで水で室温で抽出した。最後に室温-水 抽出からの残渣を水で80℃で抽出した。この最後の熱水抽出物を本明細書において ON0217.4と示す。
【0082】
この水性ノリ抽出物は 100 mg/kg 体重の用量で注射した場合糖尿病マウスにおける血中グルコースを有意に低下させることが見いだされた(図 3A)。この低下は処理の6 時間の間明らかであった。経口経管栄養で与えたノリ (500 mg/kg 体重)は、6-時間の期間にわたって有意な血中グルコース低下をもたらさなかったが、血中グルコースレベルが低下する傾向があった(図 3B)。
【0083】
これらの研究はCanadian Council on Animal Careの規制を完全に遵守して行われた。
【0084】
実施例 4: 免疫調節活性
American Tissue culture Collection (Rockville、MD)から得たマウスマクロファージ 細胞株であるRAW264.7 細胞を、ノリ抽出物の免疫調節活性についての試験に用いた。一酸化窒素の産生をマクロファージ活性化のマーカーとして用いた。RAW 264.7 細胞を培地(フェノールレッド無し)中ウェル当たり2.5 x 105 細胞の密度で48-ウェル プレート に播種し、一晩培養した(80-90% 集密)。細胞を次いで3.91、7.91、15、31.25、および62.5μg/mL のノリ抽出物 (ON201.4) またはChlorella pyrenoidosa 抽出物 (CPE; RESPONDIN商標)、または5 μg/mL リポ多糖 (LPS)で処理した。対照細胞には培地のみを与えた。24 時間後、培地を収集し、凍結した。一酸化窒素産生を亜硝酸塩 レベルをGriess 試薬(1.0% スルファニルアミド、0.10% N-(1-ナフチル)-エチレンジアミン ジヒドロクロリドおよび 2.5% リン酸)を用いて測定することにより評価した。50μlの培地を50 μLの Griess 試薬と混合し、室温で10 分間インキュベートし、結果として得られた吸光度を550 nmで測定した。脱イオン水に溶解した亜硝酸ナトリウムを標準として用いた。
【0085】
ノリのこの試験は、 連続抽出からの水および一段階抽出からの水は有意なマクロファージ活性化をもたらすことを明らかにした。用量応答研究は水抽出物 (ON0201.4) が、免疫調節活性を有することが知られた製品である Chlorella pyrenoidosa 抽出物 (CPE; RESPONDIN商標)により産生されるものと匹敵する亜硝酸塩生成をもたらすことを示した(図 4)。
【0086】
この実施例に用いたノリ抽出物 (ON0201.4)はNoritech Seaweed Biotechnologies Ltd (Yokneam; Israel) からのノリ粉末のヘキサンによる第一抽出により得られたものであった。残りの残渣を次にエタノール (95%)により抽出した。この抽出からの残渣を水で室温で抽出した。最後に室温 水 抽出からの残渣を水で80℃で抽出した。この最後の熱水 抽出物を本明細書においてON0201.4とする。
【0087】
実施例 5: 増殖応答
ノリ抽出物をマウス脾細胞の刺激化増殖の能力について試験した。9-16週齡のBALB/c マウスを頸部脱臼により屠殺し、その脾臓を無菌条件下で取り出し、脾細胞を単離した。脾細胞を96-ウェル平底組織培養プレート中0.1 mLのRPMI 1640培地中に3 x 105 細胞/ウェルにて播種した。ノリ抽出物 (ON201.4)を細胞培地に溶解し、三連のウェルに添加し、最終体積 0.2 mL/ウェルとした。プレートを95% O2 / 5% CO2の加湿雰囲気下で37℃でインキュベートした。LPS (20 ng/mL) を三連のウェルに陽性対照として添加した。48 時間後、細胞を[3H]-チミジン (10 μL RPMI中1 μCi /ウェル)でパルスし、さらに18 時間インキュベートした。細胞をガラス繊維フィルター上に集め、付随する放射能を液体シンチレーションカウンターにより測定した。図 5に示すように、ノリ抽出物 (ONO201.4) は、免疫調節活性を有することが知られている製品であるChlorella pyrenoidosa 抽出物 (CPE; RESPONDIN商標)に匹敵する用量依存的 増殖応答をもたらした。
