説明

ラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置

【課題】 ラインヘッドの傾き検出用パターンの作成を簡単に行うことができる、ラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置の提供。
【解決手段】 ガラス基板62には、ドット光源として構成されている画像形成用の光源(発光部)63が形成されており、発光部63が主走査方向に複数配列されて、発光素子ラインが形成されている。72はTFT駆動回路で、発光部63を駆動する。ガラス基板62の主走査方向両端には、ラインヘッドの傾き検出用パターンを形成する複数の発光素子74、75を設けている。これらの発光素子74、75は、ドット光源と同じ形状で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラインヘッドの傾き検出を簡単に行うことができる、ラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式のトナー像形成手段は、外周面に感光層を有する像担持体としての感光体と、この感光体の外周面を一様に帯電させる帯電手段と、この帯電手段により一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段とを有している。
【0003】
カラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置としては、上記のようなトナー像形成手段を、中間転写ベルトに対して、複数個(例えば4個)配置する。これら単色トナー像形成手段による感光体上のトナー像を順次中間転写ベルトに転写して、中間転写ベルト上で複数色(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒))のトナー像を重ね合わせ、中間転写ベルト上でカラー画像を得る中間転写ベルト形式のものがある。
【0004】
また、静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、ラインヘッドとを備えたカラー画像形成装置が知られている。この画像形成装置においては、ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持し、所定の回転方向に回転することにより異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送する。そして、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させる。このような処理により、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成するものである。
【0005】
前記のようなタンデム方式、またはロータリ方式の画像形成装置においては、ラインヘッドに発光素子としてLEDや有機EL素子を用いたものが知られている。このような構成のラインヘッドが、主走査方向の基準位置に対して傾いて取り付けられる場合がある。図13は、ラインヘッドが主走査方向で基準位置に対して傾いて取り付けられる例を示す説明図である。図13において、(a)は、ラインヘッドが基準の取り付け位置(正規の主走査線形成位置)の状態、(b)は、図示上方向に数ドット分傾いて取り付けられている状態、(c)は、図示下方向に数ドット分傾いて取り付けられている状態を示している。
【0006】
前記のように、ラインヘッドが主走査方向の基準位置に対して傾いて取り付けられると、濃度むらが生じて画像品質が劣化する。また、カラー画像形成の場合には色ずれが生じて所望の色再現ができないという問題が発生する。このような、ラインヘッドの傾きに起因する画像劣化を防止するために、ラインヘッドの傾きを検出するための種々の提案がなされている。例えば特許文献1においては、転写ベルト上に各色毎に測定用パターン画像を形成するためのパターン用画像信号発生手段を設け、検知手段により前記パターンを検知している。
【0007】
【特許文献1】特開昭63−278074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献1に記載の技術においては、測定用パターンを作成して外部から画像形成装置に入力している。また、画像形成装置に設けた制御装置の内部に、前記測定用パターンを記憶データとして保持しておく必要がある。このため、測定用パターンを作成するための手間がかかる上に、画像形成装置における制御装置の構成が複雑になり、ラインヘッドの傾き検出が簡単にできないという問題があった。
【0009】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ラインヘッドの傾き検出を簡単に行うことができるラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明のラインヘッドは、基板に、画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子を配列した発光素子ラインと、前記各発光素子を駆動する駆動回路とを有し、前記基板に、ラインヘッドの傾き検出用パターンを形成する複数の他の発光素子を、前記画像印字用のドット光源と同じ形状のドット光源で、主走査方向で同一線上に設けたことを特徴とする。このように、本発明のラインヘッドは、基板に傾き検出用パターンを形成する複数の他の発光素子を設けるという簡単な構成であり、外部で別途傾き検出用パターンを作成する必要がないので、コストを低減しラインヘッドの傾き補正を行うための処理も簡略化される。また、傾き検出用パターンを形成する複数の他の発光素子は、画像印字用のドット光源と同じ形状のドット光源で形成しているので、画像印字用のドット光源と同じ工程で製造でき、製作が簡単でコストを低減することができる。
