説明

マイクロ流体伝達システム

微小な環境内で流体を伝達するためのマイクロ流体伝達システムであって、マイクロ流体伝達システムは、(a)第1端部、第2端部及び外面を有する細長い本体と、(b)細長い本体内に形成された複数の穴であって、流体をそこに流すために細長い本体の長さの少なくとも一部に沿って伸びる複数の穴と、(c)少なくとも二つの穴と流体連結し、細長い本体を通る複数の潜在的流体通路を画定するように、重要で予め決められた配置及び配向で細長い本体内で前記複数の穴の少なくとも二つと交差する、少なくとも一つの相互連結スロットとを備える。マイクロ流体伝達システムは、アクセススロットと穴の一つが互いに流体連通するように、重要で予め決められた配置及び配向で細長い本体内で前記複数の穴の一つと交差する少なくとも一つのアクセススロットを更に備え、アクセススロットは細長い本体内で付加的な潜在的流体通路をさらに画定する。マイクロ流体伝達システムは、複数の穴の各々内に配置された少なくとも一つのロッドを更に備え、ロッドは、特定の予め決められた流体通路及びそれに続く流体流路を画定するため、及び、流体流路を通る流体の流れを処理及び制御するために選択的に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連したアプリケーション)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれた、名称が「マイクロ流体伝達システム」の2007年2月22日に提出した米国仮出願No.60/903139号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、ポンプ、バルブなどの流体管理システムに関し、特に、マイクロポンプ、マイクロバルブ、マイクロモーターなどのマイクロ流体管理叉は伝達システムと、微小叉は超縮小環境で流体の流れを制御するように構成され設計されたマイクロ流体管理システムの製造に関する。本発明は、また、マイクロ電磁気システム(MEMS)及び様々なマイクロ流体装置に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロポンプ、マイクロバルブ、マイクロモーターなどのマイクロ流体装置に関するマイクロ流体工学の分野は、超縮小環境で形成され作動できる流体輸送叉は伝達システムを機能することを可能にした最近の技術的進歩に鑑みて、著しい勢いがついた。そのような技術のためのいくつかの実現された潜在的アプリケーションは、マイクロ流体装置に対する関心をさらに活気づけた。
【0004】
マイクロ流体装置は、液体のとても少ない量の操作が動作または他の作業を実行するのを許容する。マイクロ流体装置は、装置内で流体を操作及び分析するために、いろいろな構成要素を含む。一般的に、これらの構成要素は、シリコン、ガラス、セラミック、プラスチック、及び/叉は石英でできた物質で微小製造される。これらのいろいろな流体処理構成要素は、同じ物質でエッチングされ、そこを通って流体が流体推進メカニズムの制御に基づいて流れる微小チャンネルによって連結される。電子構成要素は基板の上でも作られることができ、センサーを許容し、同じ装置に取り入れられた回路を制御する。構成要素の全てが従来の写真平板技術を使用して作られるので、マルチコンポーネント装置は複雑かつ一体化されたシステムに容易に組み立てられることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の関連したマイクロ流体装置またはシステムに関連した一つの問題は、例えば、インプットポート及びアウトプットポートなどの様々なポートを形成する場合で、内部分を外部分に流体連結することが困難なことである。ポンプ及びバルブを通る様々な流体通路を形成することは、普通のポンプ及びバルブでは容易に成し遂げられるが、一般のアプローチは、超縮小環境では実行不可能であると証明された。実際、一般の製造方法を使用してガラス管に穴をあけるか機械加工することは困難である。そのように、マイクロ流体装置またはシステムは、現在の製造方法によってそれらの大きさに制限され、その大きさの制限は、それらのアプリケーションで対応する制限に帰着する。換言すれば、製造方法の改善が、システムがかなり小さくつくられることができる点で成し遂げられることができるならば、超縮小マイクロ流体伝達システムが使用されることができるいくつかの潜在的アプリケーションが残る。
【0006】
マイクロポンプなどのマイクロ流体システムの開発は、すなわち、医療、産業、及び他の分野で多くの著しい進歩を提供するチップ技術の研究として一般に呼ばれるある特定のアプリケーションにあげられる。実際、多くの試みは、流体伝達機能を実施することができる流体伝達構成要素を最小にすることにより、マイクロ流体装置をチップに取り入れさせられた。
多くのマイクロ流体システムは、電磁気及び圧電性力によって駆動される。他は、空気、熱空気、熱電気、形状記憶合金及び他の力によって駆動されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
先行技術に固有の問題及び欠如を考慮し、本発明は、微小な環境で使用するために構成されると共に、簡単で高価的なポンプ及びバルブ動作を提供するように構成されたマイクロ流体伝達システムを提供することによって、これらを解決するものである。
【0008】
本発明が先行技術の欠如を解決する一つの方法は、マイクロポンプ叉はマイクロバルブ本体の側面の穿孔されたあるいは機械加工されたアクセス穴を、細長い本体内に形成された一つ以上の穴にアクセスするスロットに代えることである。スロットはいろいろな方法でつくられ、ミクロ環境で製造するのが容易である。そして、スロットは、封じ込めシステムで覆われあるいは分離され、そのシステムは、流体通路をつくるために作動し、所望の方法で流体の流れを制御する。
【0009】
本明細書で具現化され広く記載された一つの代表的な実施例によれば、本発明は、微小な環境内で流体を伝達するためのマイクロ流体伝達システムを特徴とする。このマイクロ流体伝達システムは、(a)第1端部、第2端部及び外面を有する細長い本体と、(b)細長い本体内に形成された複数の穴であって、流体をそこに流すために細長い本体の長さの少なくとも一部に沿って伸びる複数の穴と、(c)少なくとも二つの穴と流体連結し、細長い本体を通る複数の潜在的流体通路を画定するように、重要で予め決められた配置及び配向で細長い本体内で前記複数の穴の少なくとも二つと交差する、少なくとも一つの相互連結スロットとを備える。
マイクロ流体伝達システムは、アクセススロットと穴の一つが互いに流体連通するように、重要で予め決められた配置及び配向で細長い本体内で前記複数の穴の一つと交差する少なくとも一つのアクセススロットを更に備え、アクセススロットは細長い本体内で付加的な潜在的流体通路をさらに画定する。
マイクロ流体伝達システムは、複数の穴の各々内に配置された少なくとも一つのロッドを更に備え、ロッドは、特定の予め決められた流体通路及びそれに続く流体流路を画定するため、及び、流体流路を通る流体の流れを処理及び制御するために選択的に配置される。
マイクロ流体伝達システムは、細長い本体を囲みかつ収容するために構成されたハウジングを更に備え、ハウジングは、(i)細長い本体を受け入れるように構成された内部分と、(ii)ハウジングと前記細長い本体との間に故意でない流体の流れを防止するために前記ハウジングを前記細長い本体に対して密閉する複数のシール部と、(iii)流体が前記ハウジングを通って通過するために前記ハウジングに形成され、前記細長い本体と流体連結して形成された少なくとも一つの流体通路とを備える。
本発明は、マイクロ流体ポンプを特徴とする。このマイクロ流体ポンプは、(a)流体をそこに流すために細長い本体の長さの少なくとも一部に沿って伸びる細長い本体に形成された複数の穴とを有する細長い本体と、(b)前記少なくとも二つの穴を流体的相互連結するように、重要で予め決められた配置及び配向で前記穴の二つと交差する、前記外面を通して形成された少なくとも一つの相互連結スロットと、(c)前記穴と流体連通になるように、重要で予め決められた配置及び配向で前記穴の一つと交差する、少なくとも一つのアクセススロットであって、前記複数の穴、前記相互連結スロット及び前記少なくとも一つのアクセススロットは、前記細長い本体を通る複数の流体通路を画定するために機能する、少なくとも一つのアクセススロットと、(d)前記複数の穴の各々内にそれぞれ摺動的に配置された少なくとも一つのロッドであって、前記穴内に選択的に配置される選択された流体の流路に関して流体の流れを促進するための少なくとも一つの凹部を備える、少なくとも一つのロッドと、(e)特定の予め決められた流体の流路及び流体の流れの通路を画定すると共に、前記特定の予め決められた流体の流路を通して流体をポンプで汲み上げる位置に前記ロッドを置換する少なくとも一つのロッドを作動する手段とを備える。
マイクロ流体ポンプは、他の予め決められた流体の流路及び流体の流れの通路を画定するために、前記少なくとも一つのロッドを再配置することを更に備える。
本発明は、さらに、マイクロ流体伝達システムの製造方法を特徴とする。このマイクロ流体伝達システムの製造方法は、(a)第1端部及び第2端部を有する細長い本体を形成することと、(b)流体をそこに流すために前記細長い本体の長さの少なくとも一部に沿って伸びる複数の穴を前記細長い本体内に形成することと、(c)前記複数の穴の少なくとも二つと交差しかつ流体的に相互連結し、従って前記細長い本体を通る複数の潜在的流体通路を画定するために、相互連結スロットを前記細長い本体内に形成することとを備える。