【0088】
具体的態様
ある側面において、ポルフィラとポルフィラ抽出物のブレンドとを含む組成物が本明細書に開示される。ポルフィラ(Porhpyra)の抽出物を含む組成物も開示され、ここで、抽出物は、第一の有機抽出溶媒によるポルフィラ粉末の抽出、これにより第一抽出残渣が得られる;第一抽出残渣の第二有機抽出溶媒による抽出、これにより第二抽出残渣が得られる;および第二抽出残渣の少なくとも1回の水による抽出、これによりポルフィラ抽出物が得られる、により得られる。さらに、ポルフィラ抽出物を含む組成物が開示され、ここで抽出物はポルフィラ粉末を以下を含む工程により提供することにより得られる (i)ポルフィラの胞子およびスポアリング(sporling)を懸濁培養中で生育させる工程; (ii)成熟したスポアリングを培養タンクに移す工程; (iii) 完全に生育した海藻を収集する工程;および (iv)収集した海藻を乾燥し粉砕する工程、これによりポルフィラ粉末が提供される;ポルフィラ粉末をヘキサンで抽出する工程、これにより第一抽出残渣が得られる; 第一抽出残渣をエタノールで抽出する工程、これにより第二抽出残渣が得られる;第二抽出残渣を水で室温で抽出する工程、これにより第三抽出残渣が得られる; および第三抽出残渣を水で約60から95℃で抽出する工程、これによりポルフィラ抽出物が得られる。ポルフィラとポルフィラ抽出物とを合わせることによる栄養組成物の調製方法も開示される。開示された方法により調製された組成物も開示される。開示された組成物のいずれかを含む錠剤、カプセルまたはサシェも開示される。
【0089】
開示された組成物および方法において、ポルフィラはポルフィラ・エゾエンシス、ポルフィラ・エス・ピー・タイワネゼ、またはそれらの混合物を含みうる。開示された組成物において、ポルフィラは、ポルフィラ・アボタエ、ポルフィラ・アカントフォラ、ポルフィラ・アトロパープラエ、ポルフィラ・コランビナ、ポルフィラ・クリスパタ、ポルフィラ・ファラックス、ポルフィラ・ロイコスティカ、ポルフィラ・ペルフォラータ、ポルフィラ・シュードランセオラタ、ポルフィラ・スピリリス、ポルフィラ・スボルチクラタ、ポルフィラ・トルタ、ポルフィラ・ウンビリカリス、ポルフィラ・ヴィエトナメンシス、ポルフィラ・テネラ、ポルフィラ・ハイタネンシス、ポルフィラ・シュードリネアリス、ポルフィラ・クニエダエ、ポルフィラ・アラサキ、ポルフィラ・パープレア、ポルフィラ・セリアタ、またはそれらの混合物を含みうる。ポルフィラ抽出物は乾燥水性抽出物であってよい。ポルフィラは乾燥製粉されていてもよい。ポルフィラ抽出物は乾燥抽出物であってよい。約1:1 重量部のポルフィラ対ポルフィラ抽出物を開示された組成物および方法に利用することが出来る (即ち、約1重量部のポルフィラを約1重量部のポルフィラ抽出物と組み合わせるとよい)。
【0090】
さらに、ポルフィラは粉砕され開示された組成物および方法に用いられる前に洗浄されていてもよい。また、ポルフィラ抽出物は水性抽出によって得られうる。ポルフィラ抽出物は2以上の水性抽出の組合せでありうる。ポルフィラ抽出物は有機抽出によって得られうる。ポルフィラ抽出物は1以上の有機抽出および1以上の水性抽出によって得られうる。
【0091】