【0011】
また、本発明のラインヘッドは、前記複数の他の発光素子は、前記基板の前記発光素子ラインとは副走査方向で異なる位置に設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、基板スペースの有効利用が図れる。
【0012】
また、本発明のラインヘッドは、前記複数の他の発光素子は、前記発光素子ラインと主走査方向で同一線上に設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、ラインヘッドの傾き検出用パターンを形成する複数の他の発光素子を、ドット光源からなる複数の発光素子と同じ工程で基板に作成することができる。
【0013】
また、本発明のラインヘッドは、前記複数の他の発光素子は、前記基板の両端にそれぞれ設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、基板の空きスペースの有効利用を図ることが出来る。
【0014】
また、本発明のラインヘッドは、前記複数の他の発光素子を、印字領域内に設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、ラインヘッドの傾き検出用パターンを形成する複数の他の発光素子を設ける基板位置の制約を受けず、自由度を高めることができる。
【0015】
また、本発明のラインヘッドは、前記複数の他の発光素子を画像印字用の発光素子として兼用することを特徴とする。このように、ラインヘッドの傾き検出用パターンを形成する発光素子を画像印字用の発光素子としても用いているので、発光素子の利用効率を向上させることができる。
【0016】
また、本発明のラインヘッドは、前記複数の他の発光素子を、印字領域外に設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、画像形成の妨げとなることなくラインヘッドの傾き検出用パターンを形成することができる。
【0017】
また、本発明のラインヘッドは、前記画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子、および前記複数の他の発光素子を有機EL素子で形成したことを特徴とする。このような構成とすることにより、有機EL素子は静的な制御が可能であるので、ラインヘッドの制御系を簡略化できる。
【0018】
また、本発明のラインヘッドは、前記駆動回路をTFT駆動回路で形成したことを特徴とする。このような構成とすることにより、ドット光源からなる複数の発光素子と同じ工程で駆動回路を基板に作成できるので、駆動回路作成のコストを低減することができる。
【0019】
また、本発明のラインヘッドは、前記画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子と、前記複数の他の発光素子とを前記駆動回路で共通して駆動することを特徴とする。このような構成とすることにより、単一の駆動回路でドット光源からなる複数の発光素子と、傾き検出用パターンを形成する複数の他の発光素子とを駆動するので、駆動回路の有効利用を図ることができる。また、ラインヘッドのスペースを節約して小型化することができる。
【0020】
また、本発明のラインヘッドは、前記駆動回路に、画像印字の発光素子の駆動と、傾き検出用パターン形成の発光素子の駆動とを切り替える切り替え手段を設けたことを特徴とする。このような構成とすることにより、画像印字、および傾きパターン形成の誤操作を防止できる。
【0021】
また、本発明のラインヘッドは、前記複数の他の発光素子は、前記駆動回路により傾き検出用パターン形成時に同じタイミングで駆動されることを特徴とする。このような構成とすることにより、傾き検出用パターン形成の制御が簡単になる。
【0022】
また、本発明のラインヘッドは、前記ラインヘッドの傾き検出用パターンの検出手段を設け、前記検出手段の検出結果に基づきラインヘッドの傾きデータを算出する手段と、前記傾きデータを記憶する手段とを有することを特徴とする。このように、ラインヘッドの傾きデータを記憶しているので、傾き補正データの作成が容易であり、ラインヘッドの傾きに起因する画質劣化を防止することができる。
【0023】
また、本発明の画像形成装置は、像担持体の周囲に帯電手段、前記いずれかのラインヘッド、現像手段、転写手段の各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする。このため、タンデム方式の画像形成装置において、ラインヘッドの傾き検出用パターンの作成と、傾きデータを用いた傾き補正を簡単に行うことができる。
【0024】
また、本発明の画像形成装置は、静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、前記いずれかのラインヘッドとを備え、前記ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする。このため、ロータリ現像ユニットを備えた画像形成装置において、ラインヘッドの傾き検出用パターンの作成と、傾きデータを用いた傾き補正を簡単に行うことができる。
【0025】