【0010】
マイクロ流体伝達システムの製造方法は、前記複数の穴の一つと交差しかつ流体連結する少なくとも一つのアクセススロットを前記細長い本体内に形成することを更に備え、前記アクセススロットは、付加的な潜在的流体通路をさらに画定する。
【0011】
さらに、本発明は、微小な環境内で流体の流れを伝達するための方法を特徴とする。この方法は、(a)マイクロ流体伝達システムを提供することを備え、前記マイクロ流体伝達システムは、(i)外面、第1端部及び第2端部を有する細長い本体と、(ii)前記細長い本体内に形成された複数の穴であって、流体をそこに流すために前記細長い本体の長さの少なくとも一部に沿って伸びる複数の穴と、(iii)前記細長い本体を通る複数の潜在的流体通路を画定するように、重要で予め決められた配置及び配向で前記複数の穴の少なくとも一つと交差する、前記細長い本体の外面を通って形成された少なくとも一つのスロットと、(iv)前記複数の穴の各々内に配置された少なくとも一つのロッドであって、特定の予め決められた複数の流体通路を画定するため前記複数の穴の各々内に選択的に配置されている少なくとも一つのロッドとを備え、前記方法は、更に、(b)少なくとも部分的に流体を収容する微小な環境に前記マイクロ流体伝達システムをさらすことと、(c)流体がそこを通って伝達される特定の予め決められた流体通路及び流体流路を画定するために、前記穴内である位置に置換するように前記少なくとも一つのロッドを作動することとを備える。
【0012】
本発明は、添付の図面と関連してとられた以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。これらの図面は単に本発明の代表的な実施例を示すだけであるという条件で、従って、これらの図面は、その範囲を制限するものではない。図面及び本明細書に概ね記載され図示されるように、本発明の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置され設計されることができることを容易に理解されよう。それでもなお、本発明は、添付の図面の使用を通して、付加的な特殊性及び詳細で記載され説明されよう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の代表的な実施例によるマイクロ流体伝達システムの斜視図を示す。
【図2】図2は、本発明の他の代表的な実施例によるマイクロ流体伝達システムの斜視図を示す。
【図3】図3は、本発明のさらに他の代表的な実施例によるマイクロ流体伝達システムの斜視図を示す。
【図4】図4は、本発明のさらに他の代表的な実施例による、図3−Aと類似したマイクロ流体伝達システムの斜視図を示す。
【図5−A−5−D】図5−A乃至図5−Dは、マイクロポンプとして構成された図3−Aの代表的なマイクロ流体伝達システム、マイクロ流体伝達システムのいくつかの動作段階、及び代表的なポンピングサイクルの実行中の構成要素を示す。
【図6】図6は、本発明の他の代表的な実施例によるマイクロ流体伝達システムの斜視図を示す。
【図7】図7は、本発明の他の代表的な実施例によるマイクロ流体伝達システムの斜視図を示す。
【図8−A−8−C】図8−A乃至図8−Cは、注封型内に収容されたマイクロ流体伝達システムの斜視図、側面及び前面をそれぞれ示す。
【図9】図9は、本発明のさらに他の代表的な実施例によるマイクロ流体伝達システムの斜視図を示す。
【図10】図10は、本発明のさらに他の代表的な実施例によるマイクロ流体伝達システムの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の本発明の代表的な実施例の詳細な説明は、本明細書の一部分を形成し、本発明が実施される代表的な実施例が図示によって示される添付図面を参照する。これらの実施例は、当業者が本発明を実施することができるように十分に詳細に説明されるが、他の実施例が達成され、本発明の変形例が本発明の精神及び範囲内から逸脱しないでなされることを理解されるべきである。したがって、以下の本発明の実施例のより詳細な説明は、図1乃至図10に示されるように、特許請求の範囲に記載されているように、本発明の範囲を制限せず、そして、本発明の動作の最良の形態を述べるため及び当業者が本発明を十分に実施することができるために本発明の特徴及び特性の記載の説明だけの目的でありその記載に制限するものではない。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲だけによって画定される。
【0015】
以下の本発明の詳細な説明及び代表的な実施例は、本発明の構成要素及び特徴が符号によって示された添付の図面を参照することにより最も理解されるであろう。
その大部分の定義及び以下に説明された各実施例の共通においては、本発明は、典型的に堅固な本体構造の形態の細長い本体を備えるマイクロ流体伝達システムを特徴とし、細長い本体は、そこに形成された一つ以上の、縦方向の穴叉は穴を有する。さらに、細長い本体は、そこに形成された一つ以上の、上記一つ以上の穴と流体連通されるポート叉はスロットを有する。ポート叉はスロットは、細長い本体を通る複数の潜在的な流体通路を画定するように、重要な予め決められた位置及び向きで穴と交差するように構成される。マイクロ流体伝達システムは、マイクロポンプ、マイクロバルブ、マイクロセンサー、及び他のマイクロ流体装置として機能するように設計及び構成される。
【0016】
本発明の1つの特定の利点は、従来の関連したマイクロ流体伝達システムによって以前達成できないアプリケーションで使用することができる極小の流体伝達システムを製造できることである。本発明のマイクロ流体伝達システムは、本発明のマイクロ流体伝達システムを形成するのに使用される独特な製造技術叉は方法のために非常に小さく作ることができる。そのような方法または技術を使用して、ポンプ、バルブなどの非常に小さい作動システムは、新しいMEMS装置を作るため、チップオペレーションでの研究を提供するため、移植可能なシステムとして使用されるため、及びその他のためなどのいろいろな関連分野で作動させられるかもしれない。さらに、魅力あるアプリケーションは、薬の送出などの一つ以上の目的のために靭帯に挿入されることができる移植可能なマイクロ流体システムである。
【0017】
マイクロ流体伝達システムは、一つ以上の穴内にそれぞれ摺動的に配置されるように形状付けられた一つ以上のロッドをさらに備える。ロッドは、選択的に配置されかつ位置を変えられるように構成され、細長い本体を通ると共に特に穴とポートを通るさまざまな特定の及び予め決められた流体通路と後続の流体流路を画定すると共に、細長い本体を通る流体の流れを操作し制御する。基本的に、ロッドの移動及び配置は、マイクロ流体伝達システムを通る流体の移動を決定する。
【0018】
図1に関し、第1の代表的な実施例によるマイクロ流体伝達システムが示され、このマイクロ流体伝達システムは、単純な流体の流れの管理のために構成された単一の穴設計を備える。図示のように、マイクロ流体伝達システム10は、細長い本体及びロッドの相対的配置設計によって決まる、マイクロポンプまたはマイクロバルブとして機能する。第1の代表的な態様叉は相対的配置設計では、マイクロ流体伝達システム10は、マイクロポンプとして機能するように構成される。具体的には、マイクロ流体伝達システム10は、第1端部18、第2端部22、外面26、外径dを有する細長い本体14を備える。直径diをもつ円形の横断面を有する単一の穴30が、細長い本体14内で縦軸方向に形成されている。穴30は、好ましくは細長い本体14の中心縦軸線と共軸であるように配置されている中心軸線を備え、従って、穴30を細長い本体14の中央内に配置する。しかしながら、さらに、穴30は、その中心軸線が細長い本体14の中心縦軸線からあらゆる方向にオフセットされるように、形成されることができる。
【0019】
細長い本体14は、流入ポート40と流出ポート44をさらに備える。流入ポート40と流出ポート44は、穴30に対して横方向に細長い本体内に形成される。さらに、流入ポート40と流出ポート44は、細長い本体14の外面26から穴30まで伸びる。従って、流入ポート40と流出ポート44は、穴30に流体連結される。さらに、流入ポート40と流出ポート44は、穴30を、細長い本体14を隣接して囲む環境あるいは流入ポート40と流出ポート44に関連したハウジング、チューブ叉は他の構造に流体連結するために機能する。
【0020】
本明細書中に記載された全ての実施例に関し、別段の明記がない限り、細長い本体は、微小寸法、好ましくは直径が1000乃至2000マイクロメートルで、長さが10000乃至20000マイクロメートル(1乃至2cm)で構成される。また、他の微小寸法が、本発明の対象、概念叉は目的に合わせて考えられる。さらに、細長い本体は、ガラス材で作られているのが好ましい。また、高融点をもつ酸化物、炭化物、窒化物、カーボン、及び他の非金属からなるセラミック材、石英材、アルミナ材、雲母材、ドロマイト材、ジルコン材、酸化マグネシウム材、サファイヤ材、モノリシック材、カルシウム材、窒化物材、尖晶石材、及び、本明細書中に特に記載されていない他の材料などのその他の材料が考えられる。
【0021】
