説明

ワイヤーソー切断装置

【課題】切断作業時に生じる切粉を効果的に除去・回収することができるワイヤーソー切断装置を提供する。
【解決手段】ワイヤーソー切断装置1は、無端状の切断用ワイヤー10、駆動プーリ20、送り側ガイドプーリ30、戻り側ガイドプーリ40、切断用ワイヤー10の張力を調整するための補助プーリであるテンションプーリ50a、50bを備える。そして、送り側ガイドプーリ30にこれを包囲するプーリカバー100を備える。また、このワイヤーソー装置は、プーリカバー100の排出ノズル104から剥離させた切粉を吸引するためのバキュームポンプ200、切粉を濾過して分離された水を収容すると共に、この水をプーリカバー100へ循環させるための排水タンク300を備える。吸引された切粉は、排水タンク300に導入され、タンク内で濾過され、濾過された水は排水タンク300からプーリカバー100の冷却水供給ノズルへ戻るようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種コンクリート構造物、石材等の切断に用いられるワイヤーソー切断装置に関する。詳しくは、切断の進行により生じる切粉を効率的に除去・回収するワイヤーソー切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル、地下鉄あるいは地下街などの建造物の壁、床あるいは天井、橋脚、堤防または各種プラントその他のコンクリート構造物(鉄筋コンクリートを含む)、ヒューム管などのコンクリート二次製品を含むコンクリート製品、石材等の切断装置として、従来からワイヤーソー切断装置が用いられている。
【0003】
図6は、一般的なワイヤーソー切断装置の外観を示すものである。ワイヤーソー切断装置1’は、コンクリート構造物等の切断対象物W上に固定され、切断対象物Wに無端状の切断用ワイヤー10を掛け渡した状態で用いられる。この状態でワイヤー駆動プーリ20を回転させると、切断用ワイヤー10が循環走行してコンクリート構造物Wが切断される。そして、ワイヤーソー切断装置には、切断対象物Wに対し切断用ワイヤー10の侵入位置をガイドするための送り側ガイドプーリ30と、切断対象物Wから出た切断用ワイヤー10を駆動プーリ20へガイドするための戻り側ガイドプーリ40が設置されるのが一般的である。また、図6のワイヤーソー切断装置においては、切断の進行により生じる切断用ワイヤー10の緩みを解消し、ワイヤーに張力を付与し続けるための補助プーリ(テンションプーリ)50が設置されている。
【0004】
ところで、ワイヤーソー切断装置による切断作業においては、切断対象物との摩擦により加熱した切断用ワイヤーを冷却するため、切断対象物Wの切断箇所に水を供給して作業を行うことが多く、そのために多量の水が必要となる。また、供給した水と切断の際に排出された切粉とが混練したヘドロ状の排出物が周囲に飛散し、周囲を汚すこととなる。これらから、冷却水を単純に供給して作業する場合には、多量の水の確保と汚れ防止のための現場の養生のための手間の問題があった。
【0005】
これらの冷却水の供給の問題について、冷却水の供給量を少量としつつ切断作業を可能とする方法が提案されている。特許文献1には、切断対象物の切り口をシール手段で覆ってシールすると共に、切断用ワイヤーの戻り側の切り口より放出される切粉をバキューム手段により吸引除去し、その後冷却水を切断用ワイヤー噴射・噴霧するワイヤーソー装置が記載されている。
【特許文献1】特許第3894910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術において、切粉をバキューム吸引することは、切断対象物の切り口から排出され飛散する切粉の除去においては効果がある。しかしながら、切断対象物から生じる切粉は、粉塵としてそのまま飛散する他、切断用ワイヤーに固着するものも多い。この点、切断用ワイヤーは、表面に無数の凹凸がある研摩材であり、切粉が付着しやすい上に、作業時の切断用ワイヤーは高速(数10〜100km/h)で切断対象物中を循環しており、付着した切粉は強固に切断用ワイヤーに固着しており容易に除去できない。そして、切断用ワイヤーに付着した切粉を回収しないと、切粉の飛散量が増大し、もはや吸引では追いつかなくなるだけでなく、ワイヤーの切断能力が低下するという問題がある。このような切断用ワイヤーに付着した切粉の除去・回収については、上記従来技術は殆ど対応できない。