開示された組成物において、組成物の総重量に基づいて、水分含量は約6%未満、強熱残分 (Ash)は約 40%未満であり得、全食物繊維は約 25%を超え得、または総脂質は約0.5%を超えうる。開示された組成物は約 7.0 〜約11.0 mg/g のフィコエリトリン、約 3.0 〜約6.0 mg/gのフィコシアニン、約0.1 〜約0.5 mg/g のクロロフィル a、約0.001 〜約0.100 mg/g のルテイン、または約0.010 〜約0.050 mg/g のベータカロテンを含みうる。開示された組成物は約 40 〜約60 μmole TE/gの抗酸化活性を有しうる。組成物の総重量に基づいて、組成物の全タンパク質含量は約 25 〜約50%、総必須アミノ酸 含量は 約 7.0 〜約10%、または総条件的必須または非必須 アミノ酸 含量は約10 〜約 30%であり得る。開示された組成物は 少なくとも 約6 mg/g イソロイシン、少なくとも 約14 mg/g ロイシン、少なくとも 約10 mg/g リジン、少なくとも 約 2 mg/g メチオニン、少なくとも 約6 mg/g フェニルアラニン、少なくとも 約10 mg/g トレオニン、少なくとも 約0.1 mg/g トリプトファン、少なくとも 約10 mg/g バリン、少なくとも 約 25 mg/g アラニン、少なくとも 約 20 mg/g アルギニン; 少なくとも 約15 mg/g アスパラギン酸、少なくとも 約5 mg/g シスチン、少なくとも 約 25 mg/g グルタミン酸、少なくとも 約12 mg/g グリシン、少なくとも 約1 mg/g ヒスチジン、少なくとも 約 7 mg/g プロリン、少なくとも 約5 mg/g チロシン、または少なくとも 約 9 mg/g タウリンを含みうる。開示された組成物は少なくとも 約0.1 mg/g ビタミン C、少なくとも 約15 μg/g B1 (チアミン)、少なくとも 約 35 μg/g B2 (リボフラビン)、少なくとも 約115 μg/g B3 (ナイアシン)、少なくとも 約 9 μg/g B6 (ピリドキシン)、または少なくとも 約 7 μg/g 葉酸を含みうる。開示された組成物は少なくとも 約1 mg/g カルシウム、少なくとも 約50 mg/g カリウム、少なくとも 約 4 mg/g マグネシウム、少なくとも 約0.0075 mg/g マンガン、少なくとも 約6 mg/g ナトリウム、少なくとも 約6 mg/g リン、または少なくとも 約0.0075 mg/g 亜鉛を含みうる。開示された組成物は約 7 ppm未満のヒ素、約0.75 ppm未満のカドミウム、約 3 ppm未満の鉛、または約0.1 ppm未満の水銀を含みうる。
【0092】
開示された方法において、第一有機抽出溶媒はヘキサンを含みうる。開示された方法において、第二有機抽出溶媒はエタノールを含みうる。開示された方法において、第二抽出残渣は水で 室温で抽出され得、それにより第三抽出残渣が得られ、第三抽出残渣は水で約60 〜約95℃で抽出され得、それによりポルフィラ抽出物が得られる。
【0093】
開示された組成物の何れかを含む栄養補助食品、開示された組成物のいずれかおよび医薬用担体を含む医薬製剤、および開示された組成物の何れかを含む食品も開示される。開示された食品は、焼製品、パスタ、肉製品、冷凍乳製品、乳製品、チーズ製品、卵製品、調味料、スープミックス、スナックフード、ナッツ製品、植物タンパク質製品、ハードキャンディー、ソフトキャンディー、鶏製品、加工果汁、グラニュー糖、ソース、グレービー、シロップ、栄養バー、飲料、乾燥飲料粉末、ジャム、ゼリー、魚製品、またはペットフードを含みうる。
【0094】
さらに、有効量の本明細書に開示される組成物、栄養補助食品、医薬製剤、食品、錠剤、カプセルまたはサシェのいずれかを対象に投与することを含みうる対象における栄養素を補給する方法も開示される。対象における2型糖尿病の治療、インスリン感受性の改善、および/または高血糖の軽減の方法も開示され、それは有効量の本明細書に開示される組成物、栄養補助食品、医薬製剤、食品、錠剤、カプセル、サシェのいずれかを対象に投与することを含む。
【0095】
