説明

レーザはんだ付け装置

【課題】被加工物に開口した孔を透過したレーザ光により、はんだされる各種部品などへのダメージを防ぎ、また、被加工物の法線方向からの観察を行うことを可能にして、ダメージ発生の有無を同時に判断することができるようにし、また、各種はんだ付けに適したレーザ光のスポット形状の切り替えを可能する。
【解決手段】被加工物6に対して斜めにレーザ光20を照射する。これにより、プリント基板61の孔61aを通過するレーザ光20を少なくし、プリント基板61の裏面側に配された挿入部品62の弱耐熱性部分へのダメージを防ぐ。さらに、観察カメラ23で被加工物6を法線方向から観察することができるため、プリント基板61の孔61aと挿入部品62のリード線の隙間から、挿入部品62の弱耐熱性の樹脂製部分を観察することができ、ダメージを与えるか否かの判断をすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品などとプリント配線板などの基板(以下、被加工物という)に対してはんだ付けを行う際に、被加工物の一部を加熱してはんだ付けを行うレーザはんだ付け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザはんだ付け装置として、光学系と被加工物間の距離を変化させることにより、被加工物上に形成されたレーザ光のビームスポットのスポット径を変化させ、被加工物に適したスポット形状にするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は特許文献1に記載された従来のレーザはんだ付け装置の概略構成図である。
【0004】
1は光ビームを出射する光源、2はレーザ光の第1の光路、3はハーフミラー、4は光ビームを整形して被加工物6に集光する光学手段、5は保護ガラス、7は被加工物6の反射光を受光手段8に導くためのミラー、9はレーザ光の第2の光路、10は被加工物6と光学手段4との相対位置を変えるための駆動手段を示し、これらにより加工ヘッドを構成している。
【0005】
さらに、11は糸はんだ供給手段、12は前記加工ヘッドを被加工物6に対して上下方向に移動させる第1の移動手段、13は糸はんだ供給手段11を被加工物6に対して上下方向に移動させる第2の移動手段、14は糸はんだ供給手段11を被加工物6に対して左右方向に移動させる第3の移動手段を示している。
【0006】
図6において、光学手段4により光ビームを整形し、光源1から出射する光ビームを、被加工物6に対して集光し、さらに、第1の移動手段12により被加工物6に応じたビーム径になるように調整している。
【特許文献1】特開2004−337894号公報(第11頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の構成では、被加工物6に対して垂直方向からレーザ光Lを照射する構成になっているため、例えば、被加工物6としてのプリント配線板に電子部品のリードなどを挿入する孔が設けられている場合には、その孔を通してレーザ光が、プリント配線板裏面の電子部品を照射し、その電子部品にダメージを与えることがあった。
【0008】
また、被加工物6の法線方向と光源1から出射するレーザ光の第1の光路2とに角度を設けて、前記孔を透過するレーザ光を少なくしようとすると、孔を通して電子部品のリード部の付け根を観察することができなくなり、ダメージの有無の確認ができなくなってしまうという課題を有していた。
【0009】
また、前記従来の構成では、光学手段4と被加工物6の間の距離を、第1の移動手段12によって変更しているだけであるため、被加工物6上に集光されたレーザ光のビームスポットにおいては一意の形状変化しか生じない。したがって、スポット的なはんだ付けと引きはんだのような、複数部位の連続はんだ付けを両立することができるようなレーザ光の集光形状にはなっていない。よって、加工点一点ごとに、はんだ供給およびレーザ照射によるはんだ溶融を行う必要があるため、生産性を向上させることが困難であるという課題を有していた。
【0010】