【0007】
また、上記従来技術では、冷却水を切断用ワイヤーに噴射・噴霧しているが、上記の通り高速で循環するワイヤーに冷却水を噴きつけると、水が周囲に飛散するので、これを考慮した養生が必要となるため、切断作業の際の負担を軽減することにはならない。
【0008】
そこで、本発明は、ワイヤーソー切断装置について、切断作業時に生じる切粉の回収、特に、切断用ワイヤーに付着した切粉を効果的に除去・回収することができるものを提供する。尚、本発明においては、切断用ワイヤーへ供給する冷却水の使用量を低減するものであることを前提とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明は、切断対象物に掛け渡された状態で用いられる無端状の切断用ワイヤーと、前記切断用ワイヤーに動力を与える駆動プーリと、前記駆動プーリにより付勢された切断用ワイヤーを切断対象物にガイドする送り側ガイドプーリ及び切断対象物から出た切断用ワイヤーを駆動プーリ方向へガイドする戻り側ガイドプーリと、前記送り側ガイドプーリと戻り側ガイドプーリとの間に設置される少なくとも1の補助プーリと、を備えるワイヤーソー切断装置において、前記送り側ガイドプーリ又は前記補助プーリのいずれかを包囲するプーリカバーを備え、前記プーリカバーは、そこに進入する切断用ワイヤーとプーリカバーに包囲されたプーリとが接触する前に、当該プーリを保水状態にする水供給手段を有し、更に、前記プーリカバーに包囲されたプーリと接触する前後の切断用ワイヤーがなす角度が180°未満となるように各プーリが配置されており、保水状態となったプーリが切断用ワイヤーに付着した切粉を湿潤及び剥離させるようになっていることを特徴とするワイヤーソー切断装置である。
【0010】
本発明は、切断用ワイヤーへの冷却水の供給方法として、上記従来技術のように直接ワイヤーへ水を噴きつけるのではなく、ワイヤーと接触するプーリ(ガイドプーリ、補助プーリ)の方へ水を供給し、プーリの表面、特にワイヤーと接触する溝部分で水を保持する状態(保水状態)とし、これによりワイヤーに水を供給するものである。このように、高速で回転するプーリを介して水を供給し、プーリとの接触時の衝撃・摩擦を利用することで、切断用ワイヤーを速やかに濡らして冷却すると共に付着した切粉を湿潤させることができる。この切粉の湿潤は、ワイヤーに固着した切粉に対してもなされ、水と混練された切粉はヘドロ状(又はスラリー状)となって容易に除去可能な状態となる。
【0011】
そして、本発明では、保水状態のプーリと接触する前後の切断用ワイヤーがなす角度が180°未満となるように、各プーリを設置する。このようにすることでヘドロ状又はスラリー状となった切粉をワイヤーから容易に剥離することができる。図1はこの作用を説明するものであり、図のように送り側ガイドプーリに接触する前後の切断用ワイヤーがなす角度が180°未満とすることで、切断用ワイヤーを曲げてその進行方向を変化させる力(f)が作用し、この切断用ワイヤーの曲がりによりヘドロ状の切粉が剥離しやすくなる。この点、図1の下図のように、送り側ガイドプーリに接触する前後の切断用ワイヤーがなす角度が180°であると、切粉の剥離は不十分となり、そのまま切断用ワイヤーに残留するものが多くなる。この切断用ワイヤーの進行角度は、切断用ワイヤーを濡らすプーリの前後に設置されるプーリの位置により調整できる。
【0012】
本発明で補助プーリ又は送り側ガイドプーリについて、これらを包囲するカバーを備えるのは、プーリを介した切断用ワイヤーへの水の供給においては、周囲への水の飛散は少ないものの、全くないわけではないからである。また、ヘドロ状となった切粉の飛散も多少あると考えられるため、これらの飛散防止のためのカバーである。また、カバーを設置することで、カバーに水供給手段や、後述する切粉の回収手段を設置することができ、各構成部材を一体化して作業時の装置組み立てを容易にすることができる。
