説明

ライン間補正用集積回路,カラーコピー機及びカラースキャナ

【課題】 回転コピーを通常コピーと同速度で行えるカラーコピー機を提供する。
【解決手段】 カラーコピー機1を、CCD13(3ラインカラーCCDラインセンサ)によるスキャン結果(各色のラインデータ群)を、メモリ(RAM33)上の特定の位置に記憶することにより画像データに復元できるブロックデータ群として、カラープリンタ30へ送信するスキャナ用LSI12であって,回転処理を施した上で、各ブロックデータをカラープリンタ30へ送信することが可能なスキャナ用LSI12を備えたカラースキャナ10と、回転コピー時,通常コピー時のいずれにも、カラースキャナ20からの各ブロックデータに基づいてRAM33上に復元した画像データに基づく印刷を印刷エンジン31に行わせるプリンタ用LSI32を備えたカラープリンタ30とで構成される装置としておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーラインセンサの出力に対してライン間補正を施すためのライン間補正用集積回路と,カラーラインセンサを備えたカラーコピー機及びカラースキャナとに、関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市販されているカラーコピー機の中には、図8に示した構成を有するものが存在している。
【0003】
このカラーコピー機40は、操作パネル11,3ラインカラーCCDラインセンサ13(図では、CCD13),AFE,ランプ,モータ,センサ(原稿台カバー/ADFの開閉検出用センサ),ROM,RAM14,スキャナ用LSI52等からなるカラースキャナ50と、印刷エンジン31,ROM,RAM33,プリンタ用LSI62等からなるカラープリンタ60とを、ケーブルで接続した装置である。なお、図示は省略してあるが、カラープリンタ60は、A3までの各種サイズの用紙をセット可能な複数の用紙トレイを備えたものとなっている、また、カラースキャナ50は、A4までの原稿をスキャン可能な装置となっている。
【0004】
このカラーコピー機40を構成しているカラースキャナ50内の3ラインカラーCCDラインセンサ13(以下、CCD13とも表記する)は、通常の3ラインカラーCCDラインセンサ〔R,G,B用のセンサアレイを副走査方向(センサアレイの長さ方向と垂直な方向)に数ライン分間隔で並べた、1回の動作で、同一ラインに関するR,G,Bラインデータを出力させることが出来ないセンサ〕である。
【0005】
カラースキャナ50内のスキャナ用LSI52は、カラースキャナ50用に開発されたLSI(CPU内蔵ASIC)である。
【0006】
このスキャナ用LSI52内のライン間補正回路61は、ガンマ補正回路から入力される各色のラインデータ〔AFE(アナログフロントエンド)によってデジタル化され、シェーディング補正回路及びガンマ補正回路により、シェーディング補正,ガンマ補正が施された、W画素分の色データからなる各色のラインデータ〕を、図9に示したような形で(L個の最新のラインデータが各色用のライン間補正バッファに記憶されているように)、RAM14上の各色用のライン間補正バッファに書き込んでいく回路である。なお、Wとは、原稿サイズ及び向きによって定まる数(主操作方向の読み取り画素数)のことであり、ライン間補正バッファとは、ライン間補正バッファとして使用することをCPU/ファームウェアが決定した記憶領域のことである。
【0007】
さらに、ライン間補正回路61は、上記のような書込処理と並行的に、同一ラインに関するRラインデータ,Gラインデータ,Bラインデータ(各ライン間補正バッファ上の,CCD13のセンサ間隔分ずれた位置のラインデータ)を,順次,RAM14から読み出して圧縮回路63(一般データ用の圧縮を行う回路)へ出力する機能を有する回路となっている。
【0008】
また、スキャナ用LSI52内のプリンタI/F64,プリンタLSI62内のスキャナI/F71及び伸張回路72は、圧縮回路63による各色のラインデータの圧縮結果を伸張した上で,RAM33上の各色用のページバッファ(ページバッファとして使用することをCPU/ファームウェアが決定した記憶領域)に記憶することが出来る回路となっている。
【0009】
