説明

ユーザ構成可能な車両ユーザインターフェース

【課題】車両内に取り付けられたタッチスクリーンディスプレイを使用する車両ユーザインターフェースを構成し、個人向けにカスタマイズするための方法を提供すること。
【解決手段】ユーザインターフェースのユーザ構成可能な態様は、タッチスクリーンディスプレイの表示内のゾーンの数、それぞれのゾーンのサイズ、それぞれのゾーンに割り当てられたサブシステムインターフェース、それぞれのサブシステムインターフェース内に収められるスタイルおよび情報、ディスプレイ全体の、またはゾーン毎の表示輝度レベル、ならびに永続的ソフトボタンの割り当ておよび配置を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にインターフェースに関するものであり、より具体的には、車両内で使用するインフォテインメントシステム用のユーザインターフェースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両は、ユーザ、つまり、運転者もしくは乗客に、車両とインターフェースする手段を与える、特に、車両条件を監視し、さまざまな車両機能を制御するための手段を提供するさまざまなシステムを備える。監視され、および/または制御されるシステムの複雑さに応じて、このようなユーザインターフェースは、視覚的、触覚的、および/または聴覚的なフィードバックを使用することができる。典型的な車両では、このようなインターフェースによって監視され、および/または制御されうるシステムおよび条件は、温度調節コントロール(例えば、温度設定、ファン設定、デフロスター動作など)、エンターテインメントシステムコントロール(例えば、音源、ラジオ放送局、オーディオトラック、トーンバランス、音量など)、およびナビゲーションシステム(例えば、地図、目的地とルート、到着予定時刻(ETA)、目的地までのマイル数など)を含む。
【0003】
車両のユーザインターフェースを包含するさまざまなコントロールおよびサブシステムのコストは、車両コスト全体のうちのわずかな部分しか占めないが、ユーザインターフェースは、ユーザと車両との間の対話操作の一次ソースとして、運転者が車両を操作し、車両を楽しむうえで欠かせないものである。例えば、ヘッドライトまたはワイパーの設計がまずかったり、配置が適切でないと、運転者がヘッドライドを点灯したり、ワイパーのスイッチを入れるために運転者が安全でない期間に道路から注意をそらさざるをえない場合がある。他の場合には、過度に複雑である、または設計がまずいインターフェース、例えば、オーディオもしくはナビゲーションインターフェースは、たちまちユーザにフラストレーションを感じさせ、不満を抱かせ、結局は自動車売上の喪失につながりかねない。
【0004】
運転者および乗客の安全性を確実なものとするために、多くの一次制御システムが、運転者がシステムの動作に対しつかの間でよいから親しみを持つことを保証するように設計されている。典型的には、このような運転者の慣れ親しみは、ほぼ同じ位置に配置されている同じタイプの制御システムを使用することで複数のメーカーによってもたらされている。例えば、大半の乗用車は、ヘッドライトおよびパーキングライトを操作するために、ハンドルの左側に取り付けられている、回転スイッチまたはストークスイッチのいずれかを使用する。同様に、大半の乗用車はハンドルの右にあるストークスイッチを使用してワイパーを操作することができる。重要度は低いが、スピードメーターまたはタコメーターなどの車両システムモニタについても、複数のメーカーが類似の配置に取り付けることができ、したがって運転者は見慣れた設定を利用できる。しかし、一次制御システムとは異なり、補助車両システム用のユーザインターフェースは、さまざまな自動車メーカーが新規性があり、直観的で、好ましくは比較的単純な仕組みで操作しやすいインターフェースを実現しようとするので、実質的な設計革新の対象となることが多い。しばしば、メーカーは、そのようなインターフェースに一部基づいて他のメーカーの車両から自社の車両とを差別化しようとする。逆に、競争によって、設計のまずいインターフェースが使用され、特定の車両の評判および価値を下げる可能性がある。
【0005】
従来の車両では、ユーザインターフェースは、実際には、複数のインターフェースからなり、それぞれのインターフェースは特定の車両サブシステムまたは機能を監視し、および/または操作するのに必要なコントロールをグループ化してまとめたものである。例えば、オーディオシステム用のコントロールおよびディスプレイは、典型的には、暖房/換気/空調(HVAC)システム用のコントロールと同じ場所に配置される。サブシステムコントロールを簡素化することに加えて、コントロールを同じ場所に配置することによって、メーカーは、特定のシステム、例えば、オーディオシステム用の複数のオプションを備えることができるモジュール式アプローチを使用することができる。このアプローチを用いると、アップグレードが簡単に行えるだけでなく、このアプローチを用いると、メーカーは、複数の異なる車両モデルに組み込むことができる単一のサブシステムを設計し、構築することもできる。
【0006】
過去10年間に、ダッシュボード取付けモニタの出現によって、車両インターフェースの設計に大きな変更が生じた。このようなモニタは、ナビゲーションシステムで使用されるだけでなく、ユーザにさまざまな情報を伝達するだけでなく、システム機能を制御するための新規性のある技術ももたらしうる。例えば、いくつかの車両では、ナビゲーションシステムにおいて使用することに加えて、マルチページメニューアプローチを使用し、これにより、運転者および/または乗客はオーディオシステム、HVACシステム、オンボードもしくはBlueTooth(登録商標)対応/結合通信デバイスなどを制御することができる。このようなアプリケーションでは、タッチセンサ式ディスプレイを使用するか、または非タッチセンサ式モニタを、対応するハードボタン(例えば、ディスプレイの周りに取り付けられているボタン)、または指定された機能の選択を可能にするマウス風のポインターとともに使用することができる。
【0007】
従来の車両は、運転者および/または乗客が車両のさまざまなサブシステムおよび機能を制御し、監視するためのさまざまなデバイスおよび技術を備えるが、典型的には、エンドユーザは、その特定のニーズおよび使用形態に合わせてインターフェースを修正またはカスタマイズできる余地を与えられていない。典型的には、ユーザが特定のオプション、例えば高度なオーディオシステムを望んでいる場合、ユーザは、そのオプションを備えるインターフェースを受け入れざるをえない。それに加えて、多くの車両サブシステムの複雑さが増す一方であるため、ユーザインターフェースは過度に複雑になり、ときには、直観的にわかるようなものでなくなり、その結果、ユーザにフラストレーションを感じさせ、失望させることになる。エンドユーザが特定のインターフェースの込み入った操作を学習することができない、またはそのような操作を学習することを嫌うような場合には、ユーザは、結局、サブシステムの機能の一部しか使えないことになる。そこで、必要なのは、従来の車両ユーザインターフェースの問題点と不備のいくつかを解消する改善されたユーザインターフェースである。