マイクロ流体伝達システム10は、細長い本体14の穴30内に嵌合可能かつ摺動可能に配置された一つ以上のロッドをさらに備える。図示のように、マイクロ流体伝達システム10は、二つの別個のロッド、すなわちピストンロッド48−a、48−bを備える。ピストンロッド48−a、48−bは、穴30内で前後に選択的に配置されるように構成され、従って流体をくみ上げる特定的な位置を達成する。各ピストンロッド48−a、48−bを穴30内でかつ流入ポート40と流出ポート44のまわりに選択的に配置することは、細長い本体14を通る流体の流れ、特に穴30及び流入ポート40と流出ポート44を通る流体の流れを制御するために機能する。
【0022】
さらに、互いに関して各ピストンロッド48−a、48−bの置換を制御することは、マイクロ流体伝達システム10を通る流体を積極的にくみ上げるために機能する。そのように、本発明は、選択的な方法でピストン及びバルブロッドを作動叉は振動させるためのさまざまな手段をさらに備え、穴と、穴を細長い本体の外面まで横切りかつ流体連結する流体通路とを通る流体の流れを制御する。代表的な一実施例では、ロッドは、それぞれがロッドに連結された金属構成要素を備えるロッドを動かすために磁石が選択的に作動される磁気源で作動させられる。他の代表的な実施例では、ロッドは、各ロッドで使用できるソレノイドによって駆動される。金属的構成要素でロッドを構成することによって、ソレノイドは、穴内でのロッドの双方向の動きを選択的に制御するために電流をそれに供給することによってソレノイドが作動することができる細長い本体の第1端部及び第2端部の各々に作動的に連結されることができる。さらに他の代表的な実施例では、電気機械システムは、ロッドを駆動叉は振動させるために利用されることができる。
【0023】
ピストンロッド48−a、48−bは、穴30の直径dよりもわずかに小さい外径dで構成され、それによって、ロッド48が穴30内で嵌合及び摺動するのを許容する。ピストンロッド48−a、48−bと穴30の内面は、それらの間でクリアランス公差を備えるように形状付けられている。クリアランス公差は、各端部を越える流体の流れ及びピストンロッド48−a、48−bの各面62−a、62−bの周囲の流体の流れを阻止する、叉は、マイクロ流体伝達システム10が装備される全システムの特定の流れ条件に依存して、各端部を越える予め決められた流体の流れ及びピストンロッド48−a、48−bの各面62−a、62−bの周囲の予め決められた流体の流れを許容する。
【0024】
本明細書中に記載された全ての実施例に関し、別段の明記がない限り、ロッド(ピストンまたはバルブ)もまた、典型的に、直径が200乃至300マイクロメートルで、長さが10000乃至30000マイクロメートル(1乃至3cm)の微小寸法である。また、他の微小寸法が、本発明の開示に合わせて考えられる。
【0025】
ピストンロッド48−a、48−bは、ガラス材からなるが、細長い本体14に関連した説明で上述されたものなどの他の材料がこれらの構成に使用されることができる。
図1に示され及び本明細書に記載されたマイクロ流体伝達システム10の代表的な単一の中央に配置されたボアの実施例を使用する代表的なポンプ作動において、4つのステップは、単一のマイクロポンプサイクルを画定すると表現されることができる。最初に、初期ステップとして、ピストンロッド48−bの第1端部50−bがそうであるようにピストンロッド48−aの第2端部52−aが流入ポート40の左側に配置され、従って、流入ポート40及び流出ポート44の双方を閉じる。第2ステップでは、ピストンロッド48−bは、ピストンロッド48−a及び流入ポート40から離れて置換させられ、従って、流入ポート40を開き、流入ポート40を通って穴30の中に流体を吸入する。その第1端部50−bが流出ポート44の右側に配置されるような間隔でピストンロッド48−bが置換され、従って、流出ポート44を開く。第3ステップでは、ピストンロッド48−aがピストンロッド48−b及び流出ポート44の方へ置換させられる。このように、ピストンロッド48−aの置換は、流入ポート40を効果的に閉じ、続いて穴30を通り流出ポート44から出る流入流体を押圧する。ピストンロッド48−aは、流体の全部叉は一部分がシステム10から噴出されるまで置換されることができる。第4ステップでは、ピストンロッド48−a及びピストンロッド48−bは、第1ステップで述べた最初の開始位置に動かされ、上記プロセスが繰り返され、従って、流体が微小型環境でポンプで汲み出されるのを許容する。
実質的に、流入ポート40及び流出ポート44について叉は流入ポート40及び流出ポート44に関して、ロッド48−a及び48−bを必要に応じて選択的に配置及び移動することは、開閉するために機能し、それによって、これらのポート及び細長い本体14を通じた流体の流れを規制する。換言すると、ピストンロッド48−a及び48−bの選択的な位置は、そこを通って流体が流れようとするマイクロ流体伝達システム10内にさまざまな流体通路をつくるために機能する。例えば、流入ポート40を開き、流出ポート44を閉じるために、その端部52−aが流入ポート40の前方叉は図1に示された流入ポート40の左側に配置されるようにピストンロッド48−aが配置されると共に、流出ポート44がピストンロッド48−bの第1端部50−bと第2端部52−bとの間にあるようにピストンロッド48−bが配置されることができる。この構成では、流体は、流入ポートだけを通って流れる。明らかに、単に穴30内でピストンロッド48−a及び48−bを配置及び移動叉は再配置することにより、流入ポート40及び流出ポート44の双方を同時に開く叉は閉じること、流入ポート40を閉じて流出ポート44を開くこと、流出ポート44を閉じて流入ポート40を開くことなど他の構成が可能である。穴30内でのピストンロッド48−a及び48−bの選択的な位置決め及び移動叉は再配置することは、所望の流体通路及びマイクロ流体伝達システム10に入る及びマイクロ流体伝達システム10から出る及びマイクロ流体伝達システム10内の対応する流路を作る必要があるたびごとに実行されることができる。
当業者に明らかであるように、上述した能動的ポンピング機能に加えてあるいはアクティブポンピング機能よりもむしろ、一つ以上の受動的バルブ機能を実施するように、ピストンロッド48−a及び48−bは構成されることができることに留意される。
また、図1は、ピストンロッド48−a及び48−bがバルブロッド66として示された単一のバルブロッドと入れ替えられ、穴30に流体連結された出力ポート40−a及び44−aとして示された二つのポートが加えられた、マイクロ流体伝達システム10のための代替的な代表的形態設計を示す。システム10を流体を能動的にポンプで汲み出させるのに用いられる代わりに、この代替的な構成は、マイクロ流体伝達システム10がマイクロバルブとして受動的な態様で作動するのを許容する。バルブロッド66は、組み合わせロッド48−a及び48−bと同じように、すなわち、細長い本体14の穴30、流入ポート40、(ここでは流入ポート)44、及び、追加の出力ポート40−a及び44−aを通る流体の流れを管理するように機能する。出力ポート40−a及び44−aは、流入ポート40及び44と直接的に一列になるように配置され、あるいは、図1に示されるようにオフセットされることができる。
バルブロッド66は、その表面77に刻まれ、あるいは形成された凹部分74を備える。凹部分74は、バルブロッド66の残りの部分の断面領域及び直径よりも減少した断面領域あるいは小さい直径を備える。凹部分74が流入ポート40及び出力ポート40−aと整合されるようにバルブロッド66を配置することは、流体の流れのための通路を提供することによってそのポートを開くために効果的に機能する。また、凹部分74は、流入ポート44及び出力ポート44−a上に選択的に配置され、これらのポートを所望のように選択的に開閉することができる。従って、加圧された流体は、バルブロッド66の位置によってシステム10を通って流れるのを許容される。代替的に、バルブロッド66は、バルブロッド66の表面に適当に形成された凹部分74―bとしてファントム画法で示された第2の凹部分を備えることができ、従って、穴30、流入ポート40及び44、及び、出力ポート40−a及び44−aを通る流体の流れを規制叉は管理するためにバルブロッドが動かなければ成らない距離を減少する。
図2に関し、第2の代表的な実施例によるマイクロ流体伝達システムが示され、このマイクロ流体伝達システムは、マイクロ流体の流れの伝達及び処理のために構成された二つの穴設計を備える。図示のように、マイクロ流体伝達システム110は、後述するように、システム及びロッドの相対的配置設計及び機能によって決まる、マイクロポンプまたはマイクロバルブとして機能する。
第1の代表的な特徴あるいは相対的配置設計では、マイクロ流体伝達システム110は、マイクロポンプとして機能するように構成される。具体的には、マイクロ流体伝達システム110は、第1端部118、第2端部122、外面126、外径dを有する細長い本体114を備える。直径di1をもつ円形の横断面を有する第1の穴130が、細長い本体114内で縦軸方向に形成されている。第1の穴130は、細長い本体114の長さを伸びることができるが、細長い本体114の長さを部分的に伸びて示されている。このように、細長い本体14は、第1の穴130を通る流体の流れに対して障害物として機能する。また、第2の穴132が、細長い本体114内で縦軸方向に形成されている。また、第2の穴132は、直径di2をもつ円形の横断面を有する。さらに、第2の穴132は、細長い本体114の長さを伸びることができるが、細長い本体114の長さを部分的に伸びて示されている。そのように、第1の穴130及び第2の穴132の縦方向叉は中心軸線は、互いにオフセットされかつ並行である。