本発明は、前記従来の技術の課題を解消し、被加工物に開口した孔を透過したレーザ光により、はんだされる各種部品などへのダメージを防ぎ、また、被加工物の法線方向からの観察を行うことを可能にして、ダメージ発生の有無を同時に判断することができるようにし、また、各種はんだ付けに適したレーザ光のスポット形状の切り替えを可能にするレーザはんだ付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、本発明は、基板に開口された孔部分に対して部品を挿入し、レーザ光を用いて前記部品を前記基板にはんだ付けを行うレーザはんだ付け装置において、光源から出射されたレーザ光を反射する第1のミラーと、前記第1のミラーからのレーザ光を受けて前記孔部分へ反射する第2のミラーと、前記第1のミラーと前記第2のミラーとの間に配置されてレーザ光を集光する光学系とを備え、前記レーザ光が前記基板の鉛直方向に対して角度を有し、かつ前記孔部分を任意の形状にて照射することを可能にしたことを特徴とする。
【0012】
本発明の前記構成によって、レーザ光が基板に開口した孔から基板の反対側に透過し難くなり、基板の反対側に配された部品などにダメージを与えることを防ぐことができ、多様な基板,部品に対して各種はんだ加工を行うことが可能になり、基板の法線方向からの観察を行うことが可能になり、ダメージ発生の有無を判断することができるようになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基板に対して斜め方向からレーザ光を照射することによって、基板に開口した孔からレーザ光が透過することを防止することができ、透過したレーザ光によるはんだ付け部のダメージの発生を防止することができる。
【0014】
また、基板に対して斜め方向からレーザ光を照射することによって、基板の垂直方向からの画像観察を行うことが可能になり、基板の裏面にダメージを与える可能性の有無を画像で判断することができる。
【0015】
また、第1のミラーと第2のミラー間の光学系の移動および挿入を行うこと、あるいは第1のミラーと第2のミラーおよびそれらの間に配置する光学系を一体のユニット体として回転させることにより、スポット形状を変化させたり、レーザ光の照射方向を切り換えたりすることが容易に行えるため、スポットはんだ付けと引きはんだ付けなどの各種はんだ付けを同一の装置で実現することが可能となる。
【0016】
これらの結果、小型かつスポットはんだ付けと引きはんだ付けなどを切り換えることが可能な装置が実現し、様々な電子部品をプリント配線板などに高速かつ高品質ではんだ付けすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、既に前に説明した構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付して詳しい説明は省略する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるレーザはんだ付け装置の概略構成図である。
【0019】
図1において、1は光源である光エネルギー出力手段、6はプリント基板61と挿入部品62とからなる被加工物、10は被加工物6と反射光学ユニット100との相対位置を変えるための駆動手段、11は糸はんだ111を加工部に供給する糸はんだ供給手段、12は反射光学ユニット100を被加工物6に対して上下方向に移動させる第1の移動手段、13は糸はんだ供給手段11を被加工物6に対して上下方向に移動させる第2の移動手段、14は糸はんだ供給手段11を被加工物6に対して左右方向に移動させる第3の移動手段、20はレーザ光、21は光ファイバー、22はレーザ光20を出射する鏡筒、23は加工部観察手段としての観察カメラである。
【0020】
鏡筒22には、光エネルギー出力手段1から光ファイバー21を通してレーザ光20が伝えられ、また、鏡筒22の上部に鏡筒22と光軸が同軸となるように観察カメラ23が配置されている。
【0021】
レーザ光20は、後述するように、その光軸が鏡筒22の中で観察カメラ23の光軸と同軸になるようにして反射光学ユニット100に入射し、反射光学ユニット100から出射して被加工物6上を斜め方向から照射する。
【0022】
挿入部品62のリード部分は、プリント基板61に貫通して開口された孔61aに挿入されており、その孔部分に糸はんだ111を供給してはんだ付けを行う。本例では挿入部品62として樹脂などの弱耐熱性の材料を用いている。