本発明は、このようなユーザインターフェースを実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、車両ユーザインターフェースを構成し、個人向けにカスタマイズするための方法を提供するものであり、このユーザインターフェースは車両内に取り付けられたタッチスクリーンディスプレイを使用し、タッチスクリーンディスプレイは、システムコントローラに結合される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この方法は、ユーザ構成命令を入力するステップと、ユーザ構成命令に基づいてタッチスクリーンを複数のゾーンに分割するステップと、複数の利用可能な車両サブシステムインターフェースからいくつかの車両サブシステムインターフェースを選択するステップと、選択された車両サブシステムインターフェースに対するゾーン位置を選択するステップと、タッチスクリーンディスプレイの選択されたゾーン位置の範囲内に選択された車両サブシステムインターフェースを表示するステップとを含む。この方法は、例えばタッチ&ドラッグ操作を使用して、選択された車両サブシステムインターフェースに対するゾーン位置を切り換えるステップをさらに含むことができる。この方法は、例えばゾーン境界に相対的にタッチ&ドラッグ操作を使用することによってゾーンのサイズ変更を行うステップをさらに含むことができ、システムは、ゾーン境界が事前定義済み境界位置に吸着するように構成することができる。この方法は、永続的ソフトボタンの使用をさらに含むことができる。この方法は、例えば、アイコン、監視情報、および/またはコントロールソフトボタンを追加/削除することによって、特定の車両サブシステムインターフェースを選択し、修正するステップをさらに含むことができる。この方法は、データ表現スタイルを修正することによって、例えば、複数の利用可能なデータ表現スタイルのうちから1つのスタイルを選択することによって、特定の車両サブシステムインターフェースを選択し、修正するステップをさらに含むことができる。この方法は、リモートに配置されているコンピュータ上でデータ表現スタイルをリモート修正し、次いで修正されたデータ表現スタイルをシステムコントローラにダウンロードすることによって、特定の車両サブシステムインターフェースを選択し、修正するステップをさらに含むことができる。この方法は、周辺光条件を決定し、その周辺光条件に応じてディスプレイの輝度レベルを調節するステップをさらに含むことができ、好ましくは異なる周辺光条件に対する輝度レベルは、ユーザ構成命令を通じて設定される。この方法は、画面使用を監視し、監視されている画面使用がない場合にプリセット時間が経過した後タッチスクリーンを通常使用モードからスリープモードに切り換えるステップをさらに含むことができ、ディスプレイの輝度レベルは、画面が通常使用モードで動作しているか、またはスリープモードで動作しているかに基づいて設定され、好ましくはプリセット時間および/または輝度レベルは、ユーザ構成命令を通じて設定される。この方法は、ゾーン毎に画面使用を監視し、注目しているゾーン内で監視されている画面使用がない場合にプリセット時間が経過した後タッチスクリーンのそのゾーンを通常使用モードからスリープモードに切り換えるステップをさらに含むことができ、そのゾーンのディスプレイの輝度レベルは、ゾーンが通常使用モードで動作しているか、またはスリープモードで動作しているかに基づいて設定され、好ましくはゾーン毎のプリセット時間および/またはそのゾーンに対する輝度レベルは、ユーザ構成命令を通じて設定される。この方法は、構成命令の集合をユーザ設定として記録するステップと、参照番号を記録された構成命令のそれぞれの集合に割り当てるステップとをさらに含むことができる。
【0010】
本発明の性質および利点は、本明細書の残りの部分および図面を参照することによりさらによく理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明によるマルチゾーンタッチスクリーン車両ユーザインターフェースを示す図である。
【図2】図1に示されているマルチゾーンタッチスクリーンディスプレイの制御システムのブロック図である。
【図3】温度調節コントロールサブシステムの代替スタイルを示す図である。
【図4】ウェブブラウザサブシステムインターフェースを示す図である。
【図5】ウェブブラウザインターフェース、ナビゲーションサブシステムインターフェース、および永続的デフロスターソフトボタンを備えるタッチスクリーンディスプレイを示す図である。
【図6】複数の永続的ソフトボタンに予約されている領域を持つ図5のタッチスクリーンディスプレイを示す図である。
【図7】本発明のタッチスクリーンディスプレイとともに使用する近接検出システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、複数の車両サブシステム用の一次ユーザインターフェースとして大型タッチスクリーンを使用する。図1に例示されている、好ましい一実施形態では、タッチスクリーン100は、アスペクト比16:10の17インチ画面である。そのサイズの点で、さらには典型的な車両における利用可能な取付けスペースの制限があるため、好ましくはタッチスクリーン100は、車両の中央コンソール内に縦向きに取り付けられる。見て美しいと感じられることに加えて、このような取付け配置をとることで、画面上のデータ、さらには表示されているシステムコントロール上のデータに対し、運転者と助手席に座っている乗客の双方がアクセスできる。
【0013】
図2は、タッチスクリーン100を備えるインターフェースシステム200のブロック図である。システム200において、ディスプレイ100は、システムコントローラ201に結合される。コントローラ201は、GPU(グラフィックプロセッシングユニット)203、CPU(中央演算処理装置)205、およびメモリ207を備える。CPU 205およびGPU 207は、個別デバイスであってもよいし、単一チップセット上にまとめたものでもよい。メモリ207は、フラッシュメモリ、ソリッドステートディスクドライブ、ハードディスクドライブ、または他のメモリタイプもしくはメモリタイプの組合せで構成することができる。コントローラ201は、ディスプレイ100上でアクセスされ、および/または表示される車両サブシステムコントロールおよび車両サブシステムモニタのすべてを含む、さまざまな異なる車両サブシステムに結合される。例示的な車両サブシステムは、オーディオサブシステム209、温度調節コントロールサブシステム211、ナビゲーションサブシステム213、駆動系サブシステム215、充電サブシステム217、携帯電話サブシステム219、車載カメラサブシステム221、車両設定サブシステム223、およびウェブブラウザサブシステム225を含む。車両設定サブシステム223を使用することで、一般車両運転条件、例えば、シート位置、ムーンルーフまたはサンルーフ位置/操作、車内照明、車外照明、ワイパー操作などの条件を設定することができる。好ましくは、移動体通信リンク227は、コントローラ201にも結合され、これにより、コントローラは更新、インターフェース構成プロファイル、および他のデータを外部データソース(例えば、メーカー、ディーラー、サービスセンター、ウェブベースアプリケーション、リモートホームベースシステムなど)から取得することができる。移動体通信リンク227は、限定はしないがGSM EDGE、UMTS、CDMA2000、DECT、およびWiMAXを含む、さまざまな異なる標準規格のどれかに基づくものとすることができる。
【0014】