そして、カラーコピー機40は、実行が指示されているコピーが,画像データの回転/拡縮を必要としないもの(以下、通常コピーと表記する)であった場合には、各色用のページバッファ上のデータがプリンタ用LSI62内の画像処理回路によって処理されてコピーが生成され、実行が指示されているコピーが,画像データの回転/拡縮を必要とするもの(以下、回転/拡縮コピーと表記する)であった場合には、各色用のページバッファ上のデータを回転/拡縮したデータをRAM33上に用意する処理がプリンタ用LSI62内のCPUによって行われた後に、当該データが画像処理回路により処理されてコピーが生成される装置となっている。
【0010】
以上の説明から明らかなように、このカラーコピー機40は、回転/拡縮コピー時に、ライン間補正が施された画像データを加工する処理がCPUによって行われる装置であるが故に、回転/拡縮コピーに時間がかかる装置となっているのであるが、一般的なカラーコピー機も、具体的なハードウェア構成/処理手順は異なるものの、回転/拡縮コピー時に、ライン間補正が施された画像データを加工する処理がCPUによって行われる装置となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明の課題は、回転コピーを通常コピーと同速度で行えるカラーコピー機、そのようなカラーコピー機を実現できるライン間補正用集積回路及びカラースキャナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の,Rラインデータ,Gラインデータ及びBラインデータを出力するカラーラインセンサの出力に対してライン間補正を行うためのライン間補正用集積回路は、ラインセンサが出力する各色のラインデータを、M個のデータのバーストリードが可能なメモリ上に書き込むラインデータ書込回路であって、、メモリ上に最新の一定量のラインデータが色毎に記憶されているように,各ラインデータの書込位置を決定するラインデータ書込回路と、メモリ上のデータに基づき、ライン間補正がなされた画像データを出力するデータ出力回路であって、画像を回転すべきことが指示された場合には、M個の連続するラインに関するM個のラインデータに含まれるM×M個の画素群に関するデータであるブロックデータをバーストリードを整数回繰り返すことによりメモリから読み出し,読み出したブロックデータを回転したデータを出力する処理を、各色についての新たなM個のラインデータがメモリに記憶される度に,各色についてのM個のラインデータ内の全てのブロックデータに対して繰り返すデータ出力回路とを備える。
【0013】
すなわち、本発明のライン間補正用集積回路は、ライン間補正を行う際に、画像データを回転してしまうことが可能な回路となっている。しかも、本発明のライン間補正用集積回路は、メモリに対するバーストリードが行われるようにした回路であると共に、ライン間補正を行うための既存の集積回路の改良により製造できる回路となっている。従って、本発明のライン間補正用集積回路を用いれば、回転コピーが通常コピーと同速度で行えるカラーコピー機(請求項5記載のようなもの)や、そのようなカラーコピー機の構成要素として使用できるカラースキャナ(請求項6記載のようなもの)を、製造コストが過度に上昇しない形で、実現できることになる。
【0014】
なお、本発明のライン間補正用集積回路は、回転角度が0度の場合には、既存のライン間補正用集積回路と同様に機能する回路(ラインデータを出力する回路)として実現しておくことも出来るが、データ出力回路が、画像を回転すべきことが指示されていない場合には、M個の連続するラインに関するM個のラインデータに含まれるM×M個の画素群に関するデータであるブロックデータをバーストリードを整数回繰り返すことによりメモリから読み出し、読み出したブロックデータをそのまま出力する処理を、各色についての新たなM個のラインデータがメモリに記憶される度に,各色についてのM個のラインデータ内の全てのブロックデータに対して繰り返す回路となるようにしておく(常に、ブロックデータを出力するようにしておく)ことも出来る。
【0015】
また、データ出力回路を、そのような回路とする場合には、ライン間補正用集積回路に、データ出力回路が出力したブロックデータを回転したデータの圧縮データ,及び,前記データ出力回路が出力したブロックデータ自体の圧縮データを出力する圧縮回路を、付加しておくことが出来る。
【0016】
また、本発明のライン間補正用集積回路を実現(設計・製造)する際には、データ出力回路に、読み出したブロックデータを拡縮したデータを出力する機能も付与しておくことも出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1に示してあるように、本発明の一実施形態に係るカラーコピー機1は、カラースキャナ10とカラープリンタ30とをケーブルで接続した装置である。