細長い本体114は、流入ポート140と流出ポート144をさらに備える。流入ポート140と流出ポート144は、第1の穴130及び第2の穴132に対して横方向に細長い本体内に形成される。さらに、流入ポート140と流出ポート144は、細長い本体114の外面126から第1の穴130及び第2の穴132まで伸びる。従って、流入ポート140と流出ポート144は、第1の穴130及び第2の穴132の各々に流体連結される。さらに、流入ポート140と流出ポート144は、図示のように、第1の穴130を第2の穴132に流体連結する。さらに、流入ポート140と流出ポート144は、第1の穴130及び第2の穴132を、細長い本体114を隣接して囲む環境あるいは流入ポート140と流出ポート144に関連したハウジング、チューブ叉は他の構造に流体連結するために機能する。
マイクロ流体伝達システム110は、細長い本体114の第1の穴130及び第2の穴132内に嵌合可能かつ摺動可能に配置された一つ以上のロッドをさらに備える。図示のように、マイクロ流体伝達システム110は、二つの別個のロッド、すなわちピストンロッド148及びバルブロッド166を備える。ピストンロッド148は、第1の穴130内で前後に選択的に配置されるように構成され、従って流体をくみ上げる特定的な位置を達成する。ピストンロッド148は、好ましくは均一な横断面を備える。
一方、バルブロッド166は、第2の穴132内で前後に選択的に配置されるように構成され、流入ポート140及び流出ポート144を開閉する。バルブロッド166は、実質的に均一な横断面を備え、第1凹部174−a及び第2凹部174−bとして示されたそこに形成された一つ以上の凹部を有する。第1凹部174−a及び第2凹部174−bは、それらの減少した横断面のために流入ポート140及び流出ポート144と整合されるときに流入ポート140及び流出ポート144を通って流体が流れるのを許容するために機能する。当業者に理解されるように、凹部174−a及び174−bは、予め決められかつ適当な長さを備えるように構成される。本質的に、ピストンロッド148及びバルブロッド166は、互いに関連して動くように設計され、マイクロ流体伝達システム110内で様々なポンプで汲み出す状態及び/叉はバルブで調節する状態を達成する。
流入ポート140及び流出ポート144についての、第1穴130内でのピストンロッド148及び第2穴132内でのバルブロッド166の各々の選択的な位置は、それぞれ、細長い本体114、特に流入ポート140及び流出ポート144と共に穴130及び132を通る流体の流れを制御するために機能する。システム10は、ロッドの構成及び能動状態及び/叉は受動状態により、ポンプとして叉はバルブとして作動されることができる。
【0026】
上述のロッドと同様に、ピストンロッド148及びバルブロッド166は、第1の穴130及び第2の穴132の直径di1及び直径di2よりもわずかに小さい外径dr1及び外径dr2でそれぞれ構成され、それによって、ロッド148及び166がそれぞれの穴内で嵌合及び摺動するのを許容する。ピストンロッド148と穴130の内面は、それらの間でクリアランス公差を備えるように形状付けられている。クリアランス公差は、端部152を越える流体の流れ及びピストンロッド148の面154の周囲の流体の流れを阻止する、叉は、マイクロ流体伝達システム110が装備される全システムの特定の流れ条件に依存して、端部152を越える予め決められた流体の流れ及びピストンロッド148の面154の周囲の予め決められた流体の流れを許容する。同様に、バルブロッド166と穴132の内面は、それらの間でクリアランス公差を備えるように形状付けられている。クリアランス公差は、端部168を越える流体の流れ及びバルブロッド166の面172の周囲の流体の流れを阻止する、叉は、端部152を越える予め決められた流体の流れ及びバルブロッド166の面172の周囲の予め決められた流体の流れを許容する。
【0027】
図2に示され及び本明細書に記載された二つの穴をもつマイクロ流体伝達システム110を使用する代表的なマイクロポンプ作動において、4つのステップは、単一のポンプサイクルを画定すると表現されることができる。最初に、初期ステップとして、ピストンロッド148が完全に叉は実質的に第1穴130の中にあるようにピストンロッド148が配置される。逆に、第1凹部174−aが流入ポート140と整合され、従って流入ポート140を開くように、バルブロッド166は配置される。従って、流出ポート144は閉じられる。第2ステップでは、バルブロッド166を固定された状態に保って、ピストンロッド148が第1穴130の開口の方へ置換させられ、その動きは、流体を流入ポート140を通じて第1穴130の中に引き込む。第3ステップでは、ピストンロッド148を固定された状態に保って、第2凹部174−bが流出ポート144と整合するようにバルブロッド166が動かされあるいは再整合され、従って、流出ポート144が開けられ、流入ポート140が閉じられる。第4ステップでは、このように流出ポート144が開けられた状態で、ピストンロッド148が再び第1穴130の中に置換させられる。このように、ピストンロッド148の置換は、流体投入量を第1穴130の中に押圧叉は押し出し、流出ポート144の外へ押圧叉は押し出すために機能する。これらのステップは、所望のポンピング動作を達成する必要があるごとに及びあらゆる回数で繰り返される。
【0028】
図2に示され及び本明細書に記載された二つの穴をもつマイクロ流体伝達システム110を使用する代表的なマイクロバルブ作動において、ピストンロッド148は(第1穴130がふさがれた状態で)取り除かれ、あるいは、流入ポート140及び流出ポート144が流体連結されるのを許容する位置に一定の状態で保持される。他方、バルブロッド166は、システム10を通る加圧された流体の流れを管理叉は規制するために流入ポート140及び流出ポート144を開閉するために置換させられる。
【0029】
本発明のマイクロ流体伝達システムは、複数の双方の流入及び流出ポート、及び、各々が細長い本体内に形成された複数の穴を備えることができることが明らかであろう。また、流入及び流出ポートが細長い本体の長さに沿ってあらゆる位置に配置されることができること、及び、穴が互いに対してあらゆる位置に配置されることができることが当業者に明らかであろう。穴の数は、マイクロ流体伝達システムを作動するのに必要なロッドの数を定める。さらに、流入及び流出ポートの数及び配置は、システムを作動するのに必要なロッドのタイプ及び構成を定める。
【0030】
図3A−3Bに関し、本発明の第3の代表的な実施例によるマイクロ流体伝達システム210が図示される。この特定の代表的な実施例では、細長い本体214は、第1端部218、第2端部222、外面226、外径dを備える。直径di1をもつ円形の横断面を有する第1の穴230が、細長い本体214内で縦軸方向に形成されている。また、第2の穴232が、細長い本体214内で縦軸方向に形成されている。また、第2の穴232は、直径di2をもつ円形の横断面を有する。そのように、第1の穴230及び第2の穴232の縦方向叉は中心軸線は、互いにオフセットされかつ並行である。
【0031】
また、細長い本体214には、相互連結スロット280及びアクセススロット284、288として示される3つのスロットが形成される。相互連結スロット280は、第1穴230を第2穴232と流体連結するように構成されている。相互連結スロット280は、上面226から始まり第1穴230及び第2穴232の各々が交差されるまで細長い本体214を貫通する、細長い本体214から材料の薄片を、切るかあるいは取り除くことにより、細長い本体214に形成される。換言すると、スロットは、表面226ではじまり、第1穴230及び第2穴232の各々が交差するまで貫通する。このようにスロットを形成することにより、第1穴230及び第2穴232は、互いに流体連通するだけでなく、上面226と流体連通し、従って、第1穴230及び第2穴232が、外部の環境叉はその中に流入及び流出ポートを有するハウジングなどの細長い本体214を囲み包むハウジングと流体連通するのを許容する。
【0032】
好ましい態様では、相互連結スロット280がその向きが第1穴230及び第2穴232の縦軸線に対して横断叉は垂直であるように形成されることができる。この配向及び図示の実施例では、相互連結スロット280は、細長い本体214の中間を実質的に伸び、従って、これらの各々が細長い本体214内に対称的かつ中心に配置されて示されているので、第1穴230及び第2穴232の各々の中間を実質的に伸びるカット部を備える。しかしながら、第1穴230及び第2穴232の配置叉は配向は重要ではなく、相互連結スロット280は、これらの二つの穴を常に流体連結するために形成されることができる。本質的に、これらの細長い本体214内での配置は重要ではなく、第1穴230及び第2穴232が相互連結スロット280によって流体連結されることが意図される。代替的に、当業者に認められかつ明らかなように、相互連結スロット280は、傾斜した向きなど、第1穴230及び第2穴232の縦軸線に関して他の向きに形成されることができる。
【0033】