好ましい一実施形態では、タッチスクリーン100を使用することで、ユーザは、さまざまな方法で画面上に表示されるデータおよびコントロールを構成することができ、したがって、ユーザインターフェースを個人向けにカスタマイズすることができる。典型的には、ユーザは、構成プロセスの実行中にディスプレイそれ自体を使用して表示およびコントロールを構成する。あるいは、少なくとも1つの実施形態において、ユーザは、リモートシステムを使用して、例えば、ホームコンピュータ上でウェブベースインターフェースアプリケーションを使用してインターフェースを構成し、次いで、通信リンク227を介してインターフェースコントローラ201に構成命令をダウンロードすることができる。
【0015】
タッチスクリーンシステム100が構成可能である1つの方途は、ディスプレイで使用されるゾーンの数である。例えば、図1に例示されている実施形態では、ディスプレイ100は、4つのゾーン101〜104に分割されている。ただし、ディスプレイ100は、それよりも少ない、または多い数のゾーンに分割することもできる。図示されているように、一番上のゾーン101は、1つまたは複数のソフトボタン105で構成されている。ソフトボタン105の代替として、またはソフトボタン105に加えて、ゾーン101を使用して、システム情報、例えば、さまざまなサブシステムのステータスなどを表示することができる。本明細書で使用されているように、ソフトボタンは、ハードボタン(つまり、トグルスイッチ、プッシュボタンなど)と同様の仕方で機能をアクティブ化するか、または他の何らかの方法で制御する事前定義されている、ディスプレイ100のタッチセンサ領域を指す。ソフトボタンは、当技術分野においてよく知られているので、これ以上の説明は行わない。
【0016】
好ましくは、ゾーン101は、永続的ソフトボタン、つまり、ディスプレイ100のこのソフトボタン以外の表示部分をユーザがどのように構成し、使用しようと関係なく永続するソフトボタンからなる。少なくとも1つの実施形態では、永続的ソフトボタン105は、ユーザが一般表示コントロール設定にアクセスすることを可能にする。ソフトボタン105は、ユーザが頻繁に使用されるインターフェース機能にすばやくアクセスできるように、例えば、特定のサブシステム(例えば、一般設定、温度調節器サブシステム、オーディオサブシステム、モバイル機器/携帯電話インターフェース(例えば、Bluetooth(登録商標)対応電話)、ナビゲーションサブシステム、駆動系監視インターフェース、電池充電サブシステムインターフェース、ウェブブラウザ、バックアップおよび/またはフォワードビューカメラなど)に直接アクセスできるように構成することができる。ソフトボタン105は、事前構成されうるか、またはユーザ構成可能であるものとしてよい。
【0017】
ディスプレイ100の残り表示部分、つまり、ゾーン1以外の画面のその部分は、それぞれのゾーンが好ましくは異なる車両サブシステムインターフェースを表す任意の数のゾーンに分割されうる。ゾーンの数、さらにはそれぞれのゾーンのサイズは、典型的には、ディスプレイの全体的サイズと特定のゾーン内に表示される情報の量とによって決まる。例えば、温度調節コントロール情報を提供するゾーンは、典型的には、ナビゲーションシステムに使用されるゾーンよりも表示領域がかなり少なくて済む。図1では、ゾーン102は、ナビゲーションサブシステムコントロール/地図を表示し、ゾーン103は、オーディオサブシステムコントロールを表示し、ゾーン104は、温度調節サブシステムコントロールを表示する。ディスプレイ100は、任意のサイズの任意の個数のゾーンで構成されうるが、好ましくは、ディスプレイ100は、ゾーンの数およびサイズを制限するように車両メーカーまたは車両メーカーの代理人(つまり、サービスセンターなど)によって事前に構成され、したがってユーザが選択できる無制限ではない妥当な数のオプションが用意されることに留意されたい。
【0018】
本発明の一態様では、ゾーンの数およびサイズを設定することに加えて、ユーザは、どのサブシステムインターフェースが特定のゾーン内に配置されるかを事前に設定することによってディスプレイの表示を個人向けにさらにカスタマイズすることができる。例えば、車両の所有者または車両の特定の運転者は、オーディオシステムの特徴、例えば、音源、再生されるチャネルまたはトラック、トーンバランスなどを頻繁に変えることを楽しむ場合がある。そのようなものとして、この特定のユーザは、ディスプレイの表示の中の最も便利で、アクセスしやすいゾーン内にオーディオシステムを設定することができる。オーディオシステムにあまりこだわらない、またはそもそも運転中にはオーディオ番組を聴かない別の運転者は、この同じ表示ゾーン内に異なる一組のシステムコントロールを表示することを好むこともある。
【0019】
特定のユーザがディスプレイ100を構成し、これにより、車両のユーザインターフェースをそれらの特定のインターフェースユーザ設定に合わせて個人向けにカスタマイズする場合、好ましくはこの一組の構成命令はメモリ207内に保持される。これらのユーザ設定を記録した結果として、ユーザは、インターフェースの個人向けカスタマイズプロセスを1回だけ実行し、その後、すでに記録されているユーザ設定を単に呼び出すだけである。本発明の好ましい一実装では、システム200は、複数の運転者/ユーザに対応するように構成され、これによりそれぞれの運転者/ユーザはそのユーザ設定をメモリ207に記録することができる。典型的には、システム200は、2から4つのこのような構成をメモリ207に記録することができるように構成され、例えば、4人家族の家族内のそれぞれの運転者はそれぞれのインターフェースユーザ設定を記録することができる。次いで、事前に記録された一組のインターフェースユーザ設定を持つ運転者の1人が車両に乗り込んだときに、運転者たちは自分のすでに記録されているユーザ設定を単に選択するだけである。事前に記録された一組のインターフェースユーザ設定の選択は、例えば、特定の運転者を識別する手段を使用することによって自動的に行われるものとしてよい。ユーザ識別情報が埋め込まれたキーフォブおよび高度画像認識システムを含む、ユーザの識別を決定するためのさまざまな手段が知られている。あるいは、システム200は、特定のユーザが、例えば、車両内に取り付けられたハードボタンを押すか、またはディスプレイ101上に配置されているソフトボタンを押すことによって、すでに構成されているインターフェースユーザ設定を選択することを要求する場合もある。一実施形態では、ソフトボタン105は、そのような選択手段、特に、「Driver 1」、「Driver 2」、「Driver 3」、および「Driver 4」といラベルが付けられているボタンを持つ選択手段を備える。システム200の特性が構成可能であるため、少なくとも1つの実施形態では、インターフェース設定時に、ユーザ側でそれぞれの選択ボタン105に名前を付けることができる、つまり、「Evan」、「Brian」、「Kylie」、および「Kira」とすることができ、これにより、さらにインターフェースに個
人向けカスタマイズが加わる。
【0020】
多くのユーザが、自分の個人的なユーザ設定のインターフェースを構成することがいくぶん面倒であると感じることがあるので、少なくとも1つの実施形態では、システムは複数のプリセットされたデフォルト設定を備える。ユーザは、それらのデフォルトの設定のうちの1つの設定をそのユーザ個人のユーザ設定として単純に選択するか、またはそのデフォルト設定をさらに修正および個人向けカスタマイズを行うための出発点として使用するか、またはスクラッチから、完全に個人向けにカスタマイズされたインターフェース構成を開発することができる。プリセットされたデフォルト設定を使用する実施形態では、好ましくは、異なる種類のユーザに向けに構成される。例えば、ある1つのデフォルト設定では、車両性能を強調することができ(例えば、「Car Enthusiast Interface」)、他のデフォルト設定では、オーディオシステムを強調することができ(例えば、「Music Lover Interface」)、その一方で、技術的情報をあまり必要とせず、またそのような技術的情報を楽しまない、したがって、必要最小限度のインターフェースを好む人向けに、他のデフォルト設定を設計することができる(例えば、「Technophobe Interface」)。