【0019】
このカラーコピー機1に用いられているカラースキャナ10は、カラースキャナ50(図8)内のスキャナ用LSI52をスキャナ用LSI12に置換した装置である。また、カラープリンタ30は、カラープリンタ60(図8)内のプリンタ用LSI72をプリンタ用LSI32に置換した装置となっている。このため、以下では、本実施形態に係るカラーコピー機1の構成及び動作を、スキャナ用LSI12の構成,プリンタ用LSI32の構成,カラーコピー機1の全体的な動作に分けて,説明することにする。
【0020】
《スキャナ用LSI12》
まず、スキャナ用LSI12の構成を、スキャナ用LSI52と異なる部分を中心に説明する。
【0021】
スキャナ用LSI12内のブロックSRAM22は、M×M個の色データ(画素のR,GorB階調値を示す1バイトデータ)を記憶可能なSRAMである。このブロックSRAM22の用途については後述するが、Mとは、1回のバーストリード(1回のアクセス)によりSDRAMであるRAM14から読み出せるデータ(色データ)の個数(本実施形態では、32)のことである。なお、RAM14は、M/2,M/4個のデータのバーストリードも行えるものとなっている。
【0022】
ライン間補正回路21は、ライン間補正回路61(図8,9参照)と同様に、最新の所定量のXラインデータ〔W画素分のXデータを含むデータ(X=R,G,B)〕がRAM14上のX用ライン間補正バッファ上に記憶されているように、ガンマ補正回路からの各色に関するラインデータをRAM14上に記憶していく(DMAバーストライトしていく)回路である。
【0023】
ただし、ライン間補正回路21は、回転角度(0,90,180,270度のいずれか)及び拡縮率(50,70.7,100,141.4%等)を設定できる回路であると共に、2M′個(M′=100・M/拡縮率設定値)のXラインデータがRAM14上のX用ライン間補正バッファ上に記憶されているように、各色のラインデータをRAM14上に記憶していく回路(設定されている拡縮率に応じて、RAM14上のX用ライン間補正バッファのサイズを変更する回路)となっている。
【0024】
さらに、ライン間補正回路21は、連続したM′本のラインに関する3M′個のラインデータ〔CCD13内の各センサから異なるタイミング(センサ間隔に応じたタイミング)で出力されるM′個のRラインデータ,M′個のGラインデータ及びM′個のBラインデータ〕のRAM14上への記憶が完了する度に、ブロックデータ出力処理を実行する回路となっている。
【0025】
ライン間補正回路21が実行するブロックデータ出力処理には、M′=Mである(拡縮率として100%が設定されている)場合用のものである等倍コピー用ブロックデータ出力処理と、M′≠Mである場合用のものである拡縮コピー用ブロックデータ出力処理とが、存在している。
【0026】
等倍コピー用ブロックデータ出力処理は、RAM14上の各色に関する今回処理すべきM′(この場合、M=M′)個のラインデータを、N(=W/M′)個のブロックデータからなるデータとして取り扱う処理である。ここで、ブロックデータとは、図2に模式的に示してあるように、“相互に隣接したM′×M′個(図では、M)の画素に関する色データ群”(図において、“ブロック0”等と示してある部分のデータ群)のことである。
【0027】
そして、等倍コピー用ブロックデータ出力処理は、RAM14上の,総計3N個のブロックデータのそれぞれに対して、“ブロックデータをバーストリードによりRAM14から読み出してブロックSRAM22に記憶する処理”(ブロックデータ中の同一ラインに関する32個のデータをバーストリードにより読み出してブロックSRAM22に記憶する処理を繰り返す処理)と,“ブロックSRAM22上のデータを,設定されている回転角度に応じた順で読み出してブロック圧縮回路23に供給する処理”とが実行される処理となっている。なお、設定されている回転角度に応じた順とは、図3に矢印で示してあるような順(図示してある順は、回転角度=90度の場合のもの)のことである。また、ライン間補正回路21は、CCD13によるM′ラインのスキャンに必要とされる時間内に,1回のブロックデータ出力処理(等倍コピー用ブロックデータ出力処理,拡縮コピー用ブロックデータ出力処理)が完了するように構成(設計・製造)された回路となっている。