【0023】
図2は実施の形態1における反射光学ユニット100を主体とした光学系部分の概略構成を示す斜視図であり、101は第1のミラー、102は第2のミラー、103は集光レンズである。
【0024】
図2において、レーザ光20は、光ファイバー21を伝送して、鏡筒22の中でハーフミラー22aによって観察カメラ23の光軸方向と同軸になるように光軸が設定され、反射光学ユニット100内の第1のミラー101によって反射される。さらに、レーザ光20は、反射光学ユニット100内に設けられた集光レンズ103によって集光され、かつ第2のミラー102によって光軸方向が偏向されて、被加工物6上へ斜めに照射される。
【0025】
例えば、プリント基板61に開口された孔61aに挿入部品62を挿入したときの隙間の間隔は0.2mm〜2.0mmの範囲にあり、また、そのときのプリント基板61の基板厚さは0.5mmと1.0mmのものを用いる。この場合、レーザ光20が前記隙間の間隔からプリント基板61の裏面に透過しないようにしたときの光軸方向と被加工物6の法線とのなす角度は11度〜74度の間となる。
【0026】
観察カメラ23は、鏡筒22の中のハーフミラー22aと、レーザ光20の波長だけを反射して観察カメラ23の感度波長域を透過するコーティングを施した第1のミラー101を透過した光によって、はんだ付け部分の挿入部品62を被加工物6の法線方向から観察することができる。
【0027】
本実施の形態1によれば、被加工物6へ斜めにレーザ光20を照射する構成とすることにより、プリント基板61の孔61aを通過するレーザ光20を少なくすることになり、プリント基板61の裏面側に配された挿入部品62の弱耐熱性部分へのダメージを防ぐことができる。
【0028】
また、観察カメラ23によって、被加工物6を法線方向から観察することができるため、プリント基板61上の孔61aと挿入部品62のリード線の隙間から、挿入部品62の弱耐熱性の樹脂製部分を観察することができる。このためダメージを与えるか否かの判断をすることができる。しかしながら、観察カメラ23によるレーザ光20と同じ斜め方向からの観察では、プリント基板61の孔61aを通した映像を観察することができない。
【0029】
次に、実施の形態1におけるはんだ供給の方法について説明する。
【0030】
図3(a)〜(e)は実施の形態1におけるはんだ付けプロセスを示す模式図であり、観察カメラにて観察した映像を模式的に表したものであって、図3(a)〜(e)を参照してはんだ付けプロセスのフローを説明する。
【0031】
図3(a)はプリント基板61上の孔61aのスルーホールランド611に、裏面から挿入部品62のリードである扁平型挿入ピン621が挿入されているはんだ付け前の状態を示している。はんだ付けの最初には、図3(b)に示すように、糸はんだ供給手段11から糸はんだ111が、スルーホールランド611と扁平型挿入ピン621との隙間を遮蔽するような位置に挿入されて停止する。
【0032】
次に、図3(c)に示すように、レーザ光20が斜めから照射される。このとき、糸はんだ111は、レーサ光20の照射位置と孔61aとの間に供給され、レーザ光20が、糸はんだ111の遮蔽効果と斜め照射による遮蔽効果によってプリント基板61の裏面側には透過しない。
【0033】
さらにレーザ光20の照射を続け、図3(d)に示すように、レーザ光20により糸はんだ111の先端の溶融が始まるまで、糸はんだ111の供給を停止する。糸はんだ111の先端が溶融が始まるタイミングで、図3(e)に示すように、はんだ供給を再開し、必要量のはんだを供給し終わるまで続ける。
【0034】
以上のようなはんだ供給を行うことによって、スルーホールランド611と扁平型挿入ピン621の隙間は、常にレーザ光20が遮蔽された状態となり、弱耐熱性の挿入部品62における樹脂部分へのダメージを防止することができる。
【0035】
また、プリント基板61の法線方向から観察カメラ23で見ることにより、はんだ供給不足時のプリント配線板61の下面の状態を観察し、その不良の判定、あるいはプリント配線板61におけるレーザ光照射側とは反対側へのはんだ回り込み状態の観察を行うことが可能になる。
【0036】
図4は実施の形態1における反射光学ユニットの動作状況を示す斜視図である。
