説明

リニアライザ

【課題】ダイオードから見るインピーダンスが変化しても、利得特性と位相特性の単調変化を実現することができるリニアライザを得ることを目的とする。
【解決手段】アノードが信号路3に接続されて、順方向に電圧が印加されているダイオード15と、アノードが信号路4に接続されて、順方向に電圧が印加されているダイオード16とを備え、ダイオード15のカソードとダイオード16のカソードとの接続点がバイアス接地用ビアホール17に接地されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、衛星通信用増幅器、移動体通信用増幅器や地上マイクロ波通信用増幅器などに適用され、振幅非線形性及び位相非線形性を補償する低歪増幅器用のリニアライザに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に通信用増幅器には線形性が求められ、その線形性は通信の劣化を防ぐ重要なファクターとなっている。
また、同時に増幅器には高効率化が求められており、昨今の増幅器には線形性を改善するためにリニアライザや歪み補償回路を併用していることが多い。
リニアライザや歪み補償回路は、大きく3つに分類され、負帰還形、フィードフォワード型、プリディストーター型がある。
【0003】
負帰還形は主に低周波で用いられる技術であり、フィードフォワード型は線形性が非常に高く、高い線形性が求められる場合に使用される。
プリディストーター型はディジタル型とアナログ型に分類され、ディジタル型は比較的高い線形性が用いられる場合に用いられ、高出力で高効率な増幅器に適用されることが多い。
アナログ型は比較的線形性が低くてもシステム動作する場合に用いられ、低コスト化に非常に有利な構成である。
【0004】
アナログ型のプリディストーターにおいて、ダイオードを用いているダイオードリニアライザは、小型かつ低コストであり、原理的には、広帯域に線形性を改善することができる。
ここで、図8は以下の特許文献1に開示されているダイオードリニアライザを示す構成図である。
図8のダイオードリニアライザでは、信号路の入力側と出力側にキャパシタCが直列に接続されており、アノードが信号路に接続されて、カソードが接地されているダイオードが、直流電源によって順方向に直流電圧が印加されている。
このリニアライザでは、入力電力Pinの増加に対して、利得Gainが増加して、位相Phaseが遅れる特性が得られる。
【0005】
このリニアライザでは、ダイオードに印加する直流電圧を変化させることで、利得や通過位相特性を容易に調整することができる。
また、直流電源と信号路の間に接続されている抵抗素子の抵抗値を変化させることで、利得や通過位相特性のほか、入力電力に対する感度を調整することができる。
しかし、このリニアライザでは、比較的周波数が高くなると、単調に利得が増加しない特性に変化する。
図9は高周波帯で測定された出力電力に対する利得特性を示すグラフ図である。
図9に示すように、高周波帯では、利得特性が単調に増加していないことが分かる。原因は、ダイオードのカソードとアノードにおける寄生成分の影響と、ダイオードのRF接地のインダクタンスの影響である。
【0006】
また、図10は以下の特許文献2に開示されているダイオードリニアライザを示す構成図である。
図10のダイオードリニアライザは、図8のダイオードリニアライザで高周波化を妨げているダイオードのカソードとアノードにおける寄生成分の影響や、ダイオードのRF接地のインダクタンスの影響を改善している。
図10のダイオードリニアライザでは、入力信号を2分配して、位相が180度異なる2つの分配信号を出力する分配器と、その分配器から出力された分配信号を伝送する2つの信号路と、2つの信号路により伝送された2つの分配信号の位相を揃えて、2つの分配信号を合成する合成器とを設け、直流電源から供給される直流電流が、抵抗を介して順方向に印加されるダイオードを2つの信号路の間に挿入している。
【0007】
これにより、このリニアライザでは、高周波帯でも利得特性が単調に変化する効果が得られる。
図11は高周波帯で測定された出力電力に対する利得特性と位相特性を示すグラフ図である。
図11に示すように、高周波帯でも、入力電力に対して単調な利得特性と位相特性が得られていることが分かる。
しかし、周波数やバイアス条件を変更することで、図12(b)に示すように、リップルを持つ特性になることがある。特に位相特性に顕著に現れる。
これは、図12(a)において、反射特性ΓA,ΓA’が、ΓA≠ΓA’、 ΓB≠ΓB’となり、インピーダンスが異なることによって生じるものである。
【0008】
図12(c)は点IIと点IIIにおける高周波帯での利得特性、位相特性及びインピーダンスを示しており、利得特性では大きな変化はないが、位相特性にリップルが存在し、その結果、図12(b)に示すようなリップルを持つ特性になる。このときのインピーダンスは、図12(c)に示すように異なる。