また、本発明の画像形成装置は、中間転写部材を備えたことを特徴とする。このため、中間転写部材を備えた画像形成装置において、ラインヘッドの傾き検出用パターンの作成と、傾きデータを用いた傾き補正を簡単に行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明によれば、ラインヘッドの傾き検出用パターン作成用の発光素子を、ドット光源の複数の発光素子と同じ基板に形成しているので、前記検出用パターン作成の構成を簡略化できる。また、かかる傾きデータを用いて傾き補正を簡単に行うことができる。さらに、傾き検出用パターンを形成する複数の他の発光素子は、画像印字用のドット光源と同じ形状のドット光源で形成しているので、画像印字用のドット光源と同じ工程で製造でき、製作が簡単でコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図9は、本発明のラインヘッドが用いられる画像形成装置の縦断側面図である。本実施例は、発光素子として有機EL素子を用いている。この画像形成装置は、同様な構成の4個の有機ELアレイ露光ヘッドを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)の露光位置にそれぞれ配置したものであり、タンデム方式の画像形成装置として構成されている。図9に示された本実施例の画像形成装置1は、ハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4とを有している。さらに、第1の開閉部材3には、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された開閉蓋3’を備え、開閉蓋3’は第1の開閉部材3と連動して、または独立して開閉可能にされている。
【0028】
ハウジング本体2内には、電源回路基板及び制御回路基板を内蔵する電装品ボックス5、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9、給紙ユニット10が配設され、第1の開閉部材3内には、二次転写ユニット11、定着ユニット12、記録媒体搬送手段13が配設されている。画像形成ユニット6及び給紙ユニット10内の消耗品は、本体に対して着脱可能な構成であり、その場合には、転写ベルトユニット9を含めて取り外して修理又は交換を行うことが可能な構成になっている。
【0029】
ハウジング本体2の前面下部の両側には、回動軸3bを介して第1の開閉部材3がハウジング本体2に開閉自在に装着されている。本実施例においては、装置の前面のみからのアクセスで各ユニットの着脱を可能としており、装置を室内にコンパクトに設置することができるようにしている。転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ14と、駆動ローラ14の斜め上方に配設される従動ローラ15と、この2本のローラ14、15間に張架されて図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の表面に離当接されるクリーニング手段17とを備えている。上記駆動ローラ14及び従動ローラ15は、支持フレーム9aに回転自在に支持され、支持フレーム9aの下端には回動部9bが形成され、この回動部9bはハウジング本体2に設けられた回動軸(回動支点)2bに嵌合され、これにより、支持フレーム9aはハウジング本体2に対して回動自在に装着されている。
【0030】
また、支持フレーム9aの上端にはロックレバー9cが回動自在に設けられ、ロックレバー9cはハウジング本体2に設けられた係止軸2cに係止可能にされている。駆動ローラ14は、二次転写ユニット11を構成する二次転写ローラ19のバックアップローラを兼ねている。また、従動ローラ15をクリーニング手段17のバックアップローラとして兼用させている。また、クリーニング手段17は、搬送方向下向きのベルト面16a側に設けられている。
【0031】
また、中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16a裏面には、後述する各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20に対向して板バネ電極からなる一次転写部材21がその弾性力で当接され、一次転写部材21には転写バイアスが印加されている。転写ベルトユニット9の支持フレーム9aには、駆動ローラ14に近接してテストパターンセンサ18が設置されている。このテストパターンセンサ18は、中間転写ベルト16上の各色トナー像の位置決めを行うとともに、各色トナー像の濃度を検出し、各色画像の色ずれや画像濃度を補正するためのセンサである。なお、後述するラインヘッドの傾き検出用パターンの検出手段を中間転写ベルト16の表面上の任意の位置に設けることができる。
【0032】
画像形成ユニット6は、複数(本実施例では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イェロー用)、M(マゼンタ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備え、各画像形成ステーションY、M、C、Kにはそれぞれ、感光ドラムからなる像担持体20と、像担持体20の周囲に配設された、帯電手段22、像書込手段(ラインヘッド)23及び現像手段24を有している。なお、帯電手段22、像書込手段23及び現像手段24は、画像形成ステーションYのみに図番を付けて、他の画像形成ステーションについては構成が同一のため、図番を省略する。また、各画像形成ステーションY、M、C、Kの配置順序は任意である。そして、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接されるようにされ、その結果、各画像形成ステーションY、M、C、Kも駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されることになる。像担持体20は、図示矢印に示すように、中間転写ベルト16の搬送方向に回転駆動される。帯電手段22は、高電圧発生源に接続された導電性ブラシローラで構成され、ブラシ外周が感光体である像担持体20に対して逆方向で、かつ、2〜3倍の周速度で当接回転して像担持体20の表面を一様に帯電させる。
【0033】