他方、アクセススロット284、288は、単一の穴を外面226に、すなわち、第1穴230及び第2穴232をそれぞれ上面226に流体連結するように構成されている。図示の実施例では、図示のように、アクセススロット284が、第1穴230を上面226に流体連結するように構成されている。アクセススロット284は、上面226から細長い本体214を通り、それが第1穴230と交差する部分で第1穴230まで伸びる薄いカット部を備える。相互連結スロット280とは異なり、アクセススロット284は、単一の穴、すなわち、第1穴230だけと交差するように配向される。このように、アクセススロット284は、第1穴230を細長い本体の外面226と流体連結する。さらに、アクセススロット284は、第1穴230を介して相互連結スロット280と流体連結される。図3−Bは、相互連結スロット280とアクセススロット284の双方の配向及び交差点を図示する。アクセススロット284は、流体流入ポート叉は流体流出ポートとして機能するように構成されることができる。
【0034】
同様に、図示のように、アクセススロット284と同じように、アクセススロット288が第2穴232を上面226に流体連結するように構成されている。アクセススロット288は、流体流入ポート叉は流体流出ポートとして機能するように構成されることができる。
【0035】
好適な態様では、アクセススロット284及び288は、これらの配向が、それぞれ、第1穴230及び第2穴232の縦軸線に対して横断叉は直交するように形成されることができる。この配向では、図示の実施例では、アクセススロット284及び288は、細長い本体214を貫通し、第1穴230及び第2穴232の実質的に中間点を伸びるカット部をそれぞれ備える。代替的に、当業者に認められかつ明らかなように、アクセススロット284及び288は、傾斜した向きなど、第1穴230及び第2穴232の縦軸線に関して他の向きに形成されることができる。
【0036】
相互連結スロット280及びアクセススロット284、288は、所定の動作環境に必要なあらゆる大きさからなることができる。しかしながら、スロットは、典型的に、幅が500乃至1500マイクロメートルである。勿論、マイクロ流体伝達システムの予定されたアプリケーション、マイクロ流体伝達システム全体の様々なシステム要件、設計制約、大きさに依存して、他の大きさが可能であると共に本明細書中で熟考される。
【0037】
図3に示されるように、代表的なマイクロ流体伝達システム210は、各々が二重の穴システム内で利用される、単一の相互連結スロット280、アクセススロット284及び288を備える。しかしながら、当業者に明らかなように、マイクロ流体伝達システム210は、相互連結スロット及び/叉はアクセススロットの形態の複数のスロットを備えることができる。さらに、細長い本体は、単一の穴、あるいは、各々が一つ以上の相互連結スロット及び/叉はアクセススロットと関連した二つ以上の穴を備えることができる。
【0038】
本発明のマイクロ流体伝達システムは、さらに、細長い本体、特に、細長い本体に形成された様々な流入/流出ポート叉はスロット及び穴を密閉するための流体封じ込めシステムを特徴づける叉は備える。図4に関し、上述されかつ図3−Aに示されたマイクロ流体伝達システムと同様な代表的なマイクロ流体伝達システムの細長い本体に形成されたスロット及び穴を密閉するために利用される一つの代表的な流体封じ込めシステムが図示される。この実施例では、流体封じ込めシステムは、マイクロ流体伝達システムの細長い本体に嵌合するように成型された様々なシリコンゴム構成要素を備える。図示のように、マイクロ流体伝達システム310は、二つの穴形状、すなわち、細長い本体314を貫通し、上述のように機能する第1及び第2穴330及び332を有する細長い本体314を備える。さらに、細長い本体は、そこに形成されたアクセススロット384、388及び相互連結スロット380を有する。流体封じ込めシステムの一部として、端部キャップ390が細長い本体の第1端部318に取り外し可能に嵌合するように構成される。端部キャップ390は、端部部分394から伸びる側壁392を備え、従って端部キャップ390が細長い本体314の外面326に適当に嵌合しかつ外面326を密閉するのを許容する。端部部分394には、それぞれ第1及び第2穴330、332と対応しかつ整合する開口区396−a及び396−bが形成されている。開口区396−a及び396−bの各々は、それぞれ、穴330及び332の一端を密閉するために塞がれることができ、あるいは、そこを通って受け入れられ、ロッドの選択的置換をさらに容易にすると共に、マイクロ流体伝達システム310の作動のため及びマイクロ流体伝達システム310の作動中にピストン叉はバルブロッドを密閉するように構成されることができる。
【0039】
端部キャップ390と反対側には、スリーブ398が細長い本体314の第2端部322に取り外し可能に嵌合するため、及び、そこに形成されたスロットを隠すために形成される。また、スリーブ398は、端部部分402から伸びる側壁402を備え、従って端部キャップを形成する。端部部分402には、それぞれ第1及び第2穴330、332と整合し、上述した端部キャップ390に形成された開口と同じ機能をする開口404−a及び404−bが形成されている。開口404−a及び404−bは、不注意な流体の流れを防止するために必要に応じて密閉されることができる。スリーブ398は、細長い本体314に形成されたスロットに嵌合するために十分に大きさが大きく、従って、制御された方法でこれらのスロットを通って流れる流体を収容する。さらに、スリーブ398は、側壁400から伸びる流入チューブ406及び流出チューブ408を備える。流入チューブ406は、スリーブ398が細長い本体314に適当に適所にあるときに、アクセスポート384と整合かつアクセスポート384に流体連結するように構成されている。同様に、流出チューブ408は、スリーブ398が細長い本体314に適当に適所にあるときに、アクセスポート388と整合かつアクセスポート388に流体連結するように構成されている。
【0040】
さらに、スリーブ398は、細長い本体314に形成された様々なスロットを通って流れる流体を収容するように構成されている。見ることができるように、ひとたびスリーブ398が適所にあると、相互連結スロット380及びアクセススロット384、388内及び相互連結スロット380及びアクセススロット384、388を通る流体の流れが制限される。換言すれば、スリーブ398は、相互連結スロット380及びアクセススロット384、388を密閉するため、及び、流体が意図された場合を除いてこれらのスロットを通って流れるのを防止するために機能する。相互連結スロット380に関して、流体は、それぞれのロッドの位置によって導かれて第1穴330と第2穴332との間を流れるのをさらに許容される。スリーブ398は、流体が相互連結スロット380を通って細長い本体314の外に流れるのを防止するために単に機能する。
【0041】
アクセススロット384、388に関し、ひとたびスリーブ398が細長い本体314に適当に嵌合され、マイクロ流体伝達システムが作動されると、流体は、流入チューブ406を通ってマイクロ流体伝達システム310、特にアクセスポート384の中に流れる。システムが作動すると、流体は、流出ポート408を通ってマイクロ流体伝達システム310、特にアクセスポート388から流出される。このように、流体は、マイクロ流体伝達システム310内及びマイクロ流体伝達システム310に関して適当に収容され、これらのチューブを通してシステムの内外へ通過するのが許容されるだけである。流入及び流出チューブ406、408は、当業者に明らかであるように、システム全体内の他の適当な構造に取り付けられかつ流体連結されるように構成されることができる。
【0042】
図4の流体封じ込めシステムに関し、図3−Aに示されたマイクロ流体伝達システム210は、それぞれ第1穴230及び第2穴232内に嵌合可能な第1ロッド及び第2ロッドをさらに備える。所望の動作の制約により、ロッドは、バルブロッドあるいはピストンロッドとバルブロッドとの組み合わせにすることができる。一つの代表的な態様では、マイクロ流体伝達システムは、図3−Aに示されたものなどのマイクロポンプとして構成され、上述の流入及び流出ポートと類似しており、第1及び第2穴230、232と同様に相互連結スロット280及びアクセススロット284、288を通る流体の流れは、それぞれ第1及び第2穴230、232の中に挿入されかつその内で選択的に置換可能なピストンロッド248及びバルブロッド266によって制御される。受動的または低圧環境では、流体がアクセススロット284を通ってシステムの中に流入するのを許容するように機能し、流入ポートとして機能する。ピストンロッドは、(付加的な相互連結スロット及び/叉はアクセススロットの数及び配置、及び、それぞれ第1穴230及び第2穴232内に配置されたピストンロッドとバルブロッドの位置によってつくられ叉は画定された)予め決められた流体通路を通る流入流体を押圧し、システム210の外へ流体を結局ポンプで汲み出すように作動されることができる。バルブロッド266は、流体の通路、及び、相互連結スロット280及び流出ポートとして機能するアクセススロット288に関して適当に配置されているその凹部分274によってシステムの外にポンプで汲み出される流体の規制を制御する。他の代表的な態様では、第2バルブは、二つのバルブロッドが加圧された流体環境においてマイクロ流体伝達システム210を通る流体の流れを制御するために機能するピストンロッドの適所に使用されることができる。基本的に、ロッドは、流体通路を画定するため、及び、そこの中叉はそれを通る流体の流れを制御叉は導くためにスロット内に置換する。