【0037】
反射光学ユニット100は、反射光学ユニットの回転駆動手段210によって、はんだ付け加工部分と鏡筒22との光軸を結んだ軸を回転中心として回転し、常にレーザ光20の照射位置の中心が一定の場所に位置するように配置されている。反射光学ユニット100を回転させることによって、様々な被加工物6に対して最適な方向からレーザ光20を照射することが可能となっている。
【0038】
第2のミラー102の仰角を変化させることによって、レーザ光20における被加工物6に対する法線方向となす角度を変更することも可能である。従来例との比較として、図10に示す構成の場合は、斜めからの照射と回転を行おうとすると、構成要素のほとんどを斜めにしたり、回転させたりしなければならず、非常に大きな駆動機構が必要となる。
【0039】
また、観察用カメラ23を単独でプリント基板61の法線方向に設置し、レーザ光20を出射する鏡筒22を斜めにする構成も考えられるが、この構成にすると、鏡筒22に電源ケーブルまたは光ファイバーケーブルが連結されているために、鏡筒22を回転させる際には、それらのケーブルの処理が必要となる。しかし、本実施の形態の構成の場合は、反射光学ユニット100のみを回転させるだけでよく、コンパクトな構成となる。
【0040】
また、観察カメラ23による映像が回転しないため、同一の画面でレーザ光20の照射方向を確認することができる。
【0041】
図5は実施の形態1における反射光学ユニットの回転によるレーザ照射方向の変更について示す模式図である。図3に示す場合と比較すると、図5では偏平形挿入ピン621が90度回転している場合を示している。
【0042】
図5に示す場合には、反射光学ユニット100を90度回転させて、はんだ付けをより行いやすいレーザ光20の照射状態にすることが可能である。その際に、糸はんだ供給手段11も反射光学ユニット100の回転中心と同じ位置を回転中心として回転して配置し、糸はんだ111を供給するようにする。
【0043】
なお、本実施の形態1において、弱耐熱性な挿入部品62として樹脂製のものを挙げたが、通常のはんだの溶融温度(約220℃)よりも耐熱性に劣る材料を用いた場合に有効である。
【0044】
また、反射光学ユニット100と糸はんだ供給手段11の回転は同期していてもよいし、反射光学ユニット100と糸はんだ供給手段11とに個別に回転駆動手段を設ける構成にしてもよい。
【0045】
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2における反射光学ユニット100を主体とした光学系部分の概略構成を示す斜視図である。
【0046】
図6において、集光レンズ103を光軸方向への移動させるレンズ駆動手段220を備え、反射光学ユニット100内にて集光レンズ103を光軸方向へ移動させることが可能な構成となっている。
【0047】
このように、集光レンズ103の位置が変わることによって、プリント基板61と挿入部品62とに照射されるレーザ光20のスポット形状201を円形のままで変化させることが可能になり、焦点の位置から集光レンズ103がずれるに従ってスポット形状201は拡大する。
【0048】
このとき得られたスポット形状201は、例えば、直径が0.5mm〜10mmである。このようにすることによって、プリント基板61上のランド形状などに合わせて最適な形態のスポット形状201を得ることが可能となる。
【0049】
(実施の形態3)
図7は本発明の実施の形態3における反射光学ユニット100を主体とした光学系部分の概略構成を示す斜視図である。
【0050】
図7において、反射光学ユニット100の第1のミラー101と第2のミラー102との間に、光学的に軸対称でないレンズ、例えばシリンドリカルレンズ104をさらに設け、挿入駆動手段230にてシリンドリカルレンズ104を反射光学ユニット100の光軸に対して出し入れできる構成となっている。
【0051】
図7ではシリンドリカルレンズ104は、集光レンズ103の後方に位置しているが、前方に位置してもよい。シリンドリカルレンズ104を光軸に挿入することによって、被加工物6上の集光スポットの形状は、X方向に拡大したスポット形状202となる。
【0052】