像書込手段23は、後述するように、有機EL素子を像担持体20の軸方向に列状に配列した有機EL素子アレイを用いている。有機EL素子アレイを用いたラインヘッドは、レーザー走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置全体を小型化できるという利点を有する。本実施例においては、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20、帯電手段22及び像書込手段23を1つの像担持体ユニット25としてユニット化している。これらのユニットは、転写ベルトユニット9と共に支持フレーム9aに交換可能にしている。像担持体ユニット25の交換時には、ラインヘッドを含めて前記部材を交換する構成としている。
【0034】
次に、現像手段24の詳細について、画像形成ステーションKを代表して説明する。本実施例においては、各画像ステーションY、M、C、Kが斜め方向に配設され、かつ、像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接される関係上、トナー貯留容器26を斜め下方に傾斜して配置している。そのため、現像手段24として特別の構成を採用している。すなわち、現像手段24は、トナー(図のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30を有している。
【0035】
また、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31及び像担持体20に当接するように配設される現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とが設けられている。像担持体20は中間転写ベルト16の搬送方向に回転され、現像ローラ33及び供給ローラ31は、図示矢印に示すように、像担持体20の回転方向とは逆方向に回転駆動され、一方、撹拌部材29は供給ローラ31の回転方向とは逆方向に回転駆動される。
【0036】
また、給紙ユニット10は、記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部を備えている。第1の開閉部材3内には、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、駆動ローラ14及び中間転写ベルト16に圧接される二次転写手段としての二次転写ユニット11と、定着ユニット12と、記録媒体搬送手段13と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40を備えている。
【0037】
定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラ45とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49を有している。記録媒体に二次転写されたカラー画像は、加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度で記録媒体に定着される。図9の例では、タンデム式の画像形成装置において、後述するようなラインヘッドの傾き検出用パターンの作成と、傾きデータを用いた傾き補正を簡単に行うことができる。
【0038】
図10は、像書込手段23を拡大して示す概略の斜視図である。図10において、有機EL素子アレイ61は、長尺のハウジング60中に保持されている。長尺のハウジング60の両端に設けた位置決めピン69をケースの対向する位置決め穴に嵌入させると共に、長尺のハウジング60の両端に設けたねじ挿入孔68を通して固定ねじをケースのねじ穴にねじ込んで固定することにより、各像書込手段23が所定位置に固定される。
【0039】
像書込手段23は、ガラス基板62上に有機EL素子アレイ61の発光部63を載置し、同じガラス基板62上に形成されたTFT駆動回路72により駆動される。TFT駆動回路72は、発光素子をアクティブマトリクス方式で駆動するものである。屈折率分布型ロッドレンズアレイ65は結像光学系を構成し、発光部63の前面に配置される屈折率分布型ロッドレンズ65’を俵積みしている。60はハウジング、66はカバーである。ハウジング60は、ガラス基板62の周囲を覆い、像担持体20に面した側は開放する。このようにして、屈折率分布型ロッドレンズ65’から像担持体20に光線を射出する。ハウジング60のガラス基板62の端面と対向する面には、光吸収性の部材(塗料)が設けられている。
【0040】
本発明のラインヘッドは、図10に記載されているように、基板上に形成された発光素子および当該発光素子をアクティブマトリクス方式で駆動するTFT駆動回路を有している。前記発光素子は、パルス幅制御(PWM制御)により階調制御を行うことを基本的な構成としている。このような構成のラインヘッドが、前記のように主走査線方向の基準位置に対して傾いて設置された場合に、その補正をパルス幅制御により行う。
【0041】
図12は、本発明にかかるラインヘッドの傾き検出の原理を示す説明図である。図13を図12に対応させると、図12(a)はラインヘッドが正常に取り付けられている例、図12(b)はラインヘッドが図示右上がり方向にDx傾いて取り付けられている例、図12(c)はラインヘッドが図示右下がり方向にDy傾いて取り付けられている例をそれぞれ示している。
【0042】
ここで、ラインヘッドの傾きは、従来例で説明したように検出用パターンが基準線に対して平行であるか、または傾斜しているかを検出することにより判断できる。図12の例では、A、B2点を結ぶ直線の方向を検出することによりラインヘッドの傾きを検出できる。本発明においては、このような知見に基づき、基板に検出用パターンを作成するための発光素子を主走査方向で同一線上に複数設けておき、像担持体の図12のA、Bに相当する位置に検出用パターンを形成するものである。この検出用パターンを光学センサなどの検出手段で検出し、制御部でA、B2点を結ぶ直線の方向を求める。次に、基準線とA、B2点を結ぶ直線の方向との差を演算することによりラインヘッドの傾きを検出することができる。