【0043】
図5A乃至図5−Dに関し、マイクロポンプとして構成されたマイクロ流体伝達システム210、及び、代表的なポンピングサイクルの実行中のマイクロ流体伝達システム210及びその構成要素のいくつかの動作段階が図示されている。マイクロ流体伝達システム210は、穴230及び232として示された二つの穴構成を有する細長い本体214を備える。
【0044】
図5Aは、ピストンロッド248が、流入ポートとして機能するアクセススロット284を閉じるように配置されると共に、バルブロッド266が、第1及び第2穴230及び232を流体連結する及び相互連結スロット280と、流出ポートとして機能するアクセスポート288とを閉じるように配置された、初期段階を示す。この初期段階では、流体はシステムの中に流入することができない。図5−Bは、ピストンロッド248が、作動され、第1穴230の外へ実質的に引かれる、サイクルの第2段階を示す。このようにピストンロッド248の作動は、アクセスポート284を開くために機能し、従って、矢印で示されるように第1穴230の中に流入するのを許すまたは引き込む。バルブロッド266は、図5−Aに示された段階と同じ位置にある。図5−Cは、バルブロッド266が、凹部分270を相互連結スロット280及びアクセススロット288に関して配置するように作動し、従って、流体が第1穴230から第2穴232へ流れるのを許容し、アクセスポート288が開く、第3段階を示す。ピストンロッド248は、第2段階と同じ位置に示される。図5−Dは、ピストンロッド248が、相互連結ポート280を介して流体を第1穴230から第2穴232に押圧するように作動される、最終段階を示す。アクセスポート288が開いた状態で、流体は、細長い本体214から押し出されあるいはポンプで汲み出され、矢印で示されるようにシステムの外に流出する。ひとたび、流体の全てがシステムからポンプで汲み出されると、周期的なポンピング動作を実行するために上記プロセスは繰り返す。
【0045】
図6は、上述され図3−Aに示されたものと同じ代表的なマイクロ流体伝達システムの細長い本体に形成されたスロット及び穴を密閉するために利用される他の代表的な流体封じ込めシステムを図示する。この実施例では、流体封じ込めシステムは、マイクロ流体伝達システムの細長い本体に取り外し可能に嵌合するように成型された様々なシリコンゴム構成要素を備える。図示のように、マイクロ流体伝達システム410は、二つの穴形状、すなわち、細長い本体414を貫通し、上述のように機能する第1及び第2穴430及び432を有する細長い本体414を備える。さらに、細長い本体は、そこに形成されたアクセススロット484、488及び相互連結スロット480を有する。これらは、図示のように配向されることができ、あるいは、細長い本体414の縦軸線に関して様々な角度で形成されることができる。
【0046】
流体封じ込めシステムの一部として、端部キャップ490が細長い本体の第1端部418に取り外し可能に嵌合するように構成される。端部キャップ490は、端部部分494から伸びる側壁492を備え、従って端部キャップ490が細長い本体414の外面426に適当に嵌合しかつ外面426を密閉するのを許容する。端部部分494には、それぞれ第1及び第2穴430、432と対応しかつ整合する開口区496−a及び496−bが形成されている。開口区496−a及び496−bの各々は、それぞれ、穴430及び432の一端を密閉するために塞がれることができ、あるいは、そこを通って受け入れられ、ロッドの選択的置換をさらに容易にすると共に、マイクロ流体伝達システム410の作動のため及びマイクロ流体伝達システム410の作動中にピストン叉はバルブロッドを密閉するように構成されることができる。
【0047】
流体封じ込めシステムは、細長い本体414に取り外し可能に嵌合するように、及び、相互連結スロット480及びアクセススロット484、488を隠すように構成されたシリコンチューブ叉はスリーブ498を更に備え、従って、これらのスロット内での流体の流れを制限する。図5に示された実施例とは異なり、スリーブ498は、端部キャップ506とは別個の構成要素である。さらに、スリーブ498は、二つの開口、すなわち、それぞれアクセススロット484、488と整合しかつ流体連結するように構成された入力開口502−a及び流出開口502−bを備える。これらの入力開口502−a及び流出開口502−b内には、予め決められたように、それぞれアクセスポート484及び48の内外への流体の流れを容易にするように機能するチューブ504−a及び504−bが取り外し可能に嵌合可能である。チューブ504−a及び504−bは、漏れを防止するために開口502−a及び502−b内に封をする。チューブ504−a及び504−bは、ガラス、ゴムまたは他の同じように作られたチューブから成ることができる。
【0048】
端部キャップ490と反対側には、
端部キャップ490の開口と同じ機能をし、不注意な流体の流れを防止するために必要に応じて密閉されることができる、そこに形成された開口509−a及び509−bを有する端部分508から伸びる側壁507を備える第2端部キャップ506がある。この特定の実施例の動作機能は、図5に関して上述したものと同じである。
【0049】
ここで、当業者に知られているように、上述され図5及び図6に示されたスリーブ及び端部キャップは、シリコンゴムの型、エポキシ樹脂、あるいは他の適当な密閉構成物から成ることができるということに留意される。
【0050】
図7は、代表的なマイクロ流体伝達システム510の細長い本体に形成されたスロット及び穴を密閉するために利用される他の代表的な流体封じ込めシステムを図示する。図示のように、マイクロ流体伝達システム510は、二つの穴形状、すなわち、細長い本体514を貫通し、上述のように機能する第1及び第2穴530及び532を有する細長い本体414を備える。さらに、細長い本体514は、そこに形成されたアクセススロット584、588及び相互連結スロット580を有し、それらの各々は、外面526に流体連結される。この特定の実施例では、流体封じ込めシステムは、細長い本体514の外面526と嵌合し、アクセススロット584、588及び相互連結スロット580に関して配置された、一つ叉は複数のO−リング叉は他の同様な密閉手段を備える。図示のように、第1のO−リング598−aは、アクセススロット584と細長い本体514の第1端部518との間に配置される。第2のO−リング598−bは、アクセススロット584と相互連結スロット580との間に配置される。第3のO−リング598−cは、アクセススロット588と細長い本体514の第2端部522との間に配置される。
【0051】
流体封じ込めシステムは、そこにマイクロ流体伝達システム510を収容するため、及びO−リング598に対して密閉するために構成されたハウジング602を更に備える。ハウジング602は、O−リング598−a、O−リング598−b、O−リング598−cの各々を密閉し、マイクロ流体伝達システム510内に形成された穴及びスロットを通って流れる流体を収容する表面604を備える。さらに、ハウジング602は、様々な
アクセススロット584、588及び相互連結スロット580と流体連結する、そこに形成されたポートを備え、そのポートは、O−リングの密閉機能の結果として互いから分離される。
【0052】
本発明は、さらに、マイクロ流体伝達システムを収容するように構成された一つ以上の収容システム及び方法を特徴とする。図8−A乃至図8−Cは、マイクロ流体伝達システム710が注封型内に収容及び包含された、本発明のある特定の代表的な収容システムのさまざまな図を示す。図示のように、マイクロ流体伝達システム710は、細長い本体714のそれぞれの端部とそこに形成された穴を密閉するのに使用される端部キャップ790及び806の形態の流体封じ込めシステムを備える。マイクロ流体伝達システム710は、上述されたさまざまなアクセススロット及び相互連結スロット(図示せず)を密閉するため、及び、アクセススロットに関するチューブ804−a及び804−bの密閉及び流体連結を容易にするために使用されるスリーブ798を更に備える。注封型812は、マイクロ流体伝達システム710をその内部に収容及び包含するために機能する。さらに、注封型812は、その中に形成された一連のスロットを備える。スロット816−aは、チューブ804−bを受け入れかつ支持するように構成される。スロット816−bは、ピストンロッド748を受け入れかつ支持するように構成される。スロット816−cは、チューブ804−aを受け入れかつ支持するように構成される。また、スロット816−dは、バルブロッド766を受け入れかつ支持するように構成される。注封型の他の代表的な構成がここで考えられる。さらに、他のタイプの収容システムが考えられる。例えば、バルブロッド及びピストンロッドは、ステンレス鋼部材に連結されあるいは他の方法で連結されることができる。
【0053】
図9は、他の代表的な実施例による、マイクロ流体伝達システム、特に、細長い本体を示す。この実施例では、マイクロ流体伝達システム810、特に細長い本体814は、上述された単一及び二つの穴構成と同様に、穴830、832、834、836が細長い本体814内に形成された4つの穴構成を備える。さらに、細長い本体は、一つ以上の4つの穴と交差するためにそこに形成された一つ以上のアクセススロット及び/叉はインターセプトスロットを備える。図示のように、細長い本体814は、穴830、834、836と交差しかつこれらと流体連結する、細長い本体に形成されたインターセプトスロット880を有する。他のアクセススロット及び/叉はインターセプトスロットが考えられる。