【0021】
システム200は、ユーザがインターフェースをそのユーザ個人のユーザ設定に事前構成することができるように設計されているが、構成された後は、これは単なる出発点にすぎない。好ましい一実施形態では、ユーザは、所定の時点においてディスプレイの構成を現在のユーザ設定に変更することができる。ユーザの新しいユーザ設定が記録されていない限り、それらの修正は一時的なものにすぎず、これにより、ユーザは記録されているユーザ設定にいつでも戻ることができることは理解されるであろう。例えば、特定のユーザに対するデフォルト構成では、特定の運転において、オーディオサブシステムを強調することができるが、同じユーザが、インターフェースを再構成する、例えば、オーディオインターフェースと温度調節コントロールインターフェースとの間で位置、つまり、ゾーンを切り換えることができる。好ましくは、切り換えは、単純なタッチ&ドラッグ操作を使用することで、例えば、ゾーン103内の任意の位置でゾーン103にタッチしてゾーン3をゾーン102にドラッグすることが行われ、これによって、ゾーン102および103に表示されている情報が逆にされる。それに加えて、ユーザは、特定のゾーン内に含まれるサブシステムインターフェースを全く異なる、以前には表示されていなかった、サブシステムインターフェースに変更することもできる。例えば、特定の運転において、同じユーザが電池性能を監視したい場合がある。このような状況では、ユーザは、ディスプレイに望むインターフェースのアイコンまたは類似の表現が表示されている場合にドラッグ&ドロップアプローチを使用することができる。好ましくは、このようなアイコンは、いくつかの永続的ソフトボタン105のうちの1つである。あるいは、いくつかのソフトボタン105のうちの1つのソフトボタンは、ユーザがさまざまな利用可能なインターフェースのうちから1つのインターフェースを選択できるようにするドロップダウンメニューであってもよい。あるいは、それぞれのゾーンは、インターフェース選択を可能にするドロップダウンメニュー(図示されず)を持つソフトボタンを備えることもできる。好ましい実施形態では、車両が停止され、電源が切られた後、インターフェースは、事前に変更された構成、例えば、最後の運転者の個人向けにカスタマイズされたインターフェースに戻る。
【0022】
プリセット構成を介して、またはオンザフライで、ユーザが表示される車両サブシステムインターフェースおよびこれらの車両サブシステムインターフェースを表示するゾーンを変更できることに加えて、好ましい実施形態では、ユーザは、特定のゾーンのサイズを変更することもできる。例えば、運転中にユーザはナビゲーションインターフェース上に表示される地図の閲覧する部分が広いと有益であると判断することもある。この場合、ユーザは、選択されたインターフェースのサイズを調節して、選択されたインターフェースがディスプレイ画面100のより広い範囲を占めるようにすることができる。好ましくは、特定のゾーンのサイズを変更するために、ユーザは、画面上の変更するインターフェースゾーンの境界をタッチして、そのインターフェースを望む位置にドラッグし、それにより、その特定のゾーンのサイズを変更する。例えば、ナビゲーションインターフェースが、最初に、図1に示されているようにゾーン102内にあると仮定すると、ユーザは、ディスプレイ100のゾーン境界107にそったところにある任意の位置をタッチし、次いで、この境界を下方にドラッグして、ゾーンのサイズを拡大することが可能である。一実施形態では、ユーザは、ゾーン境界をディスプレイ100の表示内の任意の位置に配置することができる。代替実施形態では、ゾーン境界は、事前定義されている境界位置、例えば、ゾーン境界109の位置またはゾーン境界111の位置に移動する、つまり「吸着」する。この例では、ゾーン境界111は、ディスプレイ100の表示の底部でもあり、したがって、ナビゲーション画面をディスプレイの全画面サイズに拡大することができることに留意されたい。事前定義された境界位置を使用することで、ゾーンが不効率なサイズに設定されること、例えば、1つのゾーンのサイズを変更した後に不十分な領域を残し第2のゾーンを残りの領域内に留まらせることが防止されるので、ディスプレイ100の表示領域を最適な状態で使用することができることは理解されるであろう。
【0023】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、ユーザは、特定のサブシステムインターフェースに対するディスプレイの特定のゾーン内に備えられているインターフェース表示およびコントロールを構成することができる。本発明のこの態様を用いると、ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ上に表されるそれぞれのシステムインターフェースを個人向けにカスタマイズすることができ、これにより、コントロールを好ましい位置に移動し、またコントロールの削除また追加さえも行える。例えば、ユーザは、利用可能なソースのみを表示するようにオーディオサブシステムインターフェースのオーディオソースの態様を構成することができる。これは、多数の音源(例えば、AM、FM、CD、衛星ラジオ、MP3プレーヤーなど)があるユーザもいれば、利用可能な音源の数が非常に限られている(AM/FMラジオのみ)、したがって使用されない音源をなくし、表示がごちゃごちゃになる状況を軽減することを好むユーザもいるので特に有益である。
【0024】
特定のサブシステムインターフェース用に備えられているコントロールを構成することに加えて、本発明のシステムでは、ユーザがユーザインターフェースの外観とスタイルを構成することもできる。ユーザインターフェースの見かけを変更することは実用上の理由からであり、例えば、視力制限のあるユーザを補助するためコントロールのサイズを変更したり、表示される情報の言語を変更したり、および/または米国式単位とメートル法単位とを変更したりすることができる。あるいは、ユーザは、純粋に見栄え上の理由からインターフェースの外観を変更したい場合もある。例えば、一方のユーザが、アイコン、グラフ、およびイラストによってさまざまな機能およびデータを表示するグラフィカルインターフェース(例えば、図1の温度調節コントロールサブシステムインターフェース104)を使用することを望む場合がある。しかし、他方のユーザは、図3に示されている温度調節コントロールサブシステムインターフェース301などの、非グラフィカルインターフェースを使用することを望んでいる場合がある。好ましい一実施形態では、ユーザは、複数の事前構成されたスタイルからそれぞれの表示されている車両サブシステムインターフェースのスタイルを選択することができる。代替アプローチでは、すでに指摘されているように、ユーザは、例えば、ホームコンピュータ上でウェブベースインターフェースアプリケーションを使用してリモートシステム上のインターフェースのスタイルを修正し、次いで、通信リンク227を介してインターフェースコントローラ201に修正されたスタイルをダウンロードすることができる。