【0043】
図1は、本発明の実施形態を示す説明図である。図1において、ガラス基板62には、ドット光源として構成されている画像印字用の光源(発光部)63が形成されている。発光部63が主走査方向の同一線上に複数配列されて、発光素子ラインが形成されている。72はTFT駆動回路で、発光部63を駆動する。ガラス基板62の長尺方向Xは主走査方向、短尺方向Yは副走査方向である。
【0044】
ガラス基板62の主走査方向両端には、ラインヘッドの傾き検出用パターンを形成する複数の発光素子74、75を設けている。この発光素子74、75は、主走査方向の同一線上に前記画像印字用のドット光源と同じ形状のドット光源で形成している。74a、75aは、発光素子74、75のリード線で、図1の例では、それぞれ4個ずつの傾き検出用パターンを形成する複数の発光素子74、75は、TFT駆動回路72により同じタイミングで駆動される。このため、傾き検出用パターン形成の制御が簡単になる。このように、傾き検出用パターンを形成する複数の他の発光素子74、75は、画像印字用のドット光源63と同じ形状のドット光源で形成しているので、傾き検出用パターンを形成する発光素子として、画像印字用のドット光源63と別形状のものを必要としない。すなわち、傾き検出用パターンを形成する発光素子を画像印字用のドット光源と同じ工程で製造でき、製作が簡単でコストを低減することができる。また、複数のドット光源が同時に駆動されて傾き検出用パターンが所定の長さで形成されるので、傾きパターンの検出が容易に行える。
【0045】
図1の例では、ラインヘッドの傾き検出用パターンを形成する複数の発光素子74、75は、発光素子ラインと主走査方向で同一線上に設けている。このため、発光素子ラインと同じ工程で発光素子74、75を形成することができるので、作業が簡略化される。また、発光素子74、75は、印字領域内に設けているが、傾き検出用パターンは記録紙へは転写されないようにしている。このように、発光素子74、75を印字領域内に設けることができるので、傾き検出用パターンを形成するための発光素子の配置の自由度を高めることができる。
【0046】
図1の例では、駆動回路72は、発光素子ラインと傾き検出用パターンを形成する複数の発光素子74、75を共通して駆動する。後述するように、駆動回路72は傾き検出用パターン形成時と、画像形成時では、駆動する発光素子を切り替えて制御できるようにしている。このため、別個に駆動回路を設ける必要がないので、コストを低減することができる。なお、図1において、傾き検出用パターンを形成する発光素子74、75を、画像印字用のドット光源63とは異なる駆動回路で駆動する構成とすることもできる。
【0047】
発光素子74、75は、リード線74a、75aにより駆動回路72に接続されている。このため、動作シーケンスを制御することにより、任意のタイミングで発光素子74、75を駆動し、傾き検出用パターンを形成することができる。傾き検出用パターンを形成するタイミングとしては、画像形成装置の起動時、温度上昇時、一定枚数印宇後、印字中、カートリッジ交換後、など適宜設定できる。
【0048】
このように、本発明の実施形態においては、画像印字用の発光素子が形成されているガラス基板に、ラインヘッドの傾き検出用パターンを形成する発光素子を複数設けるものである。このため、傾き検出用パターンを外部から入力する必要がない。また、制御装置の内部に前記検出用パターンを記憶データとして保持しておく必要もないので、制御装置の構成が簡略化される。
【0049】
図2は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。図2において、図1と同じところには同一の符号を付している。この実施形態においては、傾き検出用パターンを形成する発光素子74、75を、ガラス基板62の主走査方向両端、すなわち印字領域外に配置している。こ場合には、画像印字の妨げとなることなく、傾き検出用パターンを形成することができる。また、ガラス基板62の主走査方向両端のスペースを有効に利用できる。
【0050】
図3は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。図3の傾き検出用パターンを形成する発光素子74、75は、ガラス基板62に発光素子ラインとは副走査方向で異なる位置に設けている。このため、ガラス基板62の副走査方向のスペースの有効利用が図れる。また、発光素子74、75は、ガラス基板62の両端の印字領域外に設けているので、傾き検出用パターンを形成しても、画像印字の妨げになることはない。
【0051】
図4は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。図4において、傾き検出用パターンを形成する発光素子76、77は、図1と同様に主走査方向の同一線上に、前記画像印字用のドット光源63と同じ形状のドット光源で形成している。また、リード線76a、77bにより駆動回路72に接続されており、ガラス基板62の駆動回路72両端に4個ずつ形成されている傾き検出用パターンを形成する発光素子76、77は、同時に駆動される。
【0052】
図4の例は、図8で説明するように、画像印字の発光素子の駆動と、傾き検出用パターン形成の発光素子の駆動とを切り替える切り替え手段を設けている。このような構成とすることにより、傾き検出用パターン形成の発光素子を画像印字用の発光素子としても兼用できるので、発光素子の有効利用が図れる。また、画像印字、および傾きパターン形成の誤操作を防止できる。
【0053】