【0028】
拡縮コピー用ブロックデータ出力処理も、RAM14上の各色に関する今回処理すべきM′(ただし、この場合、M≠M′)個のラインデータを、N(=W/M′)個のブロックデータからなるデータとして取り扱う処理である。ただし、拡縮コピー用ブロックデータ出力処理は、RAM14上の3N個のブロックデータのそれぞれに対して、“ブロックデータをバーストリード(及びシングルリード)によりRAM14から読み出し,設定されている拡縮率で拡縮した上でブロックSRAM22に記憶する処理”と、“ブロックSRAM22上のデータを,設定されている回転角度に応じた順で読み出してブロック圧縮回路23に供給する処理”とが行われる処理となっている。
【0029】
スキャナ用LSI12内のブロック圧縮回路23(図1)は、ライン間補正回路21から入力される各ブロックデータ(RAM14から読み出されたブロックデータ自体,或いは、RAM14から読み出されたブロックデータを回転及び/或いは拡縮したデータ)に対して、画像データ用の圧縮(本実施形態では、JPEG圧縮)を施す回路である。
【0030】
プリンタI/F24は、ブロック圧縮回路23からのデータ(以下、圧縮ブロックデータと表記する)や,スキャナ用LSI12内のCPU(以下、スキャナCPUとも表記する)が送信を指示したコマンドを、所定プロトコル(独自プロトコル)によりプリンタ30(スキャナI/F41)へ送信する回路である。
【0031】
《プリンタ用LSI32》
次に、プリンタ用LSI32の構成を、プリンタ用LSI62と異なる部分を中心に説明する。
【0032】
プリンタ用LSI32内のスキャナI/F41は、圧縮ブロックデータを受信した場合には、それをブロック伸張回路42に供給し、コマンドを受信した場合には、それをプリンタ用LSI32内のCPU(以下、プリンタCPUとも表記する)に供給する回路である。
【0033】
ブロック伸張回路42は、スキャナ50から送信されてきた圧縮ブロックデータ(スキャナI/F41が受信した圧縮ブロックデータ)を伸張できる回路である。
【0034】
このブロック伸張回路42は、主走査方向ブロック数Nx,副走査方向ブロック数Ny,回転角度,及び,各色のページバッファの先頭アドレス(RAM33のアドレス)を設定できる回路となっている。
【0035】
そして、ブロック伸張回路42は、圧縮ブロックデータがスキャナI/F41によって受信され始めた場合には、各圧縮ブロックデータを伸張し、その伸張結果を,図4〜図7に模式的に示してあるような形(設定されている情報及び処理した圧縮ブロックデータが何番目のデータであるかによって、その記憶位置を定める形)で、RAM33上に記憶していく処理を開始する回路となっている。なお、図4は、回転角度として90度が設定されている場合におけるブロック伸張回路42の動作内容を示した図であり、図5,図6,図7は、それぞれ、回転角度として0度,180度,270度,が設定されている場合におけるブロック伸張回路42の動作内容を示した図である。
【0036】
《カラーコピー機1の全体的な動作》
以下、コピーの開始が指示された場合(操作パネル11の所定の押しボタンスイッチが押下された場合)に、本実施形態に係るカラーコピー機1内の各CPUが実行する処理の内容を説明する。
【0037】
この場合、まず、コピーの開始が指示されたことを認識したスキャナCPU(スキャナ用LSI12内のCPU)が、設定されているコピー条件(原稿のサイズ及び向き,コピー画像を印刷すべき用紙のサイズ及び向き、両面コピーの要否等)に基づき、原稿のスキャン結果に対して施すべき回転処理の回転角度(回転処理を行う必要がない場合、0)、原稿のスキャン結果に対して施すべき拡縮処理の拡縮率(拡縮処理を行う必要がない場合、100%)、主走査方向ブロック数(=N=W/M′;M′=100・M/拡縮率設定値),副走査方向ブロック数,及び,及びコピーに用いる用紙カセットを特定する処理を、行う。なお、副走査方向ブロック数とは、主走査方向(CCD13の長さ方向)と垂直な方向のスキャン画像サイズ(画素数)/M′のことである。
【0038】
次いで、スキャナCPUは、特定した回転角度,主走査方向ブロック数,副走査方向ブロック数及び用紙カセットを,プリンタI/F64及びスキャナI/F64を介して、プリンタCPU(プリンタ用LSI32内のCPU)に通知する処理を行う。そして、スキャナCPUは、特定した回転角度及び拡縮率と各色用のライン間補間バッファの先頭アドレスとをライン間補正回路12に設定する処理を行ってから,メカ・ランプ制御回路の動作(ランプの移動制御)を開始させる処理を行う。