このように、インピーダンスが異なるためにバランス動作しなくなり、図12(c)に示すように、位相特性でリップルを生じることになり、合成した位相特性も図12(b)に示すようにリップルを持つ特性になる。
【0009】
図10のダイオードリニアライザにおけるダイオードの等価回路は、図13(a)に示すように、接合容量Cと内部抵抗Gで表される。
理想的には、ダイオードのカソードとアノードの両端において、180度の位相差があり、バランス動作していれば、図13(b)のように、ダイオードの接合容量2Cと内部抵抗2Gに分割されて、その中点にはRF的に仮想接地点が形成され、アノードから見た回路もカソードから見た回路も同じ動作をする。
【0010】
しかし、ダイオードのアノードから見たインピーダンスと、ダイオードのカソードから見たインピーダンスは、分配器と180度線路によって理想的にはならない。
そのため、ダイオードの接合容量が2C±α、内部抵抗が2G±βとなり、両端の利得特性と位相特性が異なることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3335907号(段落番号[0017]、図1)
【特許文献2】特開2010−233055号公報(段落番号[0011]、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来のリニアライザは以上のように構成されているので、特許文献1の場合、ダイオードのカソードとアノードにおける寄生成分の影響や、ダイオードのRF接地におけるインダクタンスの影響で、高周波帯では利得特性が単調に増加しなくなる課題があった。
特許文献2の場合、高周波帯でも、入力電力に対して単調な利得特性と位相特性が得られるが、周波数やバイアス条件を変更すると、位相特性がリップルを持つ特性になることがある課題があった。
【0013】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ダイオードから見るインピーダンスが変化しても、利得特性と位相特性の単調変化を実現することができるリニアライザを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明に係るリニアライザは、入力信号を2分配して、位相が180度異なる第1の分配信号と第2の分配信号を出力する信号分配器と、信号分配器から出力された第1の分配信号を伝送する第1の信号路と、信号分配器から出力された第2の分配信号を伝送する第2の信号路と、第1の信号路により伝送された第1の分配信号と第2の信号路により伝送された第2の分配信号の位相を揃えて、第1の分配信号と第2の分配信号を合成する信号合成器と、アノードが第1の信号路に接続されて、順方向に電圧が印加されている第1のダイオードと、アノードが第2の信号路に接続されて、順方向に電圧が印加されている第2のダイオードとを備え、第1のダイオードのカソードと第2のダイオードのカソードとの接続点が接地されているようにしたものである。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、入力信号を2分配して、位相が180度異なる第1の分配信号と第2の分配信号を出力する信号分配器と、信号分配器から出力された第1の分配信号を伝送する第1の信号路と、信号分配器から出力された第2の分配信号を伝送する第2の信号路と、第1の信号路により伝送された第1の分配信号と第2の信号路により伝送された第2の分配信号の位相を揃えて、第1の分配信号と第2の分配信号を合成する信号合成器と、アノードが第1の信号路に接続されて、順方向に電圧が印加されている第1のダイオードと、アノードが第2の信号路に接続されて、順方向に電圧が印加されている第2のダイオードとを備え、第1のダイオードのカソードと第2のダイオードのカソードとの接続点が接地されているように構成したので、ダイオードから見るインピーダンスが変化しても、利得特性と位相特性の単調変化を実現することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施の形態1によるリニアライザを示す構成図である。
【図2】ダイオード15,16から見た反射特性ΓA,ΓA’を示す説明図である。
【図3】リニアライザの振幅特性及び位相特性を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態4によるリニアライザを示す構成図である。
【図5】この発明の実施の形態4によるリニアライザを示す構成図である。
【図6】この発明の実施の形態5によるリニアライザを示す構成図である。