【0025】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、ユーザインターフェースのゾーンの1つは、ウェブブラウザとして構成することができる。ウェブブラウザは、移動体通信リンク227を使用する。図4は、ディスプレイ100の表示の複数のゾーンのうちの1つのゾーン内で使用するための例示的なウェブブラウザインターフェース400を示している。図示されているように、インターフェース400は、検索ウィンドウ401および要求を入力するためのキーボード403を備える。それに加えて、好ましい一実施形態では、他のいくつかの移動体通信デバイス、例えば、3Gおよび4G携帯電話の場合のように、ユーザは、コントロールシステム201内にアプリケーションをダウンロードし、次いで、タッチスクリーン100上に表示することができる。
【0026】
所有者によって選択された車両オプションに応じて、車両は、タッチスクリーン100の一時的使用を必要とするさまざまなシステムを備えることができる。例えば、注目している車両は、駐車時の運転を補助するために1つまたは複数のカメラ(例えば、バックアップカメラ、フォワードビューカメラ)を備えることができる。携帯電話インターフェースが備えられている場合、携帯電話インターフェースは、電話番号入力の際にタッチスクリーン100を一時的に使用する必要がある場合もある。本発明の少なくとも1つの実施形態では、ユーザは、スクリーン100のどのゾーンをそのような一時的アプリケーションに使用するかを構成することができる。
【0027】
本発明の一実施形態において、ユーザは、タッチスクリーン100のそれぞれのサブシステムインターフェースゾーンに対する背景色を独立して構成することができる。例えば、ユーザは、オーディオシステムインターフェースの背景色が青色で、温度調節コントロールインターフェースの背景が黒色になるようにタッチスクリーンを構成することができる。色に加えて、いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば、つや消しアルミニウム、黒色陽極酸化処理金属、テクスチャードレザーなどをまねたパターンを使用して、それぞれのゾーンについて背景パターンを選択することができる。あるいは、いくつかの実施形態において、ユーザは特定のゾーンに対しオーバーレイ色を選択することができ、例えば、第1のゾーンを赤色に、第2のゾーンを青色に、というように着色することができる。それに加えて、いくつかの実施形態では、ユーザは、境界なしから大きな境界まで、さまざまな境界分離ゾーン(例えば、境界107と109)のサイズおよび/または色を選択することができる。さまざまな背景色、パターン、オーバーレイ、およびゾーン境界を使用すると、ユーザは、ユーザが運転中に望むコントロールをすばやく見つけなければならないときにいくつかのゾーンのうちどのゾーンが有益か明確に区別することを遅滞なく行うことができる。
【0028】
すでに述べているように、好ましくは、インターフェースソフトボタン(例えば、ボタン105)のいくつかは、ユーザがディスプレイの表示をどのように構成しているかに関係なく、画面上で永続し、画面上に残るように構成される。そのような永続的コントロールは、例えば、頻繁に使用されるコントロールにアクセスするために、または必要に迫られて、例えば、ユーザがインターフェース構成設定メニューに再度入ることができるようにするために、便宜上使用できる。それに加えて、他の種類のコントロールも、素早いアクセスを確実に行えるようにするために永続する必要がある場合があることは理解されるであろう。いくつかのコントロールについては、そのような永続性は、連邦自動車安全基準により要求される場合がある。本発明のインターフェースでは、永続的ソフトボタンは、好ましくは、いくつかの温度調節コントロール(例えば、霜取り、温度コントロール)およびいくつかのオーディオサブシステムのソフトボタン(例えば、ボリュームコントロール)用に備えられる。永続的ソフトボタンでは、ユーザがゾーンのサイズを変更し、例えば、ナビゲーションゾーンもしくはウェブブラウザゾーンを拡大する場合、永続的ソフトボタンは見えたままである。少なくとも1つの実施形態では、永続的ボタンを含むシステムインターフェースが置き換えられる場合、永続的ボタンは、同じ位置に留まり、選択されたインターフェースを通してはっきりと見える。例えば、図5では、タッチスクリーン500は、2つのゾーン、つまり、ウェブブラウザサブシステムインターフェースからなる上側ゾーン501とナビゲーションサブシステムインターフェースからなる下側ゾーン503に分割される。永続的デフロスターボタン505は、ゾーン503内のナビゲーションインターフェースを通じてはっきり見える。少なくとも1つの代替実施形態では、永続的ボタンを含むシステムインターフェースが置き換えられる場合、(複数の)永続的ボタンは、ディスプレイ100の表示上の異なる位置に移動するが、この位置は、非永続的インターフェースとの干渉を最小限度に抑えるように選択された新しい位置である。例えば、図6に示されているユーザインターフェースは、ディスプレイ600の表示の下部近くにある領域が永続的ボタン、この例では、霜取りソフトボタン601、音量増ソフトボタン603、音量減ソフトボタン605に予約されていることを除き、図5に示されているユーザインターフェースと同一である。永続的ボタンの再配置の結果、ナビゲーションサブシステムとの干渉はなくなる。
【0029】
好ましくは、タッチスクリーンディスプレイ(例えば、ディスプレイ100、500、600)の光量または輝度は、周辺光量に応じて変化するように構成される。輝度が変化する仕方は、使用されるディスプレイ技術の種類(例えば、LED、OLED、AMOLED、LCDなど)に依存すること、また本発明は、ディスプレイ技術の特定の種類に限定されないことは理解されるであろう。タッチスクリーンの光出力は、2つのレベル、つまり、昼間モードと夜間モードしかないか、または複数の段階にわたって変化し、したがって、周辺光条件(例えば、曇りの日と明るく晴れた日との比較)をより正確に表すことができる。それぞれのステップでの画面輝度は、例えば、メーカーもしくはサービス担当者によって事前に構成されるか、またはユーザ側で構成可能なものとしてよい。周辺光条件を決定するために、コントローラ201は、周辺光検出器229に接続される。検出器229は、客室内の、例えばダッシュボード上に取り付けられるか、または外部の場所に取り付けられうる。
【0030】
周辺光条件に応じて表示輝度を変化させることに加えて、好ましくは、画面は、使用状況に応じて輝度を変化させるようにも構成される。例えば、タッチスクリーンが使用されている間、好ましくは、表示輝度は、第1の出力レベルにあり、例えば、最大輝度レベルまたはほぼ最大輝度にある。対照的に、画面が、プリセットされた期間の間、使用されていない、つまり、タッチされていない場合、表示輝度は、著しく下げられ、これにより、エネルギーを節約し、運転者の注意散漫を最小限に抑える。輝度レベルを下げる後者のモードは、本明細書ではスリープモードと称する。コントローラ201は、画面使用、または後述のようなゾーンによる画面使用を監視するように構成されうることに留意されたい。
【0031】