図5は、本発明の処理手順を示すフローチャートである。図5において、前記所定のタイミングで駆動信号を発生させて、前記発光素子74、75(図1〜図3)、または76、77(図4)を発光させて傾き検出パターンを各色のラインヘッド毎に印字する(S1)。次に、印字された傾き検出パターンを検出用センサを用いて検出する。この際に、各色の検出パターンが検出用センサで検出されたタイミングを、ラインヘッドの左右(両端)で比較し、タイミングの差を傾きデータとして記憶する(S2)。
【0054】
上記ラインヘッドの傾きデータを碁準ライン(絶対基準、もしくはある色のラインヘッド)と比較し、そのラインヘッドの傾き量を算出する(S3)。この際に、ある色のラインヘッドを碁準とした場含.そのラインヘッドの傾き量は0となる。さらに上記傾き量が1ライン幅の何倍になっているかを計算し、この値を傾き補正データとしてラインヘッドの制御回路へ入力する(S4)。
【0055】
図6は、本発明の処理を行う制御部を示すブロック図である。本体コントローラ47は例えばコンピュータで構成され、画像データを形成する。また、画像形成装置に設けられている制御装置40には、傾き検出部42、メモリ43、CPUなどで構成される制御回路44、駆動回路45が設けられており、発光部63により形成されている1ラインの発光素子ラインを制御する。傾き検出部42は、前記したように傾き検出用パターンの検出によりラインヘッドの傾きを検出し、この傾き情報はメモリ43に記憶されている。制御回路44は、メモリ43に記憶されている前記傾き情報に基づいて、傾き補正の階調信号を形成する。駆動回路45は、ラインヘッドに配列されている各発光素子を、傾きが補正されるように駆動する。
【0056】
図6では、傾き検出部42、メモリ43、駆動回路45の処理、制御をCPUなどを用いた制御回路44で行っているが、本発明はこのような形態には限定されない。他の実施形態においては、本体コントローラ47により直接傾き検出部42、メモリ43、駆動回路45の処理、制御を行うことも可能である。この場合には、画像形成装置の制御系の構成が簡略化される。
【0057】
本発明において、発光素子は、有機EL素子を用いることができる。また、前記有機EL素子以外に、例えばLED(Light Emitting Diod)を用いることもできる。有機EL素子は静的な制御が可能であるので、ラインヘッドの傾き補正を行うための制御系を簡略化できる。また、発光素子をLEDで構成した場合には、ラインヘッドの傾き補正を行う構成において、発光素子の製造が簡単になる。
【0058】
発光素子を有機EL素子で、発光素子の制御トランジスタと、ドライブトランジスタをTFT(Thin Film Transistor)により同一基板上に形成する場合がある。この場合には、これらのトランジスタと発光素子とを同じ製造工程で作製できるので、製造コストを低減することができる。また、スペースも節約できる。なお、図1〜図4おいては、光透過性のガラス基板62を用いているので、有機EL素子からなる発光素子の光量を損なうことなく像担持体に照射することができる。
【0059】
このように、図9の画像形成装置は、書き込み手段として有機EL素子を設けたラインヘッドを用いているので、レーザ走査光学系を用いた場合よりも、装置の小型化を図ることができる。また、タンデム式の画像形成装置において、ラインヘッドの傾き補正を簡単に行うことができる。
【0060】
本発明においては、モノクロプリンタの他に、前記タンデム方式のカラープリンタ、4サイクルカラープリンタにも当該ラインヘッドは当然適用されるものである。次に、本発明に係る画像形成装置として、4サイクルカラープリンタを用いる実施の形態について説明する。図11は、かかる画像形成装置の縦断側面図である。図11において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、有機EL素子が設けられているラインヘッド167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。
【0061】
現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として矢視A方向に回転する。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。162a〜162dは、前記4色の各像形成ユニットに配置されており、矢視B方向に回転する現像ローラ、163a〜163dは、矢視C方向に回転するトナ−供給ローラである。また、164a〜164dはトナーを所定の厚さに規制する規制ブレードである。
【0062】
165は、前記のように像担持体として機能する感光体ドラム、166は一次転写部材、168は帯電器、167は像書込手段で有機EL素子を用いたラインヘッドで構成されている。感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより現像ローラ162aとは逆方向の矢視D方向に駆動される。
【0063】
中間転写ベルト169は、従動ローラ170bと駆動ローラ170a間に張架されており、駆動ローラ170aが前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されて、中間転写ベルトに動力を伝達している。当該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆方向の矢視E方向に回動される。なお、前記したラインヘッドの傾き検出用パターンの検出手段を、中間転写ベルト169の表面上の任意の位置に設けることができる。
【0064】
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙を搬送する。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写される。二次転写ローラ171は、クラッチにより中間転写ベルト169に離当接され、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接されて用紙に画像が転写される。