【0054】
図10は、さらに他の代表的な実施例による、マイクロ流体伝達システムを示す。この実施例では、マイクロ流体伝達システム910の細長い本体914は、上述した円形の横断面よりもむしろ矩形の横断面を備える。矩形の横断面を有する4つの穴930、932、934、936は、2×2の配列でそこに形成される。他の代表的な実施例では、細長い本体914に形成された穴は、1×n、2×n、あるいはn×nの配列にすることができる。
【0055】
本発明のマイクロ流体伝達システムのさまざまな構成要素は、当業者に周知のさまざまな技術及び方法を用いて製造されることができる。主要の細長い本体を生産する一つの代表的な方法では、ガラス再抜き取り(glass redraw)プロセスが、主要の細長い本体及びそこに形成されたさまざまな穴の複雑なガラス構造を形成するのに使用されることができる。ガラス再抜き取り(glass redraw)プロセスは、周知であり、複雑な横断面を有する、精密なガラス管、シート、ファイバー束を形成するのに使用された。ガラス再抜き取り(glass redraw)プロセスは、ゴードン及びブリーチ、ニューヨーク、ニューヨークによって公表された表題“普通でない横断面を有するガラス繊維の成型”で、1965年6月28日から7月3日までのCharkroi, ベルギー、第7回のガラスのインターナショナル会議の会報の77−1頁乃至77−8頁においてR.H. ハンフリーによる論文に記載されている。
【0056】
バルブロッド及びピストンロッドの一つの代表的な製造方法では、ガラスロッドは、所望の幾何学的な形状を得ることができる。ガラスロッドは、ポリエステルシリコン層で被覆される。ポリエステルシリコンコーティングの一つ以上の部分は、ガラスロッドに形成されるさまざまな凹部のために、所望の大きさの一つ以上の環状ギャップ叉はスペースを露呈するように形成される。そして、ガラスロッドは、ポリエステルシリコン層内のギャップ叉はスペースの位置で凹部がガラスロッドからエッチングされるエッチングプロセスにさらされる。エッチングプロセスは、BOEエッチングプロセス、化学エッチング、写真平板エッチング、プラズマエッチング、ウェット化学エッチング、ドライエッチング、及びその他などの当業者で周知な適当なマイクロ製造エッチングプロセスから成ることができる。代替的なプロセスでは、ガラスロッドは、そこに形成された一つ以上の環状ギャップ叉はスペースを有するフォトレジストで被覆されることができる。そして、そのフォトレジストコーティングを有するガラスロッドは、さまざまな凹部がロッドに形成されるアドバンス酸化物エッチング(AOE)にさらされる。また、マイクロ製造プロセスは、機械加工、レーザー機械加工、エアー研磨などの非エッチングプロセスを備えることができる。バルブロッド及びピストンロッド内への凹部の形成のいろいろな考えられる方法を当業者は理解されるであろう。
【0057】
前述の詳細な説明は、特定の代表的な実施例に関して本発明を記載する。しかしながら、さまざまな修正及び変形が、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱しないでなされることができることを理解されよう。詳細な説明及び添付の図面は、制限的であるよりはむしろ、単に例示として考えられ、全てのそのような修正及び変形があるとしても、記載され本明細書中に述べられた本発明の範囲内に含まれる。
【0058】
より詳細には、本発明の図示の代表的な実施例は、本明細書に記載されているが、本発明は、これらの実施例に制限されず、上述の詳細な説明に基づいて当業者に理解される、修正、省略、(例えば、さまざまな実施例にわたる態様の)組み合わせ、適合及び/叉は代替を有する全ての実施例を含む。特許請求の範囲の制限は、特許請求の範囲において使用された言語に基づいて広く解釈されるが、上述の詳細な説明に記載された叉はアプリケーションの実行中の実施例に基づいて制限されず、その実施例は、排他的でないように解釈される。例えば、本開示において、用語“好ましくは”は、好ましいを意味するがそれに制限しないという点で排他的ではない。方法叉はプロセスクレームに述べられたステップは、あらゆる順序で達成されることができ、クレームに示された順序に制限されない。手段+機能の制限叉はステップ+機能の制限は、特定のクレーム制限に対して以下の状況の全てが、その制限a)“手段”叉は“ステップ”が明白に記載されていること及びb)対応する機能が明白に記載されていることで存在する場合に利用されるだけである。手段+機能を支持する構造、材料、動作は、本明細書に明白に記載されている。従って、本発明の範囲は、上記記載及び実施例によってよりはむしろ、添付の特許請求の範囲及び法的な同等物によって、単に画定されるべきである。
【0059】
特許証によって確保される主張され及び望まれることは、以下の通りである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小な環境内で流体を伝達するためのマイクロ流体伝達システムであって、
前記マイクロ流体伝達システムは、
第1端部、第2端部及び外面を有する細長い本体と、
前記細長い本体内に形成された複数の穴であって、流体をそこに流すために前記細長い本体の長さの少なくとも一部に沿って伸びる複数の穴と、
少なくとも二つの穴と流体連結し、前記細長い本体を通る複数の潜在的流体通路を画定するように、重要で予め決められた配置及び配向で前記細長い本体内で前記複数の穴の少なくとも二つと交差する、前記細長い本体の外面を通って形成された少なくとも一つの相互連結スロットとを備える、マイクロ流体伝達システム。
【請求項2】
請求項1記載のマイクロ流体伝達システムにおいて、
重要で予め決められた配置及び配向で前記細長い本体内で前記複数の穴の一つと交差する少なくとも一つのアクセススロットを更に備え、
前記アクセススロットと前記穴の一つは、互いに流体連通し、前記アクセススロットは、前記細長い本体内で付加的な潜在的流体通路をさらに画定する、マイクロ流体伝達システム。
【請求項3】
請求項2記載のマイクロ流体伝達システムにおいて、
前記複数の穴の各々内に配置された少なくとも一つのロッドを更に備え、
特定の予め決められた流体通路及びそれに続く流体流路を画定するため、及び、前記流体流路を通る流体の流れを処理及び制御するために、前記ロッドが選択的に配置されている、マイクロ流体伝達システム。
【請求項4】
請求項3記載のマイクロ流体伝達システムにおいて、
前記ロッドは、前記穴内で前後に往復させられ、前記相互連結スロット及び前記アクセススロットを選択的に開閉し、前記流体通路を通る流体の流れを制御し、前記流体流路を再画定する、マイクロ流体伝達システム。
【請求項5】
請求項3記載のマイクロ流体伝達システムにおいて、
前記ロッドは、ポンピング機能を前記細長い本体内に提供するために構成されたポンピングロッドから成る、マイクロ流体伝達システム。
【請求項6】
請求項3記載のマイクロ流体伝達システムにおいて、
前記ロッドは、バルブ機能を前記細長い本体内に提供するために構成されたバルブロッドから成る、マイクロ流体伝達システム。
【請求項7】
請求項3記載のマイクロ流体伝達システムにおいて、
前記ロッドは、実質的に一定な断面を有する細長い胴体から成る、マイクロ流体伝達システム。
【請求項8】
請求項3記載のマイクロ流体伝達システムにおいて、
前記ロッドは、第2端部の断面と実質的に同じ断面を有する第1端部と、前記第1端部と前記第2端部とを連結する中間部分とを有すると共に、前記第1端部及び第2端部の断面に対して減少した断面をもつ凹部からなる予め決められた部分を少なくとも部分的に備え、前記凹部は、前記相互連結スロット及び前記アクセススロットを通る流体の流れを促進するために前記凹部に関して配置されている前記相互連結スロット及び前記アクセススロットを開くように構成されている、マイクロ流体伝達システム。
【請求項9】
請求項1記載のマイクロ流体伝達システムにおいて、
前記ロッドを作動するための作動手段を更に備え、前記作動手段は、電磁源、ソレノイド及び電気機械システムからなる群から選択される、マイクロ流体伝達システム。
【請求項10】
請求項2記載のマイクロ流体伝達システムにおいて、
前記細長い本体を囲みかつ収容するために構成されたハウジングを更に備え、
前記ハウジングは、
前記細長い本体を受け入れるように構成された内部分と、
前記ハウジングと前記細長い本体との間に故意でない流体の流れを防止するために前記ハウジングを前記細長い本体に対して密閉する複数のシール部と、
流体が前記ハウジングを通って通過するために前記ハウジングに形成され、前記細長い本体と流体連結して形成された少なくとも一つの流体通路とを備える、マイクロ流体伝達システム。
【請求項11】
請求項10記載のマイクロ流体伝達システムにおいて、
前記シール部は、前記細長い本体外への流体通路を画定するために、前記相互連結スロット及び前記アクセススロットと隣接して配置されている、マイクロ流体伝達システム。
【請求項12】
請求項1記載のマイクロ流体伝達システムにおいて、
前記細長い本体は、ガラス、石英、シリコン及びセラミックからなる群から選択された材料でつくられる、マイクロ流体伝達システム。
【請求項13】
請求項1記載のマイクロ流体伝達システムにおいて、