周辺光条件および/または表示使用状況に応じて表示輝度を変化させることに加えて、好ましくは、画面は、車両の電力要件に応じて輝度レベルを変化させるようにも構成される。この態様は、主に、典型的には電池リソースが有限である、例えば、利用可能電力量が現在の電池残量に制限される、電気自動車(つまり、EV)の場合に重要である。このような車両は、自動的に作動するか、またはユーザ選択可能な異なる運転モードを有することができる。例えば、車両は、車両システムが所定の充電に対して最大の車両走行可能距離となるように最適化されている拡張走行可能距離モードで運転可能であるものとしてよい。あるいは、車両は、充電レベルを監視し、監視されている充電レベルが所定のレベルに低下した後、電池から電力を引き込む非本質的システムを制限するように設計されうる。これらのような状況では、好ましくは、ディスプレイは、ディスプレイをオフにするか、または輝度レベルを下げて、電池リソースを節約するように構成されうる。
【0032】
好ましい一実施形態では、ユーザは、表示輝度レベル、スリープモードなどに関係するさまざまな機能を構成することができる。構成可能な機能としては、以下のものがある。
-通常使用時の輝度レベル。この態様を使用すると、ユーザは、通常ディスプレイ使用時に、つまり、ユーザがタッチスクリーンを対話操作しているときに、使用する輝度レベルを設定することができる。好ましくは、ユーザは、画面表示動作が昼間モードで行われるのか、夜間モードで行われるのかに応じて、異なる輝度レベルを設定することができる。
-スリープモードでの輝度レベル。この態様を使用すると、ユーザは、ディスプレイがスリープモードであるときに使用する輝度レベルを設定することができる。例えば、ユーザは、スリープモードに入っている間、永続的コントロールを除き、画面を完全にオフにするように設定することができる。あるいは、ユーザは、スリープモードに入っているときに非常に低い出力(つまり、輝度)レベルで、ただし、低電力で使用することができ、注意散漫が最小限度に抑えられるという利点を得ながら、表示される情報をユーザが認識できる十分な輝度で、動作するように画面を構成することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、スリープモードに入っているときに、画面表示動作が昼間モードで行われるのか、夜間モードで行われるのかに応じて、異なる輝度レベルを設定することができる。
-ゾーン別の輝度レベル。この態様では、ユーザは、画面全体で輝度レベルを設定するのではなく、ゾーン別に輝度レベルを設定することができる。好ましくは、ユーザは、通常使用(つまり、ディスプレイ使用時)とスリープモード中の両方に対して、ゾーン別に輝度レベルを設定することができる。本発明のこの態様は、いくつかの利点を有する。第1に、これにより、ユーザは、ゾーンの輝度で、ナビゲーションインターフェースなどの、より重要なサブシステムインターフェースを強調することができる。第2に、これにより、ユーザは、ナビゲーションインターフェースなどの、いくつかのゾーン上の輝度レベルを、画面へのタッチを介してユーザが対話操作していない場合であっても比較的明るく保持することができる。その結果、電力使用量および運転者の注意散漫は、重要度の低いゾーン、つまり、設定され、その後残されているゾーン(例えば、オーディオインターフェース、温度調節コントロール)上で最小限度に抑えることができ、その一方で、継続的に監視されなければならないゾーンは、十分な輝度を有することが保証される。
-車両サブシステムインターフェース別の輝度レベル。この態様を使用すると、ユーザは、特定のサブシステムによる輝度レベルを、それがどのゾーン内に表示されるかに関係なく設定することができる。したがって、この態様は、ゾーン別に輝度レベルを設定することに類似しているが、ただし、輝度設定に影響を及ぼすことなく特定のインターフェースを異なるゾーンに移動できるという点が異なる。その結果、ユーザが特定のサブシステムインターフェース、例えば、ナビゲーションサブシステムインターフェースを異なるゾーンに移動する場合であっても、同じ動作をする、つまり、使用時に、またスリープモードに入っている間に、同じ輝度レベルを示す。ゾーン別の設定と同様に、好ましくは、ユーザは、通常使用とスリープモードの両方に対し、サブシステムインターフェース別に、輝度レベルを設定することができる。
-スリープモード起動の時間。この態様を使用すると、ユーザは、スリープモードに入るまでにどれだけの間画面にタッチしないでいなければならないかを設定することができる。
-ゾーン別のスリープモード起動の時間。この態様を使用すると、ユーザは、特定のゾーンがスリープモードに入るまでにどれだけの間その特定のゾーンにタッチしないでいなければならないかを設定することができる。
-車両サブシステムインターフェース別のスリープモード起動の時間。この態様を使用すると、ユーザは、特定の車両サブシステムインターフェース(例えば、ナビゲーションインターフェース、オーディオシステムインターフェース、温度調節コントロールインターフェース)が、ゾーンに関係なく、スリープモードに入るまでにどれだけの間その特定のインターフェースにタッチしないでいなければならないかを設定することができる。
【0033】
すでに述べられているように、好ましくは、全体として、またはゾーン別に、または車両サブシステムインターフェース別に、画面は、プリセットされた時間の間画面/ゾーン/インターフェースにタッチしていないときにスリープモードに入ることができる。好ましくは、スリープモードに入った後、画面を1回タッチすると、画面はスリープモードを終了し、それにより、プリセットされたスリープモード輝度レベルからプリセットされた通常使用輝度レベルに輝度レベルが変更される。システムは、タッチしてシステムを目覚めさせると、前述のようにシステムがディスプレイ表示別のスリープモードに入るように設定されているか、ゾーン別のスリープモードに入るように設定されているか、またはサブシステムインターフェース別にスリープモードに入るように設定されているかに関係なく、画面全体がスリープモードから通常モードに変わるように構成されうる。あるいは、システムは、タッチされたゾーン、またはサブシステムインターフェースのみを目覚めさせるように構成することもできる。
【0034】
タッチしてシステムを目覚めさせることに加えて、好ましくは、システムは、検出感度、したがってディスプレイをアクティブ化するために必要な画面までのユーザの近接度が、プリセットされるか、またはユーザ構成可能である、画面までのユーザの近接度によって目覚めるように構成することもできる。この構成は、コントローラ201に接続される、近接検出システム231を備える1つまたは複数の近接センサ701を必要とする。図7は、本発明のこの態様を例示している。図示されているように、いくつかの近接センサ701が、タッチスクリーンディスプレイ100のいずれかの側に取り付けられている。センサ701は、ディスプレイの運転者側にのみ取り付けられうるが、好ましくは、センサ701は、ディスプレイ100の両側に取り付けられ、近接検出システムは、運転者または助手席シートの乗客のいずれもがタッチスクリーンをスリープモードから目覚めさせることができるように設計される。
【0035】
本発明とともにさまざまな種類の近接センサおよび近接検出システムを使用することができ、また本発明は、特定の種類の近接センサまたはセンサシステムに限定されないことは理解されるであろう。一般に、近接センサは、周囲環境を監視して、この周囲環境内に変化がないか調べるか、または電磁場またはビームを放射し、帰還信号の変化がないか調べる。例示的な近接センサおよびセンサシステムは、以下を含む。