【0013】
そして、本発明においては、プーリカバー内部で発生した湿潤状態の切粉を回収する回収手段、更に、回収手段で回収された切粉から水を分離する水分離手段と、前記水分離手段により分離された水をカバーの水供給手段に供給する循環手段を備えたものが好ましい。
【0014】
湿潤状態となった切粉は、上記の通り、切断用ワイヤーから剥離し落下するが、これをそのままにすると、プーリカバー内に堆積することとなることから、切粉を回収する手段の設置が好ましい。また、回収された切粉は水を含むものであるが、この水の分離は比較的容易であり、分離した水は冷却水として再利用可能である。そこで、回収した切粉の分離手段及び水の循環手段を設置することが好ましい。これらの付加装置は、例えば、プーリカバー内部を吸引する吸引機及びそのための配管を設置し、その配管内にろ過機構を備えるタンクを設けて、ろ過された回収した水をプーリカバーの水供給手段へ送液するポンプを設置するものが考えられる。
【0015】
また、本発明においては、戻り側ガイドプーリについて、これを包囲する吸塵カバーを設け、更に、吸塵カバーの内部で生じる粉塵を吸引する吸引手段を設置することが好ましい。切断対象物からでた切断用ワイヤーが巻き上げる切粉を吸引除去し、現場雰囲気を浄化するためである。
【0016】
本発明に係るワイヤーソー切断装置は、以上説明した送り側、補助プーリ又は戻り側ガイドプーリへプーリカバーを設け、必要に応じて戻り側ガイドプーリへ吸塵カバーを設置する点に特徴を有し、その他の部分においては特に限定されることはなく、従来のワイヤーソー切断装置が適用できる。即ち、切断用ワイヤー、駆動プーリ等の構造や送り側、戻り側プーリ以外の補助プーリの数においては特に限定されることはない。また、駆動プーリ、送り側、戻り側ガイドプーリ等の各構成部材は、これらが必ずしも1の支柱に接続され一体化したものでなくとも良く、別々に切断対象物に固定されていても良い。
【0017】
尚、プーリカバー設置において特に好ましいのは、送り側ガイドプーリへの設置である。送り側ガイドプーリは切断対象物に近接する低い位置にあり、切粉の回収が容易であり、また、切粉から分離した水の循環のための循環手段として使用するポンプの能力(揚程)を抑えることができるからである。
【発明の効果】
【0018】
以上説明した本発明によれば、切断用ワイヤーに付着した切粉を効率的に除去し、切断作業を安定的継続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係るワイヤーソー切断装置(以下、単に「装置」と称することがある)の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図2は、本実施形態に係るワイヤーソー切断装置を示す。図2において、ワイヤーソー切断装置1は、無端状の切断用ワイヤー10、駆動プーリ20、送り側ガイドプーリ30、戻り側ガイドプーリ40を備える。また、この実施形態では、切断作業進行に伴い、切断用ワイヤー10の張力を調整するための補助プーリであるテンションプーリ50a、50bを備える。そして、これらの部材は、支柱60にブラケット61、62を介して取り付けられ、更に、支柱60はベース70を介して切断対象物Wに固定されている。そして、切断用ワイヤー10は、駆動プーリ20、送り側ガイドプーリ30、戻り側ガイドプーリ40、テンションプーリ50a、50bに掛けられ、切断対象物Wを切断するようになっている。尚、本実施形態では、ガイドプーリ30が送り側ガイドプーリとし、ガイドプーリ40を戻り側ガイドプーリとしているが、これらのガイドプーリの機能(送り側であるか戻り側であるか)は、切断現場の状況に応じて切断用ワイヤーの進行方向(駆動プーリの回転方向)を切換えることにより変更可能であり、それに応じてプーリカバーが配置される。
【0021】