有効量の本明細書に開示される組成物、栄養補助食品、医薬製剤、食品、錠剤、カプセル、サシェのいずれかを対象に投与することを含む対象における免疫応答 および/または 脾細胞増殖を調節する方法も開示される。
【0096】
対象におけるウイルス感染 の阻害および/または炎症の治療方法も開示され、有効量の本明細書に開示される組成物、栄養補助食品、医薬製剤、食品、錠剤、カプセル、サシェのいずれかを対象に投与することを含む。
【0097】
本発明の枠または精神から逸脱することなく本発明に様々な改良および改変をなしうることが当業者に明らかである。本発明のその他の側面は本明細書および本明細書に開示される本発明の実施を考慮して当業者に明らかである。明細書および実施例は単に例示的なものであると考えるべきであり本発明の真の範囲および精神は添付の請求の範囲によって示されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図 1は、本明細書に開示する組成物の生産のための混合手順を示す模式図である。
【図2】図 2は、3T3-L1 前脂肪細胞によるグルコース取り込みに対するノリ抽出物の刺激作用を示すヒストグラムである。
【図3】図 3 Aは、生理食塩水 (対照)またはノリ抽出物 (100 mg/kg 体重)の腹腔内注射の後のマウスにおける血糖値(mM)のグラフである。図 3Bは、生理食塩水 (対照)またはノリ抽出物 (100 mg/kg 体重)の経口経管栄養を介する投与の後のマウスにおける血糖値 (mM)のグラフである。
【図4】図 4は、ノリ抽出物、Chlorella pyrenoidosa 抽出物 (CPE; RESPONDIN(商標) 、Ocean Nutrition Canada、Dartmouth Canada)、およびリポ多糖 (LPS)により処理されたRAW264.7 マクロファージ細胞における一酸化窒素産生 (μM)の比較を示すヒストグラムである。
【図5】図 5は、ノリ抽出物、Chlorella pyrenoidosa 抽出物 (CPE; RESPONDIN(商標))、およびリポ多糖 (LPS)のマウス脾細胞増殖に対する効果を示すヒストグラムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポルフィラおよびポルフィラ抽出物のブレンドを含む組成物。
【請求項2】
組成物が約1:1 重量部のポルフィラ対ポルフィラ抽出物を含む請求項 1の組成物。
【請求項3】
ポルフィラが、ポルフィラ・エゾエンシス、ポルフィラ・エス・ピー・タイワネゼ、またはそれらの混合物を含む請求項 1の組成物。
【請求項4】
ポルフィラが、ポルフィラ・アボタエ、ポルフィラ・アカントフォラ、ポルフィラ・アトロパープラエ、ポルフィラ・コランビナ、ポルフィラ・クリスパタ、ポルフィラ・ファラックス、ポルフィラ・ロイコスティカ、ポルフィラ・ペルフォラータ、ポルフィラ・シュードランセオラタ、ポルフィラ・スピリリス、ポルフィラ・スボルチクラタ、ポルフィラ・トルタ、ポルフィラ・ウンビリカリス、ポルフィラ・ヴィエトナメンシス、ポルフィラ・テネラ、ポルフィラ・ハイタネンシス、ポルフィラ・シュードリネアリス、ポルフィラ・クニエダエ、ポルフィラ・アラサキ、ポルフィラ・パープレア、ポルフィラ・セリアタ、またはそれらの混合物を含む請求項 1の組成物。
【請求項5】
ポルフィラ抽出物が乾燥水性抽出物である請求項 1の組成物。
【請求項6】
ポルフィラが乾燥製粉されている請求項 1の組成物。
【請求項7】
組成物の総重量に基づいて、水分含量が約6%未満である、強熱残分 (Ash) が約 40%未満である、総食物繊維が約 25%を超える、または総脂質が約0.5%を超える、請求項 1の組成物。
【請求項8】