-電磁ビーム:一般的な電磁感知システムは、電磁ビーム(例えば、赤外線LEDによって放射される赤外線ビーム)を使用する。典型的には、電磁ビームの放射源が、監視される領域の一方の側に配置され、検出器が、監視される領域の他方の側に取り付けられる。あるいは、システムは、そのような電磁ビームの帰還信号を単に監視するだけであり、これにより、反射式センサアプローチを使用することができる。
-電磁場:この種類のセンサは、典型的には、電磁スペクトルの特定の帯域を監視し、スペクトルのこの帯域内に変化がないか調べる。例えば、スペクトルの赤外線部分を監視することによって、そのようなセンサは、赤外線放射源が検出器にいつ近接するかを検出することができる。
-超音波:超音波システムは、典型的には、音波パルスを放射して、それぞれの音波パルスが反射してセンサに戻ってくるまでに要する時間を監視する。システムの感度は、帰還時間閾値を設定することによって設定され、帰還時間が、その閾値より大きい場合、システムは、検出領域に近接する物体はないと判定するが、帰還時間がその閾値より小さい場合、システムは、検出領域に近接する物体があると判定する。
-静電容量型変位センサ:一般に、この種類のシステムは、感知範囲内にある導体の位置とともに変化する、2つの板の間の誘電定数を監視する。
【0036】
一実施形態では、近接検出器、例えば、センサ701は、ディスプレイ表示画面100全体を目覚めさせるために使用される。このアプローチでは、ユーザ(例えば、近接検出システム231の構成に応じて、運転者または助手席の乗客)が、ディスプレイ(例えば、ディスプレイ100、500、600など)に向けて手を伸ばすと、画面がスリープモードから目覚める。このアプローチがすでに説明されている画面タッチ目覚ましシステムに勝る利点は、タッチスクリーンは、2回タッチされる(目覚ましタッチと入力タッチ)必要があるのとは反対に、ユーザからコマンドをすぐに受け取ることが可能な状態にあるという点である。近接センサなしの構成の場合のように、好ましくは、ユーザは、通常使用モードとスリープモードの両方における表示輝度レベル、さらには、スリープモードに入るまでに画面をタッチしないでいなければならない時間の長さを構成することができる。必要ならば、ゾーン毎にスリープモードに入るようシステムを構成することもできる。最後に、少なくとも1つの実施形態において、ユーザは、誤って画面が目覚める可能性をできる限り小さくするように近接検出システム231の感度を設定することができる。
【0037】
少なくとも1つの好ましい実施形態では、近接検出システム231は、タッチスクリーンディスプレイのどのゾーンにユーザの手が近づいてきているかをコントローラ201に判定させることができるように構成される。典型的には、この判定は、図7に示されているようにディスプレイの一方の側または両方の側に関して複数のセンサ701を使用することにより実行される。複数のセンサ701を使用すると、コントローラ201は、ディスプレイ100のどのゾーンにユーザの手が近づいてきているかを、例えば、ユーザがディスプレイに手を伸ばしたときにユーザの手がどのセンサ701に最も近いかを判定し、次いで、そのセンサと特定のゾーンとのマッチングを行うことによって判定することができる。少なくとも1つの実施形態では、ユーザは、表示画面全体ではなく、ユーザの手を検出した(複数の)近接センサに近いゾーンのみを目覚めさせるようにシステムを構成することができる。本発明のこの態様では、ユーザは、注目している車両サブシステムインターフェース、例えば、オーディオシステムインターフェースのみをアクティブ化する、つまり、目覚めさせることができ、したがって、節電が実現され、また注意散漫も最小限に抑えられる。
【0038】
添付図面において、複数の図で使用されている同一の参照記号は、同じコンポーネント、または同等の機能を持つ複数のコンポーネントを指すものと理解されるべきである。それに加えて、添付図面は、本発明の範囲を制限する意図はなく、例示することのみを目的としている。
【0039】
当技術分野を熟知する者であれば理解するように、本発明は、本発明の精神またはその本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で実現することができる。したがって、本明細書の開示および説明は、以下の請求項で規定される本発明の範囲を例示することを目的とし、本発明の範囲を制限することを目的としていない。
【符号の説明】
【0040】
100 タッチスクリーン、ディスプレイ
101〜104 ゾーン
105 ソフトボタン
106 ソフトボタン
107 ゾーン境界
109 ゾーン境界
111 ゾーン境界
200 インターフェースシステム
201 システムコントローラ
203 GPU(グラフィックプロセッシングユニット)
205 CPU(中央演算処理装置)
207 メモリ
209 オーディオサブシステム
211 温度調節コントロールサブシステム
213 ナビゲーションサブシステム
215 駆動系サブシステム
217 充電サブシステム
219 携帯電話サブシステム
221 車載カメラサブシステム
223 車両設定サブシステム
225 ウェブブラウザサブシステム
227 移動体通信リンク
229 周辺光検出器
231 近接検出システム
301 温度調節コントロールサブシステムインターフェース
400 ウェブブラウザインターフェース
401 検索ウィンドウ
403 キーボード
500 タッチスクリーン、ディスプレイ
501 上側ゾーン
503 下側ゾーン
505 永続的デフロスターボタン
600 ディスプレイ
601 霜取りソフトボタン
603 音量増ソフトボタン
605 音量減ソフトボタン
701 近接センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両インターフェースを構成する方法であって、
車両内に取り付けられたタッチスクリーンを備えるステップと、
前記タッチスクリーンを介してユーザ構成命令をシステムコントローラに入力するステップと、
ユーザ構成命令の前記集合に基づいて前記タッチスクリーンを複数のゾーンに分割するステップと、
複数の車両サブシステムインターフェースから少なくとも2つの車両サブシステムインターフェースを選択するステップであって、前記タッチスクリーンを介して実行されるステップと、
前記少なくとも2つの車両サブシステムインターフェースのそれぞれに対する前記複数のゾーンからゾーン位置を選択するステップであって、前記タッチスクリーンを介して実行されるステップと、
前記選択されたゾーン位置に前記少なくとも2つの車両サブシステムインターフェースを表示するステップであって、前記車両サブシステムインターフェース選択ステップに対する応答として、また前記ゾーン位置選択ステップに対する応答として前記システムコントローラによって実行されるステップとを含む方法。
【請求項2】
複数の車両サブシステムインターフェースから少なくとも2つの車両サブシステムインターフェースを選択する前記ステップは、温度調節コントロールインターフェース、オーディオコントロールインターフェース、移動体/携帯電話インターフェース、ナビゲーションコントロールインターフェース、駆動系監視インターフェース、電池充電コントロールインターフェース、車両設定インターフェース、およびウェブブラウザからなる複数の車両サブシステムインターフェースから前記少なくとも2つの車両サブシステムインターフェースを選択するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つの車両サブシステムインターフェースのそれぞれに対するゾーン位置を切り換えるステップをさらに含み、前記ゾーン位置切り換えステップは、前記タッチスクリーンを介して実行され、前記ゾーン位置切り換えステップは、前記タッチスクリーン上でタッチ&ドラッグ操作を使用するステップをさらに含む請求項1から2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のゾーンのうちの特定の1つのゾーンに対応する境界を選択するステップであって、前記タッチスクリーン上の前記境界をタッチするステップをさらに含むステップと、