また、ワイヤーソー切断装置1の送り側ガイドプーリ30の設置において、送り側ガイドプーリ30に接触する前後の切断用ワイヤー10がなす角度が180°未満となるようになっている。この角度調整の方法としては、送り側プーリの固定位置により調整する。図3は、送り側プーリの固定構造を示す。送り側プーリ30の設置は、ブラケット61にホルダー63を挿し込み固定し、ホルダー63へ直接送り側プーリ30を固定する他(図3の(a))、必要に応じてホルダー63を抱き込む状態で固定されるアダプター64を更に使用する(図3の(b))。そして、送り側プーリ30は、ホルダー62をスライドさせて位置調整され、背面のボルト65により固定される。
【0022】
そして、このワイヤーソー切断装置1は、送り側ガイドプーリ30にこれを包囲するプーリカバー100を備える。図4は、プーリカバーを説明する図である。プーリカバー100は、送り側ガイドプーリ30を包囲する多角形形状の容体であり、本体101と蓋体102とからなり、本体101の上部及び下部には切断用ワイヤーの出入りのためのスリットが空けられている。また、送り側ガイドプーリ30に冷却水を供給するための冷却水供給ノズル103が設置されており、更に、剥離された切粉を吸引するための排出ノズル104が接続されている。プーリカバー100は、切断作業時において蓋体102を被せて固定し、外部への水、切粉の飛散を防ぐ。
【0023】
また、ワイヤーソー切断装置1は、プーリカバー100の排出ノズル104から切粉を吸引するためのバキュームポンプ200、切粉を濾過して分離された水を収容すると共に、この水をプーリカバー100へ循環させるための排水タンク300を備える。図5は、プーリカバー100、バキュームポンプ200、排水タンク300の構成を詳細に説明する図である。プーリカバー100内の切粉の吸引は、排出ノズル104を介して接続される排水タンク内をバキュームポンプ300により減圧することによりなされる。そして、吸引された切粉は、排水タンク300に導入され、タンク内の濾紙301により濾過される。濾過により水が分離した切粉は、ケーキ状となって濾紙上に残留する。濾過された水は排水タンク300内に貯留され、タンク内の循環ポンプ302により、プーリカバー100の冷却水供給ノズル103へ戻る。以上により、冷却水を循環させて使用することで、その使用量を制限することができる。
【0024】
一方、戻り側ガイドプーリ40には、吸塵カバー400が設置される。吸塵カバー400は、その下端面が開口された箱体であり、下端面は接合対象物Wに近接している。このようにすることで、切断用ワイヤー10が巻き上げる粉塵を速やかに除去することができる。粉塵カバー400には、大型バキューム500が接続されており、粉塵カバー400内部を急速に吸引することができる。
【0025】
このようなワイヤーソーイング装置1の切断作業時の動作を、切断対象物Wの切断作業を通じて説明する。
【0026】
切断対象物Wに切断用ワイヤー10を掛け渡すための穴H1、H2を開けた後、ベース20を切断対象物W上に設置・固定する。そして、ガイドプーリ30、40の位置決めを行い、切断用ワイヤー10を各プーリ20、30、40、50a、50bに引っ掛けると共に切断対象物Wに掛け渡し、切断用ワイヤー10を無端状に繋ぎ張力を調整する。以上のようにしてワイヤーソーイング装置1を設置する。
【0027】
ワイヤーソーイング装置1の設置が完了した後、駆動モータ(図示せず)を作動させて駆動プーリ20を回転し、切断用ワイヤー10が循環走行させて切断対象物Wの切断を開始する。また、テンションプーリ50a、50bを上方に移動させることで、切断用ワイヤー10の弛みの発生が防止され、切断用ワイヤー10に張力が付与された状態が維持される。
【0028】
一方、排水タンク300には、予め、水を貯蔵している。そして、上記のワイヤーソーイング装置1の作動開始である駆動プーリ20の回転開始の前に、循環ポンプ302及びバキュームポンプ200を作動させて、送り側ガイドプーリ廻りの水循環を開始させておく。尚、循環ポンプ302及びバキュームポンプ200の作動開始は、駆動プーリ20の回転開始でも良いが、切断作業開始直後から切粉の除去が可能とするためには、事前の作動開始が好ましい。
【0029】
また、戻り側ガイドプーリ40側の吸塵カバー400についても、駆動プーリ20の回転開始の前に大型バキューム500を動作させて、吸引を開始するのが好ましい。
【0030】