前記相互連結スロットは、前記複数の穴に関して、直角、横、傾斜からなる群から選択された向きで形成される、マイクロ流体伝達システム。
【請求項14】
請求項2記載のマイクロ流体伝達システムにおいて、
前記少なくとも一つのアクセススロットは、前記複数の穴に関して、直角、横、傾斜からなる群から選択された向きで形成される、マイクロ流体伝達システム。
【請求項15】
マイクロ流体ポンプであって、
外面と、流体をそこに流すために細長い本体の長さの少なくとも一部に沿って伸びる細長い本体に形成された複数の穴とを有する細長い本体と、
前記少なくとも二つの穴を流体的相互連結するように、重要で予め決められた配置及び配向で前記穴の二つと交差する、前記外面を通して形成された少なくとも一つの相互連結スロットと、
前記穴と流体連通になるように、重要で予め決められた配置及び配向で前記穴の一つと交差する、前記外面を通して形成された少なくとも一つのアクセススロットであって、前記複数の穴、前記相互連結スロット及び前記少なくとも一つのアクセススロットは、前記細長い本体を通る複数の流体通路を画定するために機能する、少なくとも一つのアクセススロットと、
前記複数の穴の各々内にそれぞれ摺動的に配置された少なくとも一つのロッドであって、前記穴内に選択的に配置される選択された流体の流路に関して流体の流れを促進するための少なくとも一つの凹部を備える、少なくとも一つのロッドと、
特定の予め決められた流体の流路及び流体の流れの通路を画定すると共に、前記特定の予め決められた流体の流路を通して流体をポンプで汲み上げる位置に前記ロッドを置換する少なくとも一つのロッドを作動する手段とを備える、マイクロ流体ポンプ。
【請求項16】
請求項15記載のマイクロ流体ポンプにおいて、
他の予め決められた流体の流路及び流体の流れの通路を画定するために、前記少なくとも一つのロッドを再配置することを更に備える、マイクロ流体ポンプ。
【請求項17】
請求項15記載のマイクロ流体ポンプにおいて、
前記予め決められた流体の流路は、前記相互連結スロット及び前記アクセススロットに選択的に配置される前記ロッドによって画定される、マイクロ流体ポンプ。
【請求項18】
マイクロ流体伝達システムの製造方法であって、
第1端部及び第2端部を有する細長い本体を形成することと、
流体をそこに流すために前記細長い本体の長さの少なくとも一部に沿って伸びる複数の穴を前記細長い本体内に形成することと、
前記複数の穴の少なくとも二つと交差しかつ流体的に相互連結し、従って前記細長い本体を通る複数の潜在的流体通路を画定するために、相互連結スロットを前記細長い本体内に形成することとを備える、マイクロ流体伝達システムの製造方法。
【請求項19】
請求項18記載のマイクロ流体伝達システムの製造方法において、
前記複数の穴の一つと交差しかつ流体連結する少なくとも一つのアクセススロットを前記細長い本体内に形成することを更に備え、前記アクセススロットは、付加的な潜在的流体通路をさらに画定する、マイクロ流体伝達システムの製造方法。
【請求項20】
請求項18記載のマイクロ流体伝達システムの製造方法において、
前記複数の穴の各々内にそれぞれ嵌合すると共に、前記複数の潜在的流体通路を通る流体の流れを処理するために選択的に配置可能にするように構成された少なくとも一つのロッドを形成することを更に備える、マイクロ流体伝達システムの製造方法。
【請求項21】
請求項20記載のマイクロ流体伝達システムの製造方法において、
前記ロッドのバルブ機能を促進するために前記ロッド内に少なくとも一つの凹部を形成することを更に備え、前記凹部は、前記ロッドの長さの一部に沿った減少した断面を画定する、マイクロ流体伝達システムの製造方法。
【請求項22】
請求項20記載のマイクロ流体伝達システムの製造方法において、
機械加工、化学エッチング、写真平板エッチング、プラズマエッチング、ウェット化学エッチング、ドライエッチング、レーザー機械加工及びエアー研磨からなる群から選択された一つ以上のマイクロ製造プロセスによって形成される、マイクロ流体伝達システムの製造方法。
【請求項23】
請求項20記載のマイクロ流体伝達システムの製造方法において、
前記穴内での前記ロッドの双方向の移動を選択的に制御するために、前記細長い本体の前記第1端部及び第2端部の各々にソレノイドを作動可能に連結することを更に備え、前記ロッドは、それに連結された金属製構成要素を少なくとも部分的に備える、マイクロ流体伝達システムの製造方法。
【請求項24】
請求項20記載のマイクロ流体伝達システムの製造方法において、
磁石によって前記ロッドの移動させるために、前記ロッドの各端部に磁化された部材を連結することを更に備える、マイクロ流体伝達システムの製造方法。
【請求項25】
微小な環境内で流体の流れを伝達するための方法であって、
前記方法は、
マイクロ流体伝達システムを提供することを備え、
前記マイクロ流体伝達システムは、
外面、第1端部及び第2端部を有する細長い本体と、
前記細長い本体内に形成された複数の穴であって、流体をそこに流すために前記細長い本体の長さの少なくとも一部に沿って伸びる複数の穴と、
前記細長い本体を通る複数の潜在的流体通路を画定するように、重要で予め決められた配置及び配向で前記複数の穴の少なくとも一つと交差する、前記細長い本体の外面を通って形成された少なくとも一つのスロットと、
前記複数の穴の各々内に配置された少なくとも一つのロッドであって、特定の予め決められた複数の流体通路を画定するため前記複数の穴の各々内に選択的に配置されている少なくとも一つのロッドとを備え、
前記方法は、更に、
少なくとも部分的に流体を収容する微小な環境に前記マイクロ流体伝達システムをさらすことと、
流体がそこを通って伝達される特定の予め決められた流体通路及び流体流路を画定するために、前記穴内である位置に置換するように前記少なくとも一つのロッドを作動することとを備える、方法。
【請求項26】
請求項25記載の方法において、
他の予め決められた流体通路及び流体流路を画定するために、前記少なくとも一つのロッドの位置を変えることを備える、方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法において、
前記少なくとも一つのロッドは、前記複数の穴の二つと流体的相互連結するように構成され、前記相互連結スロットは、前記細長い本体内で付加的な潜在的流体通路をさらに画定する、方法。
【請求項28】
請求項25記載の方法において、
前記少なくとも一つのロッドは、前記穴の少なくとも一つを前記細長い本体の外面と流体連結するように構成されたアクセススロットからなり、前記アクセススロットは、重要で予め決められた配置及び前記穴に関して重要で予め決められた配向で形成される、方法。
【請求項29】
請求項25記載の方法において、
前記少なくとも一つのロッドを作動することは、
前記ロッドの各端部に磁化された部材を連結することと、
前記磁化された部材の各々に隣接して磁気発電機を配置することと、
前記ロッドを前後に選択的に往復させるために前記磁気発電機の極性を交互に入れ替えることとを備える、方法。
【請求項30】
請求項25記載の方法において、
前記少なくとも一つのロッドを作動するステップは、
ソレノイドを前記細長い本体の前記第1端部及び前記第2端部に連結することと、
金属製構成要素を前記ロッドの各端部に連結することと、
前記ロッドを前後に往復させるために前記ソレノイドに電流を選択的に供給することとを備える、方法。
【請求項31】
請求項25記載の方法において、
前記微小な環境は、静脈注射及びコンピューター回路ボードかならる群から選択されたものから成る、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−A】
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【図3−B】
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【図4−A】
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【図4−B】
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【図4−C】
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【図4−D】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−A】
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【図8−B】
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【図8−C】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−519460(P2010−519460A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551051(P2009−551051)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/054806
【国際公開番号】WO2008/103963
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(509236254)
【Fターム(参考)】