組成物が約 7.0 〜約11.0 mg/g のフィコエリトリン、約 3.0 〜約6.0 mg/g のフィコシアニン、約0.1 〜約0.5 mg/gのクロロフィル a、約0.001 〜約0.100 mg/g のルテイン、または約0.010 〜約0.050 mg/gのベータカロテンを含む、請求項 1の組成物。
【請求項9】
組成物が 約 40 〜約60 μmole TE/gの抗酸化活性を有する請求項 1の組成物。
【請求項10】
組成物の総重量に基づいて、組成物の総タンパク質含量 が約 25 〜約50%、総必須アミノ酸 含量が約 7.0 〜約10%または総条件的必須または非必須 アミノ酸 含量が約10 〜約 30%である請求項 1の組成物。
【請求項11】
組成物が、少なくとも 約6 mg/gのイソロイシン、少なくとも 約14 mg/gのロイシン、少なくとも 約10 mg/gのリジン、少なくとも 約 2 mg/gのメチオニン、少なくとも 約6 mg/gのフェニルアラニン、少なくとも 約10 mg/gのトレオニン、少なくとも 約0.1 mg/gのトリプトファン、少なくとも 約10 mg/gのバリン、少なくとも 約 25 mg/gのアラニン、少なくとも 約 20 mg/gのアルギニン; 少なくとも 約15 mg/gのアスパラギン酸、少なくとも 約5 mg/gのシスチン、少なくとも 約 25 mg/gのグルタミン酸、少なくとも 約12 mg/gのグリシン、少なくとも 約1 mg/gのヒスチジン、少なくとも 約 7 mg/gのプロリン、少なくとも 約5 mg/gのチロシン、または少なくとも 約 9 mg/gのタウリンを含む請求項 1の組成物。
【請求項12】
組成物が少なくとも 約0.1 mg/gのビタミン C、少なくとも 約15 μg/gのB1 (チアミン)、少なくとも 約 35 μg/gのB2 (リボフラビン)、少なくとも 約115 μg/gのB3 (ナイアシン)、少なくとも 約 9 μg/gのB6 (ピリドキシン)、または少なくとも 約 7 μg/gの葉酸を含む請求項 1の組成物。
【請求項13】
組成物が少なくとも 約1 mg/gのカルシウム、少なくとも 約50 mg/gのカリウム、少なくとも 約 4 mg/gのマグネシウム、少なくとも 約0.0075 mg/gのマンガン、少なくとも 約6 mg/g のナトリウム、少なくとも 約6 mg/gのリン、または少なくとも 約0.0075 mg/gの亜鉛を含む請求項 1の組成物。
【請求項14】
組成物が約 7 ppm未満のヒ素、約0.75 ppm未満のカドミウム、約 3 ppm未満の鉛、または約0.1 ppm未満の水銀を含む請求項 1の組成物。
【請求項15】
請求項 1の組成物を含む栄養補助食品。
【請求項16】
請求項 1の組成物および医薬用担体を含む医薬製剤。
【請求項17】
請求項 1の組成物を含む食品。
【請求項18】
食品が、焼製品、パスタ、肉製品、冷凍乳製品、乳製品、チーズ製品、卵製品、調味料、スープミックス、スナックフード、ナッツ製品、植物タンパク質製品、ハードキャンディー、ソフトキャンディー、鶏製品、加工果汁、グラニュー糖、ソース、グレービー、シロップ、栄養バー、飲料、乾燥飲料粉末、ジャム、ゼリー、魚製品またはペットフードを含む、請求項 17の食品。
【請求項19】
請求項 1の組成物を含む錠剤、カプセルまたはサシェ。
【請求項20】
有効量の請求項 1の組成物を対象に投与することを含む、対象における栄養素を補給する方法。
【請求項21】
有効量の請求項 1の組成物を対象に投与することを含む、対象における2型糖尿病の治療方法。
【請求項22】
有効量の請求項 1の組成物を対象に投与することを含む、対象におけるインスリン感受性を改善する方法。
【請求項23】
有効量の請求項 1の組成物を対象に投与することを含む、対象における高血糖を軽減する方法。
【請求項24】
有効量の請求項 1の組成物を対象に投与することを含む、対象における脾細胞増殖を調節する方法。
【請求項25】
ポルフィラとポルフィラ抽出物とを一緒にすることを含む栄養組成物の調製方法。