【0039】
一方、回転角度等が通知されたプリンタCPUは、通知された回転角度,主走査方向ブロック数及び副走査方向ブロック数と、各色用のページバッファの先頭アドレスとをブロック伸張回路42に設定する処理を行う。なお、この処理は、通知された回転角度が0度或いは180度であった場合には、通知された主走査方向ブロック数,副走査方向ブロック数を、それぞれ、主走査方向ブロック数Nx,副走査方向ブロック数Nyとしてブロック伸張回路42に設定し、通知された回転角度が90度或いは270度であった場合には、通知された主走査方向ブロック数,副走査方向ブロック数を、それぞれ、副走査方向ブロック数Ny,主走査方向ブロック数Nxとしてブロック伸張回路42に設定する処理となっている。
【0040】
そして、本実施形態に係るカラーコピー機1は、1ページ分のデータのRAM33への記憶が完了した場合、プリンタCPUの制御下、当該データが,そのまま(回転処理/拡縮処理等が施されることなく),画像処理回路によって処理されることにより、スキャナCPUからプリンタCPUへ通知されている用紙カセット内の用紙上への印刷が行われる装置となっている。
【0041】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るカラースキャナ10が備えるスキャナ用LSI12は、CCD13によるスキャン結果を、メモリ(RAM33)上の特定の位置に記憶することにより画像データが得られるブロックデータ群として、カラープリンタ30へ送信する回路となっている。また、スキャナ用LSI12は、回転処理や縮小処理を施した上で、各ブロックデータをカラープリンタ30へ送信することも可能な回路となっている。そして、本実施形態に係るカラープリンタ30は、回転/拡縮コピー時,通常コピー時のいずれにも、カラースキャナ20からの各ブロックデータを画像データに復元して画像処理回路に処理させるといった処理が行われる装置であるため、本実施形態に係るカラーコピー機1は、回転/拡縮コピーが,通常コピーと同様の速度で行える装置となっていることとになる。
【0042】
また、本実施形態に係るカラーコピー機1に用いられているスキャナ用LSI12,プリンタ用LSI32は、RAM14,33に対するアクセスを原則としてバーストアクセスにより行うLSIであると共に、既存のLSIの,ライン間補正関連の回路を改良することによって製造できるLSIとなっている。このため、本実施形態に係るカラーコピー機1は、製造コストがさほど上昇しない形で製造できる装置となっていると言うことも出来る。
【0043】
《変形形態》
上記したカラーコピー機1は、各種の変形を行うことが出来る。例えば、カラーコピー機1を一体型のカラーコピー機に変形することができる。また、カラーコピー機1を一体型のカラーコピー機に変形する場合には、スキャナ用LSI12に、図4〜図7に示したような形でメモリ上にブロックデータを記憶する機能を付加しておくことが出来る。
【0044】
また、スキャナ用LSI12を、回転角度が0度の場合には、ラインデータをカラープリンタ60へ送信する回路としておくことも出来る。また、プリンタI/F24,スキャナI/F41としてより高機能なものを実装しておかなければならないことにはなるが、スキャナ用LSI12,プリンタ用LSI32から、ブロック圧縮回路23,ブロック伸張回路42を取り除いておくことも出来る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施形態に係る、カラースキャナとカラープリンタとからなるカラーコピー機の構成図。
【図2】実施形態に係るカラースキャナに用いられているスキャナ用LSI(スキャナ用LSIのライン間補正回路)の機能の説明図。
【図3】スキャナ用LSI(スキャナ用LSIのライン間補正回路)の機能の説明図。
【図4】実施形態に係るカラープリンタに用いられているプリンタ用LSIの機能の説明図。
【図5】実施形態に係るカラープリンタに用いられているプリンタ用LSIの機能の説明図。
【図6】実施形態に係るカラープリンタに用いられているプリンタ用LSIの機能の説明図。
【図7】実施形態に係るカラープリンタに用いられているプリンタ用LSIの機能の説明図。
【図8】既存の、カラースキャナとカラープリンタとからなるカラーコピー機の構成図。