前記複数のゾーンのうちの前記特定のゾーンのサイズを変更するステップであって、前記タッチスクリーンを介して前記境界を新しい境界位置にドラッグするステップをさらに含むステップとをさらに含む請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記タッチスクリーン上で複数の永続的ソフトボタンを位置決めするステップをさらに含む請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記選択されたゾーン位置に表示されている前記少なくとも2つの車両サブシステムインターフェースのうちから特定の1つの車両サブシステムインターフェースを選択するステップと、
前記タッチスクリーンを介して前記特定の車両サブシステムインターフェースを修正するステップと、
前記特定の車両サブシステムインターフェースからアイコン、監視情報、および/またはコントロールソフトボタンの追加/削除を行うステップとをさらに含む請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記選択されたゾーン位置に表示されている前記少なくとも2つの車両サブシステムインターフェースのうちから特定の1つの車両サブシステムインターフェースを選択するステップと、
前記タッチスクリーンを介して前記特定の車両サブシステムインターフェースを修正するステップと、
前記特定の車両サブシステムインターフェースに関連付けられるデータ表現スタイルを選択するステップであって、前記データ表現スタイルは、複数のプリセットされたデータ表現スタイルから選択され、前記データ表現スタイルを選択する前記ステップは、前記タッチスクリーンを介して実行される、ステップとをさらに含む請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記選択されたゾーン位置に表示されている前記少なくとも2つの車両サブシステムインターフェースのうちの特定の1つの車両サブシステムインターフェースに関連付けられているデータ表現スタイルを修正するステップであって、リモートに置かれているコンピュータ上でリモート実行されるステップと、
前記コントローラに結合されている通信リンクを介して前記修正されたデータ表現スタイルを前記システムコントローラにダウンロードするステップと、
前記特定の車両サブシステムインターフェースについて前記修正されたデータ表現スタイルを選択するステップとをさらに含む請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
周囲光条件を判定するステップをさらに含み、周囲光条件は、前記システムコントローラに結合されている光センサによって検出され、前記表示ステップは、昼間使用時に第1の表示輝度レベルで前記選択されたゾーン位置に前記少なくとも2つの車両サブシステムインターフェースを表示するステップと、夜間使用時に第2の表示輝度レベルで前記選択されたゾーン位置に前記少なくとも2つの車両サブシステムインターフェースを表示するステップとをさらに含む請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
周囲光条件を判定するステップをさらに含み、周囲光条件は、前記システムコントローラに結合されている光センサによって検出され、前記表示ステップは、前記周囲光条件に基づいて複数の表示輝度レベルのうちから1つの表示輝度レベルを選択するステップをさらに含む請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
画面使用を監視するステップであって、前記システムコントローラによって実行されるステップと、
前記監視されている画面使用に基づいて前記タッチスクリーンに対する動作モードを設定するステップであって、前記動作モードは、通常使用モードとスリープモードとから選択され、前記動作モード設定ステップは、監視されている画面使用がない場合にプリセット時間が経過した後、前記通常使用モードから前記スリープモードに自動的に切り換えるステップをさらに含む、ステップと、
前記タッチスクリーンが前記通常使用モードであるか、または前記スリープモードであるかに基づいて表示輝度レベルを設定するステップとをさらに含む請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のゾーンのそれぞれのゾーン内の画面使用を独立して監視するステップであって、前記システムコントローラによって実行されるステップと、
前記複数のゾーンのうちの対応するゾーンの前記監視されている画面使用に基づいて前記複数のゾーンのそれぞれのゾーンについて動作モードを設定するステップであって、前記動作モードは、通常使用モードとスリープモードとから選択される、ステップと、
前記ゾーンが前記通常使用モードであるか、または前記スリープモードであるかに基づいて前記複数のゾーンのそれぞれのゾーンについて表示ゾーン輝度レベルを設定するステップとをさらに含む請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のゾーンのそれぞれのゾーンについて前記表示ゾーン輝度レベルを設定する前記ステップは、前記ゾーンが前記通常使用モードであるか、または前記スリープモードであるかに基づいて、また前記ユーザ構成命令内で設定されているゾーン輝度レベル命令の集合に基づいて、前記複数のゾーンのそれぞれのゾーンに対する前記表示ゾーン輝度レベルを対応するゾーン輝度レベルに設定するステップをさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のゾーンの対応するゾーン内で監視されている画面使用がない場合にプリセット時間が経過した後に前記複数のゾーンのそれぞれのゾーンに対する前記動作モードを前記通常使用モードから前記スリープモードに自動的に切り換えるステップをさらに含み、また前記ユーザ構成命令に前記プリセット時間を設定するステップをさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記システムコントローラに結合されているメモリ内に前記ユーザ構成命令を記録するステップと、
参照番号を前記メモリ内に記録されているユーザ構成命令のそれぞれの集合に割り当てるステップとをさらに含む請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−81798(P2011−81798A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224883(P2010−224883)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(509316442)テスラ・モーターズ・インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】