【図7】この発明の実施の形態6によるリニアライザを示す構成図である。
【図8】特許文献1に開示されているダイオードリニアライザを示す構成図である。
【図9】高周波帯で測定された出力電力に対する利得特性を示すグラフ図である。
【図10】特許文献2に開示されているダイオードリニアライザを示す構成図である。
【図11】高周波帯で測定された出力電力に対する利得特性と位相特性を示すグラフ図である。
【図12】高周波帯での利得特性、位相特性及びインピーダンスを示す説明図である。
【図13】図10のダイオードリニアライザにおけるダイオードを示す等価回路である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるリニアライザを示す構成図である。
図1のリニアライザは、図示せぬ増幅器の入力側又は出力側に設けられるものを想定している。
図1において、入力端子1はRF信号(入力信号)が入力される端子である。
180degHybrid回路2は入力端子1から入力されたRF信号を2分配して、位相が180度異なる分配信号f(P)と分配信号f(M)を出力する処理を実施する。
なお、180degHybrid回路2は信号分配器を構成しており、分配信号f(P)は第1の分配信号に相当し、分配信号f(M)は第2の分配信号に相当する。
【0018】
第1の信号路である信号路3は分配信号f(P)に含まれている直流成分の伝送を阻止するDCカットとして、キャパシタ5,6が挿入されており、180degHybrid回路2から出力された分配信号f(P)を伝送する。
第2の信号路である信号路4は分配信号f(M)に含まれている直流成分の伝送を阻止するDCカットとして、キャパシタ7,8が挿入されており、180degHybrid回路2から出力された分配信号f(M)を伝送する。
【0019】
180degHybrid回路9は信号路3により伝送された分配信号f(P)と信号路4により伝送された分配信号f(M)の位相を揃えて、その分配信号f(P)と分配信号f(M)を合成し、その合成信号を出力端子10に出力する処理を実施する。なお、180degHybrid回路9は信号合成器を構成している。
直流電源11はバイアス印加用抵抗12を介して信号路3と接続されており、直流電源13はバイアス印加用抵抗14を介して信号路4と接続されている。
【0020】
第1のダイオードであるダイオード15はアノードが信号路3と接続され、カソードがダイオード16のカソード及びバイアス接地用ビアホール17と接続されており、直流電源11から供給される直流電流によって、順方向に直流電圧が印加されている。
第2のダイオードであるダイオード16はアノードが信号路4と接続され、カソードがダイオード15のカソード及びバイアス接地用ビアホール17と接続されており、直流電源13から供給される直流電流によって、順方向に直流電圧が印加されている。
【0021】
次に動作について説明する。
入力端子1から入力されたRF信号は、180degHybrid回路2を通過して2分配される。
180degHybrid回路2により2分配された分配信号f(P)と分配信号f(M)は、互いに180度の位相差を有している。
【0022】
180degHybrid回路2により2分配された分配信号f(P)は信号路3に出力され、その信号路3によって180degHybrid回路9に伝送される。
ただし、分配信号f(P)に含まれている直流成分は、信号路3に挿入されているキャパシタ5,6によって伝送が阻止される。
また、180degHybrid回路2により2分配された分配信号f(M)は信号路4に出力され、その信号路4によって180degHybrid回路9に伝送される。
ただし、分配信号f(M)に含まれている直流成分は、信号路4に挿入されているキャパシタ7,8によって伝送が阻止される。
【0023】
180degHybrid回路9により入力された分配信号f(P)と分配信号f(M)は、位相が揃えられて合成され、その合成信号(分配信号f(P)+分配信号f(M))が出力端子10から外部に出力される。
【0024】
ここで、ダイオード15は、直流電源11から供給される直流電流によって、順方向に直流電圧が印加されており、カソードがバイアス接地用ビアホール17に接続されている。
また、ダイオード16は、直流電源13から供給される直流電流によって、順方向に直流電圧が印加されており、カソードがバイアス接地用ビアホール17に接続されている。
これにより、180degHybrid回路2により2分配された分配信号f(P)と分配信号f(M)は、ダイオード15,16のカソードでRF的に仮想接地される。
なお、分配信号f(P)と分配信号f(M)は、ダイオード15,16のアノードを通過する際に、その分配信号f(P),f(M)の電力の大きさに対して、利得と位相が変化する。