この構成によって、ライン状のスポット形状202を得ることができ、被加工物6上に並んだ直線状の挿入部品62のピン部分に対して、連続的に引きはんだ付けすることが可能となる。
【0053】
このとき得られたライン状のスポット形状202における長手方向の長さは、例えば1mm〜15mmの範囲であり、スポット形状の短手方向は0.5mm〜10mmの範囲である。
【0054】
(実施の形態4)
図8は本発明の実施の形態4における反射光学ユニット100を主体とした光学系部分の概略構成を示す斜視図である。
【0055】
図8において、光軸中心を回転中心としたレンズ回転駆動手段240を設けてシリンドリカルレンズ104を回転可能とした構成であって、図7に示す構成に対してシリンドリカルレンズ104を90度回転させる構成になっている。この構成によって、被加工物6上のレーザ光20のスポット形状をY方向に拡大したスポット形状203とすることができる。
【0056】
本例では、シリンドリカルレンズ104の回転角度を90度としているが、特に90度ごとに回転するということではなく、任意の回転角度に設定することが可能である。
【0057】
このように、被加工物6上へのレーザ光20のスポット形状203の向きは、被加工物6上において任意の角度で設定することが可能となり、被加工物6上に直線状に並んでいるはんだ付け部分がある場合には、はんだ付け部分がどのような角度になっていようが、引きはんだ付けの加工法を適用することが可能である。
【0058】
(実施の形態5)
図9は本発明の実施の形態5における反射光学ユニット100を主体とした光学系部分の温度制御システムの概略構成を示す斜視図である。
【0059】
図9において、温度センサ24は、被加工物6上のはんだ付け加工を行っているはんだ付け部分から放射されている放射赤外線30を検知し、はんだ付け部分の温度を演算ユニット25にて算出する構成のものである。演算ユニット25と光エネルギー出力手段1は制御可能に連結しており、演算ユニット25の演算結果によって、光エネルギー出力手段1の出力を変更することが可能な構成となっている。
【0060】
また、第2のミラー102は、例えば、レーザ光20の波長(800nm〜1100nm)を反射し、放射赤外光30の波長(1300nm〜2600nm)を透過するような構成である。
【0061】
この構成によって、被加工物6上のはんだ付け部分の温度を検出することにより、温度が上がり過ぎた場合に、光エネルギー出力手段1に指令信号を送り、レーザ光20の出力が適切になるようにコントロールを行うことが可能となる。例えば、はんだ付け部分の最高温度が250℃〜300℃の間になるように、レーザ光20の出力をコントロールすることによって、はんだ付け部分の温度をコントロールすることが可能となり、ぬれ不足による、所謂、いもはんだや、過熱による酸化やダメージ発生などを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、プリント基板や挿入部品にダメージを与えず、なおかつ、ぬれ不足などの不良も発生させることなく、高品質のスポットはんだ付けや引きはんだ付けなどの多様なはんだ付けを行うことができ、プリント基板への挿入部品のはんだ付け実装など、小型で量産性の高い加工が必要とされる工程に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態1におけるレーザはんだ付け装置の概略構成図
【図2】実施の形態1における反射光学ユニットを主体とした光学系部分の概略構成を示す斜視図
【図3】(a)〜(e)は実施の形態1におけるはんだ付けプロセスを示す模式図
【図4】実施の形態1における反射光学ユニットの動作状況を示す斜視図
【図5】実施の形態1における反射光学ユニットの回転によるレーザ照射方向変更について示す模式図
【図6】本発明の実施の形態2における反射光学ユニットを主体とした光学系部分の概略構成を示す斜視図
【図7】本発明の実施の形態3における反射光学ユニットを主体とした光学系部分の概略構成を示す斜視図
【図8】本発明の実施の形態4における反射光学ユニットを主体とした光学系部分の概略構成を示す斜視図
【図9】本発明の実施の形態5における反射光学ユニットを主体とした光学系部分の温度制御システムの概略構成を示す斜視図