切断対象物Wの切断の進行に伴い、切断用ワイヤー10の表面には切粉が固着するが、プーリカバー100内で切断用ワイヤー10は、保水した送り側ガイドプーリ30によって濡れ、切粉はヘドロ状になってワイヤーから剥離する。ヘドロ状の切粉は直ちに排出ノズル104から吸引され、排水タンク300内の濾紙301で濾過される。濾過された水は、一旦排水タンク300内で貯留されるが、循環ポンプ302により循環する。
【0031】
以上のワイヤーソー切断装置1においては、切断作業中の切粉、冷却水の飛散もなく、また、切断用ワイヤーの切粉による目詰まりもない状態で作業が可能であった。よって、このワイヤーソー切断装置1は切断現場の環境汚染を改善すると共に、切断作業の効率化を図る上で好ましいものであることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】送り側ガイドプーリにおける切子の剥離状態を説明する図。
【図2】本実施形態に係るワイヤーソー切断装置の概略を示す図。
【図3】本実施形態に係るワイヤーソー切断装置における送り側ガイドプーリの固定構造を示す図。
【図4】本実施形態で使用するプーリカバーの外観を示す図。
【図5】本実施形態で使用するバキュームポンプ及び排水タンクを示す図。
【図6】従来のワイヤーソー切断装置の外観を示す図。
【符号の説明】
【0033】
1 ワイヤーソー切断装置
10 切断用ワイヤー
20 駆動プーリ
30 送り側ガイドプーリ
40 戻り側ガイドプーリ
50a、50b テンションプーリ
60 支柱
100 プーリカバー
103 冷却水供給ノズル
104 排出ノズル
200 バキュームポンプ
300 排水タンク
301 濾紙
302 循環ポンプ
400 吸塵カバー
500 大型バキューム
W 切断対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断対象物に掛け渡された状態で用いられる無端状の切断用ワイヤーと、前記切断用ワイヤーに動力を与える駆動プーリと、前記駆動プーリにより付勢された切断用ワイヤーを切断対象物にガイドする送り側ガイドプーリ及び切断対象物から出た切断用ワイヤーを駆動プーリ方向へガイドする戻り側ガイドプーリと、前記送り側ガイドプーリと戻り側ガイドプーリとの間に設置される少なくとも1の補助プーリと、を備えるワイヤーソー切断装置において、
前記送り側ガイドプーリ又は前記補助プーリのいずれかを包囲するプーリカバーを備え、
前記プーリカバーは、そこに進入する切断用ワイヤーとプーリカバーに包囲されたプーリとが接触する前に、当該プーリを保水状態にする水供給手段を有し、
更に、前記プーリカバーに包囲されたプーリと接触する前後の切断用ワイヤーがなす角度が180°未満となるように各プーリが配置されており、保水状態となったプーリが切断用ワイヤーに付着した切粉を湿潤及び剥離させるようになっていることを特徴とするワイヤーソー切断装置。
【請求項2】
プーリカバー内部で剥離した切粉を回収する回収手段を備える請求項1記載のワイヤーソー切断装置。
【請求項3】
更に、回収手段で回収された切粉から水を分離する水分離手段と、前記水分離手段により分離された水をプーリカバーの水供給手段に供給する循環手段と、備える請求項2記載のワイヤーソー切断装置。
【請求項4】
プーリカバーは、送り側ガイドプーリに設けられたものである請求項1〜請求項3のいずれかに記載のワイヤーソー切断装置。
【請求項5】
戻り側ガイドプーリを包囲する吸塵カバーと、前記吸塵カバーの内部で生じる粉塵を吸引する吸引手段とを備える請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のワイヤーソー切断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−30089(P2010−30089A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−193213(P2008−193213)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(593110580)株式会社シブヤ (18)
【Fターム(参考)】