その振幅特性及び位相特性は、図示せぬ増幅器と逆の振幅特性及び位相特性を有している。
【0025】
次に、回路のインピーダンスについて説明する。
ここでは、図1のリニアライザにおいて、入力側のみの回路を考え(図2(a)を参照)、ダイオード15,16から見た反射特性をΓA,ΓA’とする。
理想的には、図2(b)に示すように、反射特性ΓA,ΓA’は50Ωになる。
この場合、リニアライザの振幅特性及び位相特性は、図3(a)に示すように、従来例(例えば、特許文献2に開示されているリニアライザ)の構成でも、本発明の構成でも、同様の単調な特性になる。
【0026】
ただし、周波数が高くなっていくと理想からずれていき、ダイオード15,16から見た反射特性ΓA,ΓA’は図2(c)のようになる。
このような場合でも、リニアライザの振幅特性及び位相特性は、図3(b)に示すように、従来例の構成でも、本発明の構成でも、同様の単調な特性になる。
しかし、更に周波数が高くなると、反射振幅も反射位相も異なり、ダイオード15,16から見た反射特性ΓA,ΓA’は、図2(d)に示すように異なる。
この場合、従来例の構成では、図3(c)に示すように、位相特性にリップルを生じており、単調に動作していない。一方、本発明の構成では、位相特性にリップルを生じておらず、単調に動作する。
したがって、図1のリニアライザでは、使用する周波数が高くなることで、ダイオード15,16から見るインピーダンスが変化しても、利得特性と位相特性が単調に変化する。
【0027】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、RF信号を2分配して、位相が180度異なる分配信号f(P)と分配信号f(M)を出力する180degHybrid回路2と、180degHybrid回路2から出力された分配信号f(P)を伝送する信号路3と、180degHybrid回路2から出力された分配信号f(M)を伝送する信号路4と、信号路3により伝送された分配信号f(P)と信号路4により伝送された分配信号f(M)の位相を揃えて、その分配信号f(P)と分配信号f(M)を合成する180degHybrid回路9と、アノードが信号路3に接続されて、順方向に電圧が印加されているダイオード15と、アノードが信号路4に接続されて、順方向に電圧が印加されているダイオード16とを備え、ダイオード15のカソードとダイオード16のカソードとの接続点がバイアス接地用ビアホール17に接地されているように構成したので、ダイオード15,16から見るインピーダンスが変化しても、利得特性と位相特性の単調変化を実現することができる効果を奏する。
【0028】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、RF信号を2分配する信号分配器として180degHybrid回路2を使用するものを示したが、信号分配器は180degHybrid回路2に限るものではない。
例えば、信号分配器として、RF信号を2分配して、分配信号f(P)と分配信号f(M)を出力するウィルキンソン分配器と、そのウィルキンソン分配器から出力された分配信号f(P)の位相を略180度遅延する2分の1波長線路とから構成し、位相遅延後の分配信号f(P)を信号路3に出力して、そのウィルキンソン分配器により分配された分配信号f(M)を信号路4に出力するようにしてもよい。
ここでは、2分の1波長線路が分配信号f(P)の位相を略180度遅延するものとしているが、分配信号f(M)の位相を略180度遅延するようにしてもよい。
【0029】
また、上記実施の形態1では、分配信号f(P)と分配信号f(M)を合成する信号合成器として180degHybrid回路9を使用するものを示したが、信号合成器は180degHybrid回路9に限るものではない。
例えば、信号合成器として、信号路4により伝送された分配信号f(M)の位相を略180度遅延する2分の1波長線路と、位相遅延後の分配信号f(M)と信号路3により伝送された分配信号f(P)を合成するウィルキンソン分配器とから構成してもよい。
ここでは、2分の1波長線路が信号路4により伝送された分配信号f(M)の位相を略180度遅延するものとしているが、信号分配器における2分の1波長線路が分配信号f(M)の位相を略180度遅延している場合には、信号路3により伝送された分配信号f(P)の位相を略180度遅延する。
【0030】
また、信号分配器や信号合成器として、180度の位相差を有するラットレース型分配器を用いてもよい。
また、信号分配器や信号合成器として、マーチャントバラン、同軸バラン、あるいは、アクティブバラン(例えば、トランジスタのコレクタとエミッタで位相が180度異なることを利用するアクティブバランや、差動増幅器を用いて構成されたアクティブバラン)を用いてもよい。
【0031】
実施の形態3.