【0065】
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢視F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢視G方向に進行する。177は電装品ボックス、178は用紙を収納する給紙トレイ、179は給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラである。
【0066】
図の状態で、イエロー(Y)の静電潜像が感光体ドラム165に形成され、現像ローラ62aに高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローの画像が形成される。イエローの裏側および表側の画像がすべて中間転写ベルト169に担持されると、現像ロータリ161aが矢視A方向に90度回転する。
【0067】
中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。次にシアン(C)の2面の画像が感光体ドラム165に形成され、この画像が中間転写ベルト169に担持されているイエローの画像に重ねて担持される。以下、同様にして現像ロータリ161の90度回転、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返される。
【0068】
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後に更に回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレー178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。
【0069】
その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。この例では、ロータリ式の画像形成装置において、ラインヘッドの傾き検出用パターンの作成と、傾きデータを用いた傾き補正を簡単に行うことができる。また、図9、図11に示されたように、中間転写部材を有する画像形成装置において、ラインヘッドの傾き検出用パターンの作成と、傾きデータを用いた傾き補正を簡単に行うことができる。
【0070】
図7は、本発明の制御部の構成を示す回路図であり、図1〜図3の構成と対応している。図7において、92は例えば本体側のコントローラに接続されて制御データの送受信が行われる周辺回路、94はスキャンライン、95はデータライン、96はサプライライン(アノード側電源線)、97はカソード側電源線で、画像形成用のドット光源63と傾き検出パターン形成用の発光素子75のカソードに共通に接続される。98は制御データを転送するシフトレジスタである。
【0071】
前記各ドット光源63は、個別に接続されたTFT回路72で制御され、ラインヘッドの傾き検出用パターンを形成する発光素子75は、図示左端のTFT回路72aで制御される。なお、図示を省略しているが、図1〜図3において、ガラス基板62の図示右側に形成されているラインヘッドの傾き検出用パターンを形成する発光素子74に対しても、画像形成用のドット光源63を駆動するTFT回路72とは異なるTFT回路が設けられている。
【0072】
ラインヘッドの傾き検出用パターンを形成する発光素子74、75の駆動は、前記した所定のタイミング(画像形成装置の起動時、温度上昇時、一定枚数印宇後、印字中、カートリッジ交換後、など)で行う。この際には、周辺回路92から画像印字とは異なる制御データをシフトレジスタ98に出力する。
【0073】
ラインヘッドの発光部に有機EL素子を用いた場合には、発光素子自身の光量ムラもレンズアレイの透過光量ムラに比べて小さく、レンズアレイの中心線と発光素子列を高精度に位置決めできれば、光量補正がなくとも光量を均一にすることができ、スポット径も均一となる。このため、高画質なラインヘッドを構成することができる。
【0074】
図7の例では、本体側のコントローラで形成された制御データが周辺回路92に入力され、周辺回路92からシフトレジスタ98に出力される。シフトレジスタ98は、制御データに基づきスキャンライン94を選択する。スキャンライン94は、前記各TFT回路72に接続されており、シフトレジスタ98で選択されたスキャンライン94は、接続されているドット光源駆動用の各TFT回路72、または傾き検出用パターンを形成する発光素子75駆動用のTFT回路72aに制御信号を印加する。
【0075】
また、周辺回路92はデータライン95とサプライライン96に接続されており、スキャンライン94から制御信号が印加されたTFT回路72が起動し、対応するドット光源63が点灯する。この際に、TFT回路72aが起動すると、ラインヘッドの傾き検出用パターンを形成する発光素子75が点灯する。
【0076】
図8は、本発明の他の実施形態を示す回路図であり、図4に対応している。図7と異なるところを説明する。図8の例では、サプライライン96に、ドット光源駆動用のスイッチSaを設ける。また、傾き検出用パターンを形成する発光素子77は、スイッチSb、リード線77a、サプライライン96を介して一方電源に接続される。
【0077】
スイッチSaをオン、スイッチSbをオフにして印字画像を形成する。また、スイッチSbをオン、スイッチSaをオフにして傾き検出用パターンを形成する。このような切り替え手段であるスイッチSa、スイッチSbを設けているので、発光素子を印字画像形成と、傾き検出用パターンの形成に兼用できる。また、画像印字と傾き検出用パターンの形成を誤ることなく操作できる。なお、スイッチSa、スイッチSbは、TFTのような電子的スイッチで形成することができる。
【0078】