【請求項26】
約1 重量部のポルフィラを約1 重量部のポルフィラ抽出物と一緒にする請求項 25の方法。
【請求項27】
ポルフィラが、ポルフィラ・エゾエンシス、ポルフィラ・エス・ピー・タイワネゼ、またはそれらの混合物を含む請求項 25の方法。
【請求項28】
ポルフィラが、ポルフィラ・アボタエ、ポルフィラ・アカントフォラ、ポルフィラ・アトロパープラエ、ポルフィラ・コランビナ、ポルフィラ・クリスパタ、ポルフィラ・ファラックス、ポルフィラ・ロイコスティカ、ポルフィラ・ペルフォラータ、ポルフィラ・シュードランセオラタ、ポルフィラ・スピリリス、ポルフィラ・スボルチクラタ、ポルフィラ・トルタ、ポルフィラ・ウンビリカリス、ポルフィラ・ヴィエトナメンシス、ポルフィラ・テネラ、ポルフィラ・ハイタネンシス、ポルフィラ・シュードリネアリス、ポルフィラ・クニエダエ、ポルフィラ・アラサキ、ポルフィラ・パープレア、ポルフィラ・セリアタ、またはそれらの混合物を含む請求項 25の方法。
【請求項29】
ポルフィラ抽出物が1以上の水性抽出によって得られる請求項 25の方法。
【請求項30】
ポルフィラ抽出物が有機抽出によって得られる請求項 25の方法。
【請求項31】
ポルフィラ抽出物が1以上の有機抽出および1以上の水性抽出によって得られる請求項 25の方法。
【請求項32】
ポルフィラ抽出物が乾燥抽出物である請求項 25の方法。
【請求項33】
請求項25の方法によって調製される組成物。
【請求項34】
以下の工程を含む方法によって得られるポルフィラ抽出物を含む組成物:
a.ポルフィラ粉末を第一有機抽出溶媒で抽出する工程、これにより第一抽出残渣が得られる;
b.第一抽出残渣を第二有機抽出溶媒で抽出する工程、これにより第二抽出残渣が得られる;および
c.第二抽出残渣を 少なくとも1回水で抽出する工程、これによりポルフィラ抽出物が得られる。
【請求項35】
第一有機抽出溶媒が ヘキサンを含む請求項 34の組成物。
【請求項36】
第二有機抽出溶媒がエタノールを含む請求項 34の組成物。
【請求項37】
第二抽出残渣が水で室温で抽出され、それによって第三抽出残渣が得られ、第三抽出残渣が約60 〜約95℃の水で抽出され、それによりポルフィラ抽出物が得られる請求項 34の組成物。
【請求項38】
以下の工程を含む方法によって得られるポルフィラ抽出物を含む組成物:
a.ポルフィラ粉末を以下を含む工程により提供する工程:
i. ポルフィラの胞子およびスポアリングを懸濁培養中で生育させる工程;
ii.成熟したスポアリングを培養タンクに移す工程;
iii.完全に生育した海藻を収集する工程; および
iv.収集した海藻を乾燥および粉砕する工程、これによりポルフィラ粉末が得られる;
b.ポルフィラ粉末を ヘキサンで抽出する工程、これにより第一抽出残渣が得られる;
c.第一抽出残渣をエタノールで抽出する工程、これにより第二抽出残渣が得られる;
d.第二抽出残渣を水で室温で抽出する工程、これにより第三抽出残渣が得られる; および
e.第三抽出残渣を水で約60〜 95℃で抽出する工程、これにより、ポルフィラ抽出物が得られる。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2009−531413(P2009−531413A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502262(P2009−502262)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【国際出願番号】PCT/IB2007/002849
【国際公開番号】WO2007/144779
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(502390201)オーシャン・ニュートリション・カナダ・リミテッド (7)
【Fターム(参考)】