上記実施の形態1では、分配信号f(P),f(M)に含まれている直流成分の伝送を阻止するキャパシタ5〜8が信号路3,4に挿入されているものを示したが、信号分配器である180degHybrid回路2や、信号合成器である180degHybrid回路9が、分配信号f(P),f(M)に含まれている直流成分の伝送を阻止する機能を備えるようにしてもよい。
【0032】
実施の形態4.
上記実施の形態1〜3では、リニアライザがダイオード15,16を実装しているものを示したが、図4に示すように、ダイオード15,16のそれぞれが並列に複数個接続されていてもよい。
また、図5に示すように、ダイオード15,16のそれぞれが直列に複数個接続されていてもよい。
【0033】
実施の形態5.
上記実施の形態1では、キャパシタ5〜8が信号路3,4に挿入されているものを示したが、図6に示すように、更に、外部回路との反射特性を改善する整合回路18,19が信号路3,4に挿入されていてもよい。
【0034】
実施の形態6.
上記実施の形態1〜5では、リニアライザが1個であるものを示したが、リニアライザがn個(n=1,2,3,・・・)縦続に接続されていてもよい。
図7はリニアライザが2個縦続に接続されている例を示している。
【0035】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 入力端子、2 180degHybrid回路(信号分配器)、3 信号路(第1の信号路)、4 信号路(第2の信号路)、5,6,7,8 キャパシタ、9 180degHybrid回路(信号合成器)、11,13 直流電源、12,14 バイアス印加用抵抗、15 ダイオード(第1のダイオード)、16 ダイオード(第2のダイオード)、17 バイアス接地用ビアホール、18,19 整合回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を2分配して、位相が180度異なる第1の分配信号と第2の分配信号を出力する信号分配器と、上記信号分配器から出力された第1の分配信号を伝送する第1の信号路と、上記信号分配器から出力された第2の分配信号を伝送する第2の信号路と、上記第1の信号路により伝送された第1の分配信号と上記第2の信号路により伝送された第2の分配信号の位相を揃えて、上記第1の分配信号と上記第2の分配信号を合成する信号合成器と、アノードが上記第1の信号路に接続されて、順方向に電圧が印加されている第1のダイオードと、アノードが上記第2の信号路に接続されて、順方向に電圧が印加されている第2のダイオードとを備え、上記第1のダイオードのカソードと上記第2のダイオードのカソードとの接続点が接地されていることを特徴とするリニアライザ。
【請求項2】
信号分配器は、入力信号を2分配して、第1の分配信号と第2の分配信号を出力するウィルキンソン分配器と、上記ウィルキンソン分配器により分配された第1の分配信号の位相を略180度遅延する2分の1波長線路とから構成されており、
信号合成器は、第2の信号路により伝送された第2の分配信号の位相を略180度遅延する2分の1波長線路と、位相遅延後の第2の分配信号と第1の信号路により伝送された第1の分配信号を合成するウィルキンソン分配器とから構成されている
ことを特徴とする請求項1記載のリニアライザ。
【請求項3】
信号分配器及び信号合成器は、180度の位相差を有するラットレース型分配器を用いて構成されていることを特徴とする請求項1記載のリニアライザ。
【請求項4】
信号分配器及び信号合成器は、マーチャントバラン、同軸バラン、あるいは、アクティブバランを用いて構成されていることを特徴とする請求項1記載のリニアライザ。
【請求項5】
第1及び第2の信号路には、第1及び第2の分配信号に含まれている直流成分の伝送を阻止するキャパシタが挿入されていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のリニアライザ。
【請求項6】
信号分配器及び信号合成器は、第1及び第2の分配信号に含まれている直流成分の伝送を阻止する機能を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のリニアライザ。
【請求項7】
第1及び第2のダイオードは、直列又は並列に複数個接続されていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載のリニアライザ。
【請求項8】
第1及び第2の信号路には、外部回路との反射特性を改善する整合回路が挿入されていることを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載のリニアライザ。
【請求項9】
請求項1に記載のリニアライザが複数個縦続に接続されていることを特徴とするリニアライザ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−244545(P2012−244545A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114948(P2011−114948)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】