以上、本発明のラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置について実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図8】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図9】本発明に係るタンデム方式の画像形成装置の概略構成を示す縦断側面図である。
【図10】図9を部分的に示す斜視図である。
【図11】本発明の他の実施形態を示す画像形成装置の縦断側面図である。
【図12】本発明の実施形態を示す説明図である。
【図13】ラインヘッドの傾きを示す説明図である。
【符号の説明】
【0080】
1…画像形成装置、6…画像形成ユニット、9…転写ベルトユニット、10…給紙ユニット、11…二次転写ユニット、12…定着ユニット、13…記録媒体搬送手段、16…中間転写ベルト、17…クリーニング手段、20…像担持体、21…一次転写部材、22…帯電手段、23…像書込手段(ラインヘッド)、24…現像手段、25…像担持体ユニット(像担持体カートリッジ)、33…現像ローラ、40…制御装置、42…傾き検出部、43…メモリ、44…制御回路、45…駆動回路、47…本体コントローラ、60…ハウジング、61…有機EL素子アレイ、62…ガラス基板、63…発光部、65…屈折率分布型ロッドレンズアレイ(SLA)、65’…屈折率分布型ロッドレンズ、72…駆動回路、74〜77…傾き検出用パターンの発光素子、161…現像装置、165…感光体ドラム、167…ラインヘッド、169…中間転写ベルト、171…二次転写ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に、画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子を配列した発光素子ラインと、前記各発光素子を駆動する駆動回路とを有し、前記基板に、ラインヘッドの傾き検出用パターンを形成する複数の他の発光素子を、前記画像印字用のドット光源と同じ形状のドット光源で、主走査方向で同一線上に設けたことを特徴とする、ラインヘッド。
【請求項2】
前記複数の他の発光素子は、前記基板の前記発光素子ラインとは副走査方向で異なる位置に設けたことを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッド。
【請求項3】
前記複数の他の発光素子は、前記発光素子ラインと主走査方向で同一線上に設けたことを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッド。
【請求項4】
前記複数の他の発光素子は、前記基板の両端にそれぞれ設けたことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項5】
前記複数の他の発光素子を、印字領域内に設けたことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項6】
前記複数の他の発光素子を画像印字用の発光素子として兼用することを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項7】
前記複数の他の発光素子を、印字領域外に設けたことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項8】
前記画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子、および前記複数の他の発光素子を有機EL素子で形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項9】
前記駆動回路をTFT駆動回路で形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項10】
前記画像印字用のドット光源からなる複数の発光素子と、前記複数の他の発光素子とを前記駆動回路で共通して駆動することを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項11】
前記駆動回路に、画像印字の発光素子の駆動と、傾き検出用パターン形成の発光素子の駆動とを切り替える切り替え手段を設けたことを特徴とする、請求項10に記載のラインヘッド。
【請求項12】
前記複数の他の発光素子は、前記駆動回路により傾き検出用パターン形成時に同じタイミングで駆動されることを特徴とする、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項13】
前記ラインヘッドの傾き検出用パターンの検出手段を設け、前記検出手段の検出結果に基づきラインヘッドの傾きデータを算出する手段と、前記傾きデータを記憶する手段とを有することを特徴とする、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項14】
像担持体の周囲に帯電手段と、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のラインヘッドとを備え、前記ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
中間転写部材を備えたことを特徴とする、請求項14または請求項15に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−334871(P2006−334871A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−161030(P2005−161030)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】