【図10】従来のレーザはんだ付け装置の概略構成図
【符号の説明】
【0064】
1 光エネルギー出力手段
2 第1の光路
6 被加工物
10 駆動手段
11 糸はんだ供給手段
12 第1の移動手段
13 第2の移動手段
14 第3の移動手段
20 レーザ光
21 光ファイバー
22 鏡筒
23 観察カメラ
24 温度センサ
25 演算ユニット
30 放射赤外線
61 プリント基板
61a 孔
62 挿入部品
100 反射光学ユニット
101 第1のミラー
102 第2のミラー
103 集光レンズ
104 シリンドリカルレンズ
111 糸はんだ
201 スポット形状
202 X方向に拡大したスポット形状
203 Y方向に拡大したスポット形状
210 回転駆動手段
220 レンズ駆動手段
230 挿入駆動手段
240 レンズ回転駆動手段
611 スルーホールランド
621 偏平形挿入ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に開口された孔部分に対して部品を挿入し、レーザ光を用いて前記部品を前記基板にはんだ付けを行うレーザはんだ付け装置において、
レーザ光の出射鏡筒から出射されたレーザ光を反射する第1のミラーと、前記第1のミラーからのレーザ光を受けて前記孔部分へ反射する第2のミラーと、前記第1のミラーと前記第2のミラーとの間に配置されてレーザ光を集光する光学系とを備え、前記レーザ光が前記基板の鉛直方向に対して角度を有し、かつ前記孔部分を任意の形状にて照射することを可能にしたことを特徴とするレーザはんだ付け装置。
【請求項2】
前記レーザ光の前記基板の照射位置における鉛直方向に対する角度を11度〜76度に設定したことを特徴とする請求項1記載のレーザはんだ付け装置。
【請求項3】
はんだ付け部分を観察する観察手段を、該観察手段の光軸が前記出射鏡筒の光軸と同軸になるように配設したことを特徴とする請求項1または2記載のレーザはんだ付け装置。
【請求項4】
前記第1のミラーは、前記出射鏡筒からのレーザ光を反射し、前記はんだ付け部分からの光を透過することを特徴とする請求項1〜3記載のレーザはんだ付け装置。
【請求項5】
前記基板上を照射するレーザ光と前記基板の前記孔部分との間にはんだを供給することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のレーザはんだ付け装置。
【請求項6】
前記第1のミラーと前記第2のミラーと前記光学系とからユニット体を構成し、前記ユニット体に、前記第1のミラーに入射するレーザ光の光軸と、該レーザ光が前記基板を照射する位置とを結んだ軸を回転中心として前記ユニット体を回転させる回転駆動手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
【請求項7】
前記光学系を該光学系の光軸方向に移動可能に設け、前記基板の照射位置における前記レーザ光の照射スポットの大きさを変化可能にしたことを特徴とする請求項1または6記載のレーザはんだ付け装置。
【請求項8】
前記光学系の光軸上の前または後に、光学的に軸対称ではないレンズを配置し、前記基板の照射位置における前記レーザ光の照射スポットの形状を楕円または線状にすることを特徴とする請求項1,6または7記載のレーザはんだ付け装置。
【請求項9】
前記基板上のはんだ付けを行う部分の温度測定を行う赤外線放射式の温度センサを備え、測定結果によって前記光源のレーザ出力を制御することを特徴とする請求項1記載のレーザはんだ付け装置。
【請求項10】
前記第2のミラーに、前記レーザ光の波長を反射し、かつ温度測定に必要な赤外線を選択的に透過させるコーティングを施し、前記第2のミラーの背面に前記基板上から放射される赤外線を受けて温度信号へと変換する温度センサを配置したことを特徴とする請求項1記載のレーザはんだ付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−192570(P2010−192570A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33773(P2009−33773)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】