【図9】既存のカラースキャナに用いられているスキャナ用LSI(スキャナ用LSIのライン間補正回路)の機能の説明図。
【符号の説明】
【0046】
1 カラーコピー機、 10 カラースキャナ
11 操作パネル、 12 スキャナ用LSI
13 3ラインカラーCCDラインセンサ
14,33 RAM、 21 ライン間補正回路、 22 ブロックSRAM
30 カラープリンタ、 32 プリンタ用LSI
23 ブロック圧縮回路、 24 プリンタI/F
31 印刷エンジン、 41 スキャナI/F、 42 ブロック伸張回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Rラインデータ,Gラインデータ及びBラインデータを出力するカラーラインセンサの出力に対してライン間補正を行うためのライン間補正用集積回路において、
前記ラインセンサが出力する各色のラインデータを、M個のデータのバーストリードが可能なメモリ上に書き込むラインデータ書込回路であって、前記メモリ上に最新の一定量のラインデータが色毎に記憶されているように,各ラインデータの書込位置を決定するラインデータ書込回路と、
前記メモリ上のデータに基づき、ライン間補正がなされた画像データを出力するデータ出力回路であって、
画像を回転すべきことが指示された場合に、M個の連続するラインに関するM個のラインデータに含まれるM×M個の画素群に関するデータであるブロックデータをバーストリードを整数回繰り返すことにより前記メモリから読み出し,読み出したブロックデータを回転したデータを出力する処理を、各色についての新たなM個のラインデータが前記メモリに記憶される度に,各色についてのM個のラインデータ内の全てのブロックデータに対して繰り返すデータ出力回路と
を備えることを特徴とするライン間補正用集積回路。
【請求項2】
前記データ出力回路が、
画像を回転すべきことが指示されていない場合には、M個の連続するラインに関するM個のラインデータに含まれるM×M個の画素群に関するデータであるブロックデータをバーストリードを整数回繰り返すことにより前記メモリから読み出し、読み出したブロックデータをそのまま出力する処理を、各色についての新たなM個のラインデータが前記メモリに記憶される度に,各色についてのM個のラインデータ内の全てのブロックデータに対して繰り返す回路である
を備えることを特徴とする請求項1記載のライン間補正用集積回路。
【請求項3】
前記データ出力回路が出力したブロックデータを回転したデータの圧縮データ,及び,前記データ出力回路が出力したブロックデータ自体の圧縮データを出力する圧縮回路を、さらに、備える
ことを特徴とする請求項2記載のライン間補正用集積回路。
【請求項4】
前記データ出力回路が、
読み出したブロックデータを拡縮したデータを出力する機能も有する回路である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のライン間補正用集積回路。
【請求項5】
印刷エンジンと、
原稿をスキャンするための,ライン毎に,Rラインデータ,Gラインデータ及びBラインデータを出力するカラーラインセンサと、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のライン間補正用集積回路と、
画像の回転を必要とするコピーの実行が指示されたときに、前記ライン間補正用集積回路内のデータ出力回路に画像を回転すべきことを指示した後,前記データ出力回路が出力するデータに基づき前記印刷エンジンに前記原稿のコピーを生成させる制御手段と
を備えることを特徴とするカラーコピー機。
【請求項6】
原稿をスキャンするための,ライン毎に,Rラインデータ,Gラインデータ及びBラインデータを出力するカラーラインセンサと、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のライン間補正用集積回路とを、備え、
前記ライン間補正用集積回路の前記データ出力回路が出力するデータに基づき印刷を行う機能を有するプリンタと接続可能なことを特徴とするカラースキャナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−94604(P2009−94604A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−260631(P